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特許7134485ソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】ソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具
(51)【国際特許分類】
   A01M 29/32 20110101AFI20220905BHJP
   E04D 13/18 20180101ALI20220905BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20220905BHJP
【FI】
A01M29/32
E04D13/18 ETD
H02S20/23 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019018775
(22)【出願日】2019-02-05
(65)【公開番号】P2020124162
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】591042322
【氏名又は名称】ニイガタ製販株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(74)【代理人】
【識別番号】100201237
【氏名又は名称】吉井 将太郎
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 悦久
【審査官】川野 汐音
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-123005(JP,A)
【文献】登録実用新案第3174173(JP,U)
【文献】特開平5-280168(JP,A)
【文献】米国特許第5765319(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00-99/00
E04D 13/18
H02S 20/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根上に設置されているソーラーパネルの外枠部に取付けられることによって、屋根上面とソーラーパネル下面の間の隙間に鳥類が侵入することを防止するソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具であって、屋根上面とソーラーパネルの外枠部の下面の間の前記隙間に配設される囲い部材と、この囲い部材をソーラーパネルの外枠部に沿設状態で取付けるための取付部材とを備え、前記囲い部材は、ソーラーパネルの外枠部に沿った長さを有する長尺状本体に、下端が屋根上面と近接若しくは当接する垂下長を有する防鳥ピンが垂設されていると共に、この防鳥ピンが、長尺状本体の長さ方向に小間隔を置いて多数並設状態に垂設されており、前記取付部材は、ソーラーパネルの外枠部の下面に沿設可能な板状基体の上部に、前記外枠部に板状基体を沿設取付け可能なパネル取付部が設けられていると共に、板状基体の下部に、前記囲い部材の長尺状本体を下方から取付可能な囲い取付部が設けられていることを特徴とするソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具。
【請求項2】
前記囲い部材の防鳥ピンは、前記長尺状本体の長さ方向に25mm以下の間隔を置いて多数並設状態に設けられていることを特徴とする請求項1記載のソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具。
【請求項3】
前記囲い部材の防鳥ピンは、切断工具で切断可能な天然樹脂製若しくは合成樹脂製であることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具。
【請求項4】
前記取付部材は、前記板状基体の上部に、ソーラーパネルの外枠部の下部に挟着取付け可能なクリップ部が設けられて、このクリップ部が前記パネル取付部として構成され、前記板状基体の下部に、前記囲い部材を圧入取付け可能な圧入部が設けられて、この圧入部が前記囲い取付部として構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具。
【請求項5】
前記囲い部材は、金属製の前記長尺状本体と、多数の前記防鳥ピンを有する天然樹脂製若しくは合成樹脂製のピン構成部材とから成り、前記長尺状本体に設けられている多数のピン通し孔に、前記ピン構成部材の多数の防鳥ピンが差込み装着されることで、長尺状本体に多数の防鳥ピンが並設状態に垂設されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屋根とソーラーパネルの間の隙間に鳥類が侵入して巣作りすることを防止するソーラーパネル設備屋根用鳥類侵入防止具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家屋等の建物の屋根に設置されるソーラーパネルは、固定金具や支持架台を介して屋根上に設置されるため、その下面と屋根上面との間に隙間が生じており、この隙間に鳥類が侵入して巣作りしてしまうことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
鳥類に巣作りされたソーラーパネル設置屋根は、獣臭がしたり糞で汚れたりして不衛生となったり、卵をねらって蛇などが寄ってきやすくなるなどの弊害がでる。
【0004】
これを防止するためには、単純にソーラーパネル下の隙間を壁などで塞いでしまえば良いのではないかとも思えるが、ソーラーパネル下の隙間を塞いでしまうと風通しが悪くなり、隙間に熱が籠り易くなって発電効率が落ちてしまうので良策とは言えない。
【0005】
本発明は、このような問題点に注目し、これを解決しようとするためのもので、ソーラーパネルの外枠部に取付けることにより、ソーラーパネル下の隙間の風通しを確保しつつ隙間への鳥類の侵入を防止できるソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
屋根1上に設置されているソーラーパネル2の外枠部3に取付けられることによって、屋根1上面とソーラーパネル2下面の間の隙間4に鳥類が侵入することを防止するソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具であって、屋根1上面とソーラーパネル2の外枠部3の下面の間の前記隙間4に配設される囲い部材Aと、この囲い部材Aをソーラーパネル2の外枠部3に沿設状態で取付けるための取付部材Bとを備え、前記囲い部材Aは、ソーラーパネル2の外枠部3に沿った長さを有する長尺状本体5に、下端が屋根1上面と近接若しくは当接する垂下長を有する防鳥ピン6が垂設されていると共に、この防鳥ピン6が、長尺状本体5の長さ方向に小間隔を置いて多数並設状態に垂設されており、前記取付部材Bは、ソーラーパネル2の外枠部3の下面に沿設可能な板状基体7の上部に、前記外枠部3に板状基体7を沿設取付け可能なパネル取付部8が設けられていると共に、板状基体7の下部に、前記囲い部材Aの長尺状本体5を下方から取付可能な囲い取付部9が設けられていることを特徴とするソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具に係るものである。
【0008】
また、前記囲い部材Aの防鳥ピン6は、前記長尺状本体5の長さ方向に25mm以下の間隔を置いて多数並設状態に設けられていることを特徴とする請求項1記載のソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具に係るものである。
【0009】
また、前記囲い部材Aの防鳥ピン6は、切断工具で切断可能な天然樹脂製若しくは合成樹脂製であることを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載のソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具に係るものである。
【0010】
また、前記取付部材Bは、前記板状基体7の上部に、ソーラーパネル2の外枠部3の下部に挟着取付け可能なクリップ部8が設けられて、このクリップ部8が前記パネル取付部8として構成され、前記板状基体7の下部に、前記囲い部材Aを圧入取付け可能な圧入部9が設けられて、この圧入部9が前記囲い取付部9として構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具に係るものである。
【0011】
また、前記囲い部材Aは、金属製の前記長尺状本体5と、多数の前記防鳥ピン6を有する天然樹脂製若しくは合成樹脂製のピン構成部材10とから成り、前記長尺状本体5に設けられている多数のピン通し孔11に、前記ピン構成部材10の多数の防鳥ピン6が差込み装着されることで、長尺状本体5に多数の防鳥ピン6が並設状態に垂設されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具に係るものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は上述のように構成したから、屋根上に設置されているソーラーパネルの外枠部に取付部材を介して囲い部材を取付けでき、囲い部材に垂設されている多数の防鳥ピンで屋根上面とソーラーパネル下面との間の隙間に鳥類が侵入することを防止でき、また、小間隔を置いて並設する防鳥ピン間は通気性が確保されているので前記隙間を風が抜け易く、ソーラーパネルの発電効率の低下も前記隙間の塵溜まりも生じにくいなど、極めて実用性に優れたソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具となる。
【0013】
また、請求項2記載の発明においては、多数の防鳥ピンの並設間隔を25mm以下に設定したから、屋根上面とソーラーパネル下面との間の隙間に鳥類が侵入することを確実に防止できる一層実用性に優れた構成のソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具となる。
【0014】
また、請求項3記載の発明においては、前記作用・効果を発揮する防鳥ピンを簡易に設計実現可能となると共に、屋根の形状に応じて防鳥ピンを切断することが可能となるなど、一層実用性に優れた構成のソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具となる。
【0015】
また、請求項4記載の発明においては、ソーラーパネルの外枠部に確実に取付け可能で且つ囲い部材の長尺状本体を確実に取付け可能な取付部材を、簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成のソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具となる。
【0016】
また、請求項5記載の発明においては、多数の防鳥ピンを有するピン構成部材を樹脂成型により簡易に設計実現可能となると共に、長尺状本体に多数の防鳥ピンが小間隔を置いて多数並設状態に垂設されている囲い部材を簡易に設計実現可能となり、しかも、長尺状本体が強度のある金属製であるため、ソーラーパネルの外枠部に沿った長さを有するものでありながら外枠部への取付け作業が容易に行われると共に、取付け後も長尺状本体が撓み変形することなく多数の防鳥ピンが確実に鳥類侵入を防止する防護柵として機能することになるなど、一層実用性に優れた構成のソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施例の使用状態を示す概略説明斜視図である。
図2】本実施例の囲い部材と取付部材を示す、囲い部材の一部を省略した分解斜視図である。
図3】本実施例の囲い部材を示す一部を省略した分解斜視図である。
図4】本実施例の取付部材を、ソーラーパネルの外枠部に対して取付けようとする状態を示す説明斜視図である。
図5】本実施例の囲い部材を、ソーラーパネルの外枠部に取付けられている取付部材の圧入部に圧入しようとする状態を示す外枠部を切欠いた説明側面図である。
図6図5に続いて、囲い部材を取付部材の圧入部に圧入して取付ボルトで固定した状態を示す外枠部を切欠いた説明側面図である。
図7図6の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0019】
屋根1上に設置されているソーラーパネル2の外枠部3の下面に、板状基体7を沿設させて上部のパネル取付部8を外枠部3に取付けると、取付部材Bが外枠部3に取付けられる。
【0020】
この外枠部3に取付けられた取付部材Bの下部の囲い取付部9に、囲い部材Aの長尺状本体5を下方から取付けると、取付部材Bを介して囲い部材Aがソーラーパネル2の外枠部3に取付けられて囲い部材Aが屋根1上面とソーラーパネル2下面との間の隙間4に配設され、長尺状本体5の下部に垂設されている防鳥ピン6の下端が屋根1上面と近接若しくは当接することになる。
【0021】
即ち、長尺状本体5の長さ方向に小間隔を置いて多数並設状態に設けられている防鳥ピン6が、屋根1上面とソーラーパネル2下面との間の隙間4にソーラーパネル2外部から鳥類が侵入しようとすることを防ぐ防護柵として機能する。
【0022】
また、小間隔を置いて並設する防鳥ピン6間は通気性が確保されているので、ソーラーパネル2下の隙間4の風通しは良好で、発電効率の低下を生じにくく、隙間4に塵なども溜まりにくい。
【0023】
尚、予め囲い部材Aを取付部材B(の囲い取付部9)に取付けておいてから、取付部材Bをソーラーパネル2の外枠部3に取付けるようにしても良い。
【実施例
【0024】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0025】
本実施例は、屋根1上に設置されているソーラーパネル2の外枠部3に取付けることによって、屋根1上面とソーラーパネル2下面の間の隙間4に鳥類が侵入することを防止するソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具に係るものである。尚、図1は、縦葺き屋根1上に固定金具24を介して複数のソーラーパネル2が並設状態に設置されているソーラーパネル設置屋根を示しているが、縦葺き屋根1以外のソーラーパネル設置屋根に対しても、本実施例は使用可能である。
【0026】
本実施例のソーラーパネル設置屋根用鳥類侵入防止具は、屋根1上面とソーラーパネル2の外枠部3の下面の間の前記隙間4に配設される囲い部材Aと、この囲い部材Aをソーラーパネル2の外枠部3に沿設状態で取付けるための取付部材Bとを備えている。
【0027】
具体的には、本実施例の囲い部材Aは、ソーラーパネル2の外枠部3に沿った長さを有する長尺状本体5に、下端が屋根1上面と近接若しくは当接する垂下長を有する防鳥ピン6が垂設されていると共に、この防鳥ピン6が、長尺状本体5の長さ方向に小間隔を置いて多数並設状態に垂設されている。
【0028】
また、この囲い部材Aは、金属製の前記長尺状本体5と、多数の前記防鳥ピン6を有する合成樹脂製のピン構成部材10とから成り、前記長尺状本体5に設けられている多数のピン通し孔11に、前記ピン構成部材10の多数の前記防鳥ピン6が差込み装着されることで、長尺状本体5に多数の防鳥ピン6が並設状態に垂設されている。尚、ピン構成部材10は、天然樹脂製でも良い。
【0029】
長尺状本体5は、アルミ製若しくはアルミ合金製であって、図2図3に示すように、押し出し成形により上下に平坦面を具備する帯板状に成形されている。尚、本実施例では、以下、説明の都合上この長尺状本体5の長さ方向を左右方向と定めて説明する。
【0030】
また、この長尺状本体5は、上面が、後述する取付部材Bの板状基体7の下面に沿設させる沿設板部12として構成されている。
【0031】
また、この長尺状本体5の前端縁部には、この前端縁部の左右幅いっぱいに(長尺状本体5の全長にわたって)下方へ垂下突出する凸条13が一体成形されて、この前側の凸条13が長尺状本体5の補強作用を発揮するように構成されている。
【0032】
また、この長尺状本体5の沿設板部12の前側と中ほどに、この長尺状本体5の長さ方向に沿った長さを有する凹条14が間隔を置いて二条形成(成形)され、この前後の凹条14夫々に、小間隔を置いた並設状態で多数の前記ピン通し孔11が貫通形成されている(図3参照)と共に、このピン通し孔11は、前側の凹条14で隣接するピン通し孔11の間に、後側の凹条14のピン通し孔11が位置するように配置されている。
【0033】
一方、前記ピン構成部材10は、切断工具で切断可能な例えば、ポリエチレン製に構成されていて、例えば、ソーラーパネル2が設置されている折板屋根などでの使用の際には、屋根形状(凹凸形状)に応じて防鳥ピン6を切断することにより全ての防鳥ピン6下端が屋根1上面と近接若しくは当接状態となるように調整可能に構成されている。
【0034】
更に詳しくは、ピン構成部材10は、前記長尺状本体5と同等の長さを有し前記凹条14に嵌合可能で嵌合時に上面が前記沿設板部12と略面一状態となる形状の帯板材23に、前記ピン通し孔11の隣接間隔に対応する間隔を置いて角柱状の前記防鳥ピン6が多数垂設する形状に一体成形されており、このピン構成部材10を、多数の防鳥ピン6を前記ピン通し孔11に挿通して帯板材23を凹条14に嵌合させることにより、ピン構成部材10が長尺状本体5に取付けられるように構成されている。そして、二体のピン構成部材10を前後の凹条14夫々に取り付けると、前列の隣接する防鳥ピン6間に後列の防鳥ピン6が位置するように配置された囲い部材Aが形成されるように構成されている。
【0035】
また、この防鳥ピン6は、長尺状本体5の長さ方向に25mm以下(好ましくは20mm以下)の間隔を置いて多数並設状態に設けられていると共に、前後の並設間隔も、25mm以下(好ましくは20mm以下)となるように、ピン構成部材10の形状、並びにピン通し孔11の並設間隔等が設定構成されている。出願人の試作実験によると、防鳥ピン6間の間隔をこのように設定すると、鳥類の侵入を防止できることが確認されている。
【0036】
本実施例の取付部材Bは、ソーラーパネル2の外枠部3の下面に沿設可能な板状基体7の上部に、前記外枠部3に板状基体7を沿設取付け可能なパネル取付部8が設けられていると共に、板状基体7の下部に、前記囲い部材Aの長尺状本体5を下方から取付可能な囲い取付部9が設けられている。
【0037】
具体的には、板状基体7は、金属製(例えば、ステンレス製)であって、前記囲い部材Aの長尺状本体5の長さ方向と直交する前後方向に長さを有する帯板状体に構成されている。
【0038】
また、この板状基体7の後端部が上方へ側面視で転U字状に折曲されてソーラーパネル2の外枠部3の下板部22に上下から挟着取付け可能なクリップ部8に形成され、このクリップ部8が前記パネル取付部8として構成されている(図2図4参照)。
【0039】
即ち、このクリップ部8をソーラーパネル2外枠部3の下板部22の内側縁より内側に配して板状基体7の上面を下板部22に沿わせた後、取付部材Bを外枠部3に対し外側に移動させると、下板部22がその内側縁からクリップ部8内に挿入されて下板部22がクリップ部8に上下から挟持され、これによって取付部材Bが外枠部3の下部に沿設状態に取付けられるように構成されている(図5図6参照)。
【0040】
また、このクリップ部8は、その折曲先端側が折り返し部に向かって尖鋭状に突出する形状の喰い込み部15を有する形状に形成されていて、このクリップ部8が外枠部3の下板部22からソーラーパネル2内側に抜け外れようとすると、喰い込み部15が外枠部3の下板部22に喰い込み係止して抜け外れ阻止されように構成されている(図4図6参照)。
【0041】
また、この板状基体7の後部寄りに切り出し片が下方へ切り出されていると共に、この切り出し片がL字状に折曲されて、このL状切り出し片16と板状基体7の下面との間の空間部が、前記囲い部材Aの長尺状本体5の後端縁部を嵌合する嵌合部25として構成されている一方、板状基体7の前端部が下方へ略直角に垂下折曲されてこの前端垂下板部17が、嵌合部25に後端縁部を嵌合させて前記沿設板部12を板状基体7下面に沿設させた長尺状本体5の前記凸条13の前面を支承する支承板部17として構成されている。
【0042】
また、更にこの支承板部17の下部を嵌合部25側に向かって突出するようにく字状に折曲形成してこのく字状折曲部18が前記凸条13の下端部に係止する係止凸部18として構成されており、前記囲い部材Aの下端縁部を前記嵌合部25に嵌合させつつ図5の矢印のように取付部材Bに対し囲い部材Aを押し上げると、前記支承板部17が前方へ撓んで前記凸条13が前記係止凸部18を乗り越えて圧入され、前記沿設板部12が板状基体7の下面に沿設すると共に、係止凸部18が凸条13の下端に配設して取付部材Bに対し囲い部材Aが脱落防止状態で取付けられ、外枠部3の下板部22の下面に囲い部材Aが近接配設して外枠部3の下方に多数の防鳥ピン6が垂設する状態で囲い部材Aが間隙部4に配設するように構成されている(図6図7参照)。
【0043】
また、L状切り出し片16の前端部が斜め下方へ折曲形成されて、圧入の際に長尺状本体5の後端縁部を嵌入し易くなるように構成されていると共に、長尺状本体5の前端縁の上部が面取り加工されて、この面取り部が係止凸部18を乗り越えて圧入し易くなるように構成されている(図5参照)。
【0044】
即ち、本実施例は、前記嵌合部25と、係止凸部18を有する前記支承板部17とで前記圧入部9(囲い取付部9)が構成されている。
【0045】
また、本実施例では、前記支承板部17にボルト通し孔19が形成され、このボルト通し孔19に対応させて前記凸条13の前面の所定箇所に雌螺子孔20が形成されて、このボルト通し孔19と雌螺子孔20の位置を合わせてボルト通し孔19から取付ボルト21を通して雌螺子孔20に螺着することにより、取付部材Bに対して囲い部材Aを強固な脱落防止状態に取付け固定できるように構成されている(図2図6図7参照)。
【0046】
囲い部材Aの長さに応じた適当数のこの取付部材Bを用いてソーラーパネル2の外枠部3に囲い部材Aを確固に取付け、屋根1上に複数並設設置されているソーラーパネル2の外周部を囲い部材Aで囲うと、鳥類の侵入防止効果が得られる。また、多数の防鳥ピン6間は通気性が確保されているので、ソーラーパネル2下の隙間4の風通しは良好で、発電効率の低下を生じにくく、隙間4に塵なども溜まりにくい。
【0047】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0048】
1 屋根
2 ソーラーパネル
3 外枠部
4 隙間
5 長尺状本体
6 防鳥ピン
7 板状基体
8 パネル取付部・クリップ部
9 囲い取付部・圧入部
10 ピン構成部材
11 ピン通し孔
A 囲い部材
B 取付部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7