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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   F41J 1/10 20060101AFI20220905BHJP
   A63F 9/02 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
F41J1/10
A63F9/02 B
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018098948
(22)【出願日】2018-05-23
(65)【公開番号】P2019203642
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】310009993
【氏名又は名称】株式会社タイトー
(73)【特許権者】
【識別番号】512198660
【氏名又は名称】株式会社エイテック
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】多賀 信一郎
(72)【発明者】
【氏名】星谷 淳
(72)【発明者】
【氏名】大塚 浩平
(72)【発明者】
【氏名】木下 昌也
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 和彦
(72)【発明者】
【氏名】福岡 麗
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 秀平
(72)【発明者】
【氏名】葛西 亨
(72)【発明者】
【氏名】湯上 大
(72)【発明者】
【氏名】山口 信弘
(72)【発明者】
【氏名】鶴身 豊弘
(72)【発明者】
【氏名】永井 克己
【審査官】川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-90037(JP,A)
【文献】米国特許第9528798(US,B1)
【文献】特開2003-265854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41J 1/00
F41J 1/10
F41J 13/00
A63F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛翔物体を導入する開口部が形成された筐体と、
前記開口部の内側に設けられた前記飛翔物体が衝突されるシート状部材を支持するための枠状の支持部材と、
前記支持部材の1対の対辺のそれぞれに対して着脱可能に設けられた直線状に形成された2本の脱着枠部材であって、取り外した状態において前記シート状部材の対辺のそれぞれ端部近傍に、長手方向を前記シート状部材の辺に沿って固定し、前記シート状部材固定した状態で前記支持部材の枠に長手方向を合わせて密着させてそれぞれ取り付け可能にした脱着部材と
を有するゲーム装置。
【請求項2】
前記開口部の内側に設けられた標的をさらに有し、
前記支持部材は、前記標的の外周に沿って形成され、前記標的の表示面に近接させた位置で前記シート状部材を支持するように設けられた請求項1記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記支持部材は、
前面側と側面側の面が直角をなす形状に形成され、
前記脱着部材は、
長手方向に垂直な方向で切断した断面形状が、第1部材と第2部材とにより直角を形成し、
前記第1部材が前記シート状部材に固定されると共に、前記第1部材が前記支持部材の前面側に取り付けられ、前記第2部材が前記支持部材の側面側に取り付けられる請求項1または請求項2記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム用銃器等を使用した射撃ゲームに好適なゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム用銃器である例えばエアソフトガンを使用した射撃競技やゲーム等が実施されている。エアソフトガンは、プラスチックまたは生分解プラスチック等により生成された球状の弾丸(BB(Ball Bullet)弾など)を、例えば低圧の圧縮空気などで発射する機構を有している。射撃競技では、エアソフトガンを使用して標的に対して射撃し、標的に着弾した位置などに応じて得られる得点(スコア)を競う。
【0003】
特許文献1には、射撃競技で使用される標的システムについて記載されている。引用文献1の標的システムでは、ディスプレイに標的画像を表示させ、ディスプレイの前方において略垂直となるように張った状態で平面的に固定した標的板を設けている。標的板は、ディスプレイに表示された標的画像を透過させ、標的画像に向かってエアソフトガンにより発射されたBB弾の衝突を受け止め得る板状の部材により形成される。標的板は、全体的に平坦となるように、すなわち撓みが生じないように、上下端及び左右端が筐体の内面に対して前面側から固定されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-90037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された従来技術では、標的板を上下端及び左右端が筐体の内面に対して前面側から固定されるようにしている。標的板は、BB弾の衝突を受け止めることにより劣化するため、適宜、交換する必要がある。このため、標的板の交換時には、簡単な作業によって、張った状態で平面的に固定できることが望ましい。
【0006】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、飛翔物体が衝突されるシート状部材を、簡単な作業によって、張った状態で平面的に固定することが可能なゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明のゲーム装置は、飛翔物体を導入する開口部が形成された筐体と、前記開口部の内側に設けられた前記飛翔物体が衝突されるシート状部材を支持するための枠状の支持部材と、前記支持部材の1対の対辺のそれぞれに対して着脱可能に設けられた直線状に形成された2本の脱着枠部材であって、取り外した状態において前記シート状部材の対辺のそれぞれ端部近傍に、長手方向を前記シート状部材の辺に沿って固定し、前記シート状部材固定した状態で前記支持部材の枠に長手方向を合わせて密着させてそれぞれ取り付け可能にした脱着部材とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、飛翔物体が衝突されるシート状部材を、簡単な作業によって、張った状態で平面的に固定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図。
図2】本実施形態におけるゲーム装置20の機能構成を示すブロック図。
図3】本実施形態におけるゲームサーバ10において管理される会員データの一例を示す図。
図4】本実施形態におけるゲームサーバ10において管理される管理制御データの一例を示す図。
図5】本実施形態におけるゲーム装置20の斜視図。
図6】本実施形態におけるゲーム装置20の正面図及び側面図。
図7】ディスプレイ34とシート状部材72の前後関係を示す側面図。
図8】下部筐体50の上部周辺を示す斜視図。
図9】上部側面用衝撃吸収部材70Lと構造体との間に形成される隙間71Lの周辺を平面的に示す図。
図10】ゲーム装置20に対してエアソフトガンから発射されたBB弾の到達範囲を示す図。
図11】支持部材76とシート状部材72との対応を示す図。
図12】シート状部材72が複数のビス78により固定された脱着枠部材77Rと、右辺支持部材76Rとを示す斜視図。
図13】シート状部材72が固定された脱着枠部材77L,77Rの支持部材76(左辺支持部材76L、右辺支持部材76R)への取り付け行程を示す図。
図14】衝撃吸収物体保持部材53の構成を説明するための斜視図。
図15】エアソフトガンからのBB弾が直接、衝撃吸収物体保持部材53に着弾した状況を示す図。
図16】衝撃吸収物体保持部材53によるBB弾の捕集の様子を示す図。
図17】本実施形態におけるゲーム装置20の変形例を示す図。
図18】シート状部材72と音響センサ48-1~との関係を示す図。
図19】本実施形態におけるゲーム装置20のゲーム制御処理を示すフローチャート。
図20】ゲーム制御処理中のゲーム処理を示すフローチャート。
図21】エアソフトガンの取り扱い注意画面SC1と選択画面SC2の一例を示す図。
図22】ガイダンス画面SC3と会員認証確認画面SC4の一例を示す図。
図23】ゲーム選択画面SC5の一例を示す図。
図24】ターゲット(標的画像)の一例を示す図。
図25】ゲーム結果画面SC6,SC7の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるゲームシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態におけるゲームシステムでは、ゲームサーバ10がインターネット等を含むネットワーク12を介して、全国に存在する複数の店舗14-1,…,14-xのシステムと接続されている。
【0011】
例えば、店舗14-1では、複数(図1では8台)のゲーム装置20がLAN(Local Area Network)などのネットワークを介して相互に接続されている。また、複数のゲーム装置20は、ホスト装置21を介して、ネットワーク12と接続される。従って、ゲーム装置20は、ゲームサーバ10との通信が可能であり、各種のデータを送受信することができる。なお、ゲーム装置20が、直接、ネットワーク12を通じてゲームサーバ10と通信できるようにした構成でも良い。
【0012】
なお、図1では、店舗14-1に8台のゲーム装置20が設けられた例を示しているが、店舗14-2,…,14-xには1台以上のゲーム装置20が設けられているものとする。
【0013】
店舗14-1,…,14-xのゲーム装置20は、ゲームサーバ10に記憶されたデータを受信し、またゲームを実行することで、ゲーム結果等を含むプレーヤデータをゲームサーバ10にアップロードして記憶させることができる。
【0014】
なお、本実施形態におけるゲーム装置20は、ゲーム用銃器である例えばエアソフトガンを使用したガンシューティングゲームを実施するものとする。エアソフトガンは、プラスチックまたは生分解プラスチック等により生成された球状の弾丸(以下、BB弾と称する)を、例えば低圧の圧縮空気などで発射する機構を有している。ゲーム装置20は、標的とする画像をディスプレイに表示し、標的に対してエアソフトガンから発射されたBB弾の着弾位置、標的の表示から着弾までの時間などを検出して評価値を算出する。
【0015】
ゲームサーバ10は、ゲーム装置20の利用者(プレーヤ)に対して、各種サービスを提供するための処理を実行する。ゲームサーバ10は、携帯端末16を通じたプレーヤの会員登録、会員別の情報(会員データ)の管理、携帯端末16を通じたプレーヤに対する各種情報の提供処理などを実行する。ゲームサーバ10から携帯端末16に提供される各種情報には、例えば、会員のランキング、ステージ追加などのゲーム内容の更新情報、イベント情報、ゲーム装置20を設置する店舗場所情報などがある。ゲームサーバ10は、会員登録されたプレーヤ毎に、会員固有の識別データ(会員コード)と対応づけて、各種サービスを提供するための各種データを記憶する(図3参照)。また、ゲームサーバ10は、複数の店舗14に設置されたゲーム装置20を一括管理/制御するための管理制御データを記憶する。管理制御データには、ゲーム装置20において使用されたエアソフトガンのBB弾の弾速あるいはエネルギーの少なくとも一方をもとにゲーム制御を変更するために、弾速あるいはエネルギーに対する基準値、基準値を超えた場合に実行される処理内容が設定される(図4参照)。
【0016】
ホスト装置21は、店舗14に設置された複数のゲーム装置20を管理する。ホスト装置21は、ゲーム装置20の動作状況を管理し、またゲーム制御のためのデータをゲーム装置20に設定することができる。また、ホスト装置21は、ゲーム装置20の動作状況に応じて、店舗14にいる従業員等が所持している携帯端末16と無線LAN(Local Area Network)などを介して無線通信することができる。
【0017】
携帯端末16は、例えばゲーム装置20を利用するプレーヤあるいは店舗14の従業員が所持する電子機器であって、例えばスマートフォン、スレートPC、携帯電話機、携帯型ゲーム機などにより実現される。携帯端末16は、ネットワーク12を介して、ゲームサーバ10と通信してゲームに関する各種情報を送受信することができる。携帯端末16は、例えばゲーム装置20を利用するための特定のアプリケーションプログラム(以下、ゲームアプリと称する)を実行することで、ゲームサーバ10が提供するサービスを利用することができる。また、店舗内の従業員が所持する携帯端末16は、ゲーム装置20あるいはホスト装置21との間で、無線LANなどを介して無線通信することができる。例えば、従業員が所持する携帯端末16は、ゲーム装置20において、不適切なエアソフトガン、例えば、予め設定された基準値を超える弾速あるいはエネルギーのエアソフトガンの利用が検出された場合に、ゲーム装置20あるいはホスト装置21からメッセージを受信して、表示、音声、あるいはバイブレータなどにより出力し、従業員に通知することができる。
【0018】
図2は、ゲーム装置20の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、ゲーム装置20は、プロセッサ30、メモリ31、記憶装置32、ディスプレイコントローラ33、ディスプレイ34、サウンドコントローラ35、複数のスピーカ36(36-1,…,36-m)、ライティングコントローラ37、複数のライト38(38-1,…,38-n)、電子マネーユニット39、通信ユニット42、入力インタフェース43、コインセンサ44、カードリーダ45、カメラユニット46、センサ信号処理ユニット47、複数の音響センサ48(48-1,…,48-4)、ボタンセンサ49を有している。
【0019】
プロセッサ30は、ゲーム装置20全体の制御を司るもので、メモリ31に記憶された基本プログラム(OS(Operating System))や各種アプリケーションプログラム(記憶装置32から読み出されるゲームプログラム32a、位置検出プログラム32bを含む)を実行することで各部を制御する。プロセッサ30は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)により実現される。プロセッサ30は、メモリ31に記憶されたゲームプログラム32aを実行することで、シューティングゲームを実現するためのゲーム制御処理をする。また、プロセッサ30は、メモリ31に記憶された位置検出プログラム32bを実行することで、後述するセンサ信号処理ユニット47からのデータをもとに、BB弾の衝突検出面に対する衝突を検出し、エアソフトガンから発射されたBB弾の着弾位置、弾速(射速)、運動エネルギーなどを算出する。プロセッサ30は、位置検出プログラム32bの処理により検出された着弾位置、弾速、エネルギーのデータをもとにゲームを制御する。
【0020】
メモリ31は、ゲーム装置20において実行されるゲームを制御するためのプログラムやデータを記憶する。メモリ31に記憶されるプログラムには、記憶装置32から読み出された基本プログラムの他、ゲーム装置20においてゲームを実行するためのゲームプログラム32a、位置検出プログラム32Bが含まれる。また、メモリ31に記憶されるデータには、ゲーム装置20でゲームをプレイするプレーヤの会員データ31a、ゲーム実行の結果等を示すゲームプレイデータ31b、記憶装置32から読み出される実行対象とするシューティングゲームのゲームデータ、ゲーム制御に用いられる管理制御データ(後述する)などが含まれる。会員データ31aは、カードリーダ45によって読み取られた会員コードをもとにゲームサーバ10から受信されるデータである。ゲームプレイデータ31bは、ゲーム実行中のエアソフトガンにより発射されたBB弾の着弾のデータ(着弾位置、弾速、エネルギーなど)、着弾に応じた評価値(スコア、命中率、集中力、俊敏性、判断力など)などが含まれる。
【0021】
記憶装置32は、ハードディスクなどの不揮発性の記憶媒体にプログラムやデータを記憶する。記憶装置32に記憶されるプログラムには、例えば基本プログラムの他、ゲームプログラム32a、位置検出プログラム32b、ゲームデータ32cなどが含まれる。ゲームデータ32cは、ゲーム装置20により実行可能な複数の異なるシューティングゲームのデータ(標的など)を含む。
【0022】
ディスプレイコントローラ33は、プロセッサ30の制御のもとで、ディスプレイ34における表示を制御する。ディスプレイ34は、例えば55インチのLCD(Liquid Crystal Display)が使用され、各種設定画面、ゲーム実行時の標的などを含むゲーム画面、プレーヤや従業員に対する警告メッセージ等の表示に用いられる。ディスプレイ34の表示面の前方には、略垂直となるように張った状態で平面的に固定したシート状部材(図7に示すシート状部材72として示す)が配置される。シート状部材は、例えば軟質の透明な部材(例えば、厚み2.0mmの軟質の塩化ビニル樹脂など)が用いられる。従って、ディスプレイ34に表示された標的等は、シート状部材を介してプレーヤにより視認される。エアソフトガンから発射されたBB弾は、標的等が表示されるディスプレイ34の表示面ではなく、ディスプレイ34の前面のシート状部材に着弾する。
【0023】
サウンドコントローラ35は、プロセッサ30の制御のもとで、複数のスピーカ36-1,…,36-mからの音声出力を制御する。スピーカ36-1,…,36-mは、例えば操作ガイダンス音声、ゲーム中のBB弾の着弾音、BGM(back ground music)、プレーヤや従業員に対する警告等のメッセージ音声などの出力に用いられる。
【0024】
ライティングコントローラ37は、プロセッサ30の制御のもとで、複数のライト38(38-1,…,38-n)やLEDパネル(図示せず)の点灯/点滅等を制御する。例えば、ライティングコントローラ37は、ゲーム状況に応じてライト38の点灯や点滅、LEDパネルの表示パターンや色を変化させることができる。複数のライト38には、例えばレーザーライト(レーザーポインタ)などのように、光の照射位置(ポイント)あるいは照射範囲が明確に視認できるライトを含む。
【0025】
レーザーライトは、例えばゲーム装置20の前面方向の予め決められた距離の位置あるいは範囲を照射するように設けられており、エアソフトガンを操作するプレーヤに対して立ち位置を提示することができる。例えば、ゲーム装置20のディスプレイ34の前面に配置されるシート状部材(BB弾の着弾面)から250cm以上離れた位置からエアソフトガンによる射撃が定められたシューティングゲームを実行する場合、レーザーライトによってシート状部材から250cmの位置にレーザ光を照射する。なお、シューティングゲームの種類に応じて射撃位置が異なる場合には、実行されるシューティングゲームに応じてレーザ光の照射位置を変更することができる。例えば、1つのレーザーライトによって照射位置が異なるレーザ光を照射しても良いし、複数のそれぞれ異なる照射位置のレーザーライトを設けて切り替えるようにしても良い。
【0026】
レーザーライト(レーザーポインタ)は、プレーヤ等やゲーム装置20の周囲にいる他者の安全を守るため、例えば光強度をクラス1(0.2mW前後の出力)とすることが望ましい。また、レーザーライトをゲーム装置20に実装する位置を、プレーヤの下半身に相当する高さにして、斜め下方向にレーザー光が照射されるようにする。さらに、レーザーライトは、連続的に点灯させずに、点滅させるなどして照射時間を短くするようにしても良い。これにより、レーザーライト(レーザーポインタ)を用いても確実に安全を確保することができる。
【0027】
電子マネーユニット39は、ゲーム料金を電子マネー(カード)によって支払うために使用されるものである。電子マネーユニット39は、例えば電子マネーカードが近接されることにより、近接無線通信によりゲームの利用料金の決済(入金)のための処理を実行する。
【0028】
通信ユニット42は、店内の他のゲーム装置20やホスト装置21との通信や、ネットワーク12を介したゲームサーバ10との通信を制御する。また、通信ユニット42は、例えば店内の従業員が所持する携帯端末16と無線通信を制御する。
【0029】
入力インタフェース43は、プロセッサ30の制御のもとで、各種ユニットとのデータ入出力を制御する。入力インタフェース43は、各ユニットから入力されたデータをプロセッサ30に出力する。入力インタフェース43には、コインセンサ44、カードリーダ45、カメラユニット46、及びセンサ信号処理ユニット47が接続される。
【0030】
コインセンサ44は、後述するコイン投入口84(図8参照)から投入されたコインを検知して、入力インタフェース43を通じてプロセッサ30に通知する。
【0031】
カードリーダ45は、会員登録されたプレーヤに対して発行された会員コードを読み込むためのものである。カードリーダ45は、例えば光学的に会員コードを読み込むもので、例えばスマートフォンなどの携帯端末16の表示画面に表示された2次元コード、あるいはプラスチックや紙製のカードに印刷された2次元コードの画像を撮影して2次元コードが示す会員コードを検出する。なお、2次元コードに限らず、バーコードなど他の光学的に読み取り可能な他の形式のコードを用いることも可能である。さらに、カードリーダ45は、光学的に会員コードを読み取るものに限らず、磁気カード、ICカードなどの他の記憶媒体に記憶された会員コードを読み取るものであっても良い。
【0032】
カメラユニット46は、ゲーム装置20の周囲を撮影するためのもので、例えばカメラユニット46の前方を撮影範囲とすることができる位置に設けられる。カメラユニット46による撮影範囲には、ゲームをするプレーヤを含めることができる。ゲーム装置20は、カメラユニット46により撮影された画像をもとに、プレーヤの特徴(年齢、性別など)や、動作状況などを検出するための画像処理をすることもできる。
【0033】
センサ信号処理ユニット47は、エアソフトガンから発射されたBB弾の着弾を検出するための信号処理を実行する。センサ信号処理ユニット47には、例えば4つの音響センサ48-1,48-2,48-3,48-4が接続される。音響センサ48-1~48-4は、例えば、ディスプレイ34の前面に配置される、矩形状のシート状部材の4隅近傍にそれぞれ配置される。
【0034】
音響センサ48-1~48-4は、シート状部材に対して直接的に取り付けられるのではなく、シート状部材から僅かに離れた位置に配置される。音響センサ48-1~48-4は、シート状部材にBB弾が衝突することにより発生する音を検出するもので、衝突音声を表す音声信号をセンサ信号処理ユニット47に出力する。
【0035】
センサ信号処理ユニット47は、音響センサ48-1~48-4から入力される音声信号をもとに、音響センサ48-1~48-4のそれぞれにより着弾が検出された検出時刻を示す時刻データ、音声信号の振幅のピーク値を示すピーク値データをプロセッサ30に出力する。プロセッサ30は、位置検出プログラム32bの処理により、音響センサ48-1~48-4のそれぞれに対応する時刻データ及びピーク値データをもとに、BB弾の着弾位置、弾速(射速)、運動エネルギーなどを算出する。
【0036】
ボタンセンサ49は、ゲーム装置20の操作パネル80(図8に示す)に設けられた複数のボタン(例えば左ボタン81、右ボタン82、決定ボタン83)について、それぞれ操作されたことを検知するためのセンサである。
【0037】
図3は、本実施形態におけるゲームサーバ10において管理される会員データの一例を示す図である。
図3に示すように、ゲームサーバ10には、会員登録された会員(プレーヤ)毎に、例えば会員コード、会員登録データ、カスタマイズデータ、ランキングデータなどが記憶される。
【0038】
会員コードは、会員登録されたプレーヤに対して発行される固有のコードである。会員登録は、例えばプレーヤが所持する携帯端末16においてゲームアプリを実行することにより実行される。会員登録では、予め決められたデータが入力される。例えば、入力されるデータには、ゲーム装置20において表示されるニックネーム、プレーヤを示すアイコンや画像の他、年齢を確認することができるデータ(例えば、生年月日、例えば10歳以上/18歳以上であることを承認したことを示すデータなど)が含まれる。会員コードは、プレーヤが所持する携帯端末16においてゲームアプリを実行することで2次元コード化されて表示される。ゲーム装置20は、ゲーム開始前に携帯端末16に表示された2次元コードを読み取り、2次元コードが示す会員コードに対応する会員データをゲームサーバ10から取得することができる。
【0039】
なお、会員コードを示す2次元コードは、プラスチックや紙製のカードに印刷されても良い。例えば、会員登録していないゲストプレーヤに対して、ゲスト用の2次元コードが印刷された紙製のカードを提供することができる。
【0040】
会員登録データは、会員登録されたプレーヤに関係する各種のデータを含む。会員登録データには、例えば、会員登録において入力されたニックネーム、アイコンや画像、年齢を確認することができるデータなどが含まれる。
【0041】
カスタマイズデータは、会員がゲーム装置20で実行するシューティングゲームに対して設定されたカスタマイズの内容を示すデータである。ゲーム装置20で実行されるシューティングゲームでは、予め決められた条件(例えば所定以上の段位)のプレーヤによってカスタマイズを可能にする。ゲームカスタマイズでは、例えば、ゲーム中にディスプレイ34に表示される標的や背景の表示形態、難易度などを変更することができる。会員は、携帯端末16のゲームアプリを実行することで、カスタマイズデータを登録することができる。ゲーム装置20は、ゲーム開始前に読み取った会員コードをもとに、ゲームサーバ10から取得した会員データのカスタマイズデータに応じて、ゲーム内容をカスタマイズして提供する。
【0042】
ランキングデータは、ゲーム装置20で実行された複数の異なるシューティングゲーム毎のプレーヤのランキング、ゲーム実行履歴、ランキングやゲーム実行履歴等に基づいて決定される成績(段位、クラス、ステージ、ポイントなど)が含まれる。ゲームサーバ10は、各会員(プレーヤ)のランキングを集計しており、ゲーム装置20におけるゲーム実行後にランキングを判定してゲーム装置20に提供する。ゲーム実行履歴には、ゲーム装置20で実行されたシューティングゲーム中に記憶されたゲームプレイデータ(着弾のデータ(着弾位置、弾速、エネルギーなど)、着弾に応じた評価値(スコア、命中率、集中力、俊敏性、判断力など)が含まれる。また、ゲームサーバ10は、ランキングデータを、プレーヤが所持する携帯端末16に提供することができる。
【0043】
なお、図3に示す会員(プレーヤ)毎に記憶されるデータは一例であって、ゲーム装置20において提供されるサービスに応じて、各種のデータが記憶されるものとする。
【0044】
図4は、本実施形態におけるゲームサーバ10において管理される管理制御データの一例を示す図である。
【0045】
本実施形態におけるゲームシステムでは、ゲーム装置20においてエアソフトガンが安全に使用されるように、ゲームにおいて使用されているエアソフトガンが不適切であるか判別するための管理制御データが設定される。管理制御データには、エアソフトガンから発射されたBB弾の弾速、あるいはエネルギーに対する基準値、基準値を超えた場合に実行される処理内容が設定される。本実施形態では、複数の異なる基準値、例えば第1基準値、第2基準値、第3基準値が設定されており、それぞれに対応するゲーム制御における処理内容が設定されている。ゲーム装置20は、ゲーム中に検出されるBB弾の弾速、あるいはエネルギーが予め設定された基準値を超えている場合に、基準値に対応する通知を出力する。これにより、ゲーム実行中であっても、予め定められたパワー上限を超えた不適切なエアソフトガンの使用であることを、プレーヤだけでなく、店舗の従業員などの他者に通知して確認させることができる。
【0046】
例えば、第1基準値は、法定により使用が認められていないエアソフトガンを判別するための基準値であり、例えばエネルギーについて0.989J(6mmBB弾使用)が設定される。第2基準値は、エアソフトガンの使用についてプレーヤあるいは従業員に対して警告等を通知する必要があるか判別するための基準値である。第2基準値は、例えば公的に設定された値を用いるものとし、都道府県における青少年保護育成条例あるいはエアソフトガンの自主規制団体において設定されたパワー上限に応じた基準値が用いられる。第3基準値は、例えば、ゲームシステム全体、店舗単位あるいはゲーム装置20毎に独自に決められたパワー上限に応じた基準値が設定される。
【0047】
第1~第3基準値、及び各基準値に対応する処理内容については、それぞれ任意に変更することができる。例えば、ゲームサーバ10は、管理者等の操作によって、管理制御データに設定された基準値と処理内容を示すデータを変更することができる。ゲームサーバ10に設定された管理制御データは、所定のタイミングでゲーム装置20に対して送信される。ゲーム装置20は、ゲームサーバ10から受信した管理制御データを記憶装置32あるいはメモリ31に記憶し、管理制御データをもとにゲームを制御する。
【0048】
なお、第1基準値と第2基準値は、法定、条例、あるいは規制団体により設定されたパワー上限より低い値に変更可能とする。
【0049】
図5及び図6は、本実施形態におけるゲーム装置20の外観構成を示す図である。図5は、ゲーム装置20の斜視図、図6(A)は、ゲーム装置20の正面図、図6(B)は、ゲーム装置20の側面図を示している。
本実施形態におけるゲーム装置20は、エアソフトガンからゲーム装置20に向けて発射されたBB弾が飛散しないようにした構成を有している。
【0050】
図5及び図6に示すように、ゲーム装置20の筐体は、下部筐体50と上部筐体51とから構成される。下部筐体50は、主に、プロセッサ30、メモリ31、記憶装置32、各種コントローラなどが実装された制御ユニット、あるいは修飾用のライト38が収容された箱型の筐体である。下部筐体50には、制御ユニットの他、下部筐体50の上面部において集められたBB弾を回収するための構造が設けられている。下部筐体50の下部には、下部筐体50によって回収されたBB弾を収容するための収容トレイ54を出し入れすることができる。下部筐体50は、回収したBB弾を収容トレイ54に排出する。店舗の従業員は、収容トレイ54に十分な量のBB弾が回収されたタイミングで収容トレイ54を取り出して処分することができる。
【0051】
下部筐体50の前面側下部には、水平方向の所定範囲に衝撃吸収物体保持部材53が設けられる。衝撃吸収物体保持部材53は、ゲーム装置20の前方においてBB弾が飛散しないようにするための部材である。衝撃吸収物体保持部材53は、上部から落下したBB弾、エアソフトガンから発射されて直接着弾したBB弾などに対して、BB弾の衝突時の衝撃を吸収すると共にBB弾を保持することができるように構成されている。すなわち、衝撃吸収物体保持部材53は、BB弾のサイズより長い毛足を表面に密集して設けた第1部材と、第1部材の裏面に一体化して設けられた、BB弾の衝突時の衝撃を吸収するための空気層が形成された第2部材とを有している。詳細については後述する(図14~16)。衝撃吸収物体保持部材53は、下部筐体50の底部に対して着脱可能に構成する。これにより、衝撃吸収物体保持部材53により保持されたBB弾を回収する場合には、衝撃吸収物体保持部材53をゲーム装置20から取り外して振ることにより、衝撃吸収物体保持部材53からBB弾を取り外すことができる。
【0052】
上部筐体51は、エアソフトガンから発射されたBB弾(飛翔物体)を導入する開口部が設けられている。すなわち、上部筐体51には、上部筐体51の左右それぞれの側面を形成する上部側面用衝撃吸収部材70L,70R、上部筐体51の上部前面に設けられた上部前面用衝撃吸収部材74、下部筐体50の上面部(弾回収板86)とにより、エアソフトガンによって発射されたBB弾を導入する開口部が形成される。
【0053】
開口部の内側奥(下部筐体50の後端位置に合わせた位置)には、標的画像が表示されるディスプレイ34と、ディスプレイ34の表示面の前方に略垂直となるように張った状態で平面的に固定されたシート状部材72が配置される。本実施形態では、ディスプレイ34は、表示画面が縦長となるように配置される。
【0054】
上部側面用衝撃吸収部材70L,70R及び上部前面用衝撃吸収部材74は、BB弾の衝突時の衝撃を吸収可能な部材により形成されるもので、例えば厚み2.0mmの軟質の塩化ビニル樹脂により構成することができる。これにより、BB弾の衝突による衝撃を吸収して跳ね返りを抑えることができる。なお、BB弾の衝突時の衝撃を吸収可能な部材であれば、軟質の塩化ビニル樹脂以外の材料を用いることが可能である。
【0055】
上部前面用衝撃吸収部材74は、ディスプレイ34の上端より高い位置の筐体前面側に設けられるもので、上端側が下端側より前方に出るように傾斜させて設けられる。すなわち、上部前面用衝撃吸収部材74の表面が斜め下前方を向くように配置することで、エアソフトガンから発射されたBB弾が衝突した場合に下方向に落下するようにしている。従って、上部前面用衝撃吸収部材74に着弾したBB弾は、下部筐体50の上面部に設けられた弾回収板86の上部に落下して回収される。
【0056】
上部前面用衝撃吸収部材74が設けられた上部筐体51の内部には、図6(A)に示すように、例えば複数のスピーカ36-1,36-2、カメラユニット46、ライト38(LEDパネル)(図示せず)等が収容される。上部前面用衝撃吸収部材74のスピーカ36-1,36-2が設けられた範囲には、音が通過し易いように、BB弾の直径よりも小さい複数の穴が設けられる。また、上部前面用衝撃吸収部材74のライト38(LEDパネル)が設けられた範囲は、光が透過しやすくなるように透明、あるいは着色された半透明にするものとする。
【0057】
上部筐体51の上面には、水平に上面部材75が設けられる。上面部材75は、上部前面用衝撃吸収部材74より前面側、すなわちBB弾が導入される側の面側に、図6(B)に示すように、BB弾のサイズ(直径)よりも突出するようにした返し部材75aを設ける。返し部材75aは、上部前面用衝撃吸収部材74の上端部と接触させた状態で設けて、返し部材75aと上部前面用衝撃吸収部材74との間に隙間ができないようにする。返し部材75aは、上部前面用衝撃吸収部材74に衝突したBB弾が、BB弾の回転等の作用により上部前面用衝撃吸収部材74の表面に沿って上方向に跳ね上がった場合に、下方向に跳ね返すようにしている。返し部材75aにより跳ね返されたBB弾は、弾回収板86に落下する。上部前面用衝撃吸収部材74に返し部材75aを設けることで、上部前面用衝撃吸収部材74に衝突したBB弾の上方向への飛散を防止することができる。
【0058】
図7には、ディスプレイ34とシート状部材72の前後関係を示す側面図である。
開口部の内側には、標的画像が表示されるディスプレイ34が設けられる。ディスプレイ34の外形は矩形状に形成されており、ディスプレイ34の外周に沿って、シート状部材72を支持するために設けられた矩形枠状の支持部材76が設けられている。支持部材76は、後述する図11に示すように、上辺支持部材76U、下辺支持部材76D、左辺支持部材76L、右辺支持部材76Rにより形成される。図7では、上辺支持部材76Uと下辺支持部材76Dを示している。
【0059】
図7に示すように、支持部材76は、ディスプレイ34の表示面に近接させた位置でシート状部材72を支持するように設けられている。なお、音響センサ48は、支持部材76によって支持されるシート状部材72から僅かに離れた位置に配置される。図7では、2つの音響センサ48-2,48-4を示している。
【0060】
さらに、図6及び図7に示すように、シート状部材72の前面側には、枠用衝撃吸収部材73(73L,73R)が設けられる。枠用衝撃吸収部材73L,73Rは、支持部材76の左辺支持部材76Lと右辺支持部材76Rに沿って、それぞれの前面側に設けられた帯状の部材である。
【0061】
枠用衝撃吸収部材73L,73Rは、BB弾の衝突時の衝撃を吸収可能な部材により形成されるもので、例えば厚み2.0mmの軟質の塩化ビニル樹脂により構成することができる。枠用衝撃吸収部材73L,73Rは、例えば透明に形成される。
【0062】
図7に示すように、枠用衝撃吸収部材73Rは、上辺支持部材76Uよりも高い位置に設けられた上部支持部材74Rと、下辺支持部材76Dよりも低い位置に設けられた下部支持部材75Rによって、略垂直となるように張った状態でシート状部材72(支持部材76)から離間させた位置で平面的に固定される。上部支持部材74Rと下部支持部材75Rは、それぞれ右辺支持部材76Rの上下方向の延長線上に設けられる。
【0063】
同様にして、枠用衝撃吸収部材73Lは、左辺支持部材76Lの上下方向の延長線上に設けられた、上部支持部材と下部支持部材によって、略垂直となるように張った状態でシート状部材72(支持部材76)から離間させた位置で平面的に固定される。
【0064】
図8は、下部筐体50の上部周辺を示す斜視図である。
図8に示すように、枠用衝撃吸収部材73L,73Rは、シート状部材72(支持部材76)から離間させた位置で固定されている。枠用衝撃吸収部材73L,73Rに衝突したBB弾は、弾回収板86に落下して回収される。
【0065】
このように、支持部材76(左辺支持部材76L、右辺支持部材76R)の前面側に、BB弾の衝突による衝撃を吸収する枠用衝撃吸収部材73L,73Rを設けることで、支持部材76にBB弾が衝突して跳ね返ることを回避することができる。枠用衝撃吸収部材73L,73Rを固定する上部支持部材と下部支持部材は、図7及び図8に示すように、固定面(接触面積)が小さいのでBB弾が衝突する可能性が低く、BB弾を散乱させる可能性を低くすることができる。
【0066】
なお、本実施形態におけるゲーム装置20の構成では、支持部材76の上辺支持部材76Uは、上部前面用衝撃吸収部材74によってBB弾の導入方向(エアソフトガン)から隠された位置にある。また、下辺支持部材76Dは、後述する下部前面用衝撃吸収部材60によってBB弾の導入方向(エアソフトガン)から隠された位置にある(図8図10参照)。従って、上辺支持部材76Uと下辺支持部材76Dの前面側に枠用衝撃吸収部材を設けていない。上辺支持部材76Uと下辺支持部材76DとをBB弾が衝突する位置に設ける場合には、枠用衝撃吸収部材73L,73Rと同様にして、上辺支持部材76Uと下辺支持部材76Dにそれぞれ対応する枠用衝撃吸収部材を設けるようにしても良い。
【0067】
下部筐体50の前面には、図6(A)(B)に示すように、下部前面用衝撃吸収部材60が設けられる。下部前面用衝撃吸収部材60は、BB弾の衝突時の衝撃を吸収可能な部材により形成されるもので、例えば厚み2.0mmの軟質の塩化ビニル樹脂により構成することができる。これにより、BB弾の衝突による衝撃を吸収して跳ね返りを抑えることができる。なお、BB弾の衝突時の衝撃を吸収可能な部材であれば、軟質の塩化ビニル樹脂以外の材料を用いることが可能である。下部前面用衝撃吸収部材60は、例えば透明、あるいは着色された半透明にすることで、下部筐体50に収納された修飾用のライト38(LEDパネル)から光を透過させることができる。
【0068】
下部前面用衝撃吸収部材60は、上端側が下端側より前方に出るように傾斜させて設けられる。すなわち、下部前面用衝撃吸収部材60の表面が斜め下前方を向くように配置することで、エアソフトガンから発射されたBB弾が衝突した場合に下方向に落下するようにしている。従って、下部前面用衝撃吸収部材60に着弾したBB弾は、下部筐体50の前面側下部に設けられた衝撃吸収物体保持部材53に落下して保持される。
【0069】
下部筐体50の上面部には、図8に示すように、操作パネル80、弾回収板86、開口部88等が設けられる。下部筐体50の上面部は、前面側の方を高くして形成され、前面側端部に操作パネル80が設けられる。操作パネル80は、水平面あるいは後方側を僅かに低くした傾斜面が形成され、例えば左ボタン81、右ボタン82、決定ボタン83、コイン投入口84、カードリーダ45(会員コード読取部)が設けられる。
【0070】
弾回収板86は、前方側を高くして後方側(下部筐体50の背面側)にBB弾が落下するように傾斜面が形成されている。弾回収板86は、シート状部材72あるいは枠用衝撃吸収部材73L,73Rに衝突して落下したBB弾を回収するためのもので、落下したBB弾の衝撃を吸収する弾性部材が用いられる。例えば、弾回収板86は、表面にBB弾が傾斜面に沿って落下しやすいように摩擦係数が小さい部材が用いられ、その裏面に衝撃を吸収する部材が設けられる。
【0071】
弾回収板86の後端には、例えば弾回収板86の横幅全体に渡って、左右方向に延びる開口部88が設けられている。開口部88は、弾回収板86の傾斜によって落下したBB弾を落下させることで筐体内に捕集する。開口部88の下方には、弾回収レール(図示せず)が弾回収板86の横幅全体に渡って設けられており、開口部88に落下したBB弾を、例えば1列に配列させて下部筐体50の筐体に誘導する。弾回収レールは、誘導方向に傾斜させて設けられる。
【0072】
下部筐体50の側面には、図5及び図6に示すように、下部側面用衝撃吸収部材61L,61Rが設けられる。下部側面用衝撃吸収部材61L,61Rは、下部前面用衝撃吸収部材60と同様に、BB弾の衝突時の衝撃を吸収可能な部材により形成されるもので、例えば厚み2.0mmの軟質の塩化ビニル樹脂により構成することができる。下部側面用衝撃吸収部材61L,61Rは、薄い部材のため、板状の固定部材62L,62Rにより側面外側から押さえて固定する。
【0073】
これにより、BB弾の衝突による衝撃を吸収して跳ね返りを抑えることができる。なお、BB弾の衝突時の衝撃を吸収可能な部材であれば、軟質の塩化ビニル樹脂以外の材料を用いることが可能である。また、下部前面用衝撃吸収部材60との間に隙間ができないように密着させて、下部前面用衝撃吸収部材60に対して略垂直に設けられる。
【0074】
下部側面用衝撃吸収部材61L,61Rは、下部前面用衝撃吸収部材60の表面より前面方向に突出している。従って、下部前面用衝撃吸収部材60に対して、例えば斜め方向からエアソフトガンによってBB弾が発射されて、下部前面用衝撃吸収部材60に衝突したBB弾が、BB弾の回転等の作用により下部前面用衝撃吸収部材60の表面に沿って左右方向に跳ねた場合に、下部側面用衝撃吸収部材61L,61Rに衝突する。下部側面用衝撃吸収部材61L,61Rに衝突したBB弾は、衝撃が吸収されて運動エネルギーが低下することで落下する。下部側面用衝撃吸収部材61L,61Rに衝突したBB弾は、下部筐体50の前面側下部に設けられた衝撃吸収物体保持部材53に落下して保持される。下部側面用衝撃吸収部材61L,61Rを設けることで、下部前面用衝撃吸収部材60に衝突したBB弾の横方向への飛散を防止することができる。
【0075】
図6(A)及び図8に示すように、下部筐体50の左右側面には、板状のスペーサ部材64L,64Rが設けられ、上部筐体51の上部左右側面には、板状のスペーサ部材63L,63Rが設けられる。スペーサ部材64L,64Rとスペーサ部材63L,63Rは、BB弾の直径よりも板厚があり、例えば同じ厚さがあるものとする。上部側面用衝撃吸収部材70Lは、下部筐体50においてスペーサ部材64Lの外側面において薄い板状の固定部材65Lにより固定され、上部筐体51においてスペーサ部材63Lの外側面において薄い板状の固定部材66Lにより固定される。また、上部側面用衝撃吸収部材70Lは、上部筐体51の側面の背面近傍において、上端から下端までの範囲で、固定部材67Lによってスペーサ部材64Lを挟まずに固定される。同様にして、上部側面用衝撃吸収部材70Rは、下部筐体50においてスペーサ部材64Rの外側面において薄い板状の固定部材65Rにより固定され、上部筐体51においてスペーサ部材63Rの外側面において薄い板状の固定部材66Rにより固定される。また、上部側面用衝撃吸収部材70Rは、上部筐体51の側面の背面近傍において、スペーサ部材64Rを挟まずに固定される。上部側面用衝撃吸収部材70L,70Rを上部筐体51の側面の背面近傍において、スペーサ部材64L,64Rを挟まずに固定することで、隙間71L,71Rの奥側を狭くして終端を形成する。こうして、ゲーム装置20では、上部筐体51のBB弾を導入する開口部の範囲に相当する側面を、上部側面用衝撃吸収部材70L,70Rによって形成している。
【0076】
従って、上部側面用衝撃吸収部材70L,70Rは、例えば厚み2.0mmの薄い部材(軟質の塩化ビニル樹脂)により構成されるため、ゲーム装置20の正面側の面積が小さく、BB弾が衝突しにくくなる。また、斜め方向から開口部に導入されたBB弾が上部側面用衝撃吸収部材70L,70Rの内側に衝突した場合に、硬質の部材により構成される場合よりも反発力が小さいために散乱しにくくなる。
【0077】
さらに、上部側面用衝撃吸収部材70L,70Rがスペーサ部材63L,63R,64L,64Rを挟んで固定されることで、支持部材76及びディスプレイ34を収容する構造体と、上部側面用衝撃吸収部材70L,70Rとの間に、左右のそれぞれに隙間71L,71Rが形成される。隙間71L,71Rは、前面側ではBB弾の直径よりも広くなるように形成して、BB弾が進入できるようにし、最奥側で終端が形成されて進入したBB弾が停止されるようにしている。
【0078】
図9は、上部側面用衝撃吸収部材70Lと構造体との間に形成される隙間71Lの周辺を平面的に示す図である。
図9に示すように、ディスプレイ34に表示された目標画像に向けられたBB弾OB7は、シート状部材72に衝突して落下する。また、左辺支持部材76Lに向けられたBB弾OB8は、左辺支持部材76Lの前面側に配置された枠用衝撃吸収部材73Lに衝突して落下する。
【0079】
そして、開口部から導入された上部側面用衝撃吸収部材70Lの内側に衝突したBB弾OB9は、上部側面用衝撃吸収部材70Lと構造体との間に形成される隙間71Lに進入して、隙間71Lの奥で停止する。隙間71Lの奥で停止したBB弾OB10は、落下する。
【0080】
こうして、支持部材76及びディスプレイ34を収容する構造体と、上部側面用衝撃吸収部材70L,70Rとの間に、左右のそれぞれに隙間71L,71Rを形成することで、例えば開口部から導入されたBB弾が上部側面用衝撃吸収部材70L,70Rの内側に衝突したBB弾が散乱しないようにできる。すなわち、上部側面用衝撃吸収部材70L,70Rの内側に衝突したBB弾は、BB弾の回転によって上部側面用衝撃吸収部材70L,70Rの面に沿って奥方向へ移動したとしても、前方あるいは横方向に跳ね返す部材が存在せず、図9に示すBB弾OB9のように隙間71L,71Rに進入することになる。隙間71L,71Rの奥は、狭くなっているため、確実にBB弾の運動を停止させることができる。
【0081】
また、図示していないが、隙間71L,71Rに進入したBB弾を回収する回収機構をさらに設けることができる。例えば、隙間71L,71Rの奥の下部に、落下するBB弾を回収する収容トレイを設ける、あるいはBB弾を下部筐体50の内部に誘導する誘導路を設けて、弾回収板86において回収されたBB弾と合わせて、収容トレイ54に排出されるようにする。
【0082】
また、本実施形態では、支持部材76及びディスプレイ34を収容する構造体の左右に隙間71L,71Rを設けているが、構造体の上下に隙間を設ける構成としても良い。すなわち、標的画像を表示するディスプレイ34(標的)を収容する構造体の周囲に、BB弾が進入可能な隙間を設けるようにしても良い。
【0083】
なお、上部筐体51の前面上部中央には、例えばレーザーライト(レーザーポインタ)などのように、光の照射位置(ポイント)あるいは照射範囲が明確に視認できるライト38aが設けられる。ライト38aは、エアソフトガンを操作するプレーヤに対して立ち位置を提示するために、ゲーム装置20の前面方向の予め決められた距離の位置あるいは範囲を照射するように設けられている。なお、下部前面用衝撃吸収部材60には、ライト38aからの光の照射が妨げられないように開口部が設けられるものとする。
【0084】
図10には、ゲーム装置20に対してエアソフトガンから発射されたBB弾の到達範囲を示す図である。
図10において、プレーヤが操作するエアソフトガンからBB弾が発射される平均的な位置をポイントSPによって示している。
【0085】
前述したように、ゲーム装置20の前面側には、BB弾の衝突により衝撃を吸収する部材が全面に渡って設けられている。すなわち、上部筐体51では、上部には上部前面用衝撃吸収部材74が設けられ、BB弾が導入される開口部には、ディスプレイ34の全面に配置されたシート状部材72、シート状部材72を支持する支持部材76の前面に配置された枠用衝撃吸収部材73L,73Rが設けられている。従って、ディスプレイ34に表示された目標画像を狙った、図10に示す範囲AR1~AR2のBB弾については、衝突による衝撃を吸収して弾回収板86において回収することができる。
【0086】
なお、図8及び図10に示すように、下部前面用衝撃吸収部材60は、下部筐体50の操作パネル80、弾回収板86、開口部88をポイントSPから隠す高さで設けられているため、操作パネル80、弾回収板86、開口部88に直接、BB弾が衝突してBB弾を飛散させるおそれがない。
【0087】
また、範囲AR2~AR3のBB弾については、下部前面用衝撃吸収部材60に衝突した場合には、下部前面用衝撃吸収部材60により衝撃が吸収されて落下し、衝撃吸収物体保持部材53により保持される。また、衝撃吸収物体保持部材53に対して、直接、BB弾が着弾したとしても、衝撃吸収物体保持部材53によって衝撃を吸収して、BB弾を保持することができる。衝撃吸収物体保持部材53の詳細な構造と作用効果については後述する(図14図16)。
【0088】
なお、図10には、ライト38aから照射されるレーザーライトLLを示している。レーザーライトLLは、例えばゲーム装置20の前面方向のエアソフトガンを操作するプレーヤの立ち位置SPLを提示する。プレーヤは、ライト38aからのレーザーライトLLによって、立ち位置を認識することができる。従って、店舗14では、ゲーム装置20のそれぞれについて、立ち位置をプレーヤに認識させるためのラインなどの設置をする必要が無い。特に、シューティングゲームの種類に応じて射撃位置が異なる場合であっても、ライト38aから照射されるレーザーライトLLによってシューティングゲームに応じた位置が提示されるので、店舗の従業員に対する負荷を生じさせない。
【0089】
また、図10に示すように、ライト38aは、プレーヤの下半身に相当する高さに設けられ、斜め下方向にレーザーライトLLが照射されるため、プレーヤに対してレーザーライトLLが照射されるおそれがない。このため、レーザーライト(レーザーポインタ)を用いても確実に安全を確保することができる。
【0090】
次に、支持部材76へのシート状部材72の取り付けについて説明する。
ディスプレイ34の前面に配置されるシート状部材72は、BB弾の衝突を受け止めることにより劣化するため、適宜、交換する必要がある。本実施形態では、シート状部材72にBB弾が衝突した時の音を音響センサ48-1~48-4により検出することで着弾位置等を検出する。従って、シート状部材72が交換されたとしても、常に、安定した状態で張った状態で平面的に固定される必要がある。また、簡単な作業によって、安定した状態で張った状態で固定できることが望まれる。
【0091】
図11は、支持部材76(上辺支持部材76U、下辺支持部材76D、左辺支持部材76L、右辺支持部材76R)と、シート状部材72との対応を示す図である。
【0092】
図11に示すように、支持部材76の1対の対辺(左辺支持部材76L、右辺支持部材76R)のそれぞれに対して着脱可能に設けられた2本の脱着枠部材77L,77Rを設ける。脱着枠部材77L,77Rは、取り外した状態においてシート状部材72の左辺支持部材76Lと右辺支持部材76Rとにそれぞれ対応する対辺のそれぞれ端部近傍に、例えば複数のビスなどにより固定される。脱着枠部材77L,77Rは、シート状部材72を固定した状態で、支持部材80の左辺支持部材76Lと右辺支持部材76Rにそれぞれ取り付ける。
【0093】
図12は、シート状部材72が複数のビス78により固定された脱着枠部材77Rと、右辺支持部材76Rとを示す斜視図である。
【0094】
図12に示すように、右辺支持部材76Rは、前面側と側面側の面が直角をなす形状に形成されている。また、脱着枠部材77Rは、図11に示すように、直線状に形成され、長手方向に垂直な方向で切断した断面形状が、第1部材と第2部材とにより直角を形成し、L字形をしている。なお、左辺支持部材76Lと脱着枠部材77Lは、それぞれ右辺支持部材76Rと脱着枠部材77Rと同様に構成されている。
【0095】
図13(A)(B)(C)は、シート状部材72が固定された脱着枠部材77L,77Rの支持部材76(左辺支持部材76L、右辺支持部材76R)への取り付け行程を示す図である。
【0096】
図13(A)に示すように、脱着枠部材77L,77Rは、支持部材76から取り外されているため取り扱いが容易であり、簡単な作業によって、シート状部材72の所定位置に、例えば複数のビス78により固定することができる。
【0097】
次に、図13(B)に示すように、例えば一方の脱着枠部材77Lを左辺支持部材76Lに対して、例えば複数のビス79により固定する。この時、脱着枠部材77Rが固定されていないため、容易に取り付け作業をすることができる。そして、図13(B)に示すように、他方の脱着枠部材77Rの第1部材の端部を右辺支持部材76Rに対して接触させた状態にして、第2面の端部を図中矢印に示す、右辺支持部材76Rの側面側に移動させる。これにより、脱着枠部材77Rの第1部材が右辺支持部材76Rの前面に密着し、また脱着枠部材77Rの第2面が右辺支持部材76Rの側面に密着する。ここで、図13(C)に示すように、右辺支持部材76Rを、例えば複数のビス79により固定する。
【0098】
図13(B)に示すように、第2部材の端部を図中矢印に示す方向に移動させることで、シート状部材72を張ることができる。従って、脱着枠部材77L,77Rがシート状部材72に対して、予め決められた規定の間隔で平行に固定されていれば、脱着枠部材77L,77Rを左辺支持部材76Lと右辺支持部材76Rに固定すると、予め決められた所定のテンションでシート状部材72を張った状態で支持部材76に固定することができる。
【0099】
このようにして、脱着枠部材77L,77Rを介して、シート状部材72を支持部材76に固定できるようにすることで、シート状部材72を簡単な作業によって、張った状態で平面的に固定することが可能となる。
【0100】
次に、衝撃吸収物体保持部材53の詳細について説明する。
図14は、衝撃吸収物体保持部材53の構成を説明するための斜視図である。
図14に示すように、衝撃吸収物体保持部材53は、第1部材53aと第2部材53bとを重ね合わせて一体化した構成を有している。第1部材53aは、BB弾の衝突時の衝撃を吸収すると共にBB弾を保持するための、BB弾のサイズ(直径)より長い毛足53a1を表面に密集して設けている。第2部材53bは、第1部材53aの裏面に一体化して設けられるもので、BB弾の衝突時の衝撃を吸収するための空気層53b1が形成されている。第1部材53aの毛足53a1は、BB弾を保持するように作用させるため、BB弾の直径サイズより十分に長い、例えば3倍以上の長さが設けられるものとする。毛足53a1の適正な長さは、毛足53a1の材質(摩擦係数、柔軟度など)、想定されるBB弾の衝突時の強さなどに基づいて決定される。
【0101】
第1部材53aに設けられる毛足53a1は、例えば細くて柔軟性があり、BB弾に対して摩擦係数が小さい素材により構成される。すなわち、細くて柔軟性がある毛足53a1を密集させることで、BB弾の衝突時の衝撃を吸収することができる。また、毛足53a1の素材の摩擦係数を小さくすることで、衝撃吸収物体保持部材53を下部筐体50から取り外して振ることにより、毛足53a1の間に保持されたBB弾を容易に落下(取り外す)ことができる。
【0102】
第2部材53bは、空気層53b1を形成するために、例えば複数枚の薄いシート部材を、間隔を設けて積層されている。薄いシート部材は、例えば表面が起毛されており、積層された場合に密着せずに空気層が設けられるようにしている。なお、空気層53b1は、複数枚の薄いシート部材を積層させるだけでなく、密度の低い繊維素材(例えば、綿)などを充填した構成することも可能である。
【0103】
また、衝撃吸収物体保持部材53は、下部筐体50に対して着脱可能に構成する。例えば、第2部材53bの底面に、下部筐体50に設けた係合部材と係合可能な部材を設けて、着脱可能にすることができる。また、第1部材53aと第2部材53bの重量に対して比重が大きくて摩擦係数が大きい部材(例えば、比較的重い平面状のゴム)を、第2部材53bの底面に貼り付けて、下部筐体50の前面側に載置できるようにしても良い。この場合、衝撃吸収物体保持部材53の全体が重くなるためBB弾の衝突により移動することがなく、下部筐体50から衝撃吸収物体保持部材53を容易に外すことができる。
【0104】
また、第2部材53bの底面に比較的重い平面状のゴム等を貼り付けるだけでなく、例えば下部筐体50に第2部材53bを固定するための結合部材、例えば面ファスナーなどを設けても良い。面ファスナーなどにより第2部材53bを固定することで、同様にして、衝撃吸収物体保持部材53がBB弾の衝突により移動せず、また下部筐体50から容易に外すことができるようになる。
【0105】
図15は、エアソフトガンからのBB弾が直接、衝撃吸収物体保持部材53に着弾した状況を示す図である。図15は、図5に示すA-A線における断面の一部を示している。
【0106】
図15において、軌道F1により衝撃吸収物体保持部材53に衝突したBB弾は、第1部材53aの毛足53a1に対して斜め方向に衝突するため、多数の毛足53a1と接触して衝撃が吸収される。BB弾は、非常に速い速度により発射されるため、第1部材53aだけでは衝撃を完全に吸収できず、図15に示すBB弾OB2のように第2部材53bに到達する。
【0107】
第2部材53bは、空気層が設けられているため、軽いBB弾OB2の衝突に対して即座に変形して衝撃を吸収することができる。さらに、第2部材53bにより完全にBB弾OB2の衝突による衝撃を吸収できなくても、BB弾OB2の周囲に毛足53a1が密集しているため、毛足53a1との摩擦により図15に示すBB弾OB3のように完全に動きが停止され、毛足53a1によりBB弾OB3が保持された状態となる。
【0108】
図16は、衝撃吸収物体保持部材53によるBB弾の捕集の様子を示す図である。
図16に示すように、衝撃吸収物体保持部材53は、軌跡F2に示すように、直接、着弾するBB弾OB4を衝突による衝撃を吸収して保持し、また軌跡F3に示すように、下部前面用衝撃吸収部材60に衝突して落下するBB弾OB5を保持することができる。
【0109】
衝撃吸収物体保持部材53は、BB弾のサイズに対して、十分に長い毛足53a1を設けることで、多数のBB弾OB6を保持することができる。
【0110】
このようにして、衝撃吸収物体保持部材53を第1部材53aと第2部材53bとを重ね合わせて一体化した構成とすることで、軽くて速いBB弾の衝突時の衝撃を吸収して停止させると共に、衝撃吸収物体保持部材53から飛び出ないように保持することが可能となる。これにより、下部前面用衝撃吸収部材60に衝突したBB弾、衝撃吸収物体保持部材53に直接したBB弾について、衝突による衝撃を吸収し、BB弾を保持して飛散させないようにできる。
【0111】
次に、ゲーム装置20の変形例について説明する。
図17は、ゲーム装置20の変形例を示す図である。図17(A)は、ゲーム装置20の平面図、図17(B)は、ゲーム装置20の正面図、図17(C)は、ゲーム装置20の側面図である。
【0112】
図17に示すゲーム装置20は、上部筐体51の側面に設けた上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rを、開閉可能にした構成を有している。
【0113】
上部筐体51の側面には、垂直方向に回転軸が設けられた回転機構171L,171Rが設けられている。上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rは、後端が回転機構171L,171Rの回転軸に取り付けられており、回転軸により水平方向に回動させることができる。
【0114】
すなわち、上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rの開口部側(筐体内側)のシート面がBB弾の導入方向に向くようにすることができる。回転機構171L,171Rによる回動範囲は、例えば上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rを閉じた状態(シート面の向きがBB弾の導入方向とほぼ垂直)から45°程度の範囲とする。すなわち、正面から導入されて上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rに衝突したBB弾が開口部側に跳ね返される角度の範囲で回動可能にする。
【0115】
例えば、ゲーム装置20の搬送時、ゲーム装置20を使用しない場合などにおいては、上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rを閉じた状態にする。これにより、ゲーム装置20の全体サイズを小さくすることができる。
【0116】
一方、ゲーム装置20の使用時には、上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rを開いた状態にする。これにより、ディスプレイ34に表示された目標画像を狙ってエアソフトガンから発射されたBB弾が、シート状部材72から左右方向に外れたとしても、上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rに着弾して、ゲーム装置20の外部にBB弾が飛散しないようにすることができる。
【0117】
上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rの下部には、下部筐体50に設けられた弾回収板86の方向に傾斜させた反射部材172L,172Rが設けられている。反射部材172L,172Rは、例えば上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rと同じ素材により形成される。反射部材172L,172Rは、上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rに衝突したBB弾が落下した場合に、弾回収板86の方向にBB弾を反射させる。従って、上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rに衝突したBB弾を、シート状部材72に衝突したBB弾とまとめて回収することができる。
【0118】
また、ディスプレイ34と支持部材76が収納された構造体と、上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rとが近接した部分で隙間71L,71Rが形成されている。従って、上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rに着弾したBB弾が、BB弾の回転等の作用により上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rの表面に沿って奥方向に移動した場合に、隙間71L,71RにBB弾が進入して、前述したように回収することができる。
【0119】
なお、上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rを閉じた状態であってもゲーム装置20を動作させることは可能である(図5と同じ状態)。
【0120】
また、図17では、上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rを開閉可能にした構成としているが、上部側面用衝撃吸収部材170L,170Rを、図17に示すように、開いた状態で固定した構成とすることも可能である。
【0121】
次に、本実施形態におけるゲーム装置20の動作について説明する。
まず、シート状部材72に着弾したBB弾の着弾位置を算出する方法について説明する。
図18は、シート状部材72(あるいはディスプレイ34)と、シート状部材72の4隅近傍にそれぞれ配置された音響センサ48-1,48-2,48-3,48-4との関係を示している。図18にはBB弾の着弾点Pを示している。
【0122】
音響センサ48-1~48-4は、シート状部材72にBB弾が着弾することで発生する音声を検出して、その音声を表す信号である音声信号をセンサ信号処理ユニット47に出力する。センサ信号処理ユニット47は、音響センサ48-1~48-4から入力される音声信号をもとに、音響センサ48-1~48-4のそれぞれにより着弾が検出された検出時刻(音声検出時刻T1,T2,T3,T4)を示す時刻データを検出する。また、センサ信号処理ユニット47は、音響センサ48-1~48-4から入力される音声信号の振幅のピーク値を示すピーク値データをプロセッサ30に出力する。
【0123】
プロセッサ30は、位置検出プログラム32bに従い、センサ信号処理ユニット47により検出された音声検出時刻T1~T4に基づいて、最初に着弾を検出した時刻に対する差分(検出時間差)を求める。すなわち、プロセッサ30は、1番目の着弾が検出された音声検出時刻T1(音響センサ48-1)と、2番目の着弾が検出された音声検出時刻T2(音響センサ48-2)との検出時間差Δt2を求め、同様に、音声検出時刻T1と3番目の着弾が検出された音声検出時刻T3(音響センサ48-3)との検出時間差Δt3、及び音声検出時刻T1と4番目の着弾が検出された音声検出時刻T4(音響センサ48-4)との検出時間差Δt4を求める。なお、最初に音声を検出した音響センサ48についての検出時間差は、常に0であり、検出時間差Δt1=0である。
【0124】
また、図18に示すように、着弾点Pと、着弾点Pに最近傍の音響センサ48(図18の例では、音響センサ48-1)との間隔を距離d1とすると、検出時間差Δt1~Δt4は、距離d1に対する伝搬経路長の差に比例する。すなわち、着弾点Pと音響センサ48-2との間隔はd1+k×Δt2により求められ、着弾点Pと音響センサ48-3との間隔はd1+k×Δt3により求められ、着弾点Pと音響センサ48-4との間隔はd1+k×Δt4により求められる。ここで、kは、シート状部材72内の音速である。
【0125】
従って、プロセッサ30は、検出時間差Δt1~Δt4に基づいて、着弾点Pと音響センサ48-1~23-4との間の距離を求めることができ、それらの距離から着弾位置を特定することができる。
【0126】
位置検出プログラム32bには、シート状部材72に対して、例えば格子状に設定された所定数の目標点ごとに、予めBB弾を着弾させることによって求められた、音響センサ48-1~23-4が検出した音声信号の検出時間差が設定された配列データを作成しておく。プロセッサ30は、BB弾の着弾に対して、検出時間差Δt1~Δt4をもとに配列データを参照して再計算することで、着弾位置の精度を向上させることができる。
【0127】
次に、シート状部材72に着弾したBB弾の弾速(射速)、運動エネルギーを算出する方法について説明する。
また、位置検出プログラム32bには、シート状部材72に対して、例えば格子状に設定された所定数の目標点ごとに、予め決められた所定の弾速でBB弾を着弾させることによって求められた、音響センサ48が検出した音声信号の振幅(例えば、ピーク値データの平均値)から構成される実測データテーブルを設定しておく。プロセッサ30は、着弾点Pを取り囲む、配列データに設定された目標点に対応付けられている音声信号の振幅をもとに、シート状部材72に弾丸が着弾したときに計測される音声信号の振幅を補正して、シート状部材72に着弾したBB弾の速度を算出することができる。さらに、BB弾の速度とBB弾の重量をもとにして、BB弾の運動エネルギーを算出することができる。
【0128】
こうして、ゲーム装置20では、シート状部材72に着弾したBB弾の着弾位置、弾速(射速)、運動エネルギーを算出して、後述するゲーム制御処理において利用する。
【0129】
次に、ゲーム装置20においてゲームを実施するためのゲーム制御処理について説明する。
図19は、本実施形態におけるゲーム装置20のゲーム制御処理を示すフローチャート、図20は、ゲーム制御処理中のゲーム処理を示すフローチャートである。
【0130】
プロセッサ30は、コインセンサ44によってコイン投入されたことが通知されると(ステップA1、Yes)、ゲームモード設定処理を開始する(ステップA2)。
【0131】
ゲームモード設定処理では、プロセッサ30は、図21(A)に示す、エアソフトガンの取り扱い注意画面SC1をディスプレイ34に表示させる。
【0132】
取り扱い注意画面SC1には、エアソフトガンを使用するプレーヤに対する注意喚起のための説明文SC11、エアソフトガンの取扱説明のための説明図SC12(静止画、動画、イラストなど)などを表示する。取り扱い注意画面SC1には、確認ボタンSC13が設けられており、例えば操作パネル80に設けられた左ボタン81あるいは右ボタン82による選択する操作、及び決定ボタン83による決定する操作よって、プレーヤによる確認指示を受け付けることができる。
【0133】
確認指示が受け付けられると、プロセッサ30は、例えば図21(B)に示す、プレーヤ数を設定する選択画面SC2をディスプレイ34に表示させる。選択画面SC2には、例えばプレーヤ数を「1人」「2人」「3人」「4人」を指示することができる4つのボタンSC21,SC22,SC23,SC24が表示されている。また、選択画面SC2には、選択操作が可能な残り時間SC25が時間経過に合わせて更新しながら表示される(例えば、30秒からカウントダウン)。
【0134】
プロセッサ30は、操作パネル80の左ボタン81または右ボタン82の操作により何れかのボタンが選択され、決定ボタン83により確定(決定)が指示されると、選択されたボタンに応じたプレーヤ数を設定する。なお、複数のプレーヤ数が選択された場合には、複数のプレーヤが例えば交代でシューティングゲームをプレイすることができる。
【0135】
次に、プロセッサ30は、会員コードの入力待ち状態に移行し、例えば図22(A)に示す会員コード読み取り操作のガイダンス画面SC3をディスプレイ34に表示させる。ガイダンス画面SC3には、会員コード読み取り操作方法を説明する説明文SC31、読み取り方法を説明する図SC32(静止画、動画、イラストなど)などを表示する。また、ガイダンス画面SC3には、読み取り操作が可能な残り時間SC33が時間経過に合わせて更新しながら表示される(例えば、30秒からカウントダウン)。
【0136】
ここで、プレーヤが所持する携帯端末16に表示された会員コード、あるいはゲスト用のカードに印刷された会員コードが、操作パネル80に設けられたカードリーダ45に翳されると、カードリーダ45によって会員コードが検出される。
【0137】
会員コードが検出されると(ステップA3、Yes)、プロセッサ30は、カードリーダ45によって読み取られた会員コードについて認証処理を実行して、正しい会員コードであるかを判別する(ステップA4)。
【0138】
プロセッサ30は、読み取られた会員コードが、会員登録されたプレーヤのものである場合(ステップA5、Yes)、会員コードに対応づけてゲームサーバ10に登録された会員別の情報(会員データ)を受信して、会員に応じた会員データ処理を実行する(ステップA8)。
【0139】
会員データ処理では、プロセッサ30は、図22(B)に示すように、会員認証確認画面SC4を表示させる。会員認証確認画面SC4には、例えば会員データに含まれるニックネーム「○○○○○さん」、プレーヤを示す画像、総合ランキング「87位」などのプレーヤデータSC41、プレーヤの段位SC42などを表示する。プレーヤは、会員認証確認画面SC4によって、正しく認証されたことを確認することができる。また、会員認証確認画面SC4には、確認完了操作が可能な残り時間SC44が時間経過に合わせて更新しながら表示される。
【0140】
会員認証確認画面SC4には、完了指示ボタンSC43が設けられており、例えば操作パネル80に設けられた決定ボタン83の操作によって、プレーヤによる確認完了指示を受け付けることができる。
【0141】
確認完了指示が受け付けられると、プロセッサ30は、例えば図23に示す、プレイ対象とするシューティングゲームを選択するためのゲーム選択画面SC5をディスプレイ34に表示させる。
【0142】
ゲーム選択画面SC5には、会員認証確認画面SC4と同様のプレーヤデータSC51と、複数種類のシューティングゲームのそれぞれに対応する複数のゲーム選択ボタンSC52を表示する。
【0143】
ゲーム選択ボタンSC52には、新しく追加された新着ゲームのボタンSC53、プレーヤのプレイ履歴等により特定されるおすすめゲームのボタンSC54、他のプレーヤのプレイ履歴等により特定される人気ゲームのボタンSC56などが含まれる。おすすめゲームのボタンSC54と人気ゲームのボタンSC56には、プレーヤの過去のプレイ履歴に基づくランクSC55,SC57がそれぞれ表示されている。また、ゲーム選択画面SC5には、ゲーム選択操作が可能な残り時間SC58が時間経過に合わせて更新しながら表示される。
【0144】
プロセッサ30は、操作パネル80の左ボタン81または右ボタン82の操作により何れかのゲーム選択ボタンが選択され、決定ボタン83により確定が指示されると、ゲーム選択ボタンに応じたシューティングゲームを実行するためのゲーム設定を実行する(ステップA9)。ゲーム設定では、例えばプレーヤのプレイ履歴やカスタマイズデータに応じた設定を行う。プロセッサ30は、ゲーム設定が完了した後、ゲーム処理を実行する(ステップA10)。
【0145】
一方、プロセッサ30は、読み取られた会員コードがゲスト用である場合(ステップA6、Yes)、ゲストプレーヤ用のゲスト処理を実行する。ゲスト処理では、例えばプレイ対象とするシューティングゲームを選択するためのゲーム選択画面をディスプレイ34に表示させ、プレーヤによりゲーム選択画面に含まれる複数のゲーム選択ボタンから何れかを選択させる。
【0146】
プロセッサ30は、ゲーム選択ボタンが選択されると、ゲーム選択ボタンに応じたシューティングゲームを実行するためのゲーム設定を実行する(ステップA9)。ゲーム設定では、例えばプレーヤのプレイ履歴やカスタマイズデータに応じた設定を行う。プロセッサ30は、ゲーム設定が完了した後、ゲーム処理を実行する(ステップA10)。
【0147】
次に、ゲーム装置20によるゲーム処理について、図20に示すフローチャートを参照しながら説明する。
プロセッサ30は、ゲームを開始すると(ステップB1)、ゲーム種類に応じたターゲット(標的画像)をディスプレイ34に表示させる(ステップB2)。プロセッサ30は、ターゲット表示後にシート状部材72にBB弾が着弾したことを検出すると(ステップB3、Yes)、ターゲットの表示位置と着弾位置などをもとに得点(スコア)を判定して計数する。
【0148】
また、プロセッサ30は、各着弾について、着弾の時刻、弾速及び運動エネルギーを示すデータをメモリ31に記憶させる(ステップB4)。
【0149】
図24は、シューティングゲームの種類に応じたターゲット(標的画像)の一例を示す図である。
図24(A)は、ブルズアイ競技を模したゲームのターゲットの一例である。ブルズアイ競技は、一つずつ表示されるターゲットを正確に射撃するものである。スタート時は、図24(A1)に示すように、中心に大きなターゲットを表示し、ターゲットに命中するとターゲットを消滅させて、次のターゲットを表示する。次に表示されるターゲットは、図24(A2)に示すように、サイズを小さくして難度を上げる。以下、同様にして、命中する毎にターゲットを変更していく。なお、ターゲットのサイズを変更するだけでなく、上下左右に表示位置もランダムに変化させる。
【0150】
図24(B)は、プレート競技を模したゲームのターゲットの一例である。プレート競技は、複数同時に表示されるターゲットを表示して、正確かつ速やかに射撃するものである。図24(B)に示すように、複数の異なるサイズのターゲットが配列されている。
【0151】
図24(C)は、ムーバー競技を模したゲームのターゲットの一例である。ムーバー競技は、移動するターゲットを正確に射撃するものである。例えば、ターゲットを一定速度で左右に移動させるもので、複数ターゲットを順番に移動させる。
【0152】
なお、図24に示すターゲットは一例であって、その他の形態のターゲット(標的画像)を用いることができる。ディスプレイ34にターゲット(標的画像)を表示させるので、シューティングゲームの種類に応じた任意の標的画像を用意することで、様々なシューティングゲームを実現できる。ディスプレイ34の表示画面全体をシート状部材72により覆っているので、ディスプレイ34の全領域を用いてターゲットを表示可能である。
【0153】
このように、ゲーム処理では、予め決められた時間内で、ゲームの種類に応じて表示されるターゲットに対する射撃に対してスコアを計数していく。一方、プロセッサ30は、ゲーム処理において、シート状部材72に着弾したBB弾の弾速あるいはエネルギーの少なくとも何れか一方のデータを用いて、適切なエアソフトガンが使用されているかを監視する。
【0154】
プロセッサ30は、図4に示す管理制御データに設定された、BB弾の弾速あるいはエネルギーに対する第1基準値、第2基準値、第3基準値と、着弾したBB弾の弾速あるいはエネルギーと比較する。なお、第1基準値>第2基準値>第3基準値の関係があるものとする。
【0155】
プロセッサ30は、法定により使用が認められていないエアソフトガンを判別するための第1基準値を、着弾したBB弾の弾速あるいはエネルギーが超えていると判別された場合(ステップB5、Yes)、ゲームを停止させると共に(ステップB6)、例えばディスプレイ34にゲームを停止させた理由を示すメッセージを表示し、ゲーム停止を通知する所定の音声をスピーカ36から出力させる(ステップB12)。また、プロセッサ30は、店舗内の従業員が所持する携帯端末16に対して、無線通信によりメッセージを通知して、携帯端末16から表示、音声、あるいはバイブレータなどにより出力させて従業員にメッセージを通知する。また、ゲーム装置20は、ホスト装置21に通知して、ホスト装置21からメッセージを出力(表示、音声)させるようにしても良い。
【0156】
また、プロセッサ30は、例えば都道府県における青少年保護育成条例あるいはエアソフトガンの自主規制団体など公的に設定されたパワー上限に応じた第2基準値を、着弾したBB弾の弾速あるいはエネルギーが超えていると判別された場合(ステップB7、Yes)、ディスプレイ34に警告メッセージを表示させる(スピーカ36から所定の警告音声メッセージを出力させても良い)。さらに、第1基準値を超えた場合と同様にして、従業員の携帯端末16、ホスト装置21に通知するようにしても良い。
【0157】
第2基準値は、プレーヤの年齢によって異なる場合がある。ゲーム装置20は、会員コードをもとに年齢を確認することができるデータをゲームサーバ10から受信している場合には、プレーヤの年齢に応じて第2基準値をもとに判別を行うものとする。
【0158】
また、プロセッサ30は、ゲームシステム全体、店舗単位あるいはゲーム装置20毎に独自に決められたパワー上限に応じた第3基準値を、着弾したBB弾の弾速あるいはエネルギーが超えていると判別された場合(ステップB9、Yes)、ディスプレイ34にメッセージを表示させる(スピーカ36から所定の音声メッセージを出力させても良い)。また、プロセッサ30は、管理制御データに設定された第3基準値に対応する処理内容に応じてゲーム内容を変更する(ステップB10)。ゲーム内容の変更としては、例えば標的サイズ変更、ゲーム時間変更などがある。
【0159】
このようにして、ゲーム装置20では、ゲーム処理中に着弾したBB弾により検出された射速あるいは運動エネルギーをもとに、エアソフトガンに定められたパワー上限を超えていると判別された場合に、外部にメッセージ等を通知するので、プレーヤだけでなく、従業員などの他者に不適切なエアソフトガンが使用されていることを確認させることができる。従って、不適切なエアソフトガンを使用するプレーヤに対して適切に対処することができる。
【0160】
第2基準値及び第3基準値を超えた場合には、ゲーム処理を継続する。プロセッサ30は、ゲームが終了すると(ステップB11,A11、Yes)、ゲーム結果処理及びランキング処理を実行する(ステップA12,A13)。
【0161】
ゲーム結果処理では、プロセッサ30は、ゲーム結果画面をディスプレイ34に表示させる。また、ランキング処理では、プロセッサ30は、ゲーム結果のスコアなどのデータをゲームサーバ10に送信した、ランキングを更新させると共に、更新後のランキングをディスプレイ34に表示させる。
【0162】
図25(A)(B)は、ゲーム結果画面SC6,SC7の一例を示す図である。
図25(A)に示すゲーム結果画面SC6では、ターゲットに対する着弾位置、スコア、時間などを含む結果画像SC61が表示される。また、ゲーム結果画面SC6では、ゲーム後のランキングSC62、プレーヤのゲーム履歴に基づくランキングの変化を示すグラフSC63が表示される。
【0163】
図25(B)に示すゲーム結果画面SC7では、結果画像SC71と共に、着弾に応じて算出された評価値(命中率、集中力、俊敏性、判断力)のグラフSC72が表示される。
【0164】
なお、図25(A)(B)に示すゲーム結果画面SC6,SC7は、一例であって、任意の形態のゲーム結果画面を表示させることが可能である。
【0165】
プロセッサ30は、会員登録されたプレーヤがゲーム終了した場合、ゲーム結果の内容を示すデータをゲームサーバ10に送信して、会員コードに対応する会員登録データなどを更新させる。
【0166】
なお、前述した説明では、会員登録されたプレーヤを、カードリーダ45により読み取られた会員コード(2次元コード)により判別しているが、カメラユニット46によりプレーヤを撮影した画像をもとに判別するようにしても良い。プロセッサ30は、カメラユニット46により撮影された画像に対して、予め登録された会員の識別用データをもとに個別認証をする。また、会員個人を特定するのではなく、年齢のみをカメラユニット46により撮影された画像をもとに、既知の画像処理方法を用いて判別できるようにしても良い。この場合、ゲストプレーヤについても年齢を判別して、前述した第2基準値をもとにした判別に反映させることができる。
【0167】
さらに、カメラユニット46により撮影された画像をもとに、プレーヤの危険行為、エアソフトガンの銃口方向(射撃方向)などを検出して、警告メッセージなどを表示させるようにしても良い。
【0168】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0169】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD-ROM、DVD、MO、Blu-ray(登録商標)等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【符号の説明】
【0170】
10…ゲームサーバ、14(14-1,…,14-x)…店舗、16…携帯端末、20…ゲーム装置、21…ホスト装置、30…プロセッサ、31…メモリ、32…記憶装置、34…ディスプレイ、47…センサ信号処理ユニット、50…下部筐体、51…上部筐体、72…シート状部材、53…衝撃吸収物体保持部材、60…下部前面用衝撃吸収部材、60L,60R…下部側面用衝撃吸収部材、70L,70R…上部側面用衝撃吸収部材、73(73L,73R)…枠用衝撃吸収部材、74…上部前面用衝撃吸収部材、80…操作パネル、86…弾回収板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25