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特許7134440ストリームの中の粒子を単体化する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】ストリームの中の粒子を単体化する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B07B 13/11 20060101AFI20220905BHJP
【FI】
B07B13/11 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019501984
(86)(22)【出願日】2017-07-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 CA2017050907
(87)【国際公開番号】W WO2018018155
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-07-13
(31)【優先権主張番号】62/368,356
(32)【優先日】2016-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519009437
【氏名又は名称】9754741 カナダ エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】プリストゥーパ,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】パカク,ジョン
(72)【発明者】
【氏名】コザケウィッチ,ロバート
【審査官】小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0007444(US,A1)
【文献】特表2007-504933(JP,A)
【文献】特開昭63-291652(JP,A)
【文献】特開平06-081224(JP,A)
【文献】実開昭60-067179(JP,U)
【文献】西独国特許出願公開第00688169(DE,A)
【文献】米国特許第4013192(US,A)
【文献】米国特許第3912120(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07B 1/00-15/00
B07C 1/00-99/00
B01J 4/00
B02C 19/00
B65G 29/00-29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子を単体化するための方法であって、該方法は
一塊の粒子を補給導管(10)中に補給する補給工程と
軸(12)のまわりで回転体(11)を回転させる回転工程であって、回転体(11)は、軸(12)に隣接する内側端部から、軸から外に向かって内側端部よりも大きな半径方向距離で間隔を置かれた外側端部まで、外に向かって延びる少なくとも1つのダクト(14)を画定する、回転工程と
一塊の粒子を、前記少なくとも1つのダクトの内側端部(15)に供給する供給工程を含み、
前記内側端部(15)は、補給導管(10)が、粒子を内側端部へと進入させるため、および導管(10)中の粒子のストリームを前記少なくとも1つのダクト(14)の別々のダクトへと分離させるために、前記少なくとも1つのダクトの内側端部(15)に粒子を堆積させるように作用するように、軸(12)に隣接してアレイ状に構成されており、
前記回転体(11)は、前記少なくとも1つのダクト(14)内で空間によって粒子を隣の粒子から各々分離させ、粒子が外側端部に向かって移動するにつれて、そのダクト(14)中で次々と一列に整列させられるように前記粒子を単体化させるために、粒子が内側端部から外側端部まで通過するにつれて加速させられるように、前記粒子に遠心力を発生させる角速度で回転し、
分離される予定の粒子がストリームの中で中立位置で先端に向かって移動するように中立位置で構成される先端(41)を有する分離ヘッド(40)と、粒子をストリームの第2の側面の第1の経路に方向付けるように構成された、ストリームの1つの側面の第1の位置、または、粒子をストリームの前記1つの側面の第2の経路に方向付けるように構成された、ストリームの第2の側面の第2の位置へ先端(41)を中立位置から移動させるためのアクチュエーター(46)と、を含む、前記少なくとも1つの分離デバイス(21)が提供される、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
分離ヘッド(40)は、回転体のラジアル平面に構成され、第1および第2の側面は、ラジアル平面のそれぞれの側面に構成される、請求項に記載の方法。
【請求項3】
分離ヘッド(40)は、先端(41)の第1および第2の側面に傾斜ガイド表面(42、43)を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
分離ヘッド(40)は概してくさび形である、請求項1-3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
アクチュエーター(46)は圧電部材によって動かされる、請求項1-4のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリーム(stream)の中の粒子のパラメータを検出するための動作などを粒子に対して実行できるように、粒子を単体化する方法に関する。本発明は、必ずしもそうではないが、単体化後に粒子を選別する方法および装置において使用され得る。以後記載する構成は、主として、粒子の光学的評価に基づいて、種子または穀粒を選別して、例えば、病気の種子を抽出することを対象とするが;本発明は、粒子の任意のパラメータを検出し、そのパラメータに基づいて選別するためのあらゆる評価方法の使用にも適用できる。また、本発明は、例えば、粒子が、ストリームの中の粒子をコーティング、滅菌、または補足するために単体化された場合に、粒子に対する操作を実行するために使用できる。
【背景技術】
【0002】
光学的な種子選別機は、一般的には、以下の3つのサブシステムを有する:穀粒を単体化または分離する手段;穀粒の品質特性を検出する手段;および正または負の品質特性を有する穀粒を排出する手段。
【0003】
種子選別機において最も一般的な単体化方法は、種子が、振動するホッパーから吐出され、急傾斜で斜面に沿って重力により加速させられるウォーターフォール法である。重力による変位は時間的に二次であり(quadratic with time)、したがって、わずかに異なる時間でシステムに進入する穀粒との間にギャップが生じる。商業的な技術分野において、その斜構(slides)は典型的には1mよりも長い。ウォーターフォール法により単体化された種子は、任意の間隔で吐出され、ある範囲の速度を有する。より決定論的なシステムでは、画定された穀粒位置を有する、移動ベルト、シリンダ、またはプレートが使用される。ある種類では、穀粒は、重力によりベルトまたはプレート上のくぼみ内に一時的に留められる。別の変形では、穀粒は、遠心力によりくぼみ内に留められる。まだ別の変形では、穀粒は、プレート、シリンダ、またはベルト上の固定位置へと吸引されることにより引きつけられる。
【0004】
穀粒特性は典型的には光学的に測定されるが、文献中では音響法も知られている。光学的方法は、撮像および非撮像として分類できる。撮像法では、1つ以上のカメラが、2~4つの波長帯で画像を捕える。ストロボ式照明が、典型的には使用される。これらの方法には、様々な測定間の同期の問題があり、同期を補助するための改良が提案されてきた。非撮像方法は、穀粒の大部分の集合的プロパティ(collective properties)を測定する。実施例は、近赤外線のスペクトルおよびスキャッタリングを含む。
【0005】
大抵の先行技術では、穀粒を排出するために圧縮空気を使用する。いくつかの技術的な進歩にもかかわらず、圧縮空気の排出は不正確であり、遅い応答速度を有し、かつエネルギー的に効率的ではない。2008年には、より正確な回転式ボイスコイルに取り付けられた機械的レバーを使用し、かつ圧縮空気システムが使用するエネルギーの10%しか使用しないシステムが提案された。しかしながら、ボイスコイルのサイクル時間は、圧縮空気排出器の起動時間と同等である。
【0006】
一例では、本明細書の本発明は、穀物から、感染した穀粒を検出し取り除くために使用できる。入射光は、穀粒により散乱し、感染した穀粒は、健康な穀粒とは異なるように、定量的に反射し散乱する。反射され散乱した光の振幅は、検出器により測定され、穀粒領域に正規化され、そして既知の健康な穀粒および感染した穀粒の別々のサンプルの統計分析に由来する閾値と比較される。開発されたような方法では、振幅が閾値を超える場合、穀粒は「感染した」と見なされ、散乱光が閾値未満まで下がる場合、穀粒は「健康である」と見なされる。閾値は、「健康である」と見なされた穀粒におけるマイコトキシンの総量を最小化するように設定できる。その後、「感染した」穀粒は、「健康な」穀粒から分離される。
【0007】
本発明は、特に、散乱光と反射光との振幅を比較することにより、感染した穀物を検出し分離する方法を実施する方法および装置に関係のあるように、記載および言及されるが、本発明の原理は、任意のタイプの粒子の分離に関する類似の方法、デバイス、マシン、および構造に等しく適用可能であることが理解されるだろう。したがって、本発明が、感染した穀物を分離するための、そのような方法、デバイス、マシン、および構造に限定されないことが理解されるだろう。
【0008】
本発明は、とりわけ、世界的にすべての穀物生産地域に固有な、 小麦などの穀物に感染する赤かび病(Fusarium head blight)に適用可能である。感染率は、乾燥気候の地域での数パーセントから、湿潤気候の地域での50%超まで変動する。感染症の重症度は、1%未満のFDK(フザリウム(Fusarium)の被害穀粒)から100%のFDKまで、および1%のFDKから5%のFDKの値が最も多い。感染した穀粒に関連するマイコトキシンは、商品価値を減少させる。1%感染の穀粒は、通常は、1ppmのマイコトキシンに釣り合うが、これは食物に対する現在のカナダの最大値である一方で、EUの最大値は1/2ppmである。3%を超えるFDKの穀物は、通常急激に割引される。感染した小麦には、商品価値がほとんどまたは全くないので、マイコトキシンの効果的な除去には相当な経済的価値がある。小麦は、0.25%、0.5%、1%、1.5%、2%、5%の最大フザリウム感染穀粒の階級で等級付けられ、より高い感染で割引が大きくなるが、すべての階級が各タイプの小麦に対して存在するとは限らない。カナダでは、5%を超えるものは、「フザリウム被害(fusarium damage)」、10%を超えるものは「商業的救助(commercial salvage)」として等級付けられ、これらは、市場情勢に応じ、非常に大幅に割引されて売られるか、全く売られないこともある。マイコトキシン含量は、現在、感染した穀粒よりも大きい健康な穀粒として穀粒をふるい分けることにより、または製粉時(at milling)にすり減らす(毒素が濃縮される穀粒表面を除去する)ことのいずれかによって減少させられる。おおまかなやり方として、製粉では、穀粒の外側層を除去することにより、2ppmのマイコトキシンを(1ppmまで)半減させる。重力台(Gravity tables)も、密度により穀粒を分離するために使用される。穀粒を、空気のストリームの中に漂わせる。より高密度な健康な穀粒は沈み、より小さい密度の穀粒は上部へと浮かぶ。経験的には、ふるい分けおよび重力台は、約40%のFDKを除去する。
【発明の概要】
【0009】
本発明に従って、
補給導管中に一塊の粒子(massed particles)を補給する工程と;
軸のまわりで回転体を回転させる工程であって、
回転体は、軸に隣接する内側端部から、軸から外に向かって内側端部よりも大きな半径方向距離で間隔を置かれた外側端部まで、外に向かって延びる少なくとも1つのダクトを画定する、工程と;
前記少なくとも1つのダクトの内側端部に、一塊の粒子を供給する工程であって、
内側端部は、補給導管が、内側の低速度端部へと粒子を進入させるため、および前記少なくとも1つのダクトの別々のダクトへと導管中の粒子のストリームを分離するために、前記少なくとも1つのダクトの内側端部に粒子を堆積させるように作用するように、軸に隣接したアレイ中に構成されている、工程と;
を含む、粒子を単体化するための方法が提供され、
前記少なくとも1つのダクトは、粒子が、内側端部から外側端部まで通過するにつれて、加速させられるように形成かつ構成されて、それらが外側端部に向かって移動するので、ダクト中に前記少なくとも1つのダクトへと分離された粒子を次々と一列に整列させる。
【0010】
多くの場合において、方法は、粒子が単体化され続けながら、単体化された粒子に対する操作を実行する工程を含む。その操作は、単体化された粒子を単に見るか集計することを含み得る。しかしながら、単体化は、播種して、コーティングする、播種する、滅菌するなどにより、単体化された粒子を処理することに関して、特に効果的である。その他の場合において、操作は粒子の分析または評価を実行することを含み得る。しかしながら、他の場合では、粒子は、高速播種操作のために単体化が別々のダクトに向けて高速で実行できる播種などにおいて、単体化した状態で使用されてもよい。
【0011】
システムが、単体化された粒子の高速のストリームを生成するのに、単一ダクトに対して効果的であり得る一方で、多くの場合において、中心の供給導管のまわりに、アレイ状に構成された複数のダクトが提供される。
【0012】
上に定義された方法は、以下の工程を含む、粒子のストリームの少なくとも1つの測定可能なパラメータを検出するための方法で使用できる:
粒子のストリームの中の粒子を、補給導管中で搬送する工程;
軸のまわりで回転体を回転させる工程であって、
回転体は、軸に隣接する内側端部から、軸から外に向かって内側端部よりも大きな半径方向距離で間隔を置かれた外側端部まで、外に向かって延びる少なくとも1つのダクトを画定し、内側端部は、補給導管が、内側端部への粒子の進入のための前記少なくとも1つのダクトの内側端部において、粒子を堆積させるために作用するように軸に隣接して構成され、
前記少なくとも1つのダクトは、粒子が、内側端部から外側端部まで通過するにつれて加速させられるように形成および構成されており、ダクトへと分離された粒子を、ダクト中で、粒子が外側端部に向かって移動するにつれて次々に一列に整列させる、工程;および、
前記少なくとも1つのダクトの各々に対して、粒子の前記少なくとも1つのパラメータを測定する工程。
【0013】
場合によっては、方法は、ダクトの各々に対して、 粒子が、パラメータの測定値によって決定されたような複数の経路のうちの1つへと方向付けられるように、粒子を選別するために提供される。しかしながら、本明細書の構成を使用して、粒子の単体化の程度が増大するという観点からより効果的に得られるパラメーター(複数可)の測定値は、他の目的のために使用することができる。
【0014】
したがって、上に定義された構成は、本体上の粒子の加速の増大に加えて本体の回転によって得られた速度の増大が、パラメータの検出のために隣の粒子から各粒子をより良く分離するという利点を提供することができる。加えて、粒子の速度を増大させることは、パラメータの検出または測定をより早く実行することができるので、システムの処理能力を増大させるために使用され得る。
【0015】
一構成において、パラメータの測定は、粒子がダクトにある間に実行される。これには、粒子の位置が、本体の回転およびダクトの位置によって制御されるので、より明確かつ明らかにされるという利点がある。粒子のより正確な位置の観点から、多くの場合において、パラメータの測定は効果的に実行することができる。
【0016】
この場合は、好ましくは、パラメータの測定は、回転体上に搭載された測定デバイスによって実行される。このように、測定デバイスは、ダクトに対して、したがって粒子に対して、特定の位置に設置される。これによって、測定デバイスの操作が、特定の位置に対してより正確に焦点を当てることができ、単純化できる。この場合は、各ダクトは、そのダクトを通って流れる粒子の測定用の1つ以上の別々の測定デバイスを含んでもよい。すなわち、各粒子は、ダクトに沿って移動するときに、一列に整列していることもある多数のセンサーまたは測定デバイスを通ることができ、ここで各々は、粒子のより良い評価が得られることを可能とするために、粒子の異なるパラメータを検出する。しかしながら、場合によっては、単一のセンサーが、必要情報をすべて提供することができる。
【0017】
好ましくは、測定デバイスに隣接するダクトの少なくとも一部は、透明な材料で構成される。ダクトの一部を透明にすることで、ダクトが一定形状にとどまって、粒子の動きを制御し続ける一方で、測定を、透明なセクションを介して実行することが可能となる。
【0018】
一構成において、ダクトの壁またはダクト自体は、セグメント間の1つ以上のギャップで区分けされる。1つ以上の測定デバイスが、そのギャップに隣接して設置されて、粒子の様々なパラメータを測定し、ここで、視野はダクトの壁により遮られていない。ダクト自体が分離されたセグメントへと分割される場合、各セグメントを、前記セグメントの位置における粒子の平均速度ベクトルと実質的に平行なダクトの経路に沿って構成して、ダクトに沿う粒子の流れ(flow)の摂動を最小化することが好ましい。したがって、粒子は、ギャップにありながら、本明細書に記載された技術のうちのいずれかを使用して操作できる。
【0019】
別の構成では、粒子の分離は、その粒子が、選択されたパラメータに従って差次的に帯電され、その後電界を通過し、結果として、その差次的な帯電(differential charging)が粒子を異なる経路へと転換させるように、静電気力を使用して実行できる。典型的には、各粒子上に等しい帯電を生じさせる構成が提供され、結果として、各粒子に単位質量当たりの異なるまたは固有の電荷があるので、それらの異なる質量に基づいて粒子上で差動的に作用する電解にその粒子を通過させることによって、異なる質量の粒子が分離される。
【0020】
代替的な構成では、パラメータの測定は、粒子がダクトから放出された後に実行されるように、ダクトの外側端部を取り囲む環状ゾーンに設置される複数の測定デバイスによって実行できる。このことには、測定デバイスは、回転している回転体上のダクトのみを用いて空間に静止する、または静止し得るという利点がある。このことには、粒子の特定の位置はより広い範囲にわたって変化する可能性があり、したがって、特異的に焦点を合わせられる測定デバイスの能力が低下するという欠点がある。したがって、測定デバイスは広範な領域で測定を実行して、その領域中の粒子がある場所すべてで、正確に測定を実行する必要があることもある。
【0021】
好ましくは、各測定デバイスは、関連する測定デバイスによるパラメータの測定によって決定されたような、複数の経路うちの1つへとそれぞれの粒子を方向付けるためにそれぞれ構成された複数の分離デバイスのそれぞれ1つに関連付けられる。すなわち、各粒子は、測定デバイスによって検出かつ測定され、その測定値は、粒子を、そのパラメータに応じて複数の別々の経路のうちの1つへと転換させる、関連する分離デバイスを作動させるために使用される。
【0022】
好ましい構成では、パラメータの測定は、デバイスの数がダクトの数と等しいか、各ダクトにつき2つ以上のデバイスが存在することもある、複数の測定デバイスによって実行される。すなわち、各ダクト中の各粒子は、ダクトの各々のための別々の測定デバイスを使用して、独立して測定される。しかしながら、もし、粒子が隣の粒子からそれぞれ適切に間隔を置かれ、適切に方向付けられるとすれば、ダクトは、複数のダクトに関連付けられる測定デバイスに、粒子を方向付けるように構成され得ることが理解されるだろう。測定デバイスは複数の別々の測定コンポーネント、例えばX線検出器、UV検出器、可視光検出器、散乱検出器、赤外線検出器、マイクロ波検出器、および音響検波器を含み得る。
【0023】
一構成において、測定デバイス(複数可)、および粒子分離デバイスは両方とも、回転体上に設置される。これによって、粒子の位置がより具体的に画定されるということを確保するが、動作するコンポーネントが本体と共に回転するために据え付けられることを要求する。
【0024】
別の構成では、回転体のまわりに構成された一連の静止した粒子分離デバイスが提供され、結果として、ダクトの外側端部から放出された粒子は、ダクトの外側端部からの粒子の放出の角度位置に応じて、分離デバイスのうちの1つによって操作される。
【0025】
すなわち粒子は、外側端部における回転体の角速度およびダクトの方向によって決定された軌道に沿って、ダクトの外側端部から分離デバイスのアレイまで通過するように、誘導されない可能性もあり、ここで、関連する検出デバイスは、その軌道中の粒子に対して作用するように、分離デバイスに対して設置される。
【0026】
本構成において、粒子が回転体から放出されるにつれて軌道を変化させるために操作可能な、各ダクトの外側端部のガイド部材が提供され得る。
【0027】
各分離デバイスは、粒子が、外側端部から放出され、その粒子がガイドチャネル中にある間、関連する検出デバイスがその粒子に対して作用する場合に、粒子が進入するガイドチャネルに関連付けられることが好ましい。
【0028】
好ましい一構成において、回転体は、補給導管に対面する前面を有する円板を含み、そのダクトは、円板のラジアル平面にあり、軸から円板の外周部まで外に向かって延びる。しかしながら、回転体の他の形状および構成も使用され得る。例えば、その回転体は三次元である可能性もあり、チャネルまたはダクトは、回転軸に沿うZ方向に延びるコンポーネントも有する。これは、粒子が放射状に外に向かって移動するので、ダクト中の粒子の加速力を変化させるために使用できる。好ましい一構成では、ダクトの成形は、要求された分離を引き起こすために、粒子を加速する第1の加速ゾーンが存在しており、その後に正味加速度のないゾーンが存在するようなものである。第3のセクションには、分離の間の衝突荷重を軽減するために、粒子が、分離システムまたは収集システムに近づくにつれて、または粒子が収集システムで止まるように、粒子を遅くするような減速ゾーンが存在してもよい。 これらのゾーンは、二次元構造または三次元構造中のダクトの形状を使用して得ることができる。
【0029】
第2のゾーンでは、ダクトの経路は、慣性の力が、平均して、摩擦によって、平衡を保たれ、したがって正味加速度がなく、穀粒間隔はほぼ一定のままであるように構成される。ほぼ一定速度のゾーンの利点は、穀粒の測定を行なうより長い時間が存在するということである。
【0030】
場合によっては、高速度の衝突からの損傷を最小化するまたは無くすために、分離または選別前または動作が実行された後に粒子速度を減少させる(減速)ことが都合の良いこともある。減少の大きさは、穀粒nに対して作用する分離する機構が、穀粒n+1が到達する前に、中立位置まで復帰する時間を必要とするという要求によって制限される。穀粒の間のギャップは、測定後、排出サイクル間の時間まで、縮小され得る。減速の目的は、高速度の衝突で損傷を受ける可能性のある粒子と共にシステムを使用するためである。減速の必要性は、動作に要求される単体化の程度の必要性と、最大処理能力の必要性とで、均衡をとらなければならない。
【0031】
粒子の速度は、ダクトの経路に沿って半径方向変位の割合を調整して、摩擦力を慣性力(遠心力およびコリオリの力)と均衡させることによって、要求された単体化を得るために、加速後に、ほぼ一定に保持され得る。
【0032】
回転体が円板である場合、ダクトは、補給導管に向かって対面している開放面を有するチャネルを形成することが好ましい。しかしながら、必ずしもそうではないが、円板が完全な一体構造物ではあるが、単に粒子が通過するダクトまたは導管を提供するのに必要な円板型の本体のそれらの部分により提供できる、他の構成を使用できる。一例では、構造は、粒子が、スポークのうちのそれぞれ1つにより画定されたダクトの各々へのハブにおいて供給されるハブアンドスポーク型の構築により提供することができる。典型的には、その構造が、ダクトの数を最大化することによりシステムの流量を最大化するために、その構造へ形成可能な数だけダクトを含む一方で、場合によっては、その構造は、高い処理能力が要求されない場合、非常に限定的な数のダクト、例えば、例えば1または2つのダクトのみしか含まないこともある。
【0033】
好ましくは、ダクトは、外側端部が内側端部に対して角度的に遅くなる(angularly retarded)ように、湾曲させられる。この形状は、典型的には、ダクトの側面に対する著しい摩擦を伴うことなく、粒子が経路に沿って進むことができるように、粒子が遠心力およびコリオリの力の下で加速させられるように、粒子の経路に密接に従う。
【0034】
好ましくは、ダクトは、軸に隣接する内側端部において近接して並んで構成され、結果として、粒子がダクトの内側端部へと直接分離する方式で、供給導管により粒子が堆積させられ、ダクトは、回転体の直径が大きい領域に向かって移動するにつれて、外側端部に向かって間隔を増大させる。
【0035】
ダクトの数を最大化するために、ダクトの外側端部において、好ましくは、ダクトは、別々の分岐ダクトへと粒子のストリームを分離する分岐を含んで、入口の数に比例して出口の数を増加させ、そのようにして、回転体の外縁における出口の数を最大化することができる。
【0036】
別の随意の構成では、ダクトは、入口の数を最大化するように内側端部において重ねて積むことができ、かつ出口のすべてが、回転体の外縁のラジアル平面に並んで存在するように、外側端部における共通のラジアル平面に構成される。
【0037】
別の随意の構成では、「親ダクト」と称される中央の供給導管により供給された各ダクトは、「子ダクト」と称される1つ以上の補助のダクトを有することもある。各子ダクトは親ダクトまたは別の子ダクトのいずれかにより供給される。子ダクトは親ダクトと実質的に平行である。粒子は、粒子に対して力を及ぼす、第1のダクトの壁中の1つ以上の流路を通って、第1のダクトから第2のダクトへと通過する。第1のダクト中の各流路は、閾値寸法よりも小さな粒子が第2のダクトへと通過することを可能にするように形成される。閾値よりも大きな粒子は第1のダクトにより保持される。流路は、親ダクトの吐出端部が最大の粒子を送り、その次の各子ダクトが連続的により小さな粒子を送るように、サイズフィルターとして機能する。子ダクトは、検出器および排出器に関連付けられるか、またはその中の粒子に対する他の動作に関連付けられるか、または不要な粒子を単に廃棄箱に送ることもある。穀物穀粒の場合には、子ダクトは、未成熟の種子、割れた種子、雑草種子、および泥などのあまり望ましくない粒子を送るために使用されてもよい。
【0038】
好ましくは、回転体の軸は、円板が水平面に存在するように、垂直である。しかしながら、他の配向も使用することができる。
【0039】
粒子の加速力によって、粒子を、回転体から放出させるために、共通のラジアル平面へと移動させるように作用するように、粒子が衝突する各ダクトの側壁は、軸に沿う方向に傾けられることが好ましい。すなわち、加速力は、共通の軸位置に向かって、回転体の軸方向に、粒子を移動させる傾向がある。このように、粒子が軸に沿って間隔を置かれた位置のダクトに進入しても、そのダクトの形状により、全ての粒子が同じ軸の位置まで移動させられる。
【0040】
好ましい一構成では、各ダクトは、加速によって粒子がダクトの壁に対して移動するように形成され、ここで、壁はV字型であって、V字型の基部に粒子を留める。その壁は、ダクト中の粒子とかみ合って( engaging)、回転させるための旋条(rifling)を含む表面を含み得る。加えて、その壁は、粒子よりも小さな要素が、開口部を介する放出によって粒子から分離されるように、ある位置における1つ以上の開口部を含むことができる。各ダクトは、分離されたより小さな要素が進入する、ダクトと平行な関連する第2のダクトを含み得る。これは、粒子が最初から大きさで分離されるように、多くのそのようなダクトが存在するシステムで使用できる。
【0041】
一例では、各分離デバイスは、分離される予定の粒子がストリームの中で先端に向かって移動するように構成された先端を有する分離ヘッドと、ストリームの第2の側面に粒子を方向付けるように構成された、ストリームの1つの側面に対する第1の位置と、ストリームの前記1つの側面に粒子を方向付けるように構成された、ストリームの第2の側面に対する第2の位置との間で、先端を移動させるためのアクチュエーターとを含む。
【0042】
この例では、分離ヘッドは、回転体のラジアル平面に構成され、第1および第2の側面はラジアル平面のそれぞれの側面に対して構成されることが好ましい。
【0043】
この例では、分離ヘッドは、概してくさび形であるように、先端の第1および第2の側面に対して傾斜ガイド表面を含むことが好ましい。
【0044】
アクチュエーターは圧電部材によって動かされることが好ましい。しかしながら、他の駆動力、例えば電磁気的ボイスコイルも使用できる。
【0045】
アクチュエーターは、分離ヘッドの外側へ放射状に延び、分離ヘッドのラジアル平面にある管に据え付けられることが好ましい。
【0046】
他の特徴とは無関係に使用できる本発明の別の重要な特徴に従って、各分離デバイスは、ダクト部分であって、分離される予定の粒子がストリームの中のダクト部分を通って移動するように構成されるようなダクト部分と、対応する別々の収集位置に粒子を方向付けるように構成された少なくとも2つの別々の位置の間で、ダクト部分の吐出端部を移動させるためのアクチュエーターと、を含む。
【0047】
本構成において、好ましくは、ダクト部分の吐出端部は、回転体の軸方向に間を置いて配置された前記第1および第2位置まで移動させられる。しかしながら、第1および第2の位置が、別々の位置または別々の収集チャネルへの必要な分離を可能とするのであれば、他の移動も可能である。
【0048】
本構成において、好ましくは、ダクト部分は、共に回転するための回転体上に据え付けられる。しかしながら、移動可能なダクト部分も、粒子が、回転体を出た後に、ダクト部分へと方向付けられる実施形態を用いて使用でき、ここで、そのダクト部分は、生じる測定値に依存して別々の位置まで移動させられる。
【0049】
場合によっては、アクチュエーターは圧電部材によって動かされる。しかしながら、より好ましくは、必要な量の力および移動を提供するために、アクチュエーターは、より典型的には電磁気的ボイスコイルである。
【0050】
他の特徴とは無関係に使用できる本発明の別の重要な特徴に従って、各ダクトは、好ましくは、加速により隣の粒子から粒子を各々分離するために構成された第1の部分と、 測定のための第2の部分と、を含み、ここで、第1および第2の部分は、第1の部分における粒子の加速が第2の部分における加速よりも大きくなるように構成される。本方法では、第2の部分における粒子の加速度が小さいまたはゼロに近く、測定中に粒子を等速に又は等速近くに維持するように、第2の部分が構成されることが意図される。
【0051】
他の特徴とは無関係に使用できる本発明の別の重要な特徴に従って、好ましくは、粒子を分離するために、または動作が終わった後に粒子を収集するために、その速度を減少させるように粒子を減速させる、ダクトのさらなる部分が提供される。このように、特に、高い質量を有し、比較的柔らかいエンドウもしくはインゲンマメ、または液果類などの粒子が大きな種子である場合、衝突による損傷を避けるために粒子の速度を十分に減少させるが可能である。
【0052】
一例では、粒子は、ダクト中の粒子を減速させるように作用するダクトのさらなる部分の形状によって減速させられ得る。すなわち、ダクト部分の形状は、粒子を加速させる遠心力に逆らうように構成される。
【0053】
別の例では、粒子は、空気ノズルまたは同種のものなどによる、さらなる部分にある空気のストリームにより減速させられ得る。
【0054】
他の特徴とは無関係に使用できる本発明の別の重要な特徴に従って、粒子は、方向付けられるとき、粒子に対する衝突荷重を軽減しながら、粒子に衝突するように構成される衝突表面によって受けられ(engaged)得る。例えば、衝突表面は、粒子の衝突荷重を軽減するために弾性材料を含む。しかしながら、衝突表面の形状などの、他の構成が使用され得る。
【0055】
他の特徴とは無関係に使用できる本発明の別の重要な特徴に従って、補給導管からのダクトの1つ以上への通路を閉塞させるための閉塞部材が提供される。これは、ダクトの1つ以上が補給導管から閉塞される状況において使用することができ、結果として、ダクトのうちのいくつかのみが、補給導管からの粒子の補給が低いときに使用されるように利用可能である。
【0056】
また、この閉塞の特徴は、診断テストによって測定デバイスまたは排出器の1つ以上の誤動作が示されている場合に、(低減容量時に、)ユニットの継続的な操作を可能にするのに有益であり、結果として、システムが、適切に機能しているダクトを用いて継続するのを可能とする。
【0057】
本発明の1つの態様に従って:
補給導管で選別される予定の粒子を搬送する工程と;
補給導管からの粒子を一列の粒子のストリームへと形成する工程と;
分離デバイスの操作によって決定されたような、複数の経路のうちの1つへと各粒子を方向付けるように操作可能な粒子分離デバイスを、ストリームに(at the stream)設置する工程と;
を含み、ここで、各分離デバイスは:
ストリームの中の粒子が先端に向かって移動するように、概してストリームに沿って存在する先端を有する分離ヘッドと;
ストリームの第2の側面に粒子を方向付けるように構成された、ストリームの第1の側面に対する第1の位置と、ストリームの第1の側面に粒子を方向付けるように構成された、ストリームの第2の側面に対する第2の位置と、の間で先端を移動させるためのアクチュエーターと;
を含む、粒子を選別するための方法が提供される。
【0058】
本発明の1つの態様に従って:
補給導管で選別される予定の粒子を搬送する工程と;
補給導管からの粒子を一列の粒子のストリームへと形成する工程と;
分離デバイスの操作によって決定されたような、複数の経路のうちの1つへと各粒子を方向付けるように操作可能な粒子分離デバイスを、ストリームに設置する工程と;
を含み、
ここで、各分離デバイスは、第1の経路に粒子を方向付けるように構成された第1の位置と、第2の経路に粒子を方向付けるように構成された第2の位置との間で、分離コンポーネントを移動させるためのアクチュエーターを含み、
ここで、アクチュエーターは圧電部材によって移動させられる、粒子を選別するための方法が提供される。
【0059】
本発明の1つの態様に従って:
補給導管で選別される予定の粒子を搬送する工程と;
補給導管からの粒子を一列の粒子のストリームへと形成する工程と;
分離デバイスの操作によって決定されたような、複数の経路のうちの1つへと各粒子を方向付けるように操作可能な粒子分離デバイスを、ストリームに設置する工程と;
を含み、
ここで、各分離デバイスは、ダクト部分であって、分離される予定の粒子がストリームの中のダクト部分を通って移動するように構成されるようなダクト部分と、対応する別々の収集位置に粒子を方向付けるように構成された少なくとも2つの別々の位置の間で、ダクト部分の吐出端部を移動させるためのアクチュエーターと、を含む、粒子を選別するための方法が提供される。
【0060】
本発明の1つの態様に従って:
補給導管で選別される予定の粒子を搬送する工程と;
補給導管からの粒子を一列の粒子のストリームへと形成する工程と;
分離デバイスの操作によって決定されたような、複数の経路のうちの1つへと各粒子を方向付けるように操作可能な粒子分離デバイスを、ストリームに設置する工程と;を含み、
ここで、各粒子は、加速により隣の粒子から粒子を各々分離するために構成された経路の第1の部分と、第2の部分と、を通過し、ここで、第1および第2の部分は、第1の部分における粒子の加速が第2の部分における加速よりも大きくなるように構成される、粒子を選別するための方法が提供される。
【0061】
本発明の1つの態様に従って:
補給導管で選別される予定の粒子を搬送する工程と;
補給導管からの粒子を一列の粒子のストリームへと形成する工程と;
分離デバイスの操作によって決定されたような、複数の経路のうちの1つへと各粒子を方向付けるように操作可能な粒子分離デバイスを、ストリームに設置する工程と;
粒子の損傷を防止する目的で速度を減少させるために各粒子を減速させる工程と;
を含む、粒子を選別するための方法が提供される。
【0062】
本発明の1つの態様に従って:
補給導管で選別される予定の粒子を搬送する工程と;
補給導管からの粒子を一列の粒子の複数の別々のストリームへと形成する工程と;
分離デバイスの操作によって決定されたような、複数の経路のうちの1つへと各粒子を方向付けるように操作可能な粒子分離デバイスを、ストリームに設置する工程と;
補給導管からのストリームの1つ以上への通路の閉塞を含む工程と;
を含む、粒子を選別するための方法が提供される。
【0063】
上記態様のすべてにおいて、分離デバイスの操作は、経路中で測定された粒子のパラメータの測定に基づく。しかしながら、分離デバイスは、測定が生じない他の状態でも使用できる。
【0064】
本明細書の構成では、単体化された粒子の品質パラメータを測定し、単体化された粒子に対する操作を実施し、その後操作の後に品質パラメータを測定して、さらなる操作を決定する可能性を含み得る。測定および操作のサイクルは、数回生じ得る。本明細書の構成ではまた、単体化された粒子に対する操作を実施し、その後操作の後に品質パラメータを測定して、さらなる操作を決定する可能性を含み得る。操作および測定のサイクルは、数回生じ得る。本明細書の構成はまた、操作工程を伴うことなく単体化された粒子の品質パラメータを測定する可能性を含み得る。本明細書の構成では、測定工程を伴うことなく単体化された粒子に対する操作または一連の操作を実施する可能性を含み得る。
【0065】
すなわち、連続的な操作のうちのいくつかは本明細書に定義された分離である可能性がある。分離の操作は複数の工程で段階的に行われてもよい。例えば、第1の測定は、粒子が2つ以上の次の経路のどれに入るのかを決定するために使用されてもよい。各経路は、別のさらなる操作および測定値を有することもある。そのサイクルは、出力される複数のストリームを生成するために、複数回繰り返されることもある。しかしながら、他のプロセスは、粒子のコーティングまたは滅菌のための粒子の放射線照射などの同じシステムにおいて実行できる。単体化によって、コーティングまたは放射線照射のために、すべての粒子表面にアクセス可能となる。単体化をしなければ、コーティングが不均一となるか、コーティングよって隣接する粒子の間がつながる(bridge between adjacent particles)こともある。単体化は、上質なコーティングプロセスを容易にできる。例えば、紫外線による滅菌は、表面と放射線源との間に一直線の照準線を有する表面上にのみ効果的である。遮光された表面は滅菌されないため、単体化は殺菌工程の有効性にとっては欠かせない。したがって、各ダクトは複数の連続するプロセスに関連付けられることもあり、それらの一部または全ては、分離に関係し、いくつかは粒子の他のプロセスに関係があることもある。プロセスのいくつかは、ダクトに沿う次の場所における測定工程を改善するように、粒子に対して作用することもある。プロセスのいくつかの間で、粒子を減速および/または加速することが必要であることもある。
【0066】
したがって、本発明は、多工程プロセスにおける粒子の流れを制御し、測定されたパラメータに基づいて各粒子の処理をカスタマイズするために使用されてもよい。各検出工程において測定された粒子特性に基づいて、粒子に対して実施された複数の検出工程および複数の操作が存在しうる。例えば、第1の工程は、もみ殻などの異物を検出し除去するためである場合もあり、残りの物質は、ダクトをさらに下って、種子の品質パラメータを測定する第2の検出器へ流れることもある。別の例では、ダクトに沿って流れる単体化された種子は、測定された種子パラメータに基づいて、様々なコーティング(肥料、殺真菌剤、殺虫剤、プロバイオティック等)を施されてもよい。別の例では、電磁放射線または光子処理などの放射線照射量は、ダクト中を流れる粒子に適用でき、この量は、測定された粒子パラメータに応じて適用され得る。電磁放射線は、天然物を焼くため(マイクロ波、赤外線)に、またはビーズ(bead)中の光重合の度合いを制御するため(UV)に使用され得る。
【0067】
多工程プロセスはまた、異なる速度で回転できる、内部円板を取り囲む環状円板などの、初めから粒子を受け入れる第2の回転体を使用して実行できる。
【0068】
選別は、通常、異質な供給材料を、より均質な入れ物へと分離するために行われ、その後、さらなる処理を、より均質な供給材料に対して行うことができる。概念的に、処理工程は、単体化された粒子に対して行うことができる。
【0069】
脆弱な粒子への衝突による損傷を予防する「ソフトランディング(soft landing)」が望まれる場合、粒子は、衝突期間に相応する時間尺度上で、変形できるストリップにより、カーテンまたはブラシに衝突し得る。カーテンは水から成ることもある。一実施形態では、水のメニスカス(water meniscus)が、単体化装置の共通軸のまわりで回転する入れ物によって形成される。別の実施形態では、水カーテンは、単体化装置を取り囲む滝である。水カーテンを含むこれらの実施形態は、ブルーベリーまたはサスカトゥーンなどの小果樹に対する損傷を最小化する、または無くすのに好ましい。液果類などの脆弱な粒子の減速を制御するための代替的な構成は、粒子を、ダクトの水平面から垂直方向に、滑らかかつ徐々に回転させる表面を含み、結果として、上向きに動く粒子に対する重力が、減速から、小さい力を有するその速度を減少させる。この効果はまた、粒子が液体中でダクトの平面から上に向かって回転するように、ダクトを取り囲む円板において回転する液体のメニスカスを形成することにより得ることができる。それらの構造に応じる多くの粒子が、測定および分離などの操作が完了した後、および粒子が収集される前に、ダクトまたはダクトの下流のいずれかにおいて、減速を制御することを必要とすることが理解されよう。減速を制御するための様々な方法を提供することができ、本明細書に記載される。
【0070】
本発明は、関係する粒子のタイプまたは大きさに限定されず、分離される予定の様々な粒子または対象で動作され得る。
【0071】
サスカトゥーンおよびブルーベリーなどの液果類は腐敗のために貯蔵寿命が短く、収穫後直ちに処理される必要がある。腐敗した液果類および熟成していない液果類が選別される。本発明は、液果類をより速く選別する手段を提供し、それにより、腐敗を減少させ、より高品質な商品を消費者に提示する。
【0072】
農業において、収穫量は、1単位面積当たり規定数の種子を植えることにより最適化される。すべての種子が生育可能な植物を生み出すとは限らない。余分な種子は、発芽しないか、精力的な植物を生み出さない種子を補うために植えられる。典型的には、本発明は、生育可能な植物を生み出すであろう種子が植えられ、より生育確率の低い種子が他の目的のために使用されるように、生育能力に関係する測定されたパラメータに従って種子を選別するために、播種または植付装置に使用できる。本発明は、植付装置との適合性のために、大きさに従って種子を選別するために使用できる。本発明は、種子を集計するために使用でき、結果として規定数を植えることができる。本発明はまた、植付装置における、既知の品質および数の、単体化された種子の急速なストリームを提供するために使用できる。本発明によってもたらされる1秒当たりの単体化された種子の数は、先行技術よりもはるかに多いので、農業者は、1時間当たりより多くの耕地に播種できる。
【0073】
採掘作業は、鉱石を産出し、この鉱石は、類似の大きさの粒子を生成するように粉砕され、その後溶解される。典型的には、鉱石のごく一部のみが有用鉱物であり、残りは鉱滓として除かれる。結局鉱滓となってしまう岩石を溶かすための、相当なエネルギー投資が存在する。本発明は、採掘作業のエネルギー効率を改善する手段を提供する。各鉱石粒子中に存在する鉱物は変動し、X線、ラマン分光法、および赤外線などの様々な分光法によって測定できる。有用鉱物を閾値濃度よりも多く含有している粒子を、溶解炉に方向付けることができ、そして有用鉱物を閾値濃度未満しか含有していない粒子は、廃物パイル(refuse pile)に向かわせることができる。除かれた粒子を溶かすコストが節約される。
【0074】
本発明は、コロイド粒子の選別に適用することができ、コロイド粒子は、典型的には、縮合プロセスで発生し、大きさおよび形状の分布をもたらす。金属コロイドにおいて可能な電子遷移は、コロイドの大きさおよび形状に敏感に依存する。本発明は、大きさおよび形状に基づいて、または吸収スペクトルに基づいて、コロイド粒子を均質のクラスへと選別するために使用され得る。
【0075】
本明細書のいくつかの例において記載されるようなダクトは、典型的には円板に形成された直立側面を備えるチャネルである一方で、そのダクトはまた、円形、楕円形、三角形、四辺形等であり得るか、概して、V字型、L字型、またはC字型である部分的な管であり得る。ダクトはまた、最小の2次元または3次元表面によって、または粒子に対して力を伝える接触点によって画定された表面によって、画定できる。ダクトはまた、円形、楕円形、三角形、または四辺形などの様々な断面形状の封入管(enclosed tube)になり得る。
【0076】
本技術の実施形態では、良い正確性で1つのチャネル当たり毎秒およそ100個の穀粒、および 乏しい正確性で毎秒およそ200個の穀粒の速度を達成できる。
【0077】
以後記載されるような構成では、穀粒速度を増大させ、装置の大きさを縮小し、エネルギー所要量を減少させるための物を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0078】
本発明の一実施形態が、添付の図面と共に記載される。
図1】本発明の粒子単体化の方法を示す、穀物選別装置の等角図である。
図2図1の装置の垂直断面図である。
図3A図1および図2の装置の分離デバイスの垂直断面図を示す。
図3B図1および図2の装置の分離デバイスの垂直断面図を示す。
図3C図1および図2の装置の分離デバイスの垂直断面図を示す。
図4図1の装置の溝またはダクトのうちの1つの形状を示す部分等角図である。
図5】本発明の方法を使用する装置の第2の実施形態の垂直断面図である。
図6図1の装置で使用するために粒子を大きさで分離するための、ダクトのスタックの概略図である。
図7】本発明の方法を使用する装置の第2の実施形態の垂直断面図である。
図8】ダクトのうちの1つのみを示す図7の実施形態の平面図である。
図9図1の分離装置を使用する一連の段階を含む方法の概略図である。
図10】分離システムが、生存確率が低い種子から生育可能な種子を分離し、種子を数えて、地面へと、必要な数の数えられた生育可能な種子を植えるための栽植システムで使用される、別の実施形態の概略図である。
図11図1の分離装置を使用して、粒子に対して様々な動作を実施するための方法の概略図である。
図12】本発明の方法で使用される円板の概略図であり、ダクト形状の様々な選択肢を示す。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図1および図2に示される粒子の測定可能なパラメータに基づいて粒子を選別するための装置は、供給補給材料(10A)から選別される予定の粒子を搬送する補給導管(10)を含み、これによって、その導管を通過させ、軸(12)のまわりで回転可能な回転体(11)に粒子を提供するために、粒子を連続ストリーム中に補給する。示された実施形態では、回転体は、垂直で構成された軸(12)を備えた平坦な円板であり、結果として、その円板は、粒子(13)が、ストリームの中で、導管(10)から補給される上部水平面を提供する。導管は、円板の中心に構成され、結果として、粒子は、円板が回転しているが、外向きの速度がほとんどない、位置の中心上へと堆積する。この時点の穀粒速度は、補給導管(10)における流れによる。wが角速度で、rが半径である場合、円板上のある点の速度は、v=wrである。穀粒が速度の変化が激しすぎる領域に堆積する場合、穀粒は弾み、その流れは無秩序となる。穀粒は、速度の変化を最小化するように中央部に堆積する。
【0080】
回転体を形成する円板の上部表面には、軸に隣接する内側端部(15)から、軸から外に向かう内側端部よりも大きな半径方向距離で間隔を置かれた外側端部(16)まで、外に向かって延びる複数のダクト(14)の各々が提供される。本実施形態において、ダクトの外側端部(16)は、円板(11)の端部(17)に隣接して構成されるが、そこから内側に間を置いて配置される。本実施形態において、各ダクト(14)は、中心に近接した位置から円板の外周部(17)まで延び、結果として、その中心において、ダクトが近接して並んで構成され、かつそのダクトは、外に向かって分岐し、結果として、外側端部(16)において、外周部(17)のまわりで間隔を開けて置かれる。
【0081】
したがって、内側端部(15)は、補給導管(10)が、内側端部へと選別される予定の粒子が進入するためのダクトの内側端部(15)に、選別される粒子を堆積させるように作用するように、軸に隣接してアレイ状に構成される。内側端部が円板の中心に近接して隣接するので、その場の粒子は、その中心でパイル(pile)を形成し、そのパイルは内側端部におけるダクトの開口部へと、自動的に、均一に選別される。その中心に粒子が連続的に堆積すると仮定すると、円板の回転は、粒子の寸法に比例する開口部の寸法によって画定されたストリームの個々のダクトへと、粒子を均一に選別するように作用するだろう。ダクトに沿う経路の始まりにおいて、粒子は、近接して隣接するか、または重なることとなる。しかしながら、ダクトに沿う粒子の流路は、粒子が遠心力によって加速させられながら、重なり合いのない粒子の線を形成するように、隣の粒子から粒子の各々を散らすように作用するだろう。軸(12)からの半径方向距離が大きくなることによって力が増大するにつれて、粒子は次第に加速させられることとなり、したがって、粒子間の距離は、ダクトの長さに沿って増大することとなる。穀粒は、ダクトの第1の部分においてダクトを用いて軸方向に整列し、その粒長が、穀粒の大きさの差異によるいくらかの変量で、最初の中心間距離を画定する。遠心加速度は所与の半径において一定であるが、穀物の穀粒の摩擦力は、約20%で変動する。摩擦力は、コリオリの力=uNに対応する(u=摩擦係数、およそ0.2-0.25、N=コリオリの力によって主として提供されたダクト壁の垂直抗力)。上記したように、ダクトは、合力の線に沿ってダクトを湾曲させることによって、垂直抗力および摩擦を最小化するように形成され得る(本文の前半で言及した)。反対に、粒子の加速は、垂直抗力(normal forces)を増大させるようにダクトを湾曲させること、ダクトを半径が一定となるまで、もしくはその半径がさらに減少するまで湾曲させること、またはテクスチャおよび/または物質を変更することによりダクトの選択された部分の摩擦係数を増大させること、により減少させられ得る。
【0082】
粒子の大きさに比例してダクトの長さを選択することは、各粒子およびその後ろの粒子の間の間隔が、粒子の長さの割合となるように選択され得るように行うことができる。一例では、分離器が種子に対して使用される場合、各種子と、その隣の種子との間の分離は、少なくとも種子の長さと等しく、典型的には、種子の長さの1.5または2.0倍であり得る。
【0083】
したがって、ダクトは、粒子が、内側端部から外側端部まで通過するにつれて加速させられるように形成かつ構成され、粒子が外側端部に向かって移動するにつれて、粒子を順々に一列に整列させる。
【0084】
外側端部(16)は、回転体の外側外周部において角度的に間隔が開けられたアレイ状に構成され、結果として、各ダクト中の粒子の列の粒子は、遠心力によって、円板の軸から外に向かって、円板から放出される。開口部はすべて、円板の共通のラジアル平面にある。ダクトは、より厚い円板の上部表面に切り込まれる溝、もしくは円板の上面に適用された追加の壁による溝か、または2次元形状のガイドおよび/もしくは3次元形状のガイド、のいずれかとして形成できる。
【0085】
粒子分離デバイス(21)のアレイ(20)は、個々の分離デバイス(21)が円板のまわりで角度的に間隔を置かれた位置において構成されるように、円板の外端(17)のアニュラスに構成される。
【0086】
各分離デバイスは、分離デバイスの操作によって決定されたような、複数の経路のうちの1つへと各粒子を方向付けるように操作可能である。示された例では、分離デバイスは、出口(16)の平面に対して上方または下方へ、粒子を方向付けるように構成される。図2および図3Aに示されるように、分離デバイス(21)は、粒子がある方向にも他の方向にも分離されない、最初の中間位置もしくは開始位置をとることができる。図3Bに示されるように、粒子を、採取チャンバー(23)において収集するための経路(22)へと、下方に方向付けるように、分離デバイスは上方へ移動させられ得る。同様に、分離デバイスが図3Cに示されるように低下した位置に移動させられるとき、粒子は、チャンバー(25)内に収集するための経路(24)に沿って、分離デバイスの上部を超えて上方へと移動させられる。2つの経路(22および24)は、チャンバー(23および25)のうちのどちらかに粒子が移動することを保証するガイド板(26)によって分離される。
【0087】
分離デバイス(21)を制御するために、通常は、28に示される測定システムが提供され、このシステムは、粒子が円板の端部のダクトの端部から分離デバイスに向かって移動するときに、粒子の選択されたパラメーター(複数可)を測定するために使用される測定デバイスは据え付けリング(28A)に搭載される。
【0088】
測定システムは、この産業で既知のあらゆる適切なタイプのシステム、例えば、測定される予定の必要な特定のパラメータを測定するために、粒子の特定の光特性を検出する光学的測定システムであり得る。使用されるシステムのタイプ、および選択されるパラメータは、本発明に含まれていないため、他の測定システムも使用できる。
【0089】
典型例では、粒子の分析は、疾患による種子の劣化の有無に関し、これは大抵の場合、光学的に、例えば前記システムを使用して検出することができ、そして、本願発明者の先の米国特許第8227719号に開示されており、この文献の開示は、参照によって本明細書に組み込まれるか、さらなる詳細のために参照され得る。
【0090】
各分離デバイス(21)は、それぞれの検出デバイス(28)に関連付けられ、粒子のパラメータを測定するために操作可能であり、 関連する検出デバイスによって測定されたパラメータに応答する複数の検出コンポーネントを含むこともあり、そのそれぞれのデバイス、または分離デバイスは、経路(22)または経路(24)を選択するために操作される。
【0091】
測定されるパラメータに依存して、必要であれば、経路の数を、2つを超える経路を含むように変更できることが理解されよう。経路の数を増やすそのような選択は、最初の分離の下流に位置づけられる、その次の分離デバイス(21)を提供することにより、実行できる。このように、1つまたは両方の経路は、2つ以上の補助経路へと分割でき、分離デバイスのすべては、測定デバイス(28)からデータを受信する制御システム(29)によって制御される。
【0092】
したがって、円板は、補給導管に対面する前面(30)を有し、その導管(14)は、円板(11)のラジアル平面にあり、軸から円板(11)の外周部(17)まで外に向かって延びる。
【0093】
図4に示されるように、ダクト(14)は、補給導管(10)に向かって対面し、かつ円板を横切る開放面を備える立壁部(14A)を形成する。壁(14A)は、旋条(14D)に設けられる頂端(14E)で合流する2つの側面(14Bおよび14C)によってV字型断面を画定する。しかしながら、ダクトの上面が閉じ、開口部(15)および吐出端部(16)のみが開くこともある。
【0094】
図1に示されるように、ダクト(14)は、外側端部(16)が内側端部(15)に対して角度的に遅くなるように、湾曲させられる。これによって、Dで示されるような反時計回り方向の回転の方向と比較して角度的に遅くなる、図4に最も示されるような各ダクトの側面(14B)が形成される。ダクトのこの反りは、コリオリの力および遠心力に実質的に従うように構成され、結果として、ダクトの側壁のいずれかに対して過剰な圧力がかかることなく、粒子がダクトに沿って移動する。しかしながら、ダクトの形状は、コリオリの力がダクト(14)の下流側(14B)に粒子を押し付ける傾向があるように構成される。図4に示されるように、側壁(14B)は、粒子に対する力Fが粒子をその傾斜壁に押し付け、ダクト(14)の頂端(14E)に向かって粒子を押し付けるように傾けられる。これが、ダクトの頂端(14E)に向かって、粒子のすべてを移動させるように作用し、したがって、粒子は、ダクト(14)の頂端(14E)のラジアル平面における円板から現われる。
【0095】
図4に示されるように、壁(14B)は側壁に沿って走る溝またはリブとして形成された旋条(14D)を含み、結果として、粒子が、その表面の上端からその底壁まで表面にわたって転がるとき、粒子は、粒子の長手軸のまわりで回転し、結果として、壁のそれらのより長い軸の長手方向で粒子を整列させる傾向があり、かつこの長手軸のまわりで粒子をスピン(spin)させる傾向もある。図4に示される旋条の溝またはリブは、ダクト表面と交差する、概して螺旋状の経路のセグメントである。螺旋ピッチが粒子のスピンを調節する。このように、粒子が入口(15)から出口(16)の表面に沿って摺動するとともに、粒子は、その表面の頂端に向かって移動し、それらの軸のまわりで回転して、粒子を適切に方向付け、かつスピンまたは回転させる。したがって、粒子が吐出部(16)から現われるとき、これらの粒子は、共通のラジアル平面で整列させられ、検出システム(28)による、粒子のより良い分析のために現われるように、ダクトに沿うそれらの長手方向の軸と整列させられ、およびいくらかのスピンを用いて整列させられる。その回転は、表面特性の平均を得るために、粒子の様々な表面が検出システム(28)に提示されることを可能とする。同時に、粒子は共通の配向で提示される。
【0096】
図1に最良に示されるように、ダクト(14)は、軸に隣接する内側端部(15)において近接して並んでおり、外側端部(16)に向かって間隔が増大する。内側端部(15)において、ダクトは、最大数のダクトが、最大数の開口部(15)により提供されるように、近接して並ぶ。ダクトの数は、各ダクトが、その長さに沿って1つ以上の分岐へと分割するように分岐を含む、示されていない構成において、増大させることができる。
【0097】
示されていない別の構成では、ダクトは、内側端部のダクト開口部の数を最大化するために、内側端部(15)に重ねて積むことができる。すなわち例えば、3つのダクトが重ねて積まれる場合、ダクトの合計数は3倍増大させることができる。その後、共通の平面の3本のダクトを収容するための空間が外端で利用可能となる場合、ダクトは、最上部のダクトが下方へ移動することによって、外側端部における共通のラジアル平面に構成される。このように、ダクトの外側端部(16)は、円板の外周部(17)に直接並んで、または隣接して構成され得る。
【0098】
図1および図2の実施形態では、検出装置(28)および分離デバイス(21)は、両方とも円板の外周部(17)内に設置される。このように、粒子は、ダクトの外側端部から分離デバイスのアレイまで通過するように、誘導される。
【0099】
図5では、分離デバイス(21)が円板の外周部(17)の範囲を越えている、代替的な構成が示される。本実施形態において、粒子は、外側端部(16)における、円板(11)の角速度およびダクト(14)の方向によって決定された軌道に沿って進む。ここで、関連する検出デバイス(28)は、その軌道の粒子に対して作用する分離デバイス(21)に対して設置される。すなわち、その軌道は、外側外周部(17)および分離デバイス(21)の間の自由空間に構成され、結果として、ダクトの吐出端部(16)を出る粒子は、その放出の位置に依存して、検出デバイス(28)のうちの1つを通りすぎて進み、その検出デバイスから、粒子は、その関連する検出デバイス(28)によって実行された分析を依存して分離するように作用する関連する分離デバイス(21)まで移動する。したがって、軌道が一貫しており、検出される粒子が必要な分離デバイスまで移動することを確かなものにすることが必要である。
【0100】
もし必要であれば、軌道を変更するための、各ダクトの外側端部における可動ガイド部材(図示せず)が提供され、ここで、そのガイド部材は、堅い又は可撓性であり得るガイド表面を形成し、そのガイド表面は、円板およびその上のダクトが回転し、1つの検出器から次の検出器まで移動するときに、最も近い検出器および関連する分離器に粒子を方向付けるように、角方向の配向を変える。
【0101】
示されない別の構成では、必要な検出デバイスおよび関連された分離デバイスを通りすぎる粒子の移動を制御するために粒子の軌道を使用する代わりに、各分離デバイス(21)は、粒子が外側端部(16)から放出され、関連する検出デバイス(28)がガイドチャネル中の粒子に対して作用する場合に、粒子が進入するガイドチャネルに関連付けられる。
【0102】
示されない別の構成では、検出デバイスおよび分離デバイスの両方はダクトと共に回転するために、円板上に据え付けられる。このように、分離デバイスは、図5の構成の軌道の違いによる誤りがもたらされる恐れのない正確な分離を確保するために、粒子が、関連する検出デバイスを通りすぎてダクト中を進み、検出デバイスから直接分離デバイスまで進むことを確かなものにするように、ダクトのそれぞれの1つに直接関連付けられる。また、分離デバイスは、それらの検出特性に応じて、粒子を経路へと分離するか、またはガイドによって粒子を分離するように作用する。本構成では、その経路は円板の開口部を通る。
【0103】
図3A図3B、および図3Cに最良に示されるように、各分離デバイスは、外側端部(16)から放出された粒子が先端(41)に向かって移動するように、円板(11)のラジアル平面に通常は存在する先端(41)を有する分離ヘッド(40)を含む。分離ヘッド(40)は、先端(41)のそれぞれの側面上に傾斜ガイド表面(42および43)を含む。このように、分離ヘッド(40)は概してくさび形である。分離ヘッドは、管(45)の内部に据え付けられたレバー(44)に対して据え付けられ、結果として、レバーおよびレバーのための作動機構は、後方に位置する管の内部で保護され、かつ分離ヘッドによって保護される。アクチュエーター(46)は、粒子(13)の経路によって画定された、ラジアル平面(47)の上の第1の位置と、ラジアル平面の下の第2の位置との間で先端(41)を移動させるために設けられる。このように、図3Aでは、中央位置および中立位置が示される。図3Bでは、先端(41)は上方へ移動しており、これにより、先端(41)は、ラジアル平面の下のラジアル平面の側面に、粒子を方向付けるように構成されている。図3Cに示される位置では、先端は、ラジアル平面の第2の側面に対して下方へ移動させられ、ラジアル平面の第1の側面または上部側面に粒子を方向付けるように構成されている。くさび形のヘッドおよびその先端のこの動きは、先端(41)の移動をわずかしか必要とせず、粒子自体の運動量を使用して、単にガイド表面(42および43)上の粒子を摺動させることによって分離させる。したがって、分離ヘッドは、粒子を、必要な分離の力を生成させる位置へと単に移動させるだけでよいので、粒子と衝突するように移動する、または粒子に対して横方向の力を生成する必要はない。
【0104】
レバーを設けることを考慮すると、アクチュエーター(46)は、短い距離しか移動する必要がなく、従って圧電部材によって動かされ得る。代替的には、その移動は、小さな電磁コイルによって実行できる。このデザインは、粒子の高速移動に順応するために、図3Bおよび図3Cの2つの位置を十分に素早くとるように、必要な高速動作を生じさせることができるコンポーネントの使用を可能とする。示されたように、アクチュエーター(46)は、分離ヘッドの外側に設置され、分離ヘッドのラジアル平面中にある。
【0105】
したがって、本発明の構成は、粒子、例えば穀粒を分離するためのシステムを提供し、ここで粒子は、補給ゾーンに提供され、粒子の複数のストリームを形成するようにダクトおよびダクトの入口によって分離される。
【0106】
補給管(10)の流量は、その最も狭い胴部によって決定され、粒子の適切な流量をもたらすように制御できる。穀粒は、円板の中心の中央ゾーンを満たし、整列ゾーン中のチャネルへと放射状にストリーム込む。ダクトに沿う粒子の除去速度は、寸法の選択、および補給ダクト(10)により供給された補給速度に等しい回転速度により構成される。その流れは、連続方程式P1V1=P2V2を満たし、式中、P1およびP2は穀粒の数密度であり、V1およびV2は穀粒速度である。穀粒間の平均の中心間分離はVに比例する。
【0107】
第2の制約が、ダクト(14)の幅によりもたらされ、ここで、そのチャネルの幅は、穀粒の詰まりを避けるように選択される。したがって、チャネル幅は、詰まりを避けるために粒長よりも大きいことが好ましい。チャネル幅が粒長よりも1.5倍大きい場合は、穀粒は、狭窄なく流れることができる。このように、チャネルの数×チャネルの幅が、補給管の直径におよそ等しくてもよい。しかしながら、チャネルは、補給管の直径で始まる必要はない。一般的には、チャネルが始まる前に、補給管の直径のそれよりも大きい直径を有する平坦なゾーンが存在する場合もある。
【0108】
さらなる制約が、補給ダクト(10)に隣接する円板(11)と、補給ダクト(10)自体との間の速度の許容できる差に関する。補給ゾーンの半径における、補給ダクトと円板との間の速度の差は、小麦の穀粒に関して、2m/s未満、および好ましくは1m/s未満でなければならない。速度の許容できる差は、一般的には、単体化される粒子のタイプにより変化する。大きなデルタvを持つ穀粒は、円板から上に弾む。より速い速度は、カバーが、中央の補給位置において円板上に設けられる構成で許容され得る。補給管からの遅い初速度は、補給ゾーンから整列ゾーンまでの移動を支援するのに望ましい。初速度が速すぎる場合、穀粒は弾む。初速度は、補給管と円板(11)との間の垂直方向の分離により調節される。中央錐体(central cone)が、その中心の外に向かって、物質を、軸から離れるように方向付けることの補助となるように設けられてもよい。
【0109】
ダクトにより設けられた整列ゾーンでは、穀粒は補給ゾーンからチャネルへと流れる。その流れは、このゾーンにおいて1Gに近い遠心力により促進される。最初に、穀粒は密充填される。穀粒が半径方向の速度を得るにつれて、平均の分離(average separation)が増大し、半径方向速度に比例するコリオリの力、典型的には1-3Gが穀粒に及ぼされる。コリオリの力は、チャネルまたはダクトの、下流または後端の側壁に沿って、穀粒を端と端が接するように整列させる。穀粒は、重力およびコリオリの力のベクトル和に比例した、側壁の摩擦が原因で、抵抗力を受ける。摩擦係数は、滑らかな摩耗抵抗材料の円板を作ることにより最小化または減じられる。ダクトの側壁は、穀粒が、チャネルの側壁に沿うコリオリの力が原因で、Z方向に共通のラジアル平面へと移動するように、垂直方向に湾曲させられるか傾けられることが好ましい。
【0110】
加速ゾーンでは、穀粒間の間隔は、穀粒が遠心力により加速させられるにつれて増大する。示されるように、ダクトは、コリオリの力が穀粒の加速の一因ともなるように湾曲させられる。チャネルの側壁は、摩擦および磨耗を最小化するために、滑らかな硬質材から製造される。各穀粒に対する合力は、典型的には、1Gよりもずっと大きく、半径方向の変位により急速に増加する。一実施例では、400rpmでスピンする直径が220mmの円板では、最大限の力はおよそ44Gである。穀粒における空気抵抗力は、速度が増大すると共に重要になり、最終的に終速度は、8m/s-9m/sで設定される。より速い速度は、周囲圧力が、真空ポンプにより円板において低下する場合、または 円板を取り囲む領域が、ヘリウムなどの空気ほど高密度でない気体により満たされる場合に達成できる。圧力の差は、補給管内の流量を増大させるために使用できるが、同時に終速度が増大する。摩擦力を無視すると、円板の外周端部(17)から出る穀粒の終速度は、円板の角速度×円板の半径に等しい。
【0111】
検出器(28)を通過する穀粒の速度に関して、後に続く穀粒の軌道に影響を及ぼすことなく、1つの穀粒の排出を可能にするのに十分な中心間距離(centre to centre separation)を有することが望ましい。上に与えられた連続方程式により、2つの小麦の穀粒の長さの距離は、1m/sの穀粒速度毎に対して、毎秒およそ80個の穀粒の穀粒速度に対応する。
【0112】
穀粒の特徴の検出は本発明に含まれず、従って詳細に記載されない。様々な技術および粒子の様々な特徴を使用して、様々な検知システムが使用できる。
【0113】
一実施例では、光学システムが使用され、サンプリング領域が適切な光学的特徴により照らされる。粒子がサンプリング領域を通って進むとき、反射光が、検査中の粒子から受け取られる。反射光は、様々な波長で、様々な特徴のために分析される。その分析は、分光計によって実行できる。
【0114】
上記したように、穀粒は機械的レバーにより方向が変えられる。一実施形態では、機械的レバーは回転式ボイスコイルに取り付けられてもよい。好ましい実施形態では、機械的レバーは圧電トランスデューサによって駆動される。一実施形態では、圧電スタックは、てこ比により増幅される小さな変位を生成する。好ましい実施形態では、圧電トランスデューサはバイモルフである。20-45度の頂角を有するくさび形ヘッド(40)は、バイモルフの端部に対して据え付けられる。より好ましくは、頂角は30-35度である。穀粒は、単体化装置により、くさび形のヘッドの先端に向かって方向付けられる。電圧がバイモルフに印加されるとき、そのくさびは、その中央の静止位置から離れるようにたわむ。電圧の符号が逆転する場合、そのたわみの方向は逆転する。40mm長のバイモルフは、約2mmの変位を生じ得る。バイモルフは、他のタイプの排出器よりも著しく速く駆動され得る。排出器のより短い応答時間は、より速い穀粒速度を可能にする。
【0115】
図7および図8に目を向けると、モーター(301)により駆動された円板(300)を含むさらなる実施形態が示されている。補給導管(302)は、補給位置(304)の経路(303)に沿って粒子材料を供給し、特定の物質は、円板(300)の上部表面上へと落とされる。中央錐体またはドームの部分(305)は、物質を複数のダクト(306、307)へと外に向かって散らすのを支援するように、導管(302)の直下に設置され、ここで、そのダクトの数は、もちろん、最小1から利用可能な領域内で得ることができる最大の数まで変更可能である。特に、多くのダクトが存在する場合には、ダクトへの特定の物質の流れを制御するように、それぞれのダクトへの入口から外れて位置づけられる、ダクトのゲート(308、309)の各々が設けられる。このように、補給物質の量が比較的少ないとき、ダクトのうちのいくつかはそれぞれのゲートを駆動するアクチュエーター(310)を操作することにより、閉じることができる。
【0116】
各ダクトは、間を粒子が通過する、概して直立の2つの側壁(311および312)を備えるチャネルにより形成される。これらは垂直であってもよいが、前記されたような「傾斜」側壁を有する可能性が高い。また、選別される品目および回転体の幾可学的形状に応じて、このダクトは、管(円形、楕円形、三角形、四辺形等)もしくは部分的に管、すなわちC字型、L字型、V字型、またはダクトにより力が粒子に対して及ぼされる経路に従う最小の2次元形状および/または3次元形状であり得る。
【0117】
図8に示されるダクト(307)などの各ダクトは、ゲート(309)から反対のダクトの端部における吐出開口部(316)に通じるダクトの長さに沿って間隔を置かれる位置に、第1の部分(313)、第2の部分(314)、および第3の部分(315)を含む。ダクトの第1の部分(313)は、ゲート(309)からの進入後の粒子の加速をもたらし、ダクト部分の長さの長軸方向に沿って、隣の粒子から各々の粒子を分離するように形成かつ構成される。
【0118】
第2のダクト部分(314)は、ダクト部分(314)の長さ沿って間隔を置かれた位置に、1つ以上のセンサー(317、318、319)を含む。センサーは、ダクト部分(314)を通過する粒子の様々な特性を測定するために使用でき、結果として、センサーから信号を受信する制御デバイス(320)が、ダクト内の粒子を分離するための分離システムを方向付けることができる。
【0119】
第2のダクト部分(314)は、第2のダクト部分内の粒子の加速度を減少させるように形成かつ構成される。構成は、粒子がセンサーを通過するときに、第2のダクト部分の端から端までほぼ一定の速度を維持するように、第2のダクト部分において、粒子の加速度が非常に低いまたはゼロであるようなものが好ましい。このことは、例えば、第2のダクト領域に摩擦を設定して、遠心加速度と釣り合わせることによって達成できる。交互にまたは摩擦と組み合わせて、遠心加速度は、回転軸からのほぼ一定の半径方向距離の曲線沿う第2のダクト部分を構成することにより、減じることができる。
【0120】
第3のダクト部分(315)は、分離システムとして作用し、ここで、ダクト部分(315)は、少なくとも2つの別々の位置の間で吐出端部(316)を移動させるように、据え付けピン(321)のまわりで枢動する。ダクト(307)の右端上に示された位置では、吐出開口部(316)は、円板と同じ平面にあり、粒子を、この吐出開口部から出て、センサーによって測定された第1の特徴を有する1セットの粒子として、収集するための第1のチャネル(322)へと向かうように方向付ける。第2のチャネル(323)は、ダクト(306)に関する、図8の左端に示されるようなダクト部分(315)の第2の位置で、粒子を受け入れるように設けられる。
【0121】
したがって、ダクト部分(315)は、チャネル(322)とチャネル(323)との間で吐出端部(316)を上方および下方へ動かすアクチュエーター(324)によって、チャネル(322)の第1の位置とチャネル(323)の第2の位置との間で移動させられることが留意される。典型的には、アクチュエーター(324)は、十分な力および移動をもたらして、2つの位置間でダクト部分(315)を動かす電磁気的ボイスコイルである。
【0122】
示されるように、本実施形態において、第3のダクト部分(315)は、メインダクト(306または307)の一部を形成し、それらと共に回転するための円板(300)上に搭載される。
【0123】
示されるような第3のダクト部分(315)はまた、それを通過する粒子を減速させる方式で、第1および第2のダクト部分とは異なるように形成される。したがって、粒子は、吐出端部(316)から現われるとき、粒子が吐出端部を出た後の衝突による損傷の可能性を減じるように、測定段階の間の速度と比較して減じられた速度である。ダクトにわたる所望の速度プロファイルは、物質特性に依存することに留意されたい。いくつかの物質のためには、第3のダクト部分が、速度の増加をもたらすように形成されることもある。代替手段として、第3のダクト部分は、傾斜したゲートと置き換えることができ、そのゲートは、堅くてもよいが、 可撓性で、粒子に対してより小さい方向転換力(redirecting forces)をかけるように湾曲させられることが好ましい。
【0124】
加えて、または代わりに、ダクト部分(314)内の粒子は、粒子の移動を遅らせる傾向のある、ダクトに沿って方向付けられた気流により減速させることができる。また、この気流は、粒子が開口部(316)を出るときに、粒子を減速させて、衝突による損傷を防止または減少させるために使用される。
【0125】
加えて、または代わりに、ダクト部分(314)内の粒子は、前記したような滝またはメニスカスなどの水カーテンにより減速させることができる。
【0126】
加えて、または代わりに、衝突による損傷は、粒子が吐出開口部(316)から出るときに衝突するチャネル(322および323)の表面上に、弾性層(326)を設けることにより減じることができる。一実施例では、弾性層(326)はゴムなどの弾性材料である。別の構成では、衝突による損傷は、粒子が衝突する表面を傾斜させることにより減じることができる。
【0127】
図1の構成では、分離器(21)は、経路(24)のために選択された粒子が通過する閉じたチャネルを形成する、カバー部分(21A)を含む。このチャネルは、衝突表面および/または減速させるように作用する他のコンポーネントを含み得る。また、図1では、円板の外周部(17)から出る物質は、本明細書に記載されるような適切な減速物質(99)を含む収集チャネル(98)中に収集される。
【0128】
分離システムに取り組みながらも減速に関する、言及された方法のすべては、分離後の粒子を減速させるために使用される可能性のある潜在的な技術である。分離後の減速は、選別されているものに応じて、非常に重要となるだろう。
【0129】
したがって、本実施形態において、ダクトの端部は、ダクトの端部を上または下のいずれかに傾斜させることができるヒンジに取り付けられ、結果として、ダクトの出口の方向が、上または下のいずれかへ変えられる。ダクトの端部は、圧電アクチュエーター、回転式ボイスコイル、または他の適切なアクチュエーターであり得るアクチュエーターに取り付けられる。この方法の利点は、単一デバイスを用いて、複数の出力ストリームへと穀粒を選別するために、穀粒の品質特性に基づいてダクトの端部の角変位を変更できるという点である。
【0130】
排出器では、穀粒は、管に据え付けられた圧電バイモルフの端部に据え付けられる、くさび形ヘッド(40)から成る排出器に向かって進む。図3Aに示される位置は、穀粒が、仕切り(divider)によって分離される上部または下部の入れ物へと方向を変えられる確率が等しい、動力が供給されていない圧電バイモルフを示す。図3Bに示される位置は、+100Vが圧電バイモルフに印加され、穀粒が下部の入れ物へと方向を変えられる場合の排出器の位置を示す。図3Cに示される位置は、-100Vが圧電バイモルフに印加され、穀粒が上部の入れ物へと方向を変えられる場合の排出器の位置を示す。
【0131】
本明細書に記載かつ例示されるような分離器システムは、その分離デバイスの特徴が他の分野でも使用できるので、粒子のパラメータの特異的な測定値が存在しないシステムと共に使用できる。
【0132】
図10に示されるように、一連の個々の植付デバイス(402)が据え付けられた播種ツールバー(401)を含む、一般的に(400)で示される播種システムが示される。各植付器(402)は、移送ダクトシステム(403)により種子が補給され、移送ダクトシステム(403)は、分離器(404)から種子が補給され、一般的に上記されるように、ホッパー(405)は、分離器に種子を補給する。
【0133】
したがって、本発明の測定および分離システムは、生育可能な植物を生み出すであろう種子が植えられ、より生育確率の低い種子が他の目的のために使用されるように、生育能力に関係する測定されたパラメータに従って種子を選別するために、播種または植付装置(400)で使用される。本発明は、植付装置との適合性のために、センサー(406)によって検出されるような大きさに従って、種子を選別するために使用できる。センサー(406)は、規定数を植えるまたはパーケージできるように、種子を集計するために使用できる。その構成はまた、植付デバイスにおいて、既知の品質および数の、分離器(407)により分離された、単体化された種子の急速なストリームをもたらす。本発明によってもたらされる1秒当たりの単体化された種子の数は、先行技術よりもはるかに多いので、農業者は、1時間当たりより多くの耕地に播種できる。
【0134】
(408)に示されるように、測定デバイス(406)に隣接するダクトの一部は、透明な材料(409)で構成される。
【0135】
また、(410)に示されるように、測定デバイスが、粒子の様々なパラメータを測定するために、ダクトギャップのギャップ(411)に隣接するように設置され、ここで、視野は、ダクトの壁により遮られていない。本構成では、ダクト部分(412)は、ダクトに沿う粒子の流れの摂動を最小化するために、ギャップ(411)の位置における粒子の平均速度ベクトルに実質的に平行である。
【0136】
図6に示されるように、図4の示されるV字型の輪郭を基本的に有する1つのダクトが示される。すなわちダクト(14)は、加速によって粒子がダクトの壁(14B、14C)に対して移動するように形成され、ここで、その壁はV字型であって、V字型の基部に粒子を留める。
【0137】
壁(14)は、粒子(13)が壁(14B、14C)上で走るが、粒子よりも小さな要素(13A)は、開口部(14G)を通る放出によって粒子から分離されるように、その頂端に1つ以上の開口部(14G)を含む。示された実施形態では、開口部(14G)は、頂端に沿う、一般的には一続きの開口部の形をとる。したがって、各ダクトは、分離されたより小さな要素が進入する、ダクト(14)と平行な関連する第2のダクト(14S)を含む。その後に、さらにより小さな粒子(13B)を再び捕らえる第3のダクト(14T)が続く。したがって、粒子が第1のダクト(14)から大きさで分離されるように、そのようなダクト(14、14S、14T)のスタックが存在する。
【0138】
また、図10に概略的に示されるように、分離器(407)における粒子の分離は、粒子が、選択されたパラメータに従って差次的に帯電され、その後電界(412)を通過し、その結果、その差次的な帯電が粒子を異なる経路へと転換させるように、静電気力を使用して実行される。
【0139】
図9は、図1の分離装置を使用する一連の段階を含む方法の概略図である。
【0140】
示されるように、5(00)で示された最初の単体化および分離プロセスは、粒子径に基づいて、経路(501および502)中で、分離される物質を伝達する。経路(501)では、粒子は、コーティング工程(503)と、続くUV硬化工程(504)の対象となる。経路(502)では、粒子は、UV滅菌工程(505)と、続く抗体適用工程(506)の対象となる。
【0141】
経路(501)の端部において、大きさに基づく、第2の分離工程(507)は、受理された粒子を経路(508)に通過させる。経路(508)では、粒子は、UV滅菌工程(509)と、続く抗体適用工程(510)の対象となる。経路(508)の端部において、さらなる分離工程(511)が、受理または排除の経路のために、粒子を選択する。同様に、経路(502)の端部において、さらなる分離工程(512)が、受理または排除の経路のために、粒子を選択する。
【0142】
図11は、本発明の方法を用いる粒子に対する様々な行為の概略図である。すなわち、それぞれの場合において、単体化の方法は、上記されるような選別のためには使用されないが、代わりに、集計、コーティング、滅菌などの様々な操作のために使用される。
【0143】
図12は、ダクト形状に関する様々な選択肢を示す、図1の装置の円板の概略図である。各ダクトでは、円板の半径に対するダクトの角度は、加速、無加速(等速)、および減速の異なる効果をもたらす。すなわち、ダクト(141)では、粒子は、外に向かって移動するにつれ加速度が増加する。ダクト(142)では、粒子は、外に向かって移動するにつれ加速し、その後等速となり、その後さらに加速する。ダクト(143)では、粒子は、外に向かって移動するにつれ加速し、その後等速となり、その後減速する。ダクト(144)では、粒子は、外に向かって移動するにつれ、可変的な速度プロファイルを受ける。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12