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特許7133546ゲーミングイベントをシミュレーションするための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】ゲーミングイベントをシミュレーションするための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/211 20140101AFI20220901BHJP
   A63B 69/36 20060101ALI20220901BHJP
   A63F 13/812 20140101ALI20220901BHJP
   A63F 13/24 20140101ALI20220901BHJP
   A63F 13/573 20140101ALI20220901BHJP
【FI】
A63F13/211
A63B69/36 Z
A63B69/36 541Z
A63F13/812 C
A63F13/24
A63F13/573
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019518194
(86)(22)【出願日】2017-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 US2017041839
(87)【国際公開番号】W WO2018052514
(87)【国際公開日】2018-03-22
【審査請求日】2020-05-15
(31)【優先権主張番号】15/462,411
(32)【優先日】2017-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518444808
【氏名又は名称】リッキー,ブレット
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】特許業務法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リッキー,ブレット
【審査官】早川 貴之
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第103083886(CN,A)
【文献】特開2004-113689(JP,A)
【文献】特開2016-116745(JP,A)
【文献】特開2013-017737(JP,A)
【文献】特開2012-100809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
A63B 69/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯ゲーム装置の動きに関する加速度データおよび角回転データを検出および生成するように構成された、携帯ゲーム装置に関連する慣性計測装置(「IMU」)と、
生成された前記加速度データおよび前記角回転データを受信するために、前記IMUと通信する前記携帯ゲーム装置内に配置されたプロセッサであって、前記携帯ゲーム装置の動きに関連する現在の経路データを決定するために、生成された前記加速度データおよび前記角回転データを使用するようにプログラムされる、前記プロセッサと、
記プロセッサと通信する画像センサと、前記画像センサから変位した画像ターゲット部材とを含む、前記携帯ゲーム装置に関連する光学アセンブリであって、前記画像センサは、前記画像ターゲット部材の空間位置を示す画像ターゲットデータを生成するように構成された光学アセンブリと、を有し、
前記携帯ゲーム装置の動きにより仮想的に衝撃を受ける前記画像ターゲット部材の仮想軌道を決定するために、生成された前記加速度データおよび前記角回転データおよび生成された前記画像ターゲットデータを使用するように、前記プロセッサは、プログラムされ、
前記携帯ゲーム装置は、
対向する下端および上端を有し、前記下端および前記上端の間の内部領域を画定する細長いシャフトハウジングと、
前記シャフトハウジングの前記下端に結合され、開放空間を画定するヘッドハウジングであって、前記シャフトハウジングの下部は、前記開放空間に位置する、ヘッドハウジングと、
バッテリと、
前記シャフトハウジングの外面に結合され、前記バッテリに電気的に接続される入力部材であって、クラブ選択データを受信するように構成される前記入力部材と、
を含む、
ゲーミングイベントをシミュレーションするための装置。
【請求項2】
前記慣性計測装置は、
加速度を検出して、前記加速度データを生成するように構成された少なくとも1つの加速度計と、
回転運動を検出して、前記角回転データを生成するように構成されたジャイロスコープセンサと、
空間的定位を検出して、方向データを生成するように構成された磁力計センサと、
を有する、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの加速度計は、直線加速度計、および、並進力または非重力による力を検出する加速度計のうちの1つであり、
前記ジャイロスコープセンサは、回転のピッチ、ヨーイング、およびロールの属性を検出するように構成される、
請求項2に記載のシミュレーション装置。
【請求項4】
前記画像センサは、1秒あたり所定数のスナップ写真を撮り、前記スナップ写真に関連する画像データを生成するように構成されたカメラであり、
前記画像ターゲット部材は、前記画像センサにより、それぞれのスナップ写真が撮られたとき、前記携帯ゲーム装置の動きにより仮想的に衝撃を受ける瞬間を示す目印である、
請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項5】
グラフィックユーザインターフェースを提供するように構成された、前記プロセッサとデータ通信するデジタルディスプレイを更に備える、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記IMUによって収集された前記加速度データおよび前記角回転データに基づいて、前記光学アセンブリによって決定される衝突の瞬間の前後の、前記携帯ゲーム装置の実際の動きにより仮想的に衝撃を受ける仮想のターゲットオブジェクトの軌道を決定するようにプログラムされ、
前記プロセッサは、前記決定された軌道を示すデータを、前記デジタルディスプレイに表示するようにプログラムされる、請求項5に記載のシミュレーション装置。
【請求項7】
前記携帯ゲーム装置に結合された電子モジュールであって、前記プロセッサおよび前記IMUを含む前記電子モジュールを更に備える、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項8】
ユーザからの入力データを受信するように構成された、前記携帯ゲーム装置に結合された入力部材を更に備え、
前記入力部材は、
グラフィックユーザインターフェースを提供するように構成されたデジタルディスプレイと、
ユーザによって供給されたデータを受信するように構成されたデータ入力コンポーネントと、
前記ユーザによって供給されたデータ、およびプログラミング命令を格納するように構成された不揮発性メモリと、を含み、
前記プロセッサは、前記メモリとデータ通信し、前記プログラミング命令を実行するように構成される、請求項1に記載のシミュレーション装置
【請求項9】
前記メモリ内のプログラミング命令は、前記プロセッサによって実行されたとき、前記プロセッサに、前記軌道を示すデジタルデータを前記デジタルディスプレイに表示させる、請求項8に記載のシミュレーション装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記IMUおよび前記光学アセンブリを介して、前記携帯ゲーム装置の方向が、前記携帯ゲーム装置に関連する所定の方向データに一致するか否かを決定し、一致する場合、肯定的なしるしを前記デジタルディスプレイに表示するようにプログラムされる、請求項8に記載のシミュレーション装置。
【請求項11】
前記シャフトハウジングに結合され、前記バッテリに電気的に接続された電子モジュールであって、前記プロセッサと前記IMUを含む前記電子モジュールを更に備える、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記加速度データ、前記角回転データ、および前記光学アセンブリからのデータを使用して、前記シャフトハウジングの実際のスイングにより衝撃を受ける仮想ゴルフボールの前記軌道を決定する、請求項11に記載のシミュレーション装置。
【請求項13】
前記携帯ゲーム装置に関連し、前記IMUと通信する触覚部材を備え、
生成された前記加速度データおよび前記角回転データが、前記携帯ゲーム装置の動きを示す場合、前記IMUは、振動活性化信号または音響活性化信号のうちの一方を生成するように構成され、
前記振動または前記音響活性化信号をそれぞれ受信すると、前記触覚部材は、音または振動出力のうちの一方を引き起こすよう作動される、請求項1に記載のシミュレーション装置。
【請求項14】
前記データ入力コンポーネントは、前記プロセッサとデータ通信するマイクロホンを含む、請求項8に記載のシミュレーション装置。
【請求項15】
対向する下端および上端を有し、前記下端および前記上端の間の内部領域を画定する細長いシャフトハウジングと、前記シャフトハウジングの前記下端に結合され、開放空間を画定するヘッドハウジングであって、前記シャフトハウジングの下部は、前記開放空間に位置する、ヘッドハウジングと、バッテリと、前記シャフトハウジングの外面に結合され、前記バッテリに電気的に接続される入力部材であって、クラブ選択データを受信するように構成される前記入力部材と、を有する携帯ゲーム装置に関連する慣性計測装置(「IMU」)を介して、前記携帯ゲーム装置の加速度データおよび角回転データを、検出し生成することと、
生成された前記加速度データおよび前記角回転データを受信するために、前記IMUと通信する前記携帯ゲーム装置内に配置されたプロセッサが、生成された前記加速度データおよび前記角回転データを使用して、前記携帯ゲーム装置の動きに関連する現在の経路データを決定することと、
前記携帯ゲーム装置に関連する光学アセンブリを介して、画像ターゲット部材の空間位置を示す画像ターゲットデータを生成することであって、前記光学アセンブリは、記プロセッサとデータ通信する画像センサを含み、前記画像センサから変位する画像ターゲット部材を含む、生成することと、
前記プロセッサが、生成された前記加速度データおよび前記角回転データ、および生成された前記画像ターゲットデータを使用して、前記携帯ゲーム装置の動きにより仮想的に衝撃を受ける前記画像ターゲット部材の仮想軌道を決定すること、とを備えるゲーミングイベントをシミュレーションするための方法。
【請求項16】
前記慣性計測装置は、
加速度を検出して、前記加速度データを生成するように構成された少なくとも1つの加速度計と、
回転運動を検出して、前記角回転データを生成するように構成されたジャイロスコープセンサと、
空間的定位を検出して、方向データを生成するように構成された磁力計センサと、
を含む、請求項15に記載のゲーミングイベントをシミュレーションするための方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの加速度計は、直線加速度計、および、並進力または非重力による力を検出する加速度計のうちの1つであり、
前記ジャイロスコープセンサは、回転のピッチ、ヨーイング、およびロールの属性を検出するように構成される、
請求項16に記載のゲーミングイベントをシミュレーションするための方法。
【請求項18】
前記画像センサは、1秒あたり所定数のスナップ写真を撮り、前記スナップ写真に関連する画像データを生成するように構成されたカメラであり、
前記画像センサにより、それぞれのスナップ写真が撮られたとき、前記画像ターゲット部材は、前記携帯ゲーム装置の動きにより仮想的に衝撃を受ける瞬間を示す目印である、
請求項15に記載のゲーミングイベントをシミュレーションするための方法。
【請求項19】
作動時に振動するかまたは音を発するように構成され、前記携帯ゲーム装置に結合された触覚部材を提供することと、
生成された前記加速度データおよび前記角回転データが、前記携帯ゲーム装置の動きを示す場合、前記プロセッサが、活性化信号を生成することと、
前記活性化信号が生成されたとき、前記プロセッサが、前記触覚部材を作動させることと、
を備える請求項15に記載のゲーミングイベントをシミュレーションするための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、ゴルフクラブシミュレーション装置という名称の、2016年6月14日に出願された米国特許出願第15/182,146号の利益を主張し、米国特許出願第15/182,146号は、2015年2月3日に出願された、ゴルフクラブシミュレーション装置という名称の米国特許出願第14/613,160号の利益を主張し、米国特許出願第14/613,160号は、2014年2月3日に出願された、ゴルフクラブシミュレーション装置という名称の米国特許仮出願第61/935,064号の利益を主張し、先行出願全体のそれぞれが、本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般に、スポーツ用具シミュレータに関し、より具体的には、例示的な実施形態において、ゴルフクラブシャフトおよびシミュレーション装置等の携帯ゲーム装置を使用して、現実的なスポーツ体験を提供する電子シミュレーション装置に関する。
【0003】
スポーツ関連のビデオゲームシステムの市場は巨大であり、世界中に12億の電子ゲーマーが存在し、7億人は、オンラインゲームをプレイし、推定1億2000万人が、1週間に1回以上、ゴルフ関連ゲームをプレイする。「ゲーム」を考えるときに、最初に思い浮かぶのはスポーツ関連ゲームだが、ゲーマーが物を振る必要がある、非スポーツ関連のゲームもまた人気がある。例えば、ゲームは、斧、刀、武器等のスイングをシミュレートしてもよい。しかしながら、スポーツは良い例を提供し、以下の記載においてより具体的に参照される。
【0004】
したがって、実際にスポーツを試み、スポーツのスキルおよび技術に関してユーザを訓練するように実際にゲーマーに影響を与える方法および装置を有することが望ましいであろう。本開示を通して参照される例示的な実施形態において、スポーツシミュレーションのスリルと、実際のゴルフクラブを実際にスイングするという物理的経験とを組み合わせたゴルフクラブシミュレーション装置を有することが望ましいであろう。更に、選択されたクラブの実際の感触をシミュレートするように、重量配分およびシャフトの柔軟性/曲げを変えることができるゴルフクラブシミュレーション装置を有することが望ましいであろう。更に、天井の高の制限なしに、屋内でスイングできる固定長クラブ(または限られた可変長クラブ)のみを使用しながら、選択可能な数のクラブの各々について、ユーザに、適切なシャフト配向角度を訓練するゴルフクラブシミュレーション装置を有することが望ましいであろう。
【0005】
ゴルフは、人気のあるゲームだが、実際に、ゴルフコースで実際ゴルフを楽しむ人の数は、近年、下記の多くの理由で停滞している:(1)重要な練習やゲームプレイなしで、ゲームをすることの難しいこと、および(2)適切なスイングテクニックを習得するために、かなりの時間が必要であること等。従来のインターフェース(マウスクリックやジョイスティックなど)を利用して、カジュアルなビデオゲームを単にプレイするだけでは、ゲーマーに実際のゲームスキルを上達させて、ゴルフ場に出かけて、ゲームをプレイするように促す、現実的なスイングテクニックは身につかない。
【0006】
従来のゴルフシミュレータは、コンピュータソフトウェアを介してや、棒状の道具の性質を持つ携帯端末を使用して、ゴルフゲームをシミュレーションするよう試みた。意図した目的にはおそらく効果的だが、既存の装置は、それぞれのゴルフコースの視覚的表現、予想される風および地理的条件、ならびにシミュレートされたゴルフクラブをスイングするタイミングに焦点を合わせている。既存のゴルフシミュレーション製品では、ユーザは、実際の長さ、重さ、スイング速度/抵抗、およびゴルフボールを実際に打ったときの衝撃を感じ、経験することができない。例えば、スマートフォン、オンラインゲーム、コンソールゲームなどのカジュアルなビデオゲームは、本物のゴルフゲームのスキルを教えたり、ゲーマーに本物のゴルフクラブで実際にゲームをプレイさせるのに効果的ではない。逆に、ゴルフスイング練習器具は、カメラを含む光学技術と共に本物のクラブの使用を必要とする。
【0007】
電子ゴルフゲームの1つの大きな制限は、ゴルフクラブの「仮想スイング」により突かれたゴルフボールの実際の軌道を計算し、示すことができないことである。つまり、仮に、実際のシャフトまたは棒状の道具が、スィングされ、キーボードのボタンを押すかマウスをクリックするだけで、ボールを打つことができる場合、速度、角度、回転、および他のパラメータは、キャプチャおよび、計算されず、仮想のターゲットオブジェクト(この場合はゴルフボール)との衝突に適用されない。
【0008】
したがって、ゲーム機の加速度データおよび角回転データの比率を検出および生成するように構成された慣性計測装置(「IMU」)を有するゲーミングイベント(ゴルフなどの)をシミュレーションするための方法および装置を有することが望ましいであろう。例示的な実施形態において、ゲーム機は、ゴルフクラブを示すシャフトであってもよい。更に、IMUと通信する画像センサと、画像センサから変位したターゲットオブジェクトを含むゲーム機に関連する光学アセンブリを有するゲーミングイベントをシミュレーションするための方法および装置を有することが望ましいであろう。画像センサおよびIMUデータは、ゲーム機(例えばゴルフクラブ)によって衝突され、作用されたターゲットオブジェクトの仮想軌道を計算するために、使用されてもよい。
【発明の概要】
【0009】
本発明によるゲーミングイベントをシミュレーションするための方法および装置は、モバイルデバイスでのカジュアルゲーム、コンソールゲーム等をユーザがやり取りする方法を変え、実際にスポーツに参加する様ゲーマーに影響を与えることを目標とする。シミュレーションされているスポーツやスポーツ用品の実際の感覚を取り入れることによって、本発明は、今日存在する何千ものIOS、アンドロイド、およびコンソールゲームを使用して、利用可能である。例えば、ゴルフ体験が実施される場合、本発明は、以下に記載する、ボールの飛行モデル、実際のクラブの感触、クラブの位置角度センサ、ボールの衝撃感覚、および他の触覚機能を含む。シミュレーションするための装置および方法は、(1)オンボードディスプレー画面、および(2)IOS、アンドロイド、タブレット、コンソール、パーソナルコンピュータ、ノート型パソコン、クラウドベースのゲームなどの、遠隔電子装置上のゲームプラットフォーム等の2つの視覚媒体とやりとりするように設計される。ブルートゥース(登録商標)などの無線通信を介して、シミュレーションするための装置および方法は、上記2つの視覚媒体と通信する。具体的には、本発明の目的は、「ゲーマーをゴルファーに変える」こと、より一般的には、ゲーマーを、シミュレーションされているそれぞれのスポーツの愛好家に変えることである。本発明による装置は、ジョイスティックなどの従来のビデオゲームコントローラを、マイナーな触覚反応(振動や音)、コンピュータマウス、モバイルタッチスクリーンインタフェース、さらには、Wii(商標)等のカメラに置き換えることを目的としている。既存のゲームインターフェースは、現実的な感触のインタラクティブインターフェースを持たない。
【0010】
専用の旅行を行ったり、ゴルフ練習場での屈辱を味わうことなく、初心者でも少しプレイして、頻繁に戻ってこられるよう、本装置は、家庭での使用を可能にする。更に、米国内の熱心なゴルファー(約620万人)は、本装置を屋内外で使用することができ、使用に対するフィードバックにより、熱心なゴルファーは、スイングを変更したり、練習したり、改善することができる。
【0011】
本発明によると、ゲーム機内の電子モジュールは、加速運動、角運動を検出するための慣性計測装置(「IMU」)と、衝突の瞬間を、最適に計算し、仮想ゴルフボールまたは他の仮想的なオブジェクトの仮想軌道を予測するための光学アセンブリを含んでもよい。ターゲットオブジェクトの仮想軌道は、ゲーム機自体の上、コンピュータの上、またはテレビのディスプレイの上のいずれかの表示画面上に表示されてもよい。シャフトハウジングがスイングを示しているとき、振動または音響要素などの触覚部材が、シャフトハウジング内に配置され、ボールの衝突をシミュレーションするように作動される。
【0012】
本明細書に提示される技術は、既存および将来の電子ゲームシステムに統合されるソフトウェア開発モジュールまたはキットを含んでもよいことが理解される。
【0013】
したがって、本発明の一般的な目的は、スポーツ関連装置(以降「携帯ゲーム装置」と称する)をスイングする経験と、それぞれのゲーミングイベントをシミュレーションするビデオゲームの楽しみを組み合わせた、ゲーミングイベントをシミュレーションするための方法および装置を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、前述のように、携帯ゲーム装置が、加速度データおよび角回転データの比率を検出し、生成する慣性計測装置(「IMU」)を含む、ゲーミングイベントをシミュレーションするための方法および装置を提供することである。本発明のさらに他の目的は、前述のように、クラブのゴルフスイングが実行される場合、振動や音などの触覚要素を利用して、携帯ゲーム装置が、ターゲットオブジェクト(例えば、仮想ゴルフボール)との作用(例えば、衝突)をシミュレーションする、ゲーミングイベントをシミュレーションするための方法および装置を提供することである。本発明のさらに他の目的は、前述のように、IMUとデータ通信する画像センサと、画像センサから変位された画像ターゲット部材を有する光学アセンブリを備える、ゲーミングイベントをシミュレーションするための方法および装置を提供することであって、画像センサは、画像ターゲット部材の空間位置を示す画像ターゲットデータを生成するように構成される。本発明の特定の目的は、前述のように、生成された加速度データ、角回転データ、および画像ターゲットデータは、共に、ゲーム機の動き(例えばクラブによる衝撃)により実質的に衝突を受けた画像ターゲットの仮想軌道の計算を可能にする、ゲーミングイベントをシミュレーションするための方法および装置を提供することである。本発明の他の目的および利点は、添付の図面と関連する以下の記載から明らかになり、添付の図面は、例示および例として本発明の実施形態として示されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1aは、慣性計測装置および光学アセンブリと共に使用される、本発明の好ましい実施形態によるゴルフクラブシミュレーション装置の概略図である。 図1bは、慣性計測装置(IMU)と共に使用される、図1aと同様のゴルフクラブシミュレーション装置の別の概略図である。
図2図2は、本発明による入力アセンブリのブロック図である。
図3図3は、図2と同様の慣性計測装置(「IMU」)のブロック図である。
図4図4は、本発明によるゴルフクラブシミュレーション装置の透視図である。
図5図5aは、図4と同様のゴルフクラブシミュレーション装置の上面図である。 図5bは、図5aと同様のゴルフクラブシミュレーション装置の側面図である。 図5cは、図5aの5c-5c線による断面図である。 図5dは、図4と同様のヘッドハウジングの上面図である。
図6図6は、図4と同様のゴルフクラブシミュレーション装置の分解図である。
図7図7aは、図6と同様の入力アセンブリの上面図である。 図7bは、図7aと同様の入力アセンブリの側面図である。 図7cは、図7bと同様の入力アセンブリの透視図である。
図8図8aは、図6と同様のグリップ部材の側面図である。 図8bは、図8aと同様のグリップ部材の透視図である。 図8cは、図8aと同様のグリップ部材の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付の図面の図1aから8cを参照して、本発明の好ましい実施形態によるゲーミングイベントをシミュレーションするための方法および装置を詳細に説明する。好ましい実施形態による方法および装置は、1つ以上のゲーム活動またはゲームに類似した他の機能をシミュレーションするのに有用な携帯ゲーム装置10を含む。本発明の機能を説明し理解するために、ゲーム機10は、ゴルフスイングおよび実際のゲームプレイをシミュレーションする使用中のゴルフクラブの形態で、添付の図面に示される。例示的ではあるが非限定的な実施形態において、本明細書に示すゲーム機10は、シャフトハウジング120、グリップ部材130、クラブヘッドハウジング140、および慣性計測装置(「IMU」)161を有する電子モジュール160を有してもよい。しかしながら、IMU161は、他のスポーツ、他のゲーム、または装置の動きを含む類似の活動のプレイをシミュレーションするように構成されたゲーム機に組み込まれてもよいことが理解される。ハウジング(本図面に示される例示的な実施形態ではシャフトハウジング120を含む)の形状に関係なく、携帯ゲーム装置10は、加速度データおよび角回転データの比率を検出および生成するように構成される慣性計測装置(「IMU」)161を含む。より具体的には、本発明によるゲーム機10は、ゲーム機(例えば、シャフトハウジング120)およびプロセッサ104または制御回路に結合された電子モジュール160を含む。電子モジュール160は、プロセッサ104を含んでもよい。プロセッサ104の動作は、不揮発性メモリ106に格納されているプログラミング命令の実行によって、または、事前印刷回路および他の電子機器によって行われる。しかしながら、プログラミング命令によるプロセッサ104の動作は、単純に、後述のように動作するよう、「プログラム」されたプロセッサ104と記載されてもよい。
【0017】
より具体的には、電子モジュール160は、加速度計162、ジャイロスコープ163、および磁力計164を有する慣性計測装置(「IMU」)161を含む。クラブがスイングされているとき、IMU161は、リアルタイムで、これらに限らないが、スイング速度、角速度、重量変動設定(後述)、選択されたクラブの空気抵抗/抗力など、多くのパラメータを分析するように構成されている。IMU161の操作は、以下でさらに記載される。しかし、まず、本発明の動作の理解を容易にするために、本発明の例示的な実施形態について記載する。
【0018】
細長いシャフトハウジング120は、対向する下端部122と上端部124(図4)を含む。シャフトハウジング120は、上端部と下端部の間に内部領域を画定し、他のアセンブリおよび電子機器をハウジング内に配置してもよい。シャフトハウジング120は、シャフトハウジング120の内面または外面に結合され、長手方向に延びるチャネルであって、それぞれの電子部品、バッテリ62、およびそれぞれのモータを電気的に接続するワイヤを受け取るように構成されるチャネルを含んでもよい。他の実施形態において、電気通信は、ブルートゥース(登録商標)として知られている無線技術を使用してもよい。好ましくは、バッテリ62は、充電式の6時間バッテリである。好ましくは、シャフトハウジング120は、クラブがスイングされているとき、シャフトハウジング120が受けるトルクおよび角運動量に応じて、所定の方法で曲がるTPEなどの半硬質材料から構成される。可撓性シャフトハウジング構造は、ヘッドハウジング140と、グリップ部材130との間に延びる部分125において、特に好ましい。
【0019】
グリップ部材130は、シャフトハウジング120の上端124に動作可能結合された近位端132と、近位端132の反対側の遠位端134を有する。グリップ部材130は、他のコンポーネントを受容するように構成される内部チャンバ135を画定してもよい。グリップ部材130は、外観および触感特性の観点から、従来のゴルフクラブのグリップと実質的に類似する構造を含んでもよい。シャフトハウジング120、グリップ部材130、ヘッドハウジング140、および他の関連する構造部品は、好ましくは、左利きのユーザまたは右利きのユーザのいずれも同じように効率的に使用できる左右対称の構成を有することが理解される。
【0020】
触覚薄膜スイッチ131(または薄膜スイッチのアレイ)は、グリップ部材130に結合されてもよく、ユーザの手がグリップ部材130を握るときに、ユーザ入力データを受信するように構成されてもよい。後述するように、薄膜スイッチ131は、入力アセンブリとデータ通信している(有線通信または無線通信を介して)。さらに、EVIU161を参照すると、加速度計162は、加速の割合、例えば、シャフトハウジング120のスイングの動きを検出し、加速度データを生成するように構成される。ジャイロスコープ163は、回転運動、例えば、シャフトハウジング120の角運動を検出するように構成される。現実世界の運動のx軸、y軸、z軸において、加速度計162およびジャイロスコープ163はそれぞれ、データの3つの異なるチャネルを提供することができる。したがって、6つの異なる動きの属性を、2つのコンポーネントだけで表すことができる。例えば、2軸固体加速度計を用いて、2方向の加速度を検出することができ、3軸加速度計を用いて、3次元(動きのx、y、およびz軸)の加速力を検出することができる。さらに、加速度計、ジャイロスコープ、および磁力計の固体組み合わせを採用して、最大位置および運動データを提供できる。
【0021】
キャプチャは、並進運動と回転運動の両方に分かれる。並進運動は、上下運動、左右運動、および前後運動を指す。回転運動は、ピッチ、ロール、およびヨーイングを指す。加速度計は、並進運動における非重力加速度力を測定する。各座標(x、y、z)と、一定の9.8m/sの重力の力の関係は、オブジェクトが、他の軸の1つに沿って、垂直方向に真っすぐか、或いは傾いているかを検出する。加速度計162とは異なり、ジャイロスコープ163は、回転力を測定することができるので、ジャイロスコープは、角速度とも呼ばれる軸の周りの回転速度を測定する。ジャイロスコープは、1秒あたりの回転角度または軸の周りの1秒あたりの回転数を測定する。オブジェクの並進運動には関係ないので、理論的には、輪をすべての軸上に完全に静止させながら、輪を使って部屋の周りを走ることができれば、角速度の変化は記録されない。
【0022】
磁力計164は、全体的な空間的定位を生成し、方向データを生成するように構成される。加速度計およびジャイロスコープにより生じたエラーを検証し、確認し、さもなければ訂正することによって、磁力計は、EVIUを較正するように構成される。磁力計は、本質的に、他のセンサに存在し得るエラーを軽減するための手段を提供するように構成される。他の2つのセンサが見逃している「新しい」軸は測定されず、より正確な結果のための機会を提供するためにセンサの融合が可能となる。IMU161が、ゲーム機10の静止角度および動作中の位置を決定できる(すなわち、好ましい実施形態においてシャフトハウジング120の属性を決定する)という点において、IMUデータの生成は重要である。ゴルフシミュレーション装置の例では、メモリに記憶された所定のクラブデータは、シャフトハウジング120の対応する角度と関連づけられてもよい。ハウジング120の角度から、IMU161は、ユーザのクラブ選択を決定することができる。ユーザの選択を確認する、または選択を変更する機会を与えるために、現在のクラブ選択が、ゲーム機10に関連するディスプレイ102に表示されてもよい。この方法でのIMU161の操作は、クラブ選択を示すデータをユーザが入力するための可能な手段である。つまり、ジャイロスコープ163は、シャフトハウジング120の初期の(静止している)空間位置、即ち、「開始位置」を決定することができ、シャフトハウジングが正しい位置にあるときのみ、ジャイロスコープは、確認をディスプレイ102に表示するか、または、クラブをスイングする準備ができていることを示すために、それぞれのLEDに電圧を加え、LEDを点灯させてもよい。動作中、携帯ゲーム装置10がスイングされているときに、加速度計162またはジャイロスコープ163が、リアルタイムで、これらに限定されないが、スイング速度、角速度、重量変動設定、携帯ゲーム装置10上の空気抵抗/抗力など、多くのパラメータを分析するように構成される。例示的な実施形態において、ジャイロスコープ163は、シャフトハウジング120の初期の(静止している)空間位置、即ち、(「開始位置」)を決定することができ、シャフトハウジングが、正しい位置にある場合のみ、ジャイロスコープは、クラブをスイングする準備ができていることを示すために、それぞれのLEDを作動させて、点灯させる。
【0023】
仮想画像ターゲット(例えば、仮想ゴルフボール、即ち、ヘッドハウジング140によって打たれた仮想ボール経路)の仮想軌道を決定するために、上記のIMU161からの運動データおよび回転データは、電子モジュール160内の回路またはプロセッサ104によって分析されてもよい。電子モジュール160内の回路は、軌道データを、入力部材100のデジタルディスプレイ102にグラフィック表示させる。一実施形態において、電子モジュール160内のそれぞれのセンサからの運動データおよび角度データを、プロセッサ104に送信してもよい。例示的な実施形態を参照すると、プロセッサ104は、デジタルディスプレイ102に電気的に接続され、プログラミングを実行してもよく、仮想ボールの軌道、またはシャフトハウジング120のスイングの結果、ヘッドハウジング140によって打たれた他の仮想ターゲットは、デジタルディスプレイ102に表示されてもよい。軌道の計算は、ボールスピン、速度、打ち出し角度、ダイナミックロフトなどに関するパラメータを使用してもよい。ブルートゥース(登録商標)などの無線信号伝送を使用して、軌道または他のスイング統計は、ノートパソコン、遠隔表示画面、または他の遠隔電子装置などのリモートデバイスに送信されてもよい。
【0024】
本発明の例示的な実施形態を参照すると、マイクロホンは、プロセッサ104とデータ通信されてもよく、また、ゲームプレイ命令、コマンド、または選択などのユーザ入力を収集するように構成されてもよい。ゴルフシミュレーションシステムの例示的な実施形態に適用されると、マイクロホンは、グリップ部材130の内部チャンバ135に配置されてもよい。好ましくは、マイクロホンは、グリップ部材130の遠位端134に結合され、部分的に内部チャンバ135内に位置し、遠位端134から部分的に延びるか、あるいは、さもなければ、遠位端134によって画定される開口部を介して、マイクロホンは、遠位端134と通信する。マイクロホンは、シャフトハウジング120に沿って配置されたデジタルディスプレイ、関連する回路、またはプロセッサに少なくとも電気的に接続される。動作中、マイクロホンは、ユーザから可聴クラブ選択入力データを受信し、該入力データをディスプレイ用に変換させるように構成される。ユーザの音声コマンドを、ディスプレイに表示される意味のあるクラブサイズインジケータに正確に変換するために、音声認識ソフトウェアまたは回路もマイクロホンに含まれることが理解される。一実施形態において、スピーカーは、グリップ部材130の内部チャンバ内に配置されてもよく、また、音声で話されたクラブ要求または入力ボタンを介して要求されたクラブを音声で確認するために、スピーカーは、マイクロホンに電気的に接続されてもよい。
【0025】
実施形態において、多機能入力部材100は、携帯ゲーム装置10に結合されてもよく、ユーザによって供給されたデータを受信できる構造を含む。入力部材100は、供給されたユーザデータに従って、システムの動作を変更するようにプログラムされたプロセッサ104とデータ通信する。再び例示的な実施形態を参照すると、入力部材100は、シャフトハウジング120の外面に結合されてもよい(図1および図2aから2c)。入力部材100は、デジタルディスプレイ102を含み、ディスプレイの上に、クラブ選択、仮想ボールの打撃の軌跡、クラブ選択肢などが表示される。更に、入力部材100は、1つ以上のボタン、キーパッド、タッチスクリーン要素、ダイヤルなどのデータ入力コンポーネントを含んでもよく、データ入力コンポーネントを使用して、ユーザはクラブの選択を行う。入力部材100は、回路、または、好ましくは、非一時メモリ106に記憶されたプログラミング命令を実行するプロセッサ104(前述)を含んでもよく、プロセッサ104およびメモリ106は、入力部材100内に位置する。プロセッサ104は、デジタルディスプレイ102に結合されてもよく、プログラミングを実行し、ユーザが、データ入力コンポーネントを使用してクラブ選択データを入力することを可能にするグラフィックユーザインターフェースを提供してもよい。ゴルフクラブのサイズ、重量、他のクラブ特性、ユーザ選択データなどに関する所定のデータを、メモリ106に格納することができる。「一般的に正確な」軌道を提供するためには充分であるが、IMU161によって供給される運動データおよび回転データは、仮想オブジェクト(仮想ボールなど)が、仮想スイングによって実際にどのように衝突を受けるかによる真の軌道を計算するに際して、完全に正確ではない可能性がある。例えば、衝突の「瞬間」の直前および直後の加速度データおよび角度データは、例えばゴルフボールなどの仮想オブジェクトの実際の正確な軌道を決定する際に、重要である。
【0026】
したがって、本発明は、ヘッドハウジング140の仮想クラブフェースが、衝突の瞬間を表す触知可能な目印にどのようにアドレスするかの重要なデータを供給するように構成された光学アセンブリを含んでもよい。光学アセンブリは、上記のIMU161とデータ通信する画像センサ201と、プロセッサ104を含み、また、画像センサ201から離れて配置された画像ターゲット部材202(ターゲットオブジェクト202または画像ターゲット202とも称される)を含む。光学アセンブリは、プロセッサ104が、衝突の瞬間の前後の仮想のターゲットオブジェクトに対するゲーム機10の方向を決定することを可能にする。例示的な実施形態を参照すると、図3aおよび3bは、画像ターゲット部材202に対するヘッドハウジング140の方向を決定するための光学アセンブリの使用を示す。画像センサ201は、電子モジュール160に含まれてもよく、画像ターゲット202の写真を撮る目的で使用されてもよい。実施形態において、画像センサ201は、1秒あたりに(「fps」と称されてもよい)所定数のスナップ写真(「フレーム」)を撮るように構成されたカメラである。画像ターゲット202は、複数の位置情報を有する、マット、ボール、または他の目印などの触知できるデバイスであってよく、画像センサ201によってそれぞれのスナップ写真が撮られ、プロセッサ104に通信されると、画像ターゲットとの「衝突の瞬間」が示される。画像ターゲット202の位置データの1つ以上のスナップ写真が、数学的に表され、表現されてもよく、上記のIMUデータと使用されて、仮想オブジェクトのより正確な軌道が決定されてもよいことが理解される。具体的には、「衝突の瞬間」の前後の光学データを生成するために、光学アセンブリを作動させて、シャフトハウジング120のスイングが進行中であることを検出するために、IMUデータは、プログラミング命令を実行するプロセッサ104によって解釈されてもよい。IMUデータおよび光学アセンブリからのデータは、プロセッサ104が、プログラミング命令に基づいて、シャフトハウジング120のスイングから、ボール飛行経路または軌道をより正確に決定することを可能にする。上記のように、計算された軌道は、ユーザによるレビュー用に、ディスプレイ102に表示されてもよく、または、ノート型パソコン、タブレット、スマートフォン、テレビなどのリモートデバイスに、無線で通信されてもよい。
【0027】
本発明の他の態様では、頭と目を正しい位置におくことにより、良好なスイングの機会が大幅に増えることが示された。入力部材100を更に参照すると、適切な手、足、または頭の位置が検出または実証されたとき、ユーザと通信するか、またはユーザから見えるようにすることによってのみ、デジタルディスプレイ102は、ユーザの目と頭の適切な位置を効果的に指示するように構成されてもよい。つまり、画面の視野角を制限することができるので、ユーザがスイングを開始するにあたり、ユーザが、頭と目を最適な位置におくまで、画面を見ることができない。
【0028】
さらに、デジタルディスプレイ102は、所定の角度でデジタルディスプレイ102をみたときのみ、ディスプレイを見えるようにするレンチキュラーレンズを含んでもよい。あるいは、デジタルディスプレイ102は、「制限された視界」を有して、所定の角度でない場合、ディスプレイ102は視界に入らないように構成されてもよい。ゲーム装置(この場合はゴルフクラブ)が動作可能になる前に、ユーザの頭または手を適切に位置におくよう求めることは、直感的な学習、または「制限された角度の表示」(RAV)と称される。ユーザは、必要なグリップ、スタンス、頭の位置について、素早く「学習」し、他の位置の属性は正しく、これらにより、プレイの開始が可能になる。ディスプレイ102は、選択されたクラブに基づいて、各スイングの開始時に、シャフトハウジング120の正しい開始位置角度、ユーザの頭と目の位置をユーザに直観的に指示するように構成されたLEDスクリーンまたはOLEDスクリーンであってもよく、シャフトハウジング120が、開始するのに望ましい位置にあることを示すメッセージが、ディスプレイ102に表示されるまで、選択されたクラブに基づいて、ユーザがスクリーンを見て、シャフトハウジング120の開始角度を変更するという点で、スクリーンは、は役立っている。発射指向のゲームにこの技術を適用することにより、ゲーム自体が、望ましいボールの飛行モデルが望ましい結果を達成するために、どのクラブが打たれるべきかを、ユーザに指示する。
【0029】
さらに別の態様では、実際のゲームプレイは、ユーザの感覚に訴える音または振動の効果によっても、シミュレーションされている。感覚効果の使用は、「触覚」デザインまたは擬似知覚と称される。本発明において、触覚部材200は、携帯ゲーム装置に関連し、電子モジュール160またはプロセッサ104とデータ通信する。例示的な実施形態において、触覚部材200は、シャフトハウジング120と結合される。触覚部材200は、振動素子または放音素子であってもよいことが理解される。電子モジュールは、また、音声出力電子機器を含んでもよい。例えば、「ビューッ」という音声出力や、ボールの衝撃音は、無線ブルートゥース(登録商標)配置を介して、ヘッドフォンに出力されてもよく、ゲーム機10(例えば、シャフトハウジング120)の動きが検出され、動きがスイングを示す場合、音声出力は作動している。
【0030】
例示的な実施形態において、一例として、IMU161によって検出されるように、音は、シャフトハウジング120の正確な動きと関連しても、正確な動きを示してもよい。運動データおよび角度データが、シャフトハウジング120が動いていること、およびヘッドハウジング140が、地面または仮想ゴルフボールに近いことを示す場合、IMU161は、振動活性化信号または音響活性化信号を生成するように構成されてもよいことが理解される。例えば、音は、シャフトハウジング120の速度および運動量に関連してもよい、即ち、実際のゴルフクラブのスイングの音のリアリティーをシミュレーションするために、音の音量を大きくしたり、または、調性または共鳴を変化させてもよい。音響電子機器は、また、実際のボール打撃をまねることもできる。
【0031】
例示的な実施形態の使用において、ユーザは、どのサイズまたはどのタイプのゴルフクラブをスイングしたいかを決定でき、したがって、携帯ゲーム装置10によってシミュレーションされる。メモリに記憶された所定のクラブデータに対応する角度で、シャフトハウジング120を単に保持することによって、クラブを選択してもよい。IMU161は、上述のように、シャフトハウジング120の角度を決定することができ、適切なフィードバックをディスプレイ102に表示できる。入力部材100を介して、ユーザが、望ましいクラブを選択するまで、このプロセスは、繰り返されてもよい。あるいは、ユーザが、マイクロホンに向かって数字または英数字の指示を出すこと、または、それぞれの入力ボタンを押すことによって、クラブは選択されてもよい。クラブ選択は、デジタルディスプレイ42に「表示」され、上述のように、他のコンポーネントに通信されてもよい。
【0032】
実際のゴルフクラブをスイングするのと同様の方法で、ユーザは、グリップ部材130を握って、クラブ(即ち、携帯ゲーム装置)をスイングする準備をすることができる。しかしながら、スイングする前に、シャフトハウジング120の角度は、適切な角度でなければならず、シミュレートされたボールに対して、ヘッドハウジング140は、適切に配置されなければならない。IMU161に関連する電子機器は、シャフトハウジング120の位置に関する角度データを決定する。回路またはプロセッサが、シャフト角度およびクラブヘッドフェースが、適切に配置されていると決定すると、シャフトハウジング120をスイングする準備ができていることをユーザに通信するために、複数のLEDに電圧が加えられ、画像がデジタルディスプレイ102に表示される。
【0033】
ユーザが、ゲーム機10をスイングすると、IMU161のセンサおよび、一実施形態において、光学アセンブリは、仮想ボールまたは他のオブジェクトの軌道を計算して、ディスプレイ102に表示することを可能にするスイングデータを収集することができる。ブルートゥース(登録商標)などの無線信号伝送を使用して、軌道または他のスイング統計は、ノートパソコン、遠隔表示画面、または他の遠隔電子装置などのリモートデバイスに送信されてもよい。前述のように、様々な触感または音も作動させることができる。本発明の特定の形態を図示し記載してきたが、そのような限定が特許請求の範囲およびその許容される機能的均等物に含まれることを除く限り、本発明は、それに限定されないことを理解されたい。本明細書に記載の原理および構造は、他の多くのスポーツ関連装置の動き、多くのスポーツのシミュレーション、ゲーム、および電子ゲームアプリに適用されてもよい。
図1
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