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特許7133542ホイールローダ及びカウンタウェイトの取付位置変更方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】ホイールローダ及びカウンタウェイトの取付位置変更方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/18 20060101AFI20220901BHJP
   E02F 9/00 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
E02F9/18
E02F9/00 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019507610
(86)(22)【出願日】2018-03-15
(86)【国際出願番号】 JP2018010172
(87)【国際公開番号】W WO2018173914
(87)【国際公開日】2018-09-27
【審査請求日】2021-02-02
(31)【優先権主張番号】P 2017058482
(32)【優先日】2017-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】榊原 正英
(72)【発明者】
【氏名】内藤 亨
(72)【発明者】
【氏名】菊澤 遼平
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-166158(JP,A)
【文献】実開平02-103885(JP,U)
【文献】実開昭59-180969(JP,U)
【文献】特開平04-019244(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0153605(US,A1)
【文献】米国特許第08430427(US,B1)
【文献】特開2004-291694(JP,A)
【文献】実開昭62-190755(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/18
E02F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後板を有する車体フレームと、
前記後板に着脱可能に取り付けられる右カウンタウェイトと、
前記後板に着脱可能に取り付けられる左カウンタウェイトと、
を備え、
前記後板は、
前記車体フレームの車幅方向中央より右にある第1右位置に前記右カウンタウェイトを取り付けるための第1右カウンタウェイト用取付穴と、
前記車体フレームの車幅方向中央より左にある第1左位置に前記左カウンタウェイトを取り付けるための第1左カウンタウェイト用取付穴と、
前記第1右位置から車幅方向内側にオフセットした第2右位置に前記右カウンタウェイトを取り付けるための第2右カウンタウェイト用取付穴と、
前記第1左位置から車幅方向内側にオフセットした第2左位置に前記左カウンタウェイトを取り付けるための第2左カウンタウェイト用取付穴と、
を有
前記右カウンタウェイトは、前記第1右位置又は前記第2右位置に前記右カウンタウェイトを取り付けるための右ボルト挿通穴を有し、
前記左カウンタウェイトは、前記第1左位置又は前記第2左位置に前記左カウンタウェイトを取り付けるための左ボルト挿通穴を有する、
ホイールローダ。
【請求項2】
前記右カウンタウェイトに取り付けられる右リヤランプと、
前記右リヤランプに接続される右ハーネスと、
を備え、
前記車体フレームは、前記右ハーネスが挿通される右ハーネス挿通穴を有する右板を有する、
請求項に記載のホイールローダ。
【請求項3】
前記左カウンタウェイトに取り付けられる左リヤランプと、
前記左リヤランプに接続される左ハーネスと、
を備え、
前記車体フレームは、前記左ハーネスが挿通される左ハーネス挿通穴を有する左板を有する、
請求項1又は2に記載のホイールローダ。
【請求項4】
前記右カウンタウェイトに取り付けられる右リヤランプと、
前記左カウンタウェイトに取り付けられる左リヤランプと、
を備え、
前記右カウンタウェイトの正面視において、前記右リヤランプは、前記右カウンタウェイトの外縁の内側に位置し、
前記左カウンタウェイトの正面視において、前記左リヤランプは、前記左カウンタウェイトの外縁の内側に位置する、
請求項に記載のホイールローダ。
【請求項5】
後板を有する車体フレームと、
前記後板に着脱可能に取り付けられる右カウンタウェイトと、
前記後板に着脱可能に取り付けられる左カウンタウェイトと、
を備え、
前記後板は、
前記右カウンタウェイトを取り付けるための右カウンタウェイト用取付穴と、
前記左カウンタウェイトを取り付けるための左カウンタウェイト用取付穴と、
を有し、
前記右カウンタウェイトは、
前記車体フレームの車幅方向中央より右の第1右取付位置に前記右カウンタウェイトを取り付けるための第1右ボルト挿通穴と、
前記第1右位置から車幅方向内側にオフセットした第2右位置に前記右カウンタウェイトを取り付けるための第2右ボルト挿通穴と、
を有し、
前記左カウンタウェイトは、
前記車体フレームの車幅方向中央より左の第1左取付位置に、前記左カウンタウェイトを取り付けるための第1左ボルト挿通穴と、
前記第1左位置から車幅方向内側にオフセットした第2左位置に、前記左カウンタウェイトを取り付けるための第2左ボルト挿通穴と、
を有する、
ホイールローダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイールローダ及びカウンタウェイトの取付位置変更方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ホイールローダでは、バランスウエイトとしてのカウンタウェイトが車体フレームの後端部に取り付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-291694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、ホイールローダが使用されるシーンに応じて、カウンタウェイトの取付位置を変更したいという要請がある。
【0005】
本発明は、上述の状況に鑑みてなされたものであり、カウンタウェイトの取付位置を変更可能なホイールローダ及びカウンタウェイトの取付位置変更方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るホイールローダは、車体フレームと、車体フレームに着脱可能に取り付けられる右カウンタウェイトと、車体フレームに着脱可能に取り付けられる左カウンタウェイトとを備える。車体フレームは、右カウンタウェイトを取り付けるための第1右カウンタウェイト用取付穴と、右カウンタウェイトを取り付けるための第2右カウンタウェイト用取付穴と、左カウンタウェイトを取り付けるための第1左カウンタウェイト用取付穴と、左カウンタウェイトを取り付けるための第2左カウンタウェイト用取付穴とを有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カウンタウェイトの取付位置を変更可能なホイールローダ及びカウンタウェイトの取付位置変更方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ホイールローダの側面図
図2】ホイールローダの背面図
図3A】ホイールローダの背面図(カウンタウエイトの正面図)
図3B】ホイールローダの上面図
図4A】ホイールローダの背面図(カウンタウエイトの正面図)
図4B】ホイールローダの上面図
図5A図3AのA-A断面図
図5B図4AのB-B断面図
図6A】他の実施形態に係るホイールローダの背面図
図6B】他の実施形態に係るホイールローダの背面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(ホイールローダ1の構成)
図1は、実施形態に係るホイールローダ1を示す側面図である。以下の説明において、「右」「左」「前」「後」「上」「下」は、ホイールローダ1を操作するオペレータを基準とする用語である。また、「車幅方向」とは、「左右方向」と同義である。
【0010】
ホイールローダ1は、掘削した土砂等を運搬し、トラック等に積み込むために用いられる。ホイールローダ1は、フロントフレーム2、リヤフレーム3及びステアリングシリンダ4を備える。フロントフレーム2とリヤフレーム3は、ホイールローダ1の車体フレーム10を構成する。
【0011】
フロントフレーム2はピン(図示せず)を介してリアフレーム3に連結される。ステアリングシリンダ4を伸縮させることにより、フロントフレーム2は、リヤフレーム3に対して、所定のアーティキュレート角度範囲で揺動可能である。
【0012】
フロントフレーム2には、リフトシリンダ21及びブーム22が連結される。リフトシリンダ21が伸縮することによって、ブーム22とともにバケット24が上下動する。ブーム22には、チルトシリンダ23が連結される。チルトシリンダ23が伸縮することによって、ベルクランク25とリンク26を介してバケット24がチルト動作する。なお、バケット24は、ホイールローダ1に取り付けられる作業機の一例である。作業機としては、バケットのほか、フォーク、除雪ブレードなどが挙げられる。
【0013】
リヤフレーム3は、フロントフレーム2の後方に配置される。リヤフレーム3上には、キャブ31が配置される。リヤフレーム3は、図示しないエンジン、トランスミッション及び油圧ポンプなどを支持する。エンジンの駆動力は、図示しない駆動力伝達経路を介して、前輪20と後輪30に伝達される。
【0014】
リヤフレーム3の後端部には、右カウンタウェイト32及び左カウンタウェイト33がそれぞれ着脱可能に取り付けられている。ただし、図1では、左カウンタウェイト33のみが図示されている。
【0015】
(右カウンタウェイト32及び左カウンタウェイト33の取付位置)
右カウンタウェイト32及び左カウンタウェイト33の取付位置について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
図2は、ホイールローダ1の背面図である。図2では、車体フレーム10(具体的には、リヤフレーム3)から右カウンタウェイト32と左カウンタウェイト33とが取り外された状態が図示されている。
【0017】
図3Aは、右カウンタウェイト32が第1右位置に取り付けられ、左カウンタウェイト33が第1左位置に取り付けられたホイールローダ1の背面図である。図3Aは、カウンタウェイトの正面図にあたる。図3Bは、第1右位置に取り付けられた右カウンタウェイト32と、第1左位置に取り付けられた左カウンタウェイト33との上面図である。
【0018】
図4Aは、右カウンタウェイト32が第2右位置に取り付けられ、左カウンタウェイト33が第2左位置に取り付けられたホイールローダ1の背面図である。図4Aは、カウンタウェイトの正面図にあたる。図4Bは、第2右位置に取り付けられた右カウンタウェイト32と、第2左位置に取り付けられた左カウンタウェイト33との上面図である。
【0019】
図2に示すように、車体フレーム10は、後板11、右側板12、及び左側板13を有する。
【0020】
後板11、右側板12及び左側板13は、それぞれ板状に形成される。後板11は、車幅方向に沿って立設される。後板11は、車幅方向及び上下方向に延びる。後板11には、各カウンタウェイト32,33が当接する。右側板12及び左側板13は、それぞれ前後方向に沿って立設される。右側板12及び左側板13は、それぞれ前後方向及び上下方向に延びる。
【0021】
図2に示すように、後板11は、3つの第1右カウンタウェイト用取付穴32a、3つの第2右カウンタウェイト用取付穴32b、3つの第1左カウンタウェイト用取付穴33a、及び3つの第2左カウンタウェイト用取付穴33bを有する。
【0022】
各第1右カウンタウェイト用取付穴32aは、図3A及びBに示すように、右カウンタウェイト32を第1右位置に取り付けるために用いられる。第1右位置は、車体フレーム10の車幅方向中央を示す中央線CLより右に位置する。各第2右カウンタウェイト用取付穴32bは、図4A及びBに示すように、右カウンタウェイト32を第2右位置に取り付けるために用いられる。第2右位置は、中央線CLより右に位置する。図3A,Bと図4A,Bとを比較すると分かるように、第2右位置は、第1右位置から車幅方向内側にオフセットした位置にある。従って、図2に示すように、各第2右カウンタウェイト用取付穴32bは、車幅方向において、各第1右カウンタウェイト用取付穴32aの内側に位置する。本実施形態において、各第2右カウンタウェイト用取付穴32bは、各第1右カウンタウェイト用取付穴32aから車幅方向内側に平行移動した位置に形成されている。各第1右カウンタウェイト用取付穴32aと各第2右カウンタウェイト用取付穴32bとの間隔は特に制限されない。
【0023】
各第1左カウンタウェイト用取付穴33aは、図3A及びBに示すように、左カウンタウェイト33を第1左位置に取り付けるために用いられる。第1左位置は、車体フレーム10の車幅方向中央を示す中央線CLより左に位置する。各第2左カウンタウェイト用取付穴33bは、図4A及びBに示すように、左カウンタウェイト33を第2左位置に取り付けるために用いられる。第2左位置は、中央線CLより左に位置する。図3A,Bと図4A,Bとを比較すると分かるように、第2左位置は、第1左位置から車幅方向内側にオフセットした位置にある。従って、図2に示すように、各第2左カウンタウェイト用取付穴33bは、車幅方向において、各第1左カウンタウェイト用取付穴33aの内側に位置する。本実施形態において、各第2左カウンタウェイト用取付穴33bは、各第1左カウンタウェイト用取付穴33aから車幅方向内側に平行移動した位置に形成されている。各第1左カウンタウェイト用取付穴33aと各第2左カウンタウェイト用取付穴33bとの間隔は特に制限されない。
【0024】
第1右位置に取り付けられた右カウンタウェイト32(図3A,B参照)は、第2右位置に取り付けられた右カウンタウェイト32(図4A,B参照)よりも車幅方向外側に位置する。
【0025】
同様に、第1左位置に取り付けられた左カウンタウェイト33(図3A,B参照)は、第2左位置に取り付けられた左カウンタウェイト33(図4A,B参照)よりも車幅方向外側に位置する。
【0026】
また、図3A及び図4Aに示すように、右カウンタウェイト32には、3つの右ボルト挿通穴32cが形成されている。各右ボルト挿通穴32cには、各締結ボルト32dが挿通される。各第1右カウンタウェイト用取付穴32a、又は、各第2右カウンタウェイト用取付穴32bに各締結ボルト32dを締結することによって、右カウンタウェイト32が車体フレーム10に固定される。
【0027】
同様に、図3A及び図4Aに示すように、左カウンタウェイト33には、3つの左ボルト挿通穴33cが形成されている。各左ボルト挿通穴33cには、各締結ボルト33dが挿通される。各第1左カウンタウェイト用取付穴33a、又は、各第2左カウンタウェイト用取付穴33bに各締結ボルト33dを締結することによって、左カウンタウェイト33が車体フレーム10に固定される。
【0028】
また、右カウンタウェイト32には、右リヤランプ34が取り付けられている。本実施形態において、右リヤランプ34は、右カウンタウェイト32の後面に取り付けられている。右リヤランプ34は、図3A及び図4Aに示すように、右カウンタウェイト32を正面視した場合に、右カウンタウェイト32の外縁の内側に位置する。従って、右リヤランプ34は、右カウンタウェイト32の外側に突出していない。
【0029】
同様に、左カウンタウェイト33には、左リヤランプ35が取り付けられている。本実施形態において、左リヤランプ35は、左カウンタウェイト33の後面に取り付けられている。左リヤランプ35は、図3A及び図4Aに示すように、左カウンタウェイト33を正面視した場合に、左カウンタウェイト33の外縁の内側に位置する。従って、左リヤランプ35は、左カウンタウェイト33の外側に突出していない。
【0030】
なお、右リヤランプ34及び左リヤランプ35それぞれには、テールランプ(尾灯)、ウィンカー、バックランプ、及びブレーキランプを設置することができる。また、テールランプとブレーキランプには、共通のランプを用いてもよい。
【0031】
ここで、図3Aに示すように、右カウンタウェイト32が第1右位置に取り付けられ、左カウンタウェイト33が第1左位置に取り付けられた場合、車体の右最外側から右リヤランプ34の右外縁までの車幅方向における間隔W1は400mm以下であり、かつ、車体の左最外側から左リヤランプ35の左外縁までの車幅方向における間隔W2は400mm以下であることが好ましい。これによって、ホイールローダ1の視認性を向上させられとともに、公道走行のために各国の法令で義務づけられた自動車検査登録制度における保安基準を満たすことができる。
【0032】
一方、図4Aに示すように、右カウンタウェイト32が第2右位置に取り付けられた場合、車体の右最外側から右リヤランプ34の右外縁までの車幅方向における間隔W3は、間隔W1よりも大きい。間隔W3は、400mm以下であってもよいし、400mm超であってもよい。同様に、図4Aに示すように、左カウンタウェイト33が第2左位置に取り付けられた場合、車体の左最外側から左リヤランプ35の左外縁までの車幅方向における間隔W4は、間隔W2よりも大きい。間隔W2は、400mm以下であってもよいし、400mm超であってもよい。また、車体の右最外側はバケットの右縁であってもよく、同様に、車体の左最外側はバケットの左縁であってもよい。
【0033】
(右リヤランプ34の右ハーネス36)
次に、右リヤランプ34に接続された右ハーネス36の取り回しについて、図面を参照しながら説明する。図5Aは、図3AのA-A断面図である。図5Bは、図4AのB-B断面図である。
【0034】
図5A及びBに示すように、右リヤランプ34には、右ハーネス36が電気的に接続されている。右ハーネス36は、右カウンタウェイト32の内部に挿通されており、右カウンタウェイト32の前方に引き出されている。さらに、右ハーネス36は、右側板12に形成された右ハーネス挿通穴12aに挿通されている。
【0035】
右ハーネス挿通穴12aは、右側板12を貫通している。右ハーネス挿通穴12aは、車幅方向に沿って形成されている。そのため、右カウンタウェイト32が第1右位置と第2右位置のいずれに取り付けられていたとしても、右ハーネス36の取り回しのために右ハーネス挿通穴12aを共通利用することができる。
【0036】
なお、図5Bに示すように、右カウンタウェイト32が第2右位置に取り付けられている場合、右ハーネス36の余剰分は、右側板12の内側に収容することができる。
【0037】
また、図示しないが、左リヤランプ35に接続された左ハーネスも、右ハーネス36と同様、左側板13に形成された左ハーネス挿通穴に挿通されている。
【0038】
(右カウンタウェイト32及び左カウンタウェイト33の取付位置変更方法)
次に、右カウンタウェイト32及び左カウンタウェイト33の取付位置変更方法について説明する。ここでは、公道走行のために右カウンタウェイト32を第1右位置に取り付け、かつ、左カウンタウェイト33を第1左位置に取り付けた後、作業現場における作業効率向上のために右カウンタウェイト32を第2右位置に取り付け、かつ、左カウンタウェイト33を第2左位置に取り付ける場合について説明する。
【0039】
まず、車体フレーム10の各第1右カウンタウェイト用取付穴32aと右カウンタウェイト32の各右ボルト挿通穴32cとの位置を合わせて、各締結ボルト32dを各第1右カウンタウェイト用取付穴32aに締結する。
【0040】
続いて、車体フレーム10の各第1左カウンタウェイト用取付穴33aと左カウンタウェイト33の各左ボルト挿通穴33cとの位置を合わせて、各締結ボルト33dを各第1左カウンタウェイト用取付穴33aに締結する。
【0041】
以上により、右カウンタウェイト32が第1右位置に取り付けられ、左カウンタウェイト33が第1左位置に取り付けられる。これにより、保安基準を満たした状態で公道走行することができる。
【0042】
次に、作業現場に到着した後、各締結ボルト32dと各締結ボルト33dを抜き取ることによって、車体フレーム10から各カウンタウェイト32,33を取り外す。
【0043】
続いて、車体フレーム10の各第2右カウンタウェイト用取付穴32bと右カウンタウェイト32の各右ボルト挿通穴32cとの位置を合わせて、各締結ボルト32dを各第2右カウンタウェイト用取付穴32aに締結する。
【0044】
さらに、車体フレーム10の各第2左カウンタウェイト用取付穴33bと左カウンタウェイト33の各左ボルト挿通穴33cとの位置を合わせて、各締結ボルト33dを各第2左カウンタウェイト用取付穴33bに締結する。
【0045】
以上により、右カウンタウェイト32が第2右位置に取り付けられ、左カウンタウェイト33が第2左位置に取り付けられる。これにより、作業現場において各カウンタウェイト32,33が周辺の構造物などと干渉することを抑制できるため、作業効率を向上させることができる。
【0046】
(特徴)
(1)車体フレーム10は、中央線CLより右にある第1右位置に右カウンタウェイト32を取り付けるための第1右カウンタウェイト用取付穴32a、第1右位置から車幅方向内側にオフセットした第2右位置に右カウンタウェイト32を取り付けるための第2右カウンタウェイト用取付穴32b、中央線CLより左にある第1左位置に左カウンタウェイト33を取り付けるための第1左カウンタウェイト用取付穴33a、及び、第1左位置から車幅方向内側にオフセットした第2左位置に左カウンタウェイト33を取り付けるための第2左カウンタウェイト用取付穴33bを有する。
【0047】
従って、ホイールローダ1が使用されるシーンに応じて、各カウンタウェイト32,33を車幅方向において移動させることができる。そのため、保安基準を満たして公道走行する場合と作業現場で作業する場合とに合わせて、各カウンタウェイト32,33の取付位置を変更することができる。
【0048】
(2)車体フレーム10の右側板12は、右ハーネス36が挿通される右ハーネス挿通穴12aを有する。
【0049】
従って、右カウンタウェイト32の取付位置を変更しても、右ハーネス36の取り回しのために右ハーネス挿通穴12aを共通利用することができる。
【0050】
この効果は、左ハーネスが挿通される左ハーネス挿通穴を左側板13に形成することによっても、同様に得られる。
【0051】
(3)右リヤランプ34は、右カウンタウェイト32を正面視した場合に、右カウンタウェイト32の外縁の内側に位置する。
【0052】
従って、右リヤランプ34が右カウンタウェイト32の外側に突出している場合に比べて、右リヤランプ34が周辺の構造物などと接触して破損することを抑制できる。
【0053】
この効果は、左リヤランプ35が左カウンタウェイト33の外縁の内側に位置することによっても、同様に得られる。
【0054】
(他の実施形態)
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
【0055】
上記実施形態において、後板11には、第1右カウンタウェイト用取付穴32a、第2右カウンタウェイト用取付穴32b、第1左カウンタウェイト用取付穴33a及び第2左カウンタウェイト用取付穴33bそれぞれが3つずつ形成されることとしたが、これに限られるものではない。各取付穴の個数は特に制限されるものではなく、各取付穴ごとに個数が異なっていてもよい。ただし、少なくとも2つ以上の取付穴によって、各カウンタウエイトが取り付けられることが好ましい。
【0056】
上記実施形態において、右リヤランプ34は、右カウンタウェイト32の後面に取り付けられることとしたが、これに限られるものではない。例えば、右リヤランプ34は、右カウンタウェイト32の後面に形成された凹部内に配置されていてもよい。また、右リヤランプ34は、右カウンタウェイト32の上面、下面、又は側面に取り付けられていてもよい。同様に、上記実施形態において、左リヤランプ35は、左カウンタウェイト33の後面に取り付けられることとしたが、これに限られるものではない。
【0057】
上記実施形態では、各カウンタウェイト32,33がボルト挿通穴を1種類ずつ有し、かつ、リヤフレーム3の後板11が左右の取付穴を2種類ずつ有することとしたが、これに限られるものではない。後板11が左右の取付穴を1種類ずつ有し、かつ、各カウンタウェイト32,33がボルト挿通穴を2種類ずつ有していてもよい。
【0058】
具体的には、図6Aに示すように、後板11は、3つの右カウンタウェイト用取付穴32eと、3つの左カウンタウェイト用取付穴33eとを有する。図6Bに示すように、右カウンタウェイト32は、3つの第1右ボルト挿通穴32fと、3つの第2右ボルト挿通穴32gとを有する。各第1右ボルト挿通穴32fは、右カウンタウェイト32を第1右位置(図3参照)に取り付ける際に用いられ、各第2右ボルト挿通穴32gは、右カウンタウェイト32を第2右位置(図4参照)に取り付ける際に用いられる。また、図6Bに示すように、左カウンタウェイト33は、3つの第1左ボルト挿通穴33fと、3つの第2左ボルト挿通穴33gとを有する。各第1左ボルト挿通穴33fは、左カウンタウェイト33を第1左位置(図3参照)に取り付ける際に用いられ、各第2左ボルト挿通穴33gは、左カウンタウェイト33を第2左位置(図4参照)に取り付ける際に用いられる。
【0059】
このように、後板11が左右の取付穴を1種類ずつ有し、かつ、各カウンタウェイト32,33がボルト挿通穴を2種類ずつ有する場合であっても、ホイールローダ1が使用されるシーンに応じて、各カウンタウェイト32,33の取付位置を変更することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 ホイールローダ
10 車体フレーム
11 後板
12 右側板
13 左側板
13a 左ハーネス挿通穴
24 バケット
32 右カウンタウェイト
32a 第1右カウンタウェイト用取付穴
32b 第2右カウンタウェイト用取付穴
33 左カウンタウェイト
33a 第1左カウンタウェイト用取付穴
33b 第2左カウンタウェイト用取付穴
34 右リヤランプ
35 左リヤランプ
36 右ハーネス
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B