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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】箱体及び四角枠体セット
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/36 20060101AFI20220902BHJP
【FI】
B65D81/36 Z
B65D81/36 U
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022070286
(22)【出願日】2022-04-21
【審査請求日】2022-04-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522162956
【氏名又は名称】株式会社グリット
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】亀岡 寿行
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 勝義
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-182385(JP,A)
【文献】特開2021-042061(JP,A)
【文献】特開2001-353120(JP,A)
【文献】特開2010-173766(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面、底面、前面、後面、右面、及び左面を備えた直方体形状を有する、ゴミ収集具に転用可能な箱体であって、
上下方向における複数個所において前記前面、前記後面、前記右面、前記左面にわたって略水平方向にそれぞれ形成された複数の破断予定線により、それぞれが角筒形状を備えた複数の四角枠体に分離可能に構成されており、
前記複数の四角枠体は、
第1角筒形状を備えた第1四角枠体であって、前記第1角筒形状の軸線に沿った一方側の縁部と他方側の縁部との間に位置する中間部に、当該角筒形状の内部に形成される中空空間に配置されるゴミ収納用ビニール袋の上縁部を当該中空空間側から挿入するための挿入スリットが形成された、前記第1四角枠体と、
第2角筒形状を備えた第2四角枠体であって、2つに分断されることで第1帯状体及び第2帯状体を形成可能な前記第2四角枠体と、
を含み、
前記第1四角枠体及び前記第2四角枠体のうち、いずれか一方の四角枠体において切り込み線を介し押し出されて突出可能に形成された凸状形状部と、いずれか他方の四角枠体において切り抜き線により切り抜かれて形成された凹状形状部と、が互いに凹凸係合可能に構成されており、
ゴミ収納用ビニール袋を用いたゴミ収集作業時において、
前記ゴミ収納用ビニール袋の上縁部が、前記破断予定線により他の部位と分離された1つの前記第1四角枠体の前記挿入スリットに挿入されつつ、当該ゴミ収納用ビニール袋が前記中空空間に収納され、
前記1つの第1四角枠体と、前記分断された前記第1帯状体及び第2帯状体のうち少なくとも一方の帯状体とで前記凸状形状部及び前記凹状形状部による前記凹凸係合がなされ、前記少なくとも一方の帯状体が、前記1つの第1四角枠体のうち前記軸線に直交する方向における一方側部分と他方側部分との間に掛け渡されることにより、
前記1つの第1四角枠体により前記ゴミ収納用ビニール袋の上部を開口させた状態で保持しつつ、当該ゴミ収納用ビニール袋を保持した前記1つの第1四角枠体を前記少なくとも一方の帯状体を介してゴミ収集者が吊り下げ保持可能とし、前記ゴミ収集者が路面に落ちているゴミを拾い上げて前記ゴミ収納用ビニール袋に入れやすくした
ことを特徴とする、ゴミ収集具に転用可能な箱体。
【請求項2】
請求項1記載のゴミ収集具に転用可能な箱体において、
前記第1四角枠体及び前記第2四角枠体は、それぞれ、
ダブルフルート型の段ボール紙により構成されており、
前記複数の破断予定線それぞれは、
前記ダブルフルート型の段ボール紙に形成されたミシン目である
ことを特徴とする、ゴミ収集具に転用可能な箱体。
【請求項3】
第1面と、前記第1面に対して面平行に対向する第2面と、前記第1面及び前記第2面の間に位置する第3面と、前記第3面に対して面平行に対向する第4面と、から構成されるとともに横断面形状が長方形となる第1角筒形状を備え、かつ、前記第1角筒形状の内部に第1中空空間を構築する第1四角枠体と、
第5面と、前記第5面に対して面平行に対向する第6面と、前記第5面及び前記第6面の間に位置する第7面と、前記第7面に対して面平行に対向する第8面と、から構成されるとともに横断面形状が前記第1四角枠体と同一の長方形となる第2角筒形状を備え、かつ、前記第2角筒形状の内部に第2中空空間を構築する第2四角枠体と、
から構成され、
前記第1四角枠体を構成している前記第1面、前記第2面、前記第3面、及び前記第4面それぞれの、前記第1角筒形状の軸線に沿った一方側の縁部と他方側の縁部との間に位置する中間部に、前記第1中空空間に配置されるゴミ収納用ビニール袋の上縁部を当該第1中空空間側から挿入するための挿入スリットが設けられ、
前記第2四角枠体の第5面及び前記第1四角枠体の第1面のうち、いずれか一方の面において切り込み線を介し押し出されて突出可能に形成された凸状形状部と、いずれか他方の面において切り抜き線により切り抜かれて形成された凹状形状部と、が互いに凹凸係合可能に構成され、
前記第2四角枠体の第7面及び前記第1四角枠体の第2面のうち、いずれか一方の面において切り込み線を介し押し出されて突出可能に形成された凸状形状部と、いずれか他方の面において切り抜き線により切り抜かれて形成された凹状形状部と、が互いに凹凸係合可能に構成され、
前記第2四角枠体の第8面及び前記第1四角枠体の第1面のうち、いずれか一方の面において切り込み線を介し押し出されて突出可能に形成された凸状形状部と、いずれか他方の面において切り抜き線により切り抜かれて形成された凹状形状部と、が互いに凹凸係合可能に構成され、
前記第2四角枠体の第6面及び前記第1四角枠体の第2面のうち、いずれか一方の面において切り込み線を介し押し出されて突出可能に形成された凸状形状部と、いずれか他方の面において切り抜き線により切り抜かれて形成された凹状形状部と、が互いに凹凸係合可能に構成された、
ゴミ収集作業用の四角枠体セットであって、
前記第1四角枠体を、
前記第1面が前記第3面及び前記第4面のうちいずれか一方の面と密着するとともに前記第2面が前記第3面及び前記第4面のうちいずれか他方の面と密着するように折り畳んだ第1折り畳み姿勢と、前記第1折り畳み姿勢において前記密着した状態にあった前記第1面と前記いずれか一方の面、及び、前記第2面と前記いずれか他方の面、との間をそれぞれ離間させるように押し広げて、前記第1面と前記第2面とが面平行に対向するとともに前記第3面と前記第4面とが面平行に対向することで前記第1中空空間を構築する第1押し広げ姿勢と、を切り替え可能に構成し、
前記第2四角枠体を、
前記第5面が前記第7面及び前記第8面のうちいずれか一方の面と密着するとともに前記第6面が前記第7面及び前記第8面のうちいずれか他方の面と密着するように折り畳んだ第2折り畳み姿勢と、前記第2折り畳み姿勢において前記密着した状態にあった前記第5面と前記いずれか一方の面、及び、前記第6面と前記いずれか他方の面、との間をそれぞれ離間させるように押し広げて、前記第5面と前記第6面とが面平行に対向するとともに前記第7面と前記第8面とが面平行に対向することで前記第2中空空間を構築する第2押し広げ姿勢と、を切り替え可能に構成し、
前記ゴミ収集作業時には、
前記第2四角枠体の前記第2角筒形状が、前記第5面と前記第8面との間、及び、前記第6面と前記第7面との間、でそれぞれ分断されることにより、互いに連設された状態の前記第5面及び前記第7面からなる第1帯状体と、互いに連設された状態の前記第6面及び前記第8面からなる第2帯状体と、が構築され、
前記第1四角枠体が前記第1押し広げ姿勢とされることで、前記ゴミ収納用ビニール袋の前記上縁部が前記挿入スリットに挿入されつつ当該ゴミ収納用ビニール袋が前記第1中空空間に収納され、
さらに、
当該第1押し広げ姿勢となっている前記第1四角枠体における前記第1面と前記第1帯状体における前記第5面及び前記第7面のうちいずれか一方の面とで前記凸状形状部及び前記凹状形状部による前記凹凸係合がなされ、かつ、当該第1押し広げ姿勢となっている前記第1四角枠体における前記第2面と前記第1帯状体における前記第5面及び前記第7面のうちいずれか他方の面とで前記凸状形状部及び前記凹状形状部による前記凹凸係合がなされることで、前記第1帯状体が前記第1面と前記第2面との間に掛け渡される第1架け渡し態様、
及び、
当該第1押し広げ姿勢となっている前記第1四角枠体における前記第1面と前記第2帯状体における前記第6面及び前記第8面のうちいずれか一方の面とで前記凸状形状部及び前記凹状形状部による前記凹凸係合がなされ、かつ、当該第1押し広げ姿勢となっている前記第1四角枠体における前記第2面と前記第2帯状体における前記第6面及び前記第8面のうちいずれか他方の面とで前記凸状形状部及び前記凹状形状部による前記凹凸係合がなされることで、前記第2帯状体が前記第1面と前記第2面との間に掛け渡される第2架け渡し態様、
の2つの架け渡し態様のうち少なくとも一方の架け渡し態様が実現されることにより、
前記第1四角枠体により前記ゴミ収納用ビニール袋の上部を開口させた状態で保持しつつ、当該ゴミ収納用ビニール袋を保持した前記第1四角枠体を前記第1帯状体及び前記第2帯状体のうち少なくとも一方の帯状体を介してゴミ収集者が吊り下げ保持可能とし、前記ゴミ収集者が路面に落ちているゴミを拾い上げて前記ゴミ収納用ビニール袋に入れやすくした
ことを特徴とするゴミ収集作業用の四角枠体セット。
【請求項4】
請求項3記載のゴミ収集作業用の四角枠体セットにおいて、
前記第1四角枠体を構成している前記第1面、前記第2面、前記第3面、及び前記第4面それぞれの、前記第1角筒形状の軸線に沿った一方側の縁部に、当該第1四角枠体の外部に追加して配置されるゴミ分別用ビニール袋の上縁部を差し込むための差し込みスリットを設けた
ことを特徴とするゴミ収集作業用の四角枠体セット。
【請求項5】
請求項4記載のごみ収集作業用の四角枠体セットにおいて、
前記第1四角枠体及び前記第2四角枠体は、それぞれ、
ダブルフルート型の段ボール紙により構成されている
ことを特徴とするごみ収集作業用の四角枠体セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴミ収集具に転用可能な箱体及びゴミ収集作業用の四角枠体セット
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーのレジ袋等をごみ入れに利用するための保持具が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の図1図2、要約及び段落[0011]、[0012]等には、円形平板からなる本体1を長方形の開口部2でくりぬき、開口部2のコーナー部付近に設けた4か所の切れ込み3にごみ袋7の上縁部をひっかけて保持する袋保持具について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-1491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の袋保持具は、フック等で固定して使用することを想定しており、本体1は円形板の真ん中をくりぬいた形状となっているので、これを片手で把持して移動することは困難な形状である。したがって、人手による街角の路面清掃時のように、ゴミ収集者が片方の手でゴミ収納用ビニール袋を持ってもう片方の手で路面に落ちているゴミを拾い上げてビニール袋の中に収集する作業には不適であり、ゴミ収集作業の円滑化及び作業効率の向上を図ることはできない。
【0005】
本発明の目的は、ゴミ収集者によるゴミ収集作業の円滑化及び作業効率の向上を図る、ゴミ収集具に転用可能な箱体及びゴミ収集作業用の四角枠体セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明は、上面、底面、前面、後面、右面、及び左面を備えた直方体形状を有する、ゴミ収集具に転用可能な箱体であって、上下方向における複数個所において前記前面、前記後面、前記右面、前記左面にわたって略水平方向にそれぞれ形成された複数の破断予定線により、それぞれが角筒形状を備えた複数の四角枠体に分離可能に構成されており、前記複数の四角枠体は、第1角筒形状を備えた第1四角枠体であって、前記第1角筒形状の軸線に沿った一方側の縁部と他方側の縁部との間に位置する中間部に、当該角筒形状の内部に形成される中空空間に配置されるゴミ収納用ビニール袋の上縁部を当該中空空間側から挿入するための挿入スリットが形成された、前記第1四角枠体と、
第2角筒形状を備えた第2四角枠体であって、2つに分断されることで第1帯状体及び第2帯状体を形成可能な前記第2四角枠体と、を含み、前記第1四角枠体及び前記第2四角枠体のうち、いずれか一方の四角枠体において切り込み線を介し押し出されて突出可能に形成された凸状形状部と、いずれか他方の四角枠体において切り抜き線により切り抜かれて形成された凹状形状部と、が互いに凹凸係合可能に構成されており、ゴミ収納用ビニール袋を用いたゴミ収集作業時において、前記ゴミ収納用ビニール袋の上縁部が、前記破断予定線により他の部位と分離された1つの前記第1四角枠体の前記挿入スリットに挿入されつつ、当該ゴミ収納用ビニール袋が前記中空空間に収納され、前記1つの第1四角枠体と、前記分断された前記第1帯状体及び第2帯状体のうち少なくとも一方の帯状体とで前記凸状形状部及び前記凹状形状部による前記凹凸係合がなされ、前記少なくとも一方の帯状体が、前記1つの第1四角枠体のうち前記軸線に直交する方向における一方側部分と他方側部分との間に掛け渡されることにより、前記1つの第1四角枠体により前記ゴミ収納用ビニール袋の上部を開口させた状態で保持しつつ、当該ゴミ収納用ビニール袋を保持した前記1つの第1四角枠体を前記少なくとも一方の帯状体を介してゴミ収集者が吊り下げ保持可能とし、前記ゴミ収集者が路面に落ちているゴミを拾い上げて前記ゴミ収納用ビニール袋に入れやすくしたことを特徴としている。
【0007】
本願発明によれば、ゴミ収集者は、箱体から切り出した第1四角枠体により、ゴミ収納用ビニール袋の上部を開口させた状態で保持しつつ、箱体から切り出した第2四角枠体を分断して生成した帯状体を用いて、当該第1四角枠体を吊り下げることができる。これにより、片方の手で帯状体を持つだけでゴミ収納用ビニール袋の上部を開口させた状態に維持できるので、その状態のままもう片方の手で路面に落ちているゴミを拾い上げ、ビニール袋の中に容易に入れることができる。すなわち、ゴミ収集作業の円滑化及び作業効率の向上を図ることができる。
【0008】
[解決手段6]
また、解決手段6は、底面、前面、後面、右面、及び左面を備えた上方が開口した形状を有し、かつ、前記開口を横切りつつ前記右面と前記左面との間に掛け渡され、当該右面及び当該左面に対して回動自在に接続される持ち手を設けた、ゴミ収集具に転用可能なかご体であって、上下方向における1個所において前記前面、前記後面、前記右面、前記左面にわたって略水平方向に形成された破断予定線により、当該破断予定線より上部の略角筒形状を備えた四角枠体と当該破断予定線より下部のトレイ部とに分離可能に構成されており、ゴミ収納用ビニール袋を用いたゴミ収集作業時において、前記破断予定線により前記トレイ部と分離された前記四角枠体の上部に前記ゴミ収納用ビニール袋の上縁部を係止しつつ、前記略角筒形状の内部に形成される中空空間に当該ゴミ収納用ビニール袋を収納することにより、前記ゴミ収納用ビニール袋の上部を開口させた状態で前記四角枠体で保持しつつ、当該ゴミ収納用ビニール袋を保持した前記四角枠体を前記持ち手を介してゴミ収集者が吊り下げ保持可能とし、前記ゴミ収集者が路面に落ちているゴミを拾い上げて前記ゴミ収納用ビニール袋に入れやすくしたことを特徴としている。
【0009】
解決手段6によれば、ゴミ収集者は、かご体を、破断予定線より上部の四角枠体と破断予定線より下部のトレイ部とに分離することができる。そして、四角枠体の略角筒形状を用いて、ゴミ収納用ビニール袋の上部を開口させた状態で保持しつつ、四角枠体に回動自在に接続される持ち手を用いて、当該四角枠体を吊り下げることができる。これにより、片方の手で帯状体を持つだけでゴミ収納用ビニール袋の上部を開口させた状態に維持できるので、その状態のままもう片方の手で路面に落ちているゴミを拾い上げ、ビニール袋の中に容易に入れることができる。すなわち、ゴミ収集作業の円滑化及び作業効率の向上を図ることができる。
【0010】
[解決手段7]
また、解決手段7は、略Ω状に変形して内部に中空空間を形成可能な、長尺矩形形状を有するゴミ収集作業用の板材であって、前記略Ω状への変形時に互いに重ね合わされる、長手方向一端側に位置する第1領域及び長手方向他端側に位置する第2領域と、前記第1領域及び前記第2領域の間に位置し前記略Ω状への変形時に略環状となる第3領域と、を有し、前記第1領域及び前記第2領域のうち、いずれか一方の領域において切り込み線を介し押し出されて突出可能に形成された凸状形状部と、いずれか他方の領域において切り抜き線により切り抜かれて形成された凹状形状部と、が互いに凹凸係合可能に構成されており、前記第3領域は、短手方向の一方側の縁部と他方側の縁部との間に位置する中間部に、前記中空空間に配置されるゴミ収納用ビニール袋の上縁部を当該中空空間側から挿入するための挿入スリットを有し、ゴミ収集作業時には、前記ゴミ収集作業用の板材を前記略Ω状に変形させた状態で前記第1領域と前記第2領域とを重ねあわせて前記凸状形状部と前記凹状形状部とを凹凸係合させることにより、ゴミ収集者が把持する把持部が構築され、前記ゴミ収納用ビニール袋の前記上縁部が前記挿入スリットに挿入されつつ当該ゴミ収納用ビニール袋が前記中空空間に収納され、前記略環状となった前記第3領域により前記ゴミ収納用ビニール袋の上部を開口させた状態で保持しつつ、当該ゴミ収納用ビニール袋を保持した前記第3領域を前記把持部を介して前記ゴミ収集者が把持可能とし、当該ゴミ収集者が路面に落ちているゴミを拾い上げて前記ゴミ収納用ビニール袋に入れやすくしたことを特徴としている。
【0011】
解決手段7によれば、ゴミ収集者は、板材を前記略Ω状に変形させた状態で前記第1領域と前記第2領域とを重ねあわせて把持部を構築することにより、ゴミ収納用ビニール袋の上部を開口させた状態で略環状の第3領域にて保持しつつ、その第3領域を把持部での把持により支持することができる。これにより、片方の手で把持部を持つだけでゴミ収納用ビニール袋の上部を開口させた状態に維持できるので、その状態のままもう片方の手で路面に落ちているゴミを拾い上げ、ビニール袋の中に容易に入れることができる。すなわち、ゴミ収集作業の円滑化及び作業効率の向上を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ゴミ収集者によるゴミ収集作業の円滑化及び作業効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態に係る箱体の斜視図である。
図2】第1実施形態に係る第1四角枠体の斜視図及び上面図である。
図3】第1実施形態に係る第2四角枠体の斜視図及び上面図である。
図4】第1実施形態に係る第1帯状体及び第2帯状体の斜視図である。
図5】第1実施形態に係るゴミ収集の方法を説明する概念図である。
図6】第2実施形態に係るかご体の斜視図である。
図7】第2実施形態に係るゴミ収集の方法を説明する概念図である。
図8】第3実施形態に係る板材の上面図及び平面図である。
図9】第3実施形態に係るゴミ収集の方法を説明する概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を図1図5により説明する。
【0015】
図1は本実施形態に係る箱体1の斜視図である。図2(a)は第1四角枠体10の斜視図である。図2(b)は第1折り畳み姿勢にある第1四角枠体10の上面図である。図3(a)は第2四角枠体11の斜視図である。図3(b)は第2折り畳み姿勢にある第2四角枠体11の上面図である。図4(a)は第2四角枠体から分離された第1帯状体14及び第2帯状体15の斜視図である。図4(b)は第1帯状体14の斜視図である。図5は本実施形態に係るゴミ収集方法を説明する概念図である。図1に示す方向は箱体1を地面に平置きした時、地面に垂直な上下方向及び上下方向に直交する左右方向及び前後方向である。同様の方角が適宜図2図9にも適用される。
【0016】
図1に示す箱体1は、ゴミ収集具に転用可能な箱体1である。箱体1は、上面2、底面3、前面4、後面5、右面6、及び左面7を備えた直方体形状を有する。なお、箱体1は立方体形状であってもよい。
【0017】
箱体1は、上下方向における複数個所において前面4、後面5、右面6、左面7にわたって略水平方向にそれぞれ形成された複数の破断予定線8により、それぞれが角筒形状を備えた複数の四角枠体9に分離可能に構成されている。この図では、5本の破断予定線8により、箱体1から4個の四角枠体9が分離可能に構成されている。箱体1は段ボール箱などで構成され、破断予定線8は段ボール紙などの厚紙に形成されたミシン目であって、手やカッター等で分離可能となっている。
【0018】
複数の四角枠体9は第1四角枠体10と第2四角枠体11とを含む。この図では、1つの箱体1から第1四角枠体10と第2四角枠体11とがそれぞれ2個ずつ形成されるように構成されている。
【0019】
図2(a)は、箱体1から分離された状態の、第1四角枠体10の斜視図である。第1四角枠体10は、第1面22と、第1面22に対して面平行に対向する第2面23と、第1面22及び第2面23の間に位置する第3面24と、第3面24に対して面平行に対向する第4面25とから構成される。第1四角枠体10は、横断面形状が長方形(正方形でもよい)となる第1角筒形状を備え、かつ、前記第1角筒形状の内部に第1中空空間26を構築する。
【0020】
第1四角枠体10を構成する第1面22、第2面23、第3面24、第4面25それぞれの、前記第1角筒形状の軸線Pに沿った一方側(この図の上方向側)の縁部と他方側(この図の下方向側)の縁部との間に位置する中間部に、第1中空空間26に配置されるゴミ収納用ビニール袋の上縁部を第1中空空間26側から挿入するための挿入スリット13が設けられている。
【0021】
挿入スリット13の形状は、特に限定されるものではないが、この図では、3か所の貫通孔同士を切り込み線でつなげ、ゴミ収納用ビニール袋の上端部や取っ手部分等を挟みやすくした構造となっている。この図では、左右方向の幅が比較的狭い第4面25及び第3面24に1つの挿入スリット13が形成され、前後方向の幅が比較的広い第1面22及び第2面23に2つの挿入スリット13が形成されている。
【0022】
第1四角枠体10は、図2(b)に示す第1折り畳み姿勢と、図2(a)に示す第1押し広げ姿勢とを切り替え可能になっている。第1折り畳み姿勢は、第1四角枠体10を、第1面22が第3面24及び第4面25のうちいずれか一方の面(この図では第3面24)と密着するとともに第2面23が第3面24及び第4面25のうちいずれか他方の面(この図では第4面25)と密着するように折り畳んだ姿勢である。第1押し広げ姿勢は、前記第1折り畳み姿勢において密着した状態にあった第1面22と第3面24、及び、第2面23と第4面25との間をそれぞれ離間させるように押し広げて、第1面22と第2面23とが面平行に対向するとともに第3面24と第4面25とが面平行に対向することで第1中空空間26を構築する姿勢である。
【0023】
図3は、箱体1から分離された状態の、第2四角枠体11の斜視図である。第2四角枠体11は、第5面27と、第5面27に対して面平行に対向する第6面28と、第5面27及び第6面28の間に位置する第7面29と、第7面29に対して面平行に対向する第8面30とから構成される。第2四角枠体11は、横断面形状が第1四角枠体10と同一の長方形(正方形であってもよい)となる第2角筒形状を備え、かつ、前記第2角筒形状の内部に第2中空空間31を構築する。
【0024】
第2角筒形状の第2四角枠体11は、第5面27と第8面30との間、及び、第6面28と第7面29に設けられた、2箇所の第2破断予定線16によって、第5面27と第7面29とが互いに連設されてなる第1帯状体14と、第6面28及び第8面30が互いに連設されてなる第2帯状体15との2つに分離可能となっている。図4(a)は、第2四角枠体11を第1帯状体14と第2帯状体15の2つに分離した状態である。
【0025】
図3(a)及び図4に示すように、第2四角枠体11の第5面27、第6面28、第7面29、第8面30には、それぞれ2個ずつ、凸状形状部17が形成されている。図4(b)に示すように、凸状形状部17は、略矢印状の切り込み線を介し、第2角筒形状の外周側もしくは内周側に矢印部分を押し出すことで突出可能に形成された爪部である。
【0026】
また、図2(a)に示すように、第1四角枠体10の第1面22及び第2面23には、切り抜き線により切り抜かれて形成された凹状形状部18がそれぞれ2個ずつ、形成されている。ここでは、第1面22及び第2面23の前方側に配置されるものを18a、後方側に配置されるものを18bとしている(以下適宜単に凹状形状部18と称する)。この図では、凹状形状部18は略カエルの顔形状の開口部となっている。
【0027】
凸状形状部17と凹状形状部18とは、互いに凹凸係合可能に構成されている。すなわち、凹状形状部18の開口部に凸状形状部17を差し込むと、凸状形状部17の矢印形状部分の幅広部分T′が前記開口部の幅Tよりも広いため、ひっかかって互いに係合されるようになっている。
【0028】
この実施形態の例では、第1四角枠体10の第1面22に形成された凹状形状部18aと、第2四角枠体11の第5面27に形成された凸状形状部17とが、互いに係合する。また、第1四角枠体10の第2面23に形成された凹状形状部18aと、第2四角枠体11の第7面29に形成された凸状形状部17とが、互いに係合する。また、第1四角枠体10の第1面22に形成された凹状形状部18bと、第2四角枠体11の第8面30に形成された凸状形状部17とが、互いに係合する。また、第1四角枠体10の第2面23に形成された凹状形状部18bと、第2四角枠体11の第6面28に形成された凸状形状部17とが、互いに係合する。
【0029】
なお、凸状形状部17が1つの面に複数ある場合、いずれか1つを選んで係合させる。
【0030】
なお、第1四角枠体10に凸状形状部17が形成され、第2四角枠体11に凹状形状部18が形成されていてもかまわない。
【0031】
第2四角枠体11は、図3(b)に示す第2折り畳み姿勢と、図3(a)に示す第2押し広げ姿勢とを交互に切り替え可能となっている。第2折り畳み姿勢は、第2四角枠体11の、第5面27が第7面29及び第8面30のうちいずれか一方の面(この図では第7面29)と密着するとともに第6面28が第7面29及び第8面30のうちいずれか他方の面(この図では第8面30)と密着するように折り畳まれた姿勢である。第2押し広げ姿勢は、前記第2折り畳み姿勢において密着した状態にあった第5面27と第7面29、及び、第6面28と第8面30との間をそれぞれ離間させるように押し広げて、第5面27と第6面28とが面平行に対向するとともに第7面29と第8面30とが面平行に対向することで第2中空空間31を構築する姿勢である。
【0032】
箱体1から分離された、第1四角枠体10と、第2四角枠体11とから構成される四角枠体セットは、ゴミ収集作業用に使用することができる。以下にその使用方法を説明する。
【0033】
図5に示すように、ゴミ収集作業時には、第1四角枠体10を第1押し広げ姿勢とし、ゴミ収納用ビニール袋19の上縁部を適宜挿入スリット13に挿入してゴミ収納用ビニール袋19を第1中空空間26に収納する。また、第2四角枠体11は第1帯状体14と第2帯状体15とに分離しておく。
【0034】
次いで、第1第1四角枠体10の第1面22に設けられた凹状形状部18aと、第1帯状体14の第5面27に設けられた凸状形状部17とを上述の方法により凹凸係合させ、かつ、第1四角枠体10の第2面23に設けられた凹状形状部18aと第1帯状体14の第7面29に設けられた凸状形状部17とを凹凸係合させて、第1帯状体14が第1面22と第2面23との間に掛け渡される第1架け渡し態様とする。
【0035】
また、第1四角枠体10の第1面22に設けられた凹状形状部18bと、第2帯状体15の第8面30に設けられた凸状形状部17とを凹凸係合させ、第1四角枠体10の第2面23に設けられた凹状形状部18bと第2帯状体15の第6面28に設けられた凸状形状部17とを凹凸係合させて、第2帯状体15が第1面22と第2面23との間に掛け渡される第2架け渡し態様とする。
【0036】
すなわち第1帯状体14及び第2帯状体15は第1四角枠体10の手提げ部として利用する。このようにして第1四角枠体10によりゴミ収納用ビニール袋19の上部を開口させた状態で保持しつつ、第1四角枠体10を第1帯状体14及び第2帯状体15によりゴミ収集者Mが吊り下げ保持可能とし、ゴミ収集者Mがこれを把持して移動しながら、路面に落ちているゴミを拾い上げてゴミ収納用ビニール袋19に入れやすくすることができる。
【0037】
この図では1つの第1四角枠体10に対して2つの手提げ部(第1帯状体14及び第2帯状体15)を設けているが、第1帯状体14及び第2帯状体15のうちどちらか1つのみを使用してもよい。
【0038】
第1帯状体14及び第2帯状体15の各面には凸状形状部17が2個ずつ設けられており、どちらか1つを選択して係合させることで、帯状体のうちストラップ的に使用する部分の長さを段階的に長短調整することができる。凸状形状部17は各面に2個設けることが好ましく、3個以上設けると帯状体の強度が低下する。凹状形状部18を略カエルの顔形状の開口部とすることで、帯状部を第1四角枠体10に対し、揺動(回動)可能に接続することができる。
【0039】
また、図1に示すように、4つの四角枠体9を分離した後に、上下方向に残される箱型形状の第1トレイ部20と第2トレイ部21は、ゴミ収集時に、ちりとりやゴミ入れの代わりに使用することができる。この図では、上下方向の幅が異なる第1トレイ部20と第2トレイ部21とが形成されるようになっており、2種類のトレイとして使用してもよいし、図1の箱体1からは2人分の四角枠体セットが形成されるので、各四角枠体セットを使用してゴミ収集を行うゴミ収集者Mがトレイを1つずつ使用するようにしてもかまわない。
【0040】
ゴミ収集者Mは例えば箱体1にビニール袋等の道具を収納してゴミ収集場所に運搬し、箱体1を分離して2個の四角枠体セットを組み立ててゴミ収集を行った後は、集めたゴミと一緒に四角枠体セットやトレイ部を廃棄することができる。
【0041】
あるいは、最初から、箱体1から、第1四角枠体10及び第2四角枠体2を分離して四角枠体セットとした状態で、ゴミ収集場所まで運搬してもかまわない。この時、第1四角枠体10及び第2四角枠体11は、図2(b)及び図3(b)に示されるような、折り畳み姿勢で運搬される。また、本実施形態に係る箱体1は、箱体1のまま販売してもよく、第1四角枠体10及び第2四角枠体11をそれぞれ折り畳み姿勢とした四角枠体セットとして販売してもよい。これらはユーザの所望に応じて適宜選択される。
【0042】
箱体1において、第1四角枠体10及び第2四角枠体11は、それぞれ、ダブルフルート型の段ボール紙(段ボール紙を2重とした構造)により構成される事が好ましい(図3の拡大図参照)。この時、それぞれの破断予定線8は、ダブルフルート型の段ボール紙に形成されたミシン目である。
【0043】
四角枠体セットにおける第1四角枠体10及び第2四角枠体11についても、それぞれ、ダブルフルート型の段ボール紙により構成される事が好ましい。
【0044】
図2(a)に示すように、第1四角枠体10の第1面22、第2面23、第3面24、第4面25それぞれの、第1角筒形状の軸線に沿った上方向側の縁部には差し込みスリット32が設けられている。差し込みスリット32は、図5に示すように、例えば分別用の小さなゴミ分別用ビニール袋45の上縁部を差し込み、第1四角枠体10の外部に追加で吊り下げることができる。
【0045】
<第1実施形態の効果>
本実施形態によれば、ゴミ収集者は、箱体1から切り出した第1四角枠体10により、ゴミ収納用ビニール袋19の上部を開口させた状態で保持しつつ、箱体1から切り出した第2四角枠体11を分断して生成した帯状体を用いて、第1四角枠体10を吊り下げることができる。これにより、片方の手で帯状体を持つだけでゴミ収納用ビニール袋19の上部を開口させた状態に維持できるので、その状態のままもう片方の手で路面に落ちているゴミを拾い上げ、ビニール袋の中に容易に入れることができる。すなわち、ゴミ収集作業の円滑化及び作業効率の向上を図ることができる。
【0046】
また、本実施形態では特に、例えばみかん箱、配送用の梱包箱、等の既存の段ボール箱を箱体1として流用して、ゴミ収集具として活用することができる。またダブルフルート型の段ボールを使用することで、ゴミ収納用ビニール袋19の中に多量のゴミが入り重量が重くなった時でもその重量に耐えうる、高い強度を確保することができる。
【0047】
また、本実施形態では特に、第1四角枠体10、第2四角枠体11以外の、段ボール箱の底部等についても、単なる浅底のトレイ又はゴミ箱等として使用することができ、箱体1のうち、無駄になる部分がなく、ゴミ収集作業時にも全て燃えるゴミとして一緒に廃棄できる。
【0048】
また、本実施形態の四角枠体セットにおいて、ゴミ収集者は、第1四角枠体10を第1押し広げ姿勢とすることにより、ゴミ収納用ビニール袋19の上部を開口させた状態で保持しつつ、第2四角枠体11を分断して生成した帯状体を用いて、第1四角枠体10を吊り下げることができる。これにより、片方の手で帯状体を持つだけでゴミ収納用ビニール袋19の上部を開口させた状態に維持できるので、その状態のままもう片方の手で路面に落ちているゴミを拾い上げ、ビニール袋の中に容易に入れることができる。すなわち、ゴミ収集作業の円滑化及び作業効率の向上を図ることができる。
【0049】
また、本実施形態では特に、四角枠体10は差し込みスリット32を備えるので、上記中空空間に収納するゴミ収納用ビニール袋19とは別に、第1四角枠体10の外部にゴミ分別用ビニール袋45を吊り下げることができる。これにより、例えばゴム収納用ビニール袋には可燃ごみのみを収納するようにし、不燃ごみについてはゴミ分別用ビニール袋45のほうに取り分けて収納することができる。
【0050】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図6図7により説明する。
【0051】
図6に第2実施形態に係るかご体33の斜視図を示す。かご体33は、底面34、前面35、後面36、右面37、及び左面38を備え、上方が開口した形状を有し、かつ、前記開口を横切りつつ右面37と左面38との間に掛け渡され、右面37及び左面38に対して回動自在に接続される持ち手39を設けたかご体であって、ゴミ収集具に転用可能なものである。
【0052】
かご体33は、上下方向における1個所において前面35、後面36、右面37、左面38にわたって略水平方向に形成された破断予定線8′により、破断予定線8′より上部の略角筒形状を備えた四角枠体9′と破断予定線8′より下部の第3トレイ部46とに分離可能に構成されている。
【0053】
かご体33は例えば薄手のプラスチック等で構成され、破断予定線8′は例えばプラスチックに形成されたミシン目等であり、破断予定線8′の近傍のみプラスチックの厚みが薄く構成されていてもよい。
【0054】
図7(a)に示すように、四角枠体9′を用いたゴミ収集作業時においては、破断予定線8′により分離された四角枠体9′の上部にゴミ収納用ビニール袋19の上縁部をクリップ40等によって適宜係止しつつ、略角筒形状の内部に形成される中空空間にゴミ収納用ビニール袋19を収納することにより、ゴミ収納用ビニール袋19の上部を開口させた状態で四角枠体9′で保持しつつ、四角枠体9′の持ち手39を介してゴミ収集者が吊り下げ保持可能とし、移動しながら路面に落ちているゴミを拾い上げてゴミ収納用ビニール袋19に入れやすくする。また、図7(b)に示される、かご体33から分離された第3トレイ部46をゴミ入れ等に使用することができる。
【0055】
<第2実施形態の効果>
本実施形態によれば、ゴミ収集者は、かご体33を、破断予定線8′より上部の四角枠体9′と破断予定線8′より下部のトレイ部20′とに分離することができる。そして、四角枠体9′の略角筒形状を用いて、ゴミ収納用ビニール袋19の上部を開口させた状態で保持しつつ、四角枠体9′に回動自在に接続される持ち手39を用いて、四角枠体9′を吊り下げることができる。これにより、片方の手で持ち手39を持つだけでゴミ収納用ビニール袋19の上部を開口させた状態に維持できるので、その状態のままもう片方の手で路面に落ちているゴミを拾い上げ、ビニール袋の中に容易に入れることができる。すなわち、ゴミ収集作業の円滑化及び作業効率の向上を図ることができる。
【0056】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態を図8図9により説明する。
【0057】
図8(a)は第3実施形態に係る板材41の変形時における上面図、図8(b)は非変形時の板材41を地面に平置きした時の平面図である。
【0058】
板材41は図8(b)に示すように長尺矩形形状を有し、図8(a)に示すような略Ω状に変形させ、内部に中空空間を形成することでゴミ収集作業用に転用可能となっている。
【0059】
板材41は、略Ω状への変形時に互いに重ね合わされる、長手方向一端側に位置する第1領域42及び長手方向他端側に位置する第2領域43と、第1領域42及び第2領域43の間に位置し前記略Ω状への変形時に略環状となる第3領域44とを有する。
【0060】
板材41は第1領域42において切り込み線を介し押し出されて突出可能に形成された凸状形状部17と、第2領域43において切り抜き線により切り抜かれて形成された凹状形状部18とが互いに凹凸係合可能に構成されており、第3領域44は、板材41の短手方向の一方側、ここでは図8(a)の上方向側の縁部と下方向側の縁部との間に位置する中間部に、前記中空空間に配置されるゴミ収納用ビニール袋19の上縁部を当該中空空間側から挿入するための挿入スリット13を有する。
【0061】
図9に示すように、ゴミ収集作業時には、板材41を図8(a)のように略Ω状に変形させた状態で第1領域42と第2領域43とを重ねあわせて凸状形状部17と凹状形状部18とをそれぞれ2箇所で凹凸係合させることにより、ゴミ収集者が把持する把持部が構築される。
【0062】
ゴミ収納用ビニール袋19の上縁部が挿入スリット13に挿入されつつゴミ収納用ビニール袋19が前記中空空間に収納され、略環状となった第3領域44によりゴミ収納用ビニール袋19の上部を開口させた状態で保持しつつ、第3領域44を前記把持部を介してゴミ収集者が把持可能とし、移動しながら路面に落ちているゴミを拾い上げて前記ゴミ収納用ビニール袋に入れやすくする。
【0063】
板材41は、変形に耐えうるような素材、例えば薄いビニール板やベニヤ板等を用いることができる。また、段ボール紙などの厚紙を板状にしたものを用いても良い。
【0064】
<第3実施形態の効果>
本実施形態においては、ゴミ収集者は、板材41を前記略Ω状に変形させた状態で第1領域42と第2領域43とを重ねあわせて把持部を構築することにより、ゴミ収納用ビニール袋19の上部を開口させた状態で略環状の第3領域44にて保持しつつ、第3領域44を把持部での把持により支持することができる。これにより、片方の手で把持部を持つだけでゴミ収納用ビニール袋19の上部を開口させた状態に維持できるので、その状態のままもう片方の手で路面に落ちているゴミを拾い上げ、ビニール袋の中に容易に入れることができる。すなわち、ゴミ収集作業の円滑化及び作業効率の向上を図ることができる。
【0065】
なお、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0066】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0067】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0068】
1 箱体
2 上面
3 底面
4 前面
5 後面
6 右面
7 左面
8 破断予定線
9 四角枠体
10 第1四角枠体
11 第2四角枠体
13 挿入スリット
14 第1帯状体
15 第2帯状体
16 第2破断予定線
17 凸状形状部
18 凹状形状部
19 ゴミ収納用ビニール袋
20 第1トレイ部
21 第2トレイ部
22 第1面
23 第2面
24 第3面
25 第4面
26 第1中空空間
27 第5面
28 第6面
29 第7面
30 第8面
31 第2中空空間
32 差し込みスリット
33 かご体
39 持ち手
40 クリップ
41 板材
42 第1領域
43 第2領域
44 第3領域
45 ゴミ分別用ビニール袋
46 第3トレイ部
【要約】
【課題】ゴミ収集者によるゴミ収集作業の円滑化及び作業効率の向上を図る。
【解決手段】
破断予定線8、第2破断予定線16によって第1四角枠体10、第1帯状体14、第2帯状体15に分離される箱体1であって、ゴミ収集作業時において、第1四角枠体10に設けられた挿入スリット13にゴミ収納用ビニール袋19の上端を挿入するとともに、第1四角枠体10に設けられた凹状形状部18と、第1帯状体14及び第2帯状体15に設けられた凸状形状部17とを凹凸係合させ、第1四角枠体10に対して掛け渡すことによってゴミ収集者がゴミ収納用ビニール袋19を収納した状態の第1四角枠体10を吊り下げ保持可能とする、箱体1。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9