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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】牛の管理方法及び管理サーバ
(51)【国際特許分類】
   A01K 29/00 20060101AFI20220905BHJP
   A61D 19/00 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
A01K29/00 D
A61D19/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2017018488
(22)【出願日】2017-02-03
(65)【公開番号】P2018074992
(43)【公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-01-31
(31)【優先権主張番号】10-2016-0149744
(32)【優先日】2016-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521107471
【氏名又は名称】ユーライクコリア カンパニー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒ ジン
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0182207(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0067195(KR,A)
【文献】特開2007-296312(JP,A)
【文献】特開2007-124966(JP,A)
【文献】特許第4827529(JP,B2)
【文献】特開2008-220522(JP,A)
【文献】特開2016-144428(JP,A)
【文献】特開平06-276877(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0230727(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 11/00 - 13/00
A01K 29/00
A61B 5/07
A61D 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
牛の胃に安着したバイオセンサカプセルから前記牛の生体情報を受信するステップと、
前記生体情報に含まれた前記胃の角速度情報、加速度情報、及び温度情報に基づいて前記牛の健康状態のうち発情状態又は分娩状態を判断するステップと、
前記牛の健康状態に関する情報を前記牛を管理するユーザに送信するステップと、
複数の前記牛の個体IDと、前記個体IDに対応する前記牛の健康状態と、前記個体IDに対応する前記牛の飲水回数と、を一画面に表示する第1表示ステップと、
複数の前記牛の個体IDと、前記個体IDに対応する前記牛の健康状態に応じて区分されるアラームと、を一画面に表示する第2表示ステップと、
複数の前記牛の個体IDのうち一の個体IDについて、最近発情日、受精予定日、最近受精日、鑑定予定日、分娩予定日、乾乳予定日、最近分娩日、及び発情予定日に係る項目を一画面に表示する第3表示ステップと、
を含む、牛の管理方法。
【請求項2】
前記判断するステップは、前記生体情報に含まれた前記胃の角速度情報、加速度情報、及びPH濃度情報に基づいて前記胃の活動状態を判断するステップを含む、請求項1に記載の牛の管理方法。
【請求項3】
前記判断するステップは、前記生体情報に含まれた前記胃のメタンガス発生情報に基づいて前記胃で発生したメタンガスの発生量を判断するステップを含む、請求項1に記載の牛の管理方法。
【請求項4】
前記判断するステップは、前記生体情報に含まれた前記胃の角速度情報、加速度情報、温度情報、PH濃度、及びメタンガス発生情報に基づいて前記牛の病気状態を判断するステップを含む、請求項1に記載の牛の管理方法。
【請求項5】
前記健康状態に応じて区分されるアラームを提供するステップをさらに含む、請求項1に記載の牛の管理方法。
【請求項6】
前記健康状態に関する情報は、
前記牛の発情、受精、妊娠、及び分娩に関する情報と、
前記牛の最近発情日、受精予定日、最近受精日、鑑定予定日、分娩予定日、乾乳予定日、最近分娩日、及び発情予定日に関する情報を含む、請求項1に記載の牛の管理方法。
【請求項7】
通信モジュールと、
牛の胃に安着したバイオセンサカプセルから前記牛の生体情報を前記通信モジュールによって受信し、前記生体情報に含まれた前記胃の角速度情報、加速度情報、及び温度情報に基づいて前記牛の健康状態のうち発情状態又は分娩状態を判断し、前記牛の健康状態に関する情報を前記牛を管理するユーザに送信し、
複数の前記牛の個体IDと、前記個体IDに対応する前記牛の健康状態と、前記個体IDに対応する前記牛の飲水回数と、を一画面に表示する第1表示画面と、
複数の前記牛の個体IDと、前記個体IDに対応する前記牛の健康状態に応じて区分されるアラームと、を一画面に表示する第2表示画面と、
複数の前記牛の個体IDのうち一の個体IDについて、最近発情日、受精予定日、最近受精日、鑑定予定日、分娩予定日、乾乳予定日、最近分娩日、及び発情予定日に係る項目を一画面に表示する第3表示画面と、をユーザに提供 するコントローラと、
を含む管理サーバ。
【請求項8】
前記コントローラは、前記生体情報に含まれた前記胃の角速度情報、加速度情報、及びPH濃度情報に基づいて前記胃の活動状態を判断する、請求項7に記載の管理サーバ。
【請求項9】
前記コントローラは、前記生体情報に含まれた前記胃のメタンガス発生情報に基づいて前記胃で発生したメタンガスの発生量を判断する、請求項7に記載の管理サーバ。
【請求項10】
前記コントローラは、前記生体情報に含まれた前記胃の角速度情報、加速度情報、温度情報、PH濃度、及びメタンガス発生情報に基づいて前記牛の病気状態を判断する、請求項7に記載の管理サーバ。
【請求項11】
前記コントローラは、前記健康状態に応じて区分されるアラームを提供する、請求項7に記載の管理サーバ。
【請求項12】
前記健康状態に関する情報は、
前記牛の発情、受精、妊娠、及び分娩に関する情報と、
前記牛の最近発情日、受精予定日、最近受精日、鑑定予定日、分娩予定日、乾乳予定日、最近分娩日、及び発情予定日に関する情報と、
を含む、請求項7に記載の管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、病気管理方法及びこれを行うための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、畜舍とは、鶏や鴨、豚又は牛のような家畜を育てるための建物を称し、このような畜舍は、家畜の成長によい影響を与えると共に、その管理を容易にするものである。
しかし、上記のような畜舍内には複数の家畜が集団生活を営んでいるが、集団生活により伝染性を有する病気が誘発する場合は畜舍内の全ての家畜に病気が発生し、極めて深刻な被害を受けることになる。
【0003】
特に、最近では、狂牛病のような病気によって毎年数多い家畜が死んで畜産農家に莫大な損害を及ぼしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は牛の病気を管理する技術を提供することにある。
また、実施形態は、牛の健康状態を判断するために生体情報を送信するバイオカプセルセンサは高い収集ボックス(gathering box)を必要とせず、直ちに牛に経口投与して容易かつ手軽に設置する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る病気管理方法は、牛の胃に安着したバイオセンサカプセルから前記牛の生体情報を受信するステップと、前記生体情報を分析し、分析結果に基づいて前記牛の健康状態を判断するステップと、前記牛の健康状態に関する情報を前記牛を管理するユーザに送信するステップとを含み、前記健康状態は、前記牛の発情及び分娩に対する繁殖関連状態、病気状態、メタンガス発生状態、及び反芻胃の活動状態のうち少なくとも1つを含む。
【0006】
前記判断するステップは、前記生体情報に含まれた前記胃の角速度情報、加速度情報、及び温度情報に基づいて前記牛の発情状態又は分娩状態を判断するステップを含み得る。
前記判断するステップは、前記生体情報に含まれた前記胃の角速度情報、加速度情報、及びPH濃度情報に基づいて前記胃の活動状態を判断するステップを含み得る。
【0007】
前記判断するステップは、前記生体情報に含まれた前記胃のメタンガス発生情報に基づいて前記胃で発生したメタンガスの発生量を判断するステップを含み得る。
前記判断するステップは、前記生体情報に含まれた前記胃の角速度情報、加速度情報、温度情報、PH濃度、及びメタンガス発生情報に基づいて前記牛の病気状態を判断するステップを含み得る。
【0008】
前記方法は、前記健康状態に応じて区分されるアラームを提供するステップをさらに含み得る。
前記健康状態に関する情報は、前記牛の発情、受精、妊娠、及び分娩に関する情報と、前記牛の最近発情日、受精予定日、最近受精日、鑑定予定日、分娩予定日、乾乳予定日、最近分娩日、及び発情予定日に関する情報を含み得る。
【0009】
一実施形態に係る病気管理サーバは、通信モジュールと、牛の胃に安着したバイオセンサカプセルから前記牛の生体情報を前記通信モジュールによって受信し、前記生体情報を分析し、分析結果に基づいて前記牛の健康状態を判断し、前記牛の健康状態に関する情報を前記牛を管理するユーザに送信するコントローラとを含み、前記健康状態は、前記牛の発情及び分娩に対する繁殖関連状態、病気状態、メタンガス発生状態、及び反芻胃の活動状態のうち少なくとも1つを含む。
【0010】
前記コントローラは、前記生体情報に含まれた前記胃の角速度情報、加速度情報、及び温度情報に基づいて前記牛の発情状態又は分娩状態を判断し得る。
前記コントローラは、前記生体情報に含まれた前記胃の角速度情報、加速度情報、及びPH濃度情報に基づいて前記胃の活動状態を判断し得る。
【0011】
前記コントローラは、前記生体情報に含まれた前記胃のメタンガス発生情報に基づいて前記胃で発生したメタンガスの発生量を判断し得る。
前記コントローラは、前記生体情報に含まれた前記胃の角速度情報、加速度情報、温度情報、PH濃度、及びメタンガス発生情報に基づいて前記牛の病気状態を判断し得る。
【0012】
前記コントローラは、前記健康状態に応じて区分されるアラームを提供し得る。
前記健康状態に関する情報は、前記牛の発情、受精、妊娠、及び分娩に関する情報と、前記牛の最近発情日、受精予定日、最近受精日、鑑定予定日、分娩予定日、乾乳予定日、最近分娩日、及び発情予定日に関する情報とを含み得る。
【0013】
一実施形態に係るバイオセンサカプセルは、前記バイオセンサカプセルを牛の生体内一定場所に安着するための重さ錘と、前記牛の生体情報を取得するための複数のセンサと、前記生体情報を送信するための通信モジュールとを含み、前記通信モジュールは、LORA通信モジュールである。
【0014】
前記複数のセンサは、前記牛の胃の加速度値を検出するための加速度センサと、前記牛の胃の角速度値を検出するためのジャイロセンサと、前記牛の胃の温度値を検出するための温度センサと、前記牛の胃で発生するメタンガスの発生量を検出するためのメタンセンサと、前記牛の胃のPH濃度を検出するためのPHセンサとを含み得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、牛の健康状態を判断するために生体情報を送信するバイオカプセルセンサは高い収集ボックスを必要とせず、直ちに牛に経口投与して容易かつ手軽に設置する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態に係る病気管理システムの概略的な図である。
図2図1に示されたバイオセンサカプセルの概略的な図である。
図3図1に示された病気管理サーバの概略的なブロック図である。
図4A】病気管理サーバから提供される牛の健康状態に関する情報の例を示す。
図4B】病気管理サーバから提供される牛の健康状態に関する情報の例を示す。
図4C】病気管理サーバから提供される牛の健康状態に関する情報の例を示す。
図4D】病気管理サーバから提供される牛の健康状態に関する情報の例を示す。
図5図1に示された病気管理サーバの動作方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書に開示されている本発明の概念による実施形態に対して特定の構造的又は機能的な説明は、単に本発明の概念による実施形態を説明するための目的として例示されたものであり、本発明の概念による実施形態は様々な形態で実施され、本明細書に説明された実施形態に限定されることはない。
【0018】
本発明の概念による実施形態は様々な変更を加えることができ、様々な形態を有し得るため、実施形態を図面に例示及び本明細書の詳細に基づいて説明する。しかし、これは本発明の概念による実施形態を特定の開示形態に限定されるものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる変更、均等物、又は、代替物を含む。
【0019】
第1又は第2などの用語を複数の構成要素を説明するために用いることができるが、このような用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ解釈されなければならない。例えば、第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に第2構成要素は第1構成要素にも命名することができる。
【0020】
いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結されて」いると言及された場合、その次の構成要素に直接的に連結されてもよく、又は中間に他の構成要素が存在することもあり得ると理解されなければならない。一方いずれかの構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるか「直接接続されて」いと言及される場合には、中間に他の構成要素が存在しないものとして理解されなければならない。構成要素間の関係を説明する表現、例えば「~間に」と「すぐ~の間に」、又は「~に隣接する」と「~に直接に隣接する」などのように解釈されなければならない。
【0021】
本明細書で用いた用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられるものであって、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0022】
異なる定義さがれない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0023】
以下、実施形態を添付する図面を参照しながら詳細に説明する。しかし、特許出願の範囲がこのような実施形態によって制限されたり限定されることはない。各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0024】
図1は、一実施形態に係る病気管理システムの概略的な図であり、図4A図4Dは、病気管理サーバから提供される牛の健康状態に関する情報の例を示す。
図1を参照すると、病気管理システム10は、複数の牛100-1~100-n(nは1より大きい自然数)、病気管理サーバ300、及びユーザ装置400を含む。
【0025】
複数の牛100-1~100-nは、バイオセンサカプセル200が装着される。複数の牛100-1~100-nは、ユーザ装置400のユーザが管理している牛であり得る。また、複数の牛100-1~100-nのうちの一部は、ユーザ装置400のユーザ以外のユーザによって管理される牛であってもよい。
【0026】
複数の牛100-1~100-nは、病気管理サーバ300によって管理されるためにIDが割り当てられる。例えば、複数の牛100-1~100-nは、バイオセンサカプセル200に割り当てられたIDに区分し、病気管理サーバ300によって管理され得る。
【0027】
複数の牛100-1~100-nは、バイオセンサカプセル200によって生体情報を病気管理サーバ300に送信する。ここで、バイオセンサカプセル200は、複数の牛100-1~100-nの生体内の一定の場所に入って安着する。ここで、バイオセンサカプセル200は、複数の牛100-1~100-nから生体情報を取得し、生体情報を病気管理サーバ300に送信する。
【0028】
病気管理サーバ300は、複数の牛100-1~100-nを管理し、遠隔で複数の牛100-1~100-nを管理するためのサービスをユーザ装置400に提供する。例えば、病気管理サーバ300は、複数の牛100-1~100-nのバイオセンサカプセル200から取得された生体情報に基づいて複数の牛100-1-100-nを管理するためのサービスを提供し得る。
【0029】
病気管理サーバ300は、生体情報を分析して分析結果に基づいて複数の牛100-1~100-nそれぞれの健康状態を判断し、健康状態をユーザ装置400に送信する。健康状態は、牛の発情及び分娩に対する繁殖関連状態、病気状態、メタンガス発生状態、及び反芻胃の活動状態のうち少なくとも1つを含む。
【0030】
また、病気管理サーバ300は、健康状態に応じて区分されるアラームをユーザ装置400に提供する。
病気管理サーバ300から提供するサービスを実行し得る病気管理サービスアプリケーションは、ユーザ装置400にインストールされて実行され、病気管理サービスに関する機能を行う。一例として、病気管理サービスアプリケーションは、病気管理サーバ300からダウンロードされて設けられる。異なる例として、病気管理サービスアプリケーションは、アップストア(app store)又はアンドロイドマーケット(android market)でダウンロードされて設けられてもよい。
【0031】
ユーザ装置400は、病気管理サーバ300から複数の牛100-1~100-nに対する健康状態及び/又は健康状態に応じて区分されるアラームが提供され得る。例えば、健康状態に関する情報は、牛の発情、受精、妊娠、及び分娩に関する情報を含み得る。また、繁殖関連状態は、牛の最近発情日、受精予定日、最近受精日、鑑定予定日、分娩予定日、乾乳予定日、最近分娩日、及び発情予定日に関する情報を含む。
【0032】
例えば、ユーザ装置400が病気管理サーバ300から提供される健康状態に関する情報について図4A図4Dに示す通りである。
ここで、ユーザ装置400は、パソコン(PC)、データサーバ、又は、携帯用電子装置に実現され得る。
【0033】
携帯用電子装置は、ラップトップコンピュータ、移動電話機、スマートフォン、タブレットパソコン(PC)、モバイルインターネットデバイス(MID)、PDA(personal digital assistant)、EDA(enterprise digital assistant)、デジタルスチールカメラ、デジタルビデオカメラ、PMP(portable multimedia player)、PND(personal navigation device又はportable navigation device)、携帯用ゲームコンソール、e-book、又は、スマートデバイスに実現される。スマートデバイスは、スマートワッチ、スマートバンド、又は、スマートリングに実現される。
【0034】
上述したように、ユーザは、ユーザ装置400を用いて複数の個体、例えば、複数の牛100-1~100-nを一括に遠隔管理し、持続的に履歴管理してリアルタイムに状態が報告され、健康状態に応じて区分されるアラームの提供を受けることにより迅速に対応することができる。
【0035】
図2は、図1に示されたバイオセンサカプセルの概略的な図である。
図2を参照すると、バイオセンサカプセル200は、複数のセンサ210~250、バッテリ260、重さ錘270、通信モジュール280、及びアンテナ290を含む。
【0036】
バイオセンサカプセル200は、牛の生体内の一定の場所、例えば、胃に入って安着する。ここで、バイオセンサカプセル200は、生体内にある水分や胃酸から内部を保護するためのケース(図示せず)により保護され得る。
【0037】
加速度センサ210は、牛の胃の加速度情報を取得する。例えば、加速度センサ210は、リアルタイムに牛の胃の加速度値を検出し、加速度情報を生成する。
ジャイロセンサ220は、牛の胃の角速度情報を取得する。例えば、ジャイロセンサ220は、リアルタイムに牛の胃の角速度値を検出し、角速度情報を生成する。
【0038】
温度センサ230は、牛の胃の温度情報を取得する。例えば、温度センサ230は、リアルタイムに牛の胃の温度値を検出し、温度情報を生成する。
メタンセンサ240は、牛の胃のメタンガス発生情報を取得する。例えば、メタンセンサ240は、リアルタイムに牛の胃で発生するメタンガスの発生量を検出し、メタンガス発生情報を生成する。
【0039】
PHセンサ250は、牛の胃のPH情報を取得する。例えば、PHセンサ250は、リアルタイムに牛の胃のPH濃度を検出し、PH情報を生成する。
加速度情報、角速度情報、温度情報、メタンガス発生情報、及びPH情報は、通信モジュール280及びアンテナ290によって病気管理サーバ300に送信され得る。
【0040】
バッテリ260は、バイオセンサカプセル200の各構成210、220、230、240、250、280、及び290に電源を供給する。例えば、バッテリ260は、様々な形態の乾電池に実現され得る。
【0041】
重さ錘270は、バイオセンサカプセル200が牛の生体内に注入されて外部に排出されず、牛の生体内一定の場所、例えば、胃に入って安着できるように重さを加える役割を行う。すなわち、重さ錘270は、牛の反芻過程でバイオセンサカプセル200が外へ排出することなく牛の胃に安着する十分な重さを有する。
【0042】
バイオセンサカプセル200が重さ錘270によって外部に排出されないことは次の通りに説明される。
牛は、草食動物の中でも肉食動物からいつ攻撃を受けるか分からないため、急いで草を噛むことなく腹に入れてから安全な場所で食物を再び反芻する反芻動物である。
【0043】
反芻動物は4個の胃を有する。同様に牛の胃も4個からなっている。第1胃(こぶ胃)は牛が急に食べた食物を格納する空間であって、前記牛の胃の全体体積のうち80%を占めている。第2胃(例えば、蜂巣胃)は、食物を混ぜて再び口に吐きもどす役割をする。口で吐き戻した食物は第3胃(重弁胃)、第4胃(しわ胃)を経て腸に移動する。
【0044】
例えば、噛まないで飲み込んだ食物は塊になって最も大きい第1胃(こぶ胃)に入って、ここで食物はしっとりとしてやわらかくなって第2胃(蜂巣胃)に入る。食物は、ここで適当なサイズに割られるが、暇なときに第2胃(蜂巣胃)から食物を口に吐き戻して再度噛み始める。これによって、牛は一日中何かを噛んでいることである。噛んでから再び飲み込むと、食物は第3胃(重弁胃)、第4胃(しわ胃)に移動しながら、最終的に腸に移動する。この過程により食物が消化されるのである。
【0045】
このように複雑な過程が3日以上かかり、牛はこのような消化過程により食物に入っている全ての栄養分を摂取できる。一般に、元気な牛は飼料を食べた後30~40分から反芻をし初め、前記反芻は40~50分の間に6~8回に反芻し、50~60kg反芻する。すなわち、牛は一日に8時間を食べて8時間を反芻し、8時間を休む。
【0046】
バイオセンサカプセル200が牛の生体内に注入されるとき、バイオセンサカプセル200はほとんどの牛の体内の一定場所、例えば、第1胃(こぶ胃)に安着する。第1胃(こぶ胃)は牛の胃の全体体積のうち80%を占め、数個の空間に構成されて安着するのに適する場所であるためである。
【0047】
前述したように牛は、食物を反芻する反芻動物であり、毎瞬間第1胃(こぶ胃)と第2胃(蜂巣胃)にある食物を口に吐き戻して相当な重さの量を反芻する。この過程で、バイオセンサカプセル200は食物に混ざって再び口に出ることがある。
【0048】
また、第1胃(こぶ胃)は数個の空間からなり、牛の胃の中の食物は水分と共に混ざっている場合が多い。ここで、バイオセンサカプセル200が十分な重さを有しない場合、食物と混ざる過程で水分により食物上に浮かび上がる現象が生じ、牛の反芻作用の過程で食物と共に牛の口から排出される。
【0049】
ここで、重さ錘270を含んでいるバイオセンサカプセル200は、牛の胃の中の様々な空間を食物と共に混合して移動しながら重力によって移動空間の底に沈んで移動し、バイオセンサカプセル200は自然に適する位置に安着することで生体の外側へ排出することなく、バイオセンサカプセル200に含まれた複数のセンサ210~250が牛の内部情報を正確に測定することができる。
【0050】
通信モジュール280とアンテナ290は、バイオセンサカプセル200と病気管理サーバ300との間の通信を行うためのものである。すなわち、バイオセンサカプセル200と病気管理サーバ300は、通信モジュール280及びアンテナ290によって信号(又はデータ)のやり取りを行う。
【0051】
ここで、通信モジュール280は、LORA通信モジュールに実現され得る。ここで、バイオセンサカプセル200と病気管理サーバ300との間に 収集ボックスは必要でなく、バイオセンサカプセル200は通信モジュール280によって20km内に通信網に接続して生体情報を病気管理サーバ300に送信できる。
【0052】
複数のセンサ210~250は、PCB(printed circuit board)に集積され得る。また、通信モジュール280及び/又はアンテナ290もPCBに集積され得る。
【0053】
上述したように、バイオセンサカプセル200は、高い収集ボックスを必要とせず、牛に直ちに経口投与することができることから、容易かつ手軽に設置できる。
図3は、図1に示された病気管理サーバの概略的なブロック図である。
【0054】
図3を参照すると、病気管理サーバ300は、通信モジュール310及びコントローラ330を含む。
通信モジュール310は、病気管理サーバ300とバイオセンサカプセル200との間で通信を行う。また、通信モジュール310は、病気管理サーバ300とユーザ装置400との間で通信を行う。すなわち、病気管理サーバ300とバイオセンサカプセル200は、通信モジュール310を介して信号(又はデータ)をやり取りし、病気管理サーバ300とユーザ装置400は、通信モジュール310を介して信号(又はデータ)をやり取りする。
【0055】
コントローラ330は、病気管理サーバ300の全般的な動作を制御する。コントローラ330は、通信モジュール310によってバイオセンサカプセル200から生体情報を受信する。
【0056】
コントローラ330は生体情報を分析し、分析結果に基づいて牛の健康状態を判断する。健康状態は、牛の発情及び分娩に対する繁殖関連状態、病気状態、メタンガス発生状態、及び反芻胃の活動状態の少なくとも1つを含む。
【0057】
一例として、コントローラ330は、生体情報に含まれた角速度情報、加速度情報、及び温度情報に基づいて牛の発情状態及び/又は分娩状態を判断する。
他の例として、コントローラ330は、生体情報に含まれた角速度情報、加速度情報、及びPH濃度情報に基づいて牛の胃の活動状態を判断する。
【0058】
更なる例として、コントローラ330は、生体情報に含まれたメタンガス発生情報に基づいて牛の胃で発生したメタンガスの発生量を判断する。
更なる例として、コントローラ330は、生体情報に含まれた角速度情報、加速度情報、温度情報、PH濃度、及びメタンガス発生情報に基づいて牛の病気状態を判断する。
【0059】
コントローラ330は、通信モジュール310によって健康状態に関する情報をユーザ装置400に送信する。ここで、繁殖関連状態に関する情報は、牛の発情、受精、妊娠、及び分娩に関する情報を含む。また、繁殖関連状態に関する情報は、牛の最近発情日、受精予定日、最近受精日、鑑定予定日、分娩予定日、乾乳予定日、最近分娩日、及び発情予定日に関する情報を含む。
【0060】
また、病気管理サーバ300は、健康状態に応じて区分されるアラーム(例えば、体温上昇警告アラーム、体温下落警告アラーム、分娩予定日アラーム、鑑定予定日アラーム、乾乳予定日アラーム、又は、発情予定日アラームなど)をユーザ装置400に提供する。
【0061】
本明細書におけるモジュールは、本明細書で説明される各名称による機能及び動作を行うハードウェアを意味し、また、特定機能と動作を行うコンピュータプログラムコードを意味することもあり、又は、特定機能と動作を実行させるコンピュータプログラムコードが搭載された電子的記録媒体、例えば、プロセッサ又はマイクロプロセッサを意味する。
【0062】
言い換えれば、モジュールとは、本発明の技術的な思想を行うためのハードウェア及び/又は前記ハードウェアを駆動するためのソフトウェアの機能的及び/又は構造的な結合を意味する。
【0063】
図5は、図1に示された病気管理サーバの動作方法を説明するためのフローチャートである。
図5を参照すると、コントローラ330は、牛の胃に安着したバイオセンサカプセル200から牛の生体情報を通信モジュール310によって受信する(S510)。
【0064】
コントローラ330は生体情報を分析し、分析結果に基づいて牛の健康状態を判断する(S530)。
コントローラ330は、牛の健康状態に関する情報を通信モジュール310によって牛を管理するユーザに送信する(S550)。ここで、健康状態は、前記牛の発情及び分娩に対する繁殖関連状態、病気状態、メタンガス発生状態、及び反芻胃の活動状態のうち少なくとも1つを含む。
【0065】
以上述した装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、又はハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組合せで具現される。例えば、本実施形態で説明した装置及び構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、FPA(field programmable array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、又は命令(instruction)を実行して応答する異なる装置のように、1つ以上の汎用コンピュータ又は特殊目的コンピュータを用いて具現される。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)及びオペレーティングシステム上で実行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを実行する。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答してデータをアクセス、格納、操作、処理、及び生成する。理解の便宜のために、処理装置は1つが使用されるものとして説明する場合もあるが、当該技術分野で通常の知識を有する者は、処理装置が複数の処理要素(processing element)及び/又は複数類型の処理要素を含むことが分かる。例えば、処理装置は、複数のプロセッサ又は1つのプロセッサ及び1つのコントローラを含む。また、並列プロセッサ(parallel processor)のような、他の処理構成も可能である。
【0066】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、又はこれらのうちの1つ以上の組合せを含み、希望通りに動作するように処理装置を構成し、独立的又は結合的に処理装置に命令する。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置によって解釈され、処理装置に命令又はデータを提供するためのあらゆる類型の機械、構成要素、物理的装置、仮想装置、コンピュータ格納媒体又は装置、或いは送信される信号波を介して永久的又は一時的に具現化される。ソフトウェアは、ネットワークに接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された方法で格納されるか又は実行される。ソフトウェア及びデータは1つ以上のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納される。
【0067】
本実施形態による方法は、多様なコンピュータ手段を介して実施されるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組合せて含む。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。ハードウェア装置は、本発明の動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成してもよく、その逆も同様である。
【0068】
上述したように実施形態をたとえ限定された図面によって説明したが、当技の術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順序で実行されたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合又は組み合わせられたり、他の構成要素又は均等物によって置き換えたり置換されても適切な結果を達成することができる。
【0069】
したがって、他の具現、他の実施形態、及び特許請求の範囲と均等なものも後述する特許請求の範囲に属する。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5