(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】ユーザ行動とセキュリティーとを支援するシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20220902BHJP
G06Q 10/06 20120101ALI20220902BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220902BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20220902BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q10/06
G06Q50/10
G07B15/00 501
E05B49/00 L
(21)【出願番号】P 2019109128
(22)【出願日】2019-06-11
【審査請求日】2021-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】薛 祺
(72)【発明者】
【氏名】簗瀬 誠司
(72)【発明者】
【氏名】魚谷 翔吾
(72)【発明者】
【氏名】吉村 卓馬
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-141146(JP,A)
【文献】特開2008-171350(JP,A)
【文献】特開2007-197960(JP,A)
【文献】特開2003-104632(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0047071(KR,A)
【文献】特開2018-163634(JP,A)
【文献】特開2018-163638(JP,A)
【文献】特開2004-197535(JP,A)
【文献】特開2005-212940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07B 15/00
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの目的とする行動である目的行動と当該目的行動の実施が予定される時刻である予定実施時刻とを示す情報である予定行動情報の入力を受け付ける目的行動入力部と、
前記入力された予定行動情報が示す目的行動の達成へ至る複数の中間行動に共通のキーのデータである電子キーを前記予定行動情報の少なくとも一部を基に生成するキー生成部と、
前記生成された電子キーを前記ユーザ向けに発行するキー発行部と、
前記入力された予定行動情報が示す予定実施時刻に従う予定期間が関連付けられ前記発行された電子キーを管理するキー管理部と、
前記複数の中間行動のうちのいずれかの中間行動に関して共通キーが入力される都度に、有効な発行済みの電子キーが示す共通キーに当該入力された共通キーが適合し当該共通キーの入力された時刻が当該有効な発行済みの電子キーに関連付けられている予定期間に属する時刻か否か
の判定であるキー判定を行うキー判定部と、
前記キー判定の結果として肯定の結果が得られる都度に、当該肯定の結果に対応した中間行動を含む一つ以上の中間行動を許可する行動制御部と
、
前記ユーザの目的行動の終了を示す情報である終了情報の入力を受け付ける終了入力部と
を備え、
前記行動制御部は、前記終了情報が入力された場合、前記複数の中間行動を、前記目的行動の達成に至るまでの前記複数の中間行動の順序と逆の順序で支援し、
各中間行動の支援は、当該中間行動のための機器の手配と、当該中間行動の次の中間行動への案内を示す案内情報の表示とのうちの少なくとも一つを含む、
支援システム。
【請求項2】
ユーザの目的とする行動である目的行動と当該目的行動の実施が予定される時刻である予定実施時刻とを示す情報である予定行動情報の入力を受け付ける目的行動入力部と、
前記入力された予定行動情報が示す目的行動の達成へ至る複数の中間行動に共通のキーのデータである電子キーを前記予定行動情報の少なくとも一部を基に生成するキー生成部と、
前記生成された電子キーを前記ユーザ向けに発行するキー発行部と、
前記入力された予定行動情報が示す予定実施時刻に従う予定期間が関連付けられ前記発行された電子キーを管理するキー管理部と、
前記複数の中間行動のうちのいずれかの中間行動に関して共通キーが入力される都度に、有効な発行済みの電子キーが示す共通キーに当該入力された共通キーが適合し当該共通キーの入力された時刻が当該有効な発行済みの電子キーに関連付けられている予定期間に属する時刻か否かの判定であるキー判定を行うキー判定部と、
前記キー判定の結果として肯定の結果が得られる都度に、当該肯定の結果に対応した中間行動を含む一つ以上の中間行動を許可する行動制御部と、
前記ユーザの訪問の終了を示す情報である終了情報の入力を受け付ける終了入力部と
を備え、
前記目的行動は、一つまたは複数のゲートと一つまたは複数のエレベーターと複数の階床と複数の部屋とを有する建物のうちのいずれかの部屋を訪問することであり、
前記予定行動情報は、訪問先の部屋と当該部屋のある階床とのうちのいずれかを示す情報と、当該部屋を訪問する予定時刻を前記予定実施時刻として示す情報とを含み、
前記複数の中間行動は、ゲートを通過することとエレベーターを使用することとを含み、
前記行動制御部は、
前記キー判定の結果として得られた肯定の結果にゲートの通過が対応する場合、当該ゲートを解錠し、
前記キー判定の結果として得られた肯定の結果にゲートの通過が対応する場合、または、前記キー判定の結果として得られた肯定の結果にエレベーターの使用が対応する場合、当該エレベーターの乗りかごを、前記ユーザのいる階床に手配し、且つ、当該乗りかごの停止階を、前記予定行動情報から特定される階床とし、
前記行動制御部は、前記終了情報が入力された場合、前記複数の中間行動を、前記目的行動の達成に至るまでの前記複数の中間行動の順序と逆の順序で支援し、
前記逆の順序での支援は、エレベーターの乗りかごを前記訪問先の部屋がある階床に手配することと、次の中間行動への案内を示す案内情報を表示することとのうちの少なくとも一つを含む、
支援システム。
【請求項3】
前記行動制御部は、更に、前記許可された中間行動の次の行動である中間行動または目的行動への案内を示す案内情報を表示する、
請求項1
または2に記載の支援システム。
【請求項4】
前記共通キーは、二次元バーコードであり、
前記共通キーの入力は、前記ユーザの情報処理端末の表示デバイスに表示された二次元バーコードを、任意の場所に設置されている所定のカメラを通じて読み取られることである、
請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の支援システム。
【請求項5】
前記目的行動は、一つまたは複数のゲートと一つまたは複数のエレベーターと複数の階床と複数の部屋とを有する建物のうちのいずれかの部屋を訪問することであり、
前記予定行動情報は、訪問先の部屋と当該部屋のある階床とのうちのいずれかを示す情報と、当該部屋を訪問する予定時刻を前記予定実施時刻として示す情報とを含み、
前記複数の中間行動は、ゲートを通過することとエレベーターを使用することとを含み、
前記行動制御部は、
前記キー判定の結果として得られた肯定の結果にゲートの通過が対応する場合、当該ゲートを解錠し、
前記キー判定の結果として得られた肯定の結果にゲートの通過が対応する場合、または、前記キー判定の結果として得られた肯定の結果にエレベーターの使用が対応する場合、当該エレベーターの乗りかごを、前記ユーザのいる階床に手配し、且つ、当該乗りかごの停止階を、前記予定行動情報から特定される階床とする、
請求項1に記載の支援システム。
【請求項6】
前記複数の中間行動は、複数の駐車スペースを有する駐車場に車両を駐車することを含み、
前記行動制御部は、前記キー判定の結果として得られた肯定の結果に前記駐車場への駐車が対応する場合、前記駐車場のうち前記ユーザの予約された駐車スペースへの案内を示す案内情報を表示する、
請求項
2または5に記載の支援システム。
【請求項7】
前記訪問先の部屋の者から前記予定行動情報の承認を受け付ける訪問承認受付部、
を更に備え、
前記キー生成部は、前記予定行動情報の承認が受け付けられた場合に、前記電子キーを生成する、
請求項
2または5に記載の支援システム。
【請求項8】
前記共通キーは、更に、前記訪問先の部屋に入る前記目的行動にも共通である、
請求項
2または5に記載の支援システム。
【請求項9】
前記目的行動入力部、前記キー生成部および前記キー発行部が、建物毎に設けられているエッジ計算機システムと通信するコア計算機システムに存在し、
前記キー管理部、前記キー判定部および前記行動制御部が、各エッジ計算機システムに存在する、
請求項
2または5に記載の支援システム。
【請求項10】
前記共通キーは、二次元バーコードであり、
前記共通キーの入力は、前記ユーザの情報処理端末の表示デバイスに表示された二次元バーコードを、前記訪問先の部屋がある建物およびその敷地の任意の場所に設置されている所定のカメラを通じて読み取られることである、
請求項
2、5乃至
9のうちのいずれか1項に記載の支援システム。
【請求項11】
コンピュータが、ユーザの目的とする行動である目的行動と当該目的行動の実施が予定される時刻である予定実施時刻とを示す情報である予定行動情報の入力を受け付け、
コンピュータが、前記入力された予定行動情報が示す目的行動の達成へ至る複数の中間行動に共通のキーのデータである電子キーを前記予定行動情報の少なくとも一部を基に生成し、
コンピュータが、前記生成された電子キーを前記ユーザ向けに発行し、
コンピュータが、前記入力された予定行動情報が示す予定実施時刻に従う予定期間が関連付けられ前記発行された電子キーを管理し、
コンピュータが、前記複数の中間行動のうちのいずれかの中間行動に関して共通キーが入力される都度に、有効な発行済みの電子キーが示す共通キーに当該入力された共通キーが適合し当該共通キーの入力された時刻が当該有効な発行済みの電子キーに関連付けられている予定期間に属する時刻か否かの判定であるキー判定を行い、
コンピュータが、前記キー判定の結果として肯定の結果が得られる都度に、当該肯定の結果に対応した中間行動を含む一つ以上の中間行動を許可
し、
コンピュータが、前記ユーザの目的行動の終了を示す情報である終了情報の入力を受け付け、
コンピュータが、前記終了情報が入力された場合、前記複数の中間行動を、前記目的行動の達成に至るまでの前記複数の中間行動の順序と逆の順序で支援し、
各中間行動の支援は、当該中間行動のための機器の手配と、当該中間行動の次の中間行動への案内を示す案内情報の表示とのうちの少なくとも一つを含む、
支援方法。
【請求項12】
コンピュータが、ユーザの目的とする行動である目的行動と当該目的行動の実施が予定される時刻である予定実施時刻とを示す情報である予定行動情報の入力を受け付け、
コンピュータが、前記入力された予定行動情報が示す目的行動の達成へ至る複数の中間行動に共通のキーのデータである電子キーを前記予定行動情報の少なくとも一部を基に生成し、
コンピュータが、前記生成された電子キーを前記ユーザ向けに発行し、
コンピュータが、前記入力された予定行動情報が示す予定実施時刻に従う予定期間が関連付けられ前記発行された電子キーを管理し、
コンピュータが、前記複数の中間行動のうちのいずれかの中間行動に関して共通キーが入力される都度に、有効な発行済みの電子キーが示す共通キーに当該入力された共通キーが適合し当該共通キーの入力された時刻が当該有効な発行済みの電子キーに関連付けられている予定期間に属する時刻か否かの判定であるキー判定を行い、
コンピュータが、前記キー判定の結果として肯定の結果が得られる都度に、当該肯定の結果に対応した中間行動を含む一つ以上の中間行動を許可し、
コンピュータが、前記ユーザの訪問の終了を示す情報である終了情報の入力を受け付け、
前記目的行動は、一つまたは複数のゲートと一つまたは複数のエレベーターと複数の階床と複数の部屋とを有する建物のうちのいずれかの部屋を訪問することであり、
前記予定行動情報は、訪問先の部屋と当該部屋のある階床とのうちのいずれかを示す情報と、当該部屋を訪問する予定時刻を前記予定実施時刻として示す情報とを含み、
前記複数の中間行動は、ゲートを通過することとエレベーターを使用することとを含み、
コンピュータが、前記キー判定の結果として得られた肯定の結果にゲートの通過が対応する場合、当該ゲートを解錠し、
コンピュータが、前記キー判定の結果として得られた肯定の結果にゲートの通過が対応する場合、または、前記キー判定の結果として得られた肯定の結果にエレベーターの使用が対応する場合、当該エレベーターの乗りかごを、前記ユーザのいる階床に手配し、且つ、当該乗りかごの停止階を、前記予定行動情報から特定される階床とし、
コンピュータが、前記終了情報が入力された場合、前記複数の中間行動を、前記目的行動の達成に至るまでの前記複数の中間行動の順序と逆の順序で支援し、
前記逆の順序での支援は、エレベーターの乗りかごを前記訪問先の部屋がある階床に手配することと、次の中間行動への案内を示す案内情報を表示することとのうちの少なくとも一つを含む、
支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、ユーザ行動とセキュリティーとを支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
建物玄関に設置されている自動ドアの解錠を磁気式カードキーにより行う技術や、エレベーターの乗りかごを玄関階に呼び寄せることを磁気式カードキーにより行う技術が知られている。
【0003】
また、特許文献1は、「ユーザの情報処理端末90の画面135上に表示されている地図の縮尺の大小を問わず、各集合体A,B,Cごとに、各駐車場を表す1つの代表マーカーPを各集合体の表示位置に表示する。いずれかの代表マーカーPがユーザによって選択されると、ユーザに追加の操作を要求することなく、時間の経過につれて徐々に増加する縮尺で拡大表示し、ある時点で縮尺が基準値に達すると、前記選択された代表マーカーPを、それに対応する集合体に属する複数の個別要素1-6を表す複数の個別マーカーQに変換する。」を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、建物玄関に設置されている自動ドアを磁気式カードキーにより解錠するにしても、エレベーターを玄関階に呼び寄せることを磁気式カードキーにより行うにしても、磁気式カードキーは、一般に、建物の住人または管理者のみが所有する。このため、訪問者が来訪する際、訪問者は、そのような磁気式カードキーを所有できないため、玄関のインターホンより居室にいる住人と連絡を取り、居室から住人により、自動ドアの解錠操作をしてもらったり、エレベーターの乗りかごを玄関階に呼び寄せるかご呼び操作(例えば、ボタン操作)をしてもらったりする必要がある。故に、居室にいる住人に急な用事が発生する等の理由により住人がすぐに解錠操作やかご呼び操作を行えない場合、訪問者は自動ドアの解錠や乗りかごの到着を待ち続ける必要がある。
【0006】
このような問題は、建物内の部屋への訪問のケース以外のケース、例えば、目的とされる行動の達成に複数の中間行動が必要になるケース全般について起こり得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
支援システムが、ユーザの目的とする行動である目的行動と当該目的行動の実施が予定される時刻である予定実施時刻とを示す情報である予定行動情報の入力を受け付ける。支援システムが、入力された予定行動情報が示す目的行動の達成へ至る複数の中間行動に共通のキーのデータである電子キーを予定行動情報の少なくとも一部を基に生成する。支援システムが、生成された電子キーをユーザ向けに発行する。支援システムが、入力された予定行動情報が示す予定実施時刻に従う予定期間が関連付けられ発行された電子キーを管理する。支援システムが、上述の複数の中間行動のうちのいずれかの中間行動に関して共通キーが入力される都度に、キー判定(有効な発行済みの電子キーが示す共通キーに当該入力された共通キーが適合し当該共通キーの入力された時刻が当該有効な発行済みの電子キーに関連付けられている予定期間に属する時刻か否かの判定)を行う。支援システムが、キー判定の結果として肯定の結果が得られる都度に、当該肯定の結果に対応した中間行動を含む一つ以上の中間行動を許可する。
【発明の効果】
【0008】
目的行動の達成へ至る複数の中間行動のいずれもが共通のキーにより許可されるので、利便性の向上とセキュリティーの維持とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施例に係るシステム全体の構成図。
【
図4】携帯端末の二次元バーコードの表示の一例を示す図。
【
図5】駐車スペースと玄関までのルートの表示の一例を示す図。
【
図6】玄関から訪問先の部屋へ訪問者が移動する際に行われる処理のフロー図。
【
図7】玄関からエレベーターまでのルートの表示の一例を示す図。
【
図9】玄関から駐車スペースまでのルートの表示の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明では、「インターフェース装置」は、一つ以上のインターフェースデバイスでよい。当該一つ以上のインターフェースデバイスは、下記のうちの少なくとも一つでよい。
・一つ以上のI/O(Input/Output)インターフェースデバイス。I/Oインターフェースデバイスは、I/Oデバイスと遠隔の表示用計算機とのうちの少なくとも一つに対するインターフェースデバイスである。表示用計算機に対するI/Oインターフェースデバイスは、通信インターフェースデバイスでよい。少なくとも一つのI/Oデバイスは、ユーザインターフェースデバイス、例えば、キーボードおよびポインティングデバイスのような入力デバイスと、表示デバイスのような出力デバイスとのうちのいずれでもよい。
・一つ以上の通信インターフェースデバイス。一つ以上の通信インターフェースデバイスは、一つ以上の同種の通信インターフェースデバイス(例えば一つ以上のNIC(Network Interface Card))であってもよいし二つ以上の異種の通信インターフェースデバイス(例えばNICとHBA(Host Bus Adapter))であってもよい。
【0011】
また、以下の説明では、「メモリ」は、一つ以上のメモリデバイスであり、典型的には主記憶デバイスでよい。メモリにおける少なくとも一つのメモリデバイスは、揮発性メモリデバイスであってもよいし不揮発性メモリデバイスであってもよい。
【0012】
また、以下の説明では、「永続記憶装置」は、一つ以上の永続記憶デバイスである。永続記憶デバイスは、典型的には、不揮発性の記憶デバイス(たとえば補助記憶デバイス)であり、具体的には、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)である。
【0013】
また、以下の説明では、「記憶装置」は、メモリと永続記憶装置の少なくともメモリでよい。
【0014】
また、以下の説明では、「プロセッサ」は、一つ以上のプロセッサデバイスである。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサデバイスであるが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサデバイスでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、プロセッサコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、処理の一部または全部を行うハードウェア回路(たとえばFPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサデバイスでもよい。
【0015】
また、以下の説明では、「kkk部」の表現にて機能を説明することがあるが、機能は、一つ以上のコンピュータプログラムがプロセッサによって実行されることで実現されてもよいし、一つ以上のハードウェアデバイス(たとえばFPGAまたはASIC)によって実現されてもよいし、それらの組合せによって実現されてもよい。各機能の説明は一例であり、複数の機能が一つの機能にまとめられたり、一つの機能が複数の機能に分割されたりしてもよい。
【0016】
以下、本発明の一実施例を説明する。本実施例では、駐車場と建物のセキュリティーの連動が実現される。
【0017】
具体的には、例えば、訪問者が予め来客管理システムに訪問情報(例えば、予定訪問時刻、訪問先建物の住所(例えば、訪問先の階床または部屋の番号までを含む))を入力し、訪問先の対応者が訪問情報を確認して承認する。その後、来客管理システムは、訪問者の駐車予約情報と訪問情報とを含んだ二次元バーコードデータ(二次元バーコード(例えば、QRコード(登録商標))を示すデータ)を生成し、訪問者の携帯端末に二次元バーコードデータを配信する一方、訪問先建物にあるIOT端末にも当該二次元バーコードデータを送信する。
【0018】
訪問者は、駐車場に来た際、携帯端末に格納された二次元バーコードデータが示し携帯端末の画面に表示された二次元バーコードを、駐車場カメラに見せる。IOT端末は、駐車場カメラを通じて得られた二次元バーコード(つまり、訪問者の携帯端末の画面に表示された二次元バーコード)と、来客管理システムより受信された二次元バーコードデータが示す二次元バーコードとを比較する。それらの二次元バーコードが同じ画像として判定され、また、二次元バーコードデータに登録されている(二次元バーコードに埋め込まれている)予定訪問時刻に従う訪問期間に現在時刻が属する場合、IOT端末は、二次元バーコードデータに登録された駐車予約情報が示す駐車スペースと、当該駐車スペースに車両を駐車した後の移動ルートとを訪問者の携帯端末に表示する。これにより、訪問者は、表示に従い、スムーズに、車両を駐車し正しい移動先へ移動することができる。
【0019】
その後、訪問者が、二次元バーコードを玄関カメラに見せると、IOT端末は、玄関カメラを通じて得られた二次元バーコードと、来客管理システムより受信された二次元バーコードデータが示す二次元バーコードとを比較する。それらの二次元バーコードが同じ画像として判定され、また、二次元バーコードデータに登録されている予定訪問時刻に従う訪問期間に現在時刻が属する場合、IOT端末は、建物の自動ドアを解錠するととも、エレベーターの乗りかごを玄関階に呼び寄せることと、訪問先階の呼び登録とを行う。
【0020】
また、IOT端末(または、来客管理システム)が、訪問者の携帯端末に、玄関からエレベーターまでの移動ルートを表示する。これにより、訪問者は、表示に従い、スムーズに、エレベーターの乗りかごに乗車して訪問先階まで移動することができる。
【0021】
以下、本実施例を詳細に説明する。なお、本実施例における建物は、例えば、一つまたは複数のゲート(例えば自動ドア)と一つまたは複数のエレベーターと複数の階と複数の部屋とを有するとする。建物は、例えば、マンションや商業ビルでよい。
【0022】
【0023】
来客管理システム1と、IOT端末3と、携帯端末6とがある。来客管理システム1と、IOT端末3と、携帯端末6との各々は、例えば、ネットワーク2を介して通信する。ネットワーク2は、インターネット回線または電話回線またはその他の通信回線でもよい。
【0024】
来客管理システム1は、コア計算機システムの一例である。来客管理システム1は、一つ以上の計算機で構成されたサーバ(例えばWebサーバ)でもよいし、クラウド基盤のような複数の計算リソースプール上に実現されたシステムでもよい。例えば、来客管理システム1は、インターフェース装置、記憶装置およびそれらに接続されたプロセッサを有する。ネットワーク2を介した通信は、インターフェース装置を通じて行われる。記憶装置内のプログラムがプロセッサにより実行されることで、例えば、訪問者UI部11(「UI」は、User Interfaceの略)と、訪問先UI部12と、駐車予約部13と、コード生成部14と、訪問者送信部15と、端末情報送信部16とが実現される。
【0025】
訪問者UI部11は、建物に訪問者が来訪する前に訪問情報(例えば、訪問者名、訪問時刻、および、訪問先(建物、階床、部屋番号)を示す情報)を例えばGUI(Graphical User Interface)または電子メール経由で携帯端末6から受け付ける。受け付けられた訪問情報は、例えば記憶装置に格納される。
【0026】
訪問先UI部12は、当該受け付けられた訪問情報を例えばGUIまたは電子メール経由で訪問先の情報処理端末976(例えば、訪問情報から特定された訪問先に対応したアドレス)に対して表示する。訪問先UI部12は、当該訪問情報を承認するか否かの回答を例えばGUIまたは電子メール経由で訪問先の情報処理端末976から受け付ける。
【0027】
駐車予約部13は、訪問情報が承認された場合、訪問先建物の駐車場のうちの駐車スペースを予約する。例えば、訪問先建物に対応した駐車場に関する情報である駐車場情報(例えば、駐車スペース毎のID、位置、サイズ、使用時刻(予定時刻を含む)およびステータス(例えば、予約有無と使用有無)を示す情報)と、訪問情報に含まれる車両情報(例えば、車両のサイズの特定に必要な情報(例えば、車両名)を含んだ情報)とに基づいて、駐車予約部13が、訪問時刻に空いており車両の駐車がサイズ的に可能である駐車スペースを予約し、駐車場情報を更新する。駐車場情報は、建物別に来客管理システムの記憶装置に格納されていてもよいし、各建物のIOT端末3から収集されてもよい。予約された駐車スペースを示す情報を、「駐車予約情報」と言う。なお、訪問情報が、駐車を必要としない来訪(例えば、徒歩での来訪)を意味する情報を含んでいる場合、駐車スペースの予約はスキップされる。
【0028】
コード生成部14は、訪問情報および駐車予約情報を二次元バーコードとしたデータを生成する。すなわち、生成された二次元バーコードデータに訪問情報および駐車予約情報含まれる。従って、本実施例では、二次元バーコードデータから訪問情報および駐車予約情報が取得可能である。なお、二次元バーコードデータは、訪問情報および駐車予約情報の少なくとも一部を含まなくてもよく、訪問情報および駐車予約情報の少なくとも一部は、二次元バーコードデータに関連付けられてもよい。
【0029】
訪問者送信部15は、二次元バーコードデータを訪問者の携帯端末6に、例えばGUIまたは電子メール経由で送信する。例えば、二次元バーコードデータの場所を示すアドレス(例えばURL)が記録されたWebページまたは電子メールが訪問者送信部15により携帯端末6に提供され、携帯端末6の情報受信部61が、当該アドレスから二次元バーコードデータを取得してもよい。
【0030】
端末情報送信部16は、二次元バーコードデータ(訪問情報および駐車予約情報を含む)を、訪問先建物のIOT端末3に送信する。
【0031】
また、例えば、訪問先建物の中または周辺では、駐車場に設置されている駐車有無判別用の駐車センサー4と、駐車場に設置されているカメラである駐車場カメラ51と、建物玄関に設置されているカメラである玄関カメラ52と、建物に設置されているゲートの一例である自動ドア7と、建物に設置されているエレベーター8とある。
【0032】
また、訪問先の建物の中(または外)には、IOT端末3が設けられている。IOT端末3は、エッジ計算機システムの一例である。例えば、IOT端末3は、インターフェース装置、記憶装置およびそれらに接続されたプロセッサを有する。ネットワーク2を介した通信は、インターフェース装置を通じて行われる。記憶装置に、管理情報31が格納される。管理情報31は、例えば、訪問情報の少なくとも一部(例えば、訪問時刻を示す情報である訪問時刻313、訪問先建物を示す情報である訪問先建物315、および、訪問先階床を示す情報である訪問先階床316)と、二次元バーコード画像312と、駐車予約情報314とを含む。記憶装置内のプログラムがプロセッサにより実行されることで、例えば、センター受信部311、駐車信号部321、画像部322、コード判定部331および訪問制御部332が実現される。
【0033】
センター受信部311は、来客管理システム1より二次元バーコードデータ、訪問情報および駐車予約情報を受信し、それらを管理情報31に格納する。すなわち、管理情報31が、二次元バーコードデータから取得された二次元バーコード画像312と、二次元バーコードデータから抽出した訪問時刻313と、二次元バーコードデータから抽出した駐車予約情報314と、二次元バーコードデータから抽出した訪問先建物315と、二次元バーコードデータから抽出した訪問先階床316とを含む。
【0034】
駐車信号部321は、駐車センサー4からの信号を来客管理システム1に送信する。これにより、来客管理システム1の駐車予約部13が、建物の駐車スペースのステータス(空きまたは使用中)を管理できる。なお、駐車者情報と駐車場情報を管理する機能は、IOT端末3にあってもよい。
【0035】
画像部322は、駐車場カメラ51と玄関カメラ52により撮像された二次元バーコード画像を取り込む。
【0036】
コード判定部331は、画像部322により取り込まれた二次元バーコード画像が管理情報31内の二次元バーコード画像312に適合するかの画像判定と、訪問時刻313が示す時刻に従う期間に現在時刻が属するかの時刻判定とを行う。
【0037】
訪問制御部332は、駐車予約情報314を訪問者の携帯端末6に送信する。また、訪問制御部332は、画像判定および時刻判定の結果が肯定の場合、訪問先建物315に従い自動ドア7を解錠する。訪問制御部332は、画像判定および時刻判定の結果が肯定の場合、訪問先階床316に従いエレベーター8の乗りかごを玄関階に呼び寄せ、また、乗りかご内の行き先階を自動的に登録する。訪問制御部332は、訪問者の携帯端末6からの終了情報を受信する。
【0038】
訪問者は携帯端末6を所持する。携帯端末6は、情報処理端末であり、例えば、タブレットPC(タブレット型のパーソナルコンピュータ)またはスマートフォンである。具体的には、例えば、携帯端末6は、インターフェース装置、記憶装置、入出力デバイス(例えば、入力デバイスと表示デバイス)、および、それらに接続されたプロセッサを有する。ネットワーク2を介した通信は、インターフェース装置を通じて行われる。記憶装置内のプログラムがプロセッサにより実行されることで、例えば、情報受信部61、表示部62および情報送信部63が実現される。情報受信部61は、来客管理システム1とIOT端末3から情報を受信する。表示部62は、受信した情報に従う情報を携帯端末6の画面(表示デバイス)に表示する。情報送信部63は、IOT端末3に対して訪問終了の情報である終了情報を送信する。
【0039】
本実施例に係る支援システムは、来客管理システム1に実現される少なくとも一つの機能と、IOT端末3に実現される少なくとも一つの機能とを有する。支援システムは、更に、携帯端末6において実現される少なくとも一つの機能を有してもよい。また、本実施例において携帯端末6の画面に表示される情報は、携帯端末6の画面に代えてまたは加えて、建物に設置された表示デバイス(例えば、駐車場や玄関等に設置された表示デバイス)に表示されてもよい。
【0040】
次に、
図2に従い、訪問者の訪問前に行われる処理のフローを説明する。
【0041】
まず、S001では、訪問者が来訪する前に、訪問情報(例えば、訪問者名、訪問時刻、および訪問先(建物、階床、部屋番号)を示す情報)を、訪問者UI部11が、携帯端末6(または、他の情報処理端末)から受け付け、当該訪問情報を来客管理システム1に登録する。
【0042】
そして、S002では、訪問先の対応者の情報処理端末976に、訪問先UI部12が、登録された訪問情報を送信する。
【0043】
S003では、訪問先の対応者が訪問者の訪問を承認すること(つまり訪問情報の承認)を訪問先UI部12が受け付けた場合、訪問先UI部12が、訪問情報の承認を来客管理システム1に登録する。
【0044】
S004では、駐車予約部13が、承認された訪問情報が示す訪問時刻と、承認された訪問情報が示す建物に対応した駐車場情報とに基づき、当該建物の駐車場に、当該訪問時刻に従う訪問期間に空き駐車スペースがあるか否かを判定する。空き駐車スペースが有る場合、処理がS005に進む。もし空き駐車スペースが無い場合、処理がS006に進む。
【0045】
S005では、駐車予約部13は、空き駐車スペースを予約する(例えば、駐車場情報において、空き駐車スペースのステータスを“予約”に変更する)。
【0046】
S006では、駐車予約部13は、近隣の公用駐車場を駐車スペースに決定する(または、他の所定の処理を行う)。
【0047】
S007では、コード生成部14は、訪問情報と駐車予約情報とに基づき二次元バーコードデータを生成する。
【0048】
S008では、訪問者送信部15は、S007にて生成された二次元バーコードデータを訪問者の携帯端末6の情報受信部61に送信する。なお、二次元バーコードデータの送信先は、例えば、S001で訪問情報の受け付けの際に特定されてよい。
【0049】
S009では、端末情報送信部16は、S007にて生成された二次元バーコードデータをIOT端末3のセンター受信部311に送信する。
【0050】
S010では、IOT端末3のセンター受信部311は、端末情報送信部16からの二次元バーコードデータを解析し、当該二次元バーコードデータから二次元バーコード画像312、訪問時刻313、駐車予約情報314と、訪問先建物315と、訪問先階床316とを取得し、取得したそれらの情報を含んだ管理情報31を、IOT端末3の記憶装置に格納する。
【0051】
次に、
図3に従い、訪問者の駐車時に行われる処理のフローを説明する。
【0052】
本フローは、訪問者が訪問時刻の通りに(訪問時刻に従う訪問期間内に)建物の駐車場に来ている状態からスタートするとする。なお、本実施例において、「訪問時刻に従う訪問期間」とは、訪問時刻を基準に訪問者UI部11またはセンター受信部311により決定された一定時間でもよいし、訪問時刻それ自体でもよい。
【0053】
S101では、訪問者が、駐車場カメラ51に、携帯端末6の情報受信部61により受信された二次元バーコードデータが示す二次元バーコード画像を見せる。二次元バーコード画像は、携帯端末6の表示部62により表示される(表示例は
図4に示す)。
【0054】
S102では、携帯端末6の表示部62により表示された二次元バーコード画像が画像部322によりIOT端末3に取り込まれる。
【0055】
S103では、コード判定部331は、取り込まれた二次元バーコード画像が二次元バーコード画像312と一致するか否かの画像判定を行う。画像判定の結果が肯定の場合、処理がS104に進む。画像判定の結果が否定の場合、処理が終了する。
【0056】
S104では、コード判定部331は、訪問時刻313に従う訪問期間に現在時刻が属するか否かの判定である時刻判定を行う。時刻判定の結果が肯定の場合、処理がS105に進む。時刻判定の結果が否定の場合、処理が終了する。
【0057】
S105では、訪問制御部332は、駐車予約情報314と、駐車スペースから建物玄関までのルートを示す情報とを、訪問者の携帯端末6の情報受信部61に送信する。
【0058】
S106では、訪問者の携帯端末6の表示部62が、訪問制御部332から受信した情報を基に、駐車スペースと、当該駐車スペースから建物玄関までのルートとを表示する(表示例は
図5に示す)。
【0059】
S107では、訪問者の車両が当該駐車スペースに駐車された際、駐車センサー4は当該駐車の検出を意味する信号を出力し、駐車信号部321が、当該信号をIOT端末3に取り込む。なお、当該信号は、来客管理システム1の駐車予約部13に送信され、駐車予約部13により駐車場情報が更新されてもよい。また、駐車場情報は、IOT端末3にも保存されていて、駐車センサー4からの信号を基に、IOT端末3内の駐車場情報が更新されてもよい。
【0060】
以上のフローにより、訪問者は、携帯端末6の表示に従い、予約された駐車スペースに車両を駐車して建物玄関まで移動することをスムーズに行うことができる。また、駐車スペースの位置の表示は、画像判定および時刻判定のいずれも肯定の結果が得られないとされないので、セキュリティーを維持することができる。
【0061】
次に、
図6に従い、訪問者が建物玄関から訪問先の部屋に移動する際に行われる処理のフローを説明する。
【0062】
本フローは、訪問者が訪問時刻の通りに建物の玄関に来ている状態からスタートするとする。
【0063】
S201では、訪問者が、玄関カメラ52に、携帯端末6の情報受信部61により受信された二次元バーコードデータが示す二次元バーコード画像を見せる。二次元バーコード画像は、上述したように、携帯端末6の表示部62により表示される(表示例は
図4に示した通りである)。
【0064】
S202では、携帯端末6の表示部62により表示された二次元バーコード画像が画像部322によりIOT端末3に取り込まれる。
【0065】
S203では、コード判定部331は、取り込まれた二次元バーコード画像の画像判定を行う。画像判定の結果が肯定の場合、処理がS204に進む。画像判定の結果が否定の場合、処理が終了する。
【0066】
S204では、コード判定部331は、時刻判定を行う。時刻判定の結果が肯定の場合、処理がS205に進む。時刻判定の結果が否定の場合、処理が終了する。
【0067】
S205では、訪問制御部332は、訪問先建物315に基づき、玄関ドアの解錠信号を生成し、当該解錠信号を送信することで建物の自動ドア7を解錠する。
【0068】
S206では、訪問制御部332は、訪問先階床316に基づき、エレベーターを玄関まで呼び寄せる信号を出力することでエレベーター8の乗りかごを玄関に呼び寄せ、その後に、訪問先階床を示す信号をエレベーター8に送信することで訪問先階床をエレベーター8に登録する。
【0069】
S207では、訪問制御部332は、玄関の自動ドア7が解錠されたことと、エレベーター8の乗りかごが呼び寄せされたことと、玄関からエレベーター8までのルートとを示す情報を、訪問者の携帯端末6の情報受信部61に送信する。
【0070】
S208では、訪問者の携帯端末6の表示部62が、訪問制御部332から受信した情報を基に、玄関の自動ドア7を解錠されたことと、エレベーター8の乗りかごが呼び寄せされたことと、玄関からエレベーター8までの移動ルートとを表示する(表示例は
図7に示す)。
【0071】
以上のフローにより、訪問者は、携帯端末6の表示に従い、建物玄関からエレベーター8に移動して既に呼び寄せされた乗りかごに乗車して自動登録された訪問先階床に到達することをスムーズに行うことができる。
【0072】
次に、
図8に従い、訪問者の訪問終了時において行われる処理のフローを説明する。
【0073】
本フローは、訪問者が、訪問終了したため訪問先部屋から出る際の状態からスタートするとする。
【0074】
S301では、訪問者の操作に応答して、携帯端末6の情報送信部63が、IOT端末3に対して、訪問終了の信号を送信する。
【0075】
S302では、IOT端末3の訪問制御部332は、訪問終了の信号を受信した場合、本訪問者が駐車場カメラ51と玄関カメラ52に二次元バーコード画像を見せ画像判定にパスした訪問者か否か(つまり、入館済みか否か)を判定する。入館済みの場合、処理がS303に進む。未入館の場合は処理が終了する。
【0076】
S303では、コード判定部331は、現在時刻が有効時刻に該当するか否かを判定する。「有効時刻」とは、例えば、訪問情報に訪問終了時刻が含まれていれば、有効時刻は、当該訪問終了時刻、または、当該訪問終了時刻を基準とした一定時間に属する時刻でよい。S303の判定の結果が肯定の場合、処理がS304に進む。当該判定の結果が否定の場合、処理が終了する。
【0077】
S304では、訪問制御部332は、訪問先階床316に基づき、エレベーター8の乗りかごを訪問先階床まで呼び寄せる信号を送信することで乗りかごを訪問先階床に呼び寄せ、乗りかごを訪問先階床に呼び寄せした後に行き先階床(停止階)を玄関階に登録する信号をエレベーター8に送信する。
【0078】
S305では、訪問制御部332は、エレベーター8の乗りかごが訪問先階床に自動呼び寄せされたことと、玄関から駐車スペースの位置までの移動ルートとを示す情報を、訪問者の携帯端末6の情報受信部61に送信する。
【0079】
S306では、訪問者の携帯端末6の表示部62が、訪問制御部332から受信した情報に基づき、エレベーター8の乗りかごが自動呼び寄せされたことと、玄関から駐車スペースの位置までの移動ルートとを表示する(表示例は
図9に示す)。
【0080】
以上のフローにより、訪問者は、携帯端末6の表示に従い、訪問先階床に呼び寄せされた乗りかごに乗車し、その後に自動登録された玄関階まで移動し、さらに玄関から駐車スペースの位置までスムーズに到達することができる。
【0081】
なお、本実施例では、建物の駐車場が機械式駐車場の場合、訪問制御部332は、訪問時と訪問終了時とのうちの少なくとも一つについて、前もって、駐車スペースを、車両を入れるまたは出すことができる位置に手配していてもよい。
【0082】
以上の説明を、例えば下記のように総括することができる。その際、上述の説明に無い説明(例えば補足)が行われてもよい。
【0083】
まず、上述した説明を基に、建物内の部屋への訪問にも適用可能な支援システムを、例えば次のように表現することができる。すなわち、支援システムが、目的行動入力部と、キー生成部と、キー発行部と、キー管理部と、キー判定部と、行動制御部とを備えてよい。目的行動入力部は、ユーザの目的とする行動である目的行動と当該目的行動の実施が予定される時刻である予定実施時刻とを示す情報である予定行動情報の入力を受け付けてよい。キー生成部は、入力された予定行動情報が示す目的行動の達成へ至る複数の中間行動に共通のキーのデータである電子キーを予定行動情報の少なくとも一部を基に生成してよい。キー発行部は、生成された電子キーをユーザ向けに発行してよい。キー管理部は、入力された予定行動情報が示す予定実施時刻に従う予定期間が関連付けられ発行された電子キーを管理してよい。キー判定部は、上述の複数の中間行動のうちのいずれかの中間行動に関して共通キーが入力される都度に、キー判定(有効な発行済みの電子キーが示す共通キーに当該入力された共通キーが適合し当該共通キーの入力された時刻が当該有効な発行済みの電子キーに関連付けられている予定期間に属する時刻か否かの否かの判定)を行ってよい。行動制御部が、キー判定の結果として肯定の結果が得られる都度に、当該肯定の結果に対応した中間行動を含む一つ以上の中間行動を許可してよい。これにより、目的行動の達成へ至る複数の中間行動のいずれもが共通のキーにより許可されるので、利便性の向上とセキュリティーの維持とを両立することができる。なお、中間行動毎にキー判定が行われてもよいし、ある中間行動についてキー判定の結果が肯定であれば当該中間行動より後の中間行動についてはキー判定無しに許可がされてよい。
【0084】
行動制御部は、更に、前記許可された中間行動の次の行動である中間行動または目的行動への案内を示す案内情報を表示してよい。これにより、利便性の一層の向上が期待できる。
【0085】
支援システムは、ユーザの目的行動の終了を示す情報である終了情報の入力を受け付ける終了入力部を更に備えてよい。行動制御部は、終了情報が入力された場合、複数の中間行動を、目的行動の達成に至るまでの複数の中間行動の順序と逆の順序で支援してよい。各中間行動の支援は、当該中間行動のための機器の手配と、当該中間行動の次の中間行動への案内を示す案内情報の表示とのうちの少なくとも一つを含んでよい。これにより、ユーザは、目的行動の終了後の行動をスムーズに行うことができる。
【0086】
以上のような支援システムにおいて、目的行動入力部は、例えば訪問者UI部11でよい。キー生成部は、例えばコード生成部14でよい。キー発行部は、例えば訪問者送信部15および端末情報送信部16でよい。キー管理部は、例えばセンター受信部311でよい。キー判定部は、例えばコード判定部331でよい。行動制御部および終了入力部は、例えば訪問制御部332でよい。目的行動は、一つまたは複数のゲートと一つまたは複数のエレベーターと複数の階と複数の部屋とを有する建物のうちのいずれかの部屋を訪問することでよい。予定行動情報は、訪問先の部屋と当該部屋のある階床とのうちのいずれかを示す情報と、当該部屋を訪問する予定時刻を予定実施時刻として示す情報とを含んでよい。つまり、予定行動情報は、訪問情報でよい。複数の中間行動は、ゲートを通過することと、エレベーターを使用することとを含んでよい。行動制御部は、キー判定の結果として得られた肯定の結果にゲートの通過が対応する場合、当該ゲートを解錠してよい。また、行動制御部は、キー判定の結果として得られた肯定の結果にゲートの通過が対応する場合(または、キー判定の結果として得られた肯定の結果にエレベーターの使用が対応する場合)、当該エレベーターの乗りかごを、ユーザのいる階床に手配し、且つ、当該乗りかごの停止階を、予定行動情報から特定される階床としてよい。これにより、建物内の部屋への訪問に関し、利便性の向上とセキュリティーの維持とを両立することができる。
【0087】
複数の中間行動は、複数の駐車スペースを有する駐車場に車両を駐車することを含んでよい。行動制御部は、キー判定の結果として得られた肯定の結果に駐車場への駐車が対応する場合、駐車場のうちユーザの予約された駐車スペースへの案内を示す案内情報を表示してよい。これにより、ユーザは駐車スペースにスムーズに移動することができる。
【0088】
支援システムは、訪問先の部屋の者(例えば、当該部屋に住んでいる者、又は、当該部屋の管理者)から訪問情報の承認を受け付ける訪問承認受付部を更に備えてよい。訪問承認受付部は、例えば、訪問先UI部12でよい。キー生成部は、訪問情報の承認が受け付けられた場合に、電子キーを生成してよい。これにより、訪問先の者にとっては、訪問情報を承認すれば、電子キーが発行され、その後、電子キーを基にセキュリティーが維持された状態でユーザの来訪があるので、利便性が高い。また、電子キーの生成には訪問先の者による承認が必要なため、セキュリティーが維持される。
【0089】
共通キーは、更に、訪問先の部屋に入るという目的行動にも共通でよい。これにより、利便性の向上が期待される。
【0090】
行動制御部は、訪問終了を示す終了情報が入力された場合、複数の中間行動を、目的行動の達成に至るまでの複数の中間行動の順序と逆の順序で支援してよく、当該逆の順序での支援は、エレベーターの乗りかごを訪問先の部屋がある階床に手配することと、次の中間行動への案内を示す案内情報を表示することとのうちの少なくとも一つを含んでよい。これにより、訪問先の部屋から退室した後のスムーズな行動が期待できる。
【0091】
目的行動入力部、キー生成部およびキー発行部が、建物毎に設けられているエッジ計算機システムと通信するコア計算機システムに存在してよい。コア計算機システムの一例が、来客管理システム1でよい。キー管理部、キー判定部および行動制御部が、各エッジ計算機システムに存在してよい。エッジ計算機システムの一例が、IOT端末3でよい。このように、電子キーの発行はコア計算機システムにより行われ、個々の建物に関しキー判定は当該建物のエッジ計算機システムで行われるので、処理分担が適切であることが期待される。
【0092】
共通キーは、二次元バーコードでよい。共通キーの入力は、ユーザの情報処理端末の表示デバイスに表示された二次元バーコードを、任意の場所(例えば、建物の駐車場や玄関)に設置されている所定のカメラを通じて読み取られることでよい。これにより、磁気式カードキーのようなハードウェアを別途発行すること無しに、利便性の向上とセキュリティーの維持とを両立することができる。
【0093】
電子キー(例えば、二次元バーコードデータ)は、居住者(訪問先の者の一例)から訪問者(ユーザの一例)に訪問許可を与えるキーに加えて、駐車スペースへの案内、エレベーターの乗りかごの呼び寄せ、建物玄関(共通玄関)の解錠にも用いられる。電子キーが、エレベーターの乗りかごの呼び寄せに必要な制御コマンドや、建物の自動ドアの解錠のための制御コマンドのように、ユーザの行動の許可に関わる種々の制御コマンドを含んでもよい。上述した実施例のような例によれば、予約された駐車スペースの位置、エレベーターでの行き先階、および、建物の自動ドアの解錠といった三つ全てを一つの電子キーに関連付けて、当該一つの電子キーで、訪問者が建物に着いてから訪問先部屋へ移動するまでの一連の行動の案内とセキュリティー(例えば、予約された駐車スペースへの案内、駐車スペースから玄関への案内、玄関の解錠、玄関からエレベーターへの案内、エレベーターの乗りかごの呼び寄せ、行き先階床(訪問先階床)の自動登録)を実現することができる。
【0094】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。
【符号の説明】
【0095】
1・・・来客管理システム、3・・・IOT端末