(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】骨安定化システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/80 20060101AFI20220905BHJP
A61B 17/78 20060101ALI20220905BHJP
A61B 17/90 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
A61B17/80
A61B17/78
A61B17/90
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018044110
(22)【出願日】2018-03-12
【審査請求日】2021-01-14
(32)【優先日】2017-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー エス.,ルエス
(72)【発明者】
【氏名】デーヴィット アール.,ヤンセン
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー シー.,シナー
(72)【発明者】
【氏名】アロン,ペルヂュー
(72)【発明者】
【氏名】マーカス,シャディニ
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0128921(US,A1)
【文献】特開2011-245306(JP,A)
【文献】特表2017-501826(JP,A)
【文献】特表2003-509107(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0030276(US,A1)
【文献】特表2007-500069(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56 - 17/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨の骨折を処置するためのシステムであって、
前記骨と係合するように構成された骨プレートであって、前記骨プレートが近位端部、遠位端部、頭部分、首部分及びシャフト部分を備え、前記頭部分が第1の孔列及び第2の孔列を備え、その中に1つ以上の締結具を受容し、前記シャフト部分が少なくとも1つの追加の孔を備え、その中に締結具を受容する、骨プレートと、
前記頭部分内に受容され、かつ前記第1の孔列
内及び前記第2の孔列内
の少なくとも何れかに位置付けられる
複数の締結具と、
前記シャフト部分内に受容され、かつ前記少なくとも1つの追加の孔内に位置付けられる少なくとも1つの締結具と、
前記骨プレート内への1つ以上の締結具の挿入を補助するための照準ガイドと、を備
え、
前記第1の孔列は少なくとも3つの孔を有し、
前記第1の孔列及び前記第2の孔列は前記頭部分に対して交差するように側方に伸び、
前記首部分はねじ山付き器具取付孔及び前記器具取付孔に隣接する複数の陥凹を備え、前記複数の陥凹及び前記ねじ山付き器具取付孔は、照準ガイドと前記骨プレートとが連結するように、照準ガイドと協調するように構成され、
前記第1の孔列は前記骨プレートの前記近位端部に隣接するように配置され、
前記第1の孔列の孔は、前記第2の孔列の孔よりも小さい、システム。
【請求項2】
前記頭部分は、前記骨プレートの最も幅が広い部分を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の孔列は、2~3mmの直径を有する孔からなり、前記第2の孔列は、3~4mmの直径を有する孔からなる、請求項
1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の孔列は、前記第2の孔列よりも前記近位端部に近い、請求項
1に記載のシステム。
【請求項5】
前記
シャフト部分は
、3つのキックスタンド孔を備
え、
前記キックスタンド孔は、前記キックスタンド孔の軌道が前記骨プレートの前記近位端部に向かう方向に配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記首部分は、細長い位置決めスロットを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記位置決めスロットは、前記骨プレートのあらゆる孔の少なくとも2倍の長さである、請求項
6に記載のシステム。
【請求項8】
前記シャフト部分は、少なくとも4つの孔を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記シャフト部分内の前記少なくとも4つの孔は、1つ以上の圧縮スロットを含
み、
前記圧縮スロットは、前記骨の前記シャフト部分内への非係止ねじの静的挿入を許容し、前記非係止ねじの偏心挿入を通して前記骨の前記シャフト部分に沿った圧縮を許容する、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
前記照準ガイドは、近位照準ガイドに取り付け可能な遠位照準ガイドを備える、請求項
1に記載のシステム。
【請求項11】
前記近位照準ガイドは、
前記照準ガイドの少なくとも1つのガイド孔を前記骨プレートの前記頭部分の少なくとも1つの孔に対応するように調整するための回転可能ダイヤルを備える、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
前記頭部分は
、kワイヤまたは縫合糸を受容する
ための少なくとも1つの孔を備える、請求項
1に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つ
の孔は、前記骨プレート内の逃げ溝に隣接して位置付けられる、請求項
12に記載のシステム。
【請求項14】
前記シャフト部分は、一対の孔を備え、その中に締結具を受容し、前記一対の孔は、圧縮スロットに隣接する積層孔を備え
、
前記積層孔は、ねじ山の開口の上端に半球状の開口が積層された孔であり、
前記圧縮スロットは、前記骨の前記シャフト部分内への非係止ねじの静的挿入を許容し、前記非係止ねじの偏心挿入を通して前記骨の前記シャフト部分に沿った圧縮を許容する、請求項
10に記載のシステム。
【請求項15】
前記シャフト部分は、
前記骨に接触する波形接触表面を備える、請求項
1に記載のシステム。
【請求項16】
前記シャフト部分内に受容される前記少なくとも1つの締結具は、ねじ山付きである、請求項
10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
関連出願の相互参照
本出願は、非仮出願であり、2017年3月13日に出願された米国仮出願第62/470,470号に対する優先権を主張し、これは、その全体の参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、外科用機器、より具体的には、例えば、外傷処置のためのプレートを含む安定化システムに関する。
[背景技術]
【0003】
骨折は、プレート固定システムを使用して治療され得る。処置中、1つ以上のねじが骨折部のいずれかの側部上に配置され、これによって、骨折部の圧縮及び治療が行われる。改善されたプレート固定システム及びプレート固定システムの正確な使用のための機構に対する必要性が存在する。
[発明の概要]
【0004】
本出願によると、骨の骨折を処置するためのシステムが提供される。いくつかの実施形態において、システムは、骨と係合するように構成された骨プレートであって、骨プレートが近位端部、遠位端部、頭部分、首部分及びシャフト部分を備え、頭部分が第1の孔列及び第2の孔列を備え、その中に1つ以上の締結具を受容し、シャフト部分が少なくとも1つの追加の孔を備え、その中に締結具を受容する、骨プレートと、頭部分内に受容され、かつ第1の孔列または第2の孔列内に位置付けられた少なくとも1つの締結具と、シャフト部分内に受容され、かつ少なくとも1つの追加の孔内に位置付けられた少なくとも1つの締結具と、を備える。
【0005】
他の実施形態において、システムは、骨と係合するように構成された骨プレートであって、骨プレートが近位端部、遠位端部、頭部分、首部分及びシャフト部分を備え、頭部分が第1の孔列及び第2の孔列を備え、その中に1つ以上の締結具を受容し、シャフト部分が少なくとも1つの追加の孔を備え、その中に締結具を受容する、骨プレートと、頭部分内に受容され、かつ第1の孔列または第2の孔列内に位置付けられ、非ねじ山付きである少なくとも1つの締結具と、シャフト部分内に受容され、かつ少なくとも1つの追加の孔内に位置付けられた少なくとも1つの締結具と、を備える。
[図面の簡単な説明]
【0006】
本発明、ならびにその付随する利点及び特徴のより完全な理解は、添付図面と併せて考慮されるとき、以下の詳細な説明の参照によってより即座に理解されるであろう。
【0007】
[
図1]いくつかの実施形態による骨プレートの上面斜視図である。
[
図2A]
図1の骨プレートの頭部の上面図である。
[
図2B]
図1の骨プレートの頭部の底面図である。
[
図3]
図1の骨プレートの頭部の側面斜視図である。
[
図4]骨に取り付けられた
図1の骨プレートの図である。
[
図5]骨に取り付けられた
図1の骨プレートの代替図である。
[
図6]下に示される断面図を有する
図1の骨プレートのシャフトの上面図である。
[
図7]いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
[
図8]いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
[
図9]いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
[
図10]いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
[
図11]いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
[
図12]いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
[
図13]いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
[
図14]いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
[
図15]いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
[
図16]いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
[
図17]いくつかの実施形態による照準ガイドの上面斜視図である。
[
図18]
図17の照準ガイドの台の側面図である。
[
図19]
図17の照準ガイドの台の代替的側面図である。
[
図20]いくつかの実施形態による、遠位照準ガイド及び任意の近位照準ガイドを備える照準ガイドの上面斜視図である。
[
図21]
図20の照準ガイドの上面斜視図である。
[
図22]いくつかの実施形態による取付支柱の底面斜視図である。
[
図23]
図20の近位照準ガイドの上面斜視図である。
[
図24]
図20の任意の近位照準ガイドを伴う遠位照準ガイドの上面斜視図である。
[
図25A]第1の設定における近位照準ガイドを伴う遠位照準ガイドの図である。
[
図25B]第2の設定における近位照準ガイドを伴う遠位照準ガイドの図である。
[
図25C]第3の設定における近位照準ガイドを伴う遠位照準ガイドの図である。
[
図25D]第4の設定における近位照準ガイドを伴う遠位照準ガイドの図である。
[
図26]近位照準ガイド内のダイヤルの断面図である。
[
図27]近位照準ガイド内のダイヤルの上面斜視図である。
[
図28]骨部材に取り付けられたラフティングねじを含む骨プレートの正面図である。
[
図29]
図28の骨プレートの側面図である。
[
図30]
図28の骨プレートの上面図である。
[
図31]いくつかの実施形態によるラフティングブレードの上面斜視図である。
[
図32]
図31のラフティングブレードの上面図である。
[
図33]
図31のラフティングブレードの側面図である。
[
図34]いくつかの実施形態による、2つの可能な配向においてプレートに取り付けられたラフティングブレードの側面図である。
[
図35A]
図31のラフティングブレードの正面図である。
[
図35B]
図31のラフティングブレードの底面斜視図である。
[
図36]一体的な一式のブレードの上面斜視図である。
[
図37A]
図36の一体的な一式のブレードの上面図である。
[
図37B]
図36の一体的な一式のブレードの背面図である。
[
図38A]いくつかの実施形態による、挿入ガイド内に挿入されたラフティングブレードの上面図である。
[
図38B]いくつかの実施形態による挿入ガイドの背面図である。
[
図39]いくつかの実施形態によるラフティングブレード及び独立支持ねじの上面斜視図である。
[
図40A]いくつかの実施形態による、ラフティングブレードのための閉塞機構の正面図である。
[
図40B]回転された
図40Aの閉塞機構の正面図である。
[
図41]いくつかの実施形態によるラフティングブレード及び係止キャップの側面図である。
[
図42]
図41の係止キャップに取り付けられたラフティングブレードの上面斜視図である。
[
図43]
図41の係止キャップの上面斜視図である。
[
図44]いくつかの実施形態による、変形リッジを有するラフティングブレードの上面斜視図である。
[
図45]
図44の変形リッジを有するラフティングブレードの底面斜視図である。
[発明を実施するための形態]
【0008】
本出願の実施形態は、概して、骨安定化のための機器、システム及び方法を対象とする。特に、実施形態は、1つ以上の骨折部を処置するために骨部材にわたって延在する骨プレートを対象とする。
【0009】
本明細書に説明されるプレートは、大腿骨、脛骨遠位、脛骨近位、上腕骨近位、上腕骨遠位、鎖骨、腓骨、尺骨、橈骨、足の骨、手の骨、または他の適切な単一若しくは複数の骨のうちの1つ以上に接触するように適合され得る。骨プレートは、湾曲、輪郭付き、直線、または平坦であり得る。プレートは、骨幹端または骨幹等の特定の骨表面に合致するために輪郭付けられるか、シャフト部分から広がるか、シャフト部分と共にL字形、T字形、Y字形等を形成するか、または処置される骨の解剖学的構造に適合する任意の他の適切な形状を形成する頭部分を有し得る。プレートは、小さい骨片若しくは大きい骨片、単一骨片若しくは複数骨片を固設するか、またはそうでなければ1つ以上の骨折部を固設するように適合され得る。特に、システムは、骨幹及び骨幹端内の骨折部及び骨片の固定のために設計された一連の外傷プレート及びねじを含み得る。異なる骨プレートが、様々な種類及び位置の骨折部を処置するために使用され得る。
【0010】
骨プレートは、チタン、ステンレス鋼、コバルトクロム、炭素複合材料、プラスチック若しくはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のポリマー、ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、吸収性ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、このような材料の組み合わせまたは合金、あるいは骨に固設され骨を保持するために十分な強度を有し、一方で体内に移植されるために十分な生体適合性も有する任意の他の適切な材料からなり得る。同様に、骨プレートが1つ以上のねじを受容し得るか、あるいは締結具がチタン、コバルトクロム、コバルトクロムモリブデン、ステンレス鋼、炭化タングステン、このような材料の組み合わせ若しくは合金、または他の適切な生体適合性材料からなり得る。上記の材料リストは、プレート及び締結具が作られる多くの一般的な材料を含むが、任意の適切な材料からなる骨プレート及び締結具が考えられることが理解されるべきである。
【0011】
本明細書に説明される骨プレートは、「係止」プレートまたは「非係止」プレートを考慮され得る。係止プレートは、1つ以上の係止締結具を受け入れるための1つ以上の開口を含む。1つ以上の開口は、部分的または完全にねじ山が形成され得る。いくつかの実施形態において、これらの開口は、完全なねじ山付き開口または積層開口を含み、係止締結具及び非係止締結具の両方を受け入れる。いくつかの実施形態において、係止締結具は、少なくとも部分的にねじ山が形成される頭部を含む。係止締結具は、単軸または多軸であり得る。係止締結具の一非限定的例(数ある中で)が、2017年1月13日に出願されたUS15/405,368の
図6に示され、これは、その全体の参照によって本明細書に組み込まれる。
【0012】
非係止プレートは、1つ以上の非係止締結具を受け入れるための1つ以上の開口を含む。1つ以上の開口は、少なくとも部分的に非ねじ山付きである。いくつかの実施形態において、これらの開口は、非ねじ山付き開口または積層開口を含み、係止締結具及び非係止締結具の両方を受け入れる。いくつかの実施形態において、非係止締結具は、非ねじ山付きである頭部を含む。非係止締結具は、単軸または多軸であり得る。非係止締結具の一非限定的例(数ある中で)が、2017年1月13日に出願されたUS15/405,368の
図4に示され、これは、その全体の参照によって本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、非係止締結具は、下にある骨の動的圧縮を可能にする動的圧縮ねじを含み得る。
【0013】
以下は、骨に取り付け可能な係止プレート及び非係止プレートの様々な例である。いくつかの実施形態において、係止プレートは、非係止プレートよりも厚くてもよい。係止プレートは、弱い骨を有する患者のために有用であり得、一方で非係止プレートは、強い骨を有する患者のために有用であり得る。
【0014】
以下に説明される係止プレート及び非係止プレートは、骨折部を処置するために異なる骨に取り付けられ得る。特に、係止プレート及び非係止プレートは、脛骨の骨折部を処置するために使用され得るが、当分野の知識を有する者は、本明細書に説明される新規のプレートが他の種類の骨の骨折部に対して同様に適用され得ることを認めるであろう。脛骨に対して、係止プレート及び非係止プレートは、側方プレート、内側プレートまたは後内側プレートとして考慮され得る。言い換えると、プレートは、脛骨の側方面、内側面または後内側面に取り付けられ得る。当分野の知識を有する者は、しかしながら、プレートが脛骨のその特定の位置に限定されるものではなく、外科医が望むようであれば、側方プレートを内側に、または内側プレートを側方に適用するように選択し得ることを認めるであろう。本出願において、
図1及び7~10に示される骨プレートは、側方プレートとして見られ得、一方で
図11~17に示される骨プレートは、内側プレートまたは後内側プレートとして見られ得る。
【0015】
図1は、いくつかの実施形態による骨プレートの上面斜視図である。いくつかの実施形態において、骨プレート10は、側方係止プレートを備え、その中に受容される締結具のうちの少なくともいくつかは、係止締結具である。骨プレート10は、近位端部12及び遠位端部14を備える。骨プレート10は、頭部分22、シャフト部分26、ならびに頭部分22とシャフト部分26との間の変遷的な首部分24をさらに備える。
【0016】
頭部分22は、骨プレート10の最も幅が広い部分を備え、かつ近位端部12に隣接する。いくつかの実施形態において、近位端部12は、面取りされる。有利には、近位端部12の輪郭及び面取りは、高影響エリア内の軟組織の刺激を最小化するためにジェルディ結節の後方に骨プレート10を位置付けることを助ける。いくつかの実施形態において、頭部分22は、関節面近傍の骨部材(例えば、脛骨)上に配置されることになる。頭部分22の一定の特徴は、関節面の沈下を防止またはこれに抵抗するように有利に設計される。頭部分22は、第1の孔列32及び第2の孔列34を備える。いくつかの実施形態において、これらの孔32、34は、接合箇所の関節面を有利に支持し、かつ沈下を防止するラフティングねじ(例えば、
図30に示されるもの)を受容し得る「ラフティング」孔として考慮される。いくつかの実施形態において、孔32、34は、少なくとも部分的にねじ山が形成され、1つ以上の多軸係止ねじを受容するように設計される係止孔である。
【0017】
図1に示されるように、頭部分22は、第1の孔列32及び第2の孔列34を備え、第2の孔列34は、第1の孔列32よりも大きい。例えば、いくつかの実施形態において、第1の孔列32は、2.0~3.0mm(例えば、2.5mm)であり得、一方で第2の孔列34は、3.0~4.0mm(例えば、3.5mm)であり得る。2組の孔32、34を提供することによって、骨プレート10は、より多くのラフティングねじを有利に収容し、これによって、接合箇所の近くにより良好な支持を提供する。特に、最近位の一組の孔32は、骨プレート10の近位端部12に隣接するように設計される、特に新規かつ好ましいものである。これらの孔32は、接合箇所の関節面に最も近いラフティングねじを受容する。これらの孔32は、孔34よりもサイズが有利に小さく、それにより、関節面に隣接する限定的空間に位置付けるように特に堅固であり得るより小さいラフティングねじを収容することができる。いくつかの実施形態において、第1の孔列32は、第2の孔列34からオフセットされるが、一方で他の実施形態において、第1の孔列32は、第2の孔列34と整列する。いくつかの実施形態において、第1の孔列32は、第2の孔列と同一数の孔を有するが、一方で他の実施形態において、第1の孔列32は、第2の孔列と異なる数の孔を有する。本実施形態において、骨プレート10は、4つの孔32及び4つの孔34を含む。
【0018】
図1に示されるように、頭部分22は、1つ以上の新規の多目的孔36をさらに備える。いくつかの実施形態において、多目的孔36は、kワイヤ及び縫合糸を収容するように有利に設計される。いくつかの実施形態において、孔36は、その中にkワイヤを受容するようにサイズ決め及び位置決めされ、これによって、骨部材上の骨プレート10の配置を補助する。孔36は、骨プレート10の1つ以上の逃げ溝37(
図2B及び3に示される)と隣接及び連続して形成される。
図5に示されるように、1つ以上の逃げ溝37は、骨プレート10が骨に移植された後でさえ、骨プレート10を通る1つ以上の縫合糸への通路を有利に許容する。縫合糸は、骨10を隣接組織に取り付けるために使用され得、これによって骨プレート10を手術部位またはその近くにさらに固設する。
【0019】
首部分24は、頭部分22とシャフト部分26との間の変遷的部分である。首部分24は、頭部分22よりも幅が狭いが、シャフト部分26と等しいかまたはより幅が広い少なくともいくつかの部分を有する。
図1に示されるように、首部分24は、一対の係止孔42、器具取付孔44、整列陥凹44、位置決めスロット、及び3つのキックスタンド孔52を備える。これらの特徴の各々は、以下に説明される。
【0020】
一対の係止孔42は、ラフティング孔32、34の下に位置付けられる。いくつかの実施形態において、係止孔42は、少なくとも部分的にねじ山が形成される多軸係止孔を備える。一対の係止孔42は、骨プレート10を下にある骨部材に固設するために1つ以上骨締結具またはねじを受容するように構成される。いくつかの実施形態において、一対の係止孔42は、孔34と同一または類似の幅である。いくつかの実施形態において、係止孔42の各々は、3.0~4.0(例えば、3.5mm)の幅を有する。
【0021】
一対の係止孔42の下にあるものは、陥凹46及び器具取付孔44である。陥凹46及び器具取付孔44は、
図18及び21に示されるように、照準ガイドと協調するように設計される。照準ガイドは、特に側方プレートに有用であり、1つ以上の骨ねじまたは締結具を骨プレート10内のそれぞれの孔内に正確にガイドするために使用され得る。いくつかの実施形態において、陥凹46は、球状陥凹を備える。骨プレート10内の他の孔または開口と異なり、陥凹46は、プレートを完全に貫通していない。むしろ、陥凹46は、照準ガイドの取付支柱から外側に延在する1つ以上のボールエンドピン(
図22に示される)によって係合される。陥凹46は、骨プレート10に対して照準ガイドを安定化及び位置付けることを有利に助ける。骨プレート10が3つの陥凹46を有するように示されるが、骨プレート10は、1つ、2つ、または3つよりも多い陥凹46を含むことができる。陥凹46間にあるものは、器具取付孔44である。器具取付孔44は、これもまた照準ガイドの取付支柱から外側に延在するねじ山付きシャフト(
図22に示される)を受容するように設計されるねじ孔を備える。一度、照準ガイドが陥凹46を介して安定化されると、照準ガイドは、ねじ山付きシャフトのねじを介して骨プレート10に取り付けられ得る。
【0022】
位置決めスロット48は、遠位、かつ陥凹46及び器具取付孔44の下に位置する。位置決めスロット48は、細長い開口を備え、細長い開口は、骨に対して骨プレート10の位置が最終的に決まる前に、その中に第1の骨ねじまたは締結具を受容するように設計される。位置決めスロット48が細長いので、骨プレート10は、必要であれば第1の骨締結具の周りでわずかに調節され得る。いくつかの実施形態において、位置決めスロット48は、中に骨ねじを受容する任意の他の孔の長さを超える長さを有する。いくつかの実施形態において、位置決めスロット48は、中に骨ねじを受容する任意の他の孔の長さの少なくとも2倍の長さを有する。第1の締結具は、第1の骨ねじの最終的な締め付けの前に、位置決めスロット48内に一時的に配置され得る。骨プレート10の適切な配向及び配置に際し、第1の骨締結具は、最終的に締め付けられ得る。
【0023】
1つ以上のキックスタンド孔62は、位置決めスロット48から遠位に提供される。いくつかの事例において、側方プレートは、周囲組織に対して低リスクであるより小さな切開を介して、しばしば、移植され得るように、好ましくは、内側プレートの上にあり得る。1つ以上のキックスタンド孔62は、望まれる場合、内側骨折部を処置し得る1つ以上の骨締結具を受容可能である。言い換えると、キックスタンド孔62は、単に側方側からの支持を介して内側骨折部が処置されることを有利に許容する。
図1に示されるように、骨プレート10は、少なくとも3つのキックスタンド孔62を含む。いくつかの実施形態において、キックスタンド孔62は、固定角積層係止孔である。3つのキックスタンド孔62を有する3つのキックスタンド構築物を提供することによって、これは、内側骨折部をより良好に支持するために3つまでの骨締結具を有利に収容する。いくつかの実施形態において、3つのキックスタンド構築物は、内側脛骨近位の前方、中央、及び後方面に照準されたキックスタンド孔62の新規の集合として働き、これによって、外科医に選択肢及び向上した汎用性を提供する。3つのキックスタンド構築物は、ターゲットに対して分解し、かつ1つ以上のねじまたは締結具を用いて構築物剛性をカスタマイズすることを外科医に許容する、選択肢を外科医に有利に提供する。いくつかの他の実施形態において、キックスタンド構築物は、単一キックスタンド孔、2つのキックスタンド孔、または3つよりも多いキックスタンド孔を有することになる。
【0024】
シャフト部分26は、頭部分22及び首部分24に対して骨プレート10の遠位部分を備える。いくつかの実施形態において、シャフト部分26は、骨プレート10の最長かつ最も細い部分を備える。シャフト部分26は、1つ以上の骨締結具を受容するために、その中に複数の開口または孔を備える。本実施形態において、シャフト部分26は、固定角積層係止孔として働く複数の孔62(例えば、5つ)を備える。固定角積層係止孔は、係止または非係止であり得る骨締結具の単軸挿入を許容する。加えて、
図1に示されるように、骨プレート10のシャフト部分26はまた、係止孔62の間に位置付けられる両方向性動的圧縮スロット64を備える。両方向性動的圧縮スロット64は、骨のシャフト内への非係止ねじの静的挿入を有利に許容する。それらはまた、非係止ねじの偏心挿入を通して骨のシャフトに沿った圧縮(例えば、0.5mm~2mm)を許容する。孔62及びスロット64は、骨プレート10を骨に固設するために1つ以上のねじをその中に受容可能である。
【0025】
シャフト部分26の遠位部分は、テーパ状先端18をさらに備える。いくつかの実施形態において、テーパ状先端18は、プレート10が手術部位に対して皮下に挿入されることを許容する挿入先端として働く。骨プレート10は、骨(例えば、脛骨)に隣接して位置付けられ得、これによって、骨に固定され得る。いくつかの実施形態において、テーパ状先端は、切開長を最小化するために簡素化筋下プレート挿入を許容売る。
図1に示されるように、骨プレート10のシャフト部分26の下側は、複数の波形66を備える。波形66は、骨部材とより良好な摩擦接触を提供する波形接触表面を形成する。いくつかの実施形態において、波形接触表面は、骨膜血液供給に対する影響を最小化し、ねじ孔を変形することなく骨プレート10のシャフト部分26のいくらかの曲げを許容する。
【0026】
いくつかの実施形態において、骨プレート10は、脛骨近位の側方面を適応させる解剖学的輪郭を提供する。いくつかの実施形態において、骨プレート10は、ジェルディ結節に対してちょうど後方に着座する近位前方部分(例えば、面取り部分)を含み、これによって、軟組織の刺激を最小化しつつ位置決めを補助する。
【0027】
図2Aは、
図1の骨プレートの頭部の上面図である。頭部分22は、骨プレート10の最も幅が広い部分を備える。
図2Aに示されるように、頭部分22は、第1の孔列32a、32b、32c、32d及び第2の孔列34a、34b、34c、34dを収容する。上記のように、第1の孔列及び第2の孔列は、その中にラフティングねじを収容する「ラフティング」孔として働き得る。いくつかの実施形態において、第1の孔列32は、第2の孔列34よりも小さい。加えて、いくつかの実施形態において、第1の孔列32は、第2の孔列34からオフセットされる。
図2Aに示されるように、一対の新規の多目的孔36a、36bはまた、骨プレート10の頭部分22を通して提供される。多目的孔36a、36bは、そこを通してkワイヤ及び/または縫合糸を受容するように各々構成される。また
図2Aに示されるものは、首部分24の特徴であり、係止孔42a、42b、陥凹46a、46b、46c及び器具取付孔44を含む。
【0028】
図2Bは、
図1の骨プレートの頭部の底面図である。底面図から、骨プレート10の頭部分22の下側を見ることができる。特に、多目的孔36a、36bの下側及びそれらがどのように骨プレート10上に形成された逃げ溝37a、37bと隣接かつ連続して形成されるかを見ることができる。
図5に示されるように、逃げ溝37a、37bは、骨プレート10が骨2に隣接して位置付けされるときでさえ、縫合糸が骨プレート10と下にある骨2との間に通されることを有利に許容する。
図2Bに示されるように、逃げ溝37a、37bは、多目的孔36a、36bの各々の周囲を囲む。
【0029】
図3は、
図1の骨プレートの頭部の側面斜視図である。この図から、骨プレート10の頭部分22の曲がった角度を見ることができる。加えて、逃げ溝37a、37bがどのように骨プレート10の曲がった輪郭を追従し、かつそれ自身が曲がっているかを見ることができる。
【0030】
図4は、骨に取り付けられた
図1の骨プレートの図である。骨プレート10は、その中に受容された複数のねじまたは締結具6を含む。孔32a、32b、32c、32d内及び孔34a、34b、34c、34d内に受容されるねじ6は、ラフティングねじが考慮され得る。
図4に示されるように、ラフティングねじは、骨2(例えば、脛骨)の関節面4に近接して位置付けられ、関節面4に対する支持を提供することを有利に助ける。言い換えると、ラフティングねじは、関節面4に対する鉄筋として働くことを助ける。この図から、骨プレート10の角に形成される縫合糸逃げ溝37aもまた見ることができる。
【0031】
図5は、骨に取り付けられた
図1の骨プレートの代替図である。この図から、骨プレート10が骨2に移植されるときでさえ、縫合糸を通すために通路が存在するように、逃げ溝37が骨プレート10と骨2との間の開口をどのように形成するかを見ることができる。
【0032】
図6は、下に示される断面図を有する
図1の骨プレートのシャフトの上面図である。シャフト部分26は、複数の孔または開口を含み、その中に異なる骨ねじ(例えば、係止または非係止)を受容する。いくつかの実施形態において、シャフト部分26は、異なるサイズの患者内の異なる骨を適応させるように長さを変更することができる。
図6に示されるように、垂直点線の各々は、骨プレート10の可能な切断部または端部を表現する。より小さな骨を有する患者に対して、切断は、より早いものであり得、一方でより大きい骨を有する患者に対して、切断は、より遅いものであり得る。いくつかの実施形態において、シャフト部分26は、単一孔パターンまたは単一開口パターンを収容し、これによって、プレート端部の直前の孔は、固定角積層孔62であることになる。プレート端部の先行する積層孔62を提供することによって、骨プレート10は、係止ねじまたは非係止ねじのいずれかを収容し得、ことによって、プレートを移植する外科医に対して多数の選択肢を提供する。いくつかの実施形態において、シャフト部分26内の孔または開口の新規のパターンは、中心間で離間される(例えば、12~14mm)孔を含み、最後の孔が常に積層孔になるように維持しつつ、2つの孔の増加において提案されるプレート長を許容する。いくつかの実施形態において、両方向性圧縮スロット64が孔パターン内に加工され得るが、それらが低頻度で使用され得るとして積層孔62よりも少なく現れ得る。独特の孔パターンは、シャフト部分26内の等距離の係止選択肢及び非係止選択肢を最大化するが、動的圧縮性能を依然として提供する。加えて、静的に配置される係止ねじまたは非係止ねじを許容するプレート端部の前の最後の孔は、
図6に示されるように、全ての2つの孔のプレートの増加において保存される。
【0033】
図7は、いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。いくつかの実施形態において、骨プレート10は、側方非係止プレートを備え、その中の孔または開口のうちの少なくともいくつかは、非係止締結具を受容する。骨プレート10は、
図1の骨プレートに類似の特徴を含み、近位端部12及び遠位端部14、頭部分22、首部分24ならびにシャフト部分26を含む。頭部分22は、第1のラフティング孔列32及び第2のラフティング孔列34を介して異なるサイズのラフティングねじを収容する。頭部分22はまた、多目的孔34を備え、その中にkワイヤ及び/または縫合糸を受容可能である。しかしながら、骨プレート10は、非係止締結具を受容するための追加の非係止孔を含み得、これは、ここでより詳細に論じられることになる。
【0034】
いくつかの実施形態において、首部分24は、ラフティング孔の下に孔42を備え得る。孔42は、三つ組の非係止孔を備え、その中に非係止締結具を受容可能である。孔42の下は、上記に論じられたように第1の骨ねじを受容するための細長い位置決めスロット48を備える。
【0035】
いくつかの実施形態において、シャフト部分26は、複数の非係止孔を備える。シャフト部分26は、非係止締結具を受容するための非係止孔62を備える。加えて、シャフト部分26は、一連の両方向性動的圧縮スロット64(非係止開口としても見られ得る)を備え、その中に1つ以上の骨締結具を受容する。骨プレート10の遠位端部14は、骨プレート10の挿入を補助するテーパ状先端18を備える。シャフト部分26の下側は、複数の波形66を備える。
【0036】
図8は、いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。いくつかの実施形態において、骨プレート10は、係止締結具を受容するための1つ以上の係止孔を有する側方プレート10を備える。いくつかの実施形態において、側方骨プレート10の厚さは、近位に2.2mm~遠位に3.4mmまで変化し、骨プレート10の首部内で厚さの変遷が起こる。骨プレート10は、
図1の骨プレートとしての多くの特徴を含み、近位端部12、遠位端部14、頭部分22、首部分24及びシャフト部分26を含む。頭部分22は、骨プレート10の最も幅が広い部分であり、一対のラフティング孔列32、34、ならびにkワイヤ及び/または縫合糸を中に受容するための一対の多目的孔36を含む。首部分24はまた、
図1の骨プレートのものに類似し、一対の多軸係止孔42、三つ組の球状整列陥凹46、ねじ山付き器具取付孔44、位置決めスロット48及び三つ組のキックスタンド孔52を含む。しかしながら、
図8の骨プレート10のシャフト部分26は、ここで論じられることになる異なるパターンの孔を備える。
【0037】
図8に示されるように、シャフト部分26は、複数の孔62、64を備える。孔62は、固定角係止孔(例えば3.5mm)を備え、一方で隣接孔64は、動的圧縮スロットを備える。シャフト部分26は、非係止孔として見られ得る動的圧縮スロット64に隣接して数個の対の固定角係止孔62を備える。
【0038】
図9は、いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。いくつかの実施形態において、骨プレート10は、係止締結具を受容するための1つ以上の係止孔を有する側方プレート10を備える。骨プレート10は、
図1の骨プレートとしての多くの特徴を含み、近位端部12、遠位端部14、頭部分22、首部分24及びシャフト部分26を含む。頭部分22は、骨プレート10の最も幅が広い部分であり、一対のラフティング孔列32、34を含む。
図1の骨プレートと比較して、頭部分22は、一対の縫合孔74とは別個のkワイヤ凹部をその中22に含む。
【0039】
首部分24はまた、
図1の骨プレートのものに類似し、一対の多軸係止孔42、三つ組の球状整列陥凹46、ねじ山付き器具取付孔44、位置決めスロット48及び三つ組のキックスタンド孔52を含む。しかしながら、
図9の骨プレート10のシャフト部分26は、ここで論じられることになる異なるパターンの孔を備える。
【0040】
図9に示されるように、シャフト部分26は、複数の固定角係止孔62を備える。先の実施形態と異なり、係止孔62に隣接して位置付けられた圧縮スロットまたは圧縮孔が存在しない。いくつかの実施形態において、固定角係止孔は、均一に離間され、一方で他の実施形態において、固定角係止孔は、均一に離間されない。これらの孔62に加えて、シャフト部分26は、テーパ状先端及び波形接触表面をさらに備える。
【0041】
図10は、いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。いくつかの実施形態において、骨プレート110は、内側アプローチを介して骨(例えば、脛骨)上に配置され得る内側プレートを備える。いくつかの実施形態において、内側骨プレート110の厚さは、近位に2.2mm~遠位に3.4mmまで変化し、骨プレート110の首部内で厚さの変遷が起こる。骨プレート110は、近位端部112及び遠位端部114を備える。頭部分122、首部分124及びシャフト部分126は、近位端部112と遠位端部114との間に延在する。
【0042】
頭部分122は、骨プレート110の最も幅が広い部分を備え、一連の孔134を含み、その中に締結具を受容する。本実施形態において、孔134は、多軸係止孔を備え、これは、その中に1つ以上の係止締結具を受容するように構成される。本実施形態において、頭部分122は、4つの係止孔134を備える。他の実施形態において、頭部分122は、1つ、2つ、3つまたは4つを超える係止孔134を備え得る。いくつかの実施形態において、孔は、約3.5mm等の2.5mm~4.5mmである。頭部分122は、1つ以上のkワイヤ開口136をさらに備える。kワイヤ開口136(そのうちの3つが示される)は、プレート110の近位端部112の近くに位置付けられ、そこを通して1つ以上のkワイヤを受容するように構成される。いくつかの実施形態において、頭部分122は、骨(例えば、脛骨)の前方部分に延在するようにサイズ決め及び構成され得る。
【0043】
首部分124は、一対の孔142を備え、その中に1つ以上の締結具を受容する。いくつかの実施形態において、孔142は、2.5mm~4.5mm(例えば、3.5mm)である多軸係止孔を備える。いくつかの実施形態において、係止孔は、1つ以上のねじ山付き係止締結具を受容するために、ねじ山が形成される。位置決めスロット148は、係止孔142の間に位置付けられる。位置決めスロット148は、細長いスロット(例えば、隣接孔142の長さの2倍を超える)であり、その中に第1のねじを受容するように構成される。
【0044】
シャフト部分126は、複数の孔162及び圧縮スロット164を備える。いくつかの実施形態において、複数の孔162は、3.5mm等の2.5mm~4.5mmである固定角積層係止孔を備える。いくつかの実施形態において、圧縮スロット1645は、両方向性動的圧縮スロットを備える。シャフト部分126は、挿入中に骨プレート110を補助するテーパ状先端118をさらに備える。加えて、シャフト部分126は、波形接触表面を形成する1つ以上の波形166を有する下側を備える。
【0045】
図11は、いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。いくつかの実施形態において、骨プレート110は、内側プレートを備える。骨プレート110は、
図10の骨プレートに類似し、近位端部112、遠位端部114、頭部分122、首部分124及びシャフト部分126を含む。しかしながら、頭部分122の形状及びサイズは、区別可能である。骨プレートの長手方向軸に沿って実質的に対称である、
図10の骨プレートの頭部分と比較して、
図11において、頭部分122は、骨プレートの長手方向軸からオフセットされる。いくつかの実施形態において、オフセット頭部は、骨プレート110が骨部材(例えば、脛骨)の後方部分に到達することを許容する。
【0046】
図12は、いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。いくつかの実施形態において、骨プレート110は、骨(例えば、脛骨)の後内側面の上の切開を通して挿入され得る後内側プレートを備える。骨プレート110は、
図10及び11の内側プレートとの複数の類似の特徴を含み、近位端部112、遠位端部114、頭部分122、首部分124及びシャフト部分126を含む。しかしながら、本実施形態において、骨プレート110は、頭部分122内に数個の非係止孔134、及びシャフト部分126内に数個の積層係止孔162を含む。
【0047】
特に、
図12に示されるように、頭部分122は、kワイヤ孔列の下に位置付けられる非係止孔列134(例えば、2.5mm~4.5mm)を備える。加えて、頭部分122は、非係止孔列134の下に位置付けられた単一非係止孔142を備える。シャフト部分126は、一連の固定角積層係止孔162(例えば、2.5mm~4.5mm)を備え、その間に両方向性動的圧縮スロット164を含む。
【0048】
図13は、いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。いくつかの実施形態において、骨プレート110は、骨(例えば、脛骨)の内側面の上の切開を通して挿入される内側プレートを備える。骨プレート110は、
図11の骨プレートに類似するが、シャフト部分126に沿って異なる孔パターンを含む。本実施形態において、シャフト部分126は、数個の対の孔、つまり、動的圧縮スロット164に隣接する固定角係止孔162(2.5mm~4.5mm)を備える。
【0049】
図14は、いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。いくつかの実施形態において、骨プレート110は、骨(例えば、脛骨)の内側面の上の切開を通して挿入される内側プレートを備える。骨プレート110は、骨プレート110の頭部分122が係止孔ではなく複数の非係止孔134、142(2.5mm~4.5mm)を含むことを除いて、
図13の骨プレートに類似する。
【0050】
図15は、いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。いくつかの実施形態において、骨プレート110は、骨(例えば、脛骨)の内側面の上の切開を通して挿入される内側プレートを備える。骨プレート110は、近位端部112、遠位端部114、頭部分122、首部分124及びシャフト部分126を含む。頭部分は、多軸係止孔列134(2.5mm~4.5mm)を備える。係止孔134は、縫合孔174の下に遠位に形成される。縫合孔174は、kワイヤ用の凹部172から独立である。頭部分122はまた、固定角係止孔142(2.5mm~4.5mm)を含む。首部分124は、位置決めスロット148及び追加の固定角係止孔142を備える。シャフト部分126は、複数の交互係止孔または係止解除孔162、及び圧縮スロット164を備える。
【0051】
図16は、いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。いくつかの実施形態において、骨プレート110は、骨(例えば、脛骨)の後内側面の上の切開を通して挿入される後内側プレートを備える。骨プレート110は、先の実施形態と類似特徴を含み、多軸係止孔134(2.5mm~4.5mm)を有する頭部分122、縫合孔174及びkワイヤ凹部172を含む。首部分124は、一対の固定角係止孔142(2.5mm~4.5mm)及びその間の位置決めスロット148を含む。シャフト部分126は、一連のインライン開口またはインライン孔162を備え、その中に係止締結具または非係止締結具を収容することができる。
【0052】
いくつかの実施形態において、照準ガイドは、1つ以上のねじまたは締結具を患者内に配置することにおいて外科医を補助するために提供され得る。照準ガイドは、骨プレートに据え付けられ得、かつ骨プレート内で孔と整列するガイド孔を含み得、それにより、ねじまたは締結具が患者内に正確に移植され得る。いくつかの実施形態において、ガイド孔は、ドリルガイド、トロカール、kワイヤ及びねじと相互接続する照準スリーブを受け入れ得る。これらのスリーブは、ラチェット機構または挟持機構によって照準ガイドに固設され得る。照準ガイドは、側方プレートに対して特に有用であり得、照準ガイドはまた、内側及び後内側プレートに対して使用され得る。
【0053】
図17は、いくつかの実施形態による照準ガイドの上面斜視図である。照準ガイド200は、下にあるプレート10に据え付けられ得、照準アーム210及び照準台230を含む。
【0054】
照準アーム210は、プレート10の孔62a、62b、62c、62dと対応する複数のガイド孔262a、262b、262c、262dを備える。ガイド孔262の目的は、高精度かつ正確に対応する孔62内に1つ以上の締結具またはねじをガイドすることを助けることである。いくつかの実施形態において、ガイド孔262は、ドリルガイド、トロカール、kワイヤ及びねじと相互接続する照準スリーブを受け入れ得る。照準アーム210は、一端部に開口264であって、その中にアーム固定ボルト236を受容する、開口264、及び反対端部に開口266であって、その中に遠位係止ボルト238を受容する、開口266を含む。アーム固定ボルト236は、照準アーム210を照準台230に延在及び固設するように構成される。遠位係止ボルト238は、骨プレート10の遠位端部の近くの開口と係合するように構成され、これによって、安定構築物を提供する。いくつかの実施形態において、照準アーム210は、炭素繊維等の非金属で形成される。非金属の照準アーム210を形成することによって、これは、照準アーム210がX線で視認されることを有利に防止する。
【0055】
照準アーム210に取り付けられる照準台230は、プレート10上で台として働く。照準台230(
図18及び19に示される)は、一対の開口244であって、その中に回転止めボルト234を受容する、一対の開口244、及び開口244であって、その中に固定ボルト232を受容する、開口244を含む直立支柱部分を備える。固定ボルト232は、照準台230(及びしたがって照準ガイド200全体)をプレート10に取り付けるように働く。固定ボルト232は、プレート10の取付孔44(
図1に示される)内に受容され得る。回転止めボルト234は、挿入中に追加の剛性を提供するために単軸開口244のうちのいずれか内に挿入され得る。いくつかの実施形態において、照準台230は、照準台230がプレート10内の孔62の視認を妨害しないので、照準アーム210とは異なる材料であり得る。いくつかの実施形態において、照準台230は、金属で形成され得、一方で照準アーム210は、非金属で形成され得る。照準アーム210を照準台230に接続する手段は、より詳細には説明されないことになる。
【0056】
図18は、
図17の照準ガイドの台の側面図である。照準台230は、上位区分及び下位区分を有する直立支柱を備える。上位区分は、複数の開口235(
図19に示される)を備え、その中に安定化ピン240を受容する。照準アーム210は、安定化ピン240上をスライドしてアーム固定ボルト236を締め付けることによって照準台230に取り付く。アーム固定ボルト236は、照準台230の上位区分上に形成される、ねじ山付き据付孔237(
図19に示される)内に受容される。
【0057】
照準台230は、1つ以上の回転止めボルト234(
図17に示される)を受容するための開口244を含む下位区分をさらに備える。1つ以上の回転止めボルト234は、照準台230に追加の剛性を提供する。下位区分は、別の開口231を含み、固定ボルト232(
図17に示される)がこれを通って延在する。下位区分は、照準台230を下にある骨プレート10に対して適切な位置にガイド及び配向する位置決め機構239をさらに含み得る。
【0058】
図19は、
図17の照準ガイドの台の代替的側面図である。この図から、照準台230の上位区分及び下位区分の特定の特徴を見ることができる。特に、上位区分において、複数の開口235を見ることができ、その中に安定化ピン240を受容する。加えて、照準アーム210を照準台230に固設するためにアーム固定ボルト236を受容するねじ山付き据付孔237を見ることができる。照準台230の上位区分と下位区分との間は、開口231であり、その中に固定ボルト232を受容する。この図から、下位区分内の開口244を見ることができ、その中に1つ以上の回転止めボルト234を受容する。
【0059】
図20は、いくつかの実施形態による、遠位照準ガイド及び任意の近位照準ガイドを備える照準ガイドの上面斜視図である。遠位照準ガイド210は、1つ以上の締結具またはねじを骨プレート10の遠位開口または遠位孔(孔またはスロット62、64等)内にガイド可能である一方、近位照準ガイド310は、1つ以上の締結具またはねじを骨プレート10の近位開口または近位孔(ラフティング孔32、34等)内にガイド可能である。いくつかの実施形態において、遠位照準ガイド210及び近位照準ガイド310の両方は、ドリルガイド、トロカール、kワイヤ及びねじと相互接続する1つ以上の照準スリーブを受け入れ可能である。これらのスリーブは、ラチェット機構または挟持機構によってそれぞれのガイドに固設され得る。
【0060】
遠位照準ガイド210は、アームを含み、その中に形成された複数のガイド孔262を含む。複数のガイド孔262は、ドリルガイド、トロカール、kワイヤ及びねじと相互接続する1つ以上の照準スリーブ270を受け入れるようにサイズ決め及び構成される。いくつかの実施形態において、1つ以上の照準スリーブ270は、孔62またはスロット64内へのねじのガイドを助ける。アームは、1つ以上の追加のガイド孔265を含む延長部分263を含み、ガイド孔265の中に1つ以上の照準スリーブ270を受容する。1つ以上のガイド孔265内に受容された1つ以上のスリーブ270は、骨プレート10の1つ以上のキックスタンド孔内にねじまたは締結具を導くために使用され得る。遠位照準ガイド210は、少なくとも1つの開口をさらに備え、そこを通る取付支柱280を受容する。取付支柱280は、骨プレート10に取り付くように構成される。
【0061】
近位照準ガイド310は、骨プレート10のラフティング孔32、34内にねじまたは締結具を導くために使用され得る1つ以上のガイド孔362を備える。近位照準ガイド310において、ガイド孔362の各々は、一対の重複開口または重複円で形成される。例えば、
図23に示されるように、ガイド孔362aは、一対の重複開口または重複円で形成され、ガイド孔362b、362c、362dについても同様である。一対の重複開口または重複円を提供することによって、ガイド孔362a、362b、362c、362dの各々は、外科医の選好に基づいて、第1の列または第2の列内のラフティング孔内に1つ以上の締結具またはねじを効果的にガイドし得る。例えば、
図25A~25Dに示されるように、ガイド孔362aは、ねじをラフティング孔32a内にガイドすることになり、ガイド孔362bは、ねじをラフティング孔32b内にガイドすることになり、ガイド孔362cは、ねじをラフティング孔32c内にガイドすることになり、かつガイド孔362dは、ねじをラフティング孔32d内にガイドすることになる。いくつかの実施形態において、近位照準ガイド310のダイヤル360は、ガイド内の孔362と同軸である、下にあるプレート10内の孔を標的にするために20度間隔で4つの異なる位置をとり得る。いくつかの実施形態において、近位照準ガイド310は、プレート10のより容易な視覚化を許容するために、じゃまにならない所に回転し得る。
【0062】
いくつかの実施形態において、近位照準ガイド310は、どのガイド孔362a、362b、362c、362dが使用のために利用可能になるかを示すダイヤル360を備える。いくつかの実施形態において、単一ガイド孔362a、362b、362c、362dのみが、各設定において利用可能になり、これによって、外科医に対する混乱のリスクを低減する。ダイヤルは、回転可能であり、かつガイド孔362、362b、362c、362dの各々と対応する設定を有する。
【0063】
図21は、
図20の遠位照準ガイドの上面斜視図である。図において示されるように、遠位照準ガイド210は、アームの長さに沿って延在する複数のガイド孔262を有するアームを備える。ガイド孔262は、骨プレート10内の1つ以上の孔またはスロットに対応し、これによって、ねじがプレート上の適切な位置内に容易にガイドされることを許容する。いくつかの実施形態において、ガイド孔262は、骨プレート内の孔またはスロットと同軸である。いくつかの実施形態において、ガイド孔262は、静的位置または偏心位置のいずれか内で非係止プレート孔を標的にするために異なる位置でガイド(例えば、スリーブ)を受け入れる。これは、静的圧縮または動的圧縮のいずれかのための非係止ねじの経皮挿入を容易化する。いくつかの実施形態において、遠位照準ガイド210は、骨プレート10のシャフト部分26内の孔またはスロットと対応するガイド孔262、及び首部分24内のキックスタンド孔と対応するガイド孔265を含む。いくつかの実施形態において、シャフト部分26内の孔またはスロットと対応するガイド孔262は、1つの種類のみの照準スリーブ270を受け入れ、一方で首部分26内のキックスタンド孔と対応するガイド孔265は、別の種類の照準スリーブ270を受け入れる。いくつかの実施形態において、遠位照準ガイド210は、手術室内にある間の透視撮像の妨害を防止するために放射線透過性材料で形成され得る。
【0064】
遠位照準ガイド210は、一対の取付アーム267、269を含む。第1の取付アーム267は、第1の接続部281aを備え、第2の接続アーム269は、第2の接続部281bを備える。これらの接続部281a、281bの各々は、任意の近位照準ガイド310に取り付け可能である。2つの接続部281a、281bを提供することによって、遠位照準ガイド210は、有利に反転可能であり、それにより、左手または右手を介して満足に使用され得る。
【0065】
図22は、いくつかの実施形態による取付支柱の底面斜視図である。取付支柱280は、近位照準ガイド310(
図20に示される)内の接続開口381を通して、かつ遠位照準ガイド210(
図21に示される)内の接続部281(
図21に示される)を通して挿入可能である。取付支柱280は、下にある骨プレート10と係合するように構成される。取付支柱280は、骨プレート10の整列陥凹44(
図1に示される)と係合するための1つ以上のボールエンドピン282を備える。加えて、取付支柱280は、骨プレート10内の器具取付孔44に螺着するためのねじ山付きシャフト284を備える。取付支柱280は、取り付け中に整列を補助する安定化機構287をさらに備える。
【0066】
図23は、
図20の近位照準ガイドの上面斜視図である。この図から、ガイド孔362a、362b、362c、362d、及びどのガイド孔362a、362b、362c、362dが使用のために利用可能であるかを判定するダイヤル360を見ることができる。加えて、
図23は、隣接ガイド孔392を示し、1つ以上の追加の照準スリーブがこれを通って挿入され得る。加えて、接続開口381が示され、取付支柱280がこれを通ってその中に受容され得る。いくつかの実施形態において、近位照準ガイド310内の接続開口381は、遠位照準ガイド210内の接続部281と同軸であり、それにより、取付支柱280が近位照準ガイド310及び遠位照準ガイド210の両方を通って延在し得る。
【0067】
図24は、
図20の近位照準ガイドを伴う遠位照準ガイドの上面斜視図である。この図から、どのように取付支柱280が骨プレート10と係合する前に近位照準ガイド310の接続開口381を通って遠位照準ガイド210内の接続部281内に延在するかを見ることができる。取付支柱280は、遠位照準ガイド210を近位照準ガイド310と固設するための手段として有利に働く。
【0068】
図25Aは、第1の設定における近位照準ガイドを伴う遠位照準ガイドの図である。ダイヤル360のこの第1の設定において、照準スリーブ270は、ガイドホール362a内に挿入されることが可能である。
【0069】
図25Bは、第2の設定における近位照準ガイドを伴う遠位照準ガイドの図である。ダイヤル360のこの第2の設定において、照準スリーブ270は、ガイドホール362b内に挿入されることが可能である。
【0070】
図25Cは、第3の設定における近位照準ガイドを伴う遠位照準ガイドの図である。ダイヤル360のこの第3の設定において、照準スリーブ270は、ガイドホール362c内に挿入されることが可能である。
【0071】
図25Dは、第4の設定における近位照準ガイドを伴う遠位照準ガイドの図である。ダイヤル360のこの第4の設定において、照準スリーブ270は、ガイドホール362d内に挿入されることが可能である。
【0072】
図26は、近位照準ガイド内のダイヤルの断面図である。
図27は、近位照準ガイド内のダイヤルの上面斜視図である。ダイヤル360は、異なる設定に適応するハース連結具382及びばね384の変形を使用する回転機構を備える。ダイヤル360は、手によって回転され、ハース連結具382の上連結具382aは、下連結具382bをシャフトに沿って軸方向に並進させる力を下連結具382bに及ぼす。一度、隙間が生じると、ダイヤル360は、クリック音を伴うその設計された回転(例えば、20度)を完了することになる。保持キャップ387は、ダイヤル360をシャフトに沿って軸方向の定位置に保持し、下連結具382bを回転と共に下に並進させる力を及ぼすばね384の力を打ち消す。
【0073】
上記のように、骨プレートの実施形態は、1つ以上のラフティング開口列またはラフティング孔列を含み、その中にラフティングねじを受容する。ラフティングねじは、骨の関節接合箇所、またはその近くに提供され得、これによって、関節接合箇所の沈下のリスクを低減する。ラフティングねじ、及び非ねじ山付きラフティングブレードの任意の使用に関するより詳細が、以下に提供される。
【0074】
図28は、骨部材に取り付けられたラフティングねじを含む骨プレートの正面図である。骨プレート10は、上記に説明された任意の骨プレートであり、そこを通って延在する締結具またはねじ6を含み得る。図に示されるように、ねじ6の上位列は、ラフティングねじを考慮し得る。ラフティングねじは、骨折を処置することを助けるのみならず、関節接合箇所の近くの沈下を防止する必要がある。
【0075】
図29は、
図28の骨プレートの側面図である。この図から、骨内の骨折部にわたって延在するラフティングねじを見ることができる。ラフティングねじは、関節接合箇所の近くの沈下を防止するために関節接合箇所に隣接して位置付けられる。
【0076】
図30は、
図28の骨プレートの上面図である。この図から、どのようにラフティングねじが鉄筋として働き、関節接合箇所に対する支持を提供するかを見ることができる。
【0077】
ねじ山付きのこれらのラフティングねじに加えて、非ねじ山付きのラフティングブレードが提供され得る。いくつかの実施形態において、これらの非ねじ山付きブレードは、(i)関節面のより良好な支持を提供すること、(ii)挿入の容易化による手術時間の最小化、及び(iii)手術後のバックアウトの低減されたリスクを有することを助ける。
【0078】
図31は、いくつかの実施形態によるラフティングブレードの上面斜視図である。ラフティングブレード406は、先に説明されたねじ山付きラフティングねじに加えてか、または代替として使用され得る。いくつかの実施形態において、1つ以上のラフティングブレード406は、1つ以上の締結具またはねじを介して骨に固設されている骨プレートを通して挿入され得る。1つ以上のブレードは、その後、手術後のバックアウトを防止するために骨プレートに係止され得る。
【0079】
ラフティングブレード406は、近位端部412及び遠位切断端部414を備える。遠位切断端部414は、ラフティングブレード406の近位端部412を単に押し込むことによって、ラフティングブレード406が容易に骨内に挿入されることを有利に可能にする。いくつかの実施形態において、ラフティングブレード406は、湾曲されるかまたはアーチ状に曲げられる。いくつかの実施形態において、ラフティングブレード406は、凹面であり、これによって、凹面ラフティング表面を形成する。いくつかの実施形態において、ラフティングブレード406は、ラフティングブレード406の長手方向軸に沿って延在する構造的リブ422を備える。構造的リブ422及び凹面ラフティング表面は、ラフティングブレード406の長さに沿った曲げ運動を有利に改善し、これによって、挿入中及び挿入後の不具合に対する支持を提供する。
【0080】
図32は、
図31のラフティングブレードの上面図である。この図から、どのように構造的リブ406がラフティングブレード406の中心長手方向軸に沿って延在するかを見ることができる。いくつかの実施形態において、構造的リブ406は、ラフティングブレード406の中心長手方向軸の長さの大部分に沿って延在する。
【0081】
図33は、
図31のラフティングブレードの側面図である。この図から、ラフティングブレード406の凹曲度を見ることができる。
【0082】
図34は、いくつかの実施形態による、2つの可能な配向においてプレートに取り付けられたラフティングブレードの側面図である。プレート10は、プレート位置にかかわらずラフティングブレード406が関節面に対して平行に挿入されることを許容する一平面内の回転を容易化する湾曲プレート接触表面またはドーム状プレート接触表面を備える。プレート10は、
図34に示されるように、ラフティングブレード406の異なる配向に適応する。
【0083】
図35Aは、
図31のラフティングブレードの正面図である。この図から、どのようにラフティングブレード406がkワイヤ孔430を備えるかを見ることができる。ラフティングブレード406は、kワイヤによるガイドされた挿入を許容するようにカニューレ処置され得る。いくつかの実施形態において、ラフティングブレード406は、スロット付きハンマーの使用を介して骨内に入れ込まれる。
【0084】
図35Bは、
図31のラフティングブレードの底面斜視図である。この図から、ラフティングブレード406の下側及びそのカニューレ処置済みkワイヤ孔430を見ることができる。
【0085】
図36は、一体的な一式のブレードの上面斜視図である。
図37Aは、
図36の一体的な一式のブレードの上面図であり、一方で
図37Bは、
図36の一体的な一式のブレードの背面図である。一体的な一式のブレードは、ブレードコネクタ500を介して動作可能に接続される2つ以上のブレード(例えば、3つ)406を備える。ブレードコネクタ500は、ブレード406を共に維持することを助け、このためこれらは、同時に有利に送達され得る。いくつかの実施形態において、ブレード406は、互いに並行であり得るが、別の実施形態において、ブレード406は、互いに角度付けられ得る。
【0086】
【0087】
図38Aは、いくつかの実施形態による、挿入ガイド内に挿入されたラフティングブレードの上面図である。
図38Bは、いくつかの実施形態による挿入ガイドの背面図である。3つのラフティングブレード406は、挿入ガイド504の溝502を介して挿入ガイド504内に提供される。ブレード406は、第1のブレード406a、第2のブレード406b、及び第3のブレード406cを含む。ブレード406は、第3のブレード406cが第1のブレード406a及び第2のブレード406bのバックアウトを防止するように、特定の順番で入れ込まれる。特に、第3のブレード406cの前に第1のブレード406a及び第2のブレード406bを入れ込むことによって、第3のブレード406cは、第1のブレード406a及び第2のブレード406bの不意のバックアウトを防止するようにサイズ決め及び構成され得る(例えば、その近位頭部分を介して)。
【0088】
図39は、いくつかの実施形態によるラフティングブレード及び独立支持ねじの上面斜視図である。本実施形態において、ラフティング孔432を通して骨プレート10内に挿入されるラフティングブレード406は、支持ねじ506を伴う。支持ねじ506は、挿入後にラフティングブレード406の先端を有利に支持する。
【0089】
図40Aは、いくつかの実施形態による、ラフティングブレードのための閉塞機構の正面図である。
図40Bは、回転された
図40Aの閉塞機構の正面図である。いくつかの実施形態において、閉塞機構520は、閉塞ねじを備える。いくつかの実施形態において、閉塞機構520は、一構成におけるラフティングブレード406の挿入を許容するが、別の回転された構成でラフティングブレード406がバックアウトすることを防止する回転部材を備える。中央のラフティングブレード406cが隣接ラフティングブレード406a、406bのバックアウトを防止する、
図38のいくつかの実施形態において、閉塞機構520は、中央のラフティングブレード406の後ろに単に設置され得る。
【0090】
図41は、いくつかの実施形態によるラフティングブレード及び係止キャップの側面図である。係止キャップは、ラフティングブレードが骨プレート内でトグリングすることを有利に防止し、かつそれを骨プレート内に保つ。いくつかの実施形態において、係止キャップ440は、ラフティングブレード406の球状頭部410上を閉じるために使用され得る。係止キャップ440の外側は、その直径の周りに切欠442を有する円錐表面を有し得る。いくつかの実施形態において、切欠442は、ジグザグまたはZ字形である。他の実施形態において、切欠442は、スリットである。係止キャップ440の内側は、ラフティングブレード406の可変角設置を許容するように球状であり得る。係止キャップ440は、ねじ山付きであり得る。係止キャップ440は、骨プレート内にねじ込まれ、その円錐幾何形状及び切欠442は、係止キャップ440が、球状頭部410上を閉じ、球状頭部410の溝付き表面を把持し、かつそれを骨プレート内でプレート内に係止することを許容する。
【0091】
図42は、
図41の係止キャップに取り付けられたラフティングブレードの上面斜視図である。この図から、どのようにラフティングブレード406の頭部が係止キャップ440内に受容されるかを見ることができる。
【0092】
図43は、
図41の係止キャップの上面斜視図である。この図から、ねじ山付き係止キャップ440の内部分を見ることができる。加えて、どのように切欠442が係止キャップ440の外周の周囲に形成されるかを見ることができる。
図43に示されるように、切欠442は、係止キャップ440の最上位区分または底区分で開始され得る。
【0093】
図44は、いくつかの実施形態による、変形リッジを有するラフティングブレードの上面斜視図である。
図45は、
図44の変形リッジを有するラフティングブレードの底面斜視図である。いくつかの実施形態において、ラフティングブレード406は、骨プレートに接触する1つ以上のリッジ450を備え得る。これらの1つ以上のリッジ450は、骨プレートが挿入されるときに骨プレート内に小さな量の変形を引き起こし得、これは、ラフティングブレード406を定位置に係止することを有利に助けることになる。
図44に示されるように、ラフティングブレード406は、一対のリッジ450を備え、この各々は、ラフティングブレード406の長手方向軸から中心が外れている。
【0094】
当分野の知識を有する者は、上記に論じられた実施形態が非限定的であることを認めるであろう。骨プレートが特定のアプローチ(例えば、内側または側方)に対して適切であるとして説明され得るが、当分野の知識を有するものは、骨プレートが複数アプローチに対して使用され得ることを認めるであろう。加えて、骨プレートは、特定の孔(例えば、係止または非係止)を有するとして説明されるが、当分野の知識を有する者は、任意の骨プレートが係止孔、非係止孔または係止孔及び非係止孔の組み合わせを含み得ることを認めるであろう。上記に説明された骨プレート、ねじ及び器具に加えて、当分野の知識を有する者は、これらの説明された特徴が、創外固定器、リング固定器、ロッド、ならびに他のプレート及びねじを含む、複数の外傷処置器具及びインプラントと使用され得ることを認めるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【
図1】いくつかの実施形態による骨プレートの上面斜視図である。
【
図3】
図1の骨プレートの頭部の側面斜視図である。
【
図4】骨に取り付けられた
図1の骨プレートの図である。
【
図5】骨に取り付けられた
図1の骨プレートの代替図である。
【
図6】下に示される断面図を有する
図1の骨プレートのシャフトの上面図である。
【
図7】いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
【
図8】いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
【
図9】いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
【
図10】いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
【
図11】いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
【
図12】いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
【
図13】いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
【
図14】いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
【
図15】いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
【
図16】いくつかの実施形態による代替的骨プレートの上面斜視図である。
【
図17】いくつかの実施形態による照準ガイドの上面斜視図である。
【
図20】いくつかの実施形態による、遠位照準ガイド及び任意の近位照準ガイドを備える照準ガイドの上面斜視図である。
【
図22】いくつかの実施形態による取付支柱の底面斜視図である。
【
図24】
図20の任意の近位照準ガイドを伴う遠位照準ガイドの上面斜視図である。
【
図25A】第1の設定における近位照準ガイドを伴う遠位照準ガイドの図である。
【
図25B】第2の設定における近位照準ガイドを伴う遠位照準ガイドの図である。
【
図25C】第3の設定における近位照準ガイドを伴う遠位照準ガイドの図である。
【
図25D】第4の設定における近位照準ガイドを伴う遠位照準ガイドの図である。
【
図26】近位照準ガイド内のダイヤルの断面図である。
【
図27】近位照準ガイド内のダイヤルの上面斜視図である。
【
図28】骨部材に取り付けられたラフティングねじを含む骨プレートの正面図である。
【
図31】いくつかの実施形態によるラフティングブレードの上面斜視図である。
【
図34】いくつかの実施形態による、2つの可能な配向においてプレートに取り付けられたラフティングブレードの側面図である。
【
図36】一体的な一式のブレードの上面斜視図である。
【
図38】
図38Aは、いくつかの実施形態による、挿入ガイド内に挿入されたラフティングブレードの上面図であり、
図38Bは、いくつかの実施形態による挿入ガイドの背面図である。
【
図39】いくつかの実施形態によるラフティングブレード及び独立支持ねじの上面斜視図である。
【
図40】
図40Aは、いくつかの実施形態による、ラフティングブレードのための閉塞機構の正面図であり、
図40Bは、回転された
図40Aの閉塞機構の正面図である。
【
図41】いくつかの実施形態によるラフティングブレード及び係止キャップの側面図である。
【
図42】
図41の係止キャップに取り付けられたラフティングブレードの上面斜視図である。
【
図44】いくつかの実施形態による、変形リッジを有するラフティングブレードの上面斜視図である。
【
図45】
図44の変形リッジを有するラフティングブレードの底面斜視図である。