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特許7134535通信管理装置、通信管理方法、通信管理プログラムおよび通信管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】通信管理装置、通信管理方法、通信管理プログラムおよび通信管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/42 20060101AFI20220905BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
H04M3/42 E
H04M11/04
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022044639
(22)【出願日】2022-03-18
【審査請求日】2022-03-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511271845
【氏名又は名称】アイティオール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123526
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 壮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100125036
【弁理士】
【氏名又は名称】深川 英里
(72)【発明者】
【氏名】鹿島 雄介
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0310602(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0101552(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0239418(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0083911(US,A1)
【文献】特開2006-191480(JP,A)
【文献】特開2009-164659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/00-11/00
H04L 65/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話端末に接続されて前記電話端末と外線電話端末とで通話を行わせる通信管理装置であって、
前記電話端末から通信部を介して前記外線電話端末への通話要求を入力すると、前記通話要求が緊急の通話要求の場合において、前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき前記通話要求を規制し、および前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと前記登録グローバルIPアドレスとが一致しかつ前記通信部から送信される前記電話端末のネットワークアドレス部と記憶部に記憶された登録ネットワークアドレス部とが一致しないとき前記通話要求を規制する規制制御部を備える通信管理装置。
【請求項2】
前記電話端末から前記通信部を介して送信される登録要求を入力すると、前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき、緊急発信不可知覚設定を前記電話端末に行わせる登録制御部を備える請求項1に記載の通信管理装置。
【請求項3】
電話端末に接続されて前記電話端末と外線電話端末とで通話を行わせる通信管理装置における通信管理方法であって、
前記電話端末から通信部を介して前記外線電話端末への通話要求を入力すると、前記通話要求が緊急の通話要求の場合において、前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき前記通話要求を規制し、および前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと前記登録グローバルIPアドレスとが一致しかつ前記通信部から送信される前記電話端末のネットワークアドレス部と記憶部に記憶された登録ネットワークアドレス部とが一致しないとき前記通話要求を規制する規制制御ステップを含む通信管理方法。
【請求項4】
電話端末に接続されて前記電話端末と外線電話端末とで通話を行わせる通信管理装置における通信管理プログラムであって、
前記電話端末から通信部を介して前記外線電話端末への通話要求を入力すると、前記通話要求が緊急の通話要求の場合において、前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき前記通話要求を規制し、および前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと前記登録グローバルIPアドレスとが一致しかつ前記通信部から送信される前記電話端末のネットワークアドレス部と記憶部に記憶された登録ネットワークアドレス部とが一致しないとき前記通話要求を規制する規制制御ステップを前記通信管理装置に実行させる通信管理プログラム。
【請求項5】
電話端末と、当該電話端末に接続される通信管理装置とを備え、前記電話端末と外線電話端末とで通話を行わせる通信管理システムであって、
前記通信管理装置は、
前記電話端末から通信部を介して前記外線電話端末への通話要求を入力すると、前記通話要求が緊急の通話要求の場合において、前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき前記通話要求を規制し、および前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと前記登録グローバルIPアドレスとが一致しかつ前記通信部から送信される前記電話端末のネットワークアドレス部と記憶部に記憶された登録ネットワークアドレス部とが一致しないとき前記通話要求を規制する規制制御部を備える通信管理システム。
【請求項6】
電話端末と、当該電話端末にネットワークを介して接続されるクラウドPBXサーバとを備え、前記電話端末と外線電話端末とで通話を行わせる通信管理システムであって、
前記クラウドPBXサーバは、
前記電話端末から通信部を介して前記外線電話端末への通話要求を入力すると、前記通話要求が緊急の通話要求の場合において、前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき前記通話要求を規制し、および前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと前記登録グローバルIPアドレスとが一致しかつ前記通信部から送信される前記電話端末のネットワークアドレス部と記憶部に記憶された登録ネットワークアドレス部とが一致しないとき前記通話要求を規制する規制制御部を備える通信管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信管理装置、通信管理方法、通信管理プログラムおよび通信管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、電話端末と、ゲートウェイ等を介して接続される外線電話端末との間で通話を行わせる通信管理システムが利用されている(例えば、特許文献1参照)。
このような通信管理システムは、電話端末から外線電話端末への通話要求が送信されると、ゲートウェイ等を介して電話端末と外線電話端末とを通話させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-186195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような通信管理システムでは、ゲートウェイ等から地理的に離れた場所にある電話端末から当該ゲートウェイ等を介して緊急電話をかけると、その緊急電話をかけた電話端末がおかれているエリアではなく、ゲートウェイ等が設置されているエリアに対応する緊急連絡先に緊急の通話要求が発信されてしまうという問題がある。
【0005】
以上に鑑みて、本発明は、緊急の通話要求を適切に処理することができる通信管理装置、通信管理方法、通信管理プログラムおよび通信管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、電話端末に接続されて前記電話端末と外線電話端末とで通話を行わせる通信管理装置であって、前記電話端末から通信部を介して前記外線電話端末への通話要求を入力すると、前記通話要求が緊急の通話要求の場合において、前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき、前記通話要求を規制する規制制御部を備える。
【発明の効果】
【0007】
本願の一観点によれば、緊急の通話要求を適切に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態としての通信管理システムを示す全体構成図である。
図2】電話端末を登録するときの登録処理のフローを示すシーケンス図である。
図3】東京内線電話端末から電話をかけるときの発信処理のフローを示すシーケンス図である。
図4】大阪内線電話端末から電話をかけるときの発信処理のフローを示すシーケンス図である。
図5】東京内線電話端末から電話をかけるときの発信処理のフローの変形例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態における通信管理装置、通信管理方法、通信管理プログラムおよび通信管理システムについて説明する。
図1は、本発明の実施形態としての通信管理システム1を示す全体構成図である。
通信管理システム1は、東京本店通信システム100と、大阪支店通信システム200と、クラウドPBXサーバ30(通信管理装置)とを備えている。これら東京本店通信システム100と、大阪支店通信システム200と、クラウドPBXサーバ30とは、例えばインターネット等のネットワークを介して接続されている。また、東京本店通信システム100と大阪支店通信システム200とはVPN(Virtual Private Network)を介して接続されている。
【0010】
東京本店通信システム100は、東京内線電話端末10,11(電話端末)と、通信部12と、電話通信部13とを備えている。
東京内線電話端末10,11は、例えばIP電話機であって、それぞれローカルIPアドレス(図において、「LIP」と示す)が設定されている。東京内線電話端末10のローカルIPアドレスは、例えば、「0.0.1.10」が設定され、東京内線電話端末11のローカルIPアドレスは、「0.0.1.11」が設定されている。
なお、ローカルIPアドレスは、ネットワークアドレス部(図において、「NA」と示す)とホスト部とで構成されている。本実施形態では、例えば東京内線電話端末10のローカルIPアドレスのうち、左端から「0.0.1」の部分がネットワークアドレス部として、右端の「10」の部分がホスト部として設定されている。
これら東京内線電話端末10,11は、通信部12に接続されている。
【0011】
通信部12は、内部機器および外部機器との情報の送受信を行う各種通信デバイスなどからなり、例えばルータからなるものである。通信部12は、東京内線電話端末10,11が設置されたエリアと同一のエリアに設置され、東京内線電話端末10,11とクラウドPBXサーバ30との間に接続されている。通信部12には、グローバルIPアドレス(図において、「GIP」と示す)が設定されている。通信部12のグローバルIPアドレスは、例えば、「0.0.0.15」に設定されている。通信部12は、電話通信部13に接続されている。
電話通信部13は、東京内線電話端末10,11と外線電話端末との間で情報の送受信を行う各種通信デバイスなどからなり、例えば固定電話ゲートウェイおよびONU(Optical NetWork Unit:光回線終端装置)からなるものである。電話通信部13は、通信部12が設置されたエリアと同一のエリアに設置され、東京内線電話端末10,11と外線電話端末との間で通話を行わせる。
【0012】
大阪支店通信システム200は、大阪内線電話端末20,21(電話端末)と、通信部22と、電話通信部23とを備えている。
大阪内線電話端末20,21は、例えばIP電話機であって、それぞれローカルIPアドレスが設定されている。大阪内線電話端末20のローカルIPアドレスは、例えば、「0.0.2.20」が設定され、大阪内線電話端末21のローカルIPアドレスは、「0.0.2.21」が設定されている。
本実施形態では、例えば大阪内線電話端末20のローカルIPアドレスのうち、左端から「0.0.2」の部分がネットワークアドレス部として、右端の「20」の部分がホスト部として設定されている。
これら大阪内線電話端末20,21は、通信部22に接続されている。
【0013】
通信部22は、内部機器および外部機器との情報の送受信を行う各種通信デバイスなどからなり、例えばルータからなるものである。通信部22は、大阪内線電話端末20,21が設置されたエリアと同一のエリアに設置され、大阪内線電話端末20,21とクラウドPBXサーバ30との間に接続されている。通信部22には、グローバルIPアドレスが設定されている。通信部22のグローバルIPアドレスは、例えば、「0.0.0.25」に設定されている。通信部22は、電話通信部23に接続されている。
電話通信部23は、大阪内線電話端末20,21と外線電話端末との間で情報の送受信を行う各種通信デバイスなどからなり、例えば固定電話ゲートウェイおよびONUからなるものである。電話通信部23は、通信部22が設置されたエリアと同一のエリアに設置され、大阪内線電話端末20,21と外線電話端末との間で通話を行わせる。
【0014】
クラウドPBXサーバ30は、インターネット上で通話を行わせるクラウド型のPBXサーバであって、例えばサーバとして機能するコンピュータによって実現される。このクラウドPBXサーバ30は、制御部31と、通信部32と、記憶部33とを備えている。
制御部31は、例えば、プロセッサ、CPU等の演算手段によって実現され、各種のメモリ、ハードディスク等の記憶手段と協働して機能し、各種のプログラムを実行する。
この制御部31は、通信制御部31A(規制制御部)と、登録制御部31Bとを備えている。
【0015】
通信制御部31Aは、東京内線電話端末10,11および大阪内線電話端末20,21からの通話要求を入力すると、通信部12に通話要求指示を送信する。また、通信制御部31Aは、外線電話端末からの通話要求を入力すると、通信部12に受信指示を送信する。さらに、通信制御部31Aは、東京内線電話端末10,11および大阪内線電話端末20,21から通信部12,22を介して外線電話端末への通話要求を入力すると、通話要求が緊急の通話要求か否かを判定する。そして、通信制御部31Aは、緊急の通話要求であると判定すると、通信部12から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部33に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致するか否かを判定する。通信制御部31Aは、それらグローバルIPアドレスが一致しないと判定すると、通話要求を規制する。また、通信制御部31Aは、緊急の通話要求であると判定し、グローバルIPアドレスが一致すると判定すると、通信部12から送信される東京内線電話端末10,11および大阪内線電話端末20,21のローカルIPアドレスのネットワークアドレス部と記憶部33に記憶された登録ネットワークアドレス部とが一致するか否かを判定し、それらが一致しないと判定すると、通話要求を規制する。
【0016】
登録制御部31Bは、東京内線電話端末10,11および大阪内線電話端末20,21からの登録要求を入力すると、通信部12から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部33に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致するか否かを判定する。登録制御部31Bは、それらグローバルIPアドレスが一致しないと判定すると、登録要求を送信した東京内線電話端末10,11または大阪内線電話端末20,21に後述する緊急発信不可知覚設定を行わせる。また、登録制御部31Bは、グローバルIPアドレスが一致すると判定すると、通信部12から送信される東京内線電話端末10,11および大阪内線電話端末20,21のローカルIPアドレスのネットワークアドレス部と記憶部33に記憶された登録ネットワークアドレス部とが一致するか否かを判定し、それらが一致しないと判定すると、登録要求を送信した東京内線電話端末10,11または大阪内線電話端末20,21に緊急発信不可知覚設定を行わせる。さらに、登録制御部31Bは、グローバルIPアドレスが一致すると判定し、ネットワークアドレス部が一致すると判定すると、登録要求を送信した東京内線電話端末10,11または大阪内線電話端末20,21に後述する緊急発信許可知覚設定を行わせる。
【0017】
通信部32は、内部機器および外部機器との情報の送受信を行う各種通信デバイスなどからなるものである。通信部32は、通信部12から送信されるローカルIPアドレスおよびグローバルIPアドレスを通信制御部31Aに入力する。また、通信部32は、通信制御部31Aからの通話要求指示、登録制御部31Bからの緊急発信不可指示または緊急発信許可指示を通信部12に送信する。
記憶部33は、例えば、ハードディスクやメモリなどからなり、各種プログラムや作業データなどを記憶する。また、記憶部33は、緊急番号、グローバルIPアドレスおよびネットワークアドレス部を記憶する。すなわち、クラウドPBXサービス提供者による記憶操作により、登録制御部31Bは、緊急番号を記憶部33に事前に記憶する。また、登録制御部31Bは、自動的にグローバルIPアドレスおよびネットワークアドレス部を記憶部33に事前に記憶する。
緊急番号とは、緊急の連絡のための電話番号であって、例えば「110」または「119」等が設定される。
記憶部33において、グローバルIPアドレスは、緊急の通話要求を許可するものが設定され、この緊急の通話要求が許可されて記憶部33に記憶されたものが、登録グローバルIPアドレスとなる。例えば、登録グローバルIPアドレスとして、「0.0.0.15」が記憶される。なお、ここでの登録グローバルIPアドレスは、通信部12のグローバルIPアドレスである。
記憶部33において、ネットワークアドレス部は、緊急の通話要求を許可するものが設定され、この緊急の通話要求が許可されて記憶部33に記憶されたものが、登録ネットワークアドレス部となる。例えば、登録ネットワークアドレス部として、「0.0.1」が記憶される。なお、ここでの登録ネットワークアドレス部は、東京本店通信システム100内のネットワークアドレス部である。
【0018】
次に、通信管理システム1およびクラウドPBXサーバ30における登録処理について説明する。
図2は、東京本店通信システム100からクラウドPBXサーバ30への登録処理のフローを示すシーケンス図である。
なお、クラウドPBXサーバ30の記憶部33には、クラウドPBXサービス提供者によって、ユーザ識別情報、緊急番号、登録グローバルIPアドレスおよび登録ネットワークアドレス部が予め記憶されている。
ユーザ識別情報とは、クラウドPBXサーバ30によるクラウドPBXサービスを利用することができるユーザを識別するための情報であり、例えば、ユーザIDやパスワードなどを含んでいる。
緊急番号としては、例えば、「110」および「119」が記憶されている。
登録グローバルIPアドレスとしては、例えば、通信部12のグローバルIPアドレス「0.0.0.15」が記憶されている。
登録ネットワークアドレス部としては、例えば、東京本店通信システム100におけるローカルIPアドレス「0.0.1.10」のネットワークアドレス部「0.0.1」が記憶されている。
【0019】
なお、東京内線電話端末10,11を使用した登録処理のフローは、同一であるため、ここでは、東京内線電話端末10を使用した登録処理フローのみを説明するものとする。
まず、ユーザが東京内線電話端末10を操作して、クラウドPBXサーバ30に登録する。すなわち、東京内線電話端末10は、登録要求を社内LANを介して通信部12に送信する(ステップS1)。この登録要求には、ユーザ識別情報と登録要求情報と東京内線電話端末10自身に設定されているローカルIPアドレスとが含まれている。このローカルIPアドレスは、例えば、「0.0.1.10」に設定されている。
通信部12は、登録要求を入力すると、その登録要求をインターネットを介してクラウドPBXサーバ30に送信する(ステップS2)。この登録要求には、ユーザ識別情報と、登録要求情報と、東京内線電話端末10のローカルIPアドレスと、通信部12自身に設定されているグローバルIPアドレスとが含まれている。このグローバルIPアドレスは、例えば、「0.0.0.15」に設定されている。
【0020】
クラウドPBXサーバ30の通信部32は、その登録要求を入力すると制御部31に出力する。登録制御部31Bは、その登録要求を入力し、登録処理を行う(ステップS3)。すなわち、登録制御部31Bは、入力したユーザ識別情報が記憶部33に記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定すると、通信制御部31Aに通信許可指示を出力する。そして、通信制御部31Aは、東京本店通信システム100および大阪支店通信システム200が外線電話端末といつでも通信できるように、オンライン状態を維持する。一方、登録制御部31Bは、入力したユーザ識別情報が記憶部33に記憶されていないと判定すると、通信部12を介して東京内線電話端末10に登録不可情報を表示させる。
【0021】
また、登録制御部31Bは、登録処理を行うと、通信部12が送信した登録要求に含まれるグローバルIPアドレスを抽出し、当該グローバルIPアドレスと、記憶部33に記憶されている登録グローバルIPアドレスと一致するかを判定する(ステップS4)。登録制御部31Bは、一致しないと判定すると(ステップS4:No)、緊急発信不可指示を通信部32を介して通信部12に送信する(ステップS5)。なお、このとき、登録制御部31Bは、クラウドPBXサーバ30の例えば表示部に緊急発信不可指示を出力して、表示部の管理インターフェースに緊急発信が不可であることを表示させるようにしてもよい。なお、知覚の設定は後述するように表示以外のものであってもよい。
なお、緊急発進不可指示とは、緊急番号に電話をかけても電話が繋がらない設定になっていることをユーザ等に知らしめるために東京内線電話端末10,11および大阪内線電話端末20,21等に対して知覚設定を行わせる指示を言う。
通信部12は、通信部32が送信した緊急発進不可指示を入力し、この緊急発信不可指示を東京内線電話端末10に出力する(ステップS6)。
【0022】
東京内線電話端末10は、その緊急発信不可指示を入力すると、緊急発信不可知覚設定を行う(ステップS7)。
なお、緊急発信不可知覚設定とは、東京内線電話端末10のユーザが緊急番号に電話をかけても電話が繋がらない設定になっていることを知覚できるように、例えば文字、図表もしくは光などによる表示、音または振動などによって知覚させる設定を行うことをいう。
一方、ステップS4において、登録制御部31Bは、グローバルIPアドレスと登録グローバルIPアドレスとが一致すると判定すると、通信部12が送信した登録要求に含まれる東京内線電話端末10のローカルIPアドレスのうちのネットワークアドレス部を抽出し、当該ネットワークアドレス部と、記憶部33に記憶されている登録ネットワークアドレス部とが一致するかを判定する(ステップS8)。
【0023】
登録制御部31Bは、それらネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致しないと判定すると(ステップS8:No)、緊急発信不可指示を通信部32を介して通信部12に送信する(ステップS9)。
通信部12は、その緊急発信不可指示を入力し、この緊急発信不可指示を東京内線電話端末10に出力する(ステップS10)。
東京内線電話端末10は、その緊急発信不可指示を入力すると、緊急発信不可知覚設定を行う(ステップS11)。
【0024】
また、ステップS8において、登録制御部31Bは、ネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致すると判定すると(ステップS8:Yes)、緊急発信許可指示を通信部32を介して通信部12に送信する(ステップS12)。
なお、緊急発信許可指示とは、緊急番号に電話をかけると電話が繋がる設定になっていることをユーザに知らしめるために東京内線電話端末10,11および大阪内線電話端末20,21に対して知覚設定を行わせる指示を言う。
通信部12は、その緊急発信許可指示を入力し、この緊急発信許可指示を東京内線電話端末10に出力する(ステップS13)。
東京内線電話端末10は、その緊急発信許可指示を入力すると、緊急発信許可知覚設定を行う(ステップS14)。
なお、緊急発信許可知覚設定とは、東京内線電話端末10のユーザが緊急番号に電話をかけると電話が繋がる設定になっていることを知覚できるように、例えば文字、図表もしくは光などによる表示、音または振動などによって知覚させる設定を行うことをいう。
【0025】
本実施例では、具体的な処理フローとして、ステップS4において登録制御部31Bは、入力したグローバルIPアドレス「0.0.0.15」と、登録グローバルIPアドレス「0.0.0.15」とが一致すると判定し、ステップS8に進む。そして、ステップS8において登録制御部31Bは、入力したローカルIPアドレスのうちのネットワークアドレス部「0.0.2」と、登録ネットワークアドレス部「0.0.20」とが一致すると判定し、ステップS14において東京内線電話端末10は緊急発信許可知覚設定を行う。
なお、ここでは、東京本店通信システム100からクラウドPBXサーバ30に対する登録処理について説明したが、大阪支店通信システム200からクラウドPBXサーバ30に対する登録処理は、前述の登録処理と同一であり、ここでの詳細な説明は省略する。
なお、大阪内線電話端末20,21と登録制御部31Bとの間で、通信部22および通信部32を介して前述と同様の登録処理を行う。
【0026】
次に、通信管理システム1およびクラウドPBXサーバ30における発信処理について説明する。
図3は、東京本店通信システム100からクラウドPBXサーバ30への発信処理のフローを示すシーケンス図である。
なお、前述の登録処理と同様、クラウドPBXサーバ30の記憶部33には、クラウドPBXサービス提供者によって、ユーザ識別情報、緊急番号、登録グローバルIPアドレスおよび登録ネットワークアドレス部が予め記憶されている。
また、東京本店通信システム100からクラウドPBXサーバ30への登録処理は終了しており、通信制御部31Aは、東京本店通信システム100および大阪支店通信システム200が外線電話端末といつでも通信できるように、オンライン状態を維持しているものとする。
また、東京内線電話端末10,11を使用した発信処理のフローは、同一であるため、ここでは、東京内線電話端末10を使用した発信処理のフローのみを説明するものとする。
【0027】
まず、ユーザが東京内線電話端末10を操作して、所定の番号へ電話かける。すると、東京内線電話端末10は、通話要求を社内LANを介して通信部12に送信する(ステップS21)。この通話要求には、通話要求情報と、相手先電話番号と、東京内線電話端末10自身に設定されているローカルIPアドレスとが含まれている。このローカルIPアドレスは、例えば、「0.0.1.10」に設定されており、ネットワークアドレス部「0.0.1」を含むものである。また、相手先電話番号は、例えば、「110」とする。
通信部12は、通話要求を入力すると、その通話要求をインターネットを介してクラウドPBXサーバ30に送信する(ステップS22)。この通話要求には、通話要求情報と、相手先電話番号と、東京内線電話端末10のローカルIPアドレスと、通信部12自身に設定されているグローバルIPアドレスとが含まれている。このグローバルIPアドレスは、例えば、「0.0.0.15」に設定されている。
【0028】
クラウドPBXサーバ30の通信部32は、その通話要求を入力すると制御部31に出力する。通信制御部31Aは、その通話要求を入力すると、緊急電話か否かを判定する(ステップS23)。すなわち、通信制御部31Aは、入力した通話要求に含まれる相手先電話番号を抽出し、記憶部33に記憶されている緊急番号を読み出して、これら相手先電話番号と緊急番号とが一致するか否かを判定する。通信制御部31Aは、一致しないと判定すると(ステップS23:No)、通信部32を介して通信部12に通話要求指示を送信する(ステップS24)。このときは、通信制御部31Aは、緊急電話ではないものと判定し、通常電話であるものとして処理することになる。
通信部12は、その通話要求指示を入力すると、電話通信部13に通話要求指示を出力する(ステップS25)。電話通信部13は、通信部12が出力した通話要求指示を入力すると、通話要求の発信処理を行う(ステップS26)。すなわち、電話通信部13は、外線電話端末に通話要求を送信し、東京内線電話端末10と外線電話端末との間で通話を行わせる。
【0029】
一方、ステップS23において、通信制御部31Aは、相手先電話番号と緊急番号とが一致すると判定すると(ステップS23:Yes、緊急番号であると判定)、通信部12が送信した通話要求に含まれるグローバルIPアドレスを抽出し、当該グローバルIPアドレスと、記憶部33に記憶されている登録グローバルIPアドレスと一致するかを判定する(ステップS27)。通信制御部31Aは、一致しないと判定すると(ステップS27:No)、通話要求指示を行わずに通話要求を規制する切断処理を行う(ステップS28、規制制御ステップ)。このとき、通信制御部31Aが、通信部32を介して、緊急発信不可知覚指示を通信部12に送信して、表示、音、振動などにより緊急発信不可であることを知覚させる知覚設定を東京内線電話端末10に行わせるようにしてもよい。
【0030】
一方、ステップS27において、通信制御部31Aは、グローバルIPアドレスと登録グローバルIPアドレスとが一致すると判定すると(ステップS27:Yes)、通信部12が送信した通話要求に含まれる東京内線電話端末10のローカルIPアドレスのうちのネットワークアドレス部と、記憶部33に記憶されている登録ネットワークアドレス部とが一致するかを判定する(ステップS29)。
通信制御部31Aは、それらネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致すると判定すると(ステップS29:Yes)、通信部32を介して通話要求指示を通信部12に送信する(ステップS30)。
前述と同様に、通信部12は、その通話要求指示を入力して、電話通信部13に通話要求指示を出力する(ステップS31)。電話通信部13は、前述と同様の発信処理を行う(ステップS32)。
また、ステップS29において、通信制御部31Aは、ネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致していないと判定すると(ステップS29:No)、前述と同様の切断処理を行う(ステップS33、第2の規制制御ステップ)。このとき、通信制御部31Aが、通信部32を介して、緊急発信不可知覚指示を通信部12に送信して、表示、音、振動などにより緊急発信不可であることを知覚させる知覚設定を東京内線電話端末10に行わせるようにしてもよい。
【0031】
本実施例では、具体的な処理フローとして、通信制御部31Aは、ステップS23において相手先電話番号「110」と記憶部33に記憶された緊急電話とが一致すると判定し(ステップS23:Yes)、ステップS27においてグローバルIPアドレス「0.0.0.15」と登録グローバルIPアドレス「0.0.0.15」とが一致すると判定し(ステップS27:Yes)、ステップS29においてネットワークアドレス部「0.0.1」と登録ネットワークアドレス部「0.0.1」とが一致すると判定し(ステップS29:Yes)、電話通信部13に発信処理を行わせる(ステップS32)。すなわち、東京内線電話端末10が、エリア内の最寄りの警察署に緊急電話を発信することができる。
【0032】
また、例えば、大阪内線電話端末20が、通常の相手先電話番号に電話をかけて、通信部22を介してクラウドPBXサーバ30に通話要求指示を送信すると、通信制御部31Aは、東京本店通信システム100の通信部12に通話要求指示を送信し、電話通信部13が発信処理を行うことになる。その場合、相手先の外線電話端末からすると、大阪から発信されていても、東京本店通信システム100から発信されているのと同じことになる。そのため、従来では、大阪から緊急の電話をすると、東京本店通信システム100の最寄りの警察署等に発信されてしまうという問題がある。
一方、例えば大阪内線電話端末20が、通信部22を介してクラウドPBXサーバ30に緊急の通話要求を直接発信しても、通信制御部31Aは、通信部22のグローバルIPアドレス「0.0.0.25」と登録グローバルIPアドレス「0.0.0.15」とが一致しないと判定し(ステップS27:No)、切断処理を行う(ステップS28)。そのため、大阪から緊急の電話をかけているのに東京本店通信システム100の最寄りの東京の警察署に発信されてしまうことが防止される。この場合、ネットワークアドレス部の一致を判定する処理(ステップS29)が無くても、グローバルIPアドレスの一致を判定するだけで、大阪発信で東京に緊急発信されてしまうことは防止される。
【0033】
しかし、本実施例のように、東京本店通信システム100と大阪支店通信システム200とが、VPN(Virtual Private Network)を介して接続されていると、大阪支店通信システム200の通信部22からの通話要求は、クラウドPBXサーバ30には直接送信されず、東京本店通信システム100の通信部12を介して送信されることになる。そうすると、大阪から緊急の電話をかけると、通信制御部31Aは、通信部12から送信されるグローバルIPアドレス「0.0.0.15」と登録グローバルIPアドレス「0.0.0.15」とが一致すると判定し(ステップS27:Yes)、ネットワークアドレス部の一致を判定する処理(ステップS29)がないと、東京に緊急発信されてしまうことになる。
本実施例では、図4に示す大阪発信フローに示すように、東京本店通信システム100と大阪支店通信システム200とが、VPN(Virtual Private Network)を介して接続されていても、大阪からの緊急発信が東京に送られてしまうことが防止される。
【0034】
図4は、東京本店通信システム100と大阪支店通信システム200とがVPN(Virtual Private Network)を介して接続されているときの大阪支店通信システム200から東京本店通信システム100の通信部12を介するクラウドPBXサーバ30への発信処理のフローを示すシーケンス図である。
なお、図4に示す大阪発信フローは、図3に示す東京発信フローと基本的には同一であるため、同一のフローには同一の符号を示すものとし、ここでは主として異なる処理について説明する。
まず、ユーザが大阪内線電話端末20を操作して、所定の番号へ電話かける。すると、大阪内線電話端末20は、通話要求を社内LANを介して通信部22に送信する(ステップS41)。この通話要求には、通話要求情報と、相手先電話番号と、大阪内線電話端末20自身に設定されているローカルIPアドレスとが含まれている。このローカルIPアドレスは、例えば、「0.0.2.20」に設定されており、ネットワークアドレス部「0.0.2」を含むものである。また、相手先電話番号は、例えば、「110」とする。
【0035】
通信部22は、通話要求を入力すると、その通話要求をVPN(Virtual Private Network)を介して通信部12に送信する(ステップS42)。この通話要求には、通話要求情報と、相手先電話番号と、大阪内線電話端末20のローカルIPアドレスと、通信部22自身に設定されているグローバルIPアドレスとが含まれている。このグローバルIPアドレスは、例えば、「0.0.0.25」に設定されている。
通信部12は、通信部22が送信した通話要求を入力すると、その通話要求をインターネットを介してクラウドPBXサーバ30に送信する(ステップS43)。この通話要求には、通話要求情報と、相手先電話番号と、大阪内線電話端末20のローカルIPアドレスと、通信部12自身に設定されているグローバルIPアドレスとが含まれている。このグローバルIPアドレスは、例えば、「0.0.0.15」に設定されている。
【0036】
それ以降は、通信管理システム1が、前述と同様に、ステップS23~S33までの処理を行う。
本実施例では、具体的な処理フローとして、通信制御部31Aは、ステップS23において相手先電話番号「110」と記憶部33に記憶された緊急電話とが一致すると判定し(ステップS23:Yes)、ステップS27においてグローバルIPアドレス「0.0.0.15」と登録グローバルIPアドレス「0.0.0.15」とが一致すると判定し(ステップS27:Yes)、ステップS29においてネットワークアドレス部「0.0.2」と登録ネットワークアドレス部「0.0.1」とが一致しないと判定し(ステップS29:No)、切断処理を行う(ステップS33)。
一方、大阪内線電話端末20から緊急ではなく通常の相手先電話番号に電話をかけたときは、通信制御部31Aは、ステップS23において相手先電話番号と記憶部33に記憶された緊急電話とが一致しないと判定し(ステップS23:No)、電話通信部13に発信処理を行わせる(ステップS26)。
すなわち、大阪内線電話端末20から通常の電話相手先電話番号に電話をかけると、電話通信部13を介して外線電話端末と通話を行うことができ、大阪内線電話端末20から緊急の電話相手先電話番号に電話をかけるときのみ、通話要求を切断することができる。
【0037】
以上より、本実施形態における通信管理システム1およびクラウドPBXサーバ30によれば、通信制御部31Aが、通信部12からの通話要求が緊急の通話要求の場合において、通信部12から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部33に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき、通話要求を規制する。そのため、通信部12と同一エリアに設置される電話通信部13を介して、緊急相手先の管轄が異なるほど離れた場所にある電話端末から緊急の電話をかけたとしても、電話通信部13の管轄における緊急相手先に電話をかけてしまうことが防止される。したがって、緊急の通話要求を適切に処理することができる。
また、通信制御部31Aは、通信部12からの通話要求が緊急の通話要求の場合において、通信部12から送信されるグローバルIPアドレスと登録グローバルIPアドレスとが一致し、かつ通信部12から送信される東京内線電話端末10,11または大阪内線電話端末20,21のローカルIPアドレスのネットワークアドレス部と記憶部33に記憶された登録ネットワークアドレス部とが一致しないとき、通話要求を規制する。そのため、2拠点がVPN(Virtual Private Network)などで接続されて、一方の拠点の通信部12および電話通信部13を介して通話要求を送信する場合であっても、緊急の通話要求を適切に処理することができる。
【0038】
また、登録制御部31Bは、東京内線電話端末10,11または大阪内線電話端末20,21から通信部12,22を介して送信される登録要求を入力すると、通信部12,22から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部33に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき、緊急発信不可知覚設定を東京内線電話端末10,11または大阪内線電話端末20,21に行わせる。そのため、東京内線電話端末10,11または大阪内線電話端末20,21を使用するユーザに、緊急発信が不可であることを事前に知覚させることができる。
また、登録制御部31Bは、東京内線電話端末10,11または大阪内線電話端末20,21から通信部12,22を介して送信される登録要求を入力すると、通信部12,22から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部33に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致し、かつ通信部12,22から送信される東京内線電話端末10,11または大阪内線電話端末20,21のローカルIPアドレスのネットワークアドレス部と記憶部33に記憶された登録ネットワークアドレス部とが一致するとき、緊急発信許可知覚設定を東京内線電話端末10,11または大阪内線電話端末20,21に行わせる。そのため、東京内線電話端末10,11または大阪内線電話端末20,21を使用するユーザに、緊急発信が可能であることを事前に知覚させることができる。
【0039】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、通信制御部31Aが、グローバルIPアドレスと登録グローバルIPアドレスとが一致するかを判定するとしているが、この機能は設けなくてもよい。その場合、通信制御部31Aが、ネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致するかを判定すればよい。
また、通信制御部31Aが、ネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致するかを判定するとしているが、この機能は設けなくてもよい。その場合、通信制御部31Aが、グローバルIPアドレスと登録グローバルIPアドレスとが一致するかを判定すればよい。
すなわち、通信制御部31Aが、グローバルIPアドレスと登録グローバルIPアドレスとが一致するかを判定し、ネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致するかを判定するとしているが、これに限ることはなく、少なくともいずれか一方を判定するとしてもよい。
【0040】
また、通信制御部31Aが、グローバルIPアドレスと登録グローバルIPアドレスとが一致するかを判定し、次にネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致するかを判定するとしているが、これに限ることはなく、これらの順番を変えてもよい。すなわち、通信制御部31Aが、ネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致するかを判定し、次にグローバルIPアドレスと登録グローバルIPアドレスとが一致するかを判定するとしてもよい。この場合の具体的な発進処理のフローを図5に示す。図5においては、図3と同じ処理であるため、符号は全て同じとしその説明を省略する。ただし、ステップS27と、ステップS29との順番が入れ替えられている。すなわち、通信制御部31Aは、ネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致するかを判定し(ステップS29)、それらが一致しないと判定すると(ステップS29:No)、切断処理を行う(ステップS28)。一方、通信制御部31Aは、ネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致すると判定すると(ステップS29:Yes)、グローバルIPアドレスと登録グローバルIPアドレスとが一致するかを判定し(ステップS27)、それらが一致しないと判定すると(ステップS27:No)、切断処理を行う(ステップS33)。
また、通信制御部31Aが、緊急電話かを判定し、グローバルIPアドレスと登録グローバルIPアドレスとが一致するかを判定し、ネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致するかを判定するとしているが、これに限ることはなく、これらの機能の少なくともいずれか一つを電話通信部13が行うようにしてもよい。例えば、電話通信部13が備える固定電話ゲートウェイが行うようにしてもよい。この場合、電話通信部13が通信管理装置として機能する。さらに、前述の機能の少なくともいずれか一つを通信部12が行うようにしてもよい。この場合は、通信部12が通信管理装置として機能する。さらに、前述の機能を、通信制御部31A、通信部12または電話通信部13のいずれかに分散させてもよい。また、前述の通信制御部31Aの変形例は、通信部12および電話通信部13にも適用できることは言うまでもない。
【0041】
また、登録制御部31Bが、グローバルIPアドレスと登録グローバルIPアドレスとが一致するかを判定し、かつネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致するかを判定するとしているが、この機能は設けなくてもよい。その場合、緊急発信不可知覚設定および緊急発信許可知覚設定は行わなくてもよい。
また、登録制御部31Bが、グローバルIPアドレスと登録グローバルIPアドレスとが一致するかを判定し、かつネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致するかを判定するとしているが、少なくともいずれか一方を判定するとしてもよい。
また、登録制御部31Bが、緊急発信不可知覚設定および緊急発信許可知覚設定を行わせるとしているが、これに限ることはなく、少なくともいずれか一方を行わせるようにしてもよい。
また、登録制御部31Bが、グローバルIPアドレスと登録グローバルIPアドレスとが一致するかを判定し、次にネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致するかを判定するとしているが、これに限ることはなく、これらの順番を変えてもよい。すなわち、登録制御部31Bが、ネットワークアドレス部と登録ネットワークアドレス部とが一致するかを判定し、次にグローバルIPアドレスと登録グローバルIPアドレスとが一致するかを判定するとしてもよい。すなわち、図5において、図3のステップS27とステップS29とを入れ替えたのと同様、図2のステップS4とステップS8とを入れ替えてもよい。
【0042】
また、東京内線電話端末10,11または大阪内線電話端末20,21が設置されているとしているが、内線電話端末の設置数は適宜変更可能である。
また、グローバルIPアドレス、ローカルIPアドレス、ネットワークアドレス部およびホスト部の設定は、適宜変更可能である。
また、記憶部33が記憶する登録グローバルIPアドレスが通信部12のグローバルIPアドレスであるとしているが、これに限ることはなく、例えば固定電話ゲートウェイなどの電話通信部13のグローバルIPアドレスであってもよい。
また、通信部12が東京内線電話端末10,11または大阪内線電話端末20,21のローカルIPアドレスを送信するとしているが、これに限ることはなく、ネットワークアドレス部を送信するとしてもよい。
また、記憶部33は、ネットワークアドレス部を記憶するとしているが、これに限ることはなく、ローカルIPアドレスを記憶してもよい。
【0043】
また、東京本店通信システム100、大阪支店通信システム200およびクラウドPBXサーバ30を構成する前述の各機能部は、単体のコンピュータに備えられていてもよいし、通信ネットワークを介して通信可能な複数のコンピュータに分散して備えられていてもよい。
また、通信管理システム1およびクラウドPBXサーバ30の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各種処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0044】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ハードディスク、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、DVD、USB(登録商標)メモリ等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0045】
既述の実施形態に関し、さらに以下の付記を示す。
(付記1)
電話端末に接続されて前記電話端末と外線電話端末とで通話を行わせる通信管理装置であって、
前記電話端末から通信部を介して前記外線電話端末への通話要求を入力すると、前記通話要求が緊急の通話要求の場合において、前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき、前記通話要求を規制する規制制御部を備える通信管理装置。
【0046】
(付記2)
前記規制制御部は、前記通話要求が緊急の通話要求の場合において、前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと前記登録グローバルIPアドレスとが一致し、かつ前記通信部から送信される前記電話端末のネットワークアドレス部と記憶部に記憶された登録ネットワークアドレス部とが一致しないとき、前記通話要求を規制する付記1に記載の通信管理装置。
【0047】
(付記3)
前記規制制御部は、前記通話要求が緊急の通話要求の場合において、前記通信部から送信される前記電話端末のネットワークアドレス部と記憶部に記憶された登録ネットワークアドレス部とが一致し、かつ前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと前記登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき、前記通話要求を規制する付記1に記載の通信管理装置。
【0048】
(付記4)
前記電話端末から前記通信部を介して送信される登録要求を入力すると、前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき、緊急発信不可知覚設定を前記電話端末に行わせる登録制御部を備える付記1から付記3のいずれか一項に記載の通信管理装置。
【0049】
(付記5)
電話端末に接続されて前記電話端末と外線電話端末とで通話を行わせる通信管理装置における通信管理方法であって、
前記電話端末から通信部を介して前記外線電話端末への通話要求を入力すると、前記通話要求が緊急の通話要求の場合において、前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき、前記通話要求を規制する規制制御ステップを含む通信管理方法。
【0050】
(付記6)
電話端末に接続されて前記電話端末と外線電話端末とで通話を行わせる通信管理装置における通信管理プログラムであって、
前記電話端末から通信部を介して前記外線電話端末への通話要求を入力すると、前記通話要求が緊急の通話要求の場合において、前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき、前記通話要求を規制する規制制御ステップを前記通信管理装置に実行させる通信管理プログラム。
【0051】
(付記7)
電話端末と、当該電話端末に接続される通信管理装置とを備え、前記電話端末と外線電話端末とで通話を行わせる通信管理システムであって、
前記通信管理装置は、
前記電話端末から通信部を介して前記外線電話端末への通話要求を入力すると、前記通話要求が緊急の通話要求の場合において、前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき、前記通話要求を規制する規制制御部を備える通信管理システム。
【0052】
(付記8)
電話端末と、当該電話端末にネットワークを介して接続されるクラウドPBXサーバとを備え、前記電話端末と外線電話端末とで通話を行わせる通信管理システムであって、
前記クラウドPBXサーバは、
前記電話端末から通信部を介して前記外線電話端末への通話要求を入力すると、前記通話要求が緊急の通話要求の場合において、前記通信部から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき、前記通話要求を規制する規制制御部を備える通信管理システム。
【符号の説明】
【0053】
1 通信管理システム
10,11 東京内線電話端末(電話端末)
12 通信部
20,21 大阪内線電話端末(電話端末)
30 クラウドPBXサーバ30(通信管理装置)
31A 通信制御部(規制制御部)
31B 登録制御部
33 記憶部
【要約】
【課題】緊急の通話要求を適切に処理することができる通信管理装置、通信管理方法、通信管理プログラムおよび通信管理システムを提供すること。
【解決手段】電話端末10,11,20,21と外線電話端末とで通話を行わせる通信管理装置1であって、電話端末10,11,20,21から通信部12を介して外線電話端末への通話要求を入力すると、通話要求が緊急の通話要求の場合において、通信部12から送信されるグローバルIPアドレスと記憶部33に記憶された登録グローバルIPアドレスとが一致しないとき、通話要求を規制する規制制御部31Aを備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5