(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-31
(45)【発行日】2022-09-08
(54)【発明の名称】電気融着継手一体型回転継手、ユニット配管およびユニット配管工法
(51)【国際特許分類】
F16L 27/08 20060101AFI20220901BHJP
F16L 47/03 20060101ALI20220901BHJP
F16L 47/06 20060101ALI20220901BHJP
【FI】
F16L27/08 Z
F16L47/03
F16L47/06
(21)【出願番号】P 2022065089
(22)【出願日】2022-04-11
【審査請求日】2022-05-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000201593
【氏名又は名称】前澤給装工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】金井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】土井 克也
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-255684(JP,A)
【文献】特開2009-228761(JP,A)
【文献】特開2019-023497(JP,A)
【文献】特開2019-023496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 27/08
F16L 47/03
F16L 47/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂管の端部を電気融着する電気融着継手部を有する樹脂製の本体と、
前記本体の外周面とスナップ係合する内周面を有する金属製の円環部材と、
前記円環部材に対して軸線を中心に回転可能且つ軸線方向の移動が規制されるように係合する一端部、および器具と接続する他端部を有する金属製の胴と、
を備え
、
前記本体の前記電気融着継手部とは反対側の内周面に、円筒状の金属製のインコアが圧入されており、
前記インコアの前記胴側の端部につば部が形成されており、
前記胴の内周面に段差部が形成されており、
前記つば部は、前記段差部と前記本体との間に配置されていることを特徴とする電気融着継手一体型回転継手。
【請求項2】
前記本体の外周面に第1凸部および第1凹部が形成され、前記円環部材の内周面に第2凸部および第2凹部が形成されており、
前記第1凸部が前記第2凹部に嵌め込まれ、前記第2凸部が前記第1凹部に嵌め込まれて、前記本体の外周面と前記円環部材の内周面とがスナップ係合していること
を特徴とする請求項1に記載の電気融着継手一体型回転継手。
【請求項3】
前記円環部材の外周面に第1溝部が形成され、前記胴の前記一端部の内周面に第2溝部が形成されており、
前記第1溝部および前記第2溝部のそれぞれに部分的に連結部材が入り込んで、前記胴の前記一端部が前記円環部材に対して軸線を中心に回転可能且つ軸線方向の移動が規制されるように係合していること
を特徴とする請求項1に記載の電気融着継手一体型回転継手。
【請求項4】
前記本体の外周面と前記胴の内周面との間はシール部材によってシールされていること
を特徴とする請求項1に記載の電気融着継手一体型回転継手。
【請求項5】
請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の電気融着継手一体型回転継手が前記樹脂管の端部に電気融着されていること
を特徴とするユニット配管。
【請求項6】
請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の電気融着継手一体型回転継手を、工場において前記樹脂管の端部に電気融着してユニット配管を製作し、
現場において前記ユニット配管の前記電気融着継手一体型回転継手を前記器具に接続すること
を特徴とするユニット配管工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気融着継手一体型回転継手、ユニット配管およびユニット配管工法に関する。
【背景技術】
【0002】
屋内の給水給湯配管は、水道メータから台所、洗面、トイレ等の末端の水栓器具まで樹脂管で接続している。このような給水給湯配管には、先分岐方式、ヘッダ方式といった給水方式があり、各給水方式において様々な継手が使用されている。
【0003】
樹脂管との接合には、スパナ等の工具を使用するねじ(メカニカル)式継手、締付け工具不使用で管差し込み(ワンタッチ)式継手の他に、電線に通電して樹脂管外面と継手内面とを融着させ一体化する電気融着式継手がある。電気融着式継手は、専用のコントローラを使用することで、ポリエチレン等の樹脂製の継手内面と樹脂管外面とが溶融し一体化することで接合され、作業者の技量によらない安定した接合が期待できる。それに対して、ねじ式継手、管差し込み式継手では、接合品質が作業者の技量によるところがある。
【0004】
一方、工場において継手を樹脂管の端部に電気融着してユニット配管を製作することが行われている。予め工場でユニット配管を製作することで、現場での接続箇所が水栓器具と継手との接続箇所のみと削減でき、漏水の恐れが減る利点がある。しかし、この場合、水栓器具と接続する部分が回転しない電気融着式継手を、樹脂管の端部に予め工場で接続してしまうと、継手と樹脂管とが一体となり、相互に回転しないため、現場でユニット配管と水栓器具との接続ができなくなる事態が生じる恐れがある。
【0005】
この問題を解決するために、特開2019-23497号公報(特許文献1)、特開2019-23507号公報(特許文献2)には、水栓器具と接続する部分が回転可能な電気融着継手一体型回転継手が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-23497号公報
【文献】特開2019-23507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1,2に記載の電気融着継手一体型回転継手では、樹脂製の内筒部を外筒部にスナップ係合させた後に、拡径治具を使用して内筒部の内周面の一部が拡径されている。これにより、内筒部の内側に挿入されるインコアのうち、内筒部の内面に圧入されない部分が生じる。このため、インコアが内筒部の弾性復元を妨げることが防止されて、規定の小トルクで外筒部と内筒部とを相対回転させることができる。
【0008】
しかしながら、特許文献1,2に記載の電気融着継手一体型回転継手は、樹脂製の内筒部を外筒部にスナップ係合させた後に拡径治具を使用するため、組立てに時間を要する。
また、外筒部が金属製、内筒が樹脂製と、両部品の硬さが異なると、スナップ係合する部分の回転による摩耗や削れによって、内筒部が抜け出す恐れがある。
【0009】
本発明は、器具と接続する部分の回転を確保しつつ、スナップ係合する部分の回転による摩耗や削れの発生を抑制でき、組立て工数を低減できる電気融着継手一体型回転継手、ユニット配管およびユニット配管工法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するため、本発明に係る電気融着継手一体型回転継手は、樹脂管の端部を電気融着する電気融着継手部を有する樹脂製の本体と、前記本体の外周面とスナップ係合する内周面を有する金属製の円環部材と、前記円環部材に対して軸線を中心に回転可能且つ軸線方向の移動が規制されるように係合する一端部、および器具と接続する他端部を有する金属製の胴と、を備え、前記本体の前記電気融着継手部とは反対側の内周面に、円筒状の金属製のインコアが圧入されており、前記インコアの前記胴側の端部につば部が形成されており、前記胴の内周面に段差部が形成されており、前記つば部は、前記段差部と前記本体との間に配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、器具と接続する部分の回転を確保しつつ、スナップ係合する部分の回転による摩耗や削れの発生を抑制でき、組立て工数を低減できる電気融着継手一体型回転継手、ユニット配管およびユニット配管工法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る電気融着継手一体型回転継手の構成を示す図である。
【
図2】
図1に示されるスナップリングの構成を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る電気融着継手一体型回転継手の組立て手順を説明するための断面図である。
【
図4】本実施形態に係る電気融着継手一体型回転継手の組立て手順を
図3から続いて説明するための断面図である。
【
図5】本実施形態に係る電気融着継手一体型回転継手の組立て手順を
図4から続いて説明するための断面図である。
【
図6】本実施形態に係る電気融着継手一体型回転継手の組立て手順を
図5から続いて説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に示す図面において、共通する部材や同種の部材については、同一の参照符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
【0014】
図1(a)は、本発明の実施形態に係る電気融着継手一体型回転継手100の構成を示す一部断面側面図、
図1(b)は、
図1(a)の樹脂管1側から見た図である。
図2(a)は、
図1(a)に示されるスナップリング64の軸線CL方向から見た図、
図2(b)は、
図2(a)のIIb-IIb線断面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電気融着継手一体型回転継手100は、本体2と、円環部材4と、胴6とを備えている。
【0015】
本体2は、円筒状を呈しており、電気融着継手部21と、第1係合部31とを有している。電気融着継手部21は、本体2の樹脂管1側の端部に設けられている。電気融着継手部21は、基部22と、ボビン23と、突起24と、端子25と、コイル26とを有している。基部22は、円筒状を呈している。ボビン23は、基部22の径方向内側に設置されており、外周面に螺旋状の溝が形成されている。突起24は、基部22の外周面から径方向外側に突出して一対設けられている。端子25は、根本部が突起24に埋設されており、先端部が突起24の先端から径方向外側に延びている。コイル26は、ボビン23の螺旋状の溝に巻回されており、通電により発熱する。コイル26の両端は、電線(図示省略)を介して一対の端子25とそれぞれ接続されている。
【0016】
第1係合部31は、本体2の外周面に形成されており、第1凸部32および第1凹部33を有している。第1係合部31は、本体2において電気融着継手部21よりも胴6側に設けられている。本体2は、端子25、コイル26、電線等の特定部位を除いて、例えば架橋ポリエチレン等の樹脂製である。この意味において、本明細書では、本体2は、単に樹脂製と表現する。ボビン23は、例えば一般的なポリエチレン等の樹脂製である。
【0017】
円環部材4は、例えば真鍮等の金属製である。円環部材4は、本体2の外周面に形成された第1係合部31とスナップ係合する第2係合部41が形成された内周面を有している。第2係合部41は、第2凸部42および第2凹部43を有している。第1係合部31の第1凸部32が第2係合部41の第2凹部43に嵌め込まれ、第2係合部41の第2凸部42が第1係合部31の第1凹部33に嵌め込まれて、本体2の外周面と円環部材4の内周面とがスナップ係合している。
また、円環部材4の外周面には、凹状の第1溝部44が形成されている。
【0018】
胴6は、例えば銅合金等の金属製である。胴6は、円環部材4に対して軸線CLを中心に回転可能且つ軸線CL方向の移動が規制されるように係合する一端部61と、台所、洗面、トイレ等の器具(図示省略)と接続する他端部62とを有している。
【0019】
胴6の一端部61の内周面には、凹状の第2溝部63が形成されている。円環部材4の第1溝部44、および胴6の第2溝部63のそれぞれに部分的に連結部材としてのスナップリング64(
図2参照)が入り込んでいる。これにより、胴6の一端部61が円環部材4に対して軸線CLを中心に回転可能且つ軸線CL方向の移動が規制されるように係合している。
【0020】
図2(a)に示すように、スナップリング64は、軸線CL(
図1参照)方向から見て、C字状を呈しており、例えばステンレス鋼等の金属製である。スナップリング64の断面形状は、
図2(b)では円形であるが、四角形等の他の形状であってもよい。また、スナップリング64の材質は、ここでは金属であるが、例えば樹脂等の他の材質であってもよい。
【0021】
胴6の他端部62には、器具との接続のためのねじ部が形成されている。このねじ部は、
図1(a)では雄ねじであるが、雌ねじであってもよい。また、他端部62は、
図1(a)ではストレート形状であるが、湾曲した形状であってもよい。胴6は金属製であるため、樹脂の場合のようにねじ部の締込み過ぎによって破損する恐れはない。
【0022】
胴6の一端部61と他端部62との間の中間部の内周面には、凹状の溝部66が形成されており、溝部66には、シール部材65が装着されている。本体2の電気融着継手部21とは反対側の端部は、シール部材65に対応する位置まで軸線CL方向に延びている。これにより、本体2の外周面と胴6の内周面との間はシール部材65によってシールされている。
【0023】
本体2の電気融着継手部21とは反対側の内周面に、インコア7が圧入されている。すなわち、インコア7は、本体2の外周面と円環部材4の内周面とがスナップ係合されている部分、およびシール部材65の径方向内側に位置する本体2の内周面に圧入されている。インコア7は、円筒状を呈しており、銅合金等の金属製である。インコア7の胴6側の端部には、つば部71が形成されている。つば部71は、インコア7の端縁から径方向外側に拡がるように延びており、リング板状を呈している。胴6の内周面には、段差部67が形成されており、つば部71は、段差部67と本体2との間に配置されている。
【0024】
次に、本実施形態に係る電気融着継手一体型回転継手100の作用を、
図3~
図6を参照して組立て手順に沿って説明する。
まず、
図3(a)に示すように、円環部材4が本体2に矢印方向に押し込まれる。この際、樹脂製の本体2の第1係合部31の部分が弾性変形して、本体2の第1凸部32が円環部材4の第2凹部43に嵌め込まれ、円環部材4の第2凸部42が本体2の第1凹部33に嵌め込まれる。これにより、
図3(b)に示すように、本体2の外周面と円環部材4の内周面とがスナップ係合する。
【0025】
続いて、
図4(a)に示すように、インコア7が本体2に矢印方向に押し込まれる。これにより、
図4(b)に示すように、インコア7は、本体2の電気融着継手部21とは反対側の内周面に圧入される。このとき、インコア7は、つば部71が本体2の電気融着継手部21とは反対側の端面に当接して位置決めされる。
【0026】
続いて、
図5(a)に示すように、スナップリング64が円環部材4に矢印方向に押し込まれる。これにより、
図5(b)に示すように、スナップリング64は、拡径した後に第1溝部44に入り込んで縮径して、円環部材4の第1溝部44に取り付けられる。
【0027】
続いて、
図6(a)に示すように、シール部材65が装着された胴6が、円環部材4が取り付けられた本体2に矢印方向に押し込まれる。この際、スナップリング64は、縮径した後に胴6の第2溝部63に入り込んで拡径し、第1溝部44および第2溝部63のそれぞれに部分的に入り込んだ状態となる。これにより、
図6(b)に示すように、胴6の一端部61が円環部材4に対して軸線CL(
図1参照)を中心に回転可能且つ軸線CL方向の移動が規制されるように係合する。また、胴6に装着されたシール部材65が本体2の外周面に接触し、本体2の外周面と胴6の内周面との間がシール部材65によってシールされる。
【0028】
前記したように、本実施形態に係る電気融着継手一体型回転継手100は、樹脂管1の端部を電気融着する電気融着継手部21を有する樹脂製の本体2と、本体2の外周面とスナップ係合する内周面を有する金属製の円環部材4と、円環部材4に対して軸線CLを中心に回転可能且つ軸線CL方向の移動が規制されるように係合する一端部61、および器具と接続する他端部62を有する金属製の胴6と、を備える。
【0029】
このような本実施形態では、電気融着継手一体型回転継手100が、電気融着継手部21を有する樹脂製の本体2と金属製の円環部材4とのスナップ係合部分と、金属製部品同士の胴6と円環部材4との回転機構部分とに分割されている。したがって、胴6が回転した場合、金属製部品同士の胴6と円環部材4とが相対回転し、スナップ係合する金属製の円環部材4と樹脂製の本体2とは実質的に相対回転しない。このように、スナップ係合する部分が殆ど回転しないため、摩耗や削れの発生が抑制される。これにより、本体2が胴6から抜け出すことが抑制される。
一方、金属製部品同士の胴6と円環部材4とが相対回転することで、器具と接続する他端部62を有する金属製の胴6の回転が確保される。
また、従来技術(特許文献1,2)では、拡径治具を使用して内筒部の内周面の一部を拡径することで、スナップ係合部分である外筒部と内筒部との規定の小トルクでの相対回転を確保しているが、本実施形態では、スナップ係合部分ではなく、金属製部品同士の回転機構部分によって胴6の回転が確保される。このため、本実施形態では、従来技術のように拡径治具を使用した拡径作業が不要であり、組立て工数を低減できる。
したがって、本実施形態によれば、器具と接続する部分の回転を確保しつつ、スナップ係合する部分の回転による摩耗や削れの発生を抑制でき、組立て工数を低減できる電気融着継手一体型回転継手100を提供できる。
【0030】
また、本実施形態では、本体2の外周面に第1凸部32および第1凹部33が形成され、円環部材4の内周面に第2凸部42および第2凹部43が形成されている。そして、第1凸部32が第2凹部43に嵌め込まれ、第2凸部42が第1凹部33に嵌め込まれて、本体2の外周面と円環部材4の内周面とがスナップ係合している。この構成では、本体2の外周面と円環部材4の内周面とをより強固にスナップ係合させることができる。
【0031】
また、本実施形態では、円環部材4の外周面に第1溝部44が形成され、胴6の一端部61の内周面に第2溝部63が形成されている。そして、第1溝部44および第2溝部63のそれぞれに部分的にスナップリング64が入り込んで、胴6の一端部61が円環部材4に対して軸線CLを中心に回転可能且つ軸線CL方向の移動が規制されるように係合している。このようにすれば、簡易な構成で所望の係合を実現することができる。
【0032】
また、本実施形態では、本体2の電気融着継手部21とは反対側の内周面に、円筒状の金属製のインコア7が圧入されている。この構成では、本体2と胴6とが離れる方向に引っ張り荷重がかかった場合に、樹脂製の本体2の内周面が径方向内側に変形することをインコア7によって抑制することができる。これにより、本体2が胴6から抜け出すことがより抑制される。
【0033】
また、本実施形態では、インコア7の胴6側の端部につば部71が形成されており、胴6の内周面に段差部67が形成されている。そして、つば部71は、段差部67と本体2との間に配置されている。この構成では、例えば運搬時に、インコア7が本体2から抜け出すことはない。
【0034】
また、本実施形態では、本体2の外周面と胴6の内周面との間はシール部材65によってシールされている。この構成では、電気融着継手一体型回転継手100からの漏水をより確実に抑制できる。
【0035】
また、本実施形態に係る電気融着継手一体型回転継手100が樹脂管1(
図1参照)の端部に電気融着されたユニット配管を構成することが望ましい。この場合、電気融着継手一体型回転継手100を、工場において樹脂管1の端部に電気融着してユニット配管を製作し、現場において前記ユニット配管の電気融着継手一体型回転継手100を器具に接続するユニット配管工法が採用され得る。電気融着は、本体2の電気融着継手部21の内側に樹脂管1が挿入された状態で、端子25に通電して行われる。この際、端子25への通電によりコイル26が発熱し、樹脂管1の外周面と電気融着継手一体型回転継手100の電気融着継手部21の内周面とが溶融して一体化することで接合される。これにより、樹脂管1の端部に電気融着継手一体型回転継手100が電気融着される。
このような構成によれば、前記した電気融着継手一体型回転継手100の効果に加えて、予め工場でユニット配管を製作することで、現場での接続箇所が器具と電気融着継手一体型回転継手100との接続箇所のみと削減でき、漏水の恐れをより低減できる。
【0036】
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記した実施形態や変形例に記載した構成に限定されるものではない。本発明は、前記した実施形態に記載した構成を適宜組み合わせ乃至選択することを含め、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【符号の説明】
【0037】
1 樹脂管
2 本体
21 電気融着継手部
32 第1凸部
33 第1凹部
4 円環部材
42 第2凸部
43 第2凹部
44 第1溝部
6 胴
61 一端部
62 他端部
63 第2溝部
64 スナップリング(連結部材)
65 シール部材
67 段差部
7 インコア
71 つば部
100 電気融着継手一体型回転継手
CL 軸線
【要約】
【課題】器具と接続する部分の回転を確保しつつ、スナップ係合する部分の回転による摩耗や削れの発生を抑制でき、組立て工数を低減できる電気融着継手一体型回転継手、ユニット配管およびユニット配管工法を提供する。
【解決手段】電気融着継手一体型回転継手100は、樹脂管1の端部を電気融着する電気融着継手部21を有する樹脂製の本体2と、本体2の外周面とスナップ係合する内周面を有する金属製の円環部材4と、円環部材4に対して軸線CLを中心に回転可能且つ軸線CL方向の移動が規制されるように係合する一端部61、および器具と接続する他端部62を有する金属製の胴6と、を備える。
【選択図】
図1