(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】過重力環境付与トレーニング装置、及び過重力環境付与トレーニング施設
(51)【国際特許分類】
A63B 26/00 20060101AFI20220905BHJP
E04H 3/14 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
A63B26/00
E04H3/14 Z
(21)【出願番号】P 2018083983
(22)【出願日】2018-04-25
【審査請求日】2021-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】516154233
【氏名又は名称】学校法人医療創生大学
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】田口 信教
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08931741(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0006926(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0038071(US,A1)
【文献】特開平03-156485(JP,A)
【文献】特開平11-019261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 1/00 - 26/00
A63B 69/00 - 69/40
E04H 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を中心に回転する回転盤に設けられ、内部で利用者がトレーニングを実施する
、複数の試験室
と、
前記回転軸が取り付けられ、この回転軸と連動して動作し、かつ前記回転盤に連結されている円筒材と、
前記円筒材の内部に設けられた、前記回転盤の管理・制御室と、
前記試験室と前記回転盤との間に
設けられた角度調整部
と、
前記円筒材の内部にのみ設けられたエレベータと、
通路を介して前記回転盤の径方向に向けて移動でき、かつ前記利用者が前記通路に対し傾斜した状態で移動できる移動手段と、を備え、
前記回転盤を回転させ、前記試験室を旋回させるとともに、旋回させることにより生じた遠心力と重力との合力が、前記試験室の床に対し、垂直に加わるように、前記試験室を所定の角度だけ傾斜させ、前記角度調整部によって固定し、前記利用者に対し、過重力状態を作り出す、
ことを特徴とする過重力環境付与トレーニング装置。
【請求項2】
前記試験室の内部の空気の成分比、温度、圧力を調節することで、
前記試験室の内部を、高所トレーニングの条件と同じ疑似環境を作り出す、
ことを特徴とする請求項1に記載の過重力環境付与トレーニング装置。
【請求項3】
前記回転盤が円形状であり、前記試験室が前記回転盤の径方向に向けて複数設けられ
、前記試験室に隣接した予備室を備え、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の過重力環境付与トレーニング装置。
【請求項4】
前記試験室を、柔道場、剣道場、水泳場、体操用体育館又は球技用室内体育館として使用できる、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の過重力環境付与トレーニング装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の過重力環境付与トレーニング装置を備える、
ことを特徴とする過重力環境付与トレーニング施設。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の持つ身体の可能性を追求し、一流競技者の競技力向上に寄与する過重力環境付与トレーニング装置、及びこの過重力環境付与トレーニング装置を備える過重力環境付与トレーニング施設に関する。
【背景技術】
【0002】
運動選手は、身体の筋力を鍛え、身体能力を向上させるために、筋力トレーニング器具を使用している。この筋力トレーニング器具は、身体の特定の筋力を鍛えるものが多い。
【0003】
例えば、特許文献1には、被験者の下肢の筋力を鍛える筋力トレーニング装置が開示されている。この筋力トレーニング装置は、被験者の下肢の長さに調整可能なロボットアームと、このロボットアームを被験者の下肢に沿って固定する装着具と、ロボットアームの関節軸の軸トルクを制御する制御装置と、ロボットアームの関節軸の角度を測定する角度測定装置と、軸トルクを測定するトルク測定装置と、ロボットアームの先端が所定の軌道を描くように運動する際の関節軸の軸トルクと関節軸の角度との関係を示す参照テーブルを保存する記憶装置とを備えている。そして、参照テーブルに示される関節軸の軸トルクと関節軸の角度との関係に基づいて軸トルクを発生することによって、被験者の下肢の先端が軌道を描くように保ち、かつ、特定の実効筋群のためのトレーニング負荷を被験者の下肢に付与する。
【0004】
また、体重別の体育競技では、器具を使用するトレーニング方法の他に、一階級上の選手と練習、あるいは対戦することで身体能力を向上させるトレーニング方法や重量物を装着することで身体に負荷をかけるトレーニング方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一流競技者は、身体能力を全ての部位で最大限に活かして競技している。そのため、これらの一流競技者の能力をさらに向上させるためには、身体の局所的なトレーニングを必要とするが、例えば、特許文献1のような身体の特定に筋力(下肢)を向上させるためのトレーニング器具を使用した場合や上記のトレーニング方法を取り入れた場合、身体能力のバランスを損なうおそれがあることに加え、既存の身体能力を失うおそれもある。そのため、既存の身体能力を全て活かしつつ、全体の身体能力をバランス良く向上させるトレーニング方法やトレーニング装置を開発する必要がある。
【0007】
人間の身体は、環境が変化すると、その変化に対し身体機能を順応させる。例えば、人間の身体に加わる重力が大きくなれば、身体の骨密度や筋力が向上する。身体の重力へ順応する能力の解明と安全性の確立は、環境変化に伴う身体能力の向上、及び身体の可能性の追求と表裏一体を成す。
そのため、重力のように利用者に加わる力を系統的、かつ安全に変化させて、トレーニングを行うことができる装置が求められている。
【0008】
そこで、本発明は、利用者に加わる力を系統的、かつ安全に変化させて、トレーニングを行うことができる過重力環境付与トレーニング装置、及びこの過重力環境付与トレーニング装置を備える過重力環境付与トレーニング施設を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る過重力環境付与トレーニング装置は、回転軸を中心に回転する回転盤に設けられ、内部で利用者がトレーニングする試験室を複数備えるものであり、試験室と回転盤との間には、角度調整部が設けられ、回転盤を回転させ、試験室を水平に旋回させるとともに、旋回させることにより生じた遠心力と重力との合力が、試験室の床に対し、垂直に加わるように、試験室を所定の角度だけ傾斜させ、角度調整部によって固定し、利用者に対し、過重力状態を作り出すことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る過重力環境付与トレーニング装置は、試験室の内部の空気の成分比、温度、圧力を調節することで、試験室の内部を、高所トレーニングの条件と同じ疑似環境を作り出すことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る過重力環境付与トレーニング装置は、回転盤が円形状であり、試験室が回転盤の径方向に向けて複数設けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る過重力環境付与トレーニング装置は、試験室に隣接された予備室を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る過重力環境付与トレーニング施設は、上記の過重力環境付与トレーニング装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の過重力環境付与トレーニング装置は、試験室を旋回させることで、遠心力と重力の合力が床面に対し、ほぼ垂直となるように構成されている。そのため、試験室の利用者には、通常の重力よりも大きな負荷(以下、過重力とも記す。)が加わる。そうすると、過重力環境で容易にトレーニングが可能となり、身体能力を向上させることができる。また、過重力環境の変化に伴う身体の重力への順応能力の解明と安全性の確立をもできる。さらに、それらに基づいて、例えば、一流競技者の競技力の重力への順応能力を活用することができる。
【0015】
また、本発明に係る過重力環境付与トレーニング装置は、試験室の内部の空気の成分比、温度、圧力を調節することで高地トレーニングの条件と同じ疑似環境を作り出すことができる。そのため、利用者は、高地トレーニング環境にも順応できる身体能力を身に付けることができる。
【0016】
さらに、本発明では、上記の過重力環境付与トレーニング装置を備えた過重力環境付与トレーニング施設をも提供する。この過重力環境付与トレーニング施設では、利用者の身体に加わる力を変化させた環境と室内の空気環境を容易に変更することができる。また、過重力環境付与トレーニング施設には、これらの環境以外は標準的なトレーニング場と同程度の空間と、設備が備わっているため、トレーニング以外の目的でも使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係る過重力環境付与トレーニング施設の概略図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る過重力環境付与トレーニング装置の試験室への出入りを説明するための図である。(a)過重力環境付与トレーニングの配置を示す図、(b)利用者が試験室へ入る際の説明図
【
図3】本発明の実施形態に係る過重力環境付与トレーニング装置の回転盤の径方向に利用者の移動を説明するための図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る過重力環境付与トレーニング装置を説明するための図である。(a)回転盤が静止している状態を示す図、(b)回転盤が回転している状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本実施形態に係る過重力環境付与トレーニング装置、及びこの過重力環境付与トレーニング装置を備える過重力環境付与トレーニング施設(以下、トレーニング施設とも記す。)を、
図1から
図3を参照し説明する。
【0019】
本実施形態に係る過重力環境付与トレーニング装置1は、
図1に示すようにトレーニング施設100の内部に複数設けられている。
この過重力環境付与トレーニング装置1は、回転軸2を中心として回転する回転盤3と、この回転盤3に取り付けられた過重力室4を備えている。
【0020】
回転軸2は、回転盤3が水平に回転する中心軸の役割をする。この回転軸2には、円筒材5が取り付けられており、この円筒材5は、回転盤3と連結されている。この円筒材5には、回転盤3の管理・制御室が設けられている。
回転軸2は、回転盤3が水平に回転する中心軸の役割をするとともに、回転軸には、屋外より供給される操作電力線、信号線を連続して、過重力室4と予備室6の継ぐ接続機器を取り付けてられている。また、回転軸2と円筒材5は連動して動作し、回転軸2が回転すると、それにともない、円筒材5も回転し、円筒材5に連結されている回転盤3も連動して回転する。
【0021】
回転盤3は、円盤状であり、径方向にかけて、円環状の側壁が複数設けられており、それらの側壁と側壁との間に、過重力室4が設けられている。この回転盤3は、過重力室4を長時間、安定して回転させることができるものである。そのため、この回転盤3は、大型であり、駆動機構や制御機構を備えている。また、回転盤3には、車輪が設けられており、この車輪がトレーニング施設100の床面に設けられたレール7に沿って移動することによって、回転盤3はトレーニング施設100の内部で回転する。
【0022】
過重力室4は、
図2に示すように、円筒状のものとすることができ、例えば、円筒状の外殻部材4Aと、この外殻部材4Aの内部に配置されるトレーニング室4Bとから構成される。トレーニング室4Bの床4Cの形状は矩形であり、トレーニング室4Bは、床4Cの長辺が回転盤3の周方向となるように、短軸が回転盤3の径方向となるように設けられている。
また、過重力室4の内部に加わる過重力の値は、長軸を含むトレーニング室4Bの床4Cと垂直な面内で設定される。
【0023】
外殻部材4Aとトレーニング室4Bとの間には空間が形成され、この空間には、例えば、空調設備が設置される。また、トレーニング室4Bの側壁には、空調設備とトレーニング室4Bとを接続するための接続機器が設けられている。
外殻部材4Aには、角度調整部としての角度調整器8が複数設けられている。角度調整機器8は、傾斜したトレーニング室4Bを固定あるいは調整するものである。この角度調整機器8は、所定の角度だけ傾斜したトレーニング室4Bを所定の位置で固定する役割を担うものであればよい。また、過重力室4には、防振機構も備えられており、この防振機構により、回転盤3の回転により生じる振動によって、トレーニング室4Bの内部が揺れ動くことが防止される。
【0024】
トレーニング室4Bには、
図2(a)に示すように、隣接した予備室6が設けられている。予備室6は、屋外より中心軸2を経由する電気関係、及び試験前に別途搬入される油、水、気体を貯えるスペースを意味する。また、必要に応じてそれらをトレーニング室4Bに供給する機器を有している。
【0025】
過重力環境付与トレーニング装置1には、回転盤3の周方向に沿って、過重力室4(A-1からA-4、B-1からB-12、C1からC-12、D1からD12)及び予備室6が複数設けられ、トレーニングの目的に応じて、各過重力室4に機材や設備が設置される。また、各過重力室4のサイズや個数は、適宜決定される。
回転盤3には、円筒材5から外周に向けて、放射状に形成された通路10が設けられている。本実施形態の過重力環境付与トレーニング装置1では、3つの通路10Aから10Cが設けられている。各通路10には、
図2(b)に示すように、利用者Aが乗って移動できる移動手段11が設けられている。利用者Aは、この移動手段11を使用して通路10の径方向に自在に移動することができ、目的の過重力室4に移動することができる。
なお、本実施形態では、利用者Aとは、トレーニングを行う競技者の他、身体能力を向上させたい動物(例えば、馬)も含むものとする。
【0026】
過重力環境付与トレーニング100には、
図3に示すように、昇降手段12が設けられている。この昇降手段12には、例えば、エレベータを使用する。利用者Aは、昇降手段12を利用して、通路10まで移動する。
利用者Aは、
図3(a)に示すように、回転盤3の上側を通り、昇降手段12によって通路10まで移動できる(矢印)。また、利用者Aは、
図3(b)に示すように、回転盤3の下側の地下から昇降手段12によって通路10まで移動することもできる(矢印)。
【0027】
次に、本実施形態に係る過重力環境付与トレーニング装置1の動作について、
図4を参照して、説明する。
回転盤3を回転させる前の状態では、
図4(a)に示すように、トレーニング室4Bは、回転盤3に対し、傾斜していない。この場合、利用者Aには、通常の重力が加わる。一方、回転盤3が中心軸2を中心として回転し、所定の回転速度に達すると、
図4(b)に示すように、過重力室4は、遠心力を受けて、例えば右回りに所定の角度だけ傾斜し、トレーニング室4Bの床4Cの長軸を含む床の垂直面における横方向の過重力が0の値となる。そして、傾斜したトレーニング室4Bは、角度調整器8によって、所定の角度で固定される。
この回転盤3を一定の角度で回転し続けることで、利用者Aには遠心力が加わり、中心軸2から距離が近いトレーニング室4Bの利用者Aよりも、中心軸2から距離が離れているトレーニング室4Bの利用者Aに大きな遠心力が加わる。
本実施形態において、所定の角度とは、遠心力と重力との合力が、トレーニング室4Bの床4Cに対し、ほぼ垂直に加わるように傾斜させた角度を意味する。また、利用者Aに加わる過重力は、1.0Gから3.0Gの範囲が好ましい。
【0028】
次に、本実施形態に係る過重力環境付与トレーニング装置1の作用効果について説明する。
【0029】
本実施形態に係る過重力環境付与トレーニング装置1は、回転盤3が回転することにより、過重力室4が旋回し、過重力室4は、遠心力と重力との合力が、床4Cに垂直に加わる角度に傾斜させ、角度調整器8で固定する。過重力室4の利用者Aは、重力と遠心力との合力(過重力)を受け、過重力室4が旋回する前に受けていた重力よりも大きな力である過重力を受ける。この過重力環境付与トレーニング装置1を使用して、例えば、利用者A(競技者)がトレーニングした場合、競技者の身体全体に過重力が加わるため、全体の身体能力をバランス良く向上させ、競技者の競技力の重力への順応能力を活用して安全でバランスの取れた向上に寄与する。
【0030】
また、本実施形態に係る過重力環境付与トレーニング装置1では、回転速度を調整することで、利用者Aに加わる過重力の大きさを系統的に変化させることができる。そのため、目的に合った過重力を利用者Aに加えることができる。さらに、過重力環境付与トレーニング装置1では、回転盤3の径方向に過重力室4が複数並んでいるため、身体に加わる過重力を大きくしたい場合、より外側の過重力室4に移動すれば、目的を達成することができる。
【0031】
本実施形態に係る過重力環境付与トレーニング装置1は、回転盤3に通路10が設けられている。そうすると、利用者Aは、この通路10を通って、過重力の大きさが異なる過重力室4を変更することができる。例えば、過重力室4(A-6)でトレーニングしていた利用者Aが、さらに大きな過重力を身体に加えてトレーニングしたい場合、通路10Aを通って、回転盤3の径方向に移動手段11で移動し、過重力室4(C-12)に入ることができる(
図2(a))。このように、トレーニングを行う過重力室4を変更するだけで、身体に加わる過重力の大きさを変えることができるため、安全にトレーニングすることができる。
また、3つの通路10Aから10Cは、中心の円筒材5に連結されている。そのため、例えば、過重力室4(B-5)に特定の設備がある場合、過重力室4(C-12)でトレーニングしていた利用者Aが、その設備を使用したいと考え、通路10Aと通路10Cを通って、過重与室4(B-5)に移動することができる。
【0032】
また、本実施形態において、過重力室4を、柔道場、剣道場、水泳場、体操用体育館、球技用室内体育館として使用することもできる。これらの競技は矩形の床4Cの長軸方向の動きが主であり、短軸方向の動きは長軸方向に比べると少ない。そのため、これらの競技者は、過重力室4を有効に使用することができる。
【0033】
さらに、本実施形態の過重力環境付与トレーニング装置1は、過重力室4内部の空気の成分比、温度、圧力を調節することで、高所トレーニングの条件と同じ疑似環境を作り出すことができる。そうすると、利用者Aは、身体に過重力が加わった状態に加えて、高地トレーニング環境でトレーニングすることができる。そのため、高地まで行く手間や費用を省くことができ、時間や費用を節約できる。
【0034】
本実施形態に係るトレーニング施設100は、過重力環境付与トレーニング装置1以外にも、標準的なトレーニング場と同程度の空間と、設備が備わっている。そのため、トレーニング以外の目的で使用することもできる。
【0035】
以上、本実施形態について説明したが、これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。例えば、所定の遠心力を得るために駆動機構、制御機構を有する回転盤3を用いているが、これに限定されず、大きな半径の円軌道上を連結して走行する駆動機構、制御機構を有する複数の車輌であってもよい。これらの複数の車輌には、トレーニング室4Bと予備室6が分散して配置されており、回転盤3を使用した場合と同じ遠心力が得られるように取り付けられることもできる。
【0036】
また、回転盤3の直径を大きく設計し、短軸の長さが回転盤3の半径に比べると小さく、短軸方向の利用者Aの移動に伴う遠心力の差が競技に影響を及ぼすことが無視できる程小さいように作られている。
【符号の説明】
【0037】
1 過重力環境付与トレーニング装置
2 中心軸
3 回転盤
4 過重力室(試験室)
4A 外殻部材
4B トレーニング室
4C 床
5 円筒材
6 予備室
7 レール
8 角度調整器(角度調整部)
10 通路
10A~10C 通路
11 移動手段
12 昇降手段
100 過重力環境付与トレーニング施設(トレーニング施設)
A 利用者(競技者)