(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】引き出し用の安全ロック
(51)【国際特許分類】
A47B 88/50 20170101AFI20220902BHJP
【FI】
A47B88/50
(21)【出願番号】P 2020532537
(86)(22)【出願日】2018-04-27
(86)【国際出願番号】 MY2018050023
(87)【国際公開番号】W WO2019039935
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-04-13
(31)【優先権主張番号】PI2017703114
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】MY
(73)【特許権者】
【識別番号】520064252
【氏名又は名称】レヨ ホールディングス エスディーエヌ ビーエイチディー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】エヌジー,テック ライ
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-105405(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第00678871(GB,A)
【文献】特開2007-037930(JP,A)
【文献】米国特許第1774236(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00-88/884
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネット(100)であって、
少なくとも1つの引き出し(110)と、
前記引き出し(110)の外側壁に取り付けられた少なくとも1つの停止手段と、
前記停止手段に係合するための少なくとも1つの掛止手段と、を備え、
前記掛止手段は、前記キャビネット(100)が傾いたとき、前記引き出し(110)が前記キャビネット(100)から落ちることを防止するために、前記掛止手段は回転し前記停止手段と係合するように、前記キャビネット(100)の内側に枢動可能に取り付けられ
、
前記掛止手段は略C型のプレート(200)である、キャビネット。
【請求項2】
前記引き出し(110)は、さらに、開位置と閉位置との間で摺動可能に移動可能である前記引き出し(110)用の誘導部を備える、請求項1に記載のキャビネット。
【請求項3】
前記掛止手段は、さらに、前記停止手段への前記プレート(200)の係合を向上させるために、前記プレート(200)の内側に、歯状表面(202)を含む、請求項
1に記載のキャビネット。
【請求項4】
前記プレート(200)は、ファスナによって、前記キャビネット(100)の内側に枢動可能に取り付けられる、請求項
1または
3に記載のキャビネット。
【請求項5】
前記停止手段は、前記引き出し(110)から延在する突起(210)である、請求項1に記載のキャビネット。
【請求項6】
前記キャビネット(100)の傾きにより、プレートの底端が、前記引き出し(110)が前記キャビネット(100)から落ちることを防止するために突起上に掛止するように、前記プレートを回転させる、請求項
1または
5に記載のキャビネット。
【請求項7】
引き出し(110)がキャビネット(100)から落ちることを防止するための安全デバイスであって、
上端及び底端を有する略C型プレート本体と、
前記キャビネット(100)の前記プレート本体に枢動可能に取り付けるための手段と、を備え、
前記キャビネット(100)の傾きは、前記底端が前記引き出し(110)の一部に掛止するように、前記プレート本体を回転させる、安全デバイス。
【請求項8】
前記底端は、前記引き出し(110)への前記底端の係合を向上させるための歯状内側表面(202)を含む、請求項
7に記載の安全デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は安全デバイスに関する。より具体的には、本発明は、傾くとき、自然に発生する開きを防止するための安全デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
地震は、多くの場合、様々なマグニチュードの振動をもたらす。時々、そのマグニチュードは家具を落下させるくらい十分に強い可能性がある。家具が引き出しを装備しているとき、死亡事故が起こり得る。係る事故は、引き出しが滑り出し、近くの人に当たることを生じさせる家具の傾きを含み得る。別に報告された出来事では、家具に登ることを試みる子供が家具を転倒させて、けがをもたらした。これらの事故は、引き出しの安全性の世間の注目を集めている。したがって、前述の事故を回避するために、引き出しに適用される安全デバイスを有することが重要である。
【0003】
長年にわたって、前述の安全デバイスに関連する少しの特許技術が存在している。引き出しスライドチャイルドロックに関して着目すると、米国特許第5823649号明細書に開示されており、この特許は、引き出しが部分的に開いているときにアクセス可能であるレバーに搭載される拘束部材を有することによって、引き出しの開きを防止するのに適切な安全デバイスに関する教示を提供している。代わりに、拘束部材は、引き出しに搭載された引き出しスライド内のスロットを通って、引き出しに搭載された引き出しスライドローラを通って、キャビネットに搭載された引き出しスライドローラスロットに係合する、またはキャビネット面の内部に係合する。しかしながら、このデバイスの欠点は、引き出しの従来の動作を可能にするために、拘束部材を手動で係脱する必要があることである。
【0004】
加えて、別の特許文献の米国特許第4139249号明細書は、ばね付勢式拘束部材を伴う子どもに安全なキャビネットラッチを開示している。拘束部材は、引き出しの制限された開き運動だけを可能にする第1の位置と、引き出し移動が制限されない第2の位置との間で移動可能である。それにもかかわらず、開示されている発明は、機械の故障が原因で信頼性が少ない。
【0005】
要約するために、上述の欠点を克服するために、安全デバイスを引き出しに提供する必要がある。本発明は係るデバイスを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第5823649号明細書
【文献】米国特許第4139249号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、少なくとも1つの引き出しと、引き出しの外側壁に取り付けられた少なくとも1つの停止手段と、停止手段に係合するための少なくとも1つの掛止手段とを備える、キャビネットに関することであり、掛止手段は、キャビネットが傾いたとき、引き出しがキャビネットから落ちることを防止するために、掛止手段は回転し停止手段と係合するように、キャビネットの内側に枢動可能に取り付けられる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
好ましくは、引き出しは、さらに、引き出しが開位置と閉位置との間で摺動可能であることを可能にするための手段を備える。
【0009】
好ましくは、掛止手段は略C型プレートである。
【0010】
好ましくは、掛止手段は、さらに、停止手段へのプレートの係合を向上させるために、プレートの内側に位置付けられる、歯状表面を含む。
【0011】
好ましくは、掛止手段は、さらに、キャビネット上への掛止手段の枢動可能な取り付けを可能にするための手段を含む。
【0012】
好ましくは、停止手段は引き出しから延在する突起である。
【0013】
好ましくは、キャビネットの傾きにより、プレートの底端が、引き出しがキャビネットから落ちることを防止するために突起上に掛止するように、プレートを回転させる。
【0014】
本発明の第2の目的は、引き出しがキャビネットから落ちることを防止するための安全デバイスを提供することであり、安全デバイスは、上端及び底端を有する略C型プレート本体と、キャビネットにプレート本体を枢動可能に取り付けるための手段とを備え、キャビネットの傾きにより、底端が引き出しの一部に掛止するように、プレート本体を回転させる。
【0015】
好ましくは、底端は、引き出しへの底端の係合を向上させるための歯状内側表面を含む。
【0016】
当業者は、本発明は、目的を実施し、言及される結果ならびに利点、及びそれに内在するものを取得することに十分に適合することを容易に認識するであろう。本明細書に説明される実施形態は、本発明の範囲への制限が意図されない。
【0017】
本発明の理解を容易にする目的のために、本発明の検証から得られた好ましい実施形態が、付随の図面に示され、以下の説明に関連して考慮されるとき、本発明、その構成ならびに動作、及びその多くの利点は、容易に理解及び認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】安全デバイスアセンブリを伴うキャビネットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、本発明は、図面を参照して、例として、さらに詳細に説明される。
【0020】
図1は、引き出し110の移動を制限するために統合された安全デバイスを伴うキャビネット100を示す。キャビネット100は、少なくとも1つの引き出し110を収容するように設計され、それによって、引き出し110は各側のレール111のアセンブリによってキャビネット内部に摺動可能に受容される。レール111は、キャビネット100上に搭載される筐体レール構成要素と、引き出し110の側面に搭載される引き出しレール構成要素とを備え、それにより、引き出しレール構成要素は、開位置と閉位置との間で、引き出し110の摺動変位を可能にするために筐体レールによって受容される。本発明に従った安全デバイスは、引き出しレール111の上方の引き出し110の外側壁に取り付けられた突起210と、キャビネット100の内側に一般的に取り付けられた対応する掛止プレート200とを含む。好ましくは、引き出し110のそれぞれは、各側の一方に、2つの安全デバイスが付けられている。
【0021】
図2は安全デバイスの詳細な構成を示す。安全デバイスは、底端に歯状表面202及び上端に重い部分を伴う、略C型掛止プレート200を備える。C型掛止プレート200は、C型掛止プレート200をキャビネット100の内側壁に取り付けるためのねじファスナ用の孔201を備える。C型掛止プレート200が自由に回転することを可能にするいくつかの垂直方向の許容値を有するように、C型掛止プレート200は締められる。また、安全デバイスは、さらに、停止手段として働く略L型突起210を備える。L型突起210は、L型突起210を引き出しの側壁上に固定するために、ファスナが通過することを可能にする少なくとも1つの孔を含む。
【0022】
安全デバイスは、2つの位置(すなわち、ロック位置とロック解除位置と)の間で揺動し、それによって、安全デバイスは、掛止プレート200が突起210と係合するときロック位置にあり、掛止プレート200が突起210から係脱するときロック解除位置にある。動作時、安全デバイスがロック位置にあるまで、キャビネット100がどれくらい傾くかにかかわらず、掛止プレート200が重力によって地面に対して直立位置を常に維持するように、掛止プレート200はキャビネット100に取り付けられる。それにもかかわらず、キャビネット100が傾くとき、掛止プレート200は、ロック位置までキャビネット100に対して回転する。好ましくは、キャビネット100の傾きは、キャビネット100の転倒を生じさせ得る、移動中の車両、地震、または開いた引き出しに子供が登るもしくは入ろうと試みることによる、かなりの振動によって生じる。
【0023】
別の実施形態では、キャビネット100の位置が正常位置に戻るとき、掛止プレート200は、元の位置に戻るように回転する。結果として、引き出し110の摺動通路はロック解除され、これにより、引き出し110が、開位置と閉位置との間で自由に摺動することができる。掛止プレート200の自動復帰は、引き出し110を連続的に開けることを可能にし、引き出し110を閉じる際に動作の組み合わせを必要とする。
【0024】
本発明の開示は、添付の請求項に含有されるものと、前述の説明のものとを含む。本発明はある程度の特殊性があるその好ましい形態で説明されているが、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の好ましい形態の開示は単なる例としてなされたことと、構成の詳細のいくつかの変更及び部品の組み合わせならびに配置が使われ得ることとが理解される。