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特許7134256内視鏡システムのための可撓性ライトガイドおよびヒートシンク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】内視鏡システムのための可撓性ライトガイドおよびヒートシンク
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/12 20060101AFI20220902BHJP
   A61B 1/06 20060101ALI20220902BHJP
   G02B 23/26 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
A61B1/12 542
A61B1/06 511
G02B23/26 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020562125
(86)(22)【出願日】2019-05-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 US2019031480
(87)【国際公開番号】W WO2019217652
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2020-11-13
(31)【優先権主張番号】62/734,691
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/668,979
(32)【優先日】2018-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/670,242
(32)【優先日】2018-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500103074
【氏名又は名称】コンメッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マクリーン エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ザボ ミカエル
【審査官】高松 大
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-019570(JP,A)
【文献】特開2011-217969(JP,A)
【文献】特表2016-504114(JP,A)
【文献】特開2013-027622(JP,A)
【文献】国際公開第2017/175279(WO,A1)
【文献】特開平06-030898(JP,A)
【文献】特開2001-059914(JP,A)
【文献】特開2000-310739(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/12
A61B 1/06
G02B 23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の光入力ポートに連結される可撓性電子ライトガイドであって、
発光ダイオードを支持するハウジングと、
前記発光ダイオードに連結された電力ケーブルと、
前記発光ダイオードに隣接し、そして前記電力ケーブルの周りに伸びて、前記発光ダイオードから熱を逃がす可撓性管と、を備える、可撓性電子ライトガイド。
【請求項2】
前記可撓性管が、固体金属管が可撓性であることを可能にする所定のパターンに従って穿孔された固体金属管を含む、請求項1に記載の可撓性電子ライトガイド。
【請求項3】
内視鏡のための可撓性電子ライトガイドであって、
発光ダイオードを支持するハウジングと、
前記発光ダイオードに連結された電力ケーブルと、
前記発光ダイオードに隣接し、そして前記電力ケーブルの周りに伸びて、前記発光ダイオードから熱を逃がす可撓性管と、を備え、
前記可撓性管が編組ワイヤジャケットを含み、
前記編組ワイヤジャケットが、互いに接触する複数の金属ボールを封入する、可撓性電子ライトガイド。
【請求項4】
前記可撓性管が複数の金属を含む、請求項3に記載の可撓性電子ライトガイド。
【請求項5】
内視鏡のための可撓性電子ライトガイドであって、
発光ダイオードを支持するハウジングと、
前記発光ダイオードに連結された電力ケーブルと、
前記発光ダイオードに隣接し、そして前記電力ケーブルの周りに伸びて、前記発光ダイオードから熱を逃がす可撓性管と、を備え、
前記可撓性管が中空管を含み、
前記可撓性電子ライトガイドが、
前記管の一方の端部に連結されたファンと、
前記管の他方の端部に連結され、前記発光ダイオードモジュールの周りに位置付けられたマニホールドと、をさらに備える、可撓性電子ライトガイド。
【請求項6】
前記マニホールドが、一連の開口部を画定する前面を含む、請求項5に記載の可撓性電子ライトガイド。
【請求項7】
前記ファンが、前記可撓性管が取り付けられるベースユニット内に位置付けられる、請求項6に記載の可撓性電子ライトガイド。
【請求項8】
前記可撓性管が、流体貯蔵部に連結された中空管を含む、請求項1に記載の可撓性電子ライトガイド。
【請求項9】
前記中空管が、所定の一方向への流体の流れのみを可能にするように構成された少なくとも一つの弁を含む、請求項8に記載の可撓性電子ライトガイド。
【請求項10】
内視鏡のための可撓性電子ライトガイドであって、
発光ダイオードを支持するハウジングと、
前記発光ダイオードに連結された電力ケーブルと、
前記発光ダイオードに隣接し、そして前記電力ケーブルの周りに伸びて、前記発光ダイオードから熱を逃がす可撓性管と、を備え、
前記可撓性管が、ばねによって互いに接触して保持された一連の構成要素から形成されるリンク機構を含む、可撓性電子ライトガイド。
【請求項11】
前記可撓性管が、複数の金属ボールが充填された中空管を含む、請求項1に記載の可撓性電子ライトガイド。
【請求項12】
前記複数の金属ボールが、0.0625ミリメートル~2.00ミリメートルの直径を有する、請求項11に記載の可撓性電子ライトガイド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、内視鏡ライトガイドに関し、より具体的には、発光ダイオードのための可撓性ヒートシンクを有する内視鏡ライトガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
内視鏡手術の分野では、様々な手術部位を照射するために、可視光を体内に向ける必要がある。従来、これは、光ファイバーライトガイドの遠位端を内視鏡の光ファイバーライトポストに取り付けることによって達成される。ライトガイドの対向する近位端は、電気光源に接続される。通常、光源は、最適化された光伝送のために内視鏡のライトポストに連結される光ファイバーケーブルを有する高出力ランプを含むAC電圧式電子エンクロージャである。既存の光ファイバーライトガイドの特徴の一つは、可撓性があり、体内の異なる手術部位を見るために内視鏡を調節または回転させる場合に、外科医によって容易に操作されうることである。
【0003】
既存の光ファイバーライトガイドの制約は、その構造に使用される材料の特性により、その性能が使用にわたって劣化することである。ライトガイドは、アレイバンドルを構成する、多くの個々のガラス光ファイバーストランドから成る。外側ジャケットは、このガラスストランドのバンドルを取り囲み、使用、洗浄、再処理(滅菌)中に装置が曝されることになる環境からの保護を提供する。個別のファイバーストランドは、使用中に破損しやすい延伸ガラスから作製される。個別のファイバーがその長さに沿ったいずれかで破損すると、光を伝送することができなくなるため、光源出力からの全体的な光伝送がある割合で低下することになる。これらの問題を克服するための従来の試みには、内視鏡のライトポストに取り付けられる電池式LED光源の使用が関与する。しかしながら、これらの装置は、使用可能な電池寿命に制限されるため、充電操作、およびまたは電池交換間の使用時間が短い。したがって、ケーブルの望ましい可撓性を保持する一方で、より長期間の照射を内視鏡のライトポートに提供することができるアプローチのための技術分野におけるニーズが存在する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、ライトガイドの発光ダイオードモジュールのためのヒートシンクを含む内視鏡のための可撓性電子ライトガイドを備える。ヒートシンクは、電子ライトガイドが外科医にとって望ましい可撓性形態ファクタを保持する一方で、外科医によって接触する構成要素が過熱されないように光源から熱を逃がすように、設計される。電子ライトガイドは、ガラス光ファイバーを使用せず、また、製品寿命にわたって減少しない較正された固定の照明出力に依存する。また、電子ライトガイドは、従来の光ファイバーライトガイドを使用する時に存在する連結された光学面の数を低減する。LEDはスコープポストに直接位置付けられるため、ライトガイドの近位端の光源に作製される接続は、電子ライトガイドを使用する場合には除去される。この光学接続を除去することにより、関連する表面損失も除去され、次いで、光出力が増大する。
【0005】
より具体的には、本発明は、ハウジング内に発光ダイオード(LED)を有する発光ダイオードモジュールを有する可撓性電子ライトガイドである。電力ケーブルはLEDに連結され、LEDに電力を提供する。発光ダイオードモジュールに隣接する可撓性管は、LEDから、そして電力ケーブルの周りに伸び、発光ダイオードモジュールから熱を逃がす。
【0006】
一実施形態では、可撓性管は、固体管が可撓性であることを可能にする所定のパターンに従って穿孔された固体金属管を含みうる。別の実施形態では、可撓性管は編組ワイヤジャケットを含みうる。編組ワイヤジャケットは、互いに接触する一連の金属ボールを封入しうる。可撓性管はまた、複数の金属を含みうる。さらなる実施形態では、可撓性管は、発光ダイオードモジュールの周りに位置付けられた管の、一方の端部にファンに連結された中空管と、他方の端部にマニホールドとを含む。マニホールドは、一連の開口部を画定する前面を有しうる。ファンは、可撓性管が取り付けられるベースユニット内に位置付けられうる。追加的な実施形態では、可撓性管は、流体貯蔵部に連結された中空管を含みうる。中空管は、所定の一方向の流体の流れのみを可能にするように構成された少なくとも一つの弁を含みうる。さらに別の実施形態では、可撓性管は、ばねによって互いに接触して保持された一連の構成要素から形成されるリンク機構を含みうる。さらに追加的な実施形態では、可撓性管は、複数の金属ボールが充填された中空管を含みうる。複数の金属ボールは、0.0625ミリメートル~2.00ミリメートルの直径を有しうる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、より完全に理解され、認識される。
【0008】
図1図1は、本発明による可撓性ライトガイドを有する内視鏡の斜視図である。
図2図2は、本発明による可撓性ライトガイドの断面図である。
図3図3は、本発明による図2の可撓性ライトガイドの分解図である。
図4図4は、本発明による、管が可撓性になることを可能にする、固体金属管にエッチングされうる例示的なパターンである。
図5図5は、本発明による、一緒に連結された複数の金属から形成される可撓性ヒートシンクの概略図である。
図6図6は、本発明による可撓性ライトガイドのための、編組ワイヤメッシュから形成される可撓性ヒートシンクである。
図7図7は、本発明による一連の金属ボールを封入する編組ワイヤジャケットから形成される可撓性ヒートシンクである。
図8図8は、本発明による一連の金属ボールを封入する編組ワイヤジャケットから形成される可撓性ヒートシンクである。
図9図9は、本発明による複数の金属ボールを封入する中空管から形成される可撓性ヒートシンクである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図を参照して、図中、同様の数字は同様の部品を指し、図1に、ハンドピース14内の撮像構成要素が挿入管12の対向する端部の視野の光学画像を捕捉する、挿入管12を有する内視鏡10が図示されている。可撓性シャフト16は、ハンドピース14から伸び、ハンドピース14内の撮像構成要素によって捕捉された画像を、ビュー画面またはモニターなどの遠隔に位置付けられたディスプレイに送信する。電子ライトガイド18は、内視鏡10の光入力ポート20で挿入管12に横断方向に連結される。
【0010】
図2および図3を参照すると、電子ライトガイド18は、レンズ114と、プリント回路基板に取り付けられ、レンズ114の後ろに位置付けられたLED116とを収容する本体112を備える。窓144は、レンズ114を保護し、LED116からの光が電子ライトガイド18から内視鏡10の光ポートに放射されることを可能にするために、レンズ114の前方に位置付けられる。LED116、レンズ114および窓140は、セル146にパッケージされて、本明細書に記載の方法で電子ライトガイド18に統合されうる個別のモジュールを形成しうることを認識されたい。固体ヒートシンク118は、LED116が起動されたときに生成される熱を除去するためにLED116に隣接して位置付けられ、本体112から後方に延在する。固体ヒートシンク118は、銅本体であってもよく、蓄積された熱の改善された熱分散のためにフィンを含みうる。固体ヒートシンク118は、銀エポキシなどの金属エポキシを使用してLED116に接着されてもよく、LED116から熱を逃がすように促進する。編組銅メッシュなどの可撓性ヒートシンク120は、一つまたは複数のバンドクランプ122および124によって、剛性ヒートシンク118に直接取り付けられる。ケーブル126は、可撓性ヒートシンク120内に伸び、LED116に電力供給するための一対のワイヤ128および130を含む。ワイヤ128および130は、固体ヒートシンク118を通って伸び、それぞれ、対応する絶縁体スリーブ132および134の対によってそれから絶縁される。熱収縮136は、編組メッシュを圧縮したままにするために、可撓性ヒートシンク120の中間部分上に位置付けられうる。歪み軽減を提供するためのブーツ138は、構成要素ならびに本体112の少なくとも一部分の上に位置付けられ、ブーツ138と係合するように本体112の前方端上に取り付けられたリング140によって所定位置に保持される。フィッティング142は、内視鏡10のライトポート20に電子ライトガイド18と選択的に連結および連結解除するために、本体112の前方端の内側に位置付けられうる。Oリング148は、使用中に電子ライトガイド18の内部構成要素を進入からシールし、使用後に電子ライトガイド18の滅菌を可能にするために、様々な場所に含まれうる。
【0011】
可撓性ヒートシンク120は、好ましくは編組ワイヤメッシュであるが、本発明は、必要な可撓性、および電子ライトガイド18の長さの一部分の下方への熱伝送を提供する他のアプローチを含む。例えば、図4を参照すると、可撓性ヒートシンク150は、剛性ヒートシンク118に連結された可撓性シャフト152を含みうる。可撓性シャフト152は、シャフト152が三次元に曲がることを可能にする所定のパターン154に従って材料をシャフト152から除去するために、金属などの熱伝導性材料から形成される固体管をレーザー切断することによって形成されうる。シャフト152の一方の端部は、剛性ヒートシンク118に連結されてLED116から熱を奪う一方で、シャフト152の屈曲を介して内視鏡10の移動を可能にする。
【0012】
図5を参照すると、本発明による可撓性ヒートシンク200は、剛性ヒートシンク118と接触するように配置される複数の熱伝導性材料204によって取り囲まれる中央電気ケーブル202を含みうる。
【0013】
図6を参照すると、本発明による可撓性ヒートシンク500は、剛性ヒートシンク118のための電気配線504を取り囲む編組ジャケット502を含みうる。編組ジャケット502は、熱伝導性である一つまたは複数の材料から形成される。編組ジャケット502は、剛性ヒートシンク118と接触して配置され、熱をそれから除去する。
【0014】
図7を参照すると、本発明による可撓性ヒートシンク600は、剛性ヒートシンク118のための電気配線を取り囲む編組ジャケット602を含みうる。一連のボール604は、編組ジャケット602内に緊密に充填される。編組ジャケット602およびボール604は、金属などの熱伝導性である一つまたは複数の材料から形成される。編組ジャケット602は、剛性ヒートシンク118と接触するように配置され、追加的な熱コレクタを提供するボール604を用いて熱をそれから取り除く。
【0015】
図8を参照すると、本発明による可撓性ヒートシンク700は、ばねなどの付勢要素706によって一緒に緊密に圧縮された一連の構成要素704から形成されるリンク機構702を含みうる。構成要素704の緊密な圧縮は、ヒートシンク700および剛性ヒートシンク118を含む内視鏡が使用される場合に、熱の容易な伝送および可撓性移動を可能にする。
【0016】
図9を参照すると、本発明による可撓性ヒートシンク800は、剛性ヒートシンク118のための電気配線を取り囲む可撓性ジャケット802を含みうる。一連のボール804は、可撓性ジャケット802内に緊密に充填される。可撓性ジャケット802およびボール804は、熱伝導性である一つまたは複数の材料から形成される。可撓性ジャケット602は、ボール604が剛性ヒートシンク118と接触して熱をそれから除去するように配置される。ボール804は、ボールベアリングなど、砂粒ほどに小さい(0.0625mm~2.00mm)場合がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9