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特許7134289メディアチャネルの変更を検出しそれに応答するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】メディアチャネルの変更を検出しそれに応答するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/258 20110101AFI20220902BHJP
   H04N 21/234 20110101ALI20220902BHJP
   H04N 21/44 20110101ALI20220902BHJP
【FI】
H04N21/258
H04N21/234
H04N21/44
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021067530
(22)【出願日】2021-04-13
(62)【分割の表示】P 2019033879の分割
【原出願日】2017-02-28
(65)【公開番号】P2021108487
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】15/443,615
(32)【優先日】2017-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/301,616
(32)【優先日】2016-02-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521212432
【氏名又は名称】ロク インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】リー ジェヒョン
(72)【発明者】
【氏名】リー デューイ ホー
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-093740(JP,A)
【文献】特表2004-505328(JP,A)
【文献】特表2013-531937(JP,A)
【文献】特表2015-512198(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0078894(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0222949(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/10
H04N 7/14 - 7/173
H04N 7/20 - 7/56
H04N 21/00 -21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネルの変更を検出し前記変更に応答するための方法であって、前記方法は、
メディア提示デバイスによって経時的に表示されたメディアコンテンツを表す複数のクエリフィンガープリントをコンピューティングシステム中に受信することであって、ここで、前記受信されたクエリフィンガープリントの少なくとも一部分に基づいて、前記表示されたメディアコンテンツがメディアコンテンツの第1のチャネルであるものとして識別されている、ことと、
前記受信されたクエリフィンガープリントのうちの1つまたは複数を、メディアコンテンツの前記第1のチャネルを表し、対応する1つまたは複数の参照フィンガープリントに比較することであって、ここで、前記表示されたメディアコンテンツをメディアコンテンツの前記第1のチャネルであるものとして識別することは、第1のフィンガープリント比較レートを使用して行われ、前記受信されたクエリフィンガープリントのうちの1つまたは複数を、メディアコンテンツの前記第1のチャネルを表し、対応する1つまたは複数の参照フィンガープリントに比較することは、前記第1のフィンガープリント比較レートよりも大きな第2のフィンガープリント比較レートを使用して行われるものである、ことと、
前記比較することに基づいて、前記メディア提示デバイスによって表示されている前記メディアコンテンツがもはやメディアコンテンツの前記第1のチャネルでない尤度を決定することと、
前記メディア提示デバイスによって表示されている前記メディアコンテンツがもはやメディアコンテンツの前記第1のチャネルでない前記決定された尤度に応答して、前記メディア提示デバイスに前記メディアコンテンツの一部分を代替コンテンツと差し替えるのを中止させることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記代替コンテンツが差し替え広告を含み、前記メディア提示デバイスに前記メディアコンテンツの前記一部分を代替コンテンツと差し替えるのを中止させることが、前記メディア提示デバイスに前記メディアコンテンツの前記一部分を前記差し替え広告と差し替えるのを中止させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記メディア提示デバイスによって表示されている前記メディアコンテンツがもはやメディアコンテンツの前記第1のチャネルでない前記決定された尤度に応答して、前記メディア提示デバイスによって表示されている前記メディアコンテンツをメディアコンテンツの第2のチャネルであるものとして識別するためのプロセスに関与すること
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記メディア提示デバイスによって表示されている前記メディアコンテンツがもはやメディアコンテンツの前記第1のチャネルでない前記決定された尤度に応答して、(i)前記メディア提示デバイスによる前記第1のチャネルの提示に基づくチャネルレーティングデータの記録を中止させることと、(ii)前記メディア提示デバイスによる前記第1のチャネルの提示の中止を示すチャネルレーティングデータを記録することとからなる群から選択された少なくとも1つの動作を行うことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記受信されたクエリフィンガープリントのうちの1つまたは複数を、メディアコンテンツの前記第1のチャネルを表し、対応する1つまたは複数の参照フィンガープリントに比較することが、前記クエリフィンガープリントのうちの特定の1つを前記参照フィンガープリントのうちの対応する特定の1つと比較することを含み、
前記比較することに基づいて、前記メディア提示デバイスによって表示されている前記メディアコンテンツがもはやメディアコンテンツの前記第1のチャネルでない前記尤度を決定することは、前記比較することに基づいて、前記特定のクエリフィンガープリントが前記特定の参照フィンガープリントに一致しないと決定することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記受信されたクエリフィンガープリントのうちの1つまたは複数を、メディアコンテンツの前記第1のチャネルを表し、対応する1つまたは複数の参照フィンガープリントに比較することが、前記クエリフィンガープリントのうちのt個を前記参照フィンガープリントのうちの対応するt個と比較することであって、t>1である、ことを含み、
前記t個のクエリフィンガープリントを前記対応するt個の参照フィンガープリントと比較することと、前記比較することに基づいて、前記メディア提示デバイスによって表示されている前記メディアコンテンツがもはやメディアコンテンツの前記第1のチャネルでない前記尤度を決定することとが、(a)前記t個のクエリフィンガープリントと前記t個の参照フィンガープリントとの間の距離を計算することと、(b)和を確定するために、前記計算された距離を合計することと、(c)前記確定された和を、前記尤度を表す確率値に変換するためにシグモイド関数を使用することとを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記受信されたクエリフィンガープリントのうちの前記1つまたは複数を、メディアコンテンツの前記第1のチャネルを表す前記対応する1つまたは複数の参照フィンガープリントに比較することが、最も直近の1つまたは複数の受信されたクエリフィンガープリントに関して行われる、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、少なくとも部分的に前記メディア提示デバイスによって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ネットワーク通信インターフェースと、
処理ユニットと、
非一時的データストレージと、
前記非一時的データストレージに記憶されたプログラム命令と
を備えるシステムであって、前記プログラム命令は、
メディア提示デバイスによって提示されているメディアコンテンツを表す複数のクエリフィンガープリントを、前記ネットワーク通信インターフェースを介して前記メディア提示デバイスから受信することであって、前記クエリフィンガープリントが、第1のチャネルを表すと決定されており、前記クエリフィンガープリントが前記第1のチャネルを表すと決定することが、第1のフィンガープリント比較レートを使用して行われる、ことと、
前記受信されたクエリフィンガープリントと、前記第1のチャネルを表す参照フィンガープリントとの間の不一致を検出することであって、前記不一致を検出することが、前記第1のフィンガープリント比較レートよりも大きな第2のフィンガープリント比較レートを使用して行われ、前記不一致は、前記メディア提示デバイスが前記第1のチャネルを提示することから第2のチャネルを提示することに遷移している尤度を示す、ことと、
前記不一致を検出することに応答して、前記メディア提示デバイスに前記メディアコンテンツの一部分を代替コンテンツと差し替えるのを中止させることと
を含む動作を行うように前記処理ユニットによって実行可能である、システム。
【請求項10】
前記代替コンテンツが差し替え広告を含み、前記メディア提示デバイスに前記メディアコンテンツの前記一部分を代替コンテンツと差し替えるのを中止させることが、前記メディア提示デバイスに前記メディアコンテンツの前記一部分を前記差し替え広告と差し替えるのを中止させることを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記動作は、前記不一致を検出することに応答して、前記メディア提示デバイスによって表示されている前記メディアコンテンツを前記第2のチャネルであるものとして識別するためのプロセスに関与することをさらに含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記動作は、前記不一致を検出することに応答して、(i)前記メディア提示デバイスによる前記第1のチャネルの提示に基づくチャネルレーティングデータの記録を中止させることと、(ii)前記メディア提示デバイスによる前記第1のチャネルの提示の中止を示すチャネルレーティングデータを記録することとからなる群から選択された少なくとも1つの動作を行うことをさらに含む、
請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記不一致を検出することが、前記受信されたクエリフィンガープリントのうちの1つまたは複数を前記参照フィンガープリントのうちの対応する1つまたは複数に比較することと、前記比較することに基づいて、前記受信されたクエリフィンガープリンのうちの少なくとも特定の1つが前記参照フィンガープリントのうちの対応する特定の1つに一致しないと決定することとを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記不一致を検出することが、前記クエリフィンガープリントのうちのt個を前記参照フィンガープリントのうちの対応するt個と比較することであって、t>1である、ことを含み、
前記t個のクエリフィンガープリントを前記対応するt個の参照フィンガープリントと比較することと、前記不一致を検出することとが、(a)前記t個のクエリフィンガープリントと前記t個の参照フィンガープリントとの間の距離を計算することと、(b)和を確定するために、前記計算された距離を合計することと、(c)前記確定された和を、前記不一致を示す確率値に変換するためにシグモイド関数を使用することとを含む、
請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記不一致を検出することが、前記受信されたクエリフィンガープリンのうちの1つまたは複数を前記参照フィンガープリントのうちの対応する1つまたは複数に比較することを含み、
前記受信されたクエリフィンガープリンのうちの1つまたは複数を前記参照フィンガープリントのうちの対応する1つまたは複数に比較することが、最も直近の1つまたは複数の受信されたクエリフィンガープリントに関して行われる、
請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
メディア提示デバイスにおいてチャネルの変更を検出し前記変更に応答する動作を実行するように処理ユニットによって実行可能である命令を記憶しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記動作は、
前記メディア提示デバイスが第1のチャネルを提示している間、(i)前記メディア提示デバイスによって提示されているメディアコンテンツを表すクエリフィンガープリントストリームと、(ii)前記第1のチャネルのメディアコンテンツを表す参照フィンガープリントストリームとの間の不一致を検出することであって、ここで、前記メディア提示デバイスは、第1のフィンガープリント比較レートを使用して前記クエリフィンガープリントストリームを前記参照フィンガープリントストリームと比較し、前記比較することに基づいて、前記クエリフィンガープリントストリームと前記参照フィンガープリントストリームとの間の一致を検出することによって、前記第1のチャネルを提示していると決定されたものであり、前記不一致を検出することは、前記第1のフィンガープリント比較レートよりも大きな第2のフィンガープリント比較レートを使用して前記クエリフィンガープリントストリームを前記参照フィンガープリントストリームと比較することによって行われ、前記不一致は、前記メディア提示デバイスが前記第1のチャネルを提示することから第2のチャネルを提示することに遷移している尤度を示す、ことと、
前記不一致を検出することに応答して、前記メディアコンテンツの一部分を代替コンテンツと差し替えることを中止させることと
を含む、コンピュータ読み取り可能な記録媒体
【請求項17】
前記代替コンテンツが差し替え広告を含み、前記メディアコンテンツの前記一部分を前記代替コンテンツと前記差し替えることを中止させることが、前記メディアコンテンツの前記一部分を前記差し替え広告と差し替えることを中止させることを含む、請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【請求項18】
前記動作は、前記不一致を検出することに応答して、前記メディア提示デバイスによって表示されている前記メディアコンテンツを第2のチャネルであるものとして識別するためのプロセスに関与することをさらに含む、請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【請求項19】
前記参照フィンガープリントストリームが参照フィンガープリントを含み、前記クエリフィンガープリントストリームがクエリフィンガープリントを含み、
前記不一致を検出することが、前記クエリフィンガープリンのうちの1つまたは複数を前記参照フィンガープリントのうちの対応する1つまたは複数に比較することと、前記クエリフィンガープリントのうちの1つまたは複数を前記参照フィンガープリントのうちの対応する1つまたは複数に比較することに基づいて、前記クエリフィンガープリンのうちの少なくとも特定の1つが前記参照フィンガープリントのうちの対応する特定の1つに一致しないと決定することとを含む、請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【請求項20】
前記参照フィンガープリントストリームが参照フィンガープリントを含み、前記クエリフィンガープリントストリームがクエリフィンガープリントを含み、
前記不一致を検出することが、前記クエリフィンガープリントのうちのt個を前記参照フィンガープリントのうちの対応するt個と比較することであって、t>1である、ことを含み、
前記t個のクエリフィンガープリントを前記対応するt個の参照フィンガープリントと比較することと、前記不一致を検出することとが、(a)前記t個のクエリフィンガープリントと前記t個の参照フィンガープリントとの間の距離を計算することと、(b)和を確定するために、前記計算された距離を合計することと、(c)前記確定された和を、前記不一致を示す確率値に変換するためにシグモイド関数を使用することとを含む、
請求項16に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2016年2月29日に出願された米国仮特許出願第62/301,616号の優先権を主張する、2017年2月27日に出願された米国特許出願第15/443,615号の優先権を主張する。これらの優先権出願の各々全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
典型的なメディア提示デバイスは、ビデオおよび/またはオーディオコンテンツなどのメディアコンテンツを表すアナログまたはデジタルメディアストリームを受信し、ディスプレイスクリーンおよび/またはオーディオスピーカーなどのユーザインターフェース上にメディアコンテンツを表示し、提示するように動作する。そのようなデバイスの例は、限定はしないが、テレビジョン、コンピュータモニタ、投影システム、ラウドスピーカー、ヘッドフォンなどを含む。
【0003】
多くの場合、そのようなメディア提示デバイスは、メディアコンテンツの多数の個別チャネルへのアクセスを有し、所与のそのようなチャネルのメディアコンテンツをプレイアウトのためにメディア提示デバイスに選択的に送出することができる、ローカルセットトップボックスもしくは他の同様のデバイスまたはリモートサーバなどの受信機と通信していることがある。
【0004】
例として、テレビジョンが、ケーブルTVチャネルのセットへのアクセスを有するケーブルTVセットトップボックスに通信可能にリンクされることがあり、セットトップボックスは、特定のチャネルを選択しているユーザ入力を受信し、選択されたチャネルに応答的に同調して、選択されたチャネルのメディアコンテンツをユーザへのメディアコンテンツの提示のためにテレビジョンに出力するように構成されることができる。別の例として、ラウドスピーカーが、ラジオ局のセットへのアクセスを有するラジオに通信可能にリンクされることがあり、ラジオは、特定のチャネル(局)を選択しているユーザ入力を受信し、選択されたチャネルに応答的に同調して、選択されたチャネルのメディアコンテンツをユーザへのメディアコンテンツの提示のためにラウドスピーカーに出力するように構成されることができる。そして、さらに別の例として、ディスプレイまたはスピーカーなどのメディア提示デバイスが、無数のオンラインストリーミングメディアチャネルへのアクセスを有するコンピュータに通信可能にリンクされることがあり、コンピュータは、特定のチャネルを選択しているユーザ入力を受信し、選択されたメディアコンテンツの受信および出力を応答的に開始して、メディアコンテンツをユーザへの提示のためにディスプレイおよび/またはスピーカーに提供するように構成されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
メディア提示デバイスがメディアコンテンツを受信し表示するとき、メディア提示デバイスは、どのチャネルがメディアコンテンツを搬送したかを示すものを有しないことがある。チャネルに選択的に同調してメディアコンテンツを受信し、メディアコンテンツをメディア提示デバイスに提供する受信機または他のデバイスはそのような情報を有することができるが、上記他のデバイスからメディアコンテンツを受信するメディア提示デバイスはそのような情報を有しないことがある。たとえば、テレビジョンがケーブルTVセットトップボックスに結合され、ユーザがセットトップボックス上で特定のケーブルチャネルを選択した場合、セットトップボックスは、それにより、そのチャネルとして選択されたチャネルを示すものを有することができ、セットトップボックスは、次いで、そのチャネル上のメディアコンテンツを受信し、メディアコンテンツはテレビジョンに出力される。しかし、テレビジョン自体は、メディアコンテンツを受信し表示するだけでよく、選択されたチャネルを示すものを有しないことがある。ラウドスピーカーまたは他のメディア提示デバイスについて同様の問題が存在することができる。
【0006】
しかしながら、様々な理由により、様々なチャネルのうちのどれが、メディア提示デバイスによって表示されているコンテンツを搬送するチャネルであるかを決定することが有用であることができる。さらに、チャネル選択デバイス(たとえば、受信機またはリモートコントロール)が同調されたチャネルの報告をそのデバイスから受信することなしに、および場合によってはチャネル選択デバイスのいかなる関与もなしにそのように行うことが有用であることができる。たとえば、メディア提示デバイス自体、および/またはメディア提示デバイスと協働して動作しているネットワークサーバが、メディア提示デバイスによって表示されている(たとえば、すでに表示されているか、現在表示されているか、または表示されるためにキュー中にある)メディアコンテンツの評価に基づいてチャネルを決定することが有用であることができる。メディアコンテンツがその上に到着しているチャネルの知識が与えられれば、メディア提示デバイス、ネットワークサーバ、および/または別のエンティティは、次いで、多数の可能性の中でも、そのチャネルのメディアコンテンツが再生されている程度を決定し記録すること、メディアコンテンツの所定の部分を(差し替え広告などの)代替コンテンツと選択的に差し替えること、またはメディアコンテンツとともに提示のためにメディアコンテンツ上にもしくはさもなければメディアコンテンツと併せてチャネル固有コンテンツを重ね合わせることなど、チャネルにキーイングされた1つまたは複数の動作を行うことができる。
【0007】
メディアコンテンツがその上に到着しているチャネルを決定するための1つの方法は、メディア提示デバイス(もしくは場合によっては補助デバイス)および/またはネットワークサーバに、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツのデジタルフィンガープリントを生成させ、次いで、そのフィンガープリントを、特定のチャネル上に提供されるべきことが知られているメディアコンテンツについて確定された(established)参照フィンガープリントデータと比較することである。
【0008】
たとえば、ネットワークサーバまたは他のそのようなエンティティは、参照データへのアクセスを確立するかまたはさもなければ有することができ、この参照データは、メディア提示デバイスにメディアコンテンツを提供するために利用可能なチャネルの各々(たとえば、メディア提示デバイスにメディアコンテンツを供給するセットトップボックスのための加入プラン内のチャネルの各々)の参照フィンガープリントストリームを含み、各参照フィンガープリントストリームを、メディアコンテンツがその上で提供されるチャネルにマッピングする。メディア提示デバイスが所与のメディアコンテンツを受信し表示すると、メディア提示デバイスは、次いで、そのメディアコンテンツのクエリフィンガープリントストリームを生成し、ネットワーク通信インターフェースを通して、生成されたクエリフィンガープリントストリームを分析のためにネットワークサーバに報告することができる。ネットワークサーバがメディア提示デバイスからクエリフィンガープリントストリームを受信すると、ネットワークサーバは、次いで、クエリフィンガープリントストリームを様々なチャネルの参照フィンガープリントストリームと比較して、参照フィンガープリントストリームとの一致を発見し、それにより、メディアコンテンツがその上に到着しているチャネルが、参照データがその参照フィンガープリントストリームとマッピングするチャネルであると決定することができる。
【0009】
それにより、メディアコンテンツがその上に到着しているチャネルを決定すると、ネットワークサーバは、次いで、メディア提示デバイスにチャネルを示すものを通信することができ、メディア提示デバイスは、たとえばメディア提示デバイスによって表示されているメディアストリームにおいてチャネル固有コンテンツ(たとえば、チャネル識別情報または関連するコンテンツ)を重ね合わせることなど、チャネル固有アクションを取ることができる。代替的に、ネットワークサーバ自体または別のエンティティは、表示のためにメディア提示デバイスに送信されているメディアストリームにおいてチャネル固有コンテンツを重ね合わせることなど、決定されたチャネルに基づいてチャネル固有アクションを取ることができる。
【0010】
このプロセスにおいてチャネル固有アクションが取られるとき、メディア提示デバイスによって表示されているチャネルが、実際に、チャネル固有アクションが取られる決定されたチャネルであることを保証することが重要であることができる。これは、特に、表示されたチャネルを見ているかまたは聴いているユーザによってチャネル固有アクションが知覚される状況における場合である。たとえば、テレビジョンが特定のビデオチャネルを表示しており、プロセスにより、テレビジョンディスプレイ上にチャネル識別グラフィックが重ね合わせられることが生じる場合、ユーザエクスペリエンスの視点からは、チャネル識別情報が正しいことが特に重要であることができる。チャネル識別情報が不正確である場合、その結果はユーザの混乱および他の問題になることができる。さらに、チャネル識別情報が正しいことは他のシナリオにおいても重要であることができる。
【0011】
これが問題になることができる1つの状況は、メディア提示デバイスによって表示されているチャネルが変更されるときである。たとえば、メディア提示デバイス上で特定のチャネルを見ているかまたは聴いているユーザは、メディア提示デバイスにメディアコンテンツを提供している関連する受信機(たとえば、セットトップボックスまたはラジオ)においてチャネルを変更することができる。このようにして、メディア提示デバイスによって表示されているチャネルは古いチャネルから新しいチャネルに変更されることができる。そして、上記で説明されたように、受信機がこのチャネル変更に気づいていることがある一方で、メディア提示デバイスは気づいていないことがある。
【0012】
メディア提示デバイスによって表示されているチャネルをユーザが変更したとき、どんなチャネル固有の重ね合わされたコンテンツも、メディア提示デバイスによって表示されている新しいチャネルのメディアコンテンツにもはや関係しないことがある。さらに、その新しいメディアコンテンツ上に適切に重ね合わされることができる新しいチャネルのメディアコンテンツに関連する異なるチャネル固有コンテンツがあることができる。
【0013】
これを仮定すれば、チャネル変更が行われたとき、(i)メディアコンテンツ上にチャネル固有の重ね合わされたコンテンツを表示することなど、チャネル固有アクションを取るのを止めること、(ii)メディアコンテンツ上に異なるチャネル固有の重ね合わされたコンテンツを表示することなど、異なるチャネル固有アクションを取るのを開始すること、または(iii)(i)と(ii)の両方を行うことが望ましいことがある。とにかく、これらの動作のいずれかを実施するために、チャネル変更を迅速に検出することが有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本明細書では、チャネル変更を検出しそれに応答するための方法およびシステムが開示される。本開示によれば、メディア提示デバイスによって表示されているチャネルが(たとえば、上記で説明されたプロセスを通して)識別されると、サーバまたは他のエンティティは、次いで、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツのクエリフィンガープリントストリームと、識別されたチャネルのメディアコンテンツについて予想される参照フィンガープリントストリームとの間の1つまたは複数の不一致を検出する。不一致を検出すると、サーバまたは他のエンティティは、次いで、古いチャネルに関してチャネル固有アクションを取るのを止めること、および/または新しいチャネルに関してチャネル固有アクションを取るのを開始することなど、上記で言及されたアクションのいずれかを取ることができる。
【0015】
それに応じて、1つの点に関しては、メディア提示デバイスにおいてチャネルの変更を検出しそれに応答する方法が開示される。開示されるように、本方法は、メディア提示デバイスが、第1のチャネルについてであると決定されたメディアコンテンツを提示している間、(i)メディア提示デバイスによって提示されているメディアコンテンツを表すクエリフィンガープリントストリームと、(ii)第1のチャネルを表す参照フィンガープリントストリームとの間のしきい値不一致を検出することを含み、しきい値不一致は、メディア提示デバイスが第1のチャネルを提示することから第2のチャネルを提示することに遷移している尤度を示す。さらに、本方法は、しきい値不一致を検出することに応答して、提示されたメディアコンテンツ上でオーバーレイを変更することを含み、オーバーレイを変更することは、第1のチャネルに関連する重ね合わされたコンテンツを削除することを含む。
【0016】
別の1つの点に関しては、開示されるものは、チャネルの変更を検出しそれに応答するための方法である。開示されるように、本方法は、受信されたクエリフィンガープリントの少なくとも一部分に基づいて、表示されたメディアコンテンツがメディアコンテンツの第1のチャネルであるものとして識別されている状況において、メディア提示デバイスによって経時的に表示されるメディアコンテンツを表す複数のクエリフィンガープリントをコンピューティングシステムが受信することを含む。さらに、本方法は、受信されたクエリフィンガープリントのうちの1つまたは複数を、メディアコンテンツの第1のチャネルを表す対応する1つまたは複数の参照フィンガープリントに比較することと、比較することに基づいて、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツがもはやメディアコンテンツの第1のチャネルでない尤度を決定することとを含む。今度は、本方法は、次いで、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツがもはやメディアコンテンツの第1のチャネルでない決定された尤度に応答して、メディア提示デバイスによるメディアコンテンツの表示に関してチャネル固有アクションを中止することを含む。
【0017】
またさらに、別の1つの点に関しては、そのような機能を行うためのシステムが開示される。開示されるように、本システムは、ネットワーク通信インターフェースと、処理ユニットと、非一時的データストレージと、非一時的データストレージに記憶されたプログラム命令とを含み、プログラム命令は、(i)メディア提示デバイスによって提示されているメディアコンテンツを表すクエリフィンガープリントストリームを、ネットワーク通信インターフェースを介してメディア提示デバイスから受信することであって、クエリフィンガープリントストリームが、第1のチャネルを表すと決定されている、ことと、(ii)受信されたクエリフィンガープリントストリームと、第1のチャネルを表す参照フィンガープリントストリームとの間のしきい値不一致を検出することであって、しきい値不一致は、メディア提示デバイスが第1のチャネルを提示することから第2のチャネルを提示することに遷移している尤度を示す、ことと、(ii)しきい値不一致を検出することに応答して、提示されたメディアコンテンツ上でオーバーレイを変更することであって、オーバーレイを変更することが、第1のチャネルに関連する重ね合わされたコンテンツを削除することを含む、こととを含む動作を行うように処理ユニットによって実行可能である。
【0018】
これらならびに他の態様、利点、および代替形態は、必要に応じて添付の図面を参照しながら、以下の詳細な説明を読むことによって当業者に明らかになろう。さらに、この概要および以下において提供される説明は、本発明を例として示すものにすぎず、限定として示すものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】様々な開示される原理が適用されることができる例示的なシステムの簡略ブロック図である。
図2】様々な開示される原理を実装することを可能にするためにメディア提示デバイスがネットワークサーバと通信する、例示的なネットワーク構成の簡略ブロック図である。
図3】チャネル変更の尤度を決定するための基礎としてどのようにクエリフィンガープリントのシーケンスが参照フィンガープリントのシーケンスと比較されることができるかの図である。
図4】チャネル変更の尤度を決定するための基礎としてどのようにクエリフィンガープリントのシーケンスが参照フィンガープリントのシーケンスと比較されることができるかの別の図である。
図5】本開示に従って行われることができる動作を示すフローチャートである。
図6】本開示に従って行われることができる動作を示す別のフローチャートである。
図7】例示的なネットワークサーバの簡略ブロック図である。
図8】例示的なメディア提示デバイスの簡略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面を参照すると、図1は、様々な開示される原理が適用されることができる例示的なシステムの簡略ブロック図である。しかしながら、本明細書で説明されるこのおよび他の構成およびプロセスは様々な他の形態を取ることができることを理解されよう。たとえば、要素および動作は、並べ替え、分散、複製、合成、省略、追加、またはさもなければ修正されることができる。さらに、1つまたは複数のエンティティによって実行されるものとして本明細書で説明される機能は、プログラム命令などを実行する1つまたは複数の処理ユニットによってなど、ハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアを通して、それらのエンティティによっておよび/またはそれらのために実装されることができることを理解されよう。
【0021】
図1に示されているように、例示的なシステムは、1つまたは複数のメディアコンテンツソース12(たとえば、ブロードキャスター、ウェブサーバなど)と、1つまたは複数のメディアコンテンツ配信者14(たとえば、ケーブルプロバイダ、衛星プロバイダ、オーバージエアブロードキャストプロバイダ、ウェブアグリゲータなどのマルチチャネル配信者)と、1つまたは複数のメディアコンテンツ受信機16(たとえば、ケーブル受信機、衛星受信機、オーバージエアブロードキャスト受信機、コンピュータまたは他のストリーミングメディア受信機など)と、1つまたは複数のクライアントまたはメディア提示デバイス18(たとえば、テレビジョンまたは他のディスプレイデバイス、ラウドスピーカーまたは他のオーディオ出力デバイスなど)とを含む。
【0022】
実際には、たとえば、メディアコンテンツソース12は、ABC、NBC、CBS、FOX、HBO、およびCNNなどの全国的ブロードキャスターであることができ、メディアコンテンツ配信者14は、特定の指定されたマーケットエリア(DMA)中のローカルアフィリエイトおよび/または他のローカルコンテンツ配信者であることができ、受信機16およびメディア提示デバイス18は、さらに、自宅または事業施設など、顧客構内に位置することができる。この構成または他の構成を用いて、コンテンツソース12は、顧客構内における受信機16への配信のためにコンテンツ配信者14にメディアコンテンツを配信することができ、コンテンツ配信者は、個別チャネル(たとえば、特定の周波数)上で受信機16にメディアコンテンツを配信することができる。各受信機は、次いで、ユーザ入力または1つもしくは複数の他のトリガに応答して、選択されたチャネルに同調し、選択されたチャネル上に到着しているメディアコンテンツをメディア提示デバイス18に出力することができる。およびメディア提示デバイス18は、メディアコンテンツを受信し表示することができる(たとえば、コンテンツを表示するかまたはさもなければ提示することができる)。
【0023】
この構成では、メディア提示デバイスがこのメディアコンテンツを受信し表示するとき、メディア提示デバイスは、メディアコンテンツがその上に到着しているチャネルについての、すなわち、受信機が同調されるチャネルについて示すものを有しないことがある。そうではなく、メディア提示デバイスは、受信機からメディアストリームとしてメディアコンテンツを受信し、受信されたメディアコンテンツを表示するように構成されるだけであることができる。しかしながら、本開示によれば、メディア提示デバイスは、ネットワークサーバと通信していてよく、チャネルの識別を可能にし、このようにして有用なチャネル固有アクションを取ることを可能にするためにネットワークサーバとともに動作することができる。
【0024】
図2は、メディア提示デバイス18がインターネットなどのネットワーク22を介してネットワークサーバ20と通信している例示的なネットワーク構成を示す。実際には、メディア提示デバイス18は、顧客構内においてローカルエリアネットワーク(LAN)上にノードとして位置することができ、メディア提示デバイスは、LAN上に割り当てられたインターネットプロトコル(IP)アドレスを有し、LANはインターネット上にIPアドレスを有する。さらに、ネットワークサーバ20も、インターネット上のIPアドレスにおいてアクセス可能であることができる。この構成を用いて、メディア提示デバイスは、チャネル識別および関連するアクションを可能にするように、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツのフィンガープリントストリームを提供するために、インターネットを介してネットワークサーバとのIP通信を開始しそれに関与することができる。
【0025】
上記で説明されたように、本開示に従って動作するネットワークサーバ20または別のエンティティは、少なくともメディア提示デバイス18にとってアクセス可能な様々なチャネルの各々の上で搬送されるかまたは搬送されるようにスケジュールされたメディアコンテンツのための参照データ24へのアクセスを確立するかまたは有することができる。
【0026】
リレーショナルデータベースまたは他の形態で記憶されることができる参照データは、各チャネルのそれぞれの参照フィンガープリントストリームを、場合によっては、チャネルによって最も最近搬送された(たとえば、最も直近の時間期間をカバーしているスライディングウィンドウベース上の)メディアコンテンツの参照フィンガープリントストリームを含むことができる。代替または追加として、参照データは、特定のチャネル上で搬送されるために利用可能および/またはスケジュールされた各メディアコンテンツ番組(たとえば、テレビジョン放送、ラジオ放送、ストリーミングメディアファイルなど)のそれぞれの参照フィンガープリントストリームを含むことができる。したがって、参照データは、各参照フィンガープリントストリームを、関連するメディアコンテンツ(すなわち、参照フィンガープリントストリームによって一意に識別されるコンテンツ)がその上で搬送されるかまたは搬送されることができるチャネルにマッピングすることができる。
【0027】
参照フィンガープリントストリームをチャネルにマッピングすることにおいて、参照データは、チャネルを互いに区別するのを助けるためにチャネルを様々な属性によって特徴づけることができる。たとえば、受信機または他のそのようなデバイスが、チャネル番号または名前によって選択可能な複数の異なるチャネルを提供する場合、参照データは、それらのそれぞれのチャネル番号または名前によってチャネルを特徴づけることができる。および別の例として、各チャネルが、たとえば特定のブロードキャスターの1つのコンテンツなど、特定のコンテンツソースのコンテンツを搬送する場合、参照データは、それらのそれぞれのコンテンツソースの識別情報によってチャネルを特徴づけることができる。
【0028】
またさらに、2つ以上のコンテンツ配信者(たとえば、マルチチャネル配信者)がコンテンツソースのコンテンツを配信する場合、参照データは、それらのそれぞれのコンテンツ配信者の識別情報によってチャネルを特徴づけることができる。そして、特定のDMAなど、特定の地理的ロケーションにおいてブロードキャストされるチャネルでは、参照データは、それらのブロードキャストロケーションによってチャネルを特徴づけることができる。実際には、参照データは、各参照フィンガープリントストリームをこれらまたは他の属性のうちの1つまたは複数と相関させることができる。
本開示に従って動作するネットワークサーバ20または他のエンティティは、様々なチャネルの各々上に到着しているメディアコンテンツ(たとえば、少なくとも、メディア提示デバイスにサーブする受信機にとって利用可能である様々なチャネルの各々上に到着しているメディアコンテンツ)を分析することによってこの参照データの一部または全部を確定することができる。
【0029】
これを可能にするために、図示のように、サーバは、受信機が顧客構内においてコンテンツを受信するように構成されることができるのとほとんど同じ方法で、様々なチャネル上でメディアコンテンツ配信者14のうちの1つまたは複数からメディアコンテンツを受信するように構成された1つまたは複数の受信機26を含むかまたはそれと相互接続されることができる。たとえば、サーバは、1つもしくは複数のケーブルTVセットトップボックス、ラジオ、コンピュータ、もしくは他のメディア受信機を含むかもしくはそれと相互接続されることができるか、または1つもしくは複数のそのような受信機をエミュレートするように構成されることができる。サーバは、その場合、各チャネル上に到着しているそれぞれのメディアコンテンツを受信し分析し、現在知られているかまたは後で開発される何らかのメディアフィンガープリンティングプロセスを使用して、各チャネルについてチャネルのメディアコンテンツの参照フィンガープリントストリームを生成するように構成されることができる。
【0030】
ビデオコンテンツについて考えると、限定はしないが、例示的なデジタルフィンガープリンティングプロセスは、ビデオフレームごとの単位で(たとえば、キーフレームごとに、または各フレームについて)適用されることができ、光度および/または他のビデオ特性の表現を確定することを含むことができる。
【0031】
たとえば、所与のビデオフレームについて、サーバは、フレームをグリッドにプログラム的に分割することができ、サーバは、グリッドセルごとにフレームの光度を測定し、それぞれのグリッドセルの光度を表すか、またはグリッドセルのいくつかの定義されたペアの光度間の重み付けされた差を表すかなどする各ビットまたは一連のビットを用いてビットストリングを生成することができる。さらに、コンピューティングシステムは、参照フィンガープリントのシーケンスとして参照フィンガープリントストリームを経時的に生成するために、このプロセスを継続的に適用することができる。たとえば、サーバは、このプロセスを各キーフレームに、各フレームに、周期的に、または別の定義された単位で適用することができ、各フレームのビットストリングは、デジタルフィンガープリントを定義しおよび/または指定されたハッシュをもち、一連のそのようなビットストリングまたは他の代表値の組合せは、スライディングウィンドウ単位でデジタルフィンガープリントを定義する。多くの他のデジタルフィンガープリンティングプロセスが同様に使用されることができる。
【0032】
実際には、サーバは、複数のそのようなチャネル(場合によってはチャネルのすべて)の上で同時に受信し、チャネルについてそれぞれの参照フィンガープリントストリームを並列に分析し生成するように構成されることができるか、またはサーバは、各チャネルについてそれぞれの参照フィンガープリントストリームを分析し生成するために、場合によってはチャネルを繰り返し巡回して、チャネルからチャネルにホッピングするように構成されることができる。さらに、サーバは、参照のために、各チャネルについてメディアコンテンツの少なくとも最も直近の時間ウィンドウのそれぞれのフィンガープリントストリームを保存して、これをリアルタイムで行い続けることができる。そして、サーバは、(たとえば、上述された属性などの属性を用いた)チャネルの特徴づけと、関連するメディアコンテンツの受信の時間を示すタイムスタンプ情報とに関連して、参照データ中に各チャネルの参照フィンガープリントストリームを記録することができる。ここで、サーバは、まさに受信機が同調されたチャネルについての知識を受信機が通常有するはずであるように、各チャネルについての知識(たとえば、チャネル番号)を有するはずである。さらに、サーバは、サーバが各参照フィンガープリントストリームについてそれぞれチャネル属性を決定し記録することができるように、そのようなチャネルの各々の属性を指定するガイド情報または他のそのようなデータ(たとえば、コンテンツソース識別情報、コンテンツ配信者識別情報など)へのアクセスを有することができる。
【0033】
代替または追加として、サーバは、様々なそれぞれのDMA中にあるメディア受信機デバイスからなど、外部メディア受信機デバイス28からそのような参照フィンガープリントストリームを受信することができる。この実装形態は、特定のDMA中にのみ提供されるチャネルについて特に有用であることができる。この実装形態では、場合によっては関連するコンピュータサーバと相互作用している、各メディア受信機デバイス28は、メディア受信機デバイスにとって利用可能な各チャネル上に到着しているそれぞれのメディアコンテンツを受信し分析し、現在知られているかまたは後で開発される何らかのフィンガープリントプロセスを使用してそのようなチャネルの各々についてチャネルのメディアコンテンツの参照フィンガープリントストリームを生成し、ネットワーク接続を介してサーバ20に参照フィンガープリントストリームを(たとえば、周期的または連続的に)提供するように構成されることができる。さらに、メディア受信機デバイス28は、上述されたチャネル番号および他の属性など、そのような参照フィンガープリントストリームの各々によってそれぞれ表されるメディアコンテンツがその上に到着しているチャネルを特徴づける情報をサーバ20に提供することができる。そして、サーバは、このようにして、各受信された参照フィンガープリントストリームをそれの関連するチャネル属性とともに記録することができる。
【0034】
さらに代替または追加として、サーバは、特定のチャネル上で利用可能であるかまたは提供されるようにスケジュールされたメディアコンテンツ番組のためのそのような参照フィンガープリントストリームを受信するかまたは場合によっては確定することができる。たとえば、様々なメディアコンテンツ番組のプロバイダまたは配信者は、現在知られているかまたは後で開発される何らかのメディアフィンガープリンティングプロセスをこの場合も使用して、メディアコンテンツ番組のための参照フィンガープリントストリーム(たとえば、それぞれのメディアコンテンツ番組の進行にわたる参照フィンガープリントストリーム)を生成することができ、それらの参照フィンガープリントストリームはサーバに提供されることができる。代替的に、サーバは、メディアコンテンツ番組のアドバンスコピーを受信することができ、それ自体でそのような参照フィンガープリントストリームを生成することができる。さらに、サーバは、メディアコンテンツ番組がその上で利用可能であるかまたは提供されるようにスケジュールされたチャネルと、場合によってはメディアコンテンツが提供されるようにスケジュールされた日および時間とを受信するかまたは番組ガイド情報から決定することができる。サーバは、次いで、同様に関連するチャネル属性とともに、メディアコンテンツ番組がその上で利用可能であるかまたは搬送されるようにスケジュールされたチャネルに関連して、および場合によってはメディアコンテンツ番組が提供されるようにスケジュールされた日および時間に関連して、参照データ中に各メディアコンテンツ番組の参照フィンガープリントストリームを記録することができる。
【0035】
これまたは他のそのような参照データが与えられれば、サーバが、未知のチャネル上で受信されたメディアコンテンツのクエリフィンガープリントストリームを提示されたとき、サーバは、現在知られているかまたは後で開発される何らかのフィンガープリント比較プロセスを使用して、そのクエリフィンガープリントを、記憶された参照フィンガープリントのうちの1つに一致させることができ、それにより、当該のメディアコンテンツは、参照データが、一致する参照フィンガープリントにマッピングしているチャネル上に到着したと結論することができる。
【0036】
この比較を可能にするために、クエリフィンガープリントストリームは、クエリフィンガープリントの部分が各参照フィンガープリントの部分と対応するように、好ましくは、参照フィンガープリントの各々を生成するために使用されたのと同じフィンガープリンティングプロセスを使用して生成されることができる。たとえば、ビデオコンテンツの場合、クエリフィンガープリントおよび各参照フィンガープリントは、上記で説明されたようにフレームごとの単位で、同じグリッドを使用して、ならびに同様の方法で光度値および/または他の特性を表すのに同じ単位を使用して生成されることができる。
【0037】
クエリフィンガープリントストリームを参照フィンガープリントストリームと比較するために、サーバは、正確にまたは定義された許容差内で部分が一致するかどうかを決定するために、フィンガープリントの対応する部分を互いと比較することができる。たとえば、クエリフィンガープリントストリームが、メディアコンテンツのそれぞれのフレームを表すクエリフィンガープリントのシーケンスを含む場合、および、各参照フィンガープリントストリームが、メディアコンテンツのそれぞれのフレームを表す参照フィンガープリントのシーケンスを含む場合、サーバは、一致を探し求めて、クエリフィンガープリントのうちの個々の1つを参照フィンガープリントのうちの個々の1つと比較することができる。さらに、一致プロセスを改良するために、サーバは、より特定の一致を探し求めて、クエリフィンガープリントのサブセットを特定の参照フィンガープリントストリーム中の参照フィンガープリントのサブセットと比較することができる。
【0038】
たとえば、ビデオコンテンツについて考えると、サーバは、フィンガープリント間の最大偏差を計算することなどによって、フレームの参照フィンガープリントに対してフレームのクエリフィンガープリントを比較し、その最大偏差があらかじめ定義された許容差内にあるかどうかを決定して、ビデオフレームごとの単位でこの分析を行うことができる。さらに、フィンガープリントがバイナリである場合、これは、(フィンガープリントにおけるそれぞれのビットロケーション間の不一致のカウントとして)ブール決定であることができるかまたはハミング距離を計算することを含むことができ、および、フィンガープリントが、10進値またはベクトルなどのより複雑な値(たとえば、ビデオフレーム領域ごとのグレー値)である場合、これは、値またはベクトル間の距離を決定することを含むことができる。多数の他の例が同様に可能である。
【0039】
このフィンガープリント比較プロセスは、このようにして所望の許容差レベルで行われることができる。たとえば、比較は、より大きい数の差のための許容差および/またはより大きいサイズの差のための許容差など、フィンガープリント間の差について比較的高い許容差を伴い、粗くなることができる。例として、2つの32ビットフィンガープリントを互いに比較するとき、粗い比較は、2つまたは別の指定された数のビットが一致しない場合でも、概して互いに一致するようにフィンガープリントを見なすことができる。または比較は、そのような差についてより低い許容差を伴い、および/または基礎をなすメディアの特定の部分を場合によっては表す特定のフィンガープリント成分に焦点を当てられた比較を伴い、粒度がより細かくなることができる。さらに、この比較は、時間シフトを考慮するために、クエリフィンガープリントストリームの時間セグメントを参照フィンガープリントストリームの多数の時間セグメントと比較することによって、またはその逆に比較することによって、スライディングウィンドウ単位で行われることができる。
【0040】
さらに、フィンガープリント比較プロセスは、分析の粒度のレベルにも寄与することができる所望のレートにおいて行われることができる。特に、サーバは、T秒ごとにクエリフィンガープリントの最新のクエリフィンガープリントまたは最新のスライディングウィンドウを参照フィンガープリントと比較することができ、このT秒は比較間隔を定義しており、より長い比較間隔は分析をより粗くし、またはより短い比較間隔は分析の粒度をより細かくする。たとえば、サーバは、比較的粗い分析として毎秒、クエリフィンガープリントの最新のクエリフィンガープリントもしくは最新のスライディングウィンドウを参照フィンガープリントと比較することができるか、またはサーバは、粒度のより細かい分析として0.2秒ごとにクエリフィンガープリントの最新のクエリフィンガープリントもしくは最新のスライディングウィンドウを参照フィンガープリントと比較することができる。他の例が同様に可能である。
【0041】
このようにして、サーバが、メディア提示デバイス18によって表示されているメディアコンテンツのクエリフィンガープリントストリームに直面した場合、サーバは、クエリフィンガープリントストリームが参照フィンガープリントに一致するかどうかを決定するために、クエリフィンガープリントストリームを参照データ中の参照フィンガープリントストリームと比較することができる。そして、サーバが、一致する参照フィンガープリントストリームをそれにより発見した場合、サーバは、参照データが、一致する参照フィンガープリントとマッピングしているチャネルを識別することができ、それが、メディア提示デバイスがその上でメディアコンテンツを受信しているチャネルであると(すなわち、それが、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツを搬送するチャネルであると)結論することができる。今度は、サーバは、識別されたチャネルに基づいてチャネル固有アクションを応答的に取るか、または1つもしくは複数の他のエンティティが、識別されたチャネルに基づいてチャネル固有アクションを取ることを引き起こすかもしくは可能にすることができる。
【0042】
これを可能にするために、メディア提示デバイス18または別のエンティティは、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツのクエリフィンガープリントストリームを生成し、クエリフィンガープリントストリームを分析のためにサーバ20に送信するように構成されることができる。
【0043】
たとえば、図2に示されているように、メディア提示デバイスは、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツのデジタルフィンガープリントストリームを生成するように構成されることができる、フィンガープリント生成器30を含むことができる。そのようなフィンガープリント生成器は、メディア提示デバイスが受信機16からチャネル上でメディアコンテンツを受信しているとき、および/またはメディア提示デバイスがメディアコンテンツを提示のために処理しているとき、メディアコンテンツのフィンガープリントストリームを生成するように構成されることができる。したがって、フィンガープリント生成器は、受信機からメディア提示デバイスに到着している、および/またはメディア提示デバイスによって提示のために処理されているメディアコンテンツのコピーを入力として受信して、参照フィンガープリントストリームを生成するために使用されたのと同じフィンガープリンティングプロセスを使用してメディアコンテンツのフィンガープリントストリームを生成することができる。
【0044】
実際には、フィンガープリント生成器は、フレームごとの単位(たとえば、キーフレームごと)または他の単位などで、そのようなフィンガープリントストリームを継続的に生成するように構成されることができる。そして、メディア提示デバイスは、クエリフィンガープリントストリームを分析のためにネットワーク22を介してサーバ20に送信するように構成されることができる。例として、メディア提示デバイスは、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツの最新のフレーム、一連のフレームまたは他のセグメントもしくは部分を表すクエリフィンガープリントストリームをサーバに周期的に、連続的に、または時々送信するように構成されることができる。特に、メディア提示デバイスは、1つまたは複数のタイムスタンプおよび/または他のそのようなデータならびにメディア提示デバイスの識別子とともに、最新の生成されたクエリフィンガープリントを搬送するメッセージを生成することができ、そのメッセージをサーバのIPアドレスに送信することができる。そして、サーバは、それにより、分析のためにクエリフィンガープリントストリームを受信することができる。
【0045】
代替的に、サーバ自体または別のエンティティが、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツのクエリフィンガープリントストリームを生成することを可能にするために、メディア提示デバイスは、同様に継続的にまたは他の単位で、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツに関する様々なデータをサーバに送信することができ、このようにしてサーバはそれを受信することができる。たとえば、メディア提示デバイスは、メディアコンテンツの個々のフレーム(たとえば、スナップショット)または他のセグメントなど、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツの部分をサーバに送信することができる。そして、サーバは、分析のためにそのメディアコンテンツのクエリフィンガープリントストリームを生成することができる。
【0046】
上記で説明されたプロセスを通して、サーバは、このようにして、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツのクエリフィンガープリントストリームを参照データ中の参照フィンガープリントストリームと比較することができる。そして、上述されたように、サーバが、一致する参照フィンガープリントストリームをそれにより発見した場合、サーバは、参照データが、一致する参照フィンガープリントストリームとマッピングしているチャネルを決定することができ、決定されたチャネルが、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツを搬送するチャネルであると結論することができる。
【0047】
それにより当該のチャネルを決定することに応答して、サーバは、次いで、チャネルの決定に基づいて1つまたは複数のチャネル固有アクションを取るか、またはそれが取られることを引き起こすことができる。特に、サーバ自体が、チャネル決定に基づいてアクションを取ることができるか、またはサーバは、別のエンティティに、場合によってはメディア提示デバイスに信号を送って、チャネル決定に基づいてその別のエンティティにアクションを取らせることができる。
【0048】
たとえば、サーバは、特定のチャネルがメディア提示デバイスによって提示されている程度を測定するためのチャネルレーティングまたは分析システムの一部として、メディア提示デバイスがその特定のチャネルのコンテンツを提示しているという事実を記録することができる。たとえば、メディア提示デバイスは、メディア提示デバイスが表示しているメディアコンテンツのクエリフィンガープリントストリームをサーバに定期的に(たとえば、周期的に)報告することができ、サーバは、表示されているチャネルを決定するために本明細書で説明されているプロセスなどのプロセスを行うことができる。サーバがこのようにして、チャネルが、メディア提示デバイスによって表示されていると決定する時間の各ユニットについて、サーバは、そのチャネルが提示されている程度を示すデータとして、表示されているチャネルのカウントまたは他の統計値を加算することができる。さらに、これらのカウントまたは他の統計値はメディア提示デバイスが当該のチャネルを提示する程度を示して、(デバイス固有の閲覧分析として)メディア提示デバイスごとにあることができる。
【0049】
別の例として、サーバは、場合によっては表示されているメディアコンテンツの1つまたは複数の部分のための差し替えとして、可能性の中でも、上記で説明されたポップアップ広告、コマーシャルブレーク、またはチャネル識別など、補助コンテンツをメディア提示デバイスが提示することを応答的に引き起こすことができる。たとえば、当該のチャネルについての知識が与えられれば、サーバは、決定されたチャネルに特に関連付けられた(および場合によっては、特定のメディア提示デバイスに関連付けられたプロファイルデータ(たとえば、デバイス固有の閲覧分析)にさらに基づく)特定の補助メディアコンテンツを生成するかまたは(たとえば、サーバデータストレージから)選択することができ、メディア提示デバイスが受信機から受信しているメディアコンテンツとともにメディア提示デバイスが提示するために、その補助メディアコンテンツをメディア提示デバイスに送信することができる。メディア提示デバイスは、このようにして、サーバから補助メディアコンテンツを受信し、メディア提示デバイスが受信機から受信しているメディアコンテンツとともにその補助メディアコンテンツを提示することができる。
【0050】
実際には、このプロセスは、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツのクエリフィンガープリントをサーバがメディア提示デバイスからリアルタイムに受信することと、受信されたフィンガープリントが、サーバが既知のチャネル上で同時に受信している(かまたは同じ時間の間にスケジュールされた)メディアコンテンツの参照フィンガープリントストリームに一致するとサーバが決定することとを含むことができる。
【0051】
しかしながら、場合によっては、メディア提示デバイスがメディアコンテンツを表示し、クエリフィンガープリントストリームにタイムスタンプを付けてそのクエリフィンガープリントストリームをサーバに送信するときと、サーバが既知のチャネル上でメディアコンテンツを受信し、場合によっては参照フィンガープリントストリームにタイムスタンプが付けられているときとの間に時間差があることができる。上述されたように、サーバは、参照フィンガープリントのスライディングウィンドウにわたって受信されたフィンガープリントを比較することによってまたはその逆によって、この時間差を考慮することができる。
【0052】
さらに、サーバは、受信されたフィンガープリントと参照フィンガープリントとの間の決定された一致に応答してアクションを取るとき、この時間差を考慮することができる。たとえば、メディア提示デバイスが、コンテンツについてのサーバのタイムスタンプよりも十分早く(たとえば、数秒を超えてより早く)メディアコンテンツを受信した場合、サーバは、フィンガープリントの一致を依然として識別することができ、分析データを記録することができる。しかし、その時間差を検出したことに応答して、サーバは、メディア提示デバイスがユーザの視点からはあまりに遅れて(たとえば、同期から外れて)補助コンテンツを提示するという状況を回避するのを助けるために、関連する補助コンテンツをメディア提示デバイスに提示させるのを控えることができる。一方、サーバが、十分な時間期間の間フィンガープリント一致を検出し、および/または一致するコンテンツが続くと決定した場合、サーバは、そのような時間差に直面したときでも、補助コンテンツをメディア提示デバイスに提示させることができる。
【0053】
いずれの場合も、これらまたは他のそのようなプロセスを通して、ネットワークサーバまたは他のエンティティは、メディア提示デバイスがその上で当該のメディアコンテンツを受信しているチャネルを決定することができる。そして、エンティティがチャネルを決定すると、エンティティは、次いで、チャネル決定に基づいてアクションを取ることができる。代替的に、エンティティは、別のエンティティに、場合によっては元のメディア提示デバイスに信号を送って、チャネル決定に基づいてその別のエンティティにアクションを取らせることができる。他の例が同様に可能である。
【0054】
上記の説明によれば、サーバ20または別のエンティティは、メディア提示デバイスによって表示されているチャネルを識別すると、および場合によってはそれに応答して関連するチャネル固有アクションが取られている間(たとえば、チャネル固有コンテンツが重ね合わされている間、および/または提示されているチャネルに基づいてチャネルレーティング情報が記録されている間)、サーバまたは他のエンティティは、クエリフィンガープリントストリームと参照フィンガープリントストリームとの間のしきい値フィンガープリント不一致を検出することができる。上記で説明されたように、このしきい値不一致は、ユーザが関連する受信機上でチャネルを変更したときなど、メディア提示デバイスによって表示されているチャネルが変更されたときに起こることができる。このようにして、しきい値不一致はチャネル変更を示すことができる。
【0055】
実際には、たとえば、チャネルが識別されると、サーバは、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツのクエリフィンガープリントストリームを、識別されたチャネルのメディアコンテンツの参照フィンガープリントストリームと比較することに進むことができる(たとえば、比較することを続けることができる)。そして、サーバは、クエリフィンガープリントストリームと参照フィンガープリントストリームとの間のしきい値不一致が起きるときをそれにより検出することができ、しきい値不一致を検出したことに応答して、上述されたアクションなど、1つまたは複数のアクションを取ることができる。たとえば、サーバは、次いで、識別されたチャネルに関して取られているチャネル固有アクションを応答的に中止することができる。さらに、サーバは、メディア提示デバイスによって現在表示されているチャネルを新たに識別するように、(たとえば、クエリフィンガープリントストリームを、既知のチャネルと対応する様々な参照フィンガープリントストリームと比較することによって)上記で説明されたプロセスなどの新しいチャネル識別プロセスに関与することができ、サーバは、次いで、この新しいチャネル識別に基づいて上記で説明されたチャネル固有アクションを取ることができる。
【0056】
これを可能にするために、チャネルが識別されると、サーバは、上記で説明されたように、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツのクエリフィンガープリントストリームをメディア提示デバイスから受信することができる(たとえば、受信し続けることができる)か、またはさもなければ確定もしくは取得することができる。さらに、サーバは、場合によってはフレームごとの単位で、クエリフィンガープリントストリームを、上記で説明したように識別されたチャネルについて確定された参照フィンガープリントストリームと比較することができる。(この比較を実施する際に、サーバは、問題となっているのはチャネルの基礎をなすメディアコンテンツ間の比較であるので、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツ上に現在重ね合わされているどんなチャネル固有コンテンツをも除外することができる。)
【0057】
このようにして、クエリフィンガープリントストリームがクエリフィンガープリントのシーケンスを定義し、参照フィンガープリントストリームが参照フィンガープリントのシーケンスを定義する実装形態では、サーバは、(i)クエリフィンガープリントのうちの少なくとも1つと(ii)参照フィンガープリントのうちの対応する少なくとも1つとの間の少なくともしきい値不一致を検出することによって、クエリフィンガープリントストリームと参照フィンガープリントストリームとの間のしきい値不一致を検出することができる。
図3は、テレビジョンまたは他のメディア提示デバイスが、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツのそれぞれのフレームと対応するクエリフィンガープリントのストリームを生成し、既知のチャネルの参照フィンガープリントストリームを記憶するサーバにそのストリームを送るシナリオにおいて、このプロセスがどのように実際には動作することができるかの図である。この図は、(簡単のために、この簡略図には連続性の明らかなジャンプがあるが)ビデオの連続フレームであることができるか、またはビデオのキーフレームなどであることができる、メディアコンテンツのフレームを表す簡略化されたグラフィックスを提供する。
【0058】
この図において左から右に移動して、サーバは、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツの第1のフレームの第1のクエリフィンガープリントを様々な参照フィンガープリントと比較し、サーバは一致を発見しない。このようにして、この段階では、メディア提示デバイスによって表示されているチャネルはまだ識別されていない。
【0059】
しかしながら、この例を続けると、サーバは、次いで、次の4つのクエリフィンガープリントの各々を、既知のチャネルを表す特定の参照フィンガープリントストリームの4つのフィンガープリントの対応するシーケンスと一致させる。サーバがこれらのフィンガープリントの少なくとも第1のペア(および場合によってはそのようなペアの第1のしきい値数)を一致させると、サーバは、このようにして、メディア提示デバイスによって表示されているチャネルが、一致する参照フィンガープリントストリームによって表されるチャネルであると結論することができる。したがって、サーバは、メディア提示デバイスによって表示されているメディア上に特定のチャネル固有コンテンツを重ね合わせることまたは重ね合わせされることなど、その決定されたチャネルに固有のアクションを取り始めることができる。
【0060】
さらに、サーバが、クエリフィンガープリントストリームと、識別されたチャネルの参照フィンガープリントストリームとの間のこれらの一致を発見し続けるとき、サーバは、識別されたチャネルがメディア提示デバイスによって表示され続けていると結論することができる。言い換えれば、この段階では、参照フィンガープリントストリームによって表される、予想される参照フレームが、クエリフィンガープリントストリームによって表されるクエリフレームに一致するので、チャネルが変更されている尤度は低い(または0である)。したがって、サーバは、チャネル固有コンテンツが重ね合わされることを可能にすること、または重ね合わせられ続けることなどによって、チャネル固有アクションを取り続けることができる。
【0061】
さらに続けると、サーバは、次いで、最右のクエリフィンガープリントが、参照フィンガープリントストリーム中の予想される次の参照フィンガープリントに一致しないと決定する。このようにして、サーバは、この時点で、おそらくユーザがチャネルを変更したので、識別されたチャネルのメディアコンテンツがもはやメディア提示デバイスによって表示されていないと結論することができる。言い換えれば、この段階では、参照フィンガープリントストリームによって表される、予想される参照フレームが、クエリフィンガープリントストリームによって表されるクエリフレームに一致しないので、チャネルが変更されている尤度は高い。これを仮定すれば、サーバは、したがって、たとえば、チャネルに固有のコンテンツを重ね合わせるのを止めるかまたは止めさせることなどによって、取られていたチャネル固有アクションを中止することができる。
【0062】
この例は実際に良く動作することができるが、可能性のチャネル変更を検出しそれに応答するためのよりロバストなプロセスも行われることができる。よりロバストなプロセスでは、サーバは、クエリフィンガープリントと予想される参照フィンガープリントとの1つまたは複数の連続ペアに距離関数を適用することができる。そのような距離関数は、フィンガープリントのペアが同じであるとき、0に近い値を取ることができ、フィンガープリント間の差とともにより大きく増大することができる。サーバは、t個のペアについてこれらの距離の和を計算することができ、次いで、シグモイド関数を使用して、和を0~1の範囲にマッピングすることができる。この範囲は、このようにして、フィンガープリントのペアが、場合によってはチャネル変更により、異なるメディアコンテンツからのものである確率を示すことができる。
【0063】
より形式的には、例として、サーバは以下を計算することができる。
ただし、
はi番目の直近の参照フィンガープリントであり、
はi番目の直近のクエリフィンガープリントである。ここで、
の値は様々な方法で決定されることができる。たとえば、フィンガープリントがビットの固定長ストリングとして表される場合、この関数は、たとえば、ハミング距離など、フィンガープリントにおけるそれぞれのビットロケーション間の不一致の数を計数することができる。距離を決定する他の方法も可能である。
【0064】
いくつかの実施形態では、サーバは、
の各出力を、それの中間点が0になるように正規化することができる。たとえば、32ビットフィンガープリントでは、最小ハミング距離は0であり、最大ハミング距離は32である。したがって、サーバは、0~32のこの可能な範囲を-16~16の範囲にマッピングすることができる。
シグモイド関数σは、値が確率を表すことができるように、-n~nの値を取る領域を0~1の範囲にマッピングするどんな関数でもあることができる。多くのうちの1つの可能な例は次の通りである。
この様式では、サーバは、フィンガープリントの最後のt個のペアにわたって差の和を評価することができ、その和を、表示されたメディアコンテンツの変更が起きたかどうかの尤度を示す確率にマッピングすることができる。シグモイド関数の出力が0に近い場合、チャネル変更は可能性が低いかまたは存在しないと見なされる。一方、出力が1に近くなるほど、チャネル変更が起きた可能性がより高くなる。
【0065】
このようにして、上記の例を続けると、サーバが、32ビットのクエリフィンガープリントと予想される参照フィンガープリントとのt個の連続ペアを比較し、各ペアについて、サーバが-16~16の範囲内の値にマッピングするハミング距離を計算した場合、サーバはそれらの値を合計することができ、シグモイド関数を適用して、その分析に基づいて、メディア提示デバイスによって表示されているチャネルが変更された尤度を確定することができる。
【0066】
図4は、t=3であるシナリオにおいてこれの一例を示す。特に、この例では、3つの最も直近のクエリフィンガープリント

、および
が、3つのそれぞれの参照フィンガープリント

、および
と比較される。各ペアにおけるフィンガープリント間の累積的な差に基づいて、シグモイド関数の得られた出力は、次いで、場合によってはチャネルが変更されたことを示して、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツが、もはや前に識別されたメディアコンテンツでない尤度を示すことができる。サーバは、次いで、それぞれの新たに受信されたクエリフィンガープリントまたはクエリフィンガープリントのシーケンスについて、スライディングウィンドウ単位で、このプロセスを繰り返すことができる。
【0067】
これのよりロバストなプロセスでは、またはメディア提示デバイスによって表示されているチャネルが変更された統計的確率を確定する別のプロセスでは、サーバは、次いで、応答してアクションを取るべきかどうかを決定するための基礎として、確定された確率を使用することができる。たとえば、サーバは、確定された確率が、たとえば0.9以上の確率など、チャネル変更に基づいてアクションを取るのをサポートするのに十分と見なされるしきい値確率の程度に少なくとも高いかどうかを決定することができる。
【0068】
サーバが、確定された確率が高いしきい値でないと決定した場合、サーバは、チャネル変更に基づいてアクションを応答的に取らないことができる。たとえば、サーバは、この決定に応答して、識別されたチャネルに固有のコンテンツの重ね合わせを可能にし続けるかもしくは引き起こし続け、および/または識別されたチャネルが提示されていることを示すレーティングデータを記録し続けることができる。
【0069】
一方、サーバが、確定された確率が高いしきい値であると決定した場合、サーバは、チャネル変更に基づいてアクションを応答的に取ることができる。たとえば、サーバは、この決定に応答的に応答して、識別されたチャネルに固有のコンテンツの重ね合わせを中止し、および/または識別されたチャネルが提示されていることを示すレーティングデータの記録を中止することができる。さらに、この場合、サーバはまた、応答的に動作して、たとえば上記で説明されたプロセスを通して、メディア提示デバイスによって現在表示されているチャネルを識別することができ、次いで、その新たに識別されたチャネルに基づいてチャネル固有アクションを取ることができる。他の例が同様に可能である。
【0070】
実際には、サーバがチャネル変更を検出するために行うフィンガープリント比較は、最適には、受信されたクエリフィンガープリントの最新の受信されたクエリフィンガープリントまたは最新のスライディングウィンドウに関して行われることができる。クエリフィンガープリントストリームの最も直近の部分を、表示されているチャネルを表す参照フィンガープリントストリームの対応する部分と比較することによって、サーバは、チャネル変更の最もタイムリーな検出を保証するのを助けることができる。
【0071】
さらに、チャネル変更を検出するために使用されるフィンガープリント比較間隔は、表示されているチャネルを識別するために使用されるフィンガープリント比較間隔よりも短くなることができる。たとえば、メディア提示デバイスによって表示されているチャネルを決定するためにクエリフィンガープリントストリームを参照フィンガープリントストリームと比較するとき、サーバは、1秒程度のフィンガープリント比較間隔を適用することができる。一方、クエリフィンガープリントストリームを、識別されたチャネルの参照フィンガープリントストリームと比較するとき、サーバは、サーバが十分迅速にチャネル変更を検出するのを保証するのを助けるために、0.2秒程度のフィンガープリント比較間隔を適用することができる。このようにして、サーバは、最初に表示されているチャネルを識別するためにより長い比較間隔を使用することができ、サーバは、次いで、チャネル変更について監視するために比較間隔を低減することができ、チャネル変更を検出すると、サーバは、次いで、表示されているチャネルを識別するためにより長い比較間隔を再び使用することができる。
【0072】
さらに、本明細書の説明では、サーバ20がチャネル変更の尤度を検出し、応答してアクションを取るかまたはアクションが取られるのを引き起こすことに主に焦点を当てているが、説明される動作の一部または全部は、サーバの代わりにまたはそれと協働して、1つまたは複数の他のエンティティによって代替的に行われることができることに留意されたい。
たとえば、動作のうちの1つまたは複数は、メディア提示デバイス自体によって行われるか、またはメディア提示デバイスとローカル通信している補助システムによって行われることができる。例として、メディア提示デバイス自体は、上記で説明されたような参照データをプロビジョニングされるかまたはそれへのアクセスを有することができ、メディア提示デバイスは、メディア提示デバイスが表示しているチャネルを識別するためにそれ自体で参照データを参照することができ、メディア提示デバイスは、次いで、それが表示しているメディアコンテンツのフィンガープリントストリームと、識別されたチャネルの参照フィンガープリントストリームとの間のしきい値不一致を検出することができ、メディア提示デバイスは、メディアコンテンツ提示上に重ね合わされるチャネル固有オーバーレイを変更することなど、応答してアクションを取るかまたは取らせられることができる。他の例が同様に可能である。
【0073】
図5は、次に、メディア提示デバイスにおいてチャネルの変更を検出しそれに応答するために、例示的な方法において行われることができる動作を示すフローチャートである。図5によって示されている方法における動作のうちの1つまたは複数は、限定はしないが、ネットワークサーバ、メディア提示デバイス、および/またはこれらもしくは他のエンティティのためにもしくはそれらと協働して動作する1つもしくは複数のエンティティを含む、1つまたは複数のエンティティによって行われることができる。いかなるそのようなエンティティも、方法動作のうちの1つまたは複数を行うように構成された、プログラムされた処理ユニットなどのコンピューティングシステムを具備することができる。さらに、非一時的データストレージ(たとえば、ディスクストレージ、フラッシュストレージ、または他のコンピュータ可読媒体)は、様々な図示された動作を行うように処理ユニットによって実行可能な命令を記憶していることがある。
【0074】
図5に示されているように、ブロック50において、本方法は、メディア提示デバイスが、第1のチャネルについてであると決定されたメディアコンテンツを提示している間、(i)メディア提示デバイスによって提示されているメディアコンテンツを表すクエリフィンガープリントストリームと、(ii)第1のチャネルを表す参照フィンガープリントストリームとの間のしきい値不一致を検出することを含み、しきい値不一致は、メディア提示デバイスが第1のチャネルを提示することから第2のチャネルを提示することに遷移している尤度を示す。そして、ブロック52において、本方法は、しきい値不一致を検出したことに応答して、提示されたメディアコンテンツ上でオーバーレイを変更することを含み、オーバーレイを変更することは、第1のチャネルに関連する重ね合わされたコンテンツ(たとえば、コンテンツがビデオコンテンツである場合、第1のチャネルを識別するグラフィカルオーバーレイなど、第1のチャネルの識別情報)を削除することを含む。
【0075】
さらに、本方法は、しきい値不一致を検出したことに応答して、第2のチャネルを識別することを含むことができ、その場合、オーバーレイを変更する行為は、第2のチャネルを識別することにさらに応答することができ、識別された第2のチャネルに関連する重ね合わされたコンテンツ(たとえば、第2のチャネルを識別するグラフィカルオーバーレイなど、第2のチャネルの識別情報)を追加することを含むことができる。実際には、たとえば、第2のチャネルを識別する行為は、クエリフィンガープリントストリームを、複数のチャネルをそれぞれ表す参照フィンガープリントストリームと比較することと、比較することに基づいて、クエリフィンガープリントストリームが、第2のチャネルを表す参照フィンガープリントストリームに一致すると決定することとを含むことができる。
【0076】
図6は、次に、上記で説明されたように1つまたは複数のエンティティによって同様に実装されかつ/または非一時的データストレージ上に具備されることができる、メディア提示デバイスにおいてチャネルの変更を検出しそれに応答するための、例示的な方法において行われることができる動作を示す別のフローチャートである。さらに、この方法の特徴は、図5に示されている方法のコンテキストにおいて適用されることができ、その逆も同様である。
【0077】
図6に示されているように、ブロック60において(これは後続の動作と同時に行われることができる)、本方法は、受信されたクエリフィンガープリントの少なくとも一部分に基づいて、表示されたメディアコンテンツがメディアコンテンツの第1のチャネルであるものとして識別されている状況において、メディア提示デバイスによって経時的に表示されるメディアコンテンツを表す複数のクエリフィンガープリントをコンピューティングシステムが受信することを含む。さらに、ブロック62において、本方法は、受信されたクエリフィンガープリントのうちの1つまたは複数を、メディアコンテンツの第1のチャネルを表す対応する1つまたは複数の参照フィンガープリントに比較することを含む。そして、ブロック64において、本方法は、比較することに基づいて、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツがもはやメディアコンテンツの第1のチャネルでない尤度を決定することを含む。ブロック66において、本方法は、次いで、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツがもはやメディアコンテンツの第1のチャネルでない決定された尤度に応答して、メディア提示デバイスによるメディアコンテンツの表示に関してチャネル固有アクションを中止することを含む。
【0078】
この方法では、チャネル固有アクションは、メディアコンテンツの第1のチャネルとして識別されているメディアコンテンツに基づくことができ、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツ上に第1のチャネル固有コンテンツを重ね合わせること(たとえば、第1のチャネルの識別情報(たとえば、コンテンツがビデオコンテンツを含む場合はグラフィカル表現)など、第1のチャネルに固有のコンテンツを重ね合わせること)を含むことができる。その場合、メディア提示デバイスによるメディアコンテンツの表示に関してチャネル固有アクションを中止する行為は、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツ上に第1のチャネル固有コンテンツを重ね合わせることを中止することを含むことができる。
【0079】
さらに、本方法は、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツがもはやメディアコンテンツの第1のチャネルでない決定された尤度に応答して、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツをメディアコンテンツの第2のチャネルであるものとして識別するためのプロセスに関与することを含むことができる。たとえば、コンピューティングシステムは、クエリフィンガープリントのうちの1つまたは複数を、既知のチャネルと対応する対応する1つまたは複数の参照フィンガープリントと比較して、クエリフィンガープリントが第2のチャネルの参照フィンガープリントに一致することを発見し、それにより、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツが第2のチャネルのメディアコンテンツであることを確定する。
【0080】
さらに、本方法の別の実装形態では、チャネル固有アクションは、メディアコンテンツの第1のチャネルとして識別されているメディアコンテンツに基づくことができ、上記で説明されたように)メディア提示デバイスによる第1のチャネルの提示に基づいてチャネルレーティングデータを記録することを含むことができる。その場合、メディア提示デバイスによるメディアコンテンツの表示に関してチャネル固有アクションを中止する行為は、(i)メディア提示デバイスによる第1のチャネルの提示に基づくチャネルレーティングデータの記録を中止すること、および/または(ii)メディア提示デバイスによる第1のチャネルの提示の中止を示すチャネルレーティングデータを記録することなど、1つまたは複数のアクションを含むことができる。
【0081】
さらに、上記の説明によれば、1つまたは複数の受信されたクエリフィンガープリントを対応する1つまたは複数の参照フィンガープリントに比較する行為は、クエリフィンガープリントのうちの特定の1つを参照フィンガープリントのうちの対応する特定の1つと比較することを含むことができる。そして、その場合、比較することに基づいて、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツがもはやメディアコンテンツの第1のチャネルでない尤度を決定する行為は、比較することに基づいて、特定のクエリフィンガープリントが特定の参照フィンガープリントに一致しないと決定することを含むことができる。
【0082】
そして、さらに、上記の説明によれば、1つまたは複数の受信されたクエリフィンガープリントを対応する1つまたは複数の参照フィンガープリントに比較する行為は、クエリフィンガープリントのうちのt個を参照フィンガープリントのうちの対応するt個と比較することを含むことができ、ただしt>1である。そして、その場合、t個のクエリフィンガープリントを対応するt個の参照フィンガープリントと比較することと、比較することに基づいて、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツがもはやメディアコンテンツの第1のチャネルでない尤度を決定することとの行為は、(a)t個のクエリフィンガープリントとt個の参照フィンガープリントとの間の距離を計算することと、(b)和を確定するために、計算された距離を合計することと、(c)確定された和を、尤度を表す確率値に変換するためにシグモイド関数を使用することとを含むことができる。
【0083】
さらに、上記の説明によれば、表示されたメディアコンテンツをメディアコンテンツの第1のチャネルであるものとして識別する行為は、第1のフィンガープリント比較間隔を使用して行われることができ、受信されたクエリフィンガープリントのうちの1つまたは複数を、メディアコンテンツの第1のチャネルを表す対応する1つまたは複数の参照フィンガープリントに比較する行為は、チャネル変更のタイムリーな検出を保証するのを助けるために、第1のフィンガープリント間隔よりも短い第2のフィンガープリント間隔を使用して行われることができる。
【0084】
図7は、今度は、本開示に従って動作可能な例示的なシステムの簡略ブロック図である。このシステムは、上記で説明されたネットワークサーバ、および/または(場合によってはメディア提示デバイスを含む)1つまたは複数の他のエンティティを表すことができる。図7に示されているように、例示的なシステムは、ネットワーク通信インターフェース70と、処理ユニット72と、非一時的データストレージ74とを含み、それらのいずれかまたはすべては、一緒に統合されるか、または図示のように、システムバス、ネットワーク、もしくは他の接続機構76によって互いに通信可能にリンクされることができる。
ネットワーク通信インターフェース70は、上記で説明されたネットワーク22などのネットワーク上で通信を可能にするために、および/または1つもしくは複数の他のローカルもしくはリモートエンティティとの直接もしくはネットワーク化通信に関与するために、1つまたは複数の物理的ネットワーク接続機構を備えることができる。したがって、ネットワーク通信インターフェースは、IP通信および/または他のタイプのネットワーク通信に関与するために、ワイヤレスもしくはワイヤードイーサネット(登録商標)インターフェースまたは他のタイプのネットワークインターフェースを備えることができる。
【0085】
処理ユニット72は、その上、1つもしくは複数の汎用プロセッサ(たとえば、マイクロプロセッサ)および/または1つもしくは複数の専用プロセッサ(たとえば、特定用途向け集積回路)を備えることができる。そして、非一時的データストレージ74は、光学、磁気、またはフラッシュストレージなど、1つまたは複数の揮発性および/または不揮発性ストレージ構成要素を備えることができる。
図示のように、データストレージ74は、その上、本明細書で説明される様々な動作を行うように処理ユニット72によって実行可能であることができるプログラム命令78を記憶する。たとえば、プログラム命令は、メディア提示デバイスによって提示されているメディアコンテンツを表すクエリフィンガープリントストリームを、ネットワーク通信インターフェースを介してメディア提示デバイスから受信するように実行可能であることができ、クエリフィンガープリントストリームは第1のチャネルを表すと決定されている。さらに、命令は、受信されたクエリフィンガープリントストリームと、第1のチャネルを表す参照フィンガープリントストリームとの間のしきい値不一致を検出するように実行可能であることができ、しきい値不一致は、メディア提示デバイスが第1のチャネルを提示することから第2のチャネルを提示することに遷移している尤度を示す。そして、命令は、しきい値不一致を検出したことに応答して、たとえば第1のチャネルに関連する重ね合わされたコンテンツを削除することを含めて、提示されたメディアコンテンツ上でオーバーレイを変更するように実行可能であることができる。
【0086】
上記で説明された他の特徴はこのシステムのコンテキストにおいても適用されることができ、その逆も同様である。
【0087】
最後に、図8は、本開示に従って動作可能な例示的なメディア提示デバイスの簡略ブロック図である。上記の説明に沿って、このメディア提示デバイスは様々な形態を取ることができる。たとえば、それは、テレビジョン、コンピュータモニタ、もしくはビデオコンテンツを受信し表示するように動作する他のデバイスであることができ、および/またはそれは、ラウドスピーカー、ヘッドフォンのペア、もしくはオーディオコンテンツを受信し表示するように動作する他のデバイスであることができる。多数の他の例が同様に可能である。
【0088】
図8に示されているように、例示的なメディア提示デバイスは、メディア入力インターフェース80と、メディア提示インターフェース82と、ネットワーク通信インターフェース84と、処理ユニット86と、非一時的データストレージ88とを含み、それらのいずれかまたはすべては、一緒に統合されるか、または図示のように、システムバス、ネットワーク、もしくは他の接続機構90によって互いに通信可能にリンクされることができる。
【0089】
メディア入力インターフェース80は、メディア提示デバイスによって提示されるメディアコンテンツを受信するための物理的通信インターフェースを備えることができる。したがって、メディア入力インターフェースは、受信機または他のデバイスもしくはシステムとの通信を確立し、それらからアナログまたはデジタル形式でメディアコンテンツを受信するために、1つまたは複数のワイヤードおよび/またはワイヤレスインターフェースを含むことができる。たとえば、メディア入力インターフェースは、数多くの中でも、DVI、HDMI(登録商標)、VGA、USB、BLUETOOTH(登録商標)、WIFIなどのプロトコルに準拠する1つまたは複数のインターフェースを含むことができる。
メディア提示インターフェース82は、さらに、受信されたメディアコンテンツの提示を可能にするための1つまたは複数の構成要素を備えることができる。例として、メディア提示インターフェースは、ディスプレイスクリーンおよび/またはラウドスピーカーなどのユーザインターフェース、ならびに、そのユーザインターフェース上でコンテンツの提示を可能にするために、受信されたメディアコンテンツを処理するための1つまたは複数のドライバまたは他の構成要素を備えることができる。
【0090】
ネットワーク通信インターフェース84は、上記で説明されたネットワーク22などのネットワーク上で通信を可能にするために、および/または1つもしくは複数の他のローカルもしくはリモートエンティティとの直接もしくはネットワーク化通信に関与するために、物理的ネットワーク接続機構を備えることができる。したがって、ネットワーク通信インターフェースは、IP通信および/または他のタイプのネットワーク通信に関与するために、ワイヤレスもしくはワイヤードイーサネット(登録商標)インターフェースまたは他のタイプのネットワークインターフェースを備えることができる。
【0091】
処理ユニット86は、その上、1つもしくは複数の汎用プロセッサ(たとえば、マイクロプロセッサ)および/または1つもしくは複数の専用プロセッサ(たとえば、特定用途向け集積回路)を備えることができる。そして、非一時的データストレージ88は、光学、磁気、またはフラッシュストレージなど、1つまたは複数の揮発性および/または不揮発性ストレージ構成要素を備えることができる。さらに、図示のように、データストレージ88は、ここで説明される様々な動作を行うように処理ユニット86によって実行可能であることができるプログラム命令92を記憶する。たとえば、プログラム命令は、メディア入力インターフェース80において受信されているおよび/またはメディア提示インターフェース82において処理されているメディアコンテンツの分析に基づいて、メディア提示デバイスによって表示されているメディアコンテンツのフィンガープリントを継続的に生成し、本明細書で説明されるようにチャネル識別を可能にするために生成されたフィンガープリントを継続的に提供するように実行可能であることができる。
【0092】
例示的な実施形態について上記で説明された。しかしながら、当業者は、本発明の真の範囲および趣旨から逸脱することなくこれらの実施形態に変更および修正が行われることができることを理解されよう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8