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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/08 20060101AFI20220901BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220901BHJP
   F21W 131/103 20060101ALN20220901BHJP
   F21W 131/107 20060101ALN20220901BHJP
   F21W 131/109 20060101ALN20220901BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220901BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20220901BHJP
【FI】
F21S8/08 100
F21S8/08 500
F21S8/08 440
F21V23/00 120
F21V23/00 160
F21W131:103
F21W131:107
F21W131:109
F21Y115:10 300
F21Y115:10 500
F21Y115:15
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018079967
(22)【出願日】2018-04-18
(65)【公開番号】P2019192341
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】505455945
【氏名又は名称】コイズミ照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 尚之
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-117806(JP,A)
【文献】特開2010-129306(JP,A)
【文献】米国特許第06086221(US,A)
【文献】特開平06-162814(JP,A)
【文献】実開昭53-060388(JP,U)
【文献】登録実用新案第3207907(JP,U)
【文献】特開2014-038781(JP,A)
【文献】特開2016-048518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/08
F21V 23/00
F21W 131/103
F21W 131/107
F21W 131/109
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部を有する灯具と、前記光源部に電力を供給して前記灯具を点灯させる電源部と、前記灯具及び前記電源部を支持する器具本体とを備える照明器具であって、
前記器具本体は、
一方に延出し、且つ互いに対向して配置される一対の側面部と、
前記一対の側面部における、幅方向の中途部において、前記一対の側面部の間隙に生じる空間部を前記幅方向に分割し、且つ前記一対の側面部を継合する継合部とを有し、
前記灯具は、前記一対の側面部の間隙における前記継合部の一方の平面に支持されるとともに、
前記電源部は、電源ケースを有し、当該電源ケースを介して、前記一対の側面部の間隙における前記継合部の他方の平面に支持され
前記電源ケースは、前記一対の側面部の延出方向における端部側の壁面、及び前記継合部側との反対側の壁面を有する矩形箱形状に構成される、
ことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記一対の側面部は、矩形板状を有し、
前記継合部は、矩形板状を有し、
前記一対の側面部における、延出方向及び対向方向と直交する幅方向の中央部において、前記継合部は、前記幅方向が厚み方向となるようにして配置され、
前記器具本体は、断面視において「H」字形状を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記灯具は、前記一対の側面部の対向方向を軸方向とする回動軸を中心にして回動可能に、前記継合部に支持される、
ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記一対の側面部の間隙における前記継合部の他方の平面において、
前記電源部と隣接して支持される灯具をさらに備える、
ことを特徴とする、請求項1~請求項3の何れか一項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記灯具は、
前記一対の側面部と前記継合部とによって囲まれた空間部内に収納可能に支持される、
ことを特徴とする、請求項1~請求項4の何れか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記灯具は、
前記一対の側面部の延出方向に沿って、照明光を照射可能に支持される、
ことを特徴とする、請求項1~請求項5の何れか一項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記電源部は、照明器具の外部に設けられる外部電源と電気的に接続する電気配線部を有し、
前記電気配線部は、前記一対の側面部の端部に着脱可能に取付けられる蓋体によって閉塞される、
ことを特徴とする、請求項1~請求項6の何れか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋外の遊歩道や庭園、或いは住宅等の建物の外構などを照らす照明器具として、主に地面に立設される支柱(器具本体)と、前記器具本体の上端部に支持される光源部とを備えるポール灯が知られている。
ポール灯の一例として、特許文献1の第三の実施形態において、庭園灯が開示されている。特許文献1の庭園灯では、アルミニウムの押出加工によって、略「コ」字形状の断面形状を有しつつ一方(例えば前後方向)に延出するように一体成形された、器具本体を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-129306号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される照明装置において、光源部及び電源部等は、器具本体における一対の側面部の間隙に配置された状態にて、当該器具本体に支持される。
特許文献1における照明装置は、器具本体における一対の側面部の間隙に取付板を別途設けて、第一空間部と第二空間部とに隔絶することができる。第一空間部は、断面視において、略「コ」字形状の断面形状の開口側に位置する。第二空間部は、前記開口の反対側に位置し、断面視において、器具本体及び取付板によって周囲を囲まれた空間部である。
特許文献1における照明装置は、第一空間部に光源部を配置し、第二空間部に光源部に電力を供給する電源部等を配置する。
【0005】
このように、特許文献1における照明装置は、器具本体の断面形状が略「コ」字形状に形成されていることから、当該器具本体における一対の側面部の間隙を二つの空間部に隔絶するための取付板が別途必要であり、部品点数が増加し、組立作業が複雑になる傾向にあった。
また、アルミニウムの押出加工によって一体成形された、略「コ」字形状の断面形状を有する器具本体においては、組立作業の途中において一対の側面部が変形してしまうと、取付板の組付け作業が困難となる可能性があった。
【0006】
本発明は、以上に示した現状の問題点に鑑みてなされたものであり、光源部を有する灯具と、前記光源部に電力を供給して前記灯具を点灯させる電源部と、前記灯具及び前記電源部を支持する器具本体とを備える照明器具であって、組立作業の容易な照明器具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、本発明に係る照明器具は、光源部を有する灯具と、前記光源部に電力を供給して前記灯具を点灯させる電源部と、前記灯具及び前記電源部を支持する器具本体とを備える照明器具であって、前記器具本体は、一方に延出し、且つ互いに対向して配置される一対の側面部と、前記一対の側面部における、幅方向の中途部において、前記一対の側面部の間隙に生じる空間部を前記幅方向に分割し、且つ前記一対の側面部を継合する継合部とを有し、前記灯具は、前記一対の側面部の間隙における前記継合部の一方の平面に支持されるとともに、前記電源部は、前記一対の側面部の間隙における前記継合部の他方の平面に支持されることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る照明器具において、前記一対の側面部は、矩形板状を有し、前記継合部は、矩形板状を有し、前記一対の側面部における、延出方向及び対向方向と直交する幅方向の中央部において、前記継合部は、前記幅方向が厚み方向となるようにして配置され、前記器具本体は、断面視において「H」字形状を有することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る照明器具において、前記灯具は、前記一対の側面部の対向方向を軸方向とする回動軸を中心にして回動可能に、前記継合部に支持されることが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る照明器具は、前記一対の側面部の間隙における前記継合部の他方の平面において、前記電源部と隣接して支持される灯具をさらに備えることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る照明器具において、前記灯具は、前記一対の側面部と前記継合部とによって囲まれた空間部内に収納可能に支持されることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る照明器具において、前記灯具は、前記一対の側面部の延出方向に沿って、照明光を照射可能に支持されることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る照明器具において、前記電源部は、照明器具の外部に設けられる外部電源と電気的に接続する電気配線部を有し、前記電気配線部は、前記一対の側面部の端部に着脱可能に取付けられる蓋体によって閉塞されることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係る照明器具によれば、容易に組立作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る照明器具の全体構成を示した図であって、(a)は前側から見た斜視図であり、(b)は後側から見た斜視図である。
図2】本発明の一実施形態に係る照明器具の全体構成を示した図であって、図1中の矢視Aの方向に見た断面側面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る照明器具の全体構成を示した平面図である。
図4】本発明の別実施形態に係る照明器具の全体構成を示した図であって、(a)は前側から見た斜視図であり、(b)は後側から見た斜視図である。
図5】本発明の別実施形態に係る照明器具の全体構成を示した図であって、図4中の矢視Bの方向に見た断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の実施形態について、図1乃至図5を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図1乃至図5中に示した矢印の方向によって、照明器具1(または、別実施形態における照明器具101)の前後方向、左右方向、及び上下方向を規定して記述する。
【0018】
[照明器具1の構成]
先ず、本発明を具現化する一実施形態の照明器具1の構成について、図1乃至図3を用いて説明する。
【0019】
本実施形態における照明器具1は、例えば、上下方向に延出する器具本体4を地面に立設させて、器具本体4の上端部側に配置される灯具2から照明光を照射することにより、屋外の遊歩道や庭園、或いは住宅等の建物の外構などを照らすポール灯として利用されるものである。
【0020】
照明器具1は、図1(a)及び図1(b)に示すように、主に灯具2、灯具2を点灯させる電源部3、及びこれらの灯具2及び電源部3を支持する器具本体の一例である支柱4などを備える。
【0021】
灯具2は、例えば円柱形状の灯具本体21を有し、図2に示すように、灯具本体21には、光源部22が配置されている。
【0022】
光源部22は、例えばLED(Light Emitting Diode)が基板に実装された、LEDモジュールにより構成される。本実施形態では、COB(Chip on Board)型LEDモジュールを用いた。光源の種類はそれに限定されず、例えば表面実装型のLED素子や有機EL素子(OLED)などであっても実現可能である。
【0023】
後述するように、光源部22は、第一ケーブル5(図2中における、二点鎖線の矢印によって表示)を介して電源部3と電気的に接続されている。電源部3から光源部22へ電力が供給されて、灯具2は照明光Lを照射する。
【0024】
なお、以下の説明において、「照明光Lの照射方向」とは、光源部22から照射される照明光Lの光束のうち、光軸Laの照射方向を意味するものとする。
【0025】
灯具本体21において、光源部22が照射する側とは反対側の端部に支持部材23が設けられる。灯具2は、支持部材23を介して支柱4に支持される。
【0026】
支持部材23は、例えば一方(本実施形態においては、前後方向)に延出する部材からなる。支持部材23は、延出方向の一端部(前端部)において、回動軸23aを中心にして回動可能に灯具本体21と連結される。支持部材23は、延出方向の他端部(後端部)において、ボルト等の締結部材を介して支柱4に取り付けられる。これにより、灯具2は、支持部材23を介して支柱4に支持されるとともに、回動軸23aを中心にして灯具本体21を回動させることができる。灯具2は、後述するように、灯具本体21を回動させることにより、照明光Lの照射方向を調整することができる。
【0027】
次に、電源部3について説明する。
電源部3は、電源回路部31及び電気配線部32等を有する。電源回路部31は、第一ケーブル5を介して灯具2と電気的に接続される。電源回路部31及び電気配線部32は、第二ケーブル6(図2中における、実線の矢印によって表示)を介して電気的に接続される。電気配線部32は、第三ケーブル7(図2中における、破線の矢印によって表示)を介して照明器具1の外部に設けられる外部電源(図示せず)と電気的に接続される。
【0028】
電源回路部31は、例えば矩形箱形状の筐体31aに収容される。電源回路部31は、外部電源から供給される交流電圧を所定の直流電圧に変換し、または高圧直流電圧を低圧直流電圧に減圧する機能を有する電気回路31b等により構成される。また、電気配線部32は、主に端子台32a等により構成される。
【0029】
電気回路31bは、第一ケーブル5及び第二ケーブル6を介して、灯具2の光源部22、及び電気配線部32の端子台32aと各々電気的に接続される。そして、端子台32aは、第三ケーブル7を介して、外部電源と電気的に接続される。これにより、電気配線部32(より具体的には、端子台32a)を介して、外部電源から電気回路部31(より具体的には、電気回路31b)に入力された電力は、電気回路31bによって一旦変換される(または減圧される)。その後、電源回路部31から光源部22に電力が供給されて、灯具2が点灯される。
【0030】
次に、支柱4について説明する。
支柱4は、主に図2及び図3に示すように、一方に延出し、且つ互いに対向して配置される一対の側面部41・41と、一対の側面部41・41における、幅方向の中途部において、一対の側面部41・41の間隙に生じる空間部を幅方向に分割し、且つ一対の側面部41・41を継合する継合部42とを有する。本実施形態の支柱4では、一方に延出し、且つ互いに対向して配置される一対の矩形板状の側面部41・41を有する。一対の側面部41・41における、延出方向及び対向方向と直交する幅方向の中央部において、前記幅方向が厚み方向となるようにして配置され、且つ一対の側面部41・41を継合する矩形板状の継合部42とを有する、所謂断面視「H」字形状の部材により構成される。そして、例えば本実施形態においては、前記「延出方向」を上下方向とし、前記「対向方向」を左右方向とし、且つ前記「幅方向」を前後方向とした状態によって、支柱4は地面に立設される。
【0031】
なお、支柱4の構成については、本実施形態に示されるような所謂断面視「H」字形状の部材からなるものに限定されるものではない。即ち、支柱4の構成については、少なくとも、対向して配置される一対の側面部41・41、及びこれら一対の側面部41・41を幅方向(前後方向)の中途部にて継合する継合部42を有する構成であれば、何れのような構成であってもよい。
【0032】
本実施形態では継合部42を側面部41・41の幅方向の中央部に設けた。継合部42を中央部に設けることによって、側面部41における継合部42との交点から両端部の距離が等しい。仮に、側面部41のどちらか一方の端部側に偏在するように継合部42を設けた場合には、継合部42を中央部に設けた場合よりも、側面部41において継合部42との交点からの距離が長い端部が生じる。側面部41の端部に対して「対向方向」に荷重を加えた場合、継合部42との交点(支点)からの距離が長くなるほど側面部41は変位または変形しやすい。そのため、継合部42は、側面部41の中央部に設ける方が、側面部41のいずれか一方の端部側に偏在する位置に設けるよりも、変形しにくいため好ましい。
【0033】
また、対向して配置される3枚以上の側面部41・41・・・、及びこれらの側面部41・41・・・を幅方向(前後方向)の中途部にて各々継合する2枚以上の継合部42・42・・・を有する部材によって、支柱4を構成することとしてもよい。あるいは、対向して配置される一対の側面部41・41、及びこれら一対の側面部41・41を幅方向(前後方向)の中央部にて継合する、互いに対向して配置される2枚以上の継合部42・42・・・を有する部材によって、支柱4を構成することとしてもよい。
【0034】
また、本実施形態では対向する側面部41・41を並行となるように配置したが、これに限られない。例えば、対向する側面部41・41同士が任意の角度となるように配置してもよい。また、本実施形態では側面部41を矩形板状となるように形成したが、これに限らず、曲面を有するように形成してもよい。
【0035】
本実施形態における支柱4は、防錆性や放熱性等を考慮して、例えばアルミニウムの金属素材を用いて一体成形される。
なお、支柱4の素材については、本実施形態に限定されることはなく、例えば、鉄鋼等の金属素材や、熱硬化性樹脂等の非金属素材などであってもよい。
【0036】
以上のような構成からなる支柱4において、灯具2は、一対の側面部41・41の間隙における、継合部42の一方の平面(本実施形態においては、照明器具1の前面側の面)42aに支持される。電源部3は、一対の側面部41・41の間隙における、継合部42の他方の平面(本実施形態においては、照明器具1の背面側の面)42b側に配置される。このとき、灯具2と電源部3とは、継合部42を挟んで前後方向で重なる位置に配置された場合、灯具2と電源部3とを接続する第一ケーブル5の距離を短く設定することができる。また、このような構成は、第一ケーブル5を照明器具1の外側に露出させないため、好ましい。照明器具1の外側に第一ケーブル5を露出させないことは、紫外線や雨滴などの外部環境からの影響を第一ケーブル5に与えにくく、また、照明器具1の運搬や梱包の際に第一ケーブル5が邪魔にならずハンドリング性がよい。
【0037】
具体的には、図3に示すように、支柱4における一対の側面部41・41の間隙寸法(図3中における寸法X)は、灯具2における灯具本体21の外径(図3中における寸法Y)に比べて大きくなるように設定されている(X>Y)。そして、図2に示すように、灯具2は、これら一対の側面部41・41の間隙において、支持部材23を介して、前記一対の側面部41・41の対向方向(左右方向)を軸方向とする回動軸23aを中心にして回動可能に、継合部42の前面42aの上端部側に支持される。
【0038】
このような構成を有することにより、本実施形態においては、灯具2から照射される照明光Lの照射方向を、回動軸23aを中心とする、回動方向P1に沿って、自由に調整可能な構成となっている。また、支持部材23は支持部材23が延びる方向(照明器具1の幅方向)を通る中心線を中心として回動させることができる。支持部材23を回動させることによって、灯具2を図2に示す灯具2の位置から反転させることができる。灯具2を反転させることによって、上方へ照明光Lを照射させることができる。従って、灯具2は、支持部材23の端部を中心に支柱4の延出方向に180度回動可動な構成とすることができる。
【0039】
ここで、灯具2の姿勢を、例えば略下方に光源部22を向けた姿勢に調整することにより、灯具2は、支柱4における一対の側面部41・41の延出方向(本実施形態においては上下方向)に沿って、下方に向かって照明光Lを照射可能な状態にて支柱4に支持された状態となる。
【0040】
このような姿勢に灯具2を調整することにより、灯具2から照射された照明光Lは、当該灯具2が配置される継合部42の前面42a等に反射することとなり、間接照明の効果を得ることができる。
【0041】
なお、本実施形態においては、例えば灯具2の姿勢を、支柱4の延出方向(上下方向)に沿って灯具本体21が配置された状態に調整することにより、灯具2は、一対の側面部41・41の内面41a・41aと、継合部42の前面42aとによって囲まれた空間部50(図3を参照)内において、灯具2の少なくともその一部が収納された状態となるように構成されている。本実施形態のように灯具2が支柱4の空間部50内に、完全に収納された状態となるように構成してもよい。
【0042】
このような構成を有することにより、例えば組立作業が完了した照明器具1を出荷先へ搬送する場合などにおいて、外部からの衝撃等が不意に灯具2に加えられるのを、一対の側面部41・41によって極力防止することができる。
また、支柱4の空間部50内に灯具2の少なくともその一部が収納できるため、灯具2の支柱4から露出する部分を少なくすることができる。これにより、照明器具1の梱包箱を小型化することができる。
【0043】
一方、電源部3は、これら一対の側面部41・41の間隙において、継合部42の背面42bの上端部側に配置される。この際、電源部3を構成する電気回路部31は、例えば矩形箱形状の電源ケース33内に固設された状態にて、当該電源ケース33を介して継合部42に支持される。また、電源部3を構成する電気配線部32は、電源ケース33の下方、且つ当該電源ケース33と隣接する位置において、継合部42に支持されるとともに、一対の側面部41・41の端部に着脱可能に取付けられる蓋体34によって閉塞される。
【0044】
このように、本実施形態においては、照明器具1の外部に対して、電源部3を構成する電気回路部31及び電気配線部32が、電源ケース33及び蓋体34によって、各々密閉された状態となっており、外部からの粉塵や水滴等の侵入を抑制可能な構成となっている。
また、電源部3が継合部42の上端部側に配置されることによって、電源部3を地面から離して配置することができる。これにより、地面側から舞い上がる粉塵に対する電源部3への影響を受けにくくすることができる。
【0045】
また、一対の側面部41・41に対して着脱可能な蓋体34によって、電気配線部32を閉塞することができる。これにより、支柱4から蓋体34を取り外すことで、電気配線部32を露出させることができるため、支柱4から電源部3や電気配線部32を取り外すことなく、電気配線部32と外部電源(図示せず)との配線作業を容易に行うことができる。
【0046】
[別実施形態における照明器具101の構成]
次に、別実施形態における照明器具101の構成について、図4乃至図5を用いて説明する。
【0047】
別実施形態における照明器具101は、前述した照明器具1と略同等な構成を有する一方、支柱104の背面側(後側)に第二灯具110が別途追加されている点について、照明器具1と相違する。よって、以下の説明においては、主に前述した照明器具1との相違点について記載し、当該照明器具1と同等な構成についての記載は省略する。
【0048】
照明器具101は、図4(a)及び図4(b)に示すように、主に第一灯具102、第二灯具110、これらの第一灯具102及び第二灯具110を点灯させる電源部103、並びに器具本体の一例である支柱104などを備える。
【0049】
第一灯具102は、前述した照明器具1の灯具2と同等の構成からなる。また、第二灯具110は、灯具2と略同等な構成を有する一方、一部構成が相違する。
【0050】
具体的には、第二灯具110は、例えば円柱形状の灯具本体111を有し、図5に示すように、灯具本体111の他端部(光源部112が設けられる側と反対側の端部)には、支持部材113が設けられる。第二灯具110は、支持部材113を介して電源部103に支持される。
【0051】
支持部材113は、例えば一方(本実施形態においては、上下方向)に延出する部材からなる。支持部材113は、延出方向の一端部(上端部)において、回動軸113aを中心にして回動可能に灯具本体111と連結される。支持部材113は、延出方向の他端部(下端部)において、ボルト等の締結部材を介して電源部103(電源ケース133)の上面に固設される。これにより、第二灯具110は、支持部材113を介して電源部103に支持されるとともに、回動軸113aを中心にして灯具本体111を回動させることができる。第二灯具110を回動させることにより、照明光Lの照射方向を、当該回動軸113aを中心とする回動方向P2に沿って調整することができる。
【0052】
電源部103は、第一電源回路部131、第二電源回路部135、及び電気配線部132等を有する。
【0053】
第一電源回路部131及び電気配線部132は、第六ケーブル107(図5中における、実線の矢印によって表示)を介して電気的に接続される。また、第二電源回路部135及び電気配線部132は、第七ケーブル108(図5中における、実線の矢印によって表示)を介して電気的に接続される。
【0054】
そして、第一電源回路部131は、第四ケーブル105(図5中における、二点鎖線の矢印によって表示)を介して第一灯具102と電気的に接続される。また、第二電源回路部135は、第五ケーブル106(図5中における、二点鎖線の矢印によって表示)を介して第二灯具110と電気的に接続される。さらに、電気配線部132は、第八ケーブル109(図5中における、破線の矢印によって表示)を介して照明器具101の外部に設けられる外部電源(図示せず)と電気的に接続される。
【0055】
第一電源回路部131及び第二電源回路部135は、前述した照明器具1の電源回路部31と同等の構成からなる。また、電気配線部132は、前述した照明器具1の電気配線部32と同等の構成からなる。
【0056】
第一電源回路部131の電気回路131bは、第四ケーブル105及び第六ケーブル107を介して、第一灯具102の光源部122、及び電気配線部132の端子台132aと各々電気的に接続される。そして、端子台132aは、第八ケーブル109を介して、外部電源と電気的に接続される。これにより、電気配線部132(より具体的には、端子台132a)を介して、外部電源から第一電気回路部131(より具体的には、電気回路131b)に入力された電力は、電気回路131bによって一旦変換される(または減圧される)。その後、第一電気回路部131から第一灯具102(より具体的には、光源部122)に電力が供給されて、第一灯具102が点灯される。
【0057】
また、第二電源回路部135の電気回路135bは、第五ケーブル106及び第七ケーブル108を介して、第二灯具110の光源部112、及び電気配線部132の端子台132aと各々電気的に接続される。そして、端子台132aは、第八ケーブル109を介して、外部電源と電気的に接続される。これにより、電気配線部132(より具体的には、端子台132a)を介して、外部電源から第二電気回路部135(より具体的には、電気回路135b)に入力された電力は、電気回路135bによって一旦変換される(または減圧される)。その後、第二電気回路部135から第二灯具110(より具体的には、光源部112)に電力が供給されて、第二灯具110が点灯される。
【0058】
以上のような構成からなる第一灯具102、第二灯具110、及び電源部103は、支柱104に各々支持される。
【0059】
具体的には、第一灯具102は、前述した照明器具1の灯具2と同様に、支柱104における一対の側面部141・141の間隙において、支持部材123を介して、前記一対の側面部141・141の対向方向(左右方向)を軸方向とする回動軸123aを中心にして回動可能に、継合部142の前面142aの上端部側に支持される。
【0060】
また、電源部103は、支柱104における一対の側面部141・141の間隙において、継合部142の背面142bの上端部側に配置される。この際、電源部103を構成する第一電気回路部131及び第二電源回路部135は、例えば矩形箱形状の電源ケース133内に、互いに隣接して固設された状態にて、当該電源ケース133を介して継合部142に支持される。また、電源部103を構成する電気配線部132は、電源ケース133の下方、且つ当該電源ケース133と隣接する位置において、継合部142に支持されるとともに、一対の側面部141・141の端部に着脱可能に取付けられる蓋体134によって閉塞される。
【0061】
電源部103が継合部142の上端部側に配置されることによって、電源部103を地面から離して配置することができる。これにより、地面側から舞い上がる粉塵に対する電源部103への影響を受けにくくすることができる。
【0062】
さらに、別実施形態における照明器具101において、第二灯具110は、支柱104における一対の側面部141・141の間隙において、支持部材113を介して、前記一対の側面部141・141の対向方向(左右方向)を軸方向とする回動軸113aを中心にして回動可能に、電源ケース133の上面に支持される。換言すると、第二灯具110は、支柱104における一対の側面部141・141の間隙において、電源ケース133を介して継合部142の背面142bの上端部に、電源部103と隣接して支持される。
【0063】
第二灯具110と電源部103とを隣接させて配置することは、第二灯具110と第二電源回路部135とを接続する第五ケーブル106の距離を短く設定することができるため、好ましい。また、第二灯具110を電源ケース133に支持することは、第五ケーブル106を照明器具101の外に露出させずに接続させることができるため、好ましい。照明器具101の外側に第五ケーブル106を露出させないことは、紫外線や雨滴などの外部環境からの影響を第五ケーブル106に与えにくく、また、照明器具101の運搬や梱包の際に第五ケーブル106が邪魔にならずハンドリング性がよい。そして、第五ケーブル106は、支柱104を介さずに第二灯具110及び第二電源回路部135と接続させることができ、接続作業が容易となる。
【0064】
別実施形態における照明器具101において、第二灯具110は電源部103の上面側に配置させたが、これに限定されるものではない。例えば、第二灯具110を電源部103の下面側に配置してもよい。
また、別実施形態における照明器具101において、電源部103と隣接するように第一灯具102及び第二灯具110を配置させたが、これに限定されるものではない。電源部103と、第一灯具102及び第二灯具110とを隣接させない場合には、電源部103、第一灯具102及び第二灯具110それぞれから発生する熱に対して互いに影響を受けにくくすることができる。
【0065】
別実施形態における照明器具101おいて、第二灯具110の回動可能範囲は、第一灯具102の回動可能範囲とは異なる。第二灯具110が電源ケース133の上面に支持された場合、回動軸113aを中心とする回動方向P2に沿って、自由に調整可能な構成となっている。即ち、支柱104の上端部は開放されているため、第二灯具110の照明光Lは、照明器具101の上方から背面側の略90度の範囲が照射可能範囲となる。
このように構成することで、第一灯具102によって照明器具101の前面側にある遊歩道などを照明し、第二灯具110で背面側にある植栽などを同時に照明することができる。
【0066】
このように、別実施形態における照明器具101は、一対の側面部141・141の間隙における継合部142の他方の平面(本実施形態においては、照明器具101の背面側となる面)142bにおいて、電源部103と隣接して支持される第二灯具110をさらに備える構成となっている。
このような構成を有することにより、別実施形態においては、照明器具101の前面側(前側)だけでなく、背面側(後側)にも照明光Lを照射することができ、より一層多様な照明効果を得ることができる。
【0067】
[本実施形態における効果]
本実施形態における照明装置1は、以上のように構成されている。
即ち、照明器具1は、光源部22を有する灯具2と、前記光源部22に電力を供給して前記灯具2を点灯させる電源部3と、前記灯具2及び前記電源部3を支持する支柱(器具本体)4とを備える照明器具1であって、前記支柱(器具本体)4は、一方に延出し、且つ互いに対向して配置される一対の板状の側面部41・41と、前記一対の側面部41・41における、延出方向及び対向方向と直交する幅方向の中途部において、前記幅方向が厚み方向となるようにして配置され、且つ前記一対の側面部41・41を継合する継合部42とを有し、前記灯具2は、前記一対の側面部41・41の間隙における前記継合部42の前面42a(一方の平面)側に配置されるとともに、前記電源部3は、前記一対の側面部41・41の間隙における前記継合部42の背面42b(他方の平面)側に配置される。
【0068】
ここで、支柱(器具本体)4においては、例えば図3に示すように、一対の側面部41・41の間隙からなる空間部50を、灯具2が配置される第一空間部50Aと、電源部3が配置される第二空間部50Bとに隔絶されるところ、本実施形態においては、一対の側面部41・41と、継合部42とからなる断面視「H」字形状の部材によって支柱(器具本体)4が構成されることから、前記一対の側面部41・41の間隙からなる空間部50は、継合部42によって予め二つの空間部(第一空間部50A及び第二空間部50B)に隔絶された状態となっている。継合部42を隔てて形成される支柱(器具本体)4の二つの空間部の一方に灯具、他方に電源部が配置されるため、それぞれの取付作業を分業化することができる。従って、照明器具の組立作業の効率性を高めることができる。
【0069】
例えば上述した、断面視「コ」字形状の部材からなる従来の支柱(器具本体)のように、矩形板形状の取付板を別途設けて一対の側面部の間隙からなる空間部を二つの空間部に隔絶する必要がなく、部品点数が減ることから、照明器具1の組立作業の容易化、及びコスト低減を図ることができる。また、従来の断面視「コ」字形状の支柱(器具本体)の場合では、電源部を修理またはメンテナンスを行う場合には、灯具及び取付板を外さねばならず作業が煩雑になってしまう。一方、本実施形態の照明器具1では、支柱(器具本体)の異なる空間部に灯具と電源部がそれぞれ配置されている。これにより、灯具や電源部の修理またはメンテナンス作業を行う場合に、灯具、電源部をそれぞれ独立して修理やメンテナンス作業を行いやすい。
【0070】
また、従来の「コ」字形状の支柱では、電源部は支柱と取付板とで閉塞される空間に収納していた。ハイパワーな電源部などは電源部が大型する可能性があり、それに伴い、電源部を収容するための空間も大型化させるか、支柱に合わせて電源部のサイズやパワーを制約する必要があった。一方、本実施形態の支柱(器具本体)4において、電源部が配置される空間部は開放(本実施形態では背面側が開放)されているため、支柱(器具本体)4の空間部内に収まらない大きなサイズの電源部も容易に配置することができる。従って、照明器具の電源部の設計自由度を高めることができる。
【0071】
また、支柱(器具本体)4を断面視「H」字形状に構成することにより、例えば同程度の厚みからなる、断面視「コ」字形状に構成された従来の器具本体に比べて、断面係数が増加することから剛性の向上を図ることができる。従って、断面視「H」字形状に支柱(器具本体)を形成する方が、従来の「コ」字形状の支柱(器具本体)よりも側面部が変形しにくい。
【0072】
また、本実施形態における照明器具1において、前記灯具2は、前記一対の側面部41・41の対向方向を軸方向とする回動軸23aを中心にして回動可能に、前記継合部42に支持される構成となっている。
【0073】
このような構成を有することにより、本実施形態における照明器具1においては、灯具2から照射される照明光Lの照射方向を、回動軸23aを中心とする回動方向P1に沿って、自由に調整することができる。
【0074】
また、別実施形態における照明器具101は、前記一対の側面部141・141の間隙における前記継合部142の背面(他方の平面)142bにおいて、前記電源部103と隣接して支持される第二灯具(灯具)110をさらに備える構成となっている。
【0075】
このような構成を有することにより、別実施形態においては、照明器具101の前面側(前側)だけでなく、背面側(後側)にも照明光Lを照射することができ、より一層多様な照明効果を得ることができる。
【0076】
また、本実施形態における照明器具1において、前記灯具2は、前記一対の側面部41・41と前記継合部42とによって囲まれた空間部50(より具体的には、第一空間部50)内に収納可能に支持される構成となっている。
【0077】
このような構成を有することにより、例えば組立作業が完了した照明器具1を出荷先へ搬送する場合などにおいて、外部からの衝撃等が不意に灯具2に加えられるのを、一対の側面部41・41によって極力防止することができる。
【0078】
また、本実施形態における照明器具1において、前記灯具2は、前記一対の側面部41・41の延出方向に沿って、照明光Lを照射可能に支持される構成となっている。
【0079】
このような構成を有することにより、灯具2から照射された照明光Lの一部は、当該灯具2が配置される継合部42の平面(前面42a)に反射することとなり、間接照明の効果を得ることができる。
【0080】
また、本実施形態における照明器具1において、前記電源部3は、照明器具1の外部に設けられる外部電源と電気的に接続する電気配線部32を有し、前記電気配線部32は、前記一対の側面部41・41の端部に着脱可能に取付けられる蓋体34によって閉塞される構成となっている。
【0081】
このような構成を有することにより、蓋体34によって電気配線部32を閉塞することで、照明器具1の外観について美観を損なうことがなく、また、支柱(器具本体)4から蓋体34を取外すことで、電気配線部32と外部電源(図示せず)との配線作業を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0082】
1 照明器具1
2 灯具
3 電源部
4 支柱(器具本体)
22 光源部
23a 回動軸
32 電気配線部
34 蓋体
41 側面部
42 継合部
42a 前面(一方の平面)
42b 背面(他方の平面)
50 空間部50
50A 第一空間部
50B 第二空間部
101 照明器具
103 電源部
110 第二灯具(灯具)
141 側面部
142 継合部
142b 背面(他方の平面)
L 照明光
図1
図2
図3
図4
図5