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特許7134494水準器携帯装置及び水準器携帯装置の使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】水準器携帯装置及び水準器携帯装置の使用方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 9/32 20060101AFI20220905BHJP
   G01D 11/30 20060101ALI20220905BHJP
   B25H 3/00 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
G01C9/32
G01D11/30 C
B25H3/00 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020078110
(22)【出願日】2020-04-27
(65)【公開番号】P2021173653
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2021-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】591006634
【氏名又は名称】株式会社エビス
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】丸山 清
【審査官】國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-191090(JP,A)
【文献】実開昭60-000967(JP,U)
【文献】登録実用新案第3163381(JP,U)
【文献】特開2020-165860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 9/18 - 9/36
G01B 3/10 - 3/1094
G01D 11/30
B25H 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水準器 と、この水準器に設けられる係合部と、この係合部と係合する被係合部が設けられたホルダーとからなる水準器携帯装置であって、前記係合部は前記水準器の操作部が備えられた表面に設けられ、この係合部が設けられた前記水準器は、前記係合部と前記被係合部とが係合することで前記ホルダーに前記表面が内側となる状態で保持されるように構成されていることを特徴とする水準器携帯装置。
【請求項2】
請求項1記載の水準器携帯装置において、前記操作部と前記係合部との位置関係は、使用者が前記ホルダーから前記水準器を片手で取り出し把持した状態において、この水準器を把持している手の指で操作し得る位置関係に設定されていることを特徴とする水準器携帯装置。
【請求項3】
請求項2記載の水準器携帯装置において、前記操作部は前記水準器を把持している手の親指で操作し得る位置に設けられていることを特徴とする水準器携帯装置。
【請求項4】
請求項1~3いずれか1項に記載の水準器携帯装置において、前記ホルダーは、このホルダーを使用者の腰部に装着するための装着手段が設けられるホルダー本体部を備え、このホルダー本体部には、前記係合部が上方から下方に向かってスライド挿入される前記被係合部と、この被係合部にスライド挿入された前記係合部に係脱自在に係止して該係合部の上方への抜脱移動を阻止する抜脱阻止部と、この抜脱阻止部の前記係合部に対する係止状態を解除する係止解除操作部とを備え、この係止解除操作部は、前記抜脱阻止部が前記係合部に係止することにより前記ホルダーに保持されている前記水準器の下部を使用者が片手の親指以外の指で下方から支持した状態において、その手の親指で操作可能な位置に設けられていることを特徴とする水準器携帯装置。
【請求項5】
請求項1~4いずれか1項に記載の水準器携帯装置において、前記水準器は直方体形状の本体に気泡管が設けられた構造であり、この本体の前記表面には、前記気泡管を光輝させる前記操作部としての操作スイッチが設けられ、さらに、前記本体の底面には磁石が設けられていることを特徴とする水準器携帯装置。
【請求項6】
表面に操作部が設けられた水準器と、この水準器に設けられる係合部と、この係合部と係合する被係合部が設けられ使用者の腰部に着脱自在に装着されるホルダーとからなる水準器携帯装置の使用方法であって、前記係合部は前記水準器の表面に設けられており、この係合部が設けられた前記水準器を、底面が下方を向き前記表面が内側になるようにして使用者の腰部に装着された前記ホルダーに係合保持させ、前記使用者が前記ホルダーから前記水準器を片手で取り出し、持ち替えることなくそのまま前記底面を被測定ケ所に当接させて所望の測定をすることを特徴とする水準器携帯装置の使用方法。
【請求項7】
請求項記載の水準器携帯装置の使用方法において、前記使用者が前記ホルダーから前記水準器を片手で取り出し、持ち替えることなくそのままこの水準器を把持している手の指で前記操作部を操作した後、前記底面を被測定ケ所に当接させて所望の測定をすることを特徴とする水準器携帯装置の使用方法。
【請求項8】
請求項6,7いずれか1項に記載の水準器携帯装置の使用方法において、前記水準器は直方体形状の本体に気泡管が設けられた構造であり、この本体の前記表面には、前記気泡管を光輝させる前記操作部としての操作スイッチが設けられ、さらに、前記本体の前記底面には磁石が設けられ、この磁石により前記本体の前記底面が被測定ケ所に着磁固定されるように構成されていることを特徴とする水準器携帯装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水準器携帯装置及び水準器携帯装置の使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の小型器具携帯装置に関し、本出願人は、特願2019-67859号に開示される作業用小型器具用ホルダー(以下、従来例という。)を提案している。
【0003】
この従来例は、使用者が片手で親指操作部の押動操作を行いながら容易に作業用小型器具を引き上げ操作することができ、スムーズに作業用小型器具をこの従来例から取り出すことができるように構成されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特願2019-67859号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来例と同様に構成されるホルダーと水準器などとを組み合わせて小型器具携帯装置として構成されるものであり、使用者に装着されたホルダーに保持される小型器具を、このホルダーから片手で取り出し、持ち替えることなく、この小型器具に備えられる操作部を操作することができ、さらに、この操作部の操作に連続した動作で小型器具を所定の位置に所定の状態でセットすることができる使い勝手の良い水準器携帯装置及び水準器携帯装置の使用方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
水準器1と、この水準器1に設けられる係合部2と、この係合部2と係合する被係合部4が設けられたホルダー3とからなる水準器携帯装置であって、前記係合部2は前記水準器1の操作部5が備えられた表面1aに設けられ、この係合部2が設けられた前記水準器1は、前記係合部2と前記被係合部4とが係合することで前記ホルダー3に前記表面1aが内側となる状態で保持されるように構成されていることを特徴とする水準器携帯装置に係るものである。
【0008】
また、請求項1記載の水準器携帯装置において、前記操作部5と前記係合部2との位置関係は、使用者が前記ホルダー3から前記水準器1を片手で取り出し把持した状態において、この水準器1を把持している手の指で操作し得る位置関係に設定されていることを特徴とする水準器携帯装置に係るものである。
【0009】
また、請求項2記載の水準器携帯装置において、前記操作部5は前記水準器1を把持している手の親指で操作し得る位置に設けられていることを特徴とする水準器携帯装置に係るものである。
【0010】
また、請求項1~3いずれか1項に記載の水準器携帯装置において、前記ホルダー3は、このホルダー3を使用者の腰部に装着するための装着手段7が設けられるホルダー本体部6を備え、このホルダー本体部6には、前記係合部2が上方から下方に向かってスライド挿入される前記被係合部4と、この被係合部4にスライド挿入された前記係合部2に係脱自在に係止して該係合部2の上方への抜脱移動を阻止する抜脱阻止部8と、この抜脱阻止部8の前記係合部2に対する係止状態を解除する係止解除操作部9とを備え、この係止解除操作部9は、前記抜脱阻止部8が前記係合部2に係止することにより前記ホルダー3に保持されている前記水準器1の下部を使用者が片手の親指以外の指で下方から支持した状態において、その手の親指で操作可能な位置に設けられていることを特徴とする水準器携帯装置に係るものである。
【0011】
また、請求項1~4いずれか1項に記載の水準器携帯装置において、前記水準器1は直方体形状の本体1Aに気泡管11が設けられた構造であり、この本体1Aの前記表面1aには、前記気泡管11を光輝させる前記操作部5としての操作スイッチが設けられ、さらに、前記本体1Aの底面1bには磁石21が設けられていることを特徴とする水準器携帯装置に係るものである。
【0012】
また、表面1aに操作部5が設けられた水準器1と、この水準器1に設けられる係合部2と、この係合部2と係合する被係合部4が設けられ使用者の腰部に着脱自在に装着されるホルダー3とからなる水準器携帯装置の使用方法であって、前記係合部2は前記水準器1の表面1aに設けられており、この係合部2が設けられた前記水準器1を、底面1bが下方を向き前記表面1aが内側になるようにして使用者の腰部に装着された前記ホルダー3に係合保持させ、前記使用者が前記ホルダー3から前記水準器1を片手で取り出し、持ち替えることなくそのまま前記底面1bを被測定ケ所に当接させて所望の測定をすることを特徴とする水準器携帯装置の使用方法に係るものである。
【0013】
また、請求項記載の水準器携帯装置の使用方法において、前記使用者が前記ホルダー3から前記水準器1を片手で取り出し、持ち替えることなくそのままこの水準器1を把持している手の指で前記操作部5を操作した後、前記底面1bを被測定ケ所に当接させて所望の測定をすることを特徴とする水準器携帯装置の使用方法に係るものである。
【0014】
また、請求項6,7いずれか1項に記載の水準器携帯装置の使用方法において、前記水準器1は直方体形状の本体1Aに気泡管11が設けられた構造であり、この本体1Aの前記表面1aには、前記気泡管11を光輝させる前記操作部5としての操作スイッチが設けられ、さらに、前記本体1Aの前記底面1bには磁石21が設けられ、この磁石21により前記本体1Aの前記底面1bが被測定ケ所に着磁固定されるように構成されていることを特徴とする水準器携帯装置の使用方法に係るものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明は上述のように構成したから、使用者に装着されたホルダーに保持される小水準器を、このホルダーから片手で取り出し、持ち替えることなく、この水準器に備えられる操作部を操作することができ、さらに、この操作部の操作に連続した動作で水準器を所定の位置に所定の状態でセットすることができる使い勝手の良い水準器携帯装置及び水準器携帯装置の使用方法となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施例を示す分解斜視図である。
図2】本実施例のホルダーを示す分解斜視図である。
図3】本実施例において水準器をホルダーに保持させた状態を示す説明正面図である。
図4図3における要部の説明平断面図である。
図5】本実施例の使用状態において係止解除操作部を解除操作する前の状態を示す説明側断面図である。
図6】本実施例の使用状態において係止解除操作部を解除操作する前の状態を示す説明平面図である。
図7】本実施例の使用状態において係止解除操作部を解除操作した状態を示す説明側断面図である。
図8】本実施例の使用状態(ホルダーから取り出し把持した水準器の操作部を操作している状態)を示す正面図である。
図9】本実施例の使用状態(ホルダーから取り出し把持した水準器を被測定ケ所にセットしている状態)を示す正面図である。
図10】本実施例の使用状態(使用者への装着状態)を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0018】
本発明の水準器1は、操作部5が備えられる表面1aに係合部2が設けられているから、この係合部2をホルダー3の被係合部4に係合させて、使用者に装着されるホルダー3に保持させた場合、水準器1は、操作部5が備えられる表面1aが内側(使用者の身体側)を向いた状態でホルダー3に保持される。
【0019】
したがって、例えばホルダー3を使用者の腰部の右側に装着し、この装着されたホルダー3から水準器1を例えば右手で把持して取り出した場合、この水準器1を把持する右手の親指が水準器1の表面1a側に位置し、この水準器1を把持したまま(持ち替えることなく)、この親指の指先で操作部5を操作することができる。
【0020】
また、この右手に把持される水準器1は、裏面が手のひら側に位置し表面1aが表出した状態となるから、水準器1を所定の位置に所定の状態でセットした後でも操作部5の操作が良好に行えることになる。
【実施例
【0021】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0022】
本実施例は、本発明の小型器具携帯装置を水準器用に構成した場合である。すなわち、本実施例は、水準器1と、この水準器1に設けられる係合部2と、この係合部2と係合する被係合部4が設けられたホルダー3とで構成される水準器携帯装置に係るものである。
【0023】
以下、本実施例に係る構成各部について詳述する。
【0024】
水準器1は、図示するように、直方体形状の本体1Aに液体及び気泡が注入された気泡管11が設けられた構造であり、この本体1Aの表面1aには、係合部2が設けられる係合部取付部10と、気泡管11を光輝させる操作部5としての操作スイッチが設けられ、さらに、本体1Aの底面1b(底側の基準面)には磁石21が設けられ、この磁石21により前記底面1bが被測定ケ所に着磁固定されるように構成されている。
【0025】
具体的には、係合部取付部10は、水準器1の表面1aの長手方向中央部にして短手方向下側(磁石21が設けられた底面1b側)に設けられ、係合部2を固定する適宜な固定手段に対応し得るように構成されている(例えば、係合部2が接着剤で固定される場合は平坦面に構成され、ネジを用いて固定される場合はネジ穴を有する構成とされる。)。
【0026】
また、気泡管11を光輝させる操作部5としての操作スイッチは、気泡管11を照明する光源部(図示省略)の発光をON/OFFするものであり、本実施例においては、押しボタン型に構成され、水準器1の表面1aの正面視右側に前述した係合部取付部10と並設状態に設けられている。
【0027】
具体的には、操作部5は使用者がホルダー3からこの水準器1を片手で取り出し把持した状態において、この水準器1を把持している手の指、具体的には、親指で操作し得る位置に設けられている。
【0028】
すなわち、本実施例の操作部5は、ホルダー3から取り出し把持している水準器1を、持ち替えることなくそのままこの水準器1を把持している手の親指でON/OFF操作することができる位置に設けられている。
【0029】
また、この水準器1に取り付けられる係合部2は、水準器1の係合部取付部10に係止される係止部2aと、ホルダー3の被係合部4にスライド自在に係合するスライダー部2bと、この係止部2aとスライダー部2bとを連結する連結部2cとからなり、また、係止部2aとスライダー部2bとの間には凹条溝部2dが形成される構成とされている。
【0030】
具体的には、係合部2は、凹条溝部2dがこの係合部2の上下左右の四方向に同様に形成されており、水準器1の上下左右の向きに関係なく、この係合部2をホルダー3の被係合部4に挿入係合することができるように構成されている。
【0031】
なお、係合部2の係止部2aの水準器1の係合部取付部10への固定は、接着剤やネジなど適宜な固定手段により固定されるものとする。
【0032】
また、ホルダー3は、このホルダー3を使用者の腰部に装着するための装着手段7が設けられるホルダー本体部6と、このホルダー本体部6に設けられる抜脱阻止部8及び係止解除操作部9とからなる構成とされている。
【0033】
具体的には、ホルダー本体部6は、ホルダーベース部6aと、このホルダーベース部6aに重ね合わせ状態に設けられるホルダーカバー部6bとからなり、ホルダーベース部6aには、ホルダー3を使用者に装着する際に使用者のベルトに掛止する装着手段7としてのベルト掛止部7と、被係合部4にスライド挿入される係合部2のスライド移動及び係合時におけるガタツキを防止するためのガタツキ防止部12とが設けられ、また、ホルダーカバー部6bには、水準器1に設けられる係合部2が係合する被係合部4と、使用者が落下防止コード20を装着した場合にこの落下防止コード20を連結するためのコード連結部13とが設けられている。
【0034】
より具体的には、ホルダーベース部6aに設けられるベルト掛止部7は、クリップタイプに構成され、ベルトをズボンから外すことなく、ベルトの上方から差し入れることで容易にベルトに装着(掛合)させることができるように構成されている。
【0035】
また、ガタツキ防止部12は、ホルダー本体部6上に凸設され、被係合部4に係合している係合部2に対して近接状態に設けられ、係合部2が内方に位置ずれるとこのガタツキ防止部12に当接し、この係合部2のそれ以上の内方への位置ずれを防止して、この係合部2のスライド移動及び係合時におけるガタツキ(内方への位置ずれ)を可及的に防止するように構成されている。
【0036】
なお、本実施例のガタツキ防止部12は、図示するように十字を呈する形状に形成されているが、このガタツキ防止部12の形状に関しては、本実施例に示される形状に限定されるものではなく、係合部2のスライド移動方向に沿って適宜な長さを有し、本実施例と同様の作用効果を奏する形状であれば適宜設計変更可能である。
【0037】
また、ホルダーカバー部6bに設けられる被係合部4は、ホルダーカバー部6bの正面部に上部が開口するU字状の溝部に形成され、この溝部の対向する両側の垂直切欠縁部14が係合部2の凹条溝部2dと係合し係合部2のスライド移動を案内するガイドレールとなるように構成されている。
【0038】
また、コード連結部13は、図示するように、環状に形成され、ホルダーカバー部6bの下部にこのホルダーカバー部6bと一体に設けられている。
【0039】
なお、このホルダーベース部6a及びホルダーカバー部6bにおいて、図中符号15は後述する抜脱阻止部8及び係止解除操作部9を回動自在に支持する軸受部であり、符号16a、16bはホルダーベース部6aとホルダーカバー部6bとの重ね合わせを位置決めするホゾ突起及びホゾ穴である。
【0040】
また、上記のように構成されるホルダー3に設けられる抜脱阻止部8及び係止解除操作部9は、図示するように本実施例においては可動部材17として一体的に形成されている。
【0041】
具体的には、可動部材17は、上部側に抜脱阻止部8、下部側に係止解除操作部9が配設され、さらにこれらの境界部近傍に回動軸18が設けられ、この回動軸18がホルダーベース部6aの軸受部15に枢着されることで、ホルダーベース部6aに回動自在に設けられる構成とされている。
【0042】
より具体的には、抜脱阻止部8は、図示するように、被係合部4にスライド挿入された係合部2と抜脱防止係合する係合爪8aが設けられており、この係合爪部8aは、抜脱阻止部8に設けられる付勢部19の付勢により被係合部4にスライド挿入される係合部2の抜脱を防止する抜脱防止係合位置に没動自在に配設され、係合部2が被係合部4にスライド挿入される際、係合部2の押圧作用により付勢部19の付勢力に抗して退避可動(没動)し、この係合部2の押圧作用が解除されることで付勢部19の付勢力により抜脱防止係合位置に戻り移動して係合部2と抜脱防止係合して、係合部2の被係合部4からの抜脱を防止するように構成されている。
【0043】
また、この抜脱阻止部8に設けられる係合爪8aは、前下がり傾斜面を有する形状に形成され、本実施例の抜脱阻止部8は、この係合爪8aの前下がり傾斜面に係合部2が当接しながら下方にスライド移動することで生じる押圧作用により、付勢部19の付勢力に抗して使用者の身体側となる内側方向に移動し、係合部2の被係合部4からの抜脱を防止する抜脱防止係合位置から退避し、また、係合部2がこの前下がり傾斜面を通過し前記押圧作用が解除されることにより、付勢部19の付勢力によって係合部2の被係合部4からの抜脱を防止する抜脱防止係合位置に戻り移動し、被係合部4にスライド挿入された係合部2と抜脱防止係合若しくは抜脱防止係止し、この係合部2の被係合部4からの抜脱を防止する(係合部2の被係合部4との係合状態を保持する)ように構成されている。
【0044】
また、この抜脱阻止部8に設けられる付勢部19は、図示するように、外側に凸となるように湾曲した板バネ状に形成され、可動部材17の抜脱阻止部8側に設けられ、可動部材17がホルダーベース部6aに設けられた状態において先端部がこのホルダーベース部6aに当接状態若しくは近接状態となるように構成され、且つ、係合部2の被係合部4へのスライド挿入時や係止解除操作部9の解除操作時に、ホルダーベース部1a側に押圧され弾性変形すると共に蓄圧し、この係合部2の被係合部4へのスライド挿入や係止解除操作部9の解除操作が解除されることで、蓄圧が開放され付勢力が生じて係合爪8aを戻り移動させて抜脱防止係合位置に位置決め付勢するように構成されている。
【0045】
また、係止解除操作部9は、ホルダー3(ホルダー本体部6)に保持される水準器1を引き上げる手の指で操作することができるように構成され、且つ、使用者の身体から離れる方向となる外側への押動操作が係合部2と被係合部4との抜脱防止係合を解除する解除操作となるように構成されている。
【0046】
具体的には、係止解除操作部9は、この係止解除操作部9を解除操作(使用者の身体から離れる外側に向かって押動する操作)を行う手の親指を掛止する立壁状の親指掛止片9aを有し、この親指掛止片9aに親指の腹部を掛止して(引っ掛けて)外側へ押動操作することで容易にこの係止解除操作部9を使用者の身体から離れる外側方向に向かって解除操作(押動操作)することができるように構成されている。
【0047】
すなわち、本実施例は、図示するように、係合部2を介してホルダー3に保持された水準器1をこのホルダー3から取り出す場合、水準器1の下側(底側)を親指以外の指で支持しながら水準器1を支持していない親指で係止解除操作部9を外側方向(使用者の身体から離れる方向)に押動操作することで抜脱阻止部8が内側に退避可動し、係合部2との抜脱防止係合が解除され、水準器1の引き上げ操作により係合部2を被係合部4の垂直切欠縁部14に沿って上方にスライド移動させて被係合部4から離脱させて水準器1をホルダー3から取り出す一連の操作を片手で連続的に行うことができ、さらに、このホルダー3から取り出した水準器1を、ホルダー3から取り出した手で把持したまま、この水準器1を把持している手の親指で操作部5を操作し、握りなおしたり持ち替えたりすることなく、そのままこの水準器1を被測定ケ所に磁石21が設けられる底面1bを当接させて所望の測定をすることができるように構成されている。
【0048】
以上のように構成される本実施例の作用効果について以下に説明する。なお、ここでは図示するように、ホルダー3を作業者の腰部の右側に装着した場合について説明する。
【0049】
ホルダー3は、例えば、ホルダー本体部6に設けられたベルト掛止部7を使用者が装着するベルトに掛止することで使用者に装着することができる。
【0050】
そして、このホルダー3に水準器1を保持させる場合は、水準器1に設けられた係合部2を、この使用者に装着したホルダー3のホルダー本体部6に設けられる被係合部4に上方から下方に向かってスライド挿入することで、このホルダー本体部6に設けられた抜脱阻止部8の係合爪8aが係合部2に抜脱防止係合し、係合部2の被係合部4からの抜脱が防止され、水準器1がホルダー3に保持される。
【0051】
なお、本実施例は、水準器1が縦向き、横向きのいずれの状態でも、言い換えると、磁石21が設けられる底面1b(磁石21を有する基準面)が上下前後4方向のいずれを向いた状態でも水準器1をホルダー3に保持させることができるが、磁石21が設けられる底面1bを下に向けた状態での保持状態が基本的な保持状態となり、このように底面1bを下に向けて保持させることで、携帯中に他の工具が磁石21に着磁(吸着)される不具合が可及的に低減される。
【0052】
また、本実施例においては、水準器1の本体1Aの表面1aに係合部2が設けられているので、図示するように、水準器1は表面1aが使用者の身体側を向いた状態でホルダー3に保持される。
【0053】
また、上記のような状態で保持される水準器1をホルダー3から取り出す場合は、図示するように、使用者のホルダー3が装着されている側の手、すなわち右手を水準器1に添え、この右手の親指以外の指を水準器1の底面1bにあてがうと共に、親指を係止解除操作部9にあてがい、この係止解除操作部9にあてがわせた親指でこの係止解除操作部9に設けられた親指掛止片9aを外側(使用者の身体から離れる方向)に向かって押動する解除操作を行い、係合部2に抜脱防止係合している抜脱阻止部8を退避回動させ、この抜脱阻止部8が退避した状態で水準器1を底面1bにあてがわせた指で上方に持ち上げ操作し、係合部2をホルダー3の被係合部4から抜脱(離脱)させることで、水準器10をホルダー3から片手で簡易に且つスムーズに取り出すことができる。
【0054】
また、この水準器1をホルダー3から取り出す操作において、本実施例は、係止解除操作部9の解除操作を親指で使用者の身体から離れる(遠ざかる)方向に向かって押動するから、水準器1を上方へ引き上げる操作をしながらでも、この係止解除操作部9の解除操作を容易に(スムーズに)行うことができ、しかも、この解除操作をし終えた親指をそのまま水準器1の表面1aにあてがい、この水準器1の底面1bにあてがわせた指と共に水準器1を把持することができるので、水準器1をしっかりと持った状態でホルダー3からスムーズに取り外すことができる。
【0055】
さらに、本実施例は、水準器1が、磁石21が設けられる底面1bを下に向けた状態で、且つ、本体1Aの表面1aが使用者の身体側を向いた状態でホルダー3に保持されるから、上述のように片手で取り出した際、手に把持される水準器1は、磁石21が設けられた底面1bが外側を向き、且つ裏面が手のひら側に位置して表面1aが表出した状態、すなわち使用者が表面1aを視認可能な状態で把持することができ、このホルダー3から取り出した水準器1を持ち替えることなく、そのまま被測定ケ所の所定の位置に所定の状態でセットすることができる。
【0056】
しかも、本実施例は、水準器1の表面1aに気泡管11を光輝させる、すなわち気泡管11を照明する光源部の発光をON/OFFする操作部5(操作スイッチ)が設けられ、この操作部5は、水準器1を把持している手の親指で操作し得る位置に設けられているから、ホルダー3から取り出した後、持ち替えることなくそのままこのこの水準器1を把持している手の親指で操作部5をON操作することができる。
【0057】
すなわち、本実施例は、水準器1をホルダー3から取り出し、この取り出した水準器1の表面1aに設けられた操作部5を操作し光源部の電源をONにし、気泡管11を光輝させた状態にした水準器1を被測定ケ所の所定の位置に所定の状態でセットする一連の操作や動作を、片手で、しかも、ホルダー3から取り出し把持した状態から持ち替えることなく、連続的に行うことができる極めて操作性、作業性に優れた画期的な水準器携帯装置及び水準器携帯装置の使用方法となる。
【0058】
なお、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0059】
準器
1A 本体
1a 表面
1b 底面
2 係合部
3 ホルダー
4 被係合部
5 操作部
6 ホルダー本体部
7 装着手段
8 抜脱阻止部
9 係止解除操作部
11 気泡管
21 磁石
図1
図2
図3
図4
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図6
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図10