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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】誘電体組成物および電子部品
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/468 20060101AFI20220901BHJP
   H01B 3/12 20060101ALI20220901BHJP
   H01G 4/12 20060101ALI20220901BHJP
   H01G 4/10 20060101ALI20220901BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
C04B35/468
H01B3/12 303
H01B3/12 318G
H01B3/12 326
H01B3/12 304
H01G4/12 180
H01G4/10
H01G4/30 201L
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2017254537
(22)【出願日】2017-12-28
(65)【公開番号】P2018108926
(43)【公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-08-26
(31)【優先権主張番号】201611235524.4
(32)【優先日】2016-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】513144855
【氏名又は名称】厦門ティーディーケイ有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】葛 桂賓
(72)【発明者】
【氏名】張 瑞倫
(72)【発明者】
【氏名】張 帆
(72)【発明者】
【氏名】黄 錦涛
(72)【発明者】
【氏名】武藤 和也
(72)【発明者】
【氏名】大津 大輔
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 翔
【審査官】▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-103532(JP,A)
【文献】特開2007-161557(JP,A)
【文献】特開平09-012357(JP,A)
【文献】特開平09-012356(JP,A)
【文献】特開平09-012365(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B35/42-35/447
C04B35/46-35/515
H01B3/00-3/14
H01G4/12
H01G4/30
H01G4/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタンおよび酸化ビスマスを含有する誘電体組成物であって、
チタン酸バリウムの含有量をBaTiO3換算でaモル%、チタン酸ストロンチウムの含有量をSrTiO3換算でbモル%、酸化チタンおよび酸化ビスマスの含有量をBi2Ti39換算でcモル%とし、a+b+c=100とした場合において、
前記a,bおよびcが三元系相図上にて下記点A,点B,点Cおよび点Dの4点に囲まれる範囲内の値であり、
マンガンを含む化合物およびコバルトを含む化合物のいずれか1つ以上からなる第一副成分、
ニオブを含む化合物からなる第二副成分、
ジルコニウムを含む化合物、スズを含む化合物および亜鉛を含む化合物のいずれか1つ以上からなる第三副成分、
イットリウムを含む化合物、ランタンを含む化合物、セリウムを含む化合物、ネオジムを含む化合物、サマリウムを含む化合物およびジスプロシウムを含む化合物のいずれか1つ以上からなる第四副成分、
とする場合において、
前記第一副成分から前記第四副成分を全て含有する誘電体組成物。
点A:(a,b,c)=(52.1,40.0,7.9)
点B:(a,b,c)=(86.5,5.6,7.9)
点C:(a,b,c)=(91.0,5.6,3.4)
点D:(a,b,c)=(56.6,40.0,3.4)
【請求項2】
チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタンおよび酸化ビスマスを含有する誘電体組成物であって、
チタン酸バリウムの含有量をBaTiO3換算でaモル%、チタン酸ストロンチウムの含有量をSrTiO3換算でbモル%、酸化チタンおよび酸化ビスマスの含有量をBi2Ti39換算でcモル%とし、a+b+c=100とした場合において、
前記a,bおよびcが三元系相図上にて下記点A´,点B,点Cおよび点D´の4点に囲まれる範囲内の値である誘電体組成物。
点A´:(a,b,c)=(64.1,28.0,7.9)
点B:(a,b,c)=(86.5,5.6,7.9)
点C:(a,b,c)=(91.0,5.6,3.4)
点D´:(a,b,c)=(70.8,25.8,3.4)
【請求項3】
前記酸化チタンおよび前記酸化ビスマスの含有量の合計をBi2Ti39換算で100重量%とする場合に、チタン酸ビスマスの形で存在する前記酸化チタンおよび前記酸化ビスマスが80重量%以上である請求項2に記載の誘電体組成物。
【請求項4】
マンガンを含む化合物およびコバルトを含む化合物のいずれか1つ以上からなる第一副成分、
ニオブを含む化合物からなる第二副成分、
ジルコニウムを含む化合物、スズを含む化合物および亜鉛を含む化合物のいずれか1つ以上からなる第三副成分、
イットリウムを含む化合物、ランタンを含む化合物、セリウムを含む化合物、ネオジムを含む化合物、サマリウムを含む化合物およびジスプロシウムを含む化合物のいずれか1つ以上からなる第四副成分、
とする場合において、
上記第一副成分から第四副成分のうち少なくとも1つ以上を含有する請求項2または3に記載の誘電体組成物。
【請求項5】
チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタンおよび酸化ビスマスの含有量の合計を100重量%とする場合において、
前記第一副成分であるマンガンを含む化合物の含有量がMnCO3換算で0.8重量%以下(0を含む)、かつ、コバルトを含む化合物の含有量がCo34換算で1.7重量%以下(0を含む)であり、
前記第二副成分であるニオブを含む化合物の含有量がNb25換算で1.3重量%以下(0を含む)であり、
前記第三副成分に含まれる各成分の含有量をそれぞれZrO2換算、SnO2換算、ZnO換算した場合に、前記第三副成分の含有量の合計が5.5重量%以下(0を含む)であり、かつ、
前記第四副成分に含まれる各成分の含有量をそれぞれY23換算、La23換算、CeO2換算、Nd23換算、Sm23換算、Dy23換算とした場合に、前記第四副成分の含有量の合計が1.0重量%以下(0を含む)である請求項4に記載の誘電体組成物。
【請求項6】
チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタンおよび酸化ビスマスの含有量の合計を100重量%とする場合において、
前記第一副成分であるマンガンを含む化合物の含有量がMnCO3換算で0.8重量%以下(0を含む)、かつ、コバルトを含む化合物の含有量がCo34換算で1.7重量%以下(0を含む)であり、
前記第二副成分であるニオブを含む化合物の含有量がNb25換算で1.3重量%以下(0を含まない)であり、
前記第三副成分に含まれる各成分の含有量をそれぞれZrO2換算、SnO2換算、ZnO換算した場合に、前記第三副成分の含有量の合計が5.5重量%以下(0を含まない)であり、かつ、
前記第四副成分に含まれる各成分の含有量をそれぞれY23換算、La23換算、CeO2換算、Nd23換算、Sm23換算、Dy23換算とした場合に、前記第四副成分の含有量の合計が1.0重量%以下(0を含まない)である請求項1に記載の誘電体組成物。
【請求項7】
前記第一副成分から前記第四副成分を全て含有する請求項5に記載の誘電体組成物。
【請求項8】
前記第三副成分の含有量が前記第一副成分から前記第四副成分の含有量の合計の24~85%である請求項1,6,7のいずれかに記載の誘電体組成物。
【請求項9】
前記第三副成分と前記第四副成分の含有量の合計が前記第一副成分から前記第四副成分の含有量の合計の40~90%である請求項8に記載の誘電体組成物。
【請求項10】
前記酸化チタンおよび前記酸化ビスマスの含有量の合計をBi 2 Ti 3 9 換算で100重量%とする場合に、チタン酸ビスマスの形で存在する前記酸化チタンおよび前記酸化ビスマスが80重量%以上である請求項1に記載の誘電体組成物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載の誘電体組成物からなる電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電体組成物および電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、急速に進む電気機器の高性能化に伴い、電気回路の小型化、複雑化もまた急速に進んでいる。そのため電子部品にもより一層の小型化、高性能化が求められている。すなわち、比誘電率が高く低損失で、高電圧下で使用するために交流破壊電圧が高く、さらに温度特性も良好な誘電体組成物および電子部品が求められている。
【0003】
上記の要求に応えるため、引用文献1には、PbTiO-SrTiO-BiTi系の誘電体組成物が記載されている。しかし、当該誘電体組成物は鉛を含むため環境負荷の観点から問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-163132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、実質的に鉛を使用しないにもかかわらず、比誘電率および交流破壊電圧が良好であり常温での誘電損失が小さい誘電体組成物、および当該誘電体組成物からなる電子部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明に係る誘電体組成物は、
チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタンおよび酸化ビスマスを含有する誘電体組成物であって、
チタン酸バリウムの含有量をBaTiO換算でaモル%、チタン酸ストロンチウムの含有量をSrTiO換算でbモル%、酸化チタンおよび酸化ビスマスの含有量をBiTi換算でcモル%とし、a+b+c=100とした場合において、
前記a,bおよびcが三元系相図上にて下記点A,点B,点Cおよび点Dの4点に囲まれる範囲内の値であることを特徴とする誘電体磁成物である。
点A:(a,b,c)=(52.1,40.0,7.9)
点B:(a,b,c)=(86.5,5.6,7.9)
点C:(a,b,c)=(91.0,5.6,3.4)
点D:(a,b,c)=(56.6,40.0,3.4)
【0007】
また、本発明に係る誘電体組成物は、より好ましくは、
チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタンおよび酸化ビスマスを含有する誘電体組成物であって、
チタン酸バリウムの含有量をBaTiO換算でaモル%、チタン酸ストロンチウムの含有量をSrTiO換算でbモル%、酸化チタンおよび酸化ビスマスの含有量をBiTi換算でcモル%とし、a+b+c=100とした場合において、
前記a,bおよびcが三元系相図上にて下記点A´,点B,点Cおよび点D´の4点に囲まれる範囲内の値であることを特徴とする誘電体組成物である。
点A´:(a,b,c)=(64.1,28.0,7.9)
点B:(a,b,c)=(86.5,5.6,7.9)
点C:(a,b,c)=(91.0,5.6,3.4)
点D´:(a,b,c)=(70.8,25.8,3.4)
【0008】
本発明に係る誘電体組成物は、上記の特定の組成および含有量とすることで、実質的に鉛を使用しないにもかかわらず比誘電率および交流破壊電圧を良好にし、常温での誘電損失を小さくすることができる。
【0009】
本発明に係る誘電体組成物は、前記酸化チタンおよび前記酸化ビスマスの含有量の合計をBiTi換算で100重量%とする場合に、チタン酸ビスマスの形で存在する前記酸化チタンおよび前記酸化ビスマスが80重量%以上であることが好ましい。
【0010】
本発明に係る誘電体組成物は、
マンガンを含む化合物およびコバルトを含む化合物のいずれか1つ以上からなる第一副成分、
ニオブを含む化合物からなる第二副成分、
ジルコニウムを含む化合物、スズを含む化合物および亜鉛を含む化合物のいずれか1つ以上からなる第三副成分、
イットリウムを含む化合物、ランタンを含む化合物、セリウムを含む化合物、ネオジムを含む化合物、サマリウムを含む化合物およびジスプロシウムを含む化合物のいずれか1つ以上からなる第四副成分、
とする場合において、
前記第一副成分から第四副成分のうち少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0011】
さらに、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタンおよび酸化ビスマスの含有量の合計を100重量%とする場合において、
前記第一副成分であるマンガンを含む化合物の含有量がMnCO換算で0.8重量%以下(0を含む)、かつ、コバルトを含む化合物の含有量がCo換算で1.7重量%以下(0を含む)であり、
前記第二副成分であるニオブを含む化合物の含有量がNb換算で1.3重量%以下(0を含む)であり、
前記第三副成分に含まれる各成分の含有量をそれぞれZrO換算、SnO換算、ZnO換算した場合に、前記第三副成分の含有量の合計が5.5重量%以下(0を含む)であり、かつ、
前記第四副成分に含まれる各成分の含有量をそれぞれY換算、La換算、CeO換算、Nd換算、Sm換算、Dy換算とした場合に、前記第四副成分の含有量の合計が1.0重量%以下(0を含む)であることが好ましい。
【0012】
本発明に係る誘電体組成物は、前記第一副成分から前記第四副成分を全て含有することが好ましい。
【0013】
本発明に係る誘電体組成物は、前記第三副成分の含有量が前記第一副成分から前記第四副成分の含有量の合計の24~85%であることが好ましい。
【0014】
本発明に係る誘電体組成物は、前記第三副成分と前記第四副成分の含有量の合計が前記第一副成分から前記第四副成分の含有量の合計の40~90%であることが好ましい。
【0015】
本発明に係る電子部品は、上記の誘電体組成物からなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は本発明の実施形態に係る単板コンデンサの断面図である。
図2図2は本実施形態に係る主成分の組成の三元系相図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の具体的な実施形態を図面に基づき説明する。
【0018】
本実施形態の誘電体組成物からなる電子部品の種類には特に制限はないが、例えば、図1に示す単板コンデンサ1が挙げられる。
【0019】
図1に示す単板コンデンサ1は本実施形態に係る誘電体組成物10を有する。誘電体組成物10の両面にはそれぞれ端子12a,12bが電極14a,14bを介して固着され、その周囲全面にわたって合成樹脂16で被覆されている。
【0020】
本実施形態に係る誘電体組成物はチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタンおよび酸化ビスマスを特定の範囲内の含有量で含有する。以下、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタンおよび酸化ビスマスを主成分と呼ぶことがある。
【0021】
具体的には、チタン酸バリウムの含有量をBaTiO換算でaモル%、チタン酸ストロンチウムの含有量をSrTiO換算でbモル%、酸化チタンおよび酸化ビスマスの含有量をBiTi換算でcモル%とし、a+b+c=100とした場合において、
前記a,bおよびcが三元系相図上にて下記点A,点B,点Cおよび点Dの4点に囲まれる範囲内の値となるように各成分を含有する。
点A:(a,b,c)=(52.1,40.0,7.9)
点B:(a,b,c)=(86.5,5.6,7.9)
点C:(a,b,c)=(91.0,5.6,3.4)
点D:(a,b,c)=(56.6,40.0,3.4)
【0022】
また、前記a,bおよびcが三元系相図上にて下記点A´,点B,点Cおよび点D´の4点に囲まれる範囲内の値となるように各成分を含有することがより好ましい。
点A´:(a,b,c)=(64.1,28.0,7.9)
点B:(a,b,c)=(86.5,5.6,7.9)
点C:(a,b,c)=(91.0,5.6,3.4)
点D´:(a,b,c)=(70.8,25.8,3.4)
【0023】
上記各点の位置を示す三元系相図を図2に示す。
【0024】
本実施形態に係る誘電体組成物は、各主成分の組成が点A,点B,点Cおよび点Dの4点に囲まれる範囲内であることにより、実質的に鉛を使用しなくても比誘電率および交流破壊電圧を良好にし、常温での誘電損失を小さくすることができる。各主成分の組成が点A´,点B,点Cおよび点D´の4点に囲まれる範囲内である場合には、比誘電率、温度特性および誘電損失の全体的なバランスが、より良好になる傾向がある。各主成分の組成が点A´,点B,点Cおよび点D´の4点に囲まれる範囲内である場合には、特に、高温での誘電損失が小さくなる傾向がある。本願では、「常温」とは概ね25℃前後、さらに詳しくは20~30℃程度の温度を指す。「高温」とは概ね125℃前後、さらに詳しくは100~150℃程度の温度を指す。
【0025】
なお、本実施形態に係る誘電体組成物では、実質的に鉛を使用しないとは、具体的には、誘電体組成物全体の100重量%とした場合において鉛の含有量が0.001重量%以下である場合を指す。本実施形態に係る誘電体組成物では、鉛を実質的に使用しないことで、環境負荷を小さくすることができる。
【0026】
酸化チタンおよび酸化ビスマスは誘電体組成物中に別々に存在していてもよいが、チタン酸ビスマス(BiTi)として存在していることが好ましい。酸化チタンおよび酸化ビスマスをチタン酸ビスマスとして存在させることにより、さらに交流破壊電圧および温度特性を向上させ、誘電損失を低下させることができる。
【0027】
誘電体組成物中において酸化チタンおよび酸化ビスマスが別々に存在しているか、チタン酸ビスマスとして存在しているかはXRD、EPMA、TEM-EDS等により誘電体組成物の内部構造を観察することで確認することができる。具体的には、XRDの回折ピークから各相を同定する、もしくは、Ba、Sr、Bi、Ti、のマッピングを観察し重ね合せることで各相を判別することができる。また、誘電体組成物中における酸化チタンおよび酸化ビスマスの含有量をBiTi換算で100重量%とした場合に、チタン酸ビスマスとして存在する酸化チタンおよび酸化ビスマスの割合が80重量%以上であることが好ましい。
【0028】
本実施形態に係る誘電体組成物は、第一副成分としてマンガンを含む化合物およびコバルトを含む化合物のいずれか1つ以上を含有することが好ましい。第一副成分を含有することにより温度特性を良好にすることができる。
【0029】
前記マンガンを含む化合物の含有量は、主成分全体を100重量%とした場合において、MnCO換算で0.8重量%以下であることが好ましく、0.5~0.8重量%であることがさらに好ましい。マンガンを含む化合物を上記の範囲内で含有することにより、比誘電率および交流破壊電圧を良好にし、誘電損失を小さくするするとともに温度特性を向上させることができる。
【0030】
前記コバルトを含む化合物の含有量は、主成分全体を100重量%とした場合において、Co換算で1.7重量%以下であることが好ましく、0.5~1.7重量%であることがさらに好ましい。コバルトを含む化合物を上記の範囲内で含有することにより、比誘電率およびACブレークダウン電場を良好にし、誘電損失を小さくするとともに温度特性を向上させることができる。
【0031】
本実施形態に係る誘電体組成物は、第二副成分としてニオブを含む化合物を含有することが好ましい。第二副成分を含有することにより温度特性を良好にし、誘電損失を小さくすることができる。
【0032】
前記ニオブを含む化合物の含有量は、主成分全体を100重量%とした場合において、Nb換算で1.3重量%以下であることが好ましく、0.5~1.3重量%であることがさらに好ましい。ニオブを含む化合物を上記の範囲内で含有することにより、比誘電率、交流破壊電圧を良好にし、誘電損失を小さくするとともに温度特性を向上させることができる。
【0033】
本実施形態に係る誘電体組成物は、第三副成分としてジルコニウムを含む化合物、スズを含む化合物および亜鉛を含む化合物のいずれか1つ以上を含有することが好ましい。第三副成分を含有することにより温度特性を良好にし、誘電損失を小さくすることができる。
【0034】
前記各成分の含有量をそれぞれZrO換算、SnO換算、ZnO換算した場合に、第三副成分の含有量の合計が5.5重量%以下であることが好ましく、0.5~5.5重量%であることがさらに好ましい。第三副成分を上記の範囲内で含有することにより、比誘電率および交流破壊電圧を良好にし、誘電損失を小さくするとともに温度特性を向上させることができる。
【0035】
本実施形態に係る誘電体組成物は、第四副成分としてイットリウムを含む化合物、ランタンを含む化合物、セリウムを含む化合物、ネオジムを含む化合物、サマリウムを含む化合物およびジスプロシウムを含む化合物のいずれか1種以上を含有することが好ましい。第四副成分を含有することにより温度特性を良好にし、誘電損失を小さくすることができる。
【0036】
前記各成分の含有量をそれぞれY換算、La換算、CeO換算、Nd換算、Sm換算、Dy換算した場合に、第四副成分の含有量の合計が1.0重量%以下であることが好ましく、0.10~1.0質量%以下であることがさらに好ましい。第四副成分を上記の範囲内で含有することにより、比誘電率および交流破壊電圧を良好にし、誘電損失を小さくするとともに温度特性を向上させることができる。
【0037】
本実施形態に係る誘電体組成物は、上記第一副成分から第四副成分のうちいずれか一つ以上を含有することが好ましく、上記第一副成分から第四副成分を全て含有することがより好ましい。上記第一副成分から第四副成分を全て含有することで、誘電損失を小さくし、温度特性を良好にすることができる。上記第一副成分から第四副成分を全て含有する場合には、特に、高温での誘電損失を著しく小さくすることができる。
【0038】
また、上記第一副成分から第四副成分を全て含有する場合には、第一副成分の含有量は、マンガンを含む化合物の含有量がMnCO換算で0.8重量%以下、コバルトを含む化合物の含有量がCo換算で1.7重量%以下であることが好ましい。第二副成分の含有量は1.3重量%以下であることが好ましい。第三副成分の含有量は合計で5.5重量%以下であることが好ましい。第四副成分の含有量は合計で1.0重量%以下であることが好ましい。
【0039】
さらに、上記第一副成分から第四副成分を全て含有する場合には、第三副成分の含有量が第一副成分から第四副成分の含有量の合計の24~85%であることが好ましい。この場合には、さらに常温での誘電損失が小さくなり、温度特性が向上する。
【0040】
さらに、第三副成分の含有量が第一副成分から第四副成分の含有量の合計の24~85%であり、かつ、前記第三副成分と前記第四副成分の含有量の合計が前記第一副成分から前記第四副成分の含有量の合計の40~90%であることが好ましい。この場合には、さらに常温での誘電損失が小さくなり、温度特性が向上する。
【0041】
以下、本実施形態に係る誘電体組成物および電子部品の製造方法について説明するが、誘電体組成物および電子部品の製造方法は下記の方法に限定されない。
【0042】
まず、本実施形態に係る誘電体組成物の原料粉末を準備する。原料粉末としては、各成分の化合物、または焼成により各成分となる化合物の粉末を準備する。各成分のうち、チタン酸バリウム(BaTiO)およびチタン酸ストロンチウム(SrTiO)については、原料を準備する時点でチタン酸バリウム粉末およびチタン酸ストロンチウム粉末を準備することが好ましい。また、酸化チタンおよび酸化ビスマスについては、焼成後に酸化チタンとなる化合物の粉末および焼成後に酸化ビスマスとなる化合物の粉末を別個に準備してもよいが、チタン酸ビスマス(BiTi)粉末を準備することが好ましい。最終的に酸化チタンおよび酸化ビスマスとなる原料粉末全体をBiTi換算で100重量%として、チタン酸ビスマス粉末の割合を80重量%以上とすることで、最終的に得られる誘電体組成物においてもチタン酸ビスマスの割合を80重量%以上とすることができる。
【0043】
第一副成分から第四副成分については、各元素の酸化物のほか、焼成後に各元素の酸化物となりうる化合物、例えば炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩等を準備することが可能である。
【0044】
次に、各成分の原料粉末を混合して混合粉末を得る。混合方法には特に制限はなく、通常用いられる方法、例えば乾式混合、湿式混合等を用いることができる。
【0045】
次に、前記混合粉末を造粒し、造粒後に必要に応じて整粒を行い、顆粒粉末を得る。造粒方法に特に制限はない。例えば、PVA(ポリビニルアルコール)水溶液を前記混合粉末に添加して造粒する方法がある。また、整粒方法にも特に限定はない。例えば、粗大な造粒粉末を取り除くためにふるいにかけてもよい。
【0046】
次に、顆粒粉末を成形し、誘電体組成物からなる成形体を得る。成形方法に特に制限はなく、通常用いられる方法を用いることができる。例えば加圧成形を用いることができる。加圧時の圧力に特に制限はない。例えば200~600MPaとすることができる。
【0047】
次に、得られた成形体を焼成することで、誘電体組成物からなる焼結体を得る。焼成条件に特に制限はない。焼成温度は1200~1350℃とすることができる。焼成雰囲気にも特に制限はない。例えば、空気中、窒素雰囲気中、または窒素および水素を用いた還元雰囲気中とすることができるがその他の雰囲気中でもよい。
【0048】
さらに、得られた焼結体に一対の電極を接合させる。一対の電極は、例えば、得られた焼結体の対向する2面に接合させる。
【0049】
また、得られた焼結体に電極を接合させる方法に特に制限はない。例えば、得られた焼結体に電極ペーストを塗装し、700~900℃で焼付けすることで、得られた焼結体に電極を接合させることができる。
【0050】
さらに、電極を介して端子を接続する。電極を介して端子を接続する方法に特に制限はない。さらに、端子の一部を露出させるように、誘電体組成物の周囲全面にわたって樹脂被覆を行う。被覆方法および被覆させる樹脂の種類に特に制限はない。
【0051】
このようにして図1に記載の単板型コンデンサを得ることができる。当該単板型コンデンサは、本実施形態に係る誘電体組成物を用いることにより、非常に高い電圧で用いることが可能となる。
【0052】
なお、上記の説明では本実施形態に係る電子部品を図1に示す単板型コンデンサとして製造方法を説明したが、本発明のコンデンサは単板型コンデンサに限定されず、積層型コンデンサ等、単板型コンデンサ以外のコンデンサであってもよい。積層型コンデンサ等の製造方法には特に制限はなく、既知の製造方法を用いることができる。また、本発明のコンデンサの用途には特に制限はないが、高周波用コンデンサや高電圧用コンデンサとして好適に用いることができる。
【実施例
【0053】
以下、本発明をさらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0054】
(実施例1)
原料粉末として、チタン酸バリウム粉末、チタン酸ストロンチウム粉末、チタン酸ビスマス粉末、および、焼成により前記第一副成分~第四副成分になる粉末を準備し、最終的に表1~表3に記載された実施例および比較例の組成の焼結体が得られるように秤量した。なお、表1のBTとはチタン酸バリウム(BaTiO)を表し、STとはチタン酸ストロンチウム(SrTiO)を表し、BiTiとはチタン酸ビスマス(BiTi)を表す。また、試料番号1aでは、チタン酸ビスマス粉末の代わりに酸化チタン粉末および酸化ビスマス粉末を用いた。
【0055】
表1では、主成分の組成が点A、点B、点C、点Dの4点に囲まれる範囲内である場合にはABCD欄を○とし、主成分の組成が点A、点B、点C、点Dの4点に囲まれる範囲外である場合にはABCD欄を×とした。さらに、主成分の組成が点A´、点B、点C、点D´の4点に囲まれる範囲内である場合にはA´BCD´欄を○とし、主成分の組成が点A´、点B、点C、点D´の4点に囲まれる範囲外である場合にはA´BCD´欄を×とした。
【0056】
各原料粉末を混合した後に、ポットミルを用いて平均粒径が0.5~3μm程度になるように微粉砕した。微粉砕した粉末を脱水乾燥した後に、ポリビニルアルコールを原料粉末100重量部に対して10重量部添加し、造粒および整粒を行い、顆粒粉末とした。
【0057】
前記顆粒粉末を300MPaの圧力で成形し、直径16.5mm、厚さ0.65mmの円板状の成形体とした。
【0058】
前記成形体を空気中、1200~1300℃で4時間焼成し円板状の磁器素体を得た。得られた磁器素体の組成が表1に示す組成になっていることを蛍光X線分析 で確認した。次に前記磁器素体の両面にAg電極ペーストを塗装し、Air雰囲気中、800℃で15分間の焼き付けをして、電極直径12mmのコンデンササンプルを得た。磁器コンデンササンプルは、以下に示す評価を全て行うために必要な数を製造した。
【0059】
そして、得られたコンデンササンプルについて、ACブレークダウン電場、比誘電率、品質係数、静電容量温度特性、信頼性(高温負荷後の静電容量変化率)を評価した。以下、評価方法について説明する。
【0060】
ACブレークダウン電場AC-Eb(kV/mm)の測定は、下記の方法で行った。得られたコンデンササンプルの両端に対して、交流電場を与えた。交流電場の大きさを200V/sの速さで上昇させていき、交流耐圧測定機でリーク電流の変化を観察した。リーク電流が50mAとなったときの電場をACブレークダウン電場AC-Ebとした。AC-Ebが高いほど、交流破壊電圧が高く、交流電圧に対する耐圧性に優れているといえる。本実施例では、AC-Eb≧5.0kV/mmを良好とした。
【0061】
比誘電率(εs)は、円板状のコンデンササンプルに対して、温度25℃、周波数1kHz、入力信号レベル(測定電圧)1.0Vrmsの条件下でLCRメータを用いて測定された静電容量から算出した。本実施例では、εs≧1250を良好とし、εs≧1500をさらに良好とした。
【0062】
基準温度25℃における誘電損失(tanδ)は、コンデンササンプルに対し、LCRメータにて、周波数1kHz、入力信号レベル(測定電圧)1.0Vrmsの条件下で測定した。本実施例では、基準温度25℃における誘電損失(tanδ)は、0.70%以下を良好とした。さらに、基準温度125℃における誘電損失(tanδ)を測定した。基準温度125℃における誘電損失(tanδ)の測定条件は、測定温度以外は上記の基準温度25℃における誘電損失(tanδ)の測定条件と同一である。本実施例では、基準温度125℃における誘電損失(tanδ)は、0.80%以下を良好とした。ただし、基準温度125℃における誘電損失(tanδ)は良好でなくとも本願発明の目的を達成することはできる。
【0063】
温度特性TC(%)の測定方法は以下の通りである。まず、-25℃~+85℃の範囲で温度を変化させて各温度の静電容量を測定した。静電容量はLCRメータを用い、周波数1MHz、入力信号レベル1Vrmsの条件下で測定した。そして、基準温度+25℃での静電容量をC25、T(℃)での静電容量をCとした場合に、以下の式に従い各温度でのTCを測定した。
TC(%)={(C-C25)/C25}×10
【0064】
本実施例では、-25℃~+85℃の範囲内で常に-40≦TC≦+22となる場合を良好とした。本実施例では、-25℃および+85℃でTCが上記の範囲内であるコンデンササンプルは、-25℃~+85℃の範囲内の他の温度でもTCが上記の範囲内となった。したがって、表1~表3には-25℃および+85℃でのTCを記載した。ただし、-25℃~+85℃の範囲内で常に-40≦TC≦+22の範囲内とならなくても上述した本願発明の目的を達成することはできる。
【0065】
【表1】
【0066】
表1には、第一副成分~第四副成分を全く含有しない実施例および比較例を記載した。表1より、本願発明の範囲内の組成を有する実施例、すなわちABCD欄が○である実施例は比誘電率εs、ACブレークダウン電場AC-Ebおよび25℃における誘電損失tanδが良好であった。
【0067】
また、チタン酸ビスマスを添加した試料番号1bは、酸化チタンと酸化ビスマスとを別個に添加した点以外は試料番号1bと同一の組成である試料番号1aと比較して誘電損失tanδおよび温度特性TCが良好となった。
【0068】
また、主成分の組成が点A´、点B、点C、点D´の4点に囲まれる範囲内の値である場合には、-25℃~+85℃の範囲内で-33≦TC≦+22を常に満たし、125℃における誘電損失tanδが常に良好であるなど、点A´、点B、点C、点D´の4点に囲まれる範囲外の値である場合と比較して優れた特性を有する傾向にある。なお、-25℃~+85℃の範囲内で-33≦TC≦+22を常に満たす場合には、必ずZ5Tの温度特性を満たす。
【0069】
これに対し、本願発明の範囲内の組成を有さない比較例は比誘電率εs、ACブレークダウン電場AC-Ebおよび25℃における誘電損失tanδのうちいずれか一つ以上が悪化した。
【0070】
【表2】
【0071】
表2には、主成分の組成は試料番号1bと同一として副成分の含有量を変化させた実施例を記載した。
【0072】
表2の試料番号1b、51~54より、酸化マンガンをMnCO換算で0.8重量%以下、含有する試料番号51~53は酸化マンガンを含有しない試料番号1bと比較して温度特性および125℃における誘電損失が優れている。特に酸化マンガンを0.5~0.8重量%含有する試料番号52、53は酸化マンガンを0.1重量%含有する試料番号51と比較してさらに温度特性が優れている。また、試料番号51~53は酸化マンガンを1.0重量%含有する試料番号54と比較して比誘電率および25℃における誘電損失が優れている。
【0073】
表2の試料番号1b、55~57,59より、酸化コバルトをCo換算で1.7重量%以下、含有する試料番号55~57は酸化コバルトを含有しない試料番号1bと比較して温度特性および125℃における誘電損失が優れている。特に酸化コバルトを0.5~1.7重量%含有する試料番号56、57は酸化マンガンを0.1重量%含有する試料番号55と比較して温度特性がさらに優れている。また、試料番号55~57は酸化コバルトを1.8重量%含有する試料番号59と比較して比誘電率および25℃における誘電損失が優れている。
【0074】
表2の試料番号1b、58より、酸化マンガンと酸化コバルトとを両方とも含有する試料番号58は酸化マンガンと酸化コバルトのいずれも含有しない試料番号1bと比較して温度特性が優れている。
【0075】
表2の試料番号1b、60~64より、酸化ニオブを1.3重量%以下、含有する試料番号60~63は酸化ニオブを含有しない試料番号1bと比較して高温での温度特性および125℃における誘電損失が優れている。特に、特に酸化ニオブを0.5~1.3重量%含有する試料番号62、63は酸化ニオブを0.5質量%未満、含有する試料番号60、61と比較して温度特性が優れている。また、試料番号60~63は酸化ニオブを1.4重量%含有する試料番号64と比較して比誘電率が優れている。
【0076】
表2の試料番号1b、65~75より、第三副成分を5.5重量%以下、含有する試料番号65~74は、第三副成分を含有しない試料番号1bと比較して高温での温度特性が優れている。特に、第三副成分を0.5~5.5重量%、含有する試料番号66、67、69、72~74は第三副成分を0.5質量%未満、含有する試料番号65、68、70、71と比較して温度特性が優れている。また、試料番号65~74は第三副成分を6.0重量%、含有する試料番号75と比較して比誘電率および25℃における誘電損失が優れている。
【0077】
表2の試料番号1b、76~95より、第四副成分を1.0重量%以下、含有する試料番号76~94は、第四副成分を含有しない試料番号1bと比較して温度特性が優れている。特に、第四副成分を0.1~1.0重量%、含有する試料は第四副成分を0.1重量%未満、含有する試料と比較して温度特性が優れている。また、試料番号76~94は第四副成分を1.2重量%、含有する試料番号95と比較して比誘電率および25℃における誘電損失が優れている。
【0078】
第三副成分として酸化スズを0.1重量%、含有し、さらに、第一副成分または第四副成分を含有する試料番号96~104は、第一副成分~第四副成分を含有しない試料番号1bと比較してACブレークダウン電場および温度特性が優れている。
【0079】
【表3】
【0080】
表3には、主成分の組成は試料番号1bと同一として第一副成分~第四副成分を全て含有した実施例(試料番号105~120)を記載した。また、表3に記載された試料は全て第一副成分がマンガンを含む化合物、第二副成分がニオブを含む化合物、第三副成分がスズを含む化合物である。第四副成分については、試料番号105~112がサマリウムを含む化合物、試料番号113~120がジスプロシウムを含む化合物である。
【0081】
まず、第一副成分~第四副成分を全て含有する試料番号105~120は副成分を含有しない試料番号1bと比較してACブレークダウン電場、温度特性、さらに125℃における誘電損失が優れている。特に、125℃における誘電損失は表1および表2に記載された他の実施例と比較しても著しく優れている。
【0082】
前記第三副成分の含有量が前記第一副成分から前記第四副成分の含有量の合計の24~85%である場合(試料番号106、107、109~112、114、115、117~120)には、24~85%でない場合(試料番号105、108、113、116)と比較して温度特性および25℃における誘電損失がさらに優れている。
【0083】
前記第三副成分の含有量が前記第一副成分から前記第四副成分の含有量の合計の24~85%であり、かつ、前記第三副成分と前記第四副成分の含有量の合計が前記第一副成分から前記第四副成分の含有量の合計の40~90%である場合(試料番号110、111、118、119)は、それ以外の場合と比較して温度特性および25℃における誘電損失がさらに優れている。
【符号の説明】
【0084】
1・・・単板コンデンサ
10・・・誘電体組成物
12a,12b・・・端子
14a,14b・・・電極
16・・・合成樹脂
図1
図2