(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】内視鏡用光源装置、及びこれを有する内視鏡
(51)【国際特許分類】
A61B 1/07 20060101AFI20220901BHJP
A61B 1/12 20060101ALI20220901BHJP
G02B 23/26 20060101ALI20220901BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
A61B1/07 731
A61B1/12 542
G02B23/26 B
G02B6/42
(21)【出願番号】P 2020560673
(86)(22)【出願日】2018-12-18
(86)【国際出願番号】 JP2018046494
(87)【国際公開番号】W WO2020129147
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123962
【氏名又は名称】斎藤 圭介
(72)【発明者】
【氏名】木越 友梨
(72)【発明者】
【氏名】田中 良典
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-272414(JP,A)
【文献】特開2007-020855(JP,A)
【文献】特開平10-221605(JP,A)
【文献】特開昭58-123505(JP,A)
【文献】特開平07-181400(JP,A)
【文献】特開2001-025889(JP,A)
【文献】実開平03-051411(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光を集光する集光レンズと、
前記光源から出射された光の少なくとも一部を遮光し、遮光されない光を透過光として透過する遮光部材と、
前記遮光部材を透過した前記透過光が入射する光ファイバと、
断熱部材で構成されて、前記光源と、前記集光レンズと、前記遮光部材との少なくともいずれか1つを、各々の位置を固定して保持する保持部材と、
前記遮光部材において発生した熱を、前記保持部材の外部へ排熱する排熱部材と、を有し、
前記遮光部材の熱経路における熱抵抗値は、前記断熱部材の熱抵抗値よりも小さく、
前記遮光部材と前記排熱部材との接続部の熱経路における熱抵抗値は、前記断熱部材の熱抵抗値よりも小さく、
前記排熱部材の熱経路における熱抵抗値は、前記断熱部材の熱抵抗値よりも小さいことを特徴とする内視鏡用光源装置。
【請求項2】
前記透過光の集光位置に基づき、前記光ファイバの入射端の位置を固定して保持する光ファイバ保持部材を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項3】
前記排熱部材は、前記遮光部材に熱的に接続されており、
前記遮光部材と前記排熱部材は、前記保持部材によって保持されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項4】
前記排熱部材は、
前記遮光部材からの熱を能動的に移動させる熱交換部材と、
前記遮光部材からの熱を周辺雰囲気への発散させる熱発散部材と、
の少なくとも一方であること特徴とする請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項5】
前記熱交換部材と前記熱発散部材は、前記光源と一体化され、
前記遮光部材は、前記熱交換部材と前記熱発散部材との少なくとも一方に接続され、前記熱交換部材から受け取った熱を分散させることで温度を均一化してから前記熱発散部材へ熱を受け渡す熱分散部材を有することを特徴とする請求項4に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項6】
前記熱交換部材と前記熱発散部材の少なくとも一方は、前記光源の発熱を前記保持部材の周辺雰囲気に発散することを特徴とする請求項4または5に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項7】
前記遮光部材は、前記保持部材の一部であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項8】
前記排熱部材は、前記遮光部材の機能を兼用することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項9】
前記光ファイバは、光を導光するコアと、前記コアの外周部に配置され、前記コアより屈折率が低いクラッドを有し、
前記内視鏡用光源装置は、前記光ファイバのクラッドの少なくとも一部を接着材により接着することによって、前記光ファイバを保持する光ファイバ保持部材を有し、
前記遮光部材は、前記光源からの光のうち、前記光ファイバの入射端において所望の位置に、所望の角度で入射する光を前記透過光として透過し、その他の光を遮光して吸収し、
前記透過光は、前記コア及び前記クラッドへ入射することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項10】
前記遮光部材は、一部に開口部を有し、
前記遮光部材は、前記開口部を通った光のみが前記遮光部材を透過して前記光ファイバへと入射させ、
前記遮光部材は、前記開口部以外に照射された前記光源からの光を吸収す
る光吸収部材であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項11】
前記開口部は、前記開口部を透過しない余剰光を遮光する形状であることを特徴とする請求項10に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項12】
前記開口部は、前記光源からの光の光軸と一致する中心を有する円形形状であることを特徴とする請求項10に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項13】
前記遮光部材は、前記保持部材の外部から移動可能に配置された2以上の遮光板によって形成された開口部を有し、
前記開口部は、前記光源からの光において、光束断面の長軸方向よりも短軸方向の光を多く透過させることを特徴とする請求項10に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項14】
前記遮光部材は、前記光源から前記光ファイバまでの間に配置されることを特徴とする請求項10に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項15】
前記遮光部材は、前記光源から前記集光レンズまでの間に配置されていることを特徴とする請求項14に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項16】
前記遮光部材は、前記集光レンズから前記光ファイバまでの間に配置されていることを特徴とする請求項14に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項17】
前記遮光部
材は、前記光源からの光の波長に対して、吸収特性を有する
前記光吸収部材で表面が構成されていることを特徴とする請求項10に記載の内視鏡用光源装置。
【請求項18】
請求項1に記載の内視鏡用光源装置と、
操作部と、を有し、
前記内視鏡用光源装置は、前記操作部に内蔵されていることを特徴とする内視鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡用光源装置、及びこれを有する内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡の観察において、内視鏡先端部は、被写体を照明する照明光を照射する。照明光は、光源が供給する。光源から供給された光は、レンズにより光ファイバの端面に集光する。
【0003】
光ファイバの端面に入射した光は、光ファイバにより内視鏡先端部まで導光される。内視鏡の先端部から出射する光は、照明光として被写体に照射される。
【0004】
光源から出射された光を、光ファイバにより照明光として導光する構成は、例えば、以下の特許文献1に示されている。
【0005】
近年、撮像素子の高画素化に伴い、照明光はより明るくなる傾向にある。このため、光源も高出力化している。このような光をレンズにより、光ファイバの端面に集光すると、集光位置において光ファイバの端面が発熱する。
【0006】
特許文献1に開示された構成は、半導体レーザからの光に起因する発熱を低減するために、光源からの光の一部を遮光するためのプレートを有する。このプレートは吸熱部を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された構成では、プレートが照明光の照射により発熱をする。そして、プレートの発熱は、熱伝導性が良好な吸熱部を用いて低減される。しかしながら、吸熱部に伝わった熱は、吸熱部の周辺雰囲気に発散されてしまう。この結果、光源のケーシング自体の温度が上昇してしまうおそれがある。
【0009】
また、光源からの光を導光する光ファイバは、中心のコアの周囲をクラッドが囲んでいる。クラッドは接着剤を用いて被覆材に被覆されている。このため、光ファイバの端面の温度が上昇すると、接着剤を溶かしてしまう。溶けた接着剤は、コアを含む光ファイバの端面を汚してしまう。この結果、光源からの光を光ファイバへ入射させる結合効率が低下してしまう。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、光ファイバへの不要な入射光を遮光するとともに、その遮光によって発生する熱を、装置の外部へ排出できる内視鏡用光源装置、及びこれを有する内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る内視鏡用光源装置は、
光を出射する光源と、
光源から出射された光を集光する集光レンズと、
光源から出射された光の少なくとも一部を遮光し、遮光されない光を透過光として透過する遮光部材と、
遮光部材を透過した透過光が入射する光ファイバと、
断熱部材で構成されて、光源と、集光レンズと、遮光部材との少なくともいずれか1つを、各々の位置を固定して保持する保持部材と、遮光部材において発生した熱を、保持部材の外部へ排熱する排熱部材と、を有し、
遮光部材の熱経路における熱抵抗値は、断熱部材の熱抵抗値よりも小さく、
遮光部材と排熱部材との接続部の熱経路における熱抵抗値は、断熱部材の熱抵抗値よりも小さく、
排熱部材の熱経路における熱抵抗値は、断熱部材の熱抵抗値よりも小さいことを特徴とする。
【0012】
本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る内視鏡は、上述の内視鏡用光源装置と、
操作部と、を有し、
内視鏡用光源装置は、操作部に内蔵されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、効率良く放熱でき、光ファイバへ入射させる結合効率が良好な内視鏡
用光源装置、及びこれを有する内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】(a)は第1実施形態の内視鏡用光源装置の断面図、(b)は光ファイバ端面の斜視図である。
【
図2】(a)はプレートの正面図、(b)は他のプレートの正面図である。
【
図3】第1実施形態のプレートからフェルールまでの断面図である。
【
図4】(a)は第2実施形態の内視鏡用光源装置の断面図、(b)は光源からプレートまでの断面図である。
【
図5】第3実施形態の内視鏡用光源装置の断面図である。
【
図6】第4実施形態の内視鏡用光源装置の断面図である。
【
図7】第4実施形態の変形例の内視鏡用光源装置の断面図である。
【
図8】第4実施形態の他の変形例の内視鏡用光源装置の断面図である。
【
図9】第5実施形態の内視鏡用光源装置の断面図である。
【
図10】第6実施形態の内視鏡用光源装置の断面図である。
【
図11】第7実施形態の内視鏡用光源装置の断面図である。
【
図12】第8実施形態の内視鏡用光源装置の断面図である。
【
図13】第9実施形態の内視鏡用光源装置の断面図である。
【
図14】第10実施形態のワイヤレス内視鏡の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態に係る内視鏡用光源装置、及びこれを有すると内視鏡について、図面を用いて、このような構成をとった理由と作用を説明する。実施形態の作用効果を具体的に説明するに際しては、具体的な例を示して説明することになる。しかし、後述する実施例の場合と同様に、それらの例示される態様はあくまでも本発明に含まれる態様のうちの一部に過ぎず、その態様には数多くのバリエーションが存在する。したがって、本発明は例示される態様に限定されるものではない。
【0016】
(第1実施形態)
本実施形態に係る内視鏡用光源装置は、光を出射する光源と、光源から出射された光を集光する集光レンズと、光源から出射された光の少なくとも一部を遮光し、遮光されない光を透過光として透過する遮光部材と、遮光部材を透過した透過光が入射する光ファイバと、光源と、集光レンズと、遮光部材との少なくともいずれか1つを、各々の位置を固定して保持する保持部材と、遮光部材において発生した熱を、保持部材の外部へ排熱する排熱部材と、を有することが好ましい。
【0017】
図1(a)は、第1実施形態の内視鏡用光源装置100の断面構成図である。光源である半導体レーザ10は、例えば、可視光を出射する。本実施形態では、半導体レーザ10は、発散性の光L1、L2を射出する。光L1、L2が入射する集光レンズ11は、正の屈折力を有する。これにより、集光レンズ11は、半導体レーザ10からの発散性の光L1、L2を、収束性の光L1’、L2’に変換して、集光させる。遮光部材であるプレート12は、半導体レーザ10から出射された光L1、L2の変換後の少なくとも一部L1’を遮光する。つまり、プレート12は、半導体レーザ10からの光束径の大きさを必要な大きさに絞る部材である。プレート12により遮光されない光L2’は、透過光としてプレート12を透過する。プレート12を透過した光L2’は、光ファイバ15に入射する。保持部材であるピグテイル17は、半導体レーザ10と、集光レンズ11と、プレート12との少なくともいずれか1つを、各々の位置を固定して保持する。具体的には、ピグテイル17は、半導体レーザ10の位置を固定して保持する。また、ピグテイル17は、集光レンズ11の位置を固定して保持する。さらに、ピグテイル17は、プレート12の位置を固定して保持する。排熱部材である放熱フィン13は、プレート12において発生した熱を、プレート12の外部へ排熱する。発熱の詳細に関しては、プレート12の説明と共に後述する。
【0018】
プレート12における遮光部12b(
図2(a)の斜線で示す領域)には、集光性の光L1’が照射される。高出力の半導体レーザ10を用いると、光L1’を遮光することにより、プレート12が発熱してしまう。
プレート12は、ピグテイル17より熱抵抗値の低い材料、例えばアルミや真鍮、銅などで構成することが望ましい。ピグテイル17は、熱抵抗値の高い材料、断熱材、例えば、ステンレスなどで構成する。
【0019】
放熱フィン13は、プレート12において発生した熱を、ピグテイル17の外部へ排熱できる。
【0020】
本実施形態に係る内視鏡光源装置は、透過光の集光位置に基づき、光ファイバの入射端の位置を固定して保持する光ファイバ保持部材を有することが好ましい。
【0021】
光ファイバ保持部材であるフェルール14は、プレート12を透過した光L2’の集光位置18に基づき、光ファイバ15の入射端である端面15dの位置を固定して保持する。
【0022】
フェルール14をピグテイル17に挿入することで、光L2’の集光位置18と光ファイバ15のコア15aとを一致させることができる。
【0023】
図1(b)は、光ファイバ15の端面15dの斜視図である。光ファイバ15は、光を導光するコア15aと、コア15aの外周部に配置され、コア15aより屈折率が低いクラッド15bを有する。光ファイバ保持部材であるフェルール14は、光ファイバ15のクラッドの少なくとも一部を接着材15cにより接着することによって、光ファイバ15を保持する。プレート12は、半導体レーザ10からの光のうち、光ファイバ15の端面15dにおいて所望の位置に、所望の角度で入射する光L2’を透過光として透過し、その他の光を遮光して吸収する。プレート12を透過した透過光L2’は、コア15a及びクラッド15bへ入射する。
【0024】
接着剤15cは、光ファイバ15をフェルール14に固定するために使用する接着剤である。例えば、熱硬化型エポキシ接着剤である。また、光ファイバ15の材質はガラス製、樹脂製のいずれでも良い。
【0025】
このため、光ファイバ15の端面15d、特にコア15aにのみ光L2’が入射する。光ファイバ15の周囲の接着剤15cは、光が照射されないため、熱により溶けることが無い。よって、コア15aを含む光ファイバ15の端面の汚れを低減できる。この結果、半導体レーザ10からの光を、光ファイバ15へ効率良く入射できる。
【0026】
ピグテイル17は、断熱部材で構成される。放熱フィン13は、プレート12に熱的に接続されている。「熱的に接続」とは、放熱フィン13は、プレート12の熱が伝わるように、プレート12に接触して接続されており、プレート12と放熱フィン13との間で熱の移動ができる状態をいう。また、プレート12と放熱フィン13は、ピグテイル17によって保持されている。これにより、プレート12からの熱は、放熱フィン13へ効率良く伝えることできる。
【0027】
ピグテイル17は、熱抵抗値の高い部材(断熱部材)により形成される。これにより、プレート12において発生した熱は、ピグテイル17には伝わらない。さらに、プレート12において発生した熱は、放熱フィン13に伝えることができる。
【0028】
プレート12の熱経路における熱抵抗値は、ピグテイル17を構成する断熱部材の熱抵抗値よりも小さい。プレート12と放熱フィン13との接続部16の熱経路における熱抵抗値は、ピグテイル17を構成する断熱部材の熱抵抗値よりも小さい。
放熱フィン13の熱経路における熱抵抗値は、ピグテイル17を構成する断熱部材の熱抵抗値よりも小さい。
【0029】
これにより、プレート12、接続部16、放熱フィン13における熱が、ピグテイル17へ伝わることを低減できる。
【0030】
プレート12の形状について説明する。
図2(a)は、プレート12の正面図である。プレート12は、一部に開口部12aを有する。プレート12は、開口部12aを通った光のみを、プレート12を透過して光ファイバ15へ入射させる。
プレート12は、開口部12a以外の遮光部12bに照射された半導体レーザ10からの光を吸収する光吸収部材で形成されている。プレート12は、部材の表面に黒色処理等を施して光を吸収するように構成する。例えば、プレート12の素材がアルミニウムの場合、光吸収部材は黒アルマイトである。
【0031】
また、プレート12を構成する光吸収部材の表面は、半導体レーザ10からの光の可視光帯域の波長に対して、吸収特性を有している。これにより、プレート12において、遮光された光L1’の散乱を抑えることができ、効率良く遮光することができる。
【0032】
これにより、被写体の照明に必要な光L2’のみが、光ファイバ15に入射できる。
【0033】
プレート12は、半導体レーザ10から光ファイバ15までの間に配置されている。
【0034】
特に、本実施形態では、プレート12は、集光レンズ11から光ファイバ15までの間に配置されている。
【0035】
遮光部12bは、開口部12aを透過しない余剰な光L1’を遮光する形状である。
【0036】
開口部12aは、半導体レーザ10からの光の光軸AXと一致する中心を有する円形形状である。
【0037】
図3は、第1実施形態のプレート12からフェルール14までの断面図である。本実施形態において、好ましくは、開口部12aを透過した光L2’は、光ファイバ15のコア15a(
図1(b))へ入射する光であることが望ましい。これにより、光ファイバ15に入射後にクラッド15bから突き抜けた光により、接着剤15cが溶けないようにできる。よって、コア15aを含む光ファイバ15の端面15dの接着剤15cによる汚れを低減できる。この結果、半導体レーザ10からの光を、光ファイバ15へ効率良く入射できる。
【0038】
さらに好ましくは、プレート12を透過した光L2’は、光ファイバ15の受け入れ角以下の角度で光ファイバ15へ入射する。光L2’は、つまり、光ファイバ15のNA(開口数)で決まる角度であることが望ましい。これにより、半導体レーザ10からの光を有効に用いることができる。
【0039】
本実施形態では、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
β≦α+2×L×tanθ (1)
ここで、
βは、プレートの開口部の直径、
αは、光ファイバのコアの直径、
θは、光ファイバのNAで決まる最大入射角度、
Lは、光ファイバ端面からプレートまでの光軸に沿った距離、
である。
【0040】
条件式(1)を満足することで、半導体レーザ10からの光を有効にコア15aへ導くことができる。従って、熱による接着剤15cが溶けることを防止できる。
【0041】
プレートの他の構成例を説明する。
図2(b)は、他のプレート20の正面図である。
プレート20は、ピグテイル17の外部から移動可能に配置された2以上の遮光板20up、20downによって形成された開口部20a、20bを有している。開口部20a、20bは、半導体レーザ10からの光において、光束断面の長軸方向22よりも短軸方向21の光を多く透過させる。
【0042】
開口部20aは、半導体レーザ10からの光の光軸AXに垂直な平面において、光軸AXと交点を有する直線を対象軸とした、線対称の形状である。
【0043】
半導体レーザ10からの光束の断面形状(強度分布)が楕円形状である場合、その長軸方向にのみプレート20up、20downを配置する。このように、2枚のプレートを上下方向(x方向)から差し込めるようにすることで、断面が楕円形状の光束の短軸方向21の光束を選択的に透過させることができる。これにより、半導体レーザ10からの光を有効に光ファイバ15へ導くことができる。
【0044】
(第2実施形態)
以下に説明する各実施形態における遮光部材、保持部材、排熱部材の特性は、特に言及しない限り、第1実施形態において説明した特性と同じである。
図4(a)は、第2実施形態の内視鏡用光源装置200の断面構成図である。光源である半導体レーザ10は、例えば、可視光を出射する。本実施形態では、半導体レーザ10は、発散性の光L1、L2を射出する。遮光部材であるプレート12は、半導体レーザ10から出射された光L1、L2の少なくとも一部の光L1を遮光する。プレート12は、遮光されない光L2を透過光として透過する。集光レンズ11は、正の屈折力を有する。集光レンズ11は、半導体レーザ10からの発散性の光L2を、収束性の光L2’に変換して、集光させる。集光レンズ11で集光された光L2’は、光ファイバ15に入射する。保持部材であるピグテイル17は、半導体レーザ10と、プレート12と、集光レンズ11との少なくともいずれか1つを、各々の位置を固定して保持する。具体的には、ピグテイル17は、半導体レーザ10の位置を固定して保持する。また、ピグテイル17は、プレート12の位置を固定して保持する。さらに、ピグテイル17は、集光レンズ11の位置を固定して保持する。排熱部材である放熱フィン13は、プレート12において発生した熱を、ピグテイル17の外部へ排熱する。
【0045】
放熱フィン13は、プレート12の遮光部において発生した熱を、ピグテイル17の外部へ排熱する。遮光部12bの例を、
図2(a)において斜線を付して示す。また、遮光部20bの例を、
図2(b)において斜線を付して示す。
【0046】
フェルール14は、プレート12を透過した光L2’の集光位置18に基づき、光ファイバ15の入射端である端面15dの位置を固定して保持する。
【0047】
フェルール14をピグテイル17に挿入することで、光L2’の集光位置18と光ファイバ15のコア15aとを一致させることができる。
【0048】
本実施形態では、プレート12が、半導体レーザ10から集光レンズ11までの間に配置されている点が第1実施形態と異なる。
【0049】
図4(b)は、第2実施形態の半導体レーザ10からプレート12までの断面図である。半導体レーザ10は、発散性の光を出射する。
【0050】
本実施形態では、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
β≦α+2×(L+t)×tanθ (2)
ここで、
βは、プレートの開口部の直径、
αは、光ファイバのコアの直径、
θは、光ファイバのNAで決まる最大入射角度、
tは、プレートの光軸の厚さ、
Lは、光ファイバ端面からプレートまでの光軸に沿った距離、
である。
【0051】
条件式(2)を満足することで、半導体レーザ10からの光のうち、プレート12で遮光されない光L2’を有効にコア15aへ導くことができる。さらに、プレート12の熱により接着剤15c(
図1(b))が溶けることを防止できる。
【0052】
(第3実施形態)
図5は、第3実施形態の内視鏡用光源装置300の断面構成図である。光源である半導体レーザ10は、例えば、可視光を出射する。本実施形態では、半導体レーザ10は、発散性の光L1、L2を射出する。集光レンズ11は、正の屈折力を有する。集光レンズ11は、半導体レーザ10からの発散性の光L1、L2を、収束性の光L1’、L2’に変換して、集光させる。遮光部材であるプレート12は、光L1、L2の変換後の少なくとも一部L1’を遮光する。プレート12により遮光されない光L2’は、透過光として透過する。プレート12を透過した光L2’は、光ファイバ15に入射する。保持部材であるピグテイル17は、半導体レーザ10と、集光レンズ11と、プレート12との少なくともいずれか1つを、各々の位置を固定して保持する。具体的には、ピグテイル17は、半導体レーザ10の位置を固定して保持する。また、ピグテイル17は、集光レンズ11の位置を固定して保持する。さらに、ピグテイル17は、プレート12の位置を固定して保持する。
【0053】
本実施形態における排熱部材は、熱交換部材と熱発散部材と、の少なくとも一方である。熱交換部材は、プレート12からの熱を能動的に移動させる。熱発散部材は、受け取った熱を周辺雰囲気へ発散させる。熱交換部材の例は、ペルチェ素子である。熱発散部材の例は、ヒートシンク、放熱フィンである。本実施形態では、ペルチェ素子30と放熱フィン13とを接続して用いている。
【0054】
本実施形態では、プレート12に接続部16を経由してペルチェ素子30と放熱フィン13とが固定されている。ペルチェ素子30に電流を流し、吸熱側をプレート12の接続部16に接続し、発熱側を放熱フィン13に接続する。放熱フィン13は、ペルチェ素子30からの熱を周辺雰囲気へ発散させる。
【0055】
本実施形態では、半導体レーザ10からの光のうち、プレート12で遮光されない光L2’を有効にコア15a(
図1(b))へ導くことができる。さらに、プレート12の熱により接着剤15c(
図1(b))が溶けることを防止できる。
【0056】
(第4実施形態)
図6は、第4実施形態の内視鏡用光源装置400の断面構成図である。排熱部材は、プレート43a、43bの機能を兼用する構成である。
【0057】
光源である半導体レーザ10は、例えば、可視光を出射する。本実施形態では、半導体レーザ10は、発散性の光L1、L2を射出する。集光レンズ11は、正の屈折力を有する。集光レンズ11は、半導体レーザ10からの発散性の光L1、L2を、収束性の光L1’、L2’に変換して、集光させる。遮光部材であるプレート43a、43bは、半導体レーザ10から出射された光L1、L2の変換後の少なくとも一部L1’を遮光する。プレート43a、43bにより遮光されない光L2’を透過光として透過する。プレート43a、43bを透過した光L2’は、光ファイバ15に入射する。保持部材であるピグテイル17は、半導体レーザ10と、集光レンズ11と、プレート43a、43bとの少なくともいずれか1つを、各々の位置を固定して保持する。具体的には、ピグテイル17は、半導体レーザ10の位置を固定して保持する。また、ピグテイル17は、集光レンズ11の位置を固定して保持する。
【0058】
本実施形態では、プレート43a、43bは、ピグテイル17の一部である。これにより、プレート43a、43bとピグテイル17とを一体化して部品点数を低減できる。
【0059】
プレート43a、43bにはそれぞれ空間が存在する。これにより、プレート43a、43bが放熱する面積が広くなる。よって、プレート43a、43bの熱を、ピグテイル17の外部へ効率良く放熱できる。
【0060】
また、本実施形態では、排熱部材は、プレート43a、43bの機能を兼用する。これによって、部品点数を低減できる。
【0061】
(第4実施形態の変形例1)
図7は、第4実施形態の変形例1の内視鏡用光源装置410の断面構成図である。本変形例では、排熱部材は、プレート43a、43bの機能を兼用する。さらに、各プレート43a、43bは、さらに複数の放熱フィン44を有している。放熱フィン44は熱伝導性の高い材質で形成されている。これにより、プレート43a、43bが放熱する面積がさらに広くなる。よって、プレート43a、43bの熱を、ピグテイル17の外部へさらに効率良く放熱できる。
【0062】
(第4実施形態の変形例2)
図8は、第4実施形態の変形例2の内視鏡用光源装置420の断面構成図である。本変形例では、排熱部材は、プレート45a、45b、45cの機能を兼用する。プレート45a、45b、45cは、それぞれ開口部の開口の直径が、光ファイバ15に向かって小さくなるように構成されている。
【0063】
本実施形態では、半導体レーザ10から発散性の光L1、L2、L3、L4は、集光レンズ11により収束性の光L1’、L2’、L3’、L4’に変換されて、プレート45a、45b、45cに入射する。
【0064】
一番外側の光L1’は、プレート45aにより遮光される。光L2’は、プレート45bにより遮光される。光L3’は、プレート45cによって遮光される。いずれのプレート45a、45b、45cにより遮光されない透過光L4’は光ファイバ15に入射する。これにより、各プレート45a、45b、45cにおいて遮光する光の光量を分担できるので、発熱をプレート毎に、分散できる。よって、ピグテイル17の外部へ効率良く放熱できる。
【0065】
(第5実施形態)
本実施形態に係る内視鏡用光源装置は、熱交換部材と熱発散部材は、光源と一体化され、遮光部材は、熱交換部材と熱発散部材との少なくとも一方に接続され、熱交換部材から受け取った熱を分散させることで温度を均一化してから熱発散部材へ熱を受け渡す熱分散部材を有することが好ましい。
【0066】
図9は、第5実施形態の内視鏡用光源装置500の断面構成図である。光源である半導体レーザ10は、例えば、可視光を出射する。本実施形態では、半導体レーザ10は、発散性の光L1、L2を射出する。集光レンズ11は、正の屈折力を有する。集光レンズ11は、半導体レーザ10からの発散性の光L1、L2を、収束性の光L1’、L2’に変換して、集光させる。遮光部材であるプレート12は、半導体レーザ10から出射された光L1、L2の変換後の少なくとも一部L1’を遮光する。プレート12により遮光されない光L2’を透過光として透過する。プレート12を透過した光L2’は、光ファイバ15に入射する。保持部材であるピグテイル17は、半導体レーザ10と、集光レンズ11と、プレート12との少なくともいずれか1つを、各々の位置を固定して保持する。具体的には、ピグテイル17は、半導体レーザ10の位置を固定して保持する。また、ピグテイル17は、集光レンズ11の位置を固定して保持する。さらに、ピグテイル17は、プレート12の位置を固定して保持する。
【0067】
熱発散部材であるヒートシンク52と熱交換部材であるペルチェ素子61は、半導体レーザ10と一体化されている。熱分散部材であるグラファイトシート51は、プレート12とペルチェ素子61とを熱的に接続する。ここで、「熱的に接続」とは、プレート12とペルチェ素子61とが、グラファイトシート51により熱が伝わるように、接続されている状態をいう。
【0068】
ペルチェ素子61は、グラファイトシート51から受け取った熱を、放熱側へ放熱する。そして、ペルチェ素子61の放熱側はシートシンク52が接続されている。
【0069】
これにより、ペルチェ素子61とヒートシンク52は、半導体レーザ10自体の発熱を放熱する。さらに、プレート12は、熱分散部材であるグラファイトシート51によって、ペルチェ素子61と半導体レーザ10の間に接続されている。ペルチェ素子61は、グラファイトシート51から受け取った熱を分散させることで温度を均一化してからヒートシンク52へ熱を受け渡すことができる。したがって、プレート12の発熱をピグテイル17の周辺雰囲気に発散できる。
【0070】
(第6実施形態)
図10は、第6実施形態の内視鏡用光源装置600の断面構成図である。光源である半導体レーザ10は、例えば、可視光を出射する。本実施形態では、半導体レーザ10は、発散性の光L1、L2を射出する。集光レンズ11は、正の屈折力を有する。集光レンズ11は、半導体レーザ10からの発散性の光L1、L2を、収束性の光L1’、L2’に変換して、集光させる。遮光部材であるプレート12は、半導体レーザ10から出射された光L1、L2の変換後の少なくとも一部L1’を遮光する。プレート12により遮光されない光L2’を透過光として透過する。プレート12を透過した光L2’は、光ファイバ15に入射する。保持部材であるピグテイル17は、半導体レーザ10と、集光レンズ11と、プレート12との少なくともいずれか1つを、各々の位置を固定して保持する。具体的には、ピグテイル17は、半導体レーザ10の位置を固定して保持する。また、ピグテイル17は、集光レンズ11の位置を固定して保持する。さらに、ピグテイル17は、プレート12の位置を固定して保持する。
【0071】
熱発散部材であるヒートシンク52は、半導体レーザ10と一体化されている。プレート12は、熱分散部材であるグラファイトシート51によって、半導体レーザ10とヒートシンク52との間に接続されている。ここで、「熱的に接続」とは、プレート12とヒートシンク52とは、グラファイトシート51により熱が伝わるように、接続されている状態をいう。
【0072】
これにより、ヒートシンク52は、半導体レーザ10自体の発熱を放熱する。さらに、プレート12は、熱分散部材であるグラファイトシート51によって、ヒートシンク52に接続されている。ヒートシンク52は、グラファイトシート51から受け取った熱を放熱する。したがって、プレート12の発熱をピグテイル17の周辺雰囲気に発散できる。
【0073】
(第7実施形態)
図11は、第7実施形態の内視鏡用光源装置700の断面構成図である。光源である半導体レーザ10は、例えば、可視光を出射する。本実施形態では、半導体レーザ10は、発散性の光L1、L2を射出する。集光レンズ11は、正の屈折力を有する。集光レンズ11は、半導体レーザ10からの発散性の光L1、L2を、収束性の光L1’、L2’に変換して、集光させる。遮光部材であるプレート12は、半導体レーザ10から出射された光L1、L2の変換後の少なくとも一部L1’を遮光する。プレート12により遮光されない光L2’を透過光として透過する。プレート12を透過した光L2’は、光ファイバ15に入射する。保持部材であるピグテイル17は、半導体レーザ10と、集光レンズ11と、プレート12との少なくともいずれか1つを、各々の位置を固定して保持する。具体的には、ピグテイル17は、半導体レーザ10の位置を固定して保持する。また、ピグテイル17は、集光レンズ11の位置を固定して保持する。さらに、ピグテイル17は、プレート12の位置を固定して保持する。
【0074】
熱交換部材であるペルチェ素子61と熱発散部材であるヒートシンク52は、半導体レーザと一体化されている。プレート12は、熱分散部材であるグラファイトシート51によって、ペルチェ素子61とヒートシンク52の間に接続されている。グラファイトシート51は、ペルチェ素子61から受け取った熱を分散させることで温度を均一化してからヒートシンク52へ熱を受け渡すことができる。
【0075】
これにより、プレート12の発熱を効率良くピグテイル17の外部(周辺雰囲気)へ放熱できる。
【0076】
(第8実施形態)
図12は、第8実施形態の内視鏡用光源装置800の断面構成図である。光源である半導体レーザ10は、例えば、可視光を出射する。本実施形態では、半導体レーザ10は、発散性の光L1、L2を射出する。集光レンズ11は、正の屈折力を有する。集光レンズ11は、半導体レーザ10からの発散性の光L1、L2を、収束性の光L1’、L2’に変換して、集光させる。遮光部材であるプレート12は、半導体レーザ10から出射された光L1、L2の変換後の少なくとも一部L1’を遮光する。プレート12により遮光されない光L2’を透過光として透過する。プレート12を透過した光L2’は、光ファイバ15に入射する。保持部材であるピグテイル17は、半導体レーザ10と、集光レンズ11と、プレート12との少なくともいずれか1つを、各々の位置を固定して保持する。具体的には、ピグテイル17は、半導体レーザ10の位置を固定して保持する。また、ピグテイル17は、集光レンズ11の位置を固定して保持する。さらに、ピグテイル17は、プレート12の位置を固定して保持する。
【0077】
プレート12は、熱拡散シート82に熱的に接続されている。また、プレート12は、ピグテイル17に接続部16で固定されている。熱拡散シート82は、例えば、後述する内視鏡の操作部の外装81に接触して固定されている。外装81は、熱発散部材の機能を兼用する。
【0078】
これにより、プレート12の発熱を効率良くピグテイル17の外部(周辺雰囲気)へ放熱できる。
【0079】
(第9実施形態)
次に、他の解決すべき課題を説明する。光源から光ファイバの端面までの部材の相対的な位置決めがとても重要である。この位置決めを容易かつ正確に行う必要がある。位置決めがずれると、光源からの光を有効に光ファイバのコアに集光させることができない。光源から光ファイバの端面までの部材の相対的な位置決めを容易かつ正確に行うことも解決すべき課題となる。
【0080】
本実施形態は、この課題を解決することを目的としている。本実施形態の内視鏡用光源装置は、光を出射する光源と、光源から出射された光を集光する集光レンズと、光源から出射された光の少なくとも一部を遮光し、遮光されない光を透過光として透過する遮光部材と、遮光部材を透過した透過光が入射する光ファイバと、光源と、集光レンズと、遮光部材との少なくともいずれか1つを、各々の位置を固定して保持する保持部材と、透過光の集光位置に基づき、光ファイバの入射端の位置を固定して保持する光ファイバ保持部材と、有することが好ましい。
【0081】
図13は、第9実施形態の内視鏡用光源装置900の断面構成図である。光源である半導体レーザ10は、例えば、可視光を出射する。本実施形態では、半導体レーザ10は、発散性の光L1、L2を射出する。集光レンズ11は、正の屈折力を有する。集光レンズ11は、半導体レーザ10からの発散性の光L1、L2を、収束性の光L1’、L2’に変換して、集光させる。遮光部材であるプレート91は、半導体レーザ10から出射された光L1、L2の変換後の少なくとも一部L1’を遮光する。プレート91により遮光されない光L2’を透過光として透過する。プレート91を透過した光L2’は、光ファイバ15に入射する。保持部材であるピグテイル17は、半導体レーザ10と、集光レンズ11と、プレート91との少なくともいずれか1つを、各々の位置を固定して保持する。具体的には、ピグテイル17は、半導体レーザ10の位置を固定して保持する。また、ピグテイル17は、集光レンズ11の位置を固定して保持する。さらに、ピグテイル17は、プレート91の位置を固定して保持する。
【0082】
さらに、光ファイバ保持部材であるフェルール14は、プレート91を透過した光L2’の集光位置18に基づき、光ファイバ15の入射端である端面15dの位置を固定して保持する。
フェルール14をピグテイル17に挿入することで、光L2’の集光位置18と光ファイバ15のコア15aとを一致させることができる。
【0083】
(第10実施形態)
本実施形態に係る内視鏡は、上述の内視鏡用光源装置と、操作部と、を有し、内視鏡用光源部は、操作部に内蔵されていることが好ましい。
図14は、本実施形態に係る内視鏡950の概略構成図である。内視鏡950は、上述の内視鏡用光源装置100と、操作部96と、を有する。内視鏡用光源部100は、操作部96に内蔵されている。
【0084】
図14に示すように内視鏡システム950は、第1実施形態の内視鏡用光源装置100と、ワイヤレス内視鏡95から無線(ワイヤレス)で送信される撮像信号を受信部98Bが受信して、標準的な映像信号(画像信号)を生成する信号処理装置としてのビデオプロセッサ98と、ビデオプロセッサ98で生成される標準的な映像信号が入力されることにより、標準的な映像信号に対応する画像を内視鏡画像として表示する表示装置としてのモニタ99と、を有する。
【0085】
図14に示すようにワイヤレス内視鏡95は、細長で可撓性を有する挿入部92と、この挿入部92の後端(基端)に設けられた操作部96と、を有する。挿入部92は、この挿入部92の先端に設けられた先端部92Aと、先端部92Aの後端に設けられた湾曲部92Bと、湾曲部92Bの後端から操作部96の前端まで延びる可撓管部92Cと、を有する。
【0086】
本実施形態では、内視鏡用光源装置100を操作部96内に設けている。このため、内視鏡用光源装置100からの熱を操作部96の外装に排熱できる。この結果、常に高効率の照明光により被写体を観察できる。
【0087】
なお、上記各実施形態において、ピグテイル17を複数の部品で構成してもよい。
【0088】
本発明には、以下の発明が含まれる。
(付記項1)
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光を集光する集光レンズと、
前記光源から出射された光の少なくとも一部を遮光し、遮光されない光を透過光として透過する遮光部材と、
前記遮光部材を透過した前記透過光が入射する光ファイバと、
前記光源と、前記集光レンズと、前記遮光部材との少なくともいずれか1つを、各々の位置を固定して保持する保持部材と、
前記透過光の集光位置に基づき、前記光ファイバの入射端の位置を固定して保持する光ファイバ保持部材と、有することを特徴とする内視鏡用光源装置。
【0089】
なお、各実施形態の構成は単独で用いても、自由に組み合わせて用いてもよく、本発明の効果を奏する。また、各実施形態の構成をそれぞれ単独に変更した構成であってもよく、同様に本発明の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0090】
以上のように、本発明は、光ファイバへの不要な入射光を遮光するとともに、その遮光
によって発生する熱を、装置の外部へ排出できる内視鏡用光源装置、及びこれを有する内
視鏡に有用である。
【符号の説明】
【0091】
100、200、300、400、500、600、700、800 内視鏡光源装置
950 内視鏡
10 半導体レーザ(光源)
11 集光レンズ
12、20,91 プレート(遮光部材)
43a、43b、45a、45b、45c プレート(遮光部材)
12a 開口部
12b 遮光部
13 放熱フィン(排熱部材)
14 フェルール(光ファイバ保持部材)
15 光ファイバ
15a コア
15b クラッド
15c 接着剤
15d 端面
16 接続部
17 ピグテイル(保持部材)
L1、L2、L3、L4、L1’、L2’、L3’、L4’ 光
30、61 ペルチェ素子(熱交換部材)
52 ヒートシンク(熱発散部材)
51 グラファイトシート(分散部材)
81 外装
82 熱拡散シート
92 挿入部
92A 先端部
92B 湾曲部
92C 可撓管部
95 ワイヤレス内視鏡
96 操作部
98 ビデオプロセッサ
98B 受信部
99 モニタ