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特許7134316共振回路、電磁ペン及びその容量調節方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-01
(45)【発行日】2022-09-09
(54)【発明の名称】共振回路、電磁ペン及びその容量調節方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/03 20060101AFI20220902BHJP
   G06F 3/046 20060101ALI20220902BHJP
【FI】
G06F3/03 400A
G06F3/046 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021131214
(22)【出願日】2021-08-11
(65)【公開番号】P2022033028
(43)【公開日】2022-02-25
【審査請求日】2021-08-11
(31)【優先権主張番号】202010804958.1
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202021675845.8
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516199762
【氏名又は名称】深▲セン▼市絵王動漫科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】王 周宏
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110096167(CN,A)
【文献】特開2016-189481(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105786218(CN,A)
【文献】特開2016-035682(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0185173(US,A1)
【文献】国際公開第2016/024336(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03
G06F 3/041-3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気的に接続されたインダクタンスとコンデンサとからなる共振回路であって、前記コンデンサは、直列接続されたフォースセンシングコンデンサと調節コンデンサとを有し、前記調節コンデンサは、並列に設けられた複数の固定容量ブランチ及び1つのショートブランチを含み、各々の前記固定容量ブランチは、1つの固定容量及び1つの接続線を含み、
前記接続線を選択的にオン/オフにするか又は前記ショートブランチにアクセスすることにより、前記調節コンデンサの容量値を変化させ、前記コンデンサの容量値の整合性を保持し、
ここで、前記調節コンデンサは、様々なアクセス方式があり、前記フォースセンシングコンデンサの容量値が出荷要件に該当する場合には、前記ショートブランチにアクセスすることを選択し、
前記フォースセンシングコンデンサの容量値が出荷要件に該当しない場合には、前記調節コンデンサは1つまたは複数の前記固定容量ブランチにアクセスすることを選択し、すなわち、前記接続線をオンにして、前記コンデンサの容量値が出荷要件に該当するまで前記固定容量を調整コンデンサとしてアクセスすることを実現し、
前記共振回路は、前記インダクタと順に並列接続された下キースイッチと、変流器と、上キースイッチと、第1容量と、コンデンサセットと、電気抵抗と、をさらに備え、
前記コンデンサセットの各ブランチには、1つのコンデンサセット接続線が含まれており、前記コンデンサセットと前記第1容量とは、ともに前記コンデンサに対して微調整するものであり、前記コンデンサセット接続線を選択的にオン/オフにすることにより、前記コンデンサに対する微調整が実現されることを特徴とする共振回路。
【請求項2】
前記フォースセンシングコンデンサは、可変コンデンサであることを特徴とする請求項1に記載の共振回路。
【請求項3】
複数の前記固定容量の容量値は同じであることを特徴とする請求項1に記載の共振回路。
【請求項4】
複数の前記固定容量の容量値が互いに異なり且つ漸増的に変化することを特徴とする請求項1に記載の共振回路。
【請求項5】
前記調節コンデンサの容量値は、前記フォースセンシングコンデンサの7~20倍であることを特徴とする請求項1に記載の共振回路。
【請求項6】
順に当接する筆芯と、筆芯固定部品と、弾性部材と、PCB板とを備えた電磁ペンであって、
前記PCB板は、請求項1~5のいずれか1項に記載の前記共振回路を含むことを特徴とする電磁ペン。
【請求項7】
前記インダクタンスは、磁気コアと、前記磁気コアに巻かれたワニスワイヤとからなる固定インダクタンスを含むことを特徴とする請求項6に記載の電磁ペン。
【請求項8】
インダクタンスと、前記インダクタンスに電気的に接続されるコンデンサとを有する共振回路を備える電磁ペンを提供し、前記コンデンサは、フォースセンシングコンデンサ及び調節コンデンサを含み、前記フォースセンシングコンデンサと前記調節コンデンサは、直列に接続されて前記コンデンサと等価であり、前記調節コンデンサは、並列に接続された複数の固定容量ブランチと、1つのショートブランチとを含み、各前記固定容量ブランチは、1つの固定容量と、1つの接続線とを含むステップS01と、
前記ショートブランチを前記共振回路にアクセスして、前記共振回路の共振周波数が所望の共振周波数に達したか否かを検出し、合致すればステップS04に進み、合致しなければステップS03に進むステップS02と、
前記共振回路に前記固定容量ブランチをアクセスし、前記コンデンサと標準容量との誤差範囲により、現場でデバッグして、前記固定容量ブランチを順に選択して、前記共振回路にアクセスし、且つアクセスされた固定容量ブランチが共振周波数を所望の共振周波数に到達させるか否かを判断するステップS03と、
所望の共振周波数に達したショートブランチ又は固定容量ブランチを、溶接によりアクセスするステップS04と、を備え、
ここで、ステップS03では、銅箔をダイシングすることにより、アクセスした前記共振回路を所望の周波数に到達させることができない前記固定容量ブランチを除去することを特徴とする電磁ペンの容量調節方法。
【請求項9】
ステップS02及びステップS03において、ナンバー調整板をさらに備え、前記ナンバー調整板を利用して前記電磁ペンの共振周波数を現場でデバッグすることを特徴とする請求項8に記載の電磁ペンの容量調節方法。
【請求項10】
前記ステップS03では、前記共振回路にアクセスされる前記固定容量ブランチの数が複数であり、複数の前記固定容量ブランチは並列に接続されていることを特徴とする請求項8に記載の容量調節方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁外部入力の技術分野に関し、特に共振回路、電磁ペン及びその容量調節方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電磁式手書き入力タッチシステムは、汎用的なヒューマン・インタラクティブ・デバイスであり、主として電子パネル製品に適用され、位置決め精度が高く、タッチペンとタッチパネルとが無線接続でもよく、タッチペンには電源がなくてもよい等の優れた性能を有する。近年、家庭用電子製品のヒューマン・インタラクション等の分野において、幅広く応用されている。
【0003】
電磁式手書き入力タッチシステムは、主として、電磁タッチペン(電磁ペンと略称される)と電磁タッチパネル(電磁パネルと略称される)とで構成される。その動作原理は、電磁ペンの回路は主に共振回路からなり、共振回路が電磁パネルコイルが放射する磁界信号を受信すると、共振周波数で新たな磁界信号が一つ発生し、この磁界信号を電磁パネルの受信コイルが検出し、一連の処理によってペンの座標、圧力感等の情報を得る。ここで、電磁ペンの共振周波数が電磁パネル送信信号の周波数に一致する場合に限り、電磁パネルはペンの座標、圧力感等の情報を正確に取得することができる。
【0004】
従来技術においては、共振回路における共振周波数を圧力変化と整合させるために、圧力によって変化する可変容量にアクセスすることで、共振回路における共振周波数を調節している。しかしながら、コンデンサ(C)そのものには一定のばらつきがあるため、所定の共振周波数ではコンデンサ(C)の変化値が小さく、一定範囲を超える筆圧に対して反応できなくなる。または、コンデンサ(C)がより大きな圧力を受けると、共振周波数が設定した変化範囲を超えやすくなり、電磁ペンの初期圧力に対する感度が鈍くなったり、認識できなくなったりして、電磁ペンの圧力を感じる精度のレベルが低くなり、電磁ペンの手書きの効果が悪くなってしまう。
【0005】
そこで、共振回路、電磁ペン及びその容量調節方法を提供することにより、以上の課題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【0006】
現在、従来技術の電磁ペンの共振回路においては、圧力容量の誤差範囲が大きく、整合性が悪く、圧力認識範囲が小さく、手書き効果が良好でないので、本発明は、共振回路、電磁ペン、及びその容量調節方法を提供する。
【0007】
本発明に係る共振回路は、電気的に接続されたインダクタンスとコンデンサとを備え、前記コンデンサは、直列接続されたフォースセンシングコンデンサと調節コンデンサとを有し、前記調節コンデンサは、並列に設けられた複数の固定容量ブランチ及び1つのショートブランチを含み、各々の前記固定容量ブランチは、1つの固定容量及び1つの接続線を含み、前記接続線を選択的にオン/オフにするか又は前記ショートブランチにアクセスすることにより、前記調節コンデンサの容量値を変化させ、前記コンデンサの容量値の整合性を保持し、
ここで、前記調節コンデンサには、様々なアクセス方式があり、前記フォースセンシングコンデンサの容量値が出荷要件に該当する場合には、前記ショートブランチにアクセスすることを選択し、前記フォースセンシングコンデンサの容量値が出荷要件に該当しない場合には、前記調節コンデンサは1つまたは複数の前記固定容量ブランチにアクセスすることを選択し、すなわち、前記接続線をオンにして、前記コンデンサの容量値が出荷要件に該当するまで前記固定容量を調整コンデンサとしてアクセスすることを実現し、
前記共振回路は、前記インダクタと順に並列接続された下キースイッチと、変流器と、上キースイッチと、第1容量と、コンデンサセットと、電気抵抗と、をさらに備え、前記コンデンサセットの各ブランチには、1つのコンデンサセット接続線が含まれており、前記コンデンサセットと第1容量とは、ともに前記コンデンサに対して微調整するものであり、前記コンデンサセット接続線を選択的にオン/オフにすることにより、前記コンデンサに対する微調整が実現される。
【0008】
また、本発明は、順に当接する筆芯、筆芯固定部品、弾性部材及びPCB板を備える電磁ペンを提供し、PCB板は上記のような共振回路を含む。
【0009】
また、本発明は、以下のステップを備える電磁ペンの容量調節方法を提供する。
ステップS01では、インダクタンスと、前記インダクタンスに電気的に接続されるコンデンサとを有する共振回路を備える電磁ペンを提供し、前記コンデンサは、フォースセンシングコンデンサ及び調節コンデンサを含み、前記フォースセンシングコンデンサと前記調節コンデンサは、直列に接続されて前記コンデンサと等価であり、前記調節コンデンサは、並列に接続された複数の固定容量ブランチと、1つのショートブランチとを含み、各前記固定容量ブランチは、1つの固定容量と1つの接続線とを含む。
ステップS02では、前記ショートブランチを前記共振回路にアクセスして、前記共振回路の共振周波数が所望の共振周波数に達したか否かを検出し、合致すればステップS04に進み、合致しなければステップS03に進む。
ステップS03では、前記共振回路に前記固定容量ブランチをアクセスし、前記コンデンサと標準容量との誤差範囲により、現場でデバッグして、前記固定容量ブランチを順に選択して、前記共振回路にアクセスし、且つアクセスされた固定容量ブランチが共振周波数を所望の共振周波数に到達させるか否かを判断する。
ステップS04では、所望の共振周波数に達したショートブランチ又は固定容量ブランチを、溶接によりアクセスする。
ここで、ステップS03では、銅箔をダイシングすることにより、アクセスした前記共振回路を所望の周波数に到達させることができない前記固定容量ブランチを除去する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る電磁ペンの共振回路は、調節コンデンサにフォースセンシングコンデンサを直列接続してコンデンサと等価にすることによって、調節コンデンサに対してアクセスされようとするブランチを選択して、製造誤差による容量の整合性不良を回避し、フォースセンシングコンデンサの変化量を制限することで、電磁ペンの共振回路の共振周波数が必要な変化範囲を超えないように確保する。前記共振回路を採用した電磁ペンは、広い圧力範囲に対して整合性の良い圧力感知を発生することができ、体験効果が良好であるとともに、容量値が一致しない容量調節に対しては、固定容量のブランチの数を選択することで容量値を柔軟に調節でき、取り扱いが便利で、正確である。電磁ペンの容量が調節された後に電磁ペンの廃棄率を低減でき、生産コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下、実施例の記述に必須な図面を簡単に紹介する。明らかに、以下に述べる図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者は、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0012】
図1】本発明によって提供される電磁ペンの全体構成図である。
図2】本発明によって提供される共振回路の概略図である。
図3】本発明によって提供される共振回路の第1実施形態を示す図である。
図4】本発明によって提供される共振回路の第2実施形態を示す図である。
図5】本発明によって提供される共振回路の第3実施形態を示す図である。
図6】本発明によって提供される共振回路の回路を示す概略図である。
図7】本発明によって提供される電磁ペンの容量調節方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本願実施例における図面を参照しながら、本願実施例における技術的解決策を明確且つ全体的に説明するが、以下の記載はあくまでも本願の一実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。本願の実施例に基づき、当業者が創造的な労働なしに得られるすべての他の実施例は、本願の保護範囲に属する。
【0014】
図1に示すように、本発明に係る電磁ペン100は、順に当接する筆芯10、筆芯固定部品20、弾性部材30及びPCB板40を含む。PCB板40には、共振回路が設けられている(図示せず)。前記筆芯固定部品20は、前記筆芯10の揺動を防止するために、前記筆芯10を挟むように構成される。前記弾性部材30は、前記筆芯10と前記共振回路とを弾性的に接続して、前記筆芯10に対して圧力信号を前記共振回路に伝達した後に元の位置に回復する回復力を与える。
【0015】
前記共振回路は、電気的に接続されるインダクタンス(L)と、コンデンサ(C)とを含む。前記インダクタンス(L)は、磁気コアとこの磁気コアに巻かれたワニスワイヤからなる固定インダクタンスを含む。前記コンデンサ(C)は、高感度素子として、圧力を変化する容量値に変換することができる。前記共振回路は、筆芯10が伝達する圧力を感知して、それを変化する容量値に変換して、それを処理した後に、前記圧力に応じた共振周波数を出力し、且つ手書きボードに送信して、前記手書きボードにおいて前記筆芯10の圧力を表示する。ここで、前記共振周波数と電気容量の二乗は反比例しており、その公
【0016】
特に、図2に示すように、図2は、本発明が提供する電磁ペンの共振回路の回路模式図である。前記共振回路は、インダクタンス(L)と、インダクタンス(L)に電気的に接続されたコンデンサ(C)とを含む。前記コンデンサ(C)は、直列に配置されたフォースセンシングコンデンサ(Cv)と調節コンデンサ(Cq)とを備え、その等価式は
サ(Cv)は、可変コンデンサであり、その容量値を一定の範囲内で調節できる。共振回路にアクセスする前記調節コンデンサ(Cq)の容量値を選択すること及び前記フォースセンシングコンデンサ(Cv)に対する調節により、前記コンデンサ(C)に対する調節が実現される。
【0017】
具体的には、前記調節コンデンサ(Cq)は、並列して接続される複数の固定容量ブランチと1つのショートブランチとを含む。各々の前記固定容量ブランチは、1つの固定容量と1つの接続線とを含む。複数の前記固定容量は、同一又は対応する容量値である。ここで、複数の前記固定容量は、同じ容量値又は異なる容量値を選択可能である。
【0018】
電磁ペンが出荷される前に、現場デバッグを経て具体的な容量値を有する固定容量を溶接するか否か、及び溶接される固定容量の数を決定する必要がある。前記調節コンデンサ(Cq)に直列接続するのは、前記コンデンサ(C)の容量範囲を調節するためである。好ましくは、複数の前記固定容量の容量値は、互いに異なり且つ漸増的に変化する。さらに、前記調節コンデンサ(Cq)の容量値は、前記フォースセンシングコンデンサ(Cv)の7~20倍に選択することが可能である。
【0019】
図3図5に示すように、本発明は、3つの共振回路の実施例を提供している。前記共振回路における前記調節コンデンサ(Cq)は、複数のアクセス方法があってもよい。前記フォースセンシングコンデンサ(Cv)の容量値が出荷要件に該当する場合には、ショートブランチをアクセスすることを選択し、即ち、接続線Jのみを含むブランチをアクセスする(図3を参照する)。図4に示すように、前記調節コンデンサ(Cq)は、1つの固定容量ブランチにアクセスすることを選択してもよい。すなわち、前記接続線(J1)をオンにし、前記固定容量を調節コンデンサ(Cq)として直列接続する。これに加えて、図5に示すように、前記調節コンデンサ(Cq)には、並列する2つの固定容量がアクセスされてもよい。即ち、前記接続線(J1)及び(J2)を同時にオンにすることにより、並列する2つの固定容量ブランチを調節コンデンサ(Cq)としてアクセスすることを実現する。
【0020】
また、図2図6を併せて参照すると、この他に、前記共振回路は、前記インダクタンス(L)と順に並列して接続される下キースイッチ(K1)、変流器(CT1)、上キースイッチ(K2)、第1容量(C)、コンデンサセット(C)及び電気抵抗(R)をさらに備える。前記コンデンサセット(C)の各ブランチには、1つのコンデンサセット接続線が含まれる。前記コンデンサセット(C)及び前記第1容量(C)は、ともに前記コンデンサに対して微調整するものであり、前記コンデンサセット接続線を選択的にオン/オフにすることにより、共振周波数がより正確になるように、前記コンデンサ(C)に対して微調節する。
【0021】
前記電磁ペンは、前記共振回路におけるコンデンサ(C)の容量値を変化させることで、その共振周波数を変化する。これにより、前記共振回路の共振周波数が通過帯域を超えないようにするとともに、前記電磁ペンの誘導圧力の精度レベルを向上させ、大きな圧力での筆記に適応させ、電磁ペンが筆記する過程で更にスムーズにする。
【0022】
さらに、上記共振回路の応用としては、上記電磁ペンのみならず、他のタイプの電磁ペンにも適用できる。例えば、単一の磁気コアを含むインダクタンス(L)を備える電磁ペンが挙げられる。
【0023】
なお、前記共振回路の容量値の可変調節を、直列容量を増やすことで実現する思想であれば、すべて本発明の創造的な趣旨に属する。
【0024】
図7は、図1に示した電磁ペンの容量調節方法であって、以下のステップを含む。
【0025】
S01では、インダクタンス(L)と、前記インダクタンス(L)に電気的に接続されるコンデンサ(C)とを有する共振回路を備える電磁ペンを提供する。前記コンデンサ(C)は、フォースセンシングコンデンサ(C)及び調節コンデンサ(C)を含む。前記フォースセンシングコンデンサ(C)と前記調節コンデンサ(C)は、直列に接続されてコンデンサ(C)と等価である。前記調節コンデンサ(C)は、並列に接続された複数の固定容量ブランチと、1つのショートブランチとを含む。各固定容量ブランチは、1つの固定容量と、1つの接続線とを含む。ここで、前記フォースセンシングコンデンサ(C)は、インターフェース(S)に設けられ、且つペン先10が受ける圧力に対応する。ここで、前記インダクタンス(L)のインダクタンス値は、51~52μHに選択される。前記ワニスワイヤの巻き数は、50周であることが好ましい。
【0026】
S02では、前記ショートブランチを前記共振回路にアクセスして、前記共振回路の共振周波数が所望の共振周波数に達したか否かを検出し、合致すればステップS04に進み、合致しなければステップS03に進む。
【0027】
S03では、前記共振回路に前記固定容量ブランチをアクセスし、前記コンデンサと標準容量との誤差範囲により、現場でデバッグして、前記固定容量ブランチを順に選択して、前記回路にアクセスし、且つアクセスされた固定容量ブランチが共振周波数を所望の共振周波数に到達させるか否かを判断する。
【0028】
すなわち、前記フォースセンシングコンデンサ(C)が設定されたコンデンサ(C)に限りなく近い場合、前記調節コンデンサ(C)に対してショート接続することができる。前記フォースセンシングコンデンサ(Cv)と前記調節コンデンサ(C)は、コン
具体的には、本実施形態では、前記調節コンデンサ(C)は、並列に接続される3つの固定容量ブランチと1つのショートブランチとで構成される。前記固定容量の容量値は、それぞれ220pF、390pF及び1000pFである。なお、前記調節コンデンサ(C)には、複数の前記固定容量ブランチが並列にアクセスされることが可能である。
【0029】
S04では、所望の共振周波数に達したショートブランチ又は固定容量ブランチを、溶接によりアクセスする。
【0030】
ここで、ステップS03では、銅箔をダイシングすることにより、アクセスした前記共振回路を所望の周波数に到達させることができない前記固定容量ブランチを除去する。
【0031】
なお、ステップS02及びステップS03のデバッグ過程において、ナンバー調整板により電磁ペンの共振周波数データを測定する必要がある。具体的には、前記ナンバー調整板は、そのシリアル出力機能により周波数データの出力を実現する。コンピュータは、前記ナンバー調整板とシリアルデータラインで接続されて、電磁ペンの周波数データをリアルタイムに取得することによって、周波数計算と前記調節コンデンサ(C)の選択を行う。
【0032】
本発明に係る電磁ペン100の共振回路は、調節コンデンサ(C)に前記フォースセンシングコンデンサ(C)を直列接続して、コンデンサ(C)と等価にすることによって、前記調節コンデンサ(C)に対してアクセスされようとするブランチを選択して、製造誤差による前記コンデンサ(C)の整合性不良を回避し、前記フォースセンシングコンデンサ(C)の変化量を制限することで、電磁ペンの共振回路の共振周波数が必要な変化範囲を超えないように確保する。前記共振回路を採用した電磁ペンは、広い圧力範囲に対して整合性の良い圧力感知を発生することができ、体験効果が良好であるとともに、容量値が一致しない容量調節に対しては、固定容量ブランチの数を選択することで容量値を柔軟に調節でき、取り扱いが便利で、正確である。電磁ペンの容量が調節された後に電磁ペン100の廃棄率を低減でき、生産コストを低減することができる。
【0033】
以上は、本願の実施例に過ぎず、本願の特許請求の範囲を限定するものではなく、本願明細書及び図面を利用して作成された等価な構造又は等価なプロセスを、直接又は間接的に他の関連技術分野に適用して得られたものは、いずれも本願の特許請求の範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7