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特許7134799ロッカー管理システム及びロッカー管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-02
(45)【発行日】2022-09-12
(54)【発明の名称】ロッカー管理システム及びロッカー管理方法
(51)【国際特許分類】
   G07F 17/12 20060101AFI20220905BHJP
【FI】
G07F17/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018170411
(22)【出願日】2018-09-12
(65)【公開番号】P2020042616
(43)【公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】502367845
【氏名又は名称】富士アイティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】水越 昭洋
(72)【発明者】
【氏名】増倉 孝好
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-77680(JP,A)
【文献】特開2003-141633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッカーが施錠又は解錠されている状態を示す状態データを送信する送信器と、前記送信器と接続する受信器と、前記受信器と接続する情報処理装置とを有するロッカー管理システムであって、
前記送信器は、
前記状態を検出する検出器と接続し、
所定時間が経過する又は前記状態が検出されると、前記状態データを920 MHz帯の電波で前記受信器に送信する送信部を有し、
前記受信器は、
前記送信器から前記状態データを受信する受信部と、
前記状態データを前記情報処理装置に出力する出力部とを有し、
前記情報処理装置は、
前記状態データを前記受信器から入力する入力部と、
前記状態データに基づいて、前記ロッカーについての情報を生成する生成部とを有する
ロッカー管理システム。
【請求項2】
前記送信器及び前記受信器は、
ISO/IEC 14543-3-10:2012で定まる通信規格で送受信を行う
請求項1に記載のロッカー管理システム。
【請求項3】
前記送信部は、
前記検出器が前記状態を検出すると、前記状態を検出した時間に基づいて、前記所定時間を計測する
請求項1又は2に記載のロッカー管理システム。
【請求項4】
前記送信器は、
電池を電源とし、
前記状態データは、前記電池の残量、電圧又は使用可能時間を更に示す
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のロッカー管理システム。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記電池の故障又は電池切れを検出する
請求項4に記載のロッカー管理システム。
【請求項6】
ロッカーが施錠又は解錠されている状態を示す状態データを送信する送信器と、前記送信器と接続する受信器と、前記受信器と接続する情報処理装置とを有するロッカー管理システムが行うロッカー管理方法であって、
前記送信器は、前記状態を検出する検出器と接続し、
前記送信器が、所定時間が経過する又は前記状態が検出されると、前記状態データを920 MHz帯の電波で前記受信器に送信する送信手順と、
前記受信器が、前記送信器から前記状態データを受信する受信手順と、
前記受信器が、前記状態データを前記情報処理装置に出力する出力手順と、
前記情報処理装置が、前記状態データを前記受信器から入力する入力手順と、
前記情報処理装置が、前記状態データに基づいて、前記ロッカーについての情報を生成する生成手順と
を含むロッカー管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッカー管理システム及びロッカー管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プール、駅、商業施設及びアミューズメントパーク等には、コインを投入すると使用できるコインロッカー(以下単に「ロッカー」という場合もある。)が設置される。そして、ロッカーを管理する方法は、例えば、以下のような方法がある。
【0003】
インターネット網に接続されるロッカー管理サーバによって、複数のロッカー装置を管理する方法が知られている。具体的には、まず、所定タイミングで空きロッカー情報が生成される。さらに、金銭情報が、空きロッカー情報とは別に生成される。このようにして、広域におけるロッカーの空き情報を効率的に管理する方法が知られている(例えば、特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5917891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の方法では、空き情報等の情報を生成し、公開するには、管理対象となっているロッカーを改修又は入れ替え等することが多い。そのため、長期間、ロッカーの運用を停止させなければならない場合がある。
【0006】
本発明の1つの側面は、このような問題に鑑みてなされたものであり、既設鍵式ロッカーを閉鎖、改修又は機種変更をする期間を短くして、空き数等の情報を収集する電子化に対応させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一実施形態における、ロッカーが施錠又は解錠されている状態を示す状態データを送信する送信器と、前記送信器と接続する受信器と、前記受信器と接続する情報処理装置とを有するロッカー管理システムでは、
前記送信器は、
前記状態を検出する検出器と接続し、
所定時間が経過する又は前記状態が検出されると、前記状態データを920 MHz帯の電波で前記受信器に送信する送信部を有し、
前記受信器は、
前記送信器から前記状態データを受信する受信部と、
前記状態データを前記情報処理装置に出力する出力部とを有し、
前記情報処理装置は、
前記状態データを前記受信器から入力する入力部と、
前記状態データに基づいて、前記ロッカーについての情報を生成する生成部と
を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、空き数等の情報を収集する電子化に対応させるため、管理対象となっているロッカーを閉鎖、改修又は機種変更をする期間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態におけるロッカー管理システムが管理対象とするロッカーの例を示す図である。
図2】本発明の実施形態におけるロッカー管理システムの全体構成例を示す概念図である。
図3】本発明の実施形態におけるロッカー管理システムが有する受信器等の配置例を示す図である。
図4】本発明の実施形態におけるロッカー管理システムが有する情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5】本発明の実施形態におけるロッカー管理システムによる全体処理の一例を示すシーケンス図である。
図6】本発明の実施形態におけるロッカー管理システムが有する送信器が送信するデータの一例を示す表である。
図7】本発明の実施形態におけるロッカー管理システムが用いるロッカーマスターデータの一例を示す表である。
図8】本発明の実施形態におけるロッカー管理システムが生成する管理データの一例を示す表である。
図9】本発明の実施形態におけるロッカー管理システムにおける通信の一例を示す表である。
図10】センサ等の設置例を示す断面図である。
図11】本発明の実施形態におけるロッカー管理システムの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図12】第2実施形態に係るロッカー管理システムが有する情報処理装置による処理の一例を示すフローチャートである。
図13】ケーシングの例を示す図である。
図14】貸ロッカーの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、各実施形態の詳細について添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載において実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0011】
≪ 第1実施形態 ≫
また、以下の説明は、以下に示すようなロッカーを例に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態におけるロッカー管理システムが管理対象とするロッカーの例を示す図である。図示するように、第1ロッカーLCK1乃至第19ロッカーLCK19のような、18つのロッカーがあるとする。そして、以下の説明では、第1ロッカーLCK1乃至第9ロッカーLCK9が、1つの第1グループGR1であるとする。また、第11ロッカーLCK11乃至第19ロッカーLCK19が、第2グループGR2であるとする。
【0013】
さらに、第1グループGR1を識別する番号を「L21001」とする。一方で、第2グループGR2を識別する番号を「L21002」とする。
【0014】
また、各ロッカーは、サイズが3種類であるとする。具体的には、図示するように、上段に設置される第1ロッカーLCK1、第4ロッカーLCK4、第7ロッカーLCK7、第11ロッカーLCK11、第14ロッカーLCK14及び第17ロッカーLCK17は、3種類のうち、最も小さいサイズとなる「小」サイズであるとする。
【0015】
さらに、図示するように、中段に設置される第2ロッカーLCK2、第5ロッカーLCK5、第8ロッカーLCK8、第12ロッカーLCK12、第15ロッカーLCK15及び第18ロッカーLCK18は、「小」サイズより大きいサイズであり、かつ、「大」サイズより小さいサイズとなる「中」サイズであるとする。
【0016】
また、図示するように、下段に設置される第3ロッカーLCK3、第6ロッカーLCK6、第9ロッカーLCK9、第13ロッカーLCK13、第16ロッカーLCK16及び第19ロッカーLCK19は、3種類のうち、最も大きいサイズとなる「大」サイズであるとする。
【0017】
そして、各ロッカーには、それぞれのロッカーが有する扉を施錠及び解錠できる鍵が存在する。具体的には、ロッカーに対して、鍵KYが対応する。すなわち、鍵KYを用いると、ユーザは、ロッカーが有する扉を解錠して、ロッカーに荷物を収納したり、又は、ロッカーから荷物を取り出したりすることができる。さらに、鍵KYを用いると、ユーザは、ロッカーに荷物を収納した後、施錠し、荷物をロッカーに預けることができる。なお、各ロッカーが有する扉と、対応する鍵とが一対とであり、他のロッカー用の鍵を用いても、ロッカーを施錠及び解錠することはできない。
【0018】
なお、ロッカーは、図示するロッカーの数、グループの仕方、グループ数、サイズ及び組み合わせでなくともよい。すなわち、管理対象とするロッカーは、図示する以上又は未満の数等であってもよい。
【0019】
≪ロッカー管理システムの全体構成例≫
図2は、本発明の実施形態におけるロッカー管理システムの全体構成例を示す概念図である。例えば、図示するように、受信器の例である、第1受信器R1及び第2受信器R2が、グループごとに設置される。すなわち、第1グループGR1では、各ロッカーに設置されるそれぞれの送信機から第1受信器R1に、各ロッカーの施錠及び解錠の状態を示すデータ(以下「状態データ」という。)等が送信される。同様に、第2グループGR2でも、それぞれの送信機から第2受信器R2に、状態データが送信される。なお、受信器の数は、1つでもよいし、又は、3つ以上でもよい。
【0020】
そして、第1受信器R1及び第2受信器R2によって収集された状態データ等のデータは、例えば、アクセスポイントAP及び情報収集端末FS等を介して、情報処理装置の例であるサーバSVに入力される。なお、受信器及び情報処理装置の間には、図示するような経路及び中継器がなくともよい。例えば、アクセスポイントAP及び情報収集端末FS等は、ロッカー及び受信器の数等によって、設置しなくともよいし、又は、更に設置されてもよい。また、経路には、有線による通信があってもよい。さらに、ロッカー管理システムは、サーバSV以外の情報処理装置を更に有してもよい。
【0021】
このようにして、サーバSVには、各送信器から送信された状態データが集められる。次に、サーバSVは、複数の状態データを統計処理したり、又は、分析したりして、ロッカーを管理するための情報を示すデータ(以下「管理データ」という。)等を生成する。
【0022】
このような管理データが生成されると、例えば、図示するように、サーバSVは、管理データに基づいて、出力端末等にロッカーの空き状況を案内する情報等を出力させる。例えば、出力端末は、ディスプレイDV1又は携帯端末DV2等である。そして、ディスプレイDV1又は携帯端末DV2等によって、管理データに基づいて、空いているロッカーの位置が地図で表示されたり、又は、グループごとの空きロッカーの数が表示されたりすると、ユーザは、使用できるロッカーを知ることができる。
【0023】
なお、管理データは、ロッカーの管理者に向けた情報を含んでもよい。例えば、ロッカーの管理者に向けたロッカーについての情報は、故障しているロッカーの数、使用中のロッカーの数又はロッカーが使用されている時間等である。
【0024】
≪受信器等の配置例≫
図3は、本発明の実施形態におけるロッカー管理システムが有する受信器等の配置例を示す図である。例えば、図示するように、2台の受信器を配置する例で以下説明する。
【0025】
具体的には、第1受信器R1(図示する例では、左側に配置された受信器である。)と、第2受信器R2(図示する例では、右側に配置された受信器である。)とが、図示するように配置されたとする。なお、ロッカー管理システムが有する受信器の数は、1台でも、3台以上でもよい。また、受信器は、更に階層があってもよい。
【0026】
第1受信器R1は、第1範囲RA1内にあるそれぞれの送信器から、それぞれのデータを受信する。そして、第1受信器R1は、LAN(Local Area Network)等のネットワークNWを介して、サーバSVに、データを送信する。なお、ネットワークNW上には、アクセスポイント、中継器又は情報収集端末等の装置が更にあってもよい。また、ネットワークNWは、例えば、LAN、WAN(Wide Area Network)又はインターネット等のネットワークを含んでもよい。
【0027】
同様に、第2受信器R2は、第2範囲RA2内にあるそれぞれの送信器から、それぞれのデータを受信する。そして、第2受信器R2も、ネットワークNWを介して、サーバSVに、データを送信する。
【0028】
≪情報処理装置のハードウェア構成例≫
図4は、本発明の実施形態におけるロッカー管理システムが有する情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。具体的には、サーバSVは、CPU(Central Processing Unit)(以下「CPU101」という。)と、記憶装置102と、ネットワークI/F(interface)(以下「ネットワークI/F103」という。)と、入力I/F104と、出力I/F105とを有する。つまり、サーバ10は、あらかじめインストールされるプログラムに基づいて、記憶装置及び演算装置が協働して動作し、所定の手順を実行するコンピュータである。
【0029】
CPU101は、各種処理及び各種制御を実現するための演算と、各種データの加工とを行う演算装置である。さらに、CPU101は、サーバSVが有するハードウェアを制御する制御装置である。
【0030】
記憶装置102は、データ、プログラム及び設定値等を記憶する。また、記憶装置102は、いわゆるメモリ(memory)等である。なお、記憶装置102は、ハードディスク(harddisk)又はSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置等を有してもよい。
【0031】
ネットワークI/F103は、ネットワークを介して接続される装置と各種データ等を送受信する。例えば、ネットワークI/F103は、NIC(Network Interface Controller)及びLANケーブルを接続させるコネクタ等である。なお、ネットワークI/F103は、ネットワークを利用するI/Fに限られず、ケーブル、無線又はコネクタ等によって外部装置と送受信するI/Fであってもよい。
【0032】
入力I/F104は、ユーザ等との入力インタフェースである。具体的には、入力I/F104は、ユーザ等が行う各種操作を入力する。例えば、入力I/F104は、キーボード等の入力装置及び入力装置を接続させるコネクタ等によって構成される。
【0033】
出力I/F105は、ユーザ等との出力インタフェースである。具体的には、出力I/F105は、各種処理の処理結果等をユーザ等に出力する。例えば、出力I/F105は、ディスプレイ等の出力装置及び出力装置を接続させるコネクタ等である。なお、出力I/F105は、処理結果等を示すデータを生成し、データを外部装置に出力してもよい。
【0034】
また、サーバSVは、各ハードウェア資源による処理等を補助する補助装置を更に有する構成でもよい。さらに、サーバSVは、各種処理及び制御を並列、冗長又は分散して処理するため、装置を内部又は外部に更に有してもよい。
【0035】
さらにまた、情報処理装置は、複数の情報処理装置であってもよい。さらに、情報処理装置は、サーバSVとは別に、複数の受信器からデータを受信する情報処理装置がある構成でもよい。つまり、ロッカー管理システムは、各送信器から、状態データ等のデータを収集する情報収集端末と、情報収集端末からデータを受信するサーバSVとを有し、複数の情報処理装置を含む構成でもよい。
【0036】
情報収集端末は、複数の受信器に、接続される。すなわち、情報収集端末は、ゲートウェイとなる装置である。そして、収集端末は、所定の間隔で、収集したそれぞれのデータを集計した結果等に基づいて、サーバSVにデータを送信する。このように、情報収集端末があると、ロッカー又は受信器を増減させることが簡易にできる。より望ましくは、収集端末は、LANポート以外の種類のポートを有するのが望ましい。このように、複数の種類のポートがあると、情報収集端末は、様々な種類のケーブルを接続させることができる。
【0037】
また、情報収集端末は、各受信器から、それぞれのデータを受信した後、各データを集計する処理等を行う場合が多い。そこで、所定の間隔は、それぞれのデータを集計する時間等を考慮した時間が設定されるのが望ましい。以下、情報処理装置がサーバSVのみで構成される例で説明する。
【0038】
≪ロッカー管理システムによる全体処理例 ≫
図5は、本発明の実施形態におけるロッカー管理システムによる全体処理の一例を示すシーケンス図である。なお、以下の説明では、各ロッカーに設置される検出器を単に「検出器SN」という。すなわち、検出器SNは、第1ロッカーLCK1乃至第19ロッカーLCK19のいずれかに設置される任意の検出器を指す。
【0039】
また、以下の説明では、各ロッカーに設置される送信器を単に「送信器TR」という。すなわち、送信器TRは、第1ロッカーLCK1乃至第19ロッカーLCK19のいずれかに設置される任意の送信器を指す。
【0040】
同様に、以下の説明では、グループごとに設置される第1受信器R1及び第2受信器R2等の受信器を単に「受信器RE」という。すなわち、受信器REは、グループごとに設置される受信器のうち、いずれかの任意の受信器を指す。
【0041】
≪ 状態データの生成例 ≫(ステップS101)
ステップS101では、検出器SNは、状態データを生成する。すなわち、検出器SNは、ロッカーLKの施錠又は解錠の状態を検出する。そして、検出器SNは、検出結果を示す状態データを検出器SNに接続される送信器TRに出力する。
【0042】
≪ 状態データの送信例 ≫(ステップS102)
ステップS102では、送信器TRは、状態データを受信器REに送信する。
【0043】
送信器TRが送信を行うタイミングは、例えば、あからじめ設定される時間(以下「所定時間」という。)ごとである。例えば、所定時間が「1分」と設定された場合には、検出器SNは、1分ごとに状態を検出し、かつ、送信器TRは、1分ごとに状態データを送信する。
【0044】
また、検出器SNは、状態が変化した場合等には、不定期に状態を検出する。具体的には、ユーザが鍵を用いてロッカーLKを開けたり、又は、閉めたりした場合には、状態が変化する。このように、状態が変化した場合には、検出器SNは、状態を検出し、かつ、送信器TRは、状態データを送信する。すなわち、状態が変化した場合には、所定時間で定まる時間でなくとも、検出器SNは、状態データを受信器REに送信する。
【0045】
なお、検出器SNが状態を検出した場合には、検出器SNが状態を検出した時間に基づいて、所定時間が計測されるのが望ましい。すなわち、ロッカーLKの開閉により状態が変化して検出器SNが状態を検出した場合には、所定時間をカウントするタイマ等が、リセットされるのが望ましい。つまり、例えば、検出器SNが状態を検出したタイミングをトリガ(trigger)に、「1分」の計測が再スタート(例えば、カウンタの値を「0」とし、所定時間の計測を再開する等である。)となるのが望ましい。
【0046】
このような構成であると、ロッカーLKの状態が変化するのをトリガに、状態データは、初期の設定とは異なるタイミングで送信される設定になる。例えば、複数の送信器TRが一致するタイミングで、それぞれの状態データを受信器REに送信すると、受信器REが、複数の状態データを受信できない場合等がある。そして、それぞれの所定時間が、いずれの送信器TRにも同じ値が設定されていると、受信器REが状態データを受信できない場合が周期的に繰り返されてしまう場合がある。すなわち、複数の受信が、いわゆるコンフリクト(conflict)する状態であって、所定時間が同じ設定であると、毎回コンフリクトする場合がある。しかし、各送信器に異なる所定時間を設定するのは、設定及び管理の作業負荷が発生する。
【0047】
一方で、ロッカーLKの開閉等は、不規則に行われるため、このようなロッカーLKの状態が変化したのをトリガに、各送信器TRが送信するタイミングを変化させると、それぞれのタイミングをずらすことができる。そのため、受信器REが状態データを受信できない場合等を少なくすることができる。
【0048】
なお、受信器REは、複数の状態データを受信できるように、バッファを有してもよい。つまり、受信器REは、複数の送信器からそれぞれのデータが送信されても、複数のデータを受信できる構成でもよい。
【0049】
また、状態データの送信は、信頼性を向上させるため、複数回行われてもよい。
【0050】
≪ 状態データの入力例 ≫(ステップS103)
ステップS103では、サーバSVは、状態データを受信器REから入力する。なお、受信器REは、状態データを送信器TRから受信するごとに、サーバSVに入力してもよいし、複数の状態データをまとめてサーバSVに入力してもよい。
【0051】
≪ 管理データの生成例 ≫(ステップS104)
ステップS104では、サーバSVは、管理データ等のロッカーLKについての情報を生成する。
【0052】
≪ 管理データ等に基づく出力例 ≫(ステップS105)
ステップS105では、サーバSVは、管理データ等に基づいて出力端末等に出力する。具体的には、サーバSVは、例えば、ステップS104で生成された管理データ等が示す空き状況等を出力端末によって表示する。
【0053】
≪ 各データの例 ≫
図6は、本発明の実施形態におけるロッカー管理システムが有する送信器が送信するデータの一例を示す表である。状態データがあると、例えば、図示するようなデータ(以下「状態一覧データDSN」という。)が生成できる。
【0054】
図示する例では、状態一覧データDSNは、「間口No.」と、「最終受信時刻」と、「状態」と示すデータである。
【0055】
「間口No.」は、各ロッカーを特定できる番号等を示すロッカー識別データの例である。例えば、「間口No.」は、各ロッカーのシリアル番号又は管理番号等である。したがって、「間口No.」が分かると、第1ロッカーLCK1乃至第19ロッカーLCK19のいずれかのロッカーを特定できる。
【0056】
「最終受信時刻」は、状態データを受信器REが受信した最新の時刻である。つまり、「最終受信時刻」は、「状態」がいつの状態データであるかを示す。なお、「最終受信時刻」は、送信器TRが送信するタイミングを受信時刻とみなして、送信器TRが入力してもよいし、受信器REが状態データを受信した時刻を入力してもよい。
【0057】
「状態」は、ロッカーが鍵によって施錠又は解錠されている状態を示す。すなわち、「状態」は、検出器SNによる検出結果を示す。そして、「状態」は、状態データに基づくデータである。図示する例では、「開」は、解錠の状態であることを示す。一方で、「閉」は、施錠の状態であることを示す。
【0058】
図7は、本発明の実施形態におけるロッカー管理システムが用いるロッカーマスターデータの一例を示す表である。サーバSVには、例えば、図示するようなロッカーマスターデータDLMがあらかじめ入力される。
【0059】
「ロッカーNo.」は、各ロッカーが所属するグループを示す識別データの例である。したがって、「ロッカーNo.」が分かると、ロッカーがどのグループに属するかが特定できる。
【0060】
「間口No.」は、各ロッカーを特定できる番号等を示すロッカー識別データの例である。なお、「間口No.」は、状態一覧データDSNにおける「間口No.」と対応する。したがって、「ロッカーNo.」と、「間口No.」とが分かると、各ロッカーがどのグループに属するかが特定できる。
【0061】
「間口サイズ」は、ロッカーの大きさを示すデータの例である。すなわち、「間口サイズ」は、各ロッカーが図1における「サイズ:小」、「サイズ:中」及び「サイズ:大」のいずれであるかを特定できるデータである。
【0062】
例えば、以上のような状態一覧データDSN及びロッカーマスターデータDLMがあると、サーバSVは、ステップS104において、以下のようにロッカーの空き状態等を判定し、管理データCLを生成することができる。
【0063】
図8は、本発明の実施形態におけるロッカー管理システムが生成する管理データの一例を示す表である。つまり、サーバSVは、ステップS103等により状態一覧データDSNを取得し、かつ、ロッカーマスターデータDLMがあると、これらのデータを利用して図示するような管理データCLを生成できる。
【0064】
「ロッカーNo.」及び「間口サイズ」は、ロッカーマスターデータDLMと同様のデータである。
【0065】
「空き数」は、状態が「開」、すなわち、使用可能な状態にあるロッカーの数を示すデータである。したがって、サーバSVは、ステップS104において、状態一覧データDSNにおける状態が「開」の数をロッカーマスターデータDLMを参照して「間口サイズ」ごとに集計することで、「空き数」を算出する。
【0066】
なお、図示する例では、サーバSVは、グループごとに、「空き数」を算出している。このように、空きロッカーの数は、サイズごと、又は、グループごと算出されるのが望ましい。ただし、算出の単位は、グループごとに限られず、複数のグループをまとめてもよいし、あらかじめ設定される単位ごと等に算出されてもよい。
【0067】
また、各データの形式は、図示する形式でなくともよい。すなわち、図示する以外の情報が各データに更に追加されてもよい。さらに、データは、値で入力され、受信後等に変換されてもよい。
【0068】
このように、サーバSVは、空きロッカーの数等のロッカーについての情報を管理データDCLとして生成する。なお、管理データDCLは、空きロッカーの数以外の情報を生成してもよい。つまり、管理データDCLは、ロッカーを管理する上で必要となる情報を含めばよい。例えば、管理データDCLには、長時間使用されているロッカー等を知らせる情報があってもよい。他にも、管理データDCLには、ロッカー又はグループが設置されている位置等を示す情報があってもよい。
【0069】
なお、管理データは、ディスプレイ等によって管理データCLを管理者等が見れる程度でもよい。一方で、出力端末が表示できるように、地図上に空きロッカーの位置をプロットしたり、空きロッカーの種類の数等を表示したり、又は、統計等によって生成された情報等が表示されたりしてもよい。
【0070】
≪ 送信器及び受信器の間の通信例 ≫
送信器及び受信器は、920 MHz帯の電波で状態データ等を送受信する。具体的には、状態データは、928 MHzの電波等で送信される。なお、送信器及び受信器は、例えば、915 MHz及び868 MHz等の電波を使用してもよい。
【0071】
ロッカーには、携帯電話又はスマートフォン等の携帯端末が収納される場合がある。このような携帯端末は、公衆回線又は無線LAN等を利用する場合があるため、5 GHz帯、2.4 GHz帯又は両方の帯域の電波を使用する場合が多い。したがって、送信器と受信器間の通信において、5 GHz帯又は2.4 GHz帯の電波を使用すると電波干渉が生じる問題がある。そこで、送信器と受信器間の通信には、920 MHz帯の電波を使用することで問題を解決する。
【0072】
なお、通信規格には、ISO/IEC 14543-3-10:2012で定まる通信規格を採用するのが望ましい。すなわち、ロッカー管理システムには、いわゆるエンオーシャン(登録商標)(EnOcean)と呼ばれる通信規格に準拠した通信を行う電子回路及び設定等が用いられるのが望ましい。このような通信規格を用いると、少ない消費電力で通信を行うことができる。
【0073】
例えば、ISO/IEC 14543-3-10:2012で定まる通信規格で通信を行う場合には、以下のような設定がされる。
【0074】
図9は、本発明の実施形態におけるロッカー管理システムにおける通信の一例を示す表である。例えば、設定表STのような仕様で通信が行われる。
【0075】
具体的には、「ネットワーク層」には、RFC(Request for Comments) 791、すなわち、IP(Internet Protocol)の通信プロトコル等を採用する。
【0076】
「トランスポート層」には、RFC 793、すなわち、TCP(Transmission Control Protocol)の通信プロトコル等を採用する。
【0077】
「セッション層以上」には、「EnOcean(登録商標) Protocol 3」といった通信プロトコル等を採用する。
【0078】
なお、通信プロトコルは、図示する以外の通信プロトコルが採用されてもよい。
【0079】
以上のような仕様であると、エンオーシャン(登録商標)に準拠した電文を送信器TR及び受信器RE間の通信等に用いることができる。
【0080】
920 MHz帯の電波による通信は、ISO/IEC 14543-3-10:2012で定まる通信規格以外の通信規格を採用して行われてもよい。例えば、他の920 MHz帯の代表的な通信規格としては、LoRaWAN(登録商標)、SIGFOX(登録商標)、Z-Wave(登録商標)又はWi-SUN(登録商標)等がある。これらの通信規格が採用されてもよい。また、920 MHz帯の電波による通信は、通信メーカ独自仕様で定まる通信規格を採用した通信でもよい。どの通信規格を採用するかは、例えば、送信器と受信器間の距離、台数、通信頻度、通信量、通信精度又はネットワーク構成(例えば、マルチホップ又はスター型等である。)等に応じて適宜、最適なものを選択して使用すれば良い。
【0081】
また、ISO/IEC 14543-3-10:2012で定まる通信規格用の電子回路等は、例えば、以下のように設置される。
【0082】
≪ センサ等の設置例 ≫
図10は、センサ等の設置例を示す断面図である。例えば、鍵KYによってロッカーを施錠及び解錠するための機構は、図示するようなキーユニット等である。そして、検出器SNは、例えば、図示するような位置等に設置される。
【0083】
検出器SNは、例えば、タッチセンサ等である。具体的には、検出器SNはフックHKの開閉状態を検出することでロッカーが鍵KYによって施錠されている状態か、又は、解錠されている状態のいずれであるかを検出できる。
【0084】
例えば、鍵KYをキーユニットに挿入し、鍵KYを回転させることにより、フックHKが移動する。このようにして、フックHKを移動させることにより、ユーザは、ロッカーの施錠及び開錠を行う。そして、鍵KYを回転させることにより、フックHKがタッチセンサ等に接触、又は、非接触の状態となることで、検出器SNは、施錠されている状態か、又は、開錠されている状態のいずれかの状態であることを検出することができる。
【0085】
なお、施錠及び解錠の状態は、図示するように、フックHKの開閉状態を対象とした検出以外の方法で検出されてもよい。すなわち、検出方法、検出器SNが設置される位置、数、種類又は検出対象等は、ロッカーの施錠及び解錠の状態が判定できればどのような構成でもよい。例えば、検出器SNは、図示する以外の位置に設置されてもよい。
【0086】
また、送信器TR等は、電池を電源とする構成であるのが望ましい。すなわち、送信器TR等は、コンセント等と電源ケーブルで接続し、商用電源を電源とする有線形式ではなく、電池を電源とする電池式であるのが望ましい。
【0087】
特に、ISO/IEC 14543-3-10:2012で定まる通信規格であると消費電力が小さいため、電池の交換回数が少なくて済む。そして、電池式であると、電源ケーブル等の配線が不要である。
【0088】
また、ISO/IEC 14543-3-10:2012で定まる通信規格であると、電子回路等が小型であるため、図示するように、検出器SN及び送信器TR等をキーユニット等に内蔵させることができる。そのため、ロッカー管理システムを構成する装置は、ロッカーの収納スペースに余分なスペースを持たなくてよい。つまり、ロッカーの改修前後で収納スペースは変わらない。また、入れ替え等の作業は、既設キーユニットに対して検出器SN及び送信器TR等をキーユニット内に取り付けることで対応可能である。このような装置は、ユーザ等が簡単に触れる位置に設置されると、いたずらされ、故障の原因となることもある。したがって、ロッカー管理システムに係る装置をキーユニット等に内蔵することによって、いたずら等の防止をすることができる。
【0089】
なお、対象となるロッカーは、図示するような機構でなくともよい。すなわち、ロッカーの機構は、図示するような形状及び構造でなくともよく、検出器でロッカーの施錠及び解錠の状態が判定できればよい。
【0090】
≪ ロッカー管理システムの機能構成例 ≫
図11は、本発明の実施形態におけるロッカー管理システムの機能構成の一例を示す機能ブロック図である。例えば、ロッカー管理システム1は、少なくとも送信器TRと、受信器REと、サーバSV等の情報処理装置とを有する。
【0091】
そして、この例では、送信器TRは、例えば、送信部FN1を含む機能構成である。
【0092】
また、受信器REは、例えば、受信部FN2と、出力部FN3とを含む機能構成である。
【0093】
さらに、サーバSVは、例えば、入力部FN4と、生成部FN5とを含む機能構成である。
【0094】
送信部FN1は、所定時間が経過する又は検出器SNによって状態が検出されるごとに、状態データDAを920 MHz帯の電波で受信器REに送信する送信手順を行う。例えば、送信部FN1は、送信器TRが有する電子回路及びアンテナ等によって実現される。
【0095】
受信部FN2は、送信器TRから状態データDAを受信する受信手順を行う。例えば、受信部FN2は、受信器REが有する電子回路及びアンテナ等によって実現される。
【0096】
出力部FN3は、状態データDAをサーバSVに出力する出力手順を行う。例えば、出力部FN3は、受信器REが有する電子回路及びアンテナ等によって実現される。
【0097】
入力部FN4は、受信器REから状態データDAを入力する入力手順を行う。例えば、入力部FN4は、ネットワークI/F103等によって実現される。
【0098】
生成部FN5は、状態データDAに基づいて、ロッカーについての情報を生成する生成手順を行う。例えば、生成部FN5は、CPU101等によって実現される。
【0099】
この例では、まず、検出器SNによって、ロッカーLKの施錠又は解錠についての状態が検出され、検出結果を示す状態データDAが生成される。次に、送信部FN1によって、状態データDAは、受信器REに送信される。また、送信部FN1は、920 MHz帯の電波で状態データDAを送信する。そのため、無線LAN等の他の通信で用いられる電波と干渉することが少なく、状態データDAを送信することができる。
【0100】
そして、受信部FN2、出力部FN3及び入力部FN4等によって、サーバSVに、状態データDAが収集される。そのため、サーバSVは、空きロッカーの数等といったロッカーLKについての情報を生成できる。例えば、グループごとに、空きロッカーの数が算出できると、ロッカー管理システム1は、「空き」の状態であるロッカーの設置場所等をユーザに表示することができる。
【0101】
ロッカーは、駅又は商業施設等の施設内に点在して設置される場合もある。そして、ロッカーは、利用率にばらつきが発生しやすい。このような状況では、ユーザは、使用したい空きロッカーを探すのが難しかったり、探すのに時間がかかったりする。そのため、ユーザの不満が高まってしまう場合がある。そこで、出力端末等により、表示モニタ又はインターネット上等で「空き」の状態であるロッカーの位置等を知らせると、ユーザの不満を解消できる。
【0102】
ロッカーが電子マネーによる決算が可能な、いわゆる電子式であると、このような空きの情報等を公開するのは、比較的容易である。一方で、いわゆる既設鍵式等のロッカーも使用されている場合がある。既設鍵式等のロッカーを電子式のロッカーに入れ替えるには、3日乃至7日程度の期間、利用を停止しなければならない場合が多い。しかし、例えば、無休の施設等では、利用率が高いため、このように、長期間、ロッカーを停止するのが難しい場合がある。
【0103】
また、電子式のロッカーは、コストが高い場合も多い。
【0104】
一方で、図10に示すように、送信器TR等は、後から取り付けることができる。送信器TR等を設置する工事は、既設鍵式のロッカーを電子式のロッカーに置き換える等の工事と比較して、簡単な工事で済む場合が多い。具体的には、図10に示すように、キーユニット等を部分的に工事する程度で済む。ゆえに、管理対象となっているロッカーを空き数等の情報を収集する電子化に対応させるため、ロッカーを閉鎖、改修又は機種変更をする期間を短くすることができる。すなわち、本発明に係るロッカー管理システム1では、ロッカーを変更する必要が少ない。また、コストを低くすることも可能である。
【0105】
≪ 第2実施形態 ≫
第2実施形態は、例えば、第1実施形態と同様の全体構成及びハードウェア構成の装置によって実現される。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と重複する構成には同一の符号を付して説明を省略する。第2実施形態では、情報処理装置が例えば、以下のような処理を行う点が異なる。
【0106】
図12は、第2実施形態に係るロッカー管理システムが有する情報処理装置による処理の一例を示すフローチャートである。
【0107】
≪ 時間の計測例 ≫(ステップS201)
ステップS201では、サーバSVは、時間を計測する。ステップS201で計測される時間は、例えば、前回、状態データが送信された時刻から経過した時間である。
【0108】
以下、第1実施形態と同様に、送信器は、所定時間ごとに、状態データを送信し、状態データは、受信器を介してサーバSVに遅滞なく定期的に送信されるとする例で説明する。この例では、サーバSVが状態データを入力する間隔は、送信器が状態データを送信する間隔と一致する。すなわち、サーバSVには、異常等がなければ、所定時間ごとに状態データが入力されるはずである。ゆえに、所定時間と、ステップS201によって計測される時間とを比較することでロッカー管理システムにおける異常を検出できる。例えば、サーバSVは、以下のステップS202及びステップS203等の処理によって、異常を検出する。
【0109】
≪ 所定時間を経過したか否かの判断例 ≫(ステップS202)
ステップS202では、サーバSVは、ステップS201で計測された時間が、所定時間を経過したか否かを判断する。
【0110】
所定時間を経過していないと判断すると(ステップS202でNO)、サーバSVは、ステップS201に進む。すなわち、サーバSVは、引き続き時間を計測する。一方で、所定時間を経過したと判断すると(ステップS202でYES)、サーバSVは、ステップS203に進む。
【0111】
≪ データを受信済みか否かの判断例 ≫(ステップS203)
ステップS203では、サーバSVは、ステップS201で計測が開始されてから新たに状態データを受信したか否かを判断する。すなわち、所定時間以内に、サーバSVは、状態データを新たに受信したか否かを判断する。
【0112】
データを受信したと判断すると(ステップS203でYES)、サーバSVは、処理を終了する。すなわち、無事に状態データが入力されている状態であるため、通信等に異常はない状態であり、正常にシステムが稼働していると判断できる。一方で、データを受信していないと判断すると(ステップS203でNO)、サーバSVは、ステップS204に進む。
【0113】
所定時間を経過しており(ステップS202でYES)、かつ、データが受信されていない(ステップS203でNO)場合には、異常等が起きている場合がある。このような場合には、例えば、サーバSVは、以下のようなステップS204を行う。
【0114】
≪ 故障又は電池切れの検出例 ≫(ステップS204)
ステップS204では、サーバSVは、故障又は電池切れを検出する。例えば、送信器が故障しているか否かを判断する場合には、サーバSVは、テスト信号を送信させる要求を行う等で、送信器が応答するか否かを判断する。そして、応答がないと判断される場合には、サーバSVは、送信器が故障している異常が発生していると判断する。
【0115】
また、サーバSVは、電池切れか否かを判断してもよい。まず、送信器は、状態データに電池の残量、いわゆる電池レベルを示すデータを含めて、状態データを送信する。このようにすると、サーバSVは、状態データに基づいて、送信器が有する電池の残量を把握できる。そして、サーバSVには、電池レベルを判定するための閾値があらかじめ設定されるとする。このような構成であると、サーバSVは、電池の残量と、閾値とを比較すると、送信器が電池切れであるか否かを検出できる。なお、残量は、最近のデータを用いるのが望ましい。また、残量等は、常に状態データに含まれなくともよく、要求がある場合、不定期又は状態よりも少ない頻度で送信される等でもよい。
【0116】
なお、電池レベルは、例えば、電池の電圧等から推定されてもよい。したがって、状態データには、電池の電圧を示す値等が含まれるでもよい。ほかにも、送信器が電池の残量等に基づいて電池で送信器が稼働できる時間(以下「使用可能時間」という。)を判定し、送信器は、使用可能時間を状態データに含めて送信してもよい。
【0117】
さらに、サーバSVは、周辺の送信器から送信される状態データ等に基づいて、故障又は電池切れを検出してもよい。例えば、サーバSVは、故障又は電池切れの判断対象となっている送信器と同じグループに属する他の送信器が送信する状態データ等に基づいて故障又は電池切れを検出してもよい。つまり、状態データを送信してこない送信器とは、異なる送信器からは状態データが送信されている場合には、受信器又は中継器等に異常があるのではなく、送信器が故障又は電池切れであると判断する。一方で、同一グループに属する他の送信器からも状態データが送信されていない場合には、受信器又は中継器等に、異常が発生していると判断する。このように、サーバSVは、それぞれの送信器の異常を検出する。例えば、検出結果は、管理データに入力される。このようにすると、管理データを見ると、異常が起きている送信器を把握することができる。
【0118】
なお、ステップS202における所定時間は、故障等を判断できる時間であればよい。すなわち、判断に用いられる時間は、ばらつき、ディレイ(delay)、受信器等がバッファする時間、余裕又はこれらの組み合わせ等が所定時間に加わってもよい。すなわち、所定時間は、たとえば、確実にデータが送信されているはずの時間等である。
【0119】
≪ AI(人工知能、Artificial Intelligence)等の適用例 ≫
状態データ及び管理データ等に基づいて、統計処理、学習処理又は推定処理等が行われてもよい。例えば、状態データ等に基づいて、使用されたロッカー及び時間等を累計する。つまり、管理データに基づいて、例えば、ロッカーが使用される時間及びよく使用されるロッカー等が特定又は推定されてもよい。
【0120】
また、ロッカー管理システムにおいて、状態データ及び管理データ等を学習データとして学習し、混雑が予想される時間又は曜日等を推定してもよい。このような推定がされると、ユーザは、ロッカーが混雑しているか否か等を把握できる。
【0121】
≪ 貸ロッカー等への適用例 ≫
なお、ロッカーは、いわゆる貸ロッカーであってもよい。
【0122】
ロッカーが貸ロッカーである場合には、キーユニットは、いわゆるケーシング(Casing、以下「ケーシングCAS」という。)等となる。例えば、ケーシングは、以下のような機構である。
【0123】
図13は、ケーシングの例を示す図である。例えば、図示するように、ケーシングCASは、コインを入れるための機構(以下「コイン投入部CI」という。)と、シリンダ錠とを有する機構である。例えば、ケーシングCASは、以下のようにロッカーLKに設けられる。
【0124】
なお、ケーシングCASは、図示するような機構に限られない。例えば、ケーシングCASは、コイン投入部CIに投入できるコインの種類又はコインの枚数等を設定できる機構等を更に有してもよい。ほかにも、ケーシングCASは、安全ピン装置等によって不完全な扉の閉まりである際に施錠を不可能にする機構又はマスターキーを変更できる機構等を更に有してもよい。
【0125】
図14は、貸ロッカーの例を示す図である。例えば、ロッカーLKにおいて、ケーシングCASは、図示するような位置に設置される。そして、ユーザは、コイン投入部CIにコインを投入し、かつ、鍵KYを回転させることで、ロッカーLKを使用することができる。
【0126】
例えば、このような例では、検出器SN及び送信器TR等が組み込まれたケーシングCASが用いられる。すなわち、検出器SN及び送信器TR等が組み込まれたケーシングCASに交換することで、短時間で電子式に対応させることができる。
【0127】
一方で、コインが不要の預け入れロッカーでは、キーユニットは、コイン投入部CI等がないシリンダ錠を設けている構成である。
【0128】
(他の実施形態)
なお、本発明の一実施形態に係る各処理の全部又は一部は、低水準言語、高水準言語又はこれらを組み合わせて記述されるコンピュータに、ロッカー管理方法を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。すなわち、プログラムは、情報処理装置等のコンピュータに、各処理の全部又は一部を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0129】
また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して頒布することができる。なお、記録媒体は、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD-ROM若しくはブルーレイディスク等の光ディスク、SD(登録商標)カード、補助記憶装置又はMO等でもよい。さらにまた、プログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
【0130】
また、本発明の一実施形態に係る各処理は、図示した手順に限られない。例えば、各処理の一部又は全部は、異なる順序、並行、分散又は省略されて処理されてもよい。
【0131】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。
【符号の説明】
【0132】
1 ロッカー管理システム
KY 鍵
SN 検出器
TR 送信器
RE 受信器
R1 第1受信器
R2 第2受信器
SV サーバ
DA 状態データ
LK ロッカー
DSN 状態一覧データ
DLM ロッカーマスターデータ
DCL 管理データ
FN1 送信部
FN2 受信部
FN3 出力部
FN4 入力部
FN5 生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14