(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】導波管の内部および外部に光を選択的に結合するための統合MEMSスイッチ
(51)【国際特許分類】
G02B 26/08 20060101AFI20220901BHJP
G02B 30/27 20200101ALI20220901BHJP
B81B 7/02 20060101ALI20220901BHJP
B81B 3/00 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
G02B26/08 A
G02B30/27
B81B7/02
B81B3/00
(21)【出願番号】P 2019529194
(86)(22)【出願日】2017-12-16
(86)【国際出願番号】 US2017066885
(87)【国際公開番号】W WO2018112447
(87)【国際公開日】2018-06-21
【審査請求日】2020-12-15
(32)【優先日】2016-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591016976
【氏名又は名称】ザ・チャールズ・スターク・ドレイパ・ラボラトリー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】スペクター, スティーブン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】メビウス, マイケル ジー.
(72)【発明者】
【氏名】レーン, ベンジャミン エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ファヴァロラ, グレッグ イー.
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-519323(JP,A)
【文献】特表2004-534281(JP,A)
【文献】特表2016-508235(JP,A)
【文献】特開2005-172850(JP,A)
【文献】米国特許第05757536(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/08
G02B 30/27
B81B 7/02
B81B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学スイッチネットワーク
(104,1200)であって、
入力/出力ポートと、
長さを有し、前
記入力/出力ポートに光学的に結合される導波管
(1208,1210,1212,1214,1216または1410)と、
平面状の表面
(107)上に配置される複数の
第1のバイナリ光学スイッチ
(1228~1232,1234~1236,1238,または1240~1242)であって、前記複数の
第1のバイナリ光学スイッチは、前記導波管
(1208,1210,1212,1214,1216または1410)の長さに沿って配置され、前記複数の
第1のバイナリ光学スイッチの各バイナリ光学スイッチ
(1400)は、
少なくとも2つの位置の間で平行移動するように構成される平行移動可能な光学格子
(1402)であって、前記少なくとも2つの位置の第1の位置は、少なくとも約25%の結合効率を伴って、前記導波管
(1208,1210,1212,1214,1216または1410)と前記平面状の表面
(107)を越えた自由空間
(106,1246,1602)との間に光学的に結合するように、前記導波管
(1208,1210,1212,1214,1216または1410)に十分に近接し
(1600)、前記少なくとも2つの位置の第2の位置は、多くとも約5%の結合効率を伴って、前記導波管
(1208,1210,1212,1214,1216または1410)と前記自由空間
(106,1246,1602)との間に光学的に結合する
(1504)ように、前記導波管
(1208,1210,1212,1214,1216または1410)から十分に離れている
(1500)、平行移動可能な光学格子
(1402)と、
前記平行移動可能な光学格子
(1402)を前記第1の位置および前記第2の位置に選択的に平行移動させるように構成されるMEMS構造
(1800)と
を備える、複数の
第1のバイナリ光学スイッチ
(1228~1232,1234~1236,1238,または1240~1242)と
を備える、光学スイッチネットワーク。
【請求項2】
前記
複数の第1のバイナリ光学スイッチ(1228~1232,1234~1236,1238,または1240~1242)は、長方形アレイ内に配列される
、請求項
1に記載の光学スイッチネットワーク。
【請求項3】
前記光学スイッチネットワーク
(104,1200)は、光チップを備える
、請求項
1~2のいずれかに記載の光学スイッチネットワーク。
【請求項4】
複数の行
(514~518,602~606)と、複数の列
(520~524,608~612)とを有する、行および列アドレス指定行列
(500,600)をさらに備え、
前記複数の第1のバイナリ光学スイッチ
(1228~1232,1234~1236,1238,または1240~1242)の
各バイナリ光学スイッチ
(1400)は、
前記複数の行
(514~518,602~606)のうちの行に結合され、
前記複数の列
(520~524,608~612)のうちの列に結合され、
前記複数の行のうちの前記行および前記複数の列のうちの前記列の両方の上に存在する信号に応答して作動するように構成される
、請求項
1~3のいずれかに記載の光学スイッチネットワーク。
【請求項5】
光学端末
(100)であって、
視野を有するレンズ
(102)と、
それぞれが請求項1に記載される複数の光学スイッチネットワーク(104,1200)が配置される、平面状の表面
(107)と
を備える、光学端末
(100)。
【請求項6】
共通入力/出力ポート
(110,1202)と、
前記共通入力/出力ポート
(110,1202)に光学的に結合され
る導波管
(1206)と、
前記導波管
(1206)に光学的に結合される複数の第
2のバイナリ光学スイッチ
(1218~1226)であって、前記複数の第
2のバイナリ光学スイッチ
(1218~1226)は、前
記導波管
(1206)の長さに沿って配置される、複数の第
2のバイナリ光学スイッチ
(1218~1226)と
を備え、
前記複数の光学スイッチネットワーク(104,1200)のそれぞれの光学スイッチネットワークの各入力/出力ポートは、前記複数の第2のバイナリ光学スイッチ(1218~1226)のそれぞれのバイナリ光学スイッチに光学的に結合される、請求項5に記載の光
学端末
(100)。
【請求項7】
共通入力/出力ポート(110,1202)と、
前記共通入力/出力ポート(110,1202)に光学的に結合される導波管(1206)と、
前記導波管(1206)に光学的に結合される複数の第2のバイナリ光学スイッチ(1218~1226)であって、前記複数の第2のバイナリ光学スイッチ(1218~1226)は、前記導波管(1206)の長さに沿って配置される、複数の第2のバイナリ光学スイッチ(1218~1226)と
を備え、
前記複数の光学スイッチネットワーク(104,1200)のそれぞれの光学スイッチネットワークの各入力/出力ポートは、前記複数の第2のバイナリ光学スイッチ(1218~1226)のそれぞれのバイナリ光学スイッチを介して前記導波管(1206)に光学的に結合される、請求項5に記載の光学端末(100)。
【請求項8】
前記
複数の第1のバイナリ光学スイッチ(1228~1232,1234~1236,1238,または1240~1242)を前記レンズ
(102)に光学的に結合させる複数の光ファイバ
(108)をさらに備える
、請求項
5~7のいずれかに記載の光
学端末。
【請求項9】
複数の行
(514~518,602~606)と、複数の列
(520~524,608~612)とを有する、行および列アドレス指定行列
(500,600)をさらに備え、
前記複数の第1のバイナリ光学スイッチ
(1228~1232,1234~1236,1238,または1240~1242)の
各バイナリ光学スイッチ
(1400)は、
前記複数の行
(514~518,602~606)のうちの行に結合され、
前記複数の列
(520~524,608~612)のうちの列に結合され、
前記複数の行のうちの前記行および前記複数の列のうちの前記列の両方の上に存在する信号に応答して作動するように構成される
、請求項
5~8のいずれかに記載の光
学端末。
【請求項10】
前記複数の光学スイッチ
ネットワーク(104,1200)の各光学スイッチ
ネットワークはさらに、前記
入力/出力ポートに光学的に結合される光学伝送機
(114)を備える
、請求項
5~9のいずれかに記載の光学端末。
【請求項11】
前記複数の光学スイッチ
ネットワーク(104,1200)の
うちの少なくとも1つの光学スイッチ
ネットワークの
前記入力/出力ポートに光学的に結合される光学伝送機
(114)をさらに備える
、請求項
5~9のいずれかに記載の光学端末。
【請求項12】
前記複数の光学スイッチ
ネットワーク(104,1200)の
前記入力/出力ポートに光学的に結合される光学伝送機
(114)をさらに備える
、請求項
5~9のいずれかに記載の光学端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第62/498,158号、出願日2016年12月16日、発明の名称”All-solid state optical transmit/receive terminal”、米国仮特許出願第62/450,855号、出願日2017年1月26日、発明の名称”Method and Apparatus for Light Field Generation”、および米国仮特許出願第62/516,602号、出願日2017年6月7日、発明の名称”Integrated MEMS Switches for Selectively Coupling Light In and Out of a Waveguide”の利益を主張するものであり、これらの各々の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書中に援用される。
【0002】
本発明は、光学スイッチに関し、より具体的には、光方向および測距(LiDAR)およびレーザ通信システム等において、光学信号が伝送または受信される方向を制御するために使用される光学スイッチネットワークに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの光学システムは、高精度を伴って制御され得る方向における(人間に視認可能または視認不可能な)コリメート光学ビームを放出または受光する必要がある。例えば、そのような光学ビームは、光方向および測距(LiDAR)システムにおいて使用され、多くの場合、これらのビームは、標的を位置特定または追跡するために操向または掃引される必要がある。同様に、レーザ通信システムは、時として、2つの端末の間で最初に見通し内通信チャネルを確立するため、または端末の一方または両方が移動する場合等に、光学ビームを操向する必要がある。
【0004】
先行技術のLiDARおよびレーザ通信端末は、米国特許公開第2007/0229994号によって例示されるように、望遠鏡を使用し、ジンバルを使用して、望遠鏡全体を向けるか、または移動可能な操向鏡を望遠鏡の正面に設置し、鏡を使用するかのいずれか一方を行い、ビームを再指向する。しかしながら、本アプローチは、サイズ、質量、電力、および信頼性の観点から付随する欠点を伴う、大型の嵩張る移動システムを要求する。
【0005】
ビーム操向の他の従来の方法は、多数のアンテナがともに近接してアレイ化され、コヒーレントに動作される、すなわち、個々のエミッタの位相が慎重に制御され、アレイ全体を調和して動作させる、光学位相アレイを伴う。近接場における信号は、建設的および破壊的に干渉し、所望される方向にヌルおよび強化信号を作成する。しかしながら、位相アレイは、多数のエミッタおよび関連付けられる光学位相調節器を要求する。
【0006】
公称光学位相アレイは、半波長間隔で、すなわち、約0.5μmで配置される、エミッタを有する。長距離レーザ通信等の用途のために、要求される総開口サイズは、約5cmである場合がある。したがって、104×104個のエミッタおよび位相偏移器のアレイが、必要とされるであろう。現在実証されているように、位相偏移器は、動作するために約1メガワットの電力を要求する。したがって、そのようなアレイの総電力消費量は、105ワット、すなわち、非現実的に多量の電力に迫り得る。しかしながら、バイナリ光学スイッチが加工され得る密度の限界が、伝送/受信端末の空間分解能、すなわち、可能性として考えられる伝送または受信ビーム位置の密度を限定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第2007/0229994号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある実施形態は、光学スイッチネットワークを提供する。光学スイッチネットワークは、共通入力/出力ポートと、長さを有し、共通入力/出力ポートに光学的に結合される、導波管と、平面状の表面上に配置される、複数のバイナリ光学スイッチとを含む。複数のバイナリ光学スイッチは、導波管の長さに沿って配置される。複数のバイナリ光学スイッチの各バイナリ光学スイッチは、平行移動可能な光学格子と、MEMS構造とを含む。平行移動可能な光学格子は、少なくとも2つの位置の間で平行移動するように構成される。少なくとも2つの位置の第1の位置は、少なくとも約25%の結合効率を伴って、導波管と平面状の表面を越えた自由空間との間に光学的に結合するように、導波管に十分に近接し、少なくとも2つの位置の第2の位置は、多くとも約5%の結合効率を伴って、導波管と自由空間との間に光学的に結合するように、導波管から十分に離れている。MEMS構造は、平行移動可能な光学格子を、第1の位置および第2の位置に選択的に平行移動させるように構成される。
【0009】
本発明の別の実施形態は、光学スイッチネットワークを提供する。光学スイッチネットワークは、共通入力/出力ポートと、複数のN個の他のポートと、共通入力/出力ポートに光学的に結合される、第1の導波管と、第1の導波管に光学的に結合される、複数の第1のバイナリ光学スイッチとを含む。複数の第1のバイナリ光学スイッチは、第1の導波管の長さに沿って配置される。光学スイッチネットワークはまた、複数の第2の導波管を含む。複数の第2の導波管の各第2の導波管は、複数の第1のバイナリ光学スイッチの個別の第1のバイナリ光学スイッチを介して、第1の導波管に光学的に結合される。複数の第2の導波管の第2の導波管毎に、個別の複数の第2のバイナリ光学スイッチが、複数の第2の導波管の第2の導波管に光学的に結合される。各複数の第2のバイナリ光学スイッチは、個別の第2の導波管の長さに沿って配置される。複数の第2のバイナリ光学スイッチの各第2のバイナリ光学スイッチは、複数の第2の導波管の個別の第2の導波管と複数のN個の他のポートの個別のポートとの間に光学的に結合される。複数の第2のバイナリ光学スイッチの各第2のバイナリ光学スイッチは、平行移動可能な光学格子と、MEMS構造とを含む。平行移動可能な光学格子は、少なくとも2つの位置の間で平行移動するように構成され、少なくとも2つの位置の第1の位置は、少なくとも約25%の結合効率を伴って、第2の導波管に光学的に結合するように、個別の第2の導波管に十分に近接し、少なくとも2つの位置の第2の位置は、多くとも約5%の結合効率を伴って、第2の導波管に光学的に結合するように、個別の第2の導波管から十分に離れている。MEMS構造は、平行移動可能な光学格子を、第1の位置および第2の位置に選択的に平行移動させるように構成される。
【0010】
N個の他のポートは、長方形アレイ内に配列されてもよい。
【0011】
N個の他のポートは、平面状の表面上に配置されてもよい。
【0012】
第2のバイナリ光学スイッチが第1の位置にあるとき、複数の第2のバイナリ光学スイッチの各第2のバイナリ光学スイッチは、個別の第2の導波管と平面状の表面を越えた自由空間との間に光学的に結合するように構成されてもよい。
【0013】
光学スイッチネットワークは、光チップを含む、またはその上で加工されてもよい。
【0014】
N個の他のポートの各ポートは、光学結合器を含んでもよい。
【0015】
光学スイッチネットワークはまた、複数の行と、複数の列とを有する、行および列アドレス指定行列を含んでもよい。複数の第1のバイナリ光学スイッチの各第1のバイナリ光学スイッチおよび複数の第2のバイナリ光学スイッチの各第2のバイナリ光学スイッチは、複数の行のうちの行に結合され、複数の列のうちの列に結合され、複数の行のうちの行および複数の列のうちの列の両方の上に存在する信号に応答して作動するように構成されてもよい。
【0016】
本発明のさらに別の実施形態は、光学送信/受信端末を提供する。光学送信/受信端末は、視野を有する、レンズを含む。光学送信/受信端末はまた、光学スイッチネットワークを含む。光学スイッチネットワークは、共通入力/出力ポートと、複数のN個の他のポートの各ポートがレンズ視野の一意の部分に光学的に結合されるように、レンズに光学的に結合される、複数のN個の他のポートとを含む。光学スイッチネットワークはまた、共通入力/出力ポートに光学的に結合される、第1の導波管と、第1の導波管に光学的に結合される、複数の第1のバイナリ光学スイッチとを含む。複数の第1のバイナリ光学スイッチは、第1の導波管の長さに沿って配置される。光学スイッチネットワークはまた、複数の第2の導波管を含む。複数の第2の導波管の各第2の導波管は、複数の第1のバイナリ光学スイッチの個別の第1のバイナリ光学スイッチを介して、第1の導波管に光学的に結合される。複数の第2の導波管の第2の導波管毎に、個別の複数の第2のバイナリ光学スイッチが、複数の第2の導波管の第2の導波管に光学的に結合される。各複数の第2のバイナリ光学スイッチは、個別の第2の導波管の長さに沿って配置される。複数の第2のバイナリ光学スイッチの各第2のバイナリ光学スイッチは、複数の第2の導波管の個別の第2の導波管と複数のN個の他のポートの個別のポートとの間に光学的に結合される。複数の第2のバイナリ光学スイッチの各第2のバイナリ光学スイッチは、平行移動可能な光学格子と、MEMS構造とを含む。平行移動可能な光学格子は、少なくとも2つの位置の間で平行移動するように構成され、少なくとも2つの位置の第1の位置は、少なくとも約25%の結合効率を伴って、第2の導波管に光学的に結合するように、個別の第2の導波管に十分に近接し、少なくとも2つの位置の第2の位置は、多くとも約5%の結合効率を伴って、第2の導波管に光学的に結合するように、個別の第2の導波管から十分に離れている。MEMS構造は、平行移動可能な光学格子を、第1の位置および第2の位置に選択的に平行移動させるように構成される。光学伝送機および/または光学受信機は、光学スイッチネットワークの共通入力/出力ポートに光学的に結合される。
【0017】
光学送信/受信端末はまた、N個の他のポートをレンズに光学的に結合する、複数の光ファイバを含み得る。
【0018】
光学スイッチネットワークは、表面を画定してもよく、第2のバイナリ光学スイッチが第1の位置にあるとき、複数の第2のバイナリ光学スイッチの各第2のバイナリ光学スイッチは、個別の第2の導波管と光学スイッチネットワークの表面を越えた自由空間との間に光学的に結合するように構成されてもよい。
【0019】
各平行移動可能な光学格子は、個別のMEMS構造を含んでもよい。
【0020】
複数の第1のバイナリ光学スイッチの各第1のバイナリ光学スイッチは、個別のMEMS構造を含んでもよい。
【0021】
光学送信/受信端末はまた、複数の行と、複数の列とを有する、行および列アドレス指定行列を含んでもよい。複数の第1のバイナリ光学スイッチの各第1のバイナリ光学スイッチおよび複数の第2のバイナリ光学スイッチの各第2のバイナリ光学スイッチは、複数の行のうちの行に結合され、複数の列のうちの列に結合され、複数の行のうちの行および複数の列のうちの列の両方の上に存在する信号に応答して作動するように構成されてもよい。
【0022】
本発明のある実施形態は、光学端末を提供する。光学端末は、視野を有する、レンズと、複数の光学スイッチアレイを含む、平面状の光学スイッチとを含む。複数の光学スイッチアレイの各光学スイッチアレイは、共通ポートと、レンズに光学的に結合される、複数のN個の他のポートとを含んでもよい。複数のN個の他のポートの各ポートは、レンズ視野の一意の部分に光学的に結合される。平面状のN×1光学スイッチネットワークは、共通ポートと複数のN個の他のポートとの間に光学的に結合される。光学受信機は、共通ポートに光学的に結合される。
【0023】
複数の光学スイッチアレイの各光学スイッチアレイはまた、共通ポートに光学的に結合される、光学伝送機を含んでもよい。
【0024】
光学端末はまた、複数の光学スイッチアレイの少なくとも1つの光学スイッチアレイの共通ポートに光学的に結合される、光学伝送機を含んでもよい。
【0025】
光学端末はまた、複数の光学スイッチアレイの共通ポートに光学的に結合される、光学伝送機を含んでもよい。
【0026】
平面状の光学スイッチは、平面を画定してもよい。複数の光学スイッチアレイの各光学スイッチアレイ毎に、平面状のN×1光学スイッチネットワークは、長さを有し、光学スイッチアレイの共通ポートに光学的に結合される、導波管を含んでもよい。複数のバイナリ光学スイッチは、平面状の光学スイッチの平面上に配置されてもよい。複数のバイナリ光学スイッチは、導波管の長さに沿って配置されてもよい。複数のバイナリ光学スイッチの各バイナリ光学スイッチは、平行移動可能な光学格子と、MEMS構造とを含んでもよい。平行移動可能な光学格子は、少なくとも2つの位置の間で平行移動するように構成されてもよく、少なくとも2つの位置の第1の位置は、少なくとも約25%の結合効率を伴って、導波管と平面状の光学スイッチの平面を越えた自由空間との間に光学的に結合するように、導波管に十分に近接し、少なくとも2つの位置の第2の位置は、多くとも約5%の結合効率を伴って、導波管と自由空間との間に光学的に結合するように、導波管から十分に離れている。MEMS構造は、平行移動可能な光学格子を、第1の位置および第2の位置に選択的に平行移動させるように構成されてもよい。
【0027】
本発明の別の実施形態は、視野を有する、レンズを含む、光学端末を提供する。平面状の光学スイッチは、平面状の表面を画定し、複数の光学スイッチアレイを含む。複数の光学スイッチアレイの各光学スイッチアレイは、共通ポートと、長さを有し、共通ポートに光学的に結合される、導波管とを含む。複数のバイナリ光学スイッチは、平面状の表面上に配置される。複数のバイナリ光学スイッチは、導波管の長さに沿って配置される。複数のバイナリ光学スイッチの各バイナリ光学スイッチは、平行移動可能な光学格子と、MEMS構造とを含む。平行移動可能な光学格子は、少なくとも2つの位置の間で平行移動するように構成され、少なくとも2つの位置の第1の位置は、少なくとも約25%の結合効率を伴って、導波管と平面状の表面を越えた自由空間との間に光学的に結合するように、導波管に十分に近接し、少なくとも2つの位置の第2の位置は、多くとも約5%の結合効率を伴って、導波管と自由空間との間に光学的に結合するように、導波管から十分に離れている。MEMS構造は、平行移動可能な光学格子を、第1の位置および第2の位置に選択的に平行移動させるように構成される。
【0028】
本発明のさらに別の実施形態は、視野を有するレンチキュラレンズと、複数のポートとを含む、光学システムを提供する。複数のポートは、複数のポートのポート毎に、視野の一意の部分が、ポートによって、レンチキュラレンズを通して視認可能であるように配置される。光学スイッチネットワークは、入力ポートを有し、入力ポートを、制御信号に応答して複数のポートの選択されるポートに光学的に結合させるように構成される。
【0029】
光学スイッチネットワークは、平面状の表面を画定してもよい。光学スイッチネットワークは、長さを有し、入力ポートに光学的に結合される、導波管を含んでもよい。複数のバイナリ光学スイッチは、平面状の表面上に配置されてもよい。複数のバイナリ光学スイッチは、導波管の長さに沿って配置されてもよい。複数のバイナリ光学スイッチの各バイナリ光学スイッチは、平行移動可能な光学格子と、MEMS構造とを含んでもよい。平行移動可能な光学格子は、少なくとも2つの位置の間で平行移動するように構成されてもよく、少なくとも2つの位置の第1の位置は、少なくとも約25%の結合効率を伴って、導波管と平面状の表面を越えた自由空間との間に光学的に結合するように、導波管に十分に近接し、少なくとも2つの位置の第2の位置は、多くとも約5%の結合効率を伴って、導波管と自由空間との間に光学的に結合するように、導波管から十分に離れている。MEMS構造は、平行移動可能な光学格子を、第1の位置および第2の位置に選択的に平行移動させるように構成されてもよい。
【0030】
光学スイッチネットワークは、波長フィルタと、波長可変光源とを含んでもよい。
【0031】
本発明のある実施形態は、レンチキュラレンズを含む、放射線プロジェクタを提供する。入力部は、時変照明パターンを受信するように構成される。ナノフォトニックアレイは、複数の出力部を有する。フィルタは、出力部からの時変照明がレンチキュラレンズに指向されるように、時変照明パターンをナノフォトニックアレイの特定の出力部に指向するように構成される。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
光学スイッチネットワークであって、
共通入力/出力ポートと、
長さを有し、前記共通入力/出力ポートに光学的に結合される導波管と、
平面状の表面上に配置される複数のバイナリ光学スイッチであって、前記複数のバイナリ光学スイッチは、前記導波管の長さに沿って配置され、前記複数のバイナリ光学スイッチの各バイナリ光学スイッチは、
少なくとも2つの位置の間で平行移動するように構成される平行移動可能な光学格子であって、前記少なくとも2つの位置の第1の位置は、少なくとも約25%の結合効率を伴って、前記導波管と前記平面状の表面を越えた自由空間との間に光学的に結合するように、前記導波管に十分に近接し、前記少なくとも2つの位置の第2の位置は、多くとも約5%の結合効率を伴って、前記導波管と前記自由空間との間に光学的に結合するように、前記導波管から十分に離れている、平行移動可能な光学格子と、
前記平行移動可能な光学格子を前記第1の位置および前記第2の位置に選択的に平行移動させるように構成されるMEMS構造と
を備える、複数のバイナリ光学スイッチと
を備える、光学スイッチネットワーク。
(項目2)
光学スイッチネットワークであって、
共通入力/出力ポートと、
複数のN個の他のポートと、
前記共通入力/出力ポートに光学的に結合される第1の導波管と、
前記第1の導波管に光学的に結合される複数の第1のバイナリ光学スイッチであって、前記複数の第1のバイナリ光学スイッチは、前記第1の導波管の長さに沿って配置される、複数の第1のバイナリ光学スイッチと、
複数の第2の導波管であって、前記複数の第2の導波管の各第2の導波管は、前記複数の第1のバイナリ光学スイッチの個別の第1のバイナリ光学スイッチを介して、前記第1の導波管に光学的に結合される、複数の第2の導波管と、
前記複数の第2の導波管の第2の導波管毎に、前記複数の第2の導波管の第2の導波管に光学的に結合される個別の複数の第2のバイナリ光学スイッチであって、各複数の第2のバイナリ光学スイッチは、個別の第2の導波管の長さに沿って配置され、前記複数の第2のバイナリ光学スイッチの各第2のバイナリ光学スイッチは、前記複数の第2の導波管の個別の第2の導波管と前記複数のN個の他のポートの個別のポートとの間に光学的に結合され、かつ、
少なくとも2つの位置の間で平行移動するように構成される平行移動可能な光学格子であって、前記少なくとも2つの位置の第1の位置は、少なくとも約25%の結合効率を伴って、前記第2の導波管に光学的に結合するように、前記個別の第2の導波管に十分に近接し、前記少なくとも2つの位置の第2の位置は、多くとも約5%の結合効率を伴って、前記第2の導波管に光学的に結合するように、前記個別の第2の導波管から十分に離れている、平行移動可能な光学格子と、
前記平行移動可能な光学格子を前記第1の位置および前記第2の位置に選択的に平行移動させるように構成されるMEMS構造と
を備える、個別の複数の第2のバイナリ光学スイッチと
を備える、光学スイッチネットワーク。
(項目3)
前記N個の他のポートは、長方形アレイ内に配列される、前記項目のいずれかに記載の光学スイッチネットワーク。
(項目4)
前記N個の他のポートは、平面状の表面上に配置される、前記項目のいずれかに記載の光学スイッチネットワーク。
(項目5)
前記第2のバイナリ光学スイッチが前記第1の位置にあるとき、前記複数の第2のバイナリ光学スイッチの各第2のバイナリ光学スイッチが、前記個別の第2の導波管と前記平面状の表面を越えた自由空間との間に光学的に結合するように構成される、項目4に記載の光学スイッチネットワーク。
(項目6)
前記光学スイッチネットワークは、光チップを備える、前記項目のいずれかに記載の光学スイッチネットワーク。
(項目7)
前記N個の他のポートの各ポートは、光学結合器を備える、前記項目のいずれかに記載の光学スイッチネットワーク。
(項目8)
複数の行と、複数の列とを有する、行および列アドレス指定行列をさらに備え、
前記複数の第1のバイナリ光学スイッチの各第1のバイナリ光学スイッチおよび前記複数の第2のバイナリ光学スイッチの各第2のバイナリ光学スイッチは、
前記複数の行のうちの行に結合され、
前記複数の列のうちの列に結合され、
前記複数の行のうちの前記行および前記複数の列のうちの前記列の両方の上に存在する信号に応答して作動するように構成される、
前記項目のいずれかに記載の光学スイッチネットワーク。
(項目9)
光学送信/受信端末であって、
視野を有するレンズと、
光学スイッチネットワークであって、前記光学スイッチネットワークは、
共通入力/出力ポートと、
複数のN個の他のポートの各ポートがレンズ視野の一意の部分に光学的に結合されるように、前記レンズに光学的に結合される、複数のN個の他のポートと、
前記共通入力/出力ポートに光学的に結合される第1の導波管と、
前記第1の導波管に光学的に結合される複数の第1のバイナリ光学スイッチであって、前記複数の第1のバイナリ光学スイッチは、前記第1の導波管の長さに沿って配置される、複数の第1のバイナリ光学スイッチと、
複数の第2の導波管であって、前記複数の第2の導波管の各第2の導波管は、前記複数の第1のバイナリ光学スイッチの個別の第1のバイナリ光学スイッチを介して、前記第1の導波管に光学的に結合される、複数の第2の導波管と、
前記複数の第2の導波管の第2の導波管毎に、前記複数の第2の導波管の第2の導波管に光学的に結合される、個別の複数の第2のバイナリ光学スイッチであって、各複数の第2のバイナリ光学スイッチは、個別の第2の導波管の長さに沿って配置され、前記複数の第2のバイナリ光学スイッチの各第2のバイナリ光学スイッチは、前記複数の第2の導波管の個別の第2の導波管と前記複数のN個の他のポートの個別のポートとの間に光学的に結合され、かつ、
少なくとも2つの位置の間で平行移動するように構成される平行移動可能な光学格子であって、前記少なくとも2つの位置の第1の位置は、少なくとも約25%の結合効率を伴って、前記第2の導波管に光学的に結合するように、前記個別の第2の導波管に十分に近接し、前記少なくとも2つの位置の第2の位置は、多くとも約5%の結合効率を伴って、前記第2の導波管に光学的に結合するように、前記個別の第2の導波管から十分に離れている、平行移動可能な光学格子と、
前記平行移動可能な光学格子を前記第1の位置および前記第2の位置に選択的に平行移動させるように構成されるMEMS構造と
を備える、個別の複数の第2のバイナリ光学スイッチと
を備える、光学スイッチネットワークと、
前記光学スイッチネットワークの共通入力/出力ポートに光学的に結合される光学伝送機および/または光学受信機と
を備える、光学送信/受信端末。
(項目10)
前記N個の他のポートを前記レンズに光学的に結合させる複数の光ファイバをさらに備える、前記項目のいずれかに記載の光学伝送/受信端末。
(項目11)
前記光学スイッチネットワークは、表面を画定し、前記第2のバイナリ光学スイッチが前記第1の位置にあるとき、前記複数の第2のバイナリ光学スイッチの各第2のバイナリ光学スイッチは、前記個別の第2の導波管と前記光学スイッチネットワークの表面を越えた自由空間との間に光学的に結合するように構成される、前記項目のいずれかに記載の光学送信/受信端末。
(項目12)
各平行移動可能な光学格子は、個別のMEMS構造を備える、前記項目のいずれかに記載の光学送信/受信端末。
(項目13)
前記複数の第1のバイナリ光学スイッチの各第1のバイナリ光学スイッチは、個別のMEMS構造を備える、前記項目のいずれかに記載の光学送信/受信端末。
(項目14)
複数の行と、複数の列とを有する、行および列アドレス指定行列をさらに備え、
前記複数の第1のバイナリ光学スイッチの各第1のバイナリ光学スイッチおよび前記複数の第2のバイナリ光学スイッチの各第2のバイナリ光学スイッチは、
前記複数の行のうちの行に結合され、
前記複数の列のうちの列に結合され、
前記複数の行のうちの前記行および前記複数の列のうちの前記列の両方の上に存在する信号に応答して作動するように構成される、
前記項目のいずれかに記載の光学送信/受信端末。
(項目15)
光学端末であって、
視野を有するレンズと、
複数の光学スイッチアレイを含む平面状の光学スイッチであって、前記複数の光学スイッチアレイの各光学スイッチアレイは、
共通ポートと、
複数のN個の他のポートの各ポートがレンズ視野の一意の部分に光学的に結合されるように、前記レンズに光学的に結合される、複数のN個の他のポートと、
前記共通ポートと前記複数のN個の他のポートとの間に光学的に結合される平面状のN×1光学スイッチネットワークと、
前記共通ポートに光学的に結合される光学受信機と
を備える、平面状の光学スイッチと
を備える、光学端末。
(項目16)
前記複数の光学スイッチアレイの各光学スイッチアレイはさらに、前記共通ポートに光学的に結合される光学伝送機を備える、前記項目のいずれかに記載の光学端末。
(項目17)
前記複数の光学スイッチアレイの少なくとも1つの光学スイッチアレイの共通ポートに光学的に結合される光学伝送機をさらに備える、前記項目のいずれかに記載の光学端末。
(項目18)
前記複数の光学スイッチアレイの共通ポートに光学的に結合される光学伝送機をさらに備える、前記項目のいずれかに記載の光学端末。
(項目19)
前記平面状の光学スイッチは、平面を画定し、
前記複数の光学スイッチアレイの光学スイッチアレイ毎に、前記平面状のN×1光学スイッチネットワークは、
長さを有し、前記光学スイッチアレイの共通ポートに光学的に結合される、導波管と、
前記平面状の光学スイッチの平面上に配置される複数のバイナリ光学スイッチであって、前記複数のバイナリ光学スイッチは、前記導波管の長さに沿って配置され、前記複数のバイナリ光学スイッチの各バイナリ光学スイッチは、
少なくとも2つの位置の間で平行移動するように構成される平行移動可能な光学格子であって、前記少なくとも2つの位置の第1の位置は、少なくとも約25%の結合効率を伴って、前記導波管と前記平面状の光学スイッチの平面を越えた自由空間との間に光学的に結合するように、前記導波管に十分に近接し、前記少なくとも2つの位置の第2の位置は、多くとも約5%の結合効率を伴って、前記導波管と前記自由空間との間に光学的に結合するように、前記導波管から十分に離れている、平行移動可能な光学格子と、
前記平行移動可能な光学格子を前記第1の位置および前記第2の位置に選択的に平行移動させるように構成されるMEMS構造と
を備える、複数のバイナリ光学スイッチと
を備える、前記項目のいずれかに記載の光学端末。
(項目20)
光学端末であって、
視野を有するレンズと、
平面状の表面を画定し、複数の光学スイッチアレイを含む平面状の光学スイッチであって、前記複数の光学スイッチアレイの各光学スイッチアレイは、
共通ポートと、
長さを有し、前記共通ポートに光学的に結合される、導波管と、
前記平面状の表面上に配置される複数のバイナリ光学スイッチであって、前記複数のバイナリ光学スイッチは、前記導波管の長さに沿って配置され、前記複数のバイナリ光学スイッチの各バイナリ光学スイッチは、
少なくとも2つの位置の間で平行移動するように構成される平行移動可能な光学格子であって、前記少なくとも2つの位置の第1の位置は、少なくとも約25%の結合効率を伴って、前記導波管と前記平面状の表面を越えた自由空間との間に光学的に結合するように、前記導波管に十分に近接し、前記少なくとも2つの位置の第2の位置は、多くとも約5%の結合効率を伴って、前記導波管と前記自由空間との間に光学的に結合するように、前記導波管から十分に離れている、平行移動可能な光学格子と、
前記平行移動可能な光学格子を前記第1の位置および前記第2の位置に選択的に平行移動させるように構成される、MEMS構造と
を備える、複数のバイナリ光学スイッチと
を備える、平面状の光学スイッチと
を備える、光学端末。
(項目21)
光学システムであって、
視野を有するレンチキュラレンズと、
複数のポートのポート毎に、前記視野の一意の部分が、前記ポートによって、前記レンチキュラレンズを通して視認可能であるように配置される、複数のポートと、
入力ポートを有し、前記入力ポートを制御信号に応答して前記複数のポートの選択されるポートに光学的に結合させるように構成される光学スイッチネットワークと
を備える、光学システム。
(項目22)
前記光学スイッチネットワークは、平面状の表面を画定し、かつ、
長さを有し、前記入力ポートに光学的に結合される、導波管と、
平面状の表面上に配置される複数のバイナリ光学スイッチであって、前記複数のバイナリ光学スイッチは、前記導波管の長さに沿って配置され、前記複数のバイナリ光学スイッチの各バイナリ光学スイッチは、
少なくとも2つの位置の間で平行移動するように構成される平行移動可能な光学格子であって、前記少なくとも2つの位置の第1の位置は、少なくとも約25%の結合効率を伴って、前記導波管と前記平面状の表面を越えた自由空間との間に光学的に結合するように、前記導波管に十分に近接し、前記少なくとも2つの位置の第2の位置は、多くとも約5%の結合効率を伴って、前記導波管と前記自由空間との間に光学的に結合するように、前記導波管から十分に離れている、平行移動可能な光学格子と、
平行移動可能な光学格子を前記第1の位置および前記第2の位置に選択的に平行移動させるように構成される、MEMS構造と
を備える、複数のバイナリ光学スイッチと
を備える、前記項目のいずれかに記載の光学システム。
(項目23)
前記光学スイッチネットワークは、
波長フィルタと、
波長可変光源と
を備える、前記項目のいずれかに記載の光学システム。
(項目24)
放射線プロジェクタであって、
レンチキュラレンズと、
時変照明パターンを受信するように構成される入力部と、
複数の出力部を有する、ナノフォトニックアレイと、
前記出力部からの前記時変照明が前記レンチキュラレンズに指向されるように、前記時変照明パターンを前記ナノフォトニックアレイの特定の出力部に指向するように構成される、フィルタと
を備える、放射線プロジェクタ。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明は、図面と併せて以下の特定の実施形態の詳細な説明を参照することによって、さらに完全に理解されるであろう。
【0033】
【
図1】
図1は、本発明のある実施形態による、全ソリッドステート光学伝送/受信端末の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明のある実施形態による、
図1の全ソリッドステート光学伝送/受信端末の光学スイッチネットワークの表面上の複数のポートを図示する、概略図である。
【
図3】
図3は、本発明のある実施形態による、
図1および2の光学スイッチネットワークにおける光導波管の「Hツリー」配列を図示する、概略図である。
【
図4】
図4は、本発明のある実施形態による、
図1-3の光学スイッチネットワークのマッハツェンダー干渉計を伴って実装されるバイナリ光学スイッチを図示する、概略図である。
【
図5】
図5は、本発明のある実施形態による、光学スイッチネットワークの表面上の
図2の複数のポートのポートをアドレス指定するための、すなわち、行/列アドレス指定行列による、1つの可能性として考えられる手段を図示する、概略図である。
【
図6】
図6は、本発明のある実施形態による、光学スイッチネットワークの表面上の
図2の複数のポートのポートをアドレス指定するための、すなわち、別の行/列アドレス指定行列による、別の可能性として考えられる手段を図示する、概略図である。
【
図7】
図7、8、および9は、本発明の個別の実施形態による、ハイブリッド粗/密位置付け配列を図示する、概略図である。
【
図8】
図7、8、および9は、本発明の個別の実施形態による、ハイブリッド粗/密位置付け配列を図示する、概略図である。
【
図9】
図7、8、および9は、本発明の個別の実施形態による、ハイブリッド粗/密位置付け配列を図示する、概略図である。
【
図10】
図10は、本発明の別の実施形態による、
図2のポート等の複数のポートの間に設置されるレンズアレイと、光学伝送/受信端末を光学的に走査するための集束光学系とを図式的に図示する。
【
図11】
図11は、本発明の別の実施形態による、収差を回避する等の性能を改良するために使用される、
図10の単一のレンズアレイおよび集束光学系ではなく、一連のレンズアレイを図式的に図示する。
【
図12】
図12は、本発明のある実施形態による、
図3の光学スイッチネットワークに取って代わり得る別の光学スイッチネットワークを図示する、概略図である。
【
図13】
図13は、先行技術による、Seokからの図の注釈を付けられた複製である。
【
図14】
図14は、本発明のある実施形態による、
図12の光学スイッチネットワークのバイナリ光学スイッチの概略上面図である。
【
図16】
図16は、本発明のある実施形態による、オン位置における、
図14および15のバイナリ光学スイッチの概略側面図である。
【
図17】
図17は、本発明のある実施形態による、代表的な寸法を示す、オン位置における、
図14-16のバイナリ光学スイッチの別の概略側面図である。
【
図18】
図18および19は、本発明のある実施形態による、平行移動可能な光学格子をオン位置およびオフ位置に選択的に平行移動させるように構成される静電MEMS構造を示す、オフ位置における、
図14-17の光学スイッチの個別の概略斜視図および側面図である。
【
図19】
図18および19は、本発明のある実施形態による、平行移動可能な光学格子をオン位置およびオフ位置に選択的に平行移動させるように構成される静電MEMS構造を示す、オフ位置における、
図14-17の光学スイッチの個別の概略斜視図および側面図である。
【
図20】
図20は、本発明のある実施形態による、オン位置における、
図14-19の光学スイッチの概略斜視側面図である。
【
図21】
図21および22は、本発明のある実施形態による、それぞれ、オン位置およびオフ位置における、
図14-20の光学スイッチ内のコンピュータモデル化されたE場強度対z-x場所の結果を図示する、グラフを含有する。
【
図22】
図21および22は、本発明のある実施形態による、それぞれ、オン位置およびオフ位置における、
図14-20の光学スイッチ内のコンピュータモデル化されたE場強度対z-x場所の結果を図示する、グラフを含有する。
【
図23】
図23は、本発明のある実施形態による、異なる角度から投影を観察する視認者によって異なるように知覚される画像を投影することが可能である、ディスプレイプロジェクタの概略図である。
【
図24】
図24は、本発明のある実施形態による、
図23のディスプレイプロジェクタのセットの概略図である。
【
図25】
図25は、本発明のある実施形態による、光学スイッチネットワークの別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の実施形態によると、操向可能な光学伝送および受信端末および関連付けられるMEMSベースの光学スイッチネットワークのための方法および装置が、開示される。そのような端末は、エミッタ/コレクタの位相アレイを要求せず、付随する多数の位相偏移器もまた要求しない。本光学スイッチネットワークは、光学ビームを操向するためのMEMSベースのバイナリ光学スイッチを採用する。しかしながら、MEMSベースのバイナリ光学スイッチは、Hツリーベースの光学スイッチネットワーク等の先行技術におけるものよりも有意に小さい。その結果、MEMSベースのバイナリ光学スイッチは、先行技術におけるものより高い密度で加工または充塞され、伝送/受信端末のより高い空間分解能、すなわち、可能性として考えられる伝送/受信ビーム位置の密度を提供し得る。MEMSベースのバイナリ光学スイッチの比較的に小さいサブセットが、所与の時間において動作され、したがって、給電される必要がある。したがって、本端末は、先行技術と関連付けられる、機械的なスイッチ密度、エミッタ密度、および高電力問題を克服する。
【0035】
図1は、本発明のある実施形態による、全ソリッドステート光学伝送/受信端末100の概略図である。レンズ102が、光線106によって表される入射光線が光学スイッチネットワーク104の表面107上に合焦されるように、(本明細書では「光導波管ネットワーク」または「光学スイッチ」とも称される)光学スイッチネットワーク104に光学的に結合される。逆に、光学スイッチネットワーク104の表面107において放出される光学信号は、レンズに光学的に結合され、それによって、光線106として空間の中に投影される。光は、赤外線(IR)等の、人間に視認可能または視認不可能であり得る。表面107は、平面状の表面または非平面状の表面であってもよい。
【0036】
レンズ102は、好ましくは、広視野レンズである。レンズ102は、例えば、屈折率分布(GRIN)レンズ、魚眼レンズ、または単心レンズであってもよい。好適な単心レンズは、Distant Focus Corporation(PO Box 7857, Champaign, IL 61826-7857)から入手可能である。レンズが、平面状の集束された画像を作成する場合、レンズ102および光学スイッチネットワーク104は、空気または真空108によって光学的に結合されてもよい。しかしながら、レンズが湾曲した集束された画像を作成する場合、光ファイバ108の束が、レンズ102を光学スイッチネットワーク104に光学的に結合するために使用されてもよい。光ファイバ108の束の各光ファイバの1つの端部が、レンズ102の表面上で終端してもよく、光ファイバの他の端部が、光学スイッチネットワーク104の表面107上で終端してもよい。レンズ102の表面上で終端する光ファイバ108の端部は、研磨された端部を有し、レンズ102の湾曲に合致する湾曲した表面を形成してもよい。
【0037】
図2は、
図1の光学スイッチネットワーク104の表面107上の、ポート202、204、206、208、および210によって表される複数のN個のポート200を図示する、概略図である。複数のポート200は、長方形アレイ内に配置されるものとして示される。しかしながら、ポート200は、任意の好適な配列内に配列されてもよい。光ファイバ108(
図1)が、レンズ102を光学スイッチネットワーク104に結合するために使用される場合、1つ以上の光ファイバ108が、各ポート202-210において終端してもよい。光ファイバ108は、レンズ102によって投影された画像が複数のポート200内の対応する場所にマッピングされるように配列されるべきである。したがって、各ポート202-210は、レンズ102の視野の一意の部分に対応する。
【0038】
図1に戻ると、光学スイッチネットワーク104はまた、単一の共通入力/出力ポート110を有する。光学スイッチネットワーク104は、表面107上のN個のポート202-210(
図2)のうちの1つ以上のものを共通入力/出力ポート110に選択的に光学的に結合するように構成される。したがって、1つのモードにおいて、光学スイッチネットワーク104は、N×1スイッチとして作用する。すなわち、N個のポート202-210のうちの1つが、共通入力/出力ポート110に結合される。随意に、他のモードにおいて、光学スイッチネットワーク104は、複数のN×1スイッチとして作用する。すなわち、複数のN個のポート202-210が、共通入力/出力ポート110に同時に結合される。
【0039】
端末100はまた、フォトダイオード等の好適な光学受信機112および/またはレーザ等の好適な伝送機114を含む。LiDARシステムまたは双方向通信システムは、伝送機114と、受信機112との両方を含む。しかしながら、単方向通信システムは、伝送機114または受信機112のみを含む必要があり、スタートラッカは、受信機112のみを含む必要がある。受信機112および/または伝送機114は、光ファイバ、鏡、および/または分割器/結合器等の光学結合器116によって表される好適な光学結合器によって、共通入力/出力ポート110に光学的に結合される。
【0040】
したがって、伝送機114からの光学信号が、光学結合器116を介して光学スイッチネットワーク104にルーティングされ、そこで、N個のポート202-210のうちの選択される1つ以上のものに切り替えられてもよい。いったん光学スイッチ107の表面107から放出されると、光学信号は、選択されるポート202-210において終端される光ファイバ108等を介して、レンズ102に伝達され、次いで、レンズ102によって空間の中に伝達される。光学信号がレンズ102によって投影される空間における方向は、選択されるポート202-210に依存する。逆に、LiDARシステムにおける帰還信号等の、レンズ102によって受信される光学信号が、光学スイッチネットワーク104によって受信機112にルーティングされる。光学信号がレンズ102によって受信される空間における方向は、選択されるポート202-210に依存する。
【0041】
図3は、本発明のある実施形態による、光学スイッチネットワーク104を図示する、概略図である。
図3の右側は、共通入力/出力ポート110においてルートされた光導波管の「Hツリー」配列(分岐した光導波管ネットワーク)を示す。
図3の左側は、拡大された右側の一部を示す。ポート202-210が、
図3に示される。
【0042】
バイナリ光学スイッチは、バイナリ光学スイッチ300、302、304、306、308、および310によって例示されるように、Hツリーの2つの光導波管の各接合部に配置される。バイナリ光学スイッチは、2つの光学経路のうちのいずれかに沿って光学信号をルーティングする。したがって、バイナリ光学スイッチ300-308は、Hツリーを通して進行する光学信号のための道筋を決定する。いくつかの実施形態では、バイナリ光学スイッチは、2つの光学経路のうちの多くとも一方に沿って光学信号をルーティングする。例えば、光学信号が共通入力/出力ポート110の中に導入される場合、バイナリ光学スイッチ300-308は、光学信号をN個のポート202-210のうちの1つにルーティングする。
図3に描写される実施例では、光学信号は、ポート202にルーティングされる。
【0043】
いくつかの実施形態では、各バイナリ光学スイッチは、マッハツェンダー干渉計を伴って実装される。そのようなバイナリ光学スイッチ400の実施例が、
図4に図式的に図示される。入力部402における光が、2つの経路404と406との間で分割される。位相偏移器408および/または410は、経路404および406の一方または両方上で選択的にイネーブルにされ、次いで、光が、2×2型結合器412によって再結合される。2つの経路404および406内の光の相対的位相は、光が、2×2型結合器412の第1の出力部414または第2の出力部416または両方の出力部414および416に結合するかどうかを決定する。位相偏移器408および410は、MEMSデバイスまたは任意の他の好適な位相偏移器による電気光学または熱光学効果を使用して実装されてもよい。
【0044】
代替として、バイナリ光学スイッチ300-310は、リング共振器、MEMS鏡等の微小電気機械システム(MEMS)デバイス、または任意の他の好適なバイナリ光学スイッチを伴って実装されてもよい。
【0045】
光学スイッチネットワーク104は、Hツリーパターン内に配列されるバイナリ光学スイッチ300-310のネスト化されたアレイを含む。アレイのネスト化された性質は、バイナリ光学スイッチ300-310のL個の層が2L個の可能性として考えられるポート200の間で選択するために使用され得ることを意味する。したがって、アクティブなバイナリ光学スイッチの数は、Nの代わりに、log2(N)である(但し、Nは、ポート200(可能性として考えられるビーム方向)の数である)。
【0046】
図3に見られ得るように、光学信号を共通入力/出力ポート110から選択されるポート202にルーティングするために、Hツリーにおけるリーフの数、すなわち、ポート200の数と比較して、比較的に少数のバイナリ光学スイッチ300-310が、動作される、すなわち、オンである必要がある。例えば、
図3の左側では、6個のスイッチ、すなわち、3個の左/右バイナリ光学スイッチ300、304、および308、および3個の上/下バイナリ光学スイッチ302、306、および310が、64個の可能性として考えられるポート200のうちのいずれかの選択を可能にする。大部分の実施形態では、所与のレベルの1つのスイッチのみが、一度に動作される。本少数のスイッチが、したがって、匹敵する光学位相アレイ内の位相偏移器よりはるかに少ないエネルギーを消費する。加えて、バイナリ光学スイッチ300-310は、単に、双レベル状態において動作する必要があるのに対し、位相アレイは、操向のために位相偏移器の任意制御を必要とする。さらに、これらの実施形態は、広帯域光に好適であり、複数のチャネルが波長分割多重を使用して一度に送信および/または受信されることを可能にする。
【0047】
光学スイッチネットワーク104は、光導波管のHツリー配列を含むものとして説明されるが、バイナリ光学スイッチのネスト化されたアレイを提供する、任意の好適な分岐した光導波管ネットワークもまた、使用され得る。例えば、他のフラクタル配列および非フラクタル配列もまた、使用され得る。本明細書で使用されるように、「フラクタル」は、異なる縮尺を横断する自己相似を意味する。本明細書で使用されるように、フラクタルパターンは、際限なく複雑ではない。
(バイナリ光学スイッチのアドレス指定)
【0048】
バイナリ光学スイッチ300-310は、
図5に図式的に示されるように、行および列アドレス指定行列500等の任意の好適な配列によってアドレス指定および/または作動されてもよい。各バイナリ光学スイッチ300-310は、バイナリ光学スイッチが電気的に結合される、個別の2入力部ANDゲートによって作動されてもよい。ANDゲートは、バイナリ光学スイッチ300-310のパターンと位置合わせするパターン内に配列されてもよい。ANDゲート502、504、506、508、510、および512によって表される
図5のANDゲートは、
図3のバイナリ光学スイッチ300-310と位置合わせする。ANDゲート502は、バイナリ光学スイッチ300と位置合わせし、ANDゲート504は、バイナリ光学スイッチ302と位置合わせする等となる。
【0049】
各ANDゲートは、行ワイヤ514、516、および518および列ワイヤ520、522、および524によって表される、対応する行ワイヤおよび対応する列ワイヤの交点に配置される。各ANDゲートの1つの入力部が、ANDゲートの対応する行ワイヤに電気的に結合され、ANDゲートの他の入力部が、ANDゲートの対応する列ワイヤに電気的に結合される。したがって、1つの行上の論理「1」(真)信号および1つの列上の論理「1」(真)信号は、ANDゲートのうちの1つを一意にイネーブルにし、イネーブルにされたANDゲートは、個別のバイナリ光学スイッチを作動させる。
【0050】
いったん作動されると、バイナリ光学スイッチは、所定量の時間にわたって作動されたままであり得る。随意に、または代替として、いったん作動されると、バイナリ光学スイッチは、バイナリ光学スイッチがリセット信号を受信するまで作動されたままであり得る。リセットライン(図示せず)が、バイナリ光学スイッチ300-310の全てへと延在し、作動されたバイナリ光学スイッチ300-310の全ての同時リセットを促進してもよい。バイナリ光学スイッチのリセットは、下記により詳細に議論される。
【0051】
行および列アドレス指定行列500は、共通入力/出力ポート110とN個のポート200の選択されるポートとの間のHツリーを通して、所望される光学経路に沿って存在するバイナリ光学スイッチ300-310のうちの選択されるものを連続的に作動させるために使用されてもよい。すなわち、行および列アドレス指定行列500が、使用され、バイナリ光学スイッチ300-310の第1のものを作動させ、次いで、第1のバイナリ光学スイッチがリセットする前に、行および列アドレス指定行列500が、使用され、Hツリーを通して所望される光学経路に沿って存在する、選択されるバイナリ光学スイッチ300-310の全てが作動されるまで、バイナリ光学スイッチ300-310のうちの第2の(異なる)もの等を作動させてもよい。
【0052】
各作動されたバイナリ光学スイッチは、光を指向する方向に関する命令を受信する必要がある。この目的のために、各バイナリ光学スイッチ300-310はまた、付加的な類似した行および列アドレス指定行列(図示せず)に結合されてもよい、または行および列行列500は、時分割多重方式における付加的な行列としての役割を果たしてもよい。付加的な類似した行および列アドレス指定行列は、共通入力/出力ポート110からの光学信号を選択されるポート202にルーティングするために、光を1つの方向、例えば、「左」に指向するべき各作動されたバイナリ光学スイッチに信号を送信するために使用されてもよい。本「左」信号を受信しない作動されたバイナリ光学スイッチは、それらが光を反対方向、例えば、「右」に指向することになると考えて差し支えない。
【0053】
作動されたバイナリ光学スイッチが、それらの個別のコマンドされた方向に切り替えるための時間を経た後、共通入力/出力ポート110が、選択されるポート202と光学通信し、受信機112および/または伝送機114が、動作してもよい。受信機112および/または伝送機114は、一定の時間周期にわたって、または異なる方向の光線106が必要とされるまで動作してもよい。
【0054】
伝送および/または受信が完了した後、または所定の時間周期の後等、光学スイッチネットワーク104を通した異なる光経路が必要とされるとき、または異なる方向の光線106が必要とされるとき、バイナリ光学スイッチ300-310が、リセットされる。記載されるように、バイナリ光学スイッチは、光学スイッチネットワーク104を通した所望される光学経路を確立し、光学信号を送信および/または受信するために必要とされるバイナリ光学スイッチの全てを作動させるために十分な量の時間等の所定の量の時間にわたって、作動されたままであってもよい。随意に、または代替として、作動されたバイナリ光学スイッチは、上記に説明されるリセット信号によってリセットされてもよい。
【0055】
別の好適なそのような行および列アドレス指定行列600が、
図6に図式的に示されるが、単純化のために、行列600は、正方形の行列として示される。行列600の行は、行602、604、および606によって例示され、行列600の列は、列608、610、および612によって例示される。トランジスタ614、616、および618によって第1の行602内に表される個別のトランジスタは、第1の行602を列608-612に選択的に電気的に結合する。電圧が、第1の行602に印加され、それによって、電流を第1の行602内に流動するように利用可能にする。したがって、囲繞する円によって示されるようなオンであるトランジスタ618等の第1の行のトランジスタは、電流を、太矢印620によって示されるような選択される列、この場合、列612に指向する。
【0056】
各列において、個別のトランジスタは、列を、対応するバイナリ光学スイッチ(
図6に図示せず)に結合させる。囲繞する円によって示されるようなオンであるトランジスタ622等の、給電された列612におけるトランジスタは、電気的に結合され、電流を、その対応するバイナリ光学スイッチに指向し、それによって、バイナリ光学スイッチをアクティブ化する。
【0057】
代替として、アドレス指定を容易にするために、トランジスタの行502-506全体が、追加のトラジスタをオンにするために使用される追加の電力以外の本デバイス動作に影響を及ぼすことなく、同時にオンにされることができる。トランジスタは、直接的に、または、例えば、シフト演算子の使用によってアクティブ化されることができる。
【0058】
図1に戻ると、レンズ102は、全ソリッドステート光学伝送/受信端末100の、位相偏移要素の数から開口のサイズを結合解除することによって、非常に大きい有効口径面積、したがって、電力消費量を可能にする。2次元または3次元空間におけるビームの出力を制御するための平面チップにおける光学スイッチネットワーク内でバイナリ光学スイッチを使用することが、本開示の新規の側面を表す。同様に、そのようなチップからビームを外に指向するためにレンズ102を使用することもまた、本開示の新規の側面を表す。
(粗密ハイブリッド)
【0059】
いくつかの用途は、広い視野にわたる光ビームの非常に細かい位置付けを要求する。50万個もの1つの部品を各方向に位置付けることの要件は、前代未聞である。上記に説明されるような実施形態に別の位置付けスキームを追加するハイブリッドアプローチは、そのような大きいダイナミックレンジを達成することができる。本ハイブリッドアプローチは、広い視野にわたる細かい位置付けの問題を、2つの別個の問題、すなわち、粗い位置付け制御の1つのものと、細かい位置付け制御の他のものとに分割する。
【0060】
一実施形態では、粗い位置付け制御は、光学伝送/受信端末100を使用して、すなわち、上記に説明されるような光学スイッチネットワークを使用して達成され得、細かい制御は、
図7に図式的に図示されるように、レンズ102を光学スイッチネットワーク104に対して物理的に偏移させることによって、または
図17に図式的に図示されるように、光学スイッチネットワーク104をレンズ102に対して物理的に偏移させることによって達成され得る。例えば、
図7に示されるように、レンズ102は、x-y段700上に搭載されてもよい、または
図17に示されるように、光学スイッチネットワーク104は、x-y段800上に搭載されてもよい。代替として、
図9に図式的に示されるように、粗い制御は、x-y段900等によって光学スイッチネットワーク104とともにレンズ102を物理的に偏移することによって達成され得、光学伝送/受信端末100内の光学スイッチネットワークは、細かく急速なビーム移動を達成するために使用されてもよい。
【0061】
代替として、
図10に図式的に図示されるように、小型レンズアレイ等の中間光学系1000が、レンズ102と光学スイッチネットワーク104のポート200との間に光学的に配置されてもよく、中間光学系1000は、x-y段(図示せず)等によって物理的に偏移されてもよい。小型レンズアレイは、ポート200のポート毎に1つの小型レンズを含んでもよい。小型レンズ1002によって表される、小型レンズアレイの各小型レンズは、その偏移されていない位置において、ポート200のポート1004によって表される、対応するポートの中心上に位置合わせするはずである。
【0062】
例えば、矢印1006によって示されるような中間光学系1000の偏移は、ポート1004とレンズ102との間の光ビームを矢印1008によって示されるように偏移させ、これは、レンズ102によって放出または受光される光ビームを、矢印1010によって示されるように、自由空間にまたはそこから偏移させる。中間光学系1000は、走査され、それによって、ラスタ走査を実施する等のために光線106を走査してもよい。
【0063】
中間光学系1000として使用される小型レンズの単一のアレイが、転向角において限定され得、収差をもたらし得る。
図11に図式的に示されるような小型レンズアレイ1100、1102、および1104によって例示される小型レンズのいくつかのアレイが、光学スイッチネットワーク104に続いて直列に配置され、これらの課題を克服し得る。この場合、レンズ102は、光学スイッチネットワーク104から最も遠くに光学的に配置される、小型レンズアレイ1102および1104等の小型レンズアレイのうちの1つ以上のものによって置換されてもよい。小型レンズアレイ1100-1102のうちの2つ以上のものが、個別のx-y段(図示せず)等によって別個に、光線106を偏移させるまたは走査するように物理的に偏移されてもよい。
図11に示される実施形態では、最後の2つの小型レンズアレイ1102および1104が、単一のx-y段等によってともに偏移される。
【0064】
代替として、中間光学系1000は、x-y段等によって偏移可能であって、かつその偏移範囲全体を通して、光学スイッチネットワーク104のポート200の全てとレンズ102との間の場の全体を光学的に包含するために十分に大きい、単一の大きいレンズ(図示せず)を含んでもよい。
(複数のビーム)
【0065】
上記に説明される実施形態では、バイナリ光学スイッチ300-310が、1つの経路または別のものを辿って光を完全に指向する。他の実施形態では、いくつかまたは全てのバイナリ光学スイッチが、Hツリーを通して1つを上回る経路の間で光を均一または任意に分割し、複数のビーム106を異なる方向に同時に指向することを可能にする。各レベルにおける複数のスイッチが、アドレス指定される必要があるため、これを達成するために、好適な変更が、本明細書に説明されるバイナリ光学スイッチおよびアドレス指定スキームに行われる。
(導波管の内部および外部に光を選択的に結合するための統合MEMSスイッチ)
【0066】
バイナリ光学スイッチ300-310が加工され得る密度に対する限定が、伝送/受信端末100の空間分解能、すなわち、可能性として考えられる伝送または受信ビーム位置の密度を限定し得る。
図12は、本発明の別の実施形態による、光学スイッチネットワーク104(
図1)に取って代わり得る光学スイッチネットワーク1200を図示する、概略図である。光学スイッチネットワーク1200は、上記に説明される光学スイッチネットワーク104より高いスイッチ密度を提供し得る。本実施形態では、光学スイッチネットワークは、光学ビームを操向するために、MEMSベースのバイナリ光学スイッチを採用する。
【0067】
MEMSベースのバイナリ光学スイッチは、Hツリーベースのバイナリ光学スイッチ300-310より有意に小さくあり得る。その結果、MEMSベースのバイナリ光学スイッチは、先行技術におけるものより高い密度で加工または充塞され、伝送/受信端末のより高い空間分解能、すなわち、可能性として考えられる伝送/受信ビーム位置の密度を提供し得る。全ソリッドステート光学伝送/受信端末100と同様に、MEMSベースのスイッチの比較的に小さいサブセットが、任意の所与の時間において動作され、したがって、給電される必要がある。したがって、光学スイッチネットワーク1200を含む端末は、先行技術と関連付けられる、機械的なスイッチ密度、エミッタ密度、および高電力問題を克服する。
【0068】
光学スイッチネットワーク1200は、共通入力/出力ポート1202を含む。光は、両矢印1204によって示されるように、共通入力/出力ポート1202に進入および/またはそれから退出し得る。共通入力/出力ポート1202は、第1の光導波管1206に光学的に結合される。光学スイッチネットワーク1200はまた、光導波管1208、1210、1212、1214、および1216によって表される、複数の第2の光導波管を含む。各第2の光導波管1208-1216は、第1のバイナリ光学スイッチ1218、1220、1222、1224、および1226によって表される、個別の第1のバイナリ光学スイッチを介して、第1の光導波管1206に光学的に結合される。
【0069】
いくつかの実施形態では、各第1のバイナリ光学スイッチ1218-1226が、単極双投(SPDT)スイッチとして作用する。したがって、光が共通入力/出力ポート1202に進入すると仮定して、第1のバイナリ光学スイッチ1218は、光が第1の光導波管1206に沿って継続することを可能にするか、または光を第2の光導波管1208に転向させるかのいずれか一方を選択的に行うが、両方は行わない。したがって、集合的に、第1のバイナリ光学スイッチ1218-1226は、光がどの第2の光導波管1208-1216に転向されるかを制御する。同様に、集合的に、第1のバイナリ光学スイッチ1218-1226は、受信モードにおいて、光が、どの第2の光導波管1208-1216から第1の光導波管1206に、そしてそこから共通入力/出力ポート1202にルーティングされるかを制御する。5個の第2の光導波管1208-1216および5個の第1のバイナリ光学スイッチ1218-1226が示されるが、任意の好適な数の第2の導波管および第1のバイナリ光学スイッチが、含まれてもよい。
【0070】
第2のバイナリ光学スイッチ1228、1230、1232、1234、1236、1238、1240、および1242によって表される、個別の複数の第2のバイナリ光学スイッチが、各第2の光導波管1208-1216に光学的に結合される。例えば、第2のバイナリ光学スイッチ1228-1232が、第2の光導波管1208に光学的に結合される。各第2のバイナリ光学スイッチ1228-1242が、個別の第2の光導波管1208、1210、1212、1214、または1216を自由空間に選択的に光学的に結合してもよい。第2のバイナリ光学スイッチ1228-1242が、第2の光導波管1208-1216とN個のポート202-210(
図2)との間で結合されてもよい、または各第2のバイナリ光学スイッチ1228-1242が、N個のポート202-210のうちの1つの一部または全体を形成してもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、各第2のバイナリ光学スイッチ1228-1242が、単極双投(SPDT)スイッチとして作用する。したがって、光が共通入力/出力ポート1202に進入し、破線1244によって示されるように、第1のバイナリ光学スイッチ1222によって第2の光導波管1212にルーティングされると仮定して、第2のバイナリ光学スイッチ1238が、光が第2の光導波管1212に沿って継続することを可能にするか、または光を、両矢印1246によって示されるように、第2の光導波管1212から外に転向させるかのいずれか一方を選択的に行う。両矢印1246は、図面の平面から外に延在する。したがって、集合的に、第2のバイナリ光学スイッチ1228-1242は、光が、N個のポート202-210のうちのどのポートに転向されるかを制御する。同様に、集合的に、第2のバイナリ光学スイッチ1228-1242は、受信モードにおいて、光が、N個のポート202-210のうちのどのポートから第1の光導波管1206に、そしてそこから共通入力/出力ポート1202にルーティングされるかを制御する。
【0072】
14個の第2のバイナリ光学スイッチが、各第2の光導波管1208-1216に結合されて示されるが、任意の数の第2のバイナリ光学スイッチが、含まれてもよい。第2の光導波管322-1242の全てが、等しい数の第2のバイナリ光学スイッチ1228-1242を有する必要はない。
【0073】
各第1および第2のバイナリ光学スイッチ1218-1226および1228-1242が、バイナリであり、すなわち、厳密に2つの位置または状態を有する、オン/オフまたは他のスイッチである。したがって、第1および第2のバイナリ光学スイッチ1218-1226および1228-1242は、例えば、破線1244によって例示されるように、共通入力/出力ポート1202とN個のポート202-210のうちの選択されるポートとの間のスイッチアレイ1200を通して進行する光学信号のための光学経路を決定する。
【0074】
各第1のバイナリ光学スイッチ1218-1226は、任意の好適な光学スイッチによって実装されてもよい。いくつかの実施形態では、各第1のバイナリ光学スイッチ1218-1226は、MEMSによって作動される断熱性光学結合器の対によって実装される。そのようなスイッチセルが、2016年1月のTae Joon Seok, et al.の「Large-scale broadband digital silicon photonic switches with vertical adiabatic couplers」Optica, Vol. 3, No. 1, pp. 64-70(「Seok」)およびTae Joon Seok, et al.の「Large-scale broadband digital silicon photonic switches with vertical adiabatic couplers: supplemental material」(「Seok補遺」)(その内容全体は、全ての目的のために、参照することによって本明細書によって本明細書に組み込まれる)において説明される。各第1のバイナリ光学スイッチ1218-1226は、2つの光導波管を使用して実装されてもよい。しかしながら、Seokにおいて説明されるものとは異なり、2つの導波管は、交差する必要はなく、スイッチの主要部のみが、類似している。MEMSによって作動される断熱性結合器の対を含むスイッチ要素は、2つの光導波管の間に光学的に配置されてもよい。例えば、Seokの(本願において、
図13として注釈を伴って複製される)
図1を参照されたい。
【0075】
オフ状態(
図13c)では、断熱性結合器1300および1302によって例示される断熱性結合器が、光導波管1306および1308によって例示される、光導波管の約1μm上方等、十分に離れて位置1304し、したがって、光が、他の導波管1308に感知できるように結合することなく、(「スルー」によって示されるように)導波管1306のうちの1つに沿って伝搬し続ける。しかしながら、オン状態(
図13d)では、断熱性結合器1300および1302が、MEMS静電ギャップ閉鎖アクチュエータによって導波管1306および1308に向かって物理的に移動され、光は、したがって、導波管1306のうちの1つから断熱性結合器1300のうちの1つの中へ、そして(「ドロップ」によって示されるように)他の断熱性の結合器1302と他の導波管1308との間で効率的に結合される。
【0076】
代替として、各第1のバイナリ光学スイッチ1218-1226(
図12)は、
図4に関して上記で議論されるように、例えば、熱位相偏移器を伴う標準的なマッハツェンダー干渉計タイプスイッチを使用して実装されてもよい。
【0077】
記載されるように、光学スイッチネットワーク104の表面107(
図1)は、N個のポート202-210を有し、レンズ102は、入射光線106をN個のポート202-210上に合焦させ、および/またはレンズ102は、N個のポート202-210の任意のサブセットを介して放出される光学信号を空間の中に投影する。光学格子は、両矢印1246(
図12)によって示されるように、第2の光導波管1208-1216の平面から外に光を放出する、または第2の光導波管1208-1216の中に面外の光を結合するための効率的なデバイスである。光学格子は、異なる第2の屈折率を有する領域が散在される第1の屈折率を有する複数の領域を画定する、空間的に周期的な構造である。空間周期は、着目波長に基づいて選択される。ある場合には、周期的な溝が、材料内で画定される。他の場合では、異なる屈折率を有する2つの異なる材料が、互い違いにされる。説明の単純化のために、用語「溝」は、実際の溝、すなわち、空所、または光学格子の2つの互い違いにされた材料のうちの1つを表すために本明細書において使用される。
【0078】
そのような光学格子は、表面107(
図1)またはその近傍に配置されてもよい。各第2のバイナリ光学スイッチ1228-1242(
図12)は、そのような光学格子を含んでもよい。特に、各第2のバイナリ光学スイッチ1228-1242は、物理的に平行移動可能な光学格子、すなわち、少なくとも2つの位置の間で物理的に平行移動するように構成される光学格子によって実装されてもよい。第1の(「オン」)位置では、光学格子は、ある着目波長において、少なくとも約25%の結合効率を伴って第2の光導波管に光学的に結合するように、第2の光導波管1208-1216のうちの1つに十分に近接している。第2の(「オフ」)位置では、光学格子は、ある着目波長において、多くとも約5%、好ましくは、1%未満の結合効率を伴って第2の光導波管に光学的に結合するように、第2の光導波管から十分に離れている。
図12は、第2のバイナリ光学スイッチ1228-1242のうちの3つを拡大された状態で1244に示す。
【0079】
各第2のバイナリ光学スイッチ1228-1242は、平行移動可能な光学格子をオン位置およびオフ位置に選択的に平行移動させるように構成される、MEMS構造を含んでもよい。
図14は、第2のバイナリ光学スイッチ1228-1242のうちの1つのバイナリ光学スイッチ1400の概略上面図である。バイナリ光学スイッチ1400は、平行移動可能な格子1402を含む。平行移動可能な格子1402は、複数の平行または略平行な周期的な溝を画定する。溝は、壁1404、1406、および1408によって表される壁によって分離される。記載されるように、溝および壁は、異なる屈折率を有する個別の材料によって実装されてもよい。壁1404-1408は、従来の半導体加工技法を使用して、シリコン、窒化ケイ素、または別の好適な材料から作製されてもよい。溝は、空所である、または壁1404-1408と異なる好適な材料から作製されてもよい。平行移動可能な格子1402が、6つの壁1404-1408を伴って示されるが、任意の好適な数の壁および/または溝が、使用されてもよい。平行移動可能な格子1402が、第2の光導波管1410、すなわち、第2の光導波管1208-1216(
図12)のうちの1つの上方に配置される。
【0080】
図15は、オフ位置における、バイナリ光学スイッチ1400の概略側面図である。オフ位置では、平行移動可能な光学格子1402が、多くとも約5%、好ましくは、1%未満、そしていくつかの実施形態では、0.1%未満の結合効率を伴って、第2の光導波管1410に光学的に結合するために十分である、第2の光導波管1410からの距離1500をおいて配置される。いくつかの実施形態では、距離1500は、約1μm(1,000nm)である。いくつかの実施形態では、距離1500は、約800nmであってもよい。いくつかの実施形態では、距離1500は、約250nmであってもよい。オフ位置では、第2の光導波管1410内の大部分または実質的に全ての光1502が、矢印1504によって示されるように、第2の光導波管1410に沿って継続する。同様に、自由空間から光学格子1402を介して第2の光導波管1410の中に結合する光は、非常に少ない、または実質的に存在しない。
【0081】
第2の光導波管1410が、従来の半導体加工技法を使用して、シリコンまたは窒化ケイ素ウエハ等の好適な半導体ウエハ上に加工されてもよい。第2の光導波管1410は、好適な酸化物または他の不動態化層1506上に加工されてもよい。
【0082】
図16は、オン位置における、バイナリ光学スイッチ1400の概略側面図である。オン位置では、平行移動可能な光学格子1402が、少なくとも約25%の結合効率を伴って第2の光導波管1410に光学的に結合するために十分である、第2の光導波管1410からの距離1600をおいて配置される。いくつかの実施形態では、距離1600は、約10~50nmである。オン位置では、第2の光導波管1410内のより多く、大部分、または実質的に全ての光1502が、矢印1602によって示されるように、平行移動可能な光学格子1402によって自由空間の中に放出される。同様に、自由空間からの好適なモードのより多く、大部分、または実質的に全ての光が、光学格子1402を介して第2の光導波管1410の中に結合する。
【0083】
図17は、本発明のある実施形態による、代表的な寸法を示す、オン位置におけるバイナリ光学スイッチ1400の別の概略側面図である。平行移動可能な格子1402が、第2の光導波管1410から約20nmの距離(D)をおいて配置される。第2の光導波管1410は、約150nmの厚さ(T)のシリコン・オン・オキサイド基板1506である。入力光ビーム1502は、約2.5μmの半径を伴うガウスビームである。平行移動可能な格子1402は、約50nmの厚さ(H)を有する。平行移動可能な格子1402は、約580nmの溝周期(Λ)を有する。光の他の波長の溝周期(Λ)を変更する等の適切な修正が、当業者によって公知であろうように、成され得る。
【0084】
図14-16に関して議論されるように、各第2の光学スイッチ1228-1242は、平行移動可能な光学格子1402をオン位置およびオフ位置に選択的に平行移動させるように構成される、MEMS構造を含んでもよい。
図18および19は、平行移動可能な光学格子1400をオン位置およびオフ位置に選択的に平行移動させるように構成される静電MEMS構造1800を示す、オフ位置における光学スイッチ1400の個別の概略斜視図および側面図である。
図20は、オン位置における光学スイッチ1400の概略斜視側面図である。平行移動可能な光学格子1402が、破線の楕円1802内に示されている。
【0085】
平行移動可能な光学格子1402は、ブリッジ1804の一部である。ブリッジ1804は、基板1506から離間され、かつその上方に配置される。基板1506は、埋設された酸化物層1900(
図19および20)を含んでもよい。ブリッジ1804は、個別のピア1808および1810によって支持される。第2の光導波管1410は、平行移動可能な光学格子1402の下の基板1506内またはその上に配置される。
【0086】
ブリッジ1804は、2つの第1の静電作動電極1812および1814を含む。2つの対応する第2の静電作動電極1816および1818は、2つの第1の作動電極1812および1814が、それぞれ、2つの第2の作動電極1816および1818にわたって位置合わせするように、基板1506上に配置される。ブリッジ1804はまた、2つの撓曲部1820および1822を含む。
【0087】
したがって、電位2000が、
図20に図式的に示されるように、第1および第2の作動電極1812-1814および1816-1818を横断して印加される場合、結果として生じる静電力が、第1の作動電極1812-1814および平行移動可能な光学格子1402を基板1506に向かって押勢し、それによって、平行移動可能な光学格子1402を、光学スイッチ1400をオンにするために適切な第2の光導波管1410の距離内にもたらす。そのような電位および結果として生じる静電力がない場合、撓曲部1820および1822が、平行移動可能な光学格子1402をオフ位置に戻す。ボス1902(
図19)が、平行移動可能な光学格子1402の進行距離を限定するために、オン位置内に含まれてもよい。MEMS構造1800の他の側面は、SeokおよびSeok補遺において説明されるMEMS構造に類似する。
【0088】
図21および22は、それぞれ、オン位置およびオフ位置における、光学スイッチ1400内のコンピュータモデル化されたE場強度対z-x場所の結果を図示する、グラフ2100および2200を含有する。両方のプロットにおいて、第2の光導波管1410は、垂直であり、光は、矢印2102によって示されるように、第2の光導波管1410を辿って進行する。
図21では、平行移動可能な格子1402の中に結合し、スイッチ1400から退出する光が、矢印2104によって示されている。両方のプロット2100および2200において、光の波長は、1.5~1.6μmであり、E場強度は、色分け(2106)されている。プロット2100(光学スイッチ1400は、オンである)に関して、平行移動可能な格子1402が、第2の光導波管1410から20nmおいて配置されているのに対し、プロット2200(光学スイッチ1400は、オフである)に関して、平行移動可能な格子1402は、第2の光導波管1410から250nmおいて配置される。
【0089】
図12に見られるように、1つずつ等の比較的に少数の第1および第2の光学スイッチ1218-1226および1228-1242が、動作され、すなわち、オンにされ、光学信号を共通入力/出力ポート1202から選択されるポート1238にルーティングする必要がある。本少数のスイッチは、したがって、匹敵する光学位相アレイ内の位相偏移器よりはるかに少ないエネルギーを消費する。加えて、MEMSベースの第1および第2の光学スイッチ1218-1226および1228-1242は、より小さくあり得、したがって、Hツリーの位相偏移器またはバイナリ光学スイッチより高い密度で加工または充塞されてもよい。
【0090】
説明される実施形態では、第1および第2の光学スイッチ1218-1226および1228-1242が、1つの経路または別のものを辿って光を完全に指向する。他の実施形態では、光学スイッチネットワーク1200(
図12)が、それぞれがN個のポート202-210の非重複サブセットを独立して動作させ、それぞれがそれを取り扱う、複数の光学スイッチネットワークに分割される。これは、光学伝送/受信端末100(
図1)内に複数の光学スイッチ104を含むことに類似する。複数の光学スイッチネットワーク104または分割された光学スイッチネットワーク104は、複数の種々の光線106を取り扱うことができる、すなわち、各光線106は、空間内の異なる方向に指向される。
(タイル状ディスプレイ)
【0091】
図23は、異なる角度から投影を観察する視認者によって異なるように知覚される画像を投影することが可能である、ディスプレイプロジェクタ2300の概略図である。本明細書に説明される光学スイッチネットワークのうちのいずれか等の光学スイッチネットワーク2302は、変調レーザ(図示せず)等からの光学入力2304を介して光を受光し、その光を、コントローラ2308によって指向されるように、複数の出力ポート2306のうちのある出力ポートにルーティングする。各出力ポート2306は、本明細書に説明されるもの等の光学結合器であってもよい。コントローラは、データ源2310からのデータを使用し、光学スイッチネットワーク2302をコマンドしてもよい。データ源2310は、所定のデータを含有してもよい、またはデータは、リあるタイムで生成されてもよい。データ源2310は、例えば、物体の3次元表現を定義するデータを含有してもよい。
【0092】
レンチキュラレンズ2312は、出力ポート2306を自由空間2314に光学的に結合する。レンチキュラレンズ2312の性質に起因して、観察者2316、2318、および2320によって表される各観察角度から、出力ポート2306の異なる部分が見える。具体的には、各観察者2316-2320には、線2322、2324、および2326によって示されるように、出力ポート2306の異なる出力ポートが見える。
【0093】
ディスプレイプロジェクタ2300は、画像の1つのピクセルを投影してもよく、各観察者2300には、レンチキュラレンズ2312に対する観察者の位置に基づいて、異なるようにそのピクセルが見え得る。例えば、ピクセルは、花の一部を表してもよい。花のその一部は、異なる場所から花を観察する異なる観察者に異なって見えるであろう。例えば、花のその一部が照明され、観察者の花の一部への視線が遮断されない場合、観察者には、花の一部が見えるであろう。しかしながら、観察者の視線が遮断される場合、花の一部は、視認不可能であるであろう。同様に、花の一部は、観察の角度に応じて、伸長または圧縮されて見え得る。したがって、観察者の角度に応じて、所与のピクセルは、明るい、暗い、または空白(視認不可能)であり得る。
【0094】
見掛け上の3次元画像を含む、マルチピクセルの画像を観察者2316-2320に投影するために、ディスプレイプロジェクタ2300は、
図24に図式的に図示されるように、投影されるべきピクセル毎に、光学スイッチネットワークと、出力ポートおよびレンチキュラレンズと、1つの光学スイッチネットワークと、1つの出力ポートと、1つのレンチキュラレンズとのセット2400を含んでもよい。したがって、観察者2316-2320の視点から、光学スイッチネットワークと、出力ポートと、レンチキュラアレイとのセット2400によって表される個別のピクセルは、マルチピクセル画像を形成するようにタイル状である。
【0095】
群2402によって表される、光学スイッチネットワークと、出力ポートと、レンチキュラアレイとの各群は、白色または赤色等の単一の色を投影し、単色画像を形成し得る。代替として、各群2402は、2404において示されるように、3つの光学スイッチネットワークと、3つの出力ポートと、3つのレンチキュラレンズとを含んでもよく、各光学スイッチネットワーク、出力ポート、およびレンチキュラレンズは、赤色、緑色、および青色等の異なる色を投影する。
【0096】
図23に戻ると、コントローラ2308は、出力ポート2306を通して、すなわち、可能性として考えられる視認角度を通して走査し、視認角度毎に異なる振幅および/または色を投影してもよい。コントローラ2308は、光源2328を変調させ、入力光2304の振幅および/または色を制御してもよい。光源2328が、赤色、緑色、および青色、または別の好適な色の範囲を投影することが可能である場合、コントローラ2308は、出力ポート2306毎に色を通して巡回させ、それによって、観察者2316-2320にカラー画像を投影してもよい。いずれの場合も、走査は、観察者2316-2320がフリッカを知覚しないように十分に迅速に行われるべきである。
【0097】
ディスプレイプロジェクタ2300が、ピクセル毎に別個のレンチキュラレンズを有するものとして説明されるが、単一のレンチキュラレンズが、ピクセルの全てまたはいくつか等のいくつかのピクセルを所与の列の中に投影するように十分に大きくあり得る。レンチキュラレンズの小型レンズアレイが、使用されてもよい。
【0098】
図25は、本発明のある実施形態による、光学スイッチネットワーク2500の別の実施形態の概略図である。光学スイッチネットワーク2500は、プリズム等の波長フィルタ2502を含む。入力光2304の波長に応じて、波長フィルタ2502は、光を出力ポート2306のうちの1つに指向する。入力光2304の源は、例えば、調整可能なレーザ2504であってもよく、コントローラ2506は、データ源2310からの情報に基づいて調整可能なレーザ2504の波長を制御し、光を投影することになる出力ポート2306を選択してもよい。
図23に関して議論される実施形態と同様に、コントローラ2506は、波長を通して走査し、調整可能なレーザ2504の振幅を変調させ、各角度において、すなわち、観察者2316-2320に対して投影されるピクセルの振幅に影響を及ぼしてもよい。
【0099】
いくつかの実施形態では、出力ポート2306は、それらが受光する光の波長を送出する。他の実施形態では、出力ポート2306は、波長に関わらず、入射光によって刺激され、赤色、緑色、または青色等の所定の光の波長を放出するように構成される。
【0100】
入力光2304における波長の範囲および波長フィルタ2502の通過帯域が比較的に狭く、したがって、光2304が、人間の観察者2316-2320によって単一の色またはほぼ単一の色として知覚されるであろう場合、光学スイッチネットワーク2500が、単色ピクセルを投影するために使用されてもよい。カラーピクセルが投影されるべきである場合、
図25に関して説明されるスキームが、ピクセル毎に複製されてもよく、群2404(
図24)に関して議論されるように、各複製が、赤色、緑色、および青色等の異なる色を投影してもよい。複製のそれぞれにおいて、波長フィルタ2502は、赤色、緑色、および青色等の3つの好適な異なる色が、各複製における所与の出力ポート2306に到達することを可能にするように異なり、3つの色は、所与の色として人間の観察者2316-2320によって知覚されるように組み合わせにおいて使用され得る。
【0101】
例えば、3つの複製のうちの1つにおける波長フィルタ2502は、赤色光が、複製内の所与の出力ポート2306に到達するように構成されてもよく、3つの複製のうちの第2のものにおける波長フィルタ2502は、緑色光が、対応する、すなわち、同一の出力方向、すなわち、第2の複製内の出力ポート2306に到達するように構成されてもよく、3つの複製のうちの第3のものにおける波長フィルタ2502は、青色光が、対応する、すなわち、同一の出力方向、すなわち、第3の複製内の出力ポート2306に到達するように構成されてもよい。
【0102】
他方では、入力光2304における波長の範囲および波長フィルタ2502の通過帯域が比較的に広く、したがって、光2304が、人間の観察者2316-2320によって異なる色として知覚されるであろう場合、
図25に関して説明されるスキームが、上記で議論されるように、ピクセル毎に複製されてもよい。複製のそれぞれにおいて、波長フィルタ2502は、赤色、緑色、および青色等の3つの好適な異なる色が、各複製における所与の出力ポート2306に到達することを可能にするように異なり、3つの色は、所与の色として人間の観察者2316-2320によって知覚されるように組み合わせにおいて使用され得る。例えば、3つの複製のうちの1つにおける波長フィルタ2502は、赤色光が、複製内の所与の出力ポート2306に到達するように構成されてもよく、3つの複製のうちの第2のものにおける波長フィルタ2502は、黄色光が、対応する、すなわち、同一の出力方向、すなわち、第2の複製内の出力ポート2306に到達するように構成されてもよく、3つの複製のうちの第3のものにおける波長フィルタ2502は、橙色光が、対応する、すなわち、同一の出力方向、すなわち、第3の複製内の出力ポート2306に到達するように構成されてもよい。しかしながら、本スキームは、各観察者2316-2320に投影可能な色の範囲または数を限定し得る。
【0103】
ディスプレイプロジェクタ2300および光学スイッチネットワーク2500が、光学信号を出力する状況において説明されるが、観察者2316-2320が、物体から反射される光等の光学源によって置換されてもよく、光源2328および調整可能なレーザ2504が、好適な光学受信機によって置換され、受信端末を形成してもよい。
【0104】
本明細書で使用されるように、「光学結合器」は、自由空間内を進行する光学信号と、光ファイバまたは中実ガラス等の導波管内を進行する光学信号との間の光学アンテナまたは他のインターフェースデバイスを意味する。いくつかの実施形態では、
図2および12を参照して議論されるポート200が、光学結合器を伴って実装されてもよい。光導波管が自由空間伝搬の所望される方向に対して垂直に延在する実施形態では、光学結合器は、この方向の変化を促進するはずである。光学結合器の実施例は、小型格子と、導波管内に加工されたプリズムと、ウエハ内にエッチングされ、鏡として使用されるファセットとを含む。光学アンテナは、自由伝搬光学放射線を局所的エネルギーに効率的に変換し、そして逆もまた同様に効率的に変換するように設計されたデバイスである。光学アンテナは、Palash Bharadwaj, et al.の「Optical Antennas」, Advances in Optics and Photonics 1.3 (2009年), pp. 438-483(その内容全体は、あらゆる目的のために、参照することによって本明細書によって本明細書に組み込まれる)によって説明される。
【0105】
いくつかの実施形態では、光学スイッチネットワーク104または1200は、シリコンウエハ等の光チップ上に実装されてもよい。「ウエハ」は、シリコンウエハ等の製造された基板を意味する。例えば、地表面は、ウエハの意味に該当しない。光チップは、基板を提供し、光チップは、基板の厚さ以内の光導波管を提供するように加工され得る。光導波管は、着目波長において光透過性であるガラスまたは別の材料から作製されてもよい。光導波管は、中実であり得る、または基板の厚さ内のボアによって画定され、部分的に真空状態である、または空気または乾燥窒素等のガスで充填される、中空等の中空であり得る。光導波管は、導波管の光学媒体の屈折率および光導波管を囲繞する基板または他の材料の屈折率における差異によって画定されてもよい。光チップは、従来のCMOSプロセス等の従来の半導体加工プロセスを使用して加工されてもよい。
【0106】
光学スイッチネットワーク104または1200の動作が所望される波長に応じて、適切な材料が、使用されるべきである。例えば、受動導波管は、そのCMOS加工プロセスとの適合性および高屈折率コントラストのため、種々の周知の材料、好ましくは、窒化シリコンから作製されることができる。受動導波管のための代替材料は、ドープシリカまたはポリマーを含む。活物質は、GaN、AlN、およびあるポリマーを含む。
【0107】
本明細書で使用されるように、「光」は、約100nm~約1mmの波長を有する電磁放射線を意味する。
【0108】
本発明は、上記に説明される例示的実施形態を通して説明されるが、図示される実施形態への修正およびその変形例が、本明細に開示される発明の概念から逸脱することなく成され得る。例えば、寸法および材料等の具体的なパラメータ値が、本発明の範囲内で開示される実施形態に関連して列挙され得るが、全てのパラメータの値が、異なる用途に適するように幅広い範囲にわたって変動し得る。文脈において別様に示される、または当業者によって別様に理解されない限り、「約」等の用語は、±20%を意味する。
【0109】
請求項を含め、本明細書に使用されるように、請求項を含め、項目の列挙に関連して使用される用語「および/または」は、列挙における項目のうちの1つ以上のもの、すなわち、列挙における項目のうちの少なくとも1つを意味し、必ずしも列挙における項目の全てを意味するわけではない。請求項を含め、本明細書に使用されるように、項目の列挙に関連して使用される用語「または」は、列挙における項目のうちの1つ以上のもの、すなわち、列挙における項目のうちの少なくとも1つを意味し、必ずしも列挙における項目の全てを意味するわけではない。「または」は、「排他的または」を意味するものではない。
【0110】
請求項を含め、本明細書に使用されるように、ある動作「または」別の動作を実施するように構成されているものとして説明される要素は、その動作のうちの1つのみを実施するように構成される要素によって充足される。すなわち、その要素は、その動作のうちの1つを実施する1つのモードおよび他の動作を実施する別のモードで動作するように構成される必要はない。その要素は、その動作のうちの1つを上回るものを実施するように構成されてもよいが、そうである必要はない。
【0111】
実施形態の側面は、各ブロックの全てまたは一部のブロック図、機能、動作、決定等を参照して説明され得るが、ブロックの組み合わせが、組み合わせられる、別個の動作に分離される、または他の順序で実施されてもよい。各ブロックの全てまたは一部またはその組み合わせは、(ソフトウェア等の)コンピュータプログラム命令、(組み合わせ論理、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、または他のハードウェア等の)ハードウェア、ファームウェア、またはその組み合わせとして実装されてもよい。例えば、光をアクティブ化するように、および/またはそれを説明される行および列の行列等を介して特定の方向に指向させるようにコマンドするために1つ以上のバイナリ光学スイッチを選択するステップを含む、伝送/受信端末100によって光を伝送または受光するための方向を選択するステップは、メモリ内に記憶される命令を実行するプロセッサによって実施されてもよい。
【0112】
実施形態またはその一部は、メモリ内に記憶される命令を実行する、またはそれによって制御される、1つ以上のプロセッサによって実装されてもよい。各プロセッサは、適宜、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)等の汎用目的プロセッサ、特殊目的プロセッサ等、またはその組み合わせであってもよい。
【0113】
メモリは、制御ソフトウェアまたは他の命令およびデータを記憶するために好適なランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、または任意の他のメモリ、またはその組み合わせであってもよい。本発明の機能を定義する命令は、限定ではないが、有形の書込不可能な記憶媒体(例えば、ROM等のコンピュータ内の読取専用メモリデバイス、またはCD-ROMまたはDVDディスク等のコンピュータI/Oアタッチメントによって読取可能な媒体)上に恒久的に記憶される情報、有形の書込可能な媒体(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、リムーバブルフラッシュメモリ、およびハードドライブ)に改変可能に記憶される情報、または有線または無線のコンピュータネットワークを含む通信媒体を通してコンピュータに伝達される情報を含む、多くの形態でプロセッサに配信されてもよい。そのうえ、実施形態は、種々の例証的データ構造に関連して説明され得、システムが、種々のデータ構造を使用して具現化されてもよい。
【0114】
開示される側面またはその一部は、上記に列挙されていない、および/または明示的に請求されていない方法で組み合わせられてもよい。加えて、本明細書に開示される実施形態は、本明細書に具体的に開示されていないいかなる要素もない状態で適切に実践され得る。故に、本発明は、開示される実施形態に限定されるものとして見なされるべきではない。