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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】液体浄化装置
(51)【国際特許分類】
   B01J 19/08 20060101AFI20220901BHJP
   C02F 1/48 20060101ALI20220901BHJP
   C02F 1/28 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
B01J19/08 D
C02F1/48 A
C02F1/28 D
C02F1/28 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019240064
(22)【出願日】2019-12-30
(65)【公開番号】P2020163370
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-03-09
(31)【優先権主張番号】P 2019023243
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515171710
【氏名又は名称】鈴木 嗣生
(74)【代理人】
【識別番号】100092130
【弁理士】
【氏名又は名称】若原 誠一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英晃
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 嗣生
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-063526(JP,A)
【文献】特開平08-266896(JP,A)
【文献】特開2003-326156(JP,A)
【文献】登録実用新案第3014046(JP,U)
【文献】特開平02-303595(JP,A)
【文献】特開平09-253630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 10/00-12/02
B01J 14/00-19/32
C02F 1/46- 1/48
C02F 1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁石と、
当該磁石のN極及びS極のある2つの面の端面に隙間なく当接される活性炭と、
上記磁石の上記活性炭が当接していない面を覆い、しかも上記活性炭の上記磁石が当接していない面のうち上記N極付近の周囲及び上記S極付近の周囲を覆い、これら当該磁石から当該活性炭まで連続して覆い、弱磁性体、反磁性体、反弱磁性体または非磁性体よりなるカバー部材と、
これら磁石活性炭及びカバー部材の全体を40℃乃至100℃の液体に浸して、当該液体を浄化することを特徴とする液体浄化装置。
【請求項2】
上記カバー部材の透磁率は、上記活性炭の透磁率より低いことを特徴とする請求項記載の液体浄化装置。
【請求項3】
上記カバー部材は、上記活性炭を上記磁石の端面に当接した状態に保持することを特徴とする請求項記載の液体浄化装置。
【請求項4】
上記磁石には、強磁性体、常磁性体、フェリ磁性体、反強磁性体の磁石ではない金属、または上記磁石とは別の磁石が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の液体浄化装置。
【請求項5】
上記活性炭の太さまたは径は、上記磁石の太さまたは径にほぼ一致していることを特徴とする請求項記載の液体浄化装置。
【請求項6】
上記活性炭の長さは、上記磁石の長さまたは厚さより長いことを特徴とする請求項記載の液体浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体浄化装置に関し、特に水、アルコール、液体の油脂の中に含まれる無用な成分を除去する液体浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体浄化装置、例えば水浄化装置には種々のものが考えられてきている。例えば、トリハロメタン、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、藻、雑菌などを除去するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4631073号公報
【文献】特開平9-57278号公報
【文献】特開平9-103373号公報
【文献】特開平3-181383号公報
【文献】特開昭60-209292号公報
【文献】特開昭60-206484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、従来の液体浄化装置に比べて、トリハロメタン、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、藻、雑菌などを有効に除去できる液体浄化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため本発明の液体浄化装置は、 磁石と、 当該磁石のN極及びS極のある2つの面の端面に当接される活性炭と、 これら磁石及び活性炭の全体を40℃乃至100℃の液体に浸して、当該液体を浄化するようにした。
【発明の効果】
【0006】
これにより、この液体浄化装置の磁力と40℃乃至100℃で活性化された活性炭の吸着力によって、トリハロメタン、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、藻、雑菌を、浸した液体に対して、分解または除去できる。 この分解または除去して、浄化するのは、有害な物質、無害な物質、水・液体の味を劣化させるもの、消毒剤等の有用だが、飲用のときには無くてもよいものなども含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】液体浄化装置の外観を示す。
図2】液体浄化装置の断面を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(1)液体浄化装置
図1及び図2は、液体浄化装置を示す。磁石1は円柱状で、永久磁石であり、この円柱状の両端の2つの端面の一方がN極2で、他方の端面がS極3となっている。この磁石1は、ネオジムで、磁力が非常に強力で、保磁力が高く、磁束密度も非常に高い。この磁石1は、ネオジムのほか、アルニコ、フェライト、サマリウムコバルトなどでもよい。
【0009】
この磁石1のN極2の端面、S極3の端面には、活性炭4、5の端面が当接している。活性炭4、5は、吸着効率を高めるため、多孔質の炭素を主な成分とし、化学的または物理的な活性化または賦活が施され、上記多孔質の微細な穴に特定の物質を選択的に分離、除去、精製する。
【0010】
活性炭4、5は、水のような極性分子はあまり吸着せず、上記多孔質の小さな細孔より小さい粒状の有機物を選択的に吸着し易い。活性炭4、5は、棒状または円柱状で、この円柱状の端面はほぼ平面となっていて、N極2の端面、S極3の端面とは、活性炭4、5の端面が隙間なく当接している。しかし、これら端面の一部または全体にわたって、N極2及びS極3と活性炭4、5との間に隙間があってもよい。
【0011】
活性炭4、5の長手方向の長さ/厚さは、磁石1の同方向の長さ/厚さより長い。これにより、磁石1のN極2及びS極3からの磁力線・磁力が、活性炭4、5の中を十分に挿通するので、磁力が活性炭4、5内をよく挿通し、活性炭4、5に吸着されたトリハロメタン、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、藻、雑菌など、液体中内の不要・無用なものを磁力でよりよく分解できる。
【0012】
活性炭4、5の長手方向の直交する方向の太さ/径は、磁石1の同方向の太さ/径にほぼ一致している。これにより、磁石1のN極2及びS極3からの磁力線・磁力がすべて活性炭4、5の中を通り、磁石1の方が太いと、この磁力線・磁力を無駄に消費してしまうが、これがなくなり、トリハロメタン、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、藻、雑菌などの不要・無用なものを無駄なく分解できる。
【0013】
また、逆に、活性炭4、5の方が太いと、せっかく活性炭4、5に吸着されたトリハロメタン、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、藻、雑菌などの不要・無用なものに十分な磁力線・磁力をあてられないが、これがなくなり、不要・無用なものに十分な磁力線・磁力をあてて、トリハロメタン、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、藻、雑菌など(以下トリハロメタンなどという)の不要・無用なものを確実に分解できる。
【0014】
上記磁石1の底面の周囲には、板状の弱磁性体、反磁性体(反弱磁性体)または非磁性体の樹脂製のクッション材7が円筒状に巻かれ、このクッション材7の周囲にはアルミニウム製のカバー部材8が同じく円筒状に巻かれている。つまり、上記活性炭4、5が当接していない磁石1の面をカバー部材8及び/またはクッション材7が覆っている。
【0015】
このカバー部材8は、磁石1の周囲を覆い、弾力性を有し、弾性的に広がって変形して、磁石1及びクッション材7の周囲に嵌合され、これらを挟持している。クッション材7は、カバー部材8の圧力を受け止めて、活性炭4、5、磁石1が損傷するのを防止する。クッション材7は、無くてもよい。
【0016】
このため、上記活性炭4、5は上記磁石1の端面に当接した状態に保持されていて、活性炭4、5端面が磁石1のN極2端面、S極3端面から容易にはずれない。よって、活性炭4、5に吸着された上記トリハロメタンなどの液体中内の不要・無用なものに十分な磁力線・磁力をあてることができ、不要・無用なものの電子をやり取りして、上記トリハロメタンなどの液体中内の不要・無用なものを確実に分解・除去できる。
【0017】
カバー部材8、場合によってクッション材7は、アルミニウム製、樹脂製、その他の類似素材からなっていて、弱磁性体、反磁性体(反弱磁性体)、非磁性体からなっている。したがって、磁石1の磁力線・磁力がカバー部材8、クッション材7を通過しにくく、磁力線・磁力がカバー部材8、クッション材7に集中せず、同磁力線・磁力を活性炭4、5内に集中させることができて、活性炭4、5に吸着されたトリハロメタンなどの液体中内の不要・無用なものの電子のやり取りをして確実に分解・除去できる。
【0018】
カバー部材8・クッション材7の長さは、上記磁石1の長さ/厚さより長く、磁石1のN極2端面付近、S極3の端面付近をカバー部材8は確実に覆う。したがって、磁石1の磁力線・磁力が最も密集している極付近を、弱磁性体、反磁性体(反弱磁性体)、非磁性体で覆って、同磁力線・磁力を活性炭4、5内に集中させることができて、活性炭4、5に吸着されたトリハロメタンなどの液体中内の不要・無用なものの電子のやり取りをして確実に分解・除去できる。
【0019】
カバー部材8・クッション材7の長さが活性炭4、5の端まで達すると活性炭4、5の露出面積が減少して、活性炭4、5への液体中内の不要・無用なものの吸着量が減少してしまう。したがって、活性炭4、5の側面も露出していたほうがよい。
【0020】
カバー部材8・クッション材7が活性炭4、5を覆う量は、活性炭4、5の全長の1/10乃至9/10、望ましくは1.5/10乃至6/10、より望ましくは2/10乃至4/10ぐらいである。しかし、カバー部材8・クッション材7の長さが活性炭4、5の端まで達していてもよい。
【0021】
磁石1及び後述する第二実施形態の磁石は、常磁性体、フェリ磁性体、強磁性体、反強磁性体などからなり、弱磁性体、反磁性体、反弱磁性体、非磁性体以外の素材からなり、磁力を帯びやすく、強く磁化される。
【0022】
活性炭4、5、クッション材7、カバー部材8は、弱磁性体、反磁性体、反弱磁性体、非磁性体からなり、常磁性体、フェリ磁性体、強磁性体、反強磁性体以外の素材からなり、磁力を帯びにくく、磁化されにくい。活性炭4、5は、磁力を通すが、クッション材7、カバー部材8は磁力を通してもよいし、通さなくてもよい。
【0023】
活性炭4、5の長手方向は、元の木材の繊維の方向に一致している。これにより、トリハロメタンなどの液体中内の不要・無用なものが、活性炭4、5の元の木材の繊維の方向に沿って、入り込みやすく、液体中内の不要・無用なものを確実に分解・除去できる。むろん、活性炭4、5の長手方向は、元の木材の繊維の方向に一致していなくてもよい。
【0024】
上記水などの液体は40℃乃至100℃に加熱されている。これにより、常温に比べて、活性炭4、5及び磁石1の不要・無用なものを分解・除去する機能が活性化する。特に塩素は、水が40℃乃至100℃に加熱されることによって、電子のやり取りをしてほぼ完全に吸着・分解・除去でき、当該水の塩素をほぼ0%まで消去できる。むろん、トリハロメタン、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、藻、雑菌も、電子のやり取りをしてほぼ0%まで吸着・分解・除去できる。
【0025】
(2)第二実施形態
上記カバー部材8の磁石1とは反対側の外側には、ステンレスなどの磁石ではない金属が取り付けられる。このステンレスなどの磁石ではない金属は、カバー部材8の内側の磁石1の磁力によってカバー部材8の外側に吸着固定される。このステンレスなどの磁石ではない金属は、板状で、カバー部材8の外側の曲面に沿ってカーブしている。
【0026】
このステンレスなどの磁石ではない金属は、ステンレスのほか、鉄、ニッケル、クロム、コバルト、ネオジウム、アルニコ、フェライト、サマリウムコバルトなどの、強磁性体、常磁性体、フェリ磁性体、反強磁性体などでもよい。外部からの磁力によって磁化され、磁力を伝達したり、磁力を集中したりできる。これらを、以下、「強磁性体など」と総称する。
【0027】
このステンレスなどの磁石ではない金属は、磁石で代用することもできる。この場合の磁石も、カバー部材8の内側の磁石1の磁力によってカバー部材8の外側に吸着固定される。この磁石は、永久磁石のほか電磁石、超伝導電磁石などでもよい。また上記第一実施形態の磁石1と第二実施形態の磁石を「磁石1など」と総称する。
【0028】
これらステンレスには、装置が浸される液体の中の水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、トリハロメタン、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、藻、雑菌など、液体中内の不要・無用なものに対して、例えば酸化マグネシウム、マグネシウム、マグネシウム化合物、酸化ナトリウム、ナトリウム、ナトリウム化合物などが分解されて析出され、上記液体が浄化され、やがて無害な水となり、活性炭4、5の交換も不要となる。
【0029】
この場合、上記磁石1、上記カバー部材8の外側の磁石として、ネオジウム磁石をつかうことができる。水酸化マグネシウムの場合では、ステンレスの表面に酸化マグネシウム、マグネシウム、マグネシウム化合物が付着し、黒色の結晶を形成されラジカル水素が水中に溶解していると考えられる。
【0030】
上記塩素は、ハロゲン族元素の一つであり、常温では刺激臭のある黄緑色の気体であり、有毒な化学物質で、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)以外の元素と反応して、塩化物をつくり水素(H)とは特に良く結びつき、塩素と水素を混合すると光線のエネルギーを吸収して激しく化合して、塩化水素(HCl)が作られる。
【0031】
この塩化水素(HCl)が水に溶けると塩酸となる。酸化剤、漂白剤、飲料水の殺菌剤などの利用が多く見受けられる。この塩素から次亜塩素酸ナトリウムが作られ(NaHClO)、主に水道水の殺菌用に大量に使用されている。
【0032】
次亜塩素酸ナトリウム(NaHClO)の殺菌力は非常に強力である。一番難解な事は、この次亜塩素酸ナトリウムからトリハロメタンが作られ、水道水に含まれていることである。上記トリハロメタンは、水中の有機化合物(フミン酸)と塩素とが反応して有機化合物中の炭化水素(CH)のさらに小さな化合物メタン(CH4)とハロゲン類(塩素Cl、臭素Br、ヨウ素I)と結びついた物質(トリプル)三個のハロゲンとメタンの水素(H)と置き換わる反応で極めて有毒な物質が生成される。
【0033】
これがクロロホルムである。このクロロホルムは常温よりも高温での増加が認められている。クロロホルムは摂氏55度が最高価ではあるが、総トリハロメタンは摂氏70度で最高価となる。化学式は(CHCl3)である。
【0034】
この結果、塩素剤、塩素を使用するかぎり、トリハロメタンは生成される。しかし、塩素消毒を中止する事はできない。この有毒なトリハロメタンを20~30年と飲み続けることでアテローム性動脈硬化を進行させる。特に成人病にみられる血管病変脳卒中や心筋梗塞、発癌の誘因や、しみそばかす、しわなどの皮膚の老化現象も進行され、胎児の催奇形化が進む。
【0035】
本発明によって、(1)トリハロメタンが完全に化学分解が可能となった。 (2)その他の化学物質の分解も同時に処理される。例えば、塩素(Cl)、水酸化マグネシウム(MgCH)、水酸化ナトリウム(NaOH)などが分解処理される。 (3)摂氏40度~摂氏90度で加熱されるため、殺菌も同時に行われ、安全な水の飲用が可能になった。
【0036】
(4)料理、飲用水として、コーヒー、紅茶などに最適である。 (5)活性酸素が除去され、これにより体内に入ってから身体への負担が防止される。 (6)臭気が取れて美味しい水になる。 (7)低温時では原子は安定を保ち易く、高温時ではフリーラジカル化が起こり、反応が活性化され、これにより上記浄化の反応が可能となった。
【0037】
上記磁石1などのN極2などの端面とS極3などの端面との離間距離は、例えば1.0センチメートル乃至10センチメートル、望ましくは2.0センチメートル乃至7.5センチメートル、より望ましくは3.0センチメートル乃至5.0センチメートル、例えば3.5センチメートル乃至4.0センチメートルがよい。
【0038】
上記または下記各実施形態の一部を他の実施形態の一部に取り込んだり置き換えたり入れ替えたりしてもよいし、上述または後述の各実施形態の各部分の構成・構造は、上述または後述の他の実施形態の各部分の構成・構造にも、転用可能であるし、上述または後述の各実施形態の構成、作用、効果は、上述または後述の他の実施形態の構成、作用、効果としても、記載されているものとする。さらに、上述または後述の各実施形態で記載されていないことは、上述または後述の他の実施形態が参照される。
【0039】
(3)他の実施の形態・実施例
本発明は上記各実施例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で工程の一部省略可能である。例えば、上記活性炭4、5の太さ/径は、磁石1などの太さ/径より、細くてもよいし、太くてもよいし、ほぼ同じでもよい。また、活性炭4、5の長さ/厚さは、磁石1などの長さ/厚さより、長くてもよいし、短くてもよいし、ほぼ同じでもよい。
【0040】
活性炭4、5は、N極2とS極3、第二実施形態の磁石、磁石ではない強磁性体などにつき一体ずつではなく、1つのN極2またはS極3などにつき、複数本の活性炭が束ねられていてもよい。この場合、束ねられた活性炭の間に隙間が形成されてもよい。活性炭4、5は複数に枝別れしていてもよい。
【0041】
N極2など側の活性炭4またはS極3など側の活性炭5の一方のみ省略されてもよい。活性炭4、5は、まっすぐな円柱状のほか、曲がっていてもよく、直方体状、多面体状、円柱、楕円柱、角柱、半円柱、半楕円柱、半角柱、円錐台、角錐台、球、卵形、半球、半卵形、多面体、ひょうたん形、鋸歯状、その他の立体形状でもよい。
【0042】
磁石1、第二実施形態の磁石などは、円柱状で、磁石1などの太さ/径と長さ/厚さとは、ほぼ一致していたが、この太さ/径がこの長さ/厚さより大きくてもよいし、この長さ/厚さがこの太さ/径より大きくてもよい。この太さ/径がこの長さ/厚さより大きいと、液体浄化装置が小さくなって場所を取らない。この長さ/厚さがこの太さ/径より大きいと、N極2端面とS極3端面の距離が離れて磁力が打ち消しあうことが少なくなる。
【0043】
活性炭4、5の端面には、N極2またはS極3以外の箇所が当接しあったり向き合ったりしてもよい。磁石1、第二実施形態の磁石などは単体ではなく、複数でもよい。この複数の磁石1などは、N極2とS極3とが当接したり向き合ったりする。磁石1などのN極2またはS極3以外の箇所が当接しあったり向き合ったりしてもよい。
【0044】
複数の磁石1、第二実施形態の磁石などは、N極2どうし、またはS極3どうしが向き合ってもよい。このN極2どうし、またはS極3どうしが向き合う場合には、N極2どうし、またはS極3どうしの間、付近または周囲に活性炭4、5が配置される。この場合活性炭4、5は、リング状に成型されてもよい。
【0045】
磁石1、第二実施形態の磁石は、強磁性体、常磁性体、フェリ磁性体、反強磁性体などでもよいし、永久磁石のほか電磁石、超伝導電磁石でもよいし、磁石ではない強磁性体などの金属でもよい。この場合、磁石1などの全体がポリエチレン性のパック・袋で覆われるなどして、電気的絶縁がしっかりと行われる。
【0046】
磁石1、第二実施形態の磁石などは複数枚の磁石、例えば4枚が積層されてもよい。この場合、各磁石1などは、N極とS極とが接合するように互いに吸着され、両端のN極2とS極3とが離間され周囲への磁力が強力になる。しかし、上述のとおりN極2どうし、またはS極3どうしが向き合ってもよい。
【0047】
上記強磁性体、常磁性体、フェリ磁性体、反強磁性体は、鉄、ニッケル、コバルト、ネオジウム、アルニコ、フェライト、サマリウムコバルトおよびこれらを含む合金や酸化物の類などであり、磁力線・磁力に対して空気より密集度がかなり高まり、磁力による吸引または磁力をほぼそのままで伝達する物質を指す。
【0048】
第二実施形態の磁石または磁石ではない強磁性体などは、カバー部材8の外側のほか、カバー部材8の内側、クッション材7の外側、クッション材7の内側、活性炭4、5の先端の端面、活性炭4、5の側面、上面、下面、右面、左面、前面、後面、これらの中間面に接着手段によって設けられてもよいし、活性炭4、5の周囲、キャップ状、スリット状、点在状に設けられてもよいし、カバー部材8、クッション材7または活性炭4、5の周囲に沿って環状に形成されてもよいし、板状、棒状、線状、ブロック状、球状、半球状、網状、どのような形状でもよいし、磁石と磁石ではない強磁性体などとが混在してもよい。活性炭4、5は、枝分かれしてもよく、これに応じて第二実施形態の磁石または磁石ではない強磁性体などは多数設けられる。
【0049】
クッション材7は、樹脂製であるが、耐熱樹脂、紙、木材、ガラス、繊維、布、ゴム、スポンジ、ウレタン、カーボン、カーボンナノチューブ、カーボンファイバーなどでもよいし、銅、銀、金、亜鉛、クロム、すず、マンガン、タングステン、ビスマス、これらの合金などでもよい。
【0050】
クッション材7は、筒状のほか、螺旋状、網状、縦または横のスリット状でもよいし、縦または横に複数に分割されてもよいし、活性炭4、5の周囲の1/2乃至100/100つまり全周を覆うものでもよいし、全周以上の周回の長さでもよく、クッション材7はパイプでもよく、磁石1などを完全に覆って防水/密封する以外に、磁石1、N極2、S極3、第二実施形態の磁石の一部を露出させてもよい。
【0051】
磁石1などのN極2端面、S極3端面と、活性炭4、5の端面と、第二実施形態の磁石または磁石ではない強磁性体などの端面とは接着されてもよい。この場合、カバー部材8は省略される。この場合、磁石1などの磁力線・磁力を活性炭4、5に集中させる弱磁性体、反磁性体、反弱磁性体、非磁性体が磁石1などの周囲を覆う。
【0052】
磁石1、第二実施形態の磁石または磁石ではない強磁性体などの周囲全面または活性炭4、5に接する面以外は接着剤、その他の樹脂などで覆われ、これら磁石1などが水と直接接しないように防水処理され、磁石1などの側面とクッション材7またはカバー部材8とは隙間なく密着されてもよい。これにより、磁石1などの錆が防止される。この場合、この接着剤その他の樹脂などは、120℃以上の耐熱性でもよい。
【0053】
そして、カバー部材8は、活性炭4、5、磁石1、第二実施形態の磁石、磁石ではない強磁性体などを挟持するのではなく、これらに緩やかに巻かれるものとなる。弱磁性体、反磁性体、反弱磁性体、非磁性体は、磁力線・磁力に対して空気より密集度が不変、低くなるまたは逆向きとなる物質を指す。
【0054】
カバー部材8は、カーボン、カーボンナノチューブ、カーボンファイバー、アルミニウム、銅、銀、金、亜鉛、クロム、すず、マンガン、タングステン、ビスマス、これらの合金、木材、耐熱樹脂、硬質樹脂、軟質樹脂、樹脂、ガラス、繊維、布、ゴム、紙、スポンジ、ウレタンこれらの耐熱素材などでもよい。
【0055】
また、カバー部材8は、筒状のほか、螺旋状、網状、縦または横のスリット状でもよいし、縦または横に複数に分割されてもよいし、活性炭4、5の周囲の1/2乃至100/100つまり全周を覆うものでもよいし、全周以上の周回の長さでもよく、カバー部材8はパイプでもよく、磁石1などを完全に覆って防水/密封する以外に、磁石1、N極2、S極3、第二実施形態の磁石、磁石ではない強磁性体などの一部を露出させてもよい。
【0056】
活性炭4、5、磁石1、第二実施形態の磁石、磁石ではない強磁性体などは多段連結されてもよい。この場合、クッション材7及びカバー部材8は、各磁石1などを覆うように取り付けられる。本液体浄化装置は、ポットなどの水を入れた容器内に入れられて、水に浸されて、当該水が浄化されるが、液体の油、アルコールに浸されてもよく、同様にこの液体の油、アルコールが浄化される。
【0057】
上記アルコールは、メチルアルコール、エチルアルコール、プロパノール、ブタノール、ヘキサン、低級アルコール、高級アルコールなどがある。上記油脂は、オリーブ、ひまわり、綿実、米ぬか、菜種、やし、パーム、大豆、とうもろこし、ごま、ヘキサン等の植物種子や果実などの植物性由来でもよいが、動物性のものもふくまれてもよい。
【0058】
上記水、アルコールの液体には、水道水、河川湖沼の水、海水、ジュース、コーヒー、お茶、乳飲料、清涼飲料、果実飲料、酒、ビ-ルなども含まれる。上記液体には、水、アルコール、液体油脂などの混合物でもよい。本液体浄化装置は全長10cmほどであるが、小さくて微細で水道管内に配置できるものでもよいし、巨大な液体タンク内に収納できる全長数m乃至数十mあってもよい。水の温度は、40℃乃至100℃であるが、45℃乃至99℃でもよいし、50℃乃至98℃でもよい。
【0059】
カバー部材8・クッション材7の透磁率は、活性炭4、5の透磁率より低いまたは反対方向である。例えば、カバー部材8・クッション材7は反磁性体で、活性炭4、5は弱磁性体などである。これにより、磁石1などの磁力線・磁力が、カバー部材8・クッション材7より活性炭4、5により多く密集し、活性炭4、5の分解・除去能力がより向上する。むろん、カバー部材8・クッション材7の透磁率は、活性炭4、5の透磁率とほぼ同じまたは高くてもよい。
【0060】
反弱磁性体は、反磁性体とほぼ同義であるが、もし反磁性体が反弱磁性体のほか反強磁性体も含まれるのなら、この反強磁性体を除外したものが反弱磁性体または反磁性体である。非磁性体は、強い磁性を帯びない物質・物体を指し、常磁性体、フェリ磁性体、強磁性体、反強磁性以外の物質・物体を指す。
【0061】
磁石1、N極2、S極3、活性炭4、5、クッション材7、カバー部材8、第二実施形態の磁石、磁石ではない強磁性体など、液体浄化装置は、1つ、一層、一体、単数、単層でも複数、複数層でも3つ以上、三層以上でもよいし、単数でも複数でも3つ以上でもよいし、これらそれぞれの構成、動作、作用、工程または機能の一部または全体は省略されてもよいし、分割分離されてその数が増えても減ってもよいし、その形状は任意に変更可能であり、均等の他の物に置き換えられてもよいし、これらの2つまたは3つ以上が合体または一体化されて兼用されてもよいし、向きは図示のもののほか、90度、0度乃至180度、上下、左右、前後、表裏、手前、奥に傾斜/向きを変えて/反転されて使用されてもよく、それぞれの寸法の相対的大小は切り換えられてもよいし同じでもよく、一部または全部省略されてもよいし、形状は平坦、カーブしていてもよいし、凹凸があってもよいし、方形、長方形、正方形、三角形、円板、楕円板、多角形板、台形板、半楕円形、平行四辺形、菱形、多角形、三角形、台形、環形、半環形、星形、扇形、曲線形状、十字形、L字形、H字形、I字形、U字形、T字形、C字形、O字形、N字形、M字形、X字形、J字形、Y字形、E字形、F字形、S字形、V字形、曲面、角張った形状、直方体状、多面体状、円柱、楕円柱、角柱、半円柱、半楕円柱、半角柱、円錐台、角錐台、球、卵形、半球、半卵形、多面体、ひょうたん形、鋸歯状、その他の立体形状、これらの組み合わせ立体形状でもよく、角張った段差のある形状、丸みを帯びた段差のある形状、丸みを帯びた凹凸のある形状、これらの組み合わせ形状、段差状、網状、枠状、シート状、メッシュ状、ブラインド状、スリット状、多数の穴があいたもの、これらの中央等に穴があいたもの、これらの組み合わせ複合形などでもよいし、一部または全部省略されてもよいし、材質は金属製、木製、竹製、樹脂製、金属製、ガラス製、綿製、布製、糸製、繊維製、ゴム製、紙製、セラミック製、カーボン製、これらの合成物製/混合物製/多層積層物製でもよいし、透明でも、半透明でもよい。
【0062】
(4)他の発明の効果
[1]磁石と、 当該磁石のN極及びS極のある2つの面の端面に当接される活性炭と、 これら磁石及び活性炭の全体を40℃乃至100℃の液体に浸して、当該液体を浄化することを特徴とする液体浄化装置。これにより、トリハロメタン、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、藻、雑菌など、不要・無用なものが、活性炭の吸着力及び磁石の磁力によって電子のやり取りをして複合的に確実に吸着・除去・分解される。
【0063】
[2]上記磁石の上記活性炭が当接していない面をカバー部材が覆い、このカバー部材は、弱磁性体、反磁性体、反弱磁性体または非磁性体からなることを特徴とする請求項1記載の液体浄化装置。これにより、磁石の磁力を活性炭に集中させて磁石の効果を高めることができる。また、液体が40℃乃至100℃に温められて活性炭の透磁率があがりカバー部材の透磁率は変化せず磁石の磁力を活性炭により集中させることができる。
【0064】
[3]上記カバー部材の長さは、上記磁石の長さより長く、同磁石のN極付近またはS極付近の周囲は同カバー部材で覆われ、同磁石の磁力を活性炭に集中させることを特徴とする請求項2記載の液体浄化装置。これにより、磁石の極付近からの磁力の漏れを防ぎ磁石の効果を高めることができる。
【0065】
[4]上記カバー部材の透磁率は、上記活性炭の透磁率より低いことを特徴とする請求項3記載の液体浄化装置。これにより、上記磁石の磁力が、カバー部材より活性炭により多く密集し、活性炭の分解・除去能力がより向上する。
【0066】
[5]上記カバー部材は、上記活性炭を上記磁石の端面に当接した状態に保持することを特徴とする請求項4記載の液体浄化装置。これにより、活性炭と磁石とを接着する必要がなくなり、磁石と活性炭との間に隙間ができず、磁石の磁力を活性炭に集中させて電子のやり取りをして不要・無用なものを吸着・除去・分解できる。
【0067】
[6]上記磁石には、強磁性体、常磁性体、フェリ磁性体、反強磁性体の磁石ではない金属、または上記磁石とは別の磁石が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の液体浄化装置。これにより、これら強磁性体などに水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウムなどを析出させて、液体を浄化でき、また活性炭に印加される磁力を強力にして、液体の中の水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、トリハロメタン、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、藻、雑菌などの不要・無用なものを析出・分解・除去できる。
【0068】
[7]活性炭の太さまたは径は、磁石の太さまたは径にほぼ一致していることを特徴とする請求項5記載の液体浄化装置。これにより、磁石の極からの磁力がすべて活性炭の中を通り、磁石の方が太いと、この磁力を無駄に消費してしまうが、これがなくなり、液体中内の不要・無用なものを無駄なく除去できる。また、活性炭の方が太いと、せっかく活性炭に吸着された不要・無用なものに十分な磁力をあてられないが、これがなくなり、不要・無用なものに十分な磁力をあてて、不要・無用なものを確実に分解できる。
【0069】
[8]活性炭の長さは、磁石の長さまたは厚さより長いことを特徴とする請求項7記載の液体浄化装置。これにより、磁石の極からの磁力が活性炭の中を十分に挿通するので、活性炭に吸着されたトリハロメタンなど、液体中内の不要・無用なものを磁力でよりよく分解できる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
水などの液体の中のトリハロメタン、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、藻、雑菌などの不要・無用なものを分解・除去する。磁石1の両極の端面に活性炭4、5が当接し、磁石1の周囲が、弱磁性体、反磁性体、反弱磁性体または非磁性体からなるカバー部材8で覆われ、これが40℃乃至100℃の液体に浸される。
【0071】
これにより、活性炭4、5の中に磁力が集中し、トリハロメタン、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、藻、雑菌など、不要・無用なものが、40℃乃至100℃に活性化された活性炭4、5の吸着力及び磁石1の磁力によって電子のやり取りをして確実に吸着・除去・分解される。当該磁石1の側面に強磁性体を取り付けると、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウムなどが析出して液体が浄化される。
【符号の説明】
【0072】
1…磁石 2…N極
3…S極 4、5…活性炭
7…クッション材 8…カバー部材
図1
図2