(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】ウォーターサーバー
(51)【国際特許分類】
B67D 3/00 20060101AFI20220901BHJP
【FI】
B67D3/00 K
B67D3/00 H
(21)【出願番号】P 2018117872
(22)【出願日】2018-06-21
【審査請求日】2021-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】316003276
【氏名又は名称】株式会社コスモライフ
(73)【特許権者】
【識別番号】518194682
【氏名又は名称】佛山市順徳区美的飲水機制造有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】荒川 眞吾
(72)【発明者】
【氏名】兪 国強
(72)【発明者】
【氏名】甘 植盛
(72)【発明者】
【氏名】高 勇
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録実用新案第20-0350289(KR,Y1)
【文献】特開2017-074989(JP,A)
【文献】特開2005-187020(JP,A)
【文献】特開2012-171679(JP,A)
【文献】特開2012-085929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/00- 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる筒部(8)と、その筒部(8)の上部を塞ぐ天板(9)とを有する筐体(2)と、前記天板(9)に設けられ、交換式の原水容器(20)が載置される容器ホルダ(3)と、前記筐体
(2)の内部に収容された冷水タンク(4)と、前記原水容器(20)内の飲料水の自重により前記原水容器(20)から前記冷水タンク(4)内に飲料水を導入する原水導入管(5)と、前記冷水タンク(4)内の飲料水を冷却する冷却装置(6)と、前記冷水タンク(4)内の飲料水を注出する冷水注出管(7)と、前記冷水注出管(7)を開閉する冷水注出弁(7b)と、前記冷水注出弁(7b)を開閉する冷水注出操作部(26)と、を有するウォーターサーバーにおいて、
前記筐体(2)の内部に前方に開口する注出室(14)と、前記注出室(14)の下方に位置し、前方に開口する収容部(15)とを有し、前記注出室(14)の内部に前記冷水注出操作部(26)が配置されて
おり、前記収容部(15)は、下部開口縁部から前方に向かって下向きに傾斜するスロープ(18)を有
し、前記収容部(15)の底板(10)およびスロープ(18)は、前記原水容器(20)の素材よりも柔らかい素材により形成されていることを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項2】
前記冷却装置(6)が圧縮機(24)により運転される冷凍サイクルであり、前記圧縮機(24)が前記筐体(2)に対して、前記収容部(15)よりも高位に配置されていることを特徴とする請求項1に記載されたウォーターサーバー。
【請求項3】
前記収容部(15)はその開口の左右方向の両側縁に取り付けられる一対の補強板部(15c)を有し、前記一対の補強板部(15c)は、その上部が下部よりも左右方向内向きに突出する状態に形成されていることを特徴とする請求項
1または2に記載されたウォーターサーバー。
【請求項4】
上下方向に延びる筒部(8)と、その筒部(8)の上部を塞ぐ天板(9)とを有する筐体(2)と、前記天板(9)に設けられ、交換式の原水容器(20)が載置される容器ホルダ(3)と、前記筐体
(2)の内部に収容された冷水タンク(4)と、前記原水容器(20)内の飲料水の自重により前記原水容器(20)から前記冷水タンク(4)内に飲料水を導入する原水導入管(5)と、前記冷水タンク(4)内の飲料水を冷却する冷却装置(6)と、前記冷水タンク(4)内の飲料水を注出する冷水注出管(7)と、前記冷水注出管(7)を開閉する冷水注出弁(7b)と、前記冷水注出弁(7b)を開閉する冷水注出操作部(26)と、を有するウォーターサーバーにおいて、
前記筐体(2)の内部に前方に開口する注出室(14)と、前記注出室(14)の下方に位置し、前方に開口する収容部(15)とを有し、前記注出室(14)の内部に前記冷水注出操作部(26)が配置されて
おり、前記収容部(15)はその開口の左右方向の両側縁に取り付けられる一対の補強板部(15c)を有し、前記一対の補強板部(15c)は、その上部が下部よりも左右方向内向きに突出する状態に形成されていることを特徴とするウォーターサーバー。
【請求項5】
前記冷却装置(6)が圧縮機(24)により運転される冷凍サイクルであり、前記圧縮機(24)が前記筐体(2)に対して、前記収容部(15)よりも高位に配置されていることを特徴とする請求項
4に記載されたウォーターサーバー。
【請求項6】
前記収容部(15)は、下部開口縁部から前方に向かって下向きに傾斜するスロープ(18)を有することを特徴とする請求項
4または5に記載されたウォーターサーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、筐体の上部に設けられた容器ホルダ上に交換式の原水容器が載置され、原水容器内の飲料水が注出されるウォーターサーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスや病院などの業務施設でウォーターサーバーが利用されている。近年、水の安全や健康への関心が高まり、一般家庭にもウォーターサーバーが普及しつつある。
【0003】
一般に、ウォーターサーバーは、筐体と、筐体に格納された冷水タンクと、冷水タンクに飲料水を供給するための原水導入管と、冷水タンク内の飲料水を筐体外の大気まで導くための冷水注出管と、を備えている。使用者は、冷水注出管を開閉する弁の開弁操作を行うことにより、冷水注出管から流れ落ちる飲料水をカップ等で受けることができる。
【0004】
飲料水の味や安全性を気にする使用者には、交換式の原水容器を原水導入管に接続する方式のウォーターサーバーが好評である(例えば、特許文献1)。
【0005】
特許文献1のウォーターサーバーは、筐体の上部に設けられた容器ホルダを備える。容器ホルダには、使用者によって、交換式の原水容器が載置される。この原水容器内の飲料水は、自重により、原水導入管を流下する。冷水タンク内の飲料水は、使用者の開弁操作後、自重により、冷水注出管を流下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般に、交換式の原水容器の容量は、10~20リットル程度であり、2週間程度で原水容器内の飲料水を使い切ることが多い。そこで、ウォーターサーバーの使用者は、原水容器を受注する水事業者との間で、原水容器の容量、数量、定期配送間隔等を指定した契約を行い、原水容器が水事業者から定期配送されている。
【0008】
定期配送された新品の原水容器は、通常、原水容器内の飲料水を使い切った直後に交換することができるように、ウォーターサーバーの付近に載置されている。ウォーターサーバーがリビングやダイニング等の室内に設置されていると、新品の原水容器がリビングやダイニング等の室内スペースの一部を占有することになる。すなわち、予備となる新品の原水容器が占有するスペースは、ウォーターサーバーを利用する間、有効活用することが難しい。
【0009】
この発明が解決しようとする課題は、設置箇所付近のスペースを有効活用することができるウォーターサーバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、この発明は、上下方向に延びる筒部と、その筒部の上部を塞ぐ天板とを有する筐体と、前記天板に設けられ、交換式の原水容器が載置される容器ホルダと、前記筐体の内部に収容された冷水タンクと、前記原水容器内の飲料水の自重により前記原水容器から前記冷水タンク内に飲料水を導入する原水導入管と、前記冷水タンク内の飲料水を冷却する冷却装置と、前記冷水タンク内の飲料水を注出する冷水注出管と、前記冷水注出管を開閉する冷水注出弁と、前記冷水注出弁を開閉する冷水注出操作部と、を有するウォーターサーバーにおいて、前記筐体の内部に前方に開口する注出室と、前記注出室の下方に位置し、前方に開口する収容部とを有し、前記注出室の内部に前記冷水注出操作部が配置されている構成を採用することができる。
【0011】
この構成では、予備の原水容器を前方の開口から収容部に収容することができ、ウォーターサーバーの付近に予備の原水容器を載置しておく必要がない。
【0012】
この構成において、前記冷却装置が圧縮機により運転される冷凍サイクルであり、前記圧縮機が前記筐体に対して、前記収容部よりも高位に配置されている構成を採用することができる。
【0013】
冷却装置としての冷凍サイクルの圧縮機は、低温、低圧の冷媒を高温、高圧の冷媒に圧縮するものであり、冷媒の高圧に耐えるために比較的重量が大きいものである。この構成では、比較的重量が大きい圧縮機が収容部よりも高位に配置されている場合でも、収容部内に予備となる交換式の原水容器を載置することで、重心を低くすることが可能となる。
【0014】
前記収容部は、下部開口縁部から前方に向かって下向きに傾斜するスロープを有する構成を採用すると、このスロープに沿って、予備となる交換式の原水容器を収容部内に入れ易くなる。
【0015】
前記収容部の底板およびスロープは、前記原水容器の素材よりも柔らかい素材により形成されている構成を採用すると、予備となる交換式の原水容器がスロープおよび底板部に擦れても、原水容器の摩耗を防止することができる。
【0016】
また、前記収容部はその開口の左右方向の両側縁に取り付けられる一対の補強板部を有し、前記一対の補強板部は、その上部が下部よりも左右方向内向きに突出する状態に形成されている構成を採用することができる。ここで、左右方向とは、収容部の開口に正対した場合での左右方向を意味する。
【0017】
この構成により、一対の補強板部により、前方に開口する収容部を有する筐体を補強することができる。また、一対の補強板部は、その下部が上部よりも左右方向の間隔が大きくなる。このため、予備となる交換式の原水容器を収容部内に入れる際、補強板部が邪魔になりにくい。
【発明の効果】
【0018】
この発明は、筐体の収容部内に予備となる原水容器を載置することで、ウォーターサーバーの付近に予備となる原水容器を載置する必要がなく、ウォーターサーバーの設置箇所付近のスペースを有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】この発明に係る実施形態のウォーターサーバーを示す縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明に係る実施形態のウォーターサーバー1を図面に基づいて説明する。このウォーターサーバー1は、
図1、2に示すように、水平な床面に載置された筐体2と、筐体2の上部に設けられ、交換式の原水容器20が載置される容器ホルダ3と、筐体2の内部に収容された冷水タンク4と、原水容器20内の飲料水の自重により原水容器20から冷水タンク4内に飲料水を導入する原水導入管5とを有する。
【0021】
また、ウォーターサーバー1は、冷水タンク4内の飲料水を冷却する冷却装置6と、冷水タンク4内の飲料水を筐体2の外部に注出する冷水注出管7と、冷水注出管7を開閉する冷水注出弁7bと、冷水注出弁7bを開閉する冷水注出操作部としてのコック26とを有するものである。
【0022】
筐体2は、上下方向に延びる筒部8と、筒部の上端を塞ぐように設けられた天板9と、筒部8の下端を塞ぐように設けられた底板10とを有する。筒部8は、左右一対の側面板11と、側面板11の上側前縁同士を連結する前面板12と、側面板11の後縁同士を連結する後面板13とで構成されている。
【0023】
筐体2は、前面板12に開口し、後方に向かって凹んで形成される注出室14と、注出室14の下方に設けられ、前方に開口する収容部15とを有する。注出室14は、その内部に突き出す状態に冷水注出管7のコック26が取り付けられている。
【0024】
筐体2は、下部の前方が開口しており、その開口の上部がマスク板部15aで閉塞され、マスク板部15aの下縁部から仕切板部15bが後方に延び出している。仕切板部15bにより、筐体2の内部が上下方向に仕切られ、筐体2の内部であって、仕切板部15bの下方に収容部15が形成される。
【0025】
収容部15は、前方開口の左右方向の両側縁に取り付けられる一対の補強板部15cを有する。それぞれの補強板部15cは、上部が下部よりも左右方向内向きに突出する状態に形成されている。
【0026】
補強板部15cの上部と下部との間には、下方に向かうに従い左右方向外向きに傾斜するテーパー部15dを有している。テーパー部15dは、補強板部15cの上部との間、および下部との間で面取りが施されている。この面取りにより、補強板部15cの左右方向内縁部は角張った部分がない状態となっている。
【0027】
収容部15は、その下部開口縁部から前方に向かって下向きに傾斜するスロープ18を有している。収容部15の底板となる筐体2の底板10は、中央に下向きの凹部10aを有している。凹部10aは、円形をなし、中央部分最も深く凹んで形成され、外周部分に向かうに従って徐々に浅く形成されている。この凹部10a上に収容部15内に入れた予備の原水容器20’が載置される。
【0028】
スロープ18および底板10は、プラスチック樹脂により成形されたものである。スロープ18および底板10の素材としては、原水容器20が形成される素材よりも柔らかい素材から形成されている。例えば、原水容器20の素材がPET(ポリエチレンテレフタレート)である場合、スロープ18および底板10の素材としてABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂)やPS(ポリエチレン)などを使用することができる。
【0029】
筐体2は、前面板12の左右方向の一端側(
図2中での左端側)に、注出室14の開口を閉塞する上扉16と、左右方向の一方側(
図2中での左側)の側板部に、収容部15の開口を閉塞する下扉17とを有する。
【0030】
マスク板部15aは、
図1に示すように、前面板12よりも後側の位置(後位)にあり、下扉17が上扉16よりも厚く形成されている。上扉16が注出室14の開口を閉塞し、かつ下扉17が収容部15の開口を閉塞する状態では、上扉16および下扉17の前面の位置が前後方向に合致するようになっている。
【0031】
上扉16は、前面板12の左側の前縁部にヒンジ部12bを介して開閉可能に取り付けられる。下扉17は、左右方向の一方側(
図2中での左側)の側面板11に前縁部にヒンジ部(図示省略)を介して開閉可能に取り付けられる。
【0032】
筐体2の天板9は、上方に突出する矩形の台座部9aと、台座部9aの中央部に設けられる容器ホルダ3とを有する。台座部9aは、中央に設けられる容器ホルダ3に向かうに従って、下向きに傾斜するすり鉢状をなし、外周縁部が天板9の外周縁部よりも高位にある。容器ホルダ3は、天板9のうち原水容器20を保持する部分である。
【0033】
原水容器20は、水出口20aを下向きにした姿勢で容器ホルダ3に載置される。原水容器20の容量は、満水状態で10~20リットルの範囲で設定されている。この原水容器20は、内部の残水量の減少に伴って収縮するように柔軟性をもたせて形成される。
【0034】
筐体2の天板9には、容器ホルダ3で保持した原水容器20から筐体2の内部に収容される冷水タンク4に飲料水を導入する原水導入管5が設けられている。原水導入管5の一端は原水容器20に着脱可能に接続され、原水導入管5の他端は冷水タンク4に固定して接続されている。
【0035】
原水導入管5の冷水タンク4側の端部には、冷水タンク4内の水位に応じて開閉するフロートバルブ21が設けられている。筐体2の上部には、原水容器20を覆うカバー22が取り付けられている。
【0036】
冷水タンク4は、内部に収容された飲料水を冷却する冷却装置6が取り付けられている。冷却装置6は、圧縮機24により運転される冷凍サイクルである。冷却装置6は、冷水タンク4の外周に巻き付けられた冷媒管23と、圧縮機24と、筐体2の後面板13に取り付けられる凝縮器(図示省略)とを配管25で接続して構成されている。圧縮機24は、仕切板部15b上に固定されており、筐体2に対して収容部15よりも高位に配置されている。
【0037】
冷媒管23は、圧縮機24の作動により、例えば、マイナス15℃からマイナス30℃程度に冷却され、冷水タンク4内の飲料水を低温(5℃程度)に保つようになっている。
【0038】
冷水タンク4の底面には、冷水タンク4内の低温の飲料水を外部に注出する冷水注出管7が接続されている。冷水注出管7には、筐体2の外部から操作可能なコック26が設けられ、このコック26を開くことによって冷水タンク4から低温の飲料水を注出室14内でカップ等に注出できるようになっている。
【0039】
ここで、コック26を開いたときに、冷水タンク4内の飲料水がその自重で冷水注出管7を通って筐体2の外部に注出されるように(すなわちポンプを使用せずに飲料水を移動させることができるように)冷水注出管7の水出口7aは、冷水タンク4の底面よりも下側に配置されている。冷水タンク4の飲料水の容量は、原水容器20の容量よりも小さく、2~4リットル程度である。
【0040】
図2に示すように、カバー22は、下方が開口する箱形をなしている。カバー22の開口縁部は、天板9の台座部9aの外周縁部よりも一回り大きい矩形をなしている。カバー22は、台座部9aの周囲に開口縁部が位置するように、天板9上に載置されている。
【0041】
この実施形態に係るウォーターサーバー1は、以上のように構成される。ウォーターサーバー1は、筐体2の下方に前方に開口する収容部15を有するものである。収容部15は、下部開口縁部から前方に向かってスロープ18が設けられている。
【0042】
収容部15内に予備の原水容器20’を入れるには、まず、スロープ18上に載せた予備の原水容器20’を、その水出口20aが上方に向く状態で水出口20aを持って、スロープ18上に載せる。
【0043】
続いて、スロープ18上に沿って後方へ滑らせるようにして、予備の原水容器20’を収容部15の開口縁部を通過させる。このとき、一対の補強板部の下部が上部よりも左右方向の間隔が大きくなっているため、一対の補強板部15cが邪魔になりにくい。
【0044】
また、一対の補強板部15cは、その上部と下部との間にテーパー部15dを有している。テーパー部15dは面取りが施されているので、原水容器20’が補強板部15cに接触しても、予備の原水容器20’は破損し難い。
【0045】
さらに水出口20aを持ちながら、予備の原水容器20’をスロープ18から底板10上へ滑らせながら移動させる。底板10の中央には、凹部10aが設けられているので、凹部10aに移動させた予備の原水容器20’は姿勢が安定する。
【0046】
このように、予備の原水容器20’は、スロープ18から底板10へ滑らせるように移動させて、収容部15内の底板10上に載置される。収容部15内の底板10上に予備の原水容器20’が載置されると、ウォーターサーバー1の重心が低くなり、姿勢が安定する。
【0047】
ここで、ウォーターサーバー1がリビングやダイニング等の室内に設置されている場合、予備の原水容器20’は、収容部15内の底板10上に載置され、リビングやダイニング等の室内スペースの一部を占有することがない。その結果、限られた居住空間において、ウォーターサーバー1の設置箇所付近のスペースを有効活用することができる。
【0048】
また、ウォーターサーバー1は、スロープ18および底板10が原水容器20(予備の原水容器20’)の素材よりも柔らかい素材から形成されている。柔らかい素材から形成されるスロープ18および底板10の上を滑らせても、予備の原水容器20’が摩耗しにくく、破損による漏水を防止することができる。
【0049】
また、この実施形態では、冷却装置6としての冷凍サイクルの圧縮機24が収容部15よりも高位に配置されている。通常、圧縮機24は、低温、低圧の冷媒を高温、高圧の冷媒に圧縮するものであり、冷媒の高圧に耐えるために比較的重量が大きいものである。
【0050】
この圧縮機24が収容部15よりも高位に配置されている場合であっても、収容部15内に予備の原水容器20’を載置することで重心が低くなり、ウォーターサーバー1の安定性が確保され得る。
【0051】
なお、注出室14の開口を閉塞する上扉16を筐体2に取り付けなくてもよく、また、収容部15の開口を閉塞する下扉17を筐体に取り付けなくてもよい。この実施形態のように、上扉16に筐体2に取り付けると、注出室14内への異物の侵入を防止することができる。下扉17に筐体2に取り付けると、収容部15内に載置している予備の原水容器20’が外部から見えなくなる。
【符号の説明】
【0052】
1 ウォーターサーバー
2 筐体
3 容器ホルダ
4 冷水タンク
5 原水導入管
6 冷却装置
7 冷水注出管
7a 水出口
7b 冷水注出弁
8 筒部
9 天板
9a 台座部
10 底板
10a 凹部
11 側面板
12 前面板
12b ヒンジ部
13 後面板
14 注出室
15 収容部
15a マスク板部
15b 仕切板部
15c 補強板部
15d テーパー部
16 上扉
17 下扉
18 スロープ
20 原水容器
20’ 予備の原水容器
20a 水出口
21 フロートバルブ
22 カバー
23 冷媒管
24 圧縮機
25 配管
26 コック