(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】暖房システムおよび経路切替ユニット
(51)【国際特許分類】
F24D 3/00 20220101AFI20220905BHJP
F24D 19/10 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
F24D3/00 J
F24D19/10 C
(21)【出願番号】P 2018083153
(22)【出願日】2018-04-24
【審査請求日】2021-04-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000129231
【氏名又は名称】株式会社ガスター
(74)【代理人】
【識別番号】100121599
【氏名又は名称】長石 富夫
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 寿久
(72)【発明者】
【氏名】島袋 大介
(72)【発明者】
【氏名】小泉 進
(72)【発明者】
【氏名】佐倉井 大輝
【審査官】古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-048013(JP,U)
【文献】特開2010-181072(JP,A)
【文献】特開2002-130698(JP,A)
【文献】実開昭63-109881(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 1/00-19/10
F24H 1/00-15/493
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気を屋内に取り込む給気口に設置される熱交換器と、
浴槽から前記熱交換器の入側に至る熱交往き管と、
前記熱交換器の出側から前記浴槽に至る熱交戻り管と、
前記浴槽から前記熱交往き管、前記熱交換器、前記熱交戻り管を経て前記浴槽に戻る循環経路に浴槽内の浴槽水を循環させる循環ポンプと、
暖房回路に熱媒体流体を循環させる暖房循環ポンプと、前記暖房回路内の熱媒体流体を加熱する熱源部を有する熱源機と、
前記熱交換器を前記循環経路から切り離して前記暖房回路に接続した第2接続状態と、前記熱交換器が前記循環経路に介挿された第1接続状態とに経路を切り替える切替部と、
前記循環ポンプの下流であって前記第2接続状態のときに前記熱交換器が切り離される箇所より浴槽側の前記熱交戻り管に設けられ、前記熱交換器側の熱交戻り管を浴槽側の熱交戻り管に繋げた連通側と、前記熱交換器側の熱交戻り管を所定の排水先に繋げた排水側に切り替える排水弁と、
を有
し、
前記切替部は、前記熱交換器の入側を前記循環経路から切り離して前記暖房回路に接続し、前記熱交換器の出側を前記循環経路の前記熱交戻り管に接続した第3接続状態に切り替え可能であり、
前記切替部を前記第3接続状態に設定し、かつ前記排水弁を排水側に設定して、前記暖房回路から熱媒体流体を前記熱交換器に向けて送出する第2排水制御を行う
ことを特徴とする暖房システム。
【請求項2】
外気を屋内に取り込む給気口に設置される熱交換器と、
浴槽から前記熱交換器の入側に至る熱交往き管と、
前記熱交換器の出側から前記浴槽に至る熱交戻り管と、
前記浴槽から前記熱交往き管、前記熱交換器、前記熱交戻り管を経て前記浴槽に戻る循環経路に浴槽内の浴槽水を循環させる循環ポンプと、
暖房回路に熱媒体流体を循環させる暖房循環ポンプと、前記暖房回路内の熱媒体流体を加熱する熱源部を有する熱源機と、
前記熱交換器を前記循環経路から切り離して前記暖房回路に接続した第2接続状態と、前記熱交換器が前記循環経路に介挿された第1接続状態とに経路を切り替える切替部と、
前記循環ポンプの下流であって前記第2接続状態のときに前記熱交換器が切り離される箇所より浴槽側の前記熱交戻り管に設けられ、前記熱交換器側の熱交戻り管を浴槽側の熱交戻り管に繋げた連通側と、前記熱交換器側の熱交戻り管を所定の排水先に繋げた排水側に切り替える排水弁と、
を有し、
前記熱源機は、追い焚き経路に浴槽水を循環させて昇温する風呂の追い焚き機能、および前記追い焚き経路を通じて浴槽に注水する注水機能を備え、
前記切替部は、前記浴槽を前記循環経路から切り離して前記追い焚き経路に接続した第4接続状態と、前記追い焚き経路を前記循環経路に接続した第5接続状態とにさらに切り替え可能であり、
前記切替部を前記第5接続状態に設定し、前記排水弁を前記連通側に設定して、前記浴槽に、前記追い焚き経路および前記循環経路を通じて注水する第3排水制御を行う
ことを特徴とす
る暖房システム。
【請求項3】
外気を屋内に取り込む給気口に設置される熱交換器と、
浴槽から前記熱交換器の入側に至る熱交往き管と、
前記熱交換器の出側から前記浴槽に至る熱交戻り管と、
前記浴槽から前記熱交往き管、前記熱交換器、前記熱交戻り管を経て前記浴槽に戻る循環経路に浴槽内の浴槽水を循環させる循環ポンプと、
暖房回路に熱媒体流体を循環させる暖房循環ポンプと、前記暖房回路内の熱媒体流体を加熱する熱源部を有する熱源機と、
前記熱交換器を前記循環経路から切り離して前記暖房回路に接続した第2接続状態と、前記熱交換器が前記循環経路に介挿された第1接続状態とに経路を切り替える切替部と、
前記循環ポンプの下流であって前記第2接続状態のときに前記熱交換器が切り離される箇所より浴槽側の前記熱交戻り管に設けられ、前記熱交換器側の熱交戻り管を浴槽側の熱交戻り管に繋げた連通側と、前記熱交換器側の熱交戻り管を所定の排水先に繋げた排水側に切り替える排水弁と、
を有し、
前記切替部は、
前記熱交戻り管の途中に介挿され、前記熱交換器側の熱交戻り管を前記浴槽側の熱交戻り管に接続するか、前記熱交換器側の熱交戻り管を前記暖房回路の戻り管に接続するかを切り替える第1切替弁と、
前記熱交往き管の途中に介挿され、前記熱交換器側の熱交往き管を前記浴槽側の熱交往き管に接続するか、前記熱交換器側の熱交往き管を前記暖房回路の往き管に接続するかを切り替える第2切替弁と、
前記第2切替弁より前記浴槽側の前記熱交往き管の途中に介挿され、前記浴槽側の前記熱交往き管を前記第2切替弁側の前記熱交往き管に接続するか、前記浴槽側の前記熱交往き管を風呂の追い焚き経路の戻り管に接続するかを切り替える第3切替弁と、
を有し、
前記循環ポンプは、前記第2切替弁と前記第3切替弁の間の前記熱交往き管に介挿されて、前記第3切替弁側から前記第2切替弁側に向けて送水し、
前記排水弁は前記第1切替弁より浴槽側の前記熱交戻り管に設けてあり、
前記追い焚き経路の往き管は前記第1切替弁と前記排水弁との間の熱交戻り管に接続され、
前記切替部はさらに、
前記追い焚き経路の戻り管と前記循環ポンプの出側を配管で接続すると共に該配管の途中に前記循環ポンプの出側から前記追い焚き経路の戻り管側への流れを阻止する第1逆止弁と、
前記追い焚き経路の往き管の途中に設けられた第2逆止弁と、
を有する
ことを特徴とす
る暖房システム。
【請求項4】
前記切替部を前記第2接続状態から前記第1接続状態に切り替えた後に前記循環ポンプを作動させる最初の所定時間は前記排水弁を前記排水側に設定する第1排水制御を行う
ことを特徴とする請求項1
乃至3のいずれか1つに記載の暖房システム。
【請求項5】
前記熱交換器は、中空平板状の複数枚の扁平管が間隔を持って積層されると共に隣り合う扁平管はその一端部側と他端部側のそれぞれで接続部
によって積層方向に連結され、流入口に流入した流体が各扁平管および接続部を通って流出口から流出するように構成されたものである
ことを特徴とする請求項1乃至
4のいずれか1つに記載の暖房システム。
【請求項6】
請求項1乃至
5のいずれか1つに記載の暖房システムにおける前記切替部と前記排水弁と前記循環ポンプを備えた経路切替ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外気を屋内に取り込む給気口に設置された熱交換器に温水を循環させる暖房システムおよび経路切替ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の住宅には24時間換気システムが設置されている。その代表的な構成は、
図17に示すように、たとえば、風呂場の天井裏等に換気ファン101を設け、この換気ファン101の吸込口102をトイレや洗面所、浴室などの天井(家の中心付近)に配置し、屋外に面する各居室の壁に給気口(給気ダクト)103を設け、換気ファン101の排気はダクトを通じて玄関先等に設けた排気口104から屋外に排出する、といった構成になっている。これは、排気はファンで行い、給気はファンを使用せずに自然に取込む方式(排気型)であり、一般の住宅で多く採用されている。
【0003】
ところで、冬場は給気口103から冷たい外気が室内に入って来る。
図17に示す住宅では、リビングなど人が長く居る部屋は暖房されて暖かい。その暖かい空気は、住宅の中心の吸込口に向かってゆっくりと流れ、吸込口102から吸い込まれて屋外に排出される。一方、洋室(1)、洋室(2)などは、寝室などに利用された場合、暖房費節約等の観点から、暖房されない場合が多い。また、リビングから暖かい空気も流れ込まないため、室温が低い。明け方になるとトイレなども冷えてしまう。そのため、たとえば、入浴後にそれらの部屋に入ったり、明け方に布団から出てトイレに行ったりすると、ヒートショックを受ける恐れがある。
【0004】
光熱費を抑えて、ヒートショックを防止し得る程度に暖房する方法として、風呂の残り湯が持つ熱量を利用する方法がある。たとえば、特許文献1には、浴槽内の湯を、ファンからの送風を受ける熱交換器に循環させる暖房システムが開示される。
【0005】
しかし、この暖房システムでは、室温と浴槽内の残り湯との温度差が少ないため、放熱効率が低く、要求される熱量を得るには大型の熱交換器が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願の出願人は、
図18に示すように、24時間換気システムの給気ダクト103の中に、風呂の残り湯を循環させる熱交換器110を取り付け、給気ダクト103を通じて屋外の冷たい空気を屋内に取り入れる際に、この熱交換器110で外気を少し暖めるようにした暖房システムを考案した。外気は室内の空気よりも冷たいので、室内の空気を暖める場合に比べて熱換効率は高くなる。
【0008】
しかし、給気ダクト103に取り付ける熱交換器は小型にしなければならないので、より良い熱交換効率が望まれる。そのため、水-水熱交換器の一次側に浴槽水を循環させ、二次側の水を給気ダクト103内の熱交換器に循環させる方法は、水-水熱交換器を介する分だけ熱交換効率が下がるため、好ましくない。
【0009】
一方、風呂の残り湯が冷めてしまった後や残り湯が無い場合にも、給気ダクト103に設けた熱交換器で外気を少し暖めてから室内に導入することが望まれる。そのためには、暖房回路の温水を給気ダクト103内の熱交換器に循環させればよいが、この場合も、暖房回路の温水を、水-水熱交換器を介さずに、直接、給気ダクト103の熱交換器に循環させることが好ましい。
【0010】
そうすると、浴槽水を給気ダクト103の熱交換器に循環させる経路と、暖房回路の温水を給気ダクト103の熱交換器に循環させる経路とを切り替えなければならないが、切り替えの際に、該経路に残っている浴槽水が暖房回路に入り込んだり、暖房回路内の温水が浴槽に流れ込んだりすることは好ましくない。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであり、外気を取り入れる給気口に設けた熱交換器に、浴槽水を循環させるか暖房回路の温水を循環させるかを切り替え可能であって、切り替えの際に経路内の浴槽水が暖房回路に入り込んだり、暖房回路の温水が浴槽に流れ込んだりすることを防ぐことのできる暖房システムおよび経路切替ユニットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0013】
[1]外気を屋内に取り込む給気口に設置される熱交換器と、
浴槽から前記熱交換器の入側に至る熱交往き管と、
前記熱交換器の出側から前記浴槽に至る熱交戻り管と、
前記浴槽から前記熱交往き管、前記熱交換器、前記熱交戻り管を経て前記浴槽に戻る循環経路に浴槽内の浴槽水を循環させる循環ポンプと、
暖房回路に熱媒体流体を循環させる暖房循環ポンプと、前記暖房回路内の熱媒体流体を加熱する熱源部を有する熱源機と、
前記熱交換器を前記循環経路から切り離して前記暖房回路に接続した第2接続状態と、前記熱交換器が前記循環経路に介挿された第1接続状態とに経路を切り替える切替部と、
前記循環ポンプの下流であって前記第2接続状態のときに前記熱交換器が切り離される箇所より浴槽側の前記熱交戻り管に設けられ、前記熱交換器側の熱交戻り管を浴槽側の熱交戻り管に繋げた連通側と、前記熱交換器側の熱交戻り管を所定の排水先に繋げた排水側に切り替える排水弁と、
を有し、
前記切替部は、前記熱交換器の入側を前記循環経路から切り離して前記暖房回路に接続し、前記熱交換器の出側を前記循環経路の前記熱交戻り管に接続した第3接続状態に切り替え可能であり、
前記切替部を前記第3接続状態に設定し、かつ前記排水弁を排水側に設定して、前記暖房回路から熱媒体流体を前記熱交換器に向けて送出する第2排水制御を行う
ことを特徴とする暖房システム。
【0014】
上記発明では、熱交換器、熱交往き管、熱交戻り管を含む循環経路に残っている湯水を排水弁から外部に排水することができる。これにより、切替部で経路を切り替えた際に循環経路内の浴槽水が暖房回路に入り込んだり、暖房回路の熱媒体流体が浴槽に流れ込んだりすることを防止できる。
【0018】
上記発明では、第2排水制御を行うことにより、熱交換器や熱交往き管、熱交戻り管内に残っている浴槽水を排水先に排水して暖房回路側の熱媒体流体に入れ替える。第2排水制御は、たとえば、第1接続状態で浴槽水を熱交換器に循環させる動作から、第2接続状態で暖房回路の熱媒体流体を熱交換器に循環させる動作に切り替える際に行う。
【0019】
[2]外気を屋内に取り込む給気口に設置される熱交換器と、
浴槽から前記熱交換器の入側に至る熱交往き管と、
前記熱交換器の出側から前記浴槽に至る熱交戻り管と、
前記浴槽から前記熱交往き管、前記熱交換器、前記熱交戻り管を経て前記浴槽に戻る循環経路に浴槽内の浴槽水を循環させる循環ポンプと、
暖房回路に熱媒体流体を循環させる暖房循環ポンプと、前記暖房回路内の熱媒体流体を加熱する熱源部を有する熱源機と、
前記熱交換器を前記循環経路から切り離して前記暖房回路に接続した第2接続状態と、前記熱交換器が前記循環経路に介挿された第1接続状態とに経路を切り替える切替部と、
前記循環ポンプの下流であって前記第2接続状態のときに前記熱交換器が切り離される箇所より浴槽側の前記熱交戻り管に設けられ、前記熱交換器側の熱交戻り管を浴槽側の熱交戻り管に繋げた連通側と、前記熱交換器側の熱交戻り管を所定の排水先に繋げた排水側に切り替える排水弁と、
を有し、
前記熱源機は、追い焚き経路に浴槽水を循環させて昇温する風呂の追い焚き機能、および前記追い焚き経路を通じて浴槽に注水する注水機能を備え、
前記切替部は、前記浴槽を前記循環経路から切り離して前記追い焚き経路に接続した第4接続状態と、前記追い焚き経路を前記循環経路に接続した第5接続状態とにさらに切り替え可能であり、
前記切替部を前記第5接続状態に設定し、前記排水弁を前記連通側に設定して、前記浴槽に、前記追い焚き経路および前記循環経路を通じて注水する第3排水制御を行う
ことを特徴とする暖房システム。
【0020】
上記発明では、風呂の追い焚きは、切替部を第4接続状態に設定して行う。第5接続状態に設定して浴槽に注水する第3排水制御を行うと、熱交換器や熱交往き管、熱交戻り管を含む循環経路と追い焚き経路を経由して浴槽に注水されるので、追い焚き経路および循環経路を洗浄することができる。
【0021】
[3]外気を屋内に取り込む給気口に設置される熱交換器と、
浴槽から前記熱交換器の入側に至る熱交往き管と、
前記熱交換器の出側から前記浴槽に至る熱交戻り管と、
前記浴槽から前記熱交往き管、前記熱交換器、前記熱交戻り管を経て前記浴槽に戻る循環経路に浴槽内の浴槽水を循環させる循環ポンプと、
暖房回路に熱媒体流体を循環させる暖房循環ポンプと、前記暖房回路内の熱媒体流体を加熱する熱源部を有する熱源機と、
前記熱交換器を前記循環経路から切り離して前記暖房回路に接続した第2接続状態と、前記熱交換器が前記循環経路に介挿された第1接続状態とに経路を切り替える切替部と、
前記循環ポンプの下流であって前記第2接続状態のときに前記熱交換器が切り離される箇所より浴槽側の前記熱交戻り管に設けられ、前記熱交換器側の熱交戻り管を浴槽側の熱交戻り管に繋げた連通側と、前記熱交換器側の熱交戻り管を所定の排水先に繋げた排水側に切り替える排水弁と、
を有し、
前記切替部は、
前記熱交戻り管の途中に介挿され、前記熱交換器側の熱交戻り管を前記浴槽側の熱交戻り管に接続するか、前記熱交換器側の熱交戻り管を前記暖房回路の戻り管に接続するかを切り替える第1切替弁と、
前記熱交往き管の途中に介挿され、前記熱交換器側の熱交往き管を前記浴槽側の熱交往き管に接続するか、前記熱交換器側の熱交往き管を前記暖房回路の往き管に接続するかを切り替える第2切替弁と、
前記第2切替弁より前記浴槽側の前記熱交往き管の途中に介挿され、前記浴槽側の前記熱交往き管を前記第2切替弁側の前記熱交往き管に接続するか、前記浴槽側の前記熱交往き管を風呂の追い焚き経路の戻り管に接続するかを切り替える第3切替弁と、
を有し、
前記循環ポンプは、前記第2切替弁と前記第3切替弁の間の前記熱交往き管に介挿されて、前記第3切替弁側から前記第2切替弁側に向けて送水し、
前記排水弁は前記第1切替弁より浴槽側の前記熱交戻り管に設けてあり、
前記追い焚き経路の往き管は前記第1切替弁と前記排水弁との間の熱交戻り管に接続され、
前記切替部はさらに、
前記追い焚き経路の戻り管と前記循環ポンプの出側を配管で接続すると共に該配管の途中に前記循環ポンプの出側から前記追い焚き経路の戻り管側への流れを阻止する第1逆止弁と、
前記追い焚き経路の往き管の途中に設けられた第2逆止弁と、
を有する
ことを特徴とする暖房システム。
【0022】
上記発明は、切替部の具体的な構成例である。
[4]前記切替部を前記第2接続状態から前記第1接続状態に切り替えた後に前記循環ポンプを作動させる最初の所定時間は前記排水弁を前記排水側に設定する第1排水制御を行う
ことを特徴とする[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の暖房システム。
上記発明では、第2接続状態で暖房循環ポンプを作動させると、暖房回路の熱媒体流体が切り離し箇所より熱交換器側の循環経路を循環する。この状態から第1接続状態に切り替えて循環ポンプを作動させると、切り離し箇所より熱交換器側の循環経路内にあった熱媒体流体が浴槽に流れ込むので、これを防止するために、第2接続状態から第1接続状態に切り替えた後に循環ポンプを作動させる最初の所定時間は排水弁を排水側に設定して、上記循環経路内の熱媒体流体を排水先に排水する。
【0023】
[5]前記熱交換器は、中空平板状の複数枚の扁平管が間隔を持って積層されると共に隣り合う扁平管はその一端部側と他端部側のそれぞれで接続部によって積層方向に連結され、流入口に流入した流体が各扁平管および接続部を通って流出口から流出するように構成されたものである
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の暖房システム。
【0024】
[6][1]乃至[5]のいずれか1つに記載の暖房システムにおける切替部と排水弁と循環ポンプを備えた経路切替ユニット。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る暖房システムおよび経路切替ユニットによれば、給気口に設けた熱交換器に浴槽水を循環させるか暖房回路内の熱媒体流体を循環させるかを切り替え可能であり、かつ、この切り替えにより、経路内の浴槽水が暖房回路に入り込んだり、経路内の熱媒体流体が浴槽に流れ込んだりすることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施の形態に係る暖房システムの概略構成を示す図である。
【
図2】熱交換ユニットを給気ダクトに挿入した状態を示す図である。
【
図4】熱交換器を構成する3種類の扁平管を示す図である。
【
図5】一往復型の熱交換器における通水経路を示す図である。
【
図6】並列型の熱交換器における通水経路を示す図である。
【
図7】追い焚き動作における湯水の流れを示す図である。
【
図8】床暖房用の温水マットで暖房動作を行いながらリビングルームの熱交換ユニットで給気予熱を行う場合における温水の循環経路を示す図である。
【
図9】床暖房用の温水マットによる暖房は行わずに、リビングルームの熱交換ユニットでの給気予熱を行う場合における温水の循環経路を示す図である。
【
図10】床暖房用の温水マットによる暖房は行わずに、リビングルームの熱交換ユニットと寝室等の熱交換ユニットで給気予熱を行う場合における温水の循環経路を示す図である。
【
図11】暖房用の温水を循環させて寝室等の熱交換ユニットで給気予熱を行う場合における温水の循環経路を示す図である。
【
図12】浴槽水を循環させて寝室等の熱交換ユニットで給気予熱を行う場合における温水の循環経路を示す図である。
【
図13】寝室等の熱交換ユニットで浴槽水による給気予熱と、リビングルームの熱交換ユニットで暖房回路の温水による給気予熱を並行して実行する場合における温水の循環経路を示す図である。
【
図14】第1排水制御を行うときの通水経路を示す図である。
【
図15】第2排水制御を行うときの通水経路を示す図である。
【
図16】第3排水制御を行うときの通水経路を示す図である。
【
図17】24時間換気システムの設置例を示す図である。
【
図18】給気口に熱交換器を取り付けた状態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施の形態に係る暖房システム8の概略構成を示す図である。暖房システム8は、給湯暖房熱源機10と、経路切替ユニット40と、暖房用放熱器3と、24時間換気システムの給気口(給気ダクト)103に設けられた熱交換ユニット60を備えている。ここでは、熱交換ユニット60は、南側居室であるリビングルームの給気ダクト103内、および、寝室やその他の居室(北側居室等)の給気ダクト103内に設けてある。暖房用放熱器3は、床暖房用の温水マットとするが、これに限定されるものではない。
【0029】
暖房システム8は、給水を加熱して浴室内のシャワーや台所の水栓等へお湯を供給する給湯機能、浴槽5へ湯を落とし込み湯張りする注湯機能、浴槽5内の浴槽水を追い焚きして昇温する追い焚き機能、床暖房用の温水マット等の暖房用放熱器3に温水を循環させて暖房する暖房機能、熱交換ユニット60に暖房用の温水や浴槽水を循環させて外気と熱交換させる給気予熱機能などを備えている。また、浴槽に風呂設定温度の湯を設定水位になるように自動的に湯張りし、湯張り完了後は設定水位・風呂設定温度が所定時間(たとえば、4時間)に渡って維持されるように追い焚き等を行う風呂の自動運転の機能を備えている。
【0030】
暖房システム8の給湯暖房熱源機10は、バーナによって加熱される給湯用の第1熱交換器11、および、追い焚きおよび暖房用の第2熱交換器12を有する。第1熱交換器11、第2熱交換器12はいずれも、顕熱熱交換器11a、12aと排気の潜熱を回収する潜熱熱交換器11b、12bを備えている。
【0031】
給湯管14の先に設けられた水栓が開かれると、給水元から供給される給水は、給水管13、第1熱交換器11の水管および給湯管14を経て出湯される。給水管13には、水量センサ15、水量を調整(制限)するための水量サーボ16などが設けてある。給水管13と給湯管14は、水量サーボ16の直ぐ下流でバイパス管17によって接続されており、バイパス管17の途中には、バイパス管17に流す水量を調整するバイパスサーボ18が設けてある。
【0032】
給湯管14には第1熱交換器41を出た直後の湯温を検出する熱交温度センサ21、バイパス管17からの給水が合流した後の湯温(出湯温度)を検出する給湯温度センサ22が設けてある。
【0033】
床暖房用の温水マット3に温水を循環させる暖房回路の戻り配管81から給湯暖房熱源機10に戻ってきた湯は、集合ヘッダ23、機内戻り管24、第2熱交換器12の潜熱熱交換器12b、大気開放のシスターン25、暖房用循環ポンプ26を経由し、一部は暖房用循環ポンプ26下流の分岐箇所から機内往き管27、熱動弁分岐ヘッダ28を経由して、暖房回路の往き配管(低温往き配管)82へと流れ出る。
【0034】
なお、集合ヘッダ23は、戻り配管81からの湯と暖房戻り管88からの湯を合流させて機内戻り管24に送り出す。熱動弁分岐ヘッダ28は、機内往き管27からの湯を往き配管82と暖房往き管87に分岐させる機能を有すると共に、往き配管82に送出するか否かを切り替える熱動弁と、暖房往き管87に送出するか否かを切り替える熱動弁を内蔵している。暖房往き管87や暖房戻り管88も暖房回路に含まれる。
【0035】
暖房用循環ポンプ26の下流の分岐箇所で分岐した他の一部の湯は第2熱交換器12の顕熱熱交換器12aを経由し、流量制御弁29、追い焚き用水-水熱交換器30の一次側水管、戻し配管31を経て、機内戻り管24の途中に合流する。追い焚き用水-水熱交換器30の一次側に流す湯量は流量制御弁29で調整される。
【0036】
追い焚き用水-水熱交換器30の二次側水管の入側に接続された追い焚き戻り管32には風呂流水スイッチ33、風呂循環ポンプ34が設けてあり、追い焚き用水-水熱交換器30の二次側水管の出側には追い焚き往き管35が接続されている。また、給湯温度センサ22の下流で給湯管14から分岐した注湯管36は追い焚き往き管35の途中に合流して接続されている。注湯管36の途中には、注湯管36を開閉する注湯弁37が設けてある。
【0037】
暖房回路の往き配管82は、リビングルーム等の床下に設置された床暖房用の温水マット3の入側に接続され、床暖房用の温水マット3の出側は水管83を経て、リビングルームの給気ダクト103内に設置された熱交換ユニット60の入側に接続され、該熱交換ユニット60の出側には戻り配管81が接続されている。戻り配管81は給湯暖房熱源機10の集合ヘッダ23に繋がっている。床暖房用の温水マット3の手前の往き配管82には切替弁84が介挿されている。切替弁84は、往き配管82を床暖房用の温水マット3の入側に接続するか、床暖房用の温水マット3をバイパスして水管83に接続するかを切り替える。切替弁84は、後述する制御部93からの制御信号に従って切り替わる。なお、切替弁84は手動で切り替えるタイプであってもよい。
【0038】
経路切替ユニット40の第1接続口には、寝室等の給気ダクト103に設けられた熱交換ユニット60の出側に一端が接続された熱交戻り管86の他端が接続されている。経路切替ユニット40の第2接続口には集合ヘッダ23の一の入口に一端が接続された暖房戻り管88の他端が接続されている。経路切替ユニット40の第3接続口には、給湯暖房熱源機10の熱動弁分岐ヘッダ28の一の出口に一端が接続された暖房往き管87の他端が接続され、経路切替ユニット40の第4接続口には、寝室等の給気ダクト103に設けられた熱交換ユニット60の入側に一端が接続された熱交往き管85の他端が接続されている。
【0039】
また、経路切替ユニット40の第5接続口には一端が浴槽5の循環金具の流入口に接続された風呂戻り管89の他端が接続され、第6接続口には、給湯暖房熱源機10の風呂循環ポンプ34の入側に一端が接続された追い焚き戻り管32の他端が接続されている。経路切替ユニット40の第7接続口には、一端が浴槽5の循環金具の流出口に接続された風呂往き管90の他端が接続されている。経路切替ユニット40の第8接続口には給湯暖房熱源機10の追い焚き用水-水熱交換器30の二次側水管の出側に一端が接続された追い焚き往き管35の他端が接続されている。
【0040】
なお、風呂戻り管89は、浴槽水を寝室の熱交換ユニット60に循環させる際には、経路切替ユニット40の内部で熱交往き管85に接続され、浴槽5と寝室の熱交換ユニット60の入側を接続する配管(請求項における熱交往き管)の一部になっている。風呂往き管90は、浴槽水を寝室の熱交換ユニット60に循環させる際には、経路切替ユニット40の内部で熱交戻り管86に接続され、浴槽5と寝室の熱交換ユニット60の出側を接続する配管(請求項における熱交戻り管)の一部になっている。
【0041】
経路切替ユニット40は、内部に、第1三方弁41、第2三方弁42、第3三方弁43、排水弁44、浴湯循環ポンプ45、第1逆止弁46、第2逆止弁47を備えている。各三方弁41~43および排水弁44はそれぞれ第1接続口と第2接続口と第3接続口を備え、第1接続口と第2接続口を連通させた第1第2連通側と、第1接続口と第3接続口を連通させた第1第3連通側に切り替えることができる。図中、各接続口にはそれぞれに対応する番号を付してある。
【0042】
経路切替ユニット40の第1接続口は、第1三方弁41の第1接続口に接続され、経路切替ユニット40の第2接続口は第1三方弁41の第3接続口に接続されている。経路切替ユニット40の第3接続口は、第2三方弁42の第3接続口に接続され、経路切替ユニット40の第4接続口は第2三方弁42の第1接続口に接続されている。
【0043】
経路切替ユニット40の第5接続口は、第3三方弁43の第1接続口に接続され、経路切替ユニット40の第6接続口は第3三方弁43の第3接続口に接続されている。経路切替ユニット40の第7接続口は、排水弁44の第2接続口に接続され、経路切替ユニット40の第8接続口は第2逆止弁47の入側に接続されている。
【0044】
第1三方弁41の第2接続口は、排水弁44の第1接続口に内部配管で接続されると共に、該内部配管は途中で分岐して第2逆止弁47の出側に接続されている。第2逆止弁47は、第1三方弁41の第2接続口側から経路切替ユニット40の第8接続口に向かう流れを阻止する。
【0045】
第2三方弁42の第2接続口は第3三方弁43の第2接続口に内部配管で接続され、該内部配管の途中に浴湯循環ポンプ45が介挿されている。浴湯循環ポンプ45は第3三方弁43の第2接続口側から第2三方弁42の第2接続口側に向けて送水する。第3三方弁43の第3接続口と浴湯循環ポンプ45の出側との間に第1逆止弁46が設けてある。第1逆止弁46は、浴湯循環ポンプ45の出側から第3三方弁43の第3接続口に向かう流れを阻止する。
【0046】
給湯暖房熱源機10は、各部の動作を制御する制御部93を備えている。制御部93は、CPU、ROM、RAM等を主要部とする回路で構成され、給湯暖房熱源機10、経路切替ユニット40、切替弁84(手動でない場合)の動作を制御する。制御部93には、ユーザから各種の操作を受け付ける機能および各種の情報を表示する機能を備えたリモコン97が接続されている。なお、制御部93をネットワークに接続可能とし、該ネットワークを通じて各ユーザの携帯型情報処理端末から遠隔操作を受けるようにしてもよい。携帯型情報処理端末は、ブラウザや暖房システム8に係るアプリケーションがインストールされたタブレットやスマートフォンなどでよい。
【0047】
暖房システム8の熱交換ユニット60は、
図17で示す24時間換気システムの給気ダクト103の中に設置される。暖房システム8は暖房回路を流れる温水や浴槽内にある暖かい浴槽水を熱交換ユニット60に循環させることで冬場の冷たい外気を少し温めてから室内に導入する機能を有する。熱交換ユニット60で外気を温めて室内に導入する機能を給気予熱機能とする。なお、浴槽5内の浴槽水を熱交換ユニット60に循環させて給気予熱を行えば、浴槽水の温度を下げる、風呂さまし機能が実現される。
【0048】
図2は、熱交換ユニット60を給気ダクト103に挿入した状態を示している。給気ダクト103の屋外側の入口には給気口カバー108が取り付けられている。給気口カバー108は、給気ダクト103の屋外側の入口の前に、該入口の前方と上方と下方を覆い且つ左右に貫通した通風路を形成しており、地面から建物の外壁に沿って下から吹き上げる風が給気ダクト103の中に直接入り込むことを防止する。
【0049】
図3は、熱交換ユニット60を示す斜視図である。熱交換ユニット60は、温水が通される熱交換器61と、熱交換器61の外縁と給気ダクト103の内壁との隙間を塞ぐ仕切り板62を有する。熱交換ユニット60の熱交換器61は、複数枚の扁平管63が間隔を持って積層された構造を有する。各扁平管63は、内部が空洞で矩形(ここでは略正方形)の薄い平板状を成している。各扁平管63の内部空洞(水路)の高さは0.6mm、内部空洞を構成する壁面の厚み(板厚)は各0.2mmであり、積層された扁平管23同士の間隔は2.2mmになっている。扁平管63の各サイズはこれに限定されるものではない。
【0050】
熱交換器61は、温水の流入口65と流出口66を備えており、流入口65に流入した温水は、積層された各扁平管63を通って流出口66から流出する。
【0051】
熱交換器61の構造をより詳細に説明する。
【0052】
矩形の各扁平管63は、その一方の対角線上に位置する2つの角部にそれぞれ接続部64を備えており、積層方向に隣り合う扁平管63同士は接続部64によって連結される。接続部64は、扁平管63の壁面から積層間隔の約2分の1の高さに突起した短い円筒状をなしており、接続部64のある位置の扁平管63の壁面(表裏の一方もしくは双方)には筒状の接続部64に通じる穴が開設されている。
【0053】
図4に示すように、本実施の形態では、扁平管63として、対角線上にある2つの接続部64の双方で表裏の壁面に穴が開設された貫通型扁平管63aと、対角線上にある2つの接続部64の双方で裏側の壁面に穴が開設され、表側の壁面は片側の接続部64にのみ対応する位置に穴が開設された片表型扁平管63bと、対角線上にある2つの接続部64の双方で表側の壁面に穴が開設され、裏側の壁面は片方の接続部64についてのみ対応する位置に穴が開設された片裏型扁平管63cの3種類を設けてあり、これらを組み合わせることで、各種の通水経路の熱交換器61を構成する。
【0054】
たとえば、
図5に示すように、上から、片表型扁平管63b×1、貫通型扁平管63a×2、片裏型扁平管63c×1、片表型扁平管63b×1、貫通型扁平管63a×2、片裏型扁平管63c×1のように積層すれば、図中の破線で示すように温水が流れる、一往復型の熱交換器が構成される。扁平管63の数が多い場合には、2往復型、3往復型…、とすることもできる。往復型の場合、流入口65と流出口66は同じ接続部側に形成される。
【0055】
一方、
図6に示すように、すべての扁平管63で同じ方向に温水が流れる並列型の熱交換器61を構成することも可能である。この例では、上から、片表型扁平管63b×1、貫通型扁平管63a×5、片裏型扁平管63c×1が積層されている。並列型の場合、流入口65は一方の接続部64に形成され、流出口66は他方の接続部64に形成される。往路、復路、往路のような構成も可能である。
【0056】
各扁平管63を積層することで隣り合う扁平管63の接続部64同士が接続して連結する。壁面に穴のある接続部64同士を接続すれば、その箇所で隣り合う扁平管63が接続部64を介して連通する。
【0057】
仕切り板62は、各扁平管63に直交しかつ給気ダクト103の延設方向に対して斜め方向を臨むように配置されている。ここでは、接続部64が配置された2つの角部を結ぶ対角線とは異なる方の対角線に沿って配置されている(
図3参照)。
【0058】
仕切り板62には、矩形の開口が形成され、その中に熱交換器61を収める。
【0059】
給気ダクト103の通路面積は仕切り板62の該開口の部分で最も小さくなる。仕切り板62を給気ダクト103の延設方向に直交して設けた場合、給気ダクト103が断面円形ならば、該仕切り板62の中に形成可能な最大サイズの矩形の開口は正方形になる。一方、仕切り板62を給気ダクト103の延設方向に対して斜めに配置すると、仕切り板62の外形が楕円形になるので、この楕円形の仕切り板62の中に形成可能な最大サイズの矩形の開口は長方形になり、前述の正方形の開口に比べて開口面積が大きくなる。その結果、給気ダクト103内の空気流が熱交換器61を通る際の通気抵抗を小さく抑えることができる。
【0060】
次に、暖房システム8の各種機能に係る動作を説明する。
【0061】
<給湯動作>
出湯栓が開かれて給湯暖房熱源機10の水量センサ15が通水を検出すると、制御部93は燃焼ファン(図示省略)をオンし、第1熱交換器11側のバーナを点火して燃焼ガスを燃焼させる。給水元から給水管13に流入する給水は、第1熱交換器11(顕熱熱交換器11aおよび潜熱熱交換器11b)を通る際に加熱され、さらにバイパスサーボ18で水量調整されたバイパス管17からの給水と混合され、設定温度の湯にされて給湯管14から出湯栓へと出湯される。
【0062】
<注湯動作>
注湯動作は、風呂の自動運転の開始やリモコン97等でユーザから注湯の指示を受けた場合に実行される。注湯動作では、制御部93は、注湯弁37を開くと共に燃焼ファンを作動させ、第1熱交換器11側のバーナを点火して燃焼ガスを燃焼させる。さらに、経路切替ユニット40の排水弁44を第1第2連通側(排水しない側)に、第3三方弁43を第1第3連通側に設定する。これにより、給湯動作と同様にして生成された湯が注湯管36を通じて追い焚き往き管35および追い焚き戻り管32に流れ込み、経路切替ユニット40内の第3三方弁43(第3接続口から第1接続口へ通過)、排水弁44(第1接続口から第2接続口へ通過)を経て、風呂戻り管89および風呂往き管90から浴槽5に落とし込まれる。なお、バーナを燃焼させずに上記の動作を行えば、給水を浴槽5に注ぎ込む注水動作となる。
【0063】
<追い焚き動作>
図7は、追い焚き動作における湯水の流れを示している。追い焚き動作は、風呂の自動運転の指示に基づいて上記の注湯動作が行われて設定水位に湯張りされた後、浴槽5内の浴槽水の温度を風呂設定温度まで昇温させるとき、あるいは、風呂の自動運転中に浴槽5内の湯水を風呂設定温度に維持するために昇温するとき、あるいは、リモコン97等でユーザから追い焚きの指示操作を受けた場合に実行される。
【0064】
追い焚き動作では、制御部93は、流量制御弁29を開き、暖房用循環ポンプ26を作動させると共に、燃焼ファンを作動させ、第2熱交換器12側のバーナを点火して燃焼ガスを燃焼させる。これにより、シスターン25から暖房用循環ポンプ26、第2熱交換器12の顕熱熱交換器12a、流量制御弁29、追い焚き用水-水熱交換器30の一次側、戻し配管31、機内戻り管24、第2熱交換器12の潜熱熱交換器12bを経てシスターン25に戻る回路に湯水が循環する。循環する湯水は第2熱交換器12を通る際に昇温される。
【0065】
さらにこの動作と共に、浴槽5内の湯を追い焚き用水-水熱交換器30の二次側に循環させる動作を行う。詳細には、経路切替ユニット40の排水弁44を第1第2連通側(排水しない側)に、第3三方弁43を第1第3連通側に設定し、給湯暖房熱源機10の風呂循環ポンプ34を作動させる。これにより、浴槽5から風呂戻り管89、経路切替ユニット40内の第3三方弁43、追い焚き戻り管32、風呂循環ポンプ34、風呂流水スイッチ33、追い焚き用水-水熱交換器30の二次側、追い焚き往き管35、経路切替ユニット40内の第2逆止弁47および排水弁44、風呂往き管90を通って浴槽5に戻るように浴槽水が循環する。浴槽水は、追い焚き用水-水熱交換器30の二次側を通る際に、追い焚き用水-水熱交換器30の一次側を循環する湯と熱交換して昇温される。
【0066】
<給気予熱動作>
給気予熱動作には以下の(1)~(6)に示す各種の動作がある。
【0067】
(1)床暖房用の温水マット3で暖房動作を行いながらリビングルームの熱交換ユニット60で給気予熱を行う
図8は、上記の場合の湯水の流れを示している。この動作は、たとえば、寒い夜の帰宅直後にリビングを床暖房用の温水マット3で暖房する際等に行われる。
【0068】
制御部93は、暖房回路の往き配管82と床暖房用の温水マット3の入側が通じるように切替弁84を設定し、流量制御弁29を閉じ、熱動弁分岐ヘッダ28の往き配管82側の熱動弁を開き、暖房用循環ポンプ26を作動させ、第2熱交換器12側のバーナで第2熱交換器12の中を流れる湯水を昇温する。これにより、暖房用循環ポンプ26から送り出された湯水は、機内往き管27、熱動弁分岐ヘッダ28、往き配管82、床暖房用の温水マット3、水管83、リビングルームの熱交換ユニット60、戻り配管81、集合ヘッダ23、機内戻り管24、第2熱交換器12の潜熱熱交換器12b、シスターン25、暖房用循環ポンプ26の吸い込み側に戻るように循環する。また、暖房回路を循環する温水の温度を高めるために、暖房用循環ポンプ26から送り出された湯の一部は第2熱交換器12の顕熱熱交換器12aで昇温されてシスターン25に入るように流れる。
【0069】
(2)床暖房用の温水マット3による暖房は行わずに、リビングルームの熱交換ユニット60で給気予熱を行う
図9は、上記の場合の湯水の流れを示している。この動作は、たとえば、(1)の動作で部屋が十分に暖まった後に行われる。部屋が暖まっても、外気は冷たいので、給気予熱は継続して行う。
【0070】
制御部93は、往き配管82からの温水が床暖房用の温水マット3をバイパスするように切替弁84を設定し、流量制御弁29を閉じ、熱動弁分岐ヘッダ28の往き配管82側の熱動弁を開き、暖房用循環ポンプ26を作動させ、第2熱交換器12側のバーナで第2熱交換器12の中を流れる湯水を昇温する。これにより、暖房用循環ポンプ26から送り出された湯は、機内往き管27、熱動弁分岐ヘッダ28、往き配管82、切替弁84、水管83、リビングルームの熱交換ユニット60、戻り配管81、集合ヘッダ23、機内戻り管24、第2熱交換器12の潜熱熱交換器12b、シスターン25、暖房用循環ポンプ26の吸い込み側に戻るように循環する。また、暖房回路を循環する温水の温度を高めるために、暖房用循環ポンプ26から送り出された湯の一部は第2熱交換器12の顕熱熱交換器12aで昇温されてシスターン25に入るように流れる。
【0071】
(3)床暖房用の温水マット3による暖房は行わずに、リビングルームの熱交換ユニット60と寝室等の熱交換ユニット60で給気予熱を行う
図10は、上記の場合の湯水の流れを示している。この動作は、(2)の動作では暖房負荷が小さ過ぎて給湯暖房熱源機10の熱効率が著しく低下する場合に、寝室等の熱交換ユニット60にも温水を流して暖房負荷を増やして熱の有効利用を図る、といった場合に行われる。
【0072】
制御部93は、往き配管82からの温水が床暖房用の温水マット3をバイパスするように切替弁84を設定し、流量制御弁29を閉じ、熱動弁分岐ヘッダ28の往き配管82側の熱動弁および暖房往き管87側の熱動弁を開き、さらに経路切替ユニット40の第1三方弁41を第1第3連通側、第2三方弁42を第1第3連通側に設定し、暖房用循環ポンプ26を作動させ、第2熱交換器12側のバーナで第2熱交換器12の中を流れる湯水を昇温する。これにより、暖房用循環ポンプ26から送り出された湯は、機内往き管27から熱動弁分岐ヘッダ28に入り、その一部は往き配管82、切替弁84、水管83、リビングルームの熱交換ユニット60、戻り配管81、集合ヘッダ23、機内戻り管24、第2熱交換器12の潜熱熱交換器12b、シスターン25、暖房用循環ポンプ26の吸い込み側に戻るように循環する。
【0073】
また、熱動弁分岐ヘッダ28で分岐して暖房往き管87側に流れた湯は、経路切替ユニット40内の第2三方弁42を経て、熱交往き管85、寝室の熱交換ユニット60、熱交戻り管86を流れ、さらに経路切替ユニット40内の第1三方弁41を経て、暖房戻り管88から集合ヘッダ23に戻るように流れる。なお、暖房回路を循環する温水の温度を高めるために、暖房用循環ポンプ26から送り出された湯の一部は第2熱交換器12の顕熱熱交換器12aで昇温されてシスターン25に入るように流れる。
【0074】
(4)暖房回路の温水を循環させて寝室等の熱交換ユニット60で給気予熱を行う
図11は、上記の場合の湯水の流れを示している。この動作は、たとえば、寝室で就寝中に行われる。
【0075】
制御部93は、流量制御弁29を閉じ、熱動弁分岐ヘッダ28の暖房往き管87の熱動弁を開き、経路切替ユニット40の第1三方弁41を第1第3連通側、第2三方弁42を第1第3連通側に設定し、暖房用循環ポンプ26を作動させ、第2熱交換器12側のバーナで第2熱交換器12の中を流れる湯水を昇温する。これにより、暖房用循環ポンプ26から送り出された湯は、機内往き管27から熱動弁分岐ヘッダ28、暖房往き管87、経路切替ユニット40内の第2三方弁42を経て、熱交往き管85、寝室の熱交換ユニット60、熱交戻り管86を流れ、さらに経路切替ユニット40内の第1三方弁41を経て、暖房戻り管88から集合ヘッダ23に入り、機内戻り管24、第2熱交換器12の潜熱熱交換器12b、シスターン25、暖房用循環ポンプ26の吸い込み側に戻るように循環する。また、暖房回路を循環する温水の温度を高めるために、暖房用循環ポンプ26から送り出された湯の一部は第2熱交換器12の顕熱熱交換器12aで昇温されてシスターン25に入るように流れる。
【0076】
(5)浴槽水を循環させて寝室等の熱交換ユニット60で給気予熱を行う
図12は、上記の場合の湯水の流れを示している。この動作は、外気を温めて寝室に導入する暖房目的で行われるほか、浴槽5内の浴槽水の温度を強制的に下げる風呂さまし機能に係る動作としても実行される。
【0077】
制御部93は、経路切替ユニット40の第1三方弁41、第2三方弁42.第3三方弁43、排水弁44をすべて第1第2連通側に設定し、浴湯循環ポンプ45を作動させる。これにより、浴槽5内の浴槽水は、浴槽5から風呂戻り管89、経路切替ユニット40内の第3三方弁43、浴湯循環ポンプ45、第2三方弁42を経由し、さらに熱交往き管85、寝室の熱交換ユニット60、熱交戻り管86、経路切替ユニット40内の第1三方弁41、排水弁44を経て、風呂往き管90から浴槽5に戻るように循環する。
【0078】
(6)浴槽水を循環させて寝室等の熱交換ユニット60で給気予熱を行うと共に、床暖房用の温水マット3で暖房動作を行いながらリビングルームの熱交換ユニット60でも給気予熱を行う。
【0079】
これは(1)と(5)の動作を並行動作させるものである。(2)と(5)の動作を並行動作させることも可能である。
【0080】
図13は上記の場合の湯水の流れを示している。制御部93は、暖房回路の往き配管82と床暖房用の温水マット3の入側が通じるように切替弁84を設定し、流量制御弁29を閉じ、熱動弁分岐ヘッダ28の往き配管82側の熱動弁を開き、暖房用循環ポンプ26を作動させ、第2熱交換器12側のバーナで第2熱交換器12の中を流れる湯水を昇温する。さらに、制御部93は、経路切替ユニット40の第1三方弁41、第2三方弁42.第3三方弁43、排水弁44をすべて第1第2連通側に設定し、浴湯循環ポンプ45を作動させる。
【0081】
これらにより、暖房用循環ポンプ26から送り出された湯水は、機内往き管27、熱動弁分岐ヘッダ28、往き配管82、床暖房用の温水マット3、水管83、リビングルームの熱交換ユニット60、戻り配管81、集合ヘッダ23、機内戻り管24、第2熱交換器12の潜熱熱交換器12b、シスターン25、暖房用循環ポンプ26の吸い込み側に戻るように循環する。また、暖房回路を循環する温水の温度を高めるために、暖房用循環ポンプ26から送り出された湯の一部は第2熱交換器12の顕熱熱交換器12aで昇温されてシスターン25に入るように流れる。
【0082】
また、浴槽5内の浴槽水は、浴槽5から風呂戻り管89、経路切替ユニット40内の第3三方弁43、浴湯循環ポンプ45、第2三方弁42を経由し、さらに熱交往き管85、寝室の熱交換ユニット60、熱交戻り管86、経路切替ユニット40内の第1三方弁41、排水弁44を経て、風呂往き管90から浴槽5に戻るように循環する。
【0083】
次に、熱交往き管85、寝室側の熱交換ユニット60、熱交戻り管86等の配管内の温水を排水する排水制御について説明する。
【0084】
寝室等の熱交換ユニット60を用いた給気予熱には、暖房回路の温水を用いて行う前述の(3)(4)の動作(
図10、
図11)と、浴槽水を用いて行う前述の(5)(6)の動作(
図12、
図13)があり、これらを切り替えて実施することができる。
【0085】
たとえば、暖房回路の温水を用いる(4)の動作(
図11)を行っているときに、入浴中のユーザから風呂さまし機能の実行要求を受けると(5)の動作(
図12)への切り替える、あるいは、(4)の動作で給気予熱を行っていたが、風呂の自動運転が終了したので、その後は浴槽水を用いた(5)の動作に切り替える。このとき、切替前に熱交換ユニット60を流れていた暖房回路の温水が浴槽5に流れ込むのは好ましくない。そこで、熱交換ユニット60を含む循環経路内の温水(暖房回路側の温水)を外部に排水しながら浴槽水に入れ替える第1排水制御を行う。
【0086】
図14は、第1排水制御を行うときの湯水の流れを示している。制御部93は、
図11に示す(4)の動作から、
図14に示す第1排水制御を所定時間行ってから
図12に示す(5)の動作へ切り替える。第1排水制御では、制御部93は、経路切替ユニット40の第1三方弁41、第2三方弁42.第3三方弁43を第1第2連通側に設定し、排水弁44を第1第3連通状態(排水側)に設定した後、浴湯循環ポンプ45を所定時間作動させる。
【0087】
これにより、浴槽5内の浴槽水は、浴槽5から風呂戻り管89、経路切替ユニット40内の第3三方弁43、浴湯循環ポンプ45、第2三方弁42を経由し、さらに熱交往き管85、寝室の熱交換ユニット60、熱交戻り管86、経路切替ユニット40内の第1三方弁41、排水弁44を経て、排水口に排水される。この動作により、それまで上記の経路内にあった暖房回路の温水が排水されて浴槽水に入れ替わる。上記第1排水制御は、少なくとも浴槽水が排水弁44から排水され始めるまで行う。経路長と浴湯循環ポンプ45の送出量とから排水に必要な時間を算出すればよい。
【0088】
第1排水制御を行った後、制御部93は排水弁44を第1第2連通状態に切り替える。これにより(5)の動作による給気予熱が開始される。このように(4)の動作の経路から、経路切替ユニット40の第1三方弁41、第2三方弁42.第3三方弁43を第1第2連通側に切り替えた後に浴湯循環ポンプ45を作動させるときの最初の所定時間は排水弁44を排水側に設定することで、浴槽5に暖房回路の温水が流れ込むことが防止される。
【0089】
次に、第2排水制御について説明する。制御部93は、給気予熱を
図12に示す(5)の動作から
図11に示す(4)の動作に切り替える場合に第2排水制御を行う。たとえば、風呂の自動運転終了後の残り湯を利用して(5)の動作による給気予熱を行った翌日の昼等に給気予熱を稼動させる場合は、浴槽5に温かい湯がないので、暖房回路の温水を利用した(4)の動作で給気予熱を行うことになる。この場合、昨夜の(5)の動作による給気予熱で循環させた浴槽水が熱交換ユニット60およびその前後の熱交往き管85、熱交戻り管86に残っているため、そのまま(4)の動作を開始すると、管内に残っていた浴槽水が暖房回路に流れ込むので好ましくない。そこで、第2排水制御を行って、管内に残っている浴槽水を排水口から排水してから(4)の動作に切り替える。
【0090】
図15は、第2排水制御を行うときの湯水の流れを示している。制御部93は、流量制御弁29を閉じ、熱動弁分岐ヘッダ28の暖房往き管87側の熱動弁を開き、経路切替ユニット40の第1三方弁41を第1第2連通側、第2三方弁42を第1第3連通側、排水弁44を第1第3連通側(排水側)に設定して、暖房用循環ポンプ26を作動させる。
【0091】
これにより、シスターン25内の水が暖房用循環ポンプ26、機内往き管27、熱動弁分岐ヘッダ28、暖房往き管87、経路切替ユニット40内の第2三方弁42、熱交往き管85、寝室側の熱交換ユニット60、熱交戻り管86、経路切替ユニット40内の第1三方弁41、排水弁44を経て排水口に排水される。これにより、熱交換ユニット60や熱交戻り管86、暖房往き管87等に残っていた浴槽水がシスターン25からの水に置き換えられる。なお、シスターン25には、シスターン25内の水位が一定になるように給水が自動的に補給される。
【0092】
次に、第3排水制御について説明する。寝室の熱交換ユニット60を使用した給気予熱を冬になって初めて使う場合は、去年の給気予熱で使用した浴槽水もしくは暖房回路の温水が熱交換ユニット60や給気予熱に係る通水経路に残っている。そこで、第3排水制御では、給気予熱に関連する通水経路をすべて綺麗な給水で洗浄する。制御部93は、シーズン最初の給気予熱を行う前等に第3排水制御を実行する。
【0093】
図16は、第3排水制御を行うときの湯水の流れを示している。第3排水制御では、給湯暖房熱源機10が有する浴槽5への注水機能を利用する。制御部93は、経路切替ユニット40の第1三方弁41、第2三方弁42、第3三方弁43,排水弁44をすべて第1第2連通側に設定し、注湯弁37を開いて注水する。これにより、給水元から供給される給水が第1熱交換器11、バイパス管17および注湯管36、注湯弁37を通じて追い焚き往き管35に流れ込む。追い焚き往き管35に流れ込んだ給水の一部は、追い焚き往き管35を通じて経路切替ユニット40の第8接続口へ向かい、第2逆止弁47を通過した後に分岐し、一方は排水弁44、風呂往き管90を通って浴槽5に流れ込む。分岐した他方は第1三方弁41の第2接続口へ向かい、該第1三方弁41の第1接続口から出て、熱交戻り管86、熱交換ユニット60、熱交往き管85を、給気予熱を行う場合の逆方向に流れた後、経路切替ユニット40内の第2三方弁42、浴湯循環ポンプ45、第3三方弁43を経由し、風呂戻り管89から浴槽5へと流れ出る。熱交換ユニット60に給気予熱を行うときとは逆方向に給水を流すことで、熱交換ユニット60の詰まりや付着物を取り除くことができる。
【0094】
注湯管36から追い焚き往き管35に流れ込んだ給水の他の一部は、追い焚き用水-水熱交換器30の二次側水管側に流れ、風呂流水スイッチ33、風呂循環ポンプ34を経て、追い焚き戻り管32から経路切替ユニット40の第6接続口に至り、さらに経路切替ユニット40内の第1逆止弁46を通った後、第2三方弁42側からの給水と合流して、浴湯循環ポンプ45側に流れ、浴湯循環ポンプ45、第3三方弁43、風呂戻り管89を通じて浴槽5へ流れ出る。
【0095】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0096】
実施の形態で示した熱交換ユニット60は一例である。扁平管63を使用しないフィン・チューブタイプであってもよい。また、給気予熱で使用する熱交換器は、給気ダクト103の中に挿入するタイプが望ましいが、給気口に設置されればよく、たとえば、給気ダクトの屋外側の入口の前等に取り付けられてもよい。
【0097】
配管の経路や経路切替ユニット40の内部構造は実施の形態で示したものに限定されない。また、本発明は暖房システム8における経路切替ユニット40単独であってもよく、該経路切替ユニット40を既存の給湯暖房熱源機10等と組み合わせて暖房システム8を構成してもよい。
【符号の説明】
【0098】
3…暖房用放熱器(床暖房用の温水マット)
5…浴槽
8…暖房システム
10…給湯暖房熱源機
11…第1熱交換器
11a…第1熱交換器の顕熱熱交換器
11b…第1熱交換器の潜熱熱交換器
12…第2熱交換器
12a…第2熱交換器の顕熱熱交換器
12b…第2熱交換器の潜熱熱交換器
13…給水管
14…給湯管
15…水量センサ
16…水量サーボ
17…バイパス管
18…バイパスサーボ
21…熱交温度センサ
22…給湯温度センサ
23…集合ヘッダ
24…機内戻り管
25…シスターン
26…暖房用循環ポンプ
27…機内往き管
28…熱動弁分岐ヘッダ
29…流量制御弁
30…追い焚き用水-水熱交換器
31…戻し配管
32…追い焚き戻り管
33…風呂流水スイッチ
34…風呂循環ポンプ
35…追い焚き往き管
36…注湯管
37…注湯弁
40…経路切替ユニット
41…第1三方弁
42…第2三方弁
43…第3三方弁
44…排水弁
45…浴湯循環ポンプ
46…第1逆止弁
47…第2逆止弁
60…熱交換ユニット
61…熱交換器
62…仕切り板
63…扁平管
63a…貫通型扁平管
63b…片表型扁平管
63c…片裏型扁平管
64…接続部
65…流入口
66…流出口
81…戻り配管
82…往き配管
83…水管
84…切替弁
85…熱交往き管
86…熱交戻り管
87…暖房往き管
88…暖房戻り管
89…風呂戻り管
90…風呂往き管
93…制御部
97…リモコン
101…換気ファン
102…吸込口
103…給気口(給気ダクト)
104…排気口
108…給気口カバー
110…熱交換器