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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】手動搾乳器
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/06 20060101AFI20220902BHJP
【FI】
A61M1/06
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018094024
(22)【出願日】2018-05-15
(65)【公開番号】P2019198428
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000112288
【氏名又は名称】ピジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 全
(74)【代理人】
【識別番号】100121647
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 和孝
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【弁理士】
【氏名又は名称】芳野 理之
(72)【発明者】
【氏名】落合 志文
(72)【発明者】
【氏名】高橋 勝利
(72)【発明者】
【氏名】石川 達之
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02186532(EP,A1)
【文献】国際公開第2005/067997(WO,A1)
【文献】英国特許出願公開第02496650(GB,A)
【文献】中国実用新案第203663144(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搾られた母乳が通過する通路を有する本体と、
前記本体に接続され乳房にあてがわれるフードと、
前記本体に設けられ前記通路に負圧を発生させるダイヤフラムと、
前記本体に取り付けられ前記本体に対して回転可能に設けられた保持部材と、
前記保持部材に保持され前記ダイヤフラムを変形させる操作用のハンドルと、
を備え、
前記本体は、
上方に前記ダイヤフラムが装着されたダイヤフラム装着部と、
前記ダイヤフラム装着部から下方に向かって離れた位置に設けられる受け部と、
を有し、
前記保持部材は、
前記本体に対して回転可能な状態で嵌められる取付部と、
前記取付部から延長して形成され前記ハンドルを往復運動可能に支持する延長部と、
を有し、前記ダイヤフラム装着部の下面に対して垂直な軸を中心として回転し、
前記取付部は、前記ダイヤフラム装着部と、前記受け部と、の間に挟設され、
前記ハンドルは、前記保持部材が前記本体に対して回転すると前記保持部材とともに前記本体に対して回転することを特徴とする手動搾乳器。
【請求項2】
前記本体は、前記ダイヤフラム装着部と前記受け部との間に設けられたガイド部を有し、
前記取付部は、前記ダイヤフラム装着部と前記ガイド部との間に挟設される回転安定化部を有することを特徴とする請求項に記載の手動搾乳器。
【請求項3】
前記本体は、前記保持部材が前記本体に対して回転する際に前記保持部材の回転角度の範囲を規制する回転角度規制部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の手動搾乳器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、母乳を手動で搾るための手動搾乳器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、使用者が手動で母乳を搾乳する手動搾乳器が知られている。一般的に、手動搾乳器は、本体と、本体に接続され乳房にあてがわれるフードと、本体に接続されフードの内部の空間に負圧を発生させるダイヤフラムと、本体に対して近づいたり離れたりすることでダイヤフラムを変形させる操作用のハンドルと、を備える。本体に対するハンドルの配置は、一般的に固定されている。つまり、ハンドルは、本体に対する配置が固定された状態で、本体に対して近づいたり離れたりする往復運動を行う。そのため、使用者が手動搾乳器を用いて母乳を搾るときにフードを乳房にあてがうと、ハンドルの配置は必然的に決定される。そうすると、使用者は、ハンドルを操作する手の関節を中間位に置くことができないことがある。そのため、ハンドルの反復操作に基づいて筋負担が引き起こされるという点においては改善の余地がある。
【0003】
ここで、特許文献1には、内部吸引室を形成する吸引カップと、吸引カップから広がった乳房シールドと、吸引カップに設けられた手動操作レバーと、を備えた手動搾乳器が開示されている。特許文献1に記載された手動搾乳器では、手動操作レバーは、吸引カップに対して複数の位置に配置され、複数の位置のそれぞれにおいて周期的に操作可能とされて内部吸引室に負圧を発生させる。また、手動操作レバーは、吸引カップに対して回転可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第6749582号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された手動搾乳器では、操作手動レバーの回転機構が複雑であるという問題がある。また、手動操作レバーの往復運動を支持する高さ位置と、操作手動レバーの回転機構の高さ位置と、が互いに略同じである。そのため、使用者が手動操作レバーを反復操作したり回転させたりする際に、操作手動レバーの動きが不安定になるという問題がある。そのため、使用者は、ハンドル操作を安定的に行うことができず、搾乳動作を楽に行うことができないおそれがある。そこで、ハンドルの反復操作に基づく筋負担を軽減しつつ、ハンドルの動きを安定化させることができる手動搾乳器が望まれている。
【0006】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、ハンドルの反復操作に基づく筋負担を軽減しつつ、ハンドルの動きを安定化させることができる手動搾乳器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、本発明によれば、搾られた母乳が通過する通路を有する本体と、前記本体に接続され乳房にあてがわれるフードと、前記本体に設けられ前記通路に負圧を発生させるダイヤフラムと、前記本体に取り付けられ前記本体に対して回転可能に設けられた保持部材と、前記保持部材に保持され前記ダイヤフラムを変形させる操作用のハンドルと、を備え、前記ハンドルは、前記保持部材が前記本体に対して回転すると前記保持部材とともに前記本体に対して回転することを特徴とする手動搾乳器により解決される。
【0008】
前記構成によれば、ハンドルは、保持部材に保持されている。保持部材は、本体に取り付けられ、本体に対して回転可能に設けられている。そして、ハンドルは、保持部材が本体に対して回転すると、保持部材とともに本体に対して回転する。そのため、使用者は、フードを乳房にあてがったときに、本体に対するハンドルの位置を回転させ、ハンドルの反復操作にとって好ましい位置に調整することができる。このため、ハンドルの反復操作に基づく筋負担を軽減することができる。
【0009】
また、ハンドルは、本体に対して回転可能に取り付けられた保持部材に保持され、保持部材とともに回転する。そのため、ハンドルを回転させる複雑な回転機構は不要である。つまり、ハンドルの回転機構を簡易化することができる。そのため、ハンドルの動きを安定化させることができる。これにより、使用者は、ハンドル操作を安定的に行い、搾乳動作を楽に行うことができる。
【0010】
本発明に係る手動搾乳器において、好ましくは、前記保持部材は、前記本体に対して回転可能な状態で嵌められる取付部と、前記取付部から延長して形成され前記ハンドルを往復運動可能に支持する延長部と、を有することを特徴とする。
【0011】
前記構成によれば、保持部材の取付部は、本体に対して回転可能な状態で嵌められる。また、保持部材の延長部は、取付部から延長して形成され、ハンドルを往復運動可能に支持する。そのため、ハンドルを往復運動可能に支持する延長部は、本体に回転可能な状態で嵌められた取付部から延長して形成され、取付部から離れている。つまり、本体に対して回転する部分(取付部)と、ハンドルを往復運動可能に支持する部分(延長部)と、が互いに離れた位置に配置される。そのため、ハンドルの回転機構の安定性が確保される。これにより、ハンドルの動き(回転動作および往復運動)を安定化させることができる。
【0012】
本発明に係る手動搾乳器において、好ましくは、前記本体は、上方に前記ダイヤフラムが装着されたダイヤフラム装着部と、前記ダイヤフラム装着部から下方に向かって離れた位置に設けられる受け部と、を有し、前記取付部が、前記ダイヤフラム装着部と、前記受け部と、の間に挟設されることを特徴とする。
【0013】
前記構成によれば、保持部材の取付部は、上方にダイヤフラムが装着されたダイヤフラム装着部と、受け部と、の間に挟設されている。このとき、受け部は、ダイヤフラム装着部から下方に向かって離れた位置に設けられている。つまり、保持部材の取付部は、上下方向に互いに離れたダイヤフラム装着部と受け部との間に挟設されている。このため、保持部材の取付部は、ハンドルが本体に対して回転する際に、ダイヤフラム装着部と受け部との間で安定して回転できる。つまり、ハンドルの回転動作を安定化させることができる。また、保持部材の取付部がダイヤフラム装着部と受け部との間に挟設されているため、ハンドルが往復運動する際の保持部材の動きを抑えることができる。これにより、ハンドルの往復運動を安定化させることができる。
【0014】
本発明に係る手動搾乳器において、好ましくは、前記本体は、前記ダイヤフラム装着部と前記受け部との間に設けられたガイド部を有し、前記取付部は、前記ダイヤフラム装着部と前記ガイド部との間に挟設される回転安定化部を有することを特徴とする。
【0015】
前記構成によれば、回転安定化部が、ダイヤフラム装着部と、ダイヤフラム装着部と受け部との間に設けられたガイド部と、の間に挟設される。これにより、保持部材の取付部は、ハンドルが本体に対して回転する際に、ダイヤフラム装着部と受け部の間においてより安定して回転できる。
【0016】
本発明に係る手動搾乳器において、好ましくは、前記本体は、前記保持部材が前記本体に対して回転する際に前記保持部材の回転角度の範囲を規制する回転角度規制部を有することを特徴とする。
【0017】
前記構成によれば、回転角度規制部は、本体に対する保持部材の回転角度の範囲を規制する。そのため、保持部材に保持され保持部材とともに回転するハンドルの回転角度の範囲は、本体の回転角度規制部により規制される。これにより、使用者は保持部材に取り付けられたハンドルの回転範囲を確実に認識することができ、ハンドルの回転範囲を把握した上で安心してハンドルを任意の位置に調整することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ハンドルの反復操作に基づく筋負担を軽減しつつ、ハンドルの動きを安定化させることができる手動搾乳器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る手動搾乳器を表す斜視図である。
図2】手動搾乳器の図1に表した切断面A11-A11における断面図である。
図3】本実施形態に係る手動搾乳器を上から眺めた平面図である。
図4】本実施形態の本体の周辺を側方から眺めた平面図である。
図5】本実施形態の本体の周辺を側方から眺めた平面図である。
図6】本実施形態の本体の周辺を側方から眺めた平面図である。
図7】本実施形態の本体の周辺を示す斜視図である。
図8】本実施形態の本体の周辺を示す斜視図である。
図9】本実施形態の保持部材を示す斜視図である。
図10】本実施形態の保持部材を示す斜視図である。
図11】本実施形態の保持部材が本体に嵌まる様子を示す平面図である。
図12】本実施形態のハンドルが本体に対して回転する様子を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0021】
図1図3を参照して、本実施形態に係る手動搾乳器を説明する。本実施形態に係る手動搾乳器(説明の便宜上、以下の説明では単に「搾乳器」と称する)2は、乳児に直接母乳を与えることが困難な場合、乳頭が傷ついている場合、乳腺炎を予防する場合などに用いられ、使用者が手動で操作をして搾乳できる器具である。使用者は、搾乳器2を自ら手で持って使用する。そのため、搾乳器2は、軽量であって、かつ、片手での操作を可能とし、疲労を軽減できるものが好ましい。
【0022】
図1および図2に示すように、搾乳器2は、本体3と、フード4と、ダイヤフラム34と、ハンドル5と、保持部材200と、を備える。搾乳器2は、ボトル6をさらに備えていてもよい。フード4は、乳房の形状に対応するラッパ状または略ドーム状に形成され、乳房にあてがわれる。フード4のうちで最も径の小さい縮径部41は、本体3の上部に設けられた装着部311に接続される。使用者が、図2に示すフード4に囲まれた空間S1に乳房を挿入すると、空間S1は、使用者の乳首を密封するように収容する収容空間S2を有するようになる。収容空間S2が負圧に設定されることで、搾乳可能な構造が形成される。
【0023】
本体3は、比較的軽く、かつ、硬質な合成樹脂材料により成形されている。本体3の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニルサルフォン等が挙げられる。フード4が装着される装着部311の内部には、気体や搾られた母乳などが通過する第1通路312が形成されている。図2に示すように、第1通路312は、本体3内の略中央部に形成された内部空間S3および第2通路321を介して、本体3内の上部に形成された連通部S4と空間的に繋がっている。内部空間S3は、搾られた母乳が一時的に貯留される母乳貯留用の空間である。本実施形態の第1通路312は、本発明の「通路」に相当する。
【0024】
本体3の上部には、ダイヤフラム34が着脱可能に設けられている。ダイヤフラム34は、例えば合成樹脂等の弾性体により一体成形されており、全体として可撓性を有する。ダイヤフラム34の下端部344は、本体3の上部に設けられた略円盤状のダイヤフラム装着部32Rの外周を覆って取り付けられている。すなわち、ダイヤフラム34は、本体3のダイヤフラム装着部32Rの上方に装着されている。
【0025】
本体3とダイヤフラム34との間に形成された陰圧空間S5は、負圧が付与される領域(空間)である。ダイヤフラム34が軸Cに沿って形状変化することにより、本体3とダイヤフラム34との間に形成された陰圧空間S5が負圧状態になる。軸Cは、結合部35の軸方向である。結合部35の詳細については、後述する。陰圧空間S5が負圧状態になると、収容空間S2は、第1通路312と、内部空間S3と、第2通路321と、連通部S4と、を介して負圧状態になる。
【0026】
図2に示すように、内部空間S3の下側には、開口部313が形成され、逆流防止弁36が取り付けられている。本実施形態の逆流防止弁36には、例えばダックビル弁と呼ばれる開閉弁が採用されている。ただし、逆流防止弁36は、ダックビル弁だけには限定されない。逆流防止弁36は、開口部313を通過する母乳や空気がボトル6から逆流することを防止することで、収容空間S2をより効率的に負圧状態とする。逆流防止弁36は、例えば合成樹脂等の弾性体により一体成形され、全体として可撓性を有する。逆流防止弁36の材料としては、例えば、シリコーンゴムやエラストマー、天然ゴム等などが挙げられる。
【0027】
図2に示す逆流防止弁36は、先端にスリット36Sを有している。スリット36Sは、陰圧空間S5を負圧状態にすると閉じる。すなわち、陰圧空間S5が負圧状態になると、内部空間S3は、連通部S4および第2通路321を介して負圧状態になる。そうすると、逆流防止弁36のスリット36Sは閉じる。そのため、内部空間S3は高い密閉性を確保しながら、第1通路312を介して収容空間S2を負圧状態にすることができる。
【0028】
また、スリット36Sおよび内部空間S3に母乳が貯留した状態で、陰圧空間S5の負圧状態が解除されると、逆流防止弁36のスリット36Sは、母乳の重量や負圧の解除(常圧への変化)によって開き、貯留されていた母乳は、ボトル6内の空間S6に導かれる。図2に示すように、本体3は、ボトル6に対して着脱可能に設けられた着脱部314を下端部に有する。着脱部314は、ドーム状あるいは筒状を呈している。ボトル6内の空間S6は、逆流防止弁36が開口部313を開放したときに、内部空間S3に連通する。
【0029】
図2に示すように、着脱部314の内側には、雌ネジ部315が設けられている。一方で、ボトル6の上端部の外側には、雄ネジ部61が設けられている。着脱部314の雌ネジ部315と、ボトル6の雄ネジ部61と、は互いに螺合可能とされている。なお、ボトル6は、搾乳器2の専用品でもよいし、着脱部314に適合可能な哺乳瓶等であってもよい。また、ボトル6は、成形された容器ではなく、袋状とされていてもよい。
【0030】
図2に示すダイヤフラム34は、負圧を発生させるための負圧発生部材である。本実施形態では、ダイヤフラム34は、本体3の上部のダイヤフラム装着部32Rに接続されている。ダイヤフラム34がダイヤフラム装着部32Rに装着されることで、本体3とダイヤフラム34との間に陰圧空間S5が形成される。
【0031】
ダイヤフラム34は、比較的弾性に富んだ柔軟な変形材料、すなわち、JIS-K6253(ISO7619)におけるA型デュロメータによる硬度がHS30~70程度の合成樹脂により形成されている。ダイヤフラム34の材料としては、例えば、シリコーンゴムやイソプレンゴム、SEBS(スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン)等のエラストマー等が挙げられる。本実施形態では、ダイヤフラム34の材料としてシリコーンゴムが利用される。
【0032】
図2に示すように、結合部35は、下部においてダイヤフラム34の底面部343に取り付けられ、上部においてハンドル5と連結されている。ダイヤフラム34は、結合部35を介してハンドル5の往復動作の作用を底面部343で受けると変形する。そうすると、底面部343が結合部35に引き上げられ、底面部343と本体3の上部との間に形成された陰圧空間S5の空間の容積が変化する。これにより、ダイヤフラム34は、陰圧空間S5に対して一定量の負圧を付与する。つまり、ダイヤフラム34の変形により、陰圧空間S5が負圧状態になる。陰圧空間S5が負圧状態になると、連通部S4、第2通路321および内部空間S3を介して、第1通路312内の空気が吸引され、母乳が吸引(搾乳)される。
【0033】
結合部35は、ダイヤフラム34の材料よりも硬い硬質材料で形成されている。結合部35の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルサルフォン等の合成樹脂が挙げられる。結合部35は、平たい円盤状の基部351を有する。基部351は、底面部343の下側(陰圧空間S5側)に配置されている。
【0034】
また、結合部35は、基部351から上方に突出して軸状に延びた連結部352を有する。連結部352は、ハンドル5に対して着脱可能に連結する。具体的には、連結部352は、ダイヤフラム34の底面部343の中央部に形成された通し孔(基部351よりも小径な孔)に挿通されて、底面部343の上側に露出することで、ハンドル5に連結可能とされている。連結部352に連結されたハンドル5を使用者が引き上げると、基部351がダイヤフラム34の底面部343を引き上げる。そうすると、ダイヤフラム34が変形して陰圧空間S5を拡大させる。なお、本実施形態の基部351は、ダイヤフラム34の底面部343の下側において、底面部343には接続せずに配置されている。但し、基部351の設置形態は、これだけには限定されない。例えば、基部351は、底面部343の上側に固定されていてもよい。
【0035】
図2に表したように、連結部352は、連結部352の延伸方向Zにおいて互いに並んで配置された第1突出部353および第2突出部354を有する。第1突出部353および第2突出部354のそれぞれは、連結部352の軸部から径外方向に突出している。第1突出部353と第2突出部354との間には、第1係合部355が設けられている。第1係合部355は、第1突出部353と第2突出部354との間において窪んだ部分(溝部分)である。また、第2突出部354と基部351との間には、第2係合部356が設けられている。第2係合部356は、第2突出部354と基部351との間において窪んだ部分(溝部分)である。
【0036】
保持部材200は、本体3に取り付けられ、本体3に対して回転可能に設けられている。例えば、保持部材200は、ダイヤフラム装着部32Rの下面に対して垂直な軸を中心として回転する。図2に表した軸Cは、前述したように結合部35の軸方向であり、ダイヤフラム34が変形する前の状態においてダイヤフラム装着部32Rの下面に対して垂直な軸の一例である。なお、保持部材200が本体3に対して回転可能に設けられている限りにおいて、保持部材200の回転軸は、図2に表した軸Cに限定されるわけではない。図1に示すように、保持部材200は、取付部400と、延長部323と、を有する。取付部400は、ダイヤフラム装着部32Rと、受け部501と、の間に挟設され、本体3に対して回転可能な状態で嵌められている。受け部501は、ダイヤフラム装着部32Rから下方に向かって離れた位置において本体3に設けられている。すなわち、本体3は、ダイヤフラム装着部32Rから下方に向かって離れた位置に設けられた受け部501を有する。ダイヤフラム34が変形する前の状態における軸Cに沿った方向において、受け部501とダイヤフラム装着部32Rとの間隔が取付部400の幅と略同じあるいは取付部400の幅よりもやや広いことにより、取付部400は、受け部501とダイヤフラム装着部32Rとの両方から軸Cに沿った方向の動きの規制を受ける。これにより、保持部材200の回転が安定する。延長部323は、取付部400から延長して形成され、ハンドル5を往復運動可能に支持する。保持部材200の詳細については、後述する。
【0037】
図2に示すハンドル5は、保持部材200に保持されているとともに、保持部材200の延長部323に対して往復運動可能に支持されている。すなわち、ハンドル5は、図1および図2に示す矢印A1および矢印A2の方向に往復運動を行うことができる。ハンドル5は、第1係合部355または第2係合部356と係合することにより、連結部352と着脱可能に連結している。これにより、ハンドル5と連結部352との延伸方向Zにおける連結位置は、変更可能とされている。そのため、ハンドル5が連結部352を引き上げる距離は、変更可能とされている。これにより、ダイヤフラム34の変形量を変更することができる。すなわち、図2に表したように、第1係合部355および第2係合部356は、延伸方向Zにおいて互いに離れて段階的に形成されている。そのため、ハンドル5と係合部355、356との係合位置に応じて、ハンドル5が連結部352を引き上げる距離は、段階的に変更可能とされている。
【0038】
図2に示すハンドル5が第1係合部355と係合すると、ハンドル5が連結部352を引き上げる距離は、ハンドル5が第2係合部356と係合する場合と比較して短い。そうすると、陰圧空間S5の空間の容積変化は、相対的に小さい。これにより、ハンドル5およびダイヤフラム34は、相対的に低い負圧を陰圧空間S5に発生させ、相対的に短い時間で元の状態に復帰する(準備モード)。一方で、ハンドル5が第2係合部356と係合すると、ハンドル5が連結部352を引き上げる距離は、ハンドル5が第1係合部355と係合する場合と比較して長い。そうすると、陰圧空間S5の空間の容積変化は、相対的に大きい。これにより、ハンドル5およびダイヤフラム34は、相対的に高い負圧を陰圧空間S5に発生させ、相対的に長い時間をかけて元の状態に復帰する(搾乳モード)。
【0039】
ハンドル5は、長尺の形状を有し、全体として、比較的硬質であって軽量な合成樹脂により成形されている。ハンドル5の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルサルフォン等が挙げられる。ハンドル5は、ダイヤフラム34の上方に配置されて、ダイヤフラム34を持ち上げるリフト部53と、リフト部53から曲折して本体3の側面に位置するレバー部52と、を有する。
【0040】
図3に示すように、リフト部53には、連結部352と連結される被連結部54が設けられている。被連結部54は、連結部352の連結位置を保持するための保持開口部541と、連結部352を挿入するための挿入開口部542と、を有する。保持開口部541と挿入開口部542とは、互いに空間的に接続されている。
【0041】
保持開口部541の内径は、図2に示す第1係合部355および第2係合部356のそれぞれの外径よりも僅かに大きい一方で、第1突出部353および第2突出部354のそれぞれの外径よりも小さい。これに対して、挿入開口部542の内径は、図2に示す第1突出部353および第2突出部354のそれぞれの外径よりも大きい。これにより、使用者は、連結部352を挿入開口部542に挿入した後、連結部352を保持開口部541に向かってスライドさせて第1係合部355または第2係合部356を保持開口部541に入れることにより、ハンドル5と連結部352とを互いに位置決めすることができる。
【0042】
図2に示すように、レバー部52は、レバー状に形成され、取手の役割を果たす。レバー部52の外側の領域は、使用者が親指以外の指FGを置く領域に相当する。つまり、レバー部52の外側表面は、使用者が親指以外の指FGを当てる表面に相当する。使用者が指FGを当てるレバー部52の外側表面と、使用者が親指TBを置くための本体3にある窪み部317と、の距離は、レバー部52の外側表面と、窪み部317と、の間に本体3を挟んで使用者が把持できる程度の距離である。
【0043】
使用者が本体3を挟んで把持した手を握ることで、レバー部52は、本体3に向かって押されて本体3に接近する。そうすると、ハンドル5が保持部材200の支軸部324(図2参照)を中心に回転する。そうすると、ハンドル5のリフト部53は、結合部35を介してダイヤフラム34を上に持ち上げる。そして、陰圧空間S5の空間の容積が拡大して負圧状態となる。これにより、収容空間S2は、連通部S4、第2通路321、内部空間S3、および第1通路312を介して負圧状態になる。このようにして、母乳の搾乳が行われる。
【0044】
図2に示すように、レバー部52は、指FGを置く領域から下側に向かうに従って、除々に外側に向かうように湾曲している。これにより、ハンドル5の下端部55は、やや外側に跳ねるような外観を呈する。そのため、使用者がレバー部52を本体3に接近させた場合において、指FGがハンドル5の下側にずれることを抑えることができる。
【0045】
ここで、例えば、本体に対するハンドルの配置が固定されていると、ハンドルは、本体に対する配置が固定された状態で本体に対して近づいたり離れたりする往復運動を行う。そのため、この場合には、使用者が搾乳器を用いて母乳を搾るときにフードを乳房にあてがうと、ハンドルの配置は必然的に決定される。そうすると、使用者は、ハンドルを操作する手の関節を中間位に置くことができないことがある。そのため、ハンドルの反復操作に基づいて筋負担が引き起こされるという点においては改善の余地がある。
【0046】
これに対して、本実施形態に係る搾乳器2のハンドル5は、保持部材200が本体3に対して回転すると、図3に表した矢印A3および矢印A4のように保持部材200とともに本体3に対して回転する。このとき、ハンドル5を回転させるための複雑な回転機構は不要である。つまり、ハンドル5の回転機構を簡易化することができる。以下に、ハンドル5の回転機構やハンドル5の動きを、図面を参照してさらに説明する。
【0047】
図4図8を参照して、保持部材200と本体3との間の取付構造、およびハンドル5の回転機構を説明する。また、図9および図10を参照して、本実施形態の保持部材200の構造例を説明する。
【0048】
図9および図10に示すように、保持部材200は、取付部400と、延長部323と、を有し、比較的硬質であって軽量な合成樹脂により成形されている。保持部材200の材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルサルフォン等が挙げられる。
【0049】
取付部400は、円弧状に形成されており、第1端部411と第2端部412とを有する。第1端部411と第2端部412との間には、切欠き部分413が形成されている。取付部400の内部には、ダイヤフラム装着部32Rと受け部501との間における本体3の外周部32Tを収容する空間が形成されている。第1端部411と第2端部412の間の間隔(切欠き部分413の間隔)は、保持部材200の取付部400が本体3に嵌まる際に、第1端部411と第2端部412が弾性変形しながら本体3の外周部32Tが通過可能な程度の距離に設定されている。そのため、第1端部411と第2端部412が弾性変形し、切欠き部分413の間隔が広がることで、本体3の外周部32Tは、切欠き部分413を通過し取付部400の内部に収容される。このようにして、保持部材200の取付部400は、本体3に嵌まる。
【0050】
図9に示すように、取付部400の内周部(内周面)420は、円形曲面に形成されており、保持部材200が本体3に取り付けられた状態において本体3の外周部32Tに対向する。取付部400の内周部420には、2つのガイド突起部430、430が、取付部400の内部空間に向けて突出して形成されている。本実施形態のガイド突起部430は、本発明の「回転安定化部」の一例に相当する。
【0051】
取付部400は、上面421と、下面422と、を有している。上面421と下面422との間の距離(取付部400の厚み)Dは、ダイヤフラム装着部32Rと受け部501との間隔E(図6参照)に略同じ、あるいは間隔Eよりも僅かに短い。受け部501は、本体3に設けられ、略円形状に形成されるとともにダイヤフラム装着部32Rの下面と平行に形成されている。
【0052】
図5に示すように、延長部323は、保持部材200が本体3に取り付けられた状態においてダイヤフラム34の側方を通過し、ダイヤフラム34の上方(ほぼZ方向)に向かって延びるように取付部400から延長して形成されている。
【0053】
図9に示すように、延長部323の一端部(上端部)には、支軸部324が設けられている。支軸部324は、両端部324a、324bを有している。両端部324a、324bは、ハンドル5の内側に設けられた軸受部51(図2参照)に着脱可能に接続されている。これにより、図1および図2に表した矢印A1、A2のように、ハンドル5は、保持部材200の支軸部324を中心として、支軸部324の回り(図2に表した矢印A5および矢印A6の方向)に回転することができる。
【0054】
図10に示すように、延長部323の下部には、突起部440が設けられている。突起部440は、延長部323のうち取付部400と延長部323との境界部近傍に設けられている。図4および図5に示すように、突起部440は、保持部材200が本体3に取り付けられた状態において本体3に近接する部分である。例えば、突起部440は、保持部材200が上下反対の状態(延長部323が取付部400から下方に延びた状態)で本体3に嵌まろうとした際にダイヤフラム装着部32Rと接触し、逆付け防止部として機能する。
【0055】
保持部材200は、本体3とは別部材であり、図4図8に示すように、本体3に対して着脱可能に取り付けられる。具体的には、保持部材200の取付部400は、ダイヤフラム装着部32Rと、受け部501と、の間に挟設され、本体3の外周部32Tに設けられたガイド部502の外周部に対して着脱可能に嵌められている。
【0056】
図6および図8に示すように、本体3は、ダイヤフラム装着部32Rと受け部501との間に設けられたガイド部502を有する。ガイド部502は、ダイヤフラム装着部32Rと受け部501との中間部において本体3の外周部32Tに設けられ、略円形状に形成されている。ガイド部502は、受け部501と同心円状に形成されるとともに、受け部501と平行に形成されている。受け部501の直径は、ガイド部502の直径よりも大きく、ダイヤフラム装着部32Rの直径よりも小さい。ガイド部502の直径は、受け部501およびダイヤフラム装着部32Rのそれぞれの直径よりも小さい。
【0057】
保持部材200が本体3に取り付けられた状態では、ガイド突起部430は、ダイヤフラム装着部32Rとガイド部502との間の空間に嵌まる。ガイド突起部430は、ガイド部502に案内され、本体3に対する保持部材200の回転を安定化させる。
【0058】
次に、図11を参照して、保持部材200が本体3に嵌まる様子を説明する。図11に示すように、保持部材200の取付部400は、ダイヤフラム装着部32Rと受け部501との間に対して着脱可能に嵌まる。このとき、取付部400の上面421が、ダイヤフラム装着部32RによりK方向に沿って案内される。また、取付部400の下面422が、受け部501によりK方向に沿って案内される。このため、取付部400の上面421が、ダイヤフラム装着部32Rにより保持あるいは支持される。また、取付部400の下面422が、受け部501により保持あるいは支持される。さらに、ガイド突起部430の下面431が、ガイド部502の上面502S上に沿ってK方向に案内される。
【0059】
これにより、保持部材200の取付部400は、ガイド部502の外周部に対して、確実に保持される。また、保持部材200の取付部400は、ガイド部502の外周部に対して安定的に回転可能になっている。使用者は、保持部材200を本体3から取り外す場合には、保持部材200の取付部400をK方向とは反対方向に抜き取ればよい。
【0060】
図8および図11に示すように、本体3の外周部32Tは、回転角度規制部550を有する。回転角度規制部550は、ダイヤフラム装着部32Rと受け部501との間において、略軸C方向に沿って形成されている。一方、図9に示すように、保持部材200の取付部400には、ガイド突起部430により回転許容角度θが設定されている。回転許容角度θは、図11に示す保持部材200の取付部400が本体3に対して回転できる範囲を表している。
【0061】
すなわち、保持部材200の取付部400が一方向に回転すると、2つのガイド突起部のうちのいずれか一方のガイド突起部430が回転角度規制部550に突き当たることで、取付部400の一方向の回転が規制される。また、保持部材200の取付部400が他方向に回転すると、2つのガイド突起部のうちのいずれか他方のガイド突起部430が回転角度規制部550に突き当たることで、取付部400の他方向の回転が規制される。これにより、図2に示す保持部材200およびハンドル5は、本体3に対して、図9に示す回転許容角度θだけ回転できる。このように、回転角度規制部550は、本体3に対して回転する際に保持部材200の回転角度の範囲を規制する。
【0062】
保持部材200およびハンドル5が本体3に対して回転する際には、ガイド突起部430の下面431が、ガイド部502の上面502Sに沿って案内される。そのため、保持部材200の取付部400は、本体3に対して安定して回転することができる。すなわち、ガイド突起部430は、本体3に対する保持部材200の取付部400の回転を安定化させる回転安定化部として機能し、保持部材200およびハンドル5の回転安定性を向上させることができる。
【0063】
次に、図12(a)~図12(c)を参照して、ハンドル5が本体3に対して回転する様子を説明する。図12(a)に示すように、ハンドル5は、中間位置から矢印H1の方向に保持部材200とともに本体3に対して回転することができる。図12(b)に示すように、一方のガイド突起部430が回転角度規制部550に突き当たることにより、ハンドル5の回転は停止する。このときのハンドル5の最大の回転角度は、「-θ/2」である。これにより、使用者は、中間位置MMから左寄り(矢印H1方向)にハンドル5の位置(角度)調整することができる。
【0064】
同様にして、図12(a)に示すように、ハンドル5は、中間位置から矢印H2の方向に保持部材200とともに本体3に対して回転することができる。図12(c)に示すように、他方のガイド突起部430が回転角度規制部550に突き当たることにより、ハンドル5の回転は停止する。このときのハンドル5の最大の回転角度は、「+θ/2」である。これにより、使用者は、中間位置MMから右寄り(H2方向)にハンドル5の位置(角度)調整することができる。
【0065】
このように、保持部材200およびハンドル5は、本体3に対して回転する。ハンドル5は、図12(a)に示す回転許容角度θの範囲内で任意の位置に調整される。このとき、ハンドル5の回転許容角度θの範囲は、本体3の回転角度規制部550により規制される。これにより、使用者は保持部材200に取り付けられたハンドル5の回転範囲を確実に認識することができ、ハンドル5の回転範囲を把握した上で安心してハンドル5を任意の位置に調整することができる。回転許容角度θは、例えば約90度程度である。ただし、回転許容角度θは、約90度程度に限定されるわけではなく、ガイド突起部430の設置位置に応じて任意に設定可能とされている。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係る搾乳器2によれば、ハンドル5は、保持部材200に保持されている。保持部材200は、本体3に取り付けられ、本体3に対して回転可能に設けられている。そして、ハンドル5は、保持部材200が本体3に対して回転すると、保持部材200とともに本体3に対して回転する。そのため、使用者は、フード4を乳房にあてがったときに、本体3に対するハンドル5の位置を回転させ、ハンドル5の反復操作にとって好ましい位置に調整することができる。このため、ハンドル5の反復操作に基づく筋負担を軽減することができる。
【0067】
また、ハンドル5は、本体3に対して回転可能に取り付けられた保持部材200に保持され、保持部材200とともに回転する。そのため、ハンドル5を回転させる複雑な回転機構は不要である。つまり、ハンドル5の回転機構を簡易化することができる。そのため、ハンドル5の動きを安定化させることができる。これにより、使用者は、ハンドル5の操作を安定的に行い、搾乳動作を楽に行うことができる。
【0068】
保持部材200の取付部400は、本体3に対して回転可能な状態で嵌められる。また、保持部材200の延長部323は、取付部400から延長して形成され、ハンドル5を往復運動可能に支持する。そのため、ハンドル5を往復運動可能に支持する延長部323は、本体3に回転可能な状態で嵌められた取付部400から延長して形成され、取付部400から離れている。つまり、本体3に対して回転する部分(取付部400)と、ハンドル5を往復運動可能に支持する部分(延長部323)と、が互いに離れた位置に配置される。そのため、ハンドル5の回転機構の安定性が確保される。これにより、ハンドル5の動き(回転動作および往復運動)を安定化させることができる。
【0069】
また、保持部材200の取付部400は、上方ダイヤフラム34が装着されたダイヤフラム装着部32Rと、受け部501と、の間に挟設されている。このとき、受け部501は、ダイヤフラム装着部32Rから下方に向かって離れた位置に設けられている。つまり、保持部材200の取付部400は、上下方向に互いに離れたダイヤフラム装着部32Rと受け部501との間に挟設されている。このため、保持部材200の取付部400は、ハンドル5が本体3に対して回転する際に、ダイヤフラム装着部32Rと受け部501との間で安定して回転できる。つまり、ハンドル5の回転動作を安定化させることができる。また、保持部材200の取付部400がダイヤフラム装着部32Rと受け部501との間に挟設されているため、ハンドル5が往復運動する際の保持部材200の動きを抑えることができる。これにより、ハンドル5の往復運動を安定化させることができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
【符号の説明】
【0071】
2・・・手動搾乳器、 3・・・本体、 4・・・フード、 5・・・ハンドル、 6・・・ボトル、 32R・・・ダイヤフラム装着部、 32T・・・外周部、 34・・・ダイヤフラム、 35・・・結合部、 36・・・逆流防止弁、 36S・・・スリット、 41・・・縮径部、 51・・・軸受部、 52・・・レバー部、 53・・・リフト部、 54・・・被連結部、 55・・・下端部、 61・・・雄ネジ部、 200・・・保持部材、 311・・・装着部、 312・・・第1通路、 313・・・開口部、 314・・・着脱部、 315・・・雌ネジ部、 316・・・開口部、 317・・・窪み部、 321・・・第2通路、 322・・・溝部、 323・・・延長部、 324・・・支軸部、 324a、324b・・・端部、 343・・・底面部、 344・・・下端部、 351・・・基部、 352・・・連結部、 353・・・第1突出部、 354・・・第2突出部、 355・・・第1係合部、 356・・・第2係合部、 400・・・取付部、 411・・・第1端部、 412・・・第2端部、 413・・・切欠き部分、 420・・・内周部、 421・・・上面、 422・・・下面、 430・・・ガイド突起部、 431・・・下面、 440・・・突起部、 501・・・受け部、 502・・・ガイド部、 502S・・・上面、 541・・・保持開口部、 542・・・挿入開口部、 550・・・回転角度規制部、 C・・・軸、 E・・・間隔、 FG・・・指、 MM・・・中間位置、 S1・・・空間、 S2・・・収容空間、 S3・・・内部空間、 S4・・・連通部、 S5・・・陰圧空間S5、 S6・・・空間、 TB・・・親指、 θ・・・回転許容角度

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12