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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】混合液及び浄水を散布する散布機
(51)【国際特許分類】
   B05B 7/04 20060101AFI20220902BHJP
   A01M 7/00 20060101ALI20220902BHJP
   B05B 1/12 20060101ALI20220902BHJP
   B05B 1/16 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
B05B7/04
A01M7/00 A
B05B1/12
B05B1/16
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021087395
(22)【出願日】2021-05-25
【審査請求日】2021-05-28
(31)【優先権主張番号】110109555
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】507134297
【氏名又は名称】源美股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】羅順南
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-13003(JP,A)
【文献】特開平7-171447(JP,A)
【文献】特開2007-237083(JP,A)
【文献】実開昭62-103444(JP,U)
【文献】登録実用新案第3228957(JP,U)
【文献】国際公開第2013/001948(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 1/00-17/08
A01C 3/00-23/04
A01M 1/00-99/00
A47K 3/02-4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合液及び浄水を散布する散布機であって、
ハウジングを含み、当該ハウジングの一端には散布部が接続されており、当該ハウジングの本体には分流室と調整部が設けられており、当該調整部は当該分流室に然るべく接続され、
当該散布部と当該ハウジングの間には浄水経路と混合経路が連通するよう設けられており、当該調整部は、回動することで当該分流室に対応し、当該浄水経路又は混合経路と選択的に連通可能であり、当該散布部にはスプレーヘッドが設けられており、
当該散布機において、
当該スプレーヘッドには少なくとも1つの浄水吐出口と混合液吐出口が設けられており、当該浄水吐出口は当該混合液吐出口を取り囲むように配置されており、当該浄水吐出口は当該浄水経路に対応し、当該混合液吐出口は当該混合経路に対応し、当該調整部を手動で回動させることで、浄水を浄水吐出口に流動させて浄水を吐出する散布パターンを選択し、当該調整部を手動で回動させることで、浄水と濃縮液を当該混合経路に送り込み、当該混合経路で混合液を形成したあと、当該混合液吐出口から混合液を吐出する散布パターンを選択することを特徴とする散布機。
【請求項2】
当該ハウジングには容器が接続されており、当該容器には液体が充填され、前記液体が吸い上げられてハウジングに進入し、浄水と混合されることで混合液が形成される請求項1に記載の混合液及び浄水を散布する散布機。
【請求項3】
混合液及び浄水を散布する散布機であって、
ハウジングを含み、当該ハウジングの一端には散布部が接続されており、当該ハウジングには容器が接続されており、当該容器には液体が充填され、前記液体が吸い上げられてハウジングに進入し、浄水と混合されることで混合液が形成され、当該ハウジングの本体には分流室と調整部が設けられており、当該調整部は当該分流室に対応しており、
当該散布部と当該ハウジングの間には浄水経路と混合経路が連通するよう設けられており、当該調整部は、回動することで当該分流室に対応し、当該浄水経路又は混合経路と選択的に連通可能であり、当該散布部はスプレーヘッドを有しており、当該スプレーヘッドには少なくとも1つの浄水吐出口と混合液吐出口が設けられており、当該浄水吐出口は当該混合液吐出口を取り囲むように配置されており、当該浄水吐出口は当該浄水経路に対応し、当該混合液吐出口は当該混合経路に対応し、当該調整部を手動で回動させることで、浄水を浄水吐出口に流動させて浄水を吐出する散布パターンを選択し、当該調整部を手動で回動させることで、浄水と濃縮液を当該混合経路に送り込み、当該混合経路で混合液を形成したあと、当該混合液吐出口から混合液を吐出する散布パターンを選択する散布機。
【請求項4】
当該スプレーヘッドは手動で回動させることが可能であり、当該浄水吐出口は複数の異なるしぶき形態の浄水吐出口とすることが可能であり、且つ、当該スプレーヘッドを手動で回動させることで、いずれかの浄水吐出口を選択して浄水を吐出する請求項3に記載の混合液及び浄水を散布する散布機。
【請求項5】
前記ハウジングの本体には複数の分配経路が設けられており、当該分配経路は、第1分配経路、第2分配経路及び第3分配経路を含み、当該分流室には第1分流口と第2分流口が設けられており、当該第1分流口は当該第1分配経路及び当該第2分配経路と連通しており、当該第2分流口には延伸するよう形成されるダクトが設けられており、当該ダクトは当該第3分配経路と連通している請求項3に記載の混合液及び浄水を散布する散布機。
【請求項6】
前記混合経路は、第3分配経路を混合液吐出口に接続して構成されており、浄水経路は、第2分配経路を浄水吐出口に接続して構成されている請求項5に記載の混合液及び浄水を散布する散布機。
【請求項7】
当該分流室の外側には盤面が設けられており、当該盤面の一方の側には液体貯蔵室が設けられており、当該液体貯蔵室は、一端にサイフォン経路が設けられており、他端に搬送経路が設けられており、当該搬送経路は当該第3分配経路と連通しており、当該サイフォン経路にはバルブ部材が組み付けられており、当該バルブ部材にはバネが配設されており、これにより、当該バルブ部材はサイフォン経路内で軸方向において上下に変位及び位置復帰が可能であり、当該バルブ部材は上端と底端を有しており、当該サイフォン経路は当該容器の液体輸送管と連通しており、当該サイフォン経路は液体を液体貯蔵室に供給及び搬送し、液体は、まず液体貯蔵室に到達し、搬送経路を経由したあと第3分配経路まで搬送され、且つ、バルブ部材によってサイフォン経路の出口の開放サイズが制御される請求項5に記載の混合液及び浄水を散布する散布機。
【請求項8】
当該調整部は選択部材を含み、当該選択部材の径方向の一端にはバルブ孔が設けられており、当該選択部材のバルブ孔は、当該分流室の第1分流口又は第2分流口に選択的に対応する請求項5に記載の混合液及び浄水を散布する散布機。
【請求項9】
当該ハウジングは空気経路を有しており、当該空気経路は、上面に第1空気孔が設けられており、且つ底面に第2空気孔が設けられており、当該第1空気孔は当該盤面と連通しており、当該第2空気孔は当該容器と連通している請求項3に記載の混合液及び浄水を散布する散布機。
【請求項10】
当該散布部は、当該スプレーヘッドと後カバーをしっかりと結合し、組み付けることで形成され、当該後カバーは、ハウジングの第2接続端にしっかりと結合及び接続され、当該混合経路は第3分配経路に接続されており、当該浄水経路は第2分配経路に接続されており、当該後カバーは第1部位を有しており、当該第1部位は、当該スプレーヘッドの混合液吐出口が然るべく組み付けられる配置孔と、複数の入気孔を有しており、当該入気孔は、当該配置孔の周縁の外周付近に設置されている請求項5に記載の混合液及び浄水を散布する散布機。
【請求項11】
前記液体は、液体肥料、液体農薬、液体洗浄剤及び液体混合物である請求項3に記載の混合液及び浄水を散布する散布機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合液を散布するか浄水を散布するかを選択可能な散布機に関し、より具体的には、吸い上げた液体と浄水を混合するとともに、液体の流量の大きさを調整可能であり、混合液状としてから処理対象の表面に散布する散布機に関する。更に、散布機は、浄水のみを用いた吹き付け洗浄を選択可能である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2は、液体を混合して水の分散媒に分配する散布機を開示している。前記液体は洗浄液である。通常、これらの散布機は、一端にガーデニングホースのホース入口が接続され、他端が容器に連結されている。また、前記液体は前記容器に収容される。一般的に、散布機のノズル口からは浄水を散布するか、希釈された前記液体と空気を混合し、泡を形成して散布する。水と液体を混合して希釈洗浄液とする過程は前記容器内で行われるため、散布を行うたびに浄水が少しずつ容器に送り込まれ、前記液体が前記容器内で浄水により次第に薄まってしまう。また、このような従来の散布機のもう一つの欠点としては、空気を導入する前記構造が外部に露出しているため、前記外部に露出した空気の入口が異物により塞がれて泡の生成に支障をきたす。また、製品の見た目にも劣る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第5595345号明細書
【文献】米国特許第5200641号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、液体が出口付近の経路に到達する度に浄水と液体を混合して混合液とし、混合液吐出口から混合液を散布するために用いられ、主として、吐出用の出口が浄水吐出口と混合液吐出口に分けられ、且つ浄水吐出口と混合液吐出口が別々であるとの目的を達成する混合液及び浄水を散布する散布機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
散布機は操作部を含む。前記操作部は、第1端、第2端及び第1分配経路を有している。前記第1端にはホースが接続される。また、前記ホースは、給水栓に連結されて水を散布機に供給することが可能である。前記第2端はハウジングに接続され、前記ハウジングは容器に接続される。前記容器には液体が充填されて、液体をハウジングに供給及び搬送する。前記ハウジングには、調整部、分流室及び複数の経路が設けられている。前記分流室は第1分流口と第2分流口を含む。前記複数の経路は前記分流室と連通している。また、前記複数の経路は第1分配経路と第2分配経路を含む。前記調整部にはスロープが設けられており、且つ選択部材が接続されている。前記選択部材は、前記分流室の第1分流口又は第2分流口に対応し、前記第1分流口を閉止するか第2分流口を閉止するかを選択するために用いられる。前記第1分流口は、前記第1分配経路及び第2分配経路と連通しており、前記第2分流口は前記第3分配経路と連通している。前記ハウジングは液体貯蔵室を有している。液体貯蔵室には前記容器と連通するサイフォン経路が設けられている。前記サイフォン経路には変動するバルブ部材が設けられている。前記バルブ部材は、サイフォン経路を開放するか、サイフォン経路を閉止するかを制御する。これにより、前記容器から輸送される液体が液体貯蔵室に進入する際の流量の大きさ、及び液体の進入停止を制御する。また、前記バルブ部材の一端は前記調整部のスロープに対応している。これにより、前記スロープは、バルブ部材に対応してバルブ部材の縦方向の変位位置を制御する。前記ハウジングの一端には散布部が接続されている。また、前記散布部には浄水経路と混合経路が設けられている。前記浄水経路は前記第2分配経路と連通しており、前記混合経路は第3分配経路と連通している。前記散布部にはスプレーヘッドが設けられている。前記スプレーヘッドには、複数のしぶき形態の浄水吐出口と、泡を吐出する混合液吐出口が設けられている。調整部を回動させて泡を吐出する散布部を選択した場合には、操作部により水を引き入れることで負圧が発生し、サイフォン効果が形成されて液体が吸い込まれる。これにより、液体は輸送管を経由して上方に向かい、サイフォン経路に到達する。前記液体は、バルブ部材により開放されたサイフォン経路口を経由して液体貯蔵室まで案内され、続いて第2分流口から流れ出た浄水と混合されて希釈液となる。最後に、希釈された前記液体は、進入した空気と混合経路において混合されることで泡沫液を形成し、混合液吐出口に案内されて泡を吐出する。一方、調整部を回動させて浄水を吐出する散布部を選択した場合には、前記選択部材が前記第1分流口に対応するとともに、第2分流口を閉止する。そして、操作部が水を引き入れると、水は第1分配経路を通じて分流室に到達し、前記第1分流口に進入する。続いて、水は第2分配経路に案内されたあと、引き続き浄水経路に到達してスプレーヘッドから浄水が吐出される。また、前記スプレーヘッドを手動で回動させて浄水吐出口を選択し、前記浄水経路に対応させれば、異なる散布パターンでの散布が可能となる。例えば、1本の水柱や放射状のしぶき等の散布パターンでの散布が可能となる。
【0006】
以下に、概略的な名詞を用いて本発明を記載するにあたり、参照する図面はここでは複数の付属的な図面とみなす。また、これらの図面を比率通りに記載する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の組立図及び一部の分解図である。
図2図2は、本発明の一部の組立図である。
図3図3は、本発明のダイアルの斜視図である。
図4図4は、本発明の組立図及び別の部分の分解図である。
図5図5は、本発明の後カバーの背面図である。
図6図6は、本発明のダイアルがSoapマークをマーク決定位置に合わせた場合を上方から見た実施図である。
図7図7は、本発明における一部の断面の実施図である。
図8図8は、本発明における一部の他の断面の実施図である。
図9図9は、本発明のバルブ部材が調整部のスロープの第1端に対応する場合の断面の実施図である。
図10図10は、本発明における分流室と液体貯蔵室を示す平面図である。
図11図11は、本発明の組立断面の実施図である。
図12図12は、本発明の上方断面の実施図である。
図13図13は、本発明における一部の拡大断面の実施図である。
図14図14は、本発明における散布部の拡大断面の実施図である。
図15図15は、本発明のバルブ部材が調整部のスロープの第2端に対応する場合の断面の実施図である。
図16図16は、本発明におけるダイアルがWaterマークをマーク決定位置に合わせた場合を上方から見た実施図である。
図17図17は、本発明における一部の底面断面の実施図である。
図18図18は、本発明における浄水吐出状態の実施図である。
図19図19は、本発明におけるダイアルがStopマークをマーク決定位置に合わせた場合を上方から見た実施図である。
図20図20は、本発明におけるバルブ部材がスロープのロック孔に対応する場合の断面の実施図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明が十分に理解されるよう、以下では、好ましい実施例を列挙するとともに、図面を組み合わせて詳細に説明する。また、本発明の好ましい実施例における図面を組み合わせて更に以下のように説明するのは、本発明の関連技術を熟知する者が本明細書の記載に基づき実施できるようにとの意図であって、本発明の技術範囲を限定するためではない。
【0009】
本発明に基づき、液体の混合や、濃度及び流量の調整が可能であり、複数の散布パターンを有する散布機を提供する。前記散布機は、例えばガーデニングホースのようなホースの自由端に連結可能である。また、前記ホースの一端を給水栓に接続することで、前記ホースから散布機に浄水を供給及び搬送する。
【0010】
前記散布機は、浄水又は混合液の散布、濃度及び流量調整のパターン切り替えが可能である。
【0011】
図1図11を参照する。前記散布機には容器5が組み付けられている。前記容器5は液体を充填するために用いられ、且つ液体輸送管51が設けられている。前記液体輸送管51には前記散布機が連結されている。前記液体は、液体肥料、液体農薬、液体洗浄液及び液体混合物とすればよい。前記容器5内の液体は散布機により吸い上げられ、散布機に到達すると、浄水と混合及び希釈されて泡を形成し、吐出される。
【0012】
本発明の散布機は、操作部1、ハウジング2、調整部3及び散布部4を含む。
【0013】
前記操作部1の一端には前記ホースが接続される。また、前記操作部1には給水経路1aが設けられている。
【0014】
前記ハウジング2は、第1接続端、延伸する第2接続端、分流室A、複数の分配経路及び盤面21を有している。前記第1接続端は操作部1に組み付けられる。また、前記分流室は、選択的に前記複数の分配経路と然るべく連通する。
【0015】
前記ハウジング2の分流室Aは、第1分流口24と第2分流口25を含む。前記第1分流口24及び第2分流口25の端面には、それぞれ止水リングが配設されている。また、前記複数の分配経路は、第1分配経路2a、第2分配経路2b及び第3分配経路2cを含む。前記分流室Aは、第1分流口24及び第2分流口25の上端面位置に形成される空間である。前記第1分流口24は、前記第1分配経路2a及び前記第2分配経路2bと連通している。また、前記第2分流口25には延伸するよう形成されるダクト25aが設けられており、前記ダクト25aが前記第3分配経路2cと連通している。また、前記操作部1の給水経路1aは前記第1分配経路2aに接続されている。
【0016】
前記盤面21の一方の側には液体貯蔵室22が設けられている。前記液体貯蔵室22を液体の一時保存空間として維持するために、前記液体貯蔵室22の上端面には封止面が備わっている。また、液体貯蔵室22の一端にはサイフォン経路52が設けられており、他端には搬送経路29が設けられている。前記搬送経路29は、前記第3分配経路2cとも連通している。また、前記サイフォン経路52にはバルブ部材22aが組み付けられており、前記バルブ部材22aにはバネ22bが配設されている。これにより、前記バルブ部材22aは、サイフォン経路52内で軸方向において上下に変位及び位置復帰が可能である。前記バルブ部材22aは、上端22a1と底端22a2を有している。また、前記サイフォン経路52は前記容器5の液体輸送管51と連通している。前記サイフォン経路52は濃縮液を液体貯蔵室22に供給及び搬送する。また、バルブ部材22aによってサイフォン経路52の出口の開放サイズが制御される。これにより、前記サイフォン経路52内の液体を液体貯蔵室22に進入させる際の流量の大きさ、及び前記液体の輸送の停止が制御される。前記濃縮液は、液体貯蔵室22に到達したあと、搬送経路29を経由して前記第3分配経路2cまで搬送される。
【0017】
前記調整部3はハウジング2に接続される。前記調整部3のアセンブリには、ダイアル31、スライダ38及び選択部材36が含まれている。前記ダイアル31は組付孔311を有しており、前記組付孔311の一方の側に第1エッジ部312が備わっている。前記スライダ38は貫通孔381を有している。また、前記選択部材36の径方向の一端にはバルブ孔37が設けられている。且つ、前記選択部材36の中心にはポール部361が延伸するよう形成されている。前記ポール部361には、上端に向かって延伸するよう軸部362が形成されている。前記軸部362の径方向の周縁には第2エッジ部363が備わっている。前記調整部3には、手動で回転させることで、分流室Aを軸心として軸線周りに自由に回転可能に選択部材36が配置されている。
【0018】
前記選択部材36は前記分流室Aに配置され、前記バルブ孔37によって、前記第1分流口24を閉止するか第2分流口25を閉止するかを然るべく選択可能である。また、前記スライダ38の貫通孔381は、前記選択部材36の軸部362に突き合わされるよう組み付けられて、前記ポール部361の上端面に当接する。そして、前記スライダ38が前記分流室Aの端縁にしっかりと結合することで、前記選択部材36は抜け出さないよう前記分流室Aの位置に規定される。前記軸部362は前記スライダ38から伸出する。且つ、軸部362の第2エッジ部363がダイアル31の組付孔311における第1エッジ部312に突き合わされて配置されたあと、ネジにより締結される。これにより、ダイアル31は前記盤面21上で軸回転しつつ、選択部材36を軸回転させることが可能となる。
【0019】
図3図9及び図15を参照する。前記調整部3のダイアル31にはスロープ32が設けられている。前記スロープ32は、第1端32a、延伸する第2端32b、及び延伸する第3端32cを有している。前記第1端32aから第2端32bは徐々に上昇する延伸斜面であり、前記第2端32bにロック孔33が設けられている。また、前記第2端32bから第3端32cまでは等しい高さで延伸している。前記バルブ部材22aの上端22a1は前記スロープ32に然るべく当接する。これにより、前記スロープ32は、バルブ部材22aに対応して、バルブ部材22aの縦方向における上下の変位位置を制御する。図3図7及び図8を参照する。前記スロープ32の然るべき一端には環状溝34が設けられている。また、前記ハウジング2は空気経路23を有している。前記空気経路23は、上面に第1空気孔23aが設けられており、底面に第2空気孔23bが設けられている。前記第1空気孔23aは前記盤面21と連通しており、前記第2空気孔23bは前記容器5と連通している。前記第1空気孔23aにはオイルシールリングが配設されており、前記オイルシールリングの面が前記ダイアル31の環状溝34に当接する。
【0020】
図4図5及び図18を参照する。前記散布部4は、スプレーヘッド41と後カバー42をしっかりと結合し、組み付けることで形成される。前記後カバー42は、ハウジング2の第2接続端にしっかりと結合及び接続される。また、前記散布部4は、混合経路2dと浄水経路2eを有している。前記混合経路2dは第3分配経路2cに接続されるよう延伸しており、前記浄水経路2eは第2分配経路2bに接続されている。また、スプレーヘッド41には、複数の浄水吐出口41aと、混合液吐出口46が設けられている。手動で散布部4を回動させていずれかの浄水吐出口を選択し、前記浄水経路2eに対応させれば、異なる散布パターンでの散布が可能となる。例えば、1本の水柱や放射状のしぶき等の散布パターンでの散布が可能である。また、実施例において、前記浄水経路2eは、前記後カバー42に形成されて、前記スプレーヘッド41のいずれかの浄水吐出口41aに対応させることが可能である。ただし、本発明では後カバー42に設置する場合に限定しない。前記浄水経路2eは散布部4における選択されたいずれかの浄水吐出口41aに対応し、第1分流口24から前記第2分配経路2bに案内された浄水を受け入れるものと定義する。また、図4及び図5に示すように、前記後カバー42は第1部位44を有している。前記第1部位44は、前記スプレーヘッド41の混合液吐出口46が然るべく組み付けられる配置孔45と、複数の入気孔43を有している。前記入気孔43は、前記配置孔45の周縁の外周付近に設置されている。また、前記配置孔45には接続ノズル47が組み付けられる。前記接続ノズル47は前記混合液吐出口46に対応しており、且つ、接続ノズル47と混合液吐出口46にはいずれも対応するダクトが設けられている。前記ダクトは、それぞれ希釈液と泡沫液を供給及び送出する。
【0021】
続いて、本発明における泡を吐出する際の実施図である図6図14を参照する。まず、図6を参照する。前記調整部3のダイアル31を回動させて、泡沫指示マーク(Soap)3aをマーク決定位置に合わせる。すると、前記選択部材36のバルブ孔37が前記第2分流口25に対応するとともに、第1分流口24が閉止される。続いて、ダイアル31の環状溝34が第1空気孔23aに対応する。そして、操作部1によって水を引き入れ、第1分配経路2aを通じて前記第2分流口25に到達させると、これにより負圧が発生することで、空気が第1空気孔23aから空気経路23に進入し、第2空気孔23bから容器5内に進入する。前記容器5内では、空気の圧力によって液体が液体輸送管51を通じてサイフォン経路52へと輸送される。すると、サイフォン効果が発生し、液体が液体輸送管51を通じて上方へと向かい、バルブ部材22aに到達する。このときには、図9に示すように、前記スロープ32の第1端32aが前記バルブ部材22aの上端22a1に対応している。バルブ部材22aがバネ22bによって上方へ押し上げられることで、バルブ部材22aの底端22a2はサイフォン経路52を開放する。また、図11図14を参照すると、前記第2分流口25から流れ出した浄水は、流入後にダクト25aを通じて第3分配経路2cに流れ込む。このとき、液体が液体貯蔵室22に進入し、搬送経路29から第3分配経路2cに進入及び到達して、ダクト25aから進入した浄水と混合されることで希釈液となる。最後に、前記希釈された液体は混合経路2dに到達すると、前記入気孔43から進入した空気とともに、水流によって混合経路2dに衝突することで泡沫液を形成する。そして、最終的に混合液吐出口46から泡が吐出される。
【0022】
このように、希釈液と空気の混合による泡の形成は混合経路2dで行われると記載したが、前記散布機における泡の混合に関する特定の特徴は、ハウジング2の複数の分配経路のいずれかで完了してもよい。例えば、前記混合経路2dは、第3分配経路2cを混合液吐出口46まで延伸させた経路としてもよい。また、前記浄水経路2eは、第2分配経路2bを浄水吐出口まで延伸させた経路としてもよい。
【0023】
続いて、図6図9及び図15を参照する。泡沫液の濃度を調整する実施例では、ダイアル31を選択的に回動させて、泡沫指示マーク(Soap)3aにおける大から小の指示マークを決定マークに合わせる。前記スロープ32の第1端32aから第2端32bは徐々に上昇する延伸スロープとなっている。図9に示すように、前記スロープ32が前記バルブ部材22aの上端22a1を然るべく押圧すると、バルブ部材22aが徐々に押し下げられることで、サイフォン経路52の出口の大きさをバルブ部材22aの底端22a2によって徐々に縮小することができる。これにより、前記液体が液体貯蔵室22に進入する際の流量が大から小に制御される。前記バルブ部材22aの上端22a1が前記スロープ32の第1端32aの位置に当接する場合、サイフォン経路52の出口は最も大きく開放される。これにより、液体は、液体貯蔵室22に大量に進入したあと、液体貯蔵室22を経由して搬送経路29から第3分配経路2cに進入及び到達するとともに、ダクト25aから進入した浄水と混合されて比較的濃い希釈液を生成する。最後に、前記希釈された液体は混合経路2dに到達すると、前記入気孔43から進入した空気と水流の衝撃により混合されて、濃い泡沫液を形成する。そして、最終的に混合液吐出口46から比較的濃い泡沫液が吐出される。また、濃度調整のその他の実施例について図15に示す。前記バルブ部材22aの上端22a1が前記スロープ32の第2端32bの位置に当接する場合、サイフォン経路52の出口は最も小さく開放される。これにより、液体は、液体貯蔵室22に少量だけ進入したあと、液体貯蔵室22を経由して搬送経路29から第3分配経路2cに進入及び到達するとともに、ダクト25aから進入した浄水と混合されて比較的薄い希釈液を生成する。最後に、前記希釈された液体は混合経路2dに到達すると、前記入気孔43から進入した空気と水流の衝撃により混合されて、薄い泡沫液を形成する。そして、最終的に混合液吐出口46から比較的薄い泡沫液が吐出される。
【0024】
上述したように、こうした配置によれば、ダイアル31を回動させることで、液体貯蔵室22に濃縮液が吸い上げられて進入する際の流量の大きさを選択して、散布する泡の濃度パターンを制御及び調整することが可能である。
【0025】
本発明における浄水のみを散布するパターンの調整について、図16図17及び図18を参照する。調整部3のダイアル31を回動させて、ウォーターマーク(Water)をマーク決定位置に合わせる。このとき、前記バルブ部材22aは、前記スロープ32の第2端32bから第3端32cの間に然るべく当接する。これにより、前記バルブ部材22aは下方に押圧されて前記サイフォン経路52の出口を閉止する。また、このとき、前記選択部材36のバルブ孔37が前記第1分流口24に対応するとともに、第2分流口25を閉止する。そして、操作部1により浄水を引き入れると、浄水は第1分配経路2aを通じて分流室Aに到達し、続いて第1分流口24に進入して第2分配経路2bに案内される。続いて、浄水は浄水経路2eに到達し、最後にスプレーヘッド41により選択された浄水吐出口41aから浄水パターンで散布される。
【0026】
また、本発明における泡の散布を停止するパターンの実施例について、図19及び図20に示す。調整部3のダイアル31を回動させて、停止マーク(stop)3cをマーク決定位置に合わせる。すると、前記選択部材36が前記第1分流口24と第2分流口25を同時に閉止する。また、ダイアル31のスロープ32における第2端32bのロック孔33に、バルブ部材22aの上端22a1が然るべく嵌入する。このとき、バルブ部材22aが下方に押圧されることで、バルブ部材22aの底端22a2がサイフォン経路52の出口を閉止する。
【0027】
以上述べたように、好ましくは、本発明は以下の複数の異なる操作パターンを有する。
【0028】
パターン1:分流室Aを経由して浄水を第1分流口24に進入させることで、浄水のみを供給及び散布し、洗浄する。このパターンでは、選択されたいずれかの浄水吐出口41aから浄水が吐出される。
【0029】
パターン2:浄水が分流室Aを経由して第2分流口25に進入し、ハウジング2の経路内で、容器5から選択的に吸い上げられた液体と混合されて希釈する。前記希釈液は散布部4に到達すると、外気と混合されて泡沫液を形成し、泡を供給及び散布することで洗浄する。このパターンでは、混合液吐出口46から泡が吐出される。
【0030】
パターン3:ダイアル31を選択することで、流量の大きさを調整する。前記ダイアル31におけるスロープ32の設計によれば、バルブ部材22aがサイフォン経路52の出口を開放する際の流量の大きさを無段階で調整可能である。また、これにより、液体をハウジング2の液体貯蔵室22に進入するよう供給する際の流量の大きさを調整することができる。つまり、液体を供給する際の流量の大きさを調整し、浄水と混合することで、希釈液の濃度を制御可能となり、発生する泡の濃度も調整可能となる。
【0031】
パターン4:供給及び散布する泡の濃度又は浄水の流量の大きさについての洗浄パターンである。
【0032】
パターン5:選択を停止し、第1分流口24及び第2分流口25を閉止して、オフにすることで散布を不可能とするパターンである。
【0033】
本発明の特徴的構造と散布流路の流れについて簡単に記載する。前記散布部4は前記ハウジング2に接続されている。前記散布部4には、浄水経路2eと混合経路2dが設けられている。前記分流室Aは、前記浄水経路2e又は混合経路2dと選択的に連通可能である。前記スプレーヘッド41は手動で回動させられる。また、前記複数の浄水吐出口41aは、前記混合液吐出口46を取り囲むように配置される。且つ、前記スプレーヘッド41を手動で回動させていずれかの浄水吐出口41aを選択し、前記浄水経路2eに対応させる。また、前記混合液吐出口46は前記混合経路2dに対応している。また、前記調整部3を手動で回動させて分流室Aに対応させることで、選択されたいずれかの浄水吐出口41aに向かって浄水を選択的に流し、異なる浄水散布パターンで散布する。また、前記調整部3を手動で回動させて分流室Aに対応させることで、浄水と濃縮液を選択的に前記混合経路2dに流入させる。これにより、混合することで混合液を形成し、前記混合液吐出口46から混合液パターンで散布する。
【0034】
本発明の利点は次の通りである。前記散布部4には少なくとも1つの浄水吐出口41aと混合液吐出口46が設けられている。前記浄水吐出口41aは、前記混合液吐出口46を取り囲むように配置される。前記調整部3を手動で回動させて前記第1分流口24を選択し、対応させると、前記第1分流口24の浄水経路2eに対応する前記浄水吐出口46から浄水が吐出される。また、異なるしぶきを散布する浄水散布パターンを選択してもよい。且つ、前記調整部3を手動で回動させて前記第2分流口25を選択し、対応させると、浄水と濃縮液が前記混合経路2dに流入する。これにより、混合することで混合液を形成し、前記混合液吐出口46から混合液散布パターンで散布する。つまり、本発明における主たる特徴は、浄水散布パターンと混合液散布パターンの散布出口が完全に分かれているため、散布される浄水に泡の残留液が含まれないとの点である。
【0035】
ここでは、散布機のアセンブリに係る実施例について記載及び提示した。なお、本発明の特定の実施例について記載はしたが、本発明をこれに制限するとの意図ではない。本発明における混合液から泡を形成する実施の事例は、本発明の使用及び実施範囲を制限するものではない。本発明の範囲は前記分野における許容範囲内であることを意図しているため、明細書についても同様に解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0036】
1 操作部
1a 給水経路
2 ハウジング
3 調整部
3a 泡沫指示マーク
3b 浄水マーク
3c 停止マーク
4 散布部
A 分流室
2a 第1分配経路
2b 第2分配経路
2c 第3分配経路
2d 混合経路
2e 浄水経路
21 盤面
22 液体貯蔵室
22a バルブ部材
22b バネ
22a1 上端
22a2 底端
23 空気経路
23a 第1空気孔
23b 第2空気孔
24 第1分流口
25 第2分流口
25a ダクト
29 搬送経路
31 ダイアル
311 組付孔
312 第1エッジ部
32 スロープ
32a 第1端
32b 第2端
32c 第3端
33 ロック孔
34 環状溝
36 選択部材
361 ポール部
362 軸部
363 第2エッジ部
37 バルブ孔
38 スライダ
381 貫通孔
41 スプレーヘッド
41a 浄水吐出口
42 後カバー
46 混合液吐出口
47 接続ノズル
44 第1部位
45 配置孔
43 入気孔
5 容器
51 液体輸送管
52 サイフォン経路
【要約】      (修正有)
【課題】浄水と液体を混合した混合液か、浄水のみを散布するかの2種類の散布パターンを選択可能な散布機を提供する。
【解決手段】散布機は、スプレーヘッドに少なくとも1つの浄水吐出口と混合液吐出口46が設けられており、浄水吐出口は混合液吐出口を取り囲むように配置され浄水経路に対応し、混合液吐出口は混合経路2dに対応し、調整部を手動で回動させることで、浄水を浄水吐出口に流動させて浄水を吐出する散布パターンか、浄水と濃縮液を当該混合経路に送り込み、混合経路で混合液を形成したあと、当該混合液吐出口から混合液を吐出する散布パターンか、選択可能である。
【選択図】図10
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20