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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】香味劣化補正剤
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/00 20060101AFI20220902BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20220902BHJP
   A23L 2/56 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
A23L2/00 B
A23L2/52 101
A23L2/56
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019180983
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021052697
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2021-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】505249104
【氏名又は名称】トモヱ乳業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000208086
【氏名又は名称】大洋香料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085316
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 三雄
(74)【代理人】
【識別番号】100171572
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100213425
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 正憲
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 吉彦
(72)【発明者】
【氏名】岩間 正紘
(72)【発明者】
【氏名】荒木 綾
(72)【発明者】
【氏名】中條 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】小泉 智江
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】前田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】小栗 雅弥
(72)【発明者】
【氏名】沼田 健人
【審査官】村松 宏紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-113096(JP,A)
【文献】特開2005-082771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数7~12のトランス型α,β-不飽和アルデヒドのうち1種若しくは異なる炭素数からなる2種以上が含まれてなり、
果汁飲料に含有される前記トランス型α,β-不飽和アルデヒドの添加濃度が0.002ppb以上0.02ppb以下であることを特徴とする果汁及び/又は野菜汁に由来する香味の香味劣化補正剤。
【請求項2】
前記トランス型α,β-不飽和アルデヒドと共に、天然精油が含まれてなることを特徴とする請求項に記載の果汁及び/又は野菜汁に由来する香味の香味劣化補正剤。
【請求項3】
前記天然精油がカルダモンオイルであることを特徴とする請求項に記載の果汁及び/又は野菜汁に由来する香味の香味劣化補正剤。
【請求項4】
果汁飲料に含有される前記天然精油の添加濃度が0.01ppb以上0.2ppb未満である
ことを特徴とする請求項2または3に記載の果汁及び/又は野菜汁に由来する香味の香味劣化補正剤。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1つに記載の果汁及び/又は野菜汁に由来する香味の香味劣化補正剤を含む果汁飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、果物及び/又は野菜の果汁飲料の香味劣化補正剤に関する。
【背景技術】
【0002】
果物及び/又は野菜の果汁飲料において、果汁飲料の原料として用いられる果物の果汁、及び野菜汁飲料の原料として用いられる野菜汁は、香味面や栄養価の付与目的として重要な役割を持つ。
【0003】
しかし、これらの果物汁や野菜汁を用いた飲料は流通、店頭における保管時、また商品購入後の保管時において、経日的に果汁及び野菜汁の酸化によって香味劣化が進行し徐々に本来の香味を損なうという問題があった。各飲料会社は当香味劣化を鑑み、製品本来の香味を損なわない期間内において、賞味期限の設定を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平07-135938号公報
【文献】特開2015-042148号公報
【文献】特開2015-112038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、飲料としての品質が飲用に問題がなくとも、香味劣化が感じられれば賞味期限が経過したとして商品価値がないものとみなされることで廃棄処分品として処分されることとなれば自然環境へも影響を及ぼすこととなる。このような問題の改善策として、飲料の酸化を抑制する酸化防止剤の使用や、容器の材質や形状の工夫等が挙げられているが、酸化防止剤は摂取される人体に対する健康への影響が懸念されており、近年はこのような酸化防止剤が混合された飲料が需要者に敬遠される傾向も強くなってきている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者は、果物汁や野菜汁が経日的に増加する香味成分、及び減少する香味成分に着目し、これら成分の補正に寄与する香気成分組成について、鋭意研究を行った結果、果物及び野菜の果汁飲料に少量の添加で劣化した香味を感じさせない香気組成物を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
〔1〕 炭素数7~12のトランス型α,β-不飽和アルデヒドのうち1種若しくは異なる炭素数からなる2種以上が含まれてなることを特徴とする香味劣化補正剤。
〔2〕 果汁飲料に含有される前記トランス型α,β-不飽和アルデヒドの添加濃度が0.002以上0.02ppb以下であることを特徴とする〔1〕に記載の香味劣化補正剤。
〔3〕 前記トランス型α,β-不飽和アルデヒドと共に、天然精油が含まれてなることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の香味劣化補正剤。
〔4〕 前記天然精油がカルダモンオイルであることを特徴とする〔3〕に記載の香味劣化補正剤。
〔5〕 果汁飲料に含有される前記天然精油の添加濃度が0.01ppb以上0.2ppb未満であることを特徴とする〔3〕または〔4〕に記載の香味劣化補正剤。
〔6〕 前記香味の成分は果汁飲料に含まれる果物汁及び/又は野菜汁に由来することを特徴とする〔1〕~〔5〕のいずれか1つに記載の香味劣化補正剤。
〔7〕 〔1〕~〔6〕のいずれか1つに記載の香味劣化補正剤を含む果汁飲料。
【0008】
本発明に係る香味劣化の補正とは、果汁飲料に含まれる果物汁及び/又は野菜汁の酸化による香味劣化をマスキングすることにより、劣化を感じさせにくくする効果をいう。ここで、本発明に用いられる、炭素数7~12のトランス型α,β-不飽和アルデヒドはダイエット効果などの機能的目的で使用される例はあるものの、それ自体にはうま味等の香味成分が感じられず、独自の香りを有する香気成分である。従って、これまでに炭素数7~12のトランス型α,β-不飽和アルデヒドを飲料の香味劣化を補正するといった用途に用いることは、当業者にも想到できるものではなかった。
【0009】
特に、trans-2-ノネナールなどは油臭さを有する香気成分であることが知られており、飲料の香味劣化を補正する用途になど用いることは思いもよらぬものであった。
【0010】
しかし、発明者は、開発当初において、ライチ成分を主体とした多成分からなる組成物が果汁飲料の香味劣化を補正する効果を有することを見出した。そこで、さらに前記多成分のうちで香味劣化補正の効果を発揮している成分を探求したところ、トランス型α,β-不飽和アルデヒドであることを突き止めた。さらに、鋭意研究を進めたことによって、炭素数7~12のトランス型α,β-不飽和アルデヒドに、同様の香味劣化補正の効果があることを見出したものである。この炭素数7~12のトランス型α,β-不飽和アルデヒドの中には前記trans-2-ノネナールなども含まれており、物質そのものからでは到底辿り着けないと思われる本発明が、従来の先入観を打ち破る発想を持った発明者によってなされたといえるものである。

【0011】
なお、炭素数7~12のトランス型α,β-不飽和アルデヒドには、果物汁及び野菜汁に対する酸化防止効果については知見がなく、特に飲料に対する添加濃度が0.002~0.02ppbという微量含有量においては、果汁及び野菜汁に対する酸化防止効果は認められていない。
【0012】
果汁飲料に含まれる本発明に係るトランス型α,β-不飽和アルデヒドの添加濃度が0.002ppbよりも少ないと、香味劣化の補正効果は十分に感じられない。従って、果汁飲料に含まれる本発明に係るトランス型α,β-不飽和アルデヒドの添加濃度は0.004ppb以上であることが好ましい。また、本発明に係るトランス型α,β-不飽和アルデヒドの添加濃度が0.2ppbよりも多くなると、香味劣化の補正効果は発揮するものの、トランス型α,β-不飽和アルデヒド自体の香りも感じられるようになってくるため、飲料の種類によっては十分な効果を発揮できない場合が生じてくる。
【0013】
また、前記トランス型α,β-不飽和アルデヒドと共に含有される天然精油は、カルダモンオイルであることが好ましい。なお、前記トランス型α,β-不飽和アルデヒドと共に含有される天然精油をユーカリオイルとした場合にも、カルダモンオイルよりは弱いものの、果実飲料の香味劣化の補正効果の向上効果は得られる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、果汁飲料の原料となる果汁、若しくは野菜汁の酸化による経日的な香味劣化を補正して、製品本来の香味をより長く維持することができる。
【0015】
本発明に係る香味劣化補正剤を果汁飲料に添加することにより、従来よりも長い賞味期限の飲料を実現することができ、廃棄処分品の減少による環境への負荷を軽減することができる。
【実施例
【0016】
以下、本発明を実施例と比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0017】
〔第一の実施例〕
【0018】
まず、水、アップルフレーバー、及びアップル透明濃縮果汁を表1に示す重量割合で混合し、1000gとした果汁飲料を2つ調整し、一方を対照例、他方を比較例1とした。対照例はアップル透明濃縮果汁に基づく劣化のない香味を具備させるために1日間冷蔵保存(5℃)とした。比較例1はアップル透明濃縮果汁に基づく香味の、冷蔵庫(5℃)における4週間保管と同等の劣化状態を示す加速系として40℃で2日間保存した(虐待品ともいう。)。なお、対照例を1日冷蔵保存したのは、作りたてよりも1日冷蔵保存した方が香味を落ち着かせることができ、従来における実製品の出荷直後の状態を再現できるからである。
【0019】
なお、第一の実施例において、香味劣化補正効果の評価対象となるのはアップル透明濃縮果汁であり、アップルフレーバーは評価対象ではなく、現実の商品に合わせた試料とするために混合されたものである。また、以下の実施例において使用されたオレンジフレーバー、及び野菜フレーバーについても、これらのフレーバーの扱いは本第一の実施例と同様である。
【0020】
さらに、比較例1に対して本発明の香味劣化補正効果の有無を検討するために、エタノールを溶媒として、表1及び表2に示す各種アルデヒド若しくは天然精油成分からなる香気成分を重量割合で10ppbの濃度となるように希釈したものを香気成分希釈液とした。香気成分希釈液は、果汁飲料、若しくは野菜汁飲料に添加されることで果汁若しくは野菜汁由来の香味劣化補正効果が期待されるものである。なお、エタノールには香味劣化補正効果は認められない。
【0021】
調整された前記香気成分希釈液、水、アップルフレーバー(大洋香料株式会社製 アップルFL 6R-1278)、及びアップル透明濃縮果汁(雄山株式会社製 アップル果汁透明TN)を表1に示す重量割合で混合し、残量を水として、対照例及び比較例1と比較可能に濃度調整をおこなった1000gのアップルフレーバー試験用果汁飲料とし、比較例1と同様に40℃で2日間保存した。調整したアップルフレーバー試験用果汁飲料には、それぞれ、実施例、及び比較例として表1及び表2に従って番号を付した。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
得られたアップルフレーバー試験用果汁飲料を専門パネラー4名にて次に示す香味を評価項目として、評価項目ごとに官能評価をおこなった。評価方法は、評価項目ごとの対照例の評価を4としたときの実施例1~10及び比較例1~21における各評価項目の評価を、評価基準に基づいて7段階にて行った。結果は4名のパネラーの評価点の平均値として求めた。
【0025】
評価項目
フレッシュ感、明るさ、劣化臭、異味異臭
評価基準
7:とても強い
6:強い
5:やや強い
4:ふつう
3:やや弱い
2:弱い
1:とても弱い
【0026】
ここで、評価項目におけるフレッシュ感及び明るさは、劣化すると経日的に評価点が低くなる。なお、フレッシュ感はトップノートの強さ及び後引きの短さをいう。明るさはトップに限らず飲料を飲んだ時の全体の印象、イメージであり、例えば、新鮮な果汁飲料には香味に加熱香が感じられず明るい印象をうけて評価点が高くなるが、経日劣化すると香味に加熱香を感じようになることで暗い印象を受けて評価点が低くなる。一方、評価項目における劣化臭及び異味異臭は、劣化すると経日的に評価点が高くなる。
【0027】
香味劣化補正効果の有無の判断基準としては、全ての評価項目における評価点が3.0以上5.0未満の範囲にあることで香味のバランスが保たれ、飲料としての香味劣化補正効果が認められた。一方、評価項目のいずれか1つにおいても3.0より小さいか、若しくは5.0以上の評価結果であった場合には香味のバランスが崩れ、飲料としての香味劣化を感じるものであった。評価結果を表3に示す。なお、表3において比較例1は実施例10の下の行に示している。
【0028】
また、表3の備考欄において、香気成分がアルデヒドに対応する欄にはアルデヒドを構成する炭素数を示し、香気成分がカルダモンオイル及びユーカリオイルに対応する欄には、これらのオイルが天然精油であることを示している。さらに、表3の最も右の欄には官能評価の結果として香味劣化の補正効果の有無を示し、補正効果のあった例については「○」を記載し、補正効果が十分に認められなかった例については「×」を記載した。
【0029】
【表3】
【0030】
表3によれば、香気成分希釈液を含まないアップルフレーバー試験用果汁飲料を40℃において2日間保存した比較例1(虐待品)は、フレッシュ感、明るさ、及び劣化臭が上記判断基準の範囲から大きく離れた評価点を示し、明確な劣化が感じられるものであった。
【0031】
これに対し、炭素数7~12のトランス型α,β-不飽和アルデヒドを香気成分希釈液中に混合した実施例1~実施例10は、比較例1と同じく40℃において2日間の保存条件を経た後においても、全ての評価項目において評価点が判断基準の範囲内に収まっており、比較例1に比べて明らかに香味のバランスが保たれていた。すなわち、実施例1~実施例10に用いられた香気成分希釈液にはアップルフレーバー試験用果汁飲料に対する香味劣化補正効果が認められた。
【0032】
一方、比較例2~比較例15は、評価項目のいずれか1つ以上の項目が判断基準の範囲を超えた評価点を示しており、果汁飲料の香味劣化補正効果は十分ではなかった。
【0033】
さらに、トランス型α,β-不飽和アルデヒドにかえて、天然精油であるカルダモンオイル若しくはユーカリオイルを含有した香気成分希釈液を添加したアップルフレーバー試験用果汁飲料を40℃において2日間保存した比較例16~比較例21は、評価項目のいずれか1つ以上の項目が判断基準の範囲を超えた評価点を示しており、果汁飲料としての香味劣化を感じるものであった。
【0034】
上記表3の結果より、炭素数7~12のトランス型α,β-不飽和アルデヒドによって構成されてなる香気成分希釈液を香味劣化補正剤として添加することにより、果汁飲料の経日的な香味劣化を補正し、経日前の良好な香味を保持できることがわかった。また、炭素数7~12のトランス型α,β-不飽和アルデヒドを2種以上混合し、実施例1~実施例10と同等の濃度となるように果汁飲料中に混合した場合にも、香味劣化補正効果は発揮できる。
【0035】
また、第一の実施例においては評価対象となる飲料をアップル透明濃縮果汁が含有された果汁飲料としたが、本発明の香味劣化の補正の対象はアップル透明濃縮果汁に限定されるものではなく、果汁及び野菜汁の酸化による劣化に基づく香味劣化を対象として補正できる効果がある。
【0036】
〔第二の実施例〕
次に、第一の実施例において香味劣化補正効果が高かったtrans-2-ドデセナールに天然精油であるカルダモンオイルを表4に示す重量部で組み合わせてアップルフレーバー試験用果汁飲料を全体として1000g調整し、第一の実施例と同様に官能評価を行った。なお、第一の実施例における表1の対照例に相当するものとして、表4の飲料において香気成分希釈液を混合せず、これの代替として同量の水を添加したものを冷蔵庫(5℃)で1日保存を行ったものも調整した。評価結果は第一の実施例と同じく各パネラーの評価点の平均値として求めた。評価結果を表5に示す。
【0037】
【表4】
【0038】
【表5】
【0039】
表5より、実施例11、12について実施例1の結果と比較すると、実施例1においては1項目のみについて点数が4.00であったのに対し、実施例11、12については2項目について点数が4.00であり、実施例1よりも冷蔵保存された表4の対照例に、より近い香味に補正されていた。
【0040】
表5の結果より、第一の実施例において単独では香味劣化補正効果を示さなかったカルダモンオイルを、トランス型α,β-不飽和アルデヒドと組み合わせることで、相乗的に香味劣化補正効果の向上を図ることができた。なお、トランス型α,β-不飽和アルデヒドにユーカリオイルを組み合わせた場合にも、カルダモンオイルよりも弱いものの、香味劣化の補正効果の向上効果を確認することができた。
【0041】
〔第三の実施例〕
さらに、第二の実施例における実施例12と同様に、飲料中のtrans-2-ドデセナールを0.004ppb、カルダモンオイルを0.1ppbとなるように組み合わせ、第二の実施例における表4に示すアップル透明濃縮果汁のほか、表6に示すオレンジ混濁濃縮果汁、表7に示す人参濃縮汁、アップル透明濃縮果汁、オレンジ混濁濃縮果汁、及びレモン濃縮果汁の混合飲料について、冷蔵庫(5℃)における4週間保存と同等の40℃において2日間保存を行った後、評価を行った。なお、表6,7における各成分割合値は重量部であり、1000gの飲料となるように調整した。
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】
【表8】
【0045】
得られた飲料を専門パネラー4名にて第一の実施例における評価項目及び評価基準で評価を行った。なお、第一の実施例における表1の対照例に相当するものとして、表4、6、7のそれぞれの飲料において香気成分希釈液を混合せず、これの代替として同量の水を添加したものを冷蔵庫(5℃)で1日保存を行ったものを調整した。評価結果は第一の実施例と同じく各パネラーの評価点の平均値として求めた。
【0046】
その結果、表8に示すように、果汁飲料及び野菜汁飲料のいずれにおいても、各項目において、冷蔵1日保存の未添加品(表4,6,7における対照例)に近いスコアが得られ、香味劣化補正効果が確認された。