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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】貯蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/12 20060101AFI20220901BHJP
   A47B 31/00 20060101ALI20220901BHJP
   A47B 31/02 20060101ALI20220901BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
F25D23/12 P
A47B31/00 H
A47B31/02 A
A47B31/02 D
F25D23/00 301D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018082947
(22)【出願日】2018-04-24
(65)【公開番号】P2019190715
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-03-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000194893
【氏名又は名称】ホシザキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】與語 勇一
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 泰光
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-119337(JP,A)
【文献】特開2005-326060(JP,A)
【文献】特開2005-137555(JP,A)
【文献】特開2008-99892(JP,A)
【文献】特開2017-26261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 23/12
A47B 31/00
A47B 31/02
F25D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の貯蔵室と、
第2の貯蔵室と、
前記第1の貯蔵室の室内温度を変更する第1の温度変更手段と、
前記第2の貯蔵室の室内温度を変更する第2の温度変更手段と、
前記第1の貯蔵室または前記第2の貯蔵室における室内温度の変更を開始する時刻に関する時間情報を入力するための時刻情報入力手段と、
前記第1の温度変更手段及び前記第2の温度変更手段を個別に制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記時刻情報入力手段において前記第1の貯蔵室における室内温度の変更を開始する時刻に関する時間情報が入力された場合に、その入力された情報に基づく時刻において、前記第1の温度変更手段の動作を開始する制御を行う第1制御部と、
前記時刻情報入力手段において前記第2の貯蔵室における室内温度の変更を開始する時刻に関する時間情報が入力された場合に、その入力された情報に基づく時刻において、前記第2の温度変更手段の動作を開始する制御を行う第2制御部と、
記憶部と、を備え
前記制御部は、
前記第1制御部によって前記第1の温度変更手段の動作を開始する制御が行われている場合に、所定のエラー条件が成立するとエラーを発報するエラー発報処理と、エラー発報時の前記第1の貯蔵室の室内温度を取得し、当該室内温度を前記記憶部に記憶するエラー時温度記憶処理と、を実行する貯蔵庫。
【請求項2】
前記時刻情報入力手段に入力される時刻に関する時間情報は、その入力があった時から、入力された設定時間の経過後の時刻である請求項1に記載の貯蔵庫。
【請求項3】
前記第1の貯蔵室および/または前記第2の貯蔵室の室内温度を取得する温度取得手段と、
情報を表示可能な表示部と、を備え、
前記制御部は、
前記表示部に前記時間情報に基づく時刻に到達するまでの残り時間を表示させ、前記時間情報に基づく時刻に到達した後は、前記表示部に取得した前記室内温度を表示させる表示処理を実行する請求項2に記載の貯蔵庫。
【請求項4】
現在時刻を取得する時刻取得手段と、
前記第1の貯蔵室および/または前記第2の貯蔵室の室内温度を取得する温度取得手段と、
情報を表示可能な表示部と、を備え、
前記制御部は、
前記時間情報に基づく前記室内温度の変更を開始する時刻前は、前記現在時刻を表示させ、
前記時間情報に基づく前記室内温度の変更を開始する時刻後は、前記表示部に取得した前記室内温度を表示させる表示処理を実行する請求項1に記載の貯蔵庫。
【請求項5】
前記時刻情報入力手段に入力される時刻に関する時間情報を記憶する記憶手段を備え、
前記記憶手段は、前記時間情報を複数記憶可能とされ、
前記第1制御部および/または前記第2制御部は、前記記憶手段に複数記憶された時間情報毎に、前記第1の温度変更手段および/または前記第2の温度変更手段の動作を開始する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の貯蔵庫。
【請求項6】
前記時刻情報入力手段は、当該貯蔵庫とは分離された外部の端末である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の貯蔵庫。
【請求項7】
前記外部の端末から前記第1制御部および/または前記第2制御部の動作を開始する開始信号を取得する開始信号取得手段を備える請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の貯蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、貯蔵庫として、例えば特許文献1に記載の配膳車に搭載されたものが知られている。特許文献1の配膳車は、冷蔵室と、温蔵室と、オペレーションパネルと、を備えており、オペレーションパネルには、温蔵運転スイッチ及び冷蔵運転スイッチが設けられている。温蔵運転スイッチを押すと、温蔵運転が開始され、冷蔵運転スイッチを押すと、冷蔵運転が開始される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-99892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成において、例えば、業務の開始までに温蔵室の予熱、および/または、冷蔵室の予冷をしておくには、前日に温蔵運転、および/または、冷蔵運転させておくか、翌日に早出して温蔵運転、および/または、冷蔵運転させる必要がある。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、温蔵室の時間情報に基づく時刻、および/または、冷蔵室の時間情報に基づく時刻に、温蔵運転、および/または、冷蔵運転を開始するタイマ運転を行うことができる貯蔵庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の貯蔵庫は、第1の貯蔵室と、第2の貯蔵室と、前記第1の貯蔵室の室内温度を変更する第1の温度変更手段と、前記第2の貯蔵室の室内温度を変更する第2の温度変更手段と、前記第1の貯蔵室または前記第2の貯蔵室における室内温度の変更を開始する時刻に関する時間情報を入力するための時刻情報入力手段と、前記第1の温度変更手段及び前記第2の温度変更手段を個別に制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記時刻情報入力手段において前記第1の貯蔵室における室内温度の変更を開始する時刻に関する時間情報が入力された場合に、その入力された情報に基づく時刻において、前記第1の温度変更手段の動作を開始する制御を行う第1制御部と、前記時刻情報入力手段において前記第2の貯蔵室における室内温度の変更を開始する時刻に関する時間情報が入力された場合に、その入力された情報に基づく時刻において、前記第2の温度変更手段の動作を開始する制御を行う第2制御部と、を備える。
【0007】
入力された時間情報に基づく時刻までに第1の貯蔵室及び第2の貯蔵室の予熱又は予冷をしておくことが可能となる。また、第1の貯蔵室及び第2の貯蔵室の予熱又は予冷をしておくために、前日から貯蔵庫を運転させておく場合と比較して電気料金が削減される。また、当日の早朝に貯蔵庫を運転させる必要もなくなる。また、前もって入力された時間情報に基づく時刻を設定しておくことで、予熱又は予冷をし忘れることが抑制される。
また、例えば、第1の貯蔵室及び第2の貯蔵室を予熱及び予冷する際、第1の貯蔵室の設定温度に到達するまでの時間が第2の貯蔵室の設定温度に到達するまでの時間よりも早い場合に、第1の貯蔵室の時間情報に基づく時刻を第2の貯蔵室の時間情報に基づく時刻よりも遅い時刻に設定することで、それぞれ同じ時刻に設定する場合と比較して、第1の貯蔵室の運転時間が短くなり、効率的に運転させることができる。
【0008】
また、前記時刻情報入力手段に入力される時刻に関する時間情報は、その入力があった時から、入力された設定時間の経過後の時刻である構成としても良い。
【0009】
運転開始までの設定時間を設定することで、例えば、1時間後に運転を開始させたい場合、時刻で設定する場合と比較して、容易に設定することができる。
【0010】
また、前記第1の貯蔵室および/または前記第2の貯蔵室の室内温度を取得する温度取得手段と、情報を表示可能な表示部と、を備え、前記制御部は、前記表示部に前記時間情報に基づく時刻に到達するまでの残り時間を表示させ、前記時間情報に基づく時刻に到達した後は、前記表示部に取得した前記室内温度を表示させる表示処理を実行する構成としても良い。
【0011】
1つの表示部に、時間情報に基づく時刻前は残り時間を表示させ、時間情報に基づく時刻後は室内温度を表示させるようにすることで、異なる表示部にそれぞれ残り時間及び室内温度を表示させる場合と比較して、コストの低減を図ることができる。
【0012】
また、現在時刻を取得する時刻取得手段と、前記第1の貯蔵室および/または前記第2の貯蔵室の室内温度を取得する温度取得手段と、情報を表示可能な表示部と、を備え、前記制御部は、前記時間情報に基づく前記室内温度の変更を開始する時刻前は、前記現在時刻を表示させ、前記時間情報に基づく前記室内温度の変更を開始する時刻後は、前記表示部に取得した前記室内温度を表示させる表示処理を実行する構成としても良い。
【0013】
1つの表示部に、時間情報に基づく設定温度の変更を開始する時刻前は現在時刻を表示させ、時間情報に基づく設定温度の変更を開始する時刻後は室内温度を表示させるようにすることで、異なる表示部にそれぞれ現在時刻及び室内温度を表示させる場合と比較して、コストの低減を図ることができる。
【0014】
また、前記時刻情報入力手段に入力される時刻に関する時間情報を記憶する記憶手段を備え、前記記憶手段は、前記時間情報を複数記憶可能とされ、前記第1制御部および/または前記第2制御部は、前記記憶手段に複数記憶された時間情報毎に、前記第1の温度変更手段および/または前記第2の温度変更手段の動作を開始する構成としても良い。
【0015】
時間情報を複数記憶できるため、例えば、1日に、朝、昼、夕の3回予熱又は予冷をする必要がある場合に、まとめて時間情報を設定しておくことが可能となる。
【0016】
前記時刻情報入力手段は、当該貯蔵庫とは分離された外部の端末である構成としても良い。
【0017】
外部の端末(例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等)に入力された時間情報を取得することで、例えば、時間情報を変更する際に、貯蔵庫のある場所に移動しなくても変更することができる。
【0018】
また、前記外部の端末から前記第1制御部および/または前記第2制御部の動作を開始する開始信号を取得する開始信号取得手段を備える構成としても良い。
【0019】
外部の端末から開始信号を取得することで、貯蔵庫のある場所に移動しなくても貯蔵庫の第1制御部および/または第2制御部の動作を開始させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、温蔵室の時間情報に基づく時刻、および/または、冷蔵室の時間情報に基づく時刻に、温蔵運転、および/または、冷蔵運転を開始するタイマ運転を行うことができる貯蔵庫を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】温冷カートの斜視図
図2】温蔵室、冷蔵室、及び機械室の位置を示す図
図3】操作部の図
図4】外部の端末と温冷カートとの関係を示す図
図5】実施形態1における制御部のブロック図
図6】実施形態1における第1制御部及び第2制御部のフロー図
図7】実施形態1における第1の表示処理部及び第2の表示処理部のフロー図
図8】実施形態2における制御部のブロック図
図9】実施形態2における第1制御部及び第2制御部のフロー図
図10】実施形態2における第1の表示処理部及び第2の表示処理部のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図7を参照しつつ説明する。本実施形態の貯蔵庫として、温冷カート10を例示し、以降の説明では、図1及び図2のX方向を前方、Z方向を上方、Y方向を左方とする。
【0023】
温冷カート10は、図1に示すように、冷蔵機能と温蔵機能を兼ね備えた、手押し車型の配膳車であり、箱状の本体部12を備えている。本体部12は、図1図2に示すように、後方に配された温蔵室(第1の貯蔵室)14と、前方に配された冷蔵室(第2の貯蔵室)16と、冷蔵室16の下方に配された機械室18と、を備えている。
【0024】
本体部12の下面には、複数個の車輪20が設けられており、本体部12の上面には、天板22が設けられており、天板22の後端には、ハンドル24が設けられている。本体部12の左側面には、両開き式の一対の扉26、及び、閉状態の扉26の間に配される上下方向に延びたオペレーションパネル28が設けられている。
【0025】
機械室18には、図2に示すように、冷凍機器類30が設けられており、冷凍機器類30は、圧縮機32、凝縮器、及び、凝縮器ファン34を備えている。冷蔵室16には、冷蔵室16内を冷却する冷却器(図示せず)が設けられており、冷凍機器類30と冷却器とは、冷媒管により循環接続されている。これにより、冷凍回路が構成されている。温蔵室14には、温蔵室14内を加熱するヒータ36が設けられている。
【0026】
オペレーションパネル28の上部には、図1に示すように、ユーザからの入力を受け付ける操作部38が設けられている。操作部38は、図5に示すように、制御部40と電気的に接続されている。制御部40は、マイクロコントローラを備えた電子基板であり、オペレーションパネル28の裏側(右側)に配されている。
【0027】
操作部38は、図3図5に示すように、表示部42と、運転スイッチ46と、設定スイッチ44と、を備えている。
【0028】
表示部42は、図3に示すように、温蔵室14に関する情報を表示可能な第1の表示部48と、冷蔵室16に関する情報を表示可能な第2の表示部50とから構成されており、図5に示すように、それぞれが制御部40に電気的に接続されている。
【0029】
運転スイッチ46は、図3に示すように、温蔵室14の運転の入/切に関する入力を受け付ける第1の運転スイッチ52と、冷蔵室16の運転の入/切に関する入力を受け付ける第2の運転スイッチ54とから構成されており、図5に示すように、それぞれが制御部40に電気的に接続されている。
【0030】
設定スイッチ44は、図3に示すように、タイマに関する設定の入力を受け付ける入タイマスイッチ55と、温蔵室14の設定に関する入力を受け付ける第1の設定スイッチ56と、冷蔵室16の設定に関する入力を受け付ける第2の設定スイッチ58と、上昇ボタン60と、下降ボタン62と、から構成されており、図5に示すように、それぞれが制御部40に電気的に接続されている。
【0031】
制御部40には、図5に示すように、ヒータ36が電気的に接続されており、制御部40からヒータ36に制御信号が送信されると、ヒータ36が作動して温蔵室14内が加熱され、温蔵室14内の室内温度が上昇する(第1の温度変更手段)。温蔵室14内には、第1の温度センサ64が設けられており、第1の温度センサ64は、制御部40に接続されている。
【0032】
制御部40には、圧縮機32及び凝縮器ファン34が電気的に接続されており、制御部40からそれぞれの機器に制御信号が送信されると、冷凍回路が作動して冷蔵室16内が冷却され、冷蔵室16内の室内温度が低下する(第2の温度変更手段)。冷蔵室16内には、第2の温度センサ66が設けられており、第2の温度センサ66は、制御部40に接続されている。
【0033】
制御部40は、演算部68と、記憶部70と、受信部72と、運転開始制御部74と、表示処理部76と、時間情報入力処理部(時刻情報入力手段)78と、設定温度入力処理部80と、室内温度取得部82と、設定温度取得部84と、時間情報取得部86と、温度変更制御部88と、開始信号取得部90と、復帰処理制御部92と、ヒータ監視制御部94と、を備えている。
【0034】
温蔵室14及び冷蔵室16に関する設定及び運転制御は、それぞれ独立して行われ、温蔵室14又は冷蔵室16のいずれか一方のみ運転させることもできるし、温蔵室14及び冷蔵室16を同時に運転させることもできる。以降の説明では、温蔵室14と冷蔵室16とで重複する記載については、冷蔵室16の説明を、温蔵室14に関する記載の後に「()」で記載する。
【0035】
記憶部70は、所謂、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory、不揮発性メモリ)であり、記憶部70には、温蔵室14(冷蔵室16)の時間情報、及び、温蔵室14(冷蔵室16)の設定温度に関する情報等が記憶される。ここで、時間情報は、温蔵室14(冷蔵室16)の運転を開始するまでの時間(設定時間)に関する情報である。
【0036】
受信部72は、外部の端末96から送信された情報を、インターネット回線Cを介して受信する。外部の端末96は、所謂、スマートフォンであって、情報が入力可能な入力部98(例えば、タッチパネル等)と、入力部98から入力された情報を温冷カート10に送信する送信部100と、から構成されている。外部の端末96の入力部98から入力される情報は、温蔵室14(冷蔵室16)の時間情報(設定時間)、温蔵室14(冷蔵室16)の運転開始に関する情報(開始信号)である。ここで、運転開始に関する情報には、温蔵室14(冷蔵室16)の通常運転モードの開始信号、及び、温蔵室14(冷蔵室16)のタイマ運転モードの開始信号がある。
【0037】
時間情報入力処理部78は、操作部38、又は、外部の端末96から温蔵室14(冷蔵室16)の時間情報が入力された場合に、温蔵室14(冷蔵室16)の時間情報を記憶部70に記憶する処理を実行する。
【0038】
操作部38から時間情報(設定時間)が入力された場合の、時間情報入力処理部78のフローを説明する。先ず、ユーザにより、操作部38の入タイマスイッチ55、及び、第1の設定スイッチ56(冷蔵室16の場合は、第2の設定スイッチ58)が押されると、時間情報入力処理部78は、第1の表示部48(冷蔵室16の場合は、第2の表示部50)に記憶部70に記憶されている設定時間を表示する処理を実行する。次に、上昇ボタン60又は下降ボタン62が操作されると、第1の表示部48(冷蔵室16の場合は、第2の表示部50)に、上昇後又は下降後の温蔵室14(冷蔵室16)の設定時間を表示する処理を実行する。このとき、設定時間は0.5時間単位で設定され、上昇ボタン60が1回押されると、0.5時間加算した設定時間を第1の表示部48(冷蔵室16の場合は、第2の表示部50)に表示し、下降ボタン62が1回押されると、0.5時間減算した設定時間を第1の表示部48(冷蔵室16の場合は、第2の表示部50)に表示する。次に、第1の設定スイッチ56(冷蔵室16の場合は、第2の設定スイッチ58)が離されると、変更後の温蔵室14(冷蔵室16)の設定時間を記憶部70に記憶する処理を実行する。上記操作を複数回行い、複数の設定時間を記憶部70に記憶することも可能である。
【0039】
外部の端末96から時間情報(設定時間)が入力された場合の、時間情報入力処理部78のフローを説明する。外部の端末96より入力された設定時間が温冷カート10に送信されると、時間情報入力処理部78は、受信部72より受信した設定時間を記憶部70に記憶する処理を実行する。上記操作を複数回行い、複数の設定時間を記憶部70に記憶することも可能である。
【0040】
時間情報取得部86は、記憶部70に記憶された温蔵室14(冷蔵室16)の時間情報(設定時間)を取得する処理を実行する。
【0041】
設定温度入力処理部80は、操作部38から温蔵室14(冷蔵室16)の設定温度が入力された場合に、入力された温蔵室14(冷蔵室16)の設定温度を記憶部70に記憶する。
【0042】
設定温度入力処理部80のフローについて説明する。先ず、ユーザにより、操作部38の第1の設定スイッチ56(冷蔵室16の場合は、第2の設定スイッチ58)が押されると、設定温度入力処理部80は、第1の表示部48(冷蔵室16の場合は、第2の表示部50)に記憶部70に記憶されている温蔵室14(冷蔵室16)の設定温度を表示する処理を実行する。次に、上昇ボタン60又は下降ボタン62が操作されると、第1の表示部48(冷蔵室16の場合は、第2の表示部50)に、上昇後又は下降後の温蔵室14(冷蔵室16)の設定温度を表示する処理を実行する。次に、第1の設定スイッチ56(冷蔵室16の場合は、第2の設定スイッチ58)が離されると、変更後の温蔵室14(冷蔵室16)の設定温度に関する情報を記憶部70に記憶する処理を実行する。
【0043】
室内温度取得部82は、温蔵室14(冷蔵室16)内の第1の温度センサ64(冷蔵室16の場合は、第2の温度センサ66)から室内温度に関する情報を取得する処理を実行する。
【0044】
設定温度取得部84は、記憶部70に記憶された温蔵室14(冷蔵室16)の設定温度を取得する処理を実行する。
【0045】
温度変更制御部88は、第1の温度変更制御部102と、第2の温度変更制御部104と、から構成されている。第1の温度変更制御部102は、室内温度取得部82により取得した温蔵室14の室内温度が、設定温度取得部84により取得した温蔵室14の設定温度となるように、ヒータ36を制御する。第2の温度変更制御部104は、室内温度取得部82により取得した冷蔵室16の室内温度が、設定温度取得部84により取得した冷蔵室16の設定温度となるように、冷凍機器類30(圧縮機32及び凝縮器ファン34)を制御する。
【0046】
開始信号取得部90は、第1の開始信号取得部106と、第2の開始信号取得部108と、から構成されている。第1の開始信号取得部106は、外部の端末96から温蔵室14の開始信号が送信された場合に、受信部72から温蔵室14の開始信号を取得する処理を実行する。第2の開始信号取得部108は、外部の端末96から冷蔵室16の開始信号が送信された場合に、受信部72から冷蔵室16の開始信号を取得する処理を実行する。
【0047】
運転開始制御部74は、温蔵室14の運転の開始に関する制御を行う第1制御部110と、冷蔵室16の運転の開始に関する制御を行う第2制御部112とから構成されている。
【0048】
第1制御部110の動作を、図6のフロー図を用いて説明する。先ず、温冷カート10の電源が投入されると、操作部38又は外部の端末96からの入力待ちを行う待機処理を実行する(S100)。次に、通常運転モードに移行する場合は(S101)、第1の温度変更制御部102の動作を開始する処理を実行する(S106)。ここで、通常運転モードへの移行は、待機処理の実行中に、ユーザにより入タイマスイッチ55が押されていない状態で、第1の運転スイッチ52が押された場合、又は、第1の開始信号取得部106により、通常運転モードの開始信号を取得した場合のいずれかにより移行する。一方、タイマ運転モードに移行する場合は(S102)、先ず、時間情報取得部86により、温蔵室14の時間情報(設定時間)を取得する処理を実行する(S103)。ここで、タイマ運転モードへの移行は、待機処理の実行中に、ユーザにより入タイマスイッチ55が押された状態で第1の運転スイッチ52が押された場合、又は、第1の開始信号取得部106により、タイマ運転の開始信号を取得した場合のいずれかにより移行する。次に、タイマ運転モードが開始された時から設定時間の経過後の時刻になるまでをカウントするカウントダウン処理を実行する(S104)。次に、カウントの残り時間が0になったら(S105)、第1の温度変更制御部102の動作を開始する処理を実行する(S106)。
【0049】
温蔵室14の設定時間が記憶部70に複数記憶されている場合、それぞれの設定時間に対してカウント処理が行われ、カウントの残り時間が0になったら、都度、第1の温度変更制御部102の動作を開始する処理を実行する。
【0050】
第2制御部112の動作を、図6のフロー図を用いて説明する。先ず、温冷カート10の電源が投入されると、操作部38又は外部の端末96からの入力待ちを行う待機処理を実行する(S200)。次に、通常運転モードに移行する場合は(S201)、第2の温度変更制御部104の動作を開始する処理を実行する(S206)。ここで、通常運転モードへの移行は、待機処理の実行中に、ユーザにより入タイマスイッチ55が押されていない状態で、第2の運転スイッチ54が押された場合、又は、第2の開始信号取得部108により、タイマ運転の開始信号を取得した場合のいずれかにより移行する。一方、タイマ運転モードに移行する場合は(S202)、先ず、時間情報取得部86により、冷蔵室16の時間情報(設定時間)を取得する処理を実行する(S203)。ここで、タイマ運転モードへの移行は、待機処理の実行中に、ユーザにより入タイマスイッチ55が押された状態で第2の運転スイッチ54が押された場合、又は、第2の開始信号取得部108により、タイマ運転の開始信号を取得した場合のいずれかにより移行する。次に、タイマ運転モードが開始された時から設定時間の経過後の時刻になるまでをカウントするカウントダウン処理を実行する(S204)。次に、カウントの残り時間が0になったら(S205)、第2の温度変更制御部104の動作を開始する処理を実行する(S206)。
【0051】
冷蔵室16の設定時間が記憶部70に複数記憶されている場合、それぞれの設定時間に対してカウント処理が行われ、カウントの残り時間が0になったら、都度、第2の温度変更制御部104の動作を開始する処理を実行する。
【0052】
表示処理部76は、第1の表示部48に情報を表示する制御を行う第1の表示処理部105と、第2の表示部50に情報を表示する制御を行う第2の表示処理部107とから構成されている。
【0053】
第1の表示処理部105の動作を、図7のフロー図を用いて説明する。先ず、待機処理の実行中は、第1の表示部48に待機中であることを示す「―――」の文字を表示する処理を実行する(S300)。次に、通常運転モードに移行した場合は(S301)、第1の表示部48に室内温度取得部82により取得した温蔵室14の室内温度を表示する処理を実行する(S305)。一方、タイマ運転モードに移行した場合は、先ず、第1の表示部48にカウントの残り時間を表示する処理を実行する(S303)。ここで、第1の表示部48に表示する残り時間は、0.5時間単位で表示する。次に、残り時間が0になったら(S304)、第1の表示部48に室内温度取得部82より取得した温蔵室14の室内温度を表示する処理を実行する(S305)。
【0054】
第2の表示処理部107の動作を、図7のフロー図を用いて説明する。先ず、待機処理の実行中は、第2の表示部50に待機中であることを示す「―――」の文字を表示する処理を実行する(S400)。次に、通常運転モードに移行した場合は(S401)、第2の表示部50に室内温度取得部82により取得した冷蔵室16の室内温度を表示する処理を実行する(S405)。一方、タイマ運転モードに移行した場合は、先ず、第2の表示部50にカウントの残り時間を表示する処理を実行する(S403)。ここで、第2の表示部50に表示する残り時間は、0.5時間単位で表示する。次に、残り時間が0になったら(S404)、第2の表示部50に室内温度取得部82より取得した冷蔵室16の室内温度を表示する処理を実行する(S405)。
【0055】
復帰処理制御部92は、現在の運転状態に関する情報を記憶部70に記憶する処理と、温冷カート10の電源が切断され、電源が復帰した際に、記憶した運転設定で運転を再開する再開処理と、を実行する。ここで、運転状態に関する情報とは、運転モード(待機状態、通常運転モード、タイマ運転モードのいずれか)に関する情報、設定温度に関する情報、及び、時間情報(設定時間)である。復帰処理制御部92を動作させるか否かの設定は、ユーザが行うことが可能となっている。また、復帰処理制御部92を動作させるか否かの設定は、温蔵室14と冷蔵室16とで、個別に設定を行うことはできない構成とされているが、個別に設定を行うことが可能な構成としても良い。なお、復帰処理制御部92が動作していない場合、温冷カート10は、電源復帰の際に待機状態となる。
【0056】
ヒータ監視制御部94は、ヒータ36の通電開始時からの作動時間を取得する作動時間取得処理と、取得した作動時間が3時間以上の場合に、ヒータ36の連続通電エラーを発報するエラー発報処理と、エラー発報時の温蔵室14の室内温度を取得し、記憶部70に記憶するエラー時温度記憶処理と、を実行する。記憶されたエラー発報時の温蔵室14の室内温度は、メンテナンス時に、サービスマンが確認することが可能となっており、エラーの原因を推定し易くしている。例えば、記憶された温蔵室14の室内温度が、70℃以上であれば、第1の温度センサ64の異常が疑われ、70℃未満30℃以上であれば扉26が開いていたことが疑われ、30℃未満であれば、ヒータ36の断線等が疑われる。なお、上記のエラー時温度記憶処理は、エラー発報時の温蔵室14の室内温度を記憶していたが、その他に、エラー発報時の時刻情報を記憶しても良いし、ヒータ36の通電開始からの温蔵室14の室内温度履歴を記憶しても良い。
【0057】
本実施形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
本実施形態の温冷カート(貯蔵庫)10は、温蔵室(第1の貯蔵室)14と、冷蔵室(第2の貯蔵室)16と、温蔵室(第1の貯蔵室)14の室内温度を変更する第1の温度変更手段と、冷蔵室(第2の貯蔵室)16の室内温度を変更する第2の温度変更手段と、温蔵室(第1の貯蔵室)14または冷蔵室(第2の貯蔵室)16における室内温度の変更を開始する時刻に関する時間情報を入力するための時間情報入力処理部(時刻情報入力手段)78と、第1の温度変更手段及び第2の温度変更手段を個別に制御する制御部40と、を備え、制御部40は、時間情報入力処理部(時刻情報入力手段)78において温蔵室(第1の貯蔵室)14における室内温度の変更を開始する時刻に関する時間情報が入力された場合に、その入力された情報に基づく時刻において、第1の温度変更手段の動作を開始する制御を行う第1制御部110と、時間情報入力処理部(時刻情報入力手段)78において冷蔵室(第2の貯蔵室)16における室内温度の変更を開始する時刻に関する時間情報が入力された場合に、その入力された情報に基づく時刻において、第2の温度変更手段の動作を開始する制御を行う第2制御部112と、を備える。
【0058】
入力された時間情報に基づく時刻までに温蔵室(第1の貯蔵室)14及び冷蔵室(第2の貯蔵室)16の予熱又は予冷をしておくことが可能となる。また、温蔵室(第1の貯蔵室)14及び冷蔵室(第2の貯蔵室)16の予熱又は予冷をしておくために、前日から貯蔵庫を運転させておく場合と比較して電気料金が削減される。また、当日の早朝に温冷カート(貯蔵庫)10を運転させる必要もなくなる。また、前もって入力された時間情報に基づく時刻を設定しておくことで、予熱又は予冷をし忘れることが抑制される。
また、例えば、温蔵室(第1の貯蔵室)14及び冷蔵室(第2の貯蔵室)16を予熱及び予冷する際、温蔵室(第1の貯蔵室)14の設定温度に到達するまでの時間が冷蔵室(第2の貯蔵室)16の設定温度に到達するまでの時間よりも早い場合に、温蔵室(第1の貯蔵室)14の時間情報に基づく時刻を冷蔵室(第2の貯蔵室)16の時間情報に基づく時刻よりも遅い時刻に設定することで、それぞれ同じ時刻に設定する場合と比較して、温蔵室(第1の貯蔵室)14の運転時間が短くなり、効率的に運転させることができる。
【0059】
また、時間情報入力処理部(時刻情報入力手段)78に入力される時刻に関する時間情報は、その入力があった時から、入力された設定時間の経過後の時刻である構成としても良い。
【0060】
運転開始までの設定時間を設定することで、例えば、1時間後に運転を開始させたい場合、時刻で設定する場合と比較して、容易に設定することができる。
【0061】
また、温蔵室(第1の貯蔵室)14および/または冷蔵室(第2の貯蔵室)16の室内温度を取得する室内温度取得部(温度取得手段)82と、情報を表示可能な表示部42と、を備え、制御部40は、表示部42に時間情報に基づく時刻に到達するまでの残り時間を表示させ、時間情報に基づく時刻に到達した後は、表示部42に取得した室内温度を表示させる表示処理を実行する構成としても良い。
【0062】
1つの表示部42に、時間情報に基づく時刻前は残り時間を表示させ、時間情報に基づく時刻後は室内温度を表示させるようにすることで、異なる表示部にそれぞれ残り時間及び室内温度を表示させる場合と比較して、コストの低減を図ることができる。
【0063】
また、時間情報入力処理部(時刻情報入力手段)78に入力される時刻に関する時間情報を記憶する記憶部(記憶手段)70を備え、記憶部(記憶手段)70は、時間情報を複数記憶可能とされ、第1制御部110および/または第2制御部112は、記憶部(記憶手段)70に複数記憶された時間情報毎に、第1の温度変更手段および/または第2の温度変更手段の動作を開始する構成としても良い。
【0064】
時間情報を複数記憶できるため、例えば、1日に、朝、昼、夕の3回予熱又は予冷をする必要がある場合に、まとめて時間情報を設定しておくことが可能となる。
【0065】
また、前記時刻情報入力手段は、当該温冷カート(貯蔵庫)10とは分離された外部の端末96である構成としても良い。
【0066】
外部の端末96(例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン等)に入力された時間情報を取得することで、例えば、時間情報を変更する際に、温冷カート(貯蔵庫)10のある場所に移動しなくても変更することができる。
【0067】
また、外部の端末96から第1制御部110および/または第2制御部112の動作を開始する開始信号を取得する開始信号取得手段を備える構成としても良い。
【0068】
外部の端末96から開始信号を取得することで、温冷カート(貯蔵庫)10のある場所に移動しなくても温冷カート(貯蔵庫)10の第1制御部110および/または第2制御部112の動作を開始させることができる。
<実施形態2>
本発明の実施形態2を図8から図10を参照しつつ説明する。
本実施形態の温冷カート10の制御部40Aは、図8に示すように、内部タイマから現在時刻を取得する現在時刻取得部(時刻取得手段)114を備える。また、制御部40の時間情報入力処理部78A、時間情報取得部86A、運転開始制御部74A、及び表示処理部76Aの動作が、実施形態1の時間情報取得部86、運転開始制御部74、及び表示処理部76とは異なる。また、実施形態2の時間情報は、温蔵室14(冷蔵室16)の運転を開始する設定時刻に関する情報である。その他の動作は、実施形態1のものと同じ構成となっている。
【0069】
時間情報入力処理部(時刻情報入力手段)78Aは、操作部38、又は、外部の端末96から温蔵室14(冷蔵室16)の時間情報が入力された場合に、温蔵室14(冷蔵室16)の時間情報を記憶部70に記憶する処理を実行する。
【0070】
操作部38から時間情報(設定時刻)が入力された場合の、時間情報入力処理部78Aのフローを説明する。先ず、ユーザにより、操作部38の入タイマスイッチ55、及び、第1の設定スイッチ56(冷蔵室16の場合は、第2の設定スイッチ58)が押されると、時間情報入力処理部78は、第1の表示部48(冷蔵室16の場合は、第2の表示部50)に記憶部70に記憶されている設定時刻を表示する処理を実行する。次に、上昇ボタン60又は下降ボタン62が操作されると、第1の表示部48(冷蔵室16の場合は、第2の表示部50)に、上昇後又は下降後の温蔵室14(冷蔵室16)の設定時刻を表示する処理を実行する。このとき、設定時間は1分単位で設定され、上昇ボタン60が1回押されると、1分加算した設定時刻を第1の表示部48(冷蔵室16の場合は、第2の表示部50)に表示し、下降ボタン62が1回押されると、1分減算した設定時刻を第1の表示部48(冷蔵室16の場合は、第2の表示部50)に表示する。次に、第1の設定スイッチ56(冷蔵室16の場合は、第2の設定スイッチ58)が離されると、変更後の温蔵室14(冷蔵室16)の設定時刻を記憶部70に記憶する処理を実行する。上記操作を複数回行い、複数の設定時刻を記憶部70に記憶することも可能である。
【0071】
外部の端末96から時間情報(設定時刻)が入力された場合の、時間情報入力処理部78Aのフローを説明する。外部の端末96より入力された設定時刻が温冷カート10に送信されると、時間情報入力処理部78Aは、受信部72より受信した設定時刻を記憶部70に記憶する処理を実行する。
【0072】
時間情報取得部86Aは、記憶部70に記憶された温蔵室14(冷蔵室16)の時間情報(設定時刻)を取得する処理を実行する。
【0073】
運転開始制御部74Aは、温蔵室14の運転の開始に関する制御を行う第1制御部110Aと、冷蔵室16の運転の開始に関する制御を行う第2制御部112Aとから構成されている。
【0074】
第1制御部110Aの動作を、図9のフロー図を用いて説明する。先ず、温冷カート10の電源が投入されると、待機処理を実行する(S100A)。次に、通常運転モードに移行する場合は(S101A)、第1の温度変更制御部102の動作を開始する処理を実行する(S106A)。一方、タイマ運転モードに移行する場合は(S102A)、先ず、時間情報取得部86Aにより、温蔵室14の時間情報(設定時刻)を取得する処理を実行する(S103A)。次に、現在時刻取得部114により、現在時刻を取得する(S104A)。次に、取得した現在時刻が設定時刻と同じ時刻であれば(S105A)、第1の温度変更制御部102の動作を開始する処理を実行する(S106A)。
【0075】
第2制御部112Aの動作を、図9のフロー図を用いて説明する。先ず、温冷カート10の電源が投入されると、待機処理を実行する(S200A)。次に、通常運転モードに移行する場合は(S201A)、第2の温度変更制御部104の動作を開始する処理を実行する(S206A)。一方、タイマ運転モードに移行する場合は(S202A)、先ず、時間情報取得部86Aにより、冷蔵室16の時間情報(設定時刻)を取得する処理を実行する(S203A)。次に、現在時刻取得部114により、現在時刻を取得する(S204A)。次に、取得した現在時刻が設定時刻と同じ時刻であれば(S205A)、第2の温度変更制御部104の動作を開始する処理を実行する(S206A)。
【0076】
表示処理部76Aは、第1の表示部48に情報を表示する制御を行う第1の表示処理部105Aと、第2の表示部50に情報を表示する制御を行う第2の表示処理部107Aとから構成されている。
【0077】
第1の表示処理部105Aの動作を、図10のフロー図を用いて説明する。先ず、待機処理の実行中は、第1の表示部48に待機中であることを示す「―――」の文字を表示する処理を実行する(S300A)。次に、通常運転モードに移行した場合は(S301A)、第1の表示部48に室内温度取得部82により取得した温蔵室14の室内温度を表示する処理を実行する(S305A)。一方、タイマ運転モードに移行した場合は(S302A)、先ず、第1の表示部48に現在時刻を表示する処理を実行する(S303A)。次に、現在時刻が設定時刻と同じ時刻になったら(S304A)、第1の表示部48に室内温度取得部82より取得した温蔵室14の室内温度を表示する処理を実行する(S305A)。
【0078】
第2の表示処理部107Aの動作を、図10のフロー図を用いて説明する。先ず、待機処理の実行中は、第2の表示部50に待機中であることを示す「―――」の文字を表示する処理を実行する(S400A)。次に、通常運転モードに移行した場合は(S401A)、第2の表示部50に室内温度取得部82により取得した温蔵室14の室内温度を表示する処理を実行する(S405A)。一方、タイマ運転モードに移行した場合は(S402A)、先ず、第2の表示部50に現在時刻を表示する処理を実行する(S403A)。次に、現在時刻が設定時刻と同じ時刻になったら(S404A)、第2の表示部50に室内温度取得部82より取得した温蔵室14の室内温度を表示する処理を実行する(S405A)。
【0079】
本実施形態によれば、以下の作用、効果を奏する。
本実施形態の温冷カート(貯蔵庫)10は、現在時刻を取得する現在時刻取得部(時刻取得手段)114と、前記温蔵室(第1の貯蔵室)14および/または冷蔵室(前記第2の貯蔵室)16の室内温度を取得する室内温度取得部(温度取得手段)82と、情報を表示可能な表示部42と、を備え、前記制御部40は、前記時間情報に基づく前記室内温度の変更を開始する時刻前は、前記現在時刻を表示させ、前記時間情報に基づく前記室内温度の変更を開始する時刻後は、前記表示部42に取得した前記室内温度を表示させる表示処理を実行する。
【0080】
1つの表示部42に、時間情報に基づく設定温度の変更を開始する時刻前は現在時刻を表示させ、時間情報に基づく設定温度の変更を開始する時刻後は室内温度を表示させるようにすることで、異なる表示部にそれぞれ現在時刻及び室内温度を表示させる場合と比較して、コストの低減を図ることができる。
【0081】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、貯蔵庫として、温冷カート10を例示したが、これに限られることはなく、例えば、貯蔵庫は、温蔵室のみのカートであっても良いし、移動式でない一般的な箱型の冷蔵庫であっても良い。
(2)上記実施形態では、外部の端末96はスマートフォンである構成としたが、これに限られることはなく、例えば、外部の端末96はパーソナルコンピュータであっても良い。
(2)上記実施形態2では、現在時刻の取得は、内部タイマから取得する構成としたが、外部タイマから現在時刻を取得する構成としても良い。外部タイマとして、例えば、原子時計から電波により現在時刻を取得する構成としても良いし、一般のデイリータイマ、ウィークリータイマ、及び年間タイマ等の出力から現在時刻を取得する構成としても良い。
【符号の説明】
【0082】
10:温冷カート(貯蔵庫)
14:温蔵室(第1の貯蔵室)
16:冷蔵室(第2の貯蔵室)
40,40A:制御部
42:表示部
70:記憶部
78,78A:時間情報入力処理部
82:室内温度取得部
96:外部の端末
110,110A:第1制御部
112,112A:第2制御部
114:現在時刻取得部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10