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特許7133850発光装置、視線誘導装置、非破壊検査装置及び非破壊検査方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】発光装置、視線誘導装置、非破壊検査装置及び非破壊検査方法
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20220902BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20220902BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20220902BHJP
   F21V 9/30 20180101ALI20220902BHJP
   G01N 21/88 20060101ALI20220902BHJP
   F21W 111/02 20060101ALN20220902BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220902BHJP
【FI】
F21S2/00 663
G02B6/00 326
F21V8/00 241
F21V8/00 281
F21V8/00 282
F21V9/30
G01N21/88 K
F21W111:02
F21Y115:10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019105229
(22)【出願日】2019-06-05
(65)【公開番号】P2020198267
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】501095473
【氏名又は名称】理研興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100195006
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勇蔵
(74)【代理人】
【識別番号】100212657
【弁理士】
【氏名又は名称】塚原 一久
(72)【発明者】
【氏名】柴尾 幸弘
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-191690(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02B 6/00
F21V 8/00
F21V 9/30
G01N 21/88
F21W 111/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
一端部に光を照射すると側面部から側面散乱光を放出し、他端部から照射光を放出する線状発光体と、
を備え、
前記光源は、前記線状発光体の前記一端部に光を照射可能に設けられ、
前記線状発光体の前記他端部は、前記照射光を被照射物に放出可能に設けられ、前記被照射物の表面に対して平行な方向に前記照射光を放出する発光装置。
【請求項2】
光源と、
一端部に光を照射すると側面部から側面散乱光を放出し、他端部から照射光を放出する線状発光体と、
を備え、
前記光源は、前記線状発光体の前記一端部に光を照射可能に設けられ、
前記線状発光体の前記他端部は、前記照射光を被照射物に放出可能に設けられ
前記被照射物は、蓄光塗料、蛍光塗料又は蓄光蛍光塗料のいずれかを有する発光装置。
【請求項3】
光源と、
一端部に光を照射すると側面部から側面散乱光を放出し、他端部から照射光を放出する線状発光体と、
を備え、
前記光源は、前記線状発光体の前記一端部に光を照射可能に設けられ、
前記線状発光体の前記他端部は、前記照射光を被照射物に放出可能に設けられ
前記光源はLEDであって、前記被照射物は前記LEDの発光する波長の光を蓄光する蓄光塗料を有する発光装置。
【請求項4】
光源と、
一端部に光を照射すると側面部から側面散乱光を放出し、他端部から照射光を放出する線状発光体と、
を備え、
前記光源は、前記線状発光体の前記一端部に光を照射可能に設けられ、
前記線状発光体の前記他端部は、前記照射光を被照射物に放出可能に設けられている発光装置を備える視線誘導装置。
【請求項5】
光源と、
一端部に光を照射すると側面部から側面散乱光を放出し、他端部から照射光を放出する線状発光体と、
を備え、
前記光源は、前記線状発光体の前記一端部に光を照射可能に設けられ、
前記線状発光体の前記他端部は、前記照射光を被照射物に放出可能に設けられている発光装置を備える非破壊検査装置であって、
前記被照射物は検査対象物であって、
前記線状発光体の前記他端部から前記検査対象物に光を照射し、前記検査対象物を観察することで前記検査対象物の状態を検査する非破壊検査装置。
【請求項6】
光源と、
一端部に光を照射すると側面部から側面散乱光を放出し、他端部から照射光を放出する線状発光体と、
を備え、
前記光源は、前記線状発光体の前記一端部に光を照射可能に設けられ、
前記線状発光体の前記他端部は、前記照射光を被照射物に放出可能に設けられている発光装置を備える非破壊検査方法であって、
前記被照射物は検査対象物であって、
前記線状発光体の前記他端部から前記検査対象物に光を照射し、前記検査対象物を観察することで前記検査対象物の状態を検査する非破壊検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光装置、視線誘導装置、非破壊検査装置及び非破壊検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示すように、線状の導光樹脂線の一端部から光を入射し、入射した光の一部を導光樹脂線の側面から出すことにより発光する導光樹脂線が知られている。
【0003】
また特許文献2に示すように、そのような導光樹脂線を道路の路肩や上下線の区分を示すガードケーブルに使用されるワイヤロープに取付けて発光させ、ワイヤロープの視認性を高める構成が知られている。
【0004】
ワイヤロープの視認性を高める場合には、例えば等間隔に設けられたワイヤロープの支柱毎に光源を設け、光源によりワイヤロープに取付けられた導光樹脂線の一端部に光を照射して発光させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2000-338330号公報
【文献】特開2002-155480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、導光樹脂線の発光輝度は、光源から距離が離れるに従って低下する。そのため、ワイヤロープに取付けられた導光樹脂線を発光させて、道路通行者の視線を誘導する視線誘導装置として用いる場合には、ワイヤロープの全長において導光樹脂線を一端部から他端部まで十分な輝度で光らせるために、光源の輝度を高くしなくてはならないという問題点があった。
【0007】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、光源の輝度を高くしなくとも視線誘導装置を十分な輝度で発光させることができる発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、この発明に係る発光装置は、光源と、一端部に光を照射すると側面部から側面散乱光を放出し、他端部から照射光を放出する線状発光体とを備え、光源は、線状発光体の一端部に光を照射可能に設けられ、線状発光体の他端部は、照射光を被照射物に放出可能に設けられ、被照射物の表面に対して平行な方向に照射光を放出する
【0009】
また、線状発光体の他端部は、被照射物の表面に対して非平行な方向に照射光を放出してもよい。
また、線状発光体の他端部は、被照射物の表面に対して平行な方向に照射光を放出してもよい。
また、上記の課題を解決するために、この発明に係る発光装置は、光源と、一端部に光を照射すると側面部から側面散乱光を放出し、他端部から照射光を放出する線状発光体と、を備え、光源は、線状発光体の一端部に光を照射可能に設けられ、線状発光体の他端部は、照射光を被照射物に放出可能に設けられ、被照射物は、蓄光塗料、蛍光塗料又は蓄光蛍光塗料のいずれかを有する
また、この発明に係る発光装置は、光源と、一端部に光を照射すると側面部から側面散乱光を放出し、他端部から照射光を放出する線状発光体と、を備え、光源は、線状発光体の一端部に光を照射可能に設けられ、線状発光体の他端部は、照射光を被照射物に放出可能に設けられ、光源はLEDであって、被照射物はLEDの発光する波長の光を蓄光する蓄光塗料を有する
【0010】
また、上記の課題を解決するために、この発明に係る視線誘導装置は光源と、一端部に光を照射すると側面部から側面散乱光を放出し、他端部から照射光を放出する線状発光体と、を備え、光源は、線状発光体の一端部に光を照射可能に設けられ、線状発光体の他端部は、照射光を被照射物に放出可能に設けられている発光装置を備えていてもよい。
【0011】
また、上記の課題を解決するために、この発明に係る非破壊検査装置及び非破壊検査方法は光源と、一端部に光を照射すると側面部から側面散乱光を放出し、他端部から照射光を放出する線状発光体と、を備え、光源は、線状発光体の一端部に光を照射可能に設けられ、線状発光体の他端部は、照射光を被照射物に放出可能に設けられている発光装置を備える非破壊検査装置及び非破壊検査方法であって、被照射物は検査対象物であって、線状発光体の他端部から検査対象物に光を照射し、検査対象物を観察することで検査対象物の状態を検査してもよい。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係る発光装置、視線誘導装置、非破壊検査装置及び非破壊検査方法は、光源と、一端部に光を照射すると側面部から側面散乱光を放出し、他端部から照射光を放出する線状発光体とを備え、光源は、線状発光体の一端部に光を照射可能に設けられ、線状発光体の他端部は、照射光を被照射物に放出可能に設けられているので、光源の輝度を高くしなくとも視線誘導装置を十分な輝度で発光させることができる発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の実施の形態1に係る発光装置を有する視線誘導装置の概略図である。
図2図1に示す導光樹脂線の概略図である。
図3図2に示す導光樹脂線の長手方向から見た断面図である。
図4図1に示す取付部材の側面図である。
図5図2に示す導光樹脂線の径方向から見た断面図である。
図6】この発明の実施の形態2に係る視線誘導装置の概略図である。
図7A図6に示すワイヤロープ支柱への導光樹脂線の取付状態を示す概略図である。
図7B図7Aに示すワイヤロープ支柱への導光樹脂線の取付状態を示す概略図である。
図8図6に示すガイド部材の概略図である。
図9図6に示すワイヤロープ支柱へのガイド部材の取付状態を示す平面図である。
図10】この発明の実施の形態2に係る視線誘導装置の概略図である。
図11図6に示す視線誘導装置を有する防護柵の概略図である。
図12】この発明の実施の形態3に係る視線誘導装置を有する防護柵の概略図である。
図13】この発明の実施の形態4に係る視線誘導装置の概略図である。
図14A図13に示すスノーポールの上部を示す概略図である。
図14B図13に示すスノーポールへの導光樹脂線の取付状態を示す概略図である。
図15図13に示すスノーポールの設置例を示す概略図である。
図16】この発明の実施の形態5に係る視線誘導装置の概略図である。
図17】この発明の実施の形態6に係る非破壊検査装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、道路上の車道及び歩道、車道及び路肩、又は車道の上下線等を区分するガードレール20は、長手方向に沿って延びるように形成された凹部21を有している。凹部21の、路面に対して略垂直な垂直面21aには蛍光部材60が設けられている。蛍光部材60は、紫外線を照射すると蛍光を発する蛍光塗料を薄い樹脂シートに塗布したものである。蛍光部材60は、被照射物を構成している。
【0015】
凹部21には道路通行者に対する視線誘導装置100に用いられる発光装置10が設けられている。発光装置10は、線状の導光樹脂線30をガードレール20の長手方向に沿うように平行に3本並べることにより構成されている。これにより、導光樹脂線30の側面部35(図2参照)と蛍光部材60とは対向している。また、導光樹脂線30は、取付部材23により凹部21に取付けられている。
【0016】
ガードレール20を支持するガードレール支柱22の上部には太陽電池モジュール50が設けられている。太陽電池モジュール50は、太陽電池モジュール50の発電した電力により充電される図示しないバッテリに接続されている。バッテリは、図示しない点灯制御装置に接続されている。点灯制御装置は、導光樹脂線30の一端部31を照射可能に設けられた後述するブラックライトに接続されている。点灯制御装置は照度センサ又はタイマを有しており、バッテリの電力をブラックライトに供給するとともにブラックライトの点灯及び消灯の制御を行う。
【0017】
図2は導光樹脂線30の概略図である。導光樹脂線30の一端部31を照射可能に設けられたブラックライト40からは、主に紫外線領域の波長の光41が照射される。光41が導光樹脂線30の一端部31へ入ると、導光樹脂線30の側面から光41の一部が側面散乱光42として放出されて照射される。そして側面散乱光42として照射されなかった光は導光樹脂線30の他端部32から照射光43として放出されて照射される。また、ブラックライト40は光源を構成しており、導光樹脂線30は線状発光体を構成している。
【0018】
図3は、導光樹脂線30を長手方向に対して垂直な面に沿って切断した断面図である。導光樹脂線30は円形の断面を有している。また導光樹脂線30は、径方向外側部にフッ素系樹脂で構成されたクラッド33と、径方向内側部にアクリル系樹脂で構成されたコア34とを有している。
【0019】
図4は、図1に示す取付部材23を説明する図である。取付部材23は、ガードレール20(図1参照)の長手方向に概ね沿って縦3列及び横3列に形成された、合計9個の第1~第9取付穴24a~24iを有している。各取付穴は、ガードレール20に取付部材23を取付けたときに、ガードレール20の凹部21の有する垂直面21aから、最も遠い側の取付穴が上方から順に24a,24b,24cであり、2番目に遠い側の取付穴が上方から順に24d,24e,24fであり、3番目に遠い側、すなわち垂直面21aに対して最も近い側の取付穴が上方から順に24g,24h,24iとして構成されている。第1~第9取付穴24a~24iは、導光樹脂線30の直径よりもわずかに大きく形成されている。
【0020】
再度図1を参照して説明すると、ガードレール支柱22に最も近い1番目の取付部材23において、3本の導光樹脂線30のうち上から1本目の導光樹脂線30の一端部31は第1取付穴24aに挿入されている。また、3本の導光樹脂線のうち上から2本目の導光樹脂線30の一端部31は第2取付穴24bに挿入されている。さらに、3本の導光樹脂線のうち上から3本目の導光樹脂線30の一端部31は第3取付穴24cに挿入されている。
【0021】
次にガードレール支柱22から2番目の取付部材23において、上から1本目の導光樹脂線30は第4取付穴24dに挿入されている。また、上から2本目の導光樹脂線30は第5取付穴24eに、上から3本目の導光樹脂線30は第6取付穴24fに挿入されている。
【0022】
次にガードレール支柱22から3番目の取付部材23において、上から1本目の導光樹脂線30の他端部32は第7取付穴24gに挿入されている。また、上から2本目の導光樹脂線30の他端部32は第8取付穴24hに挿入されている。さらに、上から3本目の導光樹脂線30の他端部32は第9取付穴24iに挿入されている。
【0023】
これにより、導光樹脂線30は、ガードレール20の垂直面21a及び蛍光部材60に対して非平行に、浅い角度を有して配置され、且つ一端部31よりも他端部32の方が垂直面21a及び蛍光部材60に近くなるように配置される。したがって、一端部31より導光樹脂線30に光を照射したときに他端部32は照射光43を蛍光部材60に照射可能に配置されており、照射光43は、蛍光部材60に浅い角度がついた状態で照射される。
【0024】
次に、実施の形態1に係る発光装置10の動作について説明する。
図1に示すように、太陽電池モジュール50は昼間の日照時に太陽光により発電し、図示しないバッテリを充電する。図示しない点灯制御装置は照度センサにより周囲の明るさがあらかじめ決められた閾値以下となるか、又はタイマにより所定の時刻となったことを検出することで、周囲が暗くなったことを検出する。周囲が暗くなったことを検出すると、次に点灯制御装置はバッテリから図示しないブラックライト40(図2参照)へ電力を供給して、ブラックライト40を点灯状態にする。
【0025】
ここで、この実施の形態1では、点灯状態とは実際にはブラックライトに断続的に電力を供給して点滅させる制御をしている状態をいう。天候等の理由により昼間に太陽電池モジュール50への日照が十分に得られない場合がありうることを想定して、ブラックライト40を点滅させることにより、連続して点灯させるよりも消費電力を低減してバッテリの電力を節約するためにこのような制御が行われる。なお、バッテリの電力に余裕がある場合や、道路管理者が発光装置10の視認性をより向上させたい場合等には、点灯状態における制御をブラックライト40を連続して点灯させる制御としてもよい。
【0026】
図2に示すようにブラックライト40を点灯状態にすると、導光樹脂線30に主に紫外線領域の波長の光41が照射される。図5は導光樹脂線30を長手方向に沿って切断した断面図である。図5に示すように光41を一端部31に入射すると、コア34内を進行する光41のうちの一部の光45がクラッド33とコア34との境界面で反射し、他端部32に届く前に光45の一部である主に紫外線領域の波長の側面散乱光42が導光樹脂線30の側部より照射される。また、側面散乱光42とならなかった光は、クラッド33とコア34との境界面での反射を繰り返して導光樹脂線30の他端部32に到達し、他端部32から主に紫外線領域の波長の照射光43として照射される。
【0027】
図1に示すようにガードレール20の凹部21の垂直面21aに設けられた蛍光部材60は、発光装置10の導光樹脂線30から側面散乱光42が照射されることにより側面散乱光42を受けて蛍光を発する。また蛍光部材60は、導光樹脂線30の他端部32から照射光43が照射されることによっても蛍光を発する。このため、蛍光部材60の発する蛍光を道路通行者の視線誘導に利用することにより、発光装置10を有する視認性の高い視線誘導装置100を利用することができる。
【0028】
このとき導光樹脂線30のコア34内を進行する光45(図5参照)は、進行にしたがい側面散乱光42として徐々に散乱し又は減衰していく。ゆえに光源であるブラックライト40からの距離が離れるにしたがって、側面散乱光42の輝度が低下する。そのため、仮に蛍光部材60の全長に導光樹脂線30を延ばし側面散乱光42により蛍光を発光させた場合、ブラックライト40から離れた位置では蛍光の輝度が低下し視認性が不十分となる。
【0029】
一方、他端部32から照射される照射光43は側面散乱光42として散乱しなかった光であるため、比較的高い輝度を有する。そのため、他端部32付近において側面散乱光42により蛍光部材60が発する蛍光の輝度に対して、照射光43が照射されることにより蛍光部材60が発する蛍光は比較的高い輝度となる。また導光樹脂線30は、蛍光部材60の表面に対して浅い角度を有して配置されているため、他端部32から照射光43が蛍光部材60の表面に対して斜めに放出される。これにより、他端部32から広い範囲の蛍光部材60が照射されるため、蛍光部材60が発する蛍光の視認性が向上する。
【0030】
このように、ブラックライト40と、一端部31に光41を照射すると側面部35から側面散乱光42を放出し、他端部32から照射光43を放出する導光樹脂線30とを備え、ブラックライト40は、導光樹脂線30の一端部31に光41を照射可能に設けられ、導光樹脂線30の他端部32は、照射光43を蛍光部材60に放出可能に設けられているため、発光装置10はブラックライト40の輝度を高くしなくとも蛍光部材60を十分な輝度で発光させることができる。
【0031】
また、導光樹脂線の他端部32は、蛍光部材60の表面に対して非平行な方向に照射光43を放出しているため、広い範囲の蛍光部材60が照射光43により照射され、蛍光部材60が発する蛍光の視認性を向上させることができる。
【0032】
また、蛍光部材60には蛍光塗料が塗布されているため、側面散乱光42及び照射光43により蛍光部材60は蛍光を生じることができる。
【0033】
また、ガードレール20の視線誘導装置100は発光装置10を有しているため、視認性の良い視線誘導装置を得ることができる。
【0034】
なお、この実施の形態1では導光樹脂線30を3本設けていたが、導光樹脂線の本数は任意の数であってもよい。また、取付部材23が3個設けられ、各取付部材23には第1~第9取付穴24a~24iが各9個ずつ設けられていたが、取付部材及び取付穴の数は設計に応じて任意の数であってもよい。
【0035】
また、この実施の形態1では光源としてブラックライト40を用いていたが、これに代えて主に紫外線領域の光を発光する紫外線LEDを用いてもよい。また、可視光領域の光を発光するLEDを用いてもよい。可視光領域の光を発光するLEDを用いても紫外線領域の場合よりも輝度は低下するものの、蛍光部材60は蛍光を発することができる。また、導光樹脂線30の側面散乱光42を肉眼で視ることが可能であるため、側面散乱光42を直接視線誘導装置100の誘導用の光として用いることができる。
【0036】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。実施の形態1ではガードレールに発光装置10が設けられていたのに対して、この発明の実施の形態2では防護柵の支柱に発光装置が設けられている。尚、以下の実施の形態において、図1図5の参照符号と同一の符号は、同一または同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
【0037】
図6に示すように防護柵73に視線誘導装置101が設けられている。防護柵73は、道路の車道からの車両の転落を防止し、又は対向車線への車両のはみ出しを防止する等の目的で設けられる。防護柵73は、路面に対して略垂直に設けられた円柱状のワイヤロープ支柱25を有している。ワイヤロープ支柱25は、5本のワイヤロープ26を略等間隔に通す穴を有し、隣り合うワイヤロープ支柱25との間にワイヤロープ26を支持している。ワイヤロープ支柱25とワイヤロープ26とは、防護柵73を構成している。なお、ワイヤロープ26の本数や間隔は必要に応じ5本以外の任意の本数及び間隔であってもよい。
【0038】
太陽電池モジュール50はワイヤロープ支柱25の上部に設けられている。太陽電池モジュール50は図示しないバッテリに接続されている。バッテリは、図示しない点灯制御装置に接続されている。点灯制御装置は、ワイヤロープ支柱25の上部に2個設けられたLED44に、図示しない配線により電気的に接続されている。また、点灯制御装置はLED44の点灯及び消灯の制御を行う。LED44は主に可視光領域の波長の光を照射する。
【0039】
ワイヤロープ支柱25に取付けられた視線誘導装置101は、LED44と導光樹脂線30とから構成される発光装置11を有している。導光樹脂線30はワイヤロープ支柱25の長手方向に沿うように、ワイヤロープ支柱25の上部から下部に向けて並列に2本設けられている。
【0040】
各導光樹脂線30の一端部31は、各LED44からの光が照射可能であるようにLED44に近接して、ワイヤロープ支柱25の上側に設けられている。各導光樹脂線30の他端部32は、ワイヤロープ支柱25の下部に設けられている。導光樹脂線30の他端部32の下方には、輪状の蓄光部材61がワイヤロープ支柱25に取付けられている。
【0041】
図7Aはワイヤロープ支柱25への導光樹脂線30の取付状態を示す図であり、図7B図7Aに記載された導光樹脂線30を、2本の導光樹脂線30の取付角度を見やすいようにガイド部材28の側方から見た図である。ワイヤロープ支柱25には、LED44の下方であって2段目のワイヤロープ26の上に配置された輪状固定部材27と、該輪状固定部材27に支持されワイヤロープ支柱25の径方向に突出するガイド部材28が取り付けられている。2本の導光樹脂線30が、ガイド部材28の上部ガイド28a及び下部ガイド28bを通り支持している。
【0042】
図7Bに示すように、上部ガイド28aに対して下部ガイド28bはワイヤロープ支柱25により近い位置で各導光樹脂線30を支持しているため、各導光樹脂線30は一端部31からワイヤロープ支柱25に対し斜めに延び、下方に行くに従ってワイヤロープ支柱25に接近するように配置されている。
【0043】
図8を用いて、ガイド部材28の詳細な形状を説明する。ガイド部材28は、その長手方向に略水平に形成された上部ガイド28aと下部ガイド28bとを有している。図8(a)は上部ガイド28aと下部ガイド28bの側からガイド部材28を見た斜視図であり、図8(b)は図8(a)の逆側からガイド部材28を見た斜視図である。ガイド部材28の上部には上部フック28eが形成されている。上部フック28eを輪状固定部材27(図7B参照)に掛けることでガイド部材28は輪状固定部材27に支持される。ガイド部材28の側部に、側方に突出する側部フック28fが形成されている。
【0044】
上部ガイド28aには2個の上部穴28cが形成され、下部ガイド28bには2個の下部穴28dが形成されている。上部穴28c及び下部穴28dにそれぞれ導光樹脂線30を通すことにより、ガイド部材28に導光樹脂線30が支持される。図7Bに示すようにワイヤロープ支柱25にガイド部材28を取付けたときに、上部穴28cよりも下部穴28dの方がワイヤロープ支柱25に近接するような位置に上部穴28c及び下部穴28dは配置されている。そのため、各導光樹脂線30は上側よりも下側の方がワイヤロープ支柱25に近接するように配置されている。
【0045】
図9は、ワイヤロープ支柱25へのガイド部材28の取付状態を示す平面図である。図7A及び図9に示すように側部フック28fは、ワイヤロープ支柱25に形成された切欠部25aに掛けられている。これによりガイド部材28は、ワイヤロープ支柱25の周方向に対して固定されている。
【0046】
図10図6に示す発光装置11を側方から見た図である。ガイド部材28の下方において各導光樹脂線30はワイヤロープ支柱25と当接し、屈曲部31aを形成している。すなわち各導光樹脂線30は、一端部31から屈曲部31aまでは、ワイヤロープ支柱25の長手方向に対して非平行に浅い角度を有して配置されている。また、各導光樹脂線30は屈曲部31aから他端部32までは、ワイヤロープ支柱25に略平行に沿って配置されている。
【0047】
LED44から導光樹脂線30の一端部31に光が照射されたときに、他端部32から照射される照射光43aが照射可能である位置に、蓄光部材61が配置されている。蓄光部材61は、蓄光剤を透明樹脂材料に混ぜて生成した蓄光樹脂塗料を塗布した樹脂部材である。蓄光樹脂塗料の蓄光剤は、主に可視光線領域の光を吸収し蓄光するため、蓄光部材61は可視光線領域の光を蓄光し光が照射されていない時に発光する。
【0048】
図11は、防護柵73の各ワイヤロープ支柱25に発光装置11を有する視線誘導装置101を設けた状態を示している。その他の構成は実施の形態1と同じである。
【0049】
次に、実施の形態2に係る発光装置11の動作について説明する。
図示しない点灯制御装置は照度センサ又はタイマ等により周囲が暗くなったことを検出すると、図11に示すようにバッテリからLED44に電力を供給して、LED44を点灯状態にする。実施の形態1で説明した通り、本発明の点灯状態は光源が点滅している状態を含んでいる。この実施の形態2においてLED44が点滅状態である場合、導光樹脂線30の側面からは図示しない主に可視光領域の波長の側面散乱光が間欠的に照射され、また他端部32からは主に可視光領域の波長の照射光43aが間欠的に蓄光部材61に照射される。
【0050】
蓄光部材61はLED44の点滅により、照射光43aが照射されているときに蓄光し、照射光43aが照射されていないときに蓄光した光を発光する。これにより、LED44が点滅することにより照射光43aが蓄光部材61に照射されていないタイミングにおいても、略途切れなく蓄光部材61が発光するため、LED44の輝度を高くしなくても発光装置11は十分に蓄光部材61を発光させることができる。
【0051】
また、導光樹脂線30は他端部32(図10参照)においてワイヤロープ支柱25に対し略平行に配置されている。このため、他端部32は照射光43aを、蓄光部材61の表面に対して略平行な方向に広範囲に放出して、蓄光部材61を照射する。これにより、蓄光部材61の蓄光される面積が広くなり、発光時の視認性が向上する。
【0052】
さらに、LED44の点滅により、導光樹脂線30の側面から側面散乱光が間欠的に照射されるため、ワイヤロープ支柱25に沿って広い発光範囲を得ることができ、視認性の高い視線誘導装置101を得ることができる。
【0053】
このように、光源はLED44であって、蓄光部材61は、蓄光塗料を有し、また、蓄光部材61は、LED44の発光する波長の光を蓄光するため、光源としてLED44を使用した場合であっても、LED44の輝度を高くしなくとも十分な輝度で蓄光部材61を発光させることができる。
【0054】
また、導光樹脂線30の他端部32は、蓄光部材61の表面に対して平行な方向に照射光43aを放出するため、蓄光部材61の視認性を向上することができる。
【0055】
また、防護柵73の視線誘導装置101は発光装置11を有しているため、視認性の良い視線誘導装置を得ることができる。
【0056】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3について説明する。この実施の形態3は、実施の形態2に対して照射光43aをワイヤロープ支柱25の直下の路面に照射するものである。
【0057】
図12に示すように、実施の形態2とは異なりワイヤロープ支柱25には蓄光部材61が取付けられていない。導光樹脂線30の他端部32から照射される照射光43aは、ワイヤロープ支柱25の直下の路面に照射される。照射光43aが照射される被照射領域62には、蓄光塗料により例えば進行方向を示す矢印等の路面標示64が描画されている。路面標示64は被照射物を構成している。その他の構成は実施の形態2と同じである。
【0058】
この実施の形態3では、路面標示64は照射光43aが照射されたときに蓄光し、照射光43aが照射されていないときに発光するため、より視認性の高い路面標示64を有する視線誘導装置101を構成することができる。
【0059】
なお、路面標示64は蓄光塗料により描画された矢印に限定されるものではない。路面標示64は例えば、蛍光塗料により描画されたものでもよく、また文字や記号等を描画したものであってもよい。これにより、例えば立入禁止区域等を示す所定のメッセージ等を通行者に視認させることができる。また、被照射領域62に広範囲に蓄光塗料又は蛍光塗料を塗布してもよい。これにより、被照射領域62の広い面積を発光させ、LED44の点滅時の路面の視認性を向上させることができる。
【0060】
なお、実施の形態2及び3においては1本のワイヤロープ支柱25に対してLED44及び導光樹脂線30を各2個設けていたが、1本のワイヤロープ支柱25に対するLED44及び導光樹脂線の数は各1個でもよいし、各3個以上であってもよい。また、LED44及び導光樹脂線30の取付位置は、LED44が導光樹脂線30の一端部31を照射可能な位置であれば適宜変更してもよい。
【0061】
また、図11及び図12に示すように複数のワイヤロープ支柱25に視線誘導装置101を設ける場合、各ワイヤロープ支柱25毎にLED44と、導光樹脂線30と、蓄光部材61又は被照射領域62とを設けるのではなく、複数本のワイヤロープ支柱25につき一本のワイヤロープ支柱25に対してLED44と、導光樹脂線30と、蓄光部材61又は被照射領域62とを設けてもよい。
【0062】
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4について説明する。実施の形態4はスノーポールに発光装置を設けたものである。
図13に示すように、スノーポール29に視線誘導装置102が設けられている。視線誘導装置102には、LED44及び導光樹脂線30を有する発光装置12が設けられている。また、スノーポール29の最上部には図示しないバッテリに接続されている太陽電池モジュール50が設けられている。
【0063】
スノーポール29の長手方向に沿うように、スノーポール29の上部から下部に向けて2本の導光樹脂線30が並列に設けられている。スノーポール29の上部にはLED44が設けられている。LED44からの光が照射可能であるように、導光樹脂線30の一端部31はLED44に近接して、スノーポールの上側に設けられている。導光樹脂線30の他端部32は、スノーポール29の下部に設けられている。導光樹脂線30の下側には、輪状の蓄光部材61が取付けられている。蓄光部材61は、他端部32からの照射光42aに照射されることができるように形成されている。
【0064】
図14Aは、スノーポール29の上部におけるLED44及び導光樹脂線30の取付状態を示している。スノーポール29の上端に、板材を折り曲げ加工して形成され上部と下部とを有する取付部材51が取付けられている。取付部材51の上部、すなわちスノーポール29の最上部に太陽電池モジュール50が取付けられている。LED44は取付部材51の下部に取付けられている。各導光樹脂線30の一端部31が、取付部材51の下部を貫通してLED44に取付けられている。
【0065】
図14Bは、スノーポール29の中央部におけるガイド部材28及び導光樹脂線30の取付状態を示している。スノーポール29の中央部に輪状固定部材27が取付けられている。ガイド部材28の上部フック28eが、輪状固定部材27に取付けられている。これにより、ガイド部材28がスノーポール29に取付けられている。
【0066】
ガイド部材28の上部ガイド28aに2個の上部穴28cが設けられ、下部ガイド28bに2個の下部穴28gが形成されている。上部穴28c及び下部穴28gにそれぞれ導光樹脂線30を通すことにより、ガイド部材28に導光樹脂線30が支持される。実施の形態2のガイド部材28(図8参照)と異なり、この実施の形態4では上部穴28c及び下部穴28gはスノーポール29に対して同じ距離に設けられている。そのため、各導光樹脂線30はスノーポール29の長手方向に対して略平行に取り付けられている。その他の構成は実施の形態2と同じである。
【0067】
次に、この実施の形態4に係る発光装置12の動作について説明する。発光装置12の導光樹脂線30は、スノーポール29の長手方向に対して略平行に取り付けられている。このため、他端部32は照射光43aを、蓄光部材61の表面に対して略平行な方向に広範囲に放出して、蓄光部材61を照射する。これにより、蓄光部材61の蓄光される面積が広くなり、発光時の視認性が向上する。
【0068】
また、照射光43aの一部はスノーポール29の直下の路面に照射される。そのため、非積雪時には直下の路面が被照射領域となり、直下の路面に蓄光塗料又は蛍光塗料等を塗布しておくことで視認性の高い視線誘導装置を得ることができる。
【0069】
図15は、この実施の形態4に係るスノーポール29の設置例を示す図である。積雪時には、照射光43aの一部はスノーポール29の直下の積雪表面65に照射される。これにより、スノーポール29直下の積雪表面65が被照射領域62となり照射光42aを反射する。そのため、積雪時には通行者が被照射領域62における照射光42aの反射光を視認することで、積雪の表面の高さ及び積雪量を認識することができる。
【0070】
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5について説明する。実施の形態5に係る発明は、壁高欄に発光装置を設けたものである。
図16に示すように、高速道路等の側壁70の壁高欄71に、太陽電池モジュール50と、視線誘導装置103が設けられている。視線誘導装置103には、導光樹脂線30とLED44とから構成される発光装置13が設けられている。太陽電池モジュール50は、図示しないバッテリに接続されている。
【0071】
導光樹脂線は、壁高欄71の長手方向に沿って設けられている。また、LED44からの光が照射可能であるように、導光樹脂線30の一端部31はLED44に近接して設けられている。また壁高欄71の、導光樹脂線30の他端部32の近傍には、樹脂シートに蓄光塗料を塗布した蓄光部材63が設けられている。蓄光部材63は被照射物を構成している。
【0072】
導光樹脂線30は壁高欄71の長手方向に対して非平行に、浅い角度を有して配置され、且つ一端部31よりも他端部32の方が壁高欄71の表面に近くなるように取り付けられている。これにより、照射光43aは蓄光部材63を浅い角度で広範囲に照射する。これにより、蓄光部材63の蓄光される面積が広くなり、発光時の視認性が向上する。その他の構成は実施の形態2と同じである。
【0073】
発光装置13を壁高欄71に設けることで、視認性の高い視線誘導装置103を得ることができる。
【0074】
なお、この発明の実施の形態1では光源としてブラックライト40を用い、被照射物として蛍光部材60を用いていたが、ブラックライト40に代えて実施の形態2~5のように主に可視光領域の光を発光するLED44を用い、蛍光部材60に代えて蓄光部材61,63を用いてもよい。これによりLEDの点滅により発光していない時間においても、蓄光部材が蓄光によって発光するために、略途切れなく発光し視認性の高い視線誘導装置を得ることができる。また、光源として赤外線LED又は紫外線LED等の可視光領域以外の光を発光するLED44を用いてもよい。
【0075】
また、この発明の実施の形態2~5では、光源としてLED44を用い、被照射物として蓄光部材61,63を用いていたが、LED44に代えて実施の形態1のように主に紫外線領域の光を発光するブラックライト40を用い、蓄光部材61,63に代えて蛍光部材60を用いてもよい。これにより、ブラックライト40の点灯時に蛍光部材60が輝度の高い蛍光を発光し、視認性の高い視線誘導装置を得ることができる。
【0076】
また、この発明の実施の形態1~5において、被照射物として蛍光塗料と蓄光塗料との両方を塗布した蓄光蛍光塗料を用いてもよい。これにより、光源がブラックライト40又はLED44のいずれであっても、被照射物が発光し視認性の高い視線誘導装置を得ることができる。
【0077】
また、この発明の実施の形態1では導光樹脂線30は、蛍光部材60の表面に対して非平行に、浅い角度を有して配置され、この発明の実施の形態5では導光樹脂線30は蓄光部材63の表面に対して非平行に、浅い角度を有して配置されていたが、導光樹脂線30は、蛍光部材60の表面又は蓄光部材61,63の表面に対して略平行に設けられていてもよい。これにより、視線誘導装置の構成が簡単になり工数を削減することができる。
【0078】
また、この発明の実施の形態2では導光樹脂線30はワイヤロープ支柱25に対して略平行に配置されていたが、導光樹脂線30はワイヤロープ支柱25に対して角度を有して配置されてもよい。また、実施の形態4では導光樹脂線30はスノーポール29に対して略平行に配置されていたが、導光樹脂線30はスノーポール29に対して角度を有して配置されてもよい。
【0079】
また、この発明の実施の形態2~5では、蓄光部材61,63を有する発光装置11~13を防護柵73、スノーポール29、壁高欄71等の屋外に設置する構造物に設けていたが、屋内誘導灯として設けてもよい。これにより、停電時等に電力の供給がなくとも蓄光部材61,63の発光により室内の人間を誘導することができる。
【0080】
また、この発明の実施の形態1~5に係る発明の発光装置10,11,12,13を通行者の視線誘導又は通行者の誘導等の目的ではなく、イルミネーション等の美観を生ずる用途に用いてもよい。
【0081】
実施の形態6.
次に、この発明の実施の形態6について説明する。実施の形態6に係る発明は、実施の形態2の発光装置を用いた非破壊検査方法の発明である。
図17に示すように、非破壊検査装置200には、ブラックライト40と、導光樹脂線30とを有する発光装置10aが設けられている。また、非破壊検査装置200には、導光樹脂線30と並列に、CCDカメラ90と、ケーブル91とが設けられている。ケーブル91は、CCDカメラ90の撮影した画像を表示する表示装置92に接続されている。なお、この実施の形態6ではCCDカメラ90を用いているが、他の種類のカメラを用いてもよい。
【0082】
導光樹脂線30及びCCDカメラ90は、管路80の内部に挿入されている。管路80の内壁である管路内壁81が、実施の形態6に係る発明を用いる非破壊検査の対象である。管路内壁81には、あらかじめ紫外線領域の光が照射されると発光する蛍光塗料が塗布されている。管路内壁81は検査対象物を構成している。ブラックライト40が点灯すると、光が導光樹脂線30の一端部31から他端部32に到達し、紫外線領域の照射光43が照射される。また、この実施の形態6においてはブラックライト40の点灯とは、点滅ではなく連続的に点灯することをいう。
【0083】
CCDカメラ90は、管路内壁81のうち照射光43が照射された箇所である照射部82の映像を撮影する。撮影された照射部82の映像は表示装置92に表示される。これにより、作業者は管路内壁81を直接目視することなく、照射部82の状態を確認することができる。照射光43は紫外線領域の光であるため、蛍光塗料があらかじめ塗布された管路内壁81の照射部82において傷等の欠陥がある場合には、蛍光塗料による蛍光により傷等の欠陥が判別しやすくなる。
【0084】
このように、発光装置10aを備え、管路内壁81は検査対象物であって、他端部32から管路内壁81に照射光を照射し、管路内壁81を観察することで管路内壁81の状態を検査することができる。
【0085】
また、この実施の形態6では光源としてブラックライト40を用い、管路内壁81に蛍光塗料を塗布していたが、ブラックライト40に代えて可視光領域の光を発光するLEDを用い、管路内壁に蛍光塗料に代えて蓄光塗料を塗布してもよい。これにより、ブラックライト40を光源として用いる場合と同様に傷等の欠陥が判別しやすくなる。また、管路内壁81に蛍光塗料を塗布せずに、ブラックライト40の光のみを用いても、管路内壁81の傷等が判別できる。
【符号の説明】
【0086】
10,10a,11,12,13 発光装置、30 導光樹脂線(線状発光体)、31 一端部、32 他端部、35 側面部、40 ブラックライト(光源)、41 光、42 側面散乱光、43,43a 照射光、44 LED(光源)、60 蛍光部材(被照射物)、61,63 蓄光部材(被照射物)、62 被照射領域(被照射物)、64 路面標示(被照射物)、81 管路内壁(検査対象物)、100,101,102,103 視線誘導装置、200 非破壊検査装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16
図17