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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】サクソフォン
(51)【国際特許分類】
   G10D 9/00 20200101AFI20220905BHJP
   G10D 7/08 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
G10D9/00
G10D7/08
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018194883
(22)【出願日】2018-10-16
(65)【公開番号】P2020064134
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】591284036
【氏名又は名称】柳沢管楽器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】村越 聖
【審査官】山下 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-350036(JP,A)
【文献】特開2002-304172(JP,A)
【文献】特開2007-316562(JP,A)
【文献】特開2009-25360(JP,A)
【文献】実開昭60-68593(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0277666(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10D 7/08,9/00
G10G 5/00-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のトーンホールが形成され、上流側端部にマウスピースが取付けられた管体と、
前記管体に移動可能に支持されて前記トーンホールを開閉する複数のキーと、
前記キーの移動経路を避けて前記トーンホールの近傍に設けられた反響板とを備え、
前記反響板は、
演奏姿勢において前記トーンホールの後方に位置して前方を指向する後側反射部と、
演奏姿勢において前記トーンホールの下方に位置して上方を指向する下側反射部とを有していることを特徴とするサクソフォン。
【請求項2】
請求項1記載のサクソフォンにおいて、
前記管体は、前記マウスピースが上流側端部に取付けられた吹込管と、この吹込管の下流側端部に上流側端部が接続された2番管と、この2番管の下流側端部に上流側端部が接続されたU字状の1番管と、この1番管の下流側端部に接続されたベルとを備え、
前記1番管の屈曲部は、前記トーンホールの近傍にキーガードを有し、
前記反響板は、前記キーガードに設けられていることを特徴とするサクソフォン。
【請求項3】
請求項2記載のサクソフォンにおいて、
前記キーガードは、前記1番管から側方に向けて突出するステーを有し、
前記反響板は、
前記後側反射部および前記下側反射部を含む板状に形成されて前記ステーに被せられた本体と、
前記本体と協働して前記ステーを挟む取付片と、
前記本体を貫通して前記取付片に螺着した締付用ねじとを有し、
前記反響板が前記取付片と締付用ねじとからなる取付構造によって前記ステーに着脱可能に取付けられていることを特徴とするサクソフォン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反響板を備えたサクソフォンに関する。
【背景技術】
【0002】
反響板を備えた従来のサクソフォンとしては、例えば特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に開示された反響板は、サクソフォンのトーンホールを開閉するキーの内面(タンポ)に設けられている。このサクソフォンによれば、キーの内面が前方を指向するようにキーが開くことによって、トーンホールから出た音の一部が反響板によって反射して前方へ伝播する。
ところで、サクソフォンを演奏するにあたっては、サクソフォンから出た音を演奏者が自らの耳で聴いて確かめながら行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-350036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された反響板の効果は、トーンホールの位置やキーの開く方向、角度などの影響を受ける。特に、キーがトーンホールを開くときに大きく傾斜しないような場合は、この反響板で音を前方に反射させることは難しい。
また、この反響板は、キーの内面が指向する方向に音が反射するものであるから、音を演奏者の耳に向けて反射させることはできないものである。
このため、キーに依存することなく音が確実に前方に響く反響板や、演奏者が聴き易くなるように音を反射させることが可能な反響板が要請されている。
【0005】
本発明の目的は、トーンホールから出た音が前方に響き易くなるとともに演奏者の耳にも届き易いサクソフォンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明に係るサクソフォンは、複数のトーンホールが形成され、上流側端部にマウスピースが取付けられた管体と、前記管体に移動可能に支持されて前記トーンホールを開閉する複数のキーと、前記キーの移動経路を避けて前記トーンホールの近傍に設けられた反響板とを備え、前記反響板は、演奏姿勢において前記トーンホールの後方に位置して前方を指向する後側反射部と、演奏姿勢において前記トーンホールの下方に位置して上方を指向する下側反射部とを有しているものである。
【0007】
本発明は、前記サクソフォンにおいて、前記管体は、前記マウスピースが上流側端部に取付けられた吹込管と、この吹込管の下流側端部に上流側端部が接続された2番管と、この2番管の下流側端部に上流側端部が接続されたU字状の1番管と、この1番管の下流側端部に接続されたベルとを備え、前記1番管の屈曲部wは、前記トーンホールの近傍にキーガードを有し、前記反響板は、前記キーガードに設けられていてもよい。
【0008】
本発明は、前記サクソフォンにおいて、前記キーガードは、前記1番管から側方に向けて突出するステーを有し、前記反響板は、前記後側反射部および前記下側反射部を含む板状に形成されて前記ステーに被せられた本体と、前記本体と協働して前記ステーを挟む取付片と、前記本体を貫通して前記取付片に螺着した締付用ねじとを有し、前記反響板が前記取付片と締付用ねじとからなる取付構造によって前記ステーに着脱可能に取付けられていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る反響板の後側反射部は、トーンホールから後方に伝播された音を前方に向けて反射させる。反響板の下側反射部は、トーンホールから下方に伝播された音を上方に向けて反射させる。このため、トーンホールから前方に伝播された音と、後方に伝播されて反響板で反射した音とが前方に向けて響くようになり、しかも、トーンホールから上方に伝播された音と、下方に伝播されて反響板で反射した音とが上方に響くようになって演奏者の耳に届き易くなる。
したがって、本発明によれば、トーンホールから出た音が前方に響き易くなるとともに演奏者の耳にも届き易いサクソフォンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るサクソフォンの側面図である。
図2】1番管を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
図3】1番管を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
図4】第2のキーガードと反響板の斜視図である。
図5】反響板を取付けた1番管を斜め下方から見た状態を示す斜視図である。
図6】要部の断面図である。
図7】反響板を第2のキーガードに取付ける手順を説明するための斜視図である。
図8】反響板を第2のキーガードに取付ける手順を説明するための斜視図である。
図9】サクソフォンの演奏姿勢を示す側面図である。
図10】演奏姿勢にあるサクソフォンの要部を拡大して示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るサクソフォンの一実施の形態を図1図10を参照して詳細に説明する。
図1に示すサクソフォン1は、アルトサクソフォンで、マウスピース2を除く管体3が真鍮によって形成されたものである。以下において、このサクソフォン1の構成を説明するうえで方向を示すにあたっては、便宜上、演奏者A(図参照)がサクソフォンを持って演奏姿勢をとった状態において、演奏者Aから見た方向で説明する。
【0012】
管体3は、マウスピース2が上流側端部に取付けられた吹込管4と、この吹込管4の下流側端部が上流側端部に接続された2番管5と、この2番管5の下流側端部が上流側端部に接続されたU字状の1番管6と、この1番管6の下流側端部に接続されたベル7とによって構成されている。この管体3には#1~#25番トーンホールと、管体3に移動可能に支持されて#1~#25番トーンホールを開閉する第1~第25のキー11~35などが設けられている。図1は第1~第25のキー11~35を操作するための操作機構や操作系の部品を省略して描いてある。
【0013】
管体3の下部には第1~第3のキーガード41~43が設けられている。第1のキーガード41は、ベル7の上流部の右側に取付けられており、第1のキー11と、第2のキー12とを右斜め前方から覆うように構成されている。第2のキーガード42は、1番管6の屈曲部6aの右側に取付けられ、第4のキー14を右斜め下方から覆うように構成されている。この第2のキーガード42には、本発明に係る反響板44が取付けられている。この反響板44の説明は後述する。
第3のキーガード43は、1番管6の上流側端部の後側に取付けられており、第5のキー15を左斜め後方から覆うように構成されている。
【0014】
これらの第1~第3のキーガード41~43は、主に次の3つの機能を有している。第1の機能は、演奏者Aの衣服がキー(第1、第2、第4および第5のキー11,12,14,15)に接触することを防ぐ機能である。第2の機能は、キーを保護する機能である。第3の機能は、キーの開方向への移動を規制する機能である。第1~第3のキーガード41~43は、管体3への取付位置が異なるものの、いずれも同じ構造となるように形成されている。このため、ここでは第2のキーガード42について説明し、第1および第3のキーガード41,43については図1に第2のキーガード42と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0015】
第2のキーガード42は、図2および図3に示すように、第1~第3のステー45~47と、これらの第1~第3のステー45~47に接続されたカバー48とを備えている。この実施の形態による第1~第3のキーガード41~43は、図示していない板状の母材にプレス加工を施すことによって所定の形状に成形されている。すなわち、第1~第3のステー45~47とカバー48とは一体に形成されている。第1~第3のキーガード41~43を形成する材料は真鍮である。
【0016】
図2および図3は、第2のキーガード42から後述する反響板44を取外した状態で描いてある。第2のキーガード42の第1~第3のステー45~47は、1番管6に設けられたブラケット49~51にそれぞれ取付ねじ52によって取付けられており、1番管6から右側方(図2および図3においては上方)に突出している。これらの第1~第3のステー45~47には、穴53~55が形成されている。第1~第3のステー45~47のうち、中央に位置する第2のステー46の穴54は、1番管6から離れるにしたがって次第に開口幅が広くなるように形成されている。このため、第2のステー46には、V字状を呈する二股部56が形成されている。
【0017】
第2のキーガード42のカバー48は、図1に示すように、右側方から見て第4のキー14の下部と重なるように略円弧状に形成されており、第4のキー14から右側方に所定の間隔だけ離れて位置付けられている。カバー48の外周部48a(図6参照)は、断面円弧状に丸められている。
上述した第1のステー45は、カバー48の前端部に接続され、第2のステー46は、カバー48の中央部に接続され、第3のステー47は、カバー48の後端部に接続されている。第2のキーガード42は、第2のステー46が1番管6の屈曲部6aの頂点に接続されるように1番管6に取付けられている。このように第2のキーガード42が1番管6に取付けられることにより、図1に示すように、円弧状のカバー48の凸になる方向と、1番管6の屈曲部6aが突出する方向とが略同じ方向になる。この方向は、2番管の延びる方向と略平行である。
【0018】
カバー48の両側には、穴57,58が形成されている。カバー48の中央部であって、第4のキー14と対向する部分には、緩衝部材59(図3参照)が設けられている。この緩衝部材59は、第4のキー14が全開位置まで開いたときに第4のキー14の円形の端面14aと接触し、第4のキー14がそれ以上開くことを規制するものである。
第1のキーガード41のカバー48には、図示してはいないが、第1のキー11と接触する緩衝部材と、第2のキー12と接触する緩衝部材とが設けられている。第3のキーガード43には第5のキー15と接触する緩衝部材59(図1参照)が設けられている。
【0019】
反響板44は、#4番トーンホールから出た音の一部を所定の方向に反射させるためのものである。この反響板44は、図1に示すように、第2のキーガード42を下方から覆う形状に形成されており、第2のキーガード42の第2のステー46に後述する取付構造61(図4参照)によって着脱可能に取付けられている。すなわち、反響板44は、第4のキー14の移動経路を避けて#4番トーンホールの近傍に設けられている。
【0020】
この実施の形態による反響板44は、真鍮製の板からなる本体62に後述する取付構造61の構成部品を取付けて形成されている。本体62は、図5に示すように、第2のキーガード42の第1~第3のステー45~47とカバー48の外周部48aに被せることができる形状に形成されている。詳述すると、本体62は、図1に示すように、サクソフォン1の右側方から見て円弧状に形成されている。この本体62の右側の端部62a(図5においては上側の端部であって、カバー48の外周部48aに近接する部分)は、図6に示すように、カバー48の外周部48aに沿うように湾曲している。
【0021】
本体62をサクソフォン1の下方から見た形状は、角が丸められた長方形である。この実施の形態による本体62は、平板からなる母材(図示せず)にプレス加工を施し、最終的な湾曲した形状に成形されている。成形後の本体62には、表面処理が施される。この表面処理は、研磨と、塗装あるいはメッキ処理などである。メッキ処理としては、例えば銀メッキや金メッキなどが行われる。反響板44の本体62の材質や、塗装時の塗膜の厚み、メッキ処理で使う金属材料の種類、メッキ膜の厚みなどを変えることにより、反響板44で反射する音の音色や響き方を変えることができる。
【0022】
反響板44の本体62を第2のキーガード42に取付ける取付構造61は、図4に示すように、本体62の内面62bにはんだ付けによって固着された取付片63と、この取付片63に螺着した締付用ねじ64とによって構成されている。この実施の形態による取付片63と締付用ねじ64は、真鍮によって形成されている。
取付片63は、本体62の長手方向(周方向)の中央部に配置されている。この取付片63は、本体62の長手方向とは直交する方向に長く形成されており、本体62の右側の端部62aに近接する一端部63aにおいて本体62に取付けられている。
【0023】
取付片63の他端部63bは、本体62の内面62bとの間に所定の隙間が生じるように内面62bから離れている。この所定の隙間は、図6に示すように、本体62と取付片63の他端部63bとの間に第2のステー46の二股部56を挟むことができる隙間である。
締付用ねじ64は、図6に示すように、本体62の貫通孔65に通されて本体62を貫通し、取付片63の他端部63bに螺着している。
【0024】
反響板44を第2のキーガード42に取付けるためには、先ず、図7に示すように、反響板44を第2のキーガード42に下方から重ね、取付片63の他端部63bを第2のステー46の二股部56によって形成された穴54に挿入する。次に、図8に示すように、取付片63の他端部63bと本体62との間に二股部56が挟み込まれるように反響板44を第2のキーガード42に対してスライドさせる。そして、反響板44が第2のキーガード42と重なった状態で締付用ねじ64を締め込み、本体62と取付片63の他端部63bとを二股部56に押し付ける。このように二股部56が本体62と取付片63とによって挟まれて締結されることにより、反響板44が第2のキーガード42に固定される。
反響板44を第2のキーガード42から取外す場合は、上記とは逆の手順で行うことができる。
【0025】
このように反響板44が第2のキーガード42に取付けられたサクソフォン1を演奏者Aが持って演奏するときは、図9に示すように、2番管5の上端が下端より前方に位置付けられてサクソフォン1が傾斜するようになる。この演奏姿勢においては、図10に示すように、反響板44が#4番トーンホールの後方と下方とに位置するようになる。この実施の形態においては、反響板44における#4番トーンホールより後方に位置する部位を後側反射部44aといい、本体62における#4番トーンホールより下方に位置する部位を下側反射部44bという。
【0026】
後側反射部44aは、#4番トーンホールより後方に位置して前方を指向するようになり、#4番トーンホールから後方に伝播された音を前方に向けて反射させる。また、下側反射部44bは、#4番トーンホールの下方に位置して上方を指向するようになり、#4番トーンホールから下方に伝播された音を上方に向けて反射させる。
【0027】
このため、#4番トーンホールから前方に伝播された音と、後方に伝播されて後側反射部44aで反射した音とが前方に向けて響くようになる。また、#4番トーンホールから上方に伝播された音と、下方に伝播されて下側反射部44bで反射した音とが上方に響くようになって演奏者Aの耳に届き易くなる。
したがって、この実施の形態によれば、#4番トーンホールから出た音が前方に響き易くなるとともに演奏者Aの耳にも届き易いアルトサクソフォンを提供することができる。
【0028】
この実施の形態によるサクソフォン1の管体3は、マウスピース2が上流側端部に取付けられた吹込管4と、この吹込管4の下流側端部に上流側端部が接続された2番管5と、この2番管5の下流側端部に上流側端部が接続されたU字状の1番管6と、この1番管6の下流側端部に接続されたベル7とを備えている。
1番管6の屈曲部6aは、#4番トーンホールの近傍に第2のキーガード42を有している。反響板44は、この第2のキーガード42に設けられている。
【0029】
このため、反響板44を1番管6に取付けるにあたって専用のブラケットが不要である。このように既存の部品である第2のキーガード42を使用して反響板44を保持しているから、1番管6の音響性能を損なうことなく反響板44を装備することができる。
#4トーンホールの近傍に設けられた反響板44は、#7番トーンホールから出た音(ファ)や#6番トーンホールから出た音(ミ)も反射させることができる。このため、このサクソフォン1においては、中低音が良く響くようになる。
【0030】
この実施の形態による1番管6の第2のキーガード42は、1番管6から側方に向けて突出する第1~第3のステー45~47を有している。反響板44は、後側反射部44aおよび下側反射部44bを含む板状に形成されて第1~第3のステー45~47に被せられた本体62と、本体62と協働して第2のステー46を挟む取付片63と、本体62を貫通して取付片63に螺着した締付用ねじ64とを有している。反響板44は、取付片63と締付用ねじ64とからなる取付構造61によって第2のステー46に着脱可能に取付けられている。
このため、反響板44が不必要になったときに反響板44を第2のキーガード42から簡単に取外すことができるから、使い勝手がよいサクソフォンを提供することができる。また、反響板44を本体62の材質、表面処理などが異なるものと交換することができるから、音響効果が異なる反響板44を使用して吹き心地や音色の異なるサクソフォンを実現することができる。
【0031】
この実施の形態による反響板44は第2のキーガード42の第2のステー46に取付けられている。しかし、反響板44は、第1のステー45に取付けたり、第3のステー47に取付けることができるし、第1のステー45および第3のステー47に取付けることができる。
【0032】
上述した実施の形態によるサクソフォン1は、反響板44が第2のキーガード42に設けられている。しかし、本発明はこのような限定にとらわれることなく、反響板44を#1番トーンホールや#2番トーンホールから出た音が反射するように第1のキーガード41に設けたり、#5番トーンホールから出た音が反射するように第3のキーガード43に設けることができる。また、本発明に係る反響板44は、第1~第3のキーガード41~43ではなく、管体3に立てて設けられたブラケット(図示せず)に取付けることも可能である。
また、上述した実施の形態は本発明に係る反響板44をアルトサクソフォンに設ける例を示したが、この反響板44は他のサクソフォン(テナー、バリトン、カーブドソプラノ)にも設けることができる。
【符号の説明】
【0033】
1…サクソフォン、2…マウスピース、3…管体、4…吹込管、5…2番管、6…1番管、6a…屈曲部、7…ベル、11~35…第1~第25のキー、41…第1のキーガード、42…第2のキーガード、43…第3のキーガード、44…反響板、44a…後側反射部、44b…下側反射部、46…第2のステー、61…取付構造、62…本体、63…取付片、64…締付用ねじ、#1~#25…トーンホール。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10