(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】ウインチ装置
(51)【国際特許分類】
B66D 1/16 20060101AFI20220901BHJP
B66D 1/12 20060101ALI20220901BHJP
B66D 5/32 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
B66D1/16 B
B66D1/12
B66D5/32
(21)【出願番号】P 2019120312
(22)【出願日】2019-06-27
【審査請求日】2021-05-21
(73)【特許権者】
【識別番号】390000996
【氏名又は名称】株式会社ハイレックスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100129012
【氏名又は名称】元山 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100149009
【氏名又は名称】古賀 稔久
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 研一朗
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-271661(JP,A)
【文献】特開2012-096857(JP,A)
【文献】実開昭50-030144(JP,U)
【文献】特許第0012849(JP,C1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66D 1/16
B66D 1/12
B66D 5/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
牽引部材と、
前記牽引部材を巻取りおよび繰り出し可能なドラムと、
前記ドラムを回転可能な駆動部と、
前記駆動部と前記ドラムの間に配置され、前記駆動部の動力が伝達されるラチェット機構と、
前記ラチェット機構と前記ドラムの間の動力の伝達を接続および遮断可能なクラッチ機構とを備え、
前記ラチェット機構は、
前記ドラムの回転軸に固定された伝達ギヤと、
前記伝達ギヤをロックする第1ソレノイド部と、を有し、
前記ドラムと前記駆動部と前記ラチェット機構とは、前記ドラムの回転軸方向に並列に配置され、
前記第1ソレノイド部と前記ドラムの回転軸とが並列に配置され
、
前記クラッチ機構は、
前記回転軸方向に沿って前記ラチェット機構側に移動することによって、前記ラチェット機構と前記ドラムの間の動力の伝達を接続するクラッチピンと、
前記クラッチピンを前記回転軸方向に移動可能なクラッチレバーと、
前記クラッチレバーを所定方向に回転する第2ソレノイド部と、を有し、
前記クラッチ機構と前記ラチェット機構とは、前記ドラムの回転軸方向に並列に配置され、
前記クラッチピンは、前記クラッチレバーの所定方向への回転によって前記回転軸方向に沿って前記ラチェット機構側に移動する、
ウインチ装置。
【請求項2】
前記第1ソレノイド部と前記第2ソレノイド部は、前記回転軸と並列に配置されている、
請求項
1に記載のウインチ装置。
【請求項3】
前記ラチェット機構は、
前記駆動部と接続される外周ギヤと、
前記外周ギヤの内側に配置された内周ギヤと、
前記外周ギヤまたは前記内周ギヤの一方に設けられた係合部と、
前記外周ギヤまたは前記内周ギヤの他方に設けられ、前記係合部と係脱可能な爪と、
前記爪を前記係合部との係合方向に付勢する付勢部材と、を有し、
前記内周ギヤに対して相対的に、前記牽引部材を巻き取る方向に前記外周ギヤが回転する際には、前記係合部と前記爪が係合し、前記外周ギヤの回転が前記内周ギヤに伝達され、
前記内周ギヤに対して相対的に、前記牽引部材を繰り出す方向に前記外周ギヤが回転する際には、前記係合部と前記爪の係合が解除され、前記外周ギヤの回転が前記内周ギヤに伝達されない、
請求項1
または2に記載のウインチ装置。
【請求項4】
前記ラチェット機構は、
前記駆動部と接続される外周ギヤと、
前記外周ギヤの内側に配置された内周ギヤと、
前記外周ギヤまたは前記内周ギヤの一方に設けられた係合部と、
前記外周ギヤまたは前記内周ギヤの他方に設けられ、前記係合部と係脱可能な爪と、
前記爪を前記係合部との係合方向に付勢する付勢部材と、を有し、
前記内周ギヤに対して相対的に、前記牽引部材を巻き取る方向に前記外周ギヤが回転する際には、前記係合部と前記爪が係合し、前記外周ギヤの回転が前記内周ギヤに伝達され、
前記内周ギヤに対して相対的に、前記牽引部材を繰り出す方向に前記外周ギヤが回転する際には、前記係合部と前記爪の係合が解除され、前記外周ギヤの回転が前記内周ギヤに伝達されず、
前記伝達ギヤには、前記回転軸方向に沿った第1貫通孔が形成され、
前記内周ギヤには、前記回転軸方向に沿った第2貫通孔が形成され、
前記クラッチピンは、前記第1貫通孔および前記第2貫通孔に挿入可能な挿入部を有し、
前記クラッチピンが前記回転軸方向に沿って移動し、前記挿入部が前記第1貫通孔および前記第2貫通孔に挿入されることによって、前記ラチェット機構からの駆動力が前記ドラムに伝達可能となる、
請求項
1に記載のウインチ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウインチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車椅子を車両へ乗降する際に、ウインチ装置が用いられている(例えば特許文献1参照)。
このようなウインチ装置では、ドラムに設けられた牽引部材(ベルト)が車椅子に取り付けられ、ドラムを回転させることによって、ベルトの巻取りおよび繰り出しを行い、スロープを介して車両に車椅子が乗降される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の構成では、ドラムとドラムを回転させる駆動部が、ドラムの回転軸に対して垂直な方向に並んで配置されているため、車体に設置した際に車体の前後方向における長さが長くなり、車椅子を配置するスペースが狭くなっていた。
【0005】
本発明は、ドラムの回転軸に対して垂直な方向の長さを短くすることが可能なウインチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合わせることができる。
【0007】
本発明の一見地にかかるウインチ装置は、牽引部材と、ドラムと、駆動部と、ラチェット機構と、クラッチ機構と、を備える。ドラムは、牽引部材を巻取りおよび繰り出し可能である。駆動部は、ドラムを回転可能である。ラチェット機構は、駆動部とドラムの間に配置され、駆動部の動力が伝達される。クラッチ機構は、ラチェット機構とドラムの間の動力の伝達を接続および遮断可能である。ラチェット機構は、伝達ギヤと、第1ソレノイド部と、を有する。伝達ギヤは、ドラムの回転軸に固定されている。第1ソレノイド部は、伝達ギヤをロックする。ドラムと駆動部とラチェット機構とは、ドラムの回転軸方向に並列に配置されている。第1ソレノイド部とドラムの回転軸とが並列に配置されている。
ウインチ装置は、通常、駆動部によりドラムを回転させ、ドラムにから引き出されている牽引部材を所定の長さで維持するためのラチェット機構を設けると、ドラムの軸方向に各構成部品が配置されるために、ドラムの軸方向に長い構造となってしまう。しかし、本発明のウインチ装置は、ドラムと駆動部が、ドラムの回転軸方向に並列に配置されるため、ドラムの回転軸に対して垂直な方向におけるウインチ装置の全体の長さを短くすることができる。
そのため、車体にウインチ装置を設置した際に、ウインチ装置の車体前後方向における長さを短くでき、車椅子を配置するスペースを大きくすることができる。
【0008】
クラッチ機構は、クラッチピンと、クラッチレバーと、第2ソレノイド部と、を有していても良い。クラッチピンは、回転軸方向に沿ってラチェット機構側に移動することによって、ラチェット機構とドラムの間の動力の伝達を接続する。クラッチレバーは、クラッチピンを回転軸方向に移動可能である。第2ソレノイド部は、クラッチレバーを所定方向に回転する。クラッチ機構とラチェット機構とは、ドラムの回転軸方向に並列に配置されている。クラッチピンは、クラッチレバーの所定方向への回転によって回転軸方向に沿ってラチェット機構側に移動する。
このように、クラッチ機構とラチェット機構を、ドラムの回転軸方向に並列に配置することにより、ドラムの回転軸に対して垂直な方向におけるウインチ装置の全体の長さをより短くすることができる。
【0009】
第1ソレノイド部と第2ソレノイド部は、回転軸と並列に配置されていてもよい。
これにより、第1ソレノイド部と第2ソレノイド部は、ドラムの回転軸方向に沿って配置することができる。
【0010】
ラチェット機構は、外周ギヤと、内周ギヤと、係合部と、爪と、付勢部材と、を有してもよい。外周ギヤは、駆動部と接続される。内周ギヤは、外周ギヤの内側に配置されている。係合部は、外周ギヤまたは内周ギヤの一方に設けられている。爪は、外周ギヤまたは内周ギヤの他方に設けられ、係合部と係脱可能である。付勢部材は、爪を係合部との係合方向に付勢する。内周ギヤに対して相対的に、牽引部材を巻き取る方向に外周ギヤが回転する際には、係合部と爪が係合し、外周ギヤの回転が内周ギヤに伝達される。内周ギヤに対して相対的に、牽引部材を繰り出す方向に外周ギヤが回転する際には、係合部と爪の係合が解除され、外周ギヤの回転が内周ギヤに伝達されない。
これにより、牽引部材を巻き取る際には、駆動部の駆動力がドラムに伝達され、牽引部材が繰り出される際には、駆動部の駆動力がドラムに伝達されないようにすることができる。
【0011】
ラチェット機構は、外周ギヤと、内周ギヤと、係合部と、爪と、付勢部材と、を有してもよい。外周ギヤは、駆動部と接続される。内周ギヤは、外周ギヤの内側に配置されている。係合部は、外周ギヤまたは内周ギヤの一方に設けられている。爪は、外周ギヤまたは内周ギヤの他方に設けられ、係合部と係脱可能である。付勢部材は、爪を係合部との係合方向に付勢する。内周ギヤに対して相対的に、牽引部材を巻き取る方向に外周ギヤが回転する際には、係合部と爪が係合し、外周ギヤの回転が内周ギヤに伝達される。内周ギヤに対して相対的に、牽引部材を繰り出す方向に外周ギヤが回転する際には、係合部と爪の係合が解除され、外周ギヤの回転が内周ギヤに伝達されない。伝達ギヤには、回転軸方向に沿った第1貫通孔が形成されていてもよい。内周ギヤには、回転軸方向に沿った第2貫通孔が形成されていてもよい。クラッチピンは、第1貫通孔および第2貫通孔に挿入可能な挿入部を有していてもよい。クラッチピンが回転軸方向に沿って移動し、挿入部が第1貫通孔および第2貫通孔に挿入されることによって、ラチェット機構からの駆動力がドラムに伝達可能となる。
これにより、ラチェット機構を介して駆動部による駆動力をドラムに伝達する際に、駆動力の伝達および非伝達をクラッチ機構によって切り換えることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ドラムの回転軸に対して垂直な方向の長さを短くすることが可能なウインチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明にかかる実施の形態の車椅子乗降補助装置が車両に配置された状態を示す模式図。
【
図2】
図1の車椅子が車両に乗せられた状態を示す模式図。
【
図12】
図3のウインチ装置の外周ギヤと、内周ギヤと、係合部と、爪と、付勢部材を示す側面模式図。
【
図13】
図3のウインチ装置の外周ギヤと、内周ギヤと、係合部と、爪と、付勢部材を示す側面模式図。
【
図14】
図3に示すハウジングを取り除いた状態におけるクラッチ機構を示す斜視図。
【
図18】クラッチが接続されていない状態を説明するための模式断面図。
【
図19】クラッチが接続されている状態を説明するための模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明にかかる実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
(ウインチ装置の概要)
ウインチ装置は、牽引部材の端を対象物に接続し、牽引部材が設けられたドラムを巻き取ることで、対象物を移動させる際の補助を行うことができる。
本実施の形態では、本発明が適用される一例としてウインチ装置が車椅子を車両へ乗降させる場合について説明する。
【0016】
はじめに、本実施の形態のウインチ装置を適用した車椅子乗降補助装置が車両に配置された状態について説明する。
図1は、本実施の形態の車椅子乗降補助装置100が車両200に配置された状態を示す模式図である。
車両200は、後部ドア201と、後部ドアによって開閉される後部202と、を有している。
図1では、後部ドア201が開かれて後部202が車両200の外側に開放されている。
【0017】
車椅子乗降補助装置100は、車椅子300を車両200に乗降させるためのものである。車椅子乗降補助装置100は、2個のウインチ装置1と、固定装置2と、スロープ3と、を主に有している。なお、本実施の形態では、車椅子300を車両200へ乗降させる際に左右の安定性を向上するためにウインチ装置1が2個設けられているが、ウインチ装置1の数は1個であってもよい。
2個のウインチ装置1は、車椅子300の幅方向に互いに間隔を空けて後部202に設けられている。ウインチ装置1は、後部202のフロア上に配置されている。2個のウインチ装置1からそれぞれ牽引部材10が繰り出されており、それぞれの牽引部材10の先端に設けられたフック10aが車椅子300の前側の左右のフレーム301に係止されている。
【0018】
スロープ3は、車椅子300を車両200に昇降させるためのものである。スロープ3は車両200の後部に繋がるように配置される。スロープ3は、車両200の外側の地面に向かって下方に傾斜するように設けられている。
図1では、車椅子300は、車両200に対してスロープ3を挟んで地面に載置されている。スロープ3は、車椅子300が通過可能に構成され、車椅子の種類に応じて材質、幅および長さが適宜設定される。
図1に示す状態から2個のウインチ装置1によってそれぞれの牽引部材10が巻き取られることで車椅子300はスロープ3上を上昇して車両200内の後部202に引き上げられる。
【0019】
固定装置2は、車両200の後部202に引き上げられた車椅子300を固定する。
図2は、後部202に引き上げられた車椅子300の状態を示す図である。固定装置2から2つのベルト90が引き出され、それぞれの先端のフック90aが車椅子300の車輪302に係止されている。
このように、車椅子300を前側からウインチ装置1で後方への移動を規制し、後側から固定装置2で前方への移動を規制係止することによって、車両200内において固定することができる。
【0020】
(ウインチ装置)
次に、本発明にかかる実施の形態のウインチ装置1について説明する。
図3は、ウインチ装置1の斜視図である。
図4は、
図3の反対側から視たウインチ装置1の斜視図である。
図5は、ウインチ装置1の平面図である。
図6は、ウインチ装置1の正面図である。
図7は、ウインチ装置1の背面図である。
図8は、ウインチ装置の左側面図である。
図9は、ウインチ装置1の右側面図である。
【0021】
本実施の形態のウインチ装置1は、牽引部材10と、ドラム20と、駆動部30と、ラチェット機構40と、クラッチ機構50と、を備える。ドラム20は、牽引部材10を巻取りおよび繰り出し可能である。駆動部30は、ドラム20を回転可能である。ラチェット機構40は、駆動部30とドラム20の間に配置され、駆動部30の動力が伝達する。クラッチ機構50は、ラチェット機構40とドラム20の間の動力の伝達を接続および遮断可能である。なお、
図3~
図5には、ドラム20の回転中心Oが示されており、回転中心Oと垂直な方向Aのうち正面方向(牽引部材10を引き出す方向)がA1、背面方向(巻き取られる方向)がA2で適宜示されている。
【0022】
(牽引部材)
牽引部材10は、一方の端がドラム20に接続され、他方の端が車椅子300等の被牽引物に接続可能である。上述した
図1,2では、牽引部材10の他方の端には、フック10aが設けられており、車椅子300に係止されているが、フック10aに限らなくても良く、被牽引物に牽引可能に接続できる接続部材を用いることができる。なお、牽引部材10として、例えばベルト、ロープ、およびワイヤなどを用いることができる。
【0023】
(ドラム)
図10は、ウインチ装置1の分解斜視図である。
ドラム20は、牽引部材10を巻取りおよび繰り出し可能である。ドラム20は、円筒形状の胴部分21を有している。ドラム20は、牽引部材10を胴部分21に巻取り可能に構成されている。
図10に示すドラム20では、胴部分21の両端に鍔部分22が設けられているが、鍔部分22が設けられていなくてもよく、牽引部材10を巻取りおよび繰り出し可能であればよい。ドラム20の中心を回転軸60が設けられており、ドラム20は回転軸60の回転とともに回転する。なお、回転軸60とドラム20は、別々の部材であってもよいし、一体の部材であってもよい。回転軸60に沿った方向がGで示されており、正面視において右方向をG1で示し、左方向をG2で示す。
【0024】
回転軸60は、ベース部材70に回転可能に支持されている。ベース部材70は、回転軸60を回転可能に支持できれば、特に限定されるものではない。本実施の形態のベース部材70は、例えば、取付部材71と、回転軸60を支持する支持部材72と、を有する。取付部材71は、
図6~
図10に示すように、フロアに固定される部材であり、具体的には、板状であり、フロアにボルト等によって取り付けられる。支持部材72は、正面視U字形状の部材であり、取付部材71の表面に固定されている。支持部材72の対向する側板73の各々には貫通孔が形成されており、これらの貫通孔に回転軸60が挿通されている。支持部材72の一対の側板73の間にドラム20が配置される。
【0025】
(駆動部)
駆動部30は、ドラム20を回転可能な駆動力を発生させることができ、ドラム20とラチェット機構40と回転軸60方向に並列に配置されていれば、特に限定されるものではない。
本実施の形態の駆動部30は、
図5、
図6および
図10に示すように、例えばモータ31と、ウォームギヤ部32と、動力伝達軸33と、動力伝達ギヤ34と、を有する。
モータ31は、例えば電動モータであり、その出力軸が方向Aに沿って設けられている。ウォームギヤ部32は、モータ31の出力軸の駆動力を動力伝達軸33に伝達する。ウォームギヤ部32は、図示しないウォームとウォームホイールを有している。ウォームおよびウォームホイールのいずれか一方が、出力軸に設けられ、他方が動力伝達軸33に設けられている。動力伝達軸33は、回転軸60と並行に配置されている。動力伝達ギヤ34は、動力伝達軸33に固定されている。
【0026】
動力伝達ギヤ34は、動力伝達軸33から後述するラチェット機構40に動力を伝達する。動力伝達ギヤ34は、動力伝達軸33に固定されており、動力伝達軸33の回転とともに回転する。
これにより、モータ31の回転により動力伝達軸33を回転させることができる。
【0027】
(ラチェット機構)
ラチェット機構40は、
図6に示すように駆動部30とドラム20の間に配置されている。ラチェット機構40は、駆動部30の動力をドラム20に伝達する。ラチェット機構40の構成は、特に限定されるものではないが、本実施の形態のラチェット機構40は、
図4に示すように、伝達ギヤ41と、第1ソレノイド部42と、を有する。
伝達ギヤ41は、
図6に示すようにドラム20の回転軸60に固定されている。第1ソレノイド部42は、伝達ギヤ41をロックする。第1ソレノイド部42によって伝達ギヤ41をロックすることにより、伝達ギヤ41の回転が規制され、ドラム20の回転が規制される。これにより、牽引部材10の巻取りおよび繰り出しが規制される。
【0028】
図11は、
図5のDD´間の矢示断面図である。
伝達ギヤ41は、例えば、外周に複数の歯からなる歯列が形成されている。伝達ギヤ41には、回転軸60が挿通される貫通孔が形成されている。伝達ギヤ41は回転軸60と回転方向に係合し、ドラム20と一体的に回転するように構成することができる。伝達ギヤ41には、その貫通孔の周囲に、第1貫通孔41aが形成されている。本実施の形態では、第1貫通孔41aは、6つ形成されており、6つの第1貫通孔41aは、貫通孔の周囲に周方向に沿って等角度の間隔で設けられている。この6つの第1貫通孔41aには、後述するクラッチ機構50のクラッチピン51が挿入可能である。なお、第1貫通孔41aは、クラッチピン51が挿入可能であれば、6つに限定される必要はなく適宜変更してもよい。第1貫通孔41aは、モータ側の部材と係合してドラム20に駆動力を伝達する被係合部として構成することができる、
第1ソレノイド部42の構成は、特に限定されるものではなく、伝達ギヤ41の回転の規制および回転の規制の解除を行うことができればよい。第1ソレノイド部42の一例について
図11を用いて説明する。
【0029】
第1ソレノイド部42は、固定部42aと、プランジャ42bと、係合部材42cと、を有する。固定部42aには、固定鉄芯およびコイルなどが設けられている。プランジャ42bは、コイルへの通電によって固定部42aに対して移動する。本実施の形態では、プランジャ42bは、回転軸60および方向Aに対して垂直な方向Bに沿って配置されており、方向Bに沿って移動する。
【0030】
係合部材42cの一方の端部42c1は、プランジャ42bの先端に回動可能に連結されており、係合部材42cの他方の端部42c2は、伝達ギヤ41の外周の歯形状に係合可能である。係合部材42cは、両端部の間において、支持部材72の側板73に回動軸42dを中心に回動可能に取り付けられている。
プランジャ42bが、固定部42aに引き込まれる方向B1に移動すると、係合部材42cの他方の端部42c2が上方に移動し、伝達ギヤ41から離間するため、伝達ギヤ41は回動可能となる。一方、プランジャ42bが、固定部42aから押し出される方向B2に移動すると、係合部材42cの他方の端部42c2が伝達ギヤ41側に移動し、伝達ギヤ41の歯形状に係合し、伝達ギヤ41の回動が規制される。第1ソレノイド部42は、伝達ギヤ41の回転を規制する、回転規制装置として機能する。
【0031】
また、
図5に示すように、ドラム20と駆動部30とラチェット機構40とは、ドラム20の回転軸60の方向に並列に配置されている。これによって、A方向におけるウインチ装置1の長さを短くすることができる。本実施の形態では、第1ソレノイド部42とドラム20の回転軸60とが並列に配置されている。
【0032】
ラチェット機構40は、
図8に示すように、外周ギヤ43と、内周ギヤ44と、係合部45と、爪46と、付勢部材47と、を更に有する。
図12は、外周ギヤ43と、内周ギヤ44と、係合部45と、爪46と、付勢部材47を示す側面模式図である。
外周ギヤ43は、駆動部30と接続される。内周ギヤ44は、外周ギヤ43の内側に配置されている。係合部45は、外周ギヤ43または内周ギヤ44の一方に設けられている。なお、本実施の形態では、係合部45は、内周ギヤ44に設けられている。爪46は、外周ギヤ43または内周ギヤ44の他方に設けられている。なお、本実施の形態では、爪46は、外周ギヤ43に設けられている。付勢部材47は、爪46を係合部45との係合方向に付勢する。
【0033】
内周ギヤ44に対して相対的に、牽引部材10を巻き取る方向に外周ギヤ43が回転する際には、係合部45と爪46が係合し、外周ギヤ43の回転が内周ギヤ44に伝達される。内周ギヤ44に対して相対的に、牽引部材10を繰り出す方向に外周ギヤ43が回転する際には、係合部45と爪46の係合が解除され、外周ギヤ43の回転が内周ギヤ44に伝達されない。
【0034】
外周ギヤ43には、駆動部30から駆動力が伝達される。外周ギヤ43は、
図6および
図10に示すように、その外周に形成された歯形状が駆動部30の動力伝達ギヤ34と噛み合っている。これにより、動力伝達ギヤ34の回転が外周ギヤ43に伝達される。
外周ギヤ43には、内周面43aから外側に向かって、形成された複数の凹部43bが設けられている。
図12に示すように本実施の形態では、例えば3つの凹部43bが外周ギヤ43に形成されている。凹部43bは、回転軸60を中心として等角度の間隔で設けられている。凹部43bには、爪46が配置されている。爪46は、付勢部材47によって、内側に突出するように付勢されている。ここで、牽引部材10を巻き取るようにドラム20を回転させる方向をE1とし、牽引部材10を引き出すようにドラム20を回転させる方向をE2とする。爪46は、E2側の基端部46aを軸として、E1側の先端部46bが外周ギヤ43の内周面43aから内側に突出可能に構成されている。付勢部材47は、爪46の外周端と凹部43bの外周端の間に配置された板バネであるが、板バネに限らなくても良い。
【0035】
内周ギヤ44は、
図12に示すように、外周ギヤ43の内側に配置されている。係合部45は、内周ギヤ44の外周面44aから内側に向かって形成された凹部で構成されている。本実施の形態では、係合部45は内周ギヤ44の6箇所に形成されている。これら6つの係合部45は、回転軸60を中心として等角度の間隔で設けられている。また、係合部45は、外周ギヤ43の内周面43aから内側に突出した爪46の先端部46bが嵌合可能に形成されている。
【0036】
内周ギヤ44には、回転軸60が挿通される貫通孔が形成されている、内周ギヤ44には、その貫通孔の周囲に、複数の第2貫通孔44bが形成されている。本実施の形態では、第2貫通孔44bは6つ形成されており、6つの第2貫通孔44bは貫通孔の周囲に周方向に沿って等角度の間隔で設けられている。これら6つの第2貫通孔44bには、後述するクラッチ機構50のクラッチピン51が挿入可能である。
モータ31の回転によって動力伝達ギヤ34が回転して外周ギヤ43が矢印E1方向(牽引部材10を巻き取る方向)に回転する際には、爪46と内周ギヤ44の係合部45の嵌合によって外周ギヤ43の回転とともに内周ギヤ44も回転する。
【0037】
一方、モータ31の回転によって外周ギヤ43が矢印E2方向(牽引部材10を引き出す方向)に回転する際には、
図13に示すように、内周ギヤ44の係合部45の端面によって爪46は基端部46aを中心に先端部46b側が外周ギヤ43の凹部43bに収納されるように回動する(
図12の矢印F参照)。このため、外周ギヤ43が矢印E2方向に回転する際には、内周ギヤ44は外周ギヤ43とともに回転されない。
【0038】
(クラッチ機構)
クラッチ機構50は、ラチェット機構40とドラム20の間の動力の伝達を接続および遮断可能である。クラッチ機構50は、動力を伝達可能な状態と動力を遮断した状態に切り換えることができれば特に構成が限定されないが、本実施の形態のクラッチ機構50は、例えば、
図7および
図10に示すようにクラッチピン51と、クラッチレバー52と、第2ソレノイド部53と、を有する。
クラッチ機構50とラチェット機構40は、
図5に示すように、ドラム20の回転軸60方向に並列に配置されている。
【0039】
図14は、
図3に示すハウジング80を取り除いた状態におけるクラッチ機構50を示す斜視図である。
図14では、回転軸60と、伝達ギヤ41と、外周ギヤ43と、内周ギヤ44とおよびクラッチ機構50が示されている。
クラッチピン51は、回転軸60の方向に沿ってラチェット機構40側に移動することによって、ラチェット機構40とドラム20の間の動力の伝達を接続する。クラッチレバー52は、クラッチピン51を回転軸60の方向に移動可能である。第2ソレノイド部53は、クラッチレバー52を所定方向に回転する。クラッチピン51は、クラッチレバー52の所定方向(
図14では例えばE1方向)への回転によって回転軸60の方向に沿ってラチェット機構40側に移動する。
【0040】
図15は、クラッチピン51を示す斜視図である。クラッチピン51は、円盤部51aと、複数のピン51bとを有している。円盤部51aの中央には、貫通孔51cが形成されており、回転軸60が挿通される。複数のピン51bは、円盤部51aからラチェット機構40側に回転軸60と並行に延びるように形成されている。複数のピン51bは、貫通孔51cの周囲に等間隔に配置されている。本実施の形態のクラッチピン51には、6本のピン51bが設けられている(図では、5本のみ示す)。
【0041】
図16は、クラッチレバー52を示す斜視図である。クラッチレバー52は、円環部52aと、摺動部52bと、連結部52cと、を有する。円環部52aは、回転軸60を中心とするように配置された円環状である。摺動部52bは、円環部52aの内側に複数設けられている。本実施の形態では、摺動部52bは円環部52aの内側に4つ形成されている。各々の摺動部52bは、摺動面52dを有している。円環部52aの右方向G1側の面を52a1とし、左方向G2側の面を52a2とすると、摺動面52dは、周方向E2に沿って形成されており、周方向E2に向かうに従って右方向G1側(面52a2から面52a1側ともいえる)に向かうように傾斜している。
連結部52cは、第2ソレノイド部53のアーム53dが連結される。第2ソレノイド部53の動作によって、連結部52cが矢印E1方向または矢印E2方向に回転する。
【0042】
図17は、ハウジング80の内側(右方向G1側)を示す斜視図である。ハウジング80の内側には、回転軸60を支持する円環状の支持枠81が形成されている。円環状の支持枠81の周囲には、複数の摺動突起82が形成されている。摺動突起82は、クラッチレバー52の摺動面52dと摺動可能な摺動面82aが形成されている。摺動面82aは、周方向E2に沿って形成されており、周方向E2に向かうに従って右方向G1側に向かうように傾斜している。ハウジング80には、貫通孔80aが形成されており、
図8に示すように貫通孔80aから連結部52cが外部に露出している。
【0043】
第2ソレノイド部53は、クラッチレバー52を回転させてクラッチピン51をラチェット機構40側に移動させることが可能である。第2ソレノイド部53と第1ソレノイド部42は、
図5に示すように回転軸60と並列に配置されている。
第2ソレノイド部53は、
図14に示すように固定部53aと、プランジャ53bと、連結部材53cと、アーム53dと、を有する。固定部53aには、固定鉄芯およびコイルなどが設けられている。プランジャ53bは、コイルへの通電によって固定部53aに対して移動する。本実施の形態では、プランジャ53bは、方向Bに沿って配置されており、方向Bに沿って移動する。連結部材53cの一端側はプランジャ53bの先端に回転可能に接続されており、連結部材53cの他端側には、アーム53dが回転可能に接続されている。連結部材53cは、両端の間の回動軸53eにおいて、固定部53aをベース部材70に取り付けるブラケット74に回転可能に支持されている。アーム53dは、連結部材53cとクラッチレバー52の連結部52cの間を接続する。
プランジャ53bが、固定部53aから押し出される方向B2に移動すると、連結部材53cのアーム53dとの接続部側の端53c1が矢印A1側に移動し、アーム53dが矢印A1側に移動する。このアーム53dの移動によって、クラッチレバー52の連結部52cが矢印E1側に回転する。
【0044】
一方、プランジャ53bが、固定部53aに引き込まれる方向B1に移動すると、連結部材53cのアーム53dとの接続部側の端53c1が矢印A2側に移動し、アーム53dが矢印A2側に移動する。このアーム53dの移動によって、クラッチレバー52の連結部52cが矢印E2側に回転する。
【0045】
図18は、クラッチが接続されていない状態を示す模式断面図である。
図19は、クラッチが接続された状態を示す模式断面図である。
図18に示すように、クラッチが接続されていない状態では、クラッチレバー52が左方向G2側に位置しており、クラッチレバー52の摺動面52dとハウジング80の摺動面82aが対向するように接触している。また、クラッチピン51は、クラッチレバー52側に付勢部材54によって付勢されている。クラッチピン51のピン51bは、内周ギヤ44の第2貫通孔44bには挿入されているが、伝達ギヤ41の第1貫通孔41aには挿入されていない。クラッチピン51は、第1貫通孔41aとして構成される伝達ギヤ41側の被係合部と係合して駆動力をドラム20に伝達する構成することができる。
この状態で例えば駆動部30を駆動させて、ドラム20を巻取り方向E1に回転させようとした場合、駆動部30の駆動によって外周ギヤ43が回転し、爪46および係合部45を介して内周ギヤ44も回転する。しかしながら、内周ギヤ44は回転軸60に対して回転するだけであるため、駆動力はドラム20に伝達されず、ドラム20は回転されない。
【0046】
次に、第2ソレノイド部53を駆動し、プランジャ53bを固定部53aから押し出し、上述したように、クラッチレバー52の連結部52cが矢印E1側に移動すると、クラッチレバー52が矢印E1側に回転する。クラッチレバー52が回転すると、クラッチレバー52の摺動面52dとハウジング80の摺動面82aの摺動によって、
図19に示すように、クラッチレバー52がラチェット機構40側(右方向G1側)に移動する(矢印参照)。クラッチレバー52の移動によってクラッチピン51も付勢部材54の付勢力に逆らってラチェット機構40側に移動し、クラッチピン51のピン51bが伝達ギヤ41の第1貫通孔41aに挿入される。
この状態で例えば駆動部30を駆動させて、ドラム20を巻取り方向E1に回転させようとした場合、駆動部30の駆動によって外周ギヤ43が回転し、爪46および係合部45を介して内周ギヤ44も回転する。内周ギヤ44の回転によってクラッチピン51も回転し、クラッチピン51に挿入されている伝達ギヤ41も回転する。伝達ギヤ41は、回転軸60に固定されているため、回転軸60が回転しドラム20も回転する。これによって牽引部材10の巻取りを行うことができる。
【0047】
なお、
図19のようにクラッチが接続されている状態から、プランジャ53bが固定部53a側に移動すると、クラッチレバー52が矢印E2方向に回転し、付勢部材54の付勢力によってクラッチピン51およびクラッチレバー52がハウジング80側(矢印G2方向)に移動し、クラッチが遮断された
図18の状態となる。
【0048】
<動作>
次に、本実施の形態のウインチ装置1を備えた車椅子乗降補助装置100の動作について説明する。
図1に示すように、ウインチ装置1の牽引部材10のフック10aが車椅子300の左右のフレーム301に係止される。
そして、第2ソレノイド部53を駆動して、クラッチレバー52をラチェット機構40側(右方向G1側)に移動させてクラッチピン51を付勢部材54の付勢力に逆らってラチェット機構40側に移動させる。なお、第1ソレノイド部42の係合部材42cによる伝達ギヤ41の係合は解除されている。
この状態で、駆動部30を駆動することによって、ドラム20が牽引部材10の巻取り方向(矢印E1)に回転する。
これによってウインチ装置1によって牽引部材10がドラム20に巻き取られ、スロープ3を介して作業者が車椅子300を車両200の後部202に載せることができる。
【0049】
次に、第1ソレノイド部42のプランジャ42bを固定部42aから押し出すことによって係合部材42cを伝達ギヤ41の外周歯に噛み合わせて伝達ギヤ41をロックする。これによって、ドラム20の回転を規制することができる。
また、固定装置2から2つのベルト90が引き出され、それぞれの先端のフック90aが車椅子300の車輪302に係止される。なお、固定装置2の一例を
図20に示す。固定装置2は、例えば、2つのベルト90の各々を巻取りまたは繰り出し可能なドラム91と、ドラム91を駆動する駆動部92、ドラムの回転をロックするロック機構などを備える。また、固定装置2は、電動に限らなくてもよく、車椅子300を後側から引っ張るように係止できさえすればよい。
【0050】
このように、車椅子300を前側からウインチ装置1で係止し、後側から固定装置2で係止することによって、車両200内において固定することができる。
以上のように、ドラム20と駆動部30が、ドラム20の回転軸60方向に並列に配置されるため、ドラム20の回転軸60に対して垂直な方向Aにおけるウインチ装置1の全体の長さを短くすることができる。
そのため、車両200にウインチ装置1を設置した際に、ウインチ装置1の車体前後方向における長さを短くでき、車椅子300を配置するスペースを大きくすることができる。
また、クラッチ機構50とラチェット機構40を、ドラム20の回転軸60方向に並列に配置するため、ドラム20の回転軸60に対して垂直な方向におけるウインチ装置1の全体の長さをより短くすることができる。
【0051】
また、第1ソレノイド部42と第2ソレノイド部53は、ドラム20の回転軸60方向に沿って配置することができる。
【0052】
また、牽引部材10を巻き取る際には、駆動部30の駆動力がドラム20に伝達され、牽引部材10が繰り出される際には、駆動部30の駆動力がドラム20に伝達されないようにすることができる。
【0053】
また、クラッチピン51が回転軸60方向に沿って移動し、ピン51b(挿入部の一例)が第1貫通孔41aおよび第2貫通孔44bに挿入されることによって、ラチェット機構40からの駆動力がドラム20に伝達可能となることにより、ラチェット機構40を介して駆動部30による駆動力をドラム20に伝達する際に、駆動力の伝達および非伝達をクラッチ機構50によって切り換えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明のウインチ装置は、ドラムの回転軸に対して垂直な方向の長さを短くすることが可能な効果を有し、車椅子乗降補助装置などとして有用である。
【符号の説明】
【0055】
1 :ウインチ装置
10 :牽引部材
20 :ドラム
30 :駆動部
40 :ラチェット機構
41 :伝達ギヤ
42 :第1ソレノイド部
50 :クラッチ機構
60 :回転軸