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特許7133557モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションをテストするためのテスト装置および方法
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  • 特許-モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションをテストするためのテスト装置および方法 図1
  • 特許-モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションをテストするためのテスト装置および方法 図2
  • 特許-モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションをテストするためのテスト装置および方法 図3A
  • 特許-モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションをテストするためのテスト装置および方法 図3B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションをテストするためのテスト装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/24 20060101AFI20220901BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
H04M1/24 Z
G01B11/00 H
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019541073
(86)(22)【出願日】2018-03-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-28
(86)【国際出願番号】 IB2018051531
(87)【国際公開番号】W WO2018163108
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-02-03
(31)【優先権主張番号】15/454,779
(32)【優先日】2017-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】1802179.0
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】519253454
【氏名又は名称】シータ インフォメーション ネットワーキング コンピューティング ユーエスエイ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SITA INFORMATION NETWORKING COMPUTING USA, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100213333
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿山 昌代
(72)【発明者】
【氏名】ジェリー ジェームズ ジーファット
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-534686(JP,A)
【文献】特開2011-103609(JP,A)
【文献】特開2015-210267(JP,A)
【文献】特開2003-185783(JP,A)
【文献】特開平11-220252(JP,A)
【文献】特開2015-042974(JP,A)
【文献】特表2013-504762(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B11/00-11/30
H04M 1/00
1/24- 1/82
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションをテストするためのテスト装置であって、
該テスト装置は、
少なくとも1つのテスト用モバイルデバイスを支持するための支持部を有する第1のプラットフォームと、
前記第1のプラットフォームから離間し、前記第1のプラットフォームに対して固定位置に保持された支持要素と、
前記第1のプラットフォームと前記支持要素との間に配置され、前記第1のプラットフォームからオフセットした角度で配向された少なくとも1つのミラーを含むミラーアセンブリと、を備え、
前記支持要素は、
記録デバイスを支持し、前記記録デバイス上のカメラレンズが前記第1のプラットフォームの前記支持部を見ることを可能とするように構成され
前記ミラーアセンブリは、
前記テスト装置の前面から前記記録デバイス上の前記カメラレンズの方へ、入射光を反射させるように構成される、
テスト装置。
【請求項2】
前記支持要素は、
前記記録デバイスを把持し、前記記録デバイスを前記第1のプラットフォームに対して固定位置に保持するように構成されたクランプである、
請求項1に記載のテスト装置。
【請求項3】
前記支持要素は、
前記記録デバイスを支持し、前記記録デバイスを前記第1のプラットフォームに対して固定位置に保持するように構成された第2のプラットフォームである、
請求項1に記載のテスト装置。
【請求項4】
前記第2のプラットフォームは、
前記記録デバイス上の前記カメラレンズが、前記第1のプラットフォームの前記支持部を見ることを可能とするための観察ポートを備える、
請求項3に記載のテスト装置。
【請求項5】
前記第2のプラットフォームの少なくとも一部は、実質的に透明である、
請求項3又は4に記載のテスト装置。
【請求項6】
前記ミラーアセンブリは、
前記第1のプラットフォームと前記支持要素との間に配置され、前記第1のプラットフォームからオフセットした角度で配向された第1の平面ミラーと、
前記第1の平面ミラーと位置合わせされた第2の凹面ミラーと、
前記第2の凹面ミラーと位置合わせされた第3の凸面ミラーと、を備える、
請求項に記載のテスト装置。
【請求項7】
前記第2の凹面ミラーおよび前記第3の凸面ミラーは、
前記第1のプラットフォームと前記支持要素との間に存在する空間の外側に配置されている、
請求項に記載のテスト装置。
【請求項8】
前記記録デバイスを前記支持要素に取り付けるための機構をさらに備える、
請求項1からのいずれか一項に記載のテスト装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのテスト用モバイルデバイスを、前記第1のプラットフォームに取り付けるための機構をさらに備える、
請求項1からのいずれか一項に記載のテスト装置。
【請求項10】
前記第1のプラットフォーム上に配置されたナビゲーション機器をさらに備える、
請求項1からのいずれか一項に記載のテスト装置。
【請求項11】
前記支持要素に対して前記第1のプラットフォームを固定するための1つ又は複数の支持ロッドをさらに備える、
請求項1から10のいずれか一項に記載のテスト装置。
【請求項12】
前記テスト装置を台車に取り付けるための機構をさらに備える、
請求項1から11のいずれか一項に記載のテスト装置。
【請求項13】
テスト担当者が、前記テスト装置を持ち運ぶことを可能にするためのハーネスをさらに備える、
請求項1から12のいずれか一項に記載のテスト装置。
【請求項14】
1つ又は複数の穴が、前記第1のプラットフォームの前記支持部に近接して、前記第1
のプラットフォーム上に設けられている、
請求項1から13のいずれか一項に記載のテスト装置。
【請求項15】
モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションをテストするためのテスト方法であって、
テスト装置の第1のプラットフォームの支持部上に、少なくとも1つのテスト用モバイルデバイスを配置するステップと、
記録デバイスのカメラレンズが、前記第1のプラットフォーム上の前記少なくとも1つのテスト用モバイルデバイスを見ることができるように、前記記録デバイスが前記テスト装置の支持要素によって、前記第1のプラットフォームに対して固定位置に保持されるように配置するステップ、および前記第1のプラットフォームと前記支持要素との間に配置され、前記第1のプラットフォームからオフセットした角度で配向された少なくとも1つのミラーを含むミラーアセンブリが、前記テスト装置の前面から前記記録デバイス上の前記カメラレンズの方へ、入射光を反射させるように配置するステップと、
前記少なくとも1つのテスト用モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションを開始するステップと、
前記少なくとも1つのテスト用モバイルデバイス上の前記位置ベースアプリケーションのテストが記録されるように、前記記録デバイスにおける記録機能を開始するステップと、
を含むテスト方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションをテストするためのテスト装置および方法に関する。特に、しかし排他的ではないが、空港、オフィス、ショッピングセンター、イベントスタジアム、および、鉄道又は道の駅などの広い公共スペースで使用するための位置ベースアプリケーションのテストに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションは、ますます普及してきており、その結果、より洗練されたものになっている。成長しつつある開発分野の1つとして、空港、ショッピングセンター、駐車場、病院などのような広い公共スペースで使用するためのアプリケーションに関するものが挙げられる。このようなアプリケーションは、機器の位置を特定するために、全地球測位システム(GPS)を利用することができる。しかし、GPS技術は、屋内では確実に機能しない場合もある。そこで今日、多くのアプリケーションは、前述したような公共スペース内で、GPS技術の代わりに、或いは、GPS技術に追加的に、それらの場所特有のサービスを提供するためにWi-Fi三角測量、又は、ブルートゥース低エネルギーのビーコンのような、他の技術を利用している。例えば、観客が着席している場所に基づいて特定のサービスが提供されるような、イベントスタジアムで使用するためのアプリケーションを提供することが望まれている。例えば、プレミアムシートに存在するユーザが、彼らの席で直接、消耗品を注文できるようにするサービスを提供することが望まれている。別の例として、航空会社のオペレータは、特定の空港をナビゲートするためのガイド、例えば、フライト間の乗り換え若しくは特定の乗客ラウンジの場所を特定するための経路、又は、一連の指示を乗客に提供することを望むこともある。
【0003】
そのようなサービスは、フルレベルの所望の機能を提供するために、非常に正確な位置情報を必要とする。したがって、地上レベルで、このようなアプリケーションのテストを行うことは、このようなアプリケーションの適切な機能を保証するために重要である。しかしながら、アプリケーション開発者は、通常、このようなテストを自分で実施する立場にはないため、各地点において、通常、現場の担当者によるテストが必要とされる。このテストは、多くの場合、現場のテスト担当者がモバイルデバイスを持ち運び、後で、特定の問題について、テスト結果を報告するというアドホックベースで行われる。この方法は、効率が悪く、アプリケーションが見逃されたり、誤って報告がなされたりするという問題を引き起こす可能性がある。
【0004】
したがって、モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションを現場でテストすることができる方法を改善することが望まれている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションをテストするためのテスト装置が提供される。このテスト装置は、少なくとも1つのテスト用モバイルデバイスを支持するための支持部を第1のプラットフォームと、第1のプラットフォームから離間し、第1のプラットフォームに対して固定位置に保持された支持要素と、を備え、支持要素は、記録デバイスを支持し、記録デバイス上のカメラレンズが第1のプラットフォームの支持部を見ることを可能とするように構成されている。
【0006】
本発明の第1の態様に係るテスト装置は、テスト環境において、テスト担当者がモバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションをテストしながら、同時に、モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションの性能を記録することを可能にする有効な手段を有利に提供する。これにより、(テスト担当者に加えて)追加の担当者がどこにいるかに関係なく、任意の数の追加の担当者がアプリケーションの性能を分析できる。その結果、アプリケーションの性能を理解する適任者は、テスト中に、記録デバイスによって取り込まれた1つ又は複数の画像又はビデオを見ることができ、アプリケーションの性能を分析することができる。これにより、テストプロセスが向上し、潜在的に、アプリケーション内の問題をより適切に識別することができる。記録デバイスによって取り込まれた画像又はビデオは、テスト中に(ライブストリームの形態などで)、直接的に、追加の担当者に送信されてもよいし、或いは、記録デバイス内のメモリに格納され、テスト後に、追加の担当者に送信されてもよい。
【0007】
第1のプラットフォームによって支持される少なくとも1つのテスト用モバイルデバイスと、第1のプラットフォームから離間し、第1のプラットフォームに対して固定位置に保持された支持要素によって支持される記録機器と、を配置することは、テスト中に、少なくとも1つのテスト用モバイルデバイスが記録デバイスに対して動く可能性を低くすることができるため、取り込まれるビデオ又は画像の品質を向上させるのに役立つ。また、テスト中に、テスト担当者が、テスト用モバイルデバイスを直接手に持ち続ける必要がなくなるため、テスト担当者の負担を軽減することができる。
【0008】
さらに、本発明の第1の態様に係るテスト装置は、テスト担当者が一度に複数のテスト用モバイルデバイスを同時にテストし、且つ、単一の記録デバイスを使用して、複数のテスト用モバイルデバイスの性能を同時に取り込むことも可能にする。これにより、異なる機器間の比較分析が可能になる。例えば、第1の製造業者によって供給された機器における位置ベースアプリケーションの性能と、第2の製造業者によって供給された機器における位置ベースアプリケーションの性能と、を同時に比較することができる。これは、アプリケーション開発者達が、彼らのアプリケーションが複数のプラットフォームおよび/又は複数種類の機器にわたって正しく機能しているかどうかを判断するのに役立つ。したがって、好ましい実施形態では、第1のプラットフォームは、支持要素によって支持された記録デバイスが2つ以上のテスト用モバイルデバイスを見ることを可能とするように、2つ以上のテスト用モバイルデバイスを支持するように構成される。
【0009】
支持要素は、任意の適切な形態を取ってよい。いくつかの好ましい実施形態では、支持要素は、記録デバイスを把持し、記録デバイスを第1のプラットフォームに対して固定位置に保持するように構成されたクランプである。
【0010】
あるいは、いくつかの他の好ましい実施形態では、支持要素は、記録デバイスを支持し、記録デバイスを第1のプラットフォームに対して固定位置に保持するように構成された第2のプラットフォームである。そのような実施形態では、好ましくは、第2のプラットフォームは、記録デバイス上のカメラレンズが第1のプラットフォームの支持部を見ることを可能とするための観察ポートを備える。観察ポートは、任意の適切な形状又は大きさを有していてよい。観察ポートは、好ましくは、第2のプラットフォームに、穴又は切り欠きの形態で設けられる。観察ポートは、好ましくは、第2のプラットフォームの中央領域に配置されている。観察ポートを備えることで、カメラレンズが、第1のプラットフォームの支持部を見易いように、記録デバイスをどこに配置すべきかを、テスト担当者は、容易に決定することができる。さらに、観察ポートは、第2のプラットフォームが不透明材料から形成されることを可能し、これは、製造の観点から望ましい。
【0011】
観察ポートの代替として、又は観察ポートに加えて、いくつかの好ましい実施形態では、第2のプラットフォームの少なくとも一部は、実質的に透明であることが好ましい。すなわち、第2のプラットフォームは、ガラス又はプラスチックなどの実質的に透明な材料から形成されることが可能である。そのような実施形態において、テスト担当者は、第2のプラットフォームを通して、第1のプラットフォーム上のテスト用モバイルデバイスを見易くなる。これにより、テスト担当者は、テスト中に、位置ベースアプリケーションが、1つ又は複数のテスト用モバイルデバイス上で実行されていることを確実に確認できる。
【0012】
なお、「実質的に透明」という用語は、本明細書では、少なくとも十分な割合の入射光が通過することを可能にし、それによって透視することが可能である材料を説明するために使用される。本発明では、実質的に透明な第2のプラットフォームは、その下側にある第1のプラットフォームの支持部が、第2のプラットフォームを通して見えるように十分な光を通過させることができることを意味するものとする。第2のプラットフォームにおける実質的に透明な材料の透明度は、ASTMD1003-13に従って評価することができる。
【0013】
支持要素が、第2のプラットフォームである場合、第2のプラットフォームの平面は第1のプラットフォームの平面と実質的に平行であることが好ましい。
【0014】
テスト装置は、第1のプラットフォームと支持要素との間に配置され、且つ第1のプラットフォームからオフセットした角度で配向された少なくとも1つのミラーを含むミラーアセンブリをさらに備えることが好ましい。すなわち、少なくとも1つのミラーは、第1のプラットフォームの平面から、所与の角度だけオフセットした平面に沿って延びる反射面を有することが好ましい。支持要素が第2のプラットフォームである実施形態において、少なくとも1つのミラーは、第2のプラットフォームの平面から、所与の角度だけオフセットした平面に沿って延びる反射面を有することが好ましい。
【0015】
この角度は、30~60度の間であることが好ましく、約40~50度の間であることがより好ましい。少なくとも1つのミラーは、第1のプラットフォームの支持部上に配置されていてもよい。このようなミラーアセンブリは、記録デバイスが存在するときに、テスト装置の前面から支持要素の方へ、特に、記録デバイスのレンズの方へ、入射光を反射させるように構成される。したがって、支持要素が観察ポートを備える第2のプラットフォームである実施形態においては、ミラーアセンブリは、テスト装置の前面からの入射光を、第2のプラットフォームの観察ポートの方へ反射させるように構成される。このことは、テスト装置が1つ又は複数のモバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションのテストを容易にするために使用されているときに、記録デバイスが、テスト装置の前面からの視界の反射画像を取り込む際に有益である。このことは、取り込んだデータに、追加の参照情報を提供するのに役立ち、この参照情報は、位置ベースアプリケーションが問題なく機能しているかどうかを判断するときに使用できる。
【0016】
いくつかの好ましい実施形態では、ミラーアセンブリは、第1のプラットフォームと支持要素との間に配置され、第1のプラットフォームからずれている角度で配向された第1の平面ミラーと、第1の平面ミラーと位置合わせされた第2の凹面ミラーと、第2の凹面ミラーと位置合わせされた第3の凸面ミラーと、を備える。第2の凹面ミラーおよび第3の凸面ミラーは、第1のプラットフォームと支持要素との間の空間の外側に配置されていることが好ましい。このような実施形態では、第2の凹面ミラーおよび第3の凸面ミラーは、1つ又は複数のそれぞれの支持バーなどの1つ又は複数の支持体によって、テスト装置の残りの部分に取り付けられることが好ましい。例えば、各支持体は、第1のプラットフォームにミラーを取り付けるために用いられる。第1の平面ミラーは、第1のプラットフォームの支持部の上に配置されてもよいし、第1のプラットフォームの別の部分の上に配置されてもよい。
【0017】
ミラーアセンブリが、このような第1の平面ミラー、第2の凹面ミラー、および第3の凸面ミラーを含む場合、これらのミラーは、記録デバイスが存在するときに、テスト装置の前面から支持要素の方へ、特に、記録デバイスのレンズの方へ、入射光を反射させるための経路を、一緒に画定し得る。すなわち、記録デバイスが存在するときに、第3の凸面ミラーは、テスト装置の前面からの入射光を、第2の凹面ミラーの方へ反射させるように構成され、第2の凹面ミラーは、入射光を第1の平面ミラーの方へ反射させるように構成され、第1の平面ミラーは、入射光を支持要素の方へ、特に、記録デバイスのレンズの方へ、反射させるように構成される。
【0018】
このようにして、モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションのテストを容易にするために、1つ又は複数のテスト装置が使用されているとき、記録機器は、テスト装置の前面からの視界の反射画像も取り込むことができる。第3の凸面ミラーが凸面を有するように構成されることによって、拡大視野を取得することができる。さらに、第2の凹面ミラーが凹面を有するように構成することによって、入射画像が記録デバイスのレンズに到達する前に、入射画像を反転させることができるので、第1の平面ミラーから記録デバイスによって取り込まれる画像は、テスト装置を操作するときにオペレータが有するであろう視野の向きと一致する向きとなる。これは、位置ベースアプリケーションのテストが行われているときに、記録デバイスのレンズによって記録される情報を、さらに改善するのに役立ち得る。したがって、テストプロセスの全体的な効率および有効性を、さらに改善するのに役立てることができる。
【0019】
第2の凹面ミラーおよび第3の凸面ミラーは、第1のプラットフォームと支持要素との間に存在する空間の外側に配置されていることが好ましい。
【0020】
テスト装置は、記録デバイスを支持要素に取り付けるための機構をさらに備えることが好ましい。例えば、取り付け機構は、記録デバイスの1つ又は複数の部分と係合する1つ又は複数のクリップによって形成されてもよい。
【0021】
テスト装置は、少なくとも1つのテスト用モバイルデバイスを、第1のプラットフォームに取り付けるための機構をさらに備えることが好ましい。例えば、取り付け機構は、テスト用モバイルデバイスの1つ又は複数の部分と係合する1つ又は複数のクリップによって形成されてもよい。
【0022】
テスト装置は、好ましくは、第1のプラットフォーム上に配置された、より好ましくは、第1のプラットフォームの支持部上に配置されたナビゲーション機器をさらに備える。ナビゲーション機器は、コンパスであることが好ましい。ナビゲーション機器も、記録デバイスが見ることが可能である。それゆえ、記録デバイスが第2のプラットフォーム上にあるときに、記録デバイスによって記録される任意のコンテンツ内の、テスト装置の向きの指示を提供することができる。このことは、記録されるコンテンツにとって、有用な参照情報を提供する場合がある。
【0023】
支持要素は、第1のプラットフォームから離間され、任意の適切な手段によって、第1のプラットフォームに対して固定位置に保持され得る。テスト装置は、支持要素に対して第1のプラットフォームを、間隔を空けて、固定するための1つ又は複数の支持ロッドを備えることが好ましい。
【0024】
1つ又は複数の支持ロッドは、テスト装置上の任意の適切な位置に配置されてよい。しかしながら、1つ又は複数の支持ロッドの各々は、テスト装置の周辺領域の周りに配置されることが好ましい。これにより、1つ又は複数のテスト用モバイルデバイスおよび記録デバイスを配置するために、テスト装置の中央領域に、空きスペースをより多く残すことができる。1つ又は複数の支持ロッドは、テスト装置を使用していないときに、支持要素が、第1のプラットフォームに近接して位置決めされることを可能にするために、例えば、伸縮式に折り畳み可能であることが好ましい。これにより、テスト装置を使用していないときに、テスト装置が必要とする保管スペースが少なくて済むので有利である。
【0025】
支持要素がクランプである実施形態において、1つ又は複数の支持ロッドは、好ましくは、第1のプラットフォームからクランプまで延びる単一の支持ロッドを含むことが好ましい。単一のロッドは、クランプが第1のプラットフォームの上の異なる点に再配置されることを可能にするための1又は複数のジョイントを備えることができる。
【0026】
支持要素が、第2のプラットフォームである実施形態において、第1のプラットフォームおよび第2のプラットフォームのそれぞれは、正方形又は長方形などの四辺形の一般的な形状を有し、各支持ロッドは、第1のプラットフォームにおけるそれぞれの隅に接続されることが好ましい。1つ又は複数の支持ロッドを使用して、支持要素に対して第1のプラットフォームを、間隔を空けて固定することは、記録デバイスにとって安定且つ安全な取り付けを提供しながら、テスト担当者が、第1のプラットフォームの支持部に容易にアクセスできることを可能にする。
【0027】
テスト装置は、テスト装置を台車に取り付けるための機構を備えることが好ましい。例えば、テスト装置は、水平バーなどの、台車の一部を把持するように構成されたクランプを備えることができる。代替的に又は付加的に、テスト装置は、テスト装置がテスト担当者によって持ち運ぶことを可能にするためのハーネスを含むことが好ましい。
【0028】
1つ又は複数の穴が、第1のプラットフォームの支持部に近接して、第1のプラットフォーム上に設けられることが好ましい。各穴は、充電ケーブルなどのケーブルを第1のプラットフォームの下からテスト用モバイルデバイスのうちの1つに通すために使用され得る。これは特に、テスト装置が台車によって支持されているとき、このケーブルを介して、モバイルデバイスに電力を供給することができる電源を収容するために台車を使用することができるので、有利である。このような配置は、テスト装置が多数のモバイルデバイスを、一度に、広いテスト領域にわたって、長期間にわたって、又はそれらの任意の組み合わせによって、テストするために使用される場合に特に望ましい場合がある。
【0029】
本発明の第2の態様によれば、モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションをテストするための方法が提供される。この方法は、少なくとも1つのテスト用モバイルデバイスを、第1のプラットフォームの支持部上に配置するステップと、記録デバイスのカメラレンズが、第1のプラットフォーム上の少なくとも1つのテスト用モバイルデバイスを見ることを可能なように、記録デバイスがテスト装置の支持要素によって、第1のプラットフォームに対して固定位置に保持されるように配置されるステップと、少なくとも1つのテスト用モバイルデバイスにおいて、位置ベースアプリケーションを開始するステップと、少なくとも1つのテスト用モバイルデバイスにおいて、位置ベースアプリケーションのテストが記録されるように、記録機器における記録機能を開始するステップと、を含む。開始する各ステップは、配置する各ステップの前又は後に実行することができる。テスト装置が、ミラーアセンブリ又はナビゲーション機器などの追加の構成要素を含む場合、記録デバイスは、そのカメラレンズが1つ又は複数の前記追加の構成要素も見ることをすることができるように、テスト装置の第2のプラットフォーム上に配置されることが好ましい。
【0030】
「記録デバイスにおける記録機能を開始する」という語句は、本明細書では、記録デバイスのレンズを介して、ビデオ又は画像コンテンツを取り込むことを指すために使用される。取り込まれたコンテンツは、適任者が後に検討するために記録デバイスに記憶されてもよい。代替的又は追加的に、取り込まれたコンテンツは、コンテンツが取り込まれているときに、それらをレビューするために適任者にストリーミングすることができる。このようなシナリオでは、テスト担当者は、適任者がコンテンツを取り込んでいるときに、適任者と通信するための通信チャネルを提供されることが好ましい。
【0031】
このテスト方法は、支持された少なくとも1つのテスト用モバイルデバイスおよび記録デバイスを有するテスト装置をテスト現場の周囲に輸送するステップと、記録デバイスのレンズを介して、テスト現場内の2つ以上の位置で、少なくとも1つのテスト用モバイルデバイス上の位置ベースアプリケーションの性能を記録するステップと、をさらに含むことが好ましい。このテスト方法は、記録デバイスによって記録されたデータを1人又は複数の追加の人に送信するステップと、をさらに含むことが好ましい。これは、記録されたデータを最初に記録デバイス内のメモリに格納することを含み得る。
【0032】
本発明の第1の態様に関して上述した特徴は、本発明の第2の態様に関しても同様に適用可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の実施形態は、一例として、添付の図面を参照して説明される。
図1】本発明の第1の実施形態に係るテスト装置を示す斜視図である。
図2図1に示すテスト装置における第1のプラットフォームを示す斜視図である。
図3A】本発明の第2の実施形態に係るテスト装置を示す側面図である。
図3B】本発明の第2の実施形態に係るテスト装置を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1および図2からわかるように、本発明の第1の実施形態に係るテスト装置1は、複数のテスト用モバイルデバイス14(図1および図2ではテスト用モバイルフォンとなっている)を支持する支持部12を有する第1のプラットフォーム10を備える。
【0035】
テスト装置は、また、第2のプラットフォーム20の形態として図面に示されている支持要素を備える。第2のプラットフォーム20は、複数の支持ロッド30によって第1のプラットフォーム10から間隔を空けて固定され、各支持ロッド30は、第1のプラットフォーム10の4隅のそれぞれの角と第2のプラットフォーム20の4隅のそれぞれの角とを接続している。第2のプラットフォーム20は、ガラスなどの実質的に透明な材料から形成され、第2のプラットフォーム20における実質的に透明な材料の中央領域に、切り欠き又は穴の形態の観察ポート22を含む。
【0036】
タブレット端末の形態として図面に示されている記録デバイス24は、記録デバイス24上のレンズが観察ポート22の上に重なる位置にて、第2のプラットフォーム20の上に配置されている。これにより、記録デバイス24上のレンズは、第1のプラットフォーム10の支持部12を見ることができ、特に、第1のプラットフォーム10の支持部12上に配置されたテスト用モバイルデバイス14を見ることができる。当然のことながら、記録デバイス24上のレンズは、第2のプラットフォーム20の上の他の位置に配置することができ、そのために、記録デバイス24のレンズは、第2のプラットフォーム20の実質的に透明な材料の上に位置させ、記録デバイス24のレンズは、第2のプラットフォーム20の実質的に透明な材料を通して、第1のプラットフォーム10の支持部12を見ることが可能になる。
【0037】
記録デバイス24は、図1には記載されていない第2のプラットフォーム20上の取り付け機構によって、第2のプラットフォーム20上の固定位置に、取り付けられ保持されている。取り付け機構は、記録デバイス24の1つ又は複数の部分と係合する1つ又は複数のクリップによって形成されている。
【0038】
図2から最もよく分かるように、第1のプラットフォーム10の支持部12には、コンパスの形態として図面に示されているナビゲーション機器16も設けられている。このナビゲーション機器16もまた、記録デバイス24によって見ることができ、第2のプラットフォーム20の上に存在する記録デバイス24によって記録される任意のコンテンツ内に、テスト装置1の向きの指示を提供することができる。支持部12は、また、テスト担当者がテスト装置1を用いて実施しようとしているテストに関する情報を入力することができる編集可能ゾーン17を含む。編集可能ゾーンは、例えば、紙のパッドのような1又は複数枚の紙シート、又は、ホワイトボードとすることができる。
【0039】
第1のプラットフォーム10は、ミラーアセンブリ40も支持する。図1および図2に示す第1の実施形態では、ミラーアセンブリ40は、第1のプラットフォーム10および第2のプラットフォーム20の平面から約45度の角度だけオフセットした1つの平面ミラー42のみで構成されている。ミラーアセンブリ40は、テスト装置1の前面からの入射光を第2のプラットフォーム20の方へ、特に、記録デバイス24のレンズの方へ反射させることができるように、配置され、且つ、配向されている。これにより、テスト装置1が、1つ又は複数のテスト用モバイルデバイス14上の位置ベースアプリケーションのテストを容易にするために使用されているときに、記録デバイスは、テスト装置1の前面から視界の反射画像も取り込むことができる。このことは、取り込んだデータに、追加の参照情報を提供するのに役立ち、この参照情報は、位置ベースアプリケーションが問題なく機能しているかどうかを判断するときに使用できる。
【0040】
第1のプラットフォーム10は、また、第1のプラットフォーム10の支持部12に近接した2つの穴18を含む。それぞれの穴18は、充電ケーブルのようなケーブルを、第1のプラットフォーム10の下側から、テスト用モバイルデバイス14の1つに通すために、使用することができる。これは、特に、テスト装置1が台車によって支持されている場合、前記ケーブルを介してテスト用モバイルデバイス14に電力を供給することができる電源を収容するために台車を使用できるため有利である。このような配置は、テスト装置1が、多数のデバイスを、一度に、広いテスト領域にわたって、長期間にわたって、又はそれらの任意の組み合わせで、テストするために使用される場合に特に望ましい場合がある。
【0041】
図1又は図2には示されていないが、各テスト用モバイルデバイス14は、第1のプラットフォーム10上の取り付け機構によって、第1のプラットフォーム10上の固定位置に取り付けられて保持されることが可能である。取り付け機構は、テスト用モバイルデバイス14の1つ又は複数の部分と係合する1つ又は複数のクリップによって形成され得る。
【0042】
図3Aおよび図3Bは、本発明の第2の実施形態係るテスト装置1の側面図を示す。図3Aは、記録デバイス24のレンズの視野範囲50を示しているテスト装置1の側面図である。
【0043】
図3Aおよび図3Bのテスト装置は、図1のテスト装置と似ているが、代替のミラーアセンブリ40を有する。特に、図1に示すミラーアセンブリと同様に、図3Aおよび図3Bに示すミラーアセンブリ40もまた、第1の平面ミラー42を備える。第1の平面ミラー42は、第1のプラットフォーム10と第2のプラットフォーム20との間に配置され、第1のプラットフォーム10および第2のプラットフォーム20の平面からオフセットされた角度で配向されている。しかしながら、図3Aおよび図3Bに示すミラーアセンブリ40は、第1の平面ミラー42と位置合わせされた第2の凹面ミラー44および第2の凹面ミラー44と位置合わせされた第3の凸面ミラー46を備えている。
【0044】
第2の凹面ミラー44および第3の凸面ミラー46は、第1のプラットフォーム10と第2のプラットフォーム20との間に存在する空間の外側に配置され、支持体48によってテスト装置に固定されている。図3Bから最もよく分かるように、ミラーアセンブリ40が備える第1の平面ミラー42、第2の凹面ミラー44および第3の凸面ミラー46は、一緒になって、テスト装置1の前面からの入射光を、第2のプラットフォーム20の方へ、特に、記録デバイス24のレンズの方へ反射させるための経路60を画定する。すなわち、テスト装置1の前面からの入射光は、第3の凸面ミラー46によって第2の凹面ミラー44に向けて反射される。次に、第2の凹面ミラー44は、入射光を第1の平面ミラー42に向けて反射させ、次に、第1の平面ミラー42は、前記入射光を記録デバイス24のレンズの方へ反射させる。このようにして、テスト装置1が、位置ベースアプリケーションのテストを容易にするために、使用されているとき、記録デバイス24はテスト装置1の前面からの視野の反射画像を取り込むこともできる。第3の凸面ミラー46を凸面にするように構成することによって、拡大視野を取得することができる。さらに、第2の凹面ミラー44を凹面にするように構成することによって、入射画像が、記録デバイス24のレンズに達する前に、当該入射画像を反転させることができる。その結果、第1の平面ミラー42から、記録デバイス24によって取り込まれる画像は、テスト装置1を操作するときに、オペレータが有するであろう視野の向きと一致することになる。
【0045】
図1図3Bに示される何れかのテスト装置1を使用するために、テスト担当者は少なくとも1つのテスト用モバイルデバイス14を、テスト装置1の第1のプラットフォーム10の支持部12に、記録デバイス24を第2のプラットフォーム20上に配置する。記録デバイス24は、そのレンズが観察ポート22の上に重なるように配置され、これにより、レンズは、下に存在する第1のプラットフォーム10における少なくとも支持部12を、見ることが可能になる。テスト用モバイルデバイス14を配置する前または配置した後に、少なくとも1つのテスト用モバイルデバイス14上の位置ベースアプリケーションを開始し、そして、記録デバイスが、第1のプラットフォーム上のテスト用モバイルデバイス14の視野を記録することができるように、記録デバイス24上で記録機能を開始する。さらに、図1図3Bの実施形態では、記録デバイス24は、また、第1の平面ミラー42、ナビゲーション機器16、および編集可能ゾーン17の視野も記録する。
【0046】
次に、テスト担当者は、空港のようなテスト現場近くに、テスト用モバイルデバイス14、記録デバイス24と一緒に、テスト装置1を運搬し、テスト現場の様々な異なる位置でテスト用モバイルデバイス14上の位置ベースアプリケーションの性能を記録する。次に、ビデオ又は画像のような記録されたデータは、分析のために、記録デバイス24から、別の担当者又は複数の担当者に送られる。記録されたデータは、テスト中に(ライブストリームの形態などで)直接、追加の担当者に送信されてもよく、又は記録デバイス内のメモリに格納され、後でテスト後に追加の担当者に送信されてもよい。
【0047】
上記の説明は、空港で使用するための位置ベースアプリケーションのテストに関するものであるが、本発明のテスト方法およびテスト装置は空港に限定されず、ショッピングセンター、オフィス、イベントスタジアム、鉄道又は道の駅などの他の公共スペースにも適用できることは言うまでもない。上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本開示の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。

図1
図2
図3A
図3B