(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】水準器
(51)【国際特許分類】
G01C 9/24 20060101AFI20220905BHJP
【FI】
G01C9/24
(21)【出願番号】P 2021023596
(22)【出願日】2021-02-17
【審査請求日】2021-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】591006634
【氏名又は名称】株式会社エビス
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【氏名又は名称】吉井 剛
(72)【発明者】
【氏名】丸山 清
【審査官】飯村 悠斗
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-218037(JP,A)
【文献】実開昭54-057053(JP,U)
【文献】特開2011-112624(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0308821(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 9/24-9/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面部,背面部,上面部,底面部,左側面部及び右側面部の六面を有する中空方形状の基体と、この基体内に設けられ液体及び気泡が封入された気泡管とからなる水準器であって、前記基体は、前記正面部,前記背面部,前記上面部,前記底面部,前記左側面部及び前記右側面部のうちのいずれかの対向面部の少なくとも一方の内面に、前記気泡管を保持する気泡管保持凹部が設けられ、この気泡管保持凹部は、長手方向両端部が前記気泡管と当接する当接部に設定され、両当接部間は該両当接部より凹部深さが深く形成されており、前記気泡管は、前記対向面部の少なくとも一方の内面の前記両当接部と他方の面部とで挟持されて前記基体に固定されていることを特徴とする水準器。
【請求項2】
請求項1記載の水準器において、前記当接部が設けられた前記気泡管保持凹部は、前記対向面部の双方の内面に設けられ、前記気泡管は、前記対向面部の双方の内面の前記両当接部で挟持されて前記基体に固定されていることを特徴とする水準器。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の水準器において、前記対向面部は、前記正面部及び前記背面部であることを特徴とする水準器。
【請求項4】
請求項1~3いずれか1項に記載の水準器において、前記気泡管は、円筒状であり、また、前記両当接部は、前記気泡管の周面と合致する凹円弧状に形成されていることを特徴とする水準器。
【請求項5】
請求項1~4いずれか1項に記載の水準器において、前記気泡管は、両端部が夫々、前記両当接部と超音波溶着されていることを特徴とする水準器。
【請求項6】
請求項1~5いずれか1項に記載の水準器において、前記基体内に
は被測定物に吸着する磁石が設けられていることを特徴とする水準器。
【請求項7】
請求項6記載の水準器において、前記磁石は、前記基体の前記底面部の内面に設けられ、さらに、この磁石は、前記基体の前記正面部及び前記背面部に近接若しくは当接していることを特徴とする水準器。
【請求項8】
請求項6,7いずれか1項に記載の水準器において、前記基体には前記磁石を保持する磁石保持部が設けられていることを特徴とする水準器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物の水平度若しくは鉛直度を測定するための水準器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載される水準器は、基体が合成樹脂製の透明な無垢部材で形成されており、このような無垢部材を用いた場合、気泡管は、例えば左側面から水平方向に設けられた孔と、上面から垂直方向に設けられた孔からそれぞれ挿入される構成となる。そのため、基体の左側面及び上面に、気泡管を挿入した孔若しくはこの孔を閉蓋するための蓋が設けられているため凹部若しくは段差が生じてしまい、当該面は基準面(被測定物に当接させる測定面)として使用しにくくなってしまう。さらに、無垢部材で基体を構成した場合、重量が重くなり携帯しにくくなるうえ、落下させた場合、衝撃が気泡管に伝わりやすく、基体だけでなく、気泡管も破損する可能性が高くなってしまう。
【0003】
そこで、本出願人は、上記の問題を解決した特許文献2に記載される水準器を提案している。
【0004】
この特許文献2に記載される水準器(以下、「従来例」という。)は、中空方形状の基体の内部に気泡管を内蔵したものであり、具体的には、透明な合成樹脂製の素材を用いて正面部のない箱状の基体を形成し、基体内面に気泡管を固定するための一対の支持体を設け、この一対の支持体間に気泡管を架設固定した後、正面部を溶着してなるものである。このように、基体を中空にし、一対の支持体で気泡管を固定する構成とすることで、軽量となり、さらに、落下時に基体が受ける衝撃が気泡管に伝わりにくく、気泡管の破損が可及的に防止されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平5-59228号公報
【文献】特願2020-104782号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来例は、気泡管を固定する支持体が別途必要となり、また、この支持体を基体に組み付ける作業が製造工程に追加されるため、製造コストが増えてしまう問題がある。
【0007】
さらに、基体が透明なため、基体内に設けた支持体が見えることで、見た目も悪くなってしまう。
【0008】
本発明は、上述した従来例の問題を解決した中空の水準器を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0010】
正面部1a,背面部1b,上面部1c,底面部1d,左側面部1e及び右側面部1fの六面を有する中空方形状の基体1と、この基体1内に設けられ液体及び気泡が封入された気泡管2とからなる水準器であって、前記基体1は、前記正面部1a,前記背面部1b,前記上面部1c,前記底面部1d,前記左側面部1e及び前記右側面部1fのうちのいずれかの対向面部の少なくとも一方の内面に、前記気泡管2を保持する気泡管保持凹部3が設けられ、この気泡管保持凹部3は、長手方向両端部が前記気泡管2と当接する当接部4に設定され、両当接部4間は該両当接部4より凹部深さが深く形成されており、前記気泡管2は、前記対向面部の少なくとも一方の内面の前記両当接部4と他方の面部とで挟持されて前記基体1に固定されていることを特徴とする水準器に係るものである。
【0011】
また、請求項1記載の水準器において、前記当接部4が設けられた前記気泡管保持凹部3は、前記対向面部の双方の内面に設けられ、前記気泡管2は、前記対向面部の双方の内面の前記両当接部4で挟持されて前記基体1に固定されていることを特徴とする水準器に係るものである。
【0012】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の水準器において、前記対向面部は、前記正面部1a及び前記背面部1bであることを特徴とする水準器に係るものである。
【0013】
また、請求項1~3いずれか1項に記載の水準器において、前記気泡管2は、円筒状であり、また、前記両当接部4は、前記気泡管2の周面と合致する凹円弧状に形成されていることを特徴とする水準器に係るものである。
【0014】
また、請求項1~4いずれか1項に記載の水準器において、前記気泡管2は、両端部が夫々、前記両当接部4と超音波溶着されていることを特徴とする水準器に係るものである。
【0015】
また、請求項1~5いずれか1項に記載の水準器において、前記基体1内には被測定物に吸着する磁石5が設けられていることを特徴とする水準器に係るものである。
【0016】
また、請求項6記載の水準器において、前記磁石5は、前記基体1の前記底面部1dの内面に設けられ、さらに、この磁石5は、前記基体1の前記正面部1a及び前記背面部1bに近接若しくは当接していることを特徴とする水準器に係るものである。
【0017】
また、請求項6,7いずれか1項に記載の水準器において、前記基体1には前記磁石5を保持する磁石保持部6が設けられていることを特徴とする水準器に係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように構成したから、軽量で携帯性に優れ、且つ基体の全ての面(六面)を基準面として使用することができ使い勝手の良い水準器となる。
【0019】
さらに、本発明は従来例のような別部材の支持体を要することなく、気泡管を基体内の所定位置に保持できるから、低コストで容易に製造可能であり、しかも、支持体がないことで支持体が見える構造のものに比べて体裁が損なわれず見た目にも良い水準器となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図3】本実施例の気泡管保持凹部を示す説明断面図である。
【
図9】
図5におけるB-B断面図の要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0022】
本発明は、正面部1a,背面部1b,上面部1c,底面部1d,左側面部1e及び右側面部1fの六面を有する中空方形状の基体1内に液体及び気泡が封入された気泡管2が設けられ、この気泡管2は、正面部1a,背面部1b,上面部1c,底面部1d,左側面部1e及び右側面部1fのうちのいずれかの対向面部の少なくとも一方の内面に凹設形成された気泡管保持凹部3によって保持されているから、従来例と同様、正面部1a,背面部1b,上面部1c,底面部1d,左側面部1e及び右側面部1fの六面全てを基準面(測定面)として使用することが可能となり、しかも、例えば、気泡管保持凹部3を基体1内面に一体形成すれば、従来例のように別体の支持体を取り付ける作業が不要となり、よって、従来例に比べて製造(組み付け作業)が容易になり、さらに、従来例の支持体に比べて気泡管保持凹部3が目立たず、見た目も良くなる。
【0023】
また、本発明は、基体1が中空方形状であるため、軽量となり、使い易く、さらに、落下による衝撃が気泡管2に伝わりにくくなり、気泡管2が損傷しにくくなる。
【0024】
また、本発明の気泡管保持凹部3は、長手方向両端部に気泡管2と当接する当接部4が設けられ、両当接部4間は、この両当接部4より凹部深さが深く形成されているから、気泡管2はこの両当接部4間において気泡管保持凹部3に当接せず、これにより、気泡管2の基体1との当接面積が可及的に小さくなり、例えば、気泡管2と当接部4との接合に超音波溶着や接着剤を用いた場合、これらによって接合部に曇りが生ずることがあるが、曇りが生じた場合でも曇り領域が可及的に小さくなり、よって、気泡管2の視認性が損なわれず、また、体裁も損なわれない。
【0025】
このように、本発明は、携帯性に優れ、且つ使い勝手が良く、さらに、低コストで容易に製造可能であり、しかも、見た目にも良い画期的な水準器となる。
【実施例】
【0026】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0027】
本実施例は、透明な樹脂製の板材からなる正面部1a,背面部1b,上面部1c,底面部1d,左側面部1e及び右側面部1fの六面を有する透明中空な方形状の基体1と、この基体1内に設けられ液体及び気泡が封入された気泡管2と、基体1を被測定物に吸着固定させるための磁石5とからなる水準器である。
【0028】
以下、本実施例に係る構成各部について詳述する。
【0029】
基体1は、正面部1a及び背面部1bが広大面となる扁平方形状の中空体に形成され、また、正面部1a,背面部1b,上面部1c,底面部1d,左側面部1e及び右側面部1fの各面部は、基準面となる平坦面に形成されている。
【0030】
また、本実施例の基体1は、背面部1b,上面部1c,底面部1d,左側面部1e及び右側面部1fで構成される箱状の基体形成部材(以下、箱状基体形成部材1Aという。)と、正面部1aで構成される板状の基体形成部材(以下、板状基体形成部材1Bという。)との2部材(2パーツ)を組み合わせてなるものである。
【0031】
具体的には、箱状基体形成部材1A及び板状基体形成部材1Bは、夫々、金型を用いて一体成形されたものであり、本実施例の基体1は、この箱状基体形成部材1Aと板状基体形成部材1Bとを超音波溶着により接合されてなるものである。
【0032】
より具体的には、本実施例の基体1は、箱状基体形成部材1Aの開口縁に溶着部7を一体成形し、超音波によりこの溶着部7を溶融させ、箱状基体形成部材1Aと板状基体形成部材1Bとを溶着接合させてなるものである。
【0033】
また、基体1の対向配設される正面部1aと背面部1bの内面には、夫々、気泡管2を保持する気泡管保持凹部3が設けられており、本実施例においては、水平度を測定する気泡管2を保持するための水平度測定気泡管用の気泡管保持凹部3と、鉛直度を測定する気泡管2を保持するための鉛直度測定気泡管用の気泡管保持凹部3の2つの気泡管保持凹部3が正面部1a、背面部1b夫々に設けられている。
【0034】
この気泡管保持凹部3は、平面視長方形状(気泡管2の平面視形状とほぼ同等の長方形)の凹部であり、長手方向両端部に気泡管2と当接する当接部4(浅い段部)が設けられ、両当接部4間(気泡管保持凹部3の底部)が当接部4より凹部深さが深く形成された段付き凹部に形成され、夫々の内面に凹設形成されている(本実施例においては、金型により基体1を形成する箱状の基体形成部材と、板状の基体形成部材形成を形成する際に、同時に正面部1a及び背面部1bに形成されている。)。
【0035】
具体的には、各気泡管保持凹部3の両当接部4(具体的には、気泡管2が当接する当接面)は、円筒状に形成される気泡管2の周面と合致する凹円弧状(凹円弧面)に形成され、気泡管保持凹部3は、この正面部1aの両当接部4と背面部1bの両当接部4とで気泡管2の長手方向両端部を夫々挟持保持するように構成されている。
【0036】
すなわち、この気泡管保持凹部3においては、当接部4のみが気泡管2と当接し、両当接部4間(気泡管保持凹部3の底部)は気泡管2と隙間8を介して設けられた状態となるように(気泡管2と非当接状態となるように)構成されている。
【0037】
なお、本実施例の気泡管保持凹部3は、両当接部4間、すなわち、気泡管保持凹部3の底部も凹円弧に形成されている。
【0038】
また、本実施例の基体1には、この基体1を被測定物に吸着固定させるための磁石5を保持する磁石保持部6が設けられている。
【0039】
具体的には、磁石保持部6は、磁石5が嵌入し得る枠状体に形成され、磁石5が基体1の底面部1dの長手方向中央部の内面上にして、正面部1a及び背面部1bに近接若しくは当接状態で配設固定されるように、基体1の内面に設けられており、本実施例においては、図示するように、磁石保持部6は、背面部1bの幅方向中央にして、底面部1dと近接する高さ方向下端部に設けられている。
【0040】
なお、磁石保持部6は上記構成に限定されるものではなく、例えば、気泡管保持凹部3のように、磁石5が嵌合する形状に合わせて基体1内面に凹設形成しても良い。
【0041】
また、磁石保持部6の位置は上記以外の適宜な位置に設けても良い。
【0042】
また、基体1には、長さ測定用の目盛を設けても良い。なお、目盛を設ける場合は、背面部1bに正面部1aから視認できるように設けることが好ましい(背面部1bに目盛を設けることで、基体1を被測定物に当接させた場合、目盛と被測定物との距離がほぼゼロとなり、正面部1aに目盛を設けた場合に比べ、正確な長さ測定が可能となる。)。
【0043】
また、気泡管2は円筒状に形成され、基体1内に2つ設けられている。
図1に示すように、1つは水平度測定用の気泡管2であり、水平度測定気泡管用の気泡管保持凹部3により基体1内に水平状態に保持され、もう1つは鉛直度測定用の気泡管2であり、鉛直度測定気泡管用の気泡管保持凹部3により基体1内に立直(鉛直)状態に保持されている。
【0044】
また、本実施例の気泡管2は、長手方向両端部が夫々、気泡管保持凹部3の当接部4に超音波溶着により接合されている。
【0045】
本実施例は、前述したように、箱状基体形成部材1Aと板状基体形成部材1Bとを超音波溶着により接合するが、同時に気泡管2も超音波溶着により基体1内に固定することで製造効率が良好となる。
【0046】
なお、接合方法は上記に限定されるものではなく、接着剤を用いるなど適宜な接合方法を用いても良い。
【0047】
また、磁石5は、横方向を長辺とする直方体に形成され、上述した磁石保持部6に設けられている。
【0048】
具体的には、底面部1dの幅(短手方向長さ)とほぼ同等の幅(厚さ)に設定され、磁石保持部6に設けた際、正面部1a、背面部1b及び底面部1dに当接若しくは近接状態となるように構成されている。
【0049】
なお、磁石5の固定方法は接着固定、圧入固定など適宜な固定方法を用いることが可能である。
【0050】
また、本実施例は、磁石5を備える構成であるが、磁石5を備えない構成としても良い。
【0051】
また、本実施例は、例えば、以下のように組み立てることができる。
【0052】
金型により一体成形された背面部1b,上面部1c,底面部1d,左側面部1e及び右側面部1fで構成される箱状基体形成部材1Aの背面部1bに設けられた各気泡管保持凹部3に気泡管2を配設し、磁石保持部6に磁石5を配設し、この箱状基体形成部材1Aの開口部を閉口するように正面部1aで構成される板状基体形成部材1Bを組み付け、この板状基体形成部材1Bの気泡管保持凹部3と箱状基体形成部材1Aの背面部1bに設けられた気泡管保持凹部3とで気泡管2を挟持し、超音波溶着により、箱状基体形成部材1Aと板状基体形成部材1Bとを接合すると共に、気泡管2と当接部4とを接合する。
【0053】
なお、各接合部の接合は、超音波溶着に限定されるものではなく、接着剤など適宜な接合手段を用いても良い。
【0054】
以上のように構成される本実施例の作用効果について以下に説明する。
【0055】
本実施例は、正面部1a,背面部1b,上面部1c,底面部1d,左側面部1e及び右側面部1fの六面を有する中空方形状の基体1内に液体及び気泡が封入された気泡管2が設けられ、この気泡管2は、正面部1aと背面部1bとに凹設形成された気泡管保持凹部3によって挟持保持されているから、従来例と同様、正面部1a,背面部1b,上面部1c,底面部1d,左側面部1e及び右側面部1fの六面全てを基準面(測定面)として使用することが可能となり、しかも、気泡管保持凹部3は基体1内面に一体形成されているから、従来例のように別体の支持体を取り付ける作業が不要となり、よって、従来例に比べて製造が容易になり、さらに、従来例の支持体に比べて気泡管保持凹部3が目立たず、見た目も良くなる。
【0056】
また、本実施例は、基体1が中空方形状であるため、軽量となり、使い易く、さらに、落下による衝撃が気泡管2に伝わりにくくなり、気泡管2が損傷しにくくなる。
【0057】
また、本実施例は、気泡管2を保持する気泡管保持凹部3が、長手方向両端部に気泡管2と当接する当接部4を有し、両当接部4間、すなわち、気泡管保持凹部3の底面部はこの両当接部4より凹部深さが深く形成されている段付き凹部に構成されているから、気泡管2はこの両当接部4間(気泡管保持凹部3の底面部)に当接せず、両当接部4のみと当接することとなり、これにより、気泡管2の基体1との接合面積が可及的に小さくなり、気泡管2と当接部4との接合に超音波溶着を用いても、この超音波溶着による接合部の曇り領域が可及的に小さくなって、曇りが目立たず体裁が損なわれない。
【0058】
また、本実施例は、前述したように、箱状基体形成部材1Aと板状基体形成部材1Bとの接合及び気泡管2と気泡管保持凹部3の両当接部4との接合に超音波溶着を用いているから、この箱状基体形成部材1Aと板状基体形成部材1Bとの接合作業と、気泡管2と気泡管保持凹部3の両当接部4との接合作業を同時に行うことができ、製造効率が極めて良好となる。
【0059】
なお、磁石5の磁石保持部6への固定も超音波溶着による接合を用いることで、一層、製造効率が良好となる。
【0060】
このように、本実施例は、携帯性に優れ、且つ使い勝手が良く、さらに、低コストで容易に製造可能であり、しかも、見た目にも良い画期的な水準器となる。
【0061】
なお、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0062】
1 基体
1a 正面部
1b 背面部
1c 上面部
1d 底面部
1e 左側面部
1f 右側面部
2 気泡管
3 気泡管保持凹部
4 当接部
5 磁石
6 磁石保持部