IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ギマク・ディ・マッキャグナン・ジョルジオの特許一覧

特許7133555付加製造プロセスのためのシステムおよび関連する制御方法
<>
  • 特許-付加製造プロセスのためのシステムおよび関連する制御方法 図1
  • 特許-付加製造プロセスのためのシステムおよび関連する制御方法 図2
  • 特許-付加製造プロセスのためのシステムおよび関連する制御方法 図3a
  • 特許-付加製造プロセスのためのシステムおよび関連する制御方法 図3b
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】付加製造プロセスのためのシステムおよび関連する制御方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/386 20170101AFI20220901BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20220901BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20220901BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20220901BHJP
【FI】
B29C64/386
B29C64/209
B33Y30/00
B33Y50/00
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019532957
(86)(22)【出願日】2017-12-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 IB2017057884
(87)【国際公開番号】W WO2018116075
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】102016000128438
(32)【優先日】2016-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504039317
【氏名又は名称】ギマク・ディ・マッキャグナン・ジョルジオ
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】マッキャグナン,ジョルジオ
(72)【発明者】
【氏名】マッキャグナン,シモーネ
(72)【発明者】
【氏名】ペドロッキ,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】マニョーニ,パオロ
(72)【発明者】
【氏名】チェバスコ,ルカ
【審査官】坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-345359(JP,A)
【文献】特開2016-113171(JP,A)
【文献】特表2016-518267(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0321418(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/10,64/106,64/20,64/209,64/386
B33Y 10/00,30/00,50/00,70/00,80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造プロセスのためのシステム(1)であって、
擬人化産業タイプのロボットと、
前記ロボット(2)に取り付けられるように構成された押出機(3)と、
少なくとも温度センサ(5a)および位置センサ(5b)を含む、付加製造プロセスの動作条件に関する複数のパラメータを検出するように構成された複数のセンサ(5)と、
前記押出機から押し出された材料の複数の状態調節手段(8)と、
前記押出機が移動する経路を制御し、前記複数のセンサ(5)によって検出された前記複数のパラメータのうちの少なくとも2つのパラメータに応じて前記押出機が移動する前記経路を決定するように構成された制御ユニット(4)と、を備え
前記複数のセンサ(5)が、付加製造プロセスのために前記システム(1)の前記押出機(3)に取り付けられるように構成された支持体(6)であって、前記押出機(3)のノズル(7)を囲む領域において前記複数のセンサ(5)を移動させることを可能にする支持体(6)上に配置されている、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの温度センサ(5a)が、赤外線センサ、サーマルカメラ、高温計、およびレーザセンサのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの温度センサ(5a)が、前記押出機(3)を出る前記材料(9)の断面、下部および上部のうちの少なくとも1つにおいて温度測定を行う、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの位置センサ(5b)が、三角測量レーザスキャナ、レーザポインタ、共焦点センサ、立体視センサ、TOFカメラ、静電容量式センサ、誘導式センサ、光電式センサ、または超音波式センサ、および力覚抵抗センサを備えたプローブのうちの少なくとも1つである、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの位置センサ(5b)が、前記押出機(3)を出る前記材料(9)の断面、下部および上部のうちの少なくとも1つについて寸法測定を行う、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記付加製造プロセスのためのシステム(1)が、前記押出機(3)を出る前記材料(9)に作用するように構成された圧縮機要素(10)を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数の状態調節手段(8)が、押出されたばかりの前記材料(9)の温度を、前記複数のセンサ(5)によって検出された前記複数のパラメータの少なくとも2つのパラメータに応じて、変化させるように構成された温度調節器である、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御ユニット(4)が、押出されたばかりの前記材料(9)を囲む少なくとも1つの領域から情報を取得するように構成され、前記複数のセンサ(5)によって検出された前記複数のパラメータのうちの少なくとも2つのパラメータに応じて、少なくとも1つの囲み領域を決定するようにも構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記支持体(6)が前記押出機(3)のノズル(7)の近接に取り付けられている、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
押出されたばかりの前記材料(9)の機械的性質を測定および/または制御するための閉ループにおける測定および/または制御手段も存在し、前記測定および/または制御手段は、押出されたばかりの前記材料(9)の結晶化プロセスと相関する1つまたは複数の化学的/物理的パラメータおよび/または冷却勾配を検出および/または制御するのに適している、請求項1からのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
閉ループにおける前記測定および/または制御手段が、ラマン効果および/または「FTIR」タイプの分光センサを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
付加製造プロセスのための制御方法であって、
オブジェクトのCAD図面を取得するステップ(101)と、
押出形状を生成するために、前記取得されたCAD図面に対してスライスステップ(102)を実行するステップと、
前記押出形状の実現を可能にする押出機(103)がたどるべき経路を計算するステップと、
請求項1から11のいずれか一項に記載の付加製造プロセスのためのシステムの押出機を前記押出機がたどるべき前記経路に沿って移動させるステップと、を含み、
前記制御方法は、
請求項1から11のいずれか一項に記載の付加製造プロセスのためのシステム(1)における複数のセンサ(5)によって検出された少なくとも2つのパラメータに応じて、前記押出機がたどるべき前記経路を決定するステップを含む、制御方法。
【請求項13】
起こり得る後続の分析を可能にするために、前記複数のセンサによって検出された前記複数のパラメータを保存するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記押出機の前記計算されたたどるべき経路と実際の経路との間の比較に応じて、前記スライスステップの間に生成された前記押出形状(110)を修正するステップを含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から11に記載の付加製造プロセスのためのシステム(1)の複数のセンサ(5)によって検出された少なくとも2つのパラメータに応じて、押出されたばかりの前記材料を囲む少なくとも1つの領域から情報を取得し、押出されたばかりの前記材料を囲む前記少なくとも1つの領域を決定するステップを含む、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
押出されたばかりの前記材料(9)の機械的性質を閉ループにおいて測定および/または制御するステップをさらに含み、閉ループにおいて測定および/または制御する前記ステップは、押出されたばかりの前記材料(9)の結晶化プロセスと相関する1つまたは複数の化学的/物理的パラメータおよび/または冷却勾配を検出および/または制御するサブステップを含む、請求項12から15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3Dプリンティングによるオブジェクト実現プロセスの分野に関する。
【0002】
特に、本発明は付加製造プロセスのためのシステムおよび関連する制御方法に関する。
【背景技術】
【0003】
付加製造市場は、特にテクニカルポリマーに関して急速に拡大しているが、互いに非常に異なる特性を持つという欠点があり、その上、最適ではない挙動を持つ材料を使用する場合、または正確には知られていないパラメータを使用する場合、通常の押出プロセスを得ることは容易ではない。このため、実現したい製品の最高品質を保証するために、特に押出ステップ中に使用される材料の仕様に合わせて柔軟に作動できる付加製造システムは不可欠である。
【0004】
この問題は、大きなオブジェクトを目的とした用途、したがって高流速の材料を含む用途を意図した機械およびプロセスを検討する場合に特に明白になる。この種のプロセスでは、製造上の理由または他の理由で原材料が変更されたときはいつでもシステムを再パラメータ化する必要があり、長い処理時間が不可避的に必要である。これは製造時間の急激な増加を引き起こし、この種のプロセスを競争力がなく非効率的にさせる。
【発明の概要】
【0005】
これに関連して、本発明の根底にある技術的課題は、少なくとも上述の従来技術の欠点を克服する付加製造プロセスのためのシステムおよび関連する制御方法を提案することである。
【0006】
特に、本発明の目的は、使用される原材料の特性にかかわらず、処理時間の効率的な短縮を保証することができる付加製造プロセスのためのシステムおよび関連する制御方法を提供することである。
【0007】
上述の技術的課題および特定の目的は、添付の特許請求の範囲の請求項の1つまたは複数に記載の技術的特徴を含む付加製造プロセスのためのシステムおよび関連する制御方法によって実質的に達成される。
【0008】
本発明によれば、付加製造プロセスのためのシステムおよび関連する制御方法が提供され、擬人化産業用ロボットと、擬人化産業用ロボットに取り付けられるように構成された押出機と、付加製造プロセスの動作条件に関連する複数のパラメータを検出するように構成される複数のセンサと、前記押出機から押出された材料の複数の状態調節手段と、押出機の経路を制御するように構成された制御ユニットとを備える。
【0009】
制御ユニットはまた、複数のセンサによって検出された複数のパラメータのうちの少なくとも2つのパラメータに応じて押出機の経路を修正するようにも構成される。
【0010】
好ましくは、複数のセンサは少なくとも1つの温度センサおよび/または位置センサを含む。
【0011】
好ましくは、少なくとも1つの温度センサは、赤外線センサ、サーマルカメラ、高温計、レーザセンサから選択される。
【0012】
好ましくは、少なくとも1つの位置センサは、三角測量レーザスキャナ、レーザポインタ、共焦点センサ、立体視センサ、TOFカメラ、静電容量式センサ、誘導式センサ、光電式または超音波式センサおよび力覚抵抗センサ付きプローブから選択される。
【0013】
好ましくは、センサは、押し出されたばかりの材料または前に押し出された層の断面、下部および上部のうちの少なくとも1つについて測定を行う。
【0014】
また好ましくは、システムは、押出機を出る材料に作用するように構成された圧縮要素を備える。
【0015】
好ましくは、状態調節手段は、複数のセンサによって検出された複数のパラメータのうちの少なくとも2つのパラメータに応じて、押出材料の温度を変えるように構成された温度調節器である。
【0016】
また、オブジェクトのCAD図面を取得するステップと、押出形状を生成するために取得されたCAD図面に対してスライスステップを実行するステップと、前記押出形状を得ることを可能にする押出機の経路を計算するステップと、本発明による付加製造プロセスのためのシステムの押出機を当該押出機の経路に沿って移動させてセンサの正しい向きを維持するステップとを含む付加製造プロセスのための制御方法も本発明の対象である。
【0017】
この方法はまた、本発明による付加製造プロセスのためのシステム内の複数のセンサによって検出された少なくとも2つのパラメータに応じて押出機の経路を修正するステップを含む。
【0018】
好ましくは、この方法はまた、起こり得るその後の分析を可能にするために、複数のセンサによって検出された複数のパラメータを保存するステップを含む。
【0019】
それはまた好ましくは、計算された押出機の経路と実際に辿った経路との間の比較に応じて、押出形状を修正するステップを含む。
【0020】
さらなる態様によれば、本発明は、付加製造プロセスのためのシステムおよび関連する制御方法に関し、擬人化産業用ロボットと、擬人化産業用ロボットに取り付けられるように構成された押出機と、付加製造プロセスの動作条件に関連する複数のパラメータを検出するように構成される複数のセンサと、前記押出機から押出された材料の複数の状態調節手段と、押出されたばかりの材料を囲む少なくとも1つの領域から情報を取得するように構成された制御ユニットとを含む。
【0021】
制御ユニットはまた、複数のセンサによって検出された複数のパラメータのうちの少なくとも2つのパラメータに応じて、押出されたばかりの材料を囲む少なくとも1つの領域を修正するようにも構成される。
【0022】
複数のセンサは、付加製造プロセスのためのシステムの押出機に取り付けられるように構成された支持体上に配置されるのが好ましい。さらにより好ましくは、支持体は押出機のノズルの近接に取り付けられる。
【0023】
さらなる態様によれば、本発明は、オブジェクトのCAD図面を取得するステップと、押出形状を生成するために取得されたCAD図面に対してスライスステップを実行するステップと、前記押出形状を得ることを可能にする押出機の経路を計算するステップと、押出されたばかりの材料を囲む少なくとも1つの領域から情報を取得するステップとを含む付加製造プロセスのための制御方法に関する。
【0024】
この方法は、押出されたばかりの材料を囲む少なくとも1つの領域を、付加製造のためのシステムの複数のセンサによって検出された少なくとも2つのパラメータに応じて決定するステップをさらに含む。
【0025】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面に示すように、付加製造プロセスのためのシステムおよび関連する制御方法の、例示的であるが排他的でない、したがって非限定的な好ましい実施形態の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】可能な実施形態による付加製造プロセスのためのシステムを示す図である。
図2】可能な実施形態による付加製造プロセスのためのシステムに含まれる押出機のノズルを囲む領域の詳細を示す図である。
図3a】可能な実施形態による本発明の方法に含まれるステップの詳細ブロック図を示す。
図3b】可能な実施形態による本発明の方法に含まれるステップの詳細ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1において、番号1は付加製造プロセスのためのシステムを示す。
【0028】
システム1は、擬人化産業用ロボット2(添付の図面に概略的にのみ示されている)および押出機3を備える。押出機3は、実用的かつ効率的な方法でその動作を可能にするようにロボット2に取り付けられるように構成される。
【0029】
押出機が移動する経路は制御ユニット4によって制御され、制御ユニット4はさらに、例えば押出速度および押出材料の流速などの、付加製造プロセスの他のパラメータの管理も扱う。
【0030】
制御ユニット4はまた、押出されたばかりの材料9の少なくとも1つの囲み領域から情報を取得し、囲み領域の寸法的特徴を前記複数のセンサ5により検出された複数のパラメータのうちの少なくとも2つのパラメータに応じて決定するように構成される。
【0031】
システム1は、添付の図面に示される可能な実施形態によれば、押出機3のノズル7を囲む領域においてセンサ5を移動させることを可能にする支持体6に取り付けることができる複数のセンサ5をさらに備える。このようにして、付加製造プロセスの実行中にセンサが常に最適位置にあるように、例えば押出機3の動作によってセンサの照準線が遮られないようにセンサを配置することが可能である。
【0032】
可能な実施形態によると、支持体6は、ノズル7の近接に押出機自体に取り付けられるように構成される。
【0033】
例えば、図2に示されるように、支持体6はリング形状を有し、押出機に同心円状に取り付けられてもよく、これにより、ノズル7がリングの中心に配置される。このようにして、付加製造プロセスの間、センサ5はノズル7まわりの回転によって自由に動き、押出機の構造要素の1つが視界(view)を遮る危険性なしにプロセス自体を監視することを可能にする。
【0034】
この構造的特徴はまた、本明細書に記載およびクレームされている他の特徴とは無関係であり得る。
【0035】
あるいは、複数のセンサ5を押出機を囲む領域に静的に配置することができ、一方、付加製造プロセス全体を通して動作パラメータを正しく取得することは、情報を収集しようとしている領域に向かってセンサの視野の向きを正しくかつ最適に向けるように構成される複数の集束手段によって保証される。
【0036】
図2に示されるように、可能な実施形態によれば、3つのセンサ5がある。具体的には、温度センサ5a、位置センサ5b、およびさらなる温度センサまたはさらなる位置センサのいずれかであり得るさらなるセンサ5cがある。
【0037】
押出機5の進行方向に対して、温度センサ5aをノズルの前方に保持することができ、これは押出されている層の下層が両者を溶着するのに適した温度であるかどうかを知るためであるが、その背後には、押出機5の進行方向に対して、堆積されたばかりの材料の冷却、したがって凝固を監視するためでもある。
【0038】
層上堆積(layer-on-layer depositions)の場合、押出機5の進行方向に対して、位置センサ5bをノズルの前方に保持することができ、現在の層が堆積中である下層の寸法の不規則性を検出し補正する。それは、凝固の間に、実現される実際の押出形状を監視するために、押出機5の進行方向に対して、ノズルの後ろに取り付けられる意味も獲得する。
【0039】
使用可能な温度センサの例は以下の通りである。すなわち、視野内のオブジェクトによって照射された赤外線を測定する赤外線センサ、露出した表面の温度マップを得ることができるサーマルカメラ、測定対象の物体(body)から発せられる熱スペクトルに基づいて温度を決定する高温計、黒体放射から物体の温度を決定するレーザ温度計である。
【0040】
使用可能な位置センサの例は以下の通りである。すなわち、三角測量レーザスキャナであって、徐々に増えて変化し、かつ値が即座に分かる角度でオブジェクトに向かってレーザビームを放射する送信ユニットと、レーザエミッタに対して機器の反対側の端部に配置されたCCDセンサ(この種の技術ではエミッタ-レシーバ間距離は、前もって知られており、「オブジェクト-エミッタ-レシーバ」三角形の底辺を表し、反射面上の点の位置は、この三角形を三角法的に(trigonometrically)解くことによって決定される)からなる受信ユニットと、からなる三角測量レーザスキャナ、測定対象オブジェクトによって反射された波の段差を利用するレーザポインタ、三次元オブジェクトの異なる部分の一連の画像を集める三次元構造の再構成を可能にする共焦点センサ、二次元画像から三次元画像を再構成する立体視センサ、光パルスがカメラ-オブジェクト-カメラの経路を移動するのにかかる時間を測定し、レーザスキャナとは異なり、すべての視野を同時に分析することができるTOFカメラ、静電容量式センサ、誘導式、光電式または超音波式センサ、力覚抵抗センサを持つプローブであって、接触の有無とその存在を評価するプローブである。
【0041】
センサ5は、材料9の特定の領域から情報を収集するように構成することができ、センサ5がノズル7の後方に配置されている場合には、例えば、押出されたばかりの材料9の断面、下部、または上部の部分について測定することが可能であり、センサ5がノズル7に対して前方に配置されている場合には、前に堆積された層の対応する部分について測定することが可能である。
【0042】
異なるセンサ5について押出材料9の異なる領域から情報を収集することも可能であり、このようにして、プロセスに関するより多くの情報を得ることを可能にするより多数のパラメータを取得することが可能である。
【0043】
図2に示されるように、システム1はさらに複数の状態調節手段8を含み、状態調節手段は押出機3のノズル7の近接に取り付けられた温度調節手段である。
【0044】
状態調節手段8は、ノズル7を出る材料9の状態特性、例えば温度、粘度および密度などを修正することを可能にする。本明細書に記載の場合、状態調節手段は、材料9が前の層との正しい溶接に適した温度ではない場合に材料9を加熱または冷却することによって材料9に作用する温度調節手段である。
【0045】
温度調節手段はまた、押出中の材料と溶接することをより適切にするように既に堆積されている層に作用することができる。
【0046】
本システムで使用可能な状態調節手段8の例は以下の通りである。すなわち、流速に関して調整可能な適切なノズルを通して空気が吹き込まれる管、局部抵抗、ペルチェセル、レーザ、押出材料9における吸熱または発熱反応を引き起こすことができる試薬蒸留装置である。
【0047】
図2には、押出機を出る材料に作用するように構成された圧縮機10も示されている。特に、圧縮機要素10は材料9に作用して、押出されたばかりの材料9の層を規則化し、その構造をチェックする。
【0048】
好ましい実施形態によれば、圧縮機10は成形シューのような機械的圧縮機である。
【0049】
本発明のさらなる革新的で独創的な構造的特徴は、好都合なことに、これまでに説明し特許請求の範囲に記載したハードウェアシステムにおいて、押出されたばかりの材料9の機械的性質の制御手段および/または適切な閉ループ測定の存在によって与えられ得る。そのような閉ループ測定および/または制御手段は、例えば、押出されたばかりの材料(9)の結晶化プロセスに関する1つまたは複数の化学的/物理的パラメータおよび/または冷却勾配を検出する(または、既知の方法で実現可能なフィードバック機能スキームおよび/または構造要素によって制御する)のに適し得る。
【0050】
そのような閉ループ制御を実行するのに必要とされるシステム構造要素の観点から、そしてフィードバック制御を実行する可能性に言及すると、閉ループ測定および/またはラマン効果を含む制御手段および/または “ FTIR”型分光センサを挙げることができる。
【0051】
図3では、代わりに、本発明による付加製造プロセスのための制御方法ステップの流れ図が示される。
【0052】
方法は、例えば、堆積される層の堆積領域、高さおよび厚さなどの一連のプロセスパラメータを設定するステップ100から始まる。
【0053】
これに、実現されるべきオブジェクトが表されているCADモデルのシステム1による取得ステップ101が続く。
【0054】
次に、図面はスライスステップ102にかけられ、ここで3Dモデルは、付加製造のためのシステムを駆動する働きをする命令に変換され、実際には、オブジェクトのモデルは水平層に切断され、この種のプロセスによって作られるオブジェクトを区別する古典的なステップを表す押出形状を生成する。
【0055】
続いて、スライスステップ102から得られた情報に基づいて、画像が取得されたオブジェクトを実現するために押出機4がたどらなければならない押出機の経路103が計算される。
【0056】
押出機の経路から出発して、センサ5を介して情報を収集することができる、押出領域を囲む少なくとも1つの領域を、図3に示される番号104のステップにおいて規定することが可能である。
【0057】
サブステップ104-1および104-2も提供され、そこでは、押出機3の経路の連続するセグメント間の角度が計算され、回転がそのような角度に対応するセンサ5の視野に与えられる。このようにして、センサ5は、プロセスのあらゆる瞬間に情報が収集されるべき少なくとも1つの領域に関して、それらの最適な視野を確実に維持する。
【0058】
必要な情報が制御ユニット4にロードされると、以前に計算された押出機の経路に沿って押出機3を動かすことによって押出を開始106することが可能である。
【0059】
押出機の経路の各点において、センサの出力107が読み取られ、必要であれば、測定された値に従って押出機の経路が修正され、特に2つのサブステップが提供される。
【0060】
第1のサブステップ108では、温度センサ5aの出力が読み取られると、それを材料9が軟化状態にある理想的な温度と比較することができる(しかしガラス転移の前)。これは、材料9の連続した層間の溶接を作成するための最良の条件である。
【0061】
そのような条件は、状態調節手段8、特に、温度調節手段によって達成することができ、それは、下層の測定された温度と適切な溶接を作り出すための理想的な温度との差に基づいて材料9の温度を調節することを可能にする。温度情報に基づいて、他の温度調節手段に与えられるべき電力を調節することも可能であり、その目的は、材料を堆積の下流で(できるだけ早く)できるだけ固体にすることである。
【0062】
第2のサブステップ109では、位置センサ5bの出力が読み取られると、以前に堆積された層の高さに関する情報が抽出される。このサブステップにおける抽出/導出/計算結果に従って、材料の層は、スライスステップ102によって提供される高さに対して、より高いまたはより低い高さを特徴とし得る。
【0063】
特に、先に堆積された層の高さが小さすぎると、押出機3が高すぎる可能性があり、圧縮機要素10が圧縮をかけることを可能とすることなく材料9を落下させ、重大な寸法歪みを伴う不規則な堆積が得られないとしても、材料9の層間の溶接品質に悪影響を及ぼす。
【0064】
下層の高さが過度であると、押出機3が低すぎるかもしれず、材料9を過度に圧縮するか、または材料9自体に埋没される。この場合、材料9は重大な寸法歪みを伴い過渡に堆積し、凝固に悪影響を及ぼす。
【0065】
理想的な高さは、下にある材料9がわずかに圧縮され、その幅が規則的に変形する高さであろう。その結果、一旦理想的な圧縮および許容誤差レベルが規定されると、位置センサ5bの出力は、押出機3の高さを調整し、したがって理想的な圧縮を得るために使用される。高さの変化に関連して、次の層の堆積において以下の補正を行うことも可能である。高すぎる層の場合、進行速度をわずかに増加させることによって材料の堆積を回避することができ、一方、低すぎる層の場合、押し出される材料9の流速を増加させることが可能である。
【0066】
このアルゴリズムは、温度と位置の情報を掛け合わせる(crossing)こともできる。材料が層間で正しい溶接をするのに適した温度にあることがわかった場合は、より高い許容誤差が層間の理想的な圧縮に対応する高さに適用され得る。そうでなければ、適切な温度がなければ、層間の圧縮に対してより低い許容誤差を課すことが可能である。
【0067】
方法は、押出されたばかりの材料9を囲む少なくとも1つの領域を、複数のセンサ5によって検出された少なくとも2つのパラメータに応じて決定するステップをさらに含むことができる。このようにして、付加製造プロセスの実行中に発生するニーズに応じて、押出機の経路になされる修正に関係なく、センサ5の視点が、情報が収集されるべき領域に対して常に最適な位置にあることを確実にすることが可能である。
【0068】
さらに、各単層の高さは押出ステップ106の間に調整されるので、層間の良好な溶接を行い、平面内の歪みを避けるために、元の押出機の経路に従って、以前に計算されたものとは異なる全体の最終高さが不必要に得られることが起こり得る。この影響を考慮に入れるために、この方法は、高さ調整が元のCADに存在する高さに対して実質的な違いをもたらした場合に押出形状を修正することを提供する、流れ図において110で示されるステップを含む。
【0069】
ステップ107から110は、付加製造プロセスの期間を通して繰り返される。
【0070】
本明細書で前述した適切なハードウェア要素のあり得る存在のおかげで、本発明によって実施される方法は、押出されたばかりの材料9の機械的性質の制御ステップおよび/または閉ループ測定を含むことが可能である。すなわち、有利なことに、そのような閉ループ測定および/または制御ステップは、押出されたばかりの材料9の結晶化プロセスに関連する1つまたは複数の化学的/物理的パラメータおよび/または冷却勾配を検出および/または制御するサブステップを含む(そのようなパラメータは、残りのシステムハードウェア上にフィードバック信号を送るための計算ファクタとして使用することができ、これにより、材料9自体の熱的または機械的または流体力学的堆積条件を制御して結晶化動力学を考慮に入れることができる)。
【0071】
プロセスの終わりに、本方法はさらに、起こり得る後続の分析を可能にするために、センサ5によって検出されたすべてのパラメータの保存ステップ111を提供する。
【0072】
有利なことには、本方法は、作業時間の大幅な短縮によってバラバラにされず(disjoint)、堆積層間の相互接続特性をより良好にすることを可能にする(特にかなり大きな寸法/体積を有する製造物品の場合、本発明は、2.5から4時間の間の期間にわたって約1立方メートルの体積を有する三次元の製造物品を生み出すことができる)。
【0073】
また、CAD図面、押出材料9の実際の寸法および押出機3のノズルが配置される点から得られる押出形状に従って、堆積する押出機3に関するリアルタイム測定およびフィードバックのおかげで、より良好な寸法特性を得ることも可能である。
【0074】
材料9の温度を精密に制御することにより、付加製造プロセスに使用される材料9の微細構造特性を最適化し、その機械的性質を確実に制御することも可能になる。
図1
図2
図3a
図3b