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特許7133849スパイラルチューブ用治具、スパイラルチューブ取付け方法及びスパイラルチューブ取外し方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】スパイラルチューブ用治具、スパイラルチューブ取付け方法及びスパイラルチューブ取外し方法
(51)【国際特許分類】
   B25B 33/00 20060101AFI20220902BHJP
   F16L 57/00 20060101ALN20220902BHJP
【FI】
B25B33/00
F16L57/00 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019057546
(22)【出願日】2019-03-26
(65)【公開番号】P2020157403
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】501095473
【氏名又は名称】理研興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100195006
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勇蔵
(72)【発明者】
【氏名】柴尾 幸弘
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-129244(JP,A)
【文献】特開2001-236839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 33/00
F16L 57/00
F16L 59/147
B29C 63/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状の細長部材の外側表面にスパイラルチューブを取付け又は取外すスパイラルチューブ用治具であって、
前記細長部材に取付け可能な半円筒状の形状を有する取付部と、
前記取付部に接続され、前記スパイラルチューブを案内する案内部と、
前記案内部に設けられ、前記スパイラルチューブを挿入可能な挿入部と
を備え、
前記挿入部の方向は、前記細長部材の周方向であって、前記細長部材の長手方向に垂直な方向に対し、角度差を有する方向であるスパイラルチューブ用治具。
【請求項2】
前記案内部は、前記細長部材の径方向を軸に回転可能に設けられている請求項1に記載のスパイラルチューブ用治具。
【請求項3】
前記取付部は、前記細長部材の表面に形成された溝部に嵌合可能な突起部を有する請求項1又は2に記載のスパイラルチューブ用治具。
【請求項4】
記取付部の周方向端部に、前記細長部材に接触して前記細長部材を保持する保持部材が設けられている請求項1~3のいずれか一項に記載のスパイラルチューブ用治具。
【請求項5】
前記挿入部の方向に沿って形成された第2案内部を有し、
前記スパイラルチューブは、前記挿入部に挿入された後に前記第2案内部に沿って移動する請求項1~4のいずれか一項に記載のスパイラルチューブ用治具。
【請求項6】
円柱状の細長部材の外側表面にスパイラルチューブを取付けるスパイラルチューブ取付け方法であって、
前記細長部材に取付け可能な半円筒状の形状を有する取付部と、
前記取付部に接続し、前記スパイラルチューブを案内する案内部と、
前記案内部に設けられ、前記スパイラルチューブを挿入可能な挿入部と
を備え、
前記挿入部の方向は、前記細長部材の周方向であって、前記細長部材の長手方向に垂直な方向に対し、角度差を有する方向であるスパイラルチューブ用治具を、
前記細長部材に取付け、
前記スパイラルチューブを、前記挿入部に挿入して前記細長部材に取付けるスパイラルチューブ取付け方法。
【請求項7】
前記スパイラルチューブを、作業者が前記スパイラルチューブの螺旋の方向に回転させながら前記挿入部に挿入する請求項6に記載のスパイラルチューブ取付け方法。
【請求項8】
円柱状の細長部材に取付けられたスパイラルチューブを取外すスパイラルチューブ取外し方法であって、
前記細長部材に取付け可能な取付部と、
前記取付部に接続し、前記スパイラルチューブを案内する案内部と、
前記案内部に設けられ、前記スパイラルチューブを挿入可能な挿入部と
を備え、
前記挿入部の方向は、前記細長部材の周方向であって、前記細長部材の長手方向に垂直な方向に対し、角度差を有する方向であるスパイラルチューブ用治具を、
前記細長部材に取付け、
前記挿入部の方向に沿って形成された第2案内部を前記細長部材に取付け、
前記スパイラルチューブを、前記挿入部に挿入した後に前記第2案内部に沿って移動して前記細長部材から取外すスパイラルチューブ取外し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スパイラルチューブ用治具、スパイラルチューブ取付け方法及びスパイラルチューブ取外し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
螺旋状に巻回されたスパイラルチューブを、パイプやワイヤー等の細長部材に取付けるために使用されるスパイラルチューブ用治具が知られている。特許文献1に記載されたスパイラルチューブ用治具は、内部にワイヤーを通すことのできる筒状部材であり、ワイヤーの長さ方向に延びる切込みを有している。そして、その切込みにスパイラルチューブを挿入することで、治具内部に通されているワイヤーにスパイラルチューブを巻付けて取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-236839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなスパイラルチューブ用治具を用いてワイヤーにスパイラルチューブを取付ける場合には、治具そのものをワイヤーを中心に回転させながらワイヤーの延びる方向へ移動させることが必要である。そのため治具の回転半径内に何らかの固定物が設置されている場所においては、治具を使用できないという問題点があった。
【0005】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、細長部材の周囲において治具を回転させることなくスパイラルチューブを細長部材に取付け又は取外すことができるスパイラルチューブ用治具、スパイラルチューブ取付け方法及びスパイラルチューブ取外し方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、この発明に係るスパイラルチューブ用治具は、円柱状の細長部材の外側表面にスパイラルチューブを取付け又は取外すスパイラルチューブ用治具であって、細長部材に取付け可能な半円筒状の形状を有する取付部と、取付部に接続され、スパイラルチューブを案内する案内部と、案内部に設けられ、スパイラルチューブを挿入可能な挿入部とを備え、挿入部の方向は、細長部材の周方向であって、細長部材の長手方向に垂直な方向に対し、角度差を有する方向である。
【0007】
また、案内部は、細長部材の径方向を軸に回転可能に設けられていてもよい。
また、取付部は、細長部材の表面に形成された溝部に嵌合可能な突起部を有してもよい。
また、取付部は半円筒状の形状を有し、取付部の周方向端部に、細長部材に接触して細長部材を保持する保持部材が設けられていてもよい
また、挿入部方向に沿って形成された第2案内部を有し、スパイラルチューブは、挿入部に挿入された後に第2案内部に沿って移動してもよい。
【0008】
また、上記の課題を解決するために、この発明に係るスパイラルチューブ取付け方法は、円柱状の細長部材の外側表面にスパイラルチューブを取付けるスパイラルチューブ取付け方法であって、細長部材に取付け可能な半円筒状の形状を有する取付部と、取付部に接続され、スパイラルチューブを案内する案内部と、案内部に設けられ、スパイラルチューブを挿入可能な挿入部とを備え、挿入部の方向は、細長部材の周方向であって、細長部材の長手方向に垂直な方向に対し、角度差を有する方向であるスパイラルチューブ用治具を、細長部材に取付け、スパイラルチューブを挿入部に挿入して、細長部材に取付ける。
【0009】
また、スパイラルチューブを、作業者がスパイラルチューブの螺旋の方向に回転させながら前記挿入部に挿入してもよい。
【0010】
また、上記の課題を解決するために、この発明に係るスパイラルチューブ取外し方法は、円柱状の細長部材に取付けられたスパイラルチューブを取外すスパイラルチューブ取外し方法であって、細長部材に取付け可能な取付部と、前記取付部に接続され、スパイラルチューブを案内する案内部と、前記案内部に設けられ、前記スパイラルチューブを挿入可能な挿入部とを備え、前記挿入部の方向は、前記細長部材の周方向であって、前記細長部材の長手方向に垂直な方向に対し、角度差を有する方向であるスパイラルチューブ用治具を、前記細長部材に取付け、前記挿入部の方向に沿って形成された第2案内部を前記細長部材に取付け、前記スパイラルチューブを、前記挿入部に挿入した後に前記第2案内部に沿って移動して前記細長部材から取外す。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係るスパイラルチューブ用治具、スパイラルチューブ取付け方法及びスパイラルチューブ取外し方法は、スパイラルチューブを案内する案内部と、案内部に設けられスパイラルチューブを挿入可能な挿入部とを備えるスパイラルチューブ用治具を細長部材に取付け、挿入部の方向は、細長部材の周方向であって、細長部材の長手方向に垂直な方向に対し、角度差を有する方向であるため、細長部材の周囲において治具を回転させることなくスパイラルチューブを細長部材に取付け、又は取外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明の実施の形態1に係るスパイラルチューブ用治具の使用状態を示す概略図である。
図2図1に示すスパイラルチューブ用治具の概略図である。
図3図2に示すスパイラルチューブ用治具の平面図である。
図4図1に示すスパイラルチューブ用治具の設置部分の拡大図である。
図5図4に示すスパイラルチューブ用治具の設置部分の側面図である。
図6図2に示すスパイラルチューブ用治具によるスパイラルチューブの取付例である。
図7図2に示すスパイラルチューブ用治具によるスパイラルチューブの取付例である。
図8A】この発明の実施の形態2に係るスパイラルチューブ用治具の概略図である。
図8B】この発明の実施の形態2に係るスパイラルチューブ用治具の使用状態を示す概略図である。
図8C】この発明の実施の形態2に係るスパイラルチューブ用治具の使用状態を示す側面図である。
図9A】この発明の実施の形態2に係るスパイラルチューブ用治具の概略図である。
図9B】この発明の実施の形態2に係るスパイラルチューブ用治具の使用状態を示す概略図である。
図9C】この発明の実施の形態2に係るスパイラルチューブ用治具の使用状態を示す側面図である。
図10】この発明の実施の形態3に係るカバーガイドの概略図である。
図11】この発明の実施の形態3に係るカバーガイドの使用状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、スパイラルチューブ用治具10は、使用時に直管形のLED20に取付けられている。LED20の一端を第1LED端部21とし、他端を第2LED端部22とする。スパイラルチューブ用治具10は、第1LED端部21に取付けられている。スパイラルチューブ用治具10は樹脂により形成されている。また、LED20は細長部材を構成している。
【0014】
LED20には、スパイラルチューブ30が取付けられている。スパイラルチューブ30は、細長に且つ薄く形成した透明な樹脂を螺旋状に巻回した透明なスパイラルチューブである。スパイラルチューブ30は、スパイラルチューブ用治具10の案内部11に設けられた挿入穴12に挿入されている。また、スパイラルチューブ30には、LED20の照射する光を吸収し蓄光する蓄光剤が含有されている。なお、図1に示すスパイラルチューブ30は第1LED端部21から第2LED端部22へ左ねじの方向に巻回されているが、右ねじの方向に巻回されるものであってもよい。
【0015】
蓄光剤が含有されたスパイラルチューブ30がLED20に取付けられているため、このようなLED20を照明として用いているときに停電等によりLED20が消灯した場合に、LED20の光を蓄光していたスパイラルチューブ30の蓄光剤が発光して照明効果を得ることができる。また、スパイラルチューブ30によりLED20の表面を保護することができる。
【0016】
図2に示すようにスパイラルチューブ用治具10は、LED20(図1参照)の長手方向に沿って延び、LED20に嵌合可能な半円筒状の嵌合部13と、嵌合部13に接続された案内部11と、案内部11に設けられた挿入穴12とを有している。嵌合部13は半円筒状であるため、周方向に2箇所の端部14が形成されている。すなわち、各端部14間は離間しており、嵌合部13が形成されていない。この実施の形態1においては、LED20の直径は32mmであり、嵌合部13は直径32mmのLEDに嵌合可能な形状及び大きさに形成されている。また、嵌合部13の2箇所の端部14には、嵌合部13が延びる方向に平行に形成された突起部15が、径方向内側にそれぞれ形成されている。挿入穴12は挿入部を構成しており、嵌合部13は取付部を構成している。なお、LED20の直径は32mm以外の任意の直径であってもよく、嵌合部13は直径32mm以外のLED20に嵌合可能な任意の形状及び大きさに形成されていてもよい。
【0017】
図3はスパイラルチューブ用治具10の平面図である。嵌合部13はLED20(図1参照)の長手方向Aに延びている。また、挿入穴12はLED20の周方向であって、且つ長手方向Aに垂直な方向Cに対して角度差θを有するB方向に延びている。すなわち、案内部11は長手方向Aに対して平行ではなく、上記挿入穴12の方向Bの角度差θに相当する角度差を有するように形成されている。この挿入穴12の方向Bは、LED20の長手方向Aに対して、スパイラルチューブ30(図1参照)が螺旋状に延びる方向と同じ方向であるように形成されている。さらに、挿入穴12はスパイラルチューブ30の幅よりもわずかに広く形成されている。
【0018】
次に、この実施の形態1のスパイラルチューブ用治具10を用いて、LED20にスパイラルチューブ30を取付ける方法について説明する。
図4及び図5に示すように天井等に設置されているLED20に対し、作業者はスパイラルチューブ用治具10の、嵌合部13の各端部14間の離間部にLED20を挿入するようにして、LED20にスパイラルチューブ用治具10を取付ける。これにより嵌合部13がLED20に嵌合する。このとき、LED20の周方向のうち半周部分には表面に溝部23が形成されている。そこで、スパイラルチューブ用治具10の端部14の突起部15が、溝部23に嵌合するようにスパイラルチューブ用治具10をLED20に取付ける。これによりLED20に対してスパイラルチューブ用治具10が固定され、スパイラルチューブ用治具10が周方向に回転することを妨げられる。
【0019】
次に、図6に示すように作業者は案内部11の挿入穴12にスパイラルチューブ30の先端を挿入する。スパイラルチューブ30の螺旋状に延びる方向Eと、挿入穴12の方向Bとは同じであるため、挿入穴12に沿ってスパイラルチューブ30が挿入される。次に、図7に示すように作業者は挿入穴12の手前においてスパイラルチューブ30をその螺旋の方向Dに回転させることで、スパイラルチューブ30が挿入穴12にさらに挿入され、挿入穴12を通過後螺旋状に延びる方向Eへ進みつつLED20の表面に巻付けられる。すなわち、作業者がその場でスパイラルチューブ30を螺旋の方向Dに回転させながら挿入穴12に挿入することで、スパイラルチューブ30はLED20の表面に巻付けられる。
【0020】
次に、挿入穴12に沿ってスパイラルチューブ30の挿入を続けると、図1に示すようにスパイラルチューブ30の先端が第2LED端部22まで到達する。これにより、スパイラルチューブ30がLED20の表面に螺旋状に巻付けられた状態で保持される。この状態で第1LED端部21側の、挿入穴12に挿入される前の位置において、LED20に巻付けられていないスパイラルチューブ30を切断し、スパイラルチューブ用治具10を外すことによりLED20へのスパイラルチューブ30の取付が完了する。
【0021】
上記のようにスパイラルチューブ用治具10を用いてLED20にスパイラルチューブ30を取付ける場合には、スパイラルチューブ30の巻きつけに伴いスパイラルチューブ用治具10をLED20に対して回転する必要がなく、またスパイラルチューブ30をLED20の周囲に周回させる必要がない。そのため、LED20の周囲のスペースが狭小であり、スパイラルチューブ用治具10の回転及びスパイラルチューブ30の周回に要するスペースが確保できない場合、又はスパイラルチューブ用治具10の回転及びスパイラルチューブ30の周回作業をするため、作業者の手を挿入するスペースが確保できない場合であっても、スパイラルチューブ30を螺旋の方向Dに回転させながら挿入穴12に挿入するだけでLED20にスパイラルチューブ30を巻付けることができる。
【0022】
また、この場合には作業中にスパイラルチューブ用治具10を第1LED端部21から移動させる必要がない。このため、作業者の移動が制限される場所であっても、作業者が移動することなく手元においてスパイラルチューブ用治具10の挿入穴12にスパイラルチューブ30を挿入する挿入作業を行うだけで、LED20の全長にわたりスパイラルチューブ30を巻付けることができる。
【0023】
また、スパイラルチューブ30の螺旋状に延びる方向Eと、挿入穴12の方向Bとは同じであるため、スパイラルチューブ30は挿入穴12に沿ってスムーズにLED20に巻き付けられ、スパイラルチューブ30の巻付け緩みが発生しづらく巻付けの作業性も向上する。
【0024】
このように、円柱状のLED20にスパイラルチューブ30を取付け又は取外すスパイラルチューブ用治具10であって、LED20に取付可能な嵌合部13と、嵌合部13に接続され、スパイラルチューブ30を案内する案内部11と、案内部11に設けられ、スパイラルチューブ30を挿入可能な挿入穴12とを備え、挿入穴12の方向Bは、LED20の周方向であって、LED20の長手方向Aに垂直な方向Cに対し、角度差θを有する方向であるため、細長部材の周囲において治具を回転させることなくスパイラルチューブを細長部材に取付けることができる。
【0025】
また、円柱状の細長部材にスパイラルチューブを取付けるスパイラルチューブ取付け方法であって、円柱状のLED20に取付可能な嵌合部13と、嵌合部13に接続され、スパイラルチューブ30を案内する案内部11と、案内部11に設けられ、スパイラルチューブ30を挿入可能な挿入穴12とを備え、挿入穴12の方向Bは、LED20の周方向であって、LED20の長手方向Aに垂直な方向Cに対し、角度差を有する方向であるスパイラルチューブ用治具10を、LED20に取付け、スパイラルチューブ30を挿入穴12に挿入してLED20に取付けるため、細長部材の周囲において治具を回転させることなくスパイラルチューブを細長部材に取付けることができる。
【0026】
なお、実施の形態1においては、図3に示すようにスパイラルチューブ用治具10の挿入穴12の方向Bは、LED20の長手方向Aに対して予め決められた一定の角度差θの方向であったが、例えば半円筒状の嵌合部13の径方向を中心軸として、案内部11を回転可能に構成すること等により、挿入穴12の方向Bを長手方向Aに対して調整可能に構成されていてもよい。
【0027】
このように案内部11が、LED20の径方向を軸に回転可能に設けられているため、挿入穴12の方向BをLED20の長手方向Aに対して調整することができ、異なる螺旋の角度を有するスパイラルチューブ30の取付けに対応することができる。
【0028】
また、嵌合部13は、LED20の表面に形成された溝部23に嵌合可能な突起部15を有するため、スパイラルチューブ用治具10がLED20の周方向に回転することを妨げることができる。
【0029】
また、スパイラルチューブ30を、作業者がスパイラルチューブ30の螺旋の方向Dに回転させながら挿入穴12に挿入するため、作業者は移動することなく手元において挿入作業をするだけでLED20の全長にわたりスパイラルチューブ30を巻付けることができる。
【0030】
なお、実施の形態1においては、挿入穴12の方向Bはスパイラルチューブ30の螺旋状に延びる方向Eと同じであったが、スパイラルチューブ30の挿入に支障のない範囲であれば挿入穴12の方向Bとスパイラルチューブ30の螺旋状に延びる方向とが異なっていてもよい。さらに、挿入穴12はスパイラルチューブ30の幅よりもわずかに大きく形成されていたが、スパイラルチューブ30の挿入に支障がない範囲であれば挿入穴12の形状及び大きさは任意の形状及び大きさに形成されてもよい。さらにまた、挿入穴12は案内部11により画定され案内部11を貫徹する穴であったが、スパイラルチューブ30の案内に支障がなければ、例えば嵌合部13の径方向に対して開放された部分を有するような任意の形状を有していてもよい。
【0031】
また、実施の形態1においては、LED20の半周部分には表面に溝部23が形成されており、スパイラルチューブ用治具10の端部14の突起部15が溝部23に嵌合し、LED20に対してスパイラルチューブ用治具10を固定することで、スパイラルチューブ用治具10が周方向に回転することを妨げていたが、LED20の全周に溝部23が形成されていてもよい。さらに、LED20の表面に溝部23を形成せず、端部14がLED20を押圧する力によってLED20に対してスパイラルチューブ用治具10を固定することで、スパイラルチューブ用治具10が周方向に回転することを妨げてもよい。
【0032】
また、実施の形態1においては、LED20に半円筒状の嵌合部13が嵌合することによりLED20にスパイラルチューブ用治具10が取り付けられていたが、スパイラルチューブ用治具10が例えばクランプ等の把持部材を嵌合部13に代えて有し、把持部材によりLED20を把持することによりLED20にスパイラルチューブ用治具10を取付けてもよい。
【0033】
また、実施の形態1においては、LED20の照射する光を吸収し蓄光する蓄光剤を含有するスパイラルチューブ30が用いられていたが、蓄光剤を含有する代わりに表面に蓄光剤を塗布したスパイラルチューブ30を用いても同様の効果を得ることができる。また、スパイラルチューブ30は透明な樹脂を用いたスパイラルチューブであったが、不透明又は半透明な樹脂を用いたスパイラルチューブであってもよい。
【0034】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。この発明の実施の形態2は、実施の形態1に対して、スパイラルチューブ用治具の嵌合部にアタッチメントを設け、アタッチメントによりLEDを保持するようにしたものである。
【0035】
図8Aに示すように、スパイラルチューブ用治具10は、嵌合部13に取付け可能なアタッチメント16を有している。アタッチメント16は、嵌合部13の端部14に嵌合可能なアタッチメント溝部17を有している。また、アタッチメント16はアタッチメント溝部17を挟んで厚板部16aと薄板部16bとを有している。さらに、アタッチメント16は保持部材を構成している。その他の構成は実施の形態1と同じである。
【0036】
次に、この実施の形態2におけるLED20にスパイラルチューブ30を取付けるために、LED20にスパイラルチューブ用治具10を取付ける方法について説明する。
図8Bに示すように、直径32mm用の嵌合部13に直径22mmのLED20を挿入する。次に、アタッチメント16のアタッチメント溝部17を、嵌合部13の端部14に嵌合することでアタッチメント16がスパイラルチューブ用治具10に取付けられる。このとき、アタッチメント16は厚板部16aが内側になるように取り付けられる。
【0037】
図8Cに示すように、直径32mm用の嵌合部13の端部14に、アタッチメント16を取付けることにより、直径22mmのLED20に各アタッチメント16の厚板部16aが接触して押圧する。これによりLED20が嵌合部13に保持され、スパイラルチューブ用治具10がLED20に取付けられる。
【0038】
また、他の直径のLED20にスパイラルチューブ用治具10を取付ける場合を以下に説明する。図9A図9Bに示すように、アタッチメント16を薄板部16bが内側になるようにして嵌合部13に取り付ける。この変形例では、図9Bに示すように直径32mm用の嵌合部13に直径28mmのLED20を挿入し、次に図9Cに示すように、直径32mm用の嵌合部13の端部14に、アタッチメント16を薄板部16bが内側になるようにして取付けることにより、直径28mmのLED20に各アタッチメント16が接触して押圧する。これによりLED20が嵌合部13に保持され、スパイラルチューブ用治具10がLED20に取付けられる。
【0039】
このように、嵌合部13は半円筒状の形状を有し、嵌合部13の周方向の端部14に、LED20に接触してLED20を保持する保持部材が設けられるため、直径の大きなLED20に対応する嵌合部13を有するスパイラルチューブ用治具10に、より直径の小さなLED20を取付けることができ、取付作業の柔軟性が向上する。
【0040】
また、LED20の径に合わせてアタッチメント16の取付方向を変更することで、同じアタッチメント16を用いつつ直径22mm及び直径28mmの2種類のLED20を嵌合部13に嵌合させることができるため、スパイラルチューブ用治具10の部品の種類を増やすことなく異なる直径を有するLEDに取付けることができる。
【0041】
なお、実施の形態2においては、アタッチメント16は直径22mm及び直径28mmのLED20に接触して、嵌合部13に嵌合させることができる厚板部16a及び薄板部16bを有していたが、アタッチメント16はこれ以外の任意の直径を有するLED20に接触して、嵌合部13に嵌合させることができる形状及び大きさを有していてもよい。また、実施の形態2においてはアタッチメント16が2個設けられていたが、アタッチメント16を一個のみ設け、アタッチメント16と、アタッチメント16の設けられていない端部14とにLED20を接触させて嵌合部13に保持する構成であってもよい。
【0042】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3について説明する。この発明の実施の形態3は、実施の形態1に対して、送り出されるスパイラルチューブ30を案内する第2案内部を設けたものである。
【0043】
図10に示すように、取外し部材40は、円筒状部材の周方向の一部が形成されていない形状である半円筒状の支持部41と、支持部41の内側に設けられた第2突起部42と、支持部41から延びる支柱43と、支柱43の端部に設けられた周方向の一部に離間部を有し、スパイラルチューブ30(図1参照)を支持可能な長さを有する半円筒状の案内樋部44とを有している。案内樋部44は、第2案内部を構成している。その他の構成は実施の形態1と同じである。
【0044】
次に、この実施の形態3における取外し部材40の使用について説明する。
取外し部材40は、実施の形態1に示したようにLED20の表面にスパイラルチューブ30を巻付け、取付けた状態からスパイラルチューブ30を取外すときに用いられる。
【0045】
図11に示すように、第2LED端部22にスパイラルチューブ用治具10の嵌合部13を嵌合し、LED20にスパイラルチューブ用治具10を取付ける。次に、第2LED端部22に取外し部材40の支持部41を嵌合し、LED20に取外し部材40を取付ける。第2突起部42が押圧することにより支持部41は第2LED端部22に強固に取り付けられる。ここで、第2案内部の支柱43(図10参照)はLED20の長手方向に延びている。また、支柱43の端部に設けられた案内樋部44は、スパイラルチューブ30の螺旋状に延びる方向E(図7参照)において、案内部11よりも後側であって且つ案内部11に近い位置に設けられている。そして、案内樋部44は、スパイラルチューブ用治具10の案内部11の挿入穴12の延びる方向Bと同じ方向に延びるように形成されている。
【0046】
次に、作業者がスパイラルチューブ30を螺旋状に延びる方向Eに押し出すと、スパイラルチューブ30は第2LED端部22に設けられたスパイラルチューブ用治具10の挿入穴12に挿入される。さらに作業者がスパイラルチューブ30を螺旋状に延びる方向Eへ押し出すと、挿入穴12を通ったスパイラルチューブ30は案内樋部44の表面に沿って移動する。すなわち、スパイラルチューブ30はLED20の表面から離れていく。案内樋部44により、スパイラルチューブ30を螺旋状に延びる方向Eに押し出したときにスパイラルチューブがLED20の表面に再度巻付くことがなく、簡単にスパイラルチューブ30をLED20から取外すことができる。
【0047】
このように、挿入穴12の方向Bに沿って形成された案内樋部44を有し、スパイラルチューブ30は、挿入穴12に挿入された後に案内樋部44に沿って移動するため、スパイラルチューブ30をLED20の周囲を回転させることなく簡単にLED20から取外すことができる。
【0048】
また、LED20に取付け可能な嵌合部13と、嵌合部13に接続され、スパイラルチューブ30を案内する案内部11と、案内部11に設けられ、スパイラルチューブ30を挿入可能な挿入穴12とを備え、挿入穴12の方向Bは、LED20の周方向であって、LED20の長手方向Aに垂直な方向Cに対し、角度差θを有する方向であるスパイラルチューブ用治具10を、LED20に取付け、挿入穴12の方向Bに沿って形成された案内樋部44をLED20に取付け、スパイラルチューブ30は、挿入穴12に挿入された後に案内樋部44に沿って移動してLED20から取外されるため、スパイラルチューブ30をLED20の周囲を回転させることなく簡単にLED20から取外すことができる。
【0049】
なお、実施の形態3においては、案内樋部44は半円筒状の形状を有していたが、スパイラルチューブ30を案内可能であればこれ以外の形状であってもよい。また、案内樋部44は、挿入穴12の延びる方向Bと同じ方向に延びるように形成されていたが、スパイラルチューブ30を案内可能な範囲で挿入穴12の延びる方向Bとずれた方向に形成されていてもよい。
【0050】
また、実施の形態1~3では、LED20にスパイラルチューブ30を巻付けていたが、スパイラルチューブ30を取付ける対象の細長部材はLED20でなくともよい。例えば、LED20に代えて直管形蛍光灯に取付けてもよいし、階段の手すり、扉の取手、水道管等の各種管材及びワイヤー等の、任意の細長部材に取付けてもよい。
【符号の説明】
【0051】
11 案内部、12 挿入穴(挿入部)、13 嵌合部(取付部)、14 端部、15 突起部、16 アタッチメント(保持部材)、20 LED(細長部材)、23 溝部、30 スパイラルチューブ、44 案内樋部(第2案内部)、A 長手方向、B 挿入穴の方向(挿入部の方向)、C 垂直な方向、D 螺旋の方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10
図11