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特許7134735電源装置、電源装置の制御方法、及び、照明装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】電源装置、電源装置の制御方法、及び、照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 45/335 20200101AFI20220905BHJP
   H05B 45/385 20200101ALI20220905BHJP
   H05B 45/14 20200101ALI20220905BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20220905BHJP
【FI】
H05B45/335
H05B45/385
H05B45/14
H02M3/28 L
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018121066
(22)【出願日】2018-06-26
(65)【公開番号】P2020004536
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-06-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000002037
【氏名又は名称】新電元工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(72)【発明者】
【氏名】林 正明
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-080640(JP,A)
【文献】特開2016-081713(JP,A)
【文献】特開2015-231299(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明の電源を供給する電流臨界型の電源装置であって、
交流電源からの交流電圧を整流する整流回路と、
前記整流回路に接続され、スイッチ及びトランスを構成する一次側及び二次側インダクタでエネルギーの充放電を行い、LEDランプに直流電流を供給する直流電源回路と、
前記LEDランプに調光信号に対応したLED電流が流れるように、前記LEDランプのLED電流に基づいたフィードバック信号と調光信号に対応した調光電圧とを誤差アンプにより比較した比較結果より出力される誤差値に基づいて前記スイッチのオン幅を制御し、前記スイッチをオフした後に、前記二次側インダクタの放電電流がゼロになるタイミングから次に前記スイッチがオンするタイミングを遅延させるディレイ時間を設け、前記ディレイ時間を経過した後に前記スイッチをオンし、前記誤差値が予め定められた基準閾値以上である場合には、前記ディレイ時間をゼロにし、一方、前記誤差値が前記基準閾値未満である場合には、前記ディレイ時間を前記誤差値に基づいて決定する制御部と、を有するものであり、
前記制御部は、前記誤差値が前記基準閾値未満である場合には、前記ディレイ時間を前記誤差値が小さくなる程、長くする方向に制御する
ことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記誤差値が前記基準閾値未満である場合には、前記スイッチのオン幅を予め設定した最小の最小オン幅に制御する
ことを特徴とする請求項に記載の電源装置。
【請求項3】
前記直流電源回路は、前記スイッチをオフした後に、前記二次側インダクタの放電電流がゼロになるタイミングの検出を、前記二次側インダクタとトランスを構成するように巻かれた補助巻線の電圧により実行する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記誤差アンプは前記二次側インダクタに流れるピーク電流の包絡線が前記交流電源の周期に同期して正弦波状となるように、周波数応答帯域を交流電源周波数の倍の周波数に対して十分落としている
ことを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の電源装置。
【請求項5】
前記直流電源回路は絶縁型のフライバック電源方式である
ことを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載の電源装置。
【請求項6】
前記直流電源回路は、
前記整流回路が整流した直流電圧が供給される第1入力電源端子及び第2入力電源端子と、
前記第1入力電源端子と前記第2入力電源端子との間に接続された入力コンデンサと 前記LEDランプの一端が接続される第1出力電源端子及び前記LEDランプの他端が接続される第2出力電源端子と、
一端が前記第1入力電源端子に接続された前記一次側インダクタと、
一端が前記一次側インダクタの他端に接続され、他端が前記第2入力電源端子に接続され、前記制御部が出力する制御電圧によりオン/オフが制御される前記スイッチと、
前記一次側インダクタとトランスを構成する前記二次側インダクタと、
一端が前記二次側インダクタの一端に接続され、他端が前記第1出力電源端子に接続された整流素子と、
一端が前記第2出力電源端子に接続され、他端が前記二次側インダクタの他端に接続された出力抵抗と、
一端が前記第1出力電源端子に接続され、他端が前記出力抵抗の他端に接続された出力コンデンサと、
前記二次側インダクタに流れる放電電流に応じた検出信号を出力する前記補助巻線と、を備える
ことを特徴とする請求項に記載の電源装置。
【請求項7】
前記補助巻線は、一端から前記検出信号を前記制御に出力し、他端が前記第2入力電源端子に接続されている
ことを特徴とする請求項に記載の電源装置。
【請求項8】
前記制御部は、
反転入力端子が前記第2出力電源端子に接続され、非反転入力端子に前記調光電圧が供給され、前記誤差値を出力する前記誤差アンプと、
前記検出信号に応じて前記二次側インダクタの放電電流がゼロになるタイミングでオントリガ信号を出力するオントリガ回路と、
前記オントリガ信号に応じて、所定の電圧値からオン幅タイマ電圧を上昇させ、前記オン幅タイマ電圧が前記誤差値に到達すると、オフトリガ信号を出力するオン幅タイマと、 ディレイタイマ電圧が前記誤差値未満の場合、前記オントリガ信号に応じて、オン制御信号を出力し、一方、前記ディレイタイマ電圧が前記誤差値以上の場合、前記オントリガ信号に応じて、所定の電圧値からディレイタイマ電圧を降下させ、前記ディレイタイマ電圧が前記誤差値よりも低くなると、オン制御信号を出力するオンディレイ制御回路と、
前記オン制御信号に応じて前記スイッチをオンする前記制御電圧を出力し、一方、前記オフトリガ信号に応じて前記スイッチをオフする前記制御電圧を出力する論理回路と、を備える
ことを特徴とする請求項に記載の電源装置。
【請求項9】
前記オン幅タイマは、
前記スイッチの制御に応じて、前記スイッチがオフするオフ期間及び前記オフ期間の経過後予め設定された設定期間の間、オン幅タイママスク信号を生成し、
前記オン幅タイママスク信号が生成されている期間は、前記オフトリガ信号の出力をマスクし、
一方、前記オン幅タイママスク信号が生成されていない期間は、前記オフトリガ信号の出力をマスクしない
ことを特徴とする請求項に記載の電源装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記スイッチの制御に応じて、前記制御部の動作をリスタートするためのリスタート信号を出力するリスタート回路をさらに備え、
前記論理回路は、前記リスタート信号により起動時やスイッチング停止時において前記検出信号が得られない場合でもリスタートできることを特徴とする請求項に記載の電源装置。
【請求項11】
前記論理回路Hは、
前記オンディレイ制御回路が出力する前記オン制御信号、及び、前記リスタート回路が出力する前記リスタート信号が入力され、演算信号を出力するOR回路と、
セット端子に前記OR回路が出力した演算信号が入力され、リセット端子に前記オフトリガ信号が入力されるフリップフロップ回路と、
前記フリップフロップ回路が出力する論理信号が入力され、前記制御電圧を出力するインバータ回路と、を備える
ことを特徴とする請求項10に記載の電源装置。
【請求項12】
前記誤差アンプの反転入力端子と前記誤差アンプの出力との間に接続されたアンプ用コンデンサと、
前記誤差アンプの反転入力端子と前記誤差アンプの出力との間で、前記アンプ用コンデンサと直列に接続されたアンプ用抵抗と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項に記載の電源装置。
【請求項13】
照明の電源を供給する電流臨界型の電源装置であって、交流電源からの交流電圧を整流する整流回路と、前記整流回路に接続され、スイッチ及びトランスを構成する一次側及び二次側インダクタでエネルギーの充放電を行い、LEDランプに直流電流を供給する直流電源回路と、
制御部と、を有する電源装置の制御方法であって、
前記制御部が、
前記LEDランプに調光信号に対応したLED電流が流れるように、前記LEDランプのLED電流に基づいたフィードバック信号と調光信号に対応した調光電圧とを誤差アンプにより比較した比較結果より出力される誤差値に基づいて前記スイッチのオン幅を制御し、
前記スイッチをオフした後に、前記二次側インダクタの放電電流がゼロになるタイミングから次に前記スイッチがオンするタイミングを遅延させるディレイ時間を設け、前記ディレイ時間を経過した後に前記スイッチをオンし、
前記誤差値が予め定められた基準閾値以上である場合には、前記ディレイ時間をゼロにし、一方、前記誤差値が前記基準閾値未満である場合には、前記ディレイ時間を前記誤差値に基づいて決定するものであり、
前記制御部は、前記誤差値が前記基準閾値未満である場合には、前記ディレイ時間を前記誤差値が小さくなる程、長くする方向に制御する
ことを特徴とする電源装置の制御方法。
【請求項14】
交流電圧を出力する交流電源と、
LEDランプと、
前記交流電圧から照明である前記LEDランプの電源を供給する電流臨界型の電源装置と、を備え、
前記電源装置は、
前記交流電源からの交流電圧を整流する整流回路と、
前記整流回路に接続され、スイッチ及びトランスを構成する一次側及び二次側インダクタエネルギーの充放電を行い、前記LEDランプに直流電流を供給する直流電源回路と、
前記LEDランプに調光信号に対応したLED電流が流れるように、前記LEDランプのLED電流に基づいたフィードバック信号と調光信号に対応した調光電圧とを誤差アンプにより比較した比較結果より出力される誤差値に基づいて前記スイッチのオン幅を制御し、前記スイッチをオフした後に、前記二次側インダクタの放電電流がゼロになるタイミングから次に前記スイッチがオンするタイミングを遅延させるディレイ時間を設け、前記ディレイ時間を経過した後に前記スイッチをオンし、前記誤差値が予め定められた基準閾値以上である場合には、前記ディレイ時間をゼロにし、一方、前記誤差値が前記基準閾値未満である場合には、前記ディレイ時間を前記誤差値に基づいて決定する制御部と、を有するものであり、
前記制御部は、前記誤差値が前記基準閾値未満である場合には、前記ディレイ時間を前記誤差値が小さくなる程、長くする方向に制御する
ことを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置、電源装置の制御方法、及び、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電流臨界型スイッチング電源は、電流連続と電流不連続の丁度臨界点でスイッチをオンすることから効率面、ノイズ面で優れた回路方式で、PFC(Power Factor Correction)回路や、フライバック電源、LED照明用電源等で使用される(例えば、特許文献1、2、3参照)。
【0003】
但し、周波数変調制御である為、入力電圧が高く出力電力が小さいほど、周波数は上がり、効率低下や制御限界による間欠動作や出力電圧上昇等が起こることがある。
【0004】
この対策の一例として、LED照明等では、調光信号のレベルで臨界点からオンまでのディレイ時間を伸ばす事で周波数上昇を抑制する方式がある。
【0005】
この方式だと、調光信号レベルに応じてディレイ時間を切り換えている為、入力電圧やLEDのVF(出力電圧)に合わせて最適なディレイ時間に制御することができない。
【0006】
PFC回路及び、PFC回路とLEDのシンゲルステージ(ワンコンバータ) 電源とで臨界動作を行う回路において、深調光で電力を絞り込むと、高入力電圧時に特にオン幅が狭くなり、制御限界となり、電流を絞り込めないという状況が発生する。
【0007】
その対策として、調光信号に応じて、周波数を下げる等の回路構成が考えられる。
【0008】
しかし、入力電圧が低い時と高い時では、オン幅制御限界は大きく違っており、最適なポイントでの切り替えが困難となる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許第6135635号公報
【文献】特許第5999326号公報
【文献】特許第5828106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明は、調光信号レベルに拘わらず、入力電圧や出力電圧が変わっても最適なディレイ時間に制御することが可能な電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様に係る電源装置は、
照明の電源を供給する電流臨界型の電源装置であって、
交流電源からの交流電圧を整流する整流回路と、
前記整流回路に接続され、スイッチ及びトランスを構成する一次側及び二次側インダクタでエネルギーの充放電を行い、LEDランプに直流電流を供給する直流電源回路と、
前記LEDランプに調光信号に対応したLED電流が流れるように、前記LEDランプのLED電流に基づいたフィードバック信号と調光信号に対応した調光電圧とを誤差アンプにより比較した比較結果より出力される誤差値に基づいて前記スイッチのオン幅を制御し、前記スイッチをオフした後に、前記二次側インダクタの放電電流がゼロになるタイミングから次に前記スイッチがオンするタイミングを遅延させるディレイ時間を設け、前記ディレイ時間を経過した後に前記スイッチをオンし、前記誤差値が予め定められた基準閾値以上である場合には、前記ディレイ時間をゼロにし、一方、前記誤差値が前記基準閾値未満である場合には、前記ディレイ時間を前記誤差値に基づいて決定する制御部と、を有する
ことを特徴とする。
【0012】
前記電源装置において、
前記制御部は、前記誤差値が前記基準閾値未満である場合には、前記ディレイ時間を前記誤差値が小さくなる程、長くする方向に制御する
ことを特徴とする。
【0013】
前記電源装置において、
前記制御部は、前記誤差値が前記基準閾値未満である場合には、前記スイッチのオン幅を予め設定した最小の最小オン幅に制御する
ことを特徴とする。
【0014】
前記電源装置において、
前記直流電源回路は、前記スイッチをオフした後に、前記二次側インダクタの放電電流がゼロになるタイミングの検出を、前記二次側インダクタとトランスを構成するように巻かれた補助巻線の電圧により実行する
ことを特徴とする。
【0015】
前記電源装置において、
前記誤差アンプは前記二次側インダクタに流れるピーク電流の包絡線が前記交流電源の周期に同期して正弦波状となるように、周波数応答帯域を交流電源周波数の倍の周波数に対して十分落としている
ことを特徴とする。
【0016】
前記電源装置において、
前記直流電源回路は、非絶縁型の昇圧チョッパ、降圧チョッパ、昇降圧チョッパ、絶縁型のフライバックの何れかの電源方式である
ことを特徴とする。
【0017】
前記電源装置において、
前記直流電源回路は、
前記整流回路が整流した直流電圧が供給される第1入力電源端子及び第2入力電源端子と、
前記第1入力電源端子と前記第2入力電源端子との間に接続された入力コンデンサと、
前記LEDランプの一端が接続される第1出力電源端子及び前記LEDランプの他端が接続される第2出力電源端子と、
一端が前記第1入力電源端子に接続された一次側インダクタと、
一端が前記一次側インダクタの他端に接続され、他端が前記第2入力電源端子に接続され、前記制御部が出力する制御電圧によりオン/オフが制御される前記スイッチと、
前記一次側インダクタとトランスを構成する二次側インダクタと、
一端が前記二次側インダクタの一端に接続され、他端が前記第1出力電源端子に接続された整流素子と、
一端が前記第2出力電源端子に接続され、他端が前記二次側インダクタの他端に接続された出力抵抗と、
一端が前記第1出力電源端子に接続され、他端が前記出力抵抗の他端に接続された出力コンデンサと、
前記二次側インダクタに流れる放電電流に応じた検出信号を出力する前記補助巻線と、を備える
ことを特徴とする。
【0018】
前記電源装置において、
前記補助巻線は、一端から前記検出信号を前記制御部Yに出力し、他端が前記第2入力電源端子に接続されている
ことを特徴とする。
【0019】
前記電源装置において、
前記制御部は、
反転入力端子が前記第2出力電源端子に接続され、非反転入力端子に前記調光電圧が供給され、前記誤差値を出力する前記誤差アンプと、
前記検出信号に応じて前記二次側インダクタの放電電流がゼロになるタイミングでオントリガ信号を出力するオントリガ回路と、
前記オントリガ信号に応じて、所定の電圧値からオン幅タイマ電圧を上昇させ、前記オン幅タイマ電圧が前記誤差値に到達すると、オフトリガ信号を出力するオン幅タイマと、
ディレイタイマ電圧が前記誤差値未満の場合、前記オントリガ信号に応じて、オン制御信号を出力し、一方、前記ディレイタイマ電圧が前記誤差値以上の場合、前記オントリガ信号に応じて、所定の電圧値からディレイタイマ電圧を降下させ、前記ディレイタイマ電圧が前記誤差値よりも低くなると、オン制御信号を出力するオンディレイ制御回路と、
前記オン制御信号に応じて前記スイッチをオンする前記制御電圧を出力し、一方、前記オフトリガ信号に応じて前記スイッチをオフする前記制御電圧を出力する論理回路と、を備える
ことを特徴とする。
【0020】
前記電源装置において、
前記オン幅タイマは、
前記スイッチの制御に応じて、前記スイッチがオフするオフ期間及び前記オフ期間の経過後予め設定された設定期間の間、オン幅タイママスク信号を生成し、
前記オン幅タイママスク信号が生成されている期間は、前記オフトリガ信号の出力をマスクし、
一方、前記オン幅タイママスク信号が生成されていない期間は、前記オフトリガ信号の出力をマスクしない
ことを特徴とする。
【0021】
前記電源装置において、
前記制御部は、
前記スイッチの制御に応じて、前記制御部の動作をリスタートするためのリスタート信号を出力するリスタート回路をさらに備え、
前記論理回路は、前記リスタート信号により起動時やスイッチング停止時において前記検出信号が得られない場合でもリスタートできることを特徴とする。
【0022】
前記電源装置において、
前記論理回路Hは、
前記オンディレイ制御回路が出力する前記オン制御信号、及び、前記リスタート回路が出力する前記リスタート信号が入力され、演算信号を出力するOR回路と、
セット端子に前記OR回路が出力した演算信号が入力され、リセット端子に前記オフトリガ信号が入力されるフリップフロップ回路と、
前記フリップフロップ回路が出力する論理信号が入力され、前記制御電圧を出力するインバータ回路と、を備える
ことを特徴とする。
【0023】
前記電源装置において、
前記誤差アンプの反転入力端子と前記誤差アンプの出力との間に接続されたアンプ用コンデンサと、
前記誤差アンプの反転入力端子と前記誤差アンプの出力との間で、前記コンデンサと直列に接続されたアンプ用抵抗と、をさらに備える
ことを特徴とする。
【0024】
本発明の一態様に係る電源装置の制御方法は、
照明の電源を供給する電流臨界型の電源装置であって、交流電源からの交流電圧を整流する整流回路と、前記整流回路に接続され、スイッチ及びトランスを構成する一次側及び二次側インダクタでエネルギーの充放電を行い、LEDランプに直流電流を供給する直流電源回路と、
制御部と、を有する電源装置の制御方法であって、
前記制御部が、
前記LEDランプに調光信号に対応したLED電流が流れるように、前記LEDランプのLED電流に基づいたフィードバック信号と調光信号に対応した調光電圧とを誤差アンプにより比較した比較結果より出力される誤差値に基づいて前記スイッチのオン幅を制御し、
前記スイッチをオフした後に、前記二次側インダクタの放電電流がゼロになるタイミングから次に前記スイッチがオンするタイミングを遅延させるディレイ時間を設け、前記ディレイ時間を経過した後に前記スイッチをオンし、
前記誤差値が予め定められた基準閾値以上である場合には、前記ディレイ時間をゼロにし、一方、前記誤差値が前記基準閾値未満である場合には、前記ディレイ時間を前記誤差値に基づいて決定する
ことを特徴とする。
【0025】
本発明の一態様に係る照明装置は、
交流電圧を出力する交流電源と、
LEDランプと、
前記交流電圧から照明である前記LEDランプの電源を供給する電流臨界型の電源装置と、を備え、
前記電源装置は、
前記交流電源からの交流電圧を整流する整流回路と、
前記整流回路に接続され、スイッチ及びトランスを構成する一次側及び二次側インダクタでエネルギーの充放電を行い、LEDランプに直流電流を供給する直流電源回路と、
前記LEDランプに調光信号に対応したLED電流が流れるように、前記LEDランプのLED電流に基づいたフィードバック信号と調光信号に対応した調光電圧とを誤差アンプにより比較した比較結果より出力される誤差値に基づいて前記スイッチのオン幅を制御し、前記スイッチをオフした後に、前記二次側インダクタの放電電流がゼロになるタイミングから次に前記スイッチがオンするタイミングを遅延させるディレイ時間を設け、前記ディレイ時間を経過した後に前記スイッチをオンし、前記誤差値が予め定められた基準閾値以上である場合には、前記ディレイ時間をゼロにし、一方、前記誤差値が前記基準閾値未満である場合には、前記ディレイ時間を前記誤差値に基づいて決定する制御部と、を有する
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一態様に係る電源装置は、照明の電源を供給する電流臨界型の電源装置であって、交流電源からの交流電圧を整流する整流回路と、整流回路に接続され、スイッチ及びトランスを構成する一次側及び二次側インダクタでエネルギーの充放電を行い、LEDランプに直流電流を供給する直流電源回路と、LEDランプに調光信号に対応したLED電流が流れるように、LEDランプのLED電流に基づいたフィードバック信号と調光信号に対応した調光電圧とを、誤差アンプにより比較した比較結果より出力される誤差値に基づいてスイッチのオン幅を制御し、スイッチをオフした後に、二次側インダクタの放電電流がゼロになるタイミングから次にスイッチがオンするタイミングを遅延させるディレイ時間を設け、ディレイ時間を経過した後にスイッチをオンし、誤差値が予め定められた基準閾値以上である場合には、ディレイ時間をゼロにし、一方、誤差値が基準閾値未満である場合には、ディレイ時間を誤差値に基づいて決定する制御部と、を有する。
【0027】
これにより、本発明の電源装置によれば、調光信号レベルに拘わらず、入力電圧や出力電圧が変わっても最適なディレイ時間に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本実施形態に係る電源装置100を含む照明装置1000のシステム構成の一例を示す図である。
図2図2は、図1に示す電源装置100の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、図1図2に示す電源装置100の制御部Yの動作波形の一例を示す波形図である。
図4図4は、図3の誤差アンプEPが出力する誤差値VOPoutとスイッチMのオン幅及びディレイ時間との関係の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本実施形態に係る電源装置100を含む照明装置1000のシステム構成の一例を示す図である。また、図2は、図1に示す電源装置100の構成の一例を示すブロック図である。また、図3は、図1図2に示す電源装置100の制御部Yの動作波形の一例を示す波形図である。また、図4は、図3の誤差アンプEPが出力する誤差値VOPoutとスイッチMのオン幅及びディレイ時間との関係の一例を示す図である。
本実施形態に係る照明装置1000は、例えば、図1に示すように、交流電源ACと、LEDランプZと、電源装置100と、を備える。
【0030】
そして、交流電源ACは、交流電圧を出力するようになっている。
【0031】
また、LEDランプZは、一端(アノード側)が第1出力電源端子TOUT1に接続され、他端(カソード側)が第2出力電源端子TOUT2に接続されるようになっている。
【0032】
また、電源装置100は、交流電源ACが出力した交流電圧から照明であるLEDランプZの電源を供給する電流臨界型の電源装置である。
【0033】
ここで、この電源装置100は、例えば、図1に示すように、整流回路RECと、直流電源回路Gと、制御部Yと、を備える。
【0034】
そして、整流回路RECは、交流電源ACからの交流電圧を整流するようになっている。
【0035】
また、直流電源回路Gは、例えば、図1に示すように、整流回路RECに接続されている。
【0036】
この直流電源回路Gは、スイッチM及びトランス20を構成する一次側及び二次側インダクタL1a、L2でエネルギーの充放電を行い、LEDランプZに直流電流を供給するようになっている。
【0037】
この直流電源回路Gは、例えば、非絶縁型の昇圧チョッパ、降圧チョッパ、昇降圧チョッパ、絶縁型のフライバックの何れかの電源方式の電源回路であればよい。
【0038】
ここで、この直流電源回路Gは、例えば、図1に示すように、第1入力電源端子TIN1と、第2入力電源端子TIN2と、入力コンデンサC1と、第1出力電源端子TOUT1と、第2出力電源端子TOUT2と、一次側インダクタL1aと、二次側インダクタL2と、出力抵抗R2と、補助巻線L1bと、アンプ用コンデンサCXと、アンプ用抵抗RXと、を備える。
【0039】
そして、第1入力電源端子TIN1及び第2入力電源端子TIN2は、整流回路RECが整流した直流電圧が供給されるようになっている。
【0040】
また、入力コンデンサC1は、第1入力電源端子TIN1と第2入力電源端子TIN2との間に接続されている。
【0041】
また、第1出力電源端子TOUT1は、LEDランプZの一端(アノード側)が接続されるようになっている。
【0042】
また、第2出力電源端子TOUT2は、LEDランプZの他端(カソード側)が接続されるようになっている。
【0043】
また、一次側インダクタL1aは、一端が第1入力電源端子TIN1に接続されている。
【0044】
また、スイッチMは、一端(ドレイン)が一次側インダクタL1aの他端に接続され、他端(ソース)が第2入力電源端子TIN2に接続されている。このスイッチMは、制御部Yが出力する制御電圧VDGが制御端子(ゲート)に供給され、当該制御電圧VDGによりオン/オフが制御されるようになっている。
【0045】
このスイッチMは、例えば、図1に示すように、MOSトランジスタである。
【0046】
また、二次側インダクタL2は、一次側インダクタL1aとトランス20を構成している。
【0047】
また、整流素子Dは、一端(アノード)が二次側インダクタL2の一端に接続され、他端(カソード)が第1出力電源端子TOUT1に接続されている。
【0048】
この整流素子Dは、例えば、図1に示すように、アノードが二次側インダクタL2の一端に接続され、カソードが第1出力電源端子に接続されたダイオードである。
【0049】
また、出力抵抗R2は、一端が第2出力電源端子TOUT2に接続され、他端が二次側インダクタL2の他端に接続されている。
【0050】
なお、この出力抵抗R2の他端(二次側インダクタL2の他端)は、既述の第2入力電源端子TIN2に接続されており、1次側と2次側のグランドが共通に接続されている。
【0051】
また、出力コンデンサC2は、一端が第1出力電源端子TOUT1に接続され、他端が出力抵抗R2の他端に接続されている。
【0052】
また、補助巻線L1bは、二次側インダクタL2に流れる放電電流IFに応じた検出信号VZCDを出力するようになっている。
【0053】
この補助巻線L1bは、例えば、図1に示すように、一端から検出信号VZCDを制御部Yに出力し、他端が第2入力電源端子TIN2に接続されている。
【0054】
特に、この直流電源回路Gは、スイッチMをオフした後に、二次側インダクタL2の放電電流がゼロになるタイミングの検出を、二次側インダクタL2とトランスを構成するように巻かれた補助巻線L1bの電圧により実行するようになっている。
【0055】
また、アンプ用コンデンサCXは、誤差アンプEPの反転入力端子(制御部Yの端子OP-)と誤差アンプEPの出力(制御部Yの端子OPout)との間に接続されている。
【0056】
また、アンプ用抵抗RXは、誤差アンプEPの反転入力端子(制御部Yの端子OP-)と誤差アンプEPの出力(制御部Yの端子OPout)との間で、コンデンサCXと直列に接続されている。
【0057】
また、制御部Yは、LEDランプZに調光信号に対応したLED電流が流れるように、LEDランプZのLED電流に基づいたフィードバック信号VOP-と調光信号に対応した調光電圧VOP+とを誤差アンプEPにより比較した比較結果より出力される誤差値VOPoutに基づいてスイッチMのオン幅を制御するようになっている。
【0058】
特に、この制御部Yは、スイッチMをオフした後に、二次側インダクタL2の放電電流IFがゼロになるタイミングから次にスイッチMがオンするタイミングを遅延させるディレイ時間DTを設け、当該ディレイ時間DTを経過した後にスイッチMをオンするようになっている。
【0059】
そして、この制御部Yは、誤差値VOPoutが予め定められた基準閾値以上である場合には、ディレイ時間DTをゼロにし、一方、誤差値VOPoutが基準閾値未満である場合には、ディレイ時間DTを誤差値VOPoutに基づいて決定するようになっている(図3図4)。
【0060】
なお、制御部Yは、誤差値VOPoutが既述の基準閾値未満である場合には、ディレイ時間DTを誤差値VOPoutが小さくなる程、長くする方向に制御するようになっている。
【0061】
そして、制御部Yは、当該誤差値VOPoutが既述の基準閾値未満である場合には、スイッチMのオン幅を予め設定した最小の最小オン幅WSに制御するようになっている(図3図4)。
【0062】
ここで、この制御部Yは、例えば、図2に示すように、誤差アンプEPと、オントリガ回路OTと、オン幅タイマTCと、オンディレイ制御回路OCと、リスタート回路RCと、論理回路Hと、を備える。
【0063】
そして、誤差アンプEPは、反転入力端子が第2出力電源端子TOUT2に接続され、非反転入力端子に調光電圧VOP+が供給され、誤差値VOPoutを出力するようになっている(図3)。
【0064】
なお、この誤差アンプEPは、例えば、二次側インダクタL2に流れるピーク電流の包絡線が交流電源ACの周期に同期して正弦波状となるように、周波数応答帯域を交流電源周波数の倍の周波数に対して十分落とすようになっている。
【0065】
また、オントリガ回路OTは、端子ZCDを介して入力された検出信号VZCDに応じて二次側インダクタL2の放電電流IFがゼロになるタイミングでオントリガ信号T1(“High”レベル)を出力するようになっている(図3)。
【0066】
また、オン幅タイマTCは、オントリガ信号T1に応じて、所定の電圧値からオン幅タイマ電圧を上昇させ、オン幅タイマ電圧が誤差値VOPoutに到達すると、オフトリガ信号TRGOFFを出力するようになっている(図3)。
【0067】
特に、このオン幅タイマTCは、スイッチMの制御に応じて、スイッチMがオフするオフ期間及び当該オフ期間の経過後予め設定された設定期間TXの間、オン幅タイママスク信号(“High”レベル)を生成するようになっている(図3)。
【0068】
例えば、オン幅タイマTCは、オン幅タイママスク信号が生成されている期間(“High”レベルの期間)は、オフトリガ信号TRGOFFの出力をマスクするようになっている。
【0069】
一方、オン幅タイマTCは、オン幅タイママスク信号が生成されていない期間(“Low”レベルの期間)は、オフトリガ信号TRGOFFの出力をマスクしないようになっている。
【0070】
また、オンディレイ制御回路OCは、ディレイタイマ電圧が誤差値VOPout未満の場合、オントリガ信号T1に応じて、オン制御信号TRGON1(“High”レベル)を出力するようになっている(図3)。
【0071】
一方、このオンディレイ制御回路OCは、ディレイタイマ電圧が誤差値VOPout以上の場合、オントリガ信号T1に応じて、所定の電圧値からディレイタイマ電圧を降下させ、ディレイタイマ電圧が誤差値VOPoutよりも低くなると、オン制御信号TRGON1(“High”レベル)を出力するようになっている(図3)。
【0072】
また、リスタート回路RCは、スイッチMの制御(一定期間オフして発振していない場合等)に応じて(フリップフロップ回路FFが出力する論理信号SQに応じて)、制御部Yの動作をリスタートするためのリスタート信号SR(“High”レベル)を出力するようになっている。
【0073】
また、論理回路Hは、オン制御信号TRGON1に応じてスイッチMをオンする制御電圧VDG(“High”レベル)を出力し、一方、オフトリガ信号TRGOFFに応じてスイッチMをオフする制御電圧VDG(“Low”レベル)を出力するようになっている。
【0074】
なお、論理回路Hは、リスタート回路RCが出力するリスタート信号SRにより起動時やスイッチング停止時において前記検出信号が得られない場合でもリスタートできるようになっている。
【0075】
ここで、この論理回路Hは、例えば、図2に示すように、OR回路Kと、フリップフロップ回路FFと、インバータ回路Nと、を備える。
【0076】
そして、OR回路Kは、オンディレイ制御回路OCが出力するオン制御信号TRGON1、及び、リスタート回路RCが出力するリスタート信号SRが入力され、演算信号TRGON2を出力するようになっている。
【0077】
また、フリップフロップ回路FFは、セット端子SにOR回路Kが出力した演算信号TRGON2が入力され、リセット端子Rにオフトリガ信号TRGOFFが入力されるようになっている。
【0078】
また、インバータ回路Nは、フリップフロップ回路FFが出力する論理信号SQが入力され、制御電圧VDGを、端子GDを介してスイッチMの制御端子(ゲート)に出力するようになっている。
【0079】
次に、以上のような構成を有する電源装置100の制御方法の一例について、図面を参照しつつ説明する。
【0080】
例えば、図3の時刻t1以前において、制御電圧VDGが“Low”レベルでスイッチMがオフしており、電流IDが流れない状態で、二次側インダクタL2の放電電流IFが低下する。
【0081】
その後、図3の時刻t1において、オントリガ回路OTは、端子ZCDを介して入力された検出信号VZCDに応じて二次側インダクタL2の放電電流IFがゼロになるタイミングでオントリガ信号T1(“High”レベル)を出力する。
【0082】
そして、オンディレイ制御回路OCは、ディレイタイマ電圧が誤差値VOPout未満であるので、オントリガ信号T1に応じて、オン制御信号TRGON1(“High”レベル)を出力するようになっている(図3の時刻t1)。
【0083】
そして、制御電圧VDGが“High”レベルになると、スイッチMがオンして、電流IDが増加する。
【0084】
そして、オン幅タイマTCは、このオントリガ信号T1に応じて、所定の電圧値からオン幅タイマ電圧を上昇させ、オン幅タイマ電圧が誤差値VOPoutに到達すると、オフトリガ信号TRGOFFを出力する(時刻t2)。
【0085】
ここで、既述のように、オン幅タイマTCは、スイッチMの制御に応じて、スイッチMがオフするオフ期間及び当該オフ期間の経過後予め設定された設定期間TXの間、オン幅タイママスク信号(“High”レベル)を生成する。
【0086】
例えば、図3の時刻t2~時刻t3aは、オン幅タイママスク信号が生成されており、オフトリガ信号TRGOFFはマスクされている。時刻t3a以降、オン幅タイママスク信号が生成されていない期間(“LOW”レベルの期間)はオフトリガ信号TRGOFFを出力できる。
【0087】
一方、図3の時刻t4~時刻t7aにおいて、オン幅タイマTCは、オン幅タイママスク信号が生成されている期間(“High”レベルの期間)は、オフトリガ信号TRGOFFの出力をマスクする。
【0088】
これによりオン幅タイマ電圧が誤差値VOPOUTより低くてもオン幅タイママスク信号(“High”レベル)が生成されている期間は制御電圧VDGはLOWにならない事から最小オン幅が決定されている。
【0089】
そして、例えば、図3の時刻t6~時刻t7において、オンディレイ制御回路OCは、ディレイタイマ電圧が誤差値VOPout以上であるので、オントリガ信号T1に応じて、所定の電圧値からディレイタイマ電圧を降下させ、ディレイタイマ電圧が誤差値VOPoutよりも低くなると、オン制御信号TRGON1(“High”レベル)を出力する。
【0090】
そして、論理回路Hは、オン制御信号TRGON1に応じてスイッチMをオンする制御電圧VDG(“High”レベル)を出力し、一方、オフトリガ信号TRGOFFに応じてスイッチMをオフする制御電圧VDG(“Low”レベル)を出力する。
【0091】
このように、制御部Yは、LEDランプZに調光信号に対応したLED電流が流れるように、LEDランプZのLED電流に基づいたフィードバック信号VOP-と調光信号に対応した調光電圧VOP+とを誤差アンプEPにより比較した比較結果より出力される誤差値VOPoutに基づいてスイッチMのオン幅(制御電圧VDGの“High”レベルの期間)を制御する。
【0092】
特に、この制御部Yは、スイッチMをオフした後に、二次側インダクタL2の放電電流IFがゼロになるタイミングから次にスイッチMがオンするタイミングを遅延させるディレイ時間DTを設け、当該ディレイ時間DTを経過した後に、制御電圧VDGを“High”レベルにしてスイッチMをオンする。
【0093】
そして、この制御部Yは、誤差値VOPoutが予め定められた基準閾値以上である場合には、ディレイ時間DTをゼロにし、一方、誤差値VOPoutが基準閾値未満である場合には、ディレイ時間DTを誤差値VOPoutに基づいて決定する(図3図4)。
【0094】
なお、制御部Yは、誤差値VOPoutが既述の基準閾値未満である場合には、ディレイ時間DTを誤差値VOPoutが小さくなる程、長くする方向に制御する。
【0095】
そして、制御部Yは、当該誤差値VOPoutが既述の基準閾値未満である場合には、スイッチMのオン幅を予め設定した最小の最小オン幅WSに制御する(図3図4)。
【0096】
これにより、本発明の電源装置によれば、調光信号レベル(調光電圧の大きさ)に拘わらず、入力電圧や出力電圧が変わっても最適なディレイ時間に制御することができる。
【0097】
以上のように、本発明の一態様に係る電源装置は、照明の電源を供給する電流臨界型の電源装置であって、交流電源ACからの交流電圧を整流する整流回路RECと、整流回路RECに接続され、スイッチM及びトランスを構成する一次側及び二次側インダクタL1a、L2でエネルギーの充放電を行い、LEDランプZに直流電流を供給する直流電源回路Gと、LEDランプZに調光信号に対応したLED電流が流れるように、LEDランプZのLED電流に基づいたフィードバック信号VOP-と調光信号に対応した調光電圧VOP+とを、誤差アンプEPにより比較した比較結果より出力される誤差値VOPoutに基づいてスイッチMのオン幅を制御し、スイッチMをオフした後に、二次側インダクタL2の放電電流IFがゼロになるタイミングから次にスイッチMがオンするタイミングを遅延させるディレイ時間DTを設け、ディレイ時間DTを経過した後にスイッチMをオンし、誤差値VOPoutが予め定められた基準閾値以上である場合には、ディレイ時間DTをゼロにし、一方、誤差値VOPoutが基準閾値未満である場合には、ディレイ時間DTを誤差値VOPoutに基づいて決定する制御部Yと、を有する。
【0098】
これにより、本発明の電源装置によれば、調光信号レベル(調光電圧の大きさ)に拘わらず、入力電圧や出力電圧が変わっても最適なディレイ時間に制御することができる。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0100】
1000 照明装置
AC 交流電源
Z LEDランプ
100 電源装置
REC 整流回路
G 直流電源回路
Y 制御部
EP 誤差アンプ
OT オントリガ回路
TC オン幅タイマ
OC オンディレイ制御回路
RC リスタート回路
H 論理回路
K OR回路
FF フリップフロップ回路
N インバータ回路
TIN1 第1入力電源端子
TIN2 第2入力電源端子
C1 入力コンデンサ
TOUT1 第1出力電源端子
TOUT2 第2出力電源端子
L1a 一次側インダクタ
L2 二次側インダクタ
R2 出力抵抗
L1b 補助巻線
CX アンプ用コンデンサ
RX アンプ用抵抗
図1
図2
図3
図4