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特許7133350ブレーキシリンダ装置及びブレーキシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】ブレーキシリンダ装置及びブレーキシステム
(51)【国際特許分類】
   B60T 13/38 20060101AFI20220901BHJP
   B60T 13/36 20060101ALI20220901BHJP
   B60T 15/36 20060101ALI20220901BHJP
   F16D 65/28 20060101ALI20220901BHJP
   F16D 63/00 20060101ALI20220901BHJP
   F16D 121/04 20120101ALN20220901BHJP
   F16D 121/06 20120101ALN20220901BHJP
【FI】
B60T13/38
B60T13/36
B60T15/36 A
F16D65/28
F16D63/00 A
F16D121:04
F16D121:06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018093646
(22)【出願日】2018-05-15
(65)【公開番号】P2019199127
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-04-16
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】麻野 吉雄
(72)【発明者】
【氏名】井原 一征
【審査官】前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-001152(JP,A)
【文献】特開2008-101766(JP,A)
【文献】国際公開第2014/162960(WO,A1)
【文献】特表2009-501676(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 13/00 - 17/22
F16D 49/00 - 71/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を供給することによりブレーキ力を発生させる流体ブレーキと、前記流体ブレーキとは独立して前記流体を排出することでブレーキ力を発生させるばねブレーキと、前記ばねブレーキのブレーキ力を解除する解放部と、を備え、前記流体ブレーキが作用しているときに前記ばねブレーキのブレーキ力を低減させるように前記流体が前記ばねブレーキに供給されるブレーキシリンダ装置であって、
前記解放部によってブレーキ力が解除され前記ばねブレーキが復帰する圧力未満に前記流体の圧力を制御する圧力制御弁と、
前記流体ブレーキに供給される前記流体と前記ばねブレーキに供給される前記流体との圧力の高い方を前記ばねブレーキに供給する複式逆止弁と、を備え
前記圧力制御弁は、前記複式逆止弁と前記流体ブレーキに前記流体を供給する圧力源との間に位置す
ブレーキシリンダ装置。
【請求項2】
前記圧力制御弁は、前記流体の圧力を一定比率で減少させる比例減圧弁である
請求項に記載のブレーキシリンダ装置。
【請求項3】
前記圧力制御弁は、前記流体の圧力を所定圧力以下に制限する圧力制限弁である
請求項に記載のブレーキシリンダ装置。
【請求項4】
台車に車体が載置された鉄道車両に設置され、前記圧力制御弁に対して請求項1~のいずれか一項に記載のブレーキシリンダ装置を複数備え、それらが並列に接続されるブレーキシステムであって、
前記圧力制御弁は、前記車体に配置され、前記車体の単位で前記圧力制御弁と前記ブレーキシリンダ装置とが接続されている
ブレーキシステム。
【請求項5】
前記圧力制御弁の下流の前記車体側に絞りが設置されている
請求項に記載のブレーキシステム。
【請求項6】
台車に車体が載置された鉄道車両に設置され、前記圧力制御弁に対して請求項1~のいずれか一項に記載のブレーキシリンダ装置を複数備え、それらが並列に接続されるブレーキシステムであって、
前記圧力制御弁は、前記台車に配置され、前記台車の単位で前記圧力制御弁と前記ブレーキシリンダ装置とが接続されている
ブレーキシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体ブレーキとばねブレーキとの2つの異なるブレーキが作動可能なブレーキシリンダ装置及びブレーキシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、鉄道車両用ブレーキ装置において、通常の走行中に用いられて圧縮空気で作動する流体ブレーキと、長時間駐停車する場合などに用いられて圧縮空気がなくてもばね力により作動するばねブレーキ(駐車ブレーキ)との両方が作動可能なブレーキシリンダ装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
図8にその概要を示すこの種のブレーキシリンダ装置250は、第1圧力室264、第1ピストン261、第1ばね266、出力部材であるロッド駆動部251を備える流体ブレーキ260を有している。この流体ブレーキ260は、第1圧力室264に第1空気源104からの圧縮空気が第1ポート63を介して供給することで流体ブレーキ力を生じさせている。またこのブレーキシリンダ装置250は、第2圧力室274、第2ピストン271、第2ばね276を備えるばねブレーキ270を併せて有している。このばねブレーキ270は、第2圧力室274内の圧縮空気が排出されることに伴い、第2ばね276が第2ピストン271並びに軸部282を押圧することでブレーキ力(駐車ブレーキ力)を生じさせている。ちなみに図8は、このばねブレーキ270が作動中の状態を示している。なおばねブレーキ270では、上記第2圧力室274に、第1空気源104とは別の第2空気源106から圧縮空気が第2ポート73を介して供給されることでその作動を抑止しているが、この圧縮空気の供給経路に複式逆止弁を設けたものも知られている(特許文献2の第2図)。第2空気源106から圧縮空気が供給経路に供給されない場合、第1空気源104からの圧縮空気が第1圧力室264に供給されるとともに複式逆止弁108を介して第2圧力室274にも供給される。これにより、流体ブレーキ260が作動しているときにばねブレーキ270も同時に作動してブレーキ力が過大となる不都合を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2004/162960号
【文献】特開昭63-125834号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図8に例示した上記従来のブレーキシリンダ装置250では、ばねブレーキ270(駐車ブレーキ)の作動中にこれを解除して流体ブレーキ260の利用を許容することによりばねブレーキ270のブレーキ力を解除するブレーキ解放機構290を搭載している。
【0006】
ブレーキ解放機構290は、ラッチホイール286の回転を規制する規制部であるとともに、ラッチホイール286の回転規制を手動解除するロックレバー291を有する。ブレーキ解放機構290は、ロックレバー291が操作されることでロックレバー291による規制が解除されて軸部282と第2ピストン271との相対変位を許容することによりばねブレーキ270のブレーキ力を解除する。また、ブレーキ解放機構290は、ロックレバー291の操作が解除されると、ラッチホイール286の回転が規制される。そして、軸部282に対する第2ピストン271の位置が復帰されるまで第2圧力室274に圧縮空気が供給されることで、円筒部材285が回転して、第2ピストン271に対する軸部282の位置が復帰する。
【0007】
例えば回送運用で、ばねブレーキ270のブレーキ力を解除した後に、第2圧力室274に圧縮空気が供給されない状態で運用され、第1空気源104から複式逆止弁108を介して第2圧力室274に圧縮空気が供給されると、第2ピストン271が反ブレーキ方向に押圧されてばねブレーキ270がリセットし始めることで、流体ブレーキ260の圧縮空気を排出した後にばねブレーキ270が作用した状態となる。
【0008】
また、図9に示すように、複式逆止弁を筐体に内蔵したブレーキシリンダ装置350(ブレーキユニット300)においても同様の課題がある。ブレーキシリンダ装置350は、ブレーキシリンダ装置350の筐体に設けられた弁体301が移動する複式逆止弁として機能する。弁体301は、第1ポート63に供給される圧縮空気の圧力が第2ポート73に供給される圧縮空気の圧力よりも大きいと、第1ポート63と第2圧力室274とが第1圧力室264を介して連通する状態(実線)となる。一方、弁体301は、第2ポート73に供給される圧縮空気の圧力が第1ポート63に供給される圧縮空気の圧力よりも大きいと、第2ポート73と第2圧力室274とを連通する状態(破線)となる。
【0009】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ばねブレーキのブレーキ力を解除した後の流体ブレーキに供給された流体によるばねブレーキのブレーキ力の解除のリセットを防止することのできるブレーキシリンダ装置及びブレーキシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するブレーキシリンダ装置は、流体を供給することによりブレーキ力を発生させる流体ブレーキと、前記流体ブレーキとは独立して前記流体を排出することでブレーキ力を発生させるばねブレーキと、前記ばねブレーキのブレーキ力を解除する解放部と、を備え、前記流体ブレーキが作用しているときに前記ばねブレーキのブレーキ力を低減させるように前記流体が前記ばねブレーキに供給されるブレーキシリンダ装置であって、前記解放部によって前記ばねブレーキのブレーキ力が解除されているときは、前記ばねブレーキに供給される前記流体の圧力を所定以下に制限する制限部を備える。
【0011】
上記構成によれば、制限部によってばねブレーキに供給される流体の圧力が制限されるため、解放部によってばねブレーキのブレーキ力を解除した後の流体ブレーキに供給された圧縮空気によるばねブレーキのブレーキ力の解除のリセットを防止することができる。
【0012】
上記ブレーキシリンダ装置について、前記制限部は、前記解放部によってブレーキ力が解除された前記ばねブレーキが復帰する圧力未満に、前記流体の圧力を制御する圧力制御弁であることが好ましい。
【0013】
上記構成によれば、流体ブレーキを作用させるべく供給された流体は圧力制御弁によってばねブレーキが復帰する圧力未満に制御されてばねブレーキに供給される。このため、解放部を通じてばねブレーキのブレーキ力を解除した後に、流体ブレーキを作用させるべく供給された流体によってばねブレーキのブレーキ力の解除がリセットされないようになる。
【0014】
上記ブレーキシリンダ装置について、前記圧力制御弁は、前記流体の圧力を一定比率で減少させる比例減圧弁であることが好ましい。
上記構成によれば、流体ブレーキを作用させるべく供給された流体の圧力を比例減圧弁によって常に一定比率で減少させ、この流体をばねブレーキに供給することができる。
【0015】
上記ブレーキシリンダ装置について、前記圧力制御弁は、前記流体の圧力を所定圧力以下に制限する圧力制限弁であることが好ましい。
上記構成によれば、流体ブレーキを作用させるべく供給された流体の圧力を圧力制限弁によって所定圧力までは制限し、この流体をばねブレーキに供給することができる。
【0016】
上記ブレーキシリンダ装置について、前記流体ブレーキに供給される前記流体と前記ばねブレーキに供給される前記流体との圧力の高い方を前記ばねブレーキに供給する複式逆止弁を備え、前記圧力制御弁は、前記複式逆止弁よりも前記流体ブレーキに前記流体を供給する圧力源側に位置することが好ましい。上記構成によれば、流体ブレーキに供給される流体の圧力をばねブレーキが復帰する圧力未満に制御した上で複式逆止弁に流体を供給することができる。
【0017】
上記課題を解決するブレーキシステムは、台車に車体が載置された鉄道車両に設置され、前記制限部に対して複数の上記ブレーキシリンダ装置が並列に接続されるブレーキシステムであって、前記制限部は、前記車体に配置され、前記車体の単位で前記制限部と前記ブレーキシリンダ装置とが接続されている。
【0018】
上記構成によれば、各ブレーキシリンダ装置の上流側の車体に制限部が設置されたブレーキシステムであるため、各ブレーキシリンダ装置において制限部を不要とすることができる。
【0019】
上記ブレーキシシステムについて、前記制限部の下流の前記車体側に絞りが設置されていることが好ましい。上記構成によれば、車体と台車との間の接続管が破断したときに、破断部分から流体が放出されることを絞りによって遅らせることができる。
【0020】
上記課題を解決するブレーキシステムは、台車に車体が載置された鉄道車両に設置され、前記制限部に対して複数の上記ブレーキシリンダ装置が並列に接続されるブレーキシステムであって、前記制限部は、前記台車に配置され、前記台車の単位で前記制限部と前記ブレーキシリンダ装置とが接続されている。
【0021】
上記構成によれば、各ブレーキシリンダ装置の上流側の車体に制限部が設置されたブレーキシステムであるため、各ブレーキシリンダ装置において制限部を不要とすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ばねブレーキのブレーキ力を解除した後の流体ブレーキによるばねブレーキのブレーキ力の解除のリセットを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ブレーキシリンダ装置の第1の実施形態においてブレーキシリンダ装置を有するユニットブレーキの構成を示す図。
図2】同実施形態のブレーキシリンダ装置のばねブレーキのブレーキ力を付与した状態を示す図。
図3】ブレーキシリンダ装置に圧縮空気を供給する供給路に圧力制限弁を設けた第2の実施形態を示す図。
図4】弁装置を車両の台車に設けたブレーキシステムの第3の実施形態を示す図。
図5】弁装置を車両の車体に設けたブレーキシステムの第4の実施形態を示す図。
図6】弁装置を車両の台車に設けたブレーキシステムの変形例を示す図。
図7】弁装置を車両の車体に設けたブレーキシステムの変形例を示す図。
図8】従来のブレーキシリンダ装置を有するユニットブレーキの構成を示す図。
図9】従来のブレーキシリンダ装置を有するユニットブレーキの構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(第1の実施形態)
以下、図1及び図2を参照して、ブレーキシリンダ装置をユニットブレーキに具体化した第1の実施形態について説明する。ブレーキシリンダ装置には弁装置が設けられている。
【0025】
<ユニットブレーキ200の全体構成>
図1に示すユニットブレーキ200は、鉄道車両のブレーキ装置として構成されている。ユニットブレーキ200は、車両の車輪Wに制輪子31を当接させることにより当該車輪Wの回転を制動する。ユニットブレーキ200は、ロッド駆動部251を駆動するブレーキシリンダ装置250と、ロッド駆動部251の移動によって進退可能であるロッド220と、ロッド220の先端に取り付けられ、制輪子31が取り付けられる制輪子受230と、を備えている。
【0026】
<ロッド220>
ロッド220は、ブレーキシリンダ装置250の下部に設けられたロッド支持部221によって移動可能に支持されている。ロッド220は、車両の車輪Wの車軸方向に対して直交する方向に沿って延びるように設けられている。ロッド支持部221は、内側ケース222と、外側ケース223と、固定ローラ224と、可動ローラ225と、戻しばね226とを備えている。
【0027】
内側ケース222は、ロッド220の基端側の外周に設けられ、ロッド220の外周に形成された雄ねじに螺合するねじ溝が内周に形成された円筒状の部材である。これにより、ロッド220は、内側ケース222に対して突出量の調整が可能となっている。
【0028】
外側ケース223は、2個の筒状部材が接続された構成であって、内側ケース222の外周に設けられている。内側ケース222は、外側ケース223内において回転可能である。外側ケース223は、ロッド支持部221に対して、ロッド220の軸方向と平行な方向に沿って移動可能に支持されている。
【0029】
固定ローラ224は、ロッド支持部221に回転可能に支持された円筒状のローラである。可動ローラ225は、外側ケース223に回転可能に支持された円筒状のローラであって、外側ケース223とともに移動する。
【0030】
戻しばね226の一端は、ロッド支持部221に固定されている。戻しばね226の他端は、外側ケース223に固定されている。すなわち、戻しばね226は、ロッド220の軸方向において、外側ケース223を車輪Wから離間する方向(矢印Y2方向)に付勢する。このため、ロッド駆動部251による駆動が解除されると、戻しばね226によってロッド220が反ブレーキ方向(矢印Y2方向)に移動する。
【0031】
<ブレーキシリンダ装置250>
ブレーキシリンダ装置250の軸方向は、ロッド220が延びる方向に対して略直交する方向に沿って延びるように設けられ、車両の上下方向に沿って延びるように設置されている。ブレーキシリンダ装置250は、ロッド駆動部251を軸方向に沿って移動させることにより、ロッド220を移動させる。ロッド駆動部251は、先端から基端に向かって幅が広くなる楔形状の部材であって、可動ローラ225に当接する。ロッド駆動部251がロッド支持部221側へ移動すると、可動ローラ225及び外側ケース223を介してロッド220がブレーキ方向(矢印Y1方向)に移動する。一方、ロッド駆動部251がロッド支持部221から離間する方向である反ブレーキ方向(矢印Z1方向)へ移動すると、戻しばね226によってロッド220が反ブレーキ方向(矢印Y2方向)に移動する。
【0032】
ブレーキシリンダ装置250は、走行している車両を減速または停止させるために用いられる流体ブレーキ260と、車両の駐車時などに利用されるばねブレーキ270と、ブレーキ解放機構290とを備えている。流体ブレーキ260とばねブレーキ270とは、同一のロッド駆動部251を作動させるように構成されている。なお、ブレーキ解放機構290が解放部に相当する。
【0033】
<流体ブレーキ260>
流体ブレーキ260は、流体として圧縮空気によって作動する。流体ブレーキ260は、ロッド駆動部251に接続された第1ピストン261を有している。第1ピストン261には、第1圧力室264と第1ばね266とが対向して作用する。流体ブレーキ260は、第1圧力室264に圧縮空気が供給されることで第1ばね266の付勢力に抗して第1ピストン261(ロッド駆動部251)がロッド支持部221側へ移動する。流体ブレーキ260は、第1ピストン261を摺動可能に収容する有底筒状の第1シリンダ262を備えている。
【0034】
第1シリンダ262には、圧縮空気が給排される第1ポート63が設けられている。第1シリンダ262内には、第1ポート63に連通する第1圧力室264が形成されている。第1圧力室264は、第1ピストン261及び第1シリンダ262により形成されている。第1圧力室264には、所定のブレーキ操作に応じて圧縮空気が供給又は排出されるようになっている。
【0035】
<ばねブレーキ270>
ばねブレーキ270は、流体として圧縮空気によって作動する。ばねブレーキ270は、第2ピストン271を有している。第2ピストン271には、第2圧力室274と第2ばね276とが対向して作用する。ばねブレーキ270は、第2圧力室274に流体として圧縮空気が供給されている状態から排出される状態へと移行することで第2ばね276の付勢力により第2ピストン271がロッド支持部221側へ近づく方向であるブレーキ方向(矢印Z1方向)へ移動する。ばねブレーキ270は、第2ピストン271を摺動可能に収容する第2シリンダ272を備えている。第2シリンダ272は、第1シリンダ262とほぼ同径であって、隔壁部280を介して繋がっている。
【0036】
第2ピストン271に対して第2圧力室274と反対側には、第2ばね276が配設されている。第2ばね276は、第2圧力室274内に圧縮空気を受けると圧縮される。第2圧力室274には、圧縮空気が通常導入されていて、第2ばね276が圧縮されているが、駐車等の所定のブレーキ操作が行われることによって、第2圧力室274内の圧縮空気が排出され、第2ばね276のばね力によってロッド駆動部251がブレーキ方向(矢印Z1方向)に移動される。
【0037】
隔壁部280の中央には、貫通孔281が形成されている。貫通孔281には、軸部282が挿通されている。軸部282の先端側が移動可能に貫通孔281に挿通されている。軸部282の基端側の外周には、雄ねじ284が形成されている。軸部282の雄ねじ284は、円筒部材285と螺合している。第2ピストン271と軸部282とは一体に移動する。第2ピストン271がロッド支持部221側へ移動すると、軸部282が貫通孔281から突出して第1ピストン261に当接することで、第2ピストン271と第1ピストン261とがロッド支持部221側へ一緒に移動する。なお、軸部282が出力部材として機能する。
【0038】
軸部282の雄ねじ284には、内周面に雌ねじが形成された円筒部材285が螺合されている。円筒部材285と第2ピストン271との間には、ばね287が配置されている。円筒部材285の外周には、円筒状のラッチホイール286がスライド可能に係合されている。円筒部材285には、ラッチホイール286を軸方向へ誘導する溝が設けられている。ラッチホイール286の基端には、鍔部286Aが設けられている。隔壁部280には、ラッチホイール286の鍔部286Aの回転を規制するロックレバー291が配置されている。
【0039】
第2ピストン271が移動する際には、第2ピストン271とともに、第2ピストン271に押圧される円筒部材285と螺合している軸部282と、ばね287とが一緒に移動する。一方、ばねブレーキ270が作用した状態において、ロックレバー291が解除されると、ラッチホイール286が回転可能となる。そして、第1ピストン261が第1ばね266によってロッド支持部221から離間する方向に付勢されているため、円筒部材285とラッチホイール286とが一体に回転することで、軸部282が反ブレーキ方向(矢印Z2方向)へ移動する。軸部282とともに、ロッド駆動部251が反ブレーキ方向(矢印Z2方向)へ移動するため、ロッド220が反ブレーキ方向(矢印Y2方向)へ移動する。
【0040】
<ブレーキ解放機構290>
ブレーキ解放機構290は、ラッチホイール286の回転を規制する規制部であるとともに、ラッチホイール286の回転規制を手動解除する解除部としての上記ロックレバー291を有する。ブレーキ解放機構290は、ロックレバー291が操作されることでロックレバー291による規制が解除されて軸部282と第2ピストン271との相対変位を許容することによりばねブレーキ270のブレーキ力を解除する。また、ブレーキ解放機構290は、ロックレバー291の操作が解除されると、ラッチホイール286の反リセット方向の回転が規制される。そして、軸部282に対する第2ピストン271の位置が復帰されるまで第2圧力室274に圧縮空気が供給されることで、円筒部材285とラッチホイール286とがリセット方向に回転して、第2ピストン271に対する軸部282の位置が復帰する。
【0041】
<圧縮空気の供給路>
図1に示すように、ブレーキシリンダ装置250は、第1圧力室264に圧縮空気を供給する第1供給路1と、第2圧力室274に複式逆止弁8を介して圧縮空気を供給する第2供給路2と、第1供給路1と複式逆止弁8との間に接続された第3供給路3と、を備えている。
【0042】
第1供給路1は、第1空気源4から圧縮空気を供給し、流体ブレーキ制御装置5によって第1圧力室264への圧縮空気の供給及び排出が制御される。第1供給路1は、第1ポート63に接続されている。流体ブレーキ制御装置5は、車両のブレーキ操作に応じて圧縮空気の供給量を変更することでブレーキ量を変更する。
【0043】
第2供給路2は、第1空気源4とは別の第2空気源6から圧縮空気を供給し、ばねブレーキ制御電磁弁7の制御に基づいて第2圧力室274への圧縮空気の供給が制御される。第2供給路2は、第2ポート73に接続されている。ばねブレーキ制御電磁弁7は、車両の駐車ブレーキが操作されていないときには、圧縮空気を供給することで第2ばね276のブレーキを解除している。一方、ばねブレーキ制御電磁弁7は、車両の駐車ブレーキが操作されると、ばねブレーキ制御電磁弁7において圧縮空気を排出することで第2ばね276によってブレーキを作用させる。
【0044】
第3供給路3は、第1圧力室264に圧縮空気が供給されるときに複式逆止弁8を介して第2圧力室274にも圧縮空気を供給することで、第1圧力室264に圧縮空気が供給されるときに、第2ばね276によるブレーキが加算されないように第2圧力室274に圧縮空気を供給する。複式逆止弁8は、第2供給路2のばねブレーキ制御電磁弁7から供給される圧縮空気の圧力と第3供給路3から供給される圧縮空気の圧力との高い方の圧縮空気を第2圧力室274に流す。なお、第3供給路3が流体ブレーキ260の作動に伴い、第2ピストン271をブレーキ方向(矢印Z1方向)と反対方向である反ブレーキ方向(矢印Z2方向)に移動させる反ブレーキ圧力を第2ピストン271に付与する反ブレーキ圧力付与部として機能する。
【0045】
第3供給路3には、第2圧力室274に供給される圧縮空気の圧力が、第2ピストン271が第2ばね276の付勢力に抗して移動する圧力に達しないように制御する制限部及び圧力制御弁としての比例減圧弁11が設けられている。比例減圧弁11は、第1供給路1に供給される圧縮空気の圧力を一定比率で減少させて複式逆止弁8に供給する。なお、比例減圧弁11が第2ピストン271に付与される反ブレーキ圧力を第2ばね276の付勢力に抗して移動する圧力未満に制御する。比例減圧弁11は、二枚のゴム膜板の受圧面積差を利用して作動するため、後述する圧力制限弁に比べて軽量で小型に構成することができるので台車に設置することも可能である。
【0046】
ブレーキシリンダ装置250は、複式逆止弁8と比例減圧弁11とを有する弁装置10を備えている。弁装置10は、複式逆止弁8によって第2空気源6から供給された圧縮空気を第2圧力室274に供給するとともに、第1空気源4から供給された圧縮空気を、第3供給路3を介して比例減圧弁11で圧力制御して複式逆止弁8を介して第2圧力室274に供給する。弁装置10は、第2供給路2のばねブレーキ制御電磁弁7に接続する接続ポートPAと、第2供給路2の第2圧力室274に接続する接続ポートPBと、第3供給路3に接続する接続ポートPCと、排気ポートEXとを備えている。よって、従来の複式逆止弁に代えて、この弁装置10を取り付けることで容易に交換することができる。
【0047】
<動作>
次に、ユニットブレーキ200の動作について説明する。
まず、車両に対してブレーキが掛けられていない状態について説明する。この状態では、ユニットブレーキ200は、流体ブレーキ制御装置5によって、第1空気源4から第1ポート63を介して第1圧力室264へ圧縮空気の供給は行われないように制御されている。そして、第1圧力室264内の圧縮空気は第1ポート63を介して流体ブレーキ制御装置5から排出される。このため、第1ばね266によって第1ピストン261が反ブレーキ方向(矢印Z2方向)に付勢され、第1ピストン261が隔壁部280に当接した状態となる。
【0048】
一方、ユニットブレーキ200は、ばねブレーキ制御電磁弁7の制御に基づいて、第1空気源4から第2ポート73を介して圧縮空気が第2圧力室274に供給される。このため、第2圧力室274に供給された圧縮空気によって第2ピストン271が第2ばね276の付勢力に抗して反ブレーキ方向(矢印Z2方向)に移動した状態となる。
【0049】
次に、図2を参照して、ばねブレーキ270によって車両にブレーキが掛けられている状態について説明する。
図2に示すように、ばねブレーキ270を作動させる場合は、例えば、流体ブレーキ260を作動させて、完全に鉄道車両を停止させた状態で駐車ブレーキ等としてばねブレーキ270が作動されることになる。ばねブレーキ270は、ばねブレーキ制御電磁弁7の制御に基づいて、第2圧力室274から圧縮空気が排出されることで作動する。
【0050】
第2圧力室274内に供給されていた圧縮空気が排出されると、第2ばね276の付勢力によって第2ピストン271がブレーキ方向(矢印Z1方向)に移動を開始する。このとき、第2ピストン271に押圧された軸部282が第2ピストン271とともにブレーキ方向(矢印Z1方向)に移動し始めることになる。そして、このように第2ピストン271が軸部282とともに移動し始めると、軸部282が第1ピストン261に当接して第1ピストン261とともにブレーキ方向(矢印Z1方向)に移動する。
【0051】
第2ピストン271の移動に伴い軸部282を介して第1ピストン261もブレーキ方向(矢印Z1方向)へ移動する。軸部282に螺合している円筒部材285は、軸部282とともに移動してラッチホイール286内に収容される。ラッチホイール286はロックレバー291によって回転が規制されている。そして、ラッチホイール286の回転が規制されているため、第2ピストン271が第2ばね276の付勢力によってブレーキ方向(矢印Z1方向)に移動した状態で、第1ピストン261及び軸部282がブレーキ方向(矢印Z1方向)に移動したままの状態に保たれることになる。すなわち、ばねブレーキ270が作動してばねブレーキ力が作用した状態に保たれることになる。
【0052】
次に、流体ブレーキ260の圧縮空気も留置中にゼロとなった状況下で、ばねブレーキ270によって車両にブレーキが掛けられた状態から手動でブレーキを解除する場合について説明する。
【0053】
ロックレバー291は手動で解除可能であり、解除すると、ラッチホイール286が回転可能となり、ラッチホイール286と円筒部材285とが一体に空回りする。換言すれば、軸部282と第2ピストン271との相対変位が可能となる。軸部282は第1ばね266の付勢力によりストロークエンドまで移動して、第1ピストン261及び軸部282が反ブレーキ方向に移動することで、ばねブレーキ270のブレーキ力が解除される。
【0054】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)回送運用のためにブレーキ解放機構290を通じてばねブレーキ270のブレーキ力を解除した後に、流体ブレーキ260を作動させるべく第1圧力室264に圧縮空気の供給を開始すると、反ブレーキ圧力付与部としての第3供給路3と弁装置10とによって第2ピストン271を反ブレーキ方向に移動させるように反ブレーキ圧力が付与されるが、その圧力は圧力制御弁としての比例減圧弁11によって第2ピストン271が第2ばね276の付勢力に抗して移動する圧力未満に制御される。このため、流体ブレーキ260の利用を意図して圧縮空気の供給を行ったとしても第2ピストン271が第2ばね276の付勢力に抗して移動し、第2ばね276を圧縮してブレーキ力を蓄える状態を回避することができる。したがって、ブレーキ解放機構290によってばねブレーキ270のブレーキ力を解除した後の流体ブレーキ260に供給された圧縮空気によるばねブレーキ270のブレーキ力の解除のリセットは好適に回避される。
【0055】
(2)回送運用のためにブレーキ解放機構290を通じてばねブレーキ270のブレーキ力を解除した後に、流体ブレーキ260を作用させるべく第1供給路1から圧縮空気の供給を開始すると、第1圧力室264に供給された圧縮空気と同様の圧縮空気が第3供給路3にも供給されるが、この第3供給路3では、比例減圧弁11により、圧縮空気の圧力が第2ピストン271に対する軸部282の位置が復帰される圧力に達しないように制御されて複式逆止弁8に供給される。そして、第2供給路2から圧縮空気が供給されていなければ、第3供給路3の比例減圧弁11で制御された圧縮空気が複式逆止弁8を介して第2圧力室274に供給されることとなるため、第3供給路3から供給された圧力によるばねブレーキ270のブレーキ力の解除のリセットを阻止することができる。
【0056】
(3)比例減圧弁11によって第1供給路1から供給された圧縮空気の圧力を常に一定比率で減少させることができる。
【0057】
(第2の実施形態)
以下、図3を参照して、ブレーキシリンダ装置をユニットブレーキに具体化した第2の実施形態について説明する。この実施形態のブレーキシリンダ装置は、上記第1の実施形態では制限部及び圧力制御弁として比例減圧弁11を採用したが、これに代えて図4に示すように圧力制限弁12を採用する。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0058】
圧力制限弁12は、第1供給路1に供給される圧縮空気の圧力を所定圧力以下に制限して複式逆止弁8に供給する。圧力制限弁12は、比例減圧弁11に比べて少ない部品数で構成することができる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、第2の実施形態の(1)及び(2)の効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
(4)圧力制限弁12によって所定圧力までは第1供給路1に供給された圧縮空気の圧力が複式逆止弁8に供給されるので、流体ブレーキ260を作用させ始めるときなどに第2圧力室274に圧縮空気を確実に供給することができる。
【0060】
(第3の実施形態)
以下、図4を参照して、第3の実施形態としてブレーキシステムについて説明する。このブレーキシステムは、上記の弁装置10を台車Tに搭載している。このブレーキシステムの弁装置10は、圧力制御弁として比例減圧弁11を採用している。
【0061】
<ブレーキシステム>
図4に示すように、車両V(Vehicle)は、台車T(Truck)に車体B(Body)が載置されている。各台車Tには、ブレーキシリンダ装置250を備えた複数(2個)のユニットブレーキ200と複数(2個)のブレーキチャンバーBCが設けられている。なお、全てユニットブレーキ200でもよい。ここで、台車Tと車体Bとに設置される配管は、金属管であって、基本的に空気漏れ等は発生しない。一方、台車Tと車体Bとの各配管は、相対移動するため、柔軟な空気ホースH,HPで接続される。
【0062】
車体Bには、編成全体に圧縮空気を供給する元空気溜管MRP(Main Reservoir Pipe)が引き通されている。この元空気溜管MRPには、第1空気源4と第2空気源6とが直列に接続されている。ブレーキシステムは、弁装置10に対して台車T毎の全ての複数のブレーキシリンダ装置250が並列に接続されてなる。弁装置10は、台車Tに配置され、台車Tの単位で弁装置10とブレーキシリンダ装置250とが接続されてなる。
【0063】
第3供給路3は、台車Tに配置されている。第2圧力室274の各々には、各第3供給路3から弁装置10を介して圧縮空気が供給される。つまり、車体B側からは第1空気源4と第2空気源6とからそれぞれ圧縮空気が供給され、台車T毎に設けられた弁装置10によって圧力制御された圧縮空気が各ブレーキシリンダ装置250に提供される。
【0064】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)このブレーキシステムは、各台車Tに弁装置10がそれぞれ設置されたブレーキシステムであるため、万一、第2供給路2の空気ホースHPが破断してもその台車Tの駐車ブレーキは作用するが、第1供給路1の流体ブレーキ260の圧縮空気が排出されることはない。
【0065】
(第4の実施形態)
以下、図5を参照して、第4の実施形態としてブレーキシステムについて説明する。このブレーキシステムは、上記の弁装置10を車体Bに搭載している。このブレーキシステムの弁装置10は、圧力制御弁として圧力制限弁12を採用している。
【0066】
<ブレーキシステム>
図5に示すように、車両V(Vehicle)は、台車T(Truck)に車体B(Body)が載置されている。各台車Tには、ブレーキシリンダ装置250を備えた複数(2個)のユニットブレーキ200と複数(2個)のブレーキチャンバーBCとが設けられている。なお、全てユニットブレーキ200でもよい。
【0067】
ブレーキシステムは、弁装置10に対して一車両Vの全てのブレーキシリンダ装置250が並列に接続されてなる。弁装置10は、車体Bに配置され、車両Vの単位で弁装置10とブレーキシリンダ装置250とが接続されてなる。
【0068】
第3供給路3は、車体Bに配置されている。第2圧力室274の各々には、各第3供給路3から弁装置10を介して圧縮空気が供給される。つまり、車体B側において弁装置10による圧縮空気の圧力制限が行われ、台車Tにおいては圧力制限された圧縮空気か第2供給路からの圧縮空気の高圧側がブレーキシリンダ装置250に提供される。
【0069】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)各ユニットブレーキ200の上流側の車体Bに弁装置10が設置されたブレーキシステムであるため、弁装置10が半減される。なお、空気ホースHPが破断した場合、第1供給路1の流体ブレーキ260の圧縮空気が圧力制限弁12から複式逆止弁8を通過して破断した空気ホースHPから大気に放出される。その放出を遅らせる目的で絞り15を挿入することが好ましい。
【0070】
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態において、ばねブレーキ270のブレーキ力の解除は手動でも機械によってもどちらで行ってもよい。
【0071】
・上記各実施形態において、ナット部材とラッチとを逆に取り付けてもよい。
・上記各実施形態において、複式逆止弁8をブレーキシリンダ装置250の筐体に内蔵してもよい。すなわち、弁装置10を複式逆止弁8と圧力制御弁(11,12)とに分離して、複式逆止弁8をブレーキシリンダ装置250の筐体に内蔵し、圧力制御弁(11,12)をブレーキシリンダ装置250の筐体の外部に設置して、複式逆止弁8に接続する。
【0072】
・上記第1,2の実施形態では、複式逆止弁を筐体に内蔵してしないブレーキシリンダ装置250とした。しかしながら、図9に示したように、複式逆止弁を筐体に内蔵するブレーキシリンダ装置350においても、複式逆止弁8と圧力制御弁(11,12)とを有する弁装置10を設けることができる。すなわち、ブレーキシリンダ装置350の筐体に設けられた弁体301を、第2ポート73と第2圧力室274とを連通する状態で固着させて、弁体301の複式逆止弁としての機能をなくすことで、ブレーキシリンダ装置250と同様に機能させることができる。
【0073】
・上記第3,4の実施形態において、図6及び図7に示すように、複式逆止弁を内蔵したブレーキシリンダ装置350を有するブレーキユニット300としてもよい。この場合、ブレーキシリンダ装置350の筐体に設けられた弁体301を上記のように固着させることで、複式逆止弁を筐体に内蔵していないブレーキシリンダ装置250と同様に機能させることができる。
【0074】
・上記各実施形態において、複式逆止弁及び圧力制御弁をブレーキシリンダ装置250の筐体に内蔵してもよい。すなわち、弁装置10をブレーキシリンダ装置250の筐体に内蔵してもよい。
【0075】
・上記各実施形態では、流体として圧縮空気を用いたが、圧縮空気に代えて油を用いてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…第1供給路、2…第2供給路、3…第3供給路、4…第1空気源、5…流体ブレーキ制御装置、6…第2空気源、7…ばねブレーキ制御電磁弁、8…複式逆止弁、10…弁装置、11…比例減圧弁、12…圧力制限弁、13…圧力制限ばね、15…絞り、200…ユニットブレーキ、220…ロッド、221…ロッド支持部、222…内側ケース、223…外側ケース、224…固定ローラ、225…可動ローラ、226…戻しばね、230…制輪子受、250…ブレーキシリンダ装置、251…ロッド駆動部、260…流体ブレーキ、261…第1ピストン、262…第1シリンダ、264…第1圧力室、266…第1ばね、270…ばねブレーキ、271…第2ピストン、272…第2シリンダ、274…第2圧力室、276…第2ばね、280…隔壁部、281…貫通孔、282…軸部、284…雄ねじ、285…円筒部材、286…ラッチホイール、286A…鍔部、287…ばね、290…ブレーキ解放機構、291…ロックレバー、300…ユニットブレーキ、301…弁体、350…ブレーキシリンダ装置、B…車体、BC…ブレーキチャンバー、EX…排気ポート、PA,PB,PC…接続ポート、H,HP…空気ホース、T…台車、V…車両、W…車輪。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9