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特許7134167イメージセンサのピクセルアレイの明度補正
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】イメージセンサのピクセルアレイの明度補正
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/243 20060101AFI20220902BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20220902BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
H04N5/243
H04N5/369
H04N5/225 450
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019513080
(86)(22)【出願日】2017-09-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 EP2017072447
(87)【国際公開番号】W WO2018046589
(87)【国際公開日】2018-03-15
【審査請求日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】62/385,153
(32)【優先日】2016-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/693,295
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511006720
【氏名又は名称】ジーブイビービー ホールディングス エス.エイ.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】ロッテ イェルン
(72)【発明者】
【氏名】フィッセル リック
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-253725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222-5/257
H04N 5/30-5/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサ内の飽和した画素の明度を補正するために画像処理システムであって、
各々が画像データを捕捉するように構成された複数の画素を含む画素アレイと、
前記捕捉された画像データのための前記複数の画素のうちの少なくとも1つの画素の画素明度を測定するように構成された画素明度測定エンジンと、
前記測定された画素明度が所定の画素飽和閾値より高いときに、前記少なくとも1つ画素が飽和していると特定するように構成された画素飽和特定器と、
前記飽和した少なくとも1つの画素を補正するために補間された明度値を、前記飽和した少なくとも1つの画素の前記測定された明度値と、前記複数の画素の、前記飽和した少なくとも1つの画素に隣接する少なくとも1つの隣の画素の明度値とに基づいて計算するように構成された画素明度補間器と、
前記飽和した少なくとも1つの画素の前記画素明度を前記計算された補間された明度値に基づいて補正するように構成された画素明度補正器と、
表示装置上に、前記飽和した少なくとも1つの画素の前記補正された画素明度を有する前記捕捉された画像データを表示するように構成された画像生成器と、
を含む画像処理システム。
【請求項2】
前記画素飽和特定器はさらに、前記測定された画素明度が所定の画素不飽和閾値より低い場合に、前記少なくとも1つの画素は飽和していないと特定するように構成される、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項3】
前記画素明度補正器はさらに、前記画素飽和特定器が前記少なくとも1つの画素は飽和していないと特定したときに、前記画素明度を補正することなく、前記少なくとも1つの画素の前記測定された画素明度を使用するように構成される、請求項2に記載の画像処理システム。
【請求項4】
前記画素明度補間器はさらに、それぞれ前記飽和した少なくとも1つの画素と、前記少なくとも1つの隣の画素の測定されたゲインとを平均することにより、前記補間された明度値を計算するように構成される、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項5】
前記画素明度補正器はさらに、前記測定された画素明度が、前記所定の画素飽和閾値より高い所定の高い画素飽和閾値より高いとき、前記飽和した少なくとも1つの画素の前記測定された画素明度値を、前記少なくとも1つの隣の画素の前記明度値に置き換えることによって、前記飽和した少なくとも1つの画素の前記画素明度を補正するように構成された、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項6】
前記画素明度補正器はさらに、前記飽和した少なくとも1つの画素の前記測定された画素明度値を複数の隣の画素の平均明度値に置き換えるように構成される、請求項5に記載の画像処理システム。
【請求項7】
前記画素明度補間器はさらに、前記飽和した少なくとも1つの画素の前記測定された明度値と、少なくとも1つの隣の画素の前記明度値との加重平均を行うことによって、前記補間された明度値を計算するように構成される、請求項1に記載の画像処理システム。
【請求項8】
イメージセンサ内の飽和した画素の明度を補正するための画像処理システムであって、
カメラにより捕捉された画像データのための複数の画素の画素明度を測定するように構成された画素明度測定エンジンと、
前記複数の画素のうちの少なくとも1つの測定された画素明度を第一及び第二の飽和閾値と比較するように構成された画素飽和比較器と、
前記少なくとも1つの画素の前記測定された画素明度が前記第一の飽和閾値より低いときに、出力画素明度として前記少なくとも1つの画素の前記測定された画素明度を選択し、前記少なくとも1つの画素の前記測定された画素明度が前記第二の飽和閾値より高いときに、前記出力画素明度として少なくとも1つの隣の画素の測定された画素明度を選択するように構成された画素明度選択器と、
表示装置上に、前記複数の画素のうちの少なくとも1つの前記少なくとも1つの画素の前記選択された出力画素明度を有する前記画像データを表示するように構成された画像生成器と、
を含む画像処理システム。
【請求項9】
各々が前記画像データを捕捉するように構成された前記複数の画素を含む画素アレイをさらに含む、請求項8に記載の画像処理システム。
【請求項10】
少なくとも1つの画素の前記測定された画素明度が前記第一及び第二の飽和閾値間にあるとき、補間された明度値を計算するように構成された画素明度補間器をさらに含む、請求項8に記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記画素明度補間器はさらに、前記少なくとも1つの画素の測定された明度値と、前記複数の画素のうち、前記飽和した少なくとも1つの画素に隣接する少なくとも1つの隣の画素の明度値とに基づいて、前記補間された明度値を計算するように構成される、請求項10に記載の画像処理システム。
【請求項12】
前記画素明度補間器はさらに、それぞれ前記飽和した少なくとも1つの画素と、前記少なくとも1つの隣の画素の測定されたゲインとを平均することにより、前記補間された明度値を計算するように構成される、請求項11に記載の画像処理システム。
【請求項13】
前記画素明度補間器はさらに、前記飽和した少なくとも1つの画素の測定された明度値と、少なくとも1つの隣の画素の前記明度値との加重平均を行うことにより、前記補間された明度値を計算するように構成される、請求項10に記載の画像処理システム。
【請求項14】
捕捉された画像の飽和した画素の明度を補正するための画像プロセッサであって、
イメージセンサ内の少なくとも1つの画素が、前記少なとも1つの画素の画素明度が少なくとも1つの飽和閾値より高いときに飽和しているか否かを特定するように構成された画素飽和特定器と、
前記飽和した少なくとも1つの画素の前記画素明度を、前記イメージセンサ内の少なくとも1つの飽和していない画素の画素明度に基づく画素補正値に置き換えることによって、前記飽和した少なくとも1つの画素による1つ又は複数の画像アーチファクトのない補正された画像を生成するように構成された画像エンハンサと、
を含み、
前記飽和した少なくとも1つの画素の測定された明度値及び前記複数の画素のうち、前記飽和した少なくとも1つの画素に隣接する少なくとも1つの隣の飽和していない画素の明度値に基づいて、前記飽和した少なくとも1つの画素を補正するための前記画素補正値を計算するように構成された画素明度補間器をさらに含み、
前記画素明度補間器はさらに、それぞれ前記飽和した少なくとも1つの画素と、前記少なくとも1つの隣の飽和していない画素の測定されたゲインとを平均することにより、前記画素補正値を計算するように構成される、画像プロセッサ。
【請求項15】
表示装置上に、前記少なくとも1つのアーチファクトのない前記補正された画像を表示するように構成された画像生成器をさらに含む、請求項14に記載の画像プロセッサ。
【請求項16】
前記イメージセンサ内の少なくとも1つの画素の前記画素明度を測定するように構成された画素明度測定エンジンをさらに含む、請求項14に記載の画像プロセッサ。
【請求項17】
前記少なくとも1つの画素の前記測定された画素明度が前記少なくとも1つの飽和閾値より低いときに、前記画素補正値として前記少なくとも1つの画素の前記測定された画素明度を選択するように構成された画素明度選択器をさらに含む、請求項16に記載の画像プロセッサ。
【請求項18】
前記画素明度選択器はさらに、前記少なくとも1つの画素の前記測定された画素明度が前記少なくとも1つの飽和閾値より高いときに、前記画素補正値として少なくとも1つの隣の画素の測定された画素明度を選択するように構成される、請求項17に記載の画像プロセッサ。
【請求項19】
前記画像エンハンサはさらに、前記飽和した少なくとも1つの画素の測定された画素明度が前記少なくとも1つの飽和閾値より高い所定の高い画素飽和閾値より高いときに、前記飽和した少なくとも1つの画素の測定された画素明度値を前記少なくとも1つの隣の隣接する画素の前記明度値に置き換えることにより、前記飽和した少なくとも1つの画素の前記画素明度を補正するように構成される、請求項14に記載の画像プロセッサ。
【請求項20】
前記画素明度補間器はさらに、隣の飽和していない画素の複数の明度値を平均することにより、前記画素補正値を計算するように構成される、請求項14に記載の画像プロセッサ。
【請求項21】
前記画素明度補間器はさらに、前記飽和した少なくとも1つの画素の前記測定された明度値と、少なくとも1つの隣の飽和していない画素の前記明度値との加重平均を行うことにより、前記画素補正値を計算するように構成される、請求項14に記載の画像プロセッサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2017年8月31日に出願された米国特許出願第15/693,295号の優先権を主張するものであり、同出願は2016年9月8日に出願された米国仮特許出願第62/385,153号の優先権を主張しており、これらの各々の内容全体を参照により本願に援用する。
【0002】
本開示は一般に、画像データに関し、より詳しくは画像データの明補正に関する。
【背景技術】
【0003】
例えばカメラを使って写真を撮る場合、風景の明るい領域によって写真の明るい領域におけるセンサの1つ又は複数の画素が飽和し得る。画素は、すべてが同じ明度レベルで飽和するとはかぎらない可能性がある。明るい領域では、1つの画素が、飽和するその画素の周囲の他の画素より早く飽和し得る。1つの画素が飽和するその画素の周囲の他の画素より早く飽和することは、共有画素で発生し得る。共有画素は、画素トランジスタの集合の一部が複数の画素により共有される構造である。共有画素構造では、例えば選択トランジスタ、リセットトランジスタ、及び増幅トランジスタが共有され得る。選択トランジスタ、リセットトランジスタ、及び増幅トランジスタは、複数の画素において共有され得る。
【0004】
共有画素構造を使用することにより、画素トランジスタ、例えば選択トランジスタ、リセットトランジスタ、及び増幅トランジスタの領域は、各画素の領域が縮小され得るように配置され得る。共有画素の場合、共有画素構造の画素間の飽和レベルに差があり得る。異なる飽和レベルを有する画素を含み得る共有画素構造の一例は、クインカンクス画素構造である。異なる飽和レベルを有する画素を含み得る他の例示的な共有画素構造は、クオドラプレット画素構造である。
【0005】
他の構造も、異なる飽和レベルを有する画素を含んでいてよい。さらに、他の非共有画素構造もまた、異なる飽和レベルを有する画素を含み得る。例えば、同じく共有画素構造でないクオドラプレット画素構造は、異なる飽和レベルを有する画素を含み得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下は、1つ又は複数の態様の簡略化した概要を、このような態様の基本的な理解を提供するために提示している。この概要は、想定されるすべての態様の網羅的な概観ではなく、すべての態様の主要又は重要要素を特定しようとするものでも、何れか又はすべての態様の範囲を画定しようとするものでもない。その唯一の目的は、後述の、より詳細な説明の前置きとして、1つ又は複数の態様の幾つかの概念を簡略化した形態で提示することである。
【0007】
ある態様は、カメラセンサシステムを含んでいてもよい。カメラセンサシステムは、イメージセンサを含んでいてもよい。追加的に、カメラセンサシステムは、カメラセンサに連結されたプロセッサを含んでいてもよい。プロセッサは、イメージセンサからの画像を、その画像の画素の明度を第一の閾値及び第二の閾値と比較することによって処理するように構成されていてもよい。プロセッサはまた、その画素の明度が第一の閾値より低いとき、その画素の明度を選択するように構成されてもよい。追加的に、プロセッサは、その画素が第二の閾値を超えるとき、隣の画素の明度を選択するように構成されてもよい。プロセッサはまた、その画素の明度が第一及び第二の閾値間にあるとき、画素の明度を平均するように構成されていてもよい。
【0008】
別の例示的な態様によれば、イメージセンサ内の飽和した画素の明度を補正するために画像処理システムが提供される。この態様において、画像処理システムは、各々が画像データを捕捉するように構成された複数の画素を含む画素アレイと、捕捉された画像データのための複数の画素のうちの少なくとも1つの画素の画素明度を測定するように構成された画素明度測定エンジンと、測定された画素明度が所定の画素飽和閾値より高いときに、その少なくとも1つの画素が飽和していることを特定するように構成された画素飽和特定器と、その飽和した少なくとも1つの画素を補正するために補間された明度値を、その飽和した少なくとも1つの画素の明度測定値と、複数の画素のうち、その飽和した少なくとも1つの画素に隣接する少なくとも1つの隣の画素の明度値に基づいて計算するように構成された画素明度補間器と、その飽和した少なくとも1つの画素の画素明度を計算された補間された明度値に基づいて補正するように構成された画素明度補正器と、表示装置上に、その飽和した少なくとも1つの画素の補正された画素明度を有する捕捉画像データを表示するように構成された画像生成器と、を含む。
【0009】
別の態様において、画像処理システムはイメージセンサの飽和した画素の明度を補正するための画像処理システムが提供される。この態様において、画像処理システムは、カメラにより捕捉された画像データのための複数の画素の画素明度を測定するように構成された画素明度測定エンジンと、複数の画素のうちの少なくとも1つの測定画素明度を第一及び第二の飽和閾値と比較するように構成された画素飽和比較器と、その少なくとも1つの画素の測定された画素明度が第一の飽和閾値より低いときに、出力画素明度としてその少なくとも1つの画素の測定された画素明度を選択し、その少なくとも1つの画素の測定された画素明度が第二の飽和閾値より高いときに、出力画素明度として少なくとも1つの隣の画素の測定された画素明度を選択する画素明度選択器と、表示装置上に、複数の画素のうちの少なくとも1つのその少なくとも1つの画素の選択された出力画素明度を有する画像データを表示するように構成された画像生成器と、を含む。
【0010】
また別の態様において、撮影された画像の飽和した画素の明度を補正するための画像プロセッサ。この態様において、画像プロセッサは、イメージセンサ内の少なくとも1つの画素が、その少なくとも1つの画素の画素明度が少なくとも1つの飽和閾値より高いときに飽和しているか否かを特定するように構成された画素飽和特定器と、飽和した少なくとも1つの画素の画素明度を、イメージセンサ内の少なくとも1つの飽和していない画素の画素明度に基づく画素補正値に置き換えることによって、飽和した少なくとも1つの画素による1つ又は複数の画像アーチファクトのない補正された画像を生成するように構成された画像エンハンサと、を含む。
【0011】
上述の、及び関係する結果を達成するために、これらの1つ又は複数の態様は、以下に十分に説明し、特に特許請求の範囲の中で明示する特徴を含む。以下の説明と添付の図面は、1つ又は複数の態様の特定の例示的な特徴を詳しく示している。しかしながら、これらの特徴は、各種の態様の原理を利用してもよい様々な方法のほんの幾つかを示しており、この説明はこれらすべての態様とそれらの均等物を含むものとされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ある例示的な実施形態による、ビューファインダディスプレイを有するある例示的なカメラシステム100のブロック図である。
図2図2Aは、ある例示的な実施形態による、ディテール補正信号のための中間露光を使用することにより改善された、画素プロセッサの例示的なディテール補正回路のブロック図である。図2Bは、ある例示的な実施形態による、複数の中間露光を特定するためのある例示的な減算回路のブロック図である。
図3】露出シーケンス中の動きの存在を示すものとしてのある例示的な画素帯電率のグラフである。
図4】クオドラプレット画素構造を示す図である。
図5図4のクオドラプレット構造の4つのある例示的な画素の例示的なゲインを示す図である。
図6】イメージセンサの中の各種の画素に関するゲインの差により形成し得るパターンの一例を示す図である。
図7】y軸に沿ったグレー値とx軸に沿った距離を示すガンマチャートである。
図8】ある例示的な実施形態による、ある例示的な画素群を示す図と、アーチファクトを回避するために明るい領域についてクインカンクス補間へとフェードするために使用されてもよいゲインを示すグラフである。
図9】ある例示的な実施形態による、各々隣の2つの画素の集合に基づいて補間される2つの画素の図である。
図10】ある例示的な実施形態による、y軸に沿ったゲインとx軸に沿った輝度を示すある例示的なグラフである。
図11】ある例示的な実施形態による、y軸に沿ったグレー値とx軸に沿った距離を示すガンマチャートである。
図12】ある例示的な写真上の未補正のパターンを示す。
図13】ある例示的な実施形態による、ある例示的な写真上の補正後のパターンに関する結果を示す。
図14】ある例示的な実施形態による、未補正の、及び補正後の最下位ビットのある例示的なグラフを示す。
図15】ある例示的な実施形態による、画素明度補正のためのシステムを示すある例示的なブロック図である。
図16】ある例示的な実施形態による、画素明度補正のためのある例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面に関して以下に示す詳細な説明は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書に記載の概念が実施されてよい唯一の構成を表そうとしているものではない。詳細な説明には、様々な概念を十分に理解できるようにすることを目的とした詳細事項が含まれている。しかしながら、当業者にとっては、これらの概念はこれらの具体的な詳細事項がなくても実施されてよいことが明らかであろう。幾つかの例では、よく知られた構造や構成要素は、そのような概念を不明瞭にしないようにするために、ブロック図の形態で示されている。
【0014】
ここで、ビデオ生成システムの特定の態様を、様々な装置と方法に関して提示する。これらの装置と方法は、各種のブロック、モジュール、構成要素、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズム等(まとめて「要素」という)により以下の詳細な説明の中に記載され、添付の図面の中に図示されている。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はそれらの組合せを用いて実装されてよい。このような要素がハードウェアで実装されるか、ソフトウェアで実装されるかは、特定の用途や全体的なシステムに対する設計上の制約によって異なる。
【0015】
例えば、要素、もしくはある要素の何れかの部分、又は要素の組合せは1つ又は複数のプロセッサを含む「画素プロセッサ」で実装されてよい。プロセッサの例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、画像プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、特定用途集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、及び本開示全体に記載されている各種の機能を実行するように構成されたその他の適当なハードウェアが含まれる。処理システムの中の1つ又は複数のプロセッサは、ソフトウェアを実行してもよい。ソフトウェアとは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はその他何れの呼び方かを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行スレッド、手順、機能等を意味すると幅広く解釈されるものとする。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読媒体上にあってよい。コンピュータ可読媒体には例えば、磁気記憶装置(例えば、ハードディスク、フロッピディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラム可能なROM(PROM)、消去可能なPROM(EPROM)、電気的に消去可能なPROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク等の非一時的記憶装置、及び搬送波、伝送線及び、ソフトウェアを記憶又は送信するのに適した他のあらゆる媒体が含まれていてよい。コンピュータ可読媒体は、処理システムの中、もしくは処理システムの外にあっても、又は処理システムを含む複数のエンティティ全体に分散されていてもよい。当業者であれば、特定の用途及びシステム全体に対する全体的な設計上の制約に応じて、本開示全体に提示されている説明された機能を実装する最善の方法がわかるであろう。
【0016】
図1は、画素プロセッサ122を実装するある例示的なカメラシステム100を示す簡略化したブロック図である。カメラシステム100は、カメラ102と、ビューファインダ104と、レンズシステム106と、を含んでいてもよい。カメラ102はイメージセンサ120を含んでいてもよく、これは光子を電荷に変換する画素のアレイを含んでいてもよい。とりわけ、イメージセンサは電荷結合素子(CCD)又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)を含んでいてもよい。それゆえ、画素のアレイはCCD又はCMOS画素のアレイを含んでいてもよい。画像はレンズシステム106によってイメージセンサ120上に投射される。イメージセンサ120の出力は、画素のアレイからの出力信号を含む。イメージセンサ120は、アレイ内の各画素のための光子入力レベルを各画素のための、それに応じた電圧信号に変換することによって電圧信号を生成する。イメージセンサ120の画素は、例えばレンズシステム106によって投射されて、イメージセンサの画素によりフレーム露光の時間単位で読み取られる光子に露光される。露光フレームの過程中に、各画素が画像を表す電荷を蓄積する。イメージセンサ120は、電荷をアナログ出力電圧信号に変換してもよい。代替的に、イメージセンサ120は、電荷をアナログ電圧に変換し、アナログ電圧を、例えばアナログ-デジタル変換器を使ってデジタル信号に変換して、デジタル出力電圧信号を生成する。イメージセンサ120は、出力電圧信号をフレームレートで周期的に送信してもよい。画素は、蓄積した電荷を放電することによってリセットされてよく、それによって次のフレームの次の画素電荷蓄積を開始できる。光の光子の量は電圧信号へと飽和閾値まで変換されてよく、その時点でその画素の出力のためにそれ以上の電荷を蓄積できなくなる。一例において、複数のイメージセンサ120が同期して動作してもよい。複数のイメージセンサ120はまた、相互に関して異なる位相で動作してもよい。
【0017】
画素プロセッサ121は、画像センサ画素出力信号をモーションブラーについて補正するように構成されていてもよい。画素プロセッサ121の出力は、ビデオシーケンスの各フレーム露光に対する画像を形成するための一連の画素信号であってよい。カメラ102はビデオプロセッサ122を含み、これは画像シーケンスを受け取り、所望のフレームレート、アスペクト比等を有するデジタルビデオ出力を生成する。ビデオプロセッサ122はまた、ビデオ画像に対するホワイトバランス、色補正、及びガンマ補正を行ってもよい。ビデオプロセッサ122は、各々が上記の機能の1つ又は複数を実行するように構成された複数の別々のプロセッサとして実装されてもよい。代替的に、画素プロセッサ121とビデオプロセッサ122は逆に配置されてもよく、その場合、画素プロセッサ121はすでにビデオプロセッサ122により補正された画像をピクセルごとに処理する。
【0018】
エンコーダ124は、ビデオプロセッサ122からの生のビデオ出力を受け取り、特定の仕様(例えば、SDI(Serial Digital Interface)、H.264/MPEG-4 Advanced Video Coding、又はHDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface))に従って符号化されたフォーマット済みのデジタルビデオ信号を生成してよい。エンコーダ124からの信号は、ビデオ生成システムに、及び/又はネットワーク上でトランシーバ126を使って送信されるように出力されてよい。エンコーダ124はまた、符号化された、又は生のビデオフィードをビューファインダ104に提供してもよい。
【0019】
ビューファインダ104はデコーダ141を含んでいてもよく、これは符号化されたビデオ又は生のビデオをエンコーダ124から受け取り、画像データをディスプレイ142のために提供するように構成される。一例において、ディスプレイ142は各ピクセルに有機発光ダイオード(OLED)を含んでいてもよく、この場合、発光ダイオード(LED)が電流に応答して発光する有機組成物から形成された発光型のエレクトロルミネッセンス層でコーティングされる。これら及びその他の装置を使ってディスプレイ142上に画像を生成してもよい。
【0020】
レンズシステム106は1つ又は複数のレンズを含んでいてもよく、所望のレンズの光学構成を提供するように制御されてよく、この構成は例えば、被写界深度設定、開口数、及び焦点距離を明示してもよい。
【0021】
図2Aは、フレームの中間部分中にイメージセンサ120をサンプリングして、画像を表す信号を生成するための画素プロセッサ121のある例示的なディテール補正回路200のブロック図である。イメージセンサ120の各画素について、サンプラ202は入力201を受け取り、これはイメージセンサ120から受け取った画素出力である。サンプラ202は、個別の時間サンプルS1~Snで蓄積された画素出力値(例えば、電荷又は出力電圧信号値)を読み取ってよい。サンプルS1及びSnは、それぞれ露光フレームの最初と最後に発生してもよく、1つ又は複数のサンプルがサンプルS1とSnとの間で発生する。例えば、n=4の場合、サンプルSn=S4がフレーム露光の最後に発生し、サンプルS2は全フレーム露光間隔の約25%で発生してもよく、サンプルS3は全フレーム露光間隔の約75%で発生してもよい。代替的に、サンプルS2は全フレーム露光間隔の約33%で発生してもよく、サンプルS3は全フレーム露光間隔の約66%で発生してもよい。代替的な例として、n=3の場合、サンプルS3は露光フレームの最後に発生し、サンプルS2はフレーム露光の約25~75%の間のどこかで発生してもよい。n>4のその他の考えられる代替的な変形型も実装されてよく、この場合、サンプラ202は全フレーム露光の中で追加の画素出力値サンプルを提供する。イメージセンサ120がCMOSで実装された場合、サンプラ202は前述のように動作して露光フレームごとに複数のサンプルを読み取ってよい。イメージセンサ120がCCDで実装された場合、中間サンプルの読取りは、単独のフレーム内では不可能であることがある。その結果、CCDイメージセンサ120では、名目上のフレーム内で複数のサンプルをシミュレートするために、カメラ100の名目上のレートより速いフレームレートで動作する必要があり得る。例えば、カメラ100のためのビデオ信号が50FPS(20msフレーム)のレートで処理され、サンプラ202に1フレーム当たり4つのサンプルが必要である場合(n=4)、CCDイメージセンサ120はより速い200FPS(5msフレーム)のレートで動作してもよく、その結果、20msフレームあたり4つのCCD画像が得られる。すると、同等の20msフレームで4つのCCD画像のブロックからS1~S4の各サンプル群が導き出される。
【0022】
減算器203は、全フレーム露光の累積画素出力(例えば、電荷又は出力電圧信号値)を、サンプルS1での画素出力値をサンプルSnでの累積画素出力値から引くことによって特定する。減算器204は、中間フレーム露光の累積画素出力を、サンプルS2での累積画素出力値をサンプルS3での累積画素出力値から引くことによって特定する。n=4で、サンプルS2が露光フレームの25%、サンプルS3が全フレーム露光間隔の75%の例では、中間露光はフレーム露光の中央50%の画素出力値を提供する。n=4で、サンプルS2がフレーム露光の約33%で発生し、サンプルS3が全フレーム露光の約66%で発生する例では、中間露光は全フレーム露光の中央3分の1の画素出力を提供する。代替的に、n=3で、サンプルS3が全フレーム露光の最後に発生し、サンプルS2が全フレーム露光全体の50%で発生する例では、減算器204はサンプルS2での画素出力値をサンプルS3での画素出力値から引いて、全フレーム露光の後半に関する中間露光値を提供してもよい。代替的に、減算器204は、サンプルS1での画素出力値をサンプルS2での画素出力値から引いて、全フレーム露光の前半に関する中間露光値を提供してもよい。
【0023】
図2Bは、複数の中間露光が特定されてよいある例示的な減算器204のブロック図を示す。サンプラ202がn>4のサンプルSnを読み取るある実施形態において、複数の中間露光は減算器204により、各々がそれぞれの中間露光を別々に特定する複数の減算器214を使って得られてよい。例えば、n=6の場合、中間露光S6-S5、S5-S4、S4-S3、S3-S2、及びS2-S1が1つ又は複数の減算器214により特定されてよい。選択器224は、ディテール補正回路200によりどの中間露光を処理すべきかを適応的に選択するマルチプレクサとして実装されてもよい。
【0024】
増幅器205は、中間フレーム露光の画素出力を受け取り、それを全フレーム露光の正規化として増幅する。例えば、増幅器205は、累積画素出力値に6dBブーストを適用してよい。ディテールプロセッサ206は増幅された画素出力値を受け取り、ディテール補正アルゴリズムを実行してモーションブラーを補正する。ディテールプロセッサ206は、何れかの信号遷移で補正信号を発生することにより、認識される画像の鮮鋭さを改善する。輝度及び/又は色度の変化は、風景の中の物体を増強するために、ディテールプロセッサ206により強調される。計算されたディテール補正は元の画像に画素ごとに加えられる。このディテール補正信号は、画像の鮮鋭さに依存する。この例では、中間露光はピクセルのモーションブラーの50%を含む。全フレーム露光の代わりに、より短い中間フレーム露光に対してディテール補正を実行することにより、そのピクセル内のモーションブラーの影響が軽減され、これはディテール補正の有効性を増進させる。加算器207は、全露光画素出力にディテール補正信号を加え、増強された画素出力208を提供する。
【0025】
図3は、単独のフレーム露光301、302、303の連続の中の複数のサンプルS1~Snに関するイメージセンサ120の画素出力のある例示的なサンプリングのグラフである。この例では、n=4であり、累積画素出力値はサンプルS1、S2、S3、及びS4において逐次的に読み取られ、サンプルS1及びS4は、サンプルS1がフレームの最初に発生し、サンプルS4がフレームの最後に発生するため、全フレーム露光の累積画素出力を提供する。中間フレーム露光に関するイメージセンサ120の画素出力は、サンプルS2及びS3間で得ることができる。露光301について、S1及びS4間の間隔中の累積画素出力の一定の勾配は、この画素への一定の光子入力を示しており、これはカメラの視野において物体から一定の光レべルが反射されていることを意味する。光レベルは一定であるため、その物体は固定されていて、フレーム露光301の中でこの画素ユニットを横切って移動していない可能性が高い。これに対して、フレーム露光302及び303は、各サンプルペア間隔(例えば、SiとSi+1)間の画素帯電率の変化を示している。例えば、露光302で、画素電荷累積率はサンプルS1及びS2、S2及びS3間で一定であるが、サンプルS3及びSn間で低下し、より明るい物体からより暗い物体へと画素出力に動きがあること、したがって、モーションブラーの可能性があることを示している。露光303は、画素の帯電率がサンプルS3及びSn間で、S1及びS3間の画素帯電率と比較して増大するため、より暗い物体からより明るい物体への変化がイメージセンサ120により検知された(すなわち、より多く光の光子が画素により検知された)ときの動きの存在を示している。このように、各フレーム内の中間露光を追跡するように(例えばサンプルS2及びS3間)構成されたサンプラ202により、動きは検出可能である。これに対して、画素の出力をフレームの最初とフレームの最後(すなわちサンプルS1及びSn)でしか測定しない従来の方式では、誤った結論を導くような画素帯電率312及び313が得られ、動きを示すものが見落とされるであろう。
【0026】
図4は、クオドラプレット画素構造400を示す図である。クオドラプレット画素構造は、4つの副画素、例えば1、2、3、4を有していてもよい。クオドラプレット画素構造は、4つの個別の副画素で構成されてよい。別の例では、4つの副画素1、2、3、4は共有画素構造の4つの副画素であってもよい。
【0027】
図4の例の各副画素は、異なるゲインを有していてもよい。したがって、副画素の各々は異なるレベルで飽和し得る。例えば、ある明るさ、例えば飽和に近いとき、4つの副画素の幾つかは飽和し得、その一方で、4つの副画素の幾つかは飽和しない可能性がある。例えば、より高いゲインの画素は飽和の傾向が強い可能性があり、それは、より高いゲインによって同じ明るさでもより高い画素値となり得るからである。
【0028】
図5は、図4のクオドラプレット画素構造400の4つの例示的な画素の例示的なゲインを示す図である。一般に、画素のゲインは、その画素により与えられる信号の量が入力光量(又はそれと同等のもの)、すなわちその画素アレイを有するイメージセンサによる画像撮影中の累積電荷に応じてどのように変化するかである。副画素1、2、3、4のゲインは、図5に示されるゲインQ1、Q2、Q3、Q4に対応していてもよい。図5に示されるように、例えばQ1及びQ4のゲインは、Q2及びQ3のゲインより高くてもよい。したがって、副画素1及び4は、副画素2及び3より容易に飽和し得る。
【0029】
一例において、Q1、Q2、Q3、Q4の別々のゲインは、平均を使って補正されてもよい。例えば、画素1、ゲインQ1は、Q1/((Q1+Q2+Q3+Q4)/4)として補正されてもよい。他の例では、高いゲインは無視されてもよい。例えば、画素1のゲインQ1が他の画素のゲインより大きい場合、それは無視されてよく、画素1は他の画素の平均、例えばQ2+Q3+Q4/3として補正されてよい。幾つかの例において、画素の集合の各4分の1は大きい領域にわたって平均化されてもよく、例えば画像領域の50%を超える部分が平均化されてもよい。
【0030】
ある例において、ゲインはデジタル二重サンプル(DDS)値を使って計算されてもよく、これは望まれないオフセットを除去した電気的な測定値である。黒は0の最下位ビット(LSB)にあるため、ゲインだけが必要であり、オフセット値は不要である。ある例において、補正すべき範囲は約2~5%である。広範囲の感度不均一性(PRNU)仕様は0.06%である。ある例において、2000LSB140.06%=1,2LSB14である。したがって、ゲイン制御範囲はufix(0,16,15)であるべきである。
【0031】
幾つかの例において、カメラは白色校正を含んでいてもよく、これはサービスメニューで利用できるべきである。白色校正は製造中に所定の白い風景について実行されるべきである。白色校正の結果は、センサボード上のメモリに記憶されるべきである。記憶された白色校正の結果は、カメラの起動中に、例えば幾つかの例では10ms未満でロードされてもよい。追加的に、カメラは、白色校正の結果のデータローディングエラーといったデータローディングエラー等の緊急時には、白色校正データの使用をオフに切り替えることができるべきである。図5において、ゲインはy軸に沿っている。輝度値はx軸に沿っている。図5に示されるように、ゲインは輝度値の全範囲において平坦でない可能性がある。
【0032】
図6は、イメージセンサの中の様々な画素のゲインの差により形成し得るパターンのある例を示す図である。前述のように、ゲインは全範囲について平坦でない。100%レベル(緑)は1500 LSB14(F4感度)である。0~3000の範囲には、比較的平坦なLSB14が含まれていてもよい。高い輝度(例えば、>300%になると、パターンは見えなくなる。
【0033】
図7は、y軸に沿ったグレー値とx軸に沿った距離を示すガンマチャートである。画素で表される距離の値が約2500未満では、グレー値はほとんど線形である。しかしながら、高い距離値においては、ばらつきが大きくなる。パターンは、高いレベルで存在する。図7に示されるように、補正前にはクオドラプレットごとに異なる飽和レベルがある。図7に示されるように、パターンが形成されることに留意されたい。
【0034】
図8は、ある例示的な画素群を示す図と、アーチファクトを回避するために明るい領域についてクインカンクス補間へとフェードするために使用されてもよいゲインを示すグラフである。グラフは、y軸上の正規化ゲインとx軸上の輝度値を含む。ある例において、飽和に近い画素の明度値は、飽和した画素の値を補間するために使用されてよい。一例は、アーチファクトを回避するために、明るい領域についてクインカンクス補間にフェードしてもよい。
【0035】
例えば、画素の明度値がある閾値(thlow)未満であるとき、その画素の明度値が使用されてよい。ある画素の明度値がある閾値(thhigh)より高いとき、隣の画素又は隣の画素の集合の明度値が使用されてよい。閾値(thlow)及び(thhigh)間では、図8に示されるように、画素間のフェードが使用されてよい。ある例示的な態様によれば、画素飽和閾値(例えば、飽和閾値(thlow)及び(thhigh))は予め決定し、カメラ102のメモリに記憶し、画像処理中に画素プロセッサ121によりアクセスできる。
【0036】
したがって、図8のグラフに示されているように、閾値(thlow)未満では、使用されるゲイン802は「1」であってよい。それゆえ、画素の明度値が閾値(thlow)より低いとき、その画素の明度値が使用されてよく、これはその画素のゲインが「1」であるからである。画素の明度値が閾値(thhigh)より高いとき、隣の画素又は隣の画素群の明度値804が使用されてよく、これは隣の画素又は画素群のゲインが「1」であり、その画素のゲインが「0」であるからである。閾値(thlow)及び(thhigh)間では、図8に示されているように、画素間のフェードが使用されてよく、それはその画素のゲインが「1」から「0」へと移行し、隣の画素又は画素群のゲインが「0」から「1」に移行するからである。
【0037】
画素が飽和すると、その画素の明度値は隣の画素に基づいて特定されてよい。したがって、図8に示されるように、一連の飽和画素の値は、隣の明度値へと補間又は平均化されてよい。図の中の色は、実際の色ではなく、関心対象の異なる画素を示している。左の画像の、より明るい画素は、その明度値が本明細書に記載のシステム及び方法に基づいて特定される画素であってよい。左の画像の、より暗い画素は、より明るい画素そのものの開始時の明度値に関連して、より明るい画素の明度値を特定するために使用される画素であってよい。前述のように、閾値(thlow)より低いと、より明るい画素の値が使用されてよく、それはその画素が飽和していないからである。閾値(thhigh)を超えると、より明るい画素は飽和していると特定されるため、飽和していない、より暗い画素の、それに対応する明度値が使用されてよい。本明細書で詳しく説明するように、閾値間ではフェードが使用されてよい。
【0038】
より明るい画素のすべてが閾値(thhigh)より高い例の場合、幾つかのケースで、より明るい色は飽和した明度を有する画素を示す。図中、より暗い画素は、処理後、「補正済み画素」により示されるように、より暗い画素の明度値に向かって補間されてよい。再び、色はこれらの画素の色ではなく、特定の画素集合を示している。
【0039】
図9は、各々が隣の2つの画素群に基づいて補間される2つの画素の図である。図9において、補間される各画素は、隣の2つの画素の明度値に向かって補間される。換言すれば、2つの外側の画素は隣の飽和していない画素であって、中央の画素は飽和しており、すなわち補間される画素は飽和していてもよい。したがって、隣の画素の値が使用されてよい。図9に示されているように、中央の画素が補間される。閾値Thlowは元の画素が使用される開始地点である。閾値Thhighは、それを超えると画素が完全に補間される最小値である。本明細書に記載のシステム及び方法は、以下に示されるような閾値及び勾配設定で実装されてよい:
%Quadruplet fader
threshold=4000;%LSB14
slope=10;%Gain on fader
for i=1:214
Vin(i)=i;
quincunxfadergain(i)=max(min(((i-threshold)slope)+213,214),0);
end
plot(Vin,quincunxfadergain);hold on;
plot(Vin,214-quincunxfadergain);hold off;
grid on;
【0040】
図10は、y軸に沿ったゲインとx軸に沿った輝度を示すある例示的なグラフである。図8に示されるグラフと異なり、図10に示されるグラフは正規化されていない。したがって、図10に示されるグラフはある例示的なシステムにおいて考えられるゲイン及び輝度の値を含む。図8に関する説明と同様に、図10に示されるように、画素が閾値より高いと、これらは補間された値に置き換えられる。閾値より低い画素は使用されず、閾値間の画素は相互に合成され、又はフェードされる。このパターンははるかにより一貫している点に留意されたい。
【0041】
図11は、y軸に沿ったグレー値とx軸に沿った距離を示すガンマチャートである。画素で表される距離の値が約2500未満であると、グレー値はほとんど線形である。本明細書に記載されている明補正を用いると、2500を超えてもグレー値はほとんど線形のままである。パターンは、高いレベルで存在する。図7に示されるように、補正前にはクオドラプレットごとに異なる飽和レベルがある。
【0042】
幾つかの例において、カメラの要求事項には、デフォルト設定の制御マップに値を入れることが含まれていてもよい。Delphiツールにより、値は必要に応じて変更されてもよいが、幾つかの例において、ある例示的なシステムが使用された場合に値は調整不可能である。
【0043】
図12は、ある例示的な写真上の未補正のパターンを示す。モジュロ4k補正はLDK86高速モードの場合と同様であってもよく、モジュロパターンが見える。U23Aでは、これはモジュロ128として示される。ある例は2112コラムと共有画素を有するため、補正はモジュロ2kとするように提案される。これは、各ゲイン/オフセット値が連続する2つの画素に使用できることを意味する。
【0044】
一例において、フル4k解像度補正が使用されてもよい。別の例は、約2kコラムのためのセンサを使用してもよく、この場合、各コラムは1125の4共有画素のローに接続される。約2kコラムを使用することにより、センサの解像度は4k×2250となる。2kコラムを用いる別の例では、2k補正を使用してもよく、それゆえ、このような例は水平方向に各補正値2xを使用してもよい。これは、2xのハードウェアリソースを削減しながら、本発明者らの補正機能を保持できることを意味する。異なる画素構造の場合、この4k/2kの選択は変わってもよい。
【0045】
ある例において、補正はDDS-edによる画像(modDDS)からのすべてのローを加算し、この結果を少なくとも128のサンプルでフィルタ処理し(2kの場合、これによって64まで減少する)(AVG_DDS)、Raw_Dark画像(modDark)からのすべてのローを加算し、この結果をDDS-averageラインとしてフィルタ処理する(AVG_Dark)ことによって実行されてよい。
alpha=(modDDS-AVG_DDS)./AVG_DDS;%UseDDS as source
offset=AVG_Dark-(modDark-(alpha.modDark));
精度はalpha=ufix(0,16,15),offset=sfix(1,16,4)であり得る。結果として得られたゲインのアルファとオフセットを適用。
IM_BrightCorr=IM_bright-(IM_bright.IM_gain+IM_offset);
IM_Bright2Corr=IM_bright2-(IM_bright2.IM_gain+IM_offset);
IM_DarkCorr=IM_dark-(IM_dark.IM_gain+IM_offset);
IM_DDS1_Corr=double(IM_BrightCorr-IM_DarkCorr)/2;
IM_DDS2_Corr=double(IM_Bright2Corr-IM_BrightCorr)/2;
IM_DDSCorr=mask_odd.IM_DDS1_Corr+(mask_even.IM_DDS2_Corr)OddEvenGain;
【0046】
図13は、ある例示的な写真上の補正後のパターンに関する結果を示す。
【0047】
図14は、未補正の、及び補正後の最下位ビットのある例示的なグラフを示す。ある例において、クオドラプレット補正の場合と同じカメラシステム要求事項群が使用されてよい。
【0048】
図15は、ある例示的な実施形態による画素明度補正のためのシステムを示すある例示的なブロック図である。例えば、明補正はクオドラプレット補正ブロック内で実装されてもよい。クオドラプレット補正ブロックは、プロセッサにより制御されてもよい。
【0049】
本明細書で説明されているように、非常に明るい領域では画素が飽和する。共有画素内では、飽和レベルに関して共有画素間に差があり得る。ある例は、クインカンクス構造の画素であるが、その他の構造も同じ効果を有し得る。
【0050】
非常に明るい領域では、画素が飽和し始めると、アーチファクトに有利となるように解像度が犠牲にされ得る。最良の性能を有する副画素は保持されてよい。追加的に、最良の性能を有する副画素は、補間されて、より低い照明レベルで飽和している副画素と置き換えられてもよい。ある例において、1つのレベルから別のレベルへのミキシング方法は、フェーダを使って高速切換えを排除するために行われてもよい。ある例は、風景のより低照明の部分をそのままにしてもよく、風景の高明度部分については、より高い部分をクリップして、逸れ始めたより高い値を無視することと対照的に、クインカンクス補間を通じて最も明るいものから補間されてもよい。幾つかの例において、イメージャの利用可能なダイナミックレンジが拡張される。
【0051】
図のように、イメージセンサの中の飽和画素の明るさを補正するために、画像処理システム1500(又は画像プロセッサ)が提供される。例えば、イメージセンサは、各々が画像データを捕捉するように構成された複数の画素を有する画素アレイ1502を含むことができる。さらに、画素明度測定エンジン1504が提供され、上述の方法により、捕捉された画像データの画素アレイの画素の画素明度を測定するように構成される。さらに詳しく示すように、画素飽和特定ユニット1506は、DDSを実行して画素ゲインを計算し、したがって、先により詳しく説明したように、測定された画素明度が所定の画素飽和閾値より高い場合に、1つ又は複数の画素が飽和しているか否かをさらに特定するように構成できる。
【0052】
さらに、画素明度補間器1508は、例えば1つ又は複数のマイクロプロセッサとすることができ、飽和画素の測定された明度値と画素アレイの中の隣の画素の明度値に基づいて、飽和画素を補正するための補間明度値を計算する。この例示的な態様の改良型では、マイクロプロセッサ1508は画素補正値を特定でき、これは、先により詳しく説明したように、測定された画素明度値が閾値より高いか、低いか、又は中間であるかに依存できる。計算された補間明度値(例えば、画素補正値)に基づき、先により詳しく説明したように、計算された補間明度値に基づいて飽和画素の画素明度を補正するために画素明度補正器1510が提供される。最後に、具体的には示されていないが、表示装置上に、飽和した少なくとも1つの画素の補正された画素明度を有する捕捉画像データを表示するために、画像生成器が提供される。ある例示的な実施形態によれば、画像生成器はデコーダ141とすることができ、表示装置は前述のディスプレイ142とすることができる。
【0053】
図16は、ある例示的な実施形態による、画素明度補正のためのある例示的な方法600を示すフローチャートである。図のように、まずステップ1602で、画像の画素明度を第一の閾値及び第二の閾値と比較することによって、イメージセンサからの画像を処理する。例えば、画素明度測定エンジンはまず、カメラにより捕捉された画像データのための複数の画素の画素明度を測定してもよく、その後、画素飽和比較器が複数の画素のうちの1つ又は複数の測定された画素明度を第一及び第二の飽和閾値と比較することができる。
【0054】
ステップ1604で、画素明度が第一の閾値より低いときに、画素明度を選択する。例えば、画素明度選択器は、少なくとも1つの画素の測定された画素明度が第一の飽和閾値より低いとき、1つの画素の測定された画素明度を出力画素明度として選択できる。
【0055】
ステップ1606で、画素が第二の閾値より高いときに、隣の画素の明度を選択する。例えば、画素明度選択器は、少なくとも1つの画素の測定された画素明度が第二の飽和閾値より大きいとき、少なくとも1つの隣の画素の測定された画素明度を出力画素明度として選択できる。
【0056】
ステップ1608で、画素明度が第一及び第二の閾値間にあるとき、画素明度の平均化を実行する。例えば、一態様において、画素明度補間器は、明度が第一及び第二の閾値間にあるときに、飽和画素を補正するために補間明度値を計算することができる。この補間明度値は、前述のように、飽和した画素の測定された明度値と複数の画素の1つ又は複数の隣の画素の明度値に基づくものとすることができる。
【0057】
最後に、画素明度が補正された後、画像生成器は表示装置上で、複数の画素の少なくとも1つの少なくとも1つの画素の選択された出力画素明度を有する画像データを表示する。その結果、生成された補正後の画像は、飽和画素によるアーチファクトがない状態で表示でき、飽和画素は画像センサ内の1つ又は複数の飽和していない(例えば隣の)画素の画素明度に基づく画素補正値と置き換えられている。
【0058】
例えば、限定的ではないが、本開示の態様は、テレビ番組の制作のため、又はスポーツイベントにおいて使用されてもよいビデオ生成システムの各種の構成要素を構成するために使用されるシステムと方法に関して提示されている。本開示全体を通じて提示される各種の概念は、ビデオ及び/又は静止画を撮影し、処理するシステム、ビデオ会議システム等を含む、様々なイメージング用途にわたって実装されてよい。
【0059】
上記の説明は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実施できるようにするために提供される。当業者にとってはこれらの態様への様々な変更を容易に明らかとなり、本明細書で定義される全体的な原理は他の態様にも適用されてよい。それゆえ、特許請求の範囲は本明細書において示される態様に限定されるものではなく、そこには特許請求の範囲の文言と矛盾しない最大限の範囲が付与されるものとし、ある要素が単数形で記されている場合、特にそのように明記されていないかぎり、「唯一」ではなく、「1つ又は複数」を意味するものとする。特に別段の明記がないかぎり、「幾つかの」という用語は1つ又は複数を指す。本開示の全体を通じて記載されている各種の態様の、当業者にとって知られている、又は今後知られることになる要素と構造的及び機能的に同等のものはすべて、その言及により本願に明確に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されるものとする。さらに、本明細書中のいかなる開示も、このような開示が特許請求の範囲の中で明示的に引用されているか否かを問わず、公衆に提供されるものではない。特許請求の範囲の中の何れの要素も、その要素が「~のための手段」という語句を使って明示的に記載されていないかぎり、又は、方法請求項の場合は、「~のためのステップ」という語句を使って記載されていないかぎり、米国特許法第112条第6節の規定に基づいて解釈されない。
図1
図2
図3
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図8
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図10
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図16