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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】カルシウムチャネル阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 235/14 20060101AFI20220902BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20220902BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20220902BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220902BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20220902BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220902BHJP
   C07D 403/12 20060101ALI20220902BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20220902BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
C07D235/14 CSP
A61K31/4184
A61K31/5377
A61P25/00
A61P25/08
A61P43/00 111
C07D403/12
C07D405/12
C07D413/12
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2019543998
(86)(22)【出願日】2018-02-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 US2018018356
(87)【国際公開番号】W WO2018152317
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2021-02-15
(31)【優先権主張番号】62/459,355
(32)【優先日】2017-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517169735
【氏名又は名称】カビオン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Cavion, Inc.
【住所又は居所原語表記】600 East Water Street, Suite E, Charlottesville, VA 22902, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】リチャードソン,トーマス イー.
(72)【発明者】
【氏名】ヒギン,ミッシェル
(72)【発明者】
【氏名】マクドナルド,ティモシー
【審査官】鳥居 福代
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-091157(JP,A)
【文献】特開昭63-139171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】


またはその薬学的に許容される塩[式中、
Xは、OまたはCHであり;
Yは、CR、NR、C(=O)、C(=O)NHまたはNH(C=O)であり;
Zは、C(=O)NRZ2Z3であり;
nは、0、1、2または3であり;
は、Hまたは置換されていてもよいC1~4アルキルであり;
は、Hもしくは置換されていてもよいC1~4アルキルであり;
は、Hもしくは置換されていてもよいC1~4アルキルであるか;または
およびRは、組み合わされて、置換されていてもよい3~6員のシクロアルキル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するC2~4アルキレン基を形成し;
は、Hまたは置換されていてもよいC1~4アルキルであり
Z2は、Hもしくは置換されていてもよいC1~4アルキルであり;
Z3は、Hもしくは置換されていてもよいC1~4アルキルであるか;または
Z2およびRZ3は、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
Arは、置換されていてもよいC6~10アリールまたは置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールであり;
ここで、それぞれの置換されたC1~4アルキルは、ハロ、C1~4アルキル、C2~4アルケニル、C2~4アルキニル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシ、OH、CN、NO、アミノ、C1~4アルキルアミノ、ジ(C1~4アルキル)アミノ、オキソ、置換されていてもよいC3~10シクロアルキル、置換されていてもよいC6~10アリール、置換されていてもよい4~10員のヘテロシクロアルキルおよび置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールからそれぞれ独立して選択される、1、2、3、4または5個の置換基によって置換され;
それぞれの置換されたシクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、ハロ、C1~4アルキル、C2~4アルケニル、C2~4アルキニル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシ、OH、CN、NO、アミノ、C1~4アルキルアミノ、ジ(C1~4アルキル)アミノおよびオキソからそれぞれ独立して選択される、1、2、3、4または5個の置換基によって置換され;
それぞれの置換されたアリールおよびヘテロアリールは、ハロ、C1~4アルキル、C2~4アルケニル、C2~4アルキニル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシ、OH、CN、NO、アミノ、C1~4アルキルアミノおよびジ(C1~4アルキル)アミノからそれぞれ独立して選択される、1、2、3、4または5個の置換基によって置換され
ここで、Arが、置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールである場合、
およびR は、それぞれ、置換されていてもよいC 1~4 アルキルであるか、または
およびR が、組み合わされて、置換されていてもよい3~6員のシクロアルキル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するC 2~4 アルキレン基を形成するか、または
Z2 が、Hもしくは無置換のC 1~4 アルキルであり、R Z3 が、メチル、N,N-ジメチルアミノエチル、N,N-ジエチルアミノエチル、メトキシエチル、ピロリジニルエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル、2-メトキシエチルまたは2-(ピロリジン-1-イル)エチルであるか、または
Z2 およびR Z3 が、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成する]。
【請求項2】
Yが、CRである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
が、置換されていてもよいC1~4アルキルであり、該置換されていてもよいC1~4アルキルが、メチルまたはエチルである、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
およびRが、それぞれHである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
およびRが、それぞれ置換されていてもよいC1~4アルキルであり、該置換されていてもよいC1~4アルキルが、メチルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
およびRが、組み合わされて、置換されていてもよい3~6員のシクロアルキル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するC2~4アルキレン基を形成し、該置換されていてもよい3~6員のシクロアルキル環が、無置換のシクロプロピル環である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
が、置換されていてもよいC1~4アルキルであり、該置換されていてもよいC1~4アルキルが、無置換のC1~4アルキルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
Zが、C(=O)NRZ2Z3であり、ここで、RZ2が、メチルであり、RZ3が、メチル、N,N-ジメチルアミノエチル、N,N-ジエチルアミノエチル、メトキシエチル、ピロリジニルエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル、2-メトキシエチルまたは2-(ピロリジン-1-イル)エチルである、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
Z2およびRZ3が、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成し、該置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環が、モルホリニル環である、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
Arが、置換されていてもよいC6~10アリールであり、該置換されていてもよいC6~10アリールが、フェニルまたはナフチルである、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
Arが、置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールであり、該置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールは、クロロ、メチル、メトキシおよびトリフルオロメチルから独立して選択される、1、2、3または4個の基によって置換される、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
Arが、
【化2】


である、請求項1~のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
Xが、OまたはCHであり;
Yが、CRであり;
Zが、C(=O)NRZ2Z3であり;
が、無置換のC1~4アルキルであり;
が、Hもしくは無置換のC1~4アルキルであり;
が、Hもしくは無置換のC1~4アルキルであるか;または
およびRが、組み合わされて、置換されていてもよい3~6員のシクロアルキル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するC2~4アルキレン基を形成し;
nが、0、1、2または3であり
Z2が、Hもしくは無置換のC1~4アルキルであり;
Z3が、置換されていてもよいC1~4アルキルであるか;または
Z2およびRZ3が、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
Arが、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいナフチルまたは置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールである、
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項14】
Xが、OまたはCHであり;
Yが、CRであり;
Zが、C(=O)NRZ2Z3であり;
が、無置換のC1~4アルキルであり;
が、Hもしくは無置換のC1~4アルキルであり;
が、Hもしくは無置換のC1~4アルキルであるか;または
およびRが、組み合わされて、置換されていてもよい3~6員のシクロアルキル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するC2~4アルキレン基を形成し;
nが、1であり
Z2が、Hもしくは無置換のC1~4アルキルであり;
Z3が、メチル、N,N-ジメチルアミノエチル、N,N-ジエチルアミノエチル、メトキシエチル、ピロリジニルエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル、2-メトキシエチルまたは2-(ピロリジン-1-イル)エチルであるか;または
Z2およびRZ3が、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
Arが、置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールである、
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項15】
Xが、OまたはCHであり;
Yが、CRであり;
Zが、C(=O)NRZ2Z3であり;
が、無置換のC1~4アルキルであり;
が、Hもしくはメチルであり;
が、Hもしくはメチルであるか;または
およびRが、組み合わされて、シクロプロピル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するエチレン基を形成し;
nが、1であり
Z2が、Hもしくは無置換のC1~4アルキルであり;
Z3が、メチル、N,N-ジメチルアミノエチル、N,N-ジエチルアミノエチル、メトキシエチル、ピロリジニルエチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル、2-メトキシエチルまたは2-(ピロリジン-1-イル)エチルであるか;または
Z2およびRZ3が、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
Arが、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシから独立して選択される、1、2、3または4個の基によって置換されていてもよい、5~10員のヘテロアリールである、
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項16】
前記式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩が、
式IIの化合物:
【化3】


またはその薬学的に許容される塩;
式IIIの化合物:
【化4】


またはその薬学的に許容される塩;
式IVの化合物:
【化5】


またはその薬学的に許容される塩[式中、それぞれのRArは、H、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシから独立して選択される];
式Vの化合物:
【化6】


またはその薬学的に許容される塩[式中、それぞれのRArは、H、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシから独立して選択される];または
式I-a、I-b、II-a、II-b、III-a、III-b、IV-a、IV-b、V-aまたはV-bの化合物:
【化7】


またはその薬学的に許容される塩[式中、それぞれのRArは、H、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシから独立して選択される]
である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項17】
2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバメート;
2-(2-((3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-メトキシエチル)カルバメート;
2-(2-((3-(4,6-ビス(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバメート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-メトキシエチル)カルバメート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバメート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジエチルアミノ)エチル)カルバメート;
2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
2-(2-((4-((2-アミノ-3,6-ジメチルフェニル)アミノ)-4-オキソブチル)(エチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
2-(2-((2-(1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;
3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-メトキシエチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,6-ビス(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-メトキシエチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジエチルアミノ)エチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(1R,2R)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(1S,2S)-2-(2-((4-((2-アミノ-3,6-ジメチルフェニル)アミノ)-4-オキソブチル)(エチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(1S,2S)-2-(2-((2-(1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(3S,4S)-3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;
(3R,4S)-3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;
(3S,4S)-3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;および
(3R,4S)-3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;
から選択される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項18】
以下の式:
【化8】


を有する化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項20】
(a)対象における電位開口型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームの活性と関連するか、または電位開口型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームの活性を阻害することが有益であるか、または
(b)対象におけるT型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームの活性と関連するか、またはT型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームの活性を阻害することが有益である
疾患または障害を処置するための、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記疾患または障害が、運動障害、発作性障害、てんかん、ジスキネジアおよびジストニアからなる群から選択される、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
(a)対象における電位開口型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームの活性と関連するか、または電位開口型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームの活性を阻害することが有益であるか、または
(b)対象におけるT型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームの活性と関連するか、またはT型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームの活性を阻害することが有益である
疾患または障害を処置するための医薬の調製のための、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項23】
前記疾患または障害が、運動障害、発作性障害、てんかん、ジスキネジアおよびジストニアからなる群から選択される、請求項22に記載の使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年2月15日に出願された米国仮特許出願第62/459,355号の利益を主張し、その全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本出願は薬学的に有用な化合物に関する。本開示は、新規化合物、ならびにそれらの組成物および使用の方法を提供する。本発明の化合物は、電位開口型(voltage-gated)カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームの活性を遮断し、したがって、例えば、がんを含む、電位開口型カルシウムチャネルの異常な活性に関する疾患の処置において有用である。
【背景技術】
【0003】
背景
T型カルシウムチャネルは、膜脱分極の間に開口する低電位活性化カルシウムチャネルであり、活動電位または脱分極シグナルの後に、細胞へのカルシウム流入を媒介する。T型カルシウムチャネルは、心筋および平滑筋内に存在することが知られており、中枢神経系内の多くの神経細胞にも存在している。T型カルシウムチャネル(一過性開口型カルシウムチャネル)は、より負の膜電位によって活性化されるその能力、その小さな単一チャネルコンダクタンス、およびL型カルシウムチャネルを標的とする従来のカルシウムチャネルアンタゴニスト薬に対するその非反応性に起因して、L型カルシウムチャネル(長時間作用性カルシウムチャネル)とは区別される。
【0004】
T型カルシウムチャネルは、小さな膜脱分極に続いて開口する。T型カルシウムチャネルは、主に、ニューロンおよび心筋細胞の機能との関連で研究されており、てんかんおよび心機能不全などの過剰興奮性障害に関わっている。電位開口型カルシウムチャネルは、一般に、非興奮性細胞において発現しないが、T型カルシウムチャネルが非興奮性の系統のがん細胞において発現する証拠がある。
【0005】
T型カルシウムチャネルは、小さな膜脱分極により活性化および不活性化され、遅い不活性化速度を示す。そのため、これらのチャネルは、低膜電位で脱分極電流を伝えることができ、細胞の「ウインドウ」電流を媒介することができ、これは、低膜電位または静止膜電位での活性化および定常状態の不活性化の間の電圧の重なり内で生じる。T型カルシウムチャネルは、ウインドウ電流を非刺激または静止膜電位で維持することができ、それによって、不活性化されない一部のチャネルによって伝えられる持続的なカルシウムの内向き電流を可能にする。ウインドウ電流の媒介は、非刺激または静止細胞条件下で、ニューロンなどの電気的な発火細胞および非興奮性組織の両方において、T型カルシウムチャネルが細胞内カルシウムレベルを制御することを可能にする。
【0006】
電位開口型カルシウムチャネルは、いくつかのサブユニットから構成される。αサブユニットは、チャネルの膜貫通孔を形成する主たるサブユニットである。αサブユニットもカルシウムチャネルの種類を決定する。いくつかの種類のカルシウムチャネルにのみ存在するβ、αδおよびγサブユニットは、チャネルにおける第2の役割を果たす補助サブユニットである。αサブユニットは4つのドメイン(I~IV)で構成され、それぞれのドメインが6つの膜貫通セグメント(S1~S6)を含み、それぞれのドメインのS5およびS6セグメント間の疎水性ループがチャネルの孔を形成する。T型カルシウムチャネルのサブタイプは、表1に示す特定のαサブユニットによって定義される。
【0007】
【表1】
【0008】
T型カルシウムチャネルは、てんかん、本態性振戦、疼痛、神経障害性疼痛、統合失調症、パーキンソン病、うつ、不安、睡眠障害、睡眠妨害、精神病、統合失調症(schizophreniac)、心不整脈、高血圧、疼痛、がん、糖尿病、不妊症および性機能障害を含む、各種の疾患および障害と関連する病状に関与している。J. Neuroscience, 1994, 14, 5485;Drugs Future, 2005, 30(6), 573-580;EMBO J., 2005, 24, 315-324;Drug Discovery Today, 2006, 11(5-6), 245-253。
【0009】
T型カルシウムチャネルを阻害する化合物およびこのような化合物の使用は、Giordanetto et al, "T-type calcium channels inhibitors: a patent review," Expert Opin. Ther. Pat., 2011, 21, 85-101、国際公開第2004/035000号パンフレット、国際公開第93/04047号パンフレット、国際公開第2006/098969号パンフレット、国際公開第2009/009015号パンフレット、国際公開第2007/002361号パンフレット、国際公開第2007/002884号パンフレット、国際公開第2007/120729号パンフレット、国際公開第2009/054982号パンフレット、国際公開第2009/054983号パンフレット、国際公開第2009/054984号パンフレット、米国特許出願公開第2009/0270413号明細書、国際公開第2008/110008号パンフレット、国際公開第2009/146539号パンフレット、国際公開第2009/146540号パンフレット、米国特許第8,133,998号明細書、国際公開第2010/083264号パンフレット、国際公開第2006/023881号パンフレット、国際公開第2006/023883号パンフレット、国際公開第2005/007124号パンフレット、国際公開第2005/009392号パンフレット、米国特許出願公開第2005/245535号明細書、国際公開第2007/073497号パンフレット、国際公開第2007/07852号パンフレット、国際公開第2008/033447号パンフレット、国際公開第2008/033456号パンフレット、国際公開第2008/033460号パンフレット、国際公開第2008/033464号パンフレット、国際公開第2008/033465号パンフレット、国際公開第2008/050200号パンフレット、国際公開第2008/117148号パンフレット、国際公開第2009/056934号パンフレット、欧州特許出願公開第1568695号明細書、国際公開第2008/007835号パンフレット、韓国特許第754325号明細書、米国特許第7319098号明細書、米国特許出願公開第2010/0004286号明細書、欧州特許出願公開第1757590号明細書、韓国公開特許第2009-044924号明細書、米国特許出願公開第2010/094006号明細書、国際公開第2009/035307号パンフレット、米国特許出願公開第2009/0325979号明細書、韓国特許第75758317号明細書、国際公開第2008/018655号パンフレット、米国特許出願公開第2008/0293786号および米国特許出願公開第2010/0056545号明細書に記載されており、これらのそれぞれは、その全体が参照によって、本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
要旨
本開示は、とりわけ、式Iの化合物:
【0011】
【化1】
またはその薬学的に許容される塩[式中、可変基(variables)は下記に定義される通りである]を提供する。
【0012】
本開示は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩、および少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む組成物も提供する。
【0013】
本開示は、がんを処置する方法であって、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を患者に投与することを含む方法も提供する。
【0014】
1つまたは複数の実施形態の詳細を以下の説明において説明する。他の特徴、目的および利点は、説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
明確にするために、別々の実施形態の文脈において記載される、本明細書に記載されるある特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせても提供され得ることが理解される。反対に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈において記載される本開示のさまざまな特徴は、別々に、または任意の適切な下位の組み合わせでも提供され得る。
【0016】
I.定義
他に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示によって提供される文脈を考慮して、本開示が属する分野の当業者によって通常理解されているものと同じ意味を有する。
【0017】
「例えば」および「など(such as)」という用語ならびにその文法的に同等の用語について、他に明確に言及されない限り、「限定されるものではないが」という語句が後に続くものとして理解される。
【0018】
単数形の「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に他を指示していない限り、複数の指示対象を含む。
【0019】
「約」という用語は、「およそ」(例えば、示される値のプラスまたはマイナスおよそ10%)を意味する。
【0020】
「n員の」(nは整数である)という用語は、典型的には、環を形成する原子の数がn個である部分における環を形成する原子の数を表す。例えば、ピペリジニルは6員のヘテロシクロアルキル環の例であり、ピラゾリルは5員のヘテロアリール環の例であり、ピリジルは6員のヘテロアリール環の例であり、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンは10員のシクロアルキル基の例である。この用語が炭素環(例えば、アリールまたはシクロアルキル)を指すために使用される場合、すべての環原子は炭素原子である。この用語がヘテロ環(例えば、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル)を指すために使用される場合、1個または複数の環原子(例えば、1、2、3または4個)はヘテロ原子(例えば、窒素、酸素または硫黄)であり、残り(例えば、n-1、n-2、n-3またはn-4個)は炭素原子である。
【0021】
本明細書におけるさまざまな場所で、二価の連結置換基が記載される。具体的には、それぞれの二価の連結置換基は、連結置換基の前方および後方の形態の両方を含むことを意図する。例えば、-NR(CR’R’’)-は、-NR(CR’R’’)-および-(CR’R’’)NR-の両方を含む。構造が明確に連結基を必要としている場合、その基について列挙されたマーカッシュ可変基は連結基であると理解される。
【0022】
「置換されていてもよい(optionally substituted)」という語句は、無置換または置換されたことを意味する。置換基は独立して選択され、置換基は、任意の化学的に利用可能な位置に存在し得る。「置換された」という用語は、水素原子が除去されて、置換基によって置き換えられていることを意味する。単一の二価の置換基、例えば、オキソは、2個の水素原子と置き換わることができる。所与の原子での置換が価数によって制限されることが理解されるべきである。置換基の例としては、限定されるものではないが、ハロ、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、OH、CN、NO、アミノ、C1~6アルキルアミノ、ジ(C1~6アルキル)アミノ、オキソ、C3~10シクロアルキル、C6~10アリール、4~10員のヘテロシクロアルキルおよび5~10員のヘテロアリールが挙げられる。いくつかの実施形態において、置換基を形成する、C3~10シクロアルキル、C6~10アリール、4~10員のヘテロシクロアルキルおよび5~10員のヘテロアリールは、例えば、ハロ、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシ、OH、CN、NO、アミノ、C1~6アルキルアミノ、ジ(C1~6アルキル)アミノおよびオキソからそれぞれ独立して選択される、1、2、3、4または5個の置換基によって、置換されていてもよい場合がある。
【0023】
「Cn~m」という用語は、端点を含む範囲を表し、ここで、nおよびmは整数であり、化学基中に存在する炭素原子の数を表す。例としては、C1~2、C1~4などが挙げられる。この用語が基中に含まれるそれぞれのメンバーを記載することを意図として使用される場合、CからCは、それぞれが明示的に説明されているように、常に使用される。例えば、C1~6という用語は、C、C、C、C、CおよびCのそれぞれのメンバーを記載することを意図としている。
【0024】
「Cn~mアルキル」という用語は、n~m個の炭素を有する、直鎖または分枝状であってもよい、飽和炭化水素基を指す。「アルキル」という用語は、直鎖または分枝状であってもよい、飽和炭化水素基を指し、Cn~mアルキルを含み得る。アルキル部分の例としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、sec-ブチルなどのような化学基が挙げられる。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~4個の炭素原子、1~3個の炭素原子、または1~2個の炭素原子を含有する。
【0025】
「Cn~mアルコキシ」という用語は、式-O-アルキル(式中、アルキル基はn~m個の炭素を有する)の基を指す。「アルコキシ」という用語は、-O-アルキルを指し、Cn~mアルコキシを含み得る。アルコキシ基の例としては、限定されるものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n-プロポキシ、イソプロポキシ)、ブトキシ(例えば、n-ブトキシおよびtert-ブトキシ)などが挙げられる。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~4個の炭素原子、1~3個の炭素原子、または1~2個の炭素原子を有する。
【0026】
「アミノ」という用語は、式-NHの基を指す。
【0027】
「Cn~mアルキルアミノ」という用語は、式-NH(アルキル)(式中、アルキル基はn~m個の炭素原子を有する)の基を指す。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~4個の炭素原子、1~3個の炭素原子、または1~2個の炭素原子を有する。アルキルアミノ基の例としては、限定されるものではないが、N-メチルアミノ、N-エチルアミノ、N-プロピルアミノ(例えば、N-(n-プロピル)アミノおよびN-イソプロピルアミノ)、N-ブチルアミノ(例えば、N-(n-ブチル)アミノおよびN-(tert-ブチル)アミノ)などが挙げられる。
【0028】
「ジ(Cn~mアルキル)アミノ」という用語は、式-N(アルキル)(式中、2個のアルキル基は、それぞれ、独立してn~m個の炭素原子を有する)の基を指す。いくつかの実施形態において、それぞれのアルキル基は、独立して、1~4個の炭素原子、1~3個の炭素原子、または1~2個の炭素原子を有する。ジアルキルアミノ基の例としては、限定されるものではないが、ジメチルアミノ、エチルメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルプロピルアミノ、エチルプロピルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ブチルプロピルアミノなどが挙げられる。
【0029】
単独または他の用語と組み合わせて用いられる「アリール」という用語は、芳香族炭化水素基を指し、これは、単環式または多環式(例えば、2、3または4個の縮合環を有する)であってもよい。「Cn~mアリール」という用語は、n~m個の環炭素原子を有するアリール基を指す。アリール基としては、限定されるものではないが、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、インダニル、インデニルなどが挙げられる。いくつかの実施形態において、アリール基は、6~約20個の炭素原子、6~約15個の炭素原子、または6~約10個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、アリール基は、置換されていてもよいフェニルである。いくつかの実施形態において、アリール基は、無置換フェニルである。いくつかの実施形態において、アリール基は、置換されていてもよいナフチルである。いくつかの実施形態において、アリール基は、無置換ナフチルである。
【0030】
「ハロ」または「ハロゲン」は、F、Cl、BrまたはIを指す。いくつかの実施形態において、ハロは、FまたはClである。いくつかの実施形態において、ハロは、Clである。
【0031】
「ハロアルキル」という用語は、1個または複数のハロゲン原子によって置換されたアルキル基を指し、「Cn~mハロアルキル」を含み得る。「Cn~mハロアルキル」という用語は、同一または異なっていてもよい、1個のハロゲン原子~2s+1個のハロゲン原子を有するアルキル基を指し、ここで、「s」はアルキル基中の炭素原子の数であり、アルキル基は、n~m個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、ハロアルキル基はフッ素化されるのみである。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1~4個の炭素原子、1~3個の炭素原子、または1~2個の炭素原子を有する。ハロゲン原子の数は、例えば、1、2または3個であり得る。いくつかの実施形態において、ハロアルキル基はトリフルオロメチル(-CF)である。
【0032】
「シクロアルキル」は、環化されたアルキル基および/またはアルケニル基を含む、非芳香族の環状炭化水素を指す。シクロアルキル基は、単環式または多環式(例えば、2、3または4個の縮合環を有する)の基およびスピロ環を含み得る。シクロアルキル基は、3、4、5または6個の環を形成する炭素(例えば、C3~6シクロアルキル基)を有し得る。いくつかの実施形態において、シクロアルキルはC3~6の単環式シクロアルキルである。シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
【0033】
「ヘテロアリール」は、硫黄、酸素および窒素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子の環員子を有する、単環式または多環式の、芳香族ヘテロ環を指す。いくつかの実施形態において、ヘテロアリール環は、窒素、硫黄および酸素から独立して選択される、1、2、3または4個のヘテロ原子の環員子を有する。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールは、1、2、3、4、5、6、7、8または9個の炭素原子の環員子、ならびに窒素、硫黄および酸素から独立して選択される、1、2、3または4個のヘテロ原子の環員子を有する、5~10員の、単環式または二環式のヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールは、4、5、6、7、8または9個の炭素原子の環員子、ならびに窒素、硫黄および酸素から独立して選択される、1、2、3または4個のヘテロ原子の環員子を有する、8~10員の、二環式の縮合ヘテロアリールである。5員環のヘテロアリールの例は、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、1,2,3-トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、1,3,4-チアジアゾリルおよび1,3,4-オキサジアゾリルである。6員環のヘテロアリールの例は、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニルおよびピリダジニルである。9員環のヘテロアリールの例は、1H-ベンゾ[d]イミダゾール、1H-ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール、3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン、1H-イミダゾ[4,5-b]ピラジンなどである。
【0034】
「ヘテロシクロアルキル」は、O、NまたはSから選択される1個または複数の環を形成するヘテロ原子を有する、非芳香族の、単環式または多環式のヘテロ環を指す。単環式の、4、5、6、7、8、9または10員の、ヘテロシクロアルキル基がヘテロシクロアルキルに含まれる。ヘテロシクロアルキル基はスピロ環も含み得る。ヘテロシクロアルキル基の例としては、ピロリジン-2-オン、1,3-イソキサゾリジン-2-オン、ピラニル、テトラヒドロプラン(tetrahydropuran)、オキセタニル、アゼチジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、ピロリジニル、イソキサゾリジニル、イソチアゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル、アゼパニル、ベンズアゼペン(benzazapene)などが挙げられる。ヘテロシクロアルキル基の環を形成する炭素原子およびヘテロ原子は、オキソまたはスルフィド(例えば、C(O)、S(O)、C(S)またはS(O)など)によって置換されていてもよい場合がある。ヘテロシクロアルキル基は、環を形成する炭素原子または環を形成するヘテロ原子(例えば、環を形成する窒素原子)を通して結合することができる。いくつかの実施形態において、ヘテロシクロアルキルは、1、2、3、4または5個の炭素原子の環員子、および窒素、酸素または硫黄から独立して選択される、1または2個のヘテロ原子を有する、4~6員の単環式のヘテロシクロアルキルである。
【0035】
ある特定の場所で、定義または実施形態は特定の環を指す(例えば、ピロリジン環など)。他の指示がない限り、これらの環は、原子の価数を超えない限り、あらゆる環員子と結合することができる。例えば、ピロリジニル環は、環の任意の位置で結合していてもよい一方で、ピロリジン-1-イル環は、1位で結合する。
【0036】
本明細書において記載される化合物は、不斉であり得る(例えば、1つまたは複数の立体中心を有する)。他の指示がない限り、エナンチオマーおよびジアステレオマーなどのすべての立体異性体が意図される。非対照的に置換された炭素原子を含有する本発明の化合物は、光学活性体またはラセミ体で単離することができる。光学活性ではない出発物質から光学活性体を調製するための方法は、ラセミ混合物の分割によって、または立体選択的な合成によってなど、本技術分野において公知である。オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体も本明細書に記載される化合物中に存在することができ、すべてのこのような安定な異性体は、本発明において考慮される。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体が記載され、異性体の混合物として、または分離された異性体として、単離され得る。いくつかの実施形態において、化合物は(R)-配置を有する。いくつかの実施形態において、化合物は(S)-配置を有する。いくつかの実施形態において、化合物は(R,R)-配置を有する。いくつかの実施形態において、化合物は(R,S)-配置を有する。いくつかの実施形態において、化合物は(S,S)-配置を有する。いくつかの実施形態において、化合物は(S,R)-配置を有する。
【0037】
ラセミ混合物の化合物の分割は、本技術分野において公知の多数の方法のいずれかによって行うことができる。方法の例としては、光学活性であって、塩を形成する有機酸である、キラル分割する酸を使用する分別再結晶(recrystallizaion)が挙げられる。分別再結晶法のための適切な分割剤は、例えば、DおよびL体の、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、またはβ-カンファースルホン酸などのさまざまな光学活性なカンファースルホン酸などの光学活性な酸である。分別結晶法のために適切な他の分割剤としては、立体異性体的に純粋な形態のα-メチルベンジルアミン(例えば、SおよびR体、またはジアステレオ異性体的に純粋な形態)、2-フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N-メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサンなどが挙げられる。
【0038】
ラセミ混合物の分割は、光学活性な分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)で充填されたカラムにおける溶出によって行うこともできる。適切な溶出溶媒の組成は、当業者によって決定することができる。
【0039】
本明細書において提供される化合物は、互変異性体も含む。互変異性体は、単結合の隣接する二重結合との交換と一緒に、プロトンの同時移動から生じる。互変異性体としては、同じ実験に基づく式および合計の電荷を有する異性体のプロトン化状態である、プロトトロピー互変異性体が挙げられる。プロトトロピー互変異性体の例としては、ケトン-エノールの対、アミド-イミド酸の対、ラクタム-ラクチムの対、エナミン-イミンの対、およびプロトンがヘテロ環系の2以上の位置を占めることができる環状の形態、例えば、1H-および3H-イミダゾール、1H-、2H-および4H-1,2,4-トリアゾール、1H-および2H-イソインドール、ならびに1H-および2H-ピラゾールが挙げられる。互変異性体は、平衡にあり得るか、または適切な置換によって1つの形態に立体的に固定され得る。
【0040】
すべての化合物およびその薬学的に許容される塩は、水および溶媒などの他の物質と一緒に見出され得るか(例えば、水和物および溶媒和物)、または単離され得る。
【0041】
いくつかの実施形態において、化合物の調製は、作用する酸または塩基、例えば、所望の反応の触媒の添加、または酸付加塩などの塩の形態の形成を含むことができる。
【0042】
酸の例は、無機酸または有機酸であり得、限定されるものではないが、強酸および弱酸が挙げられる。酸の例としては、限定されるものではないが、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、p-トルエンスルホン酸、4-ニトロ安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、安息香酸、酒石酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸およびデカン酸が挙げられる。
【0043】
塩基の例としては、限定されるものではないが、水酸化物、アルコキシド、金属アミド、金属水素化物、金属ジアルキルアミドおよびアリールアミンが挙げられ、ここで、水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが挙げられ;アルコキシドとしては、メチルオキシド、エチルオキシドおよびt-ブチルオキシドの、リチウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩が挙げられ;金属アミドとしては、ナトリウムアミド、カリウムアミドおよびリチウムアミドが挙げられ;金属水素化物としては、水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化リチウムが挙げられ;ならびに金属ジアルキルアミドとしては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、トリメチルシリルおよびシクロヘキシル置換アミドの、リチウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩が挙げられる。
【0044】
いくつかの実施形態において、本明細書において提供される化合物、またはその塩は、実質的に単離される。「実質的に単離される」とは、化合物が、形成または検出された環境から、化合物が、少なくとも部分的にまたは実質的に分離されることを意味する。部分的な分離は、例えば、本明細書において提供される化合物中で富化された組成物を含むことができる。顕著な分離は、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%または少なくとも約99重量%の、本明細書において提供される化合物またはその塩を含有する組成物を含むことができる。化合物およびそれらの塩を単離するための方法は、本技術分野において日常的なものである。
【0045】
「化合物」という用語は、文脈が他を指示していない限り、表された構造の、すべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体および同位体を含む。1つの特定の互変異性体としての名称または構造によって特定された本明細書における化合物は、他に規定されない限り、他の互変異性体を含むことを意図する。
【0046】
「薬学的に許容される」という語句は、本明細書において、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症がなく、妥当な利益/危険性の比にふさわしい、人間および動物の組織との接触における使用のために適切な、それらの化合物、物質、組成物および/または剤形を指すために用いられる。
【0047】
本出願は、本明細書に記載される化合物の薬学的に許容される塩も含む。本発明は、本明細書に記載される化合物の薬学的に許容される塩も含む。「薬学的に許容される塩」という用語は、親化合物が、存在する酸または塩基部分がその塩の形態に変換されることによって修飾された、本開示の化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例としては、限定されるものではないが、アミンなどの塩基性残基の無機酸塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩;などが挙げられる。本発明の薬学的に許容される塩としては、例えば、無毒性の無機酸または有機酸から形成される、親化合物の従来の無毒性の塩が挙げられる。本発明の薬学的に許容される塩は、従来の化学的方法によって、塩基性部分または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離酸または遊離塩基の形態を、化学量論量の適切な塩基または酸と、水もしくは有機溶媒、または2つの混合物中で、反応させることによって調製することができ;一般に、エーテル、酢酸エチル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはブタノール)またはアセトニトリルのような非水性媒体が好ましい。適切な塩のリストは、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985, p. 1418およびJournal of Pharmaceutical Science, 66, 2 (1977)に見出され、これらのそれぞれは、その全体が参照によって、本明細書に組み込まれる。
【0048】
「周囲温度」(略して「rt」)および「室温」という表現は、一般に、温度、例えば、反応温度を指し、これは、反応が行われる部屋の温度についてであり、例えば、約20℃~約30℃の温度、典型的には、約25℃である。
【0049】
「細胞増殖性障害」は、細胞が非定型的に加速された速度で身体によって作られる障害を意味する。
【0050】
「接触すること」という用語は、インビトロ系またはインビボ系のいずれかで、少なくとも2つの部分を一緒にすることを意味する。
【0051】
互換的に使用される「個体」または「患者」という用語は、(例えば、処置の対象としての)任意の動物を指し、哺乳動物、好ましくは、マウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマまたは霊長類、最も好ましくは、ヒトを含む。
【0052】
「治療有効量」という語句は、研究者、獣医師、医師または他の臨床医によって検討される、組織、系、動物、個体またはヒトにおける、生物学的または医薬的反応を誘発する活性化合物または医薬品の量を指す。
【0053】
「処置すること」または「処置」という用語は、(1)疾患を阻害すること;例えば、疾患、状態または障害の病理もしくは症候を、経験しているか、または示している個体において、疾患、状態または障害を阻害すること(すなわち、病理および/または症候のさらなる進行を抑止すること);ならびに(2)疾患を改善すること;例えば、疾患、状態もしくは障害の病理または症候を、経験しているか、または示している個体において、疾患、状態または障害を改善すること(すなわち、病理および/または症候を反転させること)、例えば、疾患の重症度を低下させることの、1つまたは複数を指す。1つの実施形態において、処置することまたは処置には、疾患を進行させる危険性を、予防すること、または低下させること;例えば、疾患、状態または障害に対する素因を有していてもよいが、その疾患の病理もしくは症候を、まだ、経験していないか、または示していない個体において、疾患、状態または障害が進行する危険性を、予防すること、または低下させることを含む。
【0054】
以下の略語を本明細書において使用し得る:AcOH(酢酸);aq.(水性);br(ブロード);d(ダブレット);dd(ダブルダブレット);DCM(ジクロロメタン);DIAD(N,N’-ジイソプロピルアジドジカルボキシレート);DIC(N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド);DIPEA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン);DMAP(4-ジメチルアミノピリジン);DMF(N,N-ジメチルホルムアミド);eq.(当量);Et(エチル);EtOAc(酢酸エチル);g(グラム);h(時間);HATU(N,N,N’,N’-テトラメチル-O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート);HCl(塩酸);HPLC(高速液体クロマトグラフィー);Hz(ヘルツ);J(カップリング定数);LCMS(液体クロマトグラフィー-質量分析);m(マルチプレット);M(モル濃度);MS(質量分析);Me(メチル);MeCN(アセトニトリル);MeOH(メタノール);mg(ミリグラム);min.(分);mL(ミリリットル);mmol(ミリモル);N(ノルマル);NaHCO(重炭酸ナトリウム);NaOH(水酸化ナトリウム);NaSO(硫酸ナトリウム);NHCl(塩化アンモニウム);nm(ナノメートル);nM(ナノモル濃度);NMR(核磁気共鳴分光法);PPTS(ピリジニウムp-トルエンスルホネート);RP-HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィー);rt(室温);s(シングレット);t(トリプレットまたはターシャリー);tert(ターシャリー);tt(トリプルトリプレット);t-Bu(tert-ブチル);THF(テトラヒドロフラン);μg(マイクログラム);μL(マイクロリットル);μM(マイクロモル濃度);wt%(重量パーセント)。
【0055】
II.化合物
本出願は、とりわけ、式Iの化合物:
【0056】
【化2】
またはその薬学的に許容される塩[式中、
Xは、OまたはCHであり;
Yは、CR、NR、C(=O)、C(=O)NHまたはNH(C=O)であり;
Zは、C(=O)ORZ1またはC(=O)NRZ2Z3であり;
nは、0、1、2または3であり;
は、Hまたは置換されていてもよいC1~4アルキルであり;
は、Hもしくは置換されていてもよいC1~4アルキルであり;
は、Hもしくは置換されていてもよいC1~4アルキルであるか;または
およびRは、組み合わされて、置換されていてもよい3~6員のシクロアルキル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するC2~4アルキレン基を形成し;
は、Hまたは置換されていてもよいC1~4アルキルであり;
Z1は、置換されていてもよいC1~4アルキルであり;
Z2は、Hもしくは置換されていてもよいC1~4アルキルであり;
Z3は、Hもしくは置換されていてもよいC1~4アルキルであるか;または
Z2およびRZ3は、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
Arは、置換されていてもよいC6~10アリールまたは置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールである]
を提供する。
【0057】
いくつかの実施形態において、それぞれの置換されたC1~4アルキルは、ハロ、C1~4アルキル、C2~4アルケニル、C2~4アルキニル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシ、OH、CN、NO、アミノ、C1~4アルキルアミノ、ジ(C1~4アルキル)アミノ、オキソ、置換されていてもよいC3~10シクロアルキル、置換されていてもよいC6~10アリール、置換されていてもよい4~10員のヘテロシクロアルキルおよび置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールからそれぞれ独立して選択される、1、2、3、4または5個の置換基によって置換され;
それぞれの置換されたシクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、ハロ、C1~4アルキル、C2~4アルケニル、C2~4アルキニル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシ、OH、CN、NO、アミノ、C1~4アルキルアミノ、ジ(C1~4アルキル)アミノおよびオキソからそれぞれ独立して選択される、1、2、3、4または5個の置換基によって置換され;
それぞれの置換されたアリールおよびヘテロアリールは、ハロ、C1~4アルキル、C2~4アルケニル、C2~4アルキニル、C1~4ハロアルキル、C1~4アルコキシ、OH、CN、NO、アミノ、C1~4アルキルアミノおよびジ(C1~4アルキル)アミノからそれぞれ独立して選択される、1、2、3、4または5個の置換基によって置換される。
【0058】
いくつかの実施形態において、Xは、Oである。
【0059】
いくつかの実施形態において、Xは、CHである。
【0060】
いくつかの実施形態において、Yは、CRである。
【0061】
いくつかの実施形態において、Yは、NR、C(=O)、C(=O)NHまたはNH(C=O)である。
【0062】
いくつかの実施形態において、Rは、Hまたは無置換のC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルである。
【0063】
いくつかの実施形態において、Rは、Hである。
【0064】
いくつかの実施形態において、Rは、Hまたは無置換のC1~4アルキルである。
【0065】
いくつかの実施形態において、Rは、無置換のC1~4アルキルである。
【0066】
いくつかの実施形態において、Rは、メチルまたはエチルである。
【0067】
いくつかの実施形態において、Rは、Hまたは無置換のC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルである。
【0068】
いくつかの実施形態において、Rは、Hまたはメチルである。
【0069】
いくつかの実施形態において、Rは、Hまたは無置換のC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルである。
【0070】
いくつかの実施形態において、Rは、Hまたはメチルである。
【0071】
いくつかの実施形態において、Rは、Hまたは置換されていてもよいC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルであり、Rは、Hまたは置換されていてもよいC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルである。
【0072】
いくつかの実施形態において、RおよびRは、それぞれ、Hである。
【0073】
いくつかの実施形態において、RおよびRは、それぞれ、無置換のC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルである。
【0074】
いくつかの実施形態において、RおよびRは、それぞれ、メチルである。
【0075】
いくつかの実施形態において、RおよびRは、組み合わされて、置換されていてもよい3~6員のシクロアルキル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するC2~4アルキレン基(例えば、-(CH2~4基)を形成する。
【0076】
いくつかの実施形態において、RおよびRは、組み合わされて、無置換の3~6員のシクロアルキル環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルをそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するC2~4アルキレン基を形成する。いくつかの実施形態において、シクロアルキル環は無置換であり得る。いくつかの実施形態において、シクロアルキル環は置換され得る。
【0077】
いくつかの実施形態において、RおよびRは、組み合わされて、無置換のシクロプロピル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するエチレン基を形成する。
【0078】
いくつかの実施形態において、nは、0である。
【0079】
いくつかの実施形態において、nは、1である。
【0080】
いくつかの実施形態において、nは、2である。
【0081】
いくつかの実施形態において、nは、3である。
【0082】
いくつかの実施形態において、Zは、C(=O)ORZ1である。
【0083】
いくつかの実施形態において、RZ1は、無置換のC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルである。
【0084】
いくつかの実施形態において、RZ1は、メチルである。
【0085】
いくつかの実施形態において、Zは、C(=O)NRZ2Z3である。
【0086】
いくつかの実施形態において、RZ2は、Hまたは無置換のC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルである。
【0087】
いくつかの実施形態において、RZ2は、Hまたはメチルである。
【0088】
いくつかの実施形態において、RZ3は、置換されていてもよいC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルである。
【0089】
いくつかの実施形態において、RZ3は、アミノ、C1~4アルキルアミノ、ジ(C1~4アルキル)アミノ、C1~4アルコキシおよび4~6員のヘテロシクロアルキルから独立して選択される、1、2または3個の基によって置換されていてもよいC1~4アルキルである。
【0090】
いくつかの実施形態において、RZ3は、メチル、N,N-ジメチルアミノエチル、N,N-ジエチルアミノエチル、メトキシエチルまたはピロリジニルエチルである。
【0091】
いくつかの実施形態において、RZ3は、メチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル、2-メトキシエチルまたは2-(ピロリジン-1-イル)エチルである。
【0092】
いくつかの実施形態において、RZ2は、Hまたは置換されていてもよいC1~4アルキルであり、RZ3は、Hまたは置換されていてもよいC1~4アルキルである。
【0093】
いくつかの実施形態において、RZ2は、Hまたは無置換のC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルであり、RZ3は、置換されていてもよいC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルである。
【0094】
いくつかの実施形態において、RZ2およびRZ3は、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0095】
いくつかの実施形態において、RZ2およびRZ3は、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、無置換の4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成する。
【0096】
いくつかの実施形態において、RZ2およびRZ3は、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、モルホリニル環を形成する。
【0097】
いくつかの実施形態において、Arは、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいナフチルまたは置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールである。
【0098】
いくつかの実施形態において、Arは、アリール(例えば、フェニル)、ナフチルまたは5~10員のヘテロアリールであり、これらのそれぞれは、1、2、3または4個の独立して選択されるRAr基によって置換されていてもよく、ここで、それぞれのRArは、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシからなる群から独立して選択される。
【0099】
いくつかの実施形態において、Arは、無置換のフェニル、無置換のナフチルまたは置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールである。
【0100】
いくつかの実施形態において、Arは、置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールである。
【0101】
いくつかの実施形態において、Arは、置換されていてもよい8~10員のヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、置換されていてもよい8~10員のヘテロアリールは、8~10員の縮合二環式ヘテロアリールである。
【0102】
いくつかの実施形態において、Arは、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシから独立して選択される、1、2、3または4個の基によって置換されていてもよい、5~10員のヘテロアリールである。
【0103】
いくつかの実施形態において、Arは、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシから独立して選択される、1、2、3または4個の基によって置換されていてもよい、8~10員のヘテロアリールである。
【0104】
いくつかの実施形態において、Arは、クロロ、メチル、メトキシおよびトリフルオロメチルから独立して選択される、1、2、3または4個の基によって置換されていてもよい、5~10員のヘテロアリールである。
【0105】
いくつかの実施形態において、Arは、クロロ、メチル、メトキシおよびトリフルオロメチルから独立して選択される、1、2、3または4個の基によって置換されていてもよい、8~10員のヘテロアリールである。
【0106】
いくつかの実施形態において、Arは、式Ar-1の基:
【0107】
【化3】
[式中、それぞれのRArは、h、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシからなる群から独立して選択される]
である。
【0108】
いくつかの実施形態において、それぞれのRArは、h、クロロ、メチル、メトキシおよびトリフルオロメチルからなる群から独立して選択される。
【0109】
いくつかの実施形態において、Arは、式Ar-2およびAr-3から選択される基:
【0110】
【化4】
[式中、それぞれのRArは、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシからなる群から独立して選択される]
である。
【0111】
いくつかの実施形態において、それぞれのRArは、クロロ、メチル、メトキシおよびトリフルオロメチルからなる群から独立して選択される。
【0112】
いくつかの実施形態において、Arは、
【0113】
【化5】
である。
【0114】
いくつかの実施形態において、
Xは、OまたはCHであり;
Yは、CRであり;
Zは、C(=O)ORZ1またはC(=O)NRZ2Z3であり;
は、無置換のC1~4アルキルであり;
は、Hもしくは無置換のC1~4アルキルであり;
は、Hもしくは無置換のC1~4アルキルであるか;または
およびRは、組み合わされて、置換されていてもよい3~6員のシクロアルキル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するC2~4アルキレン基を形成し;
nは、0、1、2または3であり;
Z1は、無置換のC1~4アルキルであり;
Z2は、Hもしくは無置換のC1~4アルキルであり;
Z3は、置換されていてもよいC1~4アルキルであるか;または
Z2およびRZ3は、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
Arは、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいナフチルまたは置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールである。
【0115】
いくつかの実施形態において、
Xは、OまたはCHであり;
Yは、CRであり;
Zは、C(=O)ORZ1またはC(=O)NRZ2Z3であり;
は、無置換のC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルであり;
は、Hまたは無置換のC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルであり;
は、Hまたは無置換のC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルであるか;あるいは
およびRは、組み合わされて、置換されていてもよい3~6員のシクロアルキル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するC2~4アルキレン基を形成し;
nは、1であり;
Z1は、無置換のC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルであり;
Z2は、Hまたは無置換のC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルであり;
Z3は、アミノ、C1~4アルキルアミノ、ジ(C1~4アルキル)アミノ、C1~4アルコキシおよび4~6員のヘテロシクロアルキルから独立して選択される、1、2または3個の基によって置換されていてもよいC1~4アルキルであり、 RZ2およびRZ3は、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
Arは、置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールである。
【0116】
いくつかの実施形態において、
Xは、OまたはCHであり;
Yは、CRであり;
Zは、C(=O)ORZ1またはC(=O)NRZ2Z3であり;
は、無置換のC1~4アルキル、例えば、メチルまたはエチルであり;
は、Hもしくはメチルであり;
は、Hもしくはメチルであるか;または
およびRは、組み合わされて、シクロプロピル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するエチレン基を形成し;
nは、1であり;
Z1は、無置換のC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルであり;
Z2は、Hまたは無置換のC1~4アルキル、例えば、メチルもしくはエチルであり;
Z3は、アミノ、C1~4アルキルアミノ、ジ(C1~4アルキル)アミノ、C1~4アルコキシおよび4~6員のヘテロシクロアルキルから独立して選択される、1、2または3個の基によって置換されていてもよいC1~4アルキルであり、 RZ2およびRZ3は、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
Arは、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシから独立して選択される、1、2、3または4個の基によって置換されていてもよい、5~10員のヘテロアリールである。
【0117】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式IIの化合物:
【0118】
【化6】
またはその薬学的に許容される塩
[式中、可変基のY、Z、RおよびArは、式Iの化合物について本明細書において提供される定義に従って定義される]
である。
【0119】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式IIIの化合物:
【0120】
【化7】
またはその薬学的に許容される塩
[式中、可変基のZ、R、RおよびArは、式Iの化合物について本明細書において提供される定義に従って定義される]
である。
【0121】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式IVの化合物:
【0122】
【化8】
またはその薬学的に許容される塩
[式中、可変基のZ、RおよびRは、式Iの化合物について本明細書において提供される定義に従って定義され、
それぞれのRArは、H、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシから独立して選択される]
である。
【0123】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式Vの化合物:
【0124】
【化9】
またはその薬学的に許容される塩
[式中、可変基のRZ2、RZ3、RおよびRは、式Iの化合物について本明細書において提供される定義に従って定義され、
それぞれのRArは、H、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシから独立して選択される]
である。
【0125】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式VIの化合物:
【0126】
【化10】
またはその薬学的に許容される塩
[式中、可変基のRZ1、RおよびRは、式Iの化合物について本明細書において提供される定義に従って定義され、
それぞれのRArは、H、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシから独立して選択される]
である。
【0127】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式VIIの化合物:
【0128】
【化11】
またはその薬学的に許容される塩
[式中、可変基のZ、RおよびRは、式Iの化合物について本明細書において提供される定義に従って定義され、
それぞれのRArは、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシから独立して選択される]
である。
【0129】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式VIIIの化合物:
【0130】
【化12】
またはその薬学的に許容される塩
[式中、可変基のZ、RおよびRは、式Iの化合物について本明細書において提供される定義に従って定義され、
それぞれのRArは、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシから独立して選択される]
である。
【0131】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式IXの化合物:
【0132】
【化13】
またはその薬学的に許容される塩
[式中、可変基のZ、RおよびRは、式Iの化合物について本明細書において提供される定義に従って定義され、
それぞれのRArは、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシから独立して選択される]
である。
【0133】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式Xの化合物:
【0134】
【化14】
またはその薬学的に許容される塩
[式中、可変基のZ、RおよびRは、式Iの化合物について本明細書において提供される定義に従って定義され、
それぞれのRArは、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシから独立して選択される]
である。
【0135】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式XIの化合物:
【0136】
【化15】
またはその薬学的に許容される塩
[式中、可変基のZ、RおよびRは、式Iの化合物について本明細書において提供される定義に従って定義され、
それぞれのRArは、ハロ、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキルおよびC1~4アルコキシから独立して選択される]
である。
【0137】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物は、式I-a、I-b、I-c、II-a、II-b、II-c、III-a、III-b、III-c、IV-a、IV-b、IV-c、V-a、V-b、V-c、VI-a、VI-b、VI-c、VII-a、VII-b、VII-c、VIII-a、VIII-b、VIII-c、IX-a、IX-b、IX-c、X-a、X-b、X-c、XI-a、XI-bもしくはXI-cの化合物:
【0138】
【化16-1】
【0139】
【化16-2】
【0140】
【化16-3】
【0141】
【化16-4】
またはその薬学的に許容される塩
[式中、可変基のX、Y、Z、R、n、R、R、ArおよびRArは、式Iの化合物について本明細書において提供される定義に従って定義される]
である。
【0142】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルボネート;
2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート
2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバメート;
2-(2-((3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
2-(2-((3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-メトキシエチル)カルバメート;
2-(2-((3-(7-クロロ-4-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルジメチルカルバメート;
2-(2-((3-(4,6-ビス(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバメート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-メトキシエチル)カルバメート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバメート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジエチルアミノ)エチル)カルバメート;
2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルジメチルカルバメート;
2-(2-((4-((2-アミノ-3,6-ジメチルフェニル)アミノ)-4-オキソブチル)(エチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
2-(2-((2-(1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;および
3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;
またはその薬学的に許容される塩から選択される。
【0143】
いくつかの実施形態において、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩は、
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルボネート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-メトキシエチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(7-クロロ-4-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルジメチルカルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,6-ビス(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-メトキシエチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジエチルアミノ)エチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルジメチルカルバメート;
(1R,2R)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(1S,2S)-2-(2-((4-((2-アミノ-3,6-ジメチルフェニル)アミノ)-4-オキソブチル)(エチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(1S,2S)-2-(2-((2-(1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(3S,4S)-3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;
(3R,4S)-3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;
(3S,4S)-3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;および
(3R,4S)-3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;
またはその薬学的に許容される塩から選択される。
【0144】
本技術分野において開示され得る他の化合物に関して、本化合物は、予想外の性質、例えば、作用および/または代謝の持続時間に関して、例えば、代謝安定性の増加、経口の生物学的利用率または吸収の増強、ならびに/あるいは、薬物-薬物相互作用の減少を示す。本化合物は、副作用の傾向の減少を示し得る(例えば、hERGカリウムチャネルの阻害と関連する副作用などの心臓血管の副作用に関して)。
【0145】
III.合成
その塩を含む、本明細書において提供される化合物は、公知の有機合成技術を使用して調製することができ、多数の可能な合成経路のいずれかに従って合成することができる。
【0146】
本明細書において提供される化合物(例えば、式I~XIのいずれかの化合物)またはその薬学的に許容される塩は、例えば、スキーム1に示される手順に従って調製することができ、ここで、Agは、ヒドロキシ活性化基(例えば、トシル、メシルなど)であり、R’は、アルキル基(例えば、メチルまたはtert-ブチルなどのC1~4アルキル基)であり、可変基のX、Y、Z、R、Arおよびnは、式Iの化合物について本明細書において提供される定義に従って定義される。
【0147】
【化17】
【0148】
本明細書において提供される化合物またはその薬学的に許容される塩は、例えば、スキーム2に示される手順に従って調製することもでき、ここで、R’は、アルキル基(例えば、メチルまたはtert-ブチルなどのC1~4アルキル基)であり、可変基のX、Y、Z、R、Arおよびnは、式Iの化合物について本明細書において提供される定義に従って定義される。
【0149】
【化18】
【0150】
本明細書において提供される化合物またはその薬学的に許容される塩は、下記のスキーム3に示されるように、ミベフラジルなどの市販の出発原料から調製することもできる。
【0151】
【化19】
【0152】
本明細書に記載される化合物の調製は、さまざまな化学基の保護および脱保護を含むことができる。保護および脱保護のための必要性、ならびに適切な保護基の選択は、当業者によって容易に決定することができる。保護基の化学は、例えば、Protecting Group Chemistry, 1st Ed., Oxford University Press, 2000;March’s Advanced Organic chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure, 5th Ed., Wiley-Interscience Publication, 2001;およびPeturssion et al., "Protecting Groups in Carbohydrate Chemistry," J. Chem. Educ., 1997, 74(11), 1297において見出すことができる。
【0153】
本明細書に記載される化合物を調整するための反応は、有機合成の分野における当業者によって容易に選択することができる適切な溶媒中で行うことができる。適切な溶媒は、出発原料(反応物)、中間体または生成物と、反応が行われる温度、例えば、溶媒の凍結温度~溶媒の沸騰温度の範囲であり得る温度で、実質的に非反応性であり得る。所与の反応は、1つの溶媒または2つ以上の溶媒の混合物中で行うことができる。特定の反応ステップに応じて、特定の反応ステップのために適切な溶媒が当業者によって選択され得る。
【0154】
反応は、本技術分野において公知の任意の適切な方法に従って監視することができる。例えば、生成物の形成は、核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外分光法、分光測定法(例えば、UV-可視)、質量分析法などの分光学的な手段によって、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー-質量分析法(LCMS)もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィー法によって、監視することができる。化合物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)("Preparative LC-MS Purification: Improved Compound Specific Method Optimization" Blom, et al., J. Combi. Chem. 2004, 6(6) 874-883)および順相シリカクロマトグラフィー(Still et al., J. Org. Chem., 1978, 43(14), 2923-25)を含む各種の方法によって、当業者によって精製され得る。
【0155】
当業者には、本明細書において記載されるプロセスが、本明細書によって提供される化合物を合成することができる排他的な手段ではないこと、および合成の有機反応の幅広いレパートリーが、本明細書において提供される化合物の合成において潜在的に用いることが可能であることが理解されるだろう。当業者には、適切な合成経路を選択および実行する方法は公知である。出発原料、中間体および生成物の適切な合成方法は、例えば、以下のような参照源を含む文献を参照することによって特定され得る:Advances in Heterocyclic Chemistry, Vols. 1-107 (Elsevier, 1963-2012);Journal of Heterocyclic Chemistry Vols. 1-49 (Journal of Heterocyclic Chemistry, 1964-2012);Carreira, et al. (Ed.) Science of Synthesis, Vols. 1-48 (2001-2010) and Knowledge Updates KU2010/1-4; 2011/1-4; 2012/1-2 (Thieme, 2001-2012);Katritzky, et al. (Ed.) Comprehensive Organic Functional Group Transformations, (Pergamon Press, 1996);Katritzky et al. (Ed.);Comprehensive Organic Functional Group Transformations II (Elsevier, 2nd Edition, 2004);Katritzky et al. (Ed.), Comprehensive Heterocyclic Chemistry (Pergamon Press, 1984);Katritzky et al., Comprehensive Heterocyclic Chemistry II, (Pergamon Press, 1996);Smith et al., March's Advanced Organic Chemistry;Reactions, Mechanisms, and Structure, 6thEd. (Wiley, 2007);Trost et al. (Ed.), Comprehensive Organic Synthesis (Pergamon Press, 1991)。
【0156】
IV.使用の方法
A.カルシウムチャネルの阻害
本出願は、電位開口型カルシウムチャネルの1つまたは複数のアイソフォームを遮断する方法をさらに提供する。いくつかの実施形態において、本方法は、インビトロの方法である。いくつかの実施形態において、本方法は、インビボの方法である。
【0157】
いくつかの実施形態において、本方法は、細胞試料または組織試料における電位開口型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームを遮断することを含み、細胞試料または組織試料を本明細書において提供される化合物(例えば、式I~XIのいずれかの化合物)またはその薬学的に許容される塩と接触させることを含む。
【0158】
いくつかの実施形態において、本方法は、細胞試料または組織試料におけるT型電位開口型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームを遮断することを含む。
【0159】
いくつかの実施形態において、アイソフォームは、Ca3.1、Ca3.2、Ca3.3またはこれらのいずれかの組み合わせである。
【0160】
いくつかの実施形態において、本方法は、細胞試料または組織試料におけるT型電位開口型カルシウムチャネルのCa3.2アイソフォームを遮断することを含む。
【0161】
本出願は、対象における電位開口型カルシウムチャネルの1つまたは複数のアイソフォームを遮断する方法をさらに提供する。「対象」という用語は、哺乳動物を含む、任意の動物を指す。対象の例としては、限定されるものではないが、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、霊長類およびヒトが挙げられる。いくつかの実施形態において、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態において、本方法は、本明細書において提供される化合物(例えば、式I~XIのいずれかの化合物)またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を対象に投与することを含む。
【0162】
いくつかの実施形態において、本方法は、対象におけるT型電位開口型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームを遮断することを含む。
【0163】
いくつかの実施形態において、アイソフォームは、Ca3.1、Ca3.2、Ca3.3またはこれらのいずれかの組み合わせである。
【0164】
いくつかの実施形態において、本方法は、対象におけるT型電位開口型カルシウムチャネルのCa3.2アイソフォームを遮断することを含む。
【0165】
本出願は、対象における電位開口型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームの異常な活性と関連する疾患を処置する方法をさらに提供する。いくつかの実施形態において、本方法は、本明細書において提供される化合物(例えば、式I~XIのいずれかの化合物)またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を対象に投与することを含む。
【0166】
いくつかの実施形態において、疾患は、対象におけるT型電位開口型カルシウムチャネルの1つまたは複数のアイソフォームの異常な活性と関連する。
【0167】
いくつかの実施形態において、疾患は、対象におけるCa3.1、Ca3.2、Ca3.3またはこれらのいずれかの組み合わせの異常な活性と関連する。
【0168】
いくつかの実施形態において、疾患は、対象におけるT型電位開口型カルシウムチャネルのCa3.2アイソフォームの異常な活性と関連する。
【0169】
B.がん
本明細書において、患者における細胞増殖性障害を処置する方法を提供する。本方法は、式(I)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、またはこれらのいずれかの実施形態の治療有効量を患者に投与することを含む。
【0170】
細胞増殖性障害はがんを含み得る。がんの非限定的な例としては、膀胱がん、脳がん、乳がん、結腸直腸がん、子宮頸がん、消化器がん、泌尿生殖器がん、頭頸部がん、肺がん、卵巣がん、前立腺がん、腎臓がん、皮膚がんおよび精巣がんが挙げられる。
【0171】
より具体的には、本明細書において記載される、化合物、組成物および方法によって処置され得るがんとしては、限定されるものではないが、以下が挙げられる。
【0172】
1)例えば、頭蓋のがん、例えば、骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫および変形性骨炎;髄膜のがん、例えば、髄膜腫、髄膜肉腫および神経膠腫症;脳のがん、例えば、星状細胞腫、髄芽腫、神経膠腫、上衣腫、胚細胞腫(松果体腫)、神経膠腫、神経膠芽腫、多形神経膠芽腫、乏突起神経膠腫、シュワン細胞腫、網膜芽細胞腫および先天性腫瘍;ならびに脊髄のがん、例えば、神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫および肉腫を含む、神経系のがん。
【0173】
2)例えば、ER乳がん、ER乳がん、her2乳がん、her2乳がん、線維腺腫、葉状腫瘍および肉腫などの間質性腫瘍、ならびに大管乳頭腫などの上皮性腫瘍を含む、乳がん;非浸潤性乳管癌(パジェット病を含む)および上皮内小葉癌を含む上皮内(非侵襲性)癌、ならびに限定されるものではないが、侵襲性腺管癌、侵襲性小葉癌、髄様癌、膠様(粘液性)癌、管状腺癌および侵襲性乳頭癌を含む、侵襲性(浸潤性)癌;ならびに種々の悪性新生物を含む乳房の癌。乳がんのさらなる例としては、ルミナルA、ルミナルB、ベーサルA、ベーサルB、ならびにエストロゲン受容体陰性(ER)、プロゲステロン受容体陰性およびher2陰性(her2)であるトリプルネガティブ乳がんを挙げることができる。いくつかの実施形態において、乳がんは、高リスクのオンコタイプスコアを有していてもよい。
【0174】
3)例えば、肉腫、例えば、血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫および脂肪肉腫を含む、噴門がん;粘液腫;横紋筋腫;線維腫;脂肪腫ならびに奇形腫。
【0175】
4)例えば、気管支癌、例えば、扁平細胞、未分化小細胞、未分化大細胞および腺癌;肺胞および細気管支癌;気管支腺腫;肉腫;リンパ腫;軟骨性過誤腫;ならびに中皮腫を含む、肺がん。
【0176】
5)例えば、食道のがん、例えば、扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫およびリンパ腫;胃のがん、例えば、癌腫、リンパ腫および平滑筋肉腫;膵臓のがん、例えば、導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍およびビポーマ;小腸のがん、例えば、腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫および線維腫;大腸のがん、例えば、腺癌、管状腺腫、絨毛腺腫、過誤腫および平滑筋腫を含む、消化器がん。
【0177】
6)例えば、腎臓のがん、例えば、腺癌、ウィルムス腫瘍(腎芽細胞腫)、リンパ腫および白血病;膀胱および尿道のがん、例えば、扁平上皮癌、移行上皮癌および腺癌;前立腺のがん、例えば、腺癌および肉腫;精巣のがん、例えば、精上皮腫、奇形腫、胚性癌腫、奇形癌腫、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、腺腫様腫瘍および脂肪腫を含む、尿生殖路がん。
【0178】
7)例えば、肝細胞腫、例えば、肝細胞癌;胆管細胞癌;肝芽腫;血管肉腫;肝細胞腺腫;および血管腫を含む、肝臓がん。
【0179】
8)例えば、骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫 脊索腫、骨軟骨腫(軟骨性外骨腫)(osteochrondroma)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫および巨細胞腫を含む、骨がん。
【0180】
9)例えば、子宮のがん、例えば、子宮内膜癌;子宮頸部のがん、例えば、子宮頸癌および前腫瘍子宮頸部異形成;卵巣のがん、例えば、漿液性嚢胞腺癌、粘液性嚢胞腺癌、未分類の癌、顆粒莢膜細胞腫、セルトリ・ライディッヒ細胞腫、未分化胚細胞腫および悪性奇形腫を含む、卵巣癌;外陰部のがん、例えば、扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫およびメラノーマ;腟のがん、例えば、明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫および胎児性横紋筋肉腫;ならびに卵管のがん、例えば、癌腫を含む、婦人科がん。
【0181】
10)例えば、血液のがん、例えば、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫および骨髄異形成症候群、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫(悪性リンパ腫)ならびにワルデンストレームマクログロブリン血症を含む、血液がん。
【0182】
11)例えば、悪性メラノーマ、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、異形成母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイドおよび乾癬を含む、皮膚がん。
【0183】
12)例えば、神経芽細胞腫を含む、副腎がん。
【0184】
13)例えば、腺癌(M8140/3)、腺扁平上皮癌、印環細胞癌、肝様癌、膠様癌、未分化癌および破骨細胞様巨細胞を有する未分化癌などの外分泌膵臓がん;ならびに外分泌膵臓腫瘍を含む、膵臓がん。
【0185】
がんは、転移性であってもよく、または転移性でなくてもよい、固形腫瘍であり得る。がんはまた、白血病におけるように、散在性組織としても起こり得る。したがって、本明細書において提供される「腫瘍細胞」という用語は、上記の特定された障害のいずれか1つによって苦しめられている細胞を含む。
【0186】
本明細書において記載される化合物は、新生児における血管腫症、続発性進行性多発性硬化症、慢性進行性骨髄変性疾患、神経線維腫症、節神経腫症、ケロイド形成、骨のパジェット病、乳房の線維嚢胞性疾患、子宮筋腫、ペイロニー病、デュピュイトラン病、再狭窄(restenoisis)および肝硬変などの非がん細胞増殖性障害の処置のために使用することもできる。
【0187】
いくつかの実施形態において、がんは、脳がん、乳がん、結腸がん、神経膠腫、神経膠芽腫、メラノーマ、卵巣がんおよび膵臓がんからなる群から選択される。
【0188】
いくつかの実施形態において、がんは、神経膠腫または神経膠芽腫である。
【0189】
本発明は、本明細書に記載されるいずれかの方法における使用のための、本明細書において記載される化合物(例えば、式I~XIのいずれかの化合物)またはその薬学的に許容される塩をさらに提供する。
【0190】
本発明は、本明細書に記載されるいずれかの方法における使用のための医薬の調製のための、本明細書において記載される化合物(例えば、式I~XIのいずれかの化合物)またはその薬学的に許容される塩の使用をさらに提供する。
【0191】
C.他の疾患
がんに加えて、T型カルシウムチャネルは、広範な生物学的機能に関与している。これは、ヒトまたは他の種における各種の疾患のプロセスにおけるこれらの受容体に対する潜在的な役割を示唆している。本発明の化合物は、以下の状態または疾患の1つもしくは複数を含む、カルシウムチャネルと関連する、各種の神経障害および精神障害の危険性の、処置、予防、改善、制御または低下における有用性を有する:無動症および運動不能症候群(パーキンソン病、薬物誘発性パーキンソニズム、脳炎後パーキンソニズム、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症、パーキンソニズム-ALS認知症複合および大脳基底核石灰化を含む)、慢性疲労症候群、パーキンソン病疲労、多発性硬化症疲労、睡眠障害または概日リズム障害によって引き起こされる疲労を含む、疲労、薬剤誘発性パーキンソニズム(神経遮断薬誘発性パーキンソニズム、神経遮断薬悪性症候群、神経遮断薬誘発性急性ジストニア、神経遮断薬誘発性急性アカシジア、神経遮断薬誘発性遅発性ジスキネジアおよび薬剤誘発性姿勢振戦など)、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、発作性障害、てんかんおよびジスキネジア[振戦(静止時振戦、本態性振戦、姿勢振戦および企図振戦など)]、舞踏病(シデナム舞踏病、ハンチントン病、良性遺伝性舞踏病、神経有棘赤血球症、症候性舞踏病、薬物誘発性舞踏病および片側バリズムなど)、ミオクローヌス(全身性ミオクローヌスおよび限局性ミオクローヌスを含む)、チック(単純チック、複合チックおよび症候性チックを含む)、下肢静止不能症候群およびジストニア(特発性(iodiopathic)ジストニア、薬物誘発性ジストニア、症候性ジストニアおよび発作性(paroxymal)ジストニアなどの全身性ジストニア、ならびに眼瞼けいれん、顎口腔ジストニア、けいれん性発声障害、痙性斜頸、軸性ジストニア、ジストニア書痙および片麻痺性ジストニアなどの限局性ジストニアを含む)を含む運動障害;アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群、心臓疾患、心拍リズムの異常および不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠状動脈性心疾患、突然死、脳卒中、生殖障害、不妊などの性器および生殖機能障害、うつ、片頭痛、神経障害性疼痛、パーキンソン病、精神病および統合失調症を含む、脳において異常な振動活動が生じる疾患または障害、ならびに特に、視床による活動の異常な連関がある疾患または障害;認知機能の増強;記憶力の増強;記憶維持の増加;訓練された能力の増加;免疫応答の増加;免疫機能の増加;のぼせ;寝汗;生存期間の延長;統合失調症;心調律および心臓血管系の他の障害などの神経系によって課せられる興奮/弛緩のリズムによって制御される筋肉関連障害;血管拡張または血管拘束(vasorestriction)および血圧などの細胞の増殖と関連する状態;心不整脈;高血圧;うっ血性心不全;生殖器/泌尿系の状態;性機能および妊孕性の障害;腎機能の妥当性;麻酔薬に対する応答度;睡眠の質の増強、睡眠の質の改善、睡眠効率の増加、睡眠維持の増大を含む、睡眠障害、睡眠妨害;対象が眠る時間を対象が眠ろうとする時間で割って計算される値の増加;睡眠の開始の改善;睡眠潜時または開始(眠りに落ちるまでにかかる時間)の減少;寝付きの困難さの減少;睡眠の連続性の増加;睡眠中の目覚めの回数の減少;睡眠中の断続的な覚醒の減少;夜行性の覚醒状態の減少;最初の睡眠開始後の覚醒に費やす時間の減少;総睡眠量の増加;睡眠の断片化の低下;レム睡眠発作のタイミング、頻度または持続時間の変化;徐波(すなわち、ステージ3または4)睡眠発作のタイミング、頻度または持続時間の変化;ステージ2の睡眠の量および割合の増加;徐波睡眠の促進;睡眠中のEEG-デルタ活性の増強;睡眠周期における早期のデルタ睡眠の量の増加;睡眠周期における後期のレム睡眠の増加;夜行性覚醒、特に、早朝の目覚めの減少;日中の覚醒の増加;日中の眠気の低下;過度の日中の眠気の処置または低下;睡眠の強度による充足感の増加;睡眠維持の増加;特発性不眠症;睡眠の問題;不眠症、過眠症、特発性過眠症、再現性過眠症、内因性過眠症、ナルコレプシー、睡眠の中断、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、覚醒、夜間ミオクローヌス、レム睡眠の中断、時差ぼけ、交替勤務者の睡眠妨害、睡眠異常、夜鷹症、うつ、情緒障害/気分障害、アルツハイマー病または認知機能障害ならびに夢遊病および夜尿症と関連する不眠症、ならびに老化に伴う睡眠障害;アルツハイマーの日暮れ時兆候;概日リズムと関連する状態、ならびにタイムゾーンを通過する旅行および輪番の交替勤務スケジュールと関連する精神障害および身体障害、副作用としてレム睡眠の減少を引き起こす薬物に帰因する状態;線維筋痛;体力の回復がみられない睡眠および筋肉痛によって呈する症候群または睡眠中の呼吸の妨害と関連する睡眠時無呼吸;睡眠の質の減少により生じる状態;うつ、あるいはより具体的には、抑うつ障害、例えば、単一の突発性もしくは再発性の大うつ病性障害および気分変調性障害、または双極性障害、例えば、双極性I型障害、双極性II型障害および気分循環性障害、全身病状に起因する気分障害、ならびに物質誘発性気分障害などの気分障害;急性ストレス障害、広場恐怖症、全般性不安障害、強迫性障害、パニック発作、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、分離不安障害、社会恐怖症、限局性恐怖症、物質誘発性不安障害、および全身病状に起因する不安症を含む、不安障害;心臓バイパス手術および移植後の大脳の欠損、脳卒中、虚血性脳卒中、脳虚血、脊髄損傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖性神経損傷などの急性神経障害および精神障害;ハンチントン舞踏病;筋萎縮性側索硬化症;多発性硬化症;眼損傷;網膜症;認知障害;特発性および薬物誘発性パーキンソン病;振戦、てんかん、けいれんを含む、筋痙直と関連する筋肉のけいれんおよび障害;(アルツハイマー病、虚血、心的外傷、血管の問題または脳卒中、HIV疾患、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、周産期低酸素症、他の全身病状または物質乱用と関連する)認知症を含む認知障害;せん妄、健忘障害または加齢関連の認知機能低下;統合失調症(偏執性、解体型、緊張型または未分化型)を含む、統合失調症または精神病、統合失調症様障害、統合失調感情障害、妄想性障害、短期精神障害、共有精神障害、全身病状および物質誘発性精神障害に起因する精神障害;物質関連障害および嗜癖行動(物質誘発性せん妄、持続性認知症、持続性健忘障害、精神障害または不安障害を含む);アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚薬、吸入薬、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静薬、睡眠薬または抗不安薬を含む、物質の、耐性、依存または離脱;注意欠陥/多動性障害(ADHD);行為障害;片頭痛(片頭痛の頭痛を含む);尿失禁;過活動膀胱(OAB);切迫性尿失禁(UUI);下部尿路症状(LUTS);物質耐性、物質離脱(オピエート、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静薬、睡眠薬などの物質を含む);精神病;統合失調症;不安(全般性不安障害、パニック障害および強迫性障害を含む);気分障害(うつ、躁病、双極性障害を含む);三叉神経痛;難聴;耳鳴;眼損傷を含む神経損傷;網膜症;眼の黄斑変性症;嘔吐;脳浮腫;急性疼痛、慢性疼痛、激痛、難治性疼痛、炎症性疼痛、慢性炎症性疼痛、糖尿病性神経障害、慢性神経障害性疼痛、外傷後疼痛、骨および関節痛(変形性関節症)、反復運動痛、歯痛、がん性疼痛、筋筋膜痛(筋損傷、線維筋痛)、手術前後の痛み(一般外科、婦人科)、慢性疼痛、神経障害性疼痛、外傷後疼痛、三叉神経痛、片頭痛および片頭痛の頭痛を含む、疼痛。このように、いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物、またはそれらの実施形態もしくは実施例のいずれかは、このような処置を必要とする個体に本化合物の治療有効量を投与することによって、上記に列挙した疾患のいずれかの危険性を、処置するか、制御するか、改善するか、または低下させる方法において使用することができる。
【0192】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物、またはそれらの実施形態もしくは実施例のいずれかは、本発明の化合物の治療有効量を患者に投与することを含む、それを必要とする哺乳類の患者において、欠神てんかんを含むてんかんの危険性を処置するか、制御するか、改善するか、または低下させる方法;パーキンソン病を処置するか、または制御する方法;本態性振戦を処置する方法;神経障害性疼痛を含む、疼痛を処置するか、または制御する方法;睡眠の質を増強する方法;睡眠維持を増大させる方法;レム睡眠を増加させる方法;徐波睡眠を増加させる方法;睡眠パターンの断片化を減少させる方法;不眠症を処置する方法;認知を増強する方法;記憶維持を増加させる方法;うつを処置するか、または制御する方法;精神病を処置するか、または制御する方法;あるいは、統合失調症の危険性を処置するか、制御するか、改善するか、または低下させる方法において、使用することができる。対象の化合物は、さらに、本明細書において言及された、疾患、障害および状態の危険性の、予防、処置、制御、改善または低下のための方法において、有用である。本方法は、このような処置を必要とする個体に本化合物の治療有効量を投与することによって行われる。
【0193】
D.画像化の方法
いくつかの実施形態において、本明細書において記載される化合物、またはそれらの実施例もしくは実施形態のいずれかは、例えば、国際公開第2011/109262号パンフレットに記載される方法に従って、がんもしくは前がん疾患、または細胞増殖性障害などの疾患を画像化するための造影剤の有効性を増強するために有用であり得る。本方法は、不安定狭心症、高血圧、てんかん、神経障害性疼痛、小発作性のてんかん発作、欠神発作、加齢性黄斑変性症、がん、および前がん状態を含む、さまざまな疾患または状態を画像化するために使用することができる。他の実施形態において、本方法は、腫瘍および前がん腫瘍を画像化するために使用することができる。
【0194】
それらについて、疾患または状態を画像化するための方法によって限定されないが、本明細書に記載の化合物のいずれか、またはそれらの実施形態もしくは実施例のいずれかであり得る、T型カルシウムチャネル阻害剤は、G1期およびS期の間(G1/S)の細胞周期のチェックポイントで、真核細胞の増殖を停止させる有効量で、最初に投与される。細胞周期の長さはさまざまであるが、これは、G1期で費やされる時間によって主に決定される。S期、G2期およびM期の長さは、比較的不変である。このため、集団中の任意の特定の細胞は、細胞が細胞周期のS期に入る前の期間の間、G1期に存在する。継続して細胞周期のチェックポイントを通過しないように細胞周期を停止させるために、T型カルシウムチャネル阻害剤を投与することができる。細胞周期阻害剤の投与は、それらのS期に進行する能力が細胞周期阻害剤によって阻止されるので、それらが細胞周期に沿って進行するにつれて、集団中の非同期的に増殖しているがん細胞のG1/Sでの蓄積を引き起こす。細胞が細胞周期のチェックポイントを通ってG1期からS期に移るためには、細胞は、進行に必要な生化学的カスケードのトリガーとなる細胞外カルシウムの流入を必要とする。細胞外媒体からのカルシウムの除去は、それぞれの細胞について細胞周期の移行を遮断する。このようにして、それぞれの細胞は、細胞外カルシウムの存在下では、G1期が持続するはずの間G1期で持続するが、カルシウムがない場合、G1/Sに達すると、そこで固定されるようになり、それによって、G1/Sで細胞が同期化される。細胞へのカルシウムの流入は、細胞周期に沿った増殖および移行のために必要である。
【0195】
T型カルシウムチャネル阻害剤の投与は、G1/Sでの細胞の割合を増加させる。G1/Sでの細胞の増加を利用するために、T型カルシウムチャネル阻害剤は、画像化する前のある期間、画像化する対象に投与することができる。この期間は、約1日~約10日の間(例えば、包括的に、約5日および約7日)であり得る。T型カルシウムチャネル阻害剤の投与に引き続いて、T型カルシウムチャネル阻害剤が投与されていない期間が存在し得る(例えば、約30分~約72時間の期間)。この期間は、G1/Sで蓄積した細胞が、細胞周期のS期に入るのを可能にすることができる(例えば、約5%~約25%が、G1/Sで蓄積され得る)。S期における細胞の数の増加は、多くの割合の細胞がそれぞれの用量で画像化マーカーを取り込むので、その後に投与される用量の画像化マーカーをより有効にする。
【0196】
T型カルシウムチャネル阻害剤の投与に引き続いて、細胞周期のS期で取り込まれるように標的化された、画像化マーカーが投与される。細胞周期阻害剤および画像化マーカーの最初の投与の間の期間は、細胞周期のG1/Sでの細胞の蓄積を可能にする。この方法は、S期にある細胞の割合を増加させ、それによって、それらの細胞への画像化マーカーの取り込みを増加させ、それによって、画像化の感度を増加させる。
【0197】
可能な画像化マーカーのいくつかの例としては、11Cメチオニン、2-デオキシ-2-(18F)フルオロ-D-グルコース、トリチウム化2-デオキシ-2-フルオロ-D-グルコース、および[18F]-3-フルオロ-3’-デオキシ-L-チミジンなどのフルオロデオキシチミジンが挙げられる。
【0198】
画像化マーカーが哺乳動物に投与された後、哺乳動物は、その後、画像化される。画像化マーカーは、任意の適切な用量、例えば、約100mBq~約600mBqで投与することができる。哺乳動物は、任意の適切な画像化装置、例えば、磁気共鳴画像(MRI)、陽電子放出断層撮影(PETスキャン)またはコンピュータ断層撮影(CTスキャン)を寄せ集める能力がある装置を使用して、画像化され得る。適切な画像化装置によって収集された画像は、細胞周期阻害剤の前処理なしの哺乳動物で得られた画像よりも感度が高い。細胞周期阻害剤の投与後に行われるスキャンは、細胞周期阻害剤の投与がなかった細胞の画像化マーカーの取り込みと比較して、病的な細胞がより多くの画像化マーカーを取り込むので、より感度が高い。
【0199】
V.併用療法
本発明の化合物は、薬物の併用が、いずれかの薬物単独よりも、より安全またはより有効である場合に、本発明の化合物または他の薬物が有用性を有し得る、疾患または状態の危険性の処置、予防、制御、改善または低下において、1つもしくは複数の他の薬物と組み合わせて使用され得る。このような他の薬物は、本発明の化合物と、同時期にまたは連続して、それらのために通常使用される経路および量で、投与され得る。本発明の化合物が、1つまたは複数の他の薬物と同時期に使用される場合、このような他の薬物および本発明の化合物を含有する単位剤形の医薬組成物が想定される。しかしながら、併用療法はまた、本発明の化合物および1つまたは複数の他の薬物が重複した異なるスケジュールで投与される治療を含んでいてもよい。1つまたは複数の他の活性成分と組み合わせて使用される場合、本発明の化合物および他の活性成分は、それぞれが単独で使用される場合よりもより低い用量で使用され得ることも期待される。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1つまたは複数の他の活性成分を含有するものを含む。上記の組み合わせは、本発明の化合物と、他の1つの活性化合物だけでなく、2つ以上の他の活性化合物との組み合わせを含む。
【0200】
同様に、本発明の化合物は、本発明の化合物が有用である、疾患または状態の危険性の予防、処置、制御、改善または低下において使用される他の薬物と組み合わせて使用され得る。このような他の薬物は、本発明の化合物と、同時期にまたは連続して、それらのために通常使用される経路および量で、投与され得る。本発明の化合物が、1つまたは複数の他の薬物と同時期に使用される場合、本発明の化合物に加えてこのような他の薬物を含有する医薬組成物が想定される。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1つまたは複数の他の活性成分も含有するものを含む。
【0201】
本発明の化合物と第2の活性成分の化合物の重量比は、変化させることができ、それぞれの成分の有効な用量に依存する。一般に、それぞれの有効な用量が使用される。したがって、例えば、本発明の化合物が別の薬剤と組み合わせられる場合、本発明の化合物と他の薬剤の重量比は、一般に、約1000:1~約1:1000、例えば、約200:1~約1:200の範囲である。本発明の化合物および他の活性成分の組み合わせはまた、一般に、上述する範囲内であるが、それぞれの場合において、それぞれの活性成分の有効な用量を使用すべきである。このような組み合わせにおいて、本発明の化合物および他の活性薬剤は、別々にまたは併せて、投与されてもよい。加えて、1つの要素の投与は、他の薬剤の投与の、前、同時または後であり得る。
【0202】
例えば、ステロイド、免疫抑制薬、化学療法剤、放射線治療および麻酔薬(例えば、外科手術で組み合わせて使用するため)などの1つまたは複数の追加の治療剤を、本明細書において提供される化合物および塩と組み合わせて使用することができる。
【0203】
ステロイドの例としては、限定されるものではないが、、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロンおよびプレドニゾンなどのコルチコステロイドが挙げられる。
【0204】
免疫抑制薬の例としては、限定されるものではないが、アザチオプリン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シクロスポリン、ダクリズマブ、インフリキシマブ、メトトレキサートおよびタクロリムスが挙げられる。
【0205】
化学療法剤の例としては、限定されるものではないが、テモゾロマイド、5-フルオロウラシル、6-メルカプトプリン、ブレオマイシン、カルボプラチン、シスプラチン、ダカルバジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エトポシド、ヒドロキシウレア、イホスファミド、イリノテカン、トポテカン、メトトレキサート、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビンデシンおよびマイトマイシンCが挙げられる。
【0206】
麻酔薬の例としては、限定されるものではないが、局所麻酔薬(例えば、リドカイン、プロカイン、ロピバカイン)および全身麻酔薬(例えば、デスフルラン、エンフルラン、ハロタン、イソフルレン、メトキシフルラン、亜酸化窒素、セボフルラン、アモバルビタール(mmobarbital)、メトヘキシタール、チアミラール、チオペンタール、ジアゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、エトミデート、ケタミン、プロポフォール、アルフェンタニル、フェンタニル、レミフェンタニル、ブプレノルフィン、ブトルファノール、ヒドロモルフォン レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルヒネ、ナルブフィン、オキシモルフォン、ペンタゾシン)が挙げられる。
【0207】
例えば、1つまたは複数の以下の薬剤を、本明細書において提供される化合物と組み合わせて使用してもよく、非限定的なリストとして提示する:アルキル化剤、細胞分裂阻害剤、シスプラチン、ドキソルビシン、タキソール、エトポシド、イリノテカン、トポテカン、パクリタキセル、ドセタキセル、エポチロン、タモキシフェン、5-フルオロウラシル、メトトレキサート、テモゾロマイド、シクロホスファミド、ティピファニブ、ゲフィチニブ、塩酸エルロチニブ、EGFRに対する抗体、メシル酸イマチニブ、ゲムシタビン、ウラシルマスタード、クロルメチン、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホルアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、フロクスウリジン、シタラビン、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、リン酸フルダラビン、オキサリプラチン、フォリン酸、ペントスタチン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン-C、L-アスパラギナーゼ、テニポシド、17α-エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、カルボプラチン、ヒドロキシウレア、アムサクリン、プロカルバジン、ミトタン、ミトキサントロン、レバミゾール、ビノレルビン、アナストロゾール(anastrazole)、レトロゾール、カペシタビン、レロキサフィン(reloxafine)、ヘキサメチルメラミン、ベバシズマブ、ベクザー、ベルケイド、ゼバリン、トリセノックス、ゼローダ、ポルフィマー、エルビタックス、チオテパ、アルトレタミン、トラスツズマブ、フルベストラント、エキセメスタン、リツキシマブ、アレムツズマブ、クロファラビン、クラドリビン、アフィディコリン、スニチニブ、ダサチニブ、テザシタビン、トリアピン、ジドックス、トリミドックス、アミドックス、ベンダムスチン、オファツムマブおよびイデラリシブ。
【0208】
本明細書に記載される化合物は、さらに、例えば、化学療法、放射線治療または外科手術によってがんを処置する他の方法と組み合わせて使用することができる。本化合物は、化学療法薬の、アバレリックス、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アロプリノール、アルトレタミン、アナストロゾール、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アザシチジン、ベバシズマブ、ベキサロテン、ブレオマイシン、ボルテゾムビ(bortezombi)、ボルテゾミブ、ブスルファン静脈内、ブスルファン経口、カルステロン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セツキシマブ、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダルテパリンナトリウム、ダサチニブ、ダウノルビシン、デシタビン、デニロイキン、デニロイキンジフチトクス、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エクリズマブ、エピルビシン、エルロチニブ、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシド、エキセメスタン、クエン酸フェンタニル、フィルグラスチム、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、ゲムツズマブオゾガマイシン、酢酸ゴセレリン、酢酸ヒストレリン、イブリツモマブチウキセタン、イダルビシン、イホスファミド、メシル酸イマチニブ、インターフェロンアルファ2a、イリノテカン、二トシル酸ラパチニブ、レナリドミド、レトロゾール、ロイコボリン、酢酸ロイプロリド、レバミゾール、ロムスチン、メクロレタミン(meclorethamine)、酢酸メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキサート、メトキサレン、マイトマイシンC、ミトタン、ミトキサントロン、フェンプロピオン酸ナンドロロン、ネララビン、ノフェツモマブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、パニツムマブ、ペグアスパルガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペメトレキセド二ナトリウム、ペントスタチン、ピポブロマン、プリカマイシン、プロカルバジン、キナクリン、ラスブリカーゼ、リツキシマブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、ストレプトゾシン、スニチニブ、マレイン酸スニチニブ、タモキシフェン、テモゾロマイド、テニポシド、テストラクトン、サリドマイド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ、トラスツズマブ、トレチノイン、ウラシルマスタード、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ボリノスタットおよびゾレドロネートなどの1つまたは複数の抗がん薬と組み合わせて投与することができる。
【0209】
いくつかの実施形態において、追加の治療剤は、本明細書において提供される化合物または塩と同時に投与される。いくつかの実施形態において、追加の治療剤は、本明細書において提供される化合物または塩の投与の後に投与される。いくつかの実施形態において、追加の治療剤は、本明細書において提供される化合物または塩の投与の前に投与される。いくつかの実施形態において、本明細書において提供される化合物または塩は、外科手術の間に投与される。いくつかの実施形態において、本明細書において提供される化合物または塩は、外科手術の間に、追加の治療剤と組み合わせて投与される。
【0210】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物、またはそれらの実施例もしくは実施形態のいずれかは、例えば、国際公開第2010/141842号パンフレットに記載される方法に従って、がんなどの細胞増殖性障害、例えば、上記に記載される任意の種類の細胞増殖性障害もしくはがんの処置において、増殖性細胞を死滅させる化学療法剤または放射線の有効性を増強するために有用であり得る。
【0211】
いかなる理論によっても限定されないが、T型カルシウムチャネル阻害剤の投与は、それらのS期に進行する能力が細胞周期阻害剤によって阻止されるので、それらが細胞周期に沿って進行するにつれて、集団中の非同期的に進行または増殖しているがん細胞のG1/Sチェックポイントでの蓄積を引き起こすことができると考えられる。細胞が細胞周期のチェックポイントを通ってG1期からS期に移るためには、細胞は、進行に必要な生化学的カスケードのトリガーとなる細胞外カルシウムの流入を必要とする。細胞外媒体からのカルシウムの除去は、それぞれの細胞について細胞周期の移行を遮断する。この遮断は、T型カルシウムチャネル阻害剤の投与によって達成され得る。このようにして、それぞれの細胞は、細胞外カルシウムの存在下では、G1期が持続するはずの間G1期で持続するが、カルシウムがない場合、G1/Sに達すると、そこで固定されるようになり、それによって、G1/Sで細胞が同期化される。
【0212】
細胞周期阻害剤の投与は、G1/Sでの細胞の割合を増加させる。この投与に引き続いて、少なくとも1つの化学療法剤の投薬、放射線の投薬、または両方の投薬を投与することができ、この投薬は、細胞周期のS期にある細胞を死滅させることを標的とする。少なくとも1つの化学療法剤の投薬は、放射線の投薬の、前、後またはその間に投与することができる。放射線の投薬は、少なくとも1つの化学療法剤の投薬の、前、後またはその間に投与することができる。この方法は、S期またはM期にある細胞の割合を増加させ、それによって、少なくとも1つの化学療法剤の投与量、放射線の投与量、または両方の投与量の有効性を増加させ、その後、所定量の真核細胞を死滅させるために必要な毒性負荷を低下させる。化学療法剤は、上記に記載されるがんの化学療法剤のいずれか、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0213】
本明細書に記載される化合物は、カルバマゼピン、クロナゼパム、ジバルプロエクス、エトスクシミド、フェルバメート、ホスフェニトイン(fosphenyloin)、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム、ミダゾラム、オクスカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン(phenyloin)、プリミドン、チアガビン、トピラマート、バルプロエート、ビガバトリンまたはゾニサミドなどの抗けいれん剤と組み合わせて用いられてもよい。別の実施形態において、対象の化合物は、アセトフェナジン、アレンテモール、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドパ、レボドパとベンセラジド、レボドパとカルビドパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドン(molindolone)、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシフェニジル、チオリダジン、チオチキセン、トリフルオペラジンまたはバルプロ酸と組み合わせて用いられてもよい。
【0214】
別の実施形態において、本発明の化合物は、レボドパ(カルビドパまたはベンセラジドなどの選択的脳外デカルボキシラーゼ阻害剤あり、またはなしで)、ビペリデン(任意選択で、その塩酸塩または乳酸塩として)およびトリヘキシフェニジル(ベンズヘキソール)塩酸塩などの抗コリン薬、エンタカポンなどのCOMT阻害剤、MOA-B阻害剤、抗酸化薬、A2aアデノシン受容体アンタゴニスト、コリン作用性アゴニスト、セロトニン受容体アンタゴニスト、ならびにアレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリドおよびプラミペキソールなどのドーパミン受容体アゴニストと組み合わせて用いられてもよい。ドーパミンアゴニストは、薬学的に許容される塩の形態、例えば、アレンテモール臭化水素酸塩、メシル酸ブロモクリプチン、メシル酸フェノルドパム、塩酸ナキサゴリドおよびメシル酸ペルゴリドであってもよいことが理解されるだろう。リスリドおよびプラミペキソールは、通常、非塩形態で使用される。
【0215】
別の実施形態において、本発明の化合物は、フェノチアジン、チオキサンテン、ヘテロ環のジベンズアゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジンおよび神経遮断剤のインドロンクラスからの化合物と組み合わせて用いられてもよい。フェノチアジンの適切な例としては、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジンおよびトリフルオペラジンが挙げられる。適切なチオキサンテンの例としては、クロルプロチキセンおよびチオチキセンが挙げられる。ジベンズアゼピンの例は、クロザピンである。ブチロフェノンの例は、ハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの例は、ピモジドである。インドロンの例は、モリンドンである。他の神経遮断剤としては、ロキサピン、スルピリドおよびリスペリドンが挙げられる。対象の化合物と組み合わせて使用される場合、神経遮断剤は、薬学的に許容される塩の形態、例えば、塩酸クロルプロマジン、ベシル酸メソリダジン、塩酸チオリダジン、マレイン酸アセトフェナジン、塩酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン(flurphenazine enathate)、デカン酸フルフェナジン、塩酸トリフルオペラジン、塩酸チオチキセン、デカン酸ハロペリドール、コハク酸ロキサピンおよび塩酸モリンドンであってもよいことが理解されるだろう。ペルフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ハロペリドール、ピモジドおよびリスペリドンは、通常、非塩形態で使用される。
【0216】
別の実施形態において、本発明の化合物は、オピエートアゴニスト、5-リポキシゲナーゼの阻害剤などのリポキシゲナーゼ阻害剤、シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤などのシクロオキシゲナーゼ阻害剤、インターロイキン-1阻害剤などのインターロイキン阻害剤、NMDAアンタゴニスト、一酸化窒素の阻害剤または一酸化窒素の合成の阻害剤、非ステロイド系抗炎症剤またはサイトカイン抑制性抗炎症剤、例えば、アセトアミノフェン、アスピリン(asprin)、コデイン(codiene)、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラク、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド性鎮痛薬、スフェンタニル(sufentanyl)、スリンダク(sunlindac)、テニダップなどと組み合わせて用いられてもよい。同様に、対象の化合物は、鎮静薬;カフェイン、H2-アンタゴニスト、シメチコン、水酸化アルミニウムまたは水酸化マグネシウムなどのポテンシエーター;フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン(pseudophedrine)、オキシメタゾリン、エピネフリン(ephinephrine)、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリンまたはレボ-デスオキシ-エフェドリンなどのうっ血除去薬;コデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタンまたはデキストロメトルファン(dextramethorphan)などの鎮咳薬(antiitussive);利尿薬;および鎮静性または非鎮静性抗ヒスタミン薬とともに投与されてもよい。別の実施形態において、対象の化合物は、アムロジピンなどのL型カルシウムチャネルアンタゴニストと組み合わせて用いられてもよい。別の実施形態において、対象の化合物は、NK-1受容体アンタゴニスト、ベータ-3アゴニスト、5-アルファレダクターゼ阻害剤(フィナステライドまたはデュタステリドなど)、M3ムスカリン受容体アンタゴニスト(ダリフェナシン、フェソテロジン、オキシブチニン、ソリフェナシン、トルテロジンまたはトロスピウム(trosipium)など)またはデュロキセチンと組み合わせて用いられてもよい。
【0217】
別の実施形態において、本発明の化合物は、例えば、鎮静薬、睡眠薬、抗不安薬、抗精神病薬、抗不安剤、抗ヒスタミン薬、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、シクロピロロン、GABAアゴニスト、5HT-2Aアンタゴニストおよび5HT-2A/2Cアンタゴニストを含む5HT-2アンタゴニスト、ヒスタミンH3アンタゴニストを含むヒスタミンアンタゴニスト、ヒスタミンH3逆アゴニスト、イミダゾピリジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニストおよびアンタゴニスト、メラトニン様物質、他のオレキシンアンタゴニスト、オレキシンアゴニスト、プロキネチシンアゴニストおよびアンタゴニスト、ピラゾロピリミジン、他のT型カルシウムチャネルアンタゴニスト、トリアゾロピリジンなど、例えば、アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アルモダフィニル、APD-125、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスピロン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプロモレリン、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、クロラール水和物、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼプ酸、クロレタート、クロザピン、コナゼパム(conazepam)、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロラルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、EMD-281014、エプリバンセリン、エスタゾラム、エスゾピクロン、エトクロルビノール(ethchlorynol)、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、ガボキサドール、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イブタモレン、イミプラミン、インディプロン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、LY-156735、マプロチリン、MDL-100907、メクロカロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタカロン、メチプリロン、ミダフルル、ミダゾラム、モダフィニル、ネファゾドン、NGD-2-73、ニソバマート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、ラメルテオン、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、TAK-375、テマゼパム、チオリダジン、チアガビン、トラカゾレート、トラニルシプロミン(tranylcypromaine)、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾピクロン、ゾルピデム、およびその塩、ならびにこれらの組み合わせなどを含む、睡眠の質を増強するため、ならびに睡眠障害および睡眠妨害を予防するためおよび処置するために有用な、本技術分野において公知である化合物と組み合わせて投与されてもよく、あるいは本発明の化合物は、光線療法または電気刺激などの物理的方法の使用と併せて投与されてもよい。
【0218】
別の実施形態において、本発明の化合物は、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(第3級アミン三環系および第2級アミン三環系を含む)、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害剤(RIMA)、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、アルファ-アドレナリン受容体アンタゴニスト、ニューロキニン-1受容体アンタゴニスト、非定型抗うつ薬、ベンゾジアゼピン、5-HT1Aアゴニストまたはアンタゴニスト、特に、5-HT1A半アゴニストおよびコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストを含む、抗うつ薬または抗不安剤と組み合わせて用いられてもよい。具体的な薬剤としては、以下が挙げられる:アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミンおよびトリミプラミン;アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリンおよびプロトリプチリン;フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリン;イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミンおよびセレギリン;モクロベミド;ベンラファキシン;アプレピタント;ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドンおよびビロキサジン;アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼプ酸、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパムおよびプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロンおよびイプサピロン、ならびにこれらの薬学的に許容される塩。
【0219】
別の実施形態において、本発明の化合物は、抗アルツハイマー剤;ベータ-セクレターゼ阻害剤;ガンマ-セクレターゼ阻害剤;成長ホルモン分泌促進薬;組換え成長ホルモン;HMG-CoAレダクターゼ阻害剤;イブプロフェンを含む、NSAID;ビタミンE;抗アミロイド抗体;CB-1受容体アンタゴニストまたはCB-1受容体逆アゴニスト;ドキシサイクリンおよびリファンピンなどの抗生物質;メマンチンなどのN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニスト;ガランタミン、リバスチグミン、ドネペジルおよびタクリンなどのコリンエステラーゼ阻害剤;イブタモレン、メシル酸イブタモレンおよびカプロモレリンなどの成長ホルモン分泌促進薬;ヒスタミンHサブ3アンタゴニスト;AMPAアゴニスト;PDE IV阻害剤;GABAサブA逆アゴニスト;またはニューロンニコチンアゴニストと組み合わせて用いられてもよい。
【0220】
VI.製剤、剤形および投与
医薬として用いられる場合、本明細書において提供される化合物および塩は、医薬組成物の形態で投与することができる。これらの組成物は、本明細書または他に記載されるようにして調製することができ、局所または全身処置が望ましいか否か、および処置される領域に応じて、各種の経路によって投与することができる。投与は、局所(経皮、表皮、眼内、ならびに経鼻、経膣および経直腸送達を含む経粘膜を含む)、肺内(例えば、ネブライザーによるものを含む、粉末もしくはエアロゾルの吸入またはガス注入によって;気管内または経鼻)、経口または非経口であり得る。非経口投与としては、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、または注射もしくは注入;あるいは頭蓋内(例えば、髄腔内または脳室内投与)が挙げられる。非経口投与は、単回ボーラス用量の形態であることができ、または例えば、連続灌流ポンプによるものであってもよい。いくつかの実施形態において、本明細書において提供される、化合物、塩および医薬組成物は、非経口投与のために適切である。いくつかの実施形態において、本明細書において提供される、化合物、塩および医薬組成物は、静脈内投与のために適切である。
【0221】
局所投与のための医薬組成物および製剤としては、経皮パッチ、軟膏、ローション剤、クリーム、ゲル、滴剤、坐剤、スプレー剤、液剤および散剤が挙げられ得る。従来の医薬担体、水性、粉末もしくは油性の基剤、増粘剤などが必要であり得るか、または望ましくあり得る。
【0222】
活性成分として、本明細書において提供される化合物またはその薬学的に許容される塩を、1つまたは複数の薬学的に許容される担体(例えば、賦形剤)と組み合わせて含有する、医薬組成物も提供する。本明細書において提供される組成物の作製において、活性成分は、典型的には、賦形剤と混合されるか、賦形剤によって希釈されるか、または例えば、カプセル、小袋、紙もしくは他の容器の形態で、そのような担体中に含められる。賦形剤が希釈剤としての機能を果たす場合、賦形剤は、固体、半固体または液体の物質であることができ、これは、活性成分のためのビヒクル、担体または媒体として機能する。したがって、本組成物は、錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ、小袋、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、エマルジョン、溶液、シロップ、エアロゾル(固体として、または液体媒体中)、軟膏、軟および硬ゼラチンカプセル、坐剤、無菌の注射液、ならびに無菌包装粉末の形態であり得る。
【0223】
適切な賦形剤のいくつかの例としては、限定されるものではないが、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップおよびメチルセルロースが挙げられる。製剤は、限定されるものではないが、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱油などの滑沢剤;湿潤剤;乳化剤および懸濁化剤;ヒドロキシ安息香酸メチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピルなどの保存剤;甘味剤;香味剤、またはこれらの組み合わせを追加で含むことができる。
【0224】
活性化合物は、幅広い投与量の範囲にわたって有効であり得、一般に、薬学的有効量で投与される。しかしながら、実際に投与される本化合物の量は、通常、処置される状態、選択された投与経路、投与される実際の化合物、個々の対象の年齢、体重および反応、対象の症状の重症度などを含む、関連する状況に従って、医師によって決定されることが理解されるであろう。
【実施例
【0225】
以下の実施例は、説明の目的のために示され、本発明を限定することを意図するものではない。
【0226】
中間体1 2-((1S,2S)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル4-メチルベンゼンスルホネート
【0227】
【化20】
(1S,2S)-6-フルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(160g、627.45mmol、1.0eq.)のDCM(1600mL)溶液に、トリエチルアミン(132.5mL、941.17mmol、1.5eq.)、DMAP(7.66g、62.74mmol)および塩化トシル(155.5g、815.68mmol、1.3eq.)を室温で添加した。反応混合物を室温で12h撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO溶液(5000mL)に取り、DCM(1500mL×2)で抽出した。ひとまとめにした有機物をNaSOで乾燥し、濃縮して、中間体1を、終夜放置すると固化する透明な半固体(180g、70%)として得た。MS:424.4 m/z(M+NH
【0228】
中間体2 (1S,2S)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-(2-(メチルアミノ)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール
【0229】
【化21】
中間体1(180g、443.34mmol)および2MのMeOH中のメチルアミン(900mL)の混合物を、オートクレーブ下、40℃で12h撹拌した。反応混合物を氷冷水(4000mL)に取って、固体沈殿物を得た。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空中で乾燥して、中間体2(115g、97%)を得た。MS:266.3 m/z(M+H)
【0230】
中間体3 3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブタナール
【0231】
【化22】
ステップ1
3,3-ジメチルジヒドロフラン-2(3H)-オン
【0232】
【化23】
ジヒドロフラン-2(3H)-オン(2.0g、0.023mol、1.0eq.)の乾燥THFの溶液に、水素化ナトリウム(3.34g、0.069mol、3.0eq.)を0℃で少量ずつ添加し、30分間還流した。反応混合物に、還流下、MeI(11.5g、0.081mol、3.5eq.)を1hかけてゆっくりと添加した。2h後、反応混合物をEtOで希釈し、1NのHClで酸性化し、終夜撹拌した。有機層を分離し、減圧下濃縮した。粗製物(350mg)を、任意の精製をせずに、次ステップで使用した。
【0233】
ステップ2
3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブタン-1-オール
【0234】
【化24】
ステップ1からの粗混合物(5.0g、0.046mol、1.0eq.)およびo-フェニレンジアミン(10.5g、0.92mol、2eq.)をフラスコに取り、25mLの5.5MのHClを室温で添加し、次いで、90℃で12h撹拌した。反応混合物をアセトンで希釈し、飽和NaHCOで中和し、NaSOで乾燥した。有機層を減圧下濃縮し、230~400メッシュのシリカゲルでのフラッシュカラムによって精製して、3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブタン-1-オール(1.5g、17%)を灰色固体として得た。MS:205.0 m/z(M+H)
【0235】
ステップ3
3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブタナール
【0236】
3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブタン-1-オール(1g、0.005mol、1eq.)のDCM(20mL)溶液にデスマーチンペルヨージナン(3.1g、0.007mmol、1.5eq.)を0℃で添加した。反応物を室温に温め、室温で3h撹拌した。次いで、反応物の大半を飽和NaHCO溶液でクエンチし、DCM(100mL×2)で抽出した。ひとまとめにした有機物を集め、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発乾固させた。残渣を、DCM/MeOHを使用するシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、中間体3(0.84g、84.84%)を灰色固体として得た。MS:203.2 m/z(M+H)
【0237】
実施例1 (1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート
【0238】
【化25】

ステップ1
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール
【0239】
【化26】
ミベフラジル(2g、4.04mmol、1.0eq.)、EtOH(20mL、10容量)および20mL(10容量)の1NのNaOHの混合物を密封管に取った。反応混合物を60℃で3.4h撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、減圧下濃縮した。残渣を水(20mL)に取り、DCMで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として2.6~3%のDCM中のMeOHを使用するCOMBIFLASH(登録商標)カラムで精製して、(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(1.2g、60%)を得た。MS:424.2 m/z(M+H)
【0240】
ステップ2
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート
【0241】
0℃の(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(0.250g、0.59mmol、1eq.)のDCM(2.5mL)溶液に、DIPEA(0.2mL、0.70mmol、1.2eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(0.180g、0.88mmol、1.5eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、3h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、メチルアミン(MeOH中33%)(0.11mL、0.88mmol、1.5eq.)を添加し、混合物を室温で3h撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCMで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、次いで、濃縮した。粗化合物を、溶離液として2.4~2.8%のDCM中のMeOHを使用するシリカゲル(100~200メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、実施例1(0.060g、22%)を得た。
【数1】
【0242】
実施例2 (1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカーボネート
【0243】
【化27】
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(実施例1、ステップ1、0.250g、0.59mmol、1eq.)のトルエン溶液に、KCO(0.131g、0.949mmol、2eq.)、続いて、メチルクロロホルメート(0.084g、0.885mmol、1.5eq.)を0℃で添加した。反応混合物を室温で16h撹拌した。反応混合物を水(15mL)で希釈し、DCMで抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、次いで、濃縮した。粗化合物を、溶離液として3~3.8%のDCM中のMeOHを使用するシリカゲル(100~200メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、実施例2(0.060g、21%)を得た。
【数2】
【0244】
実施例3 (1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート
【0245】
【化28】
ステップ1
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール
【0246】
【化29】
中間体1(0.5g、1.23mmol、1.0eq.)および3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-N-メチルプロパン-1-アミン(0.320g、1.476mmol、1.2eq.)のトリエチルアミン(25mL)溶液を80℃で24h撹拌した。反応混合物を水(20mL)でクエンチし、DCM(20mL×3)で抽出した。ひとまとめにした有機物を集め、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発乾固させた。粗化合物を、溶離液として3~4%のDCM中のMeOHを使用するCOMBIFLASH(登録商標)カラムで精製して、(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(0.300g、54%)を得た。MS:452.5 m/z(M+H)
【0247】
ステップ2
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート
【0248】
0℃の(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(0.2g、0.44mmol、1eq.)のDCM(2mL)溶液に、DIPEA(0.1mL、0.88mmol、2.0eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(0.133g、0.66mmol、1.5eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、3h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、メチルアミン(MeOH中33%)(2mL)を添加し、反応混合物を室温で3h撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCMで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、蒸発乾固させた。粗化合物を、溶離液として2.6~3%のDCM中のMeOHを使用するCOMBIFLASH(登録商標)カラムで精製して、実施例3(0.060g、54%)を得た。
【数3】
【0249】
実施例4 (1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバメート
【0250】
【化30】
0℃の(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(実施例3、ステップ1、0.100g、0.222mmol、1eq.)のDCM(1mL)溶液に、DIPEA(0.2mL、1.108mmol、5eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(0.111g、0.554mmol、2.5eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、3h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、N,N-ジメチルエチルアミン(0.024g、0.333mmol、1.5eq.)を添加し、反応混合物を室温で3h撹拌した。次いで、反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCMで抽出した。ひとまとめにした有機物を集め、NaSOで乾燥した。粗化合物を、溶離液として20%のDCM中のMeOHを使用するシリカゲル(230~400メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、実施例4(0.012g、10%)を得た。
【数4】
【0251】
実施例5 (1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート
【0252】
【化31】
ステップ1
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール
【0253】
【化32】
表題化合物を実施例3と同様の手順を使用して調製した。中間体1(0.6g、1.41mmol、1.0eq.)のトリエチルアミン(5mL)溶液に、化合物3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-N-メチルプロパン-1-アミン(0.4g、1.69mmol、1.2eq.)を0℃で添加した。反応混合物を50℃で12h撹拌した。溶媒を蒸発させ、得られた残渣をEtOAcおよび水で希釈した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いで、溶媒を減圧下蒸発させた。得られた残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、表題のアルコール(0.6g、84.05%)を無色液体として得た。MS:484.5 m/z(M+H)
【0254】
ステップ2
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート
【0255】
ステップ1からのアルコール(0.3g、0.62mmol、1.0eq.)を乾燥DCM(5mL)に溶解し、4-ニトロフェニルクロロホルメート(0.12g、1.24mmol、2.0eq.)、続いて、DIPEA(0.5mL、2.5eq.)を0℃で添加し、得られた混合物を2h撹拌した。次に、MeOH中のメチルアミン(2mL、2.0eq.)を反応混合物に0℃で添加した。反応混合物を室温に温め、1h撹拌した。反応混合物を水によってクエンチし、酢酸エチル(60mL×2)で抽出した。ひとまとめにした有機物を集め、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発乾固させた。粗残渣を分取HPLCによって精製して、純粋な実施例5(0.052g、15%)を白色固体として与えた。
【数5】
【0256】
実施例6 (1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-メトキシエチル)カルバメート
【0257】
【化33】
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(実施例5、ステップ1、0.3g、0.62mmol、1.0eq.)を乾燥DCM(2.5mL)に溶解し、4-ニトロフェニルクロロホルメート(0.27g、1.24mmol、2.0eq.)、続いて、DIPEA(0.22mL、2.0eq.)を0℃で添加し、2h撹拌した。次に、DCM中のメトキシエチルアミン(2mL、2.0eq.)を反応混合物に0℃で添加した。反応混合物を室温に温め、1h撹拌した。反応混合物を水によってクエンチし、酢酸エチルで抽出した。ひとまとめにした有機物を集め、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発乾固させた。粗残渣を分取HPLCによって精製して、純粋な実施例6(0.07g、20.87%)を白色固体として与えた。
【数6】
【0258】
実施例7 (1S,2S)-2-(2-((3-(7-クロロ-4-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルジメチルカルバメート
【0259】
【化34】
ステップ1
(1S,2S)-2-(2-((3-(7-クロロ-4-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール
【0260】
【化35】
表題化合物を実施例3と同様の手順を使用して調製した。中間体1(0.5g、1.23mmol、1.0eq.)および3-(7-クロロ-4-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-N-メチルプロパン-1-アミン(0.374g、1.48mmol、1.2eq.)のトリエチルアミン(2.5mL)およびMeCN(2.5mL)溶液を60℃で12h撹拌した。反応混合物を水(25mL)でクエンチし、DCM(25mL×3)で抽出した。ひとまとめにした有機物を集め、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発乾固させた。粗化合物を、溶離液として4~5%のDCM中のMeOHを使用することによるCOMBIFLASH(登録商標)カラムで精製して、アルコール(0.25g、42%)を得た。MS:488.4 m/z(M+H)
【0261】
ステップ2
(1S,2S)-2-(2-((3-(7-クロロ-4-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルジメチルカルバメート
【0262】
0℃のステップ1からのアルコール生成物(0.250g、0.513mmol、1eq.)のDCM溶液に、DIPEA(0.3mL、2.56mmol、5eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(0.330g、1.79mmol、3.5eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、3h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、MeOH中のN,N-ジメチルアミン(2.5mL、10容量)を添加し、反応混合物を室温で3h撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCM(3×20mL)で抽出し、NaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として3~4%のDCM中のMeOHを使用するシリカゲル(100~200メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、実施例7(0.050g、18%)を得た。
【数7】
【0263】
実施例8 (1S,2S)-2-(2-((3-(4,6-ビス(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート
【0264】
【化36】
ステップ1
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,6-ビス(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール
【0265】
【化37】
表題化合物を実施例3と同様の手順を使用して調製した。中間体1(0.2g、0.492mmol、1.0eq.)および3-(4,6-ビス(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-N-メチルプロパン-1-アミン(0.147g、0.563mmol、1.2eq.)のトリエチルアミン(1mL)およびMeCN(2mL)溶液を60℃で12h撹拌した。反応混合物を水(20mL)でクエンチし、DCM(20mL×3)で抽出した。ひとまとめにした有機物を集め、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発乾固させた。粗化合物を、溶離液として4~5%のDCM中のMeOHを使用するCOMBIFLASH(登録商標)カラムで精製して、表題のアルコール(0.1g、36%)を得た。MS:560.3 m/z(M+H)
【0266】
ステップ2
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,6-ビス(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート
【0267】
0℃のステップ1からのアルコール生成物(0.075g、0.134mmol、1eq.)のDCM溶液に、DIPEA(0.1mL、0.67mmol、5eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(0.067g、0.335mmol、2.5eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、3h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、モルホリン(0.06mL、0.067mmol、5eq.)を添加し、室温で3h撹拌した。反応混合物を水(15mL)で希釈し、DCMで抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、次いで、濃縮した。粗化合物を、移動相として10%のDCM中のMeOHを使用する分取TLCによって精製して、実施例8(0.025g、25%)を得た。
【数8】
【0268】
実施例9 (1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート
【0269】
【化38】
ステップ1
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール
【0270】
【化39】
表題化合物を実施例3と同様の手順を使用して調製した。中間体2(0.365g、1.8mmol、1.2eq.)および中間体3(0.4g、1.51mmol、1.0eq.)のDCM溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(STAB、1.01g、4.53mmol、3.0eq.)を0℃で少量ずつ添加し、反応混合物を2h撹拌した。反応物を水でクエンチし、DCMで希釈した。水層をDCMで抽出し、NaSOで乾燥し、真空中で濃縮した。得られた残渣を、DCM/MeOHを使用するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって精製した。反応混合物を室温に温め、2h撹拌した。反応物をDCMで希釈し、水を添加した(40mL)。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発乾固させた。粗物質を、溶離液としてDCM/MeOHを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、所望のアルコール(0.42g、47%)を白色固体として製造した。MS:452.4 m/z(M+H)
【0271】
ステップ2
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート
【0272】
0℃のステップ1からのアルコール生成物(0.28g、0.620mmol、1eq.)のDCM溶液に、DIPEA(0.4mL、2.172mmol、3.5eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(0.310g、1.55mmol、2.5eq.)を添加した。得られた溶液を室温で3h撹拌し、次いで、モルホリン(0.002mL、2.172mmol、3.5eq.)を0℃で添加し、混合物を室温で3h撹拌した。反応混合物を水で希釈し、DCMで抽出した。次いで、ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として7~8%のDCM中のMeOHを使用するCombiflashクロマトグラフィーによって精製して、純粋な実施例9(10mg、3%)を得た。
【数9】
【0273】
実施例10 (1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート
【0274】
【化40】
0℃の(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(実施例9、ステップ1、0.3g、0.665mmol、1eq.)のDCM溶液に、DIPEA(0.4mL、2.328mmol、3.5eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(0.334g、1.662mmol、2.5eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、3h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、MeOH(10容量)中のメチルアミンを添加した。反応混合物を室温にし、6h撹拌した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、DCM(30mL×2)で抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として7~8%のDCM中のMeOHを使用するCombiflashクロマトグラフィーによって精製して、実施例10を得た。
【数10】
【0275】
実施例11 (1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバメート
【0276】
【化41】
0℃の(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(実施例9、ステップ1、0.120g、0.266mmol、1eq.)のDCM(1.2mL)溶液に、DIPEA(0.1mL、0.532mmol、2eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(0.160g、0.798mmol、3eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、3h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、N,N-ジメチルエタン-1,2-ジアミン(0.93g、1.064mmol、4eq.)を添加し、室温で9h撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCMで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮し、粗化合物を、溶離液として3~3.4%のDCM中のMeOHを使用するCOMBIFLASH(登録商標)によって精製して、実施例11(0.050g、34%)を得た。
【数11】
【0277】
実施例12 (1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-メトキシエチル)カルバメート
【0278】
【化42】
0℃の(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(実施例9、ステップ1、0.4g、0.88mmol、1.0eq.)のDCM溶液に、DIPEA(0.5mL、3.10mmol、3.5eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(0445g、2.21mmol、2.5eq.)を添加した。溶液を3h撹拌し、次いで、2-メチルオキシエチルアミンを0℃で添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、DCM(3×20mL)で抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として2.6~3%のDCM中のMeOHを使用するCombiflashクロマトグラフィーによって精製して、実施例12(50mg、10%)を得た。
【数12】
【0279】
実施例13 (1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバメート
【0280】
【化43】
0℃の(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(実施例9、ステップ1、0.080g、0.177mmol、1eq.)のDCM溶液に、DIPEA(0.2mL、0.88mmol、5eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(2.0g、0.443mmol、2.5eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、2h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、2-(ピロリジン-1-イル)エタン-1-アミン(0.040g、0.443mmol、2.5eq.)を添加し、混合物を室温で2h撹拌した。反応混合物を水(15mL)で希釈し、DCMで抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、次いで、濃縮した。粗化合物を、移動相として10%のDCM中のMeOHを使用する分取TLCによって精製して、実施例13(0.020g、19%)を得た。
【数13】
【0281】
実施例14 (1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジエチルアミノ)エチル)カルバメート
【0282】
【化44】
0℃の(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(実施例9、ステップ1、0.060g、0.133mmol、1eq.)のDCM溶液に、DIPEA(0.1mL、0.66mmol、5eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(2.0g、0.332mmol、2.5eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、2h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、N1,N1-ジエチルエタン-1,2-ジアミン(0.040g、0.332mmol、2.5eq.)を添加し、室温で2h撹拌した。反応混合物を水(15mL)で希釈し、DCMで抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、次いで、濃縮した。粗化合物を、移動相として10%のDCM中のMeOHを使用する分取TLCによって精製して、実施例14(0.025g、32%)を得た。
【数14】
【0283】
実施例15 (1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート
【0284】
【化45】
ステップ1
メチル4-((2-((1S,2S)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタノエート
【0285】
【化46】
MeCN(230mL)およびトリエチルアミン(26.3mL、216.98mmol、5eq.)の混合物中の(1S,2S)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-(2-(メチルアミノ)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(11.5g、43.39mmol、1eq.)の溶液に、メチル-4-ブチレート(9.20g、52.07mmol、1.2eq.)およびKI(3.6g、21.69mmol、0.5eq.)を添加した。反応混合物を60℃で12時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(500mL)で希釈し、DCMで抽出した。次いで、ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として2.1~2.5%のDCM中のMeOHを使用するシリカゲル(230~400メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル4-((2-((1S,2S)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタノエート(12.0g、75%)を得た。MS:366.2 m/z(M+H)
【0286】
ステップ2
(1S,2S)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-(2-((4-メトキシ-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート
【0287】
【化47】
0℃のメチル4-((2-((1S,2S)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタノエート(11.5g、31.50mmol、1eq.)のDCM(115mL)溶液に、DIPEA(26.91mL、157.53mmol、5eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(15.83g、78.76mmol、2.5eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、3h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、モルホリン(27.52mL、315.06mmol、10eq.)を添加し、室温で3h撹拌した。反応混合物を水(150mL)で希釈し、DCM(2×150mL)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として2.6~3%のDCM中のMeOHを使用するCOMBIFLASH(登録商標)カラムで精製して、(1S,2S)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-(2-((4-メトキシ-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート(11.0g、70%)を得た。MS:479.4 m/z(M+H)
【0288】
ステップ3
4-((2-((1S,2S)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-((モルホリン-4-カルボニル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタン酸
【0289】
【化48】
(1S,2S)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-(2-((4-メトキシ-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート(11.0g、23.01mmol、1eq.)のTHF(55.0mL)およびHO(55.0mL)の溶液に、LiOH(1.65g、69.03mmol、3eq.)を添加し、反応混合物を室温で2h撹拌した。反応混合物を、酸性pHまで、クエン酸の飽和溶液で希釈し、次いで、10%のDCM中のMeOHで抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、4-((2-((1S,2S)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-((モルホリン-4-カルボニル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタン酸(95g、89%)を得た。MS:465.7 m/z(M+H)
【0290】
ステップ4
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート
【0291】
0℃の4-((2-((1S,2S)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-((モルホリン-4-カルボニル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタン酸(9.5g、20.47mmol、1eq.)のDMF(95.0mL)の冷却溶液に、HATU(9.33g、24.56mmol、1.2eq.)を添加し、N雰囲気下、0℃で30分間撹拌した。1,2-ベンゼンジアミン,3,6-ジメチル(3.89g、28.66mmol、1.4eq.)およびDIPEA(8.7mL、51.18mmol、2.5eq.)を添加し、反応混合物を室温にし、12h撹拌した。反応混合物を水(1L)で希釈し、DCMで抽出した。ひとまとめにした有機層を冷水(1000mL×2)で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、粗アミド(90g、75%)を得た。MS:583.4 m/z(M+H)
【0292】
トルエン(270mL)中の上記粗アミド(9.0g、15.46mmol、1eq.)およびPPTS(0.778g、3.1mmol、0.2eq.)の混合物を、ディーンスターク装置を通じて、4h加熱還流した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣を飽和NaHCO(250mL)で希釈し、DCMで抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を、溶離液として2.9~3.2%のDCM中のMeOHを使用するカラムクロマトグラフィーによって精製して、実施例15(6.2g、71%)を得た。MS:565.4m/z(M+H)
【0293】
0℃のDCM(60.0mL)中の実施例15(6.0g、10.61mmol、1eq.)の混合物に、5モル濃度のジオキサン中のHCl(2.54mL、12.74mmol、1.2eq.)、を添加し、混合物を室温で1h撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮して、残渣を得て、これを、ジエチルエーテルを用いて粉砕して、実施例15のHCl塩(6.0g)を無色粉末として得た。
【数15】
【0294】
実施例16 (1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルジメチルカルバメート
【0295】
【化49】
ステップ1
メチル4-((2-((1S,2S)-2-((ジメチルカルバモイル)オキシ)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタノエート
【0296】
【化50】
0℃のメチル4-((2-((1S,2S)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタノエート(実施例15、ステップ1、0.3g、0.828mmol、1eq.)のDCM(3mL)溶液に、DIPEA(0.7mL、4.14mmol、5eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(0.416g、2.07mmol、2.5eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、3h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、MeOH中のジメチルアミン(3mL)を添加し、混合物を室温で3h撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCMで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として4~5%のDCM中のMeOHを使用するCombiflashクロマトグラフィーによって精製して、メチル4-((2-((1S,2S)-2-((ジメチルカルバモイル)オキシ)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタノエート(0.190g、53%)を得た。MS:437.7 m/z(M+H)
【0297】
ステップ2
4-((2-((1S,2S)-2-((ジメチルカルバモイル)オキシ)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタン酸
【0298】
【化51】
メチル4-((2-((1S,2S)-2-((ジメチルカルバモイル)オキシ)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタノエート(0.180g、0.412mmol、1eq.)のTHF(1mL)およびHO(1mL)の溶液に、LiOH(0.052g、1.23mmol、3eq.)を添加し、混合物を室温で2h撹拌した。反応混合物を、酸性pHまで、クエン酸の飽和溶液で希釈し、10%のDCM中のMeOHで抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、4-((2-((1S,2S)-2-((ジメチルカルバモイル)オキシ)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタン酸(0.140g、80%)を得た。MS:421.6 m/z(M-H)
【0299】
ステップ3
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルジメチルカルバメート
【0300】
0℃の4-((2-((1S,2S)-2-((ジメチルカルバモイル)オキシ)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタン酸(0.130g、0.307mmol、1eq.)のDMF(1.5mL)の冷却溶液に、HATU(0.140g、0.368mmol、1.2eq.)を添加し、混合物をN雰囲気下、0℃で30分間撹拌した。1,2-ベンゼンジアミン,3,6-ジメチル(0.062g、0.460mmol、1.5eq.)およびDIPEA(0.2mL、1.07mmol、3.5eq.)を添加し、反応混合物を室温にし、12h撹拌した。反応混合物を水(15mL)で希釈し、DCMで抽出した。次いで、ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、粗アミド(0.070g、42%)を得た。MS:541.4 m/z(M+H)
【0301】
トルエン(30mL)中の上記粗アミド(0.070、0.129mmol、1eq.)およびp-トルエンスルホン酸(PTSA、0.016g、0.064mmol、0.5eq.)の混合物を、ディーンスターク装置を通じて、4h加熱還流した。次いで、反応混合物を減圧下濃縮した。残渣を飽和NaHCO(15mL)で希釈し、DCMで抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を、溶離液として4~6%のDCM中のMeOHを使用するCombiflashクロマトグラフィーによって精製して、実施例16(0.015mg、22%)を得た。
【数16】
【0302】
実施例17 (1R,2R)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート
【0303】
【化52】
ステップ1
2-((1R,2R)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル4-メチルベンゼンスルホネート
【0304】
【化53】
(1R,2R)-6-フルオロ-2-(2-ヒドロキシエチル)-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(2g、7.93mmol、1.0eq.)のDCM(20mL)溶液に、塩化トシル(2.0g、11.11mmol、1.4eq.)およびトリエチルアミン(1.6mL、11.11mmol、1.4eq.)を添加した。反応混合物を室温で24h撹拌した。反応混合物を水(50mL)に添加し、酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。ひとまとめにした有機物をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として50%の酢酸エチル/ヘキサンを使用するシリカゲル(230~400メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、2-((1R,2R)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル4-メチルベンゼンスルホネートを透明な半固体(1.4g、44%)として得た。
【0305】
ステップ2
(1R,2R)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-(2-(メチルアミノ)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール
【0306】
【化54】
2-((1R,2R)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル4-メチルベンゼンスルホネート(1g、2.46mmol)および2MのMeOH中メチルアミン(10mL)の混合物を、密封管中で40℃で12h撹拌した。次いで、反応混合物を氷冷水(50mL)に添加し、固体の沈殿物を濾過し、水で洗浄し、減圧真空下で乾燥して、(1R,2R)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-(2-(メチルアミノ)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(630mg、97%)を得た。MS:266.5 m/z(M+H)
【0307】
ステップ3
メチル4-((2-((1R,2R)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタノエート
【0308】
【化55】
MeCN(3mL)およびトリエチルアミン(4mL、18.06mmol、5eq.)の混合物中の(1R,2R)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-(2-(メチルアミノ)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(1g、3.77mmol、1eq.)の溶液に、4-ブロモブタン酸メチルエステル(0.615g、4.52mmol、1.2eq.)およびKI(0.313g、1.88mmol、0.5eq.)を添加した。反応混合物を60℃で12時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)で希釈し、DCMで抽出した。次いで、ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として2.2~2.6%のDCM中のMeOHを使用するシリカゲル(230~400メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル4-((2-((1R,2R)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタノエート(0.800g、56%)を得た。MS:366.4
【0309】
ステップ4
(1R,2R)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-(2-((4-メトキシ-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート
【0310】
【化56】
0℃のメチル4-((2-((1R,2R)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタノエート(0.450g、1.23mmol、1eq.)のDCM溶液に、DIPEA(0.1mL、6.16mmol、5eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(0.619g、3.08mmol、2.5eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、3h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、モルホリン(1.1mL、12.32mmol、10eq.)を添加し、室温で3h撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCMで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として2.6~3%のDCM中のMeOHを使用するCOMBIFLASH(登録商標)クロマトグラフィーによって精製して、(1R,2R)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-(2-((4-メトキシ-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート(0.451g、70%)を得た。MS:479.4
【0311】
ステップ5
4-((2-((1R,2R)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-((モルホリン-4-カルボニル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタン酸
【0312】
【化57】
(1R,2R)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-(2-((4-メトキシ-4-オキソブチル)(メチル)アミノ)エチル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート(0.415g、0.86mmol、1eq.)のTHF(3mL)およびHO(3mL)の溶液に、LiOH(0.159g、2.60mmol、3eq.)を添加し、室温で2h撹拌した。反応混合物を、酸性pHまで、クエン酸の飽和溶液で希釈し、次いで、10%のDCM中のMeOHで抽出した。ひとまとめにした有機物をNaSOで乾燥し、濃縮して、4-((2-((1R,2R)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-((モルホリン-4-カルボニル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタン酸(0.360g、89%)を得た。MS:465.2 m/z(M+H)
【0313】
ステップ6
(1R,2R)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート
【0314】
0℃の4-((2-((1R,2R)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-((モルホリン-4-カルボニル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)ブタン酸(0.360g、0.77mmol、1eq.)のDMF(3.6mL)の冷却溶液に、HATU(0.442g、0.92mmol、1.2eq.)を添加し、N雰囲気下、0℃で30分間撹拌した。1,2-ベンゼンジアミン,3,6-ジメチル(0.147g、1.08mmol、1.4eq.)およびDIPEA(0.4mL、1.93mmol、2.5eq.)を添加し、反応混合物を室温にし、12h撹拌した。反応混合物を水(25mL)で希釈し、DCMで抽出した。次いで、ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、粗アミド(0.330g、73%)を得た。MS:583.4m/z(M+H)
【0315】
トルエン(16mL)中の上記粗アミド(0.330g、0.56mmol、1eq.)およびピリジニウムp-トルエンスルホネート(PPTS、0.071g、0.28mmol、0.5eq.)の混合物を、ディーンスターク装置を通じて、4h加熱還流した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣を飽和NaHCO(25mL)で希釈し、DCMで抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を、溶離液として2.9~3.2%のDCM中のMeOHを使用するCombiflashカラムで精製して、実施例17(0.100g、32%)を得た。
【数17】
【0316】
実施例18 (1S,2S)-2-(2-((4-((2-アミノ-3,6-ジメチルフェニル)アミノ)-4-オキソブチル)(エチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート
【0317】
【化58】
ステップ1
(1S,2S)-2-(2-(エチルアミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール
【0318】
【化59】
中間体1(1g、2.46mmol)およびMeOH中のエチルアミン(2M)(10mL)の混合物を、密封管中、40℃で12h撹拌した。反応混合物を氷冷水(50mL)に添加し、固体の沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥して、(1S,2S)-2-(2-(エチルアミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(618mg、90%)を得た。
【数18】
【0319】
ステップ2
メチル4-(エチル(2-((1S,2S)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)アミノ)ブタノエート
【0320】
【化60】
MeCN(3mL)およびトリエチルアミン(4mL、25.08mmol、5eq.)の混合物中の(1S,2S)-2-(2-(エチルアミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(1.4g、5.01mmol、1eq.)の溶液に、4-ブロモメチルブチレート(1.09g、6.02mmol、1.2eq.)およびKI(0.416g、2.50mmol、0.5eq.)を添加した。反応混合物を60℃で12時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(50mL)で希釈し、DCMで抽出した。次いで、ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として2.2~2.6%のDCM中のMeOHを使用するシリカゲル(230~400メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、メチル4-(エチル(2-((1S,2S)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)アミノ)ブタノエート(1.2g、63%)を得た。MS:380.2 m/z(M+H)
【0321】
ステップ3
(1S,2S)-2-(2-(エチル(4-メトキシ-4-オキソブチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート
【0322】
【化61】
0℃のメチル4-(エチル(2-((1S,2S)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)アミノ)ブタノエート(0.5g、1.31mmol、1eq.)のDCM溶液に、DIPEA(0.5mL、4.61mmol、3.5eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(2.0g、3.29mmol、2.5eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、3h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、モルホリン(0.1mL、13.1mmol、10eq.)を添加し、混合物を室温で3h撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCMで抽出した。次いで、有機層を濃縮し、NaSOで乾燥した。粗化合物を、溶離液として2.6~3%のDCM中のMeOHを使用するCombiflashクロマトグラフィーによって精製して、(1S,2S)-2-(2-(エチル(4-メトキシ-4-オキソブチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート(0.35g、54%)を得た。MS:493.4 m/z(M+H)
【0323】
ステップ4
4-(エチル(2-((1S,2S)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-((モルホリン-4-カルボニル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)アミノ)ブタン酸
【0324】
【化62】
(1S,2S)-2-(2-(エチル(4-メトキシ-4-オキソブチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート(0.59g、1.19mmol、1eq.)のTHF(3mL)およびHO(3mL)の溶液に、LiOH(0.151g、3.59mmol、3eq.)を添加し、室温で2h撹拌した。反応混合物を、酸性pHまで、クエン酸の飽和溶液で希釈し、次いで、10%のDCM中のMeOHで抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、4-(エチル(2-((1S,2S)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-((モルホリン-4-カルボニル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)アミノ)ブタン酸(0.57g、99%)を得た。MS:479.4 m/z(M+H)
【0325】
ステップ5
(1S,2S)-2-(2-((4-((2-アミノ-3,6-ジメチルフェニル)アミノ)-4-オキソブチル)(エチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート
【0326】
0℃の4-(エチル(2-((1S,2S)-6-フルオロ-1-イソプロピル-2-((モルホリン-4-カルボニル)オキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)アミノ)ブタン酸(0.570g、1.19mmol、1eq.)のDMF(5.7mL)の冷却溶液に、HATU(0.543g、1.43mmol、1.2eq.)を添加し、N雰囲気下、0℃で30分間撹拌した。1,2-ベンゼンジアミン,3,6-ジメチル(0.243g、1.78mmol、1.5eq.)およびDIPEA(0.7mL、4.17mmol、3.5eq.)を添加し、反応混合物を室温にし、12h撹拌した。反応混合物を水(25mL)で希釈し、DCMで抽出した。次いで、ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、粗アミド(0.57g、80%)を得た。MS:598.07 m/z(M+H)
【0327】
トルエン(30mL)中の上記粗アミド(0.570、0.95mmol、1eq.)およびPTSA(0.024g、0.095mmol、0.1eq.)の混合物を、ディーンスターク装置を通じて、4h加熱還流した。次いで、反応混合物を減圧下濃縮した。残渣を飽和NaHCO(25mL)で希釈し、DCMで抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を、溶離液として2.9~3.2%のDCM中のMeOHを使用するCombiflashクロマトグラフィーによって精製して、実施例18の化合物(65mg、12%)を得た。
【数19】
【0328】
実施例19 (1S,2S)-2-(2-((2-(1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート
【0329】
【化63】
ステップ1
tert-ブチル1-アリルシクロプロパン-1-カルボキシレート
【0330】
【化64】
DIPEA(4.1mL、29.57mmol、2.1eq.)のTHF(25mL)の冷却溶液(-40℃)に、n-BuLi(ヘキサン中2.5M、11.2mL、28.36mmol、2eq.)を滴下添加し、次いで、混合物を0.5時間撹拌し、次いで、-78℃に冷却した。次に、tert-ブチルシクロプロパンカルボキシレート(2g、14.08mmol、1eq.)のTHF(5mL)溶液を添加し、反応混合物を-78℃で4h撹拌した。1-プロペン,3-ブロモ-(3.6mL、42.25mmol、3eq.)を添加し、反応混合物を-78℃で2h撹拌した。次いで、反応物をNHCl(30mL)でクエンチし、DCMで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、tert-ブチル1-アリルシクロプロパン-1-カルボキシレート(1.5g、58%)を得た。
【数20】
【0331】
ステップ2
tert-ブチル1-(2-オキソエチル)シクロプロパン-1-カルボキシレート
【0332】
【化65】
tert-ブチル1-アリルシクロプロパン-1-カルボキシレート(1g、5.49mmol、1eq.)のDCM(12mL)溶液に、Oガスを、青色が現れて一定になるまで-78℃で添加した。次に、Nガスを、青色が消失して溶液が無色になるまで反応混合物に添加し、次いで、ジメチルスルフィド(DMS、1.14g、5.49mmol、3.68eq.)およびトリエチルアミン(1.8mL、5.36mmol、10eq.)を添加し、混合物を室温で1h撹拌した。次いで、反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCMで抽出した。有機層をNaSOで乾燥した。ひとまとめにした有機層を半分の容積まで濃縮し、任意のさらなる精製なしに次ステップで使用した。
【0333】
ステップ3
tert-ブチル1-(2-((2-((1S,2S)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)シクロプロパン-1-カルボキシレート
【0334】
【化66】
中間体2(0.700g、2.73mmol、1eq.)のMeOHおよび触媒のAcOHの溶液に、ステップ2からのtert-ブチル1-(2-オキソエチル)シクロプロパン-1-カルボキシレートのDCM溶液を添加し、室温で1h撹拌した。次いで、NaBHCN(0.508g、8.20mmol、3.0eq.)を0℃で30分にわたって一部ずつ添加し、得られた混合物をさらに2h撹拌した。反応物を飽和NaHCO(30mL)でクエンチし、DCMで抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として2.4~2.8%のDCM中のMeOHを使用するシリカゲル(60~120メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、tert-ブチル1-(2-((2-((1S,2S)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)シクロプロパン-1-カルボキシレート(0.650g、56%)を得た。MS:434.4 m/z(M+H)
【0335】
ステップ4
1-(2-((2-((1S,2S)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)シクロプロパン-1-カルボン酸
【0336】
【化67】
tert-ブチル1-(2-((2-((1S,2S)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)シクロプロパン-1-カルボキシレート(0.630g、1.50mmol、1eq.)の4Mのジオキサン中のHCl(7mL)の溶液を室温で2h撹拌した。反応混合物を飽和NaHCOで希釈し、DCMで洗浄し、水層をクエン酸を用いてpH6に酸性化し、10%のDCM中のMeOHで抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、1-(2-((2-((1S,2S)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)シクロプロパン-1-カルボン酸(0.450g、72%)を得た。MS:378.2 m/z(M+H)
【0337】
ステップ5
(1S,2S)-2-(2-((2-(1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール
【0338】
【化68】
室温の1-(2-((2-((1S,2S)-6-フルオロ-2-ヒドロキシ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)シクロプロパン-1-カルボン酸(0.450g、1.19mmol、1eq.)のDMF(3mL)およびピリジン(3mL)の溶液に、カルボニルジイミダゾール(CDI、290.05g、1.79mmol、1.2eq.)を添加し、混合物を45℃で2h撹拌した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、o-フェニルジアミン(0.130g、1.19mmol、1eq.)を添加し、反応混合物を12h撹拌した。反応混合物を水(25mL)で希釈し、DCMで抽出した。次いで、ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、濃縮して、粗アミド(0.350g、66%)を得た。MS:468.3 m/z(M+H)
【0339】
上記粗アミド(0.350g、7.79mmol、1eq.)およびPPTS(0.094g、3.74mmol、0.5eq.)のトルエン(17.5mL)溶液を、ディーンスターク装置を通じて、4h還流した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣を飽和NaHCO(25mL)で希釈し、DCMで抽出した。ひとまとめにした有機層をNaSOで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣を、溶離液として2.9~3.2%のDCM中のMeOHを使用するcombi-flashによって精製して、(1S,2S)-2-(2-((2-(1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(0.250g、74%)を得た。MS:450.2 m/z(M+H)
【0340】
ステップ6
(1S,2S)-2-(2-((2-(1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート
【0341】
0℃の(1S,2S)-2-(2-((2-(1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-オール(0.250g、0.556mmol、1eq.)のDCM溶液に、DIPEA(0.4mL、1.94mmol、3.5eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(0.279g、1.39mmol、2.5eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、3h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、モルホリン(0.5mL、5.36mmol、10eq.)を添加し、混合物を室温で3h撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCMで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として2.6~3%のDCM中のMeOHを使用するCOMBIFLASH(登録商標)クロマトグラフィーによって精製して、実施例19(0.015g、05%)を得た。
【数21】
【0342】
実施例20Aおよび20B (4S)-3-(2-((3-s(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート(2つのジアステレオ異性体)
【0343】
【化69】
ステップ1
(4S)-3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-オール(ジアステレオ異性体の混合物)
【0344】
【化70】
2-((4S)-7-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-イソプロピルクロマン-3-イル)エチル4-メチルベンゼンスルホネート(0.150g、0.367mmol、1.0eq.)および3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-N-メチルプロパン-1-アミン(0.069g、0.367mmol、1eq.)のトリエチルアミン(1mL)溶液を60℃で24h撹拌した。反応混合物を水(20mL)でクエンチし、DCMで抽出した。ひとまとめにした有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として3~4%のDCM中のMeOHを使用するシリカゲル(230~400メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(4S)-3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-オールをジアステレオ異性体の混合物(0.050g)として得た。MS:426.55m/z(M+H)。2つのジアステレオ異性体は、(3S,4S)-3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-オールおよび(3R,4S)-3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-オールとして指定することができる。
【0345】
ステップ2
(4S)-3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート(2つのジアステレオ異性体)
【0346】
0℃のステップ1からの(4S)-3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-オール(0.050g、0.117mmol、1eq.)のDCM(1.5mL)溶液に、DIPEA(0.08mL、0.587mmol、5eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(0.071g、0.352mmol、3eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、3h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、33%のMeOH中のMeNH(1.1mL)を添加し、混合物を室温で3h撹拌した。次いで、反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCMで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗生成物を、移動相として10%のDCM中のMeOHを使用する分取TLCによって精製して、実施例20Aおよび20Bを個々のジアステレオ異性体(0.015g、26%)として得た。
【数22】

ジアステレオ異性体は、(3S,4S)-3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメートおよび(3R,4S)-3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメートとして指定することができる。
【0347】
実施例21Aおよび21B (4S)-3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート(2つのジアステレオ異性体)
【0348】
【化71】
ステップ1
(4S)-3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-オール(ジアステレオ異性体の混合物)
【0349】
【化72】
表題化合物を実施例20と同様の手順を使用して調製した。2-((4S)-7-フルオロ-3-ヒドロキシ-4-イソプロピルクロマン-3-イル)エチル4-メチルベンゼンスルホネート(0.170g、0.416mmol、1.0eq.)および3,6-ジメチル-ジアニリン(0.145g、0.416mmol、1eq.)のトリエチルアミン(1mL)溶液を60℃で24h撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCMで抽出した。ひとまとめにした有機物をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮した。粗化合物を、溶離液として3~4%のDCM/MeOHを使用するシリカゲル(230~400メッシュ)でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、(4S)-3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-オールをジアステレオ異性体の混合物(0.060g、32%)として得た。MS:454.65 m/z(M+H)。ジアステレオ異性体は、(3S,4S)-3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-オールおよび(3R,4S)-3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-オールとして指定することができる。
【0350】
ステップ2
(4S)-3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート(2つのジアステレオ異性体)
【0351】
0℃のステップ1からの(4S)-3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-オール(0.060g、0.132mmol、1eq.)のDCM(1.2mL)溶液に、DIPEA(0.1mL、0.662mmol、5eq.)および4-ニトロフェニルクロロホルメート(0.075g、0.375mmol、3eq.)を連続して添加した。溶液を室温にし、3h撹拌した。次いで、反応混合物を0℃に冷却し、33%のMeOH中のMeNH(1mL)を添加し、混合物を室温で3h撹拌した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、DCMで抽出した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。粗物質を、移動相として10%のDCM中のMeOHを使用する分取TLCによって精製して、実施例21Aおよび21Bを個々のジアステレオ異性体(0.010g、13%)として得た。
【数23】

ジアステレオ異性体は、(3S,4S)-3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメートおよび(3R,4S)-3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメートとして指定することができる。
【0352】
実施例A CCK-8試薬による細胞増殖アッセイ
ヒト神経膠腫がん細胞株U251を、37℃で、10%の56℃で不活化されたウシ胎仔血清(Gibco、カタログ番号10082-147)、100U/mLのペニシリンおよび100μg/mLのストレプトマイシン(Gibco、カタログ番号15140-122)で補充されたDMEM(Gibco、カタログ番号10569-10)、および1%のMEM非必須アミノ酸(Sigma、カタログ番号M7145)中、5%のCOを含有する湿潤雰囲気中で維持した。細胞を、200μL容積/ウェルを有する96ウェルプレート(BD falcon、カタログ番号353072)に2.5×103細胞/ウェルで播種し、O/Nインキュベーションのために、37℃/5%COのインキュベーター中で保った。播種密度は、増殖曲線に基づいて、あらかじめ最適化した。翌日、蒔かれた細胞を、8つの異なる濃度(100、50、25、12.5、6.25、3.125、1.5および0.78)で、それぞれの試験化合物とともに、三反復でインキュベートした。それぞれのプレートのアッセイのために、DMSOをビヒクル対照として使用し、培地をブランク対照として使用した。DMSOの割合を、プレートに全域で<1%で均一に保った。化合物で処理された細胞を、37℃/5%COのインキュベーター中で72時間インキュベートした。インキュベーション時間後、10μL/ウェルのCCK-8試薬(Dojindo、カタログ番号CK04)をすべてのウェルに添加し、プレートを、37℃/5%COのインキュベーター中で3時間保った。CCK-8のインキュベーション後、吸光度を、分光光度計(BMG、Omega Polar Star)を使用して450nmで測定した。それぞれの濃度での生存率%の値をビヒクル対照に対して計算し、EC50値をgraph pad prismソフトウェアを使用して計算し、表Aに示す。
【0353】
【表2】
【0354】
実施例B ヒト肝臓ミクロソームを使用するチトクロムP450-3A4
CYP3A4阻害アッセイを、Invitrogenから購入したヒト肝臓ミクロソームを使用して実施し、生理学的条件におけるチトクロムP450の可能性がある阻害剤をスクリーニングするために設計した。最初に、以下の試薬/混合物を調製した。(i)アッセイ緩衝液:0.1Mリン酸緩衝液、pH-7.4。(ii)補助因子:15mMストックをアッセイ緩衝液中で調製した。アッセイでの最終濃度-1.5mM。(iii)基質:-50mMのDMSOストックをテストステロンのために調製した。ここから、10mMのサブストックをMeCN中で調製した。さらに、700μMの作業ストック溶液をアッセイ緩衝液中で調製した。アッセイでの最終濃度-70μM。(iv)酵素:20mg/mLのストックが製造者によって供給された。アッセイでの最終濃度は0.5mg/mLであった。実験の開始時に、さまざまな濃度の化合物(7つの異なる濃度)または陽性対照(単一の濃度でのケトコナゾール)をアッセイ緩衝液中で調製した。100μLの最終反応系のために、2.5μMのHLM(20mg/ml)、それぞれの濃度から50μLの試験化合物/参照化合物を添加した。その後、10μLの基質(テストステロン-700μM)および10μLの補助因子(NADPH;15mM)を添加した。容積を、アッセイ緩衝液を添加することによって、100μLに増加させた。DMSO濃度は、すべての反応にわたって、0.5%で均一に保った。次いで、反応物を37℃で45分間インキュベートした。インキュベーション時間の終了後、反応を、内部標準(デキサメタゾン)を含有する200μLの冷却されたMeCNの添加によって停止した。次いで、試料を遠心分離し、上清をLCMS/MSを使用して分析した。データの正規化を内部標準に対して行い、阻害%をDMSO対照に対して計算した。IC50値をGraph Pad Prismソフトウェアを使用して計算し、表Bに示す。
【0355】
実施例C ヒト肝臓ミクロソームを使用するチトクロムP450-2D6
CYP2D6阻害アッセイを、Invitrogenから購入したヒト肝臓ミクロソームを使用して実施し、生理学的条件におけるチトクロムP450の可能性がある阻害剤をスクリーニングするために設計した。最初に、以下の試薬/混合物を調製した。(i)アッセイ緩衝液:0.1Mリン酸緩衝液、pH-7.4。(ii)補助因子:15mMストックをアッセイ緩衝液中で調製した。アッセイでの最終濃度-1.5mM。(iii)基質:-50mMのDMSOストックをブフラロールのために調製した。ここから、10mMのサブストックをMeCN中で調製した。さらに、50μMの作業ストック溶液をアッセイ緩衝液中で調製した。アッセイでの最終濃度-5μM。(iv)酵素:20mg/mLのストックが製造者によって供給された。アッセイでの最終濃度は0.25mg/mLである。実験の開始時に、さまざまな濃度の化合物(7つの異なる濃度)または陽性対照(単一の濃度でのキニジン)をアッセイ緩衝液中で調製した。100μLの最終反応系のために、1.25μMのHLM(20mg/ml)、(それぞれの濃度から)50μLの試験化合物/参照化合物×2のストックを添加した。その後、10μLの基質(ブフラロール-50μM)および10μLの補助因子(NADPH;15mM)を添加した。容積を、アッセイ緩衝液を添加することによって、100μLに増加させた。次いで、反応を37℃で10分間インキュベートした。インキュベーション時間の終了後、反応を、内部標準(プロプラノロール)を含有する200μLの冷却されたMeOHの添加によって停止した。次いで、試料を遠心分離し、上清をLCMS/MSを使用して分析した。データの正規化を内部標準に対して行い、阻害%をDMSO対照に対して計算した。IC50値をGraph Pad Prismソフトウェアを使用して計算し、表Bに示す。
【0356】
【表3】
【0357】
実施例D CaV3パッチクランプ記録
全細胞電圧クランプ記録を、T型チャネル(CaV3.1、CaV3.2またはCaV3.3チャネルによってコードされる)を発現する培養HEK293細胞で行った。すべての実験は室温で行った。全細胞電流を、MultiClamp 700B増幅器を使用して記録し、pCLAMP10.4ソフトウェア(Molecular Devices,LLC、Sunnyvale CA、USA)を用いてオフラインで解析した。HEK293細胞におけるカルシウム電流を記録するために、外部溶液は、115mMのコリン-CL、20mMのTEA-Cl、2mMのCaCl2、10mMのグルコースおよび10mMのHEPES(TEA-OHでpH7.3~7.4に調整)で構成された。カルシウム電流を、-100mVの保持電位で記録し、次いで、-30mVで100ミリ秒間消極して、HEK細胞において発現したCaV3.1、CaV3.2またはCaV3.3のいずれかを活性化した。10秒のインターパルス間隔は、チャネルを不活性化から回復させ、安定な電流記録を達成した。先端の抵抗はバッチで3~4MΩであり、直列抵抗は、全細胞配置後に10MΩ未満であった。試験化合物は、通常、ホルダーに平行に接着され、記録される細胞の近くに配置された8個のファインポリプラスチックチューブを有する迅速な溶液交換システムを介して適用した。電流応答を対照に対して正規化し、阻害パーセントを計算し、本発明者らが生成したシグモイドの用量応答キュレットを、IC50値を計算するためにXLFIT(IDBS、Surrey、UK)またはPrism(GraphPad Software、LA Jola、CA、US)、および以下の式:Y=ボトム+(トップ-ボトム)/1+10^((LogEC50-X)-HillsSlope)を使用するHill slopeを使用した。T型Ca3チャネル阻害についての代表的な結果を表Cに示す。IC50値をマイクロモル濃度単位で表す。
【0358】
【表4】
【0359】
他の実施形態
本明細書に記載したものに加えて、さまざまな本発明の変形は、先述の記載から当業者には明らかであろう。本発明をその詳細な説明と関連して記載したが、先述の記載は、例示を意図するものであって、本発明の範囲を限定することを意図とするものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲によって定義されることが理解されるべきである。他の態様、利点および変形形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
【0360】
限定されるものではないが、本出願において引用された、すべての特許、特許出願および刊行物を含む、本明細書に引用されたそれぞれの参考文献は、その全体が、参照によって、本明細書に組み込まれる。

本発明は、以下の態様を包含し得る。
[1]
式Iの化合物:
【化73】

またはその薬学的に許容される塩[式中、
Xは、OまたはCH であり;
Yは、CR 、NR 、C(=O)、C(=O)NHまたはNH(C=O)であり;
Zは、C(=O)OR Z1 またはC(=O)NR Z2 Z3 であり;
nは、0、1、2または3であり;
は、Hまたは置換されていてもよいC 1~4 アルキルであり;
は、Hもしくは置換されていてもよいC 1~4 アルキルであり;
は、Hもしくは置換されていてもよいC 1~4 アルキルであるか;または
およびR は、組み合わされて、置換されていてもよい3~6員のシクロアルキル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するC 2~4 アルキレン基を形成し;
は、Hまたは置換されていてもよいC 1~4 アルキルであり;
Z1 は、置換されていてもよいC 1~4 アルキルであり;
Z2 は、Hもしくは置換されていてもよいC 1~4 アルキルであり;
Z3 は、Hもしくは置換されていてもよいC 1~4 アルキルであるか;または
Z2 およびR Z3 は、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
Arは、置換されていてもよいC 6~10 アリールまたは置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールであり;
ここで、それぞれの置換されたC 1~4 アルキルは、ハロ、C 1~4 アルキル、C 2~4 アルケニル、C 2~4 アルキニル、C 1~4 ハロアルキル、C 1~4 アルコキシ、OH、CN、NO 、アミノ、C 1~4 アルキルアミノ、ジ(C 1~4 アルキル)アミノ、オキソ、置換されていてもよいC 3~10 シクロアルキル、置換されていてもよいC 6~10 アリール、置換されていてもよい4~10員のヘテロシクロアルキルおよび置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールからそれぞれ独立して選択される、1、2、3、4または5個の置換基によって置換され;
それぞれの置換されたシクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは、ハロ、C 1~4 アルキル、C 2~4 アルケニル、C 2~4 アルキニル、C 1~4 ハロアルキル、C 1~4 アルコキシ、OH、CN、NO 、アミノ、C 1~4 アルキルアミノ、ジ(C 1~4 アルキル)アミノおよびオキソからそれぞれ独立して選択される、1、2、3、4または5個の置換基によって置換され;
それぞれの置換されたアリールおよびヘテロアリールは、ハロ、C 1~4 アルキル、C 2~4 アルケニル、C 2~4 アルキニル、C 1~4 ハロアルキル、C 1~4 アルコキシ、OH、CN、NO 、アミノ、C 1~4 アルキルアミノおよびジ(C 1~4 アルキル)アミノからそれぞれ独立して選択される、1、2、3、4または5個の置換基によって置換される]。
[2]
Xが、Oである、上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[3]
Xが、CH である、上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[4]
Yが、CR である、上記[1]~[3]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[5]
が、無置換のC 1~4 アルキルである、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[6]
が、メチルまたはエチルである、上記[1]~[4]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[7]
が、Hまたは無置換のC 1~4 アルキルである、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[8]
が、Hまたはメチルである、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[9]
が、Hまたは無置換のC 1~4 アルキルである、上記[1]~[8]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[10]
が、Hまたはメチルである、上記[1]~[8]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[11]
およびR が、それぞれHである、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[12]
およびR が、それぞれ無置換のC 1~4 アルキルである、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[13]
およびR が、それぞれメチルである、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[14]
およびR が、組み合わされて、置換されていてもよい3~6員のシクロアルキル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するC 2~4 アルキレン基を形成する、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[15]
およびR が、組み合わされて、無置換のシクロプロピル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するエチレン基を形成する、上記[1]~[6]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[16]
nが、1である、上記[1]~[15]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[17]
が、Hまたは無置換のC 1~4 アルキルである、上記[1]~[3]および[5]~[16]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[18]
が、Hである、上記[1]~[3]および[5]~[16]のいずれか一項に記載の化合物または
その薬学的に許容される塩。
[19]
Zが、C(=O)OR Z1 である、上記[1]~[18]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[20]
Z1 が、無置換のC 1~4 アルキルである、上記[1]~[19]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[21]
Z1 が、メチルである、上記[1]~[19]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[22]
Zが、C(=O)NR Z2 Z3 である、上記[1]~[18]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[23]
Z2 が、Hまたは無置換のC 1~4 アルキルである、上記[1]~[18]および[22]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[24]
Z2 が、Hまたはメチルである、上記[1]~[18]および[22]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[25]
Z3 が、置換されていてもよいC 1~4 アルキルである、上記[1]~[18]および[22]~[24]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[26]
Z3 が、アミノ、C 1~4 アルキルアミノ、ジ(C 1~4 アルキル)アミノ、C 1~4 アルコキシおよび4~6員のヘテロシクロアルキルから独立して選択される、1、2または3個の基によって置換されていてもよいC 1~4 アルキルである、上記[1]~[18]および[22]~[24]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[27]
Z3 が、メチル、N,N-ジメチルアミノエチル、N,N-ジエチルアミノエチル、
メトキシエチルまたはピロリジニルエチルである、上記[1]~[18]および[22]~[24]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[28]
Z3 が、メチル、2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、2-(N,N-ジエチルアミノ)エチル、2-メトキシエチルまたは2-(ピロリジン-1-イル)エチルである、上記[1]~[18]および[22]~[24]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[29]
Z2 およびR Z3 が、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成する、上記[1]~[18]および[22]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[30]
Z2 およびR Z3 が、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、無置換の4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成する、上記[1]~[18]および[22]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[31]
Z2 およびR Z3 が、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、モルホリニル環を形成する、上記[1]~[18]および[22]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[32]
Arが、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいナフチルまたは置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールである、上記[1]~[31]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[33]
Arが、置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールである、上記[1]~[31]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[34]
Arが、ハロ、C 1~4 アルキル、C 1~4 ハロアルキルおよびC 1~4 アルコキシから独立して選択される、1、2、3または4個の基によって置換されていてもよい、5~10員のヘテロアリールである、上記[1]~[31]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[35]
Arが、クロロ、メチル、メトキシおよびトリフルオロメチルから独立して選択される、1、2、3または4個の基によって置換されていてもよい、5~10員のヘテロアリールである、上記[1]~[31]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[36]
Arが、
【化74】

である、上記[1]~[31]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[37]
Xが、OまたはCH であり;
Yが、CR であり;
Zが、C(=O)OR Z1 またはC(=O)NR Z2 Z3 であり;
が、無置換のC 1~4 アルキルであり;
が、Hもしくは無置換のC 1~4 アルキルであり;
が、Hもしくは無置換のC 1~4 アルキルであるか;または
およびR が、組み合わされて、置換されていてもよい3~6員のシクロアルキル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するC 2~4 アルキレン基を形成し;
nが、0、1、2または3であり;
Z1 が、無置換のC 1~4 アルキルであり;
Z2 が、Hもしくは無置換のC 1~4 アルキルであり;
Z3 が、置換されていてもよいC 1~4 アルキルであるか;または
Z2 およびR Z3 が、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
Arが、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいナフチルまたは置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールである、
上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[38]
Xが、OまたはCH であり;
Yが、CR であり;
Zが、C(=O)OR Z1 またはC(=O)NR Z2 Z3 であり;
が、無置換のC 1~4 アルキルであり;
が、Hもしくは無置換のC 1~4 アルキルであり;
が、Hもしくは無置換のC 1~4 アルキルであるか;または
およびR が、組み合わされて、置換されていてもよい3~6員のシクロアルキル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するC 2~4 アルキレン基を形成し;
nが、1であり;
Z1 が、無置換のC 1~4 アルキルであり;
Z2 が、Hもしくは無置換のC 1~4 アルキルであり;
Z3 が、アミノ、C 1~4 アルキルアミノ、ジ(C 1~4 アルキル)アミノ、C 1~4 アルコキシおよび4~6員のヘテロシクロアルキルから独立して選択される、1、2もしくは3個の基によって置換されていてもよいC 1~4 アルキルであり、 R Z2 およびR Z3 が、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
Arが、置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールである、
上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[39]
Xが、OまたはCH であり;
Yが、CR であり;
Zが、C(=O)OR Z1 またはC(=O)NR Z2 Z3 であり;
が、無置換のC 1~4 アルキルであり;
が、Hもしくはメチルであり;
が、Hもしくはメチルであるか;または
およびR が、組み合わされて、シクロプロピル環をそれらが結合する炭素原子と一緒に形成するエチレン基を形成し;
nが、1であり;
Z1 が、無置換のC 1~4 アルキルであり;
Z2 が、Hもしくは無置換のC 1~4 アルキルであり;
Z3 が、アミノ、C 1~4 アルキルアミノ、ジ(C 1~4 アルキル)アミノ、C 1~4 アルコキシおよび4~6員のヘテロシクロアルキルから独立して選択される、1、2もしくは3個の基によって置換されていてもよいC 1~4 アルキルであり、 R Z2 およびR Z3 が、それらが結合する窒素原子と組み合わされて、置換されていてもよい4~6員のヘテロシクロアルキル環を形成し;
Arが、ハロ、C 1~4 アルキル、C 1~4 ハロアルキルおよびC 1~4 アルコキシから独立して選択される、1、2、3または4個の基によって置換されていてもよい、5~10員のヘテロアリールである、
上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[40]
前記式Iの化合物が、式IIの化合物:
【化75】

である、上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[41]
前記式Iの化合物が、式IIIの化合物:
【化76】

である、上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[42]
前記式Iの化合物が、式IVの化合物:
【化77】

である、上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩[式中、それぞれのR Ar は、H、ハロ、C 1~4 アルキル、C 1~4 ハロアルキルおよびC 1~4 アルコキシから独立して選択される]。
[43]
前記式Iの化合物が、式Vの化合物:
【化78】

である、上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩[式中、それぞれのR Ar は、H、ハロ、C 1~4 アルキル、C 1~4 ハロアルキルおよびC 1~4 アルコキシから独立して選択される]。
[44]
前記式Iの化合物が、式I-a、I-b、II-a、II-b、III-a、III-b、IV-a、IV-b、V-aまたはV-bの化合物:
【化79】

である、上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩[式中、それぞれのR Ar は、H、ハロ、C 1~4 アルキル、C 1~4 ハロアルキルおよびC 1~4 アルコキシから独立して選択される]。
[45]
前記化合物が、
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルボネート;
2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート
2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバメート;
2-(2-((3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
2-(2-((3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-メトキシエチル)カルバメート;
2-(2-((3-(7-クロロ-4-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルジメチルカルバメート;
2-(2-((3-(4,6-ビス(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバメート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-メトキシエチル)カルバメート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバメート;
2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジエチルアミノ)エチル)カルバメート;
2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルジメチルカルバメート;
2-(2-((4-((2-アミノ-3,6-ジメチルフェニル)アミノ)-4-オキソブチル)(エチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
2-(2-((2-(1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;および
3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;
から選択される、上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[46]
前記化合物が、
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルボネート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-メトキシエチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(7-クロロ-4-メトキシ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルジメチルカルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,6-ビス(トリフルオロメチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルメチルカルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-メトキシエチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-3-メチルブチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イル(2-(ジエチルアミノ)エチル)カルバメート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(1S,2S)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルジメチルカルバメート;
(1R,2R)-2-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(1S,2S)-2-(2-((4-((2-アミノ-3,6-ジメチルフェニル)アミノ)-4-オキソブチル)(エチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(1S,2S)-2-(2-((2-(1-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)シクロプロピル)エチル)(メチル)アミノ)エチル)-6-フルオロ-1-イソプロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-イルモルホリン-4-カルボキシレート;
(3S,4S)-3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;
(3R,4S)-3-(2-((3-(1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;
(3S,4S)-3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチ
ル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;および
(3R,4S)-3-(2-((3-(4,7-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)プロピル)(メチ
ル)アミノ)エチル)-7-フルオロ-4-イソプロピルクロマン-3-イルメチルカルバメート;
から選択される、上記[1]に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
[47]
上記[1]~[46]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
[48]
対象における電位開口型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームの活性と関連するか、または電位開口型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームの活性を阻害することが有益である、疾患を処置する方法であって、上記[1]~[46]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を前記対象に投与することを含む、方法。
[49]
T型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームの活性と関連するか、またはT型カルシウムチャネルの1つもしくは複数のアイソフォームの活性を阻害することが有益である、疾患を処置する方法であって、上記[1]~[46]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を前記対象に投与することを含む、方法。
[50]
前記疾患が、前記対象におけるT型の電位開口型カルシウムチャネルのCa 3.2アイソフォームの活性と関連するか、またはT型の電位開口型カルシウムチャネルのCa 3.2アイソフォームの活性を阻害することが有益である、上記[49]に記載の方法。
[51]
対象における細胞増殖性障害を処置する方法であって、上記[1]~[46]のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の治療有効量を前記対象に投与することを含む、方法。
[52]
がんが、脳がん、乳がん、結腸がん、神経膠腫、神経膠芽腫、メラノーマ、卵巣がんおよび膵臓がんからなる群から選択される、上記[51]に記載の方法。
[53]
がんが、神経膠腫または神経膠芽腫である、上記[51]に記載の方法。