(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】揮散体、及び揮散装置
(51)【国際特許分類】
B65D 83/00 20060101AFI20220905BHJP
A01M 1/20 20060101ALI20220905BHJP
A61L 9/12 20060101ALN20220905BHJP
【FI】
B65D83/00 F
A01M1/20 C
A61L9/12
(21)【出願番号】P 2017230752
(22)【出願日】2017-11-30
【審査請求日】2020-10-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000102544
【氏名又は名称】エステー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 厚
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2002/0136542(US,A1)
【文献】特開2006-271866(JP,A)
【文献】特開2005-000329(JP,A)
【文献】実開昭58-013249(JP,U)
【文献】特開2003-102825(JP,A)
【文献】特開2002-263180(JP,A)
【文献】特開平08-038585(JP,A)
【文献】特開2014-081172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00
B65D 83/08-83/76
A01M 1/00-99/00
A61L 9/00-9/01
A61L 9/015-9/04
A61L 9/12-9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の開口を有する上面に当接する当接部を具備して前記開口を通して前記容器内に挿入可能な1方向に長い被収容部であって、前記開口を通して長手方向に沿って挿入される過程で前記当接部が前記上面に当接する前に挿入方向の先端が前記容器内の底面に当接する長さを有する被収容部と、
前記当接部から前記長手方向に前記先端に向かって、前記容器の前記開口の縁から前記挿入方向に前記底面までの距離の位置、または、前記距離より短い距離の位置に形成された脆弱部と、
前記被収容部の前記脆弱部
に配置した一端を有して前記脆弱部から前記当接部側に形成された補強用のリブと、
を具備した揮散体。
【請求項2】
胴部、前記胴部の下端に形成された底壁部、前記胴部の上端に形成された肩部、及び前記肩部に形成された筒状の首部を具備した容器の前記首部の上面に当接する当接部を具備して前記首部の開口を通して前記容器内に挿入可能な一方向に長い被収容部であって、前記開口を通して長手方向に沿って挿入される過程で前記当接部が前記上面に当接する前に挿入方向の先端が前記容器の底面に当接する長さを有する被収容部と、
前記当接部から前記長手方向に前記先端に向かって、前記容器の前記開口の縁から前記挿入方向に前記底面までの距離の位置、または、前記距離より短い距離の位置に形成された脆弱部と、
前記当接部から幅方向に突出した本体部と、
前記本体部に形成され、前記被収容部との間に前記首部を配置可能な第2の突出部と、
前記被収容部の前記脆弱部
に配置した一端を有して前記脆弱部から前記当接部側に形成された補強用のリブと、
を具備した揮散体。
【請求項3】
前記被収容部に形成され、前記首部の内面に当接可能な第1の突出部を具備した
請求項2に記載の揮散体。
【請求項4】
前記当接部は、前記開口の縁に当接する
請求項1または2に記載の揮散体。
【請求項5】
上面に開口を有する容器と、
前記上面に当接する当接部を具備して前記開口を通して前記容器内に挿入可能な1方向に長い被収容部であって、前記開口を通して長手方向に沿って挿入される過程で前記当接部が前記上面に当接する前に挿入方向の先端が前記容器内の底面に当接する長さを有する被収容部、前記当接部から前記長手方向に前記先端に向かって、前記容器の前記開口の縁から前記挿入方向に前記底面までの距離の位置、または、前記距離より短い距離の位置に形成された脆弱部、及び、前記被収容部の前記脆弱部
に配置した一端を有して前記脆弱部から前記当接部側に形成された補強用のリブを具備した揮散体と、
を具備した揮散装置。
【請求項6】
胴部、前記胴部の下端に形成された底壁部、前記胴部の上端に形成された肩部、及び前記肩部に形成された筒状の首部を具備した容器と、
前記首部の上面に当接する当接部を具備して前記首部の開口を通して前記容器内に挿入可能な一方向に長い被収容部であって、前記開口を通して長手方向に沿って挿入される過程で前記当接部が前記上面に当接する前に挿入方向の先端が前記容器の底面に当接する長さを有する被収容部、前記当接部から前記長手方向に前記先端に向かって、前記容器の前記開口の縁から前記挿入方向に前記底面までの距離の位置、または、前記距離より短い距離の位置に形成された脆弱部、前記当接部から幅方向に突出した本体部、前記本体部に形成され、前記被収容部との間に前記首部を配置可能な第2の突出部、及び、前記被収容部の前記脆弱部
に配置した一端を有して前記脆弱部から前記当接部側に形成された補強用のリブを具備した揮散体と、
を具備した揮散装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内の液体を吸い上げて揮散する揮散体、及び揮散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器内に収容された香料等の薬液を、揮散体で吸い上げて揮散する揮散装置が知られている。この種の揮散装置では、揮散体の容器の外側に配置される部分の表面積を大きくすることにより、薬液の揮散量を多くする技術が知られている。
【0003】
このように、揮散体の容器の外側に配置される部分の表面積を大きくする技術としては、板状の複数の部材を組み合わせることにより、揮散体の外観を所謂星型に構成する技術が知られている。(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
このような揮散体は、容器の上部に形成された溝に差し込まれることにより、容器内に一部が挿入される。さらに、上述のように表面積が大きく形成された部分は、容器の上部に形成された溝よりも大きく形成されており、溝の縁に当接することにより、容器に支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、容器の上部に当接することにより揮散体を支持する揮散装置には以下の問題があった。即ち、揮散体が容器の上部に当接することにより、揮散体の下端が容器の底面に接触しない場合は、薬液の一部は容器内に使用できずに残る、という問題がある。
【0007】
この為、本発明は、薬液が容器内に残ることを防止可能な揮散体、及び、薬液が容器内に残ることを防止可能な揮散装置に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る揮散体は、容器の開口を有する上面に当接する当接部を具備して前記開口を通して前記容器内に挿入可能な1方向に長い被収容部であって、前記開口を通して長手方向に沿って挿入される過程で前記当接部が前記上面に当接する前に挿入方向の先端が前記容器内の底面に当接する長さを有する被収容部と、前記当接部から前記長手方向に前記先端に向かって、前記容器の前記開口の縁から前記挿入方向に前記底面までの距離の位置、または、前記距離より短い距離の位置に形成された脆弱部と、前記被収容部の前記脆弱部に配置した一端を有して前記脆弱部から前記当接部側に形成された補強用のリブと、を備える。
【0009】
本発明の一態様に係る揮散体は、胴部、前記胴部の下端に形成された底壁部、前記胴部の上端に形成された肩部、及び前記肩部に形成された筒状の首部を具備した容器の前記首部の上面に当接する当接部を具備して前記首部の開口を通して前記容器内に挿入可能な一方向に長い被収容部であって、前記開口を通して長手方向に沿って挿入される過程で前記当接部が前記上面に当接する前に挿入方向の先端が前記容器の底面に当接する長さを有する被収容部と、前記当接部から前記長手方向に前記先端に向かって、前記容器の前記開口の縁から前記挿入方向に前記底面までの距離の位置、または、前記距離より短い距離の位置に形成された脆弱部と、前記当接部から幅方向に突出した本体部と、前記本体部に形成され、前記被収容部との間に前記首部を配置可能な第2の突出部と、前記被収容部の前記脆弱部に配置した一端を有して前記脆弱部から前記当接部側に形成された補強用のリブと、を備える。
【0010】
本発明の一態様に係る揮散装置は、上面に開口を有する容器と、前記上面に当接する当接部を具備して前記開口を通して前記容器内に挿入可能な1方向に長い被収容部であって、前記開口を通して長手方向に沿って挿入される過程で前記当接部が前記上面に当接する前に挿入方向の先端が前記容器内の底面に当接する長さを有する被収容部、前記当接部から前記長手方向に前記先端に向かって、前記容器の前記開口の縁から前記挿入方向に前記底面までの距離の位置、または、前記距離より短い距離の位置に形成された脆弱部、及び、前記被収容部の前記脆弱部に配置した一端を有して前記脆弱部から前記当接部側に形成された補強用のリブを具備した揮散体と、を備える。
【0011】
本発明の一態様に係る揮散装置は、胴部、前記胴部の下端に形成された底壁部、前記胴部の上端に形成された肩部、及び前記肩部に形成された筒状の首部を具備した容器と、前記首部の上面に当接する当接部を具備して前記首部の開口を通して前記容器内に挿入可能な一方向に長い被収容部であって、前記開口を通して長手方向に沿って挿入される過程で前記当接部が前記上面に当接する前に挿入方向の先端が前記容器の底面に当接する長さを有する被収容部、前記当接部から前記長手方向に前記先端に向かって、前記容器の前記開口の縁から前記挿入方向に前記底面までの距離の位置、または、前記距離より短い距離の位置に形成された脆弱部、前記当接部から幅方向に突出した本体部、前記本体部に形成され、前記被収容部との間に前記首部を配置可能な第2の突出部、及び、前記被収容部の前記脆弱部に配置した一端を有して前記脆弱部から前記当接部側に形成された補強用のリブを具備した揮散体と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、容器内に薬液が残ることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る揮散装置が分解された状態を示す斜視図。
【
図2】一実施形態に係る揮散装置を一部切り欠いて示す正面図。
【
図3】一実施形態に係る揮散装置に用いられる揮散体が分解された状態を示す平面図。
【
図4】一実施形態に係る揮散装置の要部を一部切り欠いて示す正面図。
【
図5】一実施形態に係る揮散装置の揮散体に用いられる第1の部材の変形例を示す平面図。
【
図6】一実施形態に係る揮散装置の揮散体の変形例を示す平面図。
【
図7】一実施形態に係る揮散装置の変形例を一部切り欠いて示す正面図。
【
図8】一実施形態に係る揮散装置の変形例を一部切り欠いて示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る揮散装置10を、
図1乃至
図8を用いて説明する。
図1は、揮散装置10が分解された状態を示す斜視図である。
図2は、揮散装置10を、容器20及びカバー40を切断して示す正面図である。
図3は、揮散装置10に用いられる揮散体30が分解された状態を示す平面図である。
図4は、揮散装置10の要部を一部切り欠いて示す正面図である。
【0015】
図1に示すように、揮散装置10は、香料等の薬液Lを収容した容器20、容器20に設置される揮散体30、及び、容器20に取り付けられるカバー40を有している。揮散装置10は、容器20内の薬液Lを揮散体30により吸い上げて揮散可能に構成されている。揮散装置10の上下方向は、本実施形態では、揮散装置10の後述する容器20の底壁部23が重力方向に直交する水平な面上に載置されたときの重力の作用する方向を下方向として設定される。
【0016】
容器20は、上面に開口21を有している。容器20は、一例として、胴部22、底壁部23、肩部24、及び、開口21を規定する首部25を有している。胴部22は、一例として、円筒状に形成されている。底壁部23は、胴部22の下端に形成されており、胴部22の下端を閉塞している。容器20内の底面23aとなる底壁部23の上面は、上下方向に直交する平面に形成されている。底面23aは、容器20内の底面である。肩部24は、胴部22の上端に形成されている。
【0017】
首部25は、円筒状に形成されており、蓋部材5が螺合可能な外周面に雌ねじが形成されている。蓋部材5は、揮散装置10が使用される前において、首部25の開口21を閉塞することにより薬液Lの揮散を防止する為に用いられる。
【0018】
首部25の軸線に直交する断面は、胴部22の軸線に直交する断面よりも小さい。さらに、首部25は、首部25を首部25の軸方向に見たときに、肩部24の外縁よりも内側に配置される。本実施形態では、首部25は、一例として、胴部22と同軸に配置されている。
【0019】
首部25の上面25aは、上下方向に直交する平面に形成されている。首部25の上面25a、すなわち、開口21を有する上面から底壁部23の底面23aまでの距離は、L1である。この為、開口21の縁21aから、上下方向に沿って底面23aまでの距離もL1となる。
【0020】
このように構成された容器20は、本実施形態では一例として、ガラスから形成されている。この為、首部25の内周面26の上端から下方にわずかにずれた部分は、ガラスの性質によって、径方向外側に凹む凹み部27が形成されている。凹み部27は、環状に形成されている。
【0021】
揮散体30は、一例として、複数の部材を互いに組み合わせることにより構成されている。本実施形態では、揮散体30は、第1の部材31、及び第2の部材32を組み合わせることにより構成されている。なお、揮散体30は、揮散体30が容器20に設置された状態の姿勢に基づいて上下方向を設定し、説明する。
【0022】
図1乃至
図3に示すように、第1の部材31は、上下方向に延びた第1の部分33、及び第1の部分33の上端に形成され、上下方向に直交する方向に第1の部分33より突出する第2の部分34を有している。第1の部材31は、薬液Lを吸い上げることが可能な材料から形成されている。さらに、第1の部材31は、薬液Lによって濡れても、形状を保持可能な材料から形成されている。第1の部材31は、本実施形態では一例として、厚紙から形成されている。
【0023】
第1の部分33は、容器20内に収容可能な芯部35、及び芯部35の上端に形成され、芯部35より上下方向に直交する幅方向の長さが長い幅広部36を有している。芯部35は、一方向に長く、首部25内に開口21を通して長手方向に沿って挿入可能な形状を有している。芯部35は、一例として、首部25の内径よりもわずかに小さい幅を有する長方形状に形成されている。
【0024】
芯部35の上端の幅方向両端の縁のそれぞれには、芯部35の幅方向外側に突出した第1の突出部37が形成されている。第1の突出部37について
図4を用いて説明する。
図4は、揮散体30が容器20に設置された状態での、第1の突出部37及びその周辺を示している。
図4に示すように、第1の突出部37は、芯部35を首部25内に挿入すると、凹み部27内に配置可能に形成されている。本実施形態では、第1の突出部37の形状は凹み部27の断面形状とは同一形状ではないので、第1の突出部37は一部が変形することにより、凹み部27内に収容される。第1の突出部37は、凹み部27内に配置されることにより、凹み部27に係合される。第1の突出部37は、一例として、
図3に示すように、下方に向かって幅が漸次短くなる形状を有している。
【0025】
幅広部36は、本実施形態では一例として、上方に向かって幅が漸次増大する形状に形成されている。幅広部36の側面36aは、上下方向に対して傾斜する方向に平行に形成されている。幅広部36の上端幅は、容器20の開口21の内径よりも大きい。この為、揮散体30を開口21内に挿入すると、幅広部36の側面36aは、開口21の縁21aに当接する。縁21aは、上面25aの一部である。
【0026】
幅広部36の側面36aの開口21の縁21aに当接する当接部36b、換言すると、幅広部36の上下方向に直交する幅方向の長さが開口21の内径と同じ長さとなる当接部36bから第1の部分33の下端35aまでの長さL2は、距離L1よりも長い。なお長さL2は、具体的には、第1の部分33の上下方向に平行な線X1に沿う長さである。第1の部分33の上下方向は、揮散体30が容器20に収容されたときに容器20の深さ方向に平行となる。第1の部分33の、当接部36bから下端35aまでの部分が、容器20内に収容される被収容部6を構成する。
【0027】
換言すると、被収容部6の長手方向に沿う長さL2は、揮散体30を、被収容部6の長手方向を上下方向に平行な姿勢として長手方向沿って開口21を通して容器20内に挿入したときに、当接部36bが開口21の縁21aに当接する前に、下端35aが底面23aに当接する長さである。
【0028】
また、第1の部分33において、当接部36bから下端35aに向かって、線X2に沿って距離L1より短い長さL3となる位置には、脆弱部35bが形成されている。脆弱部35bは、芯部35に形成されている。線X2は、第1の部分33の上下方向に平行な線であり、揮散体30が容器20に収容されたときに容器20の深さ方向に平行となる。
換言すると、脆弱部35bは、被収容部6の当接部36bから長手方向に下端35aに向かって、開口21の縁21aから底面23aまでの距離L1より短い距離の位置に形成されている。
【0029】
脆弱部35bは、芯部35を、上下方向に直交する幅方向に沿って曲がりやすくする部分である。脆弱部35bは、一例として、芯部35の表面に形成された切り込みである。脆弱部35bを形成する切り込みは、芯部35の表面から所定深さまで形成されており、さらに、芯部35の幅方向一端から他端まで延びている。脆弱部35bは、他の例では、幅方向に配置された複数の孔であってもよい。または、脆弱部35bは、幅方向に延びる溝であってもよい。また、脆弱部35bは、幅方向に延びる折り罫であってもよい。
【0030】
第2の部分34は、
図3に示すように、幅広部36の上端に形成された本体部38、及び本体部38に形成された第2の突出部39を有している。
【0031】
本体部38は、幅広部36に対して、幅方向両側に突出している。本体部38は、一例として、平面形状が長方形状に形成されている。
第2の突出部39は、本体部38から下方に突出しており、第1の部分33との間に、幅方向に隙間S1を有している。隙間S1は、第1の部材31が、当接部36bが開口21の縁21aに当接するまで容器20内に挿入されたときに、首部25の一部を配置可能であり、さらに、第2の突出部39が首部25に接触しない隙間である。第2の突出部39は、一例として矩形状に形成されている。
【0032】
第2の突出部39は、一例として、2つ形成されている。第2の突出部39は、本体部38の幅方向両端のそれぞれに形成されている。第2の突出部39の側面39a、及び、本体部38の側面38aは、上下方向に並んで配置されている。
【0033】
このように構成された第1の部材31には、第2の部材32を内側に配置する第1の溝31aが形成されている。第1の溝31aは、一例として、本体部38の上端面の幅方向中心から、芯部35の上下方向の中途部P1まで延びている。第1の溝31aは、第1の部材31の幅方向の略中央に配置されている。第1の溝31aは、一例として、緩やかな円弧状に形成されている。第1の溝31aの幅は、第2の部材32を固定可能な幅を有している。第1の溝31aの幅は、本実施形態では一例として、第2の部材32の厚みよりわずかに小さい長さを有している。
【0034】
第2の部材32は、一例として、第1の部材31と同様の形状を有しているが、第1の部材31に対して、芯部35の長さ、及び、第1の溝31aに換えて第2の溝32aが形成される点が異なる。この為、第2の部材32は、この違いについて説明し、他の同様の構造については第1の部材31と同一の符号を付して説明を省略する。
【0035】
第2の部材32の芯部35の長さは、
図1及び
図2に示すように、第2の部材32が第1の部材31に組み合わされたときに、第2の部材32の芯部35の下端35aが、第1の部材31の脆弱部35bと対向する長さを有している。すなわち、第2の部材32の芯部35の上下方向の長さは、第1の部材31の芯部35の上端から脆弱部35bまでの長さと同じ長さである。なお、第2の部材32の芯部35は、脆弱部35bを有していない。第2の部材32の芯部35は、第1の部材31の芯部35の脆弱部35bより上方の部分の強度を向上する補強用のリブとして機能する。
【0036】
第2の部材32は、第1の部材31を内側に配置する第2の溝32aを有している。第2の溝32aは、
図3に示すように、芯部35の下端35aから芯部35の中途部P2まで延びている。第2の溝32aは、緩やかな円弧状に形成されている。第2の溝32aは、内側に第1の部材31を挟持可能な幅を有している。第2の溝32aの幅は、一例として、第1の部材31の厚みよりわずかに小さい長さを有している。
【0037】
第1の溝31a及び第2の溝32aは、第1の溝31a内に第2の部材32の本体部38、幅広部36、及び芯部35の一部が配置され、第2の溝32a内に第1の部材31の芯部35が配置され、さらに、第1の溝31aの下端31b、及び第2の溝32aの上端32bが互いに当接した状態において、第1の部材31の上端面、及び第2の部材32の上端面が面一となる長さを有している。
【0038】
このように構成された揮散体30は、
図1及び
図2に示すように、第1の部材31及び第2の部材32が組み合わされると、第1の部材31の両主面のそれぞれから、第2の部材32が突出する、断面形状十字形状に構成される。換言すると、揮散体30は、第2の部材32の両主面のそれぞれから第1の部材31が突出する、断面十字形状に形成される。
【0039】
さらに、第1の部材31の上端面、及び第2の部材32の上端面が面一になることによって、第1の部材31の第1の突出部37、及び第2の部材32の第1の突出部37が、周方向に並ぶ。
【0040】
カバー40は、容器20に着脱可能に形成されている。カバー40は、一例として、上壁部41、及び胴部42を有する有底円筒状に形成されている。胴部42には、カバー40の内外を連通する開口43が形成されている。開口43は、一例として、矩形状に形成されている。さらに、開口43は複数形成されており、胴部42の周方向に離間して配置されている。
【0041】
なお、開口43は、揮散した香料を、カバー40外へ出すことが可能に形成されればよく、形状は限定されない。例えば、カバー40に、香料と同様の匂いを有する植物(例えばバラ)が、開口や凹凸により表現される場合は、この開口を通って、揮散した香料がカバー40外へ出る。また、上壁部41に開口が形成されてもよい。
【0042】
カバー40の下端開口の内縁には、容器20の胴部22の外周面に形成された環状の溝28に係合する第3の突出部44が形成されている。第3の突出部44が溝28に係合することによって、カバー40が容器20に固定される。なお、カバー40を容器20に対して上方に移動することにより、第3の突出部44が溝28から出る。第3の突出部44が溝28から出ることにより、カバー40を容器20から取り外すことができる。
【0043】
次に、揮散装置10の組み立て作業の一例を説明する。揮散装置10は、使用される前の状態では、容器20の首部25に蓋部材5が取り付けられ、さらに、揮散体30の第1の部材31及び第2の部材32が分離された状態で箱等のパッケージ(図示せず)内に収容されている。さらに、第1の部材31及び第2の部材32は、容器20外に配置されている。
【0044】
使用者は、揮散装置10の使用を開始する場合は、パッケージから、容器20、第1の部材31、第2の部材32、及びカバー40を取り出す。
【0045】
使用者は、次に、第1の部材31及び第2の部材32を組み合わせることによって揮散体30を構成する。具体的には、使用者は、第2の部材32の芯部35を下端35aから第1の部材31の第1の溝31a内に挿入する。このとき、第2の部材32の第2の溝32a及び第1の溝31aの位置を合わせることにより、第2の部材32を第1の溝31a内にスムーズに挿入できる。
【0046】
使用者は、第2の部材32を、第2の溝32aの上端32bが第1の溝31aの下端31bに当接するまで第1の溝31a内に押し込むと、当該押し込み作業を終了する。第2の溝32aの上端32b及び第1の溝31aの下端31bが互いに当接すると、第2の部材32の芯部35の下端35aが、第1の部材31の脆弱部35bに対向する。
【0047】
使用者は、次に、第1の部材31及び第2の部材32が互いに直交するように、第1の部材31及び第2の部材32の姿勢を調整する。第1の部材31及び第2の部材32が互いに直交する姿勢となると、揮散体30が完成する。
【0048】
使用者は、揮散体30が完成すると、揮散体30を、第1の部材31の芯部35の下端35a、及び第2の部材32の芯部35の下端35aから、開口21を通して容器20内に挿入する。
【0049】
第1の部材31の第1の突出部37、及び第2の部材32の第1の突出部37が周方向に並ぶことによって、第1の部材31の第1の突出部37、及び第2の部材32の第1の突出部37が、同時に開口21の縁21aに当接する。
【0050】
使用者は、揮散体30が、第1の部材31の第1の突出部37及び第2の部材32の第1の突出部37が開口21の縁21aに当接するまで挿入されると、さらに、揮散体30を容器20内に押し込む。
図4に示すように、揮散体30は、第1の突出部37が開口21の縁21aに当接した位置からさらに押し込まれると、第1の突出部37が変形する。
【0051】
第1の突出部37が変形することにより、揮散体30は、容器20内にさらに移動可能となる。使用者は、第1の部材31の幅広部36、及び第2の部材32の幅広部36が開口21の縁21aに当接するまで揮散体30を容器20内に押しこむ。揮散体30が、幅広部36が開口21の縁21aに当接するまで容器20内に挿入されると、第1の突出部37が首部25の凹み部27に入りこむ。このように、第1の突出部37が凹み部27内に収容されることにより、揮散体30が開口21の縁21aに当接した状態で、揮散体30が容器20に係合する。
【0052】
また、第1の部材31の幅広部36、及び、第2の部材32の幅広部36が開口21の縁21aに当接するまで揮散体30が容器20内に押し込まれる間に、第1の部材31の芯部35の下端35aが容器20の底壁部23の底面23aに当接する。さらに、揮散体30は、第1の部材31の下端35aが底壁部23の底面23aに当接してから、さらに容器20内に押し込まれる。第1の部材31は、下端35aが底壁部23に接触してからさらに押し込まれることによって、脆弱部35bで屈曲される。
【0053】
第1の部材31の芯部35の脆弱部35bより上方の部分は、第2の部材32の芯部35により、脆弱部35bより下方の部分に比較して、強度が向上している。この為、第1の部材31は、脆弱部35bで屈曲される。第1の部材31の芯部35が脆弱部35bで屈曲されることにより、第1の部材31の下端35aは、底壁部23の底面23aに接触した状態が維持される。
【0054】
第1の部材31の幅広部36、及び第2の部材32の幅広部36が開口21の縁21aに当接した状態では、首部25は、隙間S1内に配置される。
【0055】
使用者は、揮散体30を、第1の部材31の幅広部36及び第2の部材32の幅広部36が開口21の縁21aに当接するまで容器20内に挿入すると、次に、カバー40を容器20に取り付ける。カバー40が容器20に取り付けられると、揮散装置10が完成する。
【0056】
次に、揮散装置10の動作を説明する。揮散体30は、容器20内の薬液Lを吸い上げる。吸い上げられた薬液Lは、揮散体30の表面から揮散される。揮散体30の表面から揮散した気体状の香料は、カバー40の開口43を通ってカバー40外に出る。また、容器20内で揮散した香料は、開口21、及びカバー40の開口43を通ってカバー40外に出る。
【0057】
このように構成された揮散装置10では、第1の部材31の芯部35の長さL2は、容器20の開口21の縁21aから底壁部23の底面23aまでの長さL1より長い。この為、第1の部材31の下端35aが底面23aに接触するので、容器20内に薬液Lが残ることを防止できる。
【0058】
さらに、本実施形態では第1の部材31の下端35aは底面23aの中心よりも周縁側の部分に接触する。本実施形態のように容器20がガラスで形成される場合、ガラスの性質や製造方法の性質により、底面23aは、完全な平面とならずに、底面23aの中心及びその近傍が、底面23aの周縁部に比較して、高くなる場合が生じる。
【0059】
このように、底面23aが上下方向に直交する平面ではなく、中心に対して周縁側が低くなる面となると、薬液Lは、残量が減少したときには容器20の中心よりも周縁側に残りやすい。
【0060】
しかしながら、本実施形態のように、下端35aが底面23aの中心より周縁側の部分に接触することによって、底面23aが平面ではなく、底面23aの中心よりも周縁側の部分が低くなる面であっても、揮散体30は薬液Lの残量が減少しても薬液Lを吸い上げることができる。
【0061】
さらに、第1の部材31及び第2の部材32のそれぞれが、開口21の縁21aに当接する幅広部36を有することにより、揮散体30及び容器20の接触箇所から薬液Lが伝って外部に流れ出ることを防止できる。
【0062】
例えば、本体部38の下端が首部25の上面に接触すると、本体部38まで吸い上げられた薬液Lが、本体部38及び首部25の上面の接触箇所を通って首部25の上面に流れ、さらには、容器20の外周面に流れるおそれがある。
【0063】
しかしながら、本実施形態では、揮散体30の幅広部36が開口21の縁21aに当接することによって、本体部38が首部25の上面に接触することがない。この為、幅広部36から開口21の縁21aに薬液Lが流れ出ても、流れ出た薬液Lは、そのまま、容器20内に戻る。この為、揮散体30及び容器20の接触箇所を伝って外部に薬液Lが流れ出ることがない。
なお、本実施形態の変形例としては、揮散体30は、首部25の上面25aの縁21a以外の部分に当接することにより、容器20に支持されてもよい。この場合、揮散体30において上面25aに当接する部分が、本発明で言う当接部となる。この一例としては、本体部38が上面25aに当接してもよい。このように、揮散体30が上面25aの縁21a以外の部分に当接する場合であっても、揮散体30が底面23aに当接できるので、薬液Lが容器20内に使用できずに残ることを防止できる。
【0064】
さらに、第1の部材31及び第2の部材32のそれぞれは、第2の突出部39及び第1の部分33の間に隙間S1を有している。そして、揮散体30が容器20に設置された状態、すなわち、幅広部36の当接部36bが開口21の縁21aに当接するまで揮散体30が容器20内に挿入された状態では、隙間S1内に首部25が配置されることによって、本体部38が首部25に接触することが防止される。
【0065】
この為、第2の部分34に第2の突出部39を設けることによって、揮散体30において容器20の外側に配置される部分の表面積を大きくしても、隙間S1によって第2の突出部39が容器20に接触することを防止できる。
【0066】
なお、本実施形態では、第1の部材31の芯部35は、長方形状に形成されている。しかしながら、第1の部材31芯部35の形状は、矩形状に限定されない。第1の部材31の芯部35の脆弱部35bより下方の部分は、幅方向の中心部分が最も長い形状に形成されてもよい。
【0067】
この形状一例としては、
図5に示す変形例のように、第1の部材31の芯部35の下端35aが円弧状に形成される形状がある。または、脆弱部35bから下端35aまで漸次幅が狭くなる三角形状に形成されてもよい。
このように、第1の部材31の芯部35の脆弱部35bより下方の部分は、幅方向の中心部分が最も長い形状に形成されることにより、第1の部材31の下端35aは、1点で容器20内の底面23aに接触する。この為、下端35aは、底面23aに対して滑りやすくなる。下端35aが底面23aに対して滑りやすくなるので、揮散体30を容器20内に挿入する際に、第1の部材31を脆弱部35bで屈曲しやすくなる。
【0068】
なお、
図5に示すように、第1の部材31の幅は、脆弱部35bで狭く形成されてもよい。第1の部材31の幅が脆弱部35bで狭くなることにより、脆弱部35bに作用する、単位長さ当たりの第1の部材31を曲げようとする力が大きくなる。この為、第1の部材31を、脆弱部35bでスムーズに屈曲することが可能となる。第1の部材31の幅が脆弱部35bで狭くなる形状の一例としては、脆弱部35bの両端部がくびれる形状がある。
【0069】
本実施形態では、第1の突出部37は、芯部35に形成された。しかしながら、第1の突出部37は、芯部35に形成されることに限定されない。他の例では、第1の突出部37は、
図6に示す変形例のように、第2の突出部39の芯部35側の面に形成されてもよい。この場合、第1の突出部37は、首部25の外周面の雄ねじに係合可能に形成されることが好ましい。なお、
図6は、第1の部材31を代表して示しているが、第2の部材32も同様である。
【0070】
本実施形態では、揮散体30は、複数の部材を組み合わせることにより構成された。しかしながら、揮散体30は、複数の部材を組み合わせることによって構成されることに限定されない。他の例では、揮散体30は、1つの部材のみから形成されてもよい。この例としては、揮散体30は、第1の部材31のみから構成されてもよい。揮散体30が第1の部材31のみから構成される場合は、第1の部材31の脆弱部35bより上方の部分には、第2の部材32の芯部35と同様の補強作用を有する、リブが形成されてもよい。
【0071】
本実施形態では、容器20がガラスから形成されることにより、ガラスの性質によって、首部25の内周面26に凹み部27が形成された。しかしながら、容器20は、製造方法の工夫や、材料の変更によって、凹み部27を有さなくてもよい。容器20に凹み部27が形成されない場合であっても、第1の突出部37により、揮散体30を容器20に支持することができる。
【0072】
本実施形態では、容器20内に収容された薬液Lの一例として、液状の香料が用いられた。しかしながら、薬液Lは、液状の香料に限定されない。他の例では、薬液Lは、液状の消臭剤であってもよい。また、容器20内に収容される液体は、薬液以外の液体であってもよい。
【0073】
本実施形態では、十分な揮散量を確保する為に、第2の部分34は第2の突出部39を有している。しかしながら、十分な揮散量が得られる場合には、第2の部分34は、
図7に示す変形例のように、第2の突出部39を有さなくてもよい。
図7は、第2の突出部39を有さない揮散体30を有する揮散装置10を一部切り欠いて示す正面図である。
図7では、容器20及びカバー40が切断された状態を示している。
【0074】
本実施形態では、容器20の首部25は、筒状の一例として円筒状に形成された。しかしながら、首部25は円筒状に形成されることに限定されない。首部25は、他の例では、断面が楕円や多角形となる筒状に形成されてもよい。
【0075】
なお、本実施形態では、揮散体30の第1の部材31の当接部36bから、線X1に沿って脆弱部35bまでの長さL2は、距離L1より短い。しかしながら、長さL2は、
図8に示す変形例のように、距離L1と同じであってもよい。この場合、脆弱部35bが、容器20内の底面23aに接触する。さらに、第1の部材31の、脆弱部35bから下端35aまでの範囲が、底面23aに接触する。
【0076】
本実施形態では、首部25の上面25a、及び底面23aは、上下方向に直交する平面に形成されており、上面25a及び底面23aの間の距離L1は、いずれの位置でも一定である。
【0077】
しかしながら、上述のように、底面23aが上下方向に直交する平面ではない場合が生じえる。この為、距離L1は、開口21の縁21aから、底面23aにおいて上下方向に開口21の縁21aに対向する部分までの距離とすることが好ましい。
【0078】
底面23aにおいて上下方向に開口21の縁21aに対向する部分は、揮散体30を開口21を通して容器20内に上下方向に挿入したときに揮散体30の下端35aが当接する部分である。この為、当接部36bから下端35aまでの長手方向に沿う長さL2を、開口21の縁21aから、底面23aにおいて上下方向に開口21の縁21aに対向する部分までの距離L1より長くすることにより、底面23aの形状に関わらず、下端35aが底面23aに当接することとなる。
【0079】
本実施形態では、容器20は、首部25が上下方向に延びる形状であることから、揮散体30は、その長手方向を上下方向に平行な姿勢として、開口21を通して長手方向に沿って容器20内に挿入された。しかしながら、揮散体30の挿入方向は、上下方向に限定されない。例えば、揮散体30は、容器20の形状に応じて、容器20内に上下方向に対して傾斜する方向に挿入されてもよい。この一例としては、首部25が上下方向に傾斜する方向に延びる場合がある。
【0080】
このように、揮散体30を上下方向に傾斜する方向に沿って開口21を通して容器20内に挿入する場合では、被収容部6の長手方向に沿う長さL2は、開口21の縁21aから底面23aまでの、揮散体30の挿入方向(上下方向に傾斜する方向)に沿う長さとなる。この場合であっても、当接部36bが開口21の縁21a当接する前に、下端35aが底面23aに当接することとなる。
【0081】
本実施形態では、リブとして機能する第2の部材32の芯部35は、第2の部材32が第1の部材31に組み合わされたときに、第2の部材32の芯部35の下端35aが第1の部材31の脆弱部35bに対向しており、脆弱部35bに接触している。この為、第1の部材31は、脆弱部35bで屈曲しやすくなる。しかしながら、第2の部材32の芯部35の下端35aは、脆弱部35bに対向して接触することに限定されない。他の例では、第2の部材32の芯部35の下端35aは、脆弱部35bより当接部37b側において、脆弱部35bの近傍に配置されてもよい。このように、リブとして機能する第2の部材32の芯部35が、脆弱部35bから当接部37bの間の範囲の少なくとも1部に形成されることにより、第1の部材31の強度が向上するので、第1の部材31は脆弱部35bで屈曲しやすくなる。
【0082】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
容器の開口を有する上面に当接する当接部を具備して前記開口を通して前記容器内に挿入可能な1方向に長い被収容部であって、前記開口を通して長手方向に沿って挿入される過程で前記当接部が前記上面に当接する前に挿入方向の先端が前記容器内の底面に当接する長さを有する被収容部と、
前記当接部から前記長手方向に前記先端に向かって、前記容器の前記開口の縁から前記挿入方向に前記底面までの距離の位置、または、前記距離より短い距離の位置に形成された脆弱部と、
を具備した揮散体。
[2]
胴部、前記胴部の下端に形成された底壁部、前記胴部の上端に形成された肩部、及び前記肩部に形成された筒状の首部を具備した容器の前記首部の上面に当接する当接部を具備して前記首部の開口を通して前記容器内に挿入可能な一方向に長い被収容部であって、前記開口を通して長手方向に沿って挿入される過程で前記当接部が前記上面に当接する前に挿入方向の先端が前記容器の底面に当接する長さを有する被収容部と、
前記当接部から前記長手方向に前記先端に向かって、前記容器の前記開口の縁から前記挿入方向に前記底面までの距離の位置、または、前記距離より短い距離の位置に形成された脆弱部と、
前記当接部から幅方向に突出した本体部と、
前記本体部に形成され、前記被収容部との間に前記首部を配置可能な第1の突出部と、
を具備した揮散体。
[3]
前記被収容部の、前記脆弱部から前記当接部側に範囲の少なくとも1部に形成されたリブを具備した[1]または[2]に記載の揮散体。
[4]
前記リブは、前記脆弱部から前記当接部側に向かって延びる
[3]に記載の揮散体。
[5]
前記リブは、前記被収容部とは別部材である
[3]に記載の揮散体。
[6]
前記被収容部に形成され、前記首部の内面に当接可能な第2の突出部を具備した
[2]に記載の揮散体。
[7]
前記当接部は、前記開口の縁に当接する
[1]または[2]に記載の揮散体。
[8]
前記被収容部の前記当接部から前記先端までの前記長手方向の長さは、前記上面から前記容器内の底面までの距離よりも長い
[1]または[2]に記載の揮散体。
[9]
上面に開口を有する容器と、
前記上面に当接する当接部を具備して前記開口を通して前記容器内に挿入可能な1方向に長い被収容部であって、前記開口を通して長手方向に沿って挿入される過程で前記当接部が前記上面に当接する前に挿入方向の先端が前記容器内の底面に当接する長さを有する被収容部、及び、前記当接部から前記長手方向に前記先端に向かって、前記容器の前記開口の縁から前記挿入方向に前記底面までの距離の位置、または、前記距離より短い距離の位置に形成された脆弱部を具備した揮散体と、
を具備した揮散装置。
[10]
胴部、前記胴部の下端に形成された底壁部、前記胴部の上端に形成された肩部、及び前記肩部に形成された筒状の首部を具備した容器と、
前記首部の上面に当接する当接部を具備して前記首部の開口を通して前記容器内に挿入可能な一方向に長い被収容部であって、前記開口を通して長手方向に沿って挿入される過程で前記当接部が前記上面に当接する前に挿入方向の先端が前記容器の底面に当接する長さを有する被収容部、前記当接部から前記長手方向に前記先端に向かって、前記容器の前記開口の縁から前記挿入方向に前記底面までの距離の位置、または、前記距離より短い距離の位置に形成された脆弱部、前記当接部から幅方向に突出した本体部、及び、前記本体部に形成され、前記被収容部との間に前記首部を配置可能な第1の突出部を具備した揮散体と、
を具備した揮散装置。
【符号の説明】
【0083】
6…被収容部、10…揮散装置、20…容器、21…開口、22…胴部、23…底壁部、24…肩部、25…首部、25a…上面、30…揮散体、35a…下端(一端)、35…芯部、35b…脆弱部、36b…当接部。