IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社サイバーエージェントの特許一覧

特許7134156判定システム、判定方法、判定装置及びコンピュータプログラム
<>
  • 特許-判定システム、判定方法、判定装置及びコンピュータプログラム 図1
  • 特許-判定システム、判定方法、判定装置及びコンピュータプログラム 図2
  • 特許-判定システム、判定方法、判定装置及びコンピュータプログラム 図3
  • 特許-判定システム、判定方法、判定装置及びコンピュータプログラム 図4
  • 特許-判定システム、判定方法、判定装置及びコンピュータプログラム 図5
  • 特許-判定システム、判定方法、判定装置及びコンピュータプログラム 図6
  • 特許-判定システム、判定方法、判定装置及びコンピュータプログラム 図7
  • 特許-判定システム、判定方法、判定装置及びコンピュータプログラム 図8
  • 特許-判定システム、判定方法、判定装置及びコンピュータプログラム 図9
  • 特許-判定システム、判定方法、判定装置及びコンピュータプログラム 図10
  • 特許-判定システム、判定方法、判定装置及びコンピュータプログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】判定システム、判定方法、判定装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/021 20180101AFI20220902BHJP
   H04M 3/487 20060101ALI20220902BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220902BHJP
【FI】
H04W4/021
H04M3/487
G06Q30/02 350
G06Q30/02 380
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019200129
(22)【出願日】2019-11-01
(62)【分割の表示】P 2018133639の分割
【原出願日】2018-07-13
(65)【公開番号】P2020017320
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】500149555
【氏名又は名称】株式会社サイバーエージェント
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(72)【発明者】
【氏名】深見 俊和
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 毎至
(72)【発明者】
【氏名】内藤 貴仁
(72)【発明者】
【氏名】藤田 和司
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/122498(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/066251(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/02-4/029
G06Q 30/02
H04M 3/487-3/493,11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置の位置を表す位置情報と前記端末装置が前記位置にある時刻を表す時刻情報と前記端末装置を一意に識別可能な識別情報とを含む行動情報を複数取得する行動情報取得部と、
取得された複数の行動情報のうち、識別情報がいずれも同じであり、かつ位置情報が所定の領域にある第1の行動情報を特定し、前記第1の行動情報と他の前記複数の行動情報とに基づいて、前記所定の領域に前記端末装置の所有者が訪れたか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記判定部は、前記第1の行動情報に含まれる時刻情報よりも前の時刻を表す時刻情報を含む前記複数の行動情報のうち、前記第1の行動情報に含まれる識別情報と同じ識別情報を含み、かつ前記位置情報が所定の領域に最も近い位置情報を含む第2の行動情報を特定し、前記第1の行動情報に含まれる時刻情報よりも後の時刻を表す時刻情報を含む前記複数の行動情報のうち、前記第1の行動情報に含まれる識別情報と同じ識別情報を含み、かつ前記位置情報が所定の領域に最も近い位置情報を含む第3の行動情報を特定し、前記第2の行動情報と前記第3の行動情報とに含まれる前記時刻情報に基づいて、前記所定の領域に前記端末装置の所有者が訪れたか否かを判定する、
判定システム。
【請求項2】
前記判定部は、前記第3の行動情報と前記第2の行動情報との差分が、所定の範囲に含まれる場合、前記所定の領域に前記端末装置の所有者が訪れたと判定する、
請求項1に記載の判定システム。
【請求項3】
判定装置が、端末装置の位置を表す位置情報と前記端末装置が前記位置にある時刻を表す時刻情報と前記端末装置を一意に識別可能な識別情報とを含む行動情報を複数取得する行動情報取得ステップと、
判定装置が、取得された複数の行動情報のうち、識別情報がいずれも同じであり、かつ位置情報が所定の領域にある第1の行動情報を特定し、前記第1の行動情報と他の前記複数の行動情報とに基づいて、前記所定の領域に前記端末装置の所有者が訪れたか否かを判定する判定ステップと、
を有し、
前記判定ステップにおいて、前記第1の行動情報に含まれる時刻情報よりも前の時刻を表す時刻情報を含む前記複数の行動情報のうち、前記第1の行動情報に含まれる識別情報と同じ識別情報を含み、かつ前記位置情報が所定の領域に最も近い位置情報を含む第2の行動情報を特定し、前記第1の行動情報に含まれる時刻情報よりも後の時刻を表す時刻情報を含む前記複数の行動情報のうち、前記第1の行動情報に含まれる識別情報と同じ識別情報を含み、かつ前記位置情報が所定の領域に最も近い位置情報を含む第3の行動情報を特定し、前記第2の行動情報と前記第3の行動情報とに含まれる前記時刻情報に基づいて、前記所定の領域に前記端末装置の所有者が訪れたか否かを判定する、
判定方法。
【請求項4】
端末装置の位置を表す位置情報と前記端末装置が前記位置にある時刻を表す時刻情報と前記端末装置を一意に識別可能な識別情報とを含む行動情報を複数取得する行動情報取得部と、
取得された複数の行動情報のうち、識別情報がいずれも同じであり、かつ位置情報が所定の領域にある第1の行動情報を特定し、前記第1の行動情報と他の前記複数の行動情報とに基づいて、前記所定の領域に前記端末装置の所有者が訪れたか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記判定部は、前記第1の行動情報に含まれる時刻情報よりも前の時刻を表す時刻情報を含む前記複数の行動情報のうち、前記第1の行動情報に含まれる識別情報と同じ識別情報を含み、かつ前記位置情報が所定の領域に最も近い位置情報を含む第2の行動情報を特定し、前記第1の行動情報に含まれる時刻情報よりも後の時刻を表す時刻情報を含む前記複数の行動情報のうち、前記第1の行動情報に含まれる識別情報と同じ識別情報を含み、かつ前記位置情報が所定の領域に最も近い位置情報を含む第3の行動情報を特定し、前記第2の行動情報と前記第3の行動情報とに含まれる前記時刻情報に基づいて、前記所定の領域に前記端末装置の所有者が訪れたか否かを判定する、
判定装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の判定システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、判定システム、判定方法、判定装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業の営業活動の一つとして、スマートフォン又はタブレットコンピュータ等の端末装置に向けて電子広告等の広告情報を送信することが行われている。広告情報は、例えば商品の販売価格、商品を販売している店舗の名称及び住所、割引商品の紹介又は景品の引換等の情報を有する。端末装置の所有者は、広告情報を確認することで店舗を訪問する。広告情報の配信主体である広告配信事業者等は、端末装置から取得された位置情報に基づいて端末装置の所有者が実際に来店したか否かを測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-205226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、端末装置から取得される位置情報には誤差が含まれる。このため、店舗の周辺に居住する人物の端末装置又は店舗の周辺を通過した人物の端末装置から送信される位置情報が、店舗の敷地内を表す可能性がある。このため、店舗に来店した端末装置の所有者とその他の人物との判別が難しいという問題があった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、より高い精度で端末装置の所有者の位置を判定することができる技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、端末装置の位置を表す位置情報と前記端末装置が前記位置にある時刻を表す時刻情報と前記端末装置を一意に識別可能な識別情報とを含む行動情報を複数取得する行動情報取得部と、取得された複数の行動情報のうち、識別情報がいずれも同じであり、かつ位置情報が所定の領域にある第1の行動情報を特定し、前記第1の行動情報と他の前記複数の行動情報とに基づいて、前記所定の領域に前記端末装置の所有者が訪れたか否かを判定する判定部と、を備え、前記判定部は、前記第1の行動情報に含まれる時刻情報よりも前の時刻を表す時刻情報を含む前記複数の行動情報のうち、前記第1の行動情報に含まれる識別情報と同じ識別情報を含み、かつ前記位置情報が所定の領域に最も近い位置情報を含む第2の行動情報を特定し、前記第1の行動情報に含まれる時刻情報よりも後の時刻を表す時刻情報を含む前記複数の行動情報のうち、前記第1の行動情報に含まれる識別情報と同じ識別情報を含み、かつ前記位置情報が所定の領域に最も近い位置情報を含む第3の行動情報を特定し、前記第2の行動情報と前記第3の行動情報とに含まれる前記時刻情報に基づいて、前記所定の領域に前記端末装置の所有者が訪れたか否かを判定する、判定システムである。
【0007】
本発明の一態様は、上記の判定システムであって、前記判定部は、前記第3の行動情報と前記第2の行動情報との差分が、所定の範囲に含まれる場合、前記所定の領域に前記端末装置の所有者が訪れたと判定する。
【0008】
本発明の一態様は、判定装置が、端末装置の位置を表す位置情報と前記端末装置が前記位置にある時刻を表す時刻情報と前記端末装置を一意に識別可能な識別情報とを含む行動情報を複数取得する行動情報取得ステップと、判定装置が、取得された複数の行動情報のうち、識別情報がいずれも同じであり、かつ位置情報が所定の領域にある第1の行動情報を特定し、前記第1の行動情報と他の前記複数の行動情報とに基づいて、前記所定の領域に前記端末装置の所有者が訪れたか否かを判定する判定ステップと、を有し、前記判定ステップにおいて、前記第1の行動情報に含まれる時刻情報よりも前の時刻を表す時刻情報を含む前記複数の行動情報のうち、前記第1の行動情報に含まれる識別情報と同じ識別情報を含み、かつ前記位置情報が所定の領域に最も近い位置情報を含む第2の行動情報を特定し、前記第1の行動情報に含まれる時刻情報よりも後の時刻を表す時刻情報を含む前記複数の行動情報のうち、前記第1の行動情報に含まれる識別情報と同じ識別情報を含み、かつ前記位置情報が所定の領域に最も近い位置情報を含む第3の行動情報を特定し、前記第2の行動情報と前記第3の行動情報とに含まれる前記時刻情報に基づいて、前記所定の領域に前記端末装置の所有者が訪れたか否かを判定する、判定方法である。
【0009】
本発明の一態様は、端末装置の位置を表す位置情報と前記端末装置が前記位置にある時刻を表す時刻情報と前記端末装置を一意に識別可能な識別情報とを含む行動情報を複数取得する行動情報取得部と、取得された複数の行動情報のうち、識別情報がいずれも同じであり、かつ位置情報が所定の領域にある第1の行動情報を特定し、前記第1の行動情報と他の前記複数の行動情報とに基づいて、前記所定の領域に前記端末装置の所有者が訪れたか否かを判定する判定部と、を備え、前記判定部は、前記第1の行動情報に含まれる時刻情報よりも前の時刻を表す時刻情報を含む前記複数の行動情報のうち、前記第1の行動情報に含まれる識別情報と同じ識別情報を含み、かつ前記位置情報が所定の領域に最も近い位置情報を含む第2の行動情報を特定し、前記第1の行動情報に含まれる時刻情報よりも後の時刻を表す時刻情報を含む前記複数の行動情報のうち、前記第1の行動情報に含まれる識別情報と同じ識別情報を含み、かつ前記位置情報が所定の領域に最も近い位置情報を含む第3の行動情報を特定し、前記第2の行動情報と前記第3の行動情報とに含まれる前記時刻情報に基づいて、前記所定の領域に前記端末装置の所有者が訪れたか否かを判定する、判定装置である。
【0010】
本発明の一態様は、上記の判定システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、より高い精度で端末装置の所有者の位置を判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態の判定システム1のシステム構成を表すシステム構成図である。
図2】実施形態の端末装置100の機能構成を表す機能ブロック図である。
図3】実施形態の判定装置200の機能構成を表す機能ブロック図である。
図4】実施形態の行動情報の一具体例を示す図である。
図5】実施形態の判定情報の一具体例を示す図である。
図6】第1から第3の行動情報に含まれる位置情報の位置関係の一具体例を示す図である。
図7】生成されたグラフ画像の第1の具体例を示す図である。
図8】生成されたグラフ画像の第2の具体例を示す図である。
図9】生成されたグラフ画像の第3の具体例を示す図である。
図10】生成されたグラフ画像の第4の具体例を示す図である。
図11】実施形態の端末装置100の所有者が目的領域に訪れたか否かを判定する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、実施形態の判定システム1のシステム構成を表すシステム構成図である。判定システム1は、ネットワーク400に設けられる。判定システム1は、ネットワーク400を介して互いに通信可能に接続される複数の端末装置100、判定装置200及び広告配信装置300を備える。判定システム1は、端末装置100の所有者が目的領域に訪れたか否かを判定する。ネットワーク400は、どのようなネットワークで構築されてもよい。例えば、ネットワーク400は、インターネットで構成されてもよい。目的領域については後述する。
【0014】
端末装置100は、スマートフォン又はタブレットコンピュータ等の情報処理装置である。端末装置100は、所定のタイミングで、行動情報を生成する。端末装置100は、生成された行動情報を判定装置200に送信する。所定のタイミングは、例えば、予め指定された時間間隔であってもよいし、予め指定された距離を移動した場合であってもよく、どのようなタイミングであってもよい。
【0015】
判定装置200は、パーソナルコンピュータ又はサーバ等の情報処理装置である。判定装置200は、各端末装置100から行動情報を取得する。行動情報については後述する。判定装置200は、各端末装置100から取得された行動情報に基づいて、端末装置100の所有者が目的領域に訪れたか否かを判定する。
【0016】
広告配信装置300は、パーソナルコンピュータ又はサーバ等の情報処理装置である。広告配信装置300は、各端末装置100に配信される広告情報を記憶する。広告情報は、例えば商品の販売価格、商品を販売している店舗の名称及び住所、割引商品の紹介又は景品の引換等の情報を有する。広告情報は、商品の販売促進用の画像であってもよいし、動画であってもよい。広告情報は端末装置100にて表示させることができる情報であればどのような情報であってもよい。広告配信装置300は、所定のタイミングで広告情報を端末装置100に配信する。所定のタイミングとは、例えば予め定められた日時であってもよいし、判定装置200から指示されたタイミングであってもよい。広告配信装置300は、端末装置100毎にどのような広告情報を配信するか予め定められていてもよい。したがって、広告情報の配信者は、端末装置100毎にどのような広告情報を端末装置100に配信しているかを把握することができる。
【0017】
図2は、実施形態の端末装置100の機能構成を表す機能ブロック図である。端末装置100は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、行動情報生成プログラムを実行することによって通信部101、入力部102、表示部103、広告識別子記憶部104及び制御部105を備える装置として機能する。なお、通信部101、入力部102、表示部103、広告識別子記憶部104及び制御部105の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。行動情報生成プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。行動情報生成プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0018】
通信部101は、ネットワークインタフェースである。通信部101はネットワーク400を介して、判定装置200及び広告配信装置300と通信する。通信部101は、例えば無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、LTE(Long Term Evolution)(登録商標)又は5G等の通信方式で通信してもよい。
【0019】
入力部102は、タッチパネル、マウス及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。入力部102は、入力装置を端末装置100に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部102は、入力装置において入力された入力信号から入力データ(例えば、端末装置100に対する指示を示す指示情報)を生成し、端末装置100に入力する。
【0020】
表示部103は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の出力装置である。表示部103は、出力装置を端末装置100に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、表示部103は、映像データから映像信号を生成し自身に接続されている映像出力装置に映像信号を出力する。
【0021】
広告識別子記憶部104は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。広告識別子記憶部104は、広告識別子を記憶する。広告識別子は、端末装置100を一意に識別できる情報である。広告識別子は、例えば、端末装置100に対する広告配信に用いられる。広告識別子は、例えばIDFA(Advertising Identifier)が用いられてもよいし、AdID(Advertising ID)が用いられてもよいがこれらに限定されない。広告識別子は、例えば、Cookie、電話番号又はネットワーク上のアドレス情報等のように、他の端末装置100に記憶される広告識別子と重複しない情報であればどのような情報であってもよい。
【0022】
制御部105は、端末装置100の各部の動作を制御する。制御部105は、例えばCPU等のプロセッサ及びRAM(Random Access Memory)を備えた装置により実行される。制御部105は、行動情報生成プログラムを実行することによって、位置情報取得部106、行動情報生成部107及び送信部108として機能する。
【0023】
位置情報取得部106は、位置情報を取得する。位置情報取得部106は、例えば、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムによって位置情報を取得してもよい。位置情報は、端末装置100の位置を表す情報である。位置情報は、例えば、経緯度を示す経緯度情報であってもよい。位置情報は、例えば、経緯度情報に加えて、高度又は速度等の情報が含まれていてもよい。位置情報は、衛星測位システムからの電波が届きにくい場所(例えば、山間部やトンネル)では、端末装置100の速度の情報や加速度の情報を用いて補正されてもよい。位置情報取得部106は所定のタイミングで位置情報を取得してもよい。所定のタイミングとは、例えば、1分おき、2分おき、15分おき、30分おき、60分おき等のような予め指定された時間間隔であってもよいし、どのようなタイミングであってもよい。所定のタイミングは、位置情報取得部106は、予め指定された距離を移動した場合に、位置情報を取得してもよい。予め指定された距離は、例えば、大規模移動に関する公知の手法に基づいて決定されてもよい。
【0024】
行動情報生成部107は、行動情報を生成する。行動情報は、所定の時刻における端末装置100の位置を表す情報である。図4は、実施形態の行動情報の一具体例を示す図である。図4によると、行動情報は、広告識別子、位置情報及び時刻情報の3つの情報を含む。広告識別子は、端末装置100を一意に識別可能な情報である。広告識別子は、予め端末装置100に記憶される。広告識別子は、識別情報の一態様である。位置情報は、位置情報取得部106によって取得される端末装置100の位置を表す。位置情報は、例えば緯度経度で表されてもよい。時刻情報は、端末装置100が位置情報によって表される位置にある場合の時刻を表す。
【0025】
図4に示される行動情報によると、広告識別子は“AD00001”、位置情報は“Location”、時刻情報は“2018/6/18 12:05:12”である。このため、行動情報は、広告識別子“AD00001”によって特定される端末装置100によって生成された行動情報であり、端末装置100は、時刻情報“2018/6/18 12:05:12”によって表される時刻に、位置情報“Location”の位置にいたことがわかる。
【0026】
行動情報生成部107は、位置情報が取得されたタイミングで、取得された位置情報を含む行動情報を生成する。行動情報生成部107は、生成された行動情報を送信部108に出力する。送信部108は、行動情報を判定装置200に送信する。
【0027】
図3は、実施形態の判定装置200の機能構成を表す機能ブロック図である。判定装置200は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、判定プログラムを実行することによって通信部201、入力部202、表示部203、判定情報記憶部204、行動情報記憶部205、判定結果記憶部206及び制御部207を備える装置として機能する。なお、通信部201、入力部202、表示部203、判定情報記憶部204、行動情報記憶部205、判定結果記憶部206及び制御部207の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。判定プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。判定プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0028】
通信部201は、ネットワークインタフェースである。通信部201はネットワーク400を介して、端末装置100及び広告配信装置300と通信する。通信部201は、例えば無線LAN、有線LAN、LTE又は5G等の通信方式で通信してもよい。
【0029】
入力部202は、タッチパネル、マウス及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。入力部202は、入力装置を判定装置200に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、入力部202は、入力装置において入力された入力信号から入力データ(例えば、判定装置200に対する指示を示す指示情報)を生成し、判定装置200に入力する。
【0030】
表示部203は、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の出力装置である。表示部203は、出力装置を判定装置200に接続するためのインタフェースであってもよい。この場合、表示部203は、映像データから映像信号を生成し自身に接続されている映像出力装置に映像信号を出力する。
【0031】
判定情報記憶部204は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。判定情報記憶部204は、判定情報を記憶する。判定情報は、予め判定情報記憶部204に記録される。判定情報は、端末装置100の所有者が目的領域に訪れたか否かを判定するために用いられる情報である。
【0032】
図5は、実施形態の判定情報の一具体例を示す図である。図5によると、判定情報は、判定情報識別子、目的位置、半径値及び滞在閾値の4つの情報を含む。判定情報識別子は、目的領域に応じて生成される。判定情報識別子は、判定情報を一意に識別可能な情報である。判定情報識別子は、他の判定情報識別子と重複しない情報であればどのような情報であってもよい。目的位置は、端末装置100の所有者が訪れる場所を表す。目的位置は、例えば、小売店又は商業施設等の店舗の内部を示す位置であってもよいし、公園等の広場の内部を示す位置であってもよい。目的位置は、判定情報に応じて異なる位置を示す。目的位置は予め指定される。目的位置は、例えば経緯度情報で表されてもよい。半径値は、目的位置を中心にした円の半径を表す。半径値は予め指定される。半径値は判定情報に応じて異なる値が指定される。半径値は、例えば、目的位置が店舗の場合、半径値は、店舗全体が含まれるように設定される。目的領域は、目的位置と半径値とに基づいて表される領域である。目的領域は、例えば、目的位置を中心にして、半径値の値を半径として持つ円の領域であってもよい。以下、目的領域とは、特別な断りがない限り、判定情報に含まれる目的位置の値を中心として、半径として半径値の値を持つ円の内側を表すものとして説明する。滞在閾値は、端末装置100の所有者が、目的領域に訪れたか否かを判定するための閾値の範囲を表す。例えば、端末装置100の所有者の滞在時間が、滞在閾値で表される時間に含まれる場合、目的領域に訪れたと判定される。端末装置100の所有者の滞在時間が、滞在閾値で表される時間に含まれない場合、目的領域に訪れていないと判定される。滞在閾値の単位は、例えば秒であってもよいし、分であってもよく、時間を表す単位であればどのような単位であってもよい。なお、本実施形態では、単位は秒として説明する。
【0033】
図5に示される判定情報によると、判定情報識別子は“A0001”、目的位置は“P”、半径値は“R”、滞在閾値は“1000-3000”秒である。滞在閾値によると、滞在閾値の下限は1000、上限は3000である。このため、判定情報識別子“A0001”によって特定される判定情報では、“P”を中心として、半径“R”の円の内側の領域が、目的領域となることがわかる。端末装置100の所有者が、1000秒から3000秒までの時間、目的領域の内側に滞在した場合、目的領域を訪れたと判定される。
【0034】
行動情報記憶部205は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。行動情報記憶部205は、複数の行動情報を記憶する。行動情報記憶部205に記録される行動情報は、複数の端末装置100から取得される。
【0035】
判定結果記憶部206は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。判定結果記憶部206は、複数の判定結果情報を記憶する。判定結果情報は、端末装置100の所有者が、目的領域に訪れたか否かを表す情報である。
【0036】
制御部207は、判定装置200の各部の動作を制御する。制御部207は、例えばCPU等のプロセッサ及びRAMを備えた装置により実行される。制御部207は、判定プログラムを実行することによって、行動情報取得部208、判定部209及びグラフ生成部210として機能する。
【0037】
行動情報取得部208は、端末装置100によって送信された行動情報を取得する。行動情報取得部208は、取得された行動情報を行動情報記憶部205に記録する。
【0038】
判定部209は、取得された行動情報に基づいて、端末装置100の所有者が目的領域に訪れたか否かを判定する。具体的には、判定部209は、判定情報を取得する。判定部209は、入力部202から受け付けた指示に基づいて判定情報を取得してもよいし、通信部201を介して判定装置200の外部から受け付けた指示に基づいて判定情報を取得してもよい。次に、判定部209は、広告識別子を決定する。判定対象となる端末装置100は広告識別子に基づいて特定される。広告識別子は、入力部202から受け付けた指示に基づいて決定されてもよいし、通信部201を介して判定装置200の外部から受け付けた指示に基づいて決定されてもよいし、広告識別子の昇順又は降順等の順番に決定されてもよい。
【0039】
判定部209は、決定された広告識別子の値を有する行動情報を特定する。判定部209は、特定された行動情報に含まれる位置情報の値が、目的領域の内側にある複数の行動情報を第1の行動情報として取得する。
【0040】
判定部209は、第1の行動情報に含まれる時刻情報よりも前の時刻を表す時刻情報を含む複数の行動情報のうち、第1の行動情報に含まれる広告識別子と同じ値の広告識別子を含み、かつ目的領域に最も近い位置情報を含む行動情報を第2の行動情報として取得する。判定部209は、第1の行動情報に含まれる時刻情報よりも後の時刻を表す時刻情報を含む複数の行動情報のうち、第1の行動情報に含まれる識別情報と同じ値の広告識別子を含み、かつ目的領域に最も近い位置情報を含む第3の行動情報を取得する。
【0041】
判定部209は、取得された第2の行動情報及び第3の行動情報に含まれる時刻情報に基づいて、目的領域に端末装置100の所有者が訪れたか否かを判定する。具体的には、判定部209は、第3の行動情報に含まれる時刻情報の値と第2の行動情報に含まれる時刻情報の値との差分値を、目的領域の滞在時間として算出する。判定部209は、滞在時間が滞在閾値の範囲に含まれる場合、端末装置100の所有者が目的領域に訪れたと判定する。判定部209は、滞在時間が滞在閾値の範囲に含まれない場合、端末装置100の所有者が目的領域に訪れていないと判定する。判定部209は、判定結果に基づいて判定結果情報を生成する。判定結果情報は、端末装置100の所有者が目的領域に訪れたか否か判断できる情報であればどのような情報であってもよい。判定部209は、生成された判定結果情報を判定結果記憶部206に記録する。
【0042】
グラフ生成部210は、行動情報に基づいてグラフ画像を生成する。グラフ生成部210は、生成されたグラフ画像を表示部203に表示させる。具体的には、グラフ生成部210は、判定部209によって取得された判定情報に含まれる目的位置を取得する。グラフ生成部210は、判定部209によって特定された第1の行動情報を取得する。グラフ生成部210は、第1の行動情報に含まれる広告識別子と同じ値の広告識別子を含み、かつ第1の行動情報に含まれる時刻情報の前後、所定の時間内の行動情報を取得する。所定の時間は、来店の前後の人の動きがわかる時間、例えば前後3600秒であってもよいし、7200秒であってもよいし、何秒であってもよい。なお、グラフ生成部210は、生成されたグラフ画像を表示部203に表示させる代わりに、通信部201を介して外部の表示装置に表示させてもよい。
【0043】
グラフ生成部210は、取得された行動情報に含まれる位置情報と時刻情報とに基づいて、所定の座標にプロットすることでグラフ画像を生成する。所定の座標は、例えば、縦軸が目的位置からの距離を表し、横軸が、第1の行動情報に含まれる時刻情報からの相対的な時間を表してもよいし、目的位置に最も近づいた時刻からの相対的な時間を表してもよい。グラフ生成部210は、プロットされたグラフ画像を表示部203に表示させる。
【0044】
図6は、第1から第3の行動情報に含まれる位置情報の位置関係の一具体例を示す図である。図6は、目的位置10、半径11、円12、人物13、人物14及び人物15を有する。目的位置10は、判定情報が有する目的位置を図示した一例である。図6では、目的位置10を示す位置情報はPで表される。半径11は、目的位置10を中心にして、判定情報が有する半径値の値を図示した一例である。図6では、半径値の値はRで表される。円12は、目的位置10を中心にして、距離がRとなる場所を示す。円12の内側は、端末装置100の所有者が訪れたか否か判定される目的領域となる。
【0045】
人物13、人物14及び人物15は、いずれも同一人物である。すなわち人物13、人物14及び人物15によって所有される端末装置100は、いずれも同じ広告識別子を記憶する。人物13は、円12の内側にいる。人物13が円12の内側にいるときの時刻をT1とする。人物14は円12の外側にいる。人物13が円12の外側にいるときの時刻をT2とする。人物15は円12の外側にいる。人物13が円12の外側にいるときの時刻をT3とする。ここで、時刻T1からT3までの時刻が、T2はT1よりも前の時刻を表し、T1はT3よりも前の時刻を表す場合、人物13の位置で生成された行動情報は第1の行動情報となる。また、T1よりも前の時刻を表す時刻情報を含む行動情報のうち、人物14の位置が目的領域に最も近い位置である場合、人物14の位置で生成された行動情報は第2の行動情報となる。また、T1よりも後の時刻を表す時刻情報を含む行動情報のうち、人物15の位置が目的領域に最も近い位置である場合、人物15の位置で生成された行動情報は第3の行動情報となる。すなわち、判定部209は、T3とT2との差分値が滞在閾値の範囲内に含まれる場合、端末装置100の所有者が目的領域に訪れたと判定する。
【0046】
図7は、生成されたグラフ画像の第1の具体例を示す図である。図7は、端末装置100の所有者が目的領域に訪れた場合のグラフ画像を示す。縦軸は、目的領域からの距離を表す。縦軸の単位はキロメートルである。縦軸の値は、行動情報に含まれる位置情報が、目的領域から遠いほど大きい値となる。横軸は、目的領域に最も近づいた時刻からの相対的な時間を表す。横軸の単位は秒である。横軸の値は、目的領域に最も近い位置情報を含む行動情報に含まれる時刻情報を0とする。グラフ生成部210は、端末装置100から送信された行動情報を、縦軸を目的領域からの距離、横軸を時間としてプロットすることで、近隣住民から送信された行動情報からは平坦な直線を示すグラフ画像が生成される。また、目的領域の側を通過した人から送信された行動情報からは極端に急峻で鋭い曲線を示すグラフ画像が生成される。また、実際に目的領域に訪れた人から送信された行動情報からはなべ底のような曲線を示すグラフ画像が生成される。
【0047】
図7に示される点20及び点21によると、端末装置100の所有者は、目的領域から約13キロメートル離れた位置から目的領域まで約2400秒かけて移動していることがわかる。また、図7に示される点21及び点22によると、端末装置100の所有者は、目的領域に到着後、目的領域に約6000秒滞在していることがわかる。また、図7に示される点22及び点23によると、目的領域から15キロメートル離れた場所まで、約2400秒かけて移動していることがわかる。
【0048】
図8は、生成されたグラフ画像の第2の具体例を示す図である。図8は、図7と同様に端末装置100の所有者が目的領域に訪れた場合のグラフ画像を示す。縦軸は、目的領域からの距離を表す。縦軸の単位はキロメートルである。縦軸の値は、行動情報に含まれる位置情報が、目的領域から遠いほど大きい値となる。横軸は、目的領域に最も近づいた時刻からの相対的な時間を表す。横軸の単位は秒である。横軸の値は、目的領域に最も近い位置情報を含む行動情報に含まれる時刻情報を0とする。図8に示される点30及び点31によると、端末装置100の所有者は、目的領域から約6キロメートル離れた位置から目的領域まで約3600秒かけて移動していることがわかる。また、図8に示される点31及び点32によると、端末装置100の所有者は、目的領域に到着後、目的領域に約3000秒滞在していることがわかる。また、図8に示される点32及び点33によると、目的領域から6キロメートル離れた場所まで、約3000秒かけて移動していることがわかる。
【0049】
図9は、生成されたグラフ画像の第3の具体例を示す図である。図9は、端末装置100の所有者が目的領域の近隣に住む住民である場合のグラフ画像を示す。縦軸及び横軸は、図7と同じである。図9に示される各点によると、店舗から約2000メートル以内に長時間滞在し、店舗から離れていく様子が観測できないことがわかる。このような挙動から、近隣の住民であることがわかる。なお、判定部209は、端末装置100の所有者が目的領域に訪れたか否かを判定するにあたり、このような行動情報を送信した端末装置100を除外して判定することが可能となる。
【0050】
図10は、生成されたグラフ画像の第4の具体例を示す図である。図10は、端末装置100の所有者が、店舗の側を通過した場合のグラフ画像を示す。縦軸及び横軸は、図7と同じである。図10に示される点40及び点41によると、端末装置100の所有者は、目的領域から約19キロメートル離れた位置から目的領域まで約1800秒かけて移動していることがわかる。また、図10に示される点41及び点42によると、端末装置100の所有者は、目的領域に到着後、目的領域に約600秒滞在していることがわかる。また、図10に示される点42及び点43によると、目的領域から17キロメートル離れた場所まで、約1800秒かけて移動していることがわかる。店舗の滞在時間が600秒と短いことから、端末装置100の所有者は、店舗には訪れず、店舗の側の道路を通り抜けただけであることがわかる。なお、判定部209は、端末装置100の所有者が目的領域に訪れたか否かを判定するにあたり、このような行動情報を送信した端末装置100を除外して判定することが可能となる。
【0051】
図11は、実施形態の端末装置100の所有者が目的領域に訪れたか否かを判定する処理の流れを示すフローチャートである。判定部209は、判定情報を取得する(ステップS101)。判定情報は、入力部202から受け付けた指示に基づいて取得されてもよいし、通信部201を介して判定装置200の外部から受け付けた指示に基づいて取得されてもよい。判定部209は、判定対象となる端末装置100を特定する広告識別子を決定する(ステップS102)。
【0052】
判定部209は、第1の行動情報を取得する(ステップS103)。具体的には、判定部209は、決定された広告識別子の値を有する行動情報を特定する。判定部209は、特定された行動情報に含まれる位置情報の値が、目的領域の内側にある行動情報を第1の行動情報として取得する。目的領域とは、判定情報に含まれる目的位置の値を中心として、半径として半径値の値を持つ円の内側を表す。
【0053】
判定部209は、第2の行動情報を取得する(ステップS104)。具体的には、判定部209は、第1の行動情報に含まれる時刻情報の値よりも前の時刻を表す時刻情報を含む複数の行動情報のうち、第1の行動情報に含まれる広告識別子と同じ値の広告識別子を含み、かつ目的領域に最も近い位置情報を含む行動情報を第2の行動情報として取得する。
【0054】
判定部209は、第3の行動情報を取得する(ステップS105)。具体的には、判定部209は、第1の行動情報に含まれる時刻情報よりも後の時刻を表す時刻情報を含む複数の行動情報のうち、第1の行動情報に含まれる識別情報と同じ値の広告識別子を含み、かつ目的領域に最も近い位置情報を含む第3の行動情報を取得する。
【0055】
判定部209は、取得された第2の行動情報及び第3の行動情報に含まれる時刻情報に基づいて、滞在時間を算出する(ステップS106)。具体的には、判定部209は、第3の行動情報に含まれる時刻情報と第2の行動情報に含まれる時刻情報との差分値を、目的領域の滞在時間として算出する。判定部209は、算出された滞在時間が、判定情報の滞在閾値の範囲内に含まれるか否かを判定する(ステップS107)。算出された滞在時間が、判定情報の滞在閾値の範囲内に含まれる場合(ステップS107:YES)、判定部209は、目的領域に端末装置100の所有者が訪れたと判定する(ステップS108)。算出された滞在時間が、判定情報の滞在閾値の範囲内に含まれない場合(ステップS107:NO)、判定部209は、目的領域に端末装置100の所有者が訪れていないと判定する(ステップS109)。
【0056】
判定部209は、判定結果に基づいて判定結果情報を生成する(ステップS110)。判定部209は、生成された判定結果情報を判定結果記憶部206に記録する(ステップS111)。
【0057】
このように構成された判定システム1では、判定装置200の判定部209が、端末装置100から取得された複数の行動情報に含まれる位置情報に基づいて、端末装置100の所有者が目的領域に訪れたか否かを判定する。このように構成されることで、より高い精度で端末の所有者の位置を判定することが可能になる。
【0058】
上述の実施形態では、判定情報が有する滞在閾値は下限の値が1000、上限の値が3000であるものを例として説明したが、滞在閾値はこれらの値に限定されない。また、判定情報は、複数の滞在閾値が保持されてもよい。
【0059】
上述の実施形態では、目的領域は判定情報に含まれる目的位置の値を中心として、半径として半径値の値を持つ円の内側を表すものとして説明したが、目的領域は円に限定されない。例えば、目的領域は、緯度経度で示される複数の位置を線分で結んだ多角形の内側であるとして表されてもよい。この場合、判定情報は、複数の緯度経度の情報を保持する。
【0060】
判定部209は、グラフ生成部210によって生成されたグラフ画像の形状に基づいて、端末装置100の所有者が目的領域に訪れたか否かを判定するように構成されてもよい。この場合、判定部209は、予めモデルとなるグラフ画像を複数記憶しておいてもよい。判定部209は、判定部209は、生成されたグラフ画像と、モデルとなるグラフ画像と、を比較して類似度を算出する。類似度の算出には公知の手法が用いられてもよい。判定部209は、類似度が定められた閾値以上の場合、端末装置100の所有者が目的領域に訪れたものと判定する。判定部209は、類似度が定められた閾値未満の場合、端末装置100の所有者が目的領域に訪れていないものと判定する。例えば、判定部209は、グラフ画像が例えば、図7又は図8に示されるなべ底のような形状である場合、目的領域に訪れたものと判定するように構成されてもよい。判定部209は、グラフ画像が例えば、図9に示される直線のような形状であったり、図10に示されるV字のような形状である場合、目的領域に訪れていないものと判定するように構成されてもよい。
【0061】
判定部209は、端末装置100の所有者の移動手段を推定するように構成されてもよい。判定部209は、例えば、2つの行動情報に基づいて、速度を算出する。判定部209は、算出された速度が、予め定められた閾値よりも大きい場合、端末装置100の所有者は乗り物とで目的領域に訪れたと推定する。判定部209は、算出された速度が、予め定められた閾値以下の場合、端末装置100の所有者は徒歩で目的領域に訪れたと推定する。判定部209は、推定結果を判定結果情報に含めてもよい。なお、速度を算出するために用いられる行動情報は、例えば、目的領域に訪れた時刻を有する時刻情報を含む行動情報と、目的領域に訪れた時刻よりも前の時刻を有する時刻情報を含む行動情報と、であってもよいし、目的領域を離れる直前の時刻を有する時刻情報を含む行動情報と、目的領域を離れる直前の時刻よりも後の時刻を有する時刻情報を含む行動情報と、であってもよい。
【0062】
判定部209は、取得された第1の行動情報のうち、最も遅い時刻を表す時刻情報を含む行動情報を第4の行動情報として取得するように構成されてもよい。この場合、判定部209は、第1の行動情報に含まれる時刻情報の値と第4の行動情報に含まれる時刻情報の値との差分を、目的領域の滞在時間として算出する。
【0063】
判定部209は、広告配信装置300から、広告情報が配信された端末装置100の広告識別子を取得するように構成されてもよい。このように構成されることで、判定部209は、目的領域に訪れたと判定された端末装置100の所有者が、広告情報を受け取った者であるか否かを合わせて判定してもよい。このように構成されることで、広告情報の配信者は、広告情報の効果を確認することが可能となる。なお、広告情報を受け取った者であるか否かの判定結果は、判定結果情報に含まれてもよい。
【0064】
位置情報取得部106は、衛星測位システム以外の手法によって位置情報を取得してもよい。例えば、位置情報取得部106は、無線LANアクセスポイント又はビーコン発振器等の近距離無線通信装置から位置情報を取得するように構成されてもよい。また、位置情報取得部106は、衛星測位システムから位置情報を取得するにあたって、上述の近距離無線通信装置から電波を受信したタイミングで位置情報を取得するように構成されてもよい。
【0065】
本実施形態では、判定装置200及び広告配信装置300は1台の装置であるとして説明したが、複数の装置で構成されてもよい。判定装置200及び広告配信装置300は、クラウドコンピューティングシステムによって構成されてもよい。
【0066】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、端末装置100の所有者に店舗等の目的領域へ訪れてもらう店舗型のビジネスに適用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1…判定システム, 100…端末装置, 101…通信部, 102…入力部, 103…表示部, 104…広告識別子記憶部, 105…制御部, 106…位置情報取得部, 107…行動情報生成部, 108…送信部, 200…判定装置, 201…通信部, 202…入力部, 203…表示部, 204…判定情報記憶部, 205…行動情報記憶部, 206…判定結果記憶部, 207…制御部, 208…行動情報取得部, 209…判定部, 210…グラフ生成部, 300…広告配信装置, 400…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11