(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】不揮発性メモリ装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/11573 20170101AFI20220905BHJP
H01L 27/11582 20170101ALI20220905BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220905BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20220905BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20220905BHJP
G11C 16/26 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
H01L27/11573
H01L27/11582
H01L29/78 371
G11C16/26 110
(21)【出願番号】P 2018052691
(22)【出願日】2018-03-20
【審査請求日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】10-2017-0046937
(32)【優先日】2017-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 宗 勲
(72)【発明者】
【氏名】チョ ウン ソク
(72)【発明者】
【氏名】鄭 羽 杓
(72)【発明者】
【氏名】南 尚 完
(72)【発明者】
【氏名】宋 仲 鎬
(72)【発明者】
【氏名】李 在 訓
(72)【発明者】
【氏名】ホン ユン ホ
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0112362(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0243342(US,A1)
【文献】特開平02-014575(JP,A)
【文献】特開2004-031909(JP,A)
【文献】特開2010-135546(JP,A)
【文献】特開2006-127749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/11573
H01L 27/11582
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
G11C 16/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に垂直に積層されたメモリセルが配置されたメモリセルアレイ領域と、
第1ページバッファ及び第2ページバッファが配置され、前記メモリセルアレイ領域と前記第1ページバッファとの間の第1距離が前記メモリセルアレイ領域と前記第2ページバッファとの間の第2距離よりも短いページバッファ領域と、を備え、
前記第1ページバッファは、第1制御信号によって駆動される第1トランジスタを含み、
前記第2ページバッファは、前記第1制御信号に相応する第2制御信号によって駆動される第2トランジスタを含み、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタに対する設計条件及び工程条件のうちの少なくとも一つは、前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとの間に存在するスレショルド電圧差を低減するために互いに異なり、
前記設計条件は、トランジスタサイズ及びレイアウト配置のうちの少なくとも一つを含み、
前記工程条件は、トランジスタ形成のためのイオンインプラント工程に適用されるインプラント濃度を含
み、
前記第1ページバッファが配置される第1領域は、前記メモリセルアレイ領域に隣接する第1境界と前記第1境界に対向する第2境界と、を有し、
前記第1トランジスタは、前記第1境界及び前記第2境界のうちから、前記第2境界により隣接して配置されることを特徴とする不揮発性メモリ装置。
【請求項2】
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、前記メモリセルに対する読み取り動作時及び書き込み動作時に、前記第1ページバッファ及び前記第2ページバッファにおいてそれぞれ対応する同一機能を遂行することを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項3】
前記第1ページバッファ及び前記第2ページバッファが活性化される区間において、前記第1制御信号の電圧レベルは、前記第2制御信号の電圧レベルと同一であることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項4】
前記第1トランジスタの第1サイズは、前記第2トランジスタの第2サイズと異なることを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項5】
前記第1トランジスタは、第1NMOSトランジスタに相応し、
前記第2トランジスタは、第2NMOSトランジスタに相応し、
前記第1NMOSトランジスタの第1長は、前記第2NMOSトランジスタの第2長よりも短いか、又は、
前記第1NMOSトランジスタの第1幅は、前記第2NMOSトランジスタの第2幅よりも狭いことを特徴とする請求項4に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項6】
前記第1トランジスタは、第1PMOSトランジスタに相応し、
前記第2トランジスタは、第2PMOSトランジスタに相応し、
前記第1PMOSトランジスタの第1長は、前記第2PMOSトランジスタの第1長よりも長いか、又は、
前記第1PMOSトランジスタの第1幅は、前記第2PMOSトランジスタの第2幅よりも広いことを特徴とする請求項4に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項7】
前記第1制御信号及び前記第2制御信号は、前記第1ページバッファ及び前記第2ページバッファにそれぞれ連結された第1ビットライン及び第2ビットラインをプリチャージするための第1ビットライン電圧制御信号及び第2ビットライン電圧制御信号にそれぞれ相応することを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項8】
前記第2ページバッファが配置される第2領域は、前記第1ページバッファに隣接する第3境界と、前記第3境界に対向する第4境界と、を有し、
前記第2トランジスタは、前記第3境界及び前記第4境界のうちから、前記第3境界により隣接して配置されることを特徴とする請求項
1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項9】
前記第1トランジスタに対する第1インプラント濃度は、前記第2トランジスタに対する第2インプラント濃度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項10】
基板上に垂直に積層されたメモリセルが配置されたメモリセルアレイ領域と、
第1ページバッファ及び第2ページバッファが配置され、前記メモリセルアレイ領域と前記第1ページバッファとの間の第1距離が前記メモリセルアレイ領域と前記第2ページバッファとの間の第2距離よりも短いページバッファ領域と、を備え、
前記第1ページバッファは、第1制御信号によって駆動されて第1サイズを有する第1トランジスタを含み、
前記第2ページバッファは、前記第1制御信号に相応する第2制御信号によって駆動されて前記第1サイズと異なる第2サイズを有する第2トランジスタを含み、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタがNMOSトランジスタに相応する場合、前記第1トランジスタのサイズは第2NMOSトランジスタのサイズよりも小さく、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタがPMOSトランジスタに相応する場合、前記第1トランジスタのサイズは第2PMOSトランジスタのサイズよりも大き
く、
前記第1トランジスタは、前記メモリセルアレイ領域に隣接する第1境界及び前記第1ページバッファが配置された第1領域内の前記第1境界に対向する第2境界のうちから、前記第2境界に隣接して配置されることを特徴とする不揮発性メモリ装置。
【請求項11】
前記第2トランジスタは、前記第1ページバッファに隣接する第3境界及び前記第2ページバッファが配置された第2領域内の前記第3境界に対向する第4境界のうちから、前記第3境界に隣接して配置されることを特徴とする請求項
10に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項12】
前記第1ページバッファは、前記メモリセルアレイ領域に最も隣接して配置され、
前記第2ページバッファは、前記メモリセルアレイ領域に2番目に隣接して配置されることを特徴とする請求項
11に記載の不揮発性メモリ装置。
【請求項13】
不揮発性メモリ装置の製造方法であって、
基板上に垂直に積層されたメモリセルが配置されたメモリセルアレイを形成する段階と、
第1の引っ張りストレスを有する第1トランジスタを含む第1ページバッファを形成する段階と、
第2の引っ張りストレスを有する第2トランジスタを含む第2ページバッファを形成する段階と、を有し、
前記第1トランジスタを形成するための製造条件の第1の値は、前記第2トランジスタを形成するための同じ製造条件の第2の値とは異なり、
前記製造条件の第1の値及び第2の値は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの第1の引っ張りストレスと第2の引っ張りストレスとの差による前記第1トランジスタと前記第2トランジスタとの間に存在するスレショルド電圧差を低減するように選択され、
前記製造条件は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのチャネル長、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのチャネル幅、並びにイオンインプラント濃度の中の少なくとも一つに相応することを特徴とする不揮発性メモリ装置の製造方法。
【請求項14】
第3の引っ張りストレスを有する第3トランジスタを含む第3ページバッファを形成する段階と、
第4の引っ張りストレスを有する第4トランジスタを含む第4ページバッファを形成する段階と、を更に含み、
前記第1、第2、及び第3ページバッファは、前記第4ページバッファと前記メモリセルアレイとの間に形成され、
前記第1及び第2ページバッファは、前記第3ページバッファと前記メモリセルアレイとの間に形成され、
前記第1ページバッファは、前記第2ページバッファと前記メモリセルアレイとの間に形成され、
前記第3トランジスタを形成するための製造条件の第3の値は、前記第4トランジスタを形成するための同じ製造条件の第4の値とは異なり、
前記第1、第2、第3、及び第4トランジスタの各々を形成するための製造条件は、同じ製造条件であり、
前記製造条件の第3の値及び第4の値は、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタの第3の引っ張りストレスと第4の引っ張りストレスとの差による前記第3トランジスタと前記第4トランジスタとの間に存在するスレショルド電圧差を低減するように選択され、
前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタを形成するための製造条件は、前記メモリセルアレイからの距離であることを特徴とする請求項
13に記載の不揮発性メモリ装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性メモリ装置に係り、より詳細には、三次元(3D:3-dimensional)メモリセルアレイを含む垂直型不揮発性メモリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリ装置は、データ保存に使用され、揮発性メモリ装置と不揮発性メモリ装置とに区分される。不揮発性メモリ装置の一例として、フラッシュメモリ装置は、携帯電話、デジタルカメラ、携帯用情報端末機(PDA)、移動式コンピュータ装置、固定式コンピュータ装置、及びその他の装置に使用される。垂直型不揮発性メモリ装置は、三次元メモリセルアレイ及び周辺回路を含む。この場合、周辺回路に含まれるトランジスタは、三次元メモリセルアレイの形成工程によるモールドストレス(mold stress)を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、ページバッファの位置によってモールドストレスによる主要トランジスタのスレショルド電圧差を補償する不揮発性メモリ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による不揮発性メモリ装置は、基板上に垂直に積層されたメモリセルが配置されたメモリセルアレイ領域と、第1ページバッファ及び第2ページバッファが配置され、前記メモリセルアレイ領域と前記第1ページバッファとの間の第1距離が前記メモリセルアレイ領域と前記第2ページバッファとの間の第2距離よりも短いページバッファ領域と、を備え、前記第1ページバッファは、第1制御信号によって駆動される第1トランジスタを含み、前記第2ページバッファは、前記第1制御信号に相応する第2制御信号によって駆動される第2トランジスタを含み、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタに対する設計条件及び工程条件のうちの少なくとも一つは、互いに異なる。
【0005】
一実施形態による不揮発性メモリ装置は、基板上に垂直に積層された複数のメモリセルが配置されたメモリセルアレイ領域と、第1ページバッファ及び第2ページバッファが配置され、前記メモリセルアレイ領域と前記第1ページバッファとの間の第1距離が前記メモリセルアレイ領域と前記第2ページバッファとの間の第2距離よりも短いページバッファ領域と、を備え、前記第1ページバッファは、第1制御信号によって駆動されて第1サイズを有する第1トランジスタを含み、前記第2ページバッファは、前記第1制御信号に相応する第2制御信号によって駆動されて前記第1サイズと異なる第2サイズを有する第2トランジスタを含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明によると、ページバッファの位置によって、ページバッファの各々に含まれる同一目的トランジスタのサイズ、位置、又はインプラント濃度などをそれぞれ異なるようにすることにより、同一目的トランジスタのスレショルド電圧差を補償することができる。具体的には、メモリセルアレイ領域に隣接するページバッファに含まれるトランジスタのスレショルド電圧を変更することにより、同一目的トランジスタのスレショルド電圧差を補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ装置を示すブロック図である。
【
図2】
図1のメモリセルアレイに含まれるメモリブロックの一例を示す等価回路図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるメモリセルアレイ及びページバッファユニットを詳細に示す図である。
【
図5A】本発明の一実施形態によるページバッファの一例を示す回路図である。
【
図5B】
図5Aのページバッファに印加される制御信号を例示的に示すタイミング図である。
【
図6】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ装置のレイアウト図である。
【
図7】
図6のページバッファ領域に配置された第1ページバッファ及び第2ページバッファを概略的に示す上面図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるページバッファ領域の一例のレイアウト図である。
【
図9A】
図8のそれぞれ異なるY地点に配置されたページバッファに含まれるトランジスタのスレショルド電圧散布を示すグラフである。
【
図9B】
図8のそれぞれ異なるX地点に配置されたページバッファに含まれるトランジスタのスレショルド電圧散布を示すグラフである。
【
図10】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ装置を示す断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態によるページバッファの位置によるトランジスタのスレショルド電圧改善を示すグラフである。
【
図12】本発明の一実施形態によるページバッファユニットを詳細に示す回路図である。
【
図13】本発明の一実施形態によるページバッファ領域の一例のレイアウト図である。
【
図14A】本発明の比較例によるページバッファ領域を示す図である。
【
図14B】本発明の一実施形態によるページバッファ領域を示す図である。
【
図15A】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ装置の製造工程に用いられるイオン注入マスクを示す図である。
【
図15B】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ装置の製造工程に用いられるイオン注入マスクの第1例を示す図である。
【
図15C】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ装置の製造工程に用いられるイオン注入マスクの第2例を示す図である。
【
図15D】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ装置の製造工程に用いられるイオン注入マスクの第3例を示す図である。
【
図16】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ装置を示すブロック図である。
【
図17】本発明の一実施形態による不揮発性メモリ装置を含むSSDシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明の一実施形態による不揮発性メモリ装置100を示すブロック図である。
【0010】
図1を参照すると、不揮発性メモリ装置100は、メモリセルアレイ110、ページバッファユニット120、ロウデコーダ130、制御ロジック140、及び電圧生成部150を含む。図示していないが、メモリ装置100は、データ入出力回路又は入出力インターフェースを更に含む。
【0011】
メモリセルアレイ110は、ビットラインBLを介してページバッファユニット120に連結され、ワードラインWL、ストリング選択ラインSSL、及びグラウンド選択ラインGSLを介してロウデコーダ130に連結される。メモリセルアレイ110は複数のNANDストリングを含み、各NANDストリングは複数のメモリセルを含む。例えば、メモリセルはフラッシュメモリセルである。以下では、メモリセルがNANDフラッシュメモリセルである場合を例とし、本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、本発明はそれに限定されるものではなく、メモリセルは、ReRAM(resistive random access memory)、PRAM(phase-change random access memory)、又はMRAM(magnetic random access memory)のような抵抗型メモリセルである。
【0012】
各メモリセルは1又はそれ以上のビットを保存し、具体的に、各メモリセルは、シングルレベルセル(SLC:single level cell)、マルチレベルセル(MLC:multi level cell)、又はトリプルレベルセル(TLC:triple level cell、TLC)として利用される。一実施形態において、メモリセルアレイ110に含まれる複数のメモリブロック(BLK1~BLKz)のうちの一部のメモリブロックはシングルレベルセルブロックであり、他のメモリブロックはマルチレベルセルブロック又はトリプルレベルセルブロックである。
【0013】
メモリセルアレイ110は三次元メモリセルアレイを含み、各NANDストリングは基板上に垂直に積層されたワードラインにそれぞれ連結されたメモリセルを含む。三次元メモリセルアレイは、シリコン基板上に配置された活性領域と、メモリセルの動作に対する回路であって基板上又は基板内に形成された回路と、を有するメモリセルアレイの少なくとも1つの物理的レベルにモノリシックに形成される。用語「モノリシック」は、アレイを構成する各レベルの層がアレイにおいて各下部レベルの層の真上に積層されるものを意味する。
【0014】
一実施形態において、三次元メモリセルアレイは、少なくとも1つのメモリセルが他のメモリセル上に位置するように垂直方向に配置されたNANDストリングを含む。少なくとも1つのメモリセルは電荷トラップ層を含む。米国特許公開公報第7,679,133号、米国特許公開公報第8,553,466号、米国特許公開公報第8,654,587号、米国特許公開公報第8,559,235号、及び米国特許出願公開公報第2011/0233648号は、三次元メモリアレイが複数レベルで構成され、ワードライン及び/又はビットラインがレベル間に共有される三次元メモリアレイについての適切な構成について詳細に説明するものであり、本明細書に引用形式で結合される。
【0015】
制御ロジック140は、メモリコントローラから受信したコマンドCMD、アドレスADDR、及び制御信号CTRLを基に、メモリセルアレイ110にデータを書き込んだり、メモリセルアレイ110からデータを読み取ったりするための各種制御信号を出力する。それにより、制御ロジック140は、メモリ装置100内の各種動作を全般的に制御する。具体的に、制御ロジック140は、電圧生成部150に電圧制御信号CTRL_volを提供し、ロウデコーダ130にロウアドレスX-ADDRを提供し、ページバッファユニット120にカラムアドレスY-ADDRを提供する。しかし、本発明はそれに限定されるものではなく、制御ロジック140は、電圧生成部150、ロウデコーダ130、及びページバッファユニット120に他の制御信号を更に提供することができる。
【0016】
電圧生成部150は、電圧制御信号CTRL_volを基に、メモリセルアレイ110に対するプログラムの読み取り動作及び消去動作を遂行するための多種の電圧を生成する。具体的に、電圧生成部150は、ワードライン電圧VWL、例えばプログラム電圧、読み取り電圧、パス電圧、消去検証電圧、プログラム検証電圧などを生成する。また、電圧生成部150は、電圧制御信号CTRL_volを基に、ストリング選択ライン電圧及びグラウンド選択ライン電圧を更に生成する。また、電圧生成部150は、メモリセルアレイ110に提供する消去電圧を更に生成する。
【0017】
ロウデコーダ130は、ロウアドレスX-ADDRに応答し、メモリブロック(BLK1~BLKz)のうちの一つを選択し、選択されたメモリブロックのワードラインWLのうちの1本を選択し、複数のストリング選択ラインSSLのうちの1本を選択する。ページバッファユニット120は、カラムアドレスY-ADDRに応答し、ビットラインBLのうちの一部のビットラインを選択する。具体的に、ページバッファユニット120は、動作モードによって、書き込みドライバ又は感知増幅器として動作する。
【0018】
ページバッファユニット120は、複数のページバッファ(PB1~PBn)を含む。一実施形態において、各ページバッファは、1本のビットラインに連結される。一実施形態において、各ページバッファは1つのビットライングループに連結され、1つのビットライングループに含まれる複数のビットラインは1つのページバッファを共有する。例えば、4本のビットラインは1つのビットライングループを構成し、4本のビットラインは1つのページバッファを共有する。
【0019】
複数のページバッファ(PB1~PBn)は、それぞれ実質的に同一構成を有する。具体的に、複数のページバッファ(PB1~PBn)は、対応する同一機能を遂行するトランジスタ(例えば、
図4のTRa~TRn)をそれぞれ含む。一実施形態において、トランジスタに対する設計条件及び工程条件のうちの少なくとも一つはそれぞれ異なる。これについては、
図4を参照してより詳細に説明する。
【0020】
図2は、
図1のメモリセルアレイ110に含まれるメモリブロックBLKaの一例を示す等価回路図である。
【0021】
図2を参照すると、メモリブロックBLKaは、メモリブロック(BLK1~BLKz)のうちの一つに対応し、複数のNANDストリング(NS11~NS33)、複数のワードライン(WL1~WL8)、複数のビットライン(BL1~BL3)、複数のグラウンド選択ライン(GSL1~GSL3)、複数のストリング選択ライン(SSL1~SSL3)、及び共通ソースラインCSLを含む。ここで、NANDストリングの本数、ワードラインの本数、ビットラインの本数、グラウンド選択ラインの本数、及びストリング選択ラインの本数は、実施形態によって多様に変更される。
【0022】
第1ビットラインBL1と共通ソースラインCSLとの間に、NANDストリング(NS11、NS21、NS31)が提供され、第2ビットラインBL2と共通ソースラインCSLとの間に、NANDストリング(NS12、NS22、NS32)が提供され、第3ビットラインBL3と共通ソースラインCSLとの間に、NANDストリング(NS13、NS23、NS33)が提供される。各NANDストリング(例えば、NS11)は、直列に連結されたストリング選択トランジスタSST、複数のメモリセル(MC1~MC8)、及びグラウンド選択トランジスタGSTを含む。以下では、便宜上NANDストリングをストリングと称する。
【0023】
ストリング選択トランジスタSSTは、対応するストリング選択ライン(SSL1~SSL3)に連結される。複数のメモリセル(MC1~MC8)は、それぞれ対応するワードライン(WL1~WL8)に連結される。グラウンド選択トランジスタGSTは、対応するグラウンド選択ライン(GSL1~GSL3)に連結される。ストリング選択トランジスタSSTは対応するビットライン(BL1~BL3)に連結され、グラウンド選択トランジスタGSTは共通ソースラインCSLに連結される。
【0024】
本実施形態において、同一高のワードライン(例えば、WL1)はそれそれ共通に連結され、ストリング選択ライン(SSL1~SSL3)はそれぞれ分離され、グラウンド選択ライン(GSL1~GSL3)もそれぞれ分離される。
図2において、3本のストリング選択ライン(SSL1~SSL3)が同一高のワードラインを共有するように図示しているが、本発明はそれに限定されるものではない。例えば、2本のストリング選択ラインが同一高のワードラインを共有する。他の例を挙げると、4本のストリング選択ラインが同一高のワードラインを共有する。
【0025】
図2において、各ストリングは1つのストリング選択トランジスタSSTを含むように図示しているが、本発明はそれに限定されるものではなく、各ストリングは直列連結された上部ストリング選択トランジスタ及び下部ストリング選択トランジスタを含んでもよい。また、
図2において、各ストリングは1つのグラウンド選択トランジスタGSTを含むように図示しているが、本発明はそれに限定されるものではなく、各ストリングは直列連結された上部グラウンド選択トランジスタ及び下部グラウンド選択トランジスタを含んでもよい。この場合、上部グラウンド選択トランジスタは対応するグラウンド選択ライン(GSL1~GSL3)に連結され、下部グラウンド選択トランジスタは共通グラウンド選択ラインに共通に連結される。
【0026】
図3は、
図2のメモリブロックBLKaを示す斜視図である。
【0027】
図3を参照すると、メモリブロックBLKaは、基板SUBに対して垂直方向に形成さる。
図3において、メモリブロックBLKaが2本の選択ライン(GSL、SSL)、8本のワードライン(WL1~WL8)、そして3本のビットライン(BL1~BL3)を含むように図示しているが、実際には、それらより更に多くてもよく、少なくてもよい。
【0028】
基板SUBは、第1導電型(例えば、pタイプ)を有し、基板SUB上において、X方向に沿って伸張し、第2導電型(例えば、nタイプ)の不純物がドーピングされた共通ソースラインCSLが提供される。隣接する2本の共通ソースラインCSL間の基板SUB領域上にX方向に沿って伸張する複数の絶縁膜ILがZ方向に沿って順次に提供され、複数の絶縁膜ILは、Z方向に沿って特定距離ほど離隔される。例えば、複数の絶縁膜ILは、シリコン酸化物のような絶縁物質を含む。
【0029】
隣接する2本の共通ソースラインCSL間の基板SUBの領域上に、X方向に沿って順次に配置され、Z方向に沿って複数の絶縁膜ILを貫通する複数のピラ(pillars)Pが提供される。例えば、複数のピラPは、複数の絶縁膜ILを貫通して基板SUBとコンタクトする。具体的に、各ピラPの表面層(surface layer)Sは、第1タイプを有するシリコン物質を含み、チャネル領域として機能する。一方、各ピラPの内部層Iは、シリコン酸化物のような絶縁物質又はエアギャップ(air gap)を含む。
【0030】
隣接する2本の共通ソースラインCSL間の領域において、絶縁膜IL、ピラP、及び基板SUBの露出した表面に沿って、電荷保存層CS(charge storage layer)が提供される。電荷保存層CSは、ゲート絶縁層(又は、「トンネリング絶縁層」ともいう)、電荷トラップ層、及びブロッキング絶縁層を含む。例えば、電荷保存層CSは、ONO(oxide-nitride-oxide)構造を有する。また、隣接する2本の共通ソースラインCSL間の領域において、電荷保存層CSの露出した表面上に、選択ライン(GSL、SSL)及びワードライン(WL1~WL8)のようなゲート電極GEが提供される。
【0031】
複数のピラP上には、ドレインコンタクトDRがそれぞれ提供される。例えば、ドレインコンタクトDRは、第2導電型を有する不純物がドーピングされたシリコン物質を含む。ドレインコンタクトDR上に、Y方向に伸張してX方向に沿って特定距離ほど離隔されて配置されたビットライン(BL1~BL3)が提供される。
【0032】
図4は、本発明の一実施形態によるメモリセルアレイ110及びページバッファユニット120を詳細に示す図である。
【0033】
図4を参照すると、メモリセルアレイ110は第1NANDストリングNS1~第nNANDストリングNSnを含み、ページバッファユニット120は第1ページバッファPB1~第nページバッファPBnを含む。第1ページバッファPB1は第1ビットラインBL1を介して第1NANDストリングNS1に連結され、第2ページバッファPB2は第2ビットラインBL2を介して第2NANDストリングNS2に連結され、第nページバッファPBnは第nビットラインBLnを介して第nNANDストリングNSnに連結される。
【0034】
一実施形態において、第1ページバッファPB1~第nページバッファPBnは、第1方向(例えば、Y方向)に沿って互いに隣接する。それにより、第1ページバッファPB1はメモリセルアレイ110に最も隣接し、第2ページバッファPB2はメモリセルアレイ110に2番目に隣接する。このように、第1ページバッファPB1~第nページバッファPBnはY方向に沿った位置がそれぞれ異なるように配置され、それによりメモリセルアレイ110において、第1ページバッファPB1~第nページバッファPBnまでの距離はそれぞれ異なる。
【0035】
第1ページバッファPB1~第nページバッファPBnは、対応する同一機能を遂行する第1トランジスタTRa~第nトランジスタTRnをそれぞれ含む。具体的に、メモリセルアレイ110に含まれるメモリセルに対する読み取り動作時及び書き込み動作時に、第1トランジスタTRa~第nトランジスタTRnは、第1ページバッファPB1~第nページバッファPBnにおいてそれぞれ対応する同一機能を遂行する。それにより、第1トランジスタTRa~第nトランジスタTRnを同一目的トランジスタと称する。
【0036】
第1トランジスタTRa~第nトランジスタTRnは、それぞれ対応する第1制御信号CON1~第n制御信号CONnによって駆動される。第1制御信号CON1~第n制御信号CONnは、制御ロジック140(例えば、
図1参照)から受信される。一実施形態において、第1ページバッファPB1~第nページバッファPBnが活性化される区間において、第1制御信号CON1~第n制御信号CONnの電圧レベルはそれぞれ同一である。しかし、本発明はそれに限定されるものではなく、一部実施形態において、第1ページバッファPB1~第nページバッファPBnが活性される区間のうちの少なくとも一部の区間で、第1制御信号CON1~第n制御信号CONnの電圧レベルは異なる。
【0037】
一実施形態により、第1トランジスタTRa~第nトランジスタTRnに対する設計条件はそれぞれ異なる。一実施形態において、該設計条件はトランジスタサイズであり、第1トランジスタTRa~第nトランジスタTRnのサイズはそれぞれ異なる。例えば、第1トランジスタTRaの幅は第2トランジスタTRbの幅と異なる。例えば、第1トランジスタTRaの長さは第2トランジスタTRbの長さと異なる。それについては、
図7~
図11を参照して後述する。一実施形態において、設計条件はレイアウト配置であり、第1トランジスタTRa~第nトランジスタTRnは、各ページバッファPB1~PBnが配置される領域において、互いに異なる位置に配置される。それについては、
図12~
図14Bを参照して後述する。
【0038】
一実施形態により、第1トランジスタTRa~第nトランジスタTRnに対する工程条件はそれぞれ異なる。一実施形態において、工程条件はトランジスタ形成のためのイオンインプラント工程に適用されるインプラント濃度であり、第1トランジスタTRa~第nトランジスタTRnに対するインプラント濃度はそれぞれ異なる。例えば、第1トランジスタTRaに対する第1インプラント濃度は第2トランジスタTRbに対する第2インプラント濃度よりも高い。
【0039】
図5Aは、本発明の一実施形態によるページバッファPBの一例を示す回路図である。
【0040】
図5Aを参照すると、ページバッファPBは
図4の第1ページバッファPB1~第nページバッファPBnのうちの一つに対応し、第1ページバッファPB1~第nページバッファPBnは実質的にそれぞれ同一構成を有する。ページバッファPBは、センシングノードSOにそれぞれ連結されるプリチャージ回路PC(precharge circuit)、センシングラッチSL(sensing latch)、データラッチDL(data latch)、及びキャッシュラッチCL(cache latch)を含む。データラッチDLの個数は、メモリセルに保存されるデータビットによって変更される。また、ページバッファPBは、ビットライン選択トランジスタTR1、ビットライン電圧制御トランジスタTR2、プリチャージトランジスタTR3、及びモニタリングトランジスタ(TR4~TR6)を更に含む。モニタリングトランジスタTR5のゲートはモニタ制御信号MON_Dによって制御され、モニタリングトランジスタTR6のゲートはモニタ制御信号MON_Cによって制御される。
【0041】
ページバッファPBにおいて、プリチャージ回路PC、ビットライン電圧制御トランジスタTR2、プリチャージトランジスタTR3、モニタリングトランジスタ(TR4、TR5)、センシングラッチSL、及びデータラッチDLは、メインユニットMU(main unit)を構成する。メインユニットMUはページバッファPB内の主要トランジスタを含み、本明細書では「ページバッファ」が実質的に「メインユニット」を指す。ビットライン選択トランジスタTR1は高電圧トランジスタによって具現されるため、複数のページバッファに含まれる高電圧トランジスタはメインユニットMUと異なるウェル領域に配置される。また、キャッシュラッチCLはデータラインに直接連結されるため、複数のページバッファに含まれるキャッシュラッチはページバッファ領域の下端に配置される。
【0042】
ページバッファPBは、ビットラインBLを介してNANDストリングに連結される。ページバッファPBは、プログラム動作時、NANDストリングに含まれるメモリセルのうちから選択されたメモリセルのプログラム完了の如何を検証する。具体的に、ページバッファPBは、プログラム検証動作時、ビットラインBLを介して感知されたデータをセンシングラッチSLに保存する。センシングラッチSLに保存された感知されたデータにより、ターゲットデータが保存されたデータラッチDLが設定される。例えば、感知されたデータがプログラム完了を示す場合、データラッチDLは、後続するプログラムループで選択されるメモリセルに対するプログラム禁止(inhibit)設定に転換される。
【0043】
ページバッファPBは、制御ロジック140(例えば、
図1参照)からセンシングラッチSLに保存されたデータをデータラッチDLに保存するためのセットパルスSP(set pulse)を受信する。セットパルスSPに応答して、ページバッファPBは、センシングラッチSLに保存されたデータにより、データラッチDLを設定する。キャッシュラッチCLは、外部から提供される入力データを一時保存する。プログラム動作時、キャッシュラッチCLに保存されるターゲットデータがデータラッチDLにも保存される。
【0044】
図5Bは、
図5AのページバッファPBに印加される制御信号を例示的に示すタイミング図である。
【0045】
図5A及び
図5Bを参照すると、T
0時点において、センシングノードSOをプリチャージするために、プリチャージ制御信号LOADがローレベル(例えば、0V)に提供される。それにより、プリチャージトランジスタTR3がターンオンされ、センシングノードSOの電圧レベルは、電源電圧レベル(例えば、VDD)に上昇する。また、センシングノードSOに連結されたビットラインBLをプリチャージするために、ビットライン電圧制御信号BLSHFが電源電圧レベル(例えば、VDD)に遷移される。それにより、ビットライン電圧制御トランジスタTR2がターンオンされ、ビットラインBLの電圧レベルは、所定のビットライン電圧に上昇する。ビットラインBLに対するプリチャージ動作はプリチャージトランジスタTR3がターンオフされるまで進められる。このとき、ビットラインクランピング制御信号BLCLAMP、グラウンド制御信号SOGND、モニタ制御信号MON_Sはローレベル(例えば、0V)に提供され、ビットラインセットアップ制御信号BLSETUPは電源電圧レベル(例えば、VDD)に提供される。
【0046】
T1時点において、センシングノードSOのデベロップ(develop)動作が進められる。センシングノードSOのデベロップのために、プリチャージ制御信号LOAD及びモニタ制御信号MON_Sは、電源電圧レベル(例えば、VDD)に遷移する。それにより、選択されたメモリセルのプログラム状態に対応してセンシングノードSOの電圧が低下し、センシングノードSOの電圧は、センシングラッチSLに保存される。T2時点において、センシングラッチSLに保存されたデータによりデータラッチDLにデータがラッチされる。このとき、第1ページバッファPB1~第nページバッファPBnのデータラッチDLに対するセットパルス(SP1~SPn)が順次に印加される。
【0047】
一実施形態において、各ページバッファに含まれる同一目的トランジスタは、ビットライン電圧制御信号BLSHFが印加されるビットライン電圧制御トランジスタTR2、プリチャージ制御信号LOADが印加されるプリチャージ制御トランジスタTR3、ビットラインセットアップ信号BLSETUP、ビットラインクランピング制御信号BLCLAMP、グラウンド制御信号SOGND、モニタ制御信号MON_Sがそれぞれ印加されるトランジスタ、又はセンシングラッチSLに含まれるトランジスタである。このとき、それぞれ異なるページバッファに含まれる同一目的トランジスタに印加される制御信号の電圧レベルは同一である。
【0048】
一実施形態において、各ページバッファに含まれる同一目的トランジスタは、セットパルス(SP1~SPn)が印加されるトランジスタである。このとき、それぞれ異なるページバッファに含まれる同一目的トランジスタに印加される制御信号の電圧レベルはそれぞれ異なる。
【0049】
図6は、本発明の一実施形態による不揮発性メモリ装置200のレイアウト図である。
【0050】
図6を参照すると、不揮発性メモリ装置200は、メモリセルアレイ領域210、ページバッファ領域220、ロウデコーダ領域230、及び周辺回路領域240を含む。メモリセルアレイ領域210には、基板上に垂直に積層された複数のメモリセルが配置される。例えば、メモリセルアレイ領域210に
図1のメモリセルアレイ110が配置される。ページバッファ領域220は、メモリセルアレイ領域210に対して第1方向(例えば、Y方向)に隣接し、複数のページバッファが配置される。例えば、ページバッファ領域220に
図1のページバッファユニット120が配置される。
【0051】
また、ロウデコーダ領域230に
図1のロウデコーダ130が配置され、周辺回路領域240に
図1の制御ロジック140及び電圧発生部150が配置される。以下では、ページバッファ領域220に配置されたトランジスタのスレショルド電圧差を補償する多様な方法について説明する。しかし、本発明はそれに限定されるものではなく、本発明による多様な実施形態は、ロウデコーダ領域230及び周辺回路領域240に配置されたトランジスタのスレショルド電圧差を補償することに適用される。
【0052】
図7は、
図6のページバッファ領域220に配置された第1ページバッファ71及び第2ページバッファ72を概略的に示す上面図である。
【0053】
図7を参照すると、第1ページバッファ71とメモリセルアレイ領域210との間の第1方向に沿った第1距離D1は、第2ページバッファ72とメモリセルアレイ領域210との間の第1方向に沿った第2距離D2よりも短い。言い換えると、第1ページバッファ71はメモリセルアレイ領域210に隣接する上端ページバッファの一例であり、第2ページバッファ72はメモリセルアレイ領域210に対して離隔する下端ページバッファの一例である。
【0054】
第1ページバッファ71及び第2ページバッファ72は、それぞれ第1トランジスタ711及び第2トランジスタ721を含む。第1トランジスタ711及び第2トランジスタ721は、それぞれ第1ページバッファ及び第2ページバッファで対応する同一機能を遂行する。それにより、第1トランジスタ711及び第2トランジスタ721を同一目的トランジスタ又は同一機能トランジスタと称する。
【0055】
具体的に、第1トランジスタ711は、ソースS1、ゲートG1、及びドレインD1を含み、第1制御信号によって駆動される。第2トランジスタ721は、ソースS2、ゲートG2、及びドレインD2を含み、第1制御信号に相応する第2制御信号によって駆動される。例えば、第1制御信号及び第2制御信号は
図4のビットライン電圧制御信号BLSHFであり、第1トランジスタ711及び第2トランジスタ721は
図4のビットライン電圧制御トランジスタTR2である。この場合、第1ページバッファ71及び第2ページバッファ72が活性化されるとき、第1制御信号及び第2制御信号は同一電圧レベルを有する。
【0056】
メモリセルアレイ領域210にメモリセルを垂直に配置するためには、階段型モールド構造物の形成工程を遂行しなければならないが、この過程で発生するモールドストレスにより、ページバッファ領域220内において、ページバッファの位置によりトランジスタのスレショルド電圧差(variation)が存在してしまう。以下では、ページバッファの位置によるトランジスタのスレショルド電圧差の原因及び具体的な様相について詳細に説明する。
【0057】
具体的に、ページバッファ領域220において、チップ反り(chip warpage)によるローカルストレスとウェーハ反り(wafer warpage)によるグローバルストレスとの方向が同一である場合、ページバッファ領域220において、下端に配置された第2ページバッファ72内の第2トランジスタ721で引っ張りストレスがより大きくなる。それにより、第1トランジスタ711及び第2トランジスタ721がNMOSトランジスタである場合、第2トランジスタ721のスレショルド電圧は、第1トランジスタ711のスレショルド電圧よりも低くなる。一方、第1トランジスタ711及び第2トランジスタ721がPMOSトランジスタである場合、第2トランジスタ721のスレショルド電圧は、第1トランジスタ711のスレショルド電圧よりも高くなる。
【0058】
また、トランジスタの引っ張り(tensile)状況において、不純物ディフィージョン、例えばボロンディフィージョン(boron diffusion)現象が激しくなるが、ページバッファ領域220において下端に配置された第2トランジスタ721でのボロンディフィージョン量が、ページバッファ領域220において上端に配置された第1トランジスタ711のボロンディフュージョン量よりもより多くなる。それにより、第1トランジスタ711及び第2トランジスタ721がNMOSトランジスタである場合、第2トランジスタ721のスレショルド電圧は、第1トランジスタ711のスレショルド電圧よりも低くなる。一方、第1トランジスタ711及び第2トランジスタ721がPMOSトランジスタである場合、第2トランジスタ721のスレショルド電圧は、第1トランジスタ711のスレショルド電圧よりも高くなる。
【0059】
図8は、本発明の一実施形態によるページバッファ領域220aの一例のレイアウト図である。
【0060】
図8を参照すると、ページバッファ領域220aは、
図6のページバッファ領域220の一例に対応する。例えば、ページバッファ領域220aは、第2方向(例えば、X方向)に隣接する第1ページバッファユニットPBU1~第3ページバッファユニットPBU3を含む。第1ページバッファユニットPBU1は、第1方向(例えば、Y方向)に隣接する第1ページバッファPB_1~第8ページバッファPB8_Lを含む。第2ページバッファユニットPBU2は、第1方向に隣接する第1ページバッファPB1_C~第8ページバッファPB8_Cを含む。第3ページバッファユニットPBU3は、第1方向に隣接する第1ページバッファPB1_R~第8ページバッファPB8_Rを含む。
【0061】
図9Aは、
図8のそれぞれ異なるY地点に配置されたページバッファに含まれるトランジスタのスレショルド電圧散布を示し、
図9Bは、
図8のそれぞれ異なるX地点に配置されたページバッファに含まれるトランジスタのスレショルド電圧散布を示すグラフである。
図9A及び
図9Bは、例えば各ページバッファに含まれるビットライン電圧制御トランジスタTR2(例えば、
図4参照)のスレショルド電圧散布を示す。
【0062】
図8及び
図9Aを参照すると、横軸はトランジスタのスレショルド電圧Vthを示し、縦軸はトランジスタの個数を示す。第1散布91はメモリセルアレイ領域との間の第1方向に沿った距離が第1値未満であるページバッファ(例えば、PB1_L~PB2_R)に含まれるトランジスタの散布を示し、第2散布92はメモリセルアレイ領域との間の第1方向に沿った距離が第1値以上であり第2値未満であるページバッファ(例えば、PB3_L~PB4_R)に含まれるトランジスタの散布を示し、第3散布93はメモリセルアレイ領域との間の第1方向に沿った距離が第2値以上であり第3値未満であるページバッファ(例えば、PB5_L~PB6_R)に含まれるトランジスタの散布を示し、第4散布94はメモリセルアレイ領域との間の第1方向に沿った距離が第3値以上であるページバッファ(例えば、PB7_L~PB8_R)に含まれるトランジスタの散布を示す。第1散布91と第4散布94との間のスレショルド電圧スキュー(skew)である第1スキューΔV1は相対的に大きく、例えば第1スキューΔV1は約90mV程である。
【0063】
図8及び
図9Bを参照すると、横軸はトランジスタのスレショルド電圧Vthを示し、縦軸はトランジスタの個数を示す。第5散布95はページバッファ領域220aにおいて中心領域に配置されたページバッファ(例えば、PB1_C、PB2_Cなど)に含まれるトランジスタの散布を示し、第6散布96はページバッファ領域においてエッジ領域に配置されたページバッファ(例えば、PB1_L、PB2_Lなど)に含まれるトランジスタの散布を示す。第5散布95と第6散布96との間のスレショルド電圧スキューである第2スキューΔV2は相対的に小さく、例えば第2スキューΔV2は約5mV程である。
【0064】
このように、ページバッファ領域220aにおいて、ページバッファのY方向の位置によるトランジスタのスレショルド電圧差(即ち、第1スキューΔV1)は、ページバッファのX方向の位置によるトランジスタのスレショルド電圧差(即ち、第2スキューΔV2)よりもはるかに大きくなる。従って、以下では、ページバッファのY方向の位置によるトランジスタのスレショルド電圧差を補償するための多様な方法について説明する。しかし、本発明は、Y方向に沿って互いに異なる位置に配置されたページバッファだけではなく、X方向に沿って互いに異なる位置に配置されたページバッファについても適用される。
【0065】
図10は、本発明の一実施形態による不揮発性メモリ装置を示す断面図である。例えば、
図10は、
図7のX-X’線による断面図に対応する。
【0066】
図7及び
図10を参照すると、基板SUBは、メモリセルアレイ領域210及びページバッファ領域220に区分される。メモリセルアレイ領域210には、層間絶縁膜IL、ゲート電極GEの積層構造、及びチャネルホールCHを含むメモリセルアレイが形成される。ページバッファ領域220には、ゲート電極G1、ソースS1、及びドレインD1を含む第1トランジスタ711、並びにゲート電極G2、ソースS2、及びドレインD2を含む第2トランジスタ721が形成される。ゲート電極(G1、G2)、ソース電極(S1、S2)、及びドレイン電極(D1、D)2の上部には、コンタクトCTがそれぞれ形成される。コンタクトCTの上部には、金属パターンMTがそれぞれ形成される。
【0067】
一実施形態において、第1トランジスタ711及び第2トランジスタ721は、NMOSトランジスタである。第1トランジスタ711及び第2トランジスタ721は、それぞれ第1ページバッファ及び第2ページバッファに含まれ、互いに同一機能を遂行する。一実施形態において、第1トランジスタ711の第1チャネル長L1は、第2トランジスタ721の第2チャネル長L2よりも短い。一実施形態において、第1トランジスタ711の第1幅は、第2トランジスタ721の第2幅よりも狭い。一実施形態において、第1トランジスタ711の第1チャネル長L1及び第1幅は、第2トランジスタ721の第2チャネル長L2及び第2幅よりもそれぞれ小さい。
【0068】
このように、メモリセルアレイ領域210に相対的に隣接する第1ページバッファに含まれる第1トランジスタ711の第1サイズは、メモリセルアレイ領域210において、相対的に遠い第2ページバッファに含まれる第2トランジスタ712の第2サイズよりも小さい。トランジスタは、サイズが小さいほどスレショルド電圧が低下し、サイズが大きいほどスレショルド電圧が上昇する。従って、第1トランジスタ711のスレショルド電圧は低くなり、それにより第1トランジスタ711と第2トランジスタ721との間のスレショルド電圧差を低減させることができる。このように、本実施形態によると、第1トランジスタ711及び第2トランジスタ721のサイズを互いに異なるように決定することにより、第1トランジスタ711と第2トランジスタ721との間のスレショルド電圧変化を補償することができる。
【0069】
図示していないが、一実施形態において、第1トランジスタ及び第2トランジスタは、第1PMOSトランジスタ及び第2PMOSトランジスタに相応する。第1PMOSトランジスタ及び第2PMOSトランジスタは、それぞれ第1ページバッファ及び第2ページバッファに含まれ、互いに同一機能を遂行する。一実施形態において、第1PMOSトランジスタの第1チャネル長は、第2PMOSトランジスタの第2チャネル長よりも長くなる。一実施形態において、第1PMOSトランジスタの第1幅は、第2PMOSトランジスタの第2幅よりも広くなる。一実施形態において、第1PMOSトランジスタの第1チャネル長及び第1幅は、第2PMOSトランジスタの第2チャネル長及び第2幅よりもそれぞれ大きくなる。
【0070】
このように、メモリセルアレイ領域210に相対的に隣接する第1ページバッファに含まれる第1PMOSトランジスタの第1サイズは、メモリセルアレイ領域210において、相対的に遠い第2ページバッファに含まれる第2PMOSトランジスタの第2サイズよりも大きくなる。トランジスタは、サイズが小さいほどスレショルド電圧が低下し、サイズが大きいほどスレショルド電圧が上昇する。従って、第1PMOSトランジスタのスレショルド電圧は高くなり、それにより第1PMOSトランジスタと第2PMOSトランジスタとの間のスレショルド電圧差を低減させることができる。このように、本実施形態によると、第1PMOSトランジスタ及び第2PMOSトランジスタのサイズを互いに異なるように決定することにより、第1PMOSトランジスタと第2PMOSトランジスタとの間のスレショルド電圧変化を補償することができる。
【0071】
図11は、本発明の一実施形態によるページバッファの位置によるトランジスタのスレショルド電圧改善を示すグラフである。
【0072】
図11を参照すると、横軸はページバッファ、即ちトランジスタのY方向に沿った位置を示し、縦軸はトランジスタのスレショルド電圧を示す。第1ケース111は、各ページバッファにおいて同一機能を遂行するトランジスタTR2(例えば、
図4参照)のサイズが同一である場合、ページバッファの位置によるトランジスタのスレショルド電圧を示す。この場合、メモリセルアレイ領域に隣接するトランジスタのスレショルド電圧とメモリセルアレイ領域から離隔するトランジスタのスレショルド電圧との差が相対的に大きい。
【0073】
第2ケース112は、本発明の一実施形態により、各ページバッファにおいて同一機能を遂行するトランジスタTR2(例えば、
図4参照)のサイズが調節された場合のページバッファの位置によるトランジスタのスレショルド電圧を示す。この場合、メモリセルアレイ領域に隣接するトランジスタのスレショルド電圧とメモリセルアレイ領域において離隔するトランジスタのスレショルド電圧との差が第1ケース111に比べて小さい。従って、ページバッファの位置によるトランジスタのスレショルド電圧変化が補償されたということが分かる。
【0074】
図12は、本発明の一実施形態によるページバッファユニットPBUを詳細に示す回路図である。
【0075】
図12を参照すると、ページバッファユニットPBUは、
図1のページバッファユニット120の一例に対応し、第1ページバッファPB1~第nページバッファPBnを含む。本実施形態において、ページバッファユニットPBUに含まれる多数の構成要素は、ページバッファ領域内の位置によって、即ちレイアウトによって、高電圧ユニットHU、メインユニットMU、及びキャッシュユニットCUに区分される。
【0076】
高電圧ユニットHUは、第1ページバッファPB1~第nページバッファPBnにそれぞれ含まれる高電圧トランジスタ、例えば第1ビットライン選択トランジスタTR11~第nビットライン選択トランジスタTR1nを含む。第1ビットライン選択トランジスタTR11~第nビットライン選択トランジスタTR1nは、第1ビットライン選択信号BLSLT1~第nビットライン選択信号BLSLTnによってそれぞれ制御される。一実施形態において、第1ビットライン選択信号BLSLT1~第nビットライン選択信号BLSLTnの電圧レベルはそれぞれ同一である。しかし、本発明はそれに限定されるものではなく、一実施形態において、第1ビットライン選択信号BLSLT1~第nビットライン選択信号BLSLTnの電圧レベルはそれぞれ異なる。第1ビットライン選択信号BLSLT1~第nビットライン選択信号BLSLTnは、それぞれ
図5AのBLSLTに対応する。キャッシュユニットCUには、第1ページバッファPB1~第nページバッファPBnにそれぞれ含まれる第1キャッシュラッチCL1~第nキャッシュラッチCLnが配置される。第1キャッシュラッチCL1~第nキャッシュラッチCLnは、データラインDL1~DLnを介してデータ通信する。
【0077】
メインユニットMUは、第1ページバッファPB1~第nページバッファPBnにそれぞれ含まれる第1メインユニットMU1~第nメインユニットMUnを含む。例えば、第1メインユニットMU1は、第1ページバッファPB1において、第1ビットライン選択トランジスタTR11及び第1キャッシュラッチCL1を除いた他の構成要素を含む。例えば、第1メインユニットMU1~第nメインユニットMUnは、それぞれ
図5AのメインユニットMUと実質的に類似した構成を有する。
【0078】
第1メインユニットMU1~第nメインユニットMUnは、少なくとも第1ビットライン電圧制御トランジスタTR21~第nビットライン電圧制御トランジスタTR2nをそれぞれ含む。第1ビットライン電圧制御トランジスタTR21~第nビットライン電圧制御トランジスタTR2nは、第1ビットライン電圧制御信号BLSHF1~第nビットライン電圧制御信号BLSHFnによってそれぞれ制御される。一実施形態において、第1ビットライン電圧制御信号BLSHF1~第nビットライン電圧制御信号BLSHFnの電圧レベルはそれぞれ同一である。しかし、本発明はそれに限定されるものではなく、一実施形態において、第1ビットライン電圧制御信号BLSHF1~第nビットライン電圧制御信号BLSHFnの電圧レベルはそれぞれ異なる。
【0079】
図13は、本発明の一実施形態によるページバッファ領域220bの一例のレイアウト図である。
【0080】
図13を参照すると、ページバッファ領域220bは、高電圧領域221、メイン領域222、及びキャッシュ領域223を含む。例えば、高電圧領域221、メイン領域222、及びキャッシュ領域223は、
図12の高電圧ユニットHU、メインユニットMU、及びキャッシュユニットCUにそれぞれ対応する。
【0081】
具体的に、高電圧領域221には高電圧ユニットHUが配置され、高電圧ユニットHUは、例えば第1ビットライン選択トランジスタTR11~第nビットライン選択トランジスタTR1n(
図12参照)を含む。メイン領域222には、第1メインユニットMU1~第nメインユニットMUnが第1方向(例えば、Y方向)に沿って一列に配置される。キャッシュ領域223には、第1キャッシュラッチCL1~第nキャッシュラッチCLnが第1方向に沿って一列に配置される。
【0082】
図14Aは、本発明の比較例によるページバッファ領域300を示し、
図14Bは、本発明の一実施形態によるページバッファ領域400を示す図である。
【0083】
図14Aを参照すると、ページバッファ領域300は、第1方向に沿って一列に配置された第1メインユニット310a~第nメインユニット310n、及び第1キャッシュラッチ320a~第nキャッシュラッチ320nを含む。第1メインユニット310a~第3メインユニット310cは、第1ビットラインBL1~第3ビットラインBL3にそれぞれ連結される第1トランジスタ(311a~311c)をそれぞれ含む。また、第1メインユニット310a~第3メインユニット310cは、第1信号ラインSOC1~第3信号ラインSOC3にそれぞれ連結される第2トランジスタ(312a~312)cをそれぞれ更に含む。
【0084】
例えば、第1トランジスタ(311a~311c)は、ビットライン電圧制御トランジスタに相応する。以下では、第1トランジスタ(311a~311c)をビットライン電圧制御トランジスタ(311a~311c)と称する。例えば、第2トランジスタ(312a~312c)は、パストランジスタに相応する。以下では、第2トランジスタ(312a~312c)をパストランジスタ(312a~312c)と称する。パストランジスタ(312a~312c)は、それぞれパストランジスタ制御信号SO_PASSによって制御される。
【0085】
第1メインユニット310aは、メモリセルアレイ領域210(例えば、
図6参照)に隣接する第1境界(interface)IF1、及び第1境界IF1に対向する第2境界IF2を有し、ビットライン電圧制御トランジスタ311aは第1境界IF1に隣接するように配置され、パストランジスタ312aは第2境界IF2に隣接するように配置される。第2メインユニット310bは、第1メイン領域310aに隣接する第3境界IF3、及び第3境界IF3に対向する第4境界IF4を有し、ビットライン電圧制御トランジスタ311bは第4境界IF4に隣接するように配置され、パストランジスタ312bは第3境界IF3に隣接するように配置される。このように、第1メインユニット310aと第2メインユニット310bとは、ミラーリングされたレイアウト構造を有する。第3メインユニット310cは、第2メインユニット310bに隣接する第5境界IF5、及び第5境界IF5に対向する第6境界IF6を有する。ビットライン電圧制御トランジスタ311cは第5境界IF5に隣接するように配置され、パストランジスタ312cは第6境界IF6に隣接するように配置される。このように、第2メインユニット310bと第3メインユニット310cとは、ミラーリングされたレイアウト構造を有する。
【0086】
三次元メモリセルアレイを含む不揮発性メモリ装置は、モールドストレスにより、ページバッファの位置によって各ページバッファに含まれるトランジスタのスレショルド電圧がそれぞれ異なることになる。例えば、第1メインユニット310aに含まれるビットライン電圧制御トランジスタ311aのスレショルド電圧TH1aと、第nメインユニット310nに含まれるビットライン電圧制御トランジスタのスレショルド電圧THnaとの差、即ちミスマッチM1は、相当大きくなる。
【0087】
図14Bを参照すると、ページバッファ領域400は、第1方向に沿って一列に配置された第1メインユニット410a~第nメインユニット410n、及び第1キャッシュラッチ420a~第nキャッシュラッチ420nを含む。第1メインユニット410a~第3メインユニット410cは、第1ビットラインBL1~第3ビットラインBL3にそれぞれ連結される第1トランジスタ(411a~411c)をそれぞれ含む。また、第1メインユニット410a~第3メインユニット410cは、第1信号ラインSOC1~第3信号ラインSOC3にそれぞれ連結される第2トランジスタ(412a~412c)をそれぞれ更に含む。
【0088】
例えば、第1トランジスタ(411a~411c)は、ビットライン電圧制御トランジスタに相応する。以下では、第1トランジスタ(411a~411c)をビットライン電圧制御トランジスタ(411a~411c)と称する。例えば、第2トランジスタ(412a~412c)は、パストランジスタに相応する。以下では、第2トランジスタ(412a~412c)をパストランジスタ(412a~412c)と称する。パストランジスタ(411a~411c)は、それぞれパストランジスタ制御信号SO_PASSによって制御される。しかし、本発明はビットライン電圧制御トランジスタ及びパストランジスタに限定されるものではない。
【0089】
第1メインユニット410aは、メモリセルアレイ領域210(例えば、
図6参照)に隣接する第1境界IF1、及び第1境界IF1に対向する第2境界IF2を有し、ビットライン電圧制御トランジスタ411aは、第1境界IF1及び第2境界IF2のうちの第2境界IF2により隣接するように配置される。それにより、ビットライン電圧制御トランジスタ411aは、
図14Aのビットライン電圧制御トランジスタ311aよりも下端に位置することになる。
【0090】
本実施形態によると、ビットライン電圧制御トランジスタ411aとメモリセルアレイ領域との間の第1方向に沿った距離は、
図14Aのビットライン電圧制御トランジスタ311aとメモリセルアレイ領域との間の第1方向に沿った距離よりも長くなる。従って、ビットライン電圧制御トランジスタ411aに対する引っ張りストレスが低減し、ビットライン電圧制御トランジスタ411aのスレショルド電圧TH1bは、
図14Aのビットライン電圧制御トランジスタ311aのスレショルド電圧TH1aよりも低くなる。それにより、例えばビットライン電圧制御トランジスタ(411a、411b)間のスレショルド電圧差(即ち、TH1b-TH2b)は、ビットライン電圧制御トランジスタ(311a、311b)間のスレショルド電圧差(即ち、TH1a-TH2a)に比べて低下する。
【0091】
第2メインユニット410bは、第1メイン領域410aに隣接する第3境界IF3、及び第3境界IF3に対向する第4境界IF4を有し、ビットライン電圧制御トランジスタ411bは、第3境界IF3及び第4境界IF4のうちの第3境界IF3により隣接するように配置される。それにより、ビットライン電圧制御トランジスタ411bは、
図14Aのビットライン電圧制御トランジスタ311bよりも第1方向にメモリセルアレイ領域に隣接して位置することになる。
【0092】
本実施形態によると、ビットライン電圧制御トランジスタ411bとメモリセルアレイ領域との間の第1方向に沿った距離は、
図14Aのビットライン電圧制御トランジスタ311bとメモリセルアレイ領域との間の第1方向に沿った距離よりも短くなる。従って、ビットライン電圧制御トランジスタ411bに対する引っ張りストレスが増大し、ビットライン電圧制御トランジスタ411bのスレショルド電圧TH2bは、
図14Aのビットライン電圧制御トランジスタ311bのスレショルド電圧TH2aよりも高くなる。それにより、例えばビットライン電圧制御トランジスタ(411a、411b)間のスレショルド電圧差(即ち、TH1b-TH2b)を低減させることができる。
【0093】
本実施形態によると、ページバッファ領域400において、スレショルド電圧差が大きい主要トランジスタ、例えばビットライン電圧制御トランジスタ(411a~411c)の位置を変更し、それにより、ページバッファの位置によるビットライン電圧制御トランジスタ(411a~411c)のスレショルド電圧差を補償することができる。第1メインユニット410aに含まれるビットライン電圧制御トランジスタ411aのスレショルド電圧TH1bと、第nメインユニット410nに含まれるビットライン電圧制御トランジスタのスレショルド電圧THnbとの差、即ちミスマッチM2は、
図14AのミスマッチM1に比べて大きく減少する。
【0094】
図14Bでは、ページバッファ領域400が、メインユニット(410a~410n)及びキャッシュラッチ(420a~420n)を含むように区分して例示したが、本発明はそれに限定されるものではない。一実施形態において、メインユニット410a及びキャッシュラッチ420aは、第1方向に互いに隣接するように配置される。その場合にも、ビットライン電圧制御トランジスタ411aは、従来に比べてメモリセルアレイ領域から遠くなるように配置される。それにより、ビットライン電圧制御トランジスタ(411a、411b)間のスレショルド電圧差を減らすことができる。
【0095】
また、
図14A及び
図14Bでは、第1トランジスタがビットライン電圧制御トランジスタである場合、例えばNMOSトランジスタである場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものではない。一実施形態において、ページバッファの位置によるスレショルド電圧差が大きいトランジスタは、PMOSトランジスタTR3(例えば、
図5A参照)である。この場合、
図14Bを参照して説明した本実施形態は、PMOSトランジスタについて適用される。
【0096】
図15A~
図15Dは、本発明の一実施形態による不揮発性メモリ装置の製造工程に用いられるイオン注入マスクを示す。
【0097】
図15Aを参照すると、不揮発性メモリ装置500は、メモリセルアレイ領域510及びページバッファ/周辺回路領域520を含む。メモリセルアレイ領域510には、基板上に垂直に積層された複数のメモリセルが配置される。例えば、メモリセルアレイ領域510に、
図1のメモリセルアレイ110が配置される。ページバッファ/周辺回路領域520は、メモリセルアレイ領域510に第1方向(例えば、Y方向)に隣接して複数のページバッファ及び周辺回路が配置される。例えば、ページバッファ/周辺回路領域520に、
図1のページバッファユニット120、制御ロジック140、及び電圧発生部150が配置される。
【0098】
ページバッファ/周辺回路領域520には、複数のトランジスタが配置され、例えば第1NMOSトランジスタ521及び第2NMOSトランジスタ522、並びに第1PMOSトランジスタ523及び第2PMOSトランジスタ534を含む。第1NMOSトランジスタ521及び第1PMOSトランジスタ523はメモリセルアレイ領域510に隣接するように配置され、第2NMOSトランジスタ522及び第2PMOSトランジスタ524はメモリセルアレイ領域510から離隔して配置される。
【0099】
メモリセルアレイ領域510に、三次元メモリセルを形成する過程で発生するモールドストレスによって、ページバッファ/周辺回路領域520内の複数のトランジスタは、メモリセルアレイ領域510からの距離によって、ボロンディフュージョン現象が異なって発生する。具体的には、第1NMOSトランジスタ521及び第2NMOSトランジスタ522の場合、メモリセルアレイ領域510からの距離が増大するほど、チャネル領域のボロンディフュージョン現象が深くなり、それによりスレショルド電圧が低下する。従って、第1NMOSトランジスタ521のスレショルド電圧は、第2NMOSトランジスタ522のスレショルド電圧よりも高い。一方、第1PMOSトランジスタ523及び第2PMOSトランジスタ524の場合、メモリセルアレイ領域510からの距離が増大するほど、ソース/ドレイン領域のボロンディフュージョン現象が深くなり、それによりスレショルド電圧が上昇する。従って、第1PMOSトランジスタ523のスレショルド電圧は、第2PMOSトランジスタ524のスレショルド電圧よりも低い。
【0100】
図15Bを参照すると、不揮発性メモリ装置500aは、メモリセルアレイ領域510及びページバッファ/周辺回路領域520を含む。ページバッファ/周辺回路領域520に複数のトランジスタを形成するためのイオン注入工程を遂行するために、少なくとも2枚の第1マスクMK1a及び第2マスクMK1bを使用する。例えば、第1マスクMK1aはメモリセルアレイ領域510に隣接するトランジスタを形成するために使用され、第2マスクMK1bはメモリセルアレイ領域510から離隔するトランジスタを形成するために使用される。このように、ページバッファ/周辺回路領域520において、メモリセルアレイ領域510との距離によって、少なくとも2枚の第1マスクMK1a及び第2マスクMK1bを適用することにより、第1マスクMK1aが適用される領域と第2マスクMK1bが適用される領域とのインプラント濃度を互いに異なるようにする。
【0101】
図15Cを参照すると、不揮発性メモリ装置500bは、メモリセルアレイ領域510及びページバッファ/周辺回路領域520を含む。ページバッファ/周辺回路領域520に複数のトランジスタを形成するためのイオン注入工程を遂行するために、少なくとも2枚の第1マスクMK2a及び第2マスクMK2bを使用する。例えば、第1マスクMK2aは、ページバッファ/周辺回路領域520の内側領域において、メモリセルアレイ領域510に隣接するトランジスタを形成するために使用され、第2マスクMK2bは、ページバッファ/周辺回路領域520の外郭領域において、メモリセルアレイ領域510に隣接するトランジスタ、及びメモリセルアレイ領域510から離隔するトランジスタを形成するために使用される。それにより、第1マスクMK2aが適用される領域と第2マスクMK2bが適用される領域とのインプラント濃度を互いに異なるようにする。
【0102】
図15Dを参照すると、不揮発性メモリ装置500cは、メモリセルアレイ領域510及びページバッファ/周辺回路領域520を含む。ページバッファ/周辺回路領域520に複数のトランジスタを形成するためのイオン注入工程を遂行するために、少なくとも2枚の第1マスクMK3a及び第2マスクMK3bを使用する。例えば、第1マスクMK3aはメモリセルアレイ領域510に隣接するトランジスタを形成するために使用され、第2マスクMK3bはメモリセルアレイ領域510から離隔するトランジスタを形成するために使用される。その場合、第1マスクMK3aが適用される領域に対するインプラント回数と第2マスクMK3bが適用される領域に対するインプラント回数とを異なるようにし、それにより第1マスクMK3aが適用される領域と第2マスクMK3bが適用される領域とのインプラント濃度を互いに異なるようにする。
【0103】
図16は、本発明の一実施形態によるメモリ装置100’を示すブロック図である。
【0104】
図16を参照すると、不揮発性メモリ装置100’は、メモリセルアレイ110、ページバッファユニット120’、ロウデコーダ130、制御ロジック140、及び電圧生成部150を含む。不揮発性メモリ装置100’は、
図1の不揮発性メモリ装置100の変形実施形態に対応する。
図1~
図15Dを参照して説明した内容は本実施形態にも適用されるため、重複説明を省略する。
【0105】
本実施形態によると、ページバッファユニット120’は、少なくとも2つのページバッファグループ、例えば第1ページバッファ120a及び第2ページバッファグループ120bを含む。例えば、ページバッファユニット120’は、第1方向(例えば、
図8のY方向)に隣接する複数のページバッファ(PB1_L~PB8_L)(例えば、
図8参照)を含む。この場合、第1ページバッファグループ120aはメモリセルアレイ110に相対的に近いページバッファ(例えば、PB1_L~PB4_L)を含み、第2ページバッファグループ120bはメモリセルアレイ110から相対的に遠いページバッファ(例えば、PB5_L~PB8_L)を含む。
【0106】
一実施形態において、第1ページバッファグループ120aに含まれるページバッファにそれぞれ含まれる同一機能を遂行する第1トランジスタ(例えば、ビットライン電圧制御トランジスタ)は第1サイズを有し、第2ページバッファグループ120bに含まれるページバッファにそれぞれ含まれて第1トランジスタと同一機能を遂行する第2トランジスタは、第1サイズと異なる第2サイズを有する。例えば、第1トランジスタ及び第2トランジスタがNMOSトランジスタである場合、第1サイズは第2サイズよりも小さい。例えば、第1トランジスタ及び第2トランジスタがPMOSトランジスタである場合、第1サイズは第2サイズよりも大きい。
【0107】
一実施形態において、第1ページバッファグループ120aに含まれるページバッファにそれぞれ含まれる同一機能を遂行する第1トランジスタ(例えば、ビットライン電圧制御トランジスタ)は、各ページバッファが配置された領域においてメモリセルアレイ領域から相対的に遠い下端に配置される。また、第2ページバッファグループ120bに含まれるページバッファにそれぞれ含まれて第1トランジスタと同一機能を遂行する第2トランジスタは、各ページバッファが配置された領域において、メモリセルアレイ領域から相対的に近い上端に配置される。
【0108】
一実施形態において、第1ページバッファグループ120aに含まれるページバッファにおいて、奇数番目ページバッファにそれぞれ含まれる同一機能を遂行する第1トランジスタ(例えば、ビットライン電圧制御トランジスタ)は、各ページバッファが配置された領域においてメモリセルアレイ領域から相対的に遠い下端に配置され、第1ページバッファグループ120aに含まれるページバッファにおいて、偶数番目ページバッファにそれぞれ含まれる同一機能を遂行する第1トランジスタは、各ページバッファが配置された領域においてメモリセルアレイ領域から相対的に近い上端に配置される。また、第2ページバッファグループ120bに含まれるページバッファにそれぞれ含まれて第1トランジスタと同一機能を遂行する第2トランジスタは、各ページバッファが配置された領域においてメモリセルアレイ領域から相対的に近い上端に配置される。
【0109】
このように、本実施形態によると、ページバッファユニット120’に含まれる複数のページバッファは、位置によって複数のページバッファグループに区分され、各ページバッファグループに対して同一設計条件又は同一工程条件が適用され、それぞれ異なるページバッファグループに対しては、それぞれ異なる設計条件又はそれぞれ異なる工程条件が適用される。
【0110】
図17は、本発明の一実施形態によるメモリ装置を含むSSD(solid-state drive)システムを示すブロック図である。
【0111】
図17を参照すると、SSDシステム1000は、ホスト1100、及びSSD1200を含む。SSD1200は、信号コネクタ(signal connector)を介してホスト1100と信号を送受信し、電源コネクタ(power connector)を介して電源が入力される。SSD1200は、SSDコントローラ1210、補助電源装置1220、及び複数のメモリ装置(1230、1240、1250)を含む。複数のメモリ装置(1230、1240、1250)は、垂直積層型NANDフラッシュメモリ装置である。複数のメモリ装置(1230、1240、1250)は、それぞれチャネル(Ch1~Chn)を介して、SSDコントローラ1210と通信する。このとき、複数のメモリ装置(1230、1240、1250)のうちの少なくとも一つは、
図1~
図16を参照して説明した実施形態を利用して具現される。
【0112】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明の不揮発性メモリ装置は、例えば電子装置関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0114】
71、72 第1、第2ページバッファ
91~96 第1~第6散布
100、100’、200、500、500a、500b、500c 不揮発性メモリ装置
110 メモリセルアレイ
111、112 第1、第2ケース
120、120’、PBU ページバッファユニット
130 ロウデコーダ
140 制御ロジック
150 電圧生成部
210、510 メモリセルアレイ領域
220、220a、220b、300、400 ページバッファ領域
221 高電圧領域
222 メイン領域
223 キャッシュ領域
230 ロウデコーダ領域
240 周辺回路領域
310a~310n、410a~410n 第1~第nメインユニット
311a~311c、411a~411c 第1トランジスタ(ビットライン電圧制御トランジスタ)
312a~312c、412a~412c 第2トランジスタ(パストランジスタ)
320a~320n、420a~420n 第1~第nキャッシュラッチ
520 ページバッファ/周辺回路領域
521、522 第1、第2NMOSトランジスタ
523、524 第1、第2PMOSトランジスタ
711、721 第1、第2トランジスタ
1000 SSDシステム
1100 ホスト
1200 SSD
1210 SSDコントローラ
1220 補助電源装置
1230、1240、1250 メモリ装置