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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】医療施設用受付システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/20 20180101AFI20220902BHJP
【FI】
G16H40/20
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019239260
(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公開番号】P2021108020
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2021-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000222624
【氏名又は名称】株式会社アルメックス
(74)【代理人】
【識別番号】100157118
【弁理士】
【氏名又は名称】南 義明
(72)【発明者】
【氏名】井上 晋
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-125680(JP,A)
【文献】特表2008-521075(JP,A)
【文献】特開2019-211983(JP,A)
【文献】特開2005-149422(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受付装置と、前記受付装置と通信可能な管理サーバと、携帯端末で実行可能なプログラムと、を含んで構成される医療施設用受付システムであって、
前記受付装置は、各種情報を表示可能な表示部と、診察コード情報を読み取る読み取り部と、を有し、受付処理を実行可能とし、
受付処理は、
ユーザが所持する前記携帯端末から、患者識別情報と、前記携帯端末の端末識別情報とを含んだ診察コード情報を読み取り、
読み取られた診察コード情報に含まれる患者識別情報に基づき、受診の受付を行い、
読み取られた診察コード情報に含まれる端末識別情報に基づき、前記管理サーバに対してクレジットカード払いの可否を確認し、クレジットカード払いが可能な場合、受診完了後に行われる医療費の支払い用としてクレジットカードを登録し、
前記管理サーバは、クレジットカード払いの可否の確認のため、前記受付装置から送信された端末識別情報を受信し、受信した端末識別情報を決済サーバに送信し、
決済サーバは、端末識別情報に対応付けてクレジットカードに関するカード関連情報が登録されている場合、クレジットカード払い可能である旨を前記管理サーバに通知する
医療施設用受付システム。
【請求項2】
受付装置と、前記受付装置と通信可能な管理サーバと、携帯端末で実行可能なプログラムと、を含んで構成される医療施設用受付システムであって、
前記受付装置は、各種情報を表示可能な表示部と、診察コード情報を読み取る読み取り部と、を有し、受付処理を実行可能とし、
受付処理は、
ユーザが所持する前記携帯端末から、患者識別情報と、前記携帯端末の端末識別情報とを含んだ診察コード情報を読み取り、
読み取られた診察コード情報に含まれる患者識別情報に基づき、受診の受付を行い、
読み取られた診察コード情報に含まれる端末識別情報に基づき、前記管理サーバに対してクレジットカード払いの可否を確認し、クレジットカード払いが可能な場合、受診完了後に行われるクレジットカードによる医療費の支払い用としてクレジットカードを登録し、
前記受付装置は、
患者識別情報と、患者の氏名を含んで構成される登録コード情報を表示部に表示する受付装置側診察券登録処理を実行可能とし、
前記携帯端末は、
前記受付装置に表示された登録コード情報を読み取り、読み取った登録コード情報に基づき、患者識別情報に対応する患者の診察券を登録する携帯端末側診察券登録処理を実行可能とする
医療施設用受付システム。
【請求項3】
受付装置と、前記受付装置と通信可能な管理サーバと、携帯端末で実行可能なプログラムと、を含んで構成される医療施設用受付システムであって、
前記携帯端末で実行可能なプログラムは、複数の診察券を登録可能とし、
前記受付装置は、各種情報を表示可能な表示部と、診察コード情報を読み取る読み取り部と、を有し、受付処理を実行可能とし、
受付処理は、
ユーザが所持する前記携帯端末から、前記携帯端末で選択された診察券に対応する患者識別情報と、前記携帯端末の端末識別情報とを含んだ診察コード情報を読み取り、
読み取られた診察コード情報に含まれる患者識別情報に基づき、受診の受付を行い、
読み取られた診察コード情報に含まれる端末識別情報に基づき、前記管理サーバに対してクレジットカード払いの可否を確認し、クレジットカード払いが可能な場合、受診完了後に行われる医療費の支払い用としてクレジットカードを登録する
医療施設用受付システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院等の医療施設において、来院した患者を受け付ける医療施設用受付システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種医療施設で医師による診療が行われた場合、診療に対する対価として医療費が支払われることになる。例えば、患者が医療施設を訪問することで行われる外来医療の場合、患者は医療費を支払った後に帰宅することが通常である。医療施設側では、診療の終了後、医療費の計算を行って、患者から医療費を徴収している。患者側では医療費の支払いが終了するまでは医療施設を離れることができず、医療施設が混雑している場合には、長時間待つ必要があった。
【0003】
このような医療施設での待ち時間を解消、短縮するため、医療費の後払いを可能とする各種システムが提案されている。特許文献1には、医療保険の自己負担分の支払いを後払いで行う際に好適な医療保険自己負担分の支払システム及び支払い方法が開示されている。また、特許文献2には、患者が所持する携帯電話の電話料金に対して医療費を課金する課金処理システムが開示されている。この課金処理システムでは、患者から伝達された携帯電話の電話番号、患者の名前及び生年月日を登録しておき、医療施設からこれら情報の照会を行い、一致したことを条件として、医療施設からの医療費の課金が許可される。このような構成により、電話料金を利用した後払いが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4443946号公報
【文献】特許第5916181号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載される医療保険自己負担分の支払システム及び支払い方法では、被保険者が所持するICカード(被保険者証)を使用して会計が行われる。被保険者は、その日の診療が終了したところで、キャッシュレスによる会計処理を希望した場合、会計の受付者にICカードを提示する。受付者は、ICカードを使用して、資格認証がなされていること、キャッシュレススシステムの登録者であることを確認し、キャッシュレスによる支払い扱いとする。
【0006】
特許文献2に記載される課金処理システムでは、利用者が診療を受ける際、医療機関の窓口にて、後払いサービスを利用する旨を申し出る。その際、利用者は、携帯電話から送信した電番を窓口の担当者に口頭で電番を伝える、あるいは、近距離無線通信を介して電番を送信する、あるいは、携帯電話にバーコードを表示させバーコードリーダに読み取らせることで、電番を医療期間に伝える。担当者は、電番と享受者の名前と享受者の生年月日を確認することで、後払いサービスの利用可否を確認することとしている。
【0007】
このように、特許文献1では、キャッシュレスによる支払を行う際は、ICカード(被保険者証)を提示することが必須となっている。また、被保険者は、診察終了後に会計の受付において申し出、ICカードの提示などが必要となる。また、特許文献2においても、診療後に医療機関の窓口に立ち寄る必要がある。また、利用者は電番を何らかの形態で窓口の担当者に電番を伝えなくてはならない。そして、特許文献1、2のどちらも、依然、医療機関の窓口で担当者と対面して手続きを行うという面倒がある。
【0008】
本発明は、このような医療施設における医療費の支払いについて、窓口に立ち寄ることなく、また、簡易に手続きを済ませることを可能とすることを1つの目的としている。また、ユーザが所持する携帯端末に、診察券を安全に登録可能とすることを1つの目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1-1-1の構成に係る医療施設用受付システムは、
受付装置と、前記受付装置と通信可能な管理サーバと、携帯端末で実行可能なプログラムと、を含んで構成される医療施設用受付システムであって、
前記受付装置は、各種情報を表示可能な表示部と、診察コード情報を読み取る読み取り部と、を有し、受付処理を実行可能とし、
受付処理は、
ユーザが所持する前記携帯端末から、患者識別情報と、前記携帯端末の端末識別情報とを含んだ診察コード情報を読み取り、
読み取られた診察コード情報に含まれる患者識別情報に基づき、受診の受付を行い、
読み取られた診察コード情報に含まれる端末識別情報に基づき、前記管理サーバに対してクレジットカード払いの可否を確認し、クレジットカード払いが可能な場合、受診完了後に行われる医療費の支払い用としてクレジットカードを登録し、
前記管理サーバは、クレジットカード払いの可否の確認のため、前記受付装置から送信された端末識別情報を受信し、受信した端末識別情報を決済サーバに送信し、
決済サーバは、端末識別情報に対応付けてクレジットカードに関するカード関連情報が登録されている場合、クレジットカード払い可能である旨を前記管理サーバに通知する。
また、第1-1-2に係る医療施設用受付システムは、
受付装置と、前記受付装置と通信可能な管理サーバと、携帯端末で実行可能なプログラムと、を含んで構成される医療施設用受付システムであって、
前記受付装置は、各種情報を表示可能な表示部と、診察コード情報を読み取る読み取り部と、を有し、受付処理を実行可能とし、
受付処理は、
ユーザが所持する前記携帯端末から、患者識別情報と、前記携帯端末の端末識別情報とを含んだ診察コード情報を読み取り、
読み取られた診察コード情報に含まれる患者識別情報に基づき、受診の受付を行い、
読み取られた診察コード情報に含まれる端末識別情報に基づき、前記管理サーバに対してクレジットカード払いの可否を確認し、クレジットカード払いが可能な場合、受診完了後に行われるクレジットカードによる医療費の支払い用としてクレジットカードを登録し、
前記受付装置は、
患者識別情報と、患者の氏名を含んで構成される登録コード情報を表示部に表示する受付装置側診察券登録処理を実行可能とし、
前記携帯端末は、
前記受付装置に表示された登録コード情報を読み取り、読み取った登録コード情報に基づき、患者識別情報に対応する患者の診察券を登録する携帯端末側診察券登録処理を実行可能とする。
また、第1-1-3に係る医療施設用受付システムは、
受付装置と、前記受付装置と通信可能な管理サーバと、携帯端末で実行可能なプログラムと、を含んで構成される医療施設用受付システムであって、
前記携帯端末で実行可能なプログラムは、複数の診察券を登録可能とし、
前記受付装置は、各種情報を表示可能な表示部と、診察コード情報を読み取る読み取り部と、を有し、受付処理を実行可能とし、
受付処理は、
ユーザが所持する前記携帯端末から、前記携帯端末で選択された診察券に対応する患者識別情報と、前記携帯端末の端末識別情報とを含んだ診察コード情報を読み取り、
読み取られた診察コード情報に含まれる患者識別情報に基づき、受診の受付を行い、
読み取られた診察コード情報に含まれる端末識別情報に基づき、前記管理サーバに対してクレジットカード払いの可否を確認し、クレジットカード払いが可能な場合、受診完了後に行われる医療費の支払い用としてクレジットカードを登録する。
【0010】
さらに、第1-2の構成に係る医療施設用受付システムは、
管理サーバは、クレジットカード払いの可否の確認のため、受付装置から送信された端末識別情報を受信し、受信した端末識別情報を決済サーバに送信し、
決済サーバは、端末識別情報に対応付けてクレジットカードに関するカード関連情報が登録されている場合、クレジットカード払い可能である旨を管理サーバに通知する。
【0011】
さらに、第1-3の構成に係る医療施設用受付システムは、
携帯端末は、決済サーバに対して、クレジットカードに関するカード関連情報を、当該携帯端末の端末識別情報に対応付けて登録する。
【0012】
さらに、第1-4の構成に係る医療施設用受付システムは、
携帯端末は、診察コード情報をバーコードの形態で表示し、
受付装置は、診察コード情報を読み取るバーコードリーダを備える。
【0013】
さらに、第1-5の構成に係る医療施設用受付システムは、
携帯端末は、診察コード情報を、患者識別情報と、携帯端末の端末識別情報とを含んだ2次元バーコードの形態と、患者識別情報を含み、携帯端末の端末識別情報を含まない1次元バーコードを切り替え可能とする。
【0014】
さらに、第1-6の構成に係る医療施設用受付システムは、
受付装置は、
患者識別情報と、患者の氏名を含んで構成される登録コード情報を表示部に表示する受付装置側診察券登録処理を実行可能とし、
携帯端末は、
受付装置に表示された登録コード情報を読み取り、読み取った登録コード情報に基づき、患者識別情報に対応する患者の診察券を登録する携帯端末側診察券登録処理を実行可能とする。
【0015】
さらに、第1-7の構成に係る医療施設用受付システムは、
携帯端末は、複数の診察券を登録可能とする。
【0016】
さらに、第1-8の構成に係る医療施設用受付システムは、
携帯端末は、複数の医療施設毎に診察券を登録可能とし、医療施設の切り替えを行うことが可能である。
【0017】
さらに、第1-9の構成に係る医療施設用受付システムは、
携帯端末側診察券登録処理は、診察券を登録する際、読み取った登録コード情報の患者識別情報と、携帯端末の端末IDを含む登録完了情報を管理サーバに送信し、
管理サーバは、受信した登録管理情報に基づき、患者識別情報に端末IDを対応付けた紐づけ情報を記憶し、
患者識別情報は、1の患者識別情報に対して複数の端末IDを対応付けることが可能である。
【0018】
さらに、第1-10の構成に係る医療施設用受付システムは、
携帯端末は、
携帯端末に登録された診察券に対して削除指示が行われた場合、削除指示の対象となった診察券の患者識別情報と、端末IDを含む削除指示情報を管理サーバに送信し、
管理サーバは、削除指示情報を受信した場合、受信した削除指示情報に含まれる患者識別情報に対応する紐づけ情報を参照し、紐づけ情報に含まれる端末IDに対して、削除指示の対象となった診察券を削除する削除要求情報を送信する。
【0019】
また、本明細書で開示する医療施設用受付システムは、以下に示す第2―1から第2-5の構成を備えるものである。
【0020】
第2-1の構成に係る医療施設用受付システムは、
受付装置と、受信装置と通信可能な管理サーバと、携帯端末で実行可能なプログラムと、を含んで構成される医療施設用受付システムであって、
受付装置は、
患者識別情報と、患者の氏名を含んで構成される登録コード情報を表示部に表示する受付装置側診察券登録処理を実行可能とし、
携帯端末は、
受付装置に表示された登録コード情報を読み取り、読み取った登録コード情報に基づき、患者識別情報に対応する患者の診察券を登録する携帯端末側診察券登録処理を実行可能とする。
【0021】
第2-2の構成に係る医療施設用受付システムは、
携帯端末は、複数の診察券を登録可能とする
【0022】
第2-3の構成に係る医療施設用受付システムは、
携帯端末は、複数の医療施設毎に診察券を登録可能とし、医療施設の切り替えを行うことが可能である
【0023】
第2-4の構成に係る医療施設用受付システムは、
携帯端末側診察券登録処理は、診察券を登録する際、読み取った登録コード情報の患者識別情報と、携帯端末の端末IDを含む登録完了情報を管理サーバに送信し、
管理サーバは、受信した登録管理情報に基づき、患者識別情報に端末IDを対応付けた紐づけ情報を記憶し、
患者識別情報は、1の患者識別情報に対して複数の端末IDを対応付けることが可能である。
【0024】
第2-5の構成に係る医療施設用受付システムは、
携帯端末は、
携帯端末に登録された診察券に対して削除指示が行われた場合、削除指示の対象となった診察券の患者識別情報と、端末IDを含む削除指示情報を管理サーバに送信し、
管理サーバは、削除指示情報を受信した場合、受信した削除指示情報に含まれる患者識別情報に対応する紐づけ情報を参照し、紐づけ情報に含まれる端末IDに対して、削除指示の対象となった診察券を削除する削除要求情報を送信する。
【発明の効果】
【0025】
第1の構成(第1-1から第1-10の構成)に係る医療施設用受付システムによれば、医療施設で受付を行うユーザは、診察コード情報を読み取らせることで、受信の受付、及び、クレジットカードによる支払い登録を完了することが可能となる。したがって、受診完了後に受付に立ち寄り、支払い手続きを行う必要がなく、ユーザ、並びに、医療施設の管理者の手間を削減することが可能となる。また、ユーザが所持する携帯端末を使用することが可能であるため、診察券等を携行する必要もない。
【0026】
第2の構成(第2-1から第2-5の構成)に係る医療施設用受付システムによれば、ユーザが所持する携帯端末に診察券を登録することが可能となり、ユーザは診察券等を携行する必要がない。また、携帯端末に対する診察券の登録は、受付装置を使用して行われるため、セキュリティ上、安全な形態で行うことが可能となる。さらに、携帯端末に登録された診察券を削除する際、他の携帯端末に登録された同じ患者の診察券を削除することが可能であり、診察券管理の利便性向上が図られている。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本実施形態に係る受付システムの構成を示す図
図2】本実施形態に係る受付装置の正面図
図3】本実施形態に係る受付装置の構成を示すブロック図
図4】本実施形態に係る受付装置の各種画面を示す図
図5】本実施形態に係る受付装置の各種画面を示す図
図6】本実施形態に係る受付処理(受付装置側)を示すフロー図
図7】本実施形態に係る受信受付処理(受付装置側)を示すフロー図
図8】本実施形態に係る受付システムで使用する各種データ構成を示す図
図9】本実施形態に係る診察券登録処理(受付装置側)を示すフロー図
図10】本実施形態に係る診察券登録処理(携帯端末側)を示すフロー図
図11】本実施形態に係る診察券削除処理(携帯端末側)を示すフロー図
図12】本実施形態に係る診察券管理処理(管理サーバ側)を示すフロー図
図13】本実施形態に係る携帯端末の各種画面を示す図
図14】本実施形態に係る携帯端末の各種画面を示す図
図15】本実施形態に係る携帯端末の各種画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、本実施形態に係る受付システムの構成を示す図である。本実施形態の受付システムは、病院等、各種医療施設において、2回目以降の受診を行う際、診察の受付(チェックイン)を簡易に行うことを可能とするシステムである。本実施形態の受付システムは、医療施設の出入口72の近傍に位置するロビー内に設置されている。受付システムは、ロビー内に配置されユーザによって操作される受付装置1a、1b、病院受付71内等に配置され、従業員によって操作される管理コンピュータ3を有して構成されている。なお、複数のユーザに同時にサービスを提供できるように受付装置1a、1bは複数台(本実施形態は2台)配置されている。
【0029】
受付装置1a、1bと管理コンピュータ3は、LAN51を介して互いに通信可能に接続されている。管理コンピュータ3には、各種情報を表示するためのモニタ42、キーボード、マウス等、従業員による入力を受け付けるための入力装置41が接続されている。また、レシート形態の用紙に印字を行うレシートプリンタ44、診察券に記憶された情報を読み込む(書き込むことを可能としてもよい)ためのカードリーダ43も接続されている。
【0030】
図2は、本実施形態に係る受付装置1の正面図である。受付装置1は、それに対面して操作を行うユーザに対し、新患受付、再来受付(チェックインともいう)等、各種サービスを提供可能とする装置である。本実施形態の受付装置1は、タッチパネルモニタ12、カードリーダ14、スキャナ15a、バーコードリーダ15b、レシートプリンタ16a、プリンタ16bを備えて構成されている。これら構成は、受付装置1に対して操作を行うユーザに対し、ユーザインターフェイスとして機能する。
【0031】
タッチパネルモニタ12は、対面して操作を行うユーザに対して、視覚的な情報を表示するとともに、ユーザのタッチ操作を受け付け可能としている。カードリーダ14は、ユーザが所持する磁気カード、あるいは、ICカードで構成された診察券から、それに記憶されている患者ID等、各種情報を読み取る。また、カードリーダは、医療費支払いのために使用するクレジットカードの読み取り機能を備えることとしてもよい。スキャナ15aは、保険証の読み取り用に設けられたフラットベッド型であって、再来受付時、当月の初診の場合など、保険証の提示が必要とされる場合、このスキャナ15aを使用して、ユーザが所持する保険証を読み取る。
【0032】
バーコードリーダ15bは、印刷物に印刷されたバーコード(1次元バーコード、2次元バーコードのどちらも読み取り可能)、あるいは、ユーザが所持する携帯端末に表示されているバーコード等、各種バーコードを読み取ることが可能である。なお、スキャナ15a、バーコードリーダ15bは、両者を設けることに代え、カメラを使用する等、共通の読み取り部とすることとしてもよい。
【0033】
本実施形態の受付装置1は、ユーザに紙媒体を提供するため、レシートプリンタ16aと、プリンタ16bが設けられている。レシートプリンタ16aは、レシートとして使用される感熱紙に印字する簡易なプリンタであって、再来受付時に発行される受付完了表、あるいは、予約受付時に発行される予約表等の印字に使用される。また、プリンタ16bは、レーザプリンタやインクジェットプリンタ等、通常紙にトナー、あるいは、インクを使用して印刷を行うものであって、医療費支払時に発行される診療明細、領収書等の印刷に使用される。
【0034】
図3は、本実施形態に係る受付装置1の構成を示すブロック図である。受付装置1は、通常のコンピュータと同様、制御部としてのCPU11a、ROM11b、RAM11c、画像処理部11d、音声処理部11eを備えて構成されている。また、ハードディスク18等、各種情報を記憶する記憶部を有している。また、インターフェイス17を介して、カードリーダ14、スキャナ15a、バーコードリーダ15b、レシートプリンタ16a、プリンタ16b、LAN通信部17aが接続されており、制御部による制御が可能となっている。
【0035】
画像処理部11dには、タッチパネルモニタ12が接続されている。タッチパネルモニタ12は、ユーザに対して各種情報を表示する表示部12bと、ユーザによるタッチ操作を受け付けるタッチパネル12aを備えて構成されている。タッチパネル12aは、インターフェイス17に接続されており、ユーザによるタッチ操作を制御部に伝達することが可能となっている。音声処理部11eには、ユーザに対して聴覚的な情報を伝達するスピーカが接続されている。
【0036】
インターフェイス17には、図2で説明したカードリーダ14、レシートプリンタ16a、プリンタ16b、スキャナ15a、バーコードリーダ15b、タッチパネル12aが接続されており、制御部の制御に基づいて各種処理を実行する。この他、インターフェイス17には、各種通信を行う手段として、LAN通信部17aが接続されている。LAN通信部17aは、LAN51に接続され、図1で説明した管理コンピュータ3等、LAN上の各種情報処理装置、あるいは、ルータ52を介してインターネットと通信することが可能となっている。
【0037】
インターネットには、受付装置1と通信を行い、各種処理を実行する管理サーバ62が設けられている。また、インターネットには、クレジットカードによる決済を行う決済サーバ61が設けられている。以上、図1図3を用いて説明した受付システムを使用して、ユーザに対する各種サービスを実行することが可能である。
【0038】
ここで、本実施形態の受付システムで使用する各種情報のデータ構成について説明しておく。図8には、本実施形態に係る受付システムで使用する各種データ構成が記載されている。管理コンピュータ3には、初診時等のタイミングで、事前に登録された患者基本情報が記録されている。図8(A)に示されるように、患者基本情報は、患者ID、施設ID、氏名、住所、性別、生年月日、電話番号、保険証情報等、ユーザとしての患者に関する情報が登録されている。保険証情報には、保険証種別、保険証番号、有効期限等が含まれている。
【0039】
本実施形態では、患者IDと医療施設IDを組み合わせてシステムIDとして使用している。本実施形態の管理サーバ62は、複数の医療施設を管理することを前提としている。したがって、患者IDと医療施設IDを組み合わせたシステムIDを参照することで、医療施設、及び、患者を特定することが可能となる。医療施設内のみで患者を特定する際は、患者IDのみで足りるが、管理サーバ62等において患者を特定する際は、システムIDを使用することが好ましい。なお、患者ID、システムIDは、何れも患者を識別するための情報であるため、どちらも本発明における「患者識別情報」に相当する。
【0040】
管理コンピュータ3には、診療予約に関する予約情報も登録されている。図8(B)に示されるように、予約情報は、患者ID、予約日、予約時間帯、診療科情報、医師情報を含んで構成されている。本実施形態では、予約日と予約時間帯が指定される予約形態としているが、予約形態は、このような形態に限られるものでは無く、予約日のみとする、あるいは、予約日と予約時間とする等、各種形態を採用することが可能であって、医療施設の予約形態に応じて、予約情報内の情報は適宜変更される。
【0041】
図4(A)は、本実施形態に係る受付装置1のタッチパネルモニタ12に表示される初期画面を示す図である。ユーザにより操作が行われていないアイドル時、受付装置1には、この初期画面が表示されている。初期画面には、3種類(診察券、携帯アプリ、予約票)のバーコードを読み取ることが可能なメッセージが表示されている。ユーザは、所持する診察券に印字されたバーコード、携帯端末の画面に表示されるバーコード、予約票に印字されたバーコードの何れかを、受付装置1のバーコードリーダ15bに読み取らせる。
【0042】
本実施形態では、診察券、予約票に印字されるバーコードに1次元バーコードを使用し、携帯端末で表示される診察券のバーコードに2次元バーコード(QRコード(登録商標))を使用している。そして、1次元バーコードには、システムID(患者IDのみでも可能)が含まれている。一方、2次元バーコードには、システムIDに加え、バーコードを表示する携帯端末を識別可能な端末ID(端末識別情報)が含まれている。端末IDとしては、広告ID等、携帯端末に割り当てられているID(識別情報)の他、携帯端末にインストールされたアプリ(プログラム)で発行されたID(識別情報)等、携帯端末を識別可能な各種IDを使用することが可能である。
【0043】
ここで、携帯端末におけるクレジットカードの登録について説明しておく。本実施形態では、携帯端末にクレジットカードを登録しておくことで、受付処理において、当日の診察の受付のみならず、当該診察に対する支払登録も行うことが可能となっている。受付処理で支払登録を行うことで、診療終了後、ユーザは支払のため、受付窓口、受付装置、あるいは、精算機等に立ち寄る必要無く、帰宅することが可能となる。
【0044】
図13は、ユーザが所持する携帯端末に表示される各種画面を示す図である。図13(A)は、携帯端末にインストールされたアプリ(プログラム)で表示されるトップ画面である。携帯端末は、タッチパネルモニタ25を備え、各種表示、並びに、タッチ操作による操作を行うことが可能となっている。本実施形態では、1つのアプリ(プログラム)で複数の医療施設で使用することが可能である。画面上部には、現在、使用中の医療施設名251aが表示されている。医療施設は、ボタン251eを操作することで切り替えることが可能である。
【0045】
「医療費支払い」と表記されたボタン251cを操作することで、携帯端末のアプリ(プログラム)にクレジットカードを登録することが可能である。ボタン251cが操作されると、図13(B)に示されるクレジットカード設定画面が表示される。図13(B)は、クレジットカードが未登録の状態である。ボタン252を操作することで、クレジットカードをアプリ(プログラム)に追加(登録)することが可能である。ボタン252が操作された場合、図13(C)に示される入力画面に遷移する。入力画面には、カード番号、有効期限、セキュリティコード等、カード関連情報を入力する入力欄253が設けられている。ユーザは、入力画面に表示されたテンキー254を操作し、登録ボタン253aを操作することで、クレジットカードの登録を完了する。
【0046】
登録されたクレジットカードに関するカード関連情報は、インターネットを経由して決済サーバ61に登録される。その際、前述した携帯端末の端末IDと、カード関連情報が対応付けて登録される。なお、カード関連情報、及び、端末IDは、直接、決済サーバ61に送信され、登録されてもよいし、管理サーバ62を経由して決済サーバ61送信、登録されることとしてもよい。このように決済サーバ61にカード関連情報、及び、端末IDを登録しておくことで、受付処理時に支払登録を行うことが可能となる。
【0047】
次に、受付装置1で実行され、支払登録を可能とする受付処理について説明する。図6は、受付装置1で実行される受付処理のフロー図である。バーコードリーダ15b(読取り部)によりバーコードが読み取られる(S101:Yes)と、読み取られたバーコードが端末IDを含むか否かが判定される(S102)。本実施形態では、携帯端末で表示する診察券画面に2次元バーコードで構成された診察コード情報を表示させている。なお、本実施形態では、診察コード情報に2次元バーコードを使用し、診察コード情報を読み取る読取り部にバーコードリーダ15bを使用している。このような形態に代え、受付装置は、患者IDと端末IDを含んだ診察コード情報を、近距離無線通信(NFC:Near field communication)等による無線通信を使用して携帯端末から読み取る(受信する)こととしてもよい。
【0048】
図8(D)には、携帯端末に表示される診察コード情報のデータ構成が示されている。診察コード情報には、システムID(患者ID、医療施設ID)と、端末IDが含まれている。図14(D)は、携帯端末に表示される診察券画面である。診察券画面には、患者名、医療施設名、2次元バーコードで構成された診察コード情報256a等を含む診察券表示欄256が表示されている。ま、携帯端末では、複数の患者の診察券を管理することが可能であり、患者名257a、257bを操作することで、診察券表示の対象となる患者を切り替えることが可能となっている。一方、紙やプラスチックで提供される診察券、あるいは、予約票には、1次元バーコードを使用している。これらの1次元バーコードには、患者を識別するためのシステムIDが含まれており、端末IDは含まれていない。
【0049】
読み取られたバーコードが端末IDを含んでいない場合(S102:No)、すなわちシステムIDである場合、バーコードに含まれるシステムIDを管理コンピュータに送信する(S103)。システムIDを受信した管理コンピュータ3は、受付処理に必要な受診関連情報を受付装置1に送信する。ここで、受診関連情報とは、図8(A)に示される患者基本情報中、受付処理に必要となる情報(例えば、氏名、保険証情報)、そして、当日の予約がある場合には、図8(B)に示される予約情報等を含んで構成される。受付装置1は、受診関連情報を受信(S104)し、トップ画面を表示する(S107)。
【0050】
一方、読み取られたバーコードが端末IDを含んでいる場合(S102:Yes)、すなわちシステムID、端末IDを含んでいるである場合、バーコードに含まれるシステムIDを管理コンピュータに送信する(S103)とともに、システムID、端末IDを管理サーバ62に送信する。受付装置1は、システムIDを使用して受診関連情報を受信し、トップ画面を表示する(S103、S104、S107)。一方、システムID、端末IDを受信した管理サーバは、決済サーバ61に対して、端末IDにカード関連情報が対応付けて登録されているか否かの確認を問う。その際、カード関連情報のクレジットカードが使用可能であるか否かの確認も問われる。決済サーバ61は、端末IDに対してカード関連情報が登録されており、クレジットカードも使用可能である場合は、使用可能である旨を、管理サーバ62に対して返信する。一方、端末IDに対してカード関連情報が登録されていない、あるいは、登録されていてもクレジットカードが使用可能でない場合は、使用可能でない旨を、管理サーバ62に対して返信する。
【0051】
管理サーバ62は、決済サーバ61からの返信に基づき、クレジットカードが使用可能か否かを示す使用可否情報を受付装置1に対して送信する。受付装置1は、管理サーバ62から送信された使用可否情報を受信(S106)し、後の支払登録に使用する。
【0052】
図4(B)は、受付装置1で表示されるトップ画面を示す図である。本実施形態では、バーコードの読み取りにより、受信した受診関連情報に基づき、受信を行う患者名が表示されている。また、「受診受付」と表記されたボタン121a、「携帯端末利用登録」と表記されたボタン121b、戻るボタン122が表示されている。「受診受付」と表記されたボタン121aが操作された場合(S108:受診受付)、受診受付処理(S200)が実行される。一方、「携帯端末利用登録」と表記されたボタン121bが操作された場合(S108:診察券登録)、診察券登録処理(S250)が実行される。
【0053】
まず、受診受付処理(S200)について説明する。図7は、受付装置1で実行される受診受付処理(S200)を示すフロー図である。受診受付処理は、当日の診察、診療といった受診に関する受付を行う処理である。受診受付処理では、まず、受付処理中、S104で受信した受診関連情報に基づき、当日の予約の有無が確認される(S201)。予約されている場合、すなわち、受診関連情報に、図8(B)に示される予約情報が含まれている場合、図5(D)に示される受診科確認画面が表示される。受診科確認画面には、受診科名、時間、受診内容を示す表示欄125、操作を進める、あるいは、前の画面に戻るボタン126a、126bが表示されている。
【0054】
一方、当日の予約が無い場合(S201:No)、受診科選択画面(図示せず)が表示され、ユーザは受診したい受診科等を選択することが可能である(S203)、受診科の確認(あるいは、選択)を終えたユーザは、受診科確認画面のボタン126bを操作する。受付装置1では、受診関連情報に基づき、保険証の提示が必要であるか否かを判定する(S204)。保険証の提示が必要な場合(S204:Yes)、図5(E)に示される読み取り説明画面が表示され、保険証をスキャナ15aに読み取らせる指示が行われる。読み取り説明画面には、読み取りボタン127が設けられている。ユーザは、保険証をスキャナ15a上に設置し、読み取りボタン127を操作することで、保険証の読み取りが実行される(S205)。一方、保険証の提示が必要ない場合(S204:No)、保険証の読み取り(S205)は、スキップされる。
【0055】
本実施形態では、受付処理時にクレジットカードによる支払登録を行うことが可能である。支払登録するための支払登録処理(S206~S212)は、図6のS106で受信した使用可否情報に基づいて実行される。使用可否情報を受信し、かつ、使用可否情報がクレジットカードの使用可能を示している場合(S206:Yes)、支払登録確認画面が表示される(S207)。図5(F)は、受付装置1で表示される支払登録確認画面を示す図である。支払登録確認画面には、登録済みのクレジットカードに関する一部情報130(本実施形態では、カード番号の末尾4桁)、支払登録の可否を選択するボタン129a、129bが表示されている。なお、登録済みのクレジットカードに関する一部情報130は、決済サーバ61から受信する。
【0056】
支払登録確認画面において、ボタン129aが操作され、支払登録することが選択された場合(S208:Yes)、受付装置1は、決済サーバ61に対して与信請求情報を送信する(S209)。与信請求情報は、所定額の与信枠を確認、確保するための情報であり、今回使用されている携帯端末の端末IDが送信される。また、与信請求情報には、与信額を含めることとしてもよい。なお、与信額を含めない場合には、決済サーバ61側で予め定められた与信額が設定される。決済サーバ61は、支払登録を予定するクレジットカードの与信枠が確保できた場合、管理サーバ62に対して与信枠が確認できた旨を通知する。管理サーバ62は、与信枠が確認できた場合、後払い受付情報を記憶する。
【0057】
図8(G)には、後払い受付情報のデータ構成が示されている。後払い受付情報には、決済サーバ61で与信枠が確認されたクレジットカードに対応する端末IDが含まれている。後払い受付情報は、当該IDに、システムID、及び、日付情報を含んで構成される。本実施形態では、支払登録処理が行われた日、すなわち、患者が受診した当日のみ後払いによる精算処理を可能としている。日付情報は、そのために必要となる情報であって、支払登録処理が行われた日付となっている。
【0058】
受付装置1は、与信確認を受信した場合(S210:Yes)、レシートプリンタ16aに後払い受付票を印字させる(S211)。一方、与信確認が受信できない場合、あるいは、与信不可情報を受信した場合(S210:No)、タッチパネルモニタ12にエラーメッセージが表示される(S212)。その後、受診科等が記載された受信受付票が、プリンタ16bで印字(S213)され、受信受付処理は終了する。
【0059】
このように本実施形態では、受診受付処理において、クレジットカードによる支払登録を行うことが可能となっている。ユーザは、携帯端末に表示された診察券画面を、受付装置1に読み取らせるだけで、当日の受診受付と、クレジットカードによる支払登録を完了することが可能となっている。
【0060】
医療施設では、患者の受診後、受信に関する医療費が管理コンピュータ3に計上される。管理コンピュータ3は、管理サーバ62に対して、システムID、医療費を含む請求情報を管理サーバ62に対して送信する請求処理を実行する。管理サーバ62では、システムIDに対応する後払い受付情報が記憶されているか否かを確認する。後払い受付情報が記憶されている場合、日付情報を確認し、医療費の計上された日付が、日付情報の日付と同じであるか否かを確認する。日付情報が同じで無い場合には、不正な医療費の請求であることも考えられるため、請求情報による請求をは、却下される。一方、日付情報の条件を満たす場合には、後払い受付情報に記憶される端末ID、及び、医療費を含む精算情報を、管理サーバ62に対して送信する。決済サーバ61は、精算情報に含まれる端末IDに対応付けられたクレジットカードに対し、医療費の精算を行うことで精算処理が完了する。
【0061】
このように本実施形態では、患者を識別するためのシステムIDに対して、クレジットカードを対応付けるのではなく、決済サーバ61では、端末IDとクレジットカードを対応付けておき、携帯端末あるいは管理サーバ62において、システムIDと端末IDを対応付けておくことで、管理サーバ62、あるいは、携帯端末において、クレジットカードに関する情報を記憶しておく必要が無い。したがって、個人情報の扱い、セキュリティにおける安全が図られている。また、システムIDとクレジットカードを直接対応付けた場合、クレジットカードを変更する場合等、その取り扱いが困難となることが考えられるが、本実施形態のように、端末IDを使用することで、ユーザ側で容易にクレジットカードを変更することも可能となる。
【0062】
本実施形態の支払登録処理においては、1つの携帯端末において1つのクレジットカードを登録することが可能となっていた。このような実施形態のみならず、1つの携帯端末において複数のクレジットカードを登録可能としてもよい。ユーザは、患者毎、あるいは、医療施設毎に使用するクレジットカードを選択することが可能となる。なお、複数のクレジットカードが登録されている場合には、例えば、図5(F)において、登録されている複数のクレジットカードについて、一部情報130を表示し、ユーザに選択させることが考えられる。
【0063】
あるいは、携帯端末において、診察券毎、あるいは、医療施設毎に使用するクレジットカードを予め対応付けておくことで、受診当該診察券、あるいは、受診する医療施設に対応するクレジットカードを使用することとしてもよい。1つの携帯端末において1つのクレジットカードを登録する場合には、決済サーバ61において、端末IDにカード番号等、クレジットカードに関する情報が対応付けて登録される。一方、例えば、携帯端末で管理する診察券に対応付けてクレジットカードを登録する場合、決済サーバ61には、端末ID、クレジットカードに関する情報に加え、種別情報を加えて登録しておくことが考えられる。診察券の診察コード情報256aには、システムID、端末IDに加え、使用する診察券に応じた種別情報を含めておくことで、決済サーバ61側のクレジットカードを特定することが可能となる。
【0064】
上述した各種形態、すなわち、(1)全ての診察券について1のクレジットカードを使用する形態、(2)複数のクレジットカードを選択して利用する形態、(3)診察券、あるいは、医療施設について使用するクレジットカードを予め登録しておく形態は、(1)~(3)何れかの形態を使用する、あるいは、可能な範囲において、(1)~(3)を併用することも可能である。
【0065】
次に、図4(B)のトップ画面中、「携帯端末利用登録」と表記されたボタン121b操作された場合に実行される診察券登録処理について説明する。図9は、受付装置1側で実行される診察券登録処理を示すフロー図であり、図10は、ユーザが所持する携帯端末側で実行される携帯登録処理を示すフロー図である。図4(B)のトップ画面においてボタン121bが操作された場合、受付装置1では、図9の診察券登録処理が実行される。受付装置1側の診察券登録処理では、機能追加確認画面が表示される。
【0066】
図4(C)は、受付装置1に表示される機能追加確認画面を示す頭である。機能追加確認画面には、2次元バーコードで構成された登録コード情報123、戻るボタン124が表示されている。図8(C)には、登録コード情報に含まれる情報が示されている。登録コード情報には、患者IDと医療施設IDで構成されたシステムIDの他、氏名、住所、性別、生年月日、電話番号等、携帯端末に診察券を登録するために必要な情報が含まれている。また、本実施形態では、登録コード情報の有効性を示す有効識別情報が含まれている。例えば、図4(C)の機能追加確認画面が盗撮された場合、盗撮された登録コード情報123を使用して悪用することが考えられる。有効識別情報は、このような状況を防ぐために設けられた情報であって、有効識別情報に基づき、登録コード情報が表示されてから所定期間(例えば5分)のみ、携帯端末への登録を行うことを可能としている。また、登録コード情報に含まれる情報は暗号化されており、携帯端末のアプリ(プログラム)が有する復号化キーを使用して復号化することが可能となっている。本実施形態では、昨日塚確認画面において、戻るボタン124が操作されることで、受付装置1側の診察券登録処理(S250)は終了する。
【0067】
一方、携帯端末側では、図14(D)の診察券画面において、追加ボタン255を操作することで診察券登録処理が開始される。診察券登録処理が開始されると、図14(E)の説明画面が表示され、受付装置側で登録コード情報123を表示させる操作が要求される(S301)。また、「2次元バーコード読み取り」と表記されたボタン258が設けられており、このボタン258を操作すること(S302:Yes)で、読み取り画面が表示される(S303)。図14(F)は、携帯端末に表示される読み取り画面である。読み取り画面には、読み取り表示領域249a、キャンセルボタン259bが設けられている。読み取り表示領域249aには、携帯端末のカメラで撮影中の画像が表示される。ユーザは、この読み取り表示領域249a内に、登録コード情報123を位置させることで、携帯端末による登録コード情報123の読み取りが実行される。
【0068】
携帯端末において、登録コード情報の読み取りが完了した場合(S304:Yes)、携帯端末の診察券画面には、新たな診察券が登録される(S305)。図15(G)は、図14(D)の状態から、新たな診察券が登録された状態であり、新たに登録された患者について診察券表示欄256、並びに、患者名257cが追加されている。また、携帯端末側の診察券登録処理では、管理サーバ62に対して登録完了情報を送信する(S306)。図8(E)には、登録管理情報のデータ構成が示されている。登録管理情報には、システムID(患者ID、医療施設ID)と、端末IDが含まれている。
【0069】
図12には、管理サーバ62で実行される診察券管理処理のフロー図が示されている。管理サーバ62は、登録管理情報を受診した場合(S401:Yes)、受診した登録管理情報に基づき、紐付け情報を登録する(S402)。ここで、システムIDが新規の場合、登録管理情報がそのまま紐付け情報として管理サーバ62に登録される。一方、登録管理情報に含まれるシステムIDが、紐付け情報として既に登録されている場合、既に登録されている紐付け情報に対して、新たな登録管理情報の端末IDが追加して登録される。図8(F)には、紐付け情報のデータ構成例が示されている。この例では、システムIDに対して、3つの端末IDが登録されている。すなわち、3台の携帯端末において、ある患者の診察券が登録されていることを示している。
【0070】
以上、本実施形態の診察券登録処理(S250)について説明したが、本実施形態では、診察券を携帯端末に登録する診察券登録処理を、受付装置1を使用して行うことで、セキュリティ上、安全な形態で、携帯端末に診察券を登録することが可能となっている。また、医療施設側の管理者による登録作業も不要であるため、医療施設側の作業量も無く、また、登録作業によりユーザが待たされることもない。
【0071】
ところで、本実施形態では、ある患者の診察券を複数の携帯端末に登録できるため、ある患者の診察券を複数の親族、あるいは、介護者の携帯端末で管理することが可能である。例えば、子供の診察券を、その父親、母親、それぞれの携帯端末で管理することが可能である。このような便利な側面を有するが、診察券を複数の携帯端末に登録することで、困る状況が生じることが考えられる。例えば、子供の診察券を、その父親、母親、それぞれの携帯端末で管理している状況において、父親と母親が離婚する状況が考えられる。例えば、診察券を登録した携帯端末において、予約状況を確認できる機能を設けた場合、子供の予約状況が、父親、母親の両方の携帯端末で確認できることになる。母親が親権を持つ場合、父親が母親につきまとうストーカー行為が行われた場合、父親の端末で、子供の予約状況が知り得る状態となってしまう。
【0072】
このような状況を考慮し、本実施形態では、診察券削除処理を行うことが可能となっている。ある携帯端末において、診察券が削除された場合、当該携帯端末に紐付けられている他の携帯端末についても当該診察券が削除されることとしている。図15(G)の診察券表示欄256には、診察券の削除を指示するためのゴミ箱アイコン256bが設けられている。このゴミ箱アイコン256bを操作することで、診察券表示欄256に表示中の診察券に対する削除指示を行うことが可能である。
【0073】
図11(A)は、ゴミ箱アイコン256bが操作される場合の診察券削除処理を示すフロー図である。ゴミ箱アイコン256bが操作され、表示されている診察券に対する削除指示がなされた場合(S321:Yes)、携帯端末は、削除要求情報を管理サーバに送信する(S322)する。ここで、削除要求情報には、削除対象となる診察券に対応するシステムIDと、当該携帯端末の端末IDが含まれている。そして、当該携帯端末内の指示された診察券を削除する(S323)。また、図12に示される診察券管理処理では、携帯端末から削除要求情報を受信した場合(S403:Yes)、削除要求情報に含まれるシステムIDを有する紐付け情報を読み出す(S404)。そして、紐付け情報中、削除要求情報を送信した以外の端末IDの携帯端末に対して削除指示情報を送信する(S405)。削除指示情報には、削除対象となる診察券を特定するためのシステムIDが含まれている。
【0074】
図11(B)は、紐付けられている携帯端末で実行される診察券削除処理を示すフロー図である。管理サーバ62から削除指示情報を受信した場合(S331)、削除指示情報に対応する診察券が削除される(S332)。そして、当該診察券が削除されたことを伝えるための削除メッセージが表示される(S333)。図11(B)の診察券削除処理は、携帯端末におけるアプリ(プログラム)の立ち上げ、あるいは、アプリ(プログラム)における画面の切り替え時等、携帯端末と、管理サーバ62が通信する適宜機会に実行することが可能である。
【0075】
このように、携帯端末では、複数の携帯端末に登録された診察券について、ある携帯端末で削除指示が行われた場合、当該携帯端末のみならず、他の携帯端末においても連動して削除されることになる。したがって、各種事情の中、他の携帯端末に登録された診察券を容易に削除することが可能となっている。なお、一旦削除した場合であっても、携帯端末で新たに診察券を登録することで、従前と同様に利用することが可能となる。
【0076】
次に、本実施形態の携帯端末で使用されるアプリ(プログラム)の機能について説明する。図14(D)等で説明したように、ユーザは携帯端末に診察券を登録することで、携帯端末を使用して受付処理を行うことが可能である。特に、携帯端末の診察券に表示させる診察コード情報256aに2次元バーコードを使用することで、比較的情報量の多い端末IDを含ませ、支払登録に使用することが可能となっている。ところで、医療施設では、患者を特定する際に診察券を使用することが考えられる。特に、携帯端末は、患者本人、あるいは、その親族などが所持しているため、患者を特定する際には安全性も高いことになる。
【0077】
しかしながら、医療施設内の各所に設置されるバーコードリーダは、1次元バーコードのみに対応しており、2次元バーコードに対応していない場合がある。このような状況を考慮し、本実施形態の携帯端末で表示される診察コード情報は、2次元バーコードの形態、1次元バーコードの形態を切り替えることが可能となっている。
【0078】
図15(G)に示される診察券表示欄256には、そのために使用される切り替えアイコン256cが設けられている。図15(G)に示される2次元バーコードの形態の診察コード情報256aにおいて、切り替えアイコン256cが操作された場合、図15(H)に示されるように、診察コード情報256aは、1次元バーコードの形態の診察コード情報256dに切り替えられる。このように、切り替えアイコン256cを操作するたびに、診察コード情報は、1次元バーコードの形態、2次元バーコードの形態に切り替えられ、医療施設内で使用されるバーコードリーダの読み取り形態に合った形態とすることが考えられる。したがって、例えば、採血を行う場合、患者、あるいは、患者に付き添う親族は、患者を特定するためのカルテ等を所持することなく、採血の現場に設置されたバーコードリーダ(1次元バーコードのみ対応)で、携帯端末に表示された診察コード情報256dを読み取らせることで、患者を特定することが可能となっている。このように、本実施形態の携帯端末では、医療施設内におけるレガシーシステムにも柔軟に対応することが可能となっている。
【0079】
以上、本発明に係る発明について、各種実施形態について説明を行ったが、本発明はこれら各種実施形態のみに限られるものではなく、それぞれの各種実施形態の構成を適宜組み合わせて構成した形態も本発明の範疇に属する。また、携帯端末で実行される携帯端末用プログラム(アプリ)についても本発明の範疇に属する。
【符号の説明】
【0080】
1(1a、1b):受付装置 16b:プリンタ
3:管理コンピュータ 17:インターフェイス
4:末尾 17a:LAN通信部
11a:CPU 18:ハードディスク
11b:ROM 25:タッチパネルモニタ
11c:RAM 41:入力装置
11d:画像処理部 42:モニタ
11e:音声処理部 43:カードリーダ
12:タッチパネルモニタ 44:レシートプリンタ
12a:タッチパネル 52:ルータ
12b:表示部 61:決済サーバ
14:カードリーダ 62:管理サーバ
15a:スキャナ 71:病院受付
15b:バーコードリーダ 72:出入口
16a:レシートプリンタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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