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特許7133821任意座標系点群による、自動採寸プログラム、自動採寸装置および自動採寸方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】任意座標系点群による、自動採寸プログラム、自動採寸装置および自動採寸方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/24 20060101AFI20220902BHJP
【FI】
G01B11/24 A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021110218
(22)【出願日】2021-07-01
【審査請求日】2021-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】500584985
【氏名又は名称】株式会社岩崎
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110766
【弁理士】
【氏名又は名称】佐川 慎悟
(74)【代理人】
【識別番号】100165515
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 清子
(74)【代理人】
【識別番号】100169340
【弁理士】
【氏名又は名称】川野 陽輔
(74)【代理人】
【識別番号】100195682
【弁理士】
【氏名又は名称】江部 陽子
(74)【代理人】
【識別番号】100206623
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 智行
(72)【発明者】
【氏名】奈良 久
(72)【発明者】
【氏名】北原 剛
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 将路
【審査官】飯村 悠斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-082951(JP,A)
【文献】特開2020-024094(JP,A)
【文献】特開2008-076384(JP,A)
【文献】特開2020-197979(JP,A)
【文献】特開2015-224980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01B 21/00-21/32
G01C 1/00-15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物における採寸対象面の形状を示す形状モデルを登録する形状モデル登録部と、
前記採寸対象面近傍の3次元点群を取得する3次元点群取得部と、
前記3次元点群から前記採寸対象面近傍の2次元点群を生成する2次元点群生成部と、
前記2次元点群と前記形状モデルとをマッチングすることにより、前記2次元点群における前記形状モデルの概略位置を特定する概略位置特定部と、
前記概略位置に基づいて、前記2次元点群における前記形状モデルの詳細位置を特定する詳細位置特定部と、
前記詳細位置における前記形状モデルの周囲線に基づいて、前記採寸対象面の周囲線を算出する周囲線算出部と、
前記採寸対象面の周囲線に基づいて、前記採寸対象面に関する採寸値を算出する採寸値算出部
としてコンピュータを機能させるとともに
前記概略位置特定部は、前記形状モデルの外周線を包含するマッチング用メッシュによって前記2次元点群を走査し、前記マッチング用メッシュ内に前記2次元点群が存在するメッシュ数と、前記マッチング用メッシュ内に前記形状モデルの断面が存在するメッシュ数との差が最小となる位置を前記概略位置として特定する、自動採寸プログラム。
【請求項2】
構造物における採寸対象面の形状を示す形状モデルを登録する形状モデル登録部と、
前記採寸対象面近傍の3次元点群を取得する3次元点群取得部と、
前記3次元点群から前記採寸対象面近傍の2次元点群を生成する2次元点群生成部と、
前記2次元点群と前記形状モデルとをマッチングすることにより、前記2次元点群における前記形状モデルの概略位置を特定する概略位置特定部と、
前記概略位置に基づいて、前記2次元点群における前記形状モデルの詳細位置を特定する詳細位置特定部と、
前記詳細位置における前記形状モデルの周囲線に基づいて、前記採寸対象面の周囲線を算出する周囲線算出部と、
前記採寸対象面の周囲線に基づいて、前記採寸対象面に関する採寸値を算出する採寸値算出部
としてコンピュータを機能させるとともに
前記詳細位置特定部は、
前記概略位置における前記形状モデルの各頂点ごとに、前記2次元点群のうち最も近い点を対応させ、対応付けられた点同士の目的関数が最小となる座標変換行列を推定し、推定した座標変換行列によって前記各頂点を移動させ、
前記移動後の各頂点ごとに、前記2次元点群のうち最も近い点を対応させ、対応付けられた点同士の目的関数が最小となる座標変換行列を推定し、推定した座標変換行列によって前記各頂点を移動させる処理を繰り返し、
最新の目的関数と前回の目的関数との差が、所定の収束判定閾値より小さくなったときの位置を前記詳細位置として特定する、自動採寸プログラム。
【請求項3】
前記2次元点群生成部は、前記採寸対象面のおよその両端部を結ぶ線分を含む垂直面を中心とし所定の間隔を隔てて平行に設定された2平面間に存在する3次元点群を抽出し、抽出した3次元点群から3次元平面を近似し、抽出した3次元点群を前記3次元平面の法線に直交する2次元平面に投影することによって前記2次元点群を生成する、請求項1または請求項2に記載の自動採寸プログラム。
【請求項4】
前記周囲線算出部は、前記詳細位置における前記形状モデルを構成する周囲線分のそれぞれにつき、各周囲線分の一方側へ第1の間隔を隔てた位置に平行に設定される線分を中心線とし、第2の間隔を隔てて平行に設定された2直線間に存在する2次元点群を抽出し、抽出した2次元点群からRANSAC(Random sample consensus)アルゴリズムによって線分を近似し、近似された各線分の交点を連結することにより前記採寸対象面の周囲線を算出する、請求項1から請求項のいずれかに記載の自動採寸プログラム。
【請求項5】
前記周囲線算出部は、前記中心線を前記周囲線分に漸次近づけながら、抽出された2次元点群の数をカウントし、当該数が各周囲線分の長さの半分を前記2次元点群の平均点間距離で除した値以上となった位置で線分を近似する、請求項に記載の自動採寸プログラム。
【請求項6】
前記第1の間隔は、前記2次元点群の平均点間距離の5~10倍に設定されており、前記第2の間隔は、前記2次元点群の平均点間距離の2~5倍に設定されている、請求項または請求項に記載の自動採寸プログラム。
【請求項7】
前記形状モデルの外周を構成する各外周点と、前記形状モデルの内周を構成する各内周点とは、逆の周方向に沿って順次登録されている、請求項から請求項のいずれかに記載の自動採寸プログラム。
【請求項8】
前記採寸値は、少なくとも2つの採寸点によって特定される距離、角度または勾配であり、前記採寸点として、前記形状モデルの周囲を構成する各周囲点と、これら各周囲点に基づいて定義される定義点とが用いられる、請求項1から請求項のいずれかに記載の自動採寸プログラム。
【請求項9】
構造物における採寸対象面の形状を示す形状モデルを登録する形状モデル登録部と、
前記採寸対象面近傍の3次元点群を取得する3次元点群取得部と、
前記3次元点群から前記採寸対象面近傍の2次元点群を生成する2次元点群生成部と、
前記2次元点群と前記形状モデルとをマッチングすることにより、前記2次元点群における前記形状モデルの概略位置を特定する概略位置特定部と、
前記概略位置に基づいて、前記2次元点群における前記形状モデルの詳細位置を特定する詳細位置特定部と、
前記詳細位置における前記形状モデルの周囲線に基づいて、前記採寸対象面の周囲線を算出する周囲線算出部と、
前記採寸対象面の周囲線に基づいて、前記採寸対象面に関する採寸値を算出する採寸値算出部と、を有し、
前記概略位置特定部は、前記形状モデルの外周線を包含するマッチング用メッシュによって前記2次元点群を走査し、前記マッチング用メッシュ内に前記2次元点群が存在するメッシュ数と、前記マッチング用メッシュ内に前記形状モデルの断面が存在するメッシュ数との差が最小となる位置を前記概略位置として特定する、自動採寸装置。
【請求項10】
構造物における採寸対象面の形状を示す形状モデルを登録する形状モデル登録部と、
前記採寸対象面近傍の3次元点群を取得する3次元点群取得部と、
前記3次元点群から前記採寸対象面近傍の2次元点群を生成する2次元点群生成部と、
前記2次元点群と前記形状モデルとをマッチングすることにより、前記2次元点群における前記形状モデルの概略位置を特定する概略位置特定部と、
前記概略位置に基づいて、前記2次元点群における前記形状モデルの詳細位置を特定する詳細位置特定部と、
前記詳細位置における前記形状モデルの周囲線に基づいて、前記採寸対象面の周囲線を算出する周囲線算出部と、
前記採寸対象面の周囲線に基づいて、前記採寸対象面に関する採寸値を算出する採寸値算出部と、を有し、
前記詳細位置特定部は、
前記概略位置における前記形状モデルの各頂点ごとに、前記2次元点群のうち最も近い点を対応させ、対応付けられた点同士の目的関数が最小となる座標変換行列を推定し、推定した座標変換行列によって前記各頂点を移動させ、
前記移動後の各頂点ごとに、前記2次元点群のうち最も近い点を対応させ、対応付けられた点同士の目的関数が最小となる座標変換行列を推定し、推定した座標変換行列によって前記各頂点を移動させる処理を繰り返し、
最新の目的関数と前回の目的関数との差が、所定の収束判定閾値より小さくなったときの位置を前記詳細位置として特定する、自動採寸装置。
【請求項11】
構造物における採寸対象面の形状を示す形状モデルを登録する形状モデル登録ステップと、
前記採寸対象面近傍の3次元点群を取得する3次元点群取得ステップと、
前記3次元点群から前記採寸対象面近傍の2次元点群を生成する2次元点群生成ステップと、
前記2次元点群と前記形状モデルとをマッチングすることにより、前記2次元点群における前記形状モデルの概略位置を特定する概略位置特定ステップと、
前記概略位置に基づいて、前記2次元点群における前記形状モデルの詳細位置を特定する詳細位置特定ステップと、
前記詳細位置における前記形状モデルの周囲線に基づいて、前記採寸対象面の周囲線を算出する周囲線算出ステップと、
前記採寸対象面の周囲線に基づいて、前記採寸対象面に関する採寸値を算出する採寸値算出ステップと、を有し、
前記概略位置特定ステップでは、前記形状モデルの外周線を包含するマッチング用メッシュによって前記2次元点群を走査し、前記マッチング用メッシュ内に前記2次元点群が存在するメッシュ数と、前記マッチング用メッシュ内に前記形状モデルの断面が存在するメッシュ数との差が最小となる位置を前記概略位置として特定する、自動採寸方法。
【請求項12】
構造物における採寸対象面の形状を示す形状モデルを登録する形状モデル登録ステップと、
前記採寸対象面近傍の3次元点群を取得する3次元点群取得ステップと、
前記3次元点群から前記採寸対象面近傍の2次元点群を生成する2次元点群生成ステップと、
前記2次元点群と前記形状モデルとをマッチングすることにより、前記2次元点群における前記形状モデルの概略位置を特定する概略位置特定ステップと、
前記概略位置に基づいて、前記2次元点群における前記形状モデルの詳細位置を特定する詳細位置特定ステップと、
前記詳細位置における前記形状モデルの周囲線に基づいて、前記採寸対象面の周囲線を算出する周囲線算出ステップと、
前記採寸対象面の周囲線に基づいて、前記採寸対象面に関する採寸値を算出する採寸値算出ステップと、を有し、
前記詳細位置特定ステップでは、
前記概略位置における前記形状モデルの各頂点ごとに、前記2次元点群のうち最も近い点を対応させ、対応付けられた点同士の目的関数が最小となる座標変換行列を推定し、推定した座標変換行列によって前記各頂点を移動させ、
前記移動後の各頂点ごとに、前記2次元点群のうち最も近い点を対応させ、対応付けられた点同士の目的関数が最小となる座標変換行列を推定し、推定した座標変換行列によって前記各頂点を移動させる処理を繰り返し、
最新の目的関数と前回の目的関数との差が、所定の収束判定閾値より小さくなったときの位置を前記詳細位置として特定する、自動採寸方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物を自動的に採寸する技術に関し、特に工事の施工途中ないし施工完了した橋梁等の出来形を計測するのに好適な自動採寸プログラム、自動採寸装置および自動採寸方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、構造物の出来形等を計測する技術として、例えば特開2020-24094号公報には、計測対象面を含む構造物の表面を走査して表面の点群を取得し、点群から計測対象面の輪郭線を抽出し、輪郭線に近似したパターンプレートを輪郭線にフィッティングし、フィッティングされたパターンプレートに基づき構造物の寸法を計測する出来形計測方法が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-24094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
出来形の計測に際しては、計測しようとする計測対象面がどこにあるかを正確に特定する必要がある。このため、特許文献1に記載された発明を含め、従来の計測技術においては、構造物上に複数の基準点を設け、各基準点の公共座標系における座標値を測量するとともに、3次元スキャナー等によって公共座標系における点群データを計測し、当該点群データにおいて各基準点の位置を指定することにより、計測対象面の位置を特定するようになっている。
【0005】
しかしながら、実際の施工現場では、色々な工具や装置が置かれていたり、構造物自体が振動していたり、施工が進むにつれて構造物が変形する等、その環境や条件は様々である。このため、上述した座標値の測量や点群データの計測を迅速に、かつ高精度に行うことが困難であり、計測対象面を正確に特定することができないため、結果として出来形の計測精度が低下し、実用的ではないという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、任意の座標系で計測された3次元点群を用いて、構造物の寸法を簡単かつ高精度に計測することができる自動採寸プログラム、自動採寸装置および自動採寸方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る自動採寸プログラムは、任意の座標系で計測された3次元点群を用いて、構造物の寸法を簡単かつ高精度に計測するという課題を解決するために、構造物における採寸対象面の形状を示す形状モデルを登録する形状モデル登録部と、前記採寸対象面近傍の3次元点群を取得する3次元点群取得部と、前記3次元点群から前記採寸対象面近傍の2次元点群を生成する2次元点群生成部と、前記2次元点群と前記形状モデルとをマッチングすることにより、前記2次元点群における前記形状モデルの概略位置を特定する概略位置特定部と、前記概略位置に基づいて、前記2次元点群における前記形状モデルの詳細位置を特定する詳細位置特定部と、前記詳細位置における前記形状モデルの周囲線に基づいて、前記採寸対象面の周囲線を算出する周囲線算出部と、前記採寸対象面の周囲線に基づいて、前記採寸対象面に関する採寸値を算出する採寸値算出部としてコンピュータを機能させる。
【0008】
また、本発明の一態様として、3次元点群中に存在する採寸対象面のおよその位置を迅速かつ簡単に特定するという課題を解決するために、前記2次元点群生成部は、前記採寸対象面のおよその両端部を結ぶ線分を含む垂直面を中心とし所定の間隔を隔てて平行に設定された2平面間に存在する3次元点群を抽出し、抽出した3次元点群から3次元平面を近似し、抽出した3次元点群を前記3次元平面の法線に直交する2次元平面に投影することによって前記2次元点群を生成してもよい。
【0009】
さらに、本発明の一態様として、採寸対象面以外の点群がノイズとして含まれる2次元点群において、採寸対象面とは座標系が異なる形状モデルの概略的な位置を特定するという課題を解決するために、前記概略位置特定部は、前記形状モデルの外周線を包含するマッチング用メッシュによって前記2次元点群を走査し、前記マッチング用メッシュ内に前記2次元点群が存在するメッシュ数と、前記マッチング用メッシュ内に前記形状モデルの断面が存在するメッシュ数との差が最小となる位置を前記概略位置として特定してもよい。
【0010】
また、本発明の一態様として、大まかに特定した形状モデルの概略位置に誤差がある場合でも、その位置を調整し形状モデルの位置を高精度に求めるという課題を解決するために、前記詳細位置特定部は、前記概略位置における前記形状モデルの各頂点ごとに、前記2次元点群のうち最も近い点を対応させ、対応付けられた点同士の目的関数が最小となる座標変換行列を推定し、推定した座標変換行列によって前記各頂点を移動させ、前記移動後の各頂点ごとに、前記2次元点群のうち最も近い点を対応させ、対応付けられた点同士の目的関数が最小となる座標変換行列を推定し、推定した座標変換行列によって前記各頂点を移動させる処理を繰り返し、最新の目的関数と前回の目的関数との差が、所定の収束判定閾値より小さくなったときの位置を前記詳細位置として特定してもよい。
【0011】
さらに、本発明の一態様として、実際の構造物における採寸対象面の周囲線を求めるという課題を解決するために、前記周囲線算出部は、前記詳細位置における前記形状モデルを構成する周囲線分のそれぞれにつき、各周囲線分の一方側へ第1の間隔を隔てた位置に平行に設定される線分を中心線とし、第2の間隔を隔てて平行に設定された2直線間に存在する2次元点群を抽出し、抽出した2次元点群からRANSAC(Random sample consensus)アルゴリズムによって線分を近似し、近似された各線分の交点を連結することにより前記採寸対象面の周囲線を算出してもよい。
【0012】
また、本発明の一態様として、高い近似精度と高いロバスト性を担保するという課題を解決するために、前記周囲線算出部は、前記中心線を前記周囲線分に漸次近づけながら、抽出された2次元点群の数をカウントし、当該数が各周囲線分の長さの半分を前記2次元点群の平均点間距離で除した値以上となった位置で線分を近似してもよい。
【0013】
さらに、本発明の一態様として、採寸対象面の周囲線に相当する2次元点群を確実に抽出し、当該周囲線を高精度に算出するという課題を解決するために、前記第1の間隔は、前記2次元点群の平均点間距離の5~10倍に設定されており、前記第2の間隔は、前記2次元点群の平均点間距離の2~5倍に設定されていてもよい。
【0014】
また、本発明の一態様として、採寸対象面の周囲線が、周囲線分の周方向に対する一方側に存在する可能性を高くし算出し易くするという課題を解決するために、前記形状モデルの外周を構成する各外周点と、前記形状モデルの内周を構成する各内周点とは、逆の周方向に沿って順次登録されていてもよい。
【0015】
さらに、本発明の一態様として、構造物に関して採寸可能な項目および箇所を増大するという課題を解決するために、前記採寸値は、少なくとも2つの採寸点によって特定される距離、角度または勾配であり、前記採寸点として、前記形状モデルの周囲を構成する各周囲点と、これら各周囲点に基づいて定義される定義点とが用いられてもよい。
【0016】
本発明に係る自動採寸装置は、任意の座標系で計測された3次元点群を用いて、構造物の寸法を簡単かつ高精度に計測するという課題を解決するために、構造物における採寸対象面の形状を示す形状モデルを登録する形状モデル登録部と、前記採寸対象面近傍の3次元点群を取得する3次元点群取得部と、前記3次元点群から前記採寸対象面近傍の2次元点群を生成する2次元点群生成部と、前記2次元点群と前記形状モデルとをマッチングすることにより、前記2次元点群における前記形状モデルの概略位置を特定する概略位置特定部と、前記概略位置に基づいて、前記2次元点群における前記形状モデルの詳細位置を特定する詳細位置特定部と、前記詳細位置における前記形状モデルの周囲線に基づいて、前記採寸対象面の周囲線を算出する周囲線算出部と、前記採寸対象面の周囲線に基づいて、前記採寸対象面に関する採寸値を算出する採寸値算出部と、を有する。
【0017】
本発明に係る自動採寸方法は、任意の座標系で計測された3次元点群を用いて、構造物の寸法を簡単かつ高精度に計測するという課題を解決するために、構造物における採寸対象面の形状を示す形状モデルを登録する形状モデル登録ステップと、前記採寸対象面近傍の3次元点群を取得する3次元点群取得ステップと、前記3次元点群から前記採寸対象面近傍の2次元点群を生成する2次元点群生成ステップと、前記2次元点群と前記形状モデルとをマッチングすることにより、前記2次元点群における前記形状モデルの概略位置を特定する概略位置特定ステップと、前記概略位置に基づいて、前記2次元点群における前記形状モデルの詳細位置を特定する詳細位置特定ステップと、前記詳細位置における前記形状モデルの周囲線に基づいて、前記採寸対象面の周囲線を算出する周囲線算出ステップと、前記採寸対象面の周囲線に基づいて、前記採寸対象面に関する採寸値を算出する採寸値算出ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、任意の座標系で計測された3次元点群を用いて、構造物の寸法を簡単かつ高精度に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る自動採寸プログラムおよび自動採寸装置の一実施形態を示すブロック図である。
図2】本実施形態における採寸対象面の形状を示す図である。
図3】本実施形態における形状モデルを示すデータである。
図4】本実施形態の採寸情報として記憶されている(a)定義点の情報、および(b)採寸箇所の情報である。
図5】本実施形態における帳票データの一例を示す図である。
図6】本実施形態における構造物の採寸対象面と、計測された3次元点群とを示す(a)斜視図および(b)平面図である。
図7】本実施形態において、採寸対象面の近傍に設定される2平面を示す(a)平面図、(b)斜視図および(c)側面図である。
図8】本実施形態において、3次元点群から近似された3次元平面と、その法線方向を示す図である。
図9】本実施形態において、3次元平面の法線に直交する2次元平面と、当該2次元平面に投影された2次元点群を示す図である。
図10】本実施形態における、形状モデルの断面とマッチング用メッシュとを示す図である。
図11】本実施形態において、マッチング用メッシュで走査範囲を走査する様子を示す図である。
図12】本実施形態における形状モデルの概略位置を示す図である。
図13図12における左上端部近傍の拡大図である。
図14】本実施形態における、(a)形状モデルの外周点および(b)形状モデルの内周点と、2次元点群のうち最も近い点との対応付けを示す図である。
図15】本実施形態における形状モデルの詳細位置を示す図である。
図16】本実施形態における周囲線算出部による処理を示す図である。
図17】本実施形態において算出された採寸対象面の周囲線を示す図である。
図18】本実施形態の自動採寸プログラムおよび自動採寸装置によって実行される自動採寸方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る自動採寸プログラム、自動採寸装置および自動採寸方法の実施形態について図面を用いて説明する。
【0021】
本実施形態の自動採寸装置1は、構造物の寸法を計測するためのものであり、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等のコンピュータによって構成されている。また、本実施形態において、自動採寸装置1は、図1に示すように、主として、表示手段2と、入力手段3と、記憶手段4と、演算処理手段5とを有している。以下、各構成について説明する。
【0022】
なお、本実施形態では、張り出し架設工法によって施工される橋桁を構造物とし、当該橋桁の端面を採寸対象面として出来形を計測する例について説明するが、これに限定されるものではなく、採寸対象面となる平面を有する構造物であれば、建築物、防波堤、ボックルカルバート等、様々な構造物の採寸に適用可能である。
【0023】
表示手段2は、液晶ディスプレイ等で構成されており、ユーザに各種の情報を視認させるものである。本実施形態において、表示手段2は、後述するとおり、構造物における採寸対象面の形状を示す形状モデルや3次元点群等を表示する。
【0024】
入力手段3は、マウスやキーボード等で構成されており、ユーザによる各種の選択や指示を入力するものである。本実施形態において、入力手段3は、形状モデルを特定する情報や採寸情報を入力したり、後述するとおり、採寸対象面のおよその両端部を結ぶ線分を指定する際に用いられる。なお、本実施形態では、表示手段2および入力手段3をそれぞれ別個に有しているが、この構成に限定されるものではなく、タッチパネルのように表示機能および入力機能を兼ね備えた表示入力手段を備えていてもよい。
【0025】
記憶手段4は、各種のデータを記憶するとともに、演算処理手段5が演算処理を行う際のワーキングエリアとして機能するものである。本実施形態において、記憶手段4は、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等で構成されており、図1に示すように、プログラム記憶部41と、形状モデル記憶部42と、採寸情報記憶部43と、3次元点群記憶部44と、周囲線記憶部45と、帳票データ記憶部46とを有している。
【0026】
プログラム記憶部41には、本実施形態の自動採寸プログラム1aがインストールされている。そして、演算処理手段5が自動採寸プログラム1aを実行することにより、自動採寸装置1としてのコンピュータを後述する各構成部として機能させるようになっている。
【0027】
なお、自動採寸プログラム1aの利用形態は、上記構成に限られるものではない。例えば、CD-ROMやDVD-ROM等のように、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に自動採寸プログラム1aを記憶させておき、当該記録媒体から直接読み出して実行してもよい。また、外部サーバ等からクラウドコンピューティング方式やASP(Application Service Provider)方式で自動採寸プログラム1aを利用してもよい。
【0028】
形状モデル記憶部42は、構造物における採寸対象面の形状を示す形状モデルを記憶するものである。具体的には、採寸対象面が図2に示すような中空形状である場合、形状モデルは、図3に示すように、外周を構成する各外周点の座標と、内周を構成する各内周点の座標とから構成されている。なお、採寸対象面に中空部分がない場合、各外周点の座標のみが形状モデルとして記憶される。
【0029】
本実施形態において、各外周点は、左上の点(点番号1)を原点とするXY座標系において、外周に沿って右回りに順次点番号が付され、XY座標が登録される。一方、各内周点は、左上の点(点番号9)から内周に沿って左回りに順次点番号が付され、XY座標が登録される。これにより、後述するとおり、各外周点を連結してなる周囲線分および各内周点を連結してなる周囲線分は、それぞれの周方向に対する右側に、採寸対象面の周囲線が存在する可能性が高くなる。
【0030】
なお、外周点および内周点の出発点や登録方向は、上記に限定されるものではなく、任意の点から互いに逆の周方向に沿って順次登録してもよい。また、登録する各座標の座標系は、上記に限定されるものではなく、任意の座標系でよい。さらに、座標の単位は、実測点群座標系における座標値の単位と同一とする。
【0031】
採寸情報記憶部43は、採寸しようとする箇所を特定するための採寸情報を記憶するものである。本実施形態において、採寸される採寸値は、少なくとも2つの採寸点によって特定される距離、角度または勾配である。また、採寸点としては、形状モデルの周囲を構成する各周囲点(外周点および内周点)と、これら各周囲点に基づいて定義される定義点とが用いられる。そこで、採寸情報としては、図4(a)に示すような定義点の情報と、図4(b)に示すような採寸箇所の情報とが記憶されている。
【0032】
本実施形態において、定義点のデータ書式は、図4(a)に示すように、点番号に対応付けて、1点目の点種別、1点目の点番号、2点目の点種別、2点目の点番号、定義点特定種別、距離およびコメントからなる。ここで、点種別としては、周囲点を表す「T」と、定義点を表す「P」とが設定される。また、定義点特定種別としては、1点目から2点目に向かって距離Lの位置にある点を表す「L」や、1点目と2点目の中点を表す「C」が設定される。
【0033】
よって、図4(a)において、例えば、点番号1の定義点は、外周における点番号8の周囲点から点番号1の周囲点に向かって距離753mmの位置にある点として定義されている。また、点番号4の定義点は、内周における点番号15の周囲点と、点番号16の周囲点との中点として定義されている。なお、定義点は、周囲点のみならず、既に定義済みの定義点を用いて定義してもよい。
【0034】
また、本実施形態において、採寸箇所のデータ書式は、図4(b)に示すように、採寸番号に対応付けて、採寸種別、1点目の種別、1点目の点番号、2点目の種別、2点目の点番号、セル名およびコメントからなる。ここで、セル名には、表計算ソフト等によって作成された帳票データに採寸結果を自動転記する際の転記先が指定される。また、採寸種別としては、以下に示す8種類が用意されている。
【0035】
1.1点目と2点目の点間距離(斜め距離)
2.1点目と2点目の水平点間距離(横幅)
3.1点目と2点目の鉛直点間距離(縦幅)
4.指定点を通る水平線と線分Nとの交点までの距離(幅または厚さ)
5.指定点を通る鉛直線と線分Nとの交点までの距離(高さまたは厚さ)
6.指定点から線分Nに下ろした垂線の長さ(幅または厚さ)
7.1点目から2点目への角度(水平を0°とし、左回りに計測する)
8.1点目から2点目への勾配(%)
【0036】
なお、上述したデータ書式は、採寸種別が1~3,7~8の場合に適用されるものであり、採寸種別が4~6の場合は、採寸番号,採寸種別,指定点の種別,指定点の点番,線分Nの始点の種別,線分Nの始点の点番,線分Nの終点の種別,線分Nの終点の点番,セル名,コメントからなるデータ書式が用いられる。また、採寸種別は上記8種類に限定されるものではなく、任意の採寸箇所を適宜設定してもよい。
【0037】
3次元点群記憶部44は、採寸対象面近傍の3次元点群を記憶するものである。本実施形態において、3次元点群記憶部44には、3次元レーザースキャナー(図示せず)によって計測された採寸対象面近傍の3次元点群が記憶される。なお、3次元点群は、3次元レーザースキャナーによって取得されたものに限定されるものではなく、レーザープロファイラー等により取得されたものでもよい。
【0038】
周囲線記憶部45は、採寸対象面の周囲線を記憶するものである。本実施形態において、周囲線記憶部45には、採寸対象面の周囲線を構成する各線分の交点が記憶されている。
【0039】
帳票データ記憶部46は、採寸結果を記録するための帳票データを記憶するものである。本実施形態において、帳票データは、表計算ソフト等によって作成されており、図5に示すように、各種の測定項目ごとに、規格値、目標値、設計値、実測値(採寸値)、設計値と実測値との差等がセルに入力可能となっている。また、上述した採寸箇所のデータ書式においては、実測値のセルが採寸結果を自動転記する際の転記先として登録される。
【0040】
演算処理手段5は、CPU(Central Processing Unit)等で構成されており、プログラム記憶部41にインストールされた自動採寸プログラム1aを実行することにより、図1に示すように、形状モデル登録部51と、採寸情報登録部52と、3次元点群取得部53と、3次元点群合成部54と、2次元点群生成部55と、概略位置特定部56と、詳細位置特定部57と、周囲線算出部58と、採寸値算出部59と、帳票データ作成部60として機能する。以下、各構成部についてより詳細に説明する。
【0041】
形状モデル登録部51は、構造物における採寸対象面の形状を示す形状モデルを登録するものである。本実施形態において、形状モデル登録部51は、ユーザによって入力手段3から入力された採寸対象面に係る座標データ(外周点の座標および内周点の座標)を取得し、形状モデルとして形状モデル記憶部42に登録する。
【0042】
採寸情報登録部52は、採寸しようとする箇所を特定するための採寸情報を登録するものである。本実施形態において、採寸情報登録部52は、ユーザによって入力手段3から入力された採寸情報(定義点の情報および採寸箇所の情報)を取得し、採寸情報記憶部43に登録する。
【0043】
3次元点群取得部53は、採寸対象面近傍の3次元点群を取得するものである。本実施形態において、3次元点群取得部53は、3次元レーザースキャナー(図示せず)から採寸対象面近傍の3次元点群を取得し、3次元点群記憶部44に記憶させる。本実施形態では、後述するアルゴリズムを採用することにより、採寸に使用する3次元点群は、任意の座標系で計測された3次元点群を使用することができる。
【0044】
3次元点群合成部54は、複数箇所で計測された3次元点群を合成するものである。本実施形態において、採寸対象面が3次元レーザースキャナーの計測範囲よりも大きい場合、3次元レーザースキャナーの設置位置を変えながら複数箇所で計測し、それらを合成することによって採寸対象面全体の3次元点群を取得する。
【0045】
具体的には、3次元点群合成部54は、ユーザ等によって下記工程(1),(2)が事前に行われると、下記工程(3)~(6)を実行することにより、複数箇所で計測された3次元点群を合成するようになっている。
(1)計測範囲内の3点以上の任意位置に基準点(白黒の市松模様に塗り分けられた円形平板等)を設置し、各基準点P1~Pnの任意座標系(基準点座標系)における座標Pn(Xn,Yn,Zn)を測量によって求める。
(2)設置された基準点のうち少なくとも3点が計測されるような位置に3次元レーザースキャナーを設置して点群を取得する。これにより、取得した点群中には少なくとも3個以上の基準点も点群として存在する。
(3)各計測箇所で取得された点群ごとに、基準点に相当する点群部分を自動検出するとともに、基準点が白黒に塗り分けられていることを利用して、その点群部分から中心点P1m~PNmの座標PNm(Xmn,Ymn,Zmn)を自動算出する。なお、中心点の座標は、3次元レーザースキャナーが固有に持つ任意座標系(機械点座標系)の座標である。
(4)上記工程(1)で特定された各基準点間の相対距離と、上記工程(3)で特定された各基準点間の相対距離とは、それぞれの座標系において同じであるため、PnとPNmとの間で同じ相対位置関係を持つ組み合わせを抽出し、各計測箇所における点群内で少なくとも3点以上のPnとPNmとの対応を特定する。
(5)特定したPnとPNmとの関係に基づいて、上記工程(3)で算出した機械点座標系における点群の座標値を基準点座標系にマッピングするための「座標変換係数」を算出する。
(6)「座標変換係数」を用いて各計測箇所における機械点座標系の点群を基準点座標系の点群に変換し、変換後の点群を合算する。これにより、複数箇所で計測された3次元点群が合成される。
【0046】
2次元点群生成部55は、3次元点群取得部53により取得された3次元点群または3次元点群合成部54により合成された3次元点群から採寸対象面近傍の2次元点群を生成するものである。例えば、図6(a)に示すような採寸対象面近傍の3次元点群には、鉄筋等の採寸対象面以外のノイズが多数含まれている。よって、採寸に必要となる採寸対象面近傍の点群を特定する必要がある。そこで、本実施形態では、図6(b)に示すように、採寸対象面および3次元点群を真上から見た状態(平面図)を表示手段2に表示し、ユーザに採寸対象面のおよその両端部(P1,P2)を入力手段3から指定させるようになっている。
【0047】
なお、採寸対象面は通常、鉛直面として設計されているが、施工方法、構造物の形状、施工誤差等によって鉛直面に対して傾斜している場合、平面図では採寸対象面の上端縁部と下端縁部とが一致せず、所定の間隔を隔てた平行な二直線に見える。このような場合には、左端部側および右端部側のそれぞれにおいて、前記間隔の中点付近を指定すればよい。採寸対象面が橋桁の軸線方向等に対して傾斜している場合にも同様である。
【0048】
採寸対象面のおよその両端部が指定されると、2次元点群生成部55は、図7に示すように、当該およその両端部を結ぶ線分を含む垂直面を中心とし所定の間隔を隔てて平行な2平面を設定する。そして、2次元点群生成部55は、設定した2平面間に存在する3次元点群を抽出し、抽出した3次元点群から図8に示すような3次元平面を近似する。この近似された3次元平面をその法線方向から見ると採寸対象面となるため、当該法線方向が真正面となるように座標変換すると、図9に示すように、採寸対象面を真正面から見た2次元平面となる。よって、2次元点群生成部55は、抽出した3次元点群を3次元平面の法線に直交する2次元平面に投影することによって図9に示すような2次元点群を生成する。
【0049】
なお、本実施形態では、図7に示すように、2次元点群生成部55が矩形状の2平面によって直方体形状の空間を設定しているが、この形状に限定されるものではない。また、本実施形態では、2次元点群生成部55が最小二乗法を用いて3次元平面を近似しているが、その他の近似手法を用いてもよい。
【0050】
概略位置特定部56は、2次元点群と形状モデルとをマッチングすることにより、2次元点群における形状モデルの概略位置を特定するものである。本実施形態において、概略位置特定部56は、図10に示すように、形状モデルの外周線を包含するマッチング用メッシュを用意し、このマッチング用メッシュによって2次元点群生成部55によって生成された2次元点群を走査する。そして、概略位置特定部56は、マッチング用メッシュ内に2次元点群が存在するメッシュ数と、マッチング用メッシュ内に形状モデルの断面が存在するメッシュ数との差が最小となる位置を形状モデルの概略位置として特定する。
【0051】
具体的には、概略位置特定部56は、まず、図10に示すように、形状モデルの外周線を全て包含するようにマッチング用メッシュを配置し、形状モデルの断面が存在するメッシュの数を形状モデルのメッシュ数として算出する。形状モデルの断面に中空部分がある場合、当該中空部分に係るメッシュはカウントしない。
【0052】
なお、マッチング用メッシュのメッシュ間隔は、走査しようとする2次元点群の平均点間距離を考慮して決定する。メッシュ間隔が大きいほどマッチング結果が実際の位置よりも離れることとなり、後述する詳細位置の特定精度が低下する。一方、メッシュ間隔が小さいほど概略位置の特定精度が向上するものの処理時間がかかるため、本実施形態では、メッシュ間隔を2次元点群の平均点間距離の5倍程度に設定している。
【0053】
また、概略位置特定部56は、図11に示すように、2次元点群が存在する走査範囲の左上隅にマッチング用メッシュの左上角を合わせて配置し、1つでも点が存在するメッシュの数をこの位置におけるメッシュ数とする。つづいて、概略位置特定部56は、マッチング用メッシュを1メッシュ分だけ右方向に移動してメッシュ数を算出し、以下同様にマッチング用メッシュの右端が走査範囲の右端に到達するまで繰り返す。つづいて、概略位置特定部56は、マッチング用メッシュの左端を再び走査範囲の左端まで戻すとともに1メッシュ分だけ下方向に移動してメッシュ数を算出し、以下同様にマッチング用メッシュの右下角が走査範囲の右下隅に到達するまで繰り返す。
【0054】
以上の処理によって、マッチング用メッシュを移動させた各位置におけるメッシュ数が算出される。これにより、概略位置特定部56は、図12に示すように、各位置におけるメッシュ数と、先に算出した形状モデルのメッシュ数との差が最小となる位置を2次元点群中における形状モデルの概略位置として特定する。ただし、この概略位置は、図13に示すように、メッシュ間隔に応じて実際の2次元点群の位置と若干の誤差があるため、より誤差の少ない詳細位置を別途、特定する必要がある。
【0055】
詳細位置特定部57は、概略位置に基づいて、2次元点群における形状モデルの詳細位置を特定するものである。本実施形態において、詳細位置特定部57は、概略位置特定部56によって特定された概略位置における形状モデルの各頂点ごとに、図14に示すように、2次元点群のうち最も近い点を対応させる。そして、詳細位置特定部57は、対応付けられた点同士の目的関数が最小となる座標変換行列を推定し、推定した座標変換行列によって各頂点を移動させる。
【0056】
同様に、詳細位置特定部57は、移動後の各頂点ごとに、2次元点群のうち最も近い点を対応させ、対応付けられた点同士の目的関数が最小となる座標変換行列を推定し、推定した座標変換行列によって各頂点を移動させる処理を繰り返す。そして、詳細位置特定部57は、最新の目的関数と前回の目的関数との差が、所定の収束判定閾値より小さくなったときの位置を詳細位置として特定する。本実施形態における形状モデルの詳細位置を図15に示す。なお、本実施形態では、互いに対応付けられた点同士の距離を目的関数としているが、目的関数はこれに限定されるものではなく、当該距離の二乗和等でもよい。
【0057】
周囲線算出部58は、詳細位置における形状モデルの周囲線に基づいて、採寸対象面の周囲線を算出するものである。詳細位置における形状モデルの全ての周囲線が2次元点群と一致していれば、当該詳細位置に採寸対象面の周囲線(出来形)が存在することになる。しかしながら、実際には若干のズレがあるため、採寸対象面の周囲線を別途、求める必要がある。
【0058】
上述したとおり、本実施形態の形状モデル記憶部42においては、形状モデルの周囲線を構成する各外周点が、外周に沿って右回りに登録されており、形状モデルの周囲線を構成する各内周点は、内周に沿って左回りに登録されている。このため、各外周点を連結してなる周囲線分および各内周点を連結してなる周囲線分は、図15に示すように、それぞれの周方向に対して同じ側に、採寸対象面の周囲線が存在する可能性が高くなる。
【0059】
そこで、図15に示すように、形状モデルの詳細位置が右側にずれている場合、周囲線算出部58は、詳細位置における形状モデルを構成する周囲線分のそれぞれにつき、図16に示すように、各周囲線分の左側へ第1の間隔を隔てた位置に平行に設定される線分を中心線とし、第2の間隔を隔てて平行に設定された2直線間に存在する2次元点群を抽出する。
【0060】
なお、本実施形態において、第1の間隔は、2次元点群の平均点間距離の5~10倍程度に設定し、第2の間隔は、2次元点群の平均点間距離の2~5倍程度に設定している。第1の間隔および第2の間隔が上記範囲内であれば、採寸対象面の周囲線に相当する2次元点群が確実に抽出され、当該周囲線が高精度に算出される。
【0061】
つづいて、周囲線算出部58は、抽出した2次元点群からRANSAC(Random sample consensus)アルゴリズムによって線分を近似する。この近似された線分が妥当であるかどうかは、RANSACアルゴリズムに使用された点の数によって判断できる。採寸対象面が存在しない範囲には点群が存在しないため、点の数は少なくてもよい。一方、潤沢な計測における点の数Nは、L/d×4個程度となる(d:平均点間距離,L:形状モデル上でのターゲット線分の長さ)。よって、高い近似精度と高いロバスト性を担保するには、障害物等による欠測を考慮して、N/2(=L/2d)個程度であれば、2次元点群から最も外側の(出来形としてふさわしい)線分を推定できる。
【0062】
このため、本実施形態において、周囲線算出部58は、図16に示すように、第1の間隔を隔てた位置に設定された中心線を周囲線分に漸次近づけながら、抽出された2次元点群の数をカウントする。そして、抽出した2次元点群の数が、各周囲線分の長さの半分(L/2)を2次元点群の平均点間距離dで除した値以上となったところを妥当な位置とし、当該位置において抽出された2次元点群から線分を近似するようになっている。
【0063】
形状モデルを構成する全ての周囲線分について線分が近似されると、周囲線算出部58は、図17に示すように、近似された各線分の交点(図中の○印)を算出し、各交点を連結することにより採寸対象面の周囲線を算出し、周囲線記憶部45に記憶する。
【0064】
なお、本実施形態では、形状モデルの詳細位置が右側にずれていたため、中心線を各周囲線分の左側に設定している。しかしながら、この構成に限定されるものではなく、形状モデルの詳細位置が左側にずれている場合、中心線は各周囲線分の右側に設定する。また、各外周点および各内周点が逆周りに登録されている場合であっても、周囲線分の周方向に対して同じ側に採寸対象面の周囲線が存在する可能性が高くなる。よって、形状モデルの詳細位置に応じて、中心線を各周囲線分の一方側に設定すればよい。
【0065】
採寸値算出部59は、採寸対象面の周囲線に基づいて、採寸対象面に関する採寸値を算出するものである。本実施形態において、採寸値算出部59は、採寸情報記憶部43に記憶されている採寸情報から採寸点を読み出し、採寸対象面の周囲線上において当該採寸点に相当する採寸相当点を特定する。
【0066】
具体的には、採寸対象面の周囲線は、n本目の周囲線(形状モデルではP1とP2とを結ぶ線として定義されている)の場合、n-1本目とn本目のとの交点Pn_1と、n本目とn+1本目との交点Pn_2とを結ぶ線となる。よって、採寸値算出部59は、採寸情報中の採寸点(Pn_S)が、n本目の周囲線上にあるとき、当該採寸点(Pn_S)に相当する採寸相当点(Pn_S’)は以下のように特定する。
【0067】
1.採寸点(Pn_S)がP1とP2の中点のとき、Pn_1とPn_2の中点を採寸相当点(Pn_S’)とする。
2.採寸点(Pn_S)がP1から距離Lの点のとき、Pn_1から距離L×(Lt/Ls)の点を採寸相当点(Pn_S’)とする(すなわち、比例配分により決定される)。
ただし、LtはP1とP2間の距離であり、LsはPn_1とPn_2間の距離である。
【0068】
そして、採寸値算出部59は、採寸相当点によって特定される距離、角度または勾配等の採寸値を算出するようになっている。具体的には、採寸値算出部59は、採寸情報記憶部43に記憶されている採寸種別に応じて、以下の手順により採寸値を算出する。なお、以下の説明で用いる各符号は、以下を表すものとする。
MT_X:採寸点(PT_X)に相当する採寸相当点
X:採寸情報ごとの1点目、2点目、又は線分の始点(2)・終点(3)のいずれか
P:MT_1を通る水平な線分と、始点がMT_2で終点がMT_3の線分との交点
Q:MT_1を通る鉛直な線分と、始点がMT_2で終点がMT_3の線分との交点
R:MT_1から、始点がMT_2で終点がMT_3の線分へ下した垂線の足(交点)
H:MT_1とMT_2の距離の鉛直成分(Y座標値の差)
L:MT_1とMT_2の距離の水平成分(X座標値の差)
【0069】
1.1点目と2点目の点間距離(斜め距離)
採寸値:MT_1とMT_2間の距離
2.1点目と2点目の水平点間距離(横幅)
採寸値:MT_1とMT_2間のX座標差
3.1点目と2点目の鉛直点間距離(縦幅)
採寸値:MT_1とMT_2間のY座標差
4.指定点を通る水平線と線分Nとの交点までの距離(幅または厚さ)
採寸値:MT_1と点Pとの水平距離
5.指定点を通る鉛直線と線分Nとの交点までの距離(高さまたは厚さ)
採寸値:MT_1と点Qとの鉛直距離
6.指定点から線分Nに下した垂線の長さ(幅または厚さ)
採寸値:MT_1と点Rとの距離
7.1点目から2点目への角度(水平を0°とし、左回りに計測する)
採寸値:MT_1からみたMT_2の方向の角度
8.1点目から2点目への勾配(%)
採寸値:(H/L)×100
【0070】
帳票データ作成部60は、採寸値に基づいて帳票データを作成するものである。本実施形態において、帳票データ作成部60は、採寸値算出部59によって採寸値が算出されると、採寸情報記憶部43に記憶されている採寸箇所の情報のうち、転記先のセルを参照する。そして、帳票データ作成部60は、帳票データ記憶部46に記憶されている帳票データにおける当該セルに、算出された採寸値を転記するようになっている。
【0071】
つぎに、本実施形態の自動採寸プログラム1a、自動採寸装置1および自動採寸方法による作用について説明する。
【0072】
本実施形態の自動採寸プログラム1a、自動採寸装置1および自動採寸方法を用いて、構造物の寸法を計測する場合、図18に示すように、形状モデル登録部51によって形状モデルを登録するとともに(ステップS1)、採寸情報登録部52によって採寸情報を登録する(ステップS2)。これにより、構造物の寸法を計測するのに必要な事前情報が登録される。
【0073】
つぎに、3次元点群取得部53が、採寸対象面近傍の3次元点群を取得する(ステップS3)。このとき、本実施形態では、公共座標系における測量や公共座標系における点群データの計測が不要で、任意の座標系で計測された3次元点群を用いることが可能である。
【0074】
大きな採寸対象面を採寸する場合は、3次元点群合成部54が、複数箇所で計測された3次元点群を合成する(ステップS4)。これにより、採寸対象面全体をカバーする3次元点群が取得される。一方、単一の箇所で計測された3次元点群によって、採寸対象面全体がカバーされる場合、本ステップS4を実行する必要はない。
【0075】
つづいて、2次元点群生成部55が、ステップS3で取得された3次元点群またはステップS4で合成された3次元点群から採寸対象面近傍の2次元点群を生成する(ステップS5)。これにより、採寸対象面の点群を含む2次元点群が得られる。このとき、本実施形態では、ユーザに採寸対象面のおよその両端部を指定させるため、3次元点群中に存在する採寸対象面のおおよその位置が迅速かつ簡単に特定される。
【0076】
つぎに、概略位置特定部56が、ステップS5で生成された2次元点群と、ステップS1で登録された形状モデルとをマッチングすることにより、2次元点群における形状モデルの概略位置を特定する(ステップS6)。これにより、採寸対象面以外の点群がノイズとして含まれる2次元点群において、採寸対象面とは座標系が異なる形状モデルの大まかな位置が特定される。また、本実施形態では、マッチングにマッチング用メッシュを用いているため、メッシュ間隔を適宜調整することで、短い処理時間で形状モデルの位置が大まかに特定される。
【0077】
つづいて、詳細位置特定部57が、ステップS6で特定された概略位置に基づいて、2次元点群における形状モデルの詳細位置を特定する(ステップS7)。これにより、大まかに特定した形状モデルの概略位置に誤差がある場合でも、その位置が調整され形状モデルの位置がより高精度に求められる。
【0078】
つぎに、周囲線算出部58が、詳細位置における形状モデルの周囲線に基づいて、採寸対象面の周囲線を算出する(ステップS8)。このとき、本実施形態では、周囲線算出部58が、上述した中心線に対して平行な2直線間に存在する2次元点群の数が、所定の閾値以上となった位置で線分を近似する。このため、高い近似精度と高いロバスト性が担保される。
【0079】
また、本実施形態では、上述した第1の間隔および第2の間隔をそれぞれ、2次元点群の平均点間距離の5~10倍および2~5倍に設定している。このため、採寸対象面の周囲線に相当する2次元点群が確実に抽出され、当該周囲線が高精度に算出される。
【0080】
さらに、本実施形態では、形状モデル記憶部42において、形状モデルの外周を構成する各外周点と、内周を構成する各内周点とが、逆の周方向に沿って順次登録されている。このため、採寸対象面の周囲線は、周囲線分の周方向に対する一方側に存在する可能性が高くなり、算出し易くなる。
【0081】
ステップS8で採寸対象面の周囲線が算出されると、採寸値算出部59が、採寸対象面の周囲線に基づいて、採寸対象面に関する採寸値を算出する(ステップS9)。本実施形態において、採寸値は、少なくとも2つの採寸点によって特定される距離、角度または勾配であり、採寸点としては、形状モデルの周囲を構成する各周囲点と、これら各周囲点に基づいて定義される定義点とを用いている。このため、構造物に関して採寸可能な項目および箇所が増大する。
【0082】
最後に、帳票データ作成部60が、ステップS9で算出された採寸値に基づいて帳票データを作成する(ステップS10)。これにより、事前に指定されたセルに採寸値が自動的に転記され、帳票データが自動的に作成される。
【0083】
以上のような本実施形態によれば、以下のような効果を奏する。
1.任意の座標系で計測された3次元点群を用いて、構造物の寸法を簡単かつ高精度に計測することができる。
2.3次元点群中に存在する採寸対象面のおおよその位置を迅速かつ簡単に特定することができる。
3.採寸対象面以外の点群がノイズとして含まれる2次元点群において、採寸対象面とは座標系が異なる形状モデルの概略的な位置を特定することができる。
4.大まかに特定した形状モデルの概略位置に誤差がある場合でも、その位置を調整し形状モデルの位置を高精度に求めることができる。
5.実際の構造物における採寸対象面の周囲線を求めることができる。
6.高い近似精度と高いロバスト性を担保することができる。
7.採寸対象面の周囲線に相当する2次元点群を確実に抽出し、当該周囲線を高精度に算出することができる。
8.採寸対象面の周囲線が、周囲線分の周方向に対する一方側に存在する可能性を高くし算出し易くすることができる。
9.構造物に関して採寸可能な項目および箇所を増大することができる。
【0084】
なお、本発明に係る自動採寸プログラム1a、自動採寸装置1および自動採寸方法は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0085】
例えば、上述した本実施形態では、2次元点群生成部55、概略位置特定部56、詳細位置特定部57および周囲線算出部58のそれぞれが実行する具体的な処理を示しているが、各処理部によって実行される処理は上記に限定されるものではなく、各処理部の役割を果たしうる限り、同等、類似または代替的な処理を実行してもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 自動採寸装置
1a 自動採寸プログラム
2 表示手段
3 入力手段
4 記憶手段
5 演算処理手段
41 プログラム記憶部
42 形状モデル記憶部
43 採寸情報記憶部
44 3次元点群記憶部
45 周囲線記憶部
46 帳票データ記憶部
51 形状モデル登録部
52 採寸情報登録部
53 3次元点群取得部
54 3次元点群合成部
55 2次元点群生成部
56 概略位置特定部
57 詳細位置特定部
58 周囲線算出部
59 採寸値算出部
60 帳票データ作成部
【要約】
【課題】 任意の座標系で計測された3次元点群を用いて、構造物の寸法を簡単かつ高精度に計測することができる自動採寸プログラム、自動採寸装置および自動採寸方法を提供する。
【解決手段】 形状モデルを登録する形状モデル登録部51と、採寸対象面近傍の3次元点群を取得する3次元点群取得部53と、3次元点群から採寸対象面近傍の2次元点群を生成する2次元点群生成部55と、形状モデルの概略位置を特定する概略位置特定部56と、形状モデルの詳細位置を特定する詳細位置特定部57と、採寸対象面の周囲線を算出する周囲線算出部58と、採寸対象面に関する採寸値を算出する採寸値算出部59としてコンピュータを機能させる。
【選択図】 図1
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