IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ピジョン株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ベビーカー 図1
  • 特許-ベビーカー 図2
  • 特許-ベビーカー 図3
  • 特許-ベビーカー 図4
  • 特許-ベビーカー 図5
  • 特許-ベビーカー 図6
  • 特許-ベビーカー 図7
  • 特許-ベビーカー 図8
  • 特許-ベビーカー 図9
  • 特許-ベビーカー 図10
  • 特許-ベビーカー 図11
  • 特許-ベビーカー 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】ベビーカー
(51)【国際特許分類】
   B60B 33/00 20060101AFI20220901BHJP
   B62B 9/10 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
B60B33/00 502B
B62B9/10 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018184371
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020050304
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000112288
【氏名又は名称】ピジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】加藤 義之
(72)【発明者】
【氏名】津田 賢一郎
【審査官】西田 侑以
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-227129(JP,A)
【文献】特表2008-540200(JP,A)
【文献】米国特許第06212733(US,B1)
【文献】米国特許第01409150(US,A)
【文献】特開2012-081953(JP,A)
【文献】実開昭57-103206(JP,U)
【文献】実開昭50-011241(JP,U)
【文献】実開昭50-048762(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60B 33/00 - 33/08
B62B 7/00 - 19/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャスターを備えたベビーカーにおいて、
脚フレームの下端部で前記キャスターを保持するキャスターホルダと、
車輪を回転可能に支持する支持体と、前記支持体から前記キャスターホルダに向けて突出して前記キャスターホルダに挿入されるキャスター軸とを備えるキャスターと、
前記キャスター軸を中心として前記キャスターを回転可能にし、前記キャスターホルダと前記キャスターとを連結するベアリングと、
前記キャスター軸に当接する当接部と、前記当接部を前記キャスター軸に対して弾接させる弾性部とを備え、前記キャスターの振動を抑制するシミー抑制部とを備え
前記キャスター軸は、周回方向に連続した溝部を備え、
前記キャスターホルダは、前記キャスター軸の軸線方向に対して交差する方向に貫通した貫通部を有した取付部を備え、前記取付部に固定部が固定され、
前記弾性部は、前記固定部に対して一体的に設けられ、
前記当接部は、前記溝部に弾接されるベビーカー。
【請求項2】
さらに、前記キャスターホルダからの前記キャスター軸の脱落を防止する脱落防止部材を備え、
前記脱落防止部材は、前記固定部と、前記弾性部と、前記当接部とを備え、前記シミー抑制部を構成する
請求項に記載のベビーカー。
【請求項3】
前記ベアリングは、前記キャスター軸の基端部に備える
請求項またはに記載のベビーカー。
【請求項4】
前記キャスター軸は、前記溝部を、前記キャスター軸の基端部よりも先端部に対して近い位置に備える
請求項ないしのうち、何れか1項に記載のベビーカー。
【請求項5】
キャスターを備えたベビーカーにおいて、
脚フレームの下端部で前記キャスターを保持するキャスターホルダと、
車輪を回転可能に支持する支持体と、前記支持体から前記キャスターホルダに向けて突出して前記キャスターホルダに挿入されるキャスター軸とを備えるキャスターと、
前記キャスター軸を中心として前記キャスターを回転可能にし、前記キャスターホルダと前記キャスターとを連結するベアリングと、
前記キャスター軸に当接する当接部と、前記当接部を前記キャスター軸に対して弾接させる弾性部とを備え、前記キャスターの振動を抑制するシミー抑制部とを備え、
前記弾性部は、一対の片で構成されており、前記キャスター軸の先端部から基端部の方向を見たとき、互いに外側に膨らむ形状を有し、かつ、互いに離間する方向に弾性変位し、
前記当接部は、前記弾性部に対する基端部から先端部に向かって拡幅して構成されているベビーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚フレームの下方にキャスターを備えたベビーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
ベビーカーは、前脚フレームの下方に前輪を備え、後脚フレームの下方に後輪を備えている。前輪を備えたキャスター、および、後輪を備えたキャスターは、首振り式を採用してベビーカーの進行方向を容易に変える。
【0003】
例えば特許文献1のように、キャスターは、車輪の進行方向を変えるための回転軸を備え、回転軸が脚フレームの下端部に取り付けられたキャスターホルダに取り付けられている。キャスターの回転軸は、回転軸の周回方向に溝部を備え、キャスターホルダは、間に回転軸が挿入される一対の腕杆を備えている。キャスターは、一対の腕杆が溝部に係合することで、キャスターホルダに対して脱落が防止された状態で、回転可能に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実公平8-5846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ベビーカーに用いられるキャスターは、ベビーカーの進行方向を変え易くするため、ベアリングを介してキャスターホルダに連結される。しかしながら、キャスターとキャスターホルダとがベアリングを介して連結される構成では、走行中の振動などによって車輪が振動するシミー現象が発生するおそれがある。
【0006】
本発明は、走行中のシミー現象の発生を抑制可能としたベビーカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような課題を解決するベビーカーは、キャスターを備えたベビーカーにおいて、脚フレームの下端部で前記キャスターを保持するキャスターホルダと、車輪を回転可能に支持する支持体と、前記支持体から前記キャスターホルダに向けて突出して前記キャスターホルダに挿入されるキャスター軸とを備えるキャスターと、前記キャスター軸を中心として前記キャスターを回転可能にし、前記キャスターホルダと前記キャスターとを連結するベアリングと、前記キャスター軸に当接する当接部と、前記当接部を前記キャスター軸に対して弾接させる弾性部とを備え、前記キャスターの振動を抑制するシミー抑制部とを備える。
【0008】
上記構成によれば、キャスターとキャスターホルダとを連結するベアリングによって車輪の進行方向を変え易くできる。そして、ベビーカーの進行方向を変える操作性が高まることによって発生し易くなるシミー現象を、当接部をキャスター軸に弾接させることによって抑制することができる。
【0009】
上記構成において、前記キャスター軸は、周回方向に連続した溝部を備え、前記キャスターホルダは、前記キャスター軸の軸線方向に対して交差する方向に貫通した貫通部を有した取付部を備え、前記取付部に固定部が固定され、前記弾性部は、前記固定部に対して一体的に設けられ、前記当接部は、前記溝部に弾接されるようにしてもよい。上記構成によれば、当接部がキャスター軸の溝部に係合することで、キャスターのキャスターホルダからの脱落を防止しながらシミー現象の発生を抑制することができる。
【0010】
上記構成において、さらに、前記キャスターホルダからの前記キャスター軸の脱落を防止する脱落防止部材を備え、前記脱落防止部材は、前記固定部と、前記弾性部と、前記当接部とを備え、前記シミー抑制部を構成するようにしてもよい。
【0011】
上記構成によれば、脱落防止部材がキャスターのキャスターホルダからの脱落機能とシミー抑制機能との2つの機能を備えている。したがって、それぞれの機能ごとに部品を設ける場合と比べて、部品点数を削減することができる。
【0012】
上記構成において、前記ベアリングは、前記キャスター軸の基端部に備えるようにしてもよい。
上記構成によれば、ベアリングがキャスターホルダの下端部側の蓋部材として機能することで、キャスターホルダとキャスターの境界部分からキャスターホルダの内部に砂、塵埃などの異物が浸入することを抑えることができる。
【0013】
上記構成において、前記キャスター軸は、前記溝部を、前記キャスター軸の基端部よりも先端部に対して近い位置に備えるようにしてもよい。
上記構成によれば、シミー現象を当接部がキャスター軸の基端部に弾接される場合よりも抑えることができる。
【0014】
上記構成において、前記弾性部は、一対の片で構成されており、前記キャスター軸の先端部から基端部の方向を見たとき、互いに外側に膨らむ形状を有し、かつ、互いに離間する方向に弾性変位し、前記当接部は、前記弾性部に対する基端部から先端部に向かって拡幅して構成されているようにしてもよい。
【0015】
上記構成によれば、当接片が弾性片に対する基端部から先端部に向かって拡幅して構成されている。したがって、溝部の底部に沿うように確実に当接させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、走行中のシミー現象の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ベビーカーの展開状態を示す斜視図。
図2】ベビーカーの前輪周辺の側面図。
図3】キャスターの取付構造の分解斜視図。
図4】キャスターの取付構造の縦断面図。
図5】脱落防止部材の位置での横断面図。
図6】脱落防止部材の第2実施形態を示す模式図。
図7】脱落防止部材の第3実施形態を示す模式図。
図8】脱落防止部材の第4実施形態を示す模式図。
図9】脱落防止部材の第5実施形態を示す模式図。
図10】脱落防止部材の第6実施形態を示す模式図。
図11】(a)は脱落防止部材の第7実施形態を示す模式図であり、(b)はローラー部分の拡大断面図。
図12】脱落防止部材の第8実施形態を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔第1実施形態〕
以下、図1図5を参照して、本発明の第1実施形態としてのベビーカーを説明する。
まず、図1は、乳幼児などを乗せて使用するための一人乗りの折り畳み式のベビーカー1であり、展開状態において、乳幼児などを寝かせた姿勢や座らせた姿勢で使用する。図1に示すベビーカー1の状態は、ハンドルがベビーカー後方に位置し、後方からベビーカー1を操作する背面押しの状態を示している。以下の説明では、背面押しの状態を基準にして、進行方向を「前方」と定義し、進行方向に対して反対方向を「後方(背面)」と定義し、さらに進行方向に対して左右方向を「左右(幅)方向」と定義し、進行方向に対して上下方向を「上下」と定義する。
【0019】
図1に示すように、このベビーカー1は、一対の前脚フレーム11、一対の後脚フレーム12、乳幼児などを寝かせた姿勢や座らせた姿勢で乗車させる乗車部13、アームレスト14、ハンドル16などを備えている。各前脚フレーム11の下方には、前輪11aが配置されている。各後脚フレーム12の下方には、後輪12aが配置されている。一対の前脚フレーム11において、上端部は、アームレスト14が回動可能に支持されている。一対の後脚フレーム12もまた、上端部は、アームレスト14が回動可能に支持されている。一対の前脚フレーム11は、左右方向に横断する前ステー24によって連結されており、前ステー24には、着座している乳幼児等が足を掛けるステップ25が配置されている。
【0020】
アームレスト14の先端部には、フロントガード15が着脱可能に取り付けられる。アームレスト14の外側には、ベビーカー1を押して操作するハンドル16が配置されている。ハンドル16は、全体がU字形状を有しており、縦フレーム16aと横フレーム16bとを備えている。
【0021】
縦フレーム16aは、ベビーカー1の幅方向において、最も外側に位置している。ハンドル16の中で左右方向に延びる横フレーム16bは、中央部に、操作者によって操作される開閉ロックレバー17が配置されている。ハンドル16の上下に延びる縦フレーム16aは、後脚フレーム12などと連携するフレームに、回動軸などで構成された回動支点部18によって回動可能に支持されている。
【0022】
ハンドル16は、ベビーカー1の後方である背面押し位置(実線で示す位置)とベビーカー1の前方である対面押し位置(二点鎖線で示す位置)の2つの位置の間を、回動支点部18を中心に回動する(矢印D方向および反矢印D方向)。ハンドル16の縦フレーム16aには、ハンドル16を背面押し位置および対面押し位置にロックする切替操作部材19を備えている。
【0023】
ベビーカー1は、後脚フレーム12、アームレスト14などと連結されたフレームに後方ロック部20を備えている。後方ロック部20は、切替操作部材19が係合することでハンドル16を背面押し位置にロックする。
【0024】
前脚フレーム11は、ハンドル16の切替操作部材19が係合する前方ロック部21を備えている。前方ロック部21は、ハンドル16を対面押し位置にロックする。ハンドル16が背面押し位置に位置するときは、前輪11aはキャスターによって回転可能な状態となり、後輪12aはキャスターがロックされることで回転不能な状態となる。また、ハンドル16が対面押し位置に位置するときは、前輪11aはキャスターがロックされることで回転不能な状態となり、後輪12aはキャスターによって回転可能な状態となる。
【0025】
乗車部13は、座板部材や背当てフレームによって乗車している乳幼児に対する振動を緩和するクッション部13aなどが設けられている。乗車部13の上部には、幌22が配置されている。
【0026】
図2は、前輪11aのキャスター取付構造を示す側面図である。
キャスター取付構造30は、前脚フレーム11の下端部に取り付けられるキャスターホルダ31と、前輪11aを回転可能に支持するキャスター32と、キャスターホルダ31に対してキャスター32を回転可能とするベアリング33と、キャスターホルダ31からのキャスター32の脱落を防止する脱落防止部材34とを備えている。なお、ここでは、前脚フレーム11の下端部に位置するキャスター取付構造を説明し、後脚フレーム12の下端部に位置するキャスター取付構造30は、前脚フレーム11のキャスター取付構造30とほぼ同様な構成を有するため、その詳細は省略する。
【0027】
図3は、キャスター取付構造30の分解斜視図であり、図4は、キャスター取付構造30の断面斜視図である。キャスターホルダ31は、上下方向に延在する筒形状を有している。キャスターホルダ31の上端部は、前脚フレーム11の下端部が挿入されて固定されるフレーム挿入部36を備えている。フレーム挿入部36は、キャスターホルダ31の上端部を開口した筒状空間部であって、フレーム挿入部36の内部には、前脚フレーム11の下端部が挿入されてビス36aによって固定される。キャスターホルダ31の下端部は、ベアリング33が配置されるベアリング収容部37を備えている。ベアリング収容部37の中央部は、キャスターホルダ31の上端部に向かってキャスター軸43が挿入される筒形状を有した軸挿入部38を備えている。キャスターホルダ31の側面は、キャスターホルダ31の下端部よりも上端部に近い位置に取付部39を備えている。取付部39には、キャスター32のキャスターホルダ31からの脱落を防ぐ脱落防止部材34が挿入される。
【0028】
ベアリング収容部37は、キャスターホルダ31の下端部を開口した円形の凹部である。ベアリング収容部37に配置されるベアリング33は、内輪33a、外輪33b、内輪33aと外輪33bとの間に配置される転動体、転動体の位置を保持する保持器33cなどを備えたボールベアリングである。ベアリング収容部37は、ベアリング33の外輪33bが圧入されている。軸挿入部38の開口端は、ベアリング収容部37の中央部に臨み、ベアリング収容部37に配置されたベアリング33の中心孔33dは、軸挿入部38の開口端と一致している。ベアリング33の中心孔33dには、キャスター32のキャスター軸43が圧入されている。中心孔33dを貫通したキャスター軸43は、軸挿入部38内に挿入される。
【0029】
なお、ベアリング33の構成は、上述の例に限定されるものではない。ベアリングとしては、ボールベアリングではなく、ローラベアリングであってもよい。また、自動調心ベアリングであってもよいし、ダブルベアリングであってもよい。さらに、ベアリング33は、キャスター軸43とキャスターホルダ31との回転時の滑りを向上させる金属製や樹脂製のブッシュなどの滑り軸受であってもよい。
【0030】
取付部39は、キャスターホルダ31の背面側であって、ベアリング収容部37の直上に位置し、操作者から見て目立たない位置に設けられている。取付部39は、軸挿入部38に連通する貫通部39aと、脱落防止部材34を固定するための支持部39bと、固定ネジ39cが螺入されるねじ孔39dとを備えている。貫通部39aは、キャスター軸43の軸線方向に対して交差する方向に貫通した貫通孔であって、軸挿入部38に挿入されたキャスター軸43の溝部43aに位置する。支持部39bは、周囲よりも一段低い支持面で構成されており、貫通部39aの周囲に位置している。そして、矩形形状をした支持部39bの角部には、ねじ孔39dを備えている。
【0031】
キャスターホルダ31の下端部は、配設部40bを備えている。配設部40bは、ベアリング収容部37と隣接する位置に膨出している。配設部40bには、キャスターロック機構40を構成するロック部材40aが配設される。ロック部材40aは、ロック部材40aを操作する操作部40cと、キャスター32と係合するロック部40dとを備え、配設部40b内を上下方向に移動可能に配設されている。操作部40cは、配設部40bから露出し、上下方向に移動操作可能に構成されている。
【0032】
キャスター32は、前輪11aを回転可能に支持する車輪支持部材41と、車輪支持部材41が取り付けられる支持体42と、支持体42に対して一体的に設けられるキャスター軸43とを備えている。車輪支持部材41は、前輪11aを回転支持する一対のアーム41aを備えている。一対のアーム41aは、走行時に前脚フレーム11の延長方向に対して斜めに延出しており、その先端部の回転軸41bで前輪11aを回転可能に支持している。ここで、回転軸41bは、背面押しをしているときに、キャスター軸43の位置よりもベビーカー1の後方に位置する。そして、車輪支持部材41は、一対のアーム41aの先端部とは反対側の基端部において、固定部材41cによって固定される。
【0033】
支持体42は、ベアリング33が配置されるベアリング配置部42aを備えている。ベアリング配置部42aは、キャスターホルダ31のベアリング収容部37と対向する部分であって、ベアリング33を支持する支持面を備えている。ベアリング配置部42aのその中央部からはキャスター軸43が突出している。キャスター軸43は、支持体42に対してインサート成形により一体的に設けられている。ベアリング33は、その中心孔33dにキャスター軸43が圧入される。そして、ベアリング33は、ベアリング配置部42aから突出したキャスター軸43の基端部およびベアリング配置部42aに支持される。これにより、支持体42は、ベアリング33の内輪33aと一体化される。また、ベアリング配置部42aの外周には、環状突部42dを備えている。環状突部42dは、ベアリング配置部42aとの対向面が備えた凹部42cに挿入される(図4参照)。これにより、外部から異物の浸入を抑えるようにしている。
【0034】
支持体42は、ベアリング配置部42aと隣接する位置に、キャスターロック機構40の一部を構成するロック孔40eを備えている。ロック孔40eには、ロック部材40aのロック部40dが選択に係合される。ロック部材40aが下方に移動されロック孔40eにロック部40dが係合しているときは、キャスター32の回転がロックされた状態となる。また、ロック部材40aが上方に移動されロック孔40eにロック部40dが係合していないときは、キャスター32が回転するアンロック状態となる。
【0035】
支持体42は、ベビーカー1の前方の方向に突出するように、車輪支持部材41が取り付けられるアーム取付部42bを備えている。ロック孔40eは、ベアリング配置部42aおよびアーム取付部42bと隣接して設けられている。
【0036】
キャスター軸43は、基端部よりも先端部に近い位置に、周回方向に連続した溝部43aを備えている。キャスターホルダ31とキャスター32とが組み合わされたとき、溝部43aの位置は、取付部39の貫通部39aの位置と一致する。ベアリング33は、ベアリング配置部42aに支持された状態で、キャスター軸43の根元であってベアリング配置部42aに対して露出した基端部に位置する。
【0037】
脱落防止部材34は、キャスターホルダ31からのキャスター32の脱落を防止する。脱落防止部材34は、取付部39の支持部39bに支持される固定部46と、固定部46に対して一体的に設けられる一対の弾性部としての弾性片47と、各弾性片47の先端部に設けられる当接部としての当接片48とを備えている。脱落防止部材34は、POM樹脂(ポリアセタール樹脂)などの樹脂成型品であって、固定部46と弾性片47と当接片48とが一体的に形成されている。そして、弾性片47と当接片48とは、全体がΩ字形状を有している。
【0038】
固定部46は、キャスターホルダ31の支持部39bに嵌まる基板部であって、矩形形状を有いている。固定部46の対角に位置する角部には、挿通孔46aが形成されている。ねじなどの固定ネジ39cは、挿通孔46aに挿通され、ねじ孔39dに締め付けられる。
【0039】
一対の弾性片47は、キャスター軸43の先端部から基端部の方向を見たとき、互いに外側に膨らむ円弧形状を有した片である。そして、一対の弾性片47は、延在方向に沿ってスリット47a(図5参照)が設けられ、互いに離間する方向に弾性変位し易く形成されている。各弾性片47の先端部に位置する当接片48は、弾性片47に対する基端部から先端部に向かって拡幅して構成されている。先端に向かって拡幅する当接片48は、キャスター軸43の溝部43aの上下方向の幅と同程度か若干狭い幅を有しており、溝部43aの底部に係合する。溝部43aの底部に対しては、当接片48が2点で接触する。また、当接片48の上側側縁が溝部43aの上側角部に弾接される。勿論、当接片48の上側側縁および下側側縁が溝部43aの上側角部および下側角部に弾接される構成であってもよい。さらに、当接片48の下側側縁が溝部43aの下側角部に弾接される構成であってもよい。
【0040】
図5に示すように、脱落防止部材34は、弾性片47および当接片48を貫通部39aに挿入して、固定部46を取付部39の支持部39bに嵌め込み、固定ネジ39cを締め込むことによって固定される。すると、当接片48は、溝部43aに係合する。これにより、キャスター32は、キャスターホルダ31からの脱落しにくくなる。さらに、当接片48は、一対の弾性片47が互いに離間する方向(図5中矢印X方向)に弾性変位することで、溝部43aの底部に弾接される。これにより、キャスター軸43の振動を抑えることができる。
【0041】
次に、以上のように構成されたベビーカー1の作用について説明する。
キャスター32は、ベアリング33を介してキャスターホルダ31に取り付けられているので、ベアリング33を設けていない場合と比較してキャスター軸43を中心とした回転性が向上し、ベビーカー1の進行方向を容易に変えることができる。
【0042】
ところで、キャスター32は、キャスター軸43を中心とした回転性能が向上した分、操作者が小走り程度でベビーカー1を押したときに小刻みに振動(首振り)するシミー現象が発生し易くなる。シミー現象が大きくなると、キャスター32が激しく首振り振動するようになり操縦困難になるおそれがある。この点、当接片48は、溝部43aの底部に弾接されているので、キャスター軸43の振動が抑えられ、その結果、キャスター32のシミー現象の発生を抑えることができる。すなわち、脱落防止部材34は、シミー現象の発生を抑制するシミー抑制部としても機能することになる。
【0043】
シミー現象は、キャスター軸43の軸線と前輪11aの回転軸41bとの偏心量Eが大きいほど発生しにくい。したがって、一対のアーム41aを長くすれば、キャスター軸43の軸線と前輪11aの回転軸41bとの偏心量Eが大きくなり、シミー現象が発生しにくくなる(図2参照)。一方で、偏心量Eを大きくすることは、その分だけ、ベビーカー1が折り畳まれた状態における前輪11aと後輪12aとが近接することになる。すると、折り畳まれたベビーカー1は、折畳状態において、自立状態が不安定となり、転倒し易くなる。
【0044】
この点、ベビーカー1は、偏心量Eを小さくすることで設定しても、脱落防止部材34がキャスター軸43の溝部43aに弾接されているので、シミー現象の発生を抑制することができる。加えて、ベビーカー1は、折り畳まれている状態であっても安定して自立させることができる。
【0045】
なお、このベビーカー1は、ハンドル16を背面押し位置から対面押し位置に切り替えたとき、後輪12aが進行方向に位置する。後輪12aも図2から図5に示すキャスター取付構造が設けられている。したがって、対面押しのときにも、ベビーカー1の進行方向を容易に変えることができる。そして、脱落防止部材34によって、シミー現象の発生を抑制することができる。
【0046】
以上のようなベビーカー1によれば、以下に列挙する効果が得られる。
(1)ベビーカー1は、前輪11aのキャスター32に、ベアリング33を備えることで、キャスター32のキャスター軸43を中心とした回転性が向上し、背面押しのときにも、ベビーカー1の進行方向を容易に変えることができる。また、後輪12aのキャスター32に、ベアリング33を備えることで、キャスター32のキャスター軸43を中心とした回転性が向上し、対面押しのときにも、ベビーカー1の進行方向を容易に変えることができる。
【0047】
(2)キャスター軸43には、脱落防止部材34の当接片48がキャスター軸43の溝部43aの底部に弾接される。したがって、キャスター32のキャスターホルダ31からの脱落を防止しながらシミー現象の発生を抑制することができる。
【0048】
(3)脱落防止部材34は、キャスター32のキャスターホルダ31からの脱落機能とシミー抑制機能との2つの機能を備えている。したがって、それぞれの機能ごとに部品を設ける場合と比べて、部品点数を削減することができる。
【0049】
(4)ベアリング33は、キャスターホルダ31の下端部におけるベアリング収容部37内であって、キャスター軸43の基端部に配置される。ベアリング33がキャスターホルダ31の下端部側の蓋部材として機能することで、砂、塵埃などの異物がキャスターホルダ31とキャスター32の境界部分の隙間から軸挿入部38の内部に浸入することを抑えることができる。
【0050】
(5)当接片48はキャスター軸43の基端部より先端側に近い位置においてキャスター軸43に弾接される。したがって、シミー現象を当接片48が基端部に弾接される場合よりも抑えることができる。
【0051】
(6)脱落防止部材34は、固定部46と弾性片47と当接片48とが一体成形品であって、構成が簡素であり、キャスターホルダ31の取付部39に容易に取り付けることができる。また、脱落防止部材34は、点対称の形状を有している。したがって、組立作業者は、脱落防止部材34を上下を気にすることなく取付部39に取り付けることができる。
【0052】
(7)当接片48は、弾性片47に対する基端部から先端部に向かって拡幅して構成されているので、溝部43aの底部に沿うように確実に当接される。したがって、キャスターホルダ31からキャスター32が脱落することを抑えることができる。
【0053】
(8)固定部46は、脱落防止部材34がキャスターホルダ31に取り付けられた状態において露出する。したがって、脱落防止部材34が取り付けられているかどうかを容易に視認することができる。
【0054】
なお、上記第1実施形態は、以下のように変更してもよい。
・一対の弾性片47は、互いに外側に膨らむ円弧形状を有した片に限定されるものではない。例えば、一対の弾性片47は、キャスターホルダ31が備える上端部の開口と対向する位置から見てL字形状を有していてもよい。さらに、弾性片47と当接片48とは、別部材で構成されていてもよい。また、固定部46と弾性片47も、別部材で構成されていてもよい。
【0055】
〔第2実施形態〕
第2実施形態は、脱落防止部材34の変形例である。図6に示すように、弾性片47と当接片48とは、キャスターホルダ31が備える上端部の開口と対向する位置から見てV字形状を有してもよい。この場合、対となる片51は、固定部46に対して弾性変位する弾性部となり、先端部の内側の面がキャスター軸43の溝部43aの底部に当接する当接部となる。第2実施形態においても、固定ネジ39cを締め込むことによって取付部39に固定部46が取り付けられると、片51が互いに離間するX方向に弾性変位する。片51は、延在方向に沿ってスリット47a(図5参照)を備えていてもよい。これにより、片51は、溝部43aの底部に対して2点で弾接される。そして、キャスター32がキャスターホルダ31からの脱落しにくくなる。また、シミー現象を抑えることができる。
【0056】
なお、上記第2実施形態は、以下のように変更してもよい。
・固定部46と片51とは、別部材で構成されていてもよい。また、片51の先端部の内側の面に溝部43aの底部が当接する当接部を設けるようにしてもよい。
【0057】
〔第3実施形態〕
第3実施形態は、脱落防止部材34の変形例である。図7に示すように、弾性片47と当接片48とは、キャスターホルダ31が備える上端部の開口と対向する位置から見てU字形状を有してもよい。この場合、対となる片52は、互いに平行で対向する対向片である。片52は、固定部46に対して弾性変位する弾性部となり、先端部の内側の面がキャスター軸43の溝部43aの底部に当接する当接部となる。
【0058】
第3実施形態においても、固定ネジ39cを締め込むことによって取付部39に固定部46が取り付けられると、片52が互いに離間するX方向に弾性変位する。あわせて、一対の片52を連結する連結片53も溝部43aに接触する。そして、片52および連結片53は、全体で溝部43aに対して3点で接触する。これにより、キャスター32がキャスターホルダ31からの脱落しにくくなる。また、シミー現象を抑えることができる。
【0059】
なお、上記第3実施形態は、以下のように変更してもよい。
・片52および/または連結片53は、延在方向に沿ってスリット47a(図5参照)を備えていてもよい。
【0060】
・連結片53は、溝部43aより幅広に形成し、キャスター軸43の外周面に弾接するようにしてもよい。また、連結片53は、溝部43aの底部に対して接触しない構成であってもよい。すなわち、連結片53は、キャスター軸43外周面と離間していてもよい。
【0061】
〔第4実施形態〕
第4実施形態は、脱落防止部材34の変形例である。図8に示すように、弾性片47と当接片48とは、キャスターホルダ31が備える上端部の開口と対向する位置から見て半円形状を有してもよい。この場合、対となる片54は、キャスター軸43の外周形状に沿うような円弧形状を有している。片54は、固定部46に対して弾性変位する弾性部となる。片54の先端部の内側の面には、溝部43aの底部に当接する当接部55が突設されている。
【0062】
第4実施形態においても、固定ネジ39cを締め込むことによって取付部39に固定部46が取り付けられると、片54が互いに離間するX方向に弾性変位し、当接部55が溝部43aの底面に対して2点で弾接される。片54は、延在方向に沿ってスリット47a(図5参照)を備えていてもよい。これにより、キャスター32がキャスターホルダ31からの脱落しにくくなる。また、シミー現象を抑えることができる。なお、連結片53は、溝部43aの底部に対して接触しない構成であってもよい。
【0063】
〔第5実施形態〕
第5実施形態は、脱落防止部材34の変形例であり、弾性部と当接部とが別の部材で構成されている。図9に示すように、固定部46に設けられる基部56と、弾性部を構成する弾性部材57と、当接部を構成する当接部材58とを備えている。
【0064】
基部56は、内部に弾性部材57を収容する第1凹部56aを備えている。弾性部材57は、例えばコイルバネであり、第1凹部56aには、弾性部材57の一端部が収容される。当接部材58は、基部56に組み合わされる部材であって、内側に第2凹部58aを備えている。第2凹部58aには、弾性部材57の他端部が収容される。当接部材58は、基部56に対してキャスター軸43の軸線に対して交差する、ここでは直交する方向(矢印Y方向および反矢印Y方向)に移動可能に案内されている。
【0065】
具体的には、当接部材58は、基端部に、案内突部59aを備え、基部56は、キャスター軸43の軸線に対して直交する方向の案内溝59bを備えている。そして、案内突部59aは、案内溝59bに係合されている。当接部材58は、円錐台形状を有しており、上面は、溝部43aに係合し得る大きさに形成されている。
【0066】
第5実施形態においても、固定ネジ39cを締め込むことによって取付部39に固定部46が取り付けられると、先端方向(矢印Y方向)に弾性付勢されている当接部材58は、弾性部材57を収縮させる方向(反矢印Y方向)に押され、先端部が溝部43aに弾接される。ここでは、当接部材58の先端部は、側面を構成する傾斜面が溝部43aの少なくとも一方の角部に弾接される。これにより、キャスター32がキャスターホルダ31からの脱落しにくくなる。また、シミー現象を抑えることができる。
【0067】
なお、上記第5実施形態は、以下のように変更してもよい。
・当接部材58は、先端部の上面を溝部43aの底面に倣う円弧状面で構成し、円弧上面が溝部43aの底面に弾接されるようにしてもよい。
【0068】
・第5実施形態の脱落防止部材は、1点で溝部43aの底部に弾接される。したがって、第5実施形態の脱落防止部材は、キャスター軸43の周回方向に複数配置するようにして、溝部43aの底部を複数箇所に対して支持するようにしてもよい。
【0069】
・当接部材58に案内突部を設けて、基部56に案内突部が係合する案内溝を設けるようにしてもよい。また、基部56に対する当接部材58の案内部の構成は案内突部と案内溝の構成に限定されるものではない。
【0070】
〔第6実施形態〕
第6実施形態は、脱落防止部材61とシミー抑制部材62とを別々に設けたものである。図10に示すように、第6実施形態において、脱落防止部材61は、弾性部および当接部を備えた脱落防止部材34と同じ構成であってもよいが、少なくとも溝部43aと係合する係合部61aを備えているだけでもよい。これにより、少なくともキャスター32のキャスターホルダ31からの脱落を抑えることができる。
【0071】
シミー抑制部材62は、例えばコイルバネであり、軸挿入部38に挿入されたキャスター軸43の先端部と軸挿入部の最奥部との間に配設される。これにより、キャスター軸43は、その先端部にシミー抑制部材62が弾接される。これにより、シミー現象を抑えることができる。コイルバネで構成されたシミー抑制部材62は、全体が弾性部であって、キャスター軸43の先端部と接触する部分が当接部である。
【0072】
〔第7実施形態〕
第7実施形態は、弾性部の先端部に当接部を構成するローラーを設けている。図11(a)および(b)に示すように、弾性部としての弾性片71の先端部には、当接部としてのローラー72を備えている。ローラー72は、その回転軸方向の長さがキャスター軸43の溝部43aの上下方向の幅と同程度か若干狭い幅を有しており、溝部43aの底部に係合する。すなわち、弾性片71の先端部には、ローラー72を回転可能に支持する凹部形状をした軸支持部73を備えている。軸支持部73は、円形またはC型の貫通孔である。ローラー72は、上部と下部に円柱形状の当接部72aを備えており、上部と下部との間に回転軸部72bを備えている。軸支持部73には、回転軸部72bが係合され、軸支される。当接部72aの表面は、平滑な面で構成されていてもよいし、ゴムなどの弾性体で構成されていてもよい。
【0073】
以上のように構成された脱落防止部材であっても、弾性片71が互いに離間するX方向に弾性変位ことで、ローラー72が、溝部43aの底部に対して弾接される。これにより、キャスター32がキャスターホルダ31からの脱落しにくくなる。また、シミー現象を抑えることができる。
【0074】
なお、上記第7実施形態は、以下のように変更してもよい。
・当接部72aをゴムローラーなどの弾性ローラーで構成したときには、ローラーそのものが弾性部となり、さらに、当接部となる。このような場合には、弾性片71の部分は、撓みにくい部材で構成されていてもよい。
【0075】
〔第8実施形態〕
第8実施形態は、固定部とは別部材であるU字形状をしたシミー抑制部材81で弾性部と当接部とを構成している。すなわち、図12に示すように、シミー抑制部材81は、キャスター軸43の溝部43aの部分を挟み込む一対の片82と、一対の片82を繋ぐ円弧部83とを備えている。一対の片82の間隔は、キャスター軸43の溝部43aの部分の直径よりも若干小さい。したがって、溝部43aの部分は、一対の片82の間を広げるように挿入される。また、一対の片82の先端部は、固定部85に対してねじなどの固定部材84によって固定される。これにより、片82は、溝部43aの底面に弾接される。これにより、キャスター32がキャスターホルダ31からの脱落しにくくなる。また、シミー現象を抑えることができる。
【0076】
なお、上記第8実施形態は、以下のように変更してもよい。
・シミー抑制部材81は、固定部85に対して固定する固定部材84は、ねじ以外であってもよい。例えば、片82の先端部は、接着剤、溶着などで固定してもよいし、固定部85に設けた固定孔に圧入などしてその上で接着剤などで固定してもよい。さらに、片82の先端部は、固定部85に対して嵌め殺しで固定することもできる。
【0077】
なお、上記ベビーカー1は、以下のように変更してもよい。
・当接部がキャスター軸43を弾接する位置は、溝部43a以外の位置であってもよい。例えば、キャスター軸43の基端部、例えばベアリング33の直上などとしてもよい。
【0078】
・ベアリング33は、キャスター軸43の基端部よりも先端部に近い位置に配置されていてもよい。
・キャスター軸43は溝部43aを備えていなくてもよい。キャスター軸43に当接片48が弾接されていれば、シミー現象を抑えることができるからである。
【0079】
・ハンドル16は、背面押し位置と対面押し位置との間を切り替え可能とするのではなく、背面押し位置だけに位置するものであってもよい。この場合、キャスター32は、前輪11a側だけに設けられていればよい。
【0080】
・キャスター32のシミー現象を抑制するシミー抑制部の構成としては、弾性部と当接部とを備えていれば、その具体的構成は、上述の各実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、脱落防止部材34のキャスターホルダ31への固定方法や脱落防止部材34の形状などは、上述の各実施形態の構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0081】
E…偏心量、1…ベビーカー、11…前脚フレーム、11a…前輪、12…後脚フレーム、12a…後輪、13…乗車部、13a…クッション部、14…アームレスト、15…フロントガード、16…ハンドル、16a…縦フレーム、16b…横フレーム、17…開閉ロックレバー、18…回動支点部、19…切替操作部材、20…後方ロック部、21…前方ロック部、22…幌、24…前ステー、25…ステップ、30…キャスター取付構造、31…キャスターホルダ、32…キャスター、33…ベアリング、33a…内輪、33b…外輪、33c…保持器、33d…中心孔、34…脱落防止部材、36…フレーム挿入部、36a…ビス、37…ベアリング収容部、38…軸挿入部、39…取付部、39a…貫通部、39b…支持部、39c…固定ネジ、39d…ねじ孔、40…キャスターロック機構、40a…ロック部材、40b…配設部、40c…操作部、40d…ロック部、40e…ロック孔、41…車輪支持部材、41a…アーム、41b…回転軸、41c…固定部材、42…支持体、42a…ベアリング配置部、42b…アーム取付部、42c…凹部、42d…環状突部、43…キャスター軸、43a…溝部、46…固定部、46a…挿通孔、47…弾性片、47a…スリット、48…当接片、51…片、52…片、53…連結片、54…片、55…当接部、56…基部、56a…第1凹部、57…弾性部材、58…当接部材、58a…第2凹部、59a…案内突部、59b…案内溝、61…脱落防止部材、61a…係合部、62…シミー抑制部材、71…弾性片、72…ローラー、72a…当接部、72b…回転軸部、73…軸支持部、81…シミー抑制部材、82…片、83…円弧部、84…固定部材、85…固定部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12