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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】運賃決済システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/32 20120101AFI20220905BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20220905BHJP
【FI】
G06Q20/32 300
G06Q50/30
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018125498
(22)【出願日】2018-06-29
(65)【公開番号】P2020004292
(43)【公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】599126800
【氏名又は名称】株式会社エムティーアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100123319
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100123098
【弁理士】
【氏名又は名称】今堀 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176201
【弁理士】
【氏名又は名称】小久保 篤史
(72)【発明者】
【氏名】前多 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】石川 幸一
【審査官】新里 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-022451(JP,A)
【文献】特開2017-117395(JP,A)
【文献】特開2016-170511(JP,A)
【文献】特開2004-227262(JP,A)
【文献】特開2016-038858(JP,A)
【文献】特開2007-226496(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが用いる運賃決済装置と、
車両の乗務員が用いる乗務員端末と、
前記ユーザが前記車両の乗車地点で取得した整理券の識別情報を読み取る整理券読取装置とを備え、
前記運賃決済装置が
前記乗車地点及び降車地点が入力される乗降地点入力部と、
前記乗車地点から前記降車地点までの乗車運賃の決済が完了したことを示す決済情報を取得する決済情報取得部と、
前記決済情報を取得した場合に、前記乗降地点入力部に入力された前記乗車地点及び前記降車地点に応じ、前記降車地点毎に異ならせて設定された表示であり当該表示の違いによって前記降車地点を示す降車地点表示と、前記車両に乗車するユーザが前記乗車地点で取得する整理券に記載された識別情報毎に異ならせて設定された表示であり当該表示の違いによって前記乗車地点を示す乗車地点表示とを含む決済完了画像を生成する決済完了画像生成部と、
前記決済完了画像を表示する表示部と、
を備え
前記乗務員端末が、
前記車両が前記降車地点に到達したことを判定する降車地点判定部と、
前記降車地点に到達したと判定した場合に、当該降車地点を示す降車地点表示、及び前記整理券読取装置から受信した前記識別情報によって識別される前記乗車地点を示す乗車地点表示とを含む参照画像を生成する参照画像生成部と、
前記参照画像を表示する表示部と、を備える
運賃決済システム
【請求項2】
前記決済完了画像は、少なくとも一部が経時的に所定変化する請求項1に記載の運賃決済システム
【請求項3】
前記決済完了画像が、乗車日時毎に異なる乗車日表示を含む請求項1又は2に記載の運賃決済システム
【請求項4】
前記決済完了画像が、日時毎、前記車両毎、又は前記車両が走行する路線毎に異なる請求項1~3の何れか一項に記載の運賃決済システム
【請求項5】
前記決済完了画像における前記降車地点表示又は前記乗車地点表示の違いが、色、輝度、模様のうち、少なくとも一つの違いである請求項1~4の何れか一項に記載の運賃決済システム
【請求項6】
通信回線を介して前記運賃決済装置と通信を行う管理サーバを更に備え、
前記管理サーバが、
前記乗車地点及び前記降車地点の情報を含む決済要求を受信する決済要求受信部と、
前記決済要求に基づいて前記乗車地点から前記降車地点までの乗車運賃の決済を行う決済部と、
前記決済が完了した場合に前記決済情報を前記運賃決済装置へ送信する決済情報送信部と、
前記降車地点毎に異ならせて設定された表示を示す設定情報を前記運賃決済装置及び前記乗務員端末へ送信する設定情報送信部と、を備え、
前記運賃決済装置の決済完了画像生成部が、前記設定情報に基づいて前記降車地点表示を含む前記決済完了画像を生成し
前記乗務員端末の参照画像生成部が、前記設定情報に基づいて前記降車地点表示を含む前記参照画像を生成する、請求項1~5の何れか1項に記載の運賃決済システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運賃決済装置、運賃決済方法、運賃決済システム、及び運賃決済プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
バスまたは電車の定期券として携帯端末装置を用いるシステムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-38858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の携帯端末装置は、チケット販売システムのサーバと通信して購入した定期券の券面画像を表示部に表示する。もし、バスや電車の改札で、この券面画像として表示される文字を見るだけで、定期券の有効性を判断すると、この券面画像を編集するだけで、改ざんが可能になってしまう。このため特許文献1の携帯端末装置は、停留所と乗車口と降車口とに設定されたビーコン装置からそれぞれ識別信号を受信し、これらの識別情報に基づいて定期券が有効と判定した場合に、有効な券面画像を表示する。
【0005】
特許文献1の携帯端末装置を用いたシステムでは、停留所と乗車口と降車口とにそれぞれビーコン装置を設置しなければならず、システム構成が複雑になっていた。
【0006】
本発明では、簡易な構成で決済の結果を表示し、当該決済の結果を視認可能にする技術の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様の一つは、車両の乗車地点及び降車地点が入力される乗降地点入力部と、
前記乗車地点から前記降車地点までの乗車運賃の決済が完了したことを示す決済情報を取得する決済情報取得部と、
前記決済情報を取得した場合に、前記降車地点毎に異ならせて設定された表示であり当該表示の違いによって降車地点を示す降車地点表示と、前記車両に乗車するユーザが前記乗車地点で取得する整理券に記載された識別情報毎に異ならせて設定された表示であり当該表示の違いによって前記乗車地点を示す乗車地点表示とを含む決済完了画像を表示する表示部と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易な構成で決済の結果を表示し、当該決済の結果を視認可能にする技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る運賃決済システムの構成を示す図である。
図2】管理サーバの機能を示す機能ブロック図である。
図3】運賃決済装置の機能を示す機能ブロック図である。
図4】コンピュータのハードウェア構成を示す図である。
図5】運賃決済装置が実行する処理の説明図である。
図6】運賃決済装置の表示部に表示する入力画面の一例を示す図である。
図7】決済完了画像の一例を示す図である。
図8】決済完了画像の経時変化の一例を示す図である。
図9】第2実施形態に係る運賃決済システムの構成を示す図である。
図10】第2実施形態に係る管理サーバの機能を示す機能ブロック図である。
図11】第2実施形態に係る運賃決済装置の機能を示す機能ブロック図である。
図12】乗務員端末の機能を示す機能ブロック図である。
図13】運賃決済装置が実行する処理の説明図である。
図14】バスが降車地点に到達した際に、乗務員端末が、参照画像を表示する処理を示す図である。
図15】参照画像の説明図である。
図16】第3実施形態に係る運賃決済装置の機能を示す機能ブロック図である。
図17】第3実施形態に係る運賃決済装置が実行する処理の説明図である。
図18】第3実施形態に係る乗務員端末が、参照画像を表示する処理を示す図である。
図19】参照画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本発明は実施形態の構成に限定されない。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る運賃決済システムの構成を示す図である。本実施形態の運賃決済システム100は、バス6に乗車する際の運賃を決済するものであり、管理サーバ10や、運賃決済装置20を有している。管理サーバ10や運賃決済装置20等は、ネットワークNを介して通信可能となっている。運賃決済装置20は、各ユーザが所持する装置であり、例えばスマートフォン等の通信端末にアプリケーションプログラムをインストールすることで乗車券として機能し、バス6の乗降ができるものである。ネットワークNは、例えばインターネットや、携帯電話等の無線通信回線を含む。バス6は、停留所毎に整理券を発行する整理券発行機61や、ユーザが降車時に整理券や運賃を投入する運賃箱62を備えている。ユーザは、乗車地点の停留所で整理券発行機61から整理券を取得し、この整理券を降車時に運賃箱62へ投入する。
【0012】
図2は管理サーバ10の機能を示す機能ブロック図である。管理サーバ10は、決済要求受信部11や、決済部12、決済情報送信部13を有する。
【0013】
決済要求受信部11は、運賃決済装置20から、乗車地点及び降車地点の情報を含む決済要求を受信する。決済要求は、乗車地点及び降車地点の情報の他、ユーザ(乗客)の識別情報や、購入代金を支払うための支払い情報、乗車券の種別を示す情報を含んでもよい。ここで、支払い情報は、例えばクレジットカード番号や、口座番号、仮想通貨を特定するコード等が挙げられる。
【0014】
決済部12は、決済要求に基づいて乗車地点から前記降車地点までの乗車運賃の決済を行う。例えば、決済部12は、バス6が停車する各停留所の間の乗車運賃を予め記憶装置に記憶しておき、決済要求によって示される乗車地点から降車場所までの乗車運賃を記憶装置から読み出す。そして、ユーザが支払情報等によって指定する金融機関やクレジットカード会社等の決済サーバ90にネットワークNを介して接続し、前記乗車運賃の支払いを要求し、決済サーバ90から支払いの了承通知を受信した場合に、これを記録し、当該
乗車運賃の決済が完了したものとする。なお、決済手法は、これに限らず、デビッドカードや、口座引き落とし、仮想通貨等を用いた公知の決済手法を用いることができる。また、決済の際には上記のような取引が可能なAPIを利用してもよい。また、決済部12は、
決済要求毎に決済サーバ90に支払いを要求することに限らず、複数回の乗車料金の支払いについてについて、一括して決済サーバ90に支払いを要求する構成であってもよい。例えば、乗車券の種類が回数券や定期券の場合、所定回数或は所定期間の乗車運賃を一括して決済サーバ90に支払いを要求し、決済サーバ90から支払いの了承通知を受信した場合に、この了承通知を所定回数或は所定期間と共に記録し、その後、当該運賃決済装置20から決済要求を受けた場合、この決済要求が所定回数以内或は所定期間内であれば、決済サーバ90への支払いを要求せずに乗車運賃の決済が完了したものとする。
【0015】
決済情報送信部13は、決済要求受信部11で受信した決済要求について、決済部12による決済が完了した場合、決済が完了したことを示す決済情報を要求元の運賃決済装置20へ送信する。
【0016】
図3は、運賃決済装置20の機能を示す機能ブロック図である。運賃決済装置20は、バス6を利用するユーザ(乗客)が用いる装置であり、例えばスマートフォンや、フィーチャーフォン、タブレット端末、ブックリーダ、携帯ゲーム機などの情報処理装置(コンピュータ)である。運賃決済装置20は、乗降地点入力部21や、決済情報取得部22、決済完了画像生成部23を有する。
【0017】
乗降地点入力部21は、車両の乗車地点及び降車地点が入力される。例えば、ユーザが、操作ボタンやタッチパネル等の入力手段を操作して、乗車する停留所を指定すると、この停留所を示す情報が乗車地点として入力され、降車する停留所を指定すると、この停留所を示す情報が降車地点として入力される。
【0018】
決済情報取得部22は、決済情報を取得する。例えば、運賃決済装置20は、入力された乗車地点から降車地点までの乗車を要求する情報と、この乗車地点から降車地点までの乗車運賃を支払うための支払い情報を含む決済要求を管理サーバ10へ送信する。この決済要求について、管理サーバ10が決済を完了した場合に、決済情報取得部22は、管理サーバ10から決済情報を取得する。
【0019】
決済完了画像生成部23は、決済完了画像を生成する。例えば、決済情報を取得した場合に、降車地点毎に異ならせて設定された表示であり当該表示の違いによって降車地点を示す降車地点表示と、前記車両に乗車するユーザが前記乗車地点で取得する整理券に記載された識別情報毎に異ならせて設定された表示であり当該表示の違いによって前記乗車地点を示す乗車地点表示とを含む決済完了画像を生成し、表示部に表示させる。
【0020】
管理サーバ10、運賃決済装置20、決済サーバ90は、CPU(Central Processing
Unit)やメモリを有するコンピュータである。図4は、このコンピュータのハードウェ
ア構成を示す図である。図4に示すコンピュータ1000は、CPU1001、主記憶装置1002、補助記憶装置(外部記憶装置)1003、通信IF(Interface)1004
、入出力IF(Interface)1005、ドライブ装置1006、通信バス1007を備え
ている。
【0021】
CPU1001は、プログラム(例えば運賃決済プログラム)を主記憶装置1002に展開して実行し、前述した各機能部の機能を実現する。例えば、管理サーバ10において、CPU1001は、決済要求受信部11や、決済部12、決済情報送信部13として動作する。また、運賃決済装置20において、CPU1001は、乗降地点入力部21や、決済情報取得部22、決済完了画像生成部23として動作する。
【0022】
CPU1001は、本例において処理装置に相当する。CPU1001は、MPU(Micro Processor Unit)、マイクロプロセッサ、プロセッサとも呼ばれる。CPU1001は、単一のプロセッサに限定される訳ではなく、マルチプロセッサ構成であってもよい。また、単一のソケットで接続される単一のCPUがマルチコア構成を有していても良い。上記各部の少なくとも一部の処理は、CPU以外のプロセッサ、例えば、Digital Signal
Processor(DSP)、Graphics Processing Unit(GPU)、数値演算プロセッサ、ベクトルプロセッサ、画像処理プロセッサ等の専用プロセッサで行われても良い。また、上記各部の少なくとも一部の処理は、集積回路(IC)、その他のデジタル回路であっても良い。また、上記各部の少なくとも一部にアナログ回路が含まれても良い。集積回路は、LSI,Application Specific Integrated Circuit(ASIC),プログラマブルロジックデバイス
(PLD)を含む。PLDは、例えば、Field-Programmable Gate Array(FPGA)を含む。
上記各部は、プロセッサと集積回路との組み合わせであっても良い。組み合わせは、例えば、MCU(Micro Controller Unit),SoC(System-on-a-chip),システムLSI
,チップセットなどと呼ばれる。
【0023】
主記憶装置1002は、CPU1001が読み出したプログラムやデータをキャッシュしたり、CPUの作業領域を展開したりする。主記憶装置は、具体的には、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等である。補助記憶装置1003は、CPU1001により実行されるプログラムや、位置情報などを記憶する。補助記憶装置1003は、具体的には、HDD(Hard-disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等である。主記憶装置1002又は補助記憶装置1003は、ユーザによって入力された情報や他の装置から受信した情報を記憶する。通信IF1004は、他のコンピュータとの間でデータを送受信する。コンピュータ1000は、通信IF1004を介してネットワークNに接続される。通信IF1004は、具体的には、有線又は無線のネットワークカード等である。入出力IF1005は、入出力装置と接続され、ユーザから入力を受け付けたり、ユーザへ情報を出力したりする。入出力装置は、具体的には、キーボード、マウス、ディスプレイ(表示部)、タッチパネル等である。ドライブ装置1006は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク等の記憶媒体に記録されたデータを読み出したり、記憶媒体にデータを書き込んだりする。そして、以上のような構成要素が、通信バス1007で接続されている。なお、これらの構成要素はそれぞれ複数設けられていてもよいし、一部の構成要素(例えば、ドライブ装置1006)を設けないようにしてもよい。また、入出力装置がコンピュータと一体に構成されていてもよい。また、ドライブ装置1006で読み取り可能な可搬性の記憶媒体や、フラッシュメモリのような可搬性の補助記憶装置1003、通信IF1004などを介して、本実施の形態で実行されるプログラムが提供されるようにしてもよい。
【0024】
<運賃決済方法>
次に、運賃決済システム100が実行する運賃決済方法の一例について説明する。図5は、運賃決済装置20が実行する処理の説明図である。
【0025】
ユーザが、バス6に乗車する際、運賃決済装置20を操作して決済処理の開始を指示すると、運賃決済装置20は、図5の処理を開始する。
【0026】
ステップS10にて、運賃決済装置20は、乗降地点を入力するための入力画面を表示部に表示させる。この入力画面に対してユーザが乗車する停留所の名称(停留所名)を入力することで、乗車地点が運賃決済装置20に入力される(ステップS20)。図6は、運賃決済装置20の表示部7に表示する入力画面70の一例を示す図である。図6の入力画面70は、乗車地点を入力するための入力欄71と、降車地点を入力するための入力欄72とを有する。ユーザが入力欄71の表示位置に触れると、運賃決済装置20は、表示
部7に重畳して設けられたタッチパネルにより、入力欄71が選択されたことを検出して入力欄71の入力状態とする。このとき運賃決済装置20は、停留所名を選択肢として選択欄73に一覧表示する。ユーザがこの停留所名の一覧をドラッグし、入力する停留所名をカーソル74内に位置させて入力決定ボタン75を選択すると、運賃決済装置20は、カーソル74内に位置する停留所名を乗車地点として入力を受け付け、記憶装置に保持する。
【0027】
また、入力画面に対してユーザが降車する停留所の名称を入力することで、降車地点が運賃決済装置20に入力される(ステップS30)。なお、ユーザが入力欄72に対して入力操作を行うことで、前述の乗車地点と同様に降車地点を入力できる。
【0028】
ステップS40にて、運賃決済装置20は、乗車運賃を支払うための支払い情報を取得する。例えば、ユーザの氏名や、クレジットカード番号、口座番号、仮想通貨を特定するコード等を予め補助記憶装置に記憶しておき、これを読み出して支払い情報とする。
【0029】
ステップS50にて、運賃決済装置20は、乗車地点や、降車地点、支払い情報を含む決済要求を管理サーバ10へ送信する。この決済要求に基づき、管理サーバで当該乗車地点から降車地点までの乗車運賃の決済が行われる。
【0030】
ステップS60にて、運賃決済装置20は、管理サーバ10から決済の結果を受信し、ステップS70にて、当該決済が完了したか否かを判定する。
【0031】
ステップS70で、運賃の支払いが確認できず、決済を完了できなかったと判定した場合、即ち否定判定の場合、運賃決済装置20は、決済できなかった旨のエラー表示をして(ステップS80)、図5の処理を終了する。
【0032】
一方、ステップS70で肯定判定の場合、運賃決済装置20は、ステップS30で入力された降車地点を示す降車地点表示と、ステップS20で入力された乗車地点を示す乗車地点表示と、ステップS50で決済要求がなされた日時(乗車日時)に応じた乗車日表示とを含む決済完了画像を生成し、表示部に表示させる(ステップS90)。決済完了画像の詳細については後述する。
【0033】
ステップS100にて、運賃決済装置20は、決済完了画像の表示を終了するか否かを判定する。例えば、ユーザが表示終了の操作を行った場合や、決済完了画像を表示してから所定時間が経過した場合に、肯定判定し、そうでなければ、否定判定する。ステップS100で否定判定の場合、運賃決済装置20は、決済完了画像のすくなくとも一部、例えば降車地点表示や乗車日表示について所定の変化をさせ(ステップS110)、ステップS100の判定に戻る。これにより、運賃決済装置20は、決済完了画像を表示している間は、この決済完了画像を経時的に変化させる。
【0034】
そして、ステップS100で肯定判定した場合、運賃決済装置20は、決済完了画像を削除または決済完了画像の表示を終了して図5の処理を終了する。
【0035】
このように、乗車運賃の決済が完了すると、運賃決済装置20が決済完了画像を表示するので、ユーザは、バス6が、降車地点に到達した際、運賃決済装置20の決済完了画像を乗務員に提示することで、運賃を支払ったことを示すことができる。
【0036】
図7は、決済完了画像の一例を示す図である。決済完了画像80Aは、降車地点表示81や、乗車地点表示82、乗車日表示83を有している。
【0037】
降車地点表示81は、降車地点に応じて、例えば降車地点毎に異ならせて設定された表示であり、図7の例においては決済完了画像80Aの上側ほぼ半分の領域において、乗車地点表示82の背景画像として表示される。また、図7に示す降車地点表示81は、降車地点を文字で示した停留所名表示84を有している。
【0038】
乗車地点表示82は、乗車地点に応じて、例えば乗車地点毎に異ならせて設定された表示であり、図7の例では、乗車した停留所が含まれる区間に割り当てられた番号(整理券番号)の数字を、決済完了画像80Aの中央に表示している。また、図7に示す乗車地点表示82は、乗車地点を文字で示した停留所名表示85を有している。
【0039】
乗車日表示83は、乗車日に応じて、例えば乗車日毎に異ならせて設定された表示であり、図7の例では、決済完了画像80Aの下側ほぼ半分の領域において、乗車地点表示82の背景画像として表示される。また、図7に示す乗車日表示83は、文字で示した乗車日時表示86を有している。この表示される乗車日時表示86は、例えば日付のみや数字以外の表示であってもよい。
【0040】
図7において、決済完了画像80Aと決済完了画像80Bとは、乗車日時が同じで、乗車地点と降車地点が異なっている。このため、決済完了画像80Aと決済完了画像80Bとは、乗車日表示が同じで、乗車地点表示82と降車地点表示81が異なっている。また、降車地点表示81及び乗車地点表示82の設定は、日時毎、前記車両毎、又は前記車両が走行する路線毎に異ならせている。図7では、乗車日毎に降車地点表示の設定を異ならせている。図7において、決済完了画像80Aと決済完了画像80Cとは、乗車日時が異なり、乗車地点と降車地点が同じである。このため、決済完了画像80Aと決済完了画像80Cとは、乗車地点表示82が同じで、降車地点表示81と乗車日表示83が異なっている。
【0041】
このように本実施形態の運賃決済装置20は、決済完了画像が、乗車地点表示と、降車地点表示と、乗車日表示との組み合わせによって構成されているので、乗車運賃が適切に支払われていることを確認する際に必要な乗車地点、降車地点、及び乗車日の情報を容易に視認できる。特に、運賃決済装置20は、決済完了画像が、降車地点や乗車日毎に、色、輝度、模様等の表示(表示パターン)を異ならせて設定されているため、降車地点の違いが、これら色等の違いによって示され、視覚的に判別しやすい。更に、降車地点表示の設定を、乗車日等毎によって異ならせることで、利用済みの決済完了画像を後日利用するといった不正使用が行いにくいようにしている。
【0042】
また、このような情報の表示を表示部(画面上)の領域として行うことで、運賃決済装置20がスマートフォン等の携帯端末であって表示部が小さい場合であっても、視認性を高めている。これにより、決済完了画像の確認を容易に行うことができ、旅客の迅速な降車や運転手の確認作業の負担軽減が可能となる。
【0043】
なお、本実施形態では、乗車地点表示として乗車券の番号を表示する例を示したが、乗車地点表示は、これに限らず、降車地点表示と同様に乗車地点毎に異ならせて設定された画像で表示されてもよい。この場合、例えば、決済完了画像を上段・中断・下段等のように分割し、乗車地点表示と、降車地点表示と、乗車日表示の三つの画像の組み合わせで示されてもよい。また、乗車日表示を省略し、例えば、決済完了画像の上側半分を降車地点表示とし、下側半分を乗車地点表示としてもよい。更に、乗車地点表示は、乗車地点毎に異ならせて設定された画像と整理券番号とを組み合わせた表示であってもよい。
【0044】
更に、本実施形態においては、運賃決済装置20に表示される決済完了画像が、ステップS100~S110により、経時的に変化する。図8は、決済完了画像の経時変化の一
例を示す図である。図8において、決済完了画像80A2は、決済完了画像80A1の数秒後の状態を示し、決済完了画像80A3は、決済完了画像80A2の数秒後の状態を示している。決済完了画像80A1~80A3のように、降車地点表示81としてのグラデーション画像は、時間の経過と共に、濃淡の位置が移動している。また乗車日表示83としてのグラデーション画像は、時間の経過と共に、円形の模様の位置が移動している。なお、上述のように乗車地点表示を乗車地点毎に異ならせて設定された画像で表示する場合、この画像とした乗車地点表示についても図8と同様に経時的に変化させてもよい。
【0045】
このように本実施形態の運賃決済装置20は、決済完了画像が、経時的に変化するので、利用済みの決済完了画像をキャプチャ等により保存して、後日利用するといった不正使用を行いにくくすることができる。
【0046】
<第2実施形態>
第2実施形態は、乗務員が用いる乗務員端末30を備え、乗務員端末30に参照用の画像を表示させて、この参照画像と運賃決済装置20の決済完了画像とを比較して運賃の支払いを確認できるようにしている。なお、前述の第1実施形態と比較して、同一の要素には同符号を付す等して、再度の説明を省略する。
【0047】
図9は、第2実施形態に係る運賃決済システムの構成を示す図である。本実施形態の運賃決済システム100は、管理サーバ10や、運賃決済装置20に加え、乗務員端末30を有している。管理サーバ10と乗務員端末30は、ネットワークNを介して通信可能となっている。バス6の運賃箱62は、各ユーザの乗車地の情報を取得可能な装置の一例であり、例えば、投入口62Aに投入された整理券の識別情報を読み取る機能(整理券読取装置)を有している。例えば、整理券に識別情報として整理券番号やバーコードが記載され、整理券番号を読み取るOCRや、バーコードを読み取るバーコードリーダーを有している。
【0048】
図10は、第2実施形態に係る管理サーバ10の機能を示す機能ブロック図である。管理サーバ10は、決済要求受信部11や、決済部12、決済情報送信部13に加えて、設定情報送信部14を有する。
【0049】
設定情報送信部14は、決済要求受信部11で受信した決済要求について、決済部12による決済が完了した場合、降車地点毎に異ならせて設定された表示を示す設定情報を決済要求の要求元である運賃決済装置20へ送信する。
【0050】
設定情報送信部14は、乗車地点を示す情報を前記設定情報に含めて運賃決済装置20及び乗務員端末30へ送信してもよい。この乗車地点を示す情報は、乗車地点毎に異ならせて設定された表示(乗車地点表示)を示すものであり、例えば車両に乗車するユーザが乗車地点で取得する整理券に記載された識別情報毎に設定される。更に、設定情報送信部14は、日時に応じて設定された表示を示す情報を前記設定情報に含めて運賃決済装置20へ送信してもよい。
【0051】
また、設定情報送信部14は、バス6が停車する全ての停留所(乗車地点及び降車地点)について、この乗車地点を示す情報や、降車地点を示す情報、日時に応じて設定された表示を示す情報を含む設定情報を乗務員端末30へ送信する。
【0052】
図11は、第2実施形態に係る運賃決済装置20の機能を示す機能ブロック図である。運賃決済装置20は、乗降地点入力部21や、決済情報取得部22、決済完了画像生成部23に加え、設定情報取得部24を有する。
【0053】
設定情報取得部24は、決済要求について、管理サーバ10が決済を完了した場合に、降車地点毎に異ならせて設定された表示を示す設定情報を管理サーバ10から取得する。
【0054】
図12は、乗務員端末30の機能を示す機能ブロック図である。乗務員端末30は、バス6の乗務員が用いる装置であり、例えばスマートフォンや、フィーチャーフォン、タブレット端末などの情報処理装置(コンピュータ)である。乗務員端末30は、降車地点判定部31や、参照画像生成部32、設定情報取得部33を有する。
【0055】
降車地点判定部31は、バス6が降車地点に到達したことを判定する。例えば、降車地点判定部31は、衛星測位システムによってバス6の現在位置を求め、この現在位置と予め記憶した各降車地点の位置とから、バス6と降車地点との距離を求めて、当該距離が所定値以下となった場合に、このバス6との距離が所定値以下となった降車位置に到達したと判定する。
【0056】
参照画像生成部32は、降車地点に到達したと判定した場合に、当該降車地点について設定された表示を設定情報から求め、当該表示の違いによって降車地点を示す降車地点表示を含む参照画像を生成し、表示部に表示させる。また、参照画像生成部32は、バス6に乗車するユーザが乗車地点で取得する整理券に記載された識別情報毎に異ならせて設定された表示であり当該表示の違いによって乗車地点を示す乗車地点表示を含めて前記参照画像を生成してもよい。更に、参照画像生成部32は、日時に応じて設定された表示であり当該画像の違いによって日時を示す日時表示を含めて前記参照画像を生成してもよい。
【0057】
設定情報取得部33は、管理サーバ10から設定情報を取得する。例えば、停留所(乗車地点及び降車地点)について、この乗車地点を示す情報や、降車地点を示す情報、日時に応じて設定された表示を示す情報を含む設定情報を受信する。
【0058】
図13は、運賃決済装置20が実行する処理の説明図である。図13において、ステップS10~S80の処理は、前述の図5と同じである。
【0059】
ステップS70で肯定判定の場合、運賃決済装置20は、管理サーバ10から設定情報を取得する(ステップS85)。そして、ステップS90Aにて、運賃決済装置20は、設定情報に基づいて、降車地点表示と、乗車地点表示と、乗車日表示とを含む決済完了画像を生成し、表示部に表示させる。なお、以降のステップS100~S120については、前述の図5と同じである。
【0060】
図14は、バス6が降車地点に到達した際に、乗務員端末30が、参照画像を表示する処理を示す図である。乗務員が、乗務員端末30を操作して処理の開始を指示すると、乗務員端末30は、図14の処理を開始する。
【0061】
ステップS210にて、乗務員端末30は、バス6が降車地点に到達したか否かを判定する。例えば、乗務員端末30は、衛星測位システムによってバス6の現在位置を求め、この現在位置と予め記憶した各降車地点の位置とから、バス6と降車地点との距離を求めて、当該距離が所定値以下となった場合に、当該距離が所定値以下となった降車位置に到達したと判定する。これに限らず、バス6が到達した降車地点を乗務員端末30に入力し、この入力を受けた場合に乗務員端末30が降車地点に到達したと判定してもよい。
【0062】
ステップS220にて、乗務員端末30は、ユーザが運賃箱62の投入口62Aに投入した整理券から読み取ったユーザの乗車地点に関する識別情報を運賃箱62から受信する。
【0063】
ステップS230にて、乗務員端末30は、ステップS210で到達したと判定した降車地点を示す降車地点表示と、ステップS220で受信した乗車地点を示す乗車地点表示と、現在日時に応じた乗車日表示とを含む参照画像を生成し、表示部に表示させる。
【0064】
ステップS240にて、乗務員端末30は、次に降車するユーザがいるか否かを判定する。例えば、乗務員が乗務員端末30に入力し、この入力に応じて降車するユーザがいるか否かを判定する。また、ステップS220で受信した識別情報の次に読み込まれた識別情報が存在する場合、降車するユーザがいると判定する。
【0065】
ステップS240で降車するユーザがいると判定した場合、即ち肯定判定の場合、ステップS220に戻り、識別情報に応じた参照画面の表示を繰り返す。これにより次のユーザが別の整理券を読み込ませて識別情報が変化した場合には、この識別情報に応じて参照画像が変化する。また、ステップS240で降車するユーザがいないと判定した場合、即ち否定判定の場合、ステップS250へ移行する。
【0066】
ステップS250にて、乗務員端末30は、参照画像の表示を終了するか否かを判定する。例えば、乗務員が表示終了の操作を行った場合に、肯定判定し、そうでなければ、否定判定する。ステップS250で否定判定の場合、乗務員端末30は、ステップS210の判定に戻る。一方、ステップS250で肯定判定の場合、図14の処理を終了する。
【0067】
このように乗務員端末30は、各ユーザについて、運賃決済装置20の決済完了画像と同様の、降車地点表示と、乗車地点表示と、乗車日表示とを含む参照画像を生成し、表示部に表示する。図15は、参照画像9の一例の説明図である。参照画像9は、降車地点表示91や、乗車地点表示92、乗車日表示93を有している。参照画像9の降車地点表示91において、降車地点毎に設定された表示とその表示位置は、決済完了画像80の降車地点表示81と同じである。また、乗車地点表示92において、乗車地点毎に設定された整理券番号やその表示位置は、決済完了画像80の乗車地点表示82と同じである。更に、乗車日表示93において、乗車日毎に設定された表示とその表示位置は、決済完了画像80の乗車日表示83と同じである。また、本例では、決済完了画像80における降車地点の停留所名表示84と、乗車地点の停留所名表示85と、乗車日時表示86と同じように、参照画像9上の対応する位置に、降車地点の停留所名94と、乗車地点の停留所名95と、現在日時96とが表示されている。このため、運賃決済装置20に表示される決済完了画像と乗務員端末30とに表示される参照画像とは、同じになる。そこで、乗務員は、運賃決済装置20の決済完了画像と、乗務員端末30の参照画像とを見比べ、一致していれば運賃決済装置20で適切に乗車運賃の支払いが行われたと判断でき、異なっていれば、入力の誤り等によって、乗車運賃の支払いが適切に行われていないと判断できる。従って、本実施形態によれば、ICカードリーダといった複雑な構成要素を必要とせず、簡易な構成で乗車運賃が適切に支払われたことを容易に確認できる。本実施形態では、管理サーバ10から運賃決済装置20と乗務員端末30へ設定情報を配信することで、この配信情報に基づいて生成される決済完了画面と参照画面を同一にさせている。これにより、管理サーバ10の情報の更新により、容易に決済完了画面と参照画面の表示パターンを更新することができる。これにより、システムの管理を容易に行うことができる。また、この構成に限らず、運賃決済装置20と乗務員端末30が、予め設定情報を記憶しておき、この設定情報に基づいて決済完了画面や参照画面を作成してもよい。この場合、管理サーバ10の設定情報送信部14や、運賃決済装置20の設定情報取得部24、乗務員端末30の設定情報取得部33は、省略できる。
【0068】
乗務員端末30の参照画像及び運賃決済装置20の決済完了画像は、図7の例と同様に乗車日時によって表示の設定が変化し、また、この表示が図8の例と同様に経時的に変化する。この設定の変化及び経時的変化を同期させるために、乗務員端末30と運賃決済装
置20の時計を合わせる構成、即ち時刻の設定を合わせる構成としてもよい。例えば、乗務員端末30や運賃決済装置20が、NTP(Network Time Protocol)サーバに接続し
て協定世界時(UTC)に基づいて時刻設定を行う。なお、NTPに限らず、JJYから標準電波を受信して日本標準時に合わせる設定や、GPS衛星(NAVSTAR衛星)から受信した信号に基づいて時刻を設定する構成としてもよい。これにより参照画像及び決済完了画像における設定の変化及び経時的変化が、乗務員端末30と運賃決済装置20とで同時に行われるので、これらに基づく乗車運賃の支払いの判断を適切に行うことができる。
【0069】
特に、チケットに有効期限があり、運賃決済装置20が、この有効期間内でだけ決済完了画面を表示させる構成とした場合に、有効期限内か否かを正確に判定できる。例えば、通勤ラッシュ時以外の時間帯(昼間時)、休日や深夜など、特定の時間帯でだけ有効なチケットの場合、この有効期間内でだけ決済完了画面を表示させ、有効期間が経過した場合には、決済完了画面を削除する。そして、前述のように運賃決済装置20における決済完了画像の表示を乗務員端末30と同期した時刻で行う構成とすることで、運賃決済装置20の設定時刻を故意にずらして決済完了画面を有効期間外に表示させるといった不正利用を行わせにくくすることができる。
【0070】
なお、本実施形態では、運賃箱で整理券の識別情報を読み取る構成としたが、これに限らず、運賃箱で識別情報の読み取りを行わず、乗務員端末30の参照画像に、降車地点表示と乗車日表示とを行い、乗車地点表示を行わない構成としてもよい。例えば、乗務員が、運賃箱に投入された整理券の整理券番号と運賃決済装置20の決済完了画像80における乗車地点表示82とを見比べ、乗務員端末30の降車地点表示91及び乗車日表示93と、決済完了画像80の降車地点表示81及び乗車日表示83とを見比べて確認する。これにより運賃箱62に識別情報の読み取り装置を設ける必要がなくなり、更に簡易な構成とすることができる。
【0071】
<第3実施形態>
第3実施形態は、例えば、乗車運賃が、乗車地点に関わらず全線で一定であるなど、乗降地点によって料金が変動しない場合の例である。本実施形態では、運賃決済装置20が、乗車日時毎に異なる乗車日表示を含む決済完了画像を表示する構成としている。なお、前述の第2実施形態と比較して、同一の要素には同符号を付す等して、再度の説明を省略する。
【0072】
図16は、第3実施形態に係る運賃決済装置20の機能を示す機能ブロック図である。運賃決済装置20は、乗降地点入力部21や、決済情報取得部22、決済完了画像生成部23、設定情報取得部24に加え、乗車選択部25を有する。
【0073】
乗車選択部25は、ユーザが、操作ボタンやタッチパネル等の入力手段を操作して、バス(車両)6に乗車することが選択されると、この乗車する旨の情報や、乗車する路線を示す情報等が入力される。
【0074】
図17は、本実施形態の運賃決済装置20が実行する処理の説明図である。ユーザが、バス6に乗車する際、運賃決済装置20を操作して決済処理の開始を指示すると、運賃決済装置20は、図17の処理を開始する。
【0075】
ステップS10Bにて、運賃決済装置20は、乗車するための入力画面を表示部に表示させる。この入力画面としては、例えば、乗車するバスの路線を選択する画面が挙げられる。この入力画面に対してユーザが選択操作を行うことで、選択された情報(乗車情報)が入力される(ステップS20B)。
【0076】
ステップS20Bで路線が選択されると、運賃決済装置20は、選択された路線が均一運賃の路線か否かを判定する(ステップS25)。ステップS20Bで否定判定の場合は、図13の処理へ移行し、乗車地点の入力等を開始する。一方、ステップS20Bで肯定判定の場合は、ステップS40へ移行する。なお、均一運賃の路線だけで、乗降地点の入力が不要な場合には、ステップS10Bで、乗車するか否か、即ち乗車券(チケット)を購入するか否かを選択する画面を表示し、ステップS20B,S25を省略してもよい。
【0077】
ステップS40にて、運賃決済装置20は、乗車運賃を支払うための支払い情報を取得する。ステップS50にて、運賃決済装置20は、選択された路線を示す情報や、支払い情報を含む決済要求を管理サーバ10へ送信する。この決済要求に基づき、管理サーバ10で当該乗車地点から降車地点までの乗車運賃の決済が行われる。
【0078】
ステップS60~S85の処理は、前述の図13と同様である。そして、ステップS90Bにて、運賃決済装置20は、設定情報に基づいて、乗車日表示を含む決済完了画像を生成し、表示部に表示させる。なお、以降のステップS100~S120については、前述の図13と同じである。
【0079】
図18は、本実施形態に係る乗務員端末30が、参照画像を表示する処理を示す図である。乗務員が、乗務員端末30を操作して処理の開始を指示すると、乗務員端末30は、図18の処理を開始する。
【0080】
ステップS310にて、乗務員端末30は、乗車日時毎に設定された乗車日表示を示す設定情報を管理サーバ10から取得する。
【0081】
ステップS320にて、乗務員端末30は、ステップS310で取得した設定情報に基づき、現在日時に応じた乗車日表示を含む参照画像を生成し、表示部に表示させる。
【0082】
ステップS330にて、乗務員端末30は、参照画像の表示を終了するか否かを判定する。例えば、乗務員が表示終了の操作を行った場合に、肯定判定し、そうでなければ、否定判定する。ステップS330で否定判定の場合、乗務員端末30は、ステップS320に戻り、参照画像の表示を行う。このとき乗務員端末30は、乗車日表示が時間の経過に伴って所定の変化をするように更新している。これにより参照画像は、経時的に変化する。一方、ステップS320で肯定判定の場合、図18の処理を終了する。
【0083】
図19は、参照画像の一例を示す図である。参照画像9Bは、路線名97や、乗車日表示93、現在日時96を有している。この参照画像の表示パターンは、図8の例と同様に経時的に変化する。乗車日表示93は、乗車日時毎に異なって設定されており、例えば、乗車日時毎に異なる画像で表示される。
【0084】
この乗務員端末30とに表示される参照画像は、運賃決済装置20に表示される決済完了画像の表示(表示パターンの経時的変化の仕方も含む)と同じとなる。このため、乗務員は、運賃決済装置20の決済完了画像と、乗務員端末30の参照画像とを見比べ、一致していれば運賃決済装置20で適切に乗車運賃の支払いが行われたと判断でき、異なっていれば、入力の誤り等によって、乗車運賃の支払いが適切に行われていないと判断できる。
【0085】
従って、本実施形態によれば、ICカードリーダといった複雑な構成要素を必要とせず、簡易な構成で決済の結果を運賃決済装置に表示し、当該決済の結果を容易に確認できる。また、本実施形態では、乗車日表示93を経時的に所定変化させており、画面をキャプ
チャして再度利用するといった不正利用が容易にできないようにしている。
【0086】
上述の実施形態では、バスの例を示したが、電車や、タクシーなど、他の公共交通機関についても同様に適用できる。
【符号の説明】
【0087】
6 バス
7 表示部
10 管理サーバ
11 決済要求受信部
12 決済部
13 決済情報送信部
14 設定情報送信部
20 運賃決済装置
21 乗降地点入力部
22 決済情報取得部
23 決済完了画像生成部
24 設定情報取得部
30 乗務員端末
31 降車地点判定部
32 参照画像生成部
33 設定情報取得部
61 整理券発行機
62 運賃箱
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19