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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】タイヤ展示装置
(51)【国際特許分類】
   A47F 7/04 20060101AFI20220902BHJP
   A47F 5/11 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
A47F7/04
A47F5/11
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021183978
(22)【出願日】2021-11-11
【審査請求日】2021-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】517347850
【氏名又は名称】株式会社図南
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】特許業務法人井上国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100091557
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 修
(72)【発明者】
【氏名】北村 俊郎
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】仏国特許発明第01192637(FR,A)
【文献】米国特許第04290370(US,A)
【文献】仏国特許出願公開第02508418(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 7/04
A47F 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直方向へ積層された複数のタイヤ群を載せるタイヤ台と、
前記タイヤ台に装着され、前記複数のタイヤ群のうちの下側のタイヤ群の中心孔に挿入される筒状部材と、
前記複数のタイヤ群のうちの上側のタイヤ群の中心孔と前記筒状部材の内部空間とに通され、前記タイヤ台に支持される複数のポールと、
前記筒状部材と前記上側のタイヤ群との間に配置され、前記上側のタイヤ群の荷重を前記筒状部材に伝達する伝達部材と、
前記複数のポールの水平方向への振れを抑制する振れ抑制部材と
を備えていることを特徴とするタイヤ展示装置。
【請求項2】
前記伝達部材が、
前記複数のポールのうちの一部のポールをそれぞれカバーする複数のポールカバーと、
前記複数のポールカバーを前記筒状部材に接続する複数の第1の接続部材と、
前記複数のポールを通す複数のポール通し孔を有し、前記複数のポールカバーと前記上側のタイヤ群との間に配置され、前記上側のタイヤ群を受けるタイヤ群受け部材と、
前記タイヤ群受け部材をそれぞれ前記複数のポールカバーに接続する第2の接続部材とを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ展示装置。
【請求項3】
前記振れ抑制部材が、
前記筒状部材の内部空間に収容され、前記筒状部材の上端部に装着されるプレート状の抑制部材本体と、
前記抑制部材本体に形成され、前記複数のポールを上方へ逃がすとともに、前記複数のポールが水平方向に移動するのを阻止する切欠きと
を有することを特徴とする請求項2に記載のタイヤ展示装置。
【請求項4】
前記抑制部材本体に、前記筒状部材の内部空間を覗き見るための窓が形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載のタイヤ展示装置。
【請求項5】
前記第1の接続部材が、前記ポールカバーに連結される連結部を有し、
前記ポールカバーが、前記連結部を受け入れる第1の連結孔を有する
ことを特徴とする請求項~4のいずれか1項に記載のタイヤ展示装置。
【請求項6】
前記ポールカバーが、前記第1の連結孔の上側に前記連結部を受け入れる第2の連結孔を有する
ことを特徴とする請求項5に記載のタイヤ展示装置。
【請求項7】
前記ポールカバーが、前記第1の連結孔と前記第2の連結孔との間に切取線を有する
ことを特徴とする請求項6に記載のタイヤ展示装置。
【請求項8】
前記複数のポールを逃がす複数のポール逃がし孔を有し、前記上側のタイヤ群を構成する複数のタイヤのうち最も上に位置するタイヤに載せられてそのタイヤの中心孔を閉塞するタイヤカバープレートを更に備えている
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のタイヤ展示装置。
【請求項9】
前記筒状部材と前記伝達部材と前記振れ抑制部材とがプラスチック段ボールで形成されている
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のタイヤ展示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、積層されたタイヤの整列状態が風等の外力によって損なわれるのを抑制するためのタイヤ展示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用のタイヤは、カー用品店、サービスステーション、タイヤ専門店等で、床面やタイヤ展示台等に垂直方向へ積み上げられて陳列(いわゆる平積み陳列)されることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
垂直方向へ積み上げられているタイヤに人が触れたり、風が当たったりすると、積み上げられているタイヤが揺れて、傾いたり倒れたりすることがある。
【0004】
また、積み上げられているタイヤのうち最も下側に位置するタイヤにはそのタイヤの上に載った複数のタイヤの荷重が作用するため、タイヤ展示開始から一定期間経過すると、最も下側に位置するタイヤが変形するおそれがある。
【0005】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は、積層されたタイヤの整列状態が風等の外力によって損なわれるのを抑制するとともに、積み上げられたタイヤのうち最も下側に位置するタイヤの変形を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため請求項1に記載の発明に係るタイヤ展示装置は、垂直方向へ積層された複数のタイヤ群を載せるタイヤ台と、前記タイヤ台に装着され、前記複数のタイヤ群のうちの下側のタイヤ群の中心孔に挿入される筒状部材と、前記複数のタイヤ群のうちの上側のタイヤ群の中心孔と前記筒状部材の内部空間とに通され、前記タイヤ台に支持される複数のポールと、前記筒状部材と前記上側のタイヤ群との間に配置され、前記上側のタイヤ群の荷重を前記筒状部材に伝達する伝達部材と、前記複数のポールの水平方向への振れを抑制する振れ抑制部材とを備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤ展示装置において、前記伝達部材が、前記複数のポールのうちの一部のポールをそれぞれカバーする複数のポールカバーと、前記複数のポールカバーを前記筒状部材に接続する複数の第1の接続部材と、前記複数のポールを通す複数のポール通し孔を有し、前記複数のポールカバーと前記上側のタイヤ群との間に配置され、前記上側のタイヤ群を受けるタイヤ群受け部材と、前記タイヤ群受け部材をそれぞれ前記複数のポールカバーに接続する第2の接続部材とを有することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のタイヤ展示装置において、前記振れ抑制部材が、前記筒状部材の内部空間に収容され、前記筒状部材の上端部に装着されるプレート状の抑制部材本体と、前記抑制部材本体に形成され、前記複数のポールを上方へ逃がすとともに、前記複数のポールが水平方向に移動するのを阻止する切欠きとを有することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のタイヤ展示装置において、前記抑制部材本体に、前記筒状部材の内部空間を覗き見るための窓が形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項~4のいずれか1項に記載のタイヤ展示装置において、前記第1の接続部材が、前記ポールカバーに連結される連結部を有し、前記ポールカバーが、前記連結部を受け入れる第1の連結孔を有することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のタイヤ展示装置において、前記ポールカバーが、前記第1の連結孔の上側に前記連結部を受け入れる第2の連結孔を有することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のタイヤ展示装置において、前記ポールカバーが、前記第1の連結孔と前記第2の連結孔との間に切取線を有することを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1~7のいずれか1項に記載のタイヤ展示装置において、前記複数のポールを逃がす複数のポール逃がし孔を有し、前記上側のタイヤ群を構成する複数のタイヤのうち最も上に位置するタイヤに載せられてそのタイヤの中心孔を閉塞するタイヤカバープレートを更に備えていることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1~のいずれか1項に記載のタイヤ展示装置において、前記筒状部材と前記伝達部材と前記振れ抑制部材とがプラスチック段ボールで形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
積層されたタイヤの整列状態が風等の外力によって損なわれるのを抑制するとともに、積み上げられたタイヤのうち最も下側に位置するタイヤの変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1はこの発明の一実施形態に係るタイヤ展示装置の斜視図である。
図2図2図1のタイヤ展示装置の使用状態を示す斜視図である。
図3図3図1のタイヤ展示装置のタイヤ台の斜視図である。
図4図4図1のタイヤ展示装置の筒状部材の斜視図である
図5図5図2の筒状部材の展開図である。
図6図6図1のタイヤ展示装置の伝達部材のポールカバーと第1の接続部材との接続状態を示す斜視図である。
図7図7図1のタイヤ展示装置の伝達部材のポールカバーの展開図である。
図8図8図7のポールカバーの補強部材の展開図である。
図9図9図1のタイヤ展示装置の伝達部材のポールカバーを図4の筒状部材に接続するための第1の接続部材の展開図である。
図10図10図1のタイヤ展示装置の伝達部材のタイヤ群受け部材の平面図である。
図11図11図1のタイヤ展示装置の伝達部材のタイヤ群受け部材をポールカバーに接続するための第2の接続部材の平面図である。
図12図12図1のタイヤ展示装置の伝達部材のタイヤ群受け部材をポールカバーに接続するための第2の接続部材を斜め下方から見た斜視図である。
図13図13図1のタイヤ展示装置の振れ抑制部材の平面図である。
図14A図14A図1のタイヤ展示装置の伝達部材のタイヤ群受け部材をポールカバーに接続するための第2の接続部材の接続部材本体の展開図である。
図14B図14B図1のタイヤ展示装置の伝達部材のタイヤ群受け部材をポールカバーに接続するための第2の接続部材の補助プレートの展開図である。
図15図15はこの発明の他の実施形態に係るタイヤ展示装置の伝達部材のポールカバーの展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この発明の一実施形態に係るタイヤ展示装置は、図1図2に示すように、垂直方向Vへ積層された複数のタイヤ群10A,10Bを載せるタイヤ台1と、タイヤ台1に装着され、複数のタイヤ群10A,10Bのうちの下側のタイヤ群10Aの中心孔に挿入される筒状部材2と、複数のタイヤ群10A,10Bのうちの上側のタイヤ群10Bの中心孔と筒状部材2の内部空間とに通され、タイヤ台1に支持される複数のポール4と、筒状部材2と上側のタイヤ群10Bとの間に配置され、上側のタイヤ群10Bの荷重を筒状部材2に伝達する伝達部材5と、複数のポール4の水平方向Hの振れを抑制する振れ抑制部材3Aとを備えている。
【0018】
この実施形態では4つのポール4が採用されている。
この実施形態のタイヤ台1は、プラスチック段ボールを曲げ加工することによって形成される。
【0019】
タイヤ台1は、図3に示すように、タイヤ台本体11と、4つのポール4の下部を支持するための4つの穴12と、筒状部材2の脚部211,231,251,271,291,311を支持するための5つの穴13とを有する。
【0020】
4つの穴12のうちの2つの穴12は互いに接近しており、4つの穴12のうちの残りの2つの穴12も互いに接近している。
【0021】
4つの穴12のうちの2つの穴12と4つの穴12のうちの残りの2つの穴12とは、タイヤ台1のタイヤ台本体11の中心に関し点対称の位置にある。
【0022】
4つの穴12と5つの穴13とはタイヤ台1のタイヤ台本体11の中心を中心とする仮想円に沿って配置されている。
【0023】
5つの穴13のうちの2つの穴13は互いに接近しており、5つの穴13のうちの別の2つの穴13も互いに接近している。
【0024】
互いに接近する2つの穴13と互いに接近する別の穴13のうちの残りの2つの穴13とは、タイヤ台1のタイヤ台本体11の中心に関し点対称の位置にある。
【0025】
5つの穴13のうちの残りの1つの穴13は、互いに接近する一方の2つの穴12の間に配置されている。この穴13には、留め部材Fで結合された脚部211,311が挿入される。
【0026】
この実施形態の筒状部材2は、プラスチック段ボールを曲げ加工することにより形成されている。
【0027】
図5に示すように、筒状部材2は展開状態においてほぼ矩形であり、筒状部材2には10個の折曲線部N1~N10が形成されている。折曲線部N1~N10は互いに平行であり、展開状態の筒状部材2の長手方向L1へ所定間隔に並んでいる。
【0028】
筒状部材2は、10個の折曲線部N1~N10によって11個の領域部21~31に区分されている。
【0029】
領域部21は、留め部材Fを通す留め部材通し孔21aと、振れ抑制部材3Aの凹部3A3と嵌合するスリット21bと、脚部211とを有する。
【0030】
領域部31は、留め部材Fを通す留め部材通し孔31aと、振れ抑制部材3Aの凹部3A3と嵌合するスリット31bと、脚部311とを有する。
【0031】
領域部23と領域部25と領域部27と領域部29とは、それぞれ脚部231,251,271,291を有する。
【0032】
筒状部材2を八角筒状に曲げるとき、領域部21と領域部31とを重ねて、領域部21の留め部材通し孔21aと領域部31の留め部材通し孔31aとを合わせ、対向する留め部材通し孔21aと留め部材通し孔31aとに留め部材Fを通すとともに、領域部21と領域部31とを図示しない両面テープや接着剤等で接着する。このようにして八角筒状の筒状部材2が形成される(図5参照)。
【0033】
各ポール4は、緩めたり締めたりしてポール4の長さを調節する回転式の長さ調節部41を有する(図5参照)。
【0034】
伝達部材5は、図1図2に示すように、それぞれ2本のポール4をカバーする2つのポールカバー51と、それぞれポールカバー51を筒状部材2に接続する2つの第1の接続部材52と、4つの複数のポール4を通す4つのポール通し孔531を有し、ポールカバー51と上側のタイヤ群10Bとの間に配置され、上側のタイヤ群10Bを受けるタイヤ群受け部材53と、タイヤ群受け部材53を2つのポールカバー51に接続する第2の接続部材54とを有する。
【0035】
ポールカバー51は2本のポール4が通される四角筒であり、ポールカバー51にはポールカバー51の剛性を高める補強プレート51Aが装着される(図6図8参照)。ポールカバー51の横断面形状は台形である(図6参照)。
【0036】
この実施形態のポールカバー51は、プラスチックダンボールを曲げ加工することによって形成される。
【0037】
図7に示すように、ポールカバー51は展開状態においてほぼ矩形であり、ポールカバー51には折曲線部N17~N19が形成されている。折曲線部N17~N19は互いに平行である。
【0038】
ポールカバー51は、折曲線部N17~N19によって複数の領域511~514に区分されている。
【0039】
領域511は、第1の接続部材52の連結部522を通す2つの第1の連結孔5112と、補強プレート51Aの連結部51A2を通す2つの第2の連結孔5111と、第2の接続部材54の2つのスリット5412Aと嵌合する2つのスリット5113とを有する(図11図12参照)。
【0040】
2つの第1の連結孔5112は左右方向へ並んでいる。2つの第2の連結孔5111は左右方向へ並んでいる。
【0041】
領域513は、第1の接続部材52の連結部522を通す2つの第1の連結孔5132と、補強プレート51Aの連結部51A2を通す2つの第2の連結孔5131と、第2の接続部材54の2つのスリット5412Aと嵌合する2つのスリット5133とを有する。
【0042】
2つの第1の連結孔5131は上下方向へ並んでいる。2つの第2の連結孔5132は上下方向へ並んでいる。
【0043】
ポールカバー51を四角筒状に曲げたとき、2つの領域514を重ね、図示しない両面テープや接着剤等で接着する。このようにして断面台形のポールカバー51が形成される。
【0044】
補強プレート51Aは、矩形の補強プレート本体51A1と、補強プレート本体51A1に連なる一対の連結部51A2とを有する。
【0045】
補強プレート51Aは、折曲線部N20で補強プレート本体51A1と、一対の連結部51A2とに区分されている。
【0046】
連結部51A2は、折曲線部N21,N22で固定端部51A21と中間部51A22と自由端部51A23とに区分される。
【0047】
固定端部51A21は折曲線部N20を介して補強プレート本体51A1に連なり、中間部51A22は折曲線部N21を介して固定端部51A21に連なり、自由端部51A23は折曲線部N22を介して中間部51A22に連なる。
【0048】
第1の接続部材52の連結部522は接続部材本体521に対して折曲線部N25で折り曲げられる。
【0049】
補強プレート51Aの固定端部51A21は補強プレート本体51A1に対して折曲線部N20で直角に折り曲げられ、四角筒状のポールカバー51の領域511の連結孔5111と領域513の上側の連結孔5131とに挿入される。中間部51A22は固定端部51A21に対して折曲線部N21で直角に折り曲げられる。自由端部51A23は中間部51A22に対して折曲線部N22で直角に折り曲げられ、四角筒状のポールカバー51の領域513の下側の連結孔5131に挿入される。
【0050】
第1の接続部材52は、図9に示すように、接続部材本体521と、接続部材本体521に連なる連結部522とを有する。接続部材本体521は2つのスリット5211を有する。
【0051】
接続部材本体521は折曲線部N23,N24で5つの領域521A,521B,521Cに区分されている。
【0052】
領域521Bは領域521Aに対して折曲線部N23で鈍角に折り曲げられ、領域521Cは領域521Bに対して折曲線部N24で鈍角に折り曲げられる。
【0053】
一方の第1の接続部材52のスリット5211が筒状部材2のスリット25a,スリット27aに嵌合され、一方の第1の接続部材52は筒状部材2に装着される。他方の第1の接続部材52のスリット5211が筒状部材2のスリット23a,スリット29aに嵌合され、他方の第1の接続部材52は筒状部材2に装着される。
【0054】
連結部522は2つの折曲線部N26,N27で固定端部522A、中間部522B、自由端部522Cに区分されている。
【0055】
固定端部522Aは接続部材本体521に対して折曲線部N25で直角に折り曲げられ、ポールカバー51の領域511の連結孔5112と領域513の上側の連結孔5132とに挿入される。中間部522Bは固定端部522Aに対して折曲線部N26で直角に折り曲げられる。自由端部522Cは中間部522Bに対して折曲線部N27で直角に折り曲げられ、ポールカバー51の領域513の下側の連結孔5132に挿入される。
【0056】
タイヤ群受け部材53は、ポールカバー51と上側のタイヤ群10Bとの間に配置されて、上側のタイヤ群10Bを受ける。タイヤ群受け部材53は、4つのポール4を通す4つのポール通し孔531を有する。
【0057】
第2の接続部材54は、図11図12に示すように、接続部材本体541と、接続部材本体541に装着される2つの補助プレート542とを有する。接続部材本体541の展開状態において、接続部材本体541の両端部には、互いに平行な2つの連結孔541Aが形成されている(図14A参照)。
【0058】
接続部材本体541には、2つの折曲線部N28が形成されている。2つの折曲線部N28は互いに平行であり、領域5411とこの領域5411の両側に連なる2つの領域5412とに区分されている。
【0059】
接続部材本体541の展開状態において、各領域5412には、連結孔541Aに平行な2対のスリット5412Aが形成されている(図14A参照)。
【0060】
接続部材本体541の展開状態において、折曲線部N28は連結孔541Aと直交する方向へ延びる。
【0061】
各補助プレート542の中央部には、接続部材本体541の連結孔541Aと嵌合する1対のスリット5421が形成されている(図14B図12参照)。
【0062】
接続部材本体541はU字形に折り曲げられ(図12参照)、接続部材本体541に2つの補助プレート542が装着される(図11参照)。
【0063】
振れ抑制部材3Aは、図13に示すように、筒状部材2の内部空間に収容され、筒状部材2の上端部に装着されるプレート状の抑制部材本体3A1と、抑制部材本体3A1に形成され、複数のポール4を上方へ逃がすとともに、複数のポール4が水平方向Hに移動するのを阻止する切欠き3A11,3A12とを有する。
【0064】
抑制部材本体3A1に、筒状部材2の内部空間を覗くための窓3A4が形成されている。
【0065】
凸部3A2と凹部3A3とは、振れ抑制部材3Aの抑制部材本体3A1の中心に関し点対称の位置にある。
【0066】
ポール4は円柱状である。切欠き3A11,3A12の曲率半径はポール4の曲率半径よりわずかに長い。
【0067】
2つの切欠き3A11は互いに接近しており、他の2つの切欠き3A12も互いに接近している。2つの切欠き3A11と他の2つの切欠き3A12とは、振れ抑制部材3Aの抑制部材本体3A1の中心に関し点対称の位置にある。
【0068】
振れ抑制部材3Aを筒状部材2に装着するには、振れ抑制部材3Aの凸部3A2を筒状部材2の領域部26の孔26aに挿入するとともに、振れ抑制部材3Aの凹部3A3を領域部21のスリット21bと領域部31のスリット31bとに嵌合する。このようにして振れ抑制部材3Aは筒状部材2に装着される。このとき振れ抑制部材3Aの外周は筒状部材2の内周面に接触するので、筒状部材2の六角筒の形は振れ抑制部材3Aによって維持される。
【0069】
次に、この実施形態に係るタイヤホルダの使用方法の一例を説明する。
まず、予め振れ抑制部材3Aが装着された筒状部材2の複数の脚部231~311のうちの4つの複数の脚部231,251,271,291をタイヤ台1の5つの穴13のうちの4つの穴13に挿入するとともに、一体化された残りの脚部211,311を残りの穴13に挿入し、筒状部材2をタイヤ台1に固定する。
【0070】
次に、振れ抑制部材3Aの抑制部材本体3A1の切欠き3A11, 3A12から筒状部材2の内部空間に4つのポール4を挿入し、抑制部材本体3A1の窓3A4から筒状部材2の内部空間を覗きながら、4つのポール4の下端部をタイヤ台1の4つの穴12に挿入する。
【0071】
その後、タイヤ台1に4つのタイヤ10(下側のタイヤ群10A)を載せる。そのとき、4つのタイヤ10の中央孔に筒状部材2が収まるように4つのタイヤ10をタイヤ台1に載せる。
【0072】
次に、一方のポールカバー51を4つのポール4のうちの2つのポール4に装着するとともに、一方の第1の接続部材52を筒状部材2に装着する。更に、他方のポールカバー51を別の2つのポール4に装着するとともに、他方の第1の接続部材52を筒状部材2に装着する。
【0073】
このとき、一方のポールカバー51が2つのポール4をカバーするように、一方のポールカバー51を2つのポール4に装着するとともに、他方のポールカバー51が残り2つのポール4をカバーするように、他方のポールカバー51を残り2つのポール4に装着する。
【0074】
その後、第2の接続部材54をポールカバー51に装着する。このとき第2の接続部材54のスリット5412Aをポールカバー51のスリット5113に嵌合する。次に、タイヤ群受け部材53を4つのポール4に装着する。このとき、4つのポール4がタイヤ群受け部材53の4つのポール通し孔531に通るようにする。
【0075】
その後、長さ調節部41を操作してポール4を伸ばし、タイヤ群受け部材53に4つのタイヤ10(上側のタイヤ群10B)を載せる。このとき、4つのタイヤ10の中央孔に4つのポール4が入り込むように4つのタイヤ10を載せる。
【0076】
最後に、上側のタイヤ群10Bを構成する4つのタイヤ10のうち最も上に位置するタイヤ10にタイヤカバープレート7を載せる。このとき、4つのポール4がタイヤカバープレート7の4つのポール逃がし孔7Aに通るようにする。
【0077】
この実施形態のタイヤ展示装置によれば、タイヤ台1に載せられた下側のタイヤ群10Aの中心孔に挿入される筒状部材2がタイヤ台1に装着され、筒状部材2の内部空間と上側のタイヤ群10Bの中心孔とに挿入される複数のポール4がタイヤ台1に支持され、更にタイヤ台1に支持された複数のポール4の倒れを振れ抑制部材3Aが抑制するので、垂直方向Vへ積み上げられた上側のタイヤ群10Bと下側のタイヤ群10Aとに人が触れたり、風が当たったりしても、上側のタイヤ群10Bと下側のタイヤ群10Aとが容易に傾いたり崩れたり倒れたりしない。
【0078】
上側のタイヤ群10Bの荷重が、下側のタイヤ群10Aに加わらず、伝達部材5を介して筒状部材2に加わるので、下側のタイヤ群10Aのうちの最も下側に位置するタイヤ10の変形が抑制される。
【0079】
複数のポール4を上方へ逃がす切欠き3A11,3A12を有する振れ抑制部材3Aが筒状部材2の上端部に装着され、筒状部材2の上端部の形状が維持されるので、積層されたタイヤ10の整列状態が風等の外力によって損なわれるのをより確実に抑制し得る。
【0080】
複数のポール4を通す複数のポール逃がし孔7Aを有するタイヤカバープレート7が、上側のタイヤ群10Bを構成する複数のタイヤ10のうちの最も上のタイヤ10に載せられ、そのタイヤ10の中心孔を閉塞するので、積層されたタイヤ10の中に雨水や塵埃が入り込むのを抑制することができる。
【0081】
図15は、この発明の他の実施形態に係るタイヤ展示装置の伝達部材5のポールカバー151の展開図である。この実施形態のポールカバー151の形状について、図7のポールカバー51と共通する部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0082】
図15に示すポールカバー151には、ポールカバー151を上下方向で2分割するための切取線515が設けられている。
【0083】
ポールカバー151の領域511には2つの連結孔5114が形成され、2つの領域513にはそれぞれ2つの連結孔5134が形成されている。
【0084】
ポールカバー151が展開状態において、2つの連結孔5114は左右方向へ並んでいる。2つの連結孔5134は上下方向へ並んでいる。
【0085】
ポールカバー151が組み立て状態において、一方の領域513の上側の連結孔5134と他方の領域513の上側の連結孔5134とは左右方向へ並び、一方の領域513の下側の連結孔5134と他方の領域513の下側の連結孔5134とは左右方向へ並ぶ。
【0086】
ポールカバー151を切取線515で切断することによりポールカバー151を短くして、上側のタイヤ群10Bと下側のタイヤ群10Aとの距離を短くすることができる。したがって、例えば2つのタイヤ展示装置を用いてサイズの大きなタイヤ10とサイズの小さなタイヤ10とを水平方向に隣接させて展示するとき、サイズの小さなタイヤ10の上側のタイヤ群10Bと下側のタイヤ群10Aとの距離を短くすることによって、サイズの小さなタイヤ10とサイズの大きなタイヤ10とを隣接させて展示したときの見映えの悪さを防ぐことができる。
【0087】
また、一種類のポールカバー151によって上側のタイヤ群10Bと下側のタイヤ群10Aとの距離を調節できるので、展示するタイヤ10のサイズに応じた複数の種類のポールカバーを揃える必要がないので、コストを抑えることができる。
【0088】
タイヤ台1と、筒状部材2と、伝達部材5、振れ抑制部材3Aとタイヤカバープレート7とは、それぞれプラスチックダンボールを曲げ加工することにより形成されたものであるが、それらの部材の材料としてはプラスチック段ボールに限られない。
【0089】
また、この発明の上述の実施形態に係るタイヤ展示装置では、タイヤカバープレート7を採用したが、タイヤ10を屋内で展示する場合には、タイヤカバープレート7を採用しなくともよい。
【0090】
なお、ポール4は4本に限られない。2本でも3本でもよいし、5本以上でもよい。
また、筒状部材2は八角筒状に限られない。筒状部材2は八角筒以外の角筒でもよいし、円筒でもよい。
【0091】
なお、振れ抑制部材3Aは八角形のプレートに限られない。振れ抑制部材3Aは八角形以外の多角形のプレートでもよいし、円形のプレートでもよい。
【0092】
また、タイヤ群受け部材53、タイヤカバープレート7は16角形のプレートに限られない。タイヤ群受け部材53、タイヤカバープレート7は16角形以外の多角形のプレートでもよいし、円形のプレートでもよい。
【符号の説明】
【0093】
1 タイヤ台
11 タイヤ台本体
12 穴
13 穴
2 筒状部材
21~31 領域部
21a 留め部材通し孔
21b スリット
23a スリット
24a スリット
24b スリット
25a スリット
26a 孔
27a スリット
28a スリット
28b スリット
29a スリット
31a 留め部材通し孔
31b スリット
211 脚部
231 脚部
251 脚部
271 脚部
291 脚部
311 脚部
3A 振れ抑制部材
3A1 抑制部材本体
3A11,3A12 切欠き
3A2 凸部
3A3 凹部
3A4 窓
4 ポール
41 長さ調節部
5 伝達部材
51,151 ポールカバー
511 領域
5111 連結孔
5112 連結孔
5113 スリット
5114 連結孔
512 領域
513 領域
5131 連結孔
5132 連結孔
5133 スリット
5134 連結孔
514 領域
515 切取線
51A 補強プレート
51A1 補強プレート本体
51A2 連結部
51A21 固定端部
51A22 中間部
51A23 自由端部
52 第1の接続部材
521 接続部材本体
521A 領域
521B 領域
521C 領域
5211 スリット
5212 スリット
522 連結部
522A 固定端部
522B 中間部
522C 自由端部
53 タイヤ群受け部材
531 ポール通し孔
54 第2の接続部材
541 接続部材本体
541A 連結孔
5411 領域
5412 領域
5412A スリット
542 補助プレート
542A スリット
7 タイヤカバープレート
7A ポール逃がし通し孔
10 タイヤ
10A 下側のタイヤ群
10B 上側のタイヤ群
F 留め部材
N1~N10,N17~N28 折曲線部
V 垂直方向
H 水平方向
L1 展開状態の筒状部材の長手方向
【要約】
【課題】積層されたタイヤの整列状態が風等の外力によって損なわれるのを抑制するとともに、積み上げられたタイヤのうち最も下側に位置するタイヤの変形を抑制することができるタイヤ展示装置を提供する。
【解決手段】タイヤ展示装置は、垂直方向へ積層された複数のタイヤ群10A,10Bを載せるタイヤ台1と、タイヤ台1に装着され、複数のタイヤ群10A,10Bのうちの下側のタイヤ群10Aの中心孔に挿入される筒状部材2と、複数のタイヤ群10A,10Bのうちの上側のタイヤ群10Bの中心孔と筒状部材2の内部空間とに通され、タイヤ台1に支持される複数のポール4と、筒状部材2と上側のタイヤ群10Bとの間に配置され、上側のタイヤ群10Bの荷重を筒状部材2に伝達する伝達部材5と、複数のポール4の水平方向への振れを抑制する振れ抑制部材3Aとを備えている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15