(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】平滑縁及び任意選択で剥離可能な表面を有する形成された熱可塑性物品
(51)【国際特許分類】
B29C 53/04 20060101AFI20220901BHJP
B29C 51/10 20060101ALI20220901BHJP
B29C 51/20 20060101ALI20220901BHJP
B29C 51/30 20060101ALI20220901BHJP
B29C 53/84 20060101ALI20220901BHJP
B65D 1/00 20060101ALI20220901BHJP
B65D 1/34 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
B29C53/04
B29C51/10
B29C51/20
B29C51/30
B29C53/84
B65D1/00 120
B65D1/34
(21)【出願番号】P 2019546354
(86)(22)【出願日】2018-02-28
(86)【国際出願番号】 US2018020137
(87)【国際公開番号】W WO2018160645
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2019-10-11
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518068132
【氏名又は名称】コンバーター マニュファクチャリング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ウォレス,ミラード,エフ.
【審査官】山本 雄一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-082018(JP,A)
【文献】国際公開第1996/001179(WO,A1)
【文献】特開平11-048332(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02322092(GB,A)
【文献】特開2001-301740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 51/00-51/46
B29C 53/00-53/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品であって、周辺縁部を有する熱成形可能なシートであって、前記物品の形態を規定するために十分な剛性を有する熱成形可能なシートから形成され、前記物品は、
丸みを帯びた長方形トレーであってその中に形成された凹状区画を備える丸みを帯びた長方形トレーの形状を有する本体であって、
前記区画の周辺を完全に包囲するとともに前記本体から離れて周辺に延在する延長部を有する、本体を含み、
前記延長部は、
前記熱成形可能なシートの前記周辺縁部と、
湾曲部を含む屈曲領域であって、前記周辺縁部及び前記本体と前記延長部との間の接点の間に介入された屈曲領域と、
前記周辺縁部と前記屈曲領域との間に介入された周辺フランジであって、肘部によって前記屈曲領域に連結される周辺フランジと、
前記周辺縁部及び前記接点の間に介入された屈曲部と、を含み、
前記屈曲部は、平滑な周辺を有し、且つ十分に屈曲させられ、それにより、前記熱成形可能なシートの前記周辺縁部は、前記物品の周辺から移動させられ、それにより、前記物品は、平滑な周辺を有する、物品。
【請求項2】
上包(OW)、真空封止包装(VSP)及びガス置換包装(MAP)封止技術のそれぞれを使用した封止フィルムでの封止を受容できるトレーであって、
前記トレーが、請求項
1に記載の物品であり、平坦な封止表面が前記凹状区画を包囲し、前記封止表面は、VSP及びMAP封止技術のいずれかを使用してそれに前記封止フィルムを封止するのに適しており、及び
前記屈曲部は、前記延長部の下側の下方で十分に回転させられ、それによって、前記周辺縁部が前記周辺と少なくともほぼ反対に回転させられ、前記屈曲部及び前記周辺縁部は、回転させられた縁部を規定する、トレー。
【請求項3】
前記熱成形可能なシートに一致し、且つ前記熱成形可能なシートに剥離可能に取り付けられた少なくとも1つの柔軟なライナーシート、をさらに含む、請求項
1に記載の物品。
【請求項4】
前記凹状区画の周りで完全に前記ライナーシートに取り付けられた施蓋をさらに含む、請求項
3に記載の物品。
【請求項5】
前記延長部の前記屈曲部は、十分に屈曲され、それにより、前記周辺縁部で前記熱成形可能なシートを通して延在する平面は、前記屈曲領域と前記接点との間の前記延長部の平面から120度以上の角度だけずらされる、請求項1に記載の物品。
【請求項6】
前記平面は、135度以上だけずらされる、請求項
5に記載の物品。
【請求項7】
前記平面は、180度以上だけずらされる、請求項
5に記載の物品。
【請求項8】
前記平面は、270度以上だけずらされる、請求項
5に記載の物品。
【請求項9】
前記肘部と前記屈曲領域との間にスペーサが介入される、請求項1に記載の物品。
【請求項10】
前記屈曲領域は、前記スペーサと、前記接点と前記屈曲領域との間の前記延長部の一部と、を75度以上であるが105度未満の角度で連結する、請求項
9に記載の物品。
【請求項11】
前記屈曲領域は、前記スペーサを前記延長部に90~93度の角度で相互連結する、請求項
9に記載の物品。
【請求項12】
前記屈曲部は、前記屈曲領域及び前記スペーサの少なくとも1つを含む、請求項
9に記載の物品。
【請求項13】
前記延長部は、回転させられた形態を有し、それにより、前記屈曲領域及び前記屈曲部の湾曲は、前記周辺縁部を前記物品の前記周辺から非周辺に移動させる、請求項1に記載の物品。
【請求項14】
前記屈曲領域及び前記屈曲部の前記湾曲は、前記周辺縁部を十分に移動させ、それにより、前記周辺縁部は、前記物品の前記周辺に沿って指を走らせる人によって認識され得ない、請求項
13に記載の物品。
【請求項15】
前記物品は視覚的に透明である、請求項1に記載の物品。
【請求項16】
造形された物品を作成する方法であって、
熱可塑性物質を、
丸みを帯びた長方形トレーの形状を有し開口及び前記開口の周辺全体の周りの偏向可能なフランジを備えた凹状区画を有する本体を含む形状に形成することであって、前記偏向可能なフランジは、前記熱可塑性物質の周辺縁部を担うスペーサを含み、前記スペーサは、前記本体から離れて周辺に延在する延長部、及び前記スペーサと前記延長部とを相互連結する屈曲領域によって75度以上であるが105度未満の角度で前記本体に連結され、前記スペーサは、前記周辺縁部における周辺フランジと、前記周辺フランジを前記スペーサの残余部に180度以外の角度で連結する肘部と、を含み、前記屈曲領域は平滑な輪郭を有することと、
前記スペーサを前記延長部に向かって偏向させるためにラムを前記スペーサに衝突させることであって、それにより、前記スペーサと前記延長部との間の角度の大きさは、前記偏向可能なフランジの少なくとも1つの部分が屈曲されるため、その衝突前位置に対して低減され、屈曲された前記部分は、前記延長部、前記屈曲領域及び前記スペーサからなる群から選択されることと、
屈曲された前記部分を少なくとも前記熱可塑性物質のガラス転移温度に加熱することと、
前記ラムを前記スペーサから係脱することであって、それにより、屈曲された前記部分は、平滑な周辺を備えた前記本体を得るための前記衝突の中断時にもその衝突前位置から偏向されたままであることと、
を含む
、方法。
【請求項17】
屈曲された前記部分は、前記ラムを前記スペーサから係脱する前に前記ガラス転移温度より低く冷却される、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記屈曲領域は、前記スペーサを前記延長部に90~93度の角度で相互連結する、請求項
16に記載の方法。
【請求項19】
前記開口の前記周辺全体の周りで前記本体の前記平滑な周辺に接触するフィルムを使用して前記区画を封止することをさらに含む、請求項
16に記載の方法。
【請求項20】
前記
本体は、熱可塑性シートを前記
丸みを帯びた長方形トレーの形状に熱成形し、且つその後、前記
本体が前記シートから切断されるとき
に前記周辺縁部を得るために前記シートから前記
本体を切断することによって形成される、請求項
16に記載の方法。
【請求項21】
前記ラムを前記スペーサに衝突させ、且つ屈曲された前記部分を少なくとも前記ガラス転移温度に加熱した後、前記ラムは、前記ラムを前記スペーサから係脱する前に前記スペーサを前記延長部に向かってさらに偏向させるために前記スペーサにさらに衝突させられる、請求項
16に記載の方法。
【請求項22】
凹状区画及び平滑な周辺を有する容器を作成する方法であって、
丸みを帯びた長方形トレーの形状を有する本体であって、前記凹状区画及び前記本体の周辺で前記区画を囲む偏向可能なフランジを含む本体を含む形状に熱可塑性シートを形成することであって、前記周辺は、前記
本体の周辺縁部を形成するために前記シートから前記
本体を切断することによって形成され、前記偏向可能なフランジは、前記周辺縁部を担うスペーサを含み、前記スペーサは、前記本体から離れて周辺に延在する延長部、及び前記スペーサと前記延長部とを相互連結する屈曲領域によって前記本体に連結され、前記スペーサは、前記周辺縁部、及び前記周辺縁部を前記スペーサの残余部に180度以外の角度で連結する肘部を含む周辺フランジを含み、前記屈曲領域は、平滑な輪郭を有し、且つ前記スペーサを75度以上であるが105度未満の角度で前記延長部に相互連結することと、
前記スペーサを前記延長部に向かって偏向させるためにラムを前記スペーサに衝突させることであって、それにより、前記スペーサと前記延長部との間の角度の大きさは、前記偏向可能なフランジの少なくとも1つの部分が屈曲されるため、その衝突前位置に対して低減され、屈曲された前記部分は、前記延長部、前記屈曲領域及び前記スペーサからなる群から選択されることと、
屈曲された前記部分を少なくとも熱可塑性物質のガラス転移温度に加熱することと、
屈曲された前記部分を前記ガラス転移温度より低く冷却することであって、それにより、屈曲された前記部分は、前記衝突の中断時にもその衝突前位置から偏向されたままであることと、
平滑な周辺を備えた前記本体を得るために前記ラムを前記スペーサから係脱することと、
を含む
、方法。
【請求項23】
屈曲された前記部分は、前記ラムを前記スペーサから係脱する前に前記ガラス転移温度より低く冷却される、請求項
22に記載の方法。
【請求項24】
前記屈曲領域は、前記スペーサを前記延長部に90~93度の角度で相互連結する、請求項
22に記載の方法。
【請求項25】
平滑な周辺を備えた本体を有する造形された物品を作成するためのシステムであって、
丸みを帯びた長方形トレーであってその中に形成された凹状区画を備える丸みを帯びた長方形トレーの形状を有する本体及び前記本体の前記周辺の周りの偏向可能なフランジを含む形状に熱可塑性シートを形成するための少なくとも1つの金型と、周辺縁部で前記熱可塑性シートから前記
本体を切断するための少なくとも1つのカッターと、を含む熱成形機であって、前記偏向可能なフランジは、熱可塑性物質の周辺縁部を担うスペーサを含み、前記スペーサは、前記本体から離れて周辺に延在する延長部、及び前記スペーサと前記延長部とを相互連結する屈曲領域によって前記本体に連結され、前記スペーサは、前記周辺縁部、及び前記周辺縁部を前記スペーサの残余部に180度以外の角度で連結する肘部を含む周辺フランジを含み、前記屈曲領域は、平滑な輪郭を有し、且つ前記スペーサをほぼ直角に前記延長部に相互連結する、熱成形機と、
ラムであって、前記スペーサを前記延長部に向かって偏向させるために前記ラムを前記スペーサに衝突させるために前記熱成形機に動作可能に連結され、それにより、前記スペーサと前記延長部との間の角度の大きさは、前記偏向可能なフランジの少なくとも1つの部分が屈曲されるため、その衝突前位置に対して低減され、屈曲された前記部分は、前記延長部、前記屈曲領域及び前記スペーサからなる群から選択される、ラムと、
屈曲された前記部分を少なくとも前記熱可塑性物質のガラス転移温度に加熱するための加熱器と、
を含む
、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002] 本開示は、概して、造形された熱可塑性物品を形成する分野に関する。
【背景技術】
【0002】
[0003] 熱可塑性材料から造形された物品を形成することは周知である。軟化又は溶融された溶融熱可塑性物質又は予め形成された熱可塑性シートに形状を付与するために、多様な方法(例えば、熱成形、注型成形、金型成形及び回転成形)が使用され得る。
【0003】
[0004] 造形された物品の1つ又は複数の縁部から廃材をトリミングすることは、一般的な仕上げ技法であるが、鋭い縁部が残り、縁部が皮膚を負傷させるか、又は縁部と接触した材料を裂く又は切る可能性がある。造形された熱可塑性物質の一般的用途は、食品を含有することが意図され、透明プラスチックフィルムで封止することが意図されたトレー、ボール又は容器など、薄いプラスチックフィルムで封止できる容器を形成することである。別の一般的な使用は、品目を含有すること及び水分又は容器と接触し得る他の材料から品目を封止することである。このような容器の封止は、通常、容器内に形成された区画にわたってフィルムを延在又は伸張させることと、区画周辺の周りにフィルムを封止することとを伴い、その区画周辺は、区画を含む物品のトリミングされた縁部に隣接して据えられることが多い。その縁部が鋭い場合、縁部がフィルムを切るか又は破る可能性があり、封止処理を妨げる。
【0004】
[0005] 3つの周知の封止技法は、一般的に商業用輸送、保管、展示及び販売のための容器を形成するために食品及び食材を封止する際に使用する。これらは、本明細書ではOW、VSP及びMAP技術と呼ばれる。これらの技術の全ては、容器と薄いプラスチックフィルムとを組み合わせるものである。このようなフィルムの脆弱性及び多くの場合に(容器と一緒に)封止された区画を規定する役割を果たすフィルム部が裂けるか又は破れることを最小にするか又は除去する必要性のため、容器によりそのフィルム又は容器付近のフィルムが破れるか、裂けるか、又は擦り切れる機会を最小にすることが重要である。このような容器を封止するために使用するプラスチックフィルムに加えて、プラスチックフィルムは、輸送中に複数の容器入り製品の包装を含有するために使用する「マザーバッグ」(すなわち典型的には薄いプラスチックの袋)、及び小売店から購入した品を運ぶために消費者が使用するプラスチックの買い物袋などの容器を輸送するためにも利用される。これは、包装、保管、輸送又は展示中、少なくともこのような縁部がフィルムに接触することがかなりある容器上の位置の鋭い又は粗い容器の縁部を低減又は除去することによって達成することができる。
【0005】
[0006] 上包(OW)技術は、食材又は他の品目が物品の1つ又は複数の面上に置かれ、その後、(例えば、フィルムの重複部分を加熱することによって)フィルム自体を封止した後、造形された物品(例えば、熱成形されたトレー、シート、ボール又は多区画の容器)を薄い(透明であることが多い)プラスチックフィルムで包むか又はくるむものである。このようなOW技術では、造形された物品の鋭い又は粗い縁部により、フィルムが切断するか、擦り切れるか、又は裂ける可能性があり、材料がフィルムを通過し、1つ又は複数のその目的を阻む可能性がある。従来、OW技術は、主に、鋭い縁部のない発泡トレー又は容器と一緒に使用されてきた。多くの地方自治体のリサイクル計画は、発泡プラスチックを除外又は疎外しており、このような材料は、従って、消費者から一層疎んじられている。熱成形可能な材料は、リサイクルプログラムに広く容認される傾向があるため、OW技術を含む複数のラッピング技術と共に使用するのに適した熱成形可能なプラスチック容器が作成できる場合が望ましいはずである。
【0006】
[0007] 真空封止包装(VSP)技術は、薄い(やはり透明であることが多い)プラスチックフィルムを、造形された物品の面上に食材(例えば又は代替例として感湿物体)を担う造形された物品の面に接着するものである。包装する品目が、造形された物品の面の上又は造形された物品の空洞内に置かれることにVSP技術が利用されるとき、フィルムは、品目が、造形された物品とフィルムとの間に介入するように置かれ、空気(又は存在し得る他の何らかの気体)は、フィルムが、造形された物品及び/又は品目の表面に近接対向するように、フィルムと造形された物品との間のスペーサから抜かれ(任意選択で協働してフィルム及び造形された物品の一方又は両方の外部に正圧を掛け)、フィルムは、所望の領域(通常、品目を完全に取り囲む)にわたって造形された物品の表面に(例えば、介入した接着剤を用いて、熱誘導接着を通して又は静電荷接着により)封止され、あらゆる過剰のフィルムは、所望の領域からトリミングすることができる。封止は、封止した容器の内部上の気体を排気した状態を維持するために気流に抵抗することができる。得られるVSP封止包装は、典型的には、その上に品目を有する造形された物品の表面の形状を模倣するトポロジーを有する。
【0007】
[0008] MAPは、ガス置換包装(modified atmosphere packaging)の略語であり、可撓性(透明であることが多い)フィルムが、実質的に堅固に造形された物品の周辺の周りで(例えば、熱又は接着性を使用して)封止される封止技術を指す。造形された物品が他の方法で閉鎖されるとき(すなわちフィルムで封止された以外の開口がないとき)、容器内に存在する気体は、フィルムが物品を封止するときに制御することができる。従って、物品及びフィルムが、選択された大気(例えば、酸素を除くか又は果実の熟成を向上するために選択された気体などの気体)の存在下で封止される場合、選択された大気は、続く包装の保管、輸送及び展示中、封止されたMAP包装内に維持することができる。
【0008】
[0009] 当技術分野で公知であるように、OW、VSP及びMAP封止工程に使用する造形された物品は、3つの型間で異なる種々の業界で認められた幾何形状及び特質を有する傾向があるため、封止工程の1つの型に有益な造形された物品は、他の一方又は両方に使用するのにあまり適さないことが多い。
【0009】
[00010] 例えば、OW封止に使用する容器は、平滑で鈍い縁部及び丸みを帯びた角部を備えた長方形でトレー又はシート形状である傾向がある。鋭い、粗い又は尖った縁部又は角部がないことは、容器を上包するために使用するフィルムが、包む際に破れるか又は裂ける可能性を低減するのに役立つ。OWの容器は、(例えば、その意図した展示構成に対して容器の「底部」上に)平坦部を有することが多く、平坦部において上包したフィルムは、(例えば、このような封止を十分にもたらすように重ねるフィルム部に熱を加える際に)フィルム自体を封止する目的でフィルム自体に付勢することができ、従って容器及び容器上又は容器内のあらゆる品目を包囲する。
【0010】
[0011] VSP封止に使用する容器は、フィルムと容器との間に封止される品目を運ぶように適合され、鋭い点、突出又は縁部がないために封止フィルムを受領するように適合された面又は表面(場合により凹部内)を有する傾向がある。このような特徴がないことにより、フィルムが表面に引き寄せられる際、フィルムが裂けるか又は破れる可能性を低減する。OW容器と異なり、VSP容器が、少なくともフィルムを受領する表面以外の部分で鋭い縁部、角部又は突出を有することができるのは、これらの部分が封止中にフィルムに接触する必要がないからである。しかし、このような鋭い部分は、1つの容器の鋭い部分が別の容器のフィルム(又は容器の付近のフィルム若しくは組織)を損傷する可能性があるため、特に複数のVSP封止包装が保管されるか、輸送されるか、又は互いに接近して展示されるとき、依然として封止フィルムを損傷する可能性がある。
【0011】
[0012] MAP封止に使用する容器は、開口にフィルムのシートを付け、フィルムを表面に封止し(実質的に不可逆的であることが多い)、次いで封止の周辺の周りのフィルムをトリミングすることにより、封止する開口を包囲する平面(例えば、広く平坦なリム)を有する傾向がある。このような容器は、封止前及び封止中にフィルムが破れるか又は裂ける実質的な危険性なしに表面に付けることができるように構成され、封止した容器からのフィルムのトリミングを促進するように構成しなければならない。しかし、フィルムは、典型的には、封止工程中にMAP容器の制限された部分のみに接触するため、MAP容器は、封止工程に関与しない位置に鋭い、尖った又はざらついた特徴を含むことができるか又含むことが多い。
【0012】
[0013] 造形された熱可塑性物品の鋭い縁部が、封止フィルムを負傷又は損傷する危険を低減できるような方法で移動され得る場合に有利であるはずである。このような個々の造形された物品が、OW、VSP及びMAP技術の2つ以上などの複数の公知の封止技術と共に使用され得る場合にさらに有利であるはずである。熱成形された物品が、損傷及び負傷を誘発する鋭さ及び傾向を低減することは、封止がない場合でも好都合であるはずである。本明細書に開示された主題は、従来の造形された熱可塑性物品のこの欠点に対処する。
【0013】
[0014] 上包するトレーの縁部に鋭い縁部が出現することを低減することが望ましいことが認識されている。例えば、Nelsonら(米国特許出願公開第2015/0001127号)は、概して、その周辺の周りのU字形フランジ、封止表面に面するU字形の開口端部及び周辺に突出するトレーの周辺縁部を有する前駆体トレーをもたらすためにフィルムシートを熱成形することによって形成される包装トレーを開示した。Nelsonのトレーは、周辺に延在する周辺縁部がU字形の外側(トレー本体に対して)アームの終端に位置付けられる端部がもたらされるように、熱成形可能な材料のシートから前駆体トレーを切断することによって作成される。次いで、Nelsonは、その外側アームをトレー本体に向かって内方に圧迫し、U字形フランジのより平滑な波形部をトレーの周辺に残し、依然として鋭い可能性がある周辺縁部は、封止表面に向かって延在する。このようにして、Nelsonらは、上包に適すると言われるトレーを生成し、上包フィルムは、U字形フランジの外側アームを内側アームに向かって又は内側アームに付勢するように意図される。しかし、トレーは、フィルム(Nelsonのトレーの周辺縁部は、例えば、Nelsonの
図13Aにおいてフィルムの上包及び隣接したトレーを上包するフィルムの両方に接触して見える)を切断する可能性がある位置に鋭い周辺縁部を保持するため、Nelsonのトレーは、全てのOWの適用には不適切なままであり、概してVSP及びMAP技術と共に使用するには不適切なままである。フィルムが接近可能な鋭い周辺縁部又は鋭い波形部がないトレー(これは、Nelsonのトレーも所有しており、Nelsonの
図12Aにおける品目124を参照されたい)は、これらの封止技術のそれぞれと共に使用することが好ましいはずである。VSP及び/又はMAPの包装に使用するトレーは、トレーが形成される材料の鋭い周辺縁部(Nelsonの
図12Aにおける周辺縁部120を参照されたい)及びあらゆる比較的鋭い波形部(Nelsonの
図12Aにおける品目124を参照されたい)の両方がないことが好ましいはずであり、なぜなら、こうした縁部及び波形部は、封止工程中又は後にフィルムを引っ掛けるか、裂くか又は破る可能性があるからである。
【0014】
[0015] 本明細書に開示された主題は、複数の技術による封止に適切な造形された熱成形された物品を含む。
【0015】
[0016] また、平滑な回転した縁部を有する熱成形された飲料カップも公知である。このようなカップは、カップの開口の周辺の周りにフランジを有するカップを熱形成することによって作成され、フランジは、カップの内部に遠位のフランジ端部に鋭い可能性がある周辺縁部を含む。フランジ付きカップは、入れ子様式で積層し、それらのフランジ部を加熱し、次いで回転した縁部を生成するために螺旋リムの回転するネジを通過する。このような技術は、円形オリフィスを囲む縁部を回転する場合のみに有益であり、従って非円形開口を囲む回転した縁部を有する造形された物品を作成する際に実用性がない。また、回転した縁部の飲料カップも、薄いプラスチックフィルムで包むか又は封止することを促進するように設計されていない。
【発明の概要】
【0016】
[0017] 本開示は、熱可塑性材料から作成された物品の周辺から鋭い縁部を離して移動させる方法に関し、この場合、鋭い縁部は、そうでなければ物品の周辺に接触する表面を損傷することがある。また、本開示は、これらの方法に従って処理された物品及びこのような処理を実行するための器具にも関する。
【0017】
[0018] 本開示は、熱可塑性材料から作成された物品上の平滑縁(すなわち平滑周辺)を形成する方法に関する。方法は、物品の本体の縁部に偏向可能なフランジを形成するステップを含む。偏向可能なフランジは、偏向可能なフランジの周辺端において、任意選択で偏向可能なフランジから周辺に延在する周辺フランジの上に熱可塑性材料の外縁を含む。一実施形態では、周辺フランジは、肘部によってスペーサに連結され、周辺フランジの距離だけスペーサを越えて周辺に延在する。周辺フランジの距離は、周辺フランジが表面に衝突するとき、所望の程度の偏向をもたらすように選択することができる。一実施形態では、周辺フランジの距離は、ゼロであるように選択される(すなわち、周辺縁部は、そうでなければ肘部があるはずである場所に存在する。スペーサは、屈曲領域によって本体に連結され、屈曲領域は、スペーサと本体との間の角度(これは、鋭角又は鈍角であり得、好ましくはほぼ直角である)を規定する。偏向可能なフランジは、上部本体によって規定された空洞の内部に付勢され、例えば、肘部と内部との間の距離は、周辺フランジの距離より小さいため、偏向可能なフランジは、周辺フランジ上の空洞の内部の一部の衝突時に屈曲領域で偏向される。熱可塑性材料を屈曲領域で軟化するため、偏向可能なフランジの屈曲部(ここでは屈曲領域)に十分な熱が加えられる。上部本体及び物品は、分離され、それにより、屈曲領域は、冷却したときに偏向したままであり、物品上に平滑縁(すなわち周辺)をもたらす。
【0018】
[0019] この方法は、物品の周辺全体の周りに平滑縁を形成するために使用することができる。そのために、偏向可能なフランジは、物品の全縁部の周りに形成され、空洞の内部は、偏向可能なフランジが内部で付勢されるときに物品の全縁部の周りの偏向可能なフランジに同時に衝突するように構成される。得られる物品では、周辺縁部は、物品の周辺に接触する材料(例えば、薄いプラスチックフィルム又は動物組織)が、物品が作成される熱可塑性材料の周辺縁部に接触する傾向が少なくなるように効果的に「隠される」(例えば、周辺縁部は、偏向された周辺フランジの背後にあるか又は物品の周辺から偏向されて離れる)。
【0019】
[0020] また、本開示は、封止された区画を形成する方法に関する。この方法は、実質的に平坦な封止面によって包囲された凹状の区画を有する物品を形成するために熱可塑性シートを熱成形するステップと、封止面に対して周方向にシートから物品を切断するステップと、本明細書に記載されたように物品の周辺全体の周りに平滑縁を形成するステップと、その後、封止された区画を形成するために封止面に上部シートを封止するステップとを含む。この方法の一実施形態では、上部シートは、上部シートが封止面に封止された後、封止面の周りで周辺をトリミングされる。別の実施形態では、上部シートは、封止面に熱封止される。
【0020】
[0021] 本開示は、封止された区画を形成する方法にさらに関する。この方法は、実質的に平坦な封止面によって包囲された凹状の区画を有する物品を形成するために熱可塑性シートを熱成形するステップと、封止面に対して周方向にシートから物品を切断するステップと、上述されたように物品の周辺全体の周りに平滑縁を形成するステップと、その後、封止された区画を形成するために物品の周りに可撓性プラスチックフィルムを巻き付け且つ封止するステップとを含む。
【0021】
[0022] 本明細書に記載された方法のいくつかの実施形態では、空洞の内部内に偏向可能なフランジを付勢した後且つ上部本体と物品とを分離する前に、ラムは、内部内に、内部に近接対向させて、ラムの面が屈曲領域に衝突し且つ偏向可能なフランジを例えば屈曲領域でさらに偏向させる程度に偏向可能なフランジの背後に付勢され得る。面は、例えば、実質的に平面であり得る。また、面は、周辺フランジに衝突する内部の一部に実質的に垂直でもあり得る。面は、周辺フランジに衝突する内部の一部と鈍角を規定することができる。面は、内部に対して凹状輪郭を有することができる。ラムが加熱された場合、ラムを偏向可能なフランジに付勢することにより、ラムに接触する偏向可能なフランジの一部を屈曲させることができ、造形された物品の周辺から離れた熱可塑性シートの周辺縁部をさらに偏向させる。
【0022】
[0023] 非加熱に基づく実施形態では、本開示は、プラスチック材料(例えば、偏向可能な金属層によって裏打ちされた薄いプラスチック材料)から作成された物品上に平滑縁を形成する方法に関する。この方法は、本体の縁部に偏向可能なフランジを形成することを含み、偏向可能なフランジは、周辺フランジの周辺端部で熱可塑性材料の周辺縁部を含む。一実施形態では、周辺フランジは、肘部によってスペーサに連結され、周辺フランジの距離(これは、周辺フランジがない場合に事実上ゼロである)だけスペーサを越えて周辺に延在する。スペーサは、屈曲領域によってそれから本体又は延長部に連結される。屈曲領域は、スペーサと本体との間の角度(これは、鋭角又は鈍角であり得、好ましくはほぼ直角又はわずかに鈍角である)を規定する。偏向可能なフランジは、上部本体によって規定された空洞の内部に付勢することができ、スペーサと内部との距離は、周辺フランジの距離より小さいか、又は偏向可能なフランジを内方に偏向する造形されたラム表面の上に衝突する。偏向可能なフランジは、それによって衝突時に屈曲領域などで偏向される。プラスチック材料を不可逆的に屈曲させるために十分な圧力が加えられる。上部本体と物品とは、分離され、それにより、偏向可能なフランジは、圧力を取り除く際に偏向されたままであり、物品上に平滑縁がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】その縁部に形成された偏向可能なフランジ160を有する熱可塑性物品100の断面図を示す。
【
図1B】上部本体200の内部に挿入された熱可塑性物品100を示し、上部本体200は、(粗線によって示された)破断部として示されている。
【
図1C】ラム300(粗線によって示されたように破断部のみが示されている)を上部本体200の内部に熱可塑性物品100の背後で挿入する結果(すなわちラム300が
図1Bに示された構造内に挿入されたとき)を示す。
【
図2A】ラム300の上に配置された上部本体200を示す。
【
図2B】ラム300と係合された上部本体200を示す。
【
図2C】
図2Bに示された係合された上部本体200及びラム300の切取図であり、ラム300の一部が上部本体200内に適合し、上部本体200内の凹部の内面に近接対向していることを示す。
【
図2D】
図2Cに示された断面の詳細であり、ラム300と上部本体200の内部との間の近接対向を示す
【
図3A】指がトレーの内部に見られ、平滑にされた角部が指の左に見られる。
【
図3B】トレーのリムの下からも見た、同様に作成されたトレーの平滑にされた角部の別の図である。
【
図3C】平滑にされた角部の図であり、偏向可能なフランジの屈曲領域が屈曲し、軟化し、冷却することによって形成された平滑領域を指が指している。
【
図4】本明細書に記載された方法を使用して形成される、貯蔵容器物品100を通して切り取った断面図を示す。
【
図5】本明細書に記載された方法を使用して形成される、貯蔵容器物品100を通して切り取った断面図を示す。
【
図6A】熱可塑性材料のシートから熱成形されたトレー形状の物品内に形成された偏向可能なフランジを示す。
【
図6B】熱可塑性材料のシートから熱成形されたトレー形状の物品内に形成された偏向可能なフランジを示す。
【
図6C】熱可塑性材料のシートから熱成形されたトレー形状の物品内に形成された偏向可能なフランジを示す。
【
図6D】その周辺全体の周りに「回転した」縁部を有する丸みを帯びた長方形のトレーの下側からの図である。
【
図6E】最初に同一の3つのトレーの斜視図であり、それぞれは、本明細書に記載されたように「回転した」縁部を有し、縁部が「回転した」程度は、3つの間で異なる。
【
図7A】水平面(水平実線)上に着座する熱可塑性シートから形成された物品100が、本明細書に記載されたように平滑にされたその周辺縁部を有する実施形態を示す。
【
図7B】水平面(水平実線)上に着座する熱可塑性シートから形成された物品100が、本明細書に記載されたように平滑にされたその周辺縁部を有する実施形態を示す。
【
図7C】水平面(水平実線)上に着座する熱可塑性シートから形成された物品100が、本明細書に記載されたように平滑にされたその周辺縁部を有する実施形態を示す。
【
図8A】本明細書に記載されたようにラム300を使用してその鋭い周辺縁部110を含む、偏向可能なフランジ160の偏向及び回転を示す。
【
図8B】
図8Aに描かれた物品100をラム300にさらに付勢する効果を示す。
【
図8C】
図8Bに描かれた物品100を加熱されたラム300に引き続き付勢する効果を示す。
【
図8D】本明細書に記載されたように偏向可能なフランジの上で偏向及び回転することを支援するために1つ又は複数の物体を使用することを示す。
【
図8Di】
図8Dにおいて物体401として作用し、トレーTの偏向可能なフランジの回転中にトレーTの側壁の内方への偏向を低減又は防止するように、内部を有する丸みを帯びた長方形のトレーT及びその内部に嵌合する形状及び寸法であるプラグPの形に造形された物品を描く。
【
図8Dii】トレーの内部に挿入されたプラグを示す。
【
図8E】造形された物品100を、図中で白抜き矢印によって示された方向にラム300に対してさらに付勢する効果を連続して描く。
【
図8F】造形された物品100を、図中で白抜き矢印によって示された方向にラム300に対してさらに付勢する効果を連続して描く。
【
図8G】造形された物品100を、図中で白抜き矢印によって示された方向にラム300に対してさらに付勢する効果を連続して描く。
【
図8H】造形された物品100を、図中で白抜き矢印によって示された方向にラム300に対してさらに付勢する効果を連続して描く。
【
図8J】造形された物品100を、図中で白抜き矢印によって示された方向にラム300に対してさらに付勢する効果を連続して描く。
【
図8K】造形された物品100を、図中で白抜き矢印によって示された方向にラム300に対してさらに付勢する効果を連続して描く。
【
図9A】本明細書に記載された回転動作前にその偏向可能なフランジ160の形態を示す物品100の一縁部の断面図であり、鋭い可能性があるか又は粗い周辺縁部110が物品又は別の付近のフィルム若しくは物体を封止するために使用するフィルムに接触するように接近可能である特性を含む。
【
図9B】
図8A~
図8Cに示された技法によって回転する周辺縁部110を有する物品100の一縁部の断面図である。
【
図9C】
図9Bに示された3つの物品100の縁部の断面図であり、物品は、入れ子様式で積層されている。
【
図9D】積層する突起(リムの下方の角延長部、それに向かって画像内で指が指している)を有する先行技術の熱成形されたプラスチックトレーの画像である。
【
図9E】本明細書に記載されたように回転した縁部を有する2つのトレーが、積層する突起を有する先行技術のトレーができるよりも小さい容積に分離可能な方式で積層できることを示す。
【
図9F】その左側に回転した縁部を有し、積層したトレーの直線の縁部間の分離を増加するためにその角部内に形成した積層延長部180を有する、3つの入れ子の積層したトレーを示す。
【
図10A】それによって支えられる縁のある丸みを帯びた長方形のトレーの形態の造形された物品100を有するラム300の画像である。
【
図10B】ラム300の上部表面302の一部である。
【
図10C】目印の文字A~Eを含む
図10Bに示されたラム300概略断面図である。
【
図11A】比較的厚い熱成形可能な基板シート101及びその面に取り付けられた比較的薄い可撓性ライナーシート500を含む物品の1つの縁部の断面図であり、本明細書に記載された回転動作前の物品の偏向可能なフランジ160の形態を示し、その鋭い可能性があるか又は粗い周辺縁部110を接近可能な位置に含む。
【
図11B】その周辺縁部が本明細書に記載されたように回転した後のこの物品の同じ縁部の断面図である。
【
図11C】施蓋600のシートは、偏向可能なフランジの延長部50でライナーシート500に接触する一方、施蓋の周辺縁部610は、物品の周辺を越えて位置付けられる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
[0024]
図1は、
図1A、
図1B及び
図1Cからなり、本明細書に記載された構造及び方法の基本動作を示す。平行な直線「//」は、構造、寸法及び比率が任意選択で存在し得る位置がわかりやすくするために割愛されていることを示す。
【0025】
[0025]
図1Aは、その縁部に形成された偏向可能なフランジ160を有する熱可塑性物品100の断面図を示す。この実施形態では、偏向可能なフランジ160は、延長部50、屈曲領域150、スペーサ140及び周辺フランジ120を含む。延長部50は、物品100の造形された本体10を偏向可能なフランジ160の屈曲領域150に連結する。スペーサ140を屈曲領域150と周辺フランジ120との間に介入させることができる(且つ好ましくは介入させる)。周辺フランジ120は、肘部130によってスペーサ140に連結され、肘部130は、この実施形態では直角の屈曲として示されている。屈曲領域150は、延長部50及びスペーサ140にほぼ直角(Aで示された角度)に連結する。周辺フランジ120は、物品100を形成する熱可塑性材料(この図では太い実線によって表されている)の周辺縁部110で終了する。
【0026】
[0026]
図1Bは、上部本体200の内部に挿入された熱可塑性物品100を示し、上部本体200は、(粗線によって示された)破断部として示されている。この実施形態では、周辺フランジ120の周辺縁部110が上部本体200の内部表面202に衝突することにより、偏向可能なフランジ160が屈曲領域150内の1つ又は複数の点Bで屈曲するために偏向可能なフランジ160が損なわれる。
【0027】
[0027]
図1Cは、ラム300(粗線によって示されたように破断部のみが示されている)を上部本体200の内部に熱可塑性物品100の背後で挿入する結果(すなわちラム300が
図1Bに示された構造内に挿入されたとき)を示す。ラム300は、上部本体200の内面202に近接対向され、周辺フランジ120の周辺縁部110がラム300の上面302に衝突することにより、偏向可能なフランジ160の偏向がさらにより大きくなり、屈曲が誘発される屈曲領域150内の点で物品100に丸みを帯びた周辺がもたらされる。
【0028】
[0028]
図2は、
図2A、
図2B、
図2C及び
図2Dからなり、丸みを帯びた角部を備える長方形のトレーの形態を有する、造形された熱可塑性物品の周辺上に形成された1つ又は複数の偏向可能なフランジ160を偏向するための、一致した上部本体200及びラム300を示す。
図2Aは、ラム300の上に配置された上部本体200を示し、
図2Bは、ラム300と係合された上部本体200を示す。
図2Cは、
図2Bに示された係合された上部本体200及びラム300の切取図であり、ラム300の一部が上部本体200内に適合し、上部本体200内の凹部の内面に近接対向していることを示す。
図2Dは、
図2Cに示された断面の詳細であり、ラム300と上部本体200の内部との間の近接対向を示す。
図2Dでは、ラム300の上面302の傾斜形態が明白である。
【0029】
[0029]
図3は、
図3A、
図3B及び
図3Cからなり、
図3A、
図3B及び
図3Cは、丸みを帯びた角部を備える長方形のトレーの形態を有する、透明な造形された熱可塑性物品の平滑にされた周辺及び角部の画像である。物品は、
図2に示された上部本体200及びラム300と類似した上部本体200及びラム300を使用して平滑にされた。
図3Aでは、指はトレーの内部に見られ、平滑にされた角部は指の左に見られる。また、指が置かれた部分には、積層する突起も見え、積層する突起は、トレーの角部の一部であり、トレーの角部は、指の下の角部より広範囲に周辺に延在する。トレーの平滑にされた直線の側壁が平滑にされた角部から(図面の下方に)延在している。周辺フランジのしわが平滑にされた角部の下方に見られ、平滑にされた直線の縁部の下において、周辺フランジの偏向を図の左側の角部の背後に見ることができる。
図3Bは、トレーのリムの下からも見た、同様に作成されたトレーの平滑にされた角部の別の図である。リムの下方の角部における付き出した延長部は、積層する突起である。
図3Cは、平滑にされた角部の図であり、偏向可能なフランジの屈曲領域を屈曲させ、軟化させ、屈曲させ、且つ冷却することによって形成された平滑領域を指が指している。トレーを形成した熱可塑性材料の比較的鋭い縁部は、
図3A及び
図3Bに示されたように角部の下で屈曲されるため、例えば薄いプラスチックフィルムを容易に裂くことなく、この平滑領域を薄いプラスチックフィルムに付勢することができる。
【0030】
[0030]
図4は、本明細書に記載された方法を使用して形成される、貯蔵容器物品100を通して切り取った断面図を示す(平行な直線「//」は、構造、寸法及び比率が任意選択で存在し得る位置がわかりやすくするために割愛されていることを示す)。図では、物品100は、図に見られる容器の両側のそれぞれの上に形成された偏向可能なフランジ160を有する。単一の上部本体200は、偏向可能なフランジ160が配置された両側の周囲を含み、容器全体にわたって延在する。単一のラム300(図には2つの部分のみが示されている)が、上部本体200内の空洞の内部内に物品100の背後で挿入されている。物品100を形成する熱可塑性シートの周辺縁部110が、各偏向可能なフランジ160でラム300の上面302の上に侵入することにより、偏向可能なフランジ160は、各偏向可能なフランジ160の屈曲領域150の1つ又は複数の部分で曲がることにより物品100の本体に向かって内方に偏向する。熱可塑性シートを軟化させるために十分な量の熱を加えることにより、偏向可能なフランジ160は、この図に示された形態をほぼ維持し、熱可塑性シートの周辺縁部110は非周辺に位置付けられ(すなわち物品100の周辺内であり、この図では示された位置で生じる)、軟化された部分の冷却時、形成された容器に平滑な周辺をもたらす。
【0031】
[0031]
図5は、
図5A、5B及び5Cからなり、これらのそれぞれは、本明細書に記載された方法を使用して形成される、貯蔵容器物品100を通して切り取った断面図を示す(平行な直線「//」は、構造、寸法及び比率が任意選択で存在し得る位置がわかりやすくするために割愛されていることを示す)。図では、物品100は、図に見られる容器の両側のそれぞれの上に形成された偏向可能なフランジ160を有する。偏向可能なフランジ160は、各偏向可能なフランジ160において、単一のラム300(この図には2つの部分のみが示されている)の上面302により、その上に侵入することにより内方に偏向されている。物品100を形成する熱可塑性シートの周辺縁部110が、各偏向可能なフランジ160でラム300の上面302の上に侵入することにより、偏向可能なフランジ160は、各偏向可能なフランジ160の屈曲領域150の1つ又は複数の部分で曲がることにより、物品100の本体に向かって内方に偏向する。熱可塑性シートを軟化させるために十分な量の熱を加えることにより、偏向可能なフランジ160は、この図に示された形態をほぼ維持し、熱可塑性シートの周辺縁部110は非周辺に位置付けられ(すなわち物品100の周辺内であり、この図では示された位置で生じる)、軟化された部分の冷却時、形成された容器に平滑な周辺をもたらす。この実施形態では、異なる輪郭によって誘発できる偏向の違いを示すために、ラム300の2つの部品が異なる輪郭(1つは平坦であり、1つは湾曲している)で示されている。
図5A、
図5B及び
図5Cは、肘部と周辺縁部との間の距離が異なり、この距離は、
図5Bより
図5Aで大きく、
図5Cではゼロである。
【0032】
[0032]
図6A、
図6B、
図6C、
図6D及び
図6Eは、熱可塑性材料のシートから熱成形されたトレー形状の物品内に形成された偏向可能なフランジを示す。
図6A及び
図6Bのそれぞれにおいて、指は、トレーがシートから切断された鋭い縁部(すなわち周辺フランジ120の周辺における周辺縁部110)に触れている。これらの図では、偏向可能なフランジは、依然として軟化されず、偏向されず、冷却されていないため、鋭い縁部は、トレーの周辺の周りに位置付けられたままである。比較すると、鋭い縁部は、内方に偏向され、
図3に示されたトレーの周辺から離れ、
図6Cの下部に示されたトレー内にある。
図6Cの上部に示されたトレーは、下部に示されたトレーと同じであり、上部のトレーは、下部のトレーが有するように「回転」したその偏向可能なフランジを有さない点で異なる。
図6Dは、その周辺全体の周りに「回転した」縁部を有する丸みを帯びた長方形のトレーの下側からの図である。このトレーの周辺又は周辺付近に鋭い縁部がないことが見られる。
図6Eは、最初に同一の3つのトレーの斜視図であり、それぞれは、本明細書に記載されたように「回転した」縁部を有し、縁部が「回転した」程度は、3つの間で異なる。「1」と表示されたトレーは、わずかにのみ「回転した」周辺縁部を有し、(すなわち、周辺縁部110を含む偏向可能なフランジの一部は、スペーサ140の残余部の平面から内方に約45度以内偏向され、スペーサ140のほとんどは、このトレー内で実質的に平坦なままである。「2」と表示されたトレーは、より完全に、すなわち周辺縁部110がほとんど見えないように多く「回転した」周辺縁部(周辺縁部110は、スペーサ140の残りの見える部分の背後に「くるまれて」いる)を有する。「3」と表示されたトレー上では、偏向可能なフランジは、さらに一層回転され、周辺縁部110は、見えない。トレー「3」の偏向可能なフランジがトレー「2」の程度より大きく回転したことは、トレー「2」上よりトレー「3」上に見え続けるスペーサ140のより短い部分(又トレー「2」及び「3」のそれぞれのスペーサ140の見える部分が、トレー「1」のスペーサ140の見える部分より短い部分)のために検出可能である。従って、
図6Eに示された3つのトレーは、偏向可能なフランジの「回転する」個別の程度を示すと考えることができる。
【0033】
[0033]
図7は、水平面(水平実線)上に着座する熱可塑性シートから形成された物品100(平行な直線「//」は、構造、寸法及び比率が任意選択で存在し得る位置がわかりやすくするために割愛されていることを示す)が、本明細書に記載されたように平滑にされたその周辺縁部を有する実施形態を示す、
図7A、
図7B及び
図7Cからなる。この実施形態では、上部本体200(この断面には2つの部分が示されている)が、物品100の上に白抜き矢印によって示された方向に下げられることにより、物品の2つの偏向可能なフランジ160のそれぞれは、内方に偏向する。
図7Aでは、上部本体200の外方に裾が広がった部分は、上部本体200が水平面に向かって物品上に下げられる際、物品100の周辺フランジ120に丁度接触し、偏向可能なフランジは、「B」と標された領域で偏向し始める。
図7Bでは、上部本体200は、水平面上に下げられており、物品100の周辺縁部110及び周辺フランジ120は物品100の本体10に向かって部分的に内方に偏向される。
図7Cでは、ラム300は、白抜き矢印によって示された方向に上部本体200内の空洞内に物品100の背後で挿入されており、周辺フランジ120(及びそれらと共に偏向可能なフランジ160)を、物品を形成した熱可塑性シートが「B」と標された領域で屈曲することを通してさらに偏向させる。
【0034】
【0035】
[0035]
図8A、
図8B及び
図8Cは、各図の左部分に現れた物品の一部と比べることによってわかるように、造形された物品100を、各図で白抜き矢印によって示された方向にラム300に対してさらに付勢する効果を連続して描く。
図8A~
図8Cに示された実施形態では、偏向可能なフランジ160は、肘部及び周辺フランジがない。造形された物品の最初の(事前にラムが衝突した)形態は、
図9Aに示されている形態である。
【0036】
[0036]
図8Aでは、物品は、その偏向可能なフランジ160がラムの上面302にその周辺縁部で接触するようにラムに付勢されている。偏向可能なフランジ160は、偏向可能なフランジ160が上面302の傾斜部分に接触する際、偏向可能なフランジが遭遇した動きに抵抗するため、その事前に接触した位置から偏向する。図では、偏向可能なフランジの周辺縁部110は、上面の傾斜部が湾曲した輪郭に転移し、スペーサの一部がラムに近接近する位置で上面に寄り掛かり、ラムは、加熱されて熱をそれに伝達する。
【0037】
[0037]
図8Bは、
図8Aに描かれた物品100をラム300にさらに付勢する効果を示す。
図8Bに示されたラム300は、加熱されるため、ラム300は、偏向可能なフランジが加熱されたラム300の上面302に近接近するか又は接触する部分において、偏向可能なフランジ160が作成される材料を軟化させる。上面302の形状のため、偏向可能なフランジ160は、偏向可能なフランジ160が上面の表面に沿って単に摺動することによってそれ以上前進できない位置に到着する。物品100(偏向可能なフランジ160を含む)が白抜き矢印によって示された方向に付勢されるため、また偏向可能なフランジが構築される材料が加熱されたラム300によって軟化されているため、偏向可能なフランジは、偏向可能なフランジがラムに対して前進する際にラムの上面302の輪郭を辿るように(位置Bで)変形する。
【0038】
[0038]
図8Cは、
図8Bに描かれた物品100を加熱されたラム300に引き続き付勢する効果を示す。物品(偏向可能なフランジ160を含む)が白抜き矢印によって示された方向に付勢される際、偏向可能なフランジは、加熱されたラムとの接触によって軟化されたところ(すなわち位置B)で引き続き屈曲する。偏向可能なフランジがラムに対して引き続き動くと、偏向可能なフランジの周辺縁部110は、最終的にラムの上面302の縁部に到着する。周辺縁部を含む偏向可能なフランジの一部は、一定期間(その期間は、予想通りの方法で動作条件に依存する)軟化されたままである。周辺端部が軟化されている間に物品100の一部に接触する場合、周辺端部は、それによって(例えば、
図8Cに示された実施形態に提案されたように上方に)偏向することができる。また、上面との接触から離れた周辺フランジの一部の偏向も、例えば、
図8Cに示されたような「渦巻いた」又は「螺旋」形態を含む上面302の輪郭によって影響を受け得る。
【0039】
[0039]
図8Dは、本明細書に記載されたように偏向可能なフランジの上で偏向及び回転することを支援するために1つ又は複数の物体を使用することを示す。物体401(本明細書の他の箇所ではプラグと呼ばれる)は、造形された物品100の内部区画内に配置され、動作中に内部表面の内方への偏向を低減又は防止するために、偏向可能なフランジ160がラム300に衝突している間、造形された物品100の内部表面に当接する。物体403は、この実施形態では、偏向可能なフランジ160がラム300の上面302に衝突するために、偏向可能なフランジ160の延長部50に下方圧力(白抜き矢印)を加える。この実施形態では、物体402は、物体401及び403に堅固に接触する。塗りつぶし矢印は、下方圧力を加えた際に物品100に押し付けられた力を描く。
図8Diは、
図8Dにおいて物体401として作用し、トレーTの偏向可能なフランジの回転中にトレーTの側壁の内方への偏向を低減又は防止するように、内部を有する丸みを帯びた長方形のトレーT並びにその内部に嵌合する形状及び寸法であるプラグPの形に造形された物品を描く。
図8Diiは、トレーの内部に挿入されたプラグを示す。
【0040】
[0040]
図8E、
図8F及び
図8G(
図8A、
図8B及び
図8Cに類似している)は、造形された物品100を、各図で白抜き矢印によって示された方向にラム300に対してさらに付勢する効果を連続して描く。
図8E~
図8Gに示された実施形態では、偏向可能なフランジ160は、周辺フランジ120をスペーサ140の周辺端部に含む。この図では、周辺フランジ120は、偏向可能なフランジ160の屈曲中、偏向可能なフランジ160がスペーサ140から区別できなくなる程度に偏向することがわかる。
【0041】
[0041]
図8H、
図8J及び
図8K(
図8A、
図8B及び
図8Cに類似しており、
図8Iは、意図的に削除している)は、造形された物品100を、各図で白抜き矢印によって示された方向にラム300に対してさらに付勢する効果を連続して描く。
図8H~
図8Kに示された実施形態では、偏向可能なフランジ160は、周辺フランジ120をスペーサ140の周辺端部に含む。これらの図では、周辺フランジ120は、偏向可能なフランジ160の屈曲中、偏向可能なフランジ160がスペーサ140の上に完全に屈曲する程度に偏向して、「フック」様構造を形成することがわかる。
図8JにおけるBは、屈曲することにより、偏向可能なフランジ160の一部がラム300の上面302の示された部分に広がる。
【0042】
【0043】
[0043]
図9Aは、本明細書に記載された回転動作前のその偏向可能なフランジ160の形態を示す物品100の一縁部の断面図であり、鋭い可能性があるか又は粗い周辺縁部110が物品又は別の付近にあるフィルム若しくは物体を封止するために使用するフィルムに接触するように接近可能である特質を含む。
図9Bは、
図8A~
図8Cに示された技法によって回転した周辺縁部110を有する物品100の1つの縁部の断面図である。
図8Cに示されたラムと係合した物品に比べて、物品の偏向可能なフランジ160は、ラムからの係脱に続いて周辺方向に「跳ね返って」いる。物品が構築されるプラスチック材料は、可撓性であるため、
図9Bに示された回転した縁部は、白抜き矢印によって示された方向などの図の平面に垂直な方向に付勢されると「弾力性」を提示する。
【0044】
[0044]
図9Cは、
図9Bに示された3つの物品100の縁部の断面図であり、物品は、入れ子様式で積層されている。各物品は、同じ形状(例えば、
図6Cの下部に示されたトレーと同様のトレー)を有するため、各物品は、入れ子が可能であり、他方と共にその回転した縁部がその上及び/又はその下のトレーに接触するまで付勢することができる。
図9Cは、3つのこうして積層した入れ子のトレーを示し、白抜き矢印は、標準的な入れ子を解消する器具を利用して入れ子のトレーを分離できる位置を示す。例えば、指又はネジは、これらの位置でトレー間の領域に係合することができ、指又はネジは、トレーを個別に使用するために互いから分離するように(普通のネスト解消手順毎に)操作可能である。
【0045】
[0045]
図9Dは、積層する突起(リムの下方の角延長部、それに向かって画像内で指が指している)を有する先行技術で熱成形されたプラスチックトレーの画像である。積層する突起は、
図9Eの左部分(これは、互いに積層したこれらの先行技術の2つのトレーの画像であり、トレー間の距離は、積層する突起によって限定される)に示されたように積層したトレー間の制御された分離距離を維持する役割を果たす。
図9Eの右部分は、(3つのトレーで
図9Cに概略的に示されたように)回転した縁部を有する2つを積層した入れ子のトレーを示す。トレー間の境界は、2つの積層したトレーのリム間に見られる。
図9Eは、本明細書に記載されたように回転した縁部を有する2つのトレーが、積層する突起を有する先行技術のトレーができるよりも小さい容積に分離可能な方式で積層できることを示す。
図9Fは、その左側に回転した縁部を有し、積層したトレーの直線の縁部間の分離を増加するためにその角部内に形成した積層延長部180を有する、3つの入れ子の積層したトレーを示す。積層延長部180を有する3つの積層したトレーは、積層延長部がない以外には同一の3つの積層したトレーの分離距離(図の右側の小さい角括弧)より大きい分離距離(図の左側の大きい角括弧)を有することがわかる。
【0046】
[0046]
図10は、
図10A、
図10B及び
図10Cからなる。
図10Aは、それによって支えられる縁のある丸みを帯びた長方形のトレーの形態の造形された物品100を有するラム300の画像である。画像の右下部分には、上部表面302を見ることができ、上部表面302に第2の物品を配置することができるが、現在、物品を支えていない。図の上部においてラム300によって支えられた物品100では、延長部50は、スペーサ140及び偏向可能なフランジの周辺フランジ120の部分を物品100の本体10に連結することがわかる。スペーサ140及び周辺フランジ120は、図の上部においてラム300の上部表面によって担持され、その上部表面(図の右下部における上部表面302に類似している)は、従って、直接見ることができない。「10B」は、
図10Bに(造形された物品100が取り除かれて)示されたラム300の一部を示す。
図10Bでは、ラム300の上面302の一部が見える。
図10Bにおける破線10C-10Cは、
図10Cに描かれた断面の概位を示し、文字A~Eは、ラム300の表面構成が
図10Bと
図10Cを比較することにより、より良く理解できるような目印として含まれている。
図10Cは、目印の文字A~Eを含む
図10Bに示されたラム300の概略断面図である。
【0047】
[0047]
図11は、
図11A、
図11B及び
図11Cからなり、物品の面に取り付けられた剥がせるライナーシートを有する造形された物品の一実施形態の特徴を示す。
【0048】
[0048]
図11Aは、比較的厚い熱成形可能な基板シート101及びその面に取り付けた比較的薄い可撓性ライナーシート500を含む物品の1つの縁部の断面図であり、本明細書に記載された回転動作前の物品の偏向可能なフランジ160の形態を示し、その鋭い可能性があるか又は粗い周辺縁部110を接近可能な位置に含む。
図11Bは、その周辺縁部が本明細書に記載されたように回転した後のこの物品の同じ縁部の断面図である。基板シート101の周辺縁部111は、物品の本体に「戻って向かう」ように十分に回転され、ライナーシート500の周辺縁部511は、この図では、基板シートの周辺縁部111から引き離されている(又は剥がれて離れている)。
図11Cでは、施蓋600のシートは、偏向可能なフランジの延長部50でライナーシート500に接触する一方、施蓋の周辺縁部610は、物品の周辺を越えて位置付けられる。施蓋600及びライナーシート500はそれらの間に接着剤を介入することにより、又はそれらを互いに(例えば、それらを一緒に結合若しくは溶融するために十分な熱を加える間に)白抜き矢印によって示された位置で押圧することにより、互いに取り付けることができる。ライナーシート500にそのように結合した場合、施蓋600は、ライナーシート500がライナーシートをその周辺縁部511又はその付近で掴み、ライナーシート500を(施蓋600が依然として取り付けられた状態で)基板シート101から離して剥がすことにより、ライナーシート500と同時に物品の基板シート101から取り除くことができる。
【0049】
詳細な説明
[0049] 本明細書に開示された主題は、造形された熱可塑性物品の形成に関し、より詳細には物品の1つ又は複数の縁部が、物品を形成する熱可塑性シートの周辺縁部が物品の面から離れて曲げられ、好ましくは物品の周辺から離れる構造を有するように形成されるため、面又は周辺に加えられる脆弱な材料(例えば、皮膚若しくは薄い可撓性のプラスチックシート)がシートの縁部に接触しない、物品に関する。このようなシート縁部は、鋭い可能性があるため、特に縁部を切断又は破ったとき、物品の面及び/又は周辺から縁部を離すように方向付けることにより、面又は周辺に接触する脆弱な材料に損傷を与えることを防止し得る。本明細書に開示された主題は、具体的には、容器の面に加えられる脆弱なプラスチックフィルムで封止される容器を形成する際又は容器を包む際に使用される。本明細書に開示された好ましい実施形態では、物品が形成される熱可塑性シートの周辺縁部は、得られる物品が任意の又は全てのOW、VSP及びMAP封止技術に使用するのに適する限り、物品の周辺から離れて曲げられる。本明細書に記載された造形された物品は、実際には、これらの技術の3つ全てを使用して封止できる第1の包装であると考えられる。望ましくは、熱成形可能で成形可能なプラスチックは、リサイクルプログラムに広く認められる傾向があり、それから作成した物品は、例えば、発泡プラスチック物品より容易にリサイクルできる。
【0050】
[0050] 簡潔に要約すると、平滑縁を有する造形された熱可塑性物品を形成するために本明細書に記載された基本的方法は、偏向可能なフランジを物品の周辺に形成するものである。偏向可能なフランジは、物品が形成される熱可塑性材料の鋭い可能性があるか又は粗い周辺縁部を含む。偏向可能なフランジは、偏向可能なフランジが物品の本体に向かって偏向する(好ましくは偏向可能なフランジの偏向部と延長部との間の周辺縁部、本体又は両方を「隠す」とき、周辺縁部が物品の周辺から離れるように方向付けられるように、その1つ又は複数の部分で軟化される(すなわちフランジが形成される材料のガラス転移温度以上の温度、好ましくは材料の融点より低い温度に上昇する)。軟化して偏向した偏向可能なフランジをそのガラス転移温度より低く冷却すること(すなわち再硬化すること)により、その位置で周辺縁部を「係止」し、物品の周辺に接触する材料(例えば、皮膚又はフィルム)が周辺縁部の鋭さ又は粗さによって損傷する可能性を少なくする。
【0051】
[0051] 周辺縁部(並びに具体的には周辺縁部の湾曲した縁部及び角部)を「回転」させて平滑な周辺をもたらすことができる、周辺に形成された偏向可能なフランジが存在する。外部フランジが含まれる先のトレー(例えば、屈曲領域150、スペーサ140、肘部130及び周辺フランジ120がなく、延長部50の周辺に周辺縁部110を有する、
図1Aに示された周辺と同様の周辺を含むトレー)では、外部フランジの屈曲又は回転は、直線の縁部に沿うことが可能であるが、このような外部フランジの湾曲した縁部及び角部を屈曲又は回転することは、フランジ内の材料の座屈又はしわが寄ることなしに行うことはできず、望ましくない非平滑縁をもたらす。周辺縁部110がこのように座屈するか又はしわが寄ることなしに物品の周辺から離して偏向できる、本明細書に記載された偏向可能なフランジの平滑な屈曲領域150及びスペーサ140が存在し、平滑な周辺をもたらす。偏向可能なフランジが受ける屈曲すること、曲げること及び巻くことにより、任意の1つ又は複数の延長部50、屈曲領域150、スペーサ140、肘部130、周辺フランジ120及び周辺縁部110にも影響を与え得ることが
図1、
図4、
図5、
図7及び
図8からわかる。1つ又は複数のこれらの要素のいずれが効果を得るために屈曲又は偏向されても、物品の周辺から離れる鋭い可能性がある周辺縁部110、好ましくはその周辺で物品の外部からあまり接近できない、得られる配列は、脆弱なフィルム、組織又は他の表面と接触するのに適した平滑な周辺を有する物品がもたらされる。
【0052】
[0052] 一実施形態では、偏向可能なフランジは、物品から周方向にまさに出て、物品を形成する熱可塑性材料内の肘部(例えば、90度に曲がっているか、又は60~120度の角度などの何らかの他のオフセット角を通して曲がっている)によってスペーサ部に取り付けられる周辺フランジを含む。物品の本体は、屈曲領域によってスペーサに取り付けられ、屈曲部は、スペーサと屈曲領域に隣接した本体の一部(すなわち、この部分は、通常、本体を屈曲領域に連結する役割を果たす延長部になる)との間の角度(
図1Aにおける角A、好ましくはほぼ直角)を規定する。偏向可能なフランジは、周辺フランジが空洞の壁に衝突するように本体(例えば、上部本体200又はラム300)の空洞の内部内に挿入され、それにより、偏向可能なフランジは、物品の本体の方向に偏向する。このような偏向時、熱可塑性材料を屈曲領域で軟化又は溶融するのに十分な熱が屈曲領域に加えられるため、偏向可能なフランジは、屈曲領域が冷却するときに本体に向かって偏向したままである。任意選択で、偏向可能なフランジの後にラムを空洞内に挿入することができ、偏向された周辺フランジに接触するラムの面は、偏向可能なフランジの偏向をさらに誘発することができ、さらに冷却時に物品の周辺縁部を物品の周辺から離して移動させる。このように、熱可塑性材料の平滑な「回転された」縁部は、物品の最外周辺を形成する一方、熱可塑性材料の周辺縁部は物品の最外周辺内に留まり、この場合、その鋭い縁部により物品の最外周辺に接触する脆弱な材料を損傷する可能性は低い。
【0053】
[0053] 別の実施形態では、偏向可能なフランジは、熱可塑性シートの鋭い縁部を物品の周囲から偏向されて離れる方向に偏向可能なフランジを変更するラムと接触する。このような変更前、その間又はその後、偏向可能なフランジの1つ又は複数の部分(例えば、屈曲領域、スペーサ、肘部、周辺フランジ、ラムに接触するあらゆる部分又はこれらの組合せ)は、熱可塑性材料を軟化するように十分に加熱され、偏向可能なフランジは、その後、偏向を「固定する」ために冷却される。偏向の角度に依存して、熱可塑性材料の周辺縁部は、J字形、U字形又は螺旋形状の形態も達成され(すなわち実質的に平滑な周辺縁部をもたらすあらゆる形状)、周辺縁部は、それによって実際に物品の周辺に存在する皮膚又はフィルムを損傷する可能性がない状態にする、軟化されている間、単に物品の周辺から離れて曲がり、周辺のほぼ反対方向に曲がるか、又は偏向可能なフランジを十分に狭い半径で偏向することによって「回転」することもできる。
【0054】
[0054] 次に、造形された物品及びそれらを作成する方法の個々の要素及び態様についてより詳細に説明する。
【0055】
[0055] 造形された物品
[0056] 本明細書に記載された方法は、広範囲の形状及び大きさを有する物品、特に通常一般的な方法によって作成されたときに鋭い周辺縁部を有する物品に適用可能であると考えられる。平滑縁を有する造形された熱可塑性物品を作成する動機は、一部には、通常の使用条件下でフィルムをトレーの縁部によって切断されるか又は破られることなく、トレーをポリ塩化ビニリデンフィルム及びポリエチレンフィルムなどの薄いプラスチックフィルム内に包むか、又はプラスチックフィルムと接触させることができる、十分に鈍い(鋭くない)縁部を有する一般的な保管トレー(例えば、生若しくは冷凍の肉、果物又は野菜などの食品を保管するために使用されるプラスチックトレー)を作成するという願望から生じた。しかし、本明細書に記載された方法が開発されると、平滑で丸みを帯びた縁部は、トレー及び他の造形された物品を取り扱う人の皮膚の負傷を防止すること、及び第2の封止されたトレー(例えば、複数の封止されたトレーを含有する輸送容器内など)の鋭い縁部により1つのトレーを封止するフィルムを損傷することを防止することなどの種々の他の状況に望ましいことが認識された。
【0056】
[0057] 例として、肉用トレーなどに造形された物品を作成する一般的な方法は、熱可塑性物質のシートを熱成形することによる。熱成形工程では、熱可塑性物質の長いシートの一部は、熱可塑性物質が軟化し成形できる温度まで上昇される。軟化された熱可塑性物質は1つ又は複数の金型の表面に押し付けられる(金型の表面に対して軟化された熱可塑性フィルムの反対側を密に押し付けることを確実にするため、負の空気圧を用いることが多い)。フィルムが冷却する際(例えば、金型の表面と接触する際)、熱可塑性物質が硬化し容易に変形しにくくなることにより、熱可塑性フィルムは、成形工程により押し付けられた形状に達し、それを維持する。複数の注型は、熱成形工程において単一シートのフィルム内で同じ物品から作成されることが多く、個々の物品は、物品の周辺でフィルムを切断(例えば、型抜き)することによりフィルムから取り除かれる。この工程は、物品の周辺の全て又は一部(すなわち物品がフィルムから切断された場所)を包囲する鋭い縁部を含む、フィルムの切断部に鋭い縁部をもたらす傾向がある。
【0057】
[0058] さらに、例として、熱可塑性材料を押出機内で溶融し、成形された物品の形状を規定する型穴内に注入することができる。冷却後、金型を開いて成形された物品を取り外すことができる。成形工程において、溶けた熱可塑性物質が成形板間に流れるか、又は溶けた熱可塑性物質が閉じた金型内に供給されたポートを通るときに起こる「鋳張り」など、熱可塑性材料が望ましくない場所で仕上げられた物品の一部に現れることがよくある。これらの望ましくない部分は、それら自体が鋭い可能性があり、鋭い縁部は、これらの望ましくない部分が成形された物品から切断されるときに残る可能性がある。
【0058】
[0059] 本明細書に記載された物品の大きさ及び形状は、重要ではない。概して、造形された物品は、物品の取り扱い又は物品の周辺縁部と1つ又は複数の脆弱な材料との間の接触が予想されるものである。本明細書に記載された縁部を平滑にする工程は、熱可塑性物品から1つ又は複数の鋭い縁部を取り除くことができ、熱可塑性物品は、通常、物品が生成される方法に関わらずそのように鋭い縁部を有する。
【0059】
[0060]平滑にする方法
[0061] 熱可塑性物品の周辺、具体的には熱可塑性材料の屈曲又は造形されたシートから形成された物品を、平滑にされる縁部周辺付近に偏向可能なフランジを形成することと、物品の周辺から縁部を外すためにフランジの屈曲部を偏向させることと、少なくともフランジが偏向された位置にある間に屈曲部を軟化させることと、フランジが偏向された位置にある間に屈曲部を再硬化させることとを含む工程によって平滑にすることができる。この工程は、
図1に示されている。軟化して屈曲することができる偏向可能なフランジ160の一部は、屈曲領域150又は好ましくは屈曲領域150に遠位であるが、周辺縁部110に近位の偏向可能なフランジの一部であり得る。例として、スペーサ140を軟化することにより、肘部130、周辺フランジ120(これらの2つの要素が存在する場合)及び周辺縁部110を含むその周辺部が周辺縁部110を物品の周辺から遠ざけるように十分に内方(すなわち物品100の本体10に向かって)屈曲することができる。
【0060】
[0062] 好ましくは、スペーサ140の少なくとも一部は、軟化されて十分に屈曲されるため、物品を上包するか又は物品に覆いかかるフィルムが、張り詰めて引っ張られている場合でも周辺縁部110に接触しないように周辺縁部110が位置付けられるように周辺縁部110が「回転」される。一層より好ましくは、偏向可能なフランジ160は、十分に回転させられるため、物品100がその周辺から(すなわちその周辺側面から)水平に見たとき、周辺縁部110が見えないようにスペーサ140又は屈曲領域150によって周辺縁部110が見えにくい。やはり好ましくは、偏向可能なフランジ160は、十分に回転させられるため、周辺縁部110は、本体10又は偏向可能なフランジ160の一部の底面に「向かい」、偏向可能なフランジの平面は、その周辺縁部110を含む部分において、偏向可能なフランジ160の底面161(例えば、
図1Bを参照されたい)を含む本体10と交わることを意味する。偏向可能なフランジの平面は、周辺縁部110を含むその縁部で本体10(例えば、
図8Biにおけるオフセット角OAを参照されたい)又は偏向可能なフランジ160の底面161(例えば、
図8Ciにおけるオフセット角OAを参照されたい)に向かないとき、その周辺縁部は、偏向可能なフランジ160の1つ又は複数の部分により周辺縁部110が見えにくいように物品100(例えば、
図8Aiにおけるオフセット角OAを参照されたい)の周辺から少なくとも十分に離してずらされるか又は十分に回転させられるべきである。
【0061】
[0063]
図1Aは、本体10(この図では不規則な形状を有する)及び本体10と連結された偏向可能なフランジを有する熱可塑性物品100を示す。偏向可能なフランジは周辺フランジ120を含み、周辺フランジ120は熱可塑性シートの周辺縁部110を含み、物品100は熱可塑性シートから形成される。また、偏向可能なフランジは、物品100の本体10と周辺フランジ120との間に介入された屈曲領域150も含む。屈曲領域150は延長部50により本体10から分離され、延長部50は、この実施形態では熱可塑性シートの平坦部に過ぎない。周辺フランジ120は、同様にこの実施形態ではスペーサ140と指定された熱可塑性シートの平坦部により屈曲領域から分離される。周辺フランジ120は、肘部130によって偏向可能なフランジの残余部に連結され、肘部130は、この実施形態では直角に形成された熱可塑性シートの一部である。
【0062】
[0064]
図1Aは、このような物品100の断面図であり、黒い実線は、物品100を形成する熱可塑性シートの断面図を表す。さらに右へ(この図において)延在する物品100の部分はないため、周辺縁部110は物品100の周辺を形成し、スペーサ140及び周辺フランジ120の他の部分は、シートの周辺縁部110より本体10に近い。従って、物体が物品100の右側(
図1Aにおいて)に付勢された場合、物体は周辺縁部110に接触する傾向があり、その周辺縁部110の鋭さは、物体を切断するか、損傷させるか、又は傷めることなどにより、物体に影響を与える可能性がある。
【0063】
[0065]
図1Bでは、熱可塑性物品100は上部本体200の内部空洞内に挿入される。上部本体の内面202は周辺フランジ120に衝突し、周辺フランジ120を物品100の本体10に向かって内方に(すなわち周辺の反対に)偏向させる。この実施形態では、物品100が形成される熱可塑性シートの周辺縁部110及び屈曲領域150の周辺の大部分の両方が本体10から周辺にほぼ等しく位置付けられる。好ましくは、偏向可能なフランジ160は、はるかに十分に内方に偏向されるため、熱可塑性シートの周辺縁部110が上部本体200の内部空洞内に含有される。この実施形態では、スペーサ140は、基本的に堅固であり、実質的に全ての屈曲は、屈曲領域150内で起きる。熱可塑性シートを軟化するのに十分な熱が屈曲領域150(
図1Bにおいて「B」と特定された場所付近)に加えられ、シートが、その後、十分に(好ましくはそのガラス転移温度より低く)冷却される場合、偏向可能なフランジ160は、上部本体200が物品100から分離した後でも、
図1Bに示された構成を維持する(すなわち周辺縁部110が上部本体200の内部表面202に衝突したため、
図1Aに示されたその最初の形態に関連して偏向する)。この偏向した形態では、周辺縁部110は、丸みを帯びた屈曲領域150を越えて周辺に延在せず、得られる物品は、
図1Aに示された元の予め変形した物品より延長部50及び屈曲領域150に付けられた薄いプラスチックフィルムで封止するのに適する(すなわち屈曲領域150の周辺を越える鋭い可能性のある周辺縁部110の突出のため、その位置で周辺縁部110は、フィルムを容易に引っ掛けるか、擦り切れるか又は切断することがある)。
【0064】
[0066]
図1Cは、任意選択であるが、ラム300が上部本体200内の空洞内に物品100の背後で挿入される(すなわち上部本体200とラム300との間に少なくとも偏向可能なフランジ160を挟持する)好ましいステップを示す。このステップは、偏向可能なフランジ160を物品100の本体10に向かって(
図1Bに示す実施形態に対して)さらに偏向させ、それによって熱可塑性シートの(鋭い可能性がある)周辺縁部110を物品の周辺からさらに(すなわち上部本体200の内面202からさらに)移動させる。偏向可能なフランジ160の屈曲領域150が
図1Cに示された構成にある間、屈曲領域150を少なくとも軟化させるように屈曲領域150を十分に加熱し、その後、そのガラス転移温度より低く屈曲領域150を冷却することにより、示された構成における偏向可能なフランジを「凝固」させる。この構成では、物品を形成するシートの鋭い周辺縁部110は、偏向可能なフランジ160の他の部分(存在する場合、例えば屈曲領域150及び延長部50)の下に「押し込まれ」、その結果として物品の周辺に接触する物体に近づきにくい(また、物品の周辺に接触する材料を破るか、切断するか又は傷付ける傾向が少ない)。例えば、薄いプラスチックフィルムが延長部50及び屈曲領域150に付けられる場合、フィルムは、
図1Bに示された実施形態におけるより、この実施形態における鋭い可能性のある周辺縁部110によって引っ掛けるか、擦り切れるか又は切断する可能性も少ない。この進歩から(すなわち
図1B及び
図1Aより
図1Cにおける偏向が大きい)、周辺縁部110が封止フィルムを付ける物品の一部の周辺から偏向されて離れるほど、フィルムが縁部から損傷されにくくなる。
【0065】
[0067] ラム300及び上部本体200は、それぞれが偏向可能なフランジの上又は偏向可能なフランジに衝突することにより偏向可能なフランジを偏向する目的に役立つ。これらの2つの品目は、従って、基本的に相互に交換可能であり、それぞれは、単独で又は2つ以上のラム及び上部本体を組み合わせて使用することができる。本開示では、用語「ラム」は、造形された物品の本体から最も遠い偏向可能なフランジの一部からある方向に向かって又は反対に適用することにより、偏向可能なフランジに衝突する本体を指すために使用される。同様に、用語「上部本体」は、ほぼ対向する方向に向かって又は反対に(
図1C及び4を参照されたい)適用することにより、偏向可能なフランジに衝突する本体を指すために使用される。
【0066】
[0068]
図1Cに示された例では、偏向可能なフランジ160の周辺フランジ120に衝突するラム300の一部は、物品が上部本体200内の空洞内に詰め込まれている間に楔形状の断面を有する。ラムが周辺縁部110から屈曲領域150に向かって内部で前進するほど、周辺フランジ120及び周辺縁部110は周辺の反対方向に偏向する点で、このようなラムは、周辺フランジ120及び周辺縁部110を周辺の反対に方向付けるために有益であり得る。しかし、ラム300のこれらの部分は楔形状である必要はない。ラム300が上部本体200内の物品100の背後に挿入されると、周辺フランジ120及び周辺縁部110を周辺の反対に偏向させる、実質的にあらゆる形状のラム300を使用することができ、例えば
図5に示されているように、鈍い又は丸みを帯びている(その上面302が凸状若しくは凹状である)又はこれらのあらゆる組合せなどを使用できる。
【0067】
[0069]
図8は、物品の縁部を回転するか又は別法として造形する代替方法を示す。
図8Aに見られるように、この実施形態では、偏向可能なフランジ160は、肘部又は周辺フランジがなく、代わりに、熱可塑性シートの周辺縁部110で終了するスペーサ部のみを含む。この偏向可能なフランジは、加熱したラムの上部表面302に(物品100若しくはラム300のいずれか又は両方を動かすことなどにより、このような付勢がどのように達成されるかに関わらず、
図8における白抜き矢印によって示された方向に)付勢される。偏向可能なフランジの移動する方向が上部表面の形態に近接して平行であるとき(すなわち
図8Aのように)、上部表面に接触する偏向可能なフランジは、比較的少ないことがあり、ラムから偏向可能なフランジに伝達される熱は、比較的少ないことがある。しかし、
図8Bに示されたように、物品とラムの相対運動により、ラムの上部表面と偏向可能なフランジとの間の接触表面がより大きくなるか又はより接近したとき、接触/接近する接触面領域は、より大きいことが可能であり、その結果、ラムから偏向可能なフランジに流れる熱が大きくなる。十分な熱の流れにより熱可塑性材料を軟化し、偏向可能なフランジは、上部表面の形態を担う。
図8Cに示されたように、物品とラムの相対運動が一層さらになされると、偏向可能なフランジのより大きい部分が軟化して偏向する。
図1Bに示された実施形態と同様に、この実施形態では、偏向可能なフランジを屈曲するのに適した熱が(
図8B及び
図8Cにおける複数の場所Bに)加えられるが、周辺縁部を含む偏向可能なフランジの一部を「回転する」ために、(
図8Cのように、屈曲領域150の周辺の大部分が加熱されたラム300に接近する際のわずかな程度の可能性を除いて)屈曲領域150は、ほとんど又は全く曲がらず、熱を加えられない。本明細書に記載された工程のために、偏向可能なフランジのどの部分が軟化されて屈曲されるかは、所望の結果が得られる限りあまり重要ではなく、鋭い可能性のある周辺縁部110は、物品の周辺から偏向されて離れ、好ましくは造形された物品の周辺に接触する、あらゆる損傷しやすいフィルム又は組織にあまり接触する可能性が非常に少ないところに(
図8Cにおけるように)隔離する。偏向可能なフランジは、偏向可能なフランジの一部を引き続き軟化できるため、単一の滑らかな動きで、複数の個別を徐々に前進させるか又はこれらの組合せでラムと接触するか又はラムと近接近させることができる。
【0068】
[0070] 熱可塑性材料が動いてラムと接触しなくなると(2つを係脱することにより、又は
図8Cに示されたように偏向可能なフランジの一部が動いてラムの上部表面を越えることにより)、熱可塑性材料は、冷却することができ、その中に誘起された偏向は、冷却時に維持される。
図9B及び
図9Eに示されたように、物品とラムとの係脱により物品の縁部が回転し、回転した縁部は、平滑な周辺を有し、脆弱なプラスチックフィルムの取り扱い及び/又は脆弱なプラスチックフィルムとの接触に適する。あらゆる可能な縁部構成において、縁部と脆弱な組織又はフィルムとの接触を十分に防止するために、偏向の「最小」量として明確に同定できる周辺縁部110の偏向の程度はないが、それにも関わらず、偏向可能なフランジの屈曲部が十分に屈曲されるため、周辺縁部が偏向可能なフランジの任意の部分(例えば、延長部、屈曲部、スペーサ又は屈曲した部を含む)に「向かう」(すなわち周辺縁部で、また周辺縁部を通って延在する熱可塑性シートに接する平面が交わる)場合、この構成は、概して、物品の周辺又は周辺付近で脆弱な組織又はフィルムに縁部が接触することを十分に防止する(例えば、
図8C、
図8G及び
図9Bを参照されたい)ように周辺縁部を隔離させるべきであると概して言うことができる。別法として、偏向可能なフランジは、十分に偏向することができるため、周辺縁部110は、凹部の側壁に接近して対向し(例えば、
図8C、
図8K及び
図9Bを参照されたい)、又はこのような隔離を達成するために(
図8B、
図8D、
図8F及び
図8Jにおけるように)延長部から最も離れた屈曲部より延長部50により近い。好ましくは、周辺縁部110は、物品の近くで脆弱な組織及びプラスチックフィルムを損傷する可能性がある鋭い縁部を実質的にない状態にするように、偏向可能なフランジの回転した部分及び凹部の側壁(例えば、
図8Kに示されたようなものを含む)又は物品の周辺全体の偏向可能なフランジの一部のいずれかによって規定された区画「内に含有」される。別の実施形態では、平坦な底面のトレーは、ほぼ平面である周辺リムを有し、リムの平面は、基本的に底面に平行であり(標準のMAPトレー及び他のトレーなど)、このような平坦な底面のトレーに対して、回転した周辺縁部は、好ましくは、十分に回転したため、周辺縁部は、トレー空洞(すなわち2つの平面に平行であるが、トレー空洞の方向に配向される)又はそれより遠く(例えば、十分に回転したため、周辺縁部はリムの延長部の底面に向かうか若しくは屈曲部の底面に向かう)に「向かって戻る」。
【0069】
[0071]
図8A~8Cでは、偏向可能なフランジは、例示を単純にするために
図1Aに示された肘部130及び周辺縁部120なしに描かれている。肘部及び周辺フランジのない偏向可能なフランジの生産は、(例えば、
図1に示されたスペーサ140で偏向可能なフランジを機械的に又はレーザで切断することにより)可能であるが、このような生産は、難しく、費用が掛かる可能性があり、従って実際には大規模な生産作業に限定される。この理由で、本明細書に記載された処理をした食品のためのトレーの包装として使用することを意図する物品などの造形された物品100は、
図1Aに示された肘部及び周辺フランジの両方を有することが多くなる。
図8E~
図8Kに示されたように、肘部及び周辺フランジを担う造形された物品は、それにも関わらず、本明細書に記載された方法及び器具を使用して処理することができる。
【0070】
[0072]
図8E~
図8Gは、本明細書に記載された周辺フランジ120及び肘部130の両方を含む偏向可能なフランジ160を有する造形された物品100の処理、並びに
図8A~
図8Cに描かれた処理に概して類似しているこれらの図に描かれた処理を描く。
図8Eでは、偏向可能なフランジ120の周辺縁部は、ラム300の上部表面302に直接接触する。ラムは、加熱されるため、周辺縁部がラムに接触し、スペーサ140の近接対向した位置からの放射線によって周辺縁部に直接伝導される。
図8Eに示された位置における物品100のラムから流れる熱及び滞留時間を制御することにより、操作者は、具体的には、その周辺縁部及びその周辺縁部付近のスペーサの一部を含む偏向可能なフランジの一部を軟化させることができる。これらの部分を軟化することは、ラムにさらに物品を付勢することなどにより偏向可能なフランジを軟化された部分で屈曲することを促進するため、上部表面の湾曲部は、偏向可能なフランジのより多くの周辺部が
図8Fに示されたようにより少ない周辺部(これは、物品に加えられた力を伝達する)により、上部表面の湾曲した部分に駆動される際に屈曲を誘発する。
図8Gに示されたように物品をラムにさらに付勢することにより、ラムの上部表面と接触する偏向可能なフランジの一部がその上部表面を横切って摺動する。材料が上部表面と接触する位置を越えて駆動される際、材料は、短期間に軟化されたままであり得(さらに屈曲しやすい)、又は材料は、冷却し、(屈曲可能若しくは成形可能であるよりむしろ)単に偏向可能であり得る。ラムの加熱された部分を通過する動きによっても、或いは物品を接触したラムから取り除くことにより(又は冷気を造形された部分に向けることにより、物品の本体内の冷却したプラグ要素を使用することにより、若しくは別法によるなどの冷却を適用することによっても)冷却されようとも、偏向可能なフランジをそのガラス転移温度より低く冷却することにより、その転移の時点で材料の形態を「設定」又は「固定」する。従って、偏向可能なフランジが、
図8Gに示された形態を有するように偏向可能なフランジを造形し、偏向可能なフランジをそのガラス転移温度より低く冷却することにより、(その屈曲領域150は、平滑であるため、且つその周辺縁部110を含むそのスペーサ140は、物品の周辺に粗い又は鋭い縁部がない形態を有するように変化されているため、物品の縁部は、平滑にすることができる。
【0071】
[0073]
図8Fに示されたように、周辺フランジ120は、偏向可能なフランジを造形中に部分的に偏向することができ、完成した物品では、周辺縁部は、好ましくは、本体又は偏向可能なフランジの底面に「向かう」。
図8Gに示されたように、偏向可能なフランジの造形は、場合により、周辺フランジ及び偏向可能なフランジとスペーサの残余部との間に介入した肘部が消失する。これは、周辺フランジ内の材料がスペーサ中に「溶融する」ため、又は単に肘部のオフセット角がほぼ180度になるために起きる可能性がある。
図8Jに見られるように、例えば、周辺フランジ120は、周辺フランジ120がスペーサの残余部と分かれたままである方向に偏向することができるが、フック様構造を形成することができる。このような構造は、鋭いか又は粗い可能性がある周辺縁部を物品の周辺又は周辺付近に位置付けることができるため、偏向可能なフランジは、十分に偏向されて、あらゆるこのようなフック様構造が、
図8Kに示されたように回転した縁部内に(物品の周辺に対して)含有されることが好ましい。
【0072】
[0074]
図1及び
図8に示された方法では、上部本体200、ラム300又は両方が偏向可能なフランジ160に衝突することにより、造形された物品の壁が内方に曲がる可能性がある。例として、(
図1A及び
図1Bにおけるスペーサ140の位置に比べて)上部本体の側壁のフランジに衝突時に偏向可能なフランジに誘発された圧縮は、延長部50に内向きの(すなわち上部本体の側壁から離れて物品100の造形された本体10に向かう)力を誘発し、この力は、造形された本体に伝達されることにより、本体の一部が曲がり又は歪む可能性がある。同様に、偏向可能なフランジの周辺フランジ部120へのラムの衝突も、延長部に、それによって造形された本体に内向きの力を誘発することになる。さらに、例として、
図7及び
図8に示された実施形態における偏向可能なフランジに加わる内向きの力も、物品の造形された本体に伝達することができる。偏向可能なフランジから造形された本体への力の伝達は、少なくとも2つの理由のために望ましくない可能性がある。第1に、造形された本体の偏向は、偏向可能なフランジ及び本明細書に記載されたように屈曲された部分の配向を変える可能性があり、物品(及びその縁部)の最終形状の制御が困難になる。第2に、偏向可能なフランジから本体に伝達される力により、概して偏向可能なフランジがラム及び/又は上部本体に駆動せず、力は、本明細書に記載された偏向可能なフランジを少なくとも意図した程度に屈曲及び偏向させないことを意味する。従って、力を偏向可能なフランジの偏向に向けるように、偏向可能なフランジからの力の伝達、このような力による造形された本体の偏向又はその両方を限定することが望ましい。
【0073】
[0075] 偏向可能なフランジから本体への力の伝達を防止若しくは低減する、造形された本体の偏向を低減若しくは防止するか又はその両方のための実質的なあらゆる器具又は方法を利用することができる。このような器具の一例及びその使用方法は、
図8Dに示されている。
図8Dは、
図8Bに示されたように下向きの力(白抜き矢印)の付加により造形された物品100内に偏向可能なフランジ160を造形することを示す。
図8Bとは対照的に、
図8Dに示された造形された物品は、3つの物体401、402及び403と結合される。ここに示された断面では、3つの物体は、それぞれが丸みを帯びた正方形の輪郭(例えば、丸みを帯びた金属棒)を有する固体である。物体401は、下向きの力により偏向可能なフランジ160がラム300の上部表面302に衝突するときに内向きの力(より小さい水平の塗りつぶし矢印)が加えられると、造形された物品100の一部に当接する。物体403は、偏向可能なフランジの延長部50に当接し、下向きの力を偏向可能なフランジに伝達する。物体402は、物体401及び402に連結する(この例では堅固に連結するが、必ずしもそうではない)。3つの物体の1つ又は複数は、(例えば、加熱されたラム300からの)熱がプラスチックをその本体又は延長部で軟化しないように冷却することができる。
【0074】
[0076]
図8Dでは、下向きの力(白抜き矢印)が物体403に加えられるとき、その力は、偏向可能なフランジに伝達される。偏向可能なフランジがラム300に衝突することにより、下向きの力に対抗する。この力は、物体401がない場合に偏向可能なフランジを通って(すなわち延長部50を通って)物品100の造形された本体に伝達する可能性がある。しかし、物体401は、存在し、物体401が当接する物品の一部の偏向を十分に防止するように適所に保持されるため、偏向可能なフランジに加えられた下向きの力は造形された本体の偏向によって(すなわち、物体401は、このような偏向を防止するため、
図8Dにおける小さい水平の黒い矢印によって示された方向に)消散することができず、下向きの力は、代わりに、偏向可能なフランジに沿って
図8Dにおいて大きい黒い矢印によって示された方向に押し付けられる。この力は、偏向可能なフランジ(具体的にはその周辺縁部、存在する場合には周辺フランジ及び周辺縁部に最も近いスペーサの一部)をラム300に駆動させ、偏向可能なフランジの偏向、ラムの上部表面302に対する偏向可能なフランジの一部の一致(特にラムによって提供された熱の量がそれらの部分を軟化するのに十分であるとき)並びにラムの表面を横切る偏向可能なフランジの移動を誘発する。図面に示されたように、ラムの上部表面の輪郭は、それによって偏向可能なフランジの周辺のほとんどの部分に付与されることにより、それらの部分の屈曲が平滑になり(ラムの上が平滑な輪郭と仮定する)、偏向可能なフランジの周辺縁部が物品の本体に向かって移動する(又は例えば、
図8Cに示されたように本体を越えて「丸まって」戻ることもある)。
【0075】
[0077] 物体401、402及び403の形状、大きさ、配置、止め具(存在する場合)は、重要ではない。同様に、3つの物体の全てが必ずしも一緒に使用される必要はなく、1つ、2つ又は3つの全てを利用することができる。一実施形態では、3つの物体は、
図6に示された容器と同様の容器のための「蓋」又は「プラグ」を形成するために一緒に固定されるため、物体401に対応する蓋/プラグの一部は、実質的に容器の内部を満たすことができ(すなわち全ての壁を圧迫し、特に容器の4つの長い直線の壁を含む、例えば
図8Di及び
図8DiiにおけるプラグPを参照されたい)、物体403に対応する蓋/プラグの一部は、その内側を囲む容器のリム全体に付けることができるリングを形成し、物体402に対応する蓋/プラグの一部は、それらに接触するあらゆる材料又は機構であり得る。例えば、このような蓋/プラグは、単一片の材料(例えば、内側全体を満たし、内側を囲むリムに重なる「プラグ」)から形成することができる。1つ又は複数の物体は、(所望される場所以外に偏向可能なフランジの部分において)造形された物品の加熱を低減し、それによって処理中に造形された物品の望ましくない変形を防止するために冷却することができる。
【0076】
[0078] 一般化すると、物体401は、偏向可能なフランジの偏向中に造形された物品の両側が曲がることを防止するための塊に過ぎない。このような物体は、実質的に造形された物品の内側の全ての部分(例えば、
図6Dに示された容器の内側全体)を満たし得る。別法として、1つ又は複数の物体401は、それ以外により容易に偏向される造形された物品の部分(例えば、
図6Dに示された容器の長い直線の側面)を支えるために使用され得る。
【0077】
[0079] 物体403は、偏向可能なフランジをラムに付勢することができるあらゆる物体であり得る。複数の物体は、偏向可能なフランジを1つ又は複数のラムに対して物品上の様々な場所で付勢するために使用することができ、又は偏向可能なフランジの全ての部分で若しくはその付近で物品に接触する単一の物体403を使用することができる。一実施形態では、物体403は、
図6Dに示された容器などの容器のリムを完全に囲む形などにおける、本明細書に記載された上部本体200である。物体403は、そのリムを完全に囲む偏向可能なフランジが本明細書に記載された手法でラムに同時に付勢するように、チャンバの内部凹型区画を囲む容器のリム全体に対して密に嵌合するように設計された枠であり得る。一実施形態では、物体403は、(
図8Dに示されたように)処理中に造形された物品の本体の加熱を低減、阻止又は防止するように、(例えば、冷却水、冷却油又は周囲空気などの冷却流体を、具体的には物体が金属などの熱を良導体から作成された場合、物体に向けるか又は物体を通すことにより)意図的に冷却することができる。物体403は、物体403により造形された物品の偏向可能なフランジに力を加えるのと同時に、耐曲性物体401が造形された物品の内側に加えることができるように物体401と繋がるか、堅固であるか又は移動可能であり得る。
【0078】
[0080] 物体402は、存在する場合、物体403を力の源に連結する物体、偏向可能なフランジ160の偏向中に造形された物品100の凹部内の適所に物体401を保持する物体又はこれらの組合せであり得る。
【0079】
[0081]
図9C及び
図9Eに示されたように、この工程によって形成された回転した縁部の追加の利点は、回転した縁部が従来の積層する突起の代わりに使用できることである(すなわち、物品に接近する程度を制限するように輪郭に沿って形成された物品の熱形成で造形された部分は、別のそれ以外には同一に造形された物品内に入れ子にすることができる)。それらの所望の抗入れ子機能を実行するためにこのような公知の積層する突起は、隣接したトレーの積層する突起が入れ子になることを防止するためにそれらの下端(一例として
図9Dを参照されたい)よりそれらの上端でさらに狭くなければならない。この「上部でより狭い」形態は、突起のより狭い「上」部が、熱成形されたトレーを金型から取り除くために突起の金型のより大きい「底」部の上に広げるか又は変形されなければならないため、熱成形中にトレーを離型する公知の難しさを表す。
図8及び
図9に描かれた回転した(すなわち本明細書に記載されたように作成された)縁部は、この難しさを回避する一方、依然として隣接したトレーの不適切な接近した入れ子を防止する。本明細書に記載された回転した縁部を有するトレーは、従来の入れ子を解消する器具(例えば、隣接した入れ子にした/積層したトレーを分離するためのネジ及び指に基づいた機械)を使用して分離することができ、
図9Eに示されたように、形成した積層する突起を有するトレーを使用して可能であるよりも密集したトレーの包装を可能にする。
【0080】
[0082]
図9Fは、やはり回転した縁部を有する造形された物品を積層する特性に影響を与える、本明細書に記載された回転した縁部の任意選択の実施形態を示す。
図9Fの右側には、本明細書に記載された回転した縁部を有する3つの積層したトレーが示されており、回転した縁部は、トレーの周辺全体の周りが実質的に同一(高さを含む)である。
図9Fの左側には、3つの他の積層したトレーが示されており、これらのトレーも、周辺全体の周りに本明細書に記載されたように回転した縁部を担う。しかし、図の右のトレーとは対照的に、左のトレーの回転した縁部は、それらの周辺全体の周りが均一ではない。1角部が図に示されたように、縁部の他の部分に沿って回転した偏向可能なフランジの部分より偏向可能なフランジの小さい部分は、これらのトレーの角部で回転している。結果として、トレーは、それらの角部で丸みを帯びた積層した延長部180を担う。
図9Fの右に示された積層したトレーと同様に、図の左のトレーは、互いの間に入れ子になり、トレーの回転した縁部の下部表面が、その間で入れ子になった第2のトレーの回転した縁部の上部表面に接触して着座するまで沈められる。しかし、図の左のトレーの積層延長部180は、それらのトレーの回転した縁部の残りの大部分より高いため、左のトレーは、積層延長部180の下部表面がその下方のトレーの回転した縁部の上部表面の上に着座するように入れ子になり、上部トレーの回転した縁部の大部分の下部表面は、その下方のトレーと接触しないままになり、入れ子のトレー間に隙間がもたらされる(
図9Fの左の大きい角括弧によって示された隙間を、
図9Fの右の小さい角括弧によって示された窪みと比較されたい)。造形された物品100が、本明細書に記載されたように積層延長部180を含む回転した縁部を与えられるとき、偏向可能なフランジが偏向される程度及び方法は、それにも関わらず、偏向可能なフランジが本明細書に記載されたように物品100の周辺でフィルム又は他の材料に接触する可能性が少ないように、周辺縁部110を積層延長部180に位置付けるために選択するべきである。
【0081】
[0083]
図8及び
図9に描かれた「回転した縁部」のなお別の利点は、このような縁部形態により造形された物品に付与する機械的強度である。薄いプラスチックフィルムは、非常に曲がりやすい傾向があり、このようなフィルムから形成された物品は、取り扱い又は操作時(例えば、フィルムで封止若しくは上包している間)に容易に変形する「非常に薄い」縁部を有することができる。中空管又は丸い材料は、同じ型及び厚さの材料の平坦なシートよりも強く堅い傾向があるのと同じ理由で、本明細書に記載された湾曲又は回転した縁部は、このような縁部がない対応する物品より本明細書に記載された造形された物品により大きい縁部の強度及び剛性を付与する。この縁部の強度及び剛性により、本明細書に記載された造形された物品の上に蓋を形成すること、又は別個に作られた蓋を本明細書に記載された造形された物品と係合することが可能になる。従って、造形された物品がOW、VSP又はMAP技術を使用してフィルムで封止できることに加えて、本明細書に記載された造形された物品の向上した縁部の強度により、物品は、スナップを留め/スナップを外すタイプの蓋又は他の従来の封止技術で封止することが可能になる。また、造形された物品に付与した縁部の強度及び剛性は、物品を上包又は封止するため(例えば、包み又は封止したときにその凹面上を閉じる凹状物品の現象のようないわゆる「蝶結び」)、及び入れ子の容器の積層から個々の容器を隔離するために使用するネストを解消する器具など、容器を取り扱う器具によって(又はその操作への必要性によって)負荷された応力に耐えるために使用するフィルムの張力によって誘発される偏向も防ぐ。
【0082】
[0084] 上記のように、本明細書に記載されたように作成された造形された物品(例えば、薄いフィルムで包むか又は封止するためのトレー)に見られる縁部の強度及び剛性は、物品縁部に存在する幾何形状及び材料に由来する。これらの幾何形状及び材料は、次に、本明細書に記載された偏向可能なフランジに使用するために選択された幾何形状及び材料に由来する。以下の特性の多くは、直ちに当業者に明らかになると考えられるが、これらの特性は、縁部の強度及び剛性に影響を与えるように幾何形状及び材料を選択する概念で論じている。このような1つの特性は、縁部を形成するために使用する熱可塑性物質の厚さである。他の全ての条件が同じである場合、より厚い高分子シートは、より薄い高分子シートより曲がるか又は変形することがより困難である傾向があり、その結果、本明細書に記載された物品の縁部の強度及び剛性は、より厚い熱可塑性物質を利用することにより、すなわちより厚い最初のシートを熱成形することにより、又は縁部を回転中に熱可塑性物質を厚くすることのいずれかにより(例えば、シートをそれが軟化された状態で面内を圧縮することにより、若しくは単にシートをそれが軟化された状態でより長時間維持することにより)増加することができる。また、造形された物品の屈曲領域の湾曲の半径も縁部の強度及び剛性に影響を与えることができ、より小さい半径は、概して、より大きい縁部の強度及び剛性をもたらす。偏向可能なフランジの周辺縁部110及び隣接部(例えば、スペーサ120)が曲がるか又は回転する程度も縁部の強度及び剛性に影響を与えることができる。例として、縁部を基本的に完全な円に回転すること(すなわち周辺縁部110がスペーサ120の底面161に接触するように縁部を約360度回転すること)により、(例えば、
図9Bに示されたように)約180度回転させられる縁部より実質的に大きい強度及び剛性がもたらされる。また、縁部の強度及び剛性は、凹部を囲む延長部50の領域の幅を増加することによって又は偏向に耐えるように凹部の側壁を形成することによっても(例えば、
図6C及び
図6Dに示された容器の側壁内に形成された「リブ」を参照されたい)増加することができる。
【0083】
[0085] 一例では、MAP封止に適切な標準サイズのトレーは、本明細書に記載されたように(すなわち回転した縁部を与えることにより)作成し、同じ材料で作成されたが回転した縁部がない同様のトレーと比較した。2つのトレーの縁部の強度及び剛性は、各トレーがトレーの対向する長い縁部の中点で圧縮されたとき、1/4インチの偏向に達するために必要な圧縮力を評価することによって測定した。実質的に縁部を強くする例を実証して、本明細書に記載された回転した縁部を有するトレーを要することがわかった(回転した縁部のトレーにおよそ5.5ポンドの力が必要であり、回転しない縁部のトレーにおよそ2.3ポンドの力が必要であった)。所望の縁部の強度又は剛性をもたらす構成、寸法及び材料の選択のあらゆる可能な組合せを記載することは、実際的ではないが、当業者は、本明細書に提供された情報を使用して、本明細書に記載された偏向した縁部のない物品の強度及び剛性より優れた広範囲の強度及び剛性を有する物品の縁部を設計することができる。本明細書に記載された物品の縁部の強度及び剛性は、包装を封止するとき、包装中に凹部の内側を加圧又は真空にするとき、及びこれらの組合せに起きる圧縮力に抵抗することが重要である。従って、この縁部を強化する効果は、包装機能に大きい進歩を表す。
【0084】
[0086] これらの方法に重要なことは、物品100を形成する熱可塑性シートの鋭い可能性がある周辺縁部110が物品の周辺から離れて偏向され、シートがそのように偏向される間に屈曲される(これは、通常、偏向可能なフランジの部分のみを実質的に含む)シートの部分を熱軟化して冷却することにより位置付けるという意味で「冷凍される」べきである。加熱し、屈曲し、冷却した部分は、好ましくは、偏向可能なフランジ160の少なくとも屈曲領域150を含み、なぜなら、その領域が平滑な曲がりのために設計され、平滑な周辺を容器にもたらすからである。偏向可能なフランジの他の部分(例えば、延長部50、スペーサ140、肘部130及び/又は周辺フランジ120)を軟化し、曲げ、硬化することも(又は別法として)行うことができ、物品の周辺の平滑性に寄与することができる。
【0085】
[0087] 別法として、偏向可能なフランジ160のあらゆるこれらの部分は、熱可塑性材料が屈曲場所で(圧力を取り除いた際に単に可逆的に偏向するよりむしろ)不可逆的に屈曲する十分な屈曲力が加えられる限り、加熱することなしに単に屈曲することができる。しかし、加熱せずに軟化することに基づく屈曲方法は、屈曲が付与される比較的鋭い(又は少なくともあまり平滑ではない)縁部を残す傾向があるため、このような方法は、このような屈曲が平滑性を確保するために(例えば、丸みを帯びた「成形」部材の周りの材料を屈曲することによって)注意を払わない限り好ましくない。本明細書に開示された偏向可能なフランジ160は、この方法を行うために便利な構造を提供する。
【0086】
[0088] 偏向可能なフランジ160
[0089] 偏向可能なフランジは、屈曲領域150、周辺縁部110及びその2つの間に介入したスペーサ140を含む。屈曲領域は、本体10とスペーサ140との間を180度未満の角度に形成し、そこで、スペーサ領域が本体に関連して移動することができる、曲がりやすい「ヒンジ」として機能する。屈曲領域によって形成された角度(すなわち
図1AにおいてAと指定された角度)は、好ましくは、約90度である(すなわちほぼ直角であり、これは、75~105度を意味し、より好ましくは85~100度、一層より好ましくは87~93度、最も好ましくは約92度である)。この角度が90度未満であるとき、熱成形された物品を熱成形する金型から取り除くことが難しい可能性がある(すなわち、スペーサと本体との間の延長部に最も近い部分が、本体と周辺縁部により近いスペーサとの間の幅より広いことが可能であるため、熱成形された物品は、金型を「把持し」、物品を金型から移動するために引くか又は拡張しなければならないことを意味する)。従って、屈曲領域によって形成された角度は、熱成形された物品及び金型の分離を容易にするために90度以上(例えば、91、92、93、94又は95度)であることが好ましいが、角度は、物品の本体が例えば周辺から遠ざかる場合により小さいことが可能である。110、115、120、125、130又は135度の角度を利用できることは、あまり好ましくないが、このような物品は、偏向可能なフランジがラム300に衝突する前に90度に近い角度に低減するために両方の上部本体200を適用する必要があることがある。この角度が増加するにつれて、熱成形された前駆体物品の外角(例えば、
図6A及び
図6Bに示されたトレーの4つの角)に存在する熱可塑性物質の量は、増加し、屈曲(すなわち「回転」)を干渉する可能性がある。この熱可塑性材料は、例えば、材料が表れる区分でスペーサをラムの上で「撓む」(又は空間をラムの上部表面内に組み込む)ことができることによって収容することができる。
【0087】
[0090] スペーサが十分に移動すると、屈曲領域は、物品の周辺を形成する(すなわち重力に関連した向きに関わらず、スペーサが本体の連結部の「下」で屈曲するとき)。従って、屈曲領域は、通常、一実施形態で所望される物品の平滑な周辺を形成する。それにも関わらず、スペーサは、この実施形態では物品の周辺の一部を形成する(通常、物品100に対して周辺の「底面」であり、偏向可能なフランジ160の底面161は、回転した縁部の湾曲内に含有される)。この理由のため、物品の外部に(例えば、その周辺の底面に)押圧されたフィルム又は他の材料に適度に接近できるスペーサの一部(肘部130及び周辺フランジ120を含む可能性がある)は、好ましくは、同様に平滑であるべきである。
【0088】
[0091] 本明細書に記載された平滑な周辺を備えた造形された物品の形成では、偏向可能なフランジのスペーサ(及び/又は他の部分)の偏向は、屈曲領域内、スペーサ内又は両方において屈曲を誘発する。屈曲領域の角度のある形状は、その屈曲の場所及び得られる縁部の平滑性の両方を制御する。
図1及び8に示されたように、屈曲領域の角部は、鋭角(すなわち双線)として形成されないが、代わりに、互いに斜めに配置された平坦部(例えば、延長部50及びスペーサ140)として形成され、(例えば、1、2又は3ミリメートル以上の半径などの曲率半径によって規定された)湾曲部は、平坦部を連結する場合に有利である可能性がある。湾曲した角部を曲げることは、鋭角部を曲げるより滑らかでフィルムを損傷しにくい縁部をもたらす傾向がある。
図1、4、5、7及び8に示されたように、屈曲領域150とスペーサ140との間の境界は、実際には実質的に区別できないことがあり、少なくとも屈曲領域150に最も近いその範囲でスペーサ140を曲げることは、示された実施形態で予期される。特に
図8に示されたように、スペーサ140の周辺のほとんどの部分を含む複数の部分を屈曲することは、望ましくは、本明細書に記載されたように準備された物品に平滑な周辺を付与することができる。
【0089】
[0092] (
図1に示された)一実施形態では、偏向可能なフランジ160は、屈曲領域150、周辺フランジ120及びその間に位置付けられた肘部130を含む、少なくとも3つの部分を含む。屈曲領域150は、物品100の残余部に任意選択で延長部50によって連結される。周辺フランジ120は、肘部130によって屈曲領域150に連結され、任意選択でスペーサ140は屈曲領域150と肘部130との間に介入される。これらの各部分を有する原型的な偏向可能なフランジ160は、
図1Aに(物品100の本体10に取り付けられて)示されている。
【0090】
[0093] この実施形態では、屈曲領域150は、周辺フランジ120の周辺の少なくとも大部分より周辺の反対に(本体10により近く)据えられる。屈曲領域150の機能は、周辺フランジ120が内方に(すなわち物品の周辺を固体に押し付けることなどにより周辺の反対に)偏向されると、偏向することである。熱可塑性シートの周辺縁部110が屈曲領域内に配置されておらず、周辺フランジ120上に配置されているため、屈曲領域の偏向は、平滑面を提供する。屈曲領域によって形成された角度(例えば、
図1Aに示された屈曲領域150の上でほぼ90度)は、重要ではなく、製造しやすいように選択することができる。角度は、例えば、鈍角、直角又は鋭角であることも可能である。この角度が鋭角であるとき、熱成形された(予め回転した)物品をその熱成形金型から取り除くことは、(スペーサの周辺部が、物品を金型から取り除くために偏向しなければならないため)難しい可能性があり、鋭角は、その理由のために(このような物品が依然として作成できる場合でも)好ましくない。屈曲領域150の曲率半径も重要ではないが、好ましくは肘部130の曲率半径より実質的に大きい。
【0091】
[0094] 屈曲領域150は、偏向可能なフランジ160の内方偏向が物品に平滑な周辺をもたらすように、実質的な曲率半径(例えば、0.5ミリメートル~数ミリメートル以上)を備えた、
図1Aに示されたような平滑な湾曲の形態を有することが好ましい。しかし、屈曲領域150は、単に鋭くないか又は尖っていないことが重要であり、例えば鋭くない折り目で十分であり得る。薄いプラスチックフィルム又は動物の皮などの平滑な周辺に接触する脆弱な材料は、同じ脆弱な材料が熱可塑性シートの周辺縁部110に接触したときよりはるかに損傷を受けにくい。
【0092】
[0095] 屈曲領域150を物品100の残余部と延長部50によって連結することができる。延長部50を屈曲領域150から離散的に識別することができるか(例えば、平坦領域は湾曲した屈曲領域150から区別される)、又は実質的に区別できない(例えば、わずかに湾曲した領域は屈曲領域150の湾曲と容易に区別されない)。拡張領域の寸法は、重要ではなく、その寸法は、存在しないところから(すなわち屈曲領域150は物品100の本体10の縁部で始まり)、数分の一ミリメートル~数ミリメートル又はそれを超える範囲が可能である。延長部50の1つの機能は、屈曲領域150を(いくつかの実施形態では、シートを軟化させる熱が加えられるところで)物品100の他の部分から分離することであり、そこでは潜在的な熱による変形が望ましくない。延長部50の別の機能は、屈曲領域150の隣接表面などの物品100に機能表面を提供することであり得、そこで(プラスチックフィルムを屈曲領域150に押し付けることができ、フィルムを損傷する危険がほとんどない)薄いプラスチックフィルムを(例えば、延長部50がその一部である偏向可能なフランジ160に隣接する、物品内に形成された空洞を覆うために)物品100に付着又は融合することができる。また、延長部50は、物品の断面に支持又は剛性を提供すること(例えば、蓋をしている間に容器の可撓性を抑止するために、容器内の空洞の周りに比較的堅固な「リム」を形成することにより)などの構造機能を果たすこともできる。さらに、延長部50の別の機能は、偏向可能なフランジ160が周辺の反対に偏向されるときに占有できる空間を提供できることである。延長部50及び周辺フランジ120は、屈曲領域150の対向する側面上に据えられるため、屈曲領域150(例えば、物品100を上部本体200内に挿入し、ラム300を物品の背後に挿入した際)、スペーサ140又は両方を十分に曲げることにより、周辺フランジ120(及びスペーサ140)が延長部50に近づくか若しくは接触することもでき、又は物品の周辺部と物品の本体の側壁(
図6Eを参照されたい)との間で延長部50の下方を丸めるか若しくは偏向することができる。
【0093】
[0096] 例えば、
図3A、
図3B及び
図6Eに示された重要な一実施形態では、屈曲領域150、スペーサ140又は両方を曲げた後に冷却して硬直化することにより、物品の本体の側壁と偏向可能なフランジの屈曲部の最も近い接近(すなわち近接範囲)との間に隙間が生じる物品をもたらす。この隙間の大きさ及び位置は、本体の形状の選択、ラム300の配列、ラム300の上部表面302の形状又はこれらの組合せの選択によって選択することができる。隙間は、例えば、物品がその周辺の周りに完全に回転した縁部を有するように、物品の周辺の周りに全体に延在するように選択することができ、隙間は、所定の形状(例えば、標準サイズのトレー、例えば業界基準#3トレーなどを係合するように設計されたMAP封止装置)に嵌合するように適合される。この隙間の大きさ及び位置は、重要ではなく、例えば延長部50の平坦部(例えば、延長部に担持された平坦な封止表面)又はその断片の幅及び位置に酷似した幅及び位置を有するように選択することができる。例として、延長部50が平坦な封止表面をその上面(凹面の反対側)に平坦な封止表面を担うとき、回転した縁部は、延長部50の下部面上に隙間を残すように形成することができ、延長部50の下部面は、平行であり、対向する面上の封止表面の幅の2分の1又は4分の3の幅を有する。別法として、物品及びその縁部が回転するか又は偏向する工程は、延長部50の底面上で凹部の側壁の周辺全体に実質的に一定の幅(例えば、1/8、1/4又は1/2インチの隙間)を有する隙間をもたらすように選択することができる。
【0094】
[0097] 本明細書に記載された造形された物品は、一般的に又は専用に特定の器具と共に使用するトレーの形状、大きさ、寸法、色及びあらゆる他の特性に一致するように作成することができる。例えば、単に「2番」「3番」「4番」及び「11番」と一般的に呼ばれるMAPトレーなどの多くの「業界基準」トレーが公知であり、これらのMAPトレーは、基本的に業界中で均一に保つ寸法及び形状を保っている。業界基準の器具の大きさ、形状、寸法、色及び他の特性に一致するために本明細書に記載された造形された物品の適合は、概して当業者に公知の範囲内である。
【0095】
[0098]
図1Aでは、周辺フランジ120は、物品を形成する熱可塑性シートの(潜在的に鋭い)周辺縁部110を含む。周辺フランジ120は屈曲領域150を越えて周辺に延在するため、
図1Bに示されたように物品が上部本体200の空洞内に挿入されると、周辺フランジ120は上部本体200の内面202に衝突する。周辺フランジ120は肘部130からその周辺縁部110に延在し、存在する場合、屈曲領域150又はスペーサ140から肘部130によって規定されたオフセット角の方向に延在する。周辺フランジ120の機能は、物品が上部本体200の空洞内に挿入されると、上部本体200の内面202と係合する(すなわち内面202に衝突するか又は内面202によって衝突させられる)ことであり、それによって偏向可能なフランジ160が内方(周辺の反対)に偏向する。シートの周辺縁部110を周辺の反対に移動させ、偏向可能なフランジ160をその屈曲領域150内で曲げるか又は屈曲させることに加えて、この偏向はまた、ラム300が空洞内に物品100の背後で挿入されると、周辺フランジ120をさらに周辺の反対に偏向させて位置付ける。ラム300がそのように挿入されると、ラム300は周辺フランジ120に衝突し、ラムが空洞内をさらに前進する際、偏向可能なフランジ160がその屈曲領域150内でさらに曲がるか又は屈曲し、且つ周辺縁部110が周辺の反対にさらに偏向する。
【0096】
[0099] 周辺フランジ120の長さ(肘部から周辺縁部まで)は、重要ではなく、周辺フランジ120によりラム300の係合を促し、ラムが上部本体200の内部を前進する際にラム300により周辺フランジ120の移動を促すために選択されるべきである。周辺フランジ120の長さは、物品を形成する材料から物品を切断する能力により少なくとも部分的に影響を受けることが多い。肘部130は、造形された物品を前駆体シートから放つために、好都合には、熱可塑性シートを切断できる場所に熱可塑性シートを位置付けるように機能することがある程度可能である。このような切断によって形成された周辺縁部110は、偏向可能なフランジ160を「回転させる」前の物品の周辺の鋭さ又は粗さの源であるため、物品の周辺から周辺縁部110の鋭さ又は粗さを移動させるために、移動させなければならない熱可塑性材料の大半を減らすようにできる限り肘部130の近くでシートを切断する(すなわち周辺フランジ120をできる限り小さく作る)ことが有利であり得る。例えば、
図8Hに示されたように、より大きい周辺フランジも、偏向可能なフランジに衝突するラムの上部表面間の接触を低減し(及び間隔を増加し)、従ってラムから偏向可能なフランジの周辺部に伝達する熱を低減する。本明細書に記載された方法は、周辺フランジのガラス転移温度より高くそれらの部分を加熱すること、それらの部分を所望の形態に偏向すること、次いでそれらの部分をその温度より低く冷却することに依存するため、より大きい周辺フランジは、このような処理に必要な入熱及び/又は時間を増加し、さらにその理由で好ましくない。
【0097】
[0100] 肘部130は、屈曲領域150と周辺フランジ120との間に介入され、その機能は屈曲領域150と周辺フランジ120とを連結し、それらの間で力を伝達させることである。すなわち、上部本体200又はラム300によるその上の衝突により周辺フランジ120に加えられた圧縮力は、肘部130(及び存在する場合、スペーサ140)を通って屈曲領域150に加えられるねじり力に変わる。圧縮力からねじり力へのこの変換により、力が周辺フランジ120に加えられると、屈曲領域150、スペーサ140又は両方が確実に曲がる。従って、上部本体200及び/又はラム300により周辺フランジ120に力を加えることにより、周辺縁部110を周辺の反対に偏向させ(すなわち物品の周辺から潜在的鋭い縁部を移動させること)、且つ屈曲領域150、スペーサ140又は両方を屈曲させること(すなわち曲げられた熱可塑性シートによって形成された平滑な周辺を物品の周辺にもたらすこと)を誘発し、物品が中間ステップにおいて鋭い周辺縁部をもたらす工程によって形成された場合でも平滑な周辺を有する物品をもたらす。実際、肘部によって周辺フランジ120に加えられた力が偏向可能なフランジ160を物品の周辺を「回転させ」、物品の周辺において材料から熱可塑性シートの鋭い縁部を効果的に「隠す」。
【0098】
[0101] スペーサ140を屈曲領域150と肘部130との間に介入することができる。スペーサ140を屈曲領域150から離散的に識別することができるか(例えば、平坦領域は湾曲した屈曲領域150から区別される)、又は実質的に区別できない(例えば、わずかに湾曲した領域は屈曲領域150の湾曲と容易に区別されない)。拡張領域の寸法は、重要ではなく、その寸法は、存在しないところから(すなわち屈曲領域150は肘部130で始まり)、数分の一ミリメートル~数ミリメートル又はそれを超える範囲が可能である。存在する場合、スペーサ140の1つの機能は、屈曲領域150に伝達される(例えば、周辺フランジ120と、上部本体200及びラム300の一方又は両方との間の衝突により)肘部130に加えられた力により「レバー」として作用することである。存在する場合、スペーサ140の別の機能は、上部本体200及びラム300の一方又は両方を適切に係合するように周辺フランジ120を位置付け得ることである。存在する場合、スペーサ140のさらに別の機能は、屈曲領域150を曲げる際に物品の周辺から熱可塑性シートの潜在的な鋭い周辺縁部110を周辺の反対に移動させることができる距離だけ増加させることである。他の状況が同じであれば、スペーサ140が長いほど、物品が本明細書に記載されたように作成されるとき、潜在的な鋭い縁部は物品の周辺からさらに離れる。スペーサ140を含むが、肘部130及び周辺フランジ120を欠く偏向可能なフランジは、例えば、
図8A~8Dに示されたように使用することができる。
【0099】
[0102] より長いスペーサ140は、縁部の他の「回転した」部分より高い「回転した縁部」の1つ又は複数の部分の形成を促進し、(例えば、隣接した入れ子に積層した物品の回転した縁部間の選択可能な間隔を促進するために)積層する突起として有益な構造をもたらす。一実施形態では、スペーサの大きさ及びスペーサに加えた圧縮力(すなわちラムに衝突する理由でスペーサに加えた抵抗力によって均衡を保った延長領域からスペーサに伝達された力)により、スペーサを外方に(すなわち物品の本体から離れて周辺に)曲げることができ、冷却時に物品の外周を形成する平滑な隆起を形成する。
【0100】
[0103] 屈曲領域150、スペーサ140又は両方が本明細書に記載された操作で屈曲するかどうかに関わらず、さらに本来屈曲領域150、スペーサ140又は両方の部分であった材料が、本明細書に記載された物品の外周を最終的に形成するかどうかに関わらず、重要なことは、外周が鋭い、尖った、粗い又は薄いプラスチックフィルム、人の組織又は外周に接触することがある他の漸弱な材料を損傷することがあるざらついた縁部がない(又は好ましくは少ない、実質的にない)ことである。
【0101】
[0104] 熱可塑性物質
[0105] 本明細書に記載された方法及び物品を実質的にあらゆる熱可塑性材料で実行し、作成することができる。重要なことは、少なくとも本明細書に記載された偏向可能なフランジ160内で材料を加熱によって軟化させ、冷却時に再硬化させ得ることである。実質的に全ての熱可塑性物質は、それらが軟化し曲がることができ又は加工できるようになるより高く、且つそれらがより剛性になりそれらの形状を維持するようになるより低い温度の特性を示す。本明細書に記載された物品及び方法に望ましい熱可塑性物質は、容器の予想される最終使用の一般的な条件下でそれらの形状を維持する。また、製造環境で容易に達成できる条件下で軟化させることができる熱可塑性物質を使用することも望ましい。適切な熱可塑性物質の例には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリ塩化ビニル(PVC)が含まれる。他の適切な熱可塑性物質は、当業者に明らかであり、実質的にあらゆるこれらを使用することができる。また、それらの表面に付けた金属箔などの偏向可能な材料を有する可撓性プラスチックも恐らく有益である。
【0102】
[0106] 熱可塑性物品は、熱可塑性材料を含み、本明細書に記載された偏向可能なフランジ160が形成されるか、又は存在する物品の少なくとも一部を含む。熱可塑性材料の同一性は、重要ではなく、非熱可塑性材料の有無も重要ではない。非熱可塑性材料が(例えば、それに金属箔又は板紙層が積層された熱可塑性シート内に)存在する場合、熱可塑性材料によりその軟化されず溶融していない状態で物品に付与された剛性は、非熱可塑性材料が曲げられたときでも、好ましくは物品の形態を規定するのに十分である。物品は、例えば、同時係属中の米国特許出願公開第13/415,781号に記載されたような、1つ又は複数の剥がせる層を含むことができる。1つ又は複数の剥がせる層が存在するとき、(剥がせる層の縁部を下層基板から剥がすよりむしろ)それらの層が造形された物品の周辺縁部で「回転」するかどうかは、実質的に重要ではない。美的理由のため及び封止を推進する両方のため、あらゆる剥がせる層が接着したままであることが好ましい可能性がある。剥がせる層が存在し接着を推進するべきとき、作業温度は、本明細書に記載されたように偏向可能なフランジの偏向に適するため、また剥がせる層の剥離をさせることなく造形された物品の基板及び剥がせる層に作業するための両方に適するように選択するべきである。
【0103】
[0107] 重要な実施形態では、造形された物品を作成するために選択された熱可塑性物質は、光学的に透明である(すなわち透明、好ましくはそれを通る透過率が、ヒトが見える範囲の波長の光の50%を超えることができ、好ましくは実質的な歪みなしにこのような透過率が可能である)。透明な包装材料は、直接消費者に販売する多くの製品(例えば、肉及び魚、野菜並びに調理した料理)に好ましい。透明の包装材料は、購入前に包装の中身を直接目視で検査できる。本開示の前には、光学的に透明であり、且つOW、VSP及びMAP技術の3つ全てを使用してフィルムで封止するのに適した両方である造形された物品(例えば、食品を含有するためのトレー)を製造することは、難しいか又は不可能であった。OW封止は、一般的に鈍い縁部のトレーと共に使用されており、縁部の鈍さ(すなわち鋭くない)は、Styrofoamなどの発泡プラスチック材料を使用することによって達成されていた。透明材料から作成したトレーは、少なくとも薄い脆弱なプラスチックフィルムを用いたOW封止に概して適していなかった。VSP及びMAPトレーは、典型的にはポリプロピレン材料から作成されており、ポリプロピレン材料は、存在したとしても光学的に透明であることが稀である。
【0104】
[0108] 本明細書に記載されたように光学的に透明な造形された物品のために、種々の光学的に透明なプラスチックを使用することができる。例えば、PET、PVC及びポリカーボネートが適している。造形された物品は、その中に中身が保管されることを意図する少なくとも凹部内が光学的に透明であるべきであり、好ましくは、あらゆる屈曲部160及び本明細書に記載された操作中に屈曲されるあらゆる部分を含む、その部分に隣接した偏向可能なフランジ全体を通して透明である。この理由のため、PET又はPVCから作成するトレーなどの透明な熱可塑性トレーが好ましくは利用され、製造中にそれらのトレーに掛かるあらゆる加熱又は屈曲条件は、好ましくは、材料内の不透明性の発現を(例えば、トレーを曲げる前に軟化する温度より高く加熱することによって)誘発しないように選択される。
【0105】
[0109] 上部本体200
[0110] 上部本体200は、多数の機能を実行する。全体としてその機能は、その屈曲領域150の1つ又は複数の部分に熱が加えられている間、本明細書に記載された偏向可能なフランジ160を上部本体200内の空洞内に含有することである。この封じ込め機能により、本明細書に記載された周辺を平滑にする操作中、偏向可能なフランジ160又はその一部の望ましくない変形を防ぐ(又は所望の変形を誘導する)ことができる。また、上部本体200の内部空洞の形状は、偏向可能なフランジを曲げる際、特にそれを軟化させる際に偏向可能なフランジの形状に影響を与えることもできる。例として、
図1Bでは、上部本体200は、屈曲領域150の一部をその中に押し付ける直角内角を有する空洞を含み、空洞のこの部分の直角形状は、特に屈曲領域150が軟化する際に屈曲領域150を直角形状に合わせる傾向がある。熱源は、例えば、それを通って熱を伝導するために上部本体200に加えられる上部本体200の一部であり得る。また、上部本体200は、偏向可能なフランジ160がその空洞に挿入されると、偏向可能なフランジ160の周辺フランジ120に衝突し、衝突させられる。ラム300を使用するとき、上部本体200は、偏向可能なフランジ160が空洞から押し出されることを防ぐ役割も果たし、また、上部本体200は、偏向可能なフランジ160がラム300によって圧迫されるとき、屈曲領域150の偏向を制限することもできる。
【0106】
[0111] 上部本体を構成する材料は、重要ではなく、それ以外には、材料は、本明細書に記載された製造条件に耐えるように適しているべきである。すなわち、材料は、処理に使用される温度で溶けるか又は劣化するべきではない。広範囲の種類の金属、セラミック、石及び高分子材料を使用できる。
【0107】
[0112] 上部本体200内の空洞の内部と周辺フランジ120との間の衝突が、本明細書に記載された物品100が上部本体内の空洞内に挿入されたときに起きるように上部本体200の形状を選択することが重要である。上部本体は、物品上で複数の周辺フランジ120に同時に衝突するか、又は物品上で起きる(例えば、物品の周辺縁部全体の周囲で起きる衝突)単一の周辺フランジ120の大部分若しくは全てに衝突するのに十分な形状を有することができる。
図2に示されたように、上部本体200を固体ブロックの材料から形成することができ、材料は、物品の1つ又は複数の部分の上で起きる周辺フランジ120に衝突する間、物品の全面を覆う。
図2に描かれた上部本体200は、例えば、単一の周辺フランジ120に衝突するように設計され、単一の周辺フランジ120は、丸みを帯びた角部を有する長方形のトレー型容器の形状を有する物品の周辺の周りに完全に延在する。
【0108】
[0113] 本明細書に記載された物品の屈曲領域150は、典型的にはその屈曲領域150に熱が加えられるとき、上部本体200の空洞内にある。そのため、上部本体は、そのような熱を加えることを促す方法で構成されるべきである。上部本体200は、例えば、その中に、それに加えられた、又はそれと流体連結される熱源(例えば、電気動作する加熱板又はロッド)を含むことができる。別法として、上部本体200は、1つ又は複数のポートを含むことができ、ポートを通る加熱された流体(例えば、加熱された気体又は液体)は源からその中の空洞の内部に通過することができる。熱を屈曲領域150(及び/又はスペーサ140、肘部130及び周辺フランジ120などの周辺フランジの他の部分)に送達するために選択される方法は、重要ではなく、あらゆる種々の周知の熱の送達方法及び器具を使用することができる。上部本体200が熱を伝導することができ且つ冷却される場合、その成形中に偏向可能なフランジ160内に存在する熱は、上部本体200に流れることができ、この熱の流れは、例えば、上部本体200とラム300との間で偏向可能なフランジ160を圧迫する際、その偏向された位置で偏向可能なフランジ160を冷却し、それによって硬化させる役割を果たすことができる。
【0109】
[0114] 例えば、
図5及び
図8に示されたように、偏向可能なフランジは、上部本体200の使用の有無に関わらず、ラム300のみを使用して偏向できる。上部本体は、偏向可能なフランジを部分的に偏向すること、及びその偏向可能なフランジをラムに衝突させるように物品に力を加えることの両方のために使用することができる。上部本体200が使用されないとき、ラムと偏向可能なフランジとの間に衝突をもたらすために物品に力を加える何らかの代替手段を使用しなければならない。例えば、
図8Dでは、この代替手段は、単に物体403(任意選択で物体402と協働する)として描かれている。重力に対する部品の配向は、重要ではなく、「下向き」の力(
図8Dにおける白抜き矢印)は、偏向可能なフランジ160をラム300に付勢して2つの間に衝突をもたらすように向けることのみが必要である。また、物品及びラムのいずれの力(又は両方)がこのような衝突をもたらすために加えられるかも重要ではない。重要なことは、偏向可能なフランジ160のラム300(及び/又は必要に応じて上部本体200)への衝突が、偏向可能なフランジの周辺縁部110の偏向を物品の周辺に容易に接近できない位置に誘発することである。従って、一実施形態では、上部本体200は、偏向可能なフランジをラムの方向に及び最終的にラムに対して駆動するために、物品の平坦部(例えば、
図8Dに描かれた偏向可能なフランジ160の延長部50)に加えることができる単純な平面であり得る。
【0110】
[0115] ラム300
[0116] ラム300の主な機能は、偏向可能なフランジ内に偏向を誘発することである。ラムは、対応する上部本体200の有無に関わらず使用することができるが、このような上部本体は、物品がラムと接触する際に物品を含有して制御する役割を果たすことができる。物品とラムとの間の相対運動を付与するために使用する方法及び機構は、重要ではない。上部本体が利用されるとき、ラムは、物品が上部本体200内に配置されると偏向可能なフランジ160の周辺フランジ120に衝突して、周辺フランジ120に圧縮力を加えるために使用される。この圧縮力は、周辺フランジ120を、存在する場合、屈曲領域150及び延長部50に向かって上方に且つ周辺の反対に駆動させる傾向があり、それによって熱可塑性シートの潜在的に鋭い周辺縁部110が、そのように形成された物品の周辺から離れて移動される。従って、ラム300の設計は、このような圧縮力が加えられる限り特に重要ではない。
図1C及び
図4に示されたように、傾斜した上面302を有するラム300は、ラム300が周辺フランジ120を圧縮する際、その傾斜に沿った方向に周辺フランジ120を方向付ける傾向がある。従って、圧縮が起きる際、周辺フランジ120及び/又は周辺縁部110を周辺の反対に偏向させるか又は「押す」構成においてラム300の上面302を成形することが有利であり得る。
【0111】
[0117] 上部本体200のように、ラム300を作成する材料は、重要ではない。動作温度及び圧力に耐えることができる金属、セラミック、石及び高分子材料は、当業者によって適切に容易に選択可能である。ラム300が熱を伝導することができ且つ冷却される場合、その成形中に偏向可能なフランジ160内に存在する熱はラム300に流れることができ、この熱の流れは、例えば、上部本体200とラム300との間で偏向可能なフランジ160を圧迫する際、その偏向された位置で偏向可能なフランジ160を冷却し、それによって硬化させる役割を果たすことができる。熱も、同様に、ラム300により偏向可能なフランジの1つ又は複数の部分に対し、加熱したラムを使用して又は加熱要素をラム内若しくはラム上に組み込むことによるなどの従来の方法で提供することができる。
【0112】
[0118]
図2に示された一実施形態では、実質的に物品の全ての周辺フランジ120に同時に衝突するように単一のラム300を構成することができる。
図2に描かれたラム300は、例えば、単一の周辺フランジ120に衝突し圧縮力を加えるように設計され、単一の周辺フランジ120は、丸みを帯びた角部を有する長方形のトレー型容器の形状を有する物品の周辺の周りに完全に延在する。
【0113】
[0119]
図5に示された代替実施形態では、物品の偏向可能なフランジ160は、軟化するために加熱され、本明細書に記載された型の上部本体200がないラム300に衝突させられる。上部本体200がないことにより、少なくとも他の部分(例えば、延長部50又は偏向可能なフランジ160に隣接した物品100の本体10の一部がこのような歪曲又は偏向を防ぐために十分に剛性でない場合、偏向可能なフランジ160の軟化された部分の歪曲又は偏向を引き起こすことがある。しかし、このような剛性が存在する場合又は最終製品内でこのような歪曲又は偏向に耐えられる場合、本明細書に記載された方法を上部本体200なしに使用することができる。
【0114】
[0120] また、
図5は、周辺フランジの長さ(肘部から周辺縁部まで測定した)の意義も示す。周辺縁部は、ラムに接触する。ラムの面302により周辺縁部に衝突する力は、偏向可能なフランジ160の偏向を物品100の本体10に向かって誘発させる。偏向可能なフランジ160が
図5A及び
図5Bに示されたようにスペーサ部140から90度の肘部130だけずれている周辺縁部120を含むとき、周辺フランジの長さは、偏向可能なフランジの偏向の程度に影響を与える。
図5C(周辺フランジの「長さ」がゼロである偏向可能なフランジ、すなわち周辺フランジを欠く偏向可能なフランジ)を
図5Bと比べると、周辺フランジが存在することにより、示された構成において偏向可能なフランジのより大きい偏向を誘発することが見られる。その上、
図5Aに目を向けると、周辺フランジの長さを増加することにより、ラムによって誘発された偏向の程度が増加する。従って、肘部及び周辺フランジは、任意選択で存在しないが、それらの存在は、偏向を高め、達成できる「回転」効果を高めることができる。
【0115】
[0121]
図10は、偏向可能なフランジ160を有する造形された物品の縁部を回転するために、本明細書に記載されたラム300の一実施形態を描く。
図10Aは、本明細書に記載されたような偏向可能なフランジを有する物品100を許容するための少なくとも2つの位置を有するラム300を描く。図の上部は、物品100を担う位置を示す。その位置は、物品を担わないため、図の右下に一部が示された位置は、存在するときにその上に物品を担う上部表面302が露出する。図において、物品を担う位置は、同一の上部表面302を有するが、その中に担う物品100のスペーサ140及び周辺フランジ120によって見えにくい。また、この図は、延長部50が物品の本体10をスペーサから、及びラムからどの位離間するかも示し、スペーサ及び周辺フランジを偏向させるか、屈曲させるか、又は丸めることができる間隔(延長部を形成する透明材料を通して見える)を提供する。
【0116】
[0122]
図10B及び10Cは、ラム300の上部表面302を詳細に示し、軟化した温度で上部表面に付勢したときに偏向可能なフランジの周辺縁部110を偏向する曲部(
図10CにおけるDあたり)を含む。
図10Bは、上部表面の拡大画像であり、
図10Cは、その上部表面のおよその形状を示す断面図である。動作時、ラムは、偏向可能なフランジの周辺縁部110が上部表面302に(
図10Cにおける白抜き矢印によって示された「下向き」方向から)位置Bと位置Dとの間のいずれかの位置で衝突し、次いで偏向可能なフランジの周辺部をラムに対してさらに駆動するためにさらに下向きの力を加えることによって使用される。この更なる力は、周辺縁部が上部表面を横切って摺動するか、擦るか又は飛び越すように誘発し、偏向可能なフランジが内方に(すなわち、この実施形態では、A~Dのいずれかより位置Eにより近い場所にある物品の本体に向かって)偏向するように誘発する。偏向可能なフランジがその軟化点(すなわちガラス転移温度)より高く加熱されると、この偏向は、弾性がなくなり、偏向可能なフランジが、その後、その軟化点より低い温度に冷却された場合、偏向可能なフランジの形状に反映する。
【0117】
[0123]
図10Cの位置Cと位置Eとの間のラム300の上部表面302の曲部は、偏向可能なフランジの軟化された部分を回転させるか又は丸めるように誘発し、誘発された湾曲の程度は、偏向可能なフランジがラムに衝突する程度によって制御される。従って、例えば、偏向可能なフランジが軟化後に上部表面にわずかにのみ衝突した場合、偏向可能なフランジの周辺の大部分が偏向することがあるのみであり、偏向可能なフランジの軟化した部分が位置Dの範囲に衝突した場合、周辺縁部は、ほぼ本体に向かい、偏向可能なフランジの軟化した部分が衝突して位置Dを越えて広がる場合(例えば、
図8G及び
図8Kに示されたように)、偏向可能なフランジの周辺縁部は、効果的に「回転」する(すなわち偏向可能なフランジの平面が、その周辺縁部において、偏向可能なフランジの底面161に交わるように広がる)。偏向可能なフランジが作成される材料に依存して、偏向可能なフランジは、偏向可能なフランジが「回転した」構成に冷却する際に実質的にその形状を維持することができる(例えば、PET及びPVC材料は、軟化した状態で重力が作用したときに沈み込むか又は垂れ下がる傾向がない一方、PE及びPP材料は、軟化したときにのみ、実質的に重力によって屈曲することができる)。これがそうではない場合でも、垂れ下がり又は沈み込む偏向可能なフランジの周辺縁部が物品の周辺で周辺縁部を露出しない限り、このような屈曲は、許容できる(例えば、回転した縁部が十分に回転したとき、あらゆる垂れ下がりが回転の内部空間に起きる)。
【0118】
[0124] 封止フィルム
[0125] 本明細書に記載された方式で処理された周辺を有する物品の重要な利点は、このような処理が薄いプラスチックフィルムで封止するのに適した物品を提供することである。薄いプラスチックフィルムで物品を封止することは、周知の工程であり、多くの適切なフィルム(例えば、任意選択で湿潤又は特定の気体の通過を抑止する高分子層を含む、ポリエチレン又はポリ塩化ビニリデンなどの材料から作成された薄い単層又は多層)が公知である。物品は、例えば、フィルム内に物品を完全に包むこと及びフィルム自体を封止することにより、プラスチックフィルムで封止することができる。別法として、物品は、凹部、区画又は物品によって規定された他のオリフィスの周辺の周りにフィルムを封止することによって封止することができ、且つ必要に応じて、その後、その周辺を越えたフィルムの部分をトリミングする。薄いプラスチックフィルムで物品を封止するための全ての技術は、物品の周辺領域と封止のために使用するフィルムとの間で少なくとも断続的に接触するものであると考えられる。
【0119】
[0126] 従って、薄いプラスチックフィルムで封止する物品に鋭い、尖った、粗い、ギザギザの又はざらついた構造が、少なくともフィルムに接触する物品の領域においてないか又は少なくとも実質的にないことが有利である。このような構図に封止フィルムと必ず接触する物品の表面がないことが特に重要であり、また、これらの構造は、封止工程中であろうと、又はフィルムで封止した物品をさらに包装、輸送、開梱若しくは小売展示中であろうと、封止フィルムと接触する可能性がある物品の表面がないことが非常に望ましい。一層より好ましくは、薄いフィルムで包む物品は、あらゆるこれらの工程中に表面とフィルムとの間の接触の実質的な可能性がある表面にこのような構造を有さない。理想的には、物品は、封止のために使用するフィルムがこれらの工程中に表面位置と接触することがかなり予期され得るいかなる位置にもこのような表面を有さない。
【0120】
[0127] 多様な薄いプラスチックフィルムが容器を封止するために有益であることが公知であり、実質的にあらゆるこれらのフィルムが、本明細書に記載された造形された物品(又はその区画)を封止するために使用することができる。封止フィルムの選択(及びこのような封止フィルムと適合性がある造形された物品を作成するための材料)は、当技術分野で周知であり、材料の実質的にあらゆる公知の組合せは、本明細書に記載された造形された物品と共に使用するために適合することができる。例として、封止フィルムが、本明細書に記載された造形された物品の周り(例えば、それ自体に封止されるが、包まれた物品に封止しない上包フィルム)を取り外し可能に封止されるべきとき、造形された物品を作成するために使用する材料は、造形された物品が使用する封止条件下でフィルムと融合しないように選択されるべきである。逆に封止フィルムが造形された物品(例えば、物品によって規定された区画の周囲の周り)に実質的に永久に封止されるべきとき、物品を作成するために使用する材料は、実際に処理する条件下で実質的に永久の封止の形成を促進するために選択されるべきである。同様に封止及び容器の材料と、それから剥がせる材料で封止する容器をもたらす操作条件との組合せも公知であり、使用することができる。
【0121】
[0128] 本明細書に記載された物品の非常に望ましい一実施形態は、物品が、本明細書に記載された偏向可能なフランジをその周辺全体の周りに所有し、偏向可能なフランジに対して周辺縁部が延長部の下方並びに偏向可能なフランジのスペーサ及び屈曲領域の背後でトレーの周辺全体の周りで十分に偏向されるため、周辺縁部が、偏向した周辺フランジとトレーの本体との間の隙間に沿って擦る人の指先が、指先がトレーの周辺全体の周りのこの隙間に沿って擦った場合でも触れることができないように、熱形成によって作成する(及び従って本明細書に記載された縁部の回転処理前に鋭い可能性のある周辺縁部を所有する)トレーに造形された、物品である。このようなトレーは、OW、VSP又はMAP技術が封止工程に使用されるかどうかに関わらず、封止フィルムが接触するとかなり予期することができるあらゆる位置に鋭い、尖った、粗い、ギザギザの又はざらついた縁部を担うことがない。これらの全ての封止技術と共に使用するのに適したトレーが非常に望ましく、本明細書に記載された主題の開示前には入手不可能であったと考えられる。
【0122】
[0129] 物品の封止のために使用する多くのプラスチックフィルムは、可撓性であり、封止及びその後の取り扱い中に利用する通常の温度の範囲を超えて熱硬化しない。表面に封止する可撓性フィルムは、場合により、封止表面から単一片で取り除くことが難しい。例えば、トレーの平坦な周辺の周りを封止する可撓性フィルムは、フィルムの一部をトレーから引き離すときに破れるか又は裂けることがあり、恐らく、使用者は、フィルムを複数の経路又は多くのストリップ若しくは片で取り除く必要がある。このような難しさは、具体的には、その上で品目がフィルムとトレーとの間に封止されるトレーの比較的大きい領域に封止フィルムが接着又は溶融されることがある、VSP封止包装などの封止表面が広がる状況で深刻であることがある。本明細書に記載された技術は、以下のようにこの難しさを低減又は克服するために使用することができる。
【0123】
[0130] 本明細書に記載された造形された物品(例えば、平滑な周辺を有するトレーに造形された物品)は、熱成形可能な封止フィルムがそれを軟化するためにそのガラス転移温度より高く加熱され、造形された物品の平滑な周辺に加えられる物品をもたらすために、熱硬化可能な(すなわち熱成形可能な)フィルムで封止することができる。フィルムを作成する材料のガラス転移温度より高く加熱され、その後、その温度より低く冷却される熱成形可能なフィルムは、温度がそのガラス転移温度より低く下がるとき、どのような形態でもフィルムが有する形態(例えば、その上に付与された形態)を維持する。従って、熱可塑性フィルムが、本明細書に記載された物品の平滑な外周の「周り」(すなわち外周の周りを約90度より大きく伸びる)に形成される場合、フィルムは、どのようなものであれフィルムと物品の表面との間に存在し得る誘引又は接着だけでなく、「スナップを外す」蓋に類似した構造を形成する機械的力(すなわち平滑な外周の周りの偏向に対するフィルムの耐性)により物品に保持される。
【0124】
[0131] 軟化した薄いプラスチックフィルムが極めて繊細である(例えば、鋭い、尖った、粗い、ギザギザの又はざらついた表面によって損傷しやすい)可能性があるにしても、本明細書に記載された造形された物品の平滑な周辺は、このような繊細なフィルムでもそれに加えることができる。一例では、平滑な周辺を有するトレーの形態に造形された物品は、軟化した熱可塑性封止フィルムとトレーとの間に物品を包み込むためにVSP封止することができ、封止した部分内に気体がほとんど又は全く含まれない。その上、本明細書に記載された物品の平滑な周辺は、軟化したフィルムを平滑な周辺の周りに引き寄せるか、押圧するか又は形成することができ、すなわち周辺の上部(すなわち
図9Bに描かれた物品縁部の延長部50に類似している)だけでなく、偏向可能なフランジの屈曲領域150の周りにも接触し、スペーサ140及びその屈曲した又は丸みを帯びたあらゆる部分(
図9Bに描かれたスペーサの丸みを帯びた底面145に又はその周りなど)に沿って、その後、封止フィルムの温度をそのガラス転移温度より低く低減することによって設定される。このような封止は、比較的堅い「蓋」を形成し、フィルムが物品と交わる場所でフィルムが造形された物品に接着しないか又は溶融しない場合でも、「蓋」の摩擦力又は形状(例えば、「蓋」は、回転した周辺フランジ160から蓋を係脱するために伸ばすか又は拡大する必要があるように、
図9Bに描かれたスペーサの丸みを帯びた底面145を中心に回転した)は、物品上の適所に封止フィルムを保持することができる。その上、軟化した熱硬化可能なフィルムは薄い可撓性の封止フィルムより実質的に厚い、従ってより強い及び/又はより堅固であり得るため、熱硬化可能な封止フィルムは、単一片で取り外しできる可能性がより多い傾向であり得る封止又は「蓋」を形成することができる。
【0125】
[0132] 本明細書に記載された造形された物品の一実施形態では、例えば、物品は、その上に置いた食料品を有するトレーであり、熱硬化可能なフィルムは、フィルムが軟化状態にある間に食料品及びトレーの周辺にわたって垂らし、フィルムとトレーとの間の気体は、VSP型封止を形成するために引き抜かれ(フィルムは食料品及びその上に食料品を置くトレーの表面に対向して接近する)、フィルムは、(上から周辺の底部又は底面の周りに)垂れ、任意選択でトレーに封止又は溶融され、トレー周辺の底部の周りをトリミングし、冷却される。完成したトレーでは、フィルムを冷却する際に形成された「蓋」は、トレーの周辺の周りに蓋の縁部を伸ばすことにより、トレーの「スナップを外さ」なければならないが、この操作が実行されると、蓋全体は、トレーから単一片で取り除くことができる。
【0126】
[0133] 別の実施形態では、本明細書に記載された造形された物品は、物品によって規定された区画にわたり、物品の対向する平滑な周辺側部(すなわち丸みを帯びた長方形のトレーの対向する端部)の周りに少なくとも90度延在する、熱成形可能なプラスチックフィルムを使用して(その平滑な外周が形成された後)封止される。フィルムは、そのガラス転移温度より高く加熱され、対向する平滑な周辺側部の周りに伸ばす間にその温度より低く冷却される。必要に応じて、このような封止中に真空又はガス置換を区画に加えることができる。得られる物品は、(フィルムと物品との間に存在することがあるあらゆる他の封止に加えて)フィルムを物品から取り除くために物品の少なくとも1つの周辺側部の周りに伸ばさなければならない(又は「スナップ留め」しなければならない)熱硬化フィルムカバーを有する。
【0127】
[0134] 本明細書に記載された造形された物品は、以前から知られているトレーを使用することができないと思われる方法で使用できる。典型的に薄いプラスチックフィルムで容器を封止するために、本明細書に記載された様々な封止技術(例えば、OW、VSP及びMAP技術)のそれぞれのために特に設計されて作成された容器が使用されている。すなわち、OW封止のために設計された食品トレーは、概して、VSP及びMAP上包(例えば、VSP及び/又はMAP技術における封止に適切な表面がないために)に適さないと考えられている。同様に、VSP及びMAP封止技術と共に使用するために設計された多くの容器の鋭い縁部は、脆弱な高分子フィルムで上包するのに適さないそれらの容器を提供する。本明細書に記載された造形された物品は、OW、VSP及びMAP技術のいずれかによって封止するための容器として使用するのに適することが可能な造形された物品を作成するために使用することができる。造形された物品は、熱成形されるため、VSP及び/又はMAP封止に適切な容器の表面は、物品の形状に含むことができる。本明細書に記載された方法を使用して、封止フィルム(又は別法として造形された物品の全縁部)を破る危険を提供し得る造形された物品のあらゆる縁部は、回転した縁部を形成することにより、又は前駆体物品を熱成形するために使用する金型の形状を平滑にすることなどにより、平滑な形態を有するように作成することができる。従って、以前から知られているトレーと異なり、本明細書に記載された造形された物品は、実質的にあらゆるフィルム封止技術と共に使用することができる。
【0128】
[0135] 本明細書に記載された造形された物品の他の利点な使用は、それらの縁部の平滑性に関する。物品は、固体物体が平滑縁を提示することが望ましいか又は必要であるあらゆる環境で実質的に使用できる。例として、外科手術に使用する器具は、典型的には、(再使用及び使用中に殺菌が可能であるために)開閉式の容器に包装され、開閉式容器は、医療外科手術中に破れやすい手術用手袋を着用している人が開ける。熱成形された物品(例えば、公知の設計のいわゆる「貝殻」式スナップで開ける包装)は、本明細書に記載されたように作成することができ、それらの物品は、最初に、いずれの箇所でも熱成形された材料のウェブから切断された場所に偏向可能なフランジを有し、その後、本明細書に記載された平滑縁をもたらすために偏向可能なフランジを回転して作成される。この方式で作成された物品は、使用者に平滑縁を提示し、外科手術中にこのような包装を開けることにより手術用手袋が破れる可能性を低減する。同様に、取り扱いを促進するか、盗難を抑止するか、又は他の目的を達成するために利用される公知の設計の熱成形された包装は、本明細書に記載された縁部を平滑にする技術の利点を取り入れるように(例えば、それらの設計に偏向可能なフランジを含むこと及びそれを回転することにより)適合することができる。
【0129】
[0136] 物品を形成するためのシステム
[0137] 上記のように、本明細書に記載された造形された物品の前駆体は、標準の熱成形器具を使用して標準の熱成形方法によって形成することができる。そのために、熱成形金型は、本明細書に記載された偏向可能なフランジが平滑な周辺を形成するべき周辺縁部に含まれる場合を除き、完成した物品の所望の形態を熱可塑性シート上に押し付けることにより前駆体の物品を作成するために使用される。前駆体物品を熱可塑性シートのウェブから切断すると、本明細書に記載された縁部を平滑にする操作は、偏向可能なフランジをラム(任意選択で上部本体を用いて)に衝突することによって実行できる。
【0130】
[0138] 最近の熱成形された前駆体物品は、熱成形機から熱可塑性物質のガラス転移温度に近い(しかし、低い)温度で出現する傾向がある。前駆体物品を熱成形機から取り除いた直後に偏向可能なフランジ及びラムが衝突することにより、本明細書に記載された偏向可能なフランジの所望の偏向(又は「回転した」縁部の効果)を達成するために、偏向可能なフランジの1つ又は複数の部分に供給しなければならない熱エネルギーの量を低減することができる。このために、熱成形機、ラム及び衝突機構を単一システム又は器具の単一片に組み合わせることが望ましい可能性がある。このようなシステム又は器具の片は、i)前駆体物品を形成できる熱成形機モジュール、ii)前駆体物品を熱可塑性シート又はそれが形成された熱可塑性シート若しくはロールから切断するためのカッター、iii)ラム、及びiv)前駆体物品をラムに対して位置付け(すなわち偏向可能なフランジ部が対応するラム部と並ぶように)、前駆体物品とラムを一緒に衝突させるための機構を含むべきである。本明細書に記載された偏向可能なフランジを偏向する操作中に必要な熱は、ラムにより、カッターにより(例えば、周辺縁部及び偏向可能なフランジの隣接した周辺部を熱可塑性物質の軟化温度より高く加熱するために加熱した切断刃を使用して)、個別の加熱器により(例えば、ラムが偏向可能なフランジに係合されるときにラムに接近して対向して配置された放射加熱要素)又はこれらの組合せにより提供することができる。器具のこれらの片の正確な選択、配向、順番及び構造は、重要ではなく、本明細書に記載された要件及び処理ステップを考慮して当業者が選択することができる。また、システム又は器具は、偏向可能なフランジがラムに衝突する前に前駆体物品内の隙間内に挿入するために本明細書に記載されたプラグを含むこともできる。
【実施例】
【0131】
[0139] 実施例
[0140] 次に、本開示の主題について以下の実施例を参照して説明する。これらの実施例は、説明のみのために提供されており、主題はこれらの実施例に限定されず、むしろ本明細書に提供された教示の結果として明白である全ての変形形態を網羅する。
【0132】
[0141] 実施例1
[0142]
図6A及び
図6Bは、熱可塑性材料の平坦なシートから熱成形され、次いでシートから切断された熱可塑性トレーを示す。切断する工程によって形成された鋭い縁部は、これらの図のそれぞれに示され、指は鋭い縁部に触れている。本明細書に記載された平滑にする工程がこれらのトレーに実行された後、トレーの外観は、ほぼ
図3に示されており、
図3では、鋭い縁部は、トレーの本体並びに偏向可能なフランジの少なくとも屈曲領域を曲げること、及び加熱すること、及びトレーに平滑な外周をもたらすために鋭い縁部を冷却することによって形成された平滑部に面するように「回転され」、トレーは、トレーのリムに取り付けられた薄いプラスチック又はトレー全体の周囲に密接に巻き付けられる薄いプラスチックフィルムのいずれにも衝突しない。
【0133】
[0143] 実施例2
[0144] この実施例は、本明細書に記載されたように造形された物品の形成及び封止を説明するために提供されている。この例では、鮮魚の切片を含有する容器の形成、充填及び封止が記載されている。
【0134】
[0145] 魚を受領するための造形された物品は、従来の熱成形方法によって形成される。シートの形態の熱成形可能な材料(例えば、PET)は、そのガラス転移温度より高く加熱され、従来の熱成形技術を使用して(シートの一部を金型の一部に付勢するために正圧及び/又は負圧を加えて又は加えずに雄型若しくは雌型のいずれか金型を使用して)金型に付勢される。このような熱成形により、丸みを帯びた長方形の全形状を有し、魚の切片を受領するための凹状の内部を含むトレー形状の容器をもたらす。容器の丸みを帯びた長方形の全形状は、その内部の周辺全体の周りの内部を囲む偏向可能なフランジによって規定される。偏向可能なフランジは、
図1Aに示された構成を有し、トレーは、偏向可能なフランジ160の周辺縁部110でシートから熱成形されたトレーを切断する際、
図6Dに示されたトレーに近い形状を有する。シートからトレーを切断するために使用する型抜き機は、トレーの周辺縁部がそのガラス転移温度又はそれに近く加熱される。
【0135】
[0146] トレーの内部を偏向可能なフランジ160の延長部50に隣接した部分で実質的に充填する形状を有するプラグは、(ほぼ
図8Diiに示されたような)内部内に挿入される。次いで、プラグを充填したトレーは、周辺縁部110、スペーサ140又は両方がラム300の上部表面302に実質的に偏向可能なフランジの全ての部分で接触するように、(
図10Aにプラグが存在しないことを除いて、ほぼ
図10Aにおける上部位置に示されたような)ラム300内に挿入される。下向きの圧力(
図10Aを参照すると、力は、画像の上部から下方に加えられる)は、内部の周辺全体の周りの偏向可能なフランジ160の延長部50に加えられ、偏向可能なフランジ160のスペーサ140及び/又は周辺縁部110の部分をラムに対して駆動する。偏向可能なフランジは、ラムに対して、
図8Hの断面図に示された位置に類似した位置に駆動され、部品は、ラムからそれに伝導又は放射された熱によってそのガラス転移温度より高い温度に到達するために、
図8Jの「B」によって示された偏向可能なフランジの少なくとも一部に十分な期間にわたってこの位置に保持される。偏向可能なフランジは、その後、周辺縁部110がラム300の内部表面302を横切って摺動するか、擦るか又は飛び越し、偏向可能なフランジが
図8Jに示された位置あたりに前進するように、さらにラムに(延長部50に加えた力によって)付勢される。必要に応じて、偏向可能なフランジは、
図8Kに示された位置にさらに前進することができ、任意選択で中断した際に偏向可能なフランジの追加部分がそのガラス転移点より高い温度に達することができる。また、必要に応じて、このような部分の更なる不可逆的な偏向を防止するために、注入点で偏向可能なフランジの温度を下げるように(例えば、
図8Kの要素120によって占有された位置で)外気などの冷却剤を注入することもできる。偏向可能なフランジは、ラムに十分に付勢されるため、周辺縁部は、トレーの周辺に存在するフィルム又は他の材料に容易に接近できない。
【0136】
[0147] 偏向可能なフランジをラムに付勢する力は、中断され、物品は、接触しているラムから取り除かれ、それにより、偏向可能なフランジの材料は、そのガラス転移温度より低く冷却し、力が加えられずにその形状を持続する。この時点で、所望のトレーの形状に造形された物品が形成されており、トレーは、平滑な周辺を有する。トレーは、直ちに魚の切片を包装するために使用されるか、又はより典型的には、トレーは、他のこのようなトレーと積層して魚加工業者に輸送することができる。
【0137】
[0148] トレーは、形成直後に使用されても、又はトレーの積層からトレーの入れ子を解消することによって回収されても、魚の切片は、ここで、封止に備えてそれと共に包装するあらゆる他の材料(例えば、ソース、吸収性パッド、野菜又は調味料)と一緒にトレーの内部区画内に置くことができる。あらゆる数の公知の封止技術が容器及び魚を封止するために使用できる。
【0138】
[0149] トレーは、単純に薄いプラスチックフィルムで上包した(フィルムは、区画の対向する側面上の延長部50間の区画の開口にわたり、偏向可能なフランジ160の平滑に屈曲した屈曲領域150及び/又はスペーサ140の周りに延在する)ことができ、フィルムの終端は、例えば、加熱されたパッドを終端に対して当てることによりトレーを覆うフィルムの一部に封止することができ、その後、フィルムが熱で収縮して視覚的に美しい張り詰めたフィルム表面をもたらす。トレーは、その周辺に鋭い又は粗い縁部を有さないため、上包したフィルムは、封止中に破れず、輸送中にこのような縁部が他の封止した包装を破るか、引っ掛けるか又は裂くことがない。上包した魚を含有する容器は、(例えば、他のこのような容器と共に箱内又は選択された気体若しくは液相及び他のこのような容器の両方を含有するプラスチックバッグ内に)包装し、卸売業者、小売業者又は消費者に輸送することができる。
【0139】
[0150] 上包自体を封止する上包を使用して包装を封止するより、むしろ、容器は、トレーを包むのではなく、代わりに、区画の周辺の周りの延長部50で区画を封止するフィルムで充填した後に封止することができる。このような封止は、単に延長部50にフィルムを(熱、圧力及び接着剤の任意の1つ又は組合せを使用して)封止し、好ましくは封止の周辺の周りのフィルムをトリミングすることによって(例えば、フィルムを容器のほぼ周辺の範囲でトリミングすることによって)生成することができる。必要に応じて、フィルム封止のあらゆる開放端部は、熱を使用して縮めることができる。封止前に区画内部から気体を抜き、フィルムを区画の中身に引き寄せるために真空を適用でき、選択された気体又は気体の混合物は、任意選択で封止前に注入することができる。
【0140】
[0151] 実施例3
[0152] 剥がせる表面を有する回転した縁部のMAPトレー
[0153] 本明細書に記載された熱可塑性物品の一実施形態は、特定の実用性があることが証明されており、この実施例に明確に記載されている。この実施形態は、当業者の間で口語的に「MAPトレー」と呼ばれる、業界で標準のトレー形状の容器のあらゆる形状を有する物品である。このようなトレーは、物品(例えば、魚、鶏肉若しくは他の肉の切片、野菜、キノコ又はチェリーなどの果物などの植物部分の収集)を保持又は含有するための凹状内部空間を有する。リムは、凹状内部空間を完全に包囲するため、MAPトレーが水平表面上に置かれたとき(MAPトレーは、水平又は傾斜表面上に安定して置くことを促進するために平坦な底面を有する傾向がある)、凹状内部空間内の材料は、概して流れず、こぼれず、又はリムの上を転がらず、それによって凹状内部空間から出ない。リムの頂部で凹状内部空間の開口の周りに(通常、完全に)延在するのは、平坦な封止表面である。使用時に薄いプラスチックフィルム(すなわち施蓋フィルム)は、凹状内部空間の開口にわたって覆うか又は広がり、次いでトレーの平坦な封止表面に(例えば、熱、接着剤又は機械的衝撃力を使用して)封止される。上述のように、MAPトレーが作成される材料の鋭い又は粗い周辺縁部は、このような施蓋フィルム(例えば、フィルムは第1のMAPトレーに付けられるか、又は第1のトレーと一緒に輸送されるトレーなどの第2のMAPトレーに取り付けられる)を切断し、引っ掛け、裂き、破る可能性がある。
【0141】
[0154] この実施例に記載された実施形態では、MAPトレーは、所望のMAPトレーの所望の底部、リム及び凹状内部空間の形態を有する前駆体トレーを生成することによって(例えば、熱成形によって)作成され、また所望のMAPトレーは本明細書に記載された偏向可能なフランジを平坦な封止表面が望ましい全ての位置でリムの頂部において担う。典型的には、MAPトレーは、凹状内部空間の開口を完全に囲む平坦な封止表面を有し、このようなMAPトレーに対応する前駆体トレーは、凹状内部空間の開口の周辺の周辺全体で偏向可能なフランジを担うはずである。前駆体トレーの偏向可能なフランジは、その後、本明細書に記載された平滑縁をもたらすために、本明細書に開示されたように屈曲、偏向又は回転させられる。偏向可能なフランジの延長部は、前駆体トレーの縁部の平滑化を辿る所望の寸法(例えば、MAPトレーの中心から半径方向に測定して周辺全体の周りの少なくとも1/4インチの幅)を有する平坦な封止表面をもたらすために十分な大きさを有するように選択される。
【0142】
[0155] 重要なことに、この実施例に記載された実施形態では、前駆体トレーを形成するために使用する熱成形可能なシートは、熱成形可能なシートの一面に沿うなど、前駆体トレーに取り付けられた剥がせる層(すなわち「ライナーシート」)を有する。ライナーシートは、前駆体トレーを形成する前(例えば、2つのシートを熱形成前に積層することによって)、前駆体トレーの形成中(例えば、2つのシートの一方若しくは両方を熱成形中に2つのシートを一緒に同時に付勢することによって)又は(あまり好ましくないが)前駆体トレーが形成された後、熱成形可能なシートに取り付けることができる。ライナーシートは、好ましくは、前駆体トレーの凹状内部を規定する面などの熱成形可能なシートの全面を覆う。複数のライナーシートは、互いに隣接するか、重なるか、又は(より好ましくは)第1のライナーシートが熱成形可能なシートの面を覆い、第2のライナーシートが第1のライナーシートの露出した面(すなわち熱成形可能なシートに結合した面の反対側)を覆い、任意選択で追加のライナーシートが前のライナーシートの露出した面を覆う、「積層した」形態などの熱成形可能なシートに接着することができる。
【0143】
[0156] 別の実施形態では、1つ又は複数のライナーシートは、前駆体トレーをもたらすために熱成形された後に熱成形可能なシートに取り付けられる。この実施形態では、トレーに取り付けるように意図したシート材料は、少なくともその軟化点まで加熱され、トレーの表面(例えば、その凹面及び包囲するリムを規定するMAPトレーの面)に付けられ、トレーの表面とライナーシートとの間のあらゆる気体又は他の流体は、(例えば、トレーとライナーシートとの間の空間に真空を適用することによって)引き抜かれる。軟化したライナーシートは、それによってトレーの面に引き寄せられ、(対向する高分子表面の本質のために又は一方若しくは両方の対向する表面に付けた接着剤によって)トレーの面に接着することができる。冷却時、ライナーシートは、ライナーシートが付けられて引き寄せられたトレーの面の形態を有し、トレーの面に接着する。ライナーシートがトレーの周辺を越えて延在する場合、ライナーシートは、あらゆる公知の手法(例えば、トレーの周辺の形状の型抜き機を使用してライナー材料のより大きいシートからトレーに接着したライナーの一部を「打ち抜く」ことにより、又はトレーの縁部に沿って刃を走らせることにより)トリミングできる。また、トリミング操作は、(例えば、トレーからライナーを剥がすことを促進するために)トレーに接着していないライナーシートのタブを残すことができる。この操作は、追加のライナーシートをトレーに追加するために2回以上繰り返すことができる。複数のライナーシートがトレーに追加されるとき、ライナーシートは、完全に重なるか、部分的に重なるか、又は全く重ならないことが可能である(すなわち、ライナーシートは、トレーの異なる部分に付けることができる)。有益な実施形態では、複数のライナーシートは、この手法でトレーに付けられ、複数のライナーのそれぞれは、各シートに対応するタブを除いてトレーの同じ面を完全に覆い、タブは、互いからタブを区別できるような手法で切断されるため、対応するタブを使用して所望のライナーを剥がすことができる。例えば、3つのライナーを有する丸みを帯びた長方形のトレーは、トレーの角部に最下部の(すなわち熱成形可能なシートに隣接した)ライナーシートのためのタブ、トレーの最長側部の中点に最上部ライナーシートのためのタブ及びトレーの最短側部の中点に中間ライナーシートのためのタブを有し得る。
【0144】
[0157] 本明細書に記載された回転した縁部のトレー(及びより広くは回転した縁部が造形された物品)に対して、ライナーシートは、熱成形可能な造形された物品の上に本明細書に記載された縁部を回転する操作を実行する前又は後に追加することができる。すなわち、1つ又は複数のライナーシートは、縁部を回転する前に(必要に応じて、その偏向可能なフランジの部分を含む)造形された物品の面に付けることができ、(追加したライナーを含む)偏向可能なフランジは、その後、本明細書に記載されたように屈曲して回転することができる。別法として、造形された物品は、(例えば、本明細書に記載された偏向可能なフランジを含み)熱成形することができ、その縁部は、回転することができ、縁部の回転操作後にその1つ又は複数の面に追加したライナーが完了する。一実施形態では、例えば、熱成形可能なシートは、熱成形工程によりトレーの周辺全体に本明細書に記載された偏向可能なフランジを有する個々のトレー内に形成される。形成されたトレーは、平滑な周辺縁部を有する積層可能なトレーをもたらすために縁部を回転する工程を受け得る。平滑縁のトレーは、積層して保管することができる。後になって積層したトレーは、個別の平滑縁のトレーをもたらすために入れ子を解消することができ、個々のトレーは、VSPの作業場に送り込むことができ、VSPの作業場にライナーシート材料の連続したロールが送り込まれる。作業場では、ライナーシート材料は、軟化され、軟化したライナー材料と形成されたトレーとの間から気体を引き抜くことによって平滑縁のトレーの内部内及び平滑縁のトレーの内部に引き寄せられる。ライナー材料は、冷却することができ、その内部表面に結合したライナー材料の連続したシートの一部を有する平滑縁のトレーをもたらす。トレーの表面に引き寄せられた後(すなわちその操作中又は冷却後)、ライナーシート材料は、それに接着したライナーシートを有する個別の平滑縁のトレーをもたらすために、トレーの周辺の周りを切断することができる(任意選択でライナーを後で剥がすためのタブとして作用するために、トレーから解放されたライナー材料の「弛緩した」片を残す)。操作は、追加のライナーシートをトレーに追加するために必要に応じた回数だけ繰り返すことができる。
【0145】
[0158] ライナーシートを予め形成されたトレーの表面に追加するために使用する器具及び方法は、重要ではない。実質的にライナーシートを軟化し、それを予め形成されたトレーの表面に対向させ、トレーとライナーシートとの間の気体又は他の流体を引き抜くことができるあらゆる器具及び方法を利用することができる。例えば、標準のVSPの作業場は、予め形成されたトレーを固定位置に保持し、高分子シートをトレーの近くの位置で軟化し、軟化した高分子シートを予め形成されたトレーの面に(例えば、その凹状内部を囲むリムを有するトレーの上部リム表面に)付け、トレー、軟化されたシート及びそれらの交点によって規定された空間から気体を引き抜くための設備を含む。標準のVSPの作業場では、この配列は、典型的には施蓋材料のシートを軟化し、それをトレーに付け、トレーの表面及びトレー上又はトレー内に担持するあらゆる材料に施蓋を面一にさせ、施蓋をトレーに封止するために、施蓋とトレーとの間の空間から気体を引き抜くために使用する。同じ器具の設定は、ライナーを(施蓋の代わりに)トレーに追加するために使用できるが、封止器具は必要ない(しかし、必要に応じて使用できる)。この設定では、トレーは、空になる(その中又は上に材料を担持しない)ため、軟化したライナーシートは、気体を引き抜いたときにトレーの表面に面一に引き寄せられる。トレー材料、ライナーシート材料及び(必要な場合に)障壁組成物を注意して選択することにより、トレーに付けたライナーを必要に応じてそれから剥がせるトレーをもたらす。
【0146】
[0159] ライナーシートを作成する材料は、重要ではないが、材料は、可撓性プラスチック材料であることが好ましい。ライナーシートは、熱成形可能なプラスチックから作成する必要はないが、可能である。また、ライナーシートは、熱成形可能なシートの形状に一致するように十分な可撓性を示す、熱成形できないプラスチックであることも可能である。ライナーシートは、熱成形可能なシートと同じ材料又は異なる材料から作成することができる。例として、PETの比較的厚い熱成形可能なシートは、基板として使用することができ、PEの比較的薄いシートは、(造形された物品を作成するためにPETシートを熱形成した後又は好ましくは熱成形する前に)PETシートの面に接着することができる。PE及びPETは、同様の収縮率を提示するため、2つのシートの温度に影響される層間剥離は、限定される。PEシートが凹部(例えば、MAPトレー又はVSPトレーの内部)を規定するPETシートの面に取り付けられる場合、PEライナーシートから凹部の中身を排出することなくPE及びPETシートを剥がして離すことが可能であり得る。その上、施蓋がその周辺の周りのライナーシートに取り付けられる場合、ライナーと施蓋シートとの間を封止した材料を失うことなく、PET基板シートからライナーを引き離すことが可能であり得る。
【0147】
[0160]
図11は、本明細書に記載されたようなトレーの一部の断面図を描く。トレーは、比較的厚い熱成形可能な基板シート101(例えば、厚いPETシート)から形成され、比較的薄いライナーシート500(例えば、薄いPEシート)は、基板シート101の一面に接着する。
図11Aでは、トレーの一周辺における偏向可能なフランジ160が示されており、接着したシートの周辺縁部110は、偏向可能なフランジ160の延長部50により物品の本体から離れてずれている(「//」を越える部分は示されていない)。従って、
図11Aは、基板シート101を熱成形し、ライナーシート500をその一面に取付けた後(熱形成前、その間又はその後のいずれか)、及び本明細書に記載されたような周辺縁部110を回転する前にこのトレーの周辺がどのように表れるはずであるかを表す。
図11Bは、このような縁部の回転後のトレーと同じ部分を描く。
図11Bでは、基板シート101は、十分に回転しているため、その周辺縁部111は、物品の本体に向かって戻る。ライナーシート500は、その周辺縁部501付近以外の全ての部分で基板シート101の表面と面一のままであり、そこでは、ライナーシート500は、基板シート101の周辺縁部111から剥がれるか又は回転して離れている。このような剥がれ又は回転は、例えば、縁部の回転操作中にラムとライナーシート500との間の摩擦から生じる可能性があり、又は剥がれ/回転は、その後、ライナーシート500の周辺縁部501を基板シート101の周辺縁部111から指の爪、道具若しくは摩擦処理するステップを使用して擦ることなどによって意図的に開始することができる。一部が剥がれた周辺縁部501を有することにより、ライナーシート500又は物品の外観を損なう可能性があるが、一部が剥がれた縁部は、ライナーシートを物品からさらに剥がすことを促進する。
図11Cは、施蓋600がライナーシート500にMAP又はVSPトレーの周辺の周りに延在する延長領域50などにおいて付けることができる(例えば、置く、静電荷若しくは接着剤によって接着するか、又は圧力及び/又は熱の適用により一緒に封止若しくは付着する)ことを描く。施蓋600が基板シート101よりむしろライナーシート500に取り付けられる場合、施蓋600及びライナーシート500は、任意選択で施蓋600とライナーシート500との間の取付具を切断することなく、基板シート101から分離することができる。造形された物品が、例えば、ライナーシート500がその凹部及び封止表面(すなわち延長部50の面)の裏にあるMAPトレーの形態を有し、施蓋600がライナーシート500に凹部の周辺全体の封止表面で封止される場合、ライナー並びに施蓋(及びそれらの間に封止されたあらゆる中身)は、MAPトレーの残余部から剥がすことができる。
【0148】
[0161] それに取り付けた1つ又は複数のライナーシートを備えた前駆体トレーは、次いで、本明細書に記載された縁部を平滑にする工程を受け得、偏向可能なフランジは、完成したMAPトレーに平滑な周辺縁部をもたらすために屈曲されるか、偏向されるか、又は丸められる。完成したMAPトレーは、熱成形可能なシートに取り付けた剥がせるライナーを有するため、そのライナーは、それから剥がすことができる。施蓋材料は、ライナー若しくは熱成形可能なシートに取り付けることができるか、又は完成したMAPトレーを上包することができる。一実施形態では、施蓋は、封止表面の周辺全体の周りのライナーに十分に弾性的に結合するため(それによってライナーと施蓋との間の区画を規定する)、ライナーは、区画を壊すことなく熱成形可能なシートから剥がすことができる。この実施形態では、ライナー、施蓋及び区画内に含有されたあらゆるものは、区画の中身に接近する前にMAPトレーの造形された熱成形可能なシート(これは、例えば、リサイクルできる)から分離することができる。別法として、区画の中身は、ライナーをMAPトレーの造形された熱成形可能なシートから剥がす前に接近することができ、ライナー(及びあらゆる残りの施蓋)は、その後、それから剥がすことができる。
【0149】
[0162] ライナーが前駆体トレーを形成する前に熱成形可能なシートの面を覆う場合、ライナーは、前駆体トレーを造形中に周辺縁部の全て又は一部から引き離すことがあることが可能である。同様に、前駆体トレーが形成された後にライナーが熱成形可能なシートの全面に剥がせるように取り付けられたままでも、ライナーは、本明細書に記載された縁部を平滑にする工程中に周辺縁部の全て又は一部から引き離すことがある。このような引き離し(剥離)は、(例えば、ライナーが視覚的に検出不可能なままであることを意図する場合)望ましくない可能性があり、そうである場合、ライナーを熱成形可能なシートに結合する強度を増加することにより、ライナーの柔軟性又は熱可塑性の伸びる能力を増加することにより、前駆体トレーを形成するために作られた偏向の「鋭さ」(すなわち曲率半径)を低減することにより、当業者に公知の他の方法により、又はこれらの組合せにより低減又は防止することができる。一方、熱可塑性シートからライナーの一部を剥離することは、特にその周辺縁部では(例えば、使用者がそのように望むときにライナーを熱可塑性シートからさらに剥がすために使用できるライナーの自由に把持可能な部分をもたらすために)望ましい可能性がある。このように剥がすことは、類似の方法、例えばライナーを熱成形可能なシートに結合する強度を低減することにより、ライナーの柔軟性又は熱可塑性の伸びる能力を低下することにより、前駆体トレーを形成するために作られた偏向の「鋭さ」(すなわち曲率半径)を増加することにより、MAPトレーの周辺縁部をすり減らす若しくは擦ることにより、当業者に公知の他の方法により、又はこれらの組合せにより高めるか又は誘発することができる。
【0150】
[0163] 実施例4
[0164] 米国特許出願公開第13/415,781号から写した主題
[0165] 上述のように、米国仮特許出願第62/212,367号と同時係属であった米国特許出願公開第13/415,781号(現在米国特許第9,302,842号として出願されている)は、参照により本明細書に組み込まれた。本開示が、連邦規則法典第37巻§1.57(d)に規定されたように適切に考慮した「基本的な材料」であり得るあらゆる主題を明確に含有し、米国特許出願公開第13/415,781号の以下の部分は、原文通りにこの実施例に組み込まれる。以下の組み込まれた主題では、組み込まれた主題において言及された「ライナー」は、本開示で前に言及した「剥がせる層」と類似しており、組み込まれた主題において言及した「施蓋」又は「リッドストック」は、本開示で前に言及した「施蓋」に類似しており、組み込まれた主題において言及した「基板」は、本開示で前に言及した「造形された物品」又は「造形された熱可塑性物品」に類似していることを理解されたい。組み込まれた主題と、本開示で前に言及した主題との間の他の類似点は、関連した文脈から明らかであると考えられる。
【0151】
[0166] 以下の文章は、米国特許出願公開第13/415,781号からこの実施例に原文通りに組み込まれている。
【0152】
[0167] 本開示は、少なくとも1つの熱成形可能な区画を含み、少なくとも1つの高分子シートを基板の表面に層状に重ねることによって作成される容器に関する。シートは、その中で液体又は別の材料が貯蔵部又は区画の外側から隔離することができる貯蔵部又は区画に結合する。貯蔵部又は区画は、区画又は貯蔵部内の材料が基板に接触するように基板によって結合されることが可能であり、又は貯蔵部又は区画は、区画内の材料が第1のシートと第2のシートとの間に含有されるように第2の(任意選択で穿孔された)シートによって結合されることが可能である。シートは、容器が部分的に又は全体的に分解できるように基板の表面に、互いに、又は両方に剥離可能に接着又は接合することができる。重要な実施形態では、貯蔵部又は区画に結合したシートは、貯蔵部又は区画を壊すことなく基板から分離することができる。
【0153】
[0168] 熱成形可能な高分子シート
[0169] 本明細書に記載された基板及びライナーシートのそれぞれは、熱成形可能なシートであり得る。本明細書に記載された物品及び方法に使用する熱成形可能な高分子シートの識別並びに組成は、重要ではない。当業者は、実質的にあらゆる熱成形可能な高分子シートが使用できることを認識するであろう。適切な熱成形可能な高分子材料の例には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン及び高分子量ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、これらの共重合体並びにこれらの組合せが含まれる。ポリ乳酸(「乳酸ポリマー」及びPLAとしても公知である)などの植物系高分子も使用することができる。食品に接触するために使用する高分子は、当然のことながら、適合性のために選択するべきである。
【0154】
[0170] 基板として使用するための適切な熱成形可能な高分子材料の例には、ポリエチレンテレフタレート(例えば、RPET、非晶質PET及びPETG)、ポリエステル、ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン及び高分子量ポリエチレン)、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、これらの共重合体並びにこれらの組合せが含まれる。ポリ乳酸(「乳酸ポリマー」及びPLAとしても公知である)などの植物系高分子も使用することができる。
【0155】
[0171] 当業者は、熱成形可能な高分子材料又は材料の収縮率、結晶化度、熱偏向温度、引裂強度、延伸倍率、厚さ、剛性、溶融温度、熱伝導率及び高分子主鎖配向度のような特性を考慮することにより、実質的にあらゆる用途の使用に適するような材料の組合せを選択することができる。また、材料の選択は、材料の価格、色、不透明度、再生材含有量、環境影響、表面エネルギー、耐薬品性及び表面光沢などの材料の熱成形性に必ずしも直接影響を与えない特質によって導くこともできる。
【0156】
[0172] 適切な材料を選択する際、当業者は、少なくとも2組の条件、すなわち完成した造形された物品が受ける環境条件及び熱成形工程中に材料が経験する条件を考慮するべきである。材料は、例えば、材料が熱成形の工程においてそれらの最終的に所望する形に造形されると、所望の色、形状、強度、剛性及び剥離性を提示するように選択するべきである。また、材料は、当業者に利用可能な熱成形条件を使用して材料の最終的に所望の形に材料を組立てて造形できるように、熱成形条件と共に選択するべきである。
【0157】
[0173] 深い壁の容器(すなわち平坦な基板又はライナーの積層材料を実質的に広げることが容器を形成する際に必要であるはずの容器)に対して、容器のほぼ最終形態を有するように鋳造するか、折り畳むか、又は別法により形成した基板ブランクは、伸ばし過ぎるために基板を断裂する危険を低減するために使用することができる。例えば、金属箔基板が使用される場合、金属箔基板は、それに高分子ライナーシートを付ける前に最終的な容器に近い形状を有するブランクを形成するために、箔の平坦なシートから折り畳んで圧縮することができる。ライナーシートが熱成形できる条件下において、容器の最終形状は、ライナーシートを熱成形プレス内のブランクに熱成形して再造形することによって達成することができる。
【0158】
[0174] 食材(特にヒトの消費のため)を含有することを意図した容器に対して、特別の考慮が基板材料の選択に与えられるべきである。基板材料が健康に有害なあらゆる物質を含有するか又は含有する可能性がある(例えば、リサイクルした基板材料)場合、基板は、予想される使用条件下で基板から区画に基板の予想できる移行を十分に低減するために、ライナーシート(及び/又は基板シートとライナーシートとの間に介入した障壁シート若しくは組成物)と連動してのみ使用するべきである。適切な材料の選択は、当業者に公知の範囲内である。
【0159】
[0175] 基板
[0176] 基板の識別及び組成物は、重要ではない。当業者は、金属及び熱成形可能な高分子(これは、好ましい基板である)などの実質的にあらゆる形成可能な材料を使用できることを理解するであろう。本明細書に記載された基板シートは、本明細書に記載された物品を作成するために使用するあらゆる他のシートより厚いか、より堅固であるか、又はより不透明である必要はない。しかし、多くの実施形態では、基板は、物品の剛性、強度及び形状に非常に寄与し、他の構成要素はこれらの特性に比較的寄与することがないことが望ましい。
【0160】
[0177] 例えば、肉若しくは野菜片を含有するための容器又はトレー内では、基板は他の構成要素から分離されるときに容器/トレーを保持する実質的に唯一の容器であり得る。肉又は野菜片と基板との間に直接接触することを防止する役割を果たすことがあるライナーシート及びこのような片を容器/トレーの窪み内に保持する役割を果たすことがある施蓋は、基板から切断するか又は剥がすとそれらの形状を維持できないことがあり、また施蓋は、肉又は野菜片をその中に封止するか、又は容器/トレーを上包する点のみで充填された容器/トレーの全形状並びに剛性に寄与することがある。
【0161】
[0178] 基板のリサイクル性が重要な属性である実施形態では、基板は、リサイクル可能な材料であるべきであり、物品を形成するために使用する材料の(容積又は重量に基づいた)大部分を構成するべきである。このような物品のあらゆるリサイクルできない若しくはリサイクルが困難なライナー又は施蓋材料部の量は、リサイクルできる物品の材料の割合を最大にし、別の環境に好ましくない手法で埋め立てるか、焼却するか又は処分しなければならない割合を低減するように、好ましくは(従来公知の同様の物品に使用する量に比べて)低減されるか又は最小にされる。
【0162】
[0179] ライナー
[0180] ライナーシートは、基板への可逆的な取付け及び施蓋への取付け(可逆的であるかどうかに関わらず)の影響を受けやすいはずである。また、ライナー材料は、区画内に含有されると予想される材料の物理的及び化学的適合性に対しても選択するべきである。ライナーは、基板と同じ材料(例えば、基板材料のより薄いシート)から作成することができるが、好ましくはそうではない。基板及びライナーが同じ材料からなる場合、障壁組成物は、通常、熱成形操作中に2つのシートの溶融を防止するために基板及とライナーとの間に介入しなければならない。基板及びライナーが同じ材料ではない場合、材料、表面処理及び熱成形条件は、材料が熱形成条件下で剥がせるように結合するように選択するべきであるか、又はそうでない場合、適切な剥がせる接着剤がシート間に介入するべきである。
【0163】
[0181] 本明細書に記載された容器の重要な実施形態では、ライナーは、好ましくは、実質的に破れるか又は広がることなく基板から引き離すことができる。ライナーは、基板に剥がせるように取り付けるべきである。剥がせる接着は、当技術分野で公知のあらゆる種々の方法によって達成することができる。例として、剥がせる接着は、ライナーと基板との間に介入することができ、又は基板の面に剥離可能に接着する高分子に直面するライナーは、(例えば、2面が一緒に押圧されるときに)使用することができる。
【0164】
[0182] 本明細書に記載された物品及び方法に使用するライナー高分子シートの識別並びに組成物は、重要ではない。当業者は、実質的にあらゆる剥がせる高分子材料が使用できることを認識するであろう。適切な材料の例には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリ塩化ビニル、これらの共重合体並びにこれらの組合せが含まれる。ポリ乳酸(「乳酸ポリマー」及びPLAとしても公知である)などの植物系高分子も使用することができる。
【0165】
[0183] 食品容器は、多数の特質を提示しなければならないため、積層した高分子材料の使用は、食品容器に一般的であり、このような積層は、本明細書に記載された容器内のライナーシートのように使用され得る。このような積層は、所望の特質(例えば、引張強度、蒸気抵抗/防臭、耐湿性、可撓性、食品と適合しない成分がないこと、少なくともこのような成分と区画との間に介入した障壁層がないこと)を提示する高分子層及び剥がせるシート中に一緒に層を結合するために十分な接着剤又はタイ層を含むべきである。最外高分子層は、(ライナーと基板との間に介入したあらゆる材料を考慮して)ライナーシートの基板側面が基板のその面の可逆的取付具と適合性がなければならない点において、また(ライナーと施蓋との間に介入したあらゆる接着剤又は他の材料を考慮して)ライナーシートの施蓋側面が施蓋への取付具と適合性がなければならない点において追加された重要性を有する。
【0166】
[0184] 剥がせるライナーシートは、十分な構造の一体性を有するため、シートを接着する表面からシートを剥がすために必要な力を受けたときにシートが破れないか又はあまり伸びないことが好ましい。例えば、剥がせるライナー層を有するトレーが本明細書に記載されたように作成されたとき、剥がせるシートは、好ましくは、単一の一体シート(すなわち穴又は破れがない)として基板から剥がせる一方、ライナー及び施蓋によって規定された区画を断裂しない。破れ、伸び又は裂ける、剥がせるシートは、剥がせるシート内に液体を閉じ込める必要がない実施形態に許容できる。
【0167】
[0185] ライナーシートは、好ましくは、薄く高い可撓性である。8ミルを超える厚さを有するシートは、剥がすことが難しい可能性があるため、それより厚いシートは、好ましくない。ライナーシートは、実質的にあらゆる高分子材料から且つ実質的にあらゆるシートを形成する工程によって作成することができる。例として、適切な高分子シートは、ブロー、金型成形、注入成形又は押出成形に適切な高分子材料により、又はこれらの工程の一部の組合せにより作成することができる。熱成形可能な材料から作成するとき、ライナーシートは、好ましくは、シートを接着する基板と同時に熱成形される。熱成形できない材料から作成するとき、剥がせるシートは、シートを接着する基板シートが熱成形可能である熱成形条件でシートの構造の一体化を維持できるべきである。
【0168】
[0186] 堅固である(すなわち剥がした後にそれらの形状を維持する)か又は実質的に堅固ではない(例えば、ゴミ箱用ライナー及びゴミ袋に使用する材料などのブロー成形した高分子シート)ライナーシートを選択することができる。
【0169】
[0187] 個々のライナーシートの剥がせる性質は、ライナーシートとその下にある表面との間の表面引力から引き出すことができる。別法として、接着剤は、シートと表面との間に介入し、シートの剥がせる性質は、主にシート及び表面の上の接着剤によって及ぼされる接着力に由来する。接着剤は、ライナーシートを剥がす際に接着剤が好ましくはライナーシート又は表面(表面は、表面がリサイクルするべき高分子体の表面である場合、あまり好ましくない)に接着したままであるように(例えば、ライナーシート若しくはそれに接着する表面の化学的同一性又は表面処理に基づいて)選択することができる。例えば、ライナーシートの機能が接着剤及び他の汚染物質のない基板表面を露出するべきとき、接着剤は、接着剤がライナーシート及び表面の両方に接着し、また剥がす際に接着剤がライナーシートに沿って基板から途に除かれるようにライナーシートにより強く(すなわちより粘り強く)接着するように選択することができる。
【0170】
[0188] 接着剤が2つの高分子シートの対向する表面を結合する粘着性の差は、接着剤が表面に結合することを妨げる組成物で1つの表面の1つ又は複数の部分を被覆することを含む、多数の方法で制御することができる。しかし、好ましくは、接着剤が結合する粘着性の差は、それらの対向する表面が表面エネルギーの違いを提示するように高分子シートを選択又は処理することによって制御される。2つの表面の表面エネルギーの差が比較的大きい、1センチメートル当たり少なくとも5ダインである場合、接着剤は、1つの表面に他よりも非常に大きい粘着性で結合する。2つの表面の表面エネルギーの差が1センチメートル当たり5ダインを超えて増加するにつれて、2つのシートが分離されるときに全ての接着剤が1つのシートに留まる可能性が増加する。2つのシートの接着した表面の差が1センチメートル当たり5~14ダインであることが適切であると考えられる。
【0171】
[0189] 表面の表面エネルギーが1センチメートル当たり5ダイン未満だけ差がある場合でも、2つの表面間に介入した接着剤を有する2つの表面を分離することが可能であり得る。この状況では、接着剤は、2つの表面のそれぞれにほぼ等しい粘着性で接着することがあり、接着剤は、2つの表面が互いから分離した後に両方の表面に(様々な部分で)接着することがあることを意味する。多くの用途では、高分子シートの一方のみ(通常、一方が残りのシート又は基板から離して剥がされる)の表面に接着するためにほとんど又は全ての接着剤を有することが望ましい。このような用途に対して、接着剤によって接触された2つの表面は、好ましくは、1センチメートル当たり少なくとも5ダインだけ差がある表面エネルギーを有するべきである。
【0172】
[0190] ライナーシートの下にある表面からライナーシートを分離するために必要な力の量は、重要ではないが、好ましくは表面からシートを手動で剥がす際に剥がせるシートが破れて実質的に伸びることを防ぐように十分に小さい。必要な分離力の量は、ライナーシート、下に置く基板表面及びそれらの間に介入したあらゆる障壁組成物又は接着剤用に選択された材料の機能である。実際には、ライナーシートと下にある表面との間の接着剤の粘着性は、シートが普通の人の力を使用して表面から剥がして離すことができるが、あまり粘着性がないため、シートは、表面からシートを剥がす人が破るか又は裂かなければならないように選択するべきである。多くの変数(例えば、シートが表面から引っ張られる角度は、指の爪がシート表面に当てるかどうか、シートを剥がす速度、剥がすときの造形された物品の温度)は、シートの剥がす特性に影響を与える可能性があり、本明細書に記載された材料は、材料及び造形された物品の予想される使用に対応する周囲条件下で操作可能な全ての材料を含むことを当業者は認識している。
【0173】
[0191] 下に置く基板表面からシートを剥がすために必要な力の客観的尺度が望ましい点で、剥がす強度の標準化試験を使用することができる。適切な試験の一例は、ASTM D3330/D3330Mであり、これは、感圧テープの接着を剥がすための標準化試験である。また、この手順の修正(例えば、ASTM D3330/D3330Mにおける標準鋼製シートの代わりに基板材料のシートを代用すること、及び試験する造形された物品の意図した使用に適切な剥がす角度を選択すること)も使用することができる。それぞれの場合において、造形された物品又は積層の特性は、基板表面からライナーシートを剥がす強度が普通の人の力の限界内であるように選択するべきである。
【0174】
[0192] 様々な表面処理及び高分子シートの原料は、表面エネルギーに影響を及ぼすために使用することができる。一実施形態では、基板及びライナーシートは、同じ材料から作成される。異なって処理しない限り、高分子シートの2面は、一般的に同じ表面エネルギーを有する。従って、同じ材料の基板及びライナーシートを含む容器では、同一の高分子シートの2面は、その2面のそれぞれに対して異なる表面エネルギー値を有する高分子シートをもたらすように異なって処理されることが重要である。このようなシートは、好ましくは、2面の表面エネルギーが1センチメートル当たり5ダイン以上だけ差があるように処理される。高分子シートの表面エネルギーに影響を及ぼすための多くの組成物及び方法は、当業者に公知であり、実質的にあらゆるそれらの方法が利用され得る。このような方法は、研削及び研磨、焼き入れ及び焼鈍工程、コロナ処理などの従来の表面仕上げ技法並びに大気、化学及びフレームプラズマ技法などのプラズマ接触技法を含む。高分子シートの表面の表面エネルギーに影響を及ぼすための組成物も周知であり、(その表面エネルギーに影響を及ぼす)その化学又は物理特性を修正するために、表面と接触又は反応することができる化合物を含む。
【0175】
[0193] 適切な表面処理の一例は、コロナ処理又はコロナ放電処理として公知の工程であり、コロナ放電処理は、高周波数、高電圧放電の表面に適用するものである。コロナ処理は、高分子表面の表面エネルギーを上昇させる。2つのそれ以外には同一の面を有する高分子シートの1面に適用すると、コロナ処理は、シートの反対側の面に対して面の表面エネルギーを上昇させる。コロナ処理に印加した電力は、実質的にシートの1側面への処理を限定するために制御することができる。非常に高い電力で、処理は、同じシートの両面の表面エネルギーを上昇させることができ、これは、他の表面処理がない場合にその2面上に異なる表面エネルギーを有する高分子シートをもたらすことはない。高分子シートが、シートが形成されたとき又はそれに近いときにコロナ処理をされる場合、処理の表面エネルギーを上昇させる効果は、数週、数か月又は数年持続することができる。シートを作成した数日後、数週後又はそれ以後にシートがコロナ処理された場合、処理の表面エネルギーを上昇させる効果は、より一過性(例えば、数日間又は数週間のみ持続する)である可能性がある。シートが形成されたとき又はそれに非常に近いときにコロナ処理をされる高分子シートは、本明細書に記載された容器内で使用することができる。また、高分子シートは、本明細書に記載された積層及び物品を作成する直前に「バンプ処理する」(すなわちシートを形成してからどの位経っているかに関わらず、コロナ処理される)こともできる。
【0176】
[0194] また、ライナーシートは、施蓋、好ましくはライナー及び施蓋を互いに対して連続して付勢する機械的装置の援助なしに取り付ける(すなわちライナー及び施蓋が連続して付加する外圧なしに「貼る」)こともできる。好ましくは、ライナー及び施蓋は、施蓋及びライナーに接触するために使用する条件下で互いに接着又は溶融する。例として、対向するライナー及び施蓋面が同じ高分子から作成される場合、2つのシートは、面が溶融できるように十分な温度(例えば、一般の高分子の融解温度)で互いに対して付勢する場合に溶融をもたらすことができる。別法として、接着剤は、接着剤が対向する両面を結合する限り封止を形成するために、ライナーと施蓋との間に介入することもできる。
【0177】
[0195] ライナーと施蓋との間の封止は、剥がすことができる(すなわち、封止の引張強度は、2つの高分子シートの弱い方の引張強度より少ないことが可能である)が、その必要はない。区画内に液体を閉じ込めること(又は区画から液体を除外すること)が望ましいとき、封止が容器の予想される通常の取り扱い中に破損しないほど、封止は、十分な強度(すなわち剛性及び/又は弾性)を有するべきである。ライナーと施蓋との間の封止も基本的に不可逆的であり得(すなわち、封止の引張強度は、2つの高分子シートの弱い方の引張強度より大きいことが可能である)、その場合、区画の開口は封止に沿ってライナー及び施蓋を分離することによるより、むしろライナー及び施蓋の一方又は両方を破損することによって通常達成される。
【0178】
[0196] ライナーとして使用する材料は、基板内に存在する材料及びあらゆる接着剤、障壁組成物、追加の高分子シート又はライナーと施蓋との間に介入する他の構成要素内に存在する材料のいずれも考慮して、区画の内部から容器の通常使用の条件下でライナーの基板面に存在すると予想されるあらゆる材料を除外するために十分な遮断性を提示するように選択するべきである。材料の遮断性に基づいて材料を選択することは、移動を回避するべき材料の知識を与える当技術分野における決まり事である。
【0179】
[0197] 好ましい実施形態では、ライナー材料は、基板に剥離可能に接着され、基板の表面に対して近接対向するため、恐らくライナーのタブ又は折り畳んだ部分がそれを剥がすことを促進するために存在する選択された領域を除いて、ライナーが存在すると通常の監査者が伝えるのは難しい可能性がある。別の実施形態では、基板及びライナーの材料又は特性(例えば、色)は、ライナー及び基板が接着されているかどうかを明白に差別化するために選択される。例として、白いライナーは、ライナーの存在が明らかであるように黒い基板の面に付けることができる。ライナー、基板又は両方は、ライナーを基板から剥がすことを開始できる容器の一部を強調する兆候(例えば、縞、矢印若しくは文字「ここを剥がす」)を担持することもできる。
【0180】
[0198] また、ライナーは、ライナー及び基板が積層される位置に基板の遮断性を考慮して、区画内に所望の条件を維持するために十分な遮断性を有するように選択するべきである。食品容器は、一般に所望の大気(すなわち気体含有量及び/又は湿度)、区画内における化合物の有無又は食材を含有する区画内に他の物理若しくは化学特性を維持するように意図される。例として、酸素の大気中濃度の存在下で変色又は劣化を比較的受けやすい食材は、場合により酸素が実質的に枯渇した大気、例えば窒素、アルゴン、二酸化炭素又は一酸化炭素の大気などの中で包装される。このような包装技法は、一般的にガス置換包装、すなわちMAP技法と呼ばれる。
【0181】
[0199] 所望の区画条件と組み合わせて使用するように意図する容器に対して、容器の予想される使用の条件下でそれらの条件を維持できるライナー材料が選択されるべきである。このような選択は、当業者に公知の範囲内である。
【0182】
[0200] 例として、肉及び鶏肉製品は、基板がPET材料(例えば、非晶質PET又はPETG)から作成され、ライナー及び施蓋は、それぞれ積層高分子材料である容器内で包装することができる。この例では、ライナーは、ULDPE又はLLDPEから構成された基板側面、引張強度をライナーに与えるためのナイロン薄板、湿度及び蒸気がライナーを通過することを阻止するためのEVOH又はPVOH薄板並びに施蓋のライナー側面と同一の材料から構成された施蓋側面(すなわち対向する面に熱を加える際にライナー及び施蓋の熱融合を促進するため)を有することができる。この例における施蓋は、ライナーと同じ層を有することができる。一実施形態では、ライナー及び施蓋は、同一であり(例えば、断面を見ると、2つのシートは、可逆的構成においてのみ一方のシートの「上部」が他方の「上部」に接触するような同一組成を有する)、例えば、一実施形態では、ライナーの一部が基板の凸表面に積層され、ライナーの第2の部分は、凸表面の開口にわたって折り畳み、それ自体を封止することができるフラップを形成する(すなわちライナー及び施蓋は高分子又は積層の同じシートの一部である)。
【0183】
[0201] 急冷された高分子シートが接着を高めるために使用される実施形態では、直接冷却されたシートの面(例えば、水冷却型ブロー押出工程において水を当てた面、注入成形工程において冷却した金属表面に対向した面又は冷却した押出ダイに接触した面)が、接着するべきシートに付けられることが好ましい可能性がある。従って、例えば、2つのLLDPE層間に挟まれたEVOH層を有する急冷した比較的薄いライナーシートが、通常の(すなわち急冷されていない)比較的厚いPET基板シートに接着する物品では、急冷を引き起こすために冷却剤を付けたライナーシートのLLDPE面は、好ましくは、PET基板に付ける面である。この例では、ライナーシートは、低温のニップローラを使用してPET基板シートに積層することができ、得られる積層は、熱成形し、それからライナーを剥がせるトレーなどの造形された物品をもたらすために切断することができる。この例では、PETシートも急冷された場合、まさにライナーシートの直接冷却された面が基板シートのいずれの面にも付けることができるように、PETの直接冷却した面は、ライナーシートのいずれの面にも付けることができた。高められた接着は、隣接したシートの対向した両面が、急冷した高分子シートの直接冷却した面である積層によって提示することができる。積層したシートの直接急冷した面の選択及び配置により、当業者は、種々の有益な構成の中から入手して選択することができる。
【0184】
[0202] 容器は、広範囲の周囲条件を受ける可能性があるため、それを受ける容器は、基板とほぼ同じ熱膨張係数(「収縮率」)を有するライナー材料を使用して構築するべきである。
【0185】
[0203] 施蓋
[0204] 施蓋として使用する材料の識別は、施蓋がライナーに取り付けることができるべきであり、所望の用途に必要なあらゆる特質(例えば、引張強度、遮断性、印刷又は接着ラベルを担う能力及び表面の外観)を提示するべきである以外には重要でない。施蓋材料は、ライナーと同じ材料であり得るか又は異なり得る。
【0186】
[0205] 一実施形態では、容器は、その面に剥離可能に積層されたライナー及び施蓋を付けてライナーに取り付ける造形された基板の一部に対応する大きさ並びに形状を有する施蓋のロールとして又は片としてのいずれかで供給された個別の施蓋材料を有する、造形された基板(例えば、トレー又はボール)を含むキットの形態で供給される。
【0187】
[0206] 別の実施形態では、容器は、その面に剥離可能に積層されたライナーを有する造形された基板(例えば、ボール又はトレー)の形態で供給され、施蓋は、ライナーの延長部として存在し、延長部がライナーを破って基板の一部にわたって折り畳み、ライナーに取り付けることができるように造形されて位置付けられる(例えば、「フラップを備えたボール」であり、フラップは、フラップとボールの周辺が担うライナーの一部との間を封止できるようにその周辺に沿って十分に重なりでボールの形状を十分に覆う大きさ及び形状を有し、フラップは、フラップがボールのオリフィスにわたって折り畳み、周辺全体の周りのこのような封止を促進するためにその周辺の周りのライナーに接触することができるように位置付けてサイズ化される)。
【0188】
[0207] なお別の実施形態では、容器は、基板材料に(追加の高分子層、接着剤、障壁組成物若しくは片間に介入した他の材料を備えて又は備えずに)対向するライナー材料の片を有する基板材料の造形されていない(すなわち実質的に平坦又は平面の)片の形態で供給される。基板及びライナーは、同時に熱成形することができ、施蓋は、その後、ライナーに取り付けられる。一層別の実施形態では、ライナー及び施蓋は、ライナー及び基板を可逆的に取り付ける前に互いに取り付けられる(区画を形成し、任意選択で物品を包む)。
【0189】
[0208] 高分子シートの接着
[0209] 本明細書に開示されたように、高分子材料の様々な層(シート)は、積層された容器及び他の物品を形成するために組み合わせるように意図するが、層/シートは、多くの実施形態では依然として互いから分離できる(例えば、普通の人の力を使用して剥がすことができる)ように意図する。本明細書に記載された接着剤は、このような積層構造を組立てるために使用することができる。しかし、一部の用途(例えば、食品容器)では、積層構造は、積層間に接着剤を介入するものではないが、それにも関わらず、積層が使用者によって物品から剥がされるまで、積層が比較的確実に互いに関連したままである積層した物品をもたらす手法で作成されることが好ましい。本明細書に開示されているのは、介入した接着剤を使用することなく、他の高分子の表面に剥離可能に接着する高分子シート並びにこのようなシートを作成し、使用する方法である。
【0190】
[0210] 類似していない高分子シート(例えば、ベアフットPE及びPETシート)は、概して静電荷の差なしに互いに接着せず、介入した湿潤剤、シーラント又は接着剤、高分子層の同時押出が存在し、一方若しくは両方のシートに接着を増進する添加剤を含むか、或いは互いに付勢している間に一方若しくは両方の高分子シートをその溶融点より高く加熱することが周知である。これらの方法は、高分子シートを接着するために使用できるが、それらの有用性は、本明細書に記載された積層した物品の一部の作成に限定される。
【0191】
[0211] 例として、政府規制、適正製造基準及び隣接した高分子シート間に薬剤(例えば、接着剤)を介入する追加費用のために、多くの化学物質は、食品を包装する材料に使用されず、食品容器は、好ましくは、不要の構成要素を含まない。そのために、接着剤、湿潤剤又は高分子層間に介入した他の化学薬剤がない容器を作成することが好ましい。本明細書に記載された物品の一部は、食品を含有するために使用することができ、食品と積層間の接着剤又は他の薬剤との間の接触(高分子層にわたって若しくは高分子層の周りのこのような薬剤の移動などによる直接接触又は間接接触)は、汚染及び規制の懸案事項を起こす可能性がある。少なくとも一部の実施形態では、本明細書に記載された食品容器(及び他の容器)は、好ましくは、剥がせる高分子層間に介入した接着剤又は他の材料を含まず、代わりに、この章に記載されたような接着可能な高分子シートを組み込む。
【0192】
[0212] また、高分子シートを互いに剥離可能に接着させる方法は、このような方法が大規模に使用することを困難にさせる製造の限界を課す可能性もある。例として、一部のPEフィルムは、PEがその溶融点より高く加熱され、PETに圧迫された場合、PET基板に剥離可能に接着することができる。従って、例えば、2ミルのPEシートは、2つのシートを積層すること及びシートがPEの溶融を誘発する高温のニップローラを通過することにより、20ミルのPET基板に剥離可能に接着することができる。しかし、このような工程は、高温のニップがPEフィルムに熱を伝達できる速度を制限する可能性があり、それによって処理速度が比較的遅くなり、商業規模の製造が実行困難になる。同様に、接着剤及び湿潤剤を2つの高分子シート間に高温処理速度で十分に確実に送達することは困難である可能性がある。接着可能な高分子シートを使用して作成した物品は、これらの工程の限界が存在しないため、概してより大きいライン速度で製造することができる。
【0193】
[0213] 高分子シート間の接着剤、浸潤剤又は他の材料の介入は、熱成形製造工程の副産物として生成される「ウェビング」のリサイクル性(すなわち製造工程中に製造した物品からトリミング又は押し出した積層した高分子材料)も低減することができる。ウェビングの積層した高分子シートは、いずれのシートにも接着した接着剤又は他の薬剤を有することなく、互いから分離することができるため、得られる分離したシートは、このような薬剤を利用する類似の工程からのシートより容易にリサイクル又は再使用することができる。
【0194】
[0214] 本明細書に記載された積層した物品は、介入した接着剤若しくは浸潤剤を使用することなく、且つ熱成形する前に熱を加えることなく、互いに剥離可能に接着することができる高分子シートを使用して作成できることが発見された。他の高分子に剥離可能に接着する高分子シートは、特に他の高分子に接着するシートの面が、ブロー金型成形工程において液体を急冷することにより、又はシート注入成形工程において液体(若しくは液冷式金属表面)を急冷することなどにより、急速に冷却されたシートを含む。このようなシートは、低温のニップローラ工程を使用することなどにより、他の高分子に対して急速に冷却された面に対向し、他の高分子に向かってシートを付勢することによって剥離可能に接着することができる。急速に冷却された面は、比較的厚い基板シートの面に付勢された薄いライナーシートの面であり得る。別法として、比較的厚い基板シートの面は、急速に冷却され、比較的薄いライナーシートの面に付勢することができる。いずれの構成でも、急速に冷却された面を他方に付勢することにより、特に2面が一緒に大きい領域にわたってコヒーレントに付勢される場合、2つのシートをローラと第2のローラなどの別の表面との間で互いに対して圧縮することなどにより2面が接着する。実際に、対向する両面は、急速に冷却することが可能である。
【0195】
[0215] 剥がせる接着を生じる急速に冷却された高分子シート面の特質は、その粘着性、変形能及び凝集性を含むと考えられる。これに関連して、「粘着性」は、少なくとも指が表面に垂直な方向に表面を押圧し、同じ方向に引き抜いたとき、人の指腹に解放可能に接着する感触などのわずかな粘度の粘性触感を提示することに関する。また、「粘着性」は、急速に冷却された高分子面が基板面に付けられたときに測定可能な静摩擦の係数によって測定可能であるような摩擦の提示にも関する。比較的粘着性がある材料は、同じ表面に対して静止した粘着性が少ない材料より、基板表面に対して静止したときに静止摩擦がより大きい係数を提示する。「変形能」は、その元の形態からずらし、それに付勢される高分子面の形態により近く酷似する急速に冷却された高分子面の能力に関する。「凝集性」は、高分子表面に付勢したときに実質的に単一の高分子物質を留めるために(すなわち引き裂く又は破砕することなく)急速に冷却された高分子面の能力に関する。
【0196】
[0216] この章に記載された材料は、「急速に冷却された」高分子シートと呼ばれるが、これらの材料の有益性は、必ずしも急冷期間に依存しない。代わりに、有益性を材料に役立てる急速に冷却された高分子シート面によって提示される特質(すなわち粘着性、変形能及び凝集性)の組合せである。当業者は、高分子焼鈍しの持続時間のみに依存しない方法及び反応条件の使用を通して急速に冷却することによって達成できる、高分子シートの表面及び体積特質を模倣できることを認識されたい。例として、高分子鎖の焼鈍し並びに非晶質及び結晶化領域間のそれらの分布は、湿潤性、温度、溶媒の存在、成核剤(若しくは成核防止剤)の存在及び当技術分野で公知の他の要因によって影響を及ぼされる可能性がある。動作のあらゆる具体的な理論によって束縛されることなく、高分子シートの表面で結晶化度の程度及び範囲を低減することは、高分子表面の粘着性を高めるために重要な要因であると考えられ、結晶化度の程度及び/又は範囲を低減する傾向がある方法並びに反応条件が好ましい。依然として動作のあらゆる具体的な理論によって束縛されることなく、比較的低い密度が高分子表面で急速に冷却することによって誘発される別の好ましい特性であると考えられるが、比較的低い密度が粘着性の原因であるか、粘着性と一致するか又は両方のいずれであるかは、不明である。比較的低い密度は、ほとんどの高分子に対して定序性が少ない(例えば、結晶性が少ない)高分子構造と一致する。その上、異なる密度を有する高分子相中の相変換は、このような相変換を(例えば、積層中にローラ間で圧縮する際に)受け得る高分子内の接着に寄与することができる。
【0197】
[0217] 接合に介入した接着剤の有無に関わらず、ライナーシートと対向する基板シートとの間に有効に維持された接着剤の程度は、好ましくは、接着の程度が十分であるため、ライナー及び基板は、基板からライナーを実質的に剥離することなく造形された物品内に積層して熱形成することができる。より好ましくは、接着の程度が十分であるため、物品は、実質的な剥離なしに形成できるだけでなく、実質的に意図しない剥離なしにその意図した最終使用に利用することができる。物品の用途及び使用に依存して、接着のより大きい又はより小さい程度が、隣接したライナーシート間において具体的には個別に剥がせるライナー層を有することを意図する用途及び物品に望ましい可能性がある。
【0198】
[0218] 例として、それに剥離可能に接着したライナーを備えた厚く堅固な基板を有する本明細書に記載された食品容器に対して、ライナーは、剥がせる漏れ防止「ポケット」を形成するためにその周辺の周りに結合したリッドストック材を有し、ライナーは、好ましくは、十分な程度に基板に接着するため、ライナー及び基板は、(意図的に形成されたタブ、例えば基板からライナーを剥がすことを促進するために含まれたタブ以外に)ライナーが基板から実質的な程度に剥離することなくトレーの形状に積層されて熱成形できる。より好ましくは、食材は、トレーに接着した漏れ防止の食材を含有するポケットを形成するために、トレー及び食材の周りのライナーに熱封止した(例えば、ライナーとリッドストックとの間から気体を取り除くために真空下で)リッドストックの上に置くことができ、ライナーと基板との間の接着の程度は、十分であるため、これらの動作は、基板からライナーを実質的に剥離することなく実行することができる。一層より好ましくは、接着は、包装された食材が食材の卸売及び小売販売に通常一致する取り扱い及び保管条件を受けるときでも、このような剥離が食材を消費するために個々の所望によって意図的に開始されるまで、実質的に基板からライナーが剥離しないような程度である。
【0199】
[0219] 2つの接着された高分子シートの摩擦係数及び他の特性は、典型的には経験的に評価され、選択された物品又は用途が数字よりむしろ機能的に規定される傾向があることが望ましいのは、特性の大きさ及び組合せであることが当業者に理解される。従って、本明細書に記載された物品を作成して使用しようとする当業者は、本開示に教示されたことを考慮して、所望の目標を達成するために十分な特性を提示するために、妥当な試行錯誤を通して経験的に決定される材料を選択することが多いであろう。
【0200】
[0220] 動作のあらゆる具体的な理論によって束縛されないが、高分子の比較的急速な冷却は、互いに対して高分子鎖の非晶質構成を保ち、高分子鎖の結晶化を低減する傾向がある一方、より遅い冷却は結晶質の形態及び他の定序性高分子構成を促進する。比較的無秩序の高分子鎖形態は、結合能力を提示する鎖上の化学部分が、同じ高分子の他の鎖に結合せず、従って表面で一部と結合するために利用可能なままであるため、それらが接触する表面と結合する高分子鎖の能力を(定序化した形態より多く)高めると考えられる。また、比較的無秩序な高分子鎖の形態は、このような表面に付勢する際にずれる高分子鎖の能力を(定序化した形態より多く)高めるとも考えられる。従って、急速に冷却された高分子材料は、対向する表面により近接対向して一致し、同じ高分子から構成された材料でも、より遅く冷却できる材料より表面を結合する部分のより多く/濃度を表すことができると考えられる。対照的に、遅く冷却した高分子内の鎖は、それ自体がより安定した形態及びエネルギーの鎖間の構成と仮定するように再配列することができ、それによってこのように遅く冷却した高分子が付勢する表面との「接着の反応可能性」が低減する。
【0201】
[0221] 結晶性の程度は、高分子シートの遮断性を比較的予想可能な方法で影響を及ぼすことが公知である。例として、ナイロン及びEVOHフィルムの酸素透過性は、結晶性の程度が増加するにつれて低減する傾向がある。従って、ライナー並びに基板シート(及びシート内の層)のための高分子の選択は、それらの特性を考慮するべきである。例として、2つのLLDPE層間にEVOH層を挟むことによって形成されたライナーシートのEVOH層は、同一の寸法及び組成を有する層を有するシートが通常の(空気)ブロー押出工程によって形成される場合より、シートが液冷式ブロー押出によって形成された場合、より高い酸素透過性を有することができる。このような場合、液冷式ブロー押出をしたライナーシートのEVOH層の厚さは、シートが(空気)ブローしたシートと同じ酸素遮断性を提示するべき場合に増加する必要があることがある。公知の高分子シート設計のこのような修正は、経験的試行が必要であり得る場合でも当業者に公知の範囲内である。
【0202】
[0222] 高分子の変形能が増加するにつれて、高分子表面に剥離可能に接着するために必要な粘着性が少なくなる点で、急速に冷却された高分子の粘着性及び変形能が関連すると考えられる。同様に高分子の粘着性が増加するにつれて、高分子表面に剥離可能に接着するために必要な変形能が少なくなると考えられる。当業者は、高分子の組成、特質及び製造方法が、妥当な経験的試行を通して調整されることが多いことを理解し、このような試行は、こうした当業者に周知の範囲内である。
【0203】
[0223] 冷却した高分子面とそれを接着する高分子表面との間の接着力は、本明細書に記載された物品の製造中及びそれらを通常の(予め剥がす)使用中に接着を維持するように十分であるべきである。冷却した高分子面及び高分子表面が接着される固着性は、2つの高分子が普通の人の力の使用者によって分離できないほど大きいべきではなく、またいずれかの高分子が他方から剥がす前に破れるほど大きいべきでもない。例として、急速に冷却された高分子シートを基板のためのライナーとして使用する小売食品容器では、ライナーは、容器が作成され、充填するために食品加工業者に輸送され、処理、輸送並びに卸売及び小売販売を通して食品を含有するために使用される際、それに接着して留まるように十分に付着して基板に接着するべきである。
【0204】
[0224] ライナーシートと基板シートとの間の接着が不十分である欠点は、シートが互いに対して均一に押圧しない場合、積層中にシート間にエアポケットが含まれる可能性があることである。このようなエアポケットの形成は、積層したシートが非常に鋭く「挟まれた」場合、すなわち、積層したシートは、平面形態から偏向され、偏向の曲率半径が小さ過ぎる場合に誘発される可能性がある。その薄板間にエアポケットを有する積層したシートが熱成形されたとき、熱成形の熱によってポケット内の空気が膨張し、接着するように意図されていたシートの部分間の接着を妨げる可能性がある。本明細書に記載された造形された積層物品を作成するために使用する材料及び工程は、従って、エアポケットの発生を低減するために選択するべきである。エアポケットの発生を低減できる2つの重要な方法は、互いにシートを面一に積層することによること(すなわち高温又は低温ローラを通過することなどにより、実質的に皺がなく互いに対して対向する平面で)、及び積層したシートが受けるあらゆる偏向の湾曲角度を低減することによることである。誘導として、多くの熱成形及びプラスチックシートの積層工程は、2インチ未満の曲率半径を有するあらゆる角部の周りにシートを敷き詰めさせることなく実行でき、互いに対して面一に接着し、2インチ以上の曲率半径を有する角部の周りを屈曲するとき、積層したままであり、シート間にエアポケットの余地がない材料の選択は、本明細書に記載された物品を作成するのに適するべきである。
【0205】
[0225] このような容器は、キットの形態で販売することができ、キットは、急速に冷却された面及びライナーシートと(接着、付着又は溶融により)結合するように適合された施蓋材料によってそれに接着した高分子ライナーシートを有する基板を含む。このようなキットを使用して、食品加工業者、小売業者又は他の人々は、物品がライナーに接触し、リッドストックを物品の周りのライナーに結合することにより、区画内の物品を封止する表面で容器上又は容器内に物品(例えば、食材)を置くことができる。
【0206】
[0226] 本明細書に記載された接着可能な高分子シートを作成する材料は、本明細書に記載された特質を提示することができるべきであること以外に重要ではない。例として、PE及び他のポリオレフィンは、急速に冷却できる適切な材料であると考えられ、それらの製造中にそのように冷却されるとき、本明細書に記載された特質を提示する。適切に接着可能な高分子シートは、例えば、PE及びULDPE高分子並びに低温のニップローラを使用して圧縮して一緒に付勢された後に熱成形するとき、平滑なPET基板に剥がせる接着を提示した急速に冷却された高分子面を急速に冷却することによって作成される。
【0207】
[0227] 急速に冷却された表面を有する多層フィルムは、急速に冷却された高分子がシートの少なくとも一表面上に存在する限り、接着可能な高分子シートとして使用することができる。両面上に急速に冷却された高分子を有するシートが適切であり、例えば急速に冷却された高分子面をそれらの正面に有する2つのシートを背中合わせに接着することによって製造することができる。このような二重面シートは、その間に介入した二重面シートを有する2つの基板を有する積層を押圧することにより、2つの高分子基板を互いに剥離可能に接着するために使用することができる。
【0208】
[0228] 接着可能な高分子シートに接着する表面の特質は、重要ではない。しかし、このような表面は、それにシートの近接対向及び急速に冷却された高分子層と基板との間を結合することを促進するように比較的平滑であるべきである。高分子基板(例えば、PET、PETG及びポリスチレンなど)が適切であると考えられ、他の高分子も同様に疑う余地がない。
【0209】
[0229] 本明細書に記載された接着可能な高分子シートを製造する方法は、重要ではなく、実際に接着可能な高分子の面がその製造中に溶融状態から急速に冷却されるより、はるかに重要性が低いと思われる。製造の好ましい方法は、液冷式ブロー押出工程による。液冷式ブローフィルムの押出を実行するための器具は、少なくとも2つの製造業者、Windmoeller & Hoelscher Corporation(米国ロードアイランド州のLincoln、特にAQUAREXブランドの水冷式ブローフィルム押出装置)及びBrampton Engineering(カナダオンタリオ州のBrampton、特にAQUAFROSTブランドの水冷式ブローフィルム押出装置)から入手可能である。フィルムの少なくとも1つの面が急速に冷却する際に本明細書に記載された特質を提示することができる高分子から作成され、その面が急速に冷却される限り、様々なフィルム注入成形システムも使用できる。
【0210】
[0230] 高分子シート全体を急速に冷却するより、むしろこのようなシートの1つ又は複数の部分のみを急速に冷却することができる。例として、溶融した高分子押出物は、既存のフィルムの上に層状にし、次いで(例えば、液体で溶融した面を浸すことにより、溶融した面を担うフィルムを液体中に浸すことにより、又はその中を循環する冷水を有する金属ローラ又は押出機と連結された液冷したダイなど、溶融した面を液冷した金属表面に押圧することにより)急速に冷却することができる。さらに、例として、高分子シートは、従来の方法で形成することができ、その面は、急速に冷却されない。シートの面は、その後、(シートの他の部分が溶融されるかどうかに関わらず)溶融することができ、溶融された面は、急速に冷却される。
【0211】
[0231] 一実施形態では、剥がせる表面を有する造形された物品に熱成形するのに適切な高分子シートの積層(例えば、食品容器)は、少なくとも2つの高分子シートを積層することによって作成され、2つの隣接したシートの対向する面の少なくとも一方は、本明細書に記載された特質を有する急速に冷却された表面を有する。積層時に(例えば、低温のニップローラ又は他の圧縮装置間を積層したシートが通過することにより)、シートは、互いに剥離可能に接着する。3つ以上のシートは、各対の隣接したシート間の少なくとも1つの表面が、本明細書に記載された特質を有する急速に冷却された表面を有する場合、この手法で剥離可能に積層することができる。当然のことながら、複数のシートの積層も作成することができ、本明細書に記載された特質を有する急速に冷却された表面が存在するために剥離可能な隣接したシートもあれば、それらの間に介入した剥がせる接着剤が存在するために剥離可能な隣接したシートもある。
【0212】
[0232] 別の実施形態では、複数の同一シートは、基板の上に層状にされ、各対の隣接したシートの少なくとも1面に本明細書に記載された特質を有する急速に冷却された表面が存在するために、構造から個別に剥離可能である。従って、存在するために、リサイクルしたPET基板は、二層フィルムの複数の積層したシートで覆うことができ、二層フィルムの各シートは、未使用のPET層に関連した急速に冷却されたULDPE層を有する。基板に隣接したシートの急速に冷却されたULDPE層は、基板に剥離可能に接着し、その対向面上に未使用のPET層を表示する。シートのULDPE層が第1のシートの未使用のPET層に剥離可能に接着するようにその上に積層されるのは、第2のシートであり、第2のシートは、基板から離れて据えられたその未使用のPET層を有する。追加の層は、その上に積層することができ、積層は、熱形成することができ、積層の厚さは熱成形機の動作特性及び積層内の高分子の熱成形性のみによって実質的に限定される。同様に、(基板に隣接した)第1の高分子シートは、シートが一面で基板に剥離可能に接着し、PETとULDPEの二層シートの未使用のPET層に剥離可能に接着できる急速に冷却されたULDPE層がその他方の面に存在するように、PETシートの両面に関連した急速に冷却されたULDPEを有することができる。追加の二層シートは、その上に積層することができ、それぞれは、そのPET面を備えて基板にほぼ面する。
【0213】
[0233] 容器の作成
[0234] 本明細書に記載された物品は、公知の熱成形装置及び条件を使用して作成できる。当然のことながら、装置及び条件は、処理する材料の識別及び特性に基づいて選択するべきである。処理する材料の識別に基づいた適切な熱成形条件の選択は、当業者に公知の範囲内である。
【0214】
[0235] 容器は、ライナーを基板に可逆的に取り付けることにより、また材料を含有するための区画を形成するために施蓋をライナーに取り付けることにより形成される。
【0215】
[0236] 基板は、ライナーをそれに取り外し可能に取り付ける前後に所望の形状に形成することができる。しかし、少なくとも熱成形した容器に対して、ライナーを基板に同時に(若しくはほぼ同時に)取付けてライナー及び基板の一方又は両方を形成することが便利である可能性がある。好ましくは、基板は、ライナーより実質的に大きい厚さを有する(例えば、10、20又は50ミルの基板は1、2又は5ミルのライナーと結合することができる)。好ましくは、ライナー及び基板のいずれも熱成形可能であり、好ましくは一般的な熱成形条件である。
【0216】
[0237] 一実施形態では、基板、ライナー及び施蓋は、熱成形条件を同時に受け、ライナー及び基板の可逆的な取付並びにライナー及び施蓋の取付は、熱成形操作において実質的に同時に起きる。この方法で作成した容器の区画内に物品を含有することは、熱成形操作後に区画が開いたままであるか、又は物品が熱成形に続いて区画内に含有されるように、熱成形中にライナーと施蓋との間に介入するいずれかを必要とする。
【0217】
[0238] 1つ又は複数のタブは、基板とライナーとの間、ライナーと施蓋との間又は両方に介入することができる。タブが2つのシートの縁部を越えて延在する場合、タブは、熱成形又は封止後に第1のシートの分離を促進するために使用することができる。タブは、いずれかのシートに取り付けることができ、又はいずれのシートにも取り付けないことも可能である。
【0218】
[0239] 一実施形態では、タブは、基板に上に置くライナーシートの下部表面に比較的堅固に接着される。タブは、上に置くライナーシートが下に置く基板からタブを掴み、タブによって上に置かれるシートを引っ張ることによって剥離できるように、下に置く基板に剥離可能に接着されるか又は接着されない。タブは、例えば、それ自体の上にライナーの片(例えば、角部)を折り畳むことによって形成することができる。
【0219】
[0240] 第2の実施形態では、タブは、基板の造形された表面に比較的堅固に接着し、上に置くライナーシートが、タブの上に置いて上に置くライナーシートをタブの場所で一部を剥がし始める、上に置くライナーシートの縁部を(例えば、指の爪若しくはフォークの先などの縁部器具で)擦り、次いで上に置くライナーシートの一部を剥がした部分を掴み、一部が剥がれた部分を引き寄せることにより上に置くライナーシートの残余部を表面から手動で剥がすことにより、上に置くライナーシートを表面から剥がすことができるように、上に置くライナーシートに剥離可能に接着されるか又は接着されない。
【0220】
[0241] 高分子シートの緩い積層は、本明細書に記載された材料及び方法を使用して熱成形することができるが、(例えば、シートの組合せ、保管、輸送、取り扱い、製造及び位置合わせを促進するために)熱成形する前に基板及びライナーシートを互いに結合することが便利である可能性がある。シートを互いに結合するために使用する手段は、重要ではないが、好ましくは熱成形するべきシートの領域におけるシートの特質に影響を及ぼさない。例として、シートは、第1及び第2のシートの共通の縁部に塗布した糊を使用して、シートの共通の縁部の溶融により、シートを一緒にステープルで留めることにより、シートの造形された部分と異なるシート間の領域でシート間に塗布した接着剤を使用してシートを一緒に接着することにより、又はそれに向かって若しくは対向して接着したライナーシートを有する基板シートの連続した(すなわち幅よりはるかに長い)ロールを提供するなどの他の手段により一緒に結合することができる。
【0221】
[0242] 容易に剥がせるリッドストックと、ライナーと、基板との構成
[0243] 食品トレー及び剥がせるライナーを有する他の容器の利点(例えば、リサイクル性)は、トレー及び封止した区画を形成するために最上ライナーに取り付けたリッドストック材料をさらに含む他の容器の利点のように、本明細書のいずれかの箇所に記載されている。区画を破損する必要なく容器からライナー及びリッドストックを取り除くことができる容器を作成することが有利である可能性がある。容器基板から損傷せずに区画を取り外すことができる容易性は、このような取り外しを行う使用者に容器の望ましさに影響を及ぼすことができる。このような容器は、その中に含有された物品の販売場所で展示することができ、この場合に容器の外観も重要である。この章に記載されたのは、これらの特質を提示することができる基板、ライナー及びリッドストックの構成である。
【0222】
[0244] この構成では、リッドストック及びライナーは、ライナーがライナーの下に置く表面に容器の少なくとも一部で好ましくは容器の周辺に沿って接着するより粘り強く互いに接着する。その上、比較的粘り強く結合する帯域は、ライナーとリッドストックとの間に形成された区画がライナーの下に置く表面からリッドストックを掴んで剥がすことによって無傷で容易に剥がすことができるように、好ましくは少なくともライナーシートの1縁部に沿って起きるべきである。リッドストックがライナーの縁部でライナーに比較的粘り強く接着しているため、ライナーに向かってリッドストックを持ち上げることにより、ライナーの縁部で基板から持ち上げて離す際に基板からライナーを剥がし始める。この構成は、従来の方法などのそれにリッドストックを付けることにより、本明細書に記載された熱成形可能な積層からの容器の製造を促進する。
【0223】
[0245] 一構造では、比較的厚い基板(例えば、20~40ミルの厚さのPET)は、それに接着した単一の比較的薄いライナー(例えば、1~6ミルの厚さ)を有する。この実施形態では、薄いライナーは、基板の実質的に全面にわたって基板に剥離可能に接着するポリエチレンシートなどのホモ高分子シートである。基板及び接着したライナーは、それを囲むリムを有する凹部を含む形状(例えば、積層したシートを熱成形することによって形成された)を有し、リムは、好ましくは、凹部の周囲の周りのリムに接触する平坦なシートが凹部を封止するように実質的に平面である。リッドストック材料(例えば、1~10ミルの厚さのホモ高分子又は積層した高分子シート)は、凹部のリムの周りのライナーに接触し、リッドストック材料が凹部の周囲内に実質的に平坦な形状を有するように張り詰めることが好ましい。リッドストックは、リムの少なくとも1つの部分でライナーに接着又は融合し、好ましくは凹部の周辺全体の周りに接着又は融合する。ライナー及びそれに接触するリッドストックの面が実質的に同じ材料(同定に必要な程度は当業者に理解される)から作成される場合、ライナー及びリッドストックは、それぞれを材料の溶融温度より高く加熱することによって融合でき、ライナー及びリッドストックに接触し(これらの用語は、プラスチックの包装分野に使用されるように、高い衝撃封止又は低い衝撃封止を形成することなどにより、好ましくはそれらを互いに付勢し)、次いで材料を融解温度より低く冷却する。ライナーは、ライナー/基板の積層の少なくとも1つの縁部でリッドストックに接着又は溶融する。接着又は溶融は、リッドストックが基板から離れる方向に引かれると、十分に弾性であるため、ライナーは、基板から剥がれる。得られる包装は、ライナーが基板と係合している間にリッドストックとライナーとの間に形成された区画内に物品(例えば、食品物品又は感液区画)を囲むため、及び必ずしも区画を破壊することなく(例えば、リッドストックがライナー/基板の積層の縁部に接着又は溶融される位置でそれからリッドストックを剥がすことにより)基板から区画を剥がすために有益である。任意選択で、容器は、リッドストックとライナーとの間の区画への接近を促進して再閉鎖するために、リッドストック内又はリッドストックとライナーとの間のいずれかに配置されたジッパー式の再閉鎖可能な開口を含むことができる。
【0224】
[0246] 代替実施形態では、容器は、穿孔ライナーと非穿孔ライナーとの間に形成された流体貯蔵部を含む区画の実施形態などの2つ以上のライナーを含み、少なくとも1つのライナーは、リッドストックに接着又は溶融される。例として、容器は、凹部を含むように形成された基板を有することができ、凹部を規定する少なくともその一部で基板に剥離可能に接着した非穿孔ライナーを有し、穿孔ライナーは、凹部のリムの周りの非穿孔ライナーと溶融し(任意選択で接着し)、リッドストックは、凹部のリムの周りの穿孔ライナーと接着又は溶融し、穿孔ライナーの縁部まで含む。リッドストックが基板から剥がれて離れるとき、少なくとも穿孔ライナー(及び任意選択で穿孔ライナーと溶融する場合などの非穿孔ライナー)は、凹部から引いて離れ、リッドストックと穿孔を通して嵌合できない穿孔ライナーとの間の区画内のあらゆる物体を伴う。非穿孔ライナーが基板から同時に剥がされない場合、穿孔を通過することができる材料(例えば、液体)は、区画内の他の材料から分離することができ、基板と関連したままであり得る(且つ放出若しくは注ぐことにより、又は基板から非穿孔ライナーを剥がすことにより対象からその後切り離すことができる)。例えば、非穿孔ライナーがリムの周りに穿孔ライナーと溶融される場合、リッドストックとライナーとを互いから分離することなくリッドストックを容器から剥がして離すことにより、穿孔より大きい材料及び穿孔より小さい材料のいずれも含有することができる区画から剥がして離れる。従って、例えば、このような容器は、容器の凹部内に肉の切片を含有するために使用することができ、肉によって染み出した液体は、穿孔ライナーと非穿孔ライナーとの間の流体貯蔵部内に移動することができ、肉は、基板から封止した区画内に除去することができ、あらゆる染み出した液体は、同時に(リッドストックを剥がすのと同時に基板から非穿孔ライナーを剥がすことにより)、又は(リッドストック及び関連した区画を最初に剥がし、その後、基板から非穿孔ライナーを剥がすことにより)区画を取り除いた後のいずれかに除去することができる。
【0225】
[0247] 様々な実施形態において、1つ又は複数のライナー及びリッドストックは、遮断性、引張強度、接着性、対向する高分子面との溶融能力、隣接した積層との接合能力又は他の特質を授ける様々な高分子積層を有するシートなどの複数の積層高分子シートであり得る。また、ライナー及びリッドストックはホモポリマーシートであることも可能である。
【0226】
[0248] 基板は、複数の凹部を有することができ、その中のそれぞれの凹部は、同じライナーシート又は異なるライナーで覆うことができる。一部又は全ての凹部は、それに付けた単一片のリッドストックを有することができる。同様に、(同じ材料若しくは異なる材料から構成された)複数片のリッドストックは、単一凹部の周りに又は単一凹部にわたって固定することができる(例えば、平行な縁部を有する2片の接近して離間したリッドストックは、リッドストック片の縁部によって規定された切込み以外には閉じている区画を得るために凹部にわたって固定することができる。製造、充填及び組立を容易にするために、容器を2片、すなわち基板及びそれに(好ましくは基板とライナーの積層を熱成形することによって形成した任意の凹部を含む形状で)剥離可能に結合した全てのライナーを含む第1の片並びにリッドストックを含む第2の片に容器を製造し、その後、所望の品目(例えば、凹部内の電子部品若しくは鶏肉部位)で容器を満たし、その後、造形して充填したライナーと基板の片にリッドストックを封止することが好ましい。第1の片は、複数の分離可能な容器を含むことができ、それぞれは、凹部を有し、リッドストックをそれに封止した後に第1の片を切断するか又は破ることによって分離可能である。
【0227】
[0249] この章に記載された型の容器は、基板からリッドストックを剥がす際に基板から少なくとも1つのライナーを剥がすことを促進する手法で容器が形成されて造形される場合に特に有利である可能性がある。これは、接着した/溶融した縁部を過ぎてリッドストックを剥がすことにより、ライナーをその下にある表面から(すなわち基板から若しくは基板とリッドストックに接着した/溶融したライナーとの間に介入した別のライナーから)剥がすことを開始するように、ライナーの縁部でライナー及びリッドストックを接着又は溶融することによって達成することができる。このような接着/溶融は、ライナーを接着する前にライナー及びリッドストックを接着又は溶融することによって達成することができる。しかし、このような製造方法は、実行することが困難である可能性があり、ライナーとリッドストックとの間の品目を包装することを妨げる可能性がある。より典型的には、基板を接着したライナーは、リッドストックから別個に製造され、リッドストック及びライナーは、ライナーとリッドストックとの間に形成した区画内に品目を包装した後に接着され又は溶融される。
【0228】
[0250] ライナーの縁部は、接着/溶融工程中にライナーの縁部をリッドストックと接触させることにより、リッドストックと接着又は溶融することができる。製造を容易にするため、縁部を強化するため及び美的理由のため、熱成形した容器は湾曲した又は屈曲した縁部を有することが多い。リッドストックを容易の縁部に結合することは、典型的には、先行技術の容器に特に関与しない。代わりに、リッドストックは、通常、それに付けた後に容器の縁部付近でトリミングされ、リッドストックの縁部は、その縁部により接近して嵌合するために容器の縁部の周りを丸め又は収縮するように場合により加熱される。この章に記載された構成では、基板に接着したライナーの縁部は、それからリッドストックを剥がす際にライナーが基板から剥がすことができるように、リッドストックに比較的粘り強く(ライナーが基板に結合する粘着性に比べて)結合することが重要である。ライナー縁部をリッドストックに結合することを促進するために、ライナー縁部はリッドストックとライナーを(接着、付着、溶融又は別法により)結合する際、リッドストックに近接対向させるべきである。このような近接対向は、実質的に当技術分野に公知のあらゆる手法で達成することができる。
【0229】
[0251] ライナーの縁部及びリッドストック材料をその間で結合中に近接対向させることができる1つの方法は、ライナーの縁部が周囲条件(例えば、温度、放射、圧力、接着剤の提供)の適用中にリッドストックに対して保持されることにより、リッドストック及びそれと接触するライナーの部分が結合する形態にリッドストック及びライナーを一緒に付勢することによる。例として、リッドストック材料のライナーを結合する面と同じ材料から構成されたリッドストックを結合する面を有するライナーは、2つの面を共通の材料の溶融温度以上の温度で接触させることにより、リッドストック材料と結合させることができる。
【0230】
[0252] リッドストック材料に加えた剥がす力がリッドストックに結合したライナーに伝達される場所が公知であるとき、リッドストックとライナーとの近接対向によりライナーとリッドストックとの結合中にその場所に維持できることが好ましい。同様に、このような近接対向がライナーとリッドストックの結合中に維持される場所は、その場所が剥がすために適切な場所として容器の使用者が選択できるように、完成した容器上に示すことができる。
【0231】
[0253] 障壁組成物
[0254] 物品に使用する高分子シート間に介入することができる障壁組成物の規定及び組成物並びに本明細書に記載されたような方法は、重要ではない。材料が少なくとも1つの高分子を熱成形できる条件下で2つの高分子の溶融を実質的に防止する限り、実質的にあらゆる材料が2つの高分子間の障壁組成物として使用できることを当業者は認識するであろう。広範囲のこのような組成物はこのために公知である。食品を使用するように造形された物品を作成するために使用する障壁組成物は、当然のことながら、食材と適合性があるように選択されるべきである。
【0232】
[0255] 適切な障壁組成物の例には、接着剤(例えば、感圧接着剤などの剥がせる接着剤)、公知の高分子離型剤、高分子層間に介入した高分子フィルム又は紙フィルム及び低粘着性シリコン油を含む様々な液体が含まれる。
【0233】
[0256] 2つの表面間(本明細書に記載されたように第1の高分子シートと第2の高分子シートとの間又は2つの第2の高分子シート間)に介入した組成物は、組成物が熱成形する条件で2つの表面の少なくとも1つを覆う場合、2つの表面間で障壁組成物として作用することができ、それによって熱成形する条件で表面同士の接触及び2つの表面の溶融を防止する。
【0234】
[0257] 障壁組成物は、熱成形する条件で表面間に介入したときにのみ、対向した高分子表面の溶融を防止する。その理由で、障壁組成物は、表面間の溶融が望ましくない全領域の上で表面間に介入しなければならない。これは、液体及び固体の障壁組成物の使用を含む様々な方法で達成することができる。一部の部分の上で溶融されるのではなく、少なくとも1つの部分(例えば、1つの角部でトレーの単一の脆弱な延長部のみで溶融された肉用トレーの積層)で溶融される複数の造形された物体を作成するために積層を熱成形するべきとき、障壁組成物は、溶融されていない領域において高分子シート間に介入されるが、溶融が望ましい領域において高分子シート間に介入しない。
【0235】
[0258] 液体障壁組成物は、溶融が望ましくない全領域にわたり、液体障壁組成物が少なくとも1つの表面を完全に覆う(すなわち湿らせる)ように選択するべきである。これは、液体が接触する表面の表面エネルギーより非常に大きい(すなわち1センチメートル当たり少なくとも2ダイン、好ましくは1センチメートル当たり少なくとも10ダイン大きい)表面張力を有する、液体障壁組成物(すなわち液体障壁組成物が表面と接触する時点で液体であるかどうかに関わらず、少なくとも熱成形する条件で液体である組成物)を選択することによって達成できる。この表面エネルギーの差異は、液体障壁組成物が、溶融が望ましくない表面領域を完全に湿らせる(すなわち覆う)ことを確保するべきである。好ましくは、液体障壁組成物は、液体が、2つの表面が互いに対して緊密に付勢される時点で表面間から移動しないように、両面の表面エネルギーより非常に大きい表面張力を有する。
【0236】
[0259] 固体障壁組成物(例えば、高分子シート)は、固体が、溶融が望ましくない全領域を覆うように選択するべきである。固体が、熱成形するべき高分子シートの一部が熱成形する条件に達することを防がない限り、固体の識別は、重要ではない。固体障壁組成物は、表面の溶融を防ぐことができ、(及び/又は)いずれも固体障壁組成物として適切な材料を提供するのに十分である種々の理由で、一方又は両方の表面に溶融できない。適切な障壁組成物として作用すると予測できる固体がある一方、それらの適合性を決定するために経験的試験(例えば、シート間に介入した固体を備えた高分子の2つのシートを熱成形する)を必要とする固体もあり得る。いずれにしても、適切な固体障壁組成物の選択は、当業者に公知の範囲内である。
【0237】
[0260] 使用できる別の型の障壁組成物は、高分子シートの一方又は両方内に添加物として組み込む組成物である。これらの組成物は、加熱するか、押圧するか、伸ばすか、又は別法により操作する際に融解して高分子の表面に「ブルーム」する。このような組成物が、組成物が熱成形する条件で少なくとも1つのシートの表面でブルームし、高分子シート自体間の接触を防ぐように、高分子シートの一方又は両方に含まれる場合、組成物は、本明細書に記載された物品及び方法において障壁組成物として使用することができる。このようなブルーミング挙動を提示する広範囲の組成物は、当技術分野で公知である。
【0238】
[0261] 接着剤
[0262] 本明細書に記載されたような物品及び方法に使用する高分子シート間に介入することができる接着剤の識別並びに組成物は、重要ではない。材料が2つの高分子層を可逆的に結合し、高分子層を分離するために普通の力の人によって高分子層に実際に付けることができるより大きい力を必要としない限り、実質的にあらゆる材料が2つの高分子間の接着剤として使用できることが当業者に理解されるであろう。広範囲のこのような組成物がこの目的に公知である。本明細書に記載された食品に接触する物品に対して、利用されるあらゆる接着剤は、食材と適合するように選択するべきである。
【0239】
[0263] 2つの高分子シート間に接着剤を使用するとき、接着剤は、(シートを「フラッドコート」するために)2つのシート間の実質的に接触面領域全体を覆うために使用することができる。接着剤は、(他に障壁組成物が存在しない場合に)溶融できるため、又は剥離を促進するように接着していない部分を残すため、接触面領域の一部から排除することができる。
【0240】
[0264] 剥がせる高分子シートと下にある表面との間に使用する接着剤は、好ましくは、剥離可能であり、これは、好ましくは、シートを破るか又は実質的に伸ばすことなく、高分子シートは普通の力の人により表面から剥がせることを意味する。好ましくは、1インチ当たり約0.6~15オンスの被覆重量を有する接着剤は、下にある表面に剥がせるシートを接着するために使用される。
【0241】
[0265] 広範囲の適切な接着剤が当技術分野で公知であり、本明細書に記載されたように使用することができる。感圧接着剤は、使用できる適切な接着剤中に入る。同様に、好ましくは、2つの接着表面の一方に接着する接着剤は、表面の一方が他方から剥がれて離れる際に)適切であり、特定の実施形態では好ましい。例として、接着剤が、シートが接着剤によって接着する表面より強く剥がせる高分子シートに接着する場合、接着剤は、シートが表面から剥がれるときにシートに留まる傾向がある。
【0242】
[0266] 接着剤を表面から引くために必要な力を低減するために様々な組成物及び表面処理を使用することができ、このような組成物及び処理は、本明細書に記載された表面に接着剤の接着を調節するために使用することができる。
【0243】
[0267] 本明細書に記載された物品に使用できる接着剤の具体例には、ポリシロキサン系接着剤、ゴムセメント及びアクリル接着剤(例えば、米国ニュージャージー州のNational Adhesives of Bridgewaterが製造したアクリル接着剤のMULTI-LOKブランドファミリーの水性感圧アクリル接着剤)が含まれる。
【0244】
[0268] 熱成形装置及び条件
[0269] 本明細書に記載された物品は、公知の熱成形装置及び条件を使用して作成することができる。当然のことながら、装置及び条件は、処理する材料の識別及び特性に基づいて選択するべきである。処理する材料の識別に基づいた適切な熱成形条件の選択は、当業者に公知の範囲内である。
【0245】
[0270] 印刷
[0271] 文章、画像又は他のグラフィック材料は、本明細書に記載された1つ又は複数の高分子シートの1つ又は複数の面の上に印刷することができる。広範囲の材料及び方法が、高分子シートの表面上にこのような材料を印刷するために使用することができる。高分子材料上の印刷に固有の難しさは、印刷物が熱、光又は機械摩擦により高分子表面から容易にずれることが多い可能性があり、それによって印刷品質が低減することである。その上、印刷に使用する材料が区画内の材料に接触することは、望ましくない可能性がある。
【0246】
[0272] 印刷物を高分子シートに結合する粘着性は、接着剤に対して本明細書に記載されたように、シートの上に印刷する前に高分子シートの表面処理によって影響を及ぼすことができる。例えば、コロナ処理及びプラズマ放電技法は、高分子表面の表面エネルギーを上昇させることができ、印刷物によってより粘り強い結合の影響を受けやすくさせる。同様にその上に印刷物を有する高分子表面の表面処理(例えば、コロナ処理)は、表面(その上に印刷物が見える部分を含む)の表面エネルギーを上昇させることができる。好ましくは、2つのシートが互いから分離するときに2つのシートの接触面で印刷物のほとんど又は全ては、2つのシートの一方に取り付けられたままになるように、本明細書に記載された物品内に接着若しくは接合する2つの高分子シートの一方の表面の表面エネルギーを高め又は低くすることができる。
【0247】
[0273] 印刷を受領する表面を準備するために使用するインク、結合剤、材料及び表面の準備によって形成された製品は、食品製品に望ましくない製品を含む可能性がある。従って、本明細書に記載された物品が印刷を担い、且つ食品製品を含有し若しくは接触するいずれにも使用するべきとき、食品容器の使用に適切な印刷及び表面準備の材料(すなわち消費の安全若しくは食品に溶けないこと)を選択するか、又は食品とあらゆるこのような材料との間の障壁を生成する(すなわち材料が食品に移動することを防ぐ)いずれかのために注意を払うべきである。
【0248】
[0274] 例として、基板に剥離可能に接着した薄い剥がせるライナーシートを有する厚い熱成形可能な基板からなる食品容器では、通常の食品包装及び保存条件下でライナーシートを通して移動しない実質的にあらゆる材料は、基板の上に印刷するため又は印刷用基板の表面を準備するために使用することができる。ライナーが基板と容器内に保存した食品との間に介入した容器の少なくとも一部では、ライナーの存在は、基板の表面からこのような構成要素が食品中に実質的に移動することを阻止又は防止する。従って、食品に含むことが不適切であり、一般的に食品に溶けるはずであるインクでも、通常の条件下でそれを通してインクが移動できないライナーシートが、容器内の食品とインクを塗布する表面との間に介入する限り(他の材料がインクと食品との間に介入するかどうかに関わらず)、食品容器の基板の上に印刷するために使用することができる。基板上に印刷した文字又は画像がライナーを通して見えるべき場合、ライナーは、このように見ることができるように十分に透明又は半透明であるべきである。
【0249】
[0275] 本明細書に記載された食品容器(「2側面印刷容器」と呼ばれる)の一実施形態は、印刷工程に使用する材料が食品との接触に不適切な場合でも、容器の両面から見られ、食品を含有するのに適した印刷を担う概ね平坦なトレー又は食器である。この実施形態は、基板シート(例えば、未使用のPET又はRPETなどの比較的厚い熱成形可能な材料)及び比較的薄いライナーシート(例えば、透明の一体型のPEシート又はEVOHの層がPE層間に挟まれた透明若しくは半透明の多層シート)の両方を含む。基板シートとライナーシートとの間に介入するのは、その片面若しくは両面に文字、図表、画像又は他の視覚的な印を担う概ね不透明な印刷シートである。
【0250】
[0276] 2側面印刷容器では、印刷シートの識別は、ライナーと基板シートとの間に固定して設置できるべきである(すなわち基板シート及びライナーシートの両方と溶融でき、接着でき、若しくは接合でき、又は基板とライナーシートとの間を結合する十分な穿孔が完成した容器の構造上の一体性を損なうことなく、印刷シートを適所に保持するのに十分である)以外には重要でない。その組立状態では、2側面印刷容器は、それが食品を担う面の上にライナーシートを有し、ライナーシートは、(印刷シート上の印が好ましくはライナーシートを通して見えるように)印刷シートの上に重なり、印刷シートは、(印刷シート上の印が好ましくは基板を通して見えるように)基板の上に重なる。この組立状態では、基板は、バルク物理特性(例えば、剛性及び形状)を提供することができ、印刷シートは、所望の外観を提供することができ、ライナーシートは、印刷シート若しくは基板シート上又は中に存在するいかなる望ましくない物質も、印刷シート及び基板シートに対向した面と反対のライナーの面上のライナーに接触する食品中に移動することを防ぐことができる。
【0251】
[0277] 本明細書に記載された他の裏打ちした容器と同様に、2側面印刷容器は、容器の1つ又は複数のオリフィス又はスペーサを閉じるリッドストック材料と組み合わせることができる。リッドストックは、容器の1つ又は複数の部分に剥離可能に接着若しくは接合でき、容器の1つ又は複数の部分と溶融でき、又はこれらの組合せが可能である。食品貯蔵用途に対して、食品と適合するリッドストックは、好ましくは、基盤材料に剥離可能若しくは粘り強く取り付けることができる、食品と適合するライナー材料によって規定された領域又は空洞の周辺の周りに封止される。例として、ライナーシートの面と同じ材料(例えば、ULDPE)から作成した面を有するリッドストック材料は、2面が材料を溶かすのに十分な温度で互いに対向するとき、ライナーシートと溶融することができる。リッドストックはその上に印刷物を有することができ、印刷は、リッドストックを容器に付ける(例えば、予め印刷した包装設計を付ける)前、このような添付(例えば、「包装した」若しくは「消費期限」の日付の貼付)及び容器を封止した後又はこれらの組合せに行われる。デカール、ステッカー、値札、紙管及び他の公知の製品包装構成要素も包装中又は包装後に追加することができる。
【0252】
[0278] 2側面印刷容器の特定の実施形態では、ライナーシート及び基板シートのそれぞれは、実質的に透明であり、印刷シートは、いずれも実質的に不透明であり、その両面に印刷される。加えて、印刷シートの片面は、印刷シートが完成した容器の基板に結合するより粘り強く(すなわちライナー及び印刷シートが基板シートから一緒に剥がすことができるように)ライナーシートに付着する材料をその表面上に有する。例として、ライナーシートに対向する印刷シートの面は、2つのシートが熱成形する際又は対向する面を溶かすのに十分な熱を伝達する高温ニップローラを通過する際に溶融するように、ライナーシートの対向する面と同じ材料(例えば、各面は、同じPEであり得る)から作成することができる。別法として、単一容器は、ライナーシート、印刷シート及び基板シートを熱成形することによって作成することができ、ライナーシート及び印刷シートの対向する面は、同じ材料から作成され、印刷シート及び基板シートの対向する面も同じ材料から作成される(必ずしもライナーシート及び印刷シートの対向する面と同じではない)ため、3つのシートが熱形成されるとき、ライナーシートは、印刷シートと溶融し、印刷シートは、基板シートと溶融し、単一容器が得られる。
【0253】
[0279] 2側面印刷容器では、ライナーシートに面する印刷シートの面への印刷は、例えば、リサイクル指示を含むことができ、基板シートから印刷シート及びライナーシートを取り除くための指示、封止する前に容器上に含有した食品を位置付けるための指示又は図表並びに含有する食品のためのレシピ又は調理指示などを含むことができる。基板シートに面する印刷シートの面の印刷は、例えば、栄養情報、食品製造業者又は包装業者の連絡先情報、含有する食品のためのレシピ又は調理指示、容器の分解及びその1つ又は複数の部分をリサイクルするための指示、商標又はトレードドレス材料及び設計又はグラフィック材料を含むことができる。
【0254】
[0280] 肉用トレー及び他の造形された物品
[0281] 一実施形態では、本明細書に開示された主題は、少なくともトレーから同時に熱成形する基板シート及びライナーシートを含む肉用トレーを含む。本明細書で使用する場合、用語「熱形成」は、シートを加熱すること及びシートを溶接した表面の形状に一致させるためにシートの対向する側面に異なる圧力を加えることにより、熱可塑性シート又は積層したシートを造形する様々な方法を網羅することを意図する。
【0255】
[0282] 本開示の主題は、同時に熱成形する基板及びライナーシートの好ましい実施形態の観点から記載されることが多いが、主題は、基板及び単一のライナーシートを同時に形成すること、並びにライナーシート及び基板を他の手段により、例えば打ち抜き加工、射出成形又はブロー成形によって造形することも含むことが本開示を読んだ後に理解できるであろう。基板シートは、好ましくは、熱成形可能なプラスチックであるが、他の材料、例えば金属から構成され得る。
【0256】
[0283] 真空成形として公知の熱成形の一例では、シートは、雌(又は一般的ではないが、雄)成形部に隣接して位置付けられ、金型表面に対してシートを引き寄せるために真空が適用される。雄金型部は、シートを雌金型部の形状に一致させるのに役立つように雌金型部からシートの反対側のシートに対して押圧され得る。しかし、雄金型が、本明細書に記載された造形された物品を形成するのに役立つように使用されるとき、雄金型が、基板とライナーシートとの間の分離及び結果として貯蔵部の形成を妨げないことに注意を払わなければならない。
【0257】
[0284] 本明細書に開示された主題の好ましい実施形態では、薄い(例えば、1~7ミル)プラスチック(「ライナーシート」)の平坦なシートを含む積層は、肉用トレーに形成するためにより大きい厚さ(例えば、10~40ミル)の平坦な基板シートの表面に位置付けられる。追加のライナー/基板シートの積層は、障壁組成物がそれらの溶融を防ぐために積層間に介入される場合、第1の積層の上に層状にされ得る。
【0258】
[0285] シートは、シートの形又はロールの形態のいずれかで提供することができる。輸送、保管及び熱形成の便宜上、積層したシートは、連続したロールの形態で熱成形機に提供され得、障壁組成物は、ロールの層間に介入される。ロールは、熱成形機を通って連続して送り込むことができ、トレーシートのそれぞれの長さは、インデックスが付けられ、次いである形状、すなわち肉用トレーに熱成形される。ロールの長さ及び幅は、必要に応じたものにすることができる。例えば、マスターパッドロールは、5インチ~60インチの幅であり得る。
【0259】
[0286] シートの積層は、所望の物品の形状、例えば肉用トレーの凹状内部の上にライナーシートを有する肉用トレーに単体として熱成形される。冷却時、トレーは、基板シートの厚さ及び剛性に起因してその熱成形構成を維持し、ライナーシートの構成は、熱成形によって設定することができ、又はシート間に接着が存在することによって支援することができる。
【0260】
[0287] 肉用トレーは、ライナーを有さない通常の肉用トレーを使用するはずである従来のトレーと同様に使用される。しかし、上に記載された先行技術の肉用トレーと異なり、「おむつ」若しくは他の吸収性ライナーをトレー内に置くか又は試みる必要がない。使用後、上部ライナーシートは、基板とライナーシートとの間又は接着した複数のライナーシート間の貯蔵部内に隔離された滲出を放出するために単純に剥がして離すことができる。
【0261】
[0288] 金型及びそれによって熱成形したトレーシステムは、様々な形状からなることが可能である。概して得られるトレーは、床及び連続した側壁を備えた上部開口型内部空洞を有する。造形された物品は、従来の肉用トレー及び他の食品容器と同様に、堅固な、平坦な又は他の造形された部分を含み得る。また、造形された物品は、離散した食品部分を含有するための個別の区分も有し得、各区画は、必要に応じて、区画の内部又は他の区画の貯蔵部と連通する1つ又は複数の貯蔵部を有し得る。
【0262】
[0289] 容器の使用
[0290] 本明細書に記載された容器は、区画内に含有された物品を隔離するために使用することができる。本明細書に記載された容器の重要な意図した使用(特に層状にした貯蔵容器)は、(場合により「パージ」と呼ばれる、液体を「流す」ために)液体を放出する傾向を有する肉、鶏肉又は魚介類の切片などの食品製品を含有することであり、そうでなければ容器を汚すため、汚れた容器は、通常、リサイクルに適さない状態である。
【0263】
[0291] 食品製品を流すための容器は、パージを吸収するために吸収性材料を含有することが多い。吸収性材料が存在するときでも、容器は、汚れて消費者が容器をリサイクルすることを望まない程汚れる可能性があり、多くの地方自治体は、このような品目をリサイクルの流れに含むことを禁止する。吸収性材料が容器に取り付けられていない場合でも、吸収性材料が不潔であるためにその様々な部分を分類して洗浄するように試みるより、特にこのような洗浄を伴う汚れを考慮して、むしろ消費者が容器全体を廃棄する可能性がある。食品包装廃棄物は、ごみ廃棄場に送った現在固体の廃棄物の流れの実質的な部分を構成する。
【0264】
[0292] 本明細書に記載された容器内に含有された食品製品を流すことにより、まさに以前から公知の容器と同じように流す。しかし、食品製品が容器から取り除かれると、施蓋及びライナーは、基板から剥がして廃棄することができ、リサイクルの流れに含むのに適した実質的に清潔な基板が得られる。基板をリサイクルし、比較的薄いライナー及び施蓋層のみを廃棄することにより、廃棄場に送られる材料の容積及び重量は、実質的に低減することができる。その上、消費者は、リサイクルできない包装が最小の製品を一層探し求めている。
【0265】
[0293] 本明細書に記載された食品容器は、典型的には、その面に剥離可能に接着したライナーシートを有する予め形成する基板によって使用される。好ましくは、基板は、食料品を含有するための凹部(例えば、ボール又は高い壁のトレー)を含む形態を有する。ライナーは、凹部を覆う。食料品が基板の上又は中に置かれた後、施蓋材料は、食料品を包囲する閉じた区画を形成するために(例えば、ボールの縁部若しくは基板の壁の周りの施蓋及びライナーを付着又は溶融することによって)ライナー材料に取り付けられる。
【0266】
[0294] 種々のライナー及び施蓋品目が、非晶質PET又はPETGから形成した基板を有する原型容器に使用されてきた。同定された適切な材料は、少なくとも以下の積層高分子シート、すなわち、
[0295] LLDPE-タイ層-EVOH-タイ層-LLDPEからなる多層シート、
[0296] (ULDPEとLLDPEの混合物)-タイ層-EVOH-タイ層-LLDPEからなる多層シート、
[0297] LLDPE-タイ層-EVOH-タイ層-PETGからなる多層シート、
[0298] (ULDPEとLLDPEの混合物)-タイ層-EVOH-タイ層-PETGからなる多層シート、及び
[0299] ICE(商標、Bemis Europe、ベルギーSoignies)ブランドの高性能の障壁フィルムを含む。
【0267】
[0300] 本明細書に引用されたあらゆる特許、特許出願及び特許出願公開の開示は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0268】
[0301] 本主題が特定の実施形態を参照して開示されたが、他の実施形態及び変形形態を、本明細書に記載された主題の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく当業者が考案できることは明白である。添付の特許請求の範囲は、全てのこのような実施形態及び均等な変形形態を含む。