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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】搬送車両
(51)【国際特許分類】
   B62B 3/02 20060101AFI20220905BHJP
   B60B 19/00 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
B62B3/02 H
B60B19/00 H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022058085
(22)【出願日】2022-03-31
(62)【分割の表示】P 2021169165の分割
【原出願日】2021-10-14
【審査請求日】2022-06-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518175670
【氏名又は名称】株式会社アットロボティクス
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】竹中 司
【審査官】塚本 英隆
(56)【参考文献】
【文献】実開平02-104404(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第112299313(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104692293(CN,A)
【文献】特開平11-139321(JP,A)
【文献】特開2021-151857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 3/02
B60B 19/00
B66F 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送車両であって、
載置部と、全方向駆動部と、補助輪と、荷重分散機構とを備え、
前記載置部は、水平方向に延びるように形成され、荷物を載置可能に構成され、
前記全方向駆動部は、前記載置部の一方側に接続され、複数の駆動輪から構成され、前記各駆動輪の回転に応じて任意の方向に移動可能に構成され、
前記補助輪は、前記載置部の他方側の底部に配置され、前記載置部を支持可能に構成され、
前記荷重分散機構は、前記全方向駆動部の接地圧を上げるように構成されることで、前記載置部における荷重を前記全方向駆動部に分散させ、
前記荷重分散機構は、リンク機構から構成され、
前記リンク機構は、第1リンク部と、第2リンク部と、第3リンク部とを備え、
前記第1リンク部は、前記載置部に揺動可能に支持され、
前記第2リンク部は、前記第1リンク部に接続され、前記載置部と略平行方向にスライド可能に構成され、
前記第3リンク部は、前記第2リンク部に接続され、前記載置部の基端部に揺動可能に支持され、
前記全方向駆動部は、前記第3リンク部に接続され、
前記第1リンク部は、前記載置部の上昇に応じて揺動し、
前記第2リンク部は、前記第1リンク部の揺動に応じてスライドし、
前記第3リンク部は、前記第2リンク部のスライドに応じて揺動し、前記全方向駆動部を下降させる、
搬送車両。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送車両において、
前記複数の駆動輪は、メカナムホイールから構成される、
搬送車両。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の搬送車両において、
前記載置部は、昇降可能に構成され、
前記荷重分散機構は、前記載置部の上昇に応じて、前記全方向駆動部の接地圧を上げるように構成される、
搬送車両。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の 搬送車両において、
前記リンク機構は、金属によって形成されている、
搬送車両。
【請求項5】
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の 搬送車両において、
前記リンク機構は、樹脂によって形成されている、
搬送車両。
【請求項6】
請求項1~請求項のいずれか1項に記載の搬送車両において、
前記全方向駆動部は、中央部、前側部、後側部及び回転軸部から構成され、
前記中央部は、前記載置部の一方側に接続され、
前記前側部は、前記中央部に対向し、前記載置部の反対側に配置され、
前記後側部は、前記中央部に対向し、前記前側部の反対側に配置され、
前記回転軸部は、前記中央部と前記前側部とを連結し、
前記回転軸部は、前記中央部と前記後側部とを連結し、
前記中央部、前記前側部及び前記後側部は、前記回転軸部を中心に、それぞれ独立して揺動可能に構成される、
搬送車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送車両に関する。
【背景技術】
【0002】
荷物を搬送するためのメカナムホイール車両が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2018-502767号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された車両では、4つのメカナムホイール駆動部の重心線と、荷物載置部の重心線とを一致させる必要があった。例えば、4つのメカナムホイール駆動部の重心線と、荷物載置部の重心線とが一致しない態様で荷物載置部が形成された車両では、当該荷物載置部に荷物を載置すると、いずれかのメカナムホイールが浮き上がって空転するおそれがあった。
【0005】
メカナムホイール駆動部やオムニホイール駆動部を備える搬送車両は、各ホイールの回転に応じて任意の方向に移動するため、いずれかのホイールが空転すると、所望の方向に移動することができない。したがって、このような搬送車両では、載置部を設けることができる位置が制限されていた。
【0006】
本発明では上記事情を鑑み、載置部を設ける位置の自由度を向上させることができる、全方向に移動可能な搬送車両を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、搬送車両が提供される。この搬送車両は、載置部と、全方向駆動部と、補助輪と、荷重分散機構とを備える。載置部は、水平方向に延びるように形成され、荷物を載置可能に構成される。全方向駆動部は、載置部の一方側に接続され、複数の駆動輪から構成され、各駆動輪の回転に応じて任意の方向に移動可能に構成される。補助輪は、載置部の他方側の底部に配置され、載置部を支持可能に構成される。荷重分散機構は、載置部における荷重を全方向駆動部に分散させる。
【0008】
上記の開示によれば、全方向に移動可能な搬送車両において、載置部を設ける位置の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】搬送車両100の構成を示す斜視図である。
図2】メカナムホイール121の構成を示す図である。
図3】メカナムホイール121の構成を示す図である。
図4】フォーク110の下降状態における搬送車両100の各部とリンク機構140との関係を示す図である。
図5】フォーク110の下降状態におけるリンク機構140の構成を示す図である。
図6】全方向駆動部120の機構を説明するための模式図である。
図7】フォーク110の上昇状態における搬送車両100の各部とリンク機構140との関係を示す図である。
図8】フォーク110の上昇状態におけるリンク機構140の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
1.構成
第1節では、本実施形態の構成について説明する。
【0012】
1.1 搬送車両100
図1は、搬送車両100の構成を示す斜視図である。搬送車両100は、フォーク(請求項の載置部に相当)110と、全方向駆動部120と、補助輪130と、リンク機構(請求項の荷重分散機構に相当)140とを備える。これらの構成要素についてさらに説明する。ここで、搬送車両100は、不図示の通信部により制御信号を受信し、当該制御信号に基づいて動作可能であるものとする。なお、補助輪130は、フォーク110の底部に配置されていることから、図1では視認できないため、図1では破線で示している。
【0013】
1.2 フォーク110
フォーク110は、昇降可能に構成される。フォーク110は、油圧により上昇し、油圧を開放することにより下降する。フォーク110は、パレットの差込口に差し込まれた状態で、下降状態から油圧により上昇状態とすることで、パレットを持ち上げることができる。すなわち、フォーク110は、パレットに積まれた荷物をパレットごと載置可能に構成される。
【0014】
フォーク110は、鋼によって形成されている。フォーク110は、山形部111を基点として二又に分かれて形成されている。フォーク110は、山形部111を基点として二又の各部が水平方向に延びるように形成されている。フォーク110は、中空状に形成されている。
【0015】
1.3 全方向駆動部120
全方向駆動部120は、複数の駆動輪と、シャフト122と、前側シャーシ(請求項の前側部に相当)123と、中央シャーシ(請求項の中央部に相当)125と、後側シャーシ(請求項の後側部に相当)126と、回転軸部127とを備える。前側シャーシ123、中央シャーシ125、後側シャーシ126及び回転軸部127については後述する。
【0016】
各駆動輪は、メカナムホイール121から構成される。前側シャーシ123及び後側シャーシ126は、各メカナムホイール121を回転可能に支持する。シャフト122は、中央シャーシ125から鉛直上方に延びて形成されている。全方向駆動部120は、各メカナムホイール121の回転に応じて任意の方向に移動可能に構成される。全方向駆動部120(中央シャーシ125)は、シャフト122と、山形部111との接続部124を介して、フォーク110の一方側に接続される。
【0017】
1.4 補助輪130
補助輪130は、フォーク110を支持可能に構成される。補助輪130は、支持部材131に回転可能に支持される。補助輪130は、フォーク110における山形部111とは反対側(請求項の他方側に相当)の底部に配置される。補助輪130は、ウレタンによって形成されている。
【0018】
1.5 リンク機構140の概略
リンク機構140は、フォーク110における荷重を全方向駆動部120に分散させる。すなわち、リンク機構140は、フォーク110の上昇状態においてパレットに積まれた荷物による荷重の少なくとも一部を、全方向駆動部120に分散させる。具体的には、リンク機構140は、フォーク110の上昇に応じて、フォーク110(及び補助輪130)にかかる荷重の少なくとも一部を全方向駆動部120にかけるように動作することで、全方向駆動部120の接地圧を上げるように構成される。
【0019】
リンク機構140は、中央シャーシ125との接続部149を介して、全方向駆動部120に接続されている。リンク機構140は、フォーク110の内部に配置されている。リンク機構140は、支持部材131との接続部132を介して、支持部材131と接続されている。リンク機構140は、金属によって形成されている。リンク機構140は、フォーク110の山形部111側から補助輪130側にかけて延びるように形成されている。
【0020】
リンク機構140が金属によって形成されていることによれば、優れた強度及び剛性が得られるため、より確実に本実施形態の作用効果を奏することができる。リンク機構140の詳細は後述する。
【0021】
1.6 メカナムホイール121
図2及び図3は、メカナムホイール121の構成を示す図である。メカナムホイール121は、当該ホイールのリムの外周に、複数のローラ221を備える。ローラ221は、メカナムホイール121のリムの回転軸心に対して45°に傾いて回転自在に取り付けられている。ローラ221は、樽形状を呈する。メカナムホイール121のローラ221は、それぞれ地面と接触する。ローラ221は、直接的な駆動部を有さず、ローラ221の回転軸心回りに自由に回転し得る。各メカナムホイール121は、不図示の電気モータをそれぞれ備える。メカナムホイール121は、電気モータにより、調節可能な回転方向及び可変の回転速度で駆動され得る。
【0022】
メカナムホイール121は、複数のローラ221の代わりに、複数のローラ222を備えるものがある。ローラ222は、メカナムホイール121のリムの回転軸心に対して-45°に傾いて回転自在に取り付けられている。ローラ222のその他の構造・機能等は、ローラ221と同様である。
【0023】
メカナムホイール121は、長方形の各頂点に配置される。メカナムホイール121の地面に対する回転方向は、電気モータの制御により、個々に選択される。搬送車両100の運動方向は、個々のメカナムホイール121のベクトルの合計に基づいて調節され得る。これにより、搬送車両100のあらゆる所望の運動方向、すなわち、全方向駆動が実現され得る。
【0024】
1.7 リンク機構140の詳細
図4は、フォーク110の下降状態における搬送車両100の各部とリンク機構140との関係を示す図である。図5は、フォーク110の下降状態におけるリンク機構140の構成を示す図である。リンク機構140は、第1リンク部141と、第2リンク部142と、第3リンク部143とを備える。
【0025】
第1リンク部141は、揺動軸144を中心に揺動可能に構成される。揺動軸144は、フォーク110の内壁面に固定されている。第1リンク部141は、フォーク110に揺動可能に支持される。第1リンク部141は、その一方側先端部で接続部132を介して支持部材131に接続されている。第1リンク部141は、その他方側先端部で対偶147によって第2リンク部142と接続されている。第1リンク部141は、L字形を呈する。揺動軸144は、第1リンク部141のL字形の角部に配置される。
【0026】
フォーク110の内壁面には、スライダ146が固定されている。第2リンク部142は、スライダ146に対応する長孔が形成されている。スライダ146と当該長孔とは、摺動可能に嵌められている。第2リンク部142は、フォーク110と略平行方向にスライド可能に構成される。第2リンク部142は、その一方側先端部で対偶147によって第1リンク部141に接続されている。第2リンク部142は、その他方側先端部で対偶148によって第3リンク部143に接続されている。第2リンク部142は、ロッド状に形成されている。
【0027】
第3リンク部143は、揺動軸145を中心に揺動可能に構成される。揺動軸145は、フォーク110の基端部(山形部111)に固定されている。第3リンク部143は、フォーク110の基端部(山形部111)に揺動可能に支持される。第3リンク部143は、その一方側先端部で対偶148によって第2リンク部142に接続される。第3リンク部143は、その他方側先端部で接続部149を介して中央シャーシ125に接続される。すなわち、全方向駆動部120は、接続部149を介して第3リンク部143に接続される。第3リンク部143は、L字形を呈する。揺動軸145は、第3リンク部143のL字形の角部に配置される。
【0028】
1.8 全方向駆動部120の機構
図6は、全方向駆動部120の機構を説明するための模式図である。全方向駆動部120は、中央シャーシ125、前側シャーシ123、後側シャーシ126及び回転軸部127を備える。図6では、説明の便宜のため、中央シャーシ125、前側シャーシ123、後側シャーシ126及び回転軸部127以外を省略している。
【0029】
中央シャーシ125は、回転軸部127を介して、前側シャーシ123及び後側シャーシ126を支持可能に構成される。中央シャーシ125は、フォーク110の一方側に接続される。中央シャーシ125は、前側シャーシ123と後側シャーシ126との間に配置される。
【0030】
前側シャーシ123は、一対のメカナムホイール121を回転可能に支持する。前側シャーシ123は、中央シャーシ125に対向して配置される。前側シャーシ123は、フォーク110の反対側に配置される。
【0031】
後側シャーシ126は、一対のメカナムホイール121を回転可能に支持する。後側シャーシ126は、中央シャーシ125に対向して配置される。後側シャーシ126は、前側シャーシ123の反対側に配置される。すなわち、後側シャーシ126は、フォーク110と同じ側に配置される。後側シャーシ126は、フォーク110の山形部111の下側に配置される。
【0032】
回転軸部127は、中央シャーシ125と前側シャーシ123とを連結する。回転軸部127は、中央シャーシ125と後側シャーシ126とを連結する。本実施形態では、回転軸部127は、前側シャーシ123から中央シャーシ125を通り、さらに後側シャーシ126にわたって挿通されるが、これに限られず、例えば、前側シャーシ123と中央シャーシ125との間、及び、中央シャーシ125と後側シャーシ126との間に配置されればよい。回転軸部127は、例えば、ピボットシャフトであってもよい。
【0033】
したがって、中央シャーシ125、前側シャーシ123及び後側シャーシ126は、回転軸部127を中心に、それぞれ独立して揺動可能に構成される。
【0034】
2.作用
第2節では、本実施形態の作用について説明する。
【0035】
図7は、フォーク110の上昇状態における搬送車両100の各部とリンク機構140との関係を示す図である。図8は、フォーク110の上昇状態におけるリンク機構140の構成を示す図である。
【0036】
搬送車両100は、荷物が積まれたパレットを搬送するものとする。このとき、フォーク110は、下降状態にある。搬送車両100は、パレットの差込口にフォーク110を差し込むように移動する。続いて、フォーク110は、パレットの差込口の奥まで差し込まれる。続いて、フォーク110は、不図示の油圧ポンプの作用により上昇する。このとき、補助輪130は、支持部材131とともに下方に突出する。
【0037】
続いて、第1リンク部141は、フォーク110の上昇に応じて揺動する。すなわち、第1リンク部141は、揺動軸144を揺動中心にして、フォーク110の上昇に応じて下方に突出した支持部材131に連動して、矢印241方向に揺動する。
【0038】
続いて、第2リンク部142は、第1リンク部141の揺動に応じてスライドする。すなわち、第2リンク部142は、第1リンク部141の矢印241方向の揺動に応じて矢印242方向への力が作用し、矢印242方向にスライドする。
【0039】
続いて、第3リンク143部は、第2リンク部142のスライドに応じて揺動する。すなわち、第3リンク部143は、揺動軸145を揺動中心にして、第2リンク部142の矢印242方向へのスライドに連動して、矢印243方向に揺動する。
【0040】
続いて、第3リンク部143は、全方向駆動部120を下降させる。すなわち、第3リンク部143は、矢印243方向への揺動に連動して、接続部149を介して中央シャーシ125を下降させる。中央シャーシ125の下降は、回転軸部127を介して、前側シャーシ123及び後側シャーシ126を下降させるように作用する。
【0041】
3.効果
第3節では、本実施形態の効果について説明する。
【0042】
本実施形態によれば、搬送車両100の各メカナムホイール121は、フォーク110に荷重がかかった場合であっても、地面に接触した状態を維持することができる。すなわち、搬送車両100は、フォーク110に荷重がかかって全方向駆動部120が浮き上がる方向に力が作用する場合であっても、メカナムホイール121の空転のおそれを低減することができる。つまり、搬送車両100は、フォーク110に荷重がかかった場合であっても、メカナムホイール121の駆動力に基づいて所望の方向に移動することができる。
【0043】
したがって、搬送車両100は、載置部を設ける位置の制限がなく、所望の方向に移動することができるため、荷物の搬送の利便性を向上させることができる。
【0044】
また、前側シャーシ123、中央シャーシ125、後側シャーシ126は、それぞれ独立して揺動可能であるため、搬送車両100が、不陸がある地面を走行する場合であっても、不陸の影響を抑えることができる。例えば、搬送車両100の走行中に補助輪130の片輪が段差に乗り上げた場合、フォーク110の傾きに応じて、フォーク110に接続する中央シャーシ125は傾くが、前側シャーシ123及び後側シャーシ126は傾くことがない。すなわち、前側シャーシ123に支持されるメカナムホイール121、及び後側シャーシ126に支持されるメカナムホイール121は、地面に接触した状態を維持することができる。
【0045】
したがって、搬送車両100は、各駆動輪(メカナムホイール121)の接地と、荷重重心の安定化との両立を図ることができる。
【0046】
4.その他
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0047】
第1変形例として、リンク機構140は、金属に限られず、例えば、樹脂によって形成されていてもよい。
【0048】
第1変形例によれば、リンク機構140は、耐食性に優れ、かつ軽量化しやすいため、より確実に本実施形態の作用効果を奏することができる。
【0049】
第2変形例として、載置部は、フォーク110に限られず、例えば、直接に荷物を載置可能な荷台であってもよい。
【0050】
第3変形例として、荷重分散機構は、リンク機構140に限られず、例えば、アクチュエータ、電気・機械的トランスデューサ、センサ的トランスデューサ等であってもよい。
【0051】
第4変形例として、全方向駆動部120における駆動輪は、メカナムホイールに限られず、例えば、オムニホイールであってもよい。
【0052】
第5変形例として、メカナムホイール121は、4輪に限られず、例えば、6輪以上であってもよい。
【0053】
第6変形例として、補助輪130は、ウレタン製に限られず、例えば、金属製であってもよい。
【0054】
第7変形例として、フォーク110の昇降機構は、油圧式に限られず、例えば、空圧式、電動式(例えば、電動アクチュエータ)等であってもよい。
【0055】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記搬送車両において、前記複数の駆動輪は、メカナムホイールから構成される、搬送車両。
前記搬送車両において、前記載置部は、昇降可能に構成され、前記荷重分散機構は、前記載置部の上昇に応じて、前記全方向駆動部の接地圧を上げるように構成される、搬送車両。
前記搬送車両において、前記荷重分散機構は、リンク機構から構成される、搬送車両。
前記搬送車両において、前記リンク機構は、第1リンク部と、第2リンク部と、第3リンク部とを備え、前記第1リンク部は、前記載置部に揺動可能に支持され、前記第2リンク部は、前記第1リンク部に接続され、前記載置部と略平行方向にスライド可能に構成され、前記第3リンク部は、前記第2リンク部に接続され、前記載置部の基端部に揺動可能に支持され、前記全方向駆動部は、前記第3リンク部に接続され、前記第1リンク部は、前記載置部の上昇に応じて揺動し、前記第2リンク部は、前記第1リンク部の揺動に応じてスライドし、前記第3リンク部は、前記第2リンク部のスライドに応じて揺動し、前記全方向駆動部を下降させる、搬送車両。
前記搬送車両において、前記リンク機構は、金属によって形成されている、搬送車両。
前記搬送車両において、前記リンク機構は、樹脂によって形成されている、搬送車両。
前記搬送車両において、前記全方向駆動部は、中央部、前側部、後側部及び回転軸部から構成され、前記中央部は、前記載置部の一方側に接続され、前記前側部は、前記中央部に対向し、前記載置部の反対側に配置され、前記後側部は、前記中央部に対向し、前記前側部の反対側に配置され、前記回転軸部は、前記中央部と前記前側部とを連結し、前記回転軸部は、前記中央部と前記後側部とを連結し、前記中央部、前記前側部及び前記後側部は、前記回転軸部を中心に、それぞれ独立して揺動可能に構成される、搬送車両。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0056】
100 :搬送車両
110 :フォーク
111 :山形部
120 :全方向駆動部
121 :メカナムホイール
122 :シャフト
123 :前側シャーシ
124 :接続部
125 :中央シャーシ
126 :後側シャーシ
127 :回転軸部
130 :補助輪
131 :支持部材
132 :接続部
140 :リンク機構
141 :第1リンク部
142 :第2リンク部
143 :第3リンク部
144 :揺動軸
145 :揺動軸
146 :スライダ
147 :対偶
148 :対偶
149 :接続部
221 :ローラ
222 :ローラ
241 :矢印
242 :矢印
243 :矢印
【要約】
【課題】載置部を設ける位置の自由度を向上させることができる、全方向に移動可能な搬送車両を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、搬送車両が提供される。この搬送車両は、載置部と、全方向駆動部と、補助輪と、荷重分散機構とを備える。載置部は、水平方向に延びるように形成され、荷物を載置可能に構成される。全方向駆動部は、載置部の一方側に接続され、複数の駆動輪から構成され、各駆動輪の回転に応じて任意の方向に移動可能に構成される。補助輪は、載置部の他方側の底部に配置され、載置部を支持可能に構成される。荷重分散機構は、載置部における荷重を全方向駆動部に分散させる。
【選択図】図1
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図8